JP6913650B2 - 細胞培養装置 - Google Patents
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Description
。前記いずれの細胞培養装置も、前記送気部と前記排気部と前記圧力調節部とを制御する制御部を有してもよい。さらに、前記培養容器に培養用培地を送液するための送液部と、温度制御部とをさらに備えてもよい。
図1及び図2は、細胞培養装置1の第1の実施形態の基本的な構成を示す図である。この細胞培養装置1においては、系全体の内部空間が生物学的に閉鎖されている。
細胞培養装置1には、細胞や組織を培養するための培養容器9を設ける。培養容器9の形状や素材は特に限定されず、当業者が通常使用するものを用いることができる。例えば、図1に示したように、硬質プラスティックからなる、密閉されたふた91と皿92であってもよい。あるいは図2で示したように、軟質プラスティックからなる、内側底面に培養面94を有した培養バッグ93であってもよい。培養容器9は、内部に液体培地11を保持できるが、その液量を調節することにより、液体培地11の上部に気相を設ける。
などの塩基成分を添加し、培養中に5〜10%程度にCO2の濃度を高めた空気と接触させることによって、培地のpHを緩衝し、細胞の呼吸によって放出される二酸化炭素によってpHの大幅な変化が生じないようにすることができる。培養容器9内の気相では、このCO2の濃度を常に一定にしておく必要があることから、この細胞培養装置には、培養容器9内の気相にある気体を交換するための送気管7及び排気管12が設けられている。
送気管7は、その第1の開口71が培養容器内の気相に開いており、気体が第1の開口71を通じて培養容器9内の気相に送り込まれる。その際、培養容器9のふた91を貫通していてもよい。
排気管12はフィルター13を介して、環境に開くようにする。その途中に、培養容器9内の圧力を調節するための圧力調節部として、閉鎖系内、特に培養容器9内の圧力を一定にする装置を設ける。圧力調節部が減圧装置を含む場合、たとえば、吸引装置14を接続してもよく、それによって、排気管12内の気体を効率よく環境に排出することができるようになる。吸引装置14は排気管12内の気体を吸引することができれば、その構造は限定されないが、例えば、直方向の流れに対しT字に接続された管側をベンチュリ効果によって減圧する機構を有する減圧器(エジェクタ)であってもよい。減圧器による減圧を調節するために、例えば、管によって減圧器に接続された加圧源15を設けてもよく、加圧源15と吸引装置14をつなぐ管に流量調節器16とを設けてもよい。その場合、流量調節器16を制御して、加圧源15で加圧された空気を排出することにより、排気管12を減圧することができる。そして、流量調節器16を用いて、加圧された空気の排出量を制御することにより、排気管12における吸引力を調節することができる。なお、このような構造の減圧器以外にも、吸引装置としてしごきポンプやダイヤフラム式ポンプ、シリンジポンプなどを用いることもできるが、内部には物理的な弁構造が無い吸引装置が好ましい。吸引する必要の無い場合には吸引装置14をオフにすることにより、故障時にも排気管に閉塞を生じさせず、異常な内圧上昇を招く危険性が無いためである。
ーを使用できる。
上述した気体交換装置を用い、以下のようにして培養容器9内の換気を行うことができる。
体は、送気管7を通じて培養容器9内の気相に入る。初めは、培養容器9内の気相は空気で満たされているが、時間経過と共に加湿された気体で置換される。
図3は、細胞培養装置100の全体構成の一例である。以下に、液体培地の供給または排出する送液制御手段を備えた細胞培養装置100を説明する。
細胞培養装置100には恒温槽63を設け、コントローラ65の制御により細胞培養に最適な培養温度で培養容器39を保持する。培地交換用の液体培地を低温に保持するための冷蔵庫64を設ける。恒温槽63と冷蔵庫64内に設置された、閉鎖された細胞培養系は、一体の流路として交換可能であり、培養作業ごとに流路全体を取り外して、新たな流路を設置して使用する。
この細胞培養装置を用いて、培養容器39に細胞懸濁液と液体培地を送液する方法を説明する。まず気圧調整弁44を開放し送液ポンプ36を作動させておき、細胞ボトル20の細胞懸濁液を培養容器39に送液するときには開閉弁24を開放して他の弁27、35、37、52、53を閉止し、培地ボトル33の液体培地を培養容器39に送液するときには培地開閉弁35だけを開放して他の弁24、27、52、53を閉止する。そして、気体バッグ29の気体を培養容器39に送気するときには気体導入弁27だけを開放して他の弁24、35、37、52、53を閉止する。このときいずれの場合も培養容器39内にあった元々の気体は送液ポンプ36の圧力によりフィルター45を介して、恒温槽63内部へ放出される。
培養容器39の気相を所定の気体で換気する方法を説明する。所定の気体に含まれる気体のボンベを気体混合機59に接続する。一例として、気体混合機59が100%CO2ボンベ60と、窒素ボンベ61とフィルター62に接続されているものとする。大気に開放されたフィルター62からは、フィルター62を介して清浄な空気を気体混合機59に供給することができる。例えば5%CO2を含んだ空気が必要なとき、フィルター62から供給される大気で100%CO2ボンベ60から供給されるCO2を希釈して目的の濃度構成を有する気体が生成できる。また低酸素の気体として5%CO2、1%O2の気体が必要なとき、窒素ボンベ61で100%CO2ボンベ60から供給されるCO2を希釈して目的の濃度構成を有する気体が生成できる。
加湿ボトル56内で泡末状となったCO2は、加湿ボトル56内の気相に滞留し、加湿管57から換気管51、第3開閉弁37を経由し、培養容器39に到達する。
気体バッグ29に所望の構成成分を有する気体を必要量充填するときは、第1開閉弁52と気体導入弁27を開放し、他の弁24、35、37、53を閉止した後、気体混合機59より調製された気体が流量調節器58の流量調節によって、換気管51、気体導入管28を通過して気体バッグ29に到達する。
培養容器39に保持されている液体を排出する方法を説明する。培養容器39に接続された排出管46は、排出制御弁47を介して排出ポンプ48に接続され、排液管49に繋がり、排液バッグ50に接続されている。第2開閉弁53と第3開閉弁37、排出制御弁47を開放し、他の弁24、27、35、44、52を閉止し、排出ポンプ48と流量調節器58が同時に作用すれば、培養容器39の底部に保持された液体が排液バッグ49に送液される。このとき培養容器39内より排出ポンプ48の吐出量に相当する液体と気体が減量し、流量調節器58の圧力により混合気体が培養容器39に流入するので、培養容器39内は常圧に保持される。
図4は、図3で示した細胞培養装置100を用い制御部であるコントローラ65で制御される細胞培養装置における細胞培養の全体的な操作のフローチャートを示している。
以上のように、本明細書で述べた細胞培養装置によれば、閉鎖された培養容器の内部圧力の上昇が抑制される。また、送気された培養容器での圧力の変化が回避され一定圧力で維持できる。その理由は、送気に伴いフィルターで生じる培養容器内の圧力上昇をフィルターの下流の吸引装置による強制排気により減圧され圧力調節されるからである。
、気体流量を約200cc/分に高めても、排気装置の制御によって内圧を前記の圧力範囲に制御することが可能である。
本実施例では、図3の構成を有する細胞培養装置100を用い、角膜上皮細胞を培養し、角膜上皮組織を作製した。
恒温槽63には恒温培養器(東洋製作所社、型番TVHA60WA12A)を使用し、庫内温度を37°Cで運用し、冷蔵部64には電子冷熱低温恒温器(東洋製作所社、型番THS030PA)を使用し、庫内温度を4°Cで運用した。
−1615NC−9)を使用した。本電磁弁に対応する供給管にはシリコンゴムチューブ(内径1/16インチ、外径1/8インチ サンゴバン社、型番3350)を使用した。各ポンプにはチューブポンプ(吐出/吸入圧力 +/−0.1MPa、 ウェルコ社、型番DSW2−S1AA−WP)としごき用チューブとしてシリコンゴムチューブ(内径1/16インチ、外径1/8インチ サンゴバン社、型番3355L)を組み合わせて使用した。本品はローラー部が本体のモータ部から着脱可能であるので、シリコンゴムチューブ(13cm長)をローラー部に巻きつけた状態で滅菌操作が可能である。本ポンプの流量は、DC12V入力において、実測結果より0.15mL/秒であった。
kPa)を使用した。
02)と、気体交換部にはケラミフィルター(フィルターサイズ15×15mm、アズワン社、型番2−554−10)を組み合わせて使用した。
以上の構成部品を安全キャビネット内で無菌的に組み立て流路を作成した。次いで、流路を滅菌バックに入れて封止した後、ガンマ線滅菌処理業者に依頼して15kGryの放射線滅菌処理を行った。
角膜上皮細胞はフナコシ社より購入したウサギ眼球の角膜輪部から常法に従って角膜上皮細胞を採取し、4×104/cm2となるように培地で懸濁して、細胞ボトル20に保持した。培地には、5%FBSを含むKCM培地を使用した。交換用培地はおなじくKCM培地500mLを培地ボトル33に保持し、冷蔵庫64に設置した。
図4に記載したフローチャートに従い、細胞培養を行った。
培養16日目に培地交換した後、培養容器を取り出した。安全キャビネット内に細胞培養容器を置き、室温(約25°C)で30分静置した。細胞の接着した容器を取り出し、その後、定法に従ってトリプシン処理を行い培養の表面より細胞を回収した。
本参考例では、図1の構成を有する従来型の細胞培養装置1を用い、流量調節器4によって、10kPaの圧力で上流から気体の送気量を変化したときの培養容器9内における圧力を測定した。
本参考例では、実施例の対照実験を行った。
本実施例の細胞培養装置で作製した角膜上皮細胞は、シート状細胞となって一定の厚みを有しており、安定した剥離回収が可能であった。培養過程の顕微鏡画像の比較においても、細胞の状態に異常はなかった。一方、対照実験により実施して回収された培養細胞とも外見は同等であった。細胞数は、播種した細胞数の約50倍に増殖し、対照実験より増殖率が高い傾向にあった。
湿ボトル、7…送気管、8…送気弁、9…培養容器、11…液体培地、12…排気管、13…フィルター、14…吸引装置、15…加圧源、16…流量調節器、20…細胞ボトル、21…気圧調整管、22…フィルター、23…供給管、24…開閉弁、25…分岐点、26…換気分岐点、27…気体導入弁、28…気体導入管、29…気体バッグ、30…フィルター、31…気圧調整管、32…逆止弁、33…培地ボトル、34…供給管、35…供給弁、36…送液ポンプ、37…第3開閉弁、38…送液管、39…培養容器、40…送液ポート、41…気圧調整ポート、42…排出ポート、43…気圧調整管、44…気圧調整弁、45…フィルター、46…排出管、47…排出制御弁、48…排出ポンプ、49…排液管、50…排液バッグ、51…換気管、52…第1開閉弁、53…第2開閉弁、54…フィルター、55…加湿管、56…加湿ボトル、57…加湿管、58…流量調節器、59…気体混合機、60…100%CO2ボンベ、61…窒素ボンベ、62…フィルター、63…恒温槽、64…冷蔵庫、65…コントローラ、68…第2フィルター、69…圧力センサー、71…第1の開口、72…第2の開口、73…開口、91…ふた、92…培養皿、93…培養バッグ、94…培養面、100…細胞培養装置
Claims (6)
- 閉鎖系で細胞培養を自動化するための自動細胞培養装置であって、
細胞を培養するための培養容器と、
前記培養容器内に気体を送気するための送気部と、
前記培養容器内の気体を排気するための排気部と、
前記培養容器内の圧力を減圧するための減圧装置と、
前記培養容器内に液体を送液するための送液部と、
を備え、
前記排気部は、フィルターを介して環境に開く排気管を有し、
前記減圧装置は、前記フィルターに対して前記排気の下流側に設けられた、自動細胞培養装置。 - 前記減圧装置は、前記培養容器内の気体を吸引するための吸引装置である、請求項1に記載の自動細胞培養装置。
- 前記培養容器内の内圧を測定するための圧力センサーを、さらに備える、
請求項1または2に記載の自動細胞培養装置。 - 前記内圧が(大気圧)以上(大気圧+0.1kPa)以下になるように調節される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の自動細胞培養装置。
- 前記送気部と前記排気部と前記減圧装置とを制御する制御部を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の自動細胞培養装置。
- 前記培養容器に、温度制御部をさらに備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載の自動細胞培養装置。
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