<定義>
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、反対に特定されない限り、以下の用語は、次に示される意味を持つ。
「アミノ」は−NH2ラジカルを指す。
「シアノ」は−CNラジカルを指す。
「ホルミル」は−C(O)Hラジカルを指す。
「ヒドロキシ」は−OHラジカルを指す。
「ニトロ」は−NO2ラジカルを指す。
「オキソ」は=O置換基を指す。
「チオキソ」は=S置換基を指す。
「トリフルオロメチル」は−CF3ラジカルを指す。
「アルキル」は、飽和が無く、1〜12の炭素原子、好ましくは1〜8の炭素原子、より好ましくは1〜6の炭素原子を有し、且つ単結合によって分子の残部に結合される、炭素及び水素の原子から単に構成される、直鎖又は分枝鎖の炭化水素鎖ラジカルを指し、例えばメチル、エチル、n−プロピル、1−メチルエチル(イソ−プロピル)、n−ブチル、n−ペンチル、1,1−ジメチルエチル(t−ブチル)、3−メチルヘキシル、2−メチルヘキシルなどである。本明細書において具体的に明言されているとき、アルキル基は、以下の基のうち1つによって随意に置換され得る:アルキル、アルケニル、ハロ、ハロアルケニル、シアノ、ニトロ、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、オキソ、トリメチルシラニル、−OR22、−OC(O)−R20、−N(R20)2、−C(O)R20、−C(O)OR20、−C(O)N(R20)2、−N(R20)C(O)OR22、−N(R20)C(O)R22、−N(R20)S(O)pR22(tは1〜2である)、−S(O)pOR22(pは1〜2である)、−S(O)tR22(pは0〜2である)、及び−S(O)pN(R20)2(pは1〜2である)、ここで、R20はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルであり;及びR22はそれぞれ、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルである。
「アルキレン」又は「アルキレン鎖」は、炭素及び水素のみから成り、飽和が無く、1〜12の炭素原子を有する、分子の残部をラジカル基に連結させる、又は分子の2つの部分を連結させる、直鎖又は分子鎖のニ価炭化水素鎖を指し、例えばメチレン、エチレン、プロピレン、n−ブチレンなどである。アルキレン鎖は、アルキレン鎖中の炭素が酸素、窒素、又は硫黄から選択されたヘテロ原子と置き換えられる1つ以上のヘテロ原子を随意に含み得る。アルキレン鎖は、単結合を介して分子の残部に、及び単結合を介してラジカル基に結合されるか、又は、結合の各点での単結合を介して分子の2つの部分に結合される。本明細書において具体的に明言されているとき、アルキレン鎖は、以下の基のうち1つによって随意に置換され得る:アルキル、アルケニル、ハロ、ハロアルケニル、シアノ、ニトロ、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、オキソ、トリメチルシラニル、−OR22、−OC(O)−R20、−N(R20)2、−C(O)R20、−C(O)OR20、−C(O)N(R20)2、−N(R20)C(O)OR22、−N(R20)C(O)R22、−N(R20)S(O)pR22(tは1〜2である)、−S(O)pOR22(pは1〜2である)、−S(O)tR22(pは0〜2である)、及び−S(O)pN(R20)2(pは1〜2である)、ここで、R20はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルであり;及びR22はそれぞれ、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルである。
「アリール」は、水素、6〜18の炭素原子、及び少なくとも1つの芳香環を含む、炭化水素環系のラジカルを指す。本発明の目的のために、アリールラジカルは、縮合又は架橋した環系を含み得る、単環式、二環式、三環式、又は四環式の環系であり得る。アリールラジカルは、限定されないが、アセアントリレン、アセナフチレン、アセフェナントリレン、アントラセン、アズレン、ベンゼン、クリセン、フルオランテン、フルオレン、as−インダセン、s−インダセン、インダン、インデン、ナフタレン、フェナレン、フェナントレン、プレイアデン、ピレン、及びトリフェニレンに由来するアリールラジカルを含む。本明細書において具体的に明言されているとき、アリールラジカルは、以下から成る群から独立して選択される1以上の置換基によって随意に置換され得る:アルキル、アルケニル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルケニル、シアノ、ニトロ、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、−R21−OR20、−R21−OC(O)−R20、−R21−N(R20)2、−R21−C(O)R20、−R21−C(O)OR20、−R21−C(O)N(R20)2、−R21−N(R20)C(O)OR22、−R21−N(R20)C(O)R22、−R21−N(R20)S(O)pR22(pは1〜2である)、−R21−N=C(OR20)R20、−R21−S(O)pOR22(pは1〜2である)、−R21−S(O)pOR22(pは1〜2である)、−R21−S(O)tR22(tは0〜2である)、及び−R21−S(O)pN(R20)2(pは1〜2である)、ここで、R20はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルであり;R21はそれぞれ独立して、直接結合、或いは直鎖又は分枝鎖のアルキレン鎖であり;及びR22はそれぞれ、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルである。
「アラルキル」は式−Rb−Rcのラジカルを指し、ここでRbは上記に定義されるようなアルキレン鎖であり、Rcは、例えばベンジルやジフェニルメチルなどの、上記に定義されるような1以上のアリールラジカルである。本明細書で具体的に明記されているとき、アラルキルラジカルのアルキレン鎖部分は、随意に置換したアルキレン鎖について上述されるように随意に置換され得る。本明細書で具体的に明記されているとき、アラルキルラジカルのアリール部分は、随意に置換したアリール基について上述されるように随意に置換され得る。
「シクロアルキル」は、炭素原子及び水素原子のみからなる非芳香族の単環式又は多環式の炭化水素ラジカルを指し、これは、縮合又は架橋された環系を含み得、3〜15の炭素原子、好ましくは3〜10の炭素原子を有しており、且つ、飽和又は不飽和であり、単結合によって分子の残部に結合されるものである。単環式ラジカルは、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、及びシクロオクチルを含む。多環式ラジカルは、例えば、アダマンチル、ノルボルニル、デカリニルなどを含む。本明細書において具体的に明言されているとき、アリールラジカルは、以下から成る群から独立して選択される1以上の置換基によって随意に置換され得る:アルキル、アルケニル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルケニル、シアノ、ニトロ、オキソ、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、−R21−OR20、−R21−OC(O)−R20、−R21−N(R20)2、−R21−C(O)R20、−R21−C(O)OR20、−R21−C(O)N(R20)2、−R21−N(R20)C(O)OR22、−R21−N(R20)C(O)R22、−R21−N(R20)S(O)pR22(pは1〜2)である、−R21−N=C(OR20)R20、−R21−S(O)pOR22(pは1〜2である)、−R21−S(O)tR22(tは0〜2である)、及び−R21−S(O)pN(R20)2(pは1〜2である)、ここで、R20はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルであり;R21はそれぞれ独立して、直接結合、或いは直鎖又は分枝鎖のアルキレン鎖であり;及びR22はそれぞれ、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルである。
「シクロアルキルアルキル」は、式−RbRgのラジカルを指し、ここで、Rbは上記に定義されるようなアルキレン鎖であり、Rgは上記に定義されるようなシクロアルキルラジカルである。本明細書で具体的に明記されているとき、アルキレン鎖及び/又はシクロアルキルラジカルは、随意に置換したアルキレン鎖及び随意に置換したシクロアルキルについて上述されるように随意に置換され得る。
「ハロ」は、ブロモ、クロロ、フルオロ、又はヨードを指す。
「ハロアルキル」は、上記に定義されるような1以上のハロラジカル、例えばトリフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリクロロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、1−フルオロメチル−2−フルオロエチル、3−ブロモ−2−フルオロプロピル、1−ブロモメチル−2−ブロモエチルなどによって置換される、上記に定義されるようなアルキルラジカルを指す。ハロアルキルラジカルのアルキル部分は、アルキル基について上記に定義されるように、随意に置換され得る。
「ヘテロシクリル」は、2〜12の炭素原子と、窒素、酸素、及び硫黄から成る群から選択される1〜6のヘテロ原子とで構成される、安定した3〜18員の非芳香環ラジカルを指す。本明細書において具体的に別段の定めの無い限り、ヘテロシクリルラジカルは、縮合又は架橋した環系を含み得る、単環式、二環式、三環式、又は四環式の環系でもよく;ヘテロシクリルラジカル中の窒素、炭素、又は硫黄の原子は、随意に酸化されてもよく;窒素原子は随意に四級化されてもよく;及び、ヘテロシクリルラジカルは、部分的又は完全に飽和されてもよい。そのようなヘテロシクリルラジカルの例は、限定されないが、ジオキソラニル、ジオキシニル、チエニル[1,3]ジチアニル、デカヒドロイソキノリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリジニル、イソキサゾリジニル、モルホリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリジニル、オキサゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4−ピペリジニル(piperidonyl)、ピロリジニル、ピラゾリジニル、キヌクリジニル、チアゾリジニル、1,2,4−チアジアゾール−5(4H)−イリデン、テトラヒドロフリル、トリオキサニル、トリチアニル、トリアジナニル、テトラヒドロピラニル、チオモルホリニル、チアモルホリニル、1−オキソ−チオモルホリニル、及び1,1−ジオキソ−チオモルホリニルを含む。本明細書において具体的に明言されているとき、ヘテロシクリル基は、以下から成る群から選択される1以上の置換基によって随意に置換され得る:アルキル、アルケニル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルケニル、シアノ、オキソ、チオキソ、ニトロ、アリール、アラルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、−R21−OR20、−R21−OC(O)−R20、−R21−N(R20)2、−R21−C(O)R20、−R21−C(O)OR20、−R21−C(O)N(R20)2、−R21−N(R20)C(O)OR22、−R21−N(R20)C(O)R22、−R21−N(R20)S(O)pR22(pは1〜2である)、−R21−N=C(OR20)R20、−R21−S(O)pOR22(pは1〜2である)、−R21−S(O)pOR22(pは1〜2である)、−R21−S(O)tR22(tは0〜2である)、及び−R21−S(O)pN(R20)2(pは1〜2である)、ここで、R20はそれぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルであり;R21はそれぞれ独立して、直接結合、或いは直鎖又は分枝鎖のアルキレン鎖であり;及びR22はそれぞれ、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルである。
「N−ヘテロシクリル」は、少なくとも1つの窒素を含む、上記に定義されるようなヘテロシクリルラジカルを指す。分子の残部へのN−ヘテロシクリルの結合点は、N−ヘテロシクリルにおいて窒素原子又は炭素原子を介する場合がある。本明細書で具体的に明記されているとき、N−ヘテロシクリルラジカルは、随意に置換したヘテロシクリルラジカルについて上述されるように随意に置換され得る。
「ヘテロシクリルアルキル」は式−RbRhのラジカルを指し、ここで、Rbは上記に定義されるようなアルキレン鎖であり、Rhは上記に定義されるようなヘテロシクリルラジカルであり、及び、ヘテロシクリルが窒素含有ヘテロシクリルである場合、ヘテロシクリルは窒素原子にてアルキルラジカルに結合され得る。本明細書で具体的に明記されているとき、ヘテロシクリルアルキルラジカルのアルキレン鎖は、随意に置換したアルキレン鎖について上記に定義されるように随意に置換され得る。本明細書で具体的に明記されているとき、ヘテロシクリルアルキルラジカルのヘテロシクリル部分は、随意に置換したヘテロシクリル基について上記に定義されるように随意に置換され得る。
「ヘテロアリール」は、水素原子と、1〜13の炭素原子と、窒素、酸素、及び硫黄から成る群から選択される1〜6のヘテロ原子と、少なくとも1つの芳香環とを含む、5〜14員の環系のラジカルを指す。本発明の目的のために、ヘテロアリールラジカルは、縮合又は架橋した環系を含み得る、単環式、二環式、三環式、又は四環式の環系でもよく;ヘテロアリールラジカル中の窒素、炭素、又は硫黄の原子は、随意に酸化されてもよく;窒素原子は随意に四級化されてもよい。例は、限定されないが、アゼピニル、アクリジニル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、ベンズインドリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾ[b][1,4]ジオキセピニル、1,4−ベンゾジオキサニル、ベンゾナフトフラニル、ベンズオキサゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキシニル、ベンゾピラニル、ベンゾピラノニル、ベンゾフラニル、ベンゾフラノニル、ベンゾチエニル(ベンゾチオフェニル)、ベンゾトリアゾリル、ベンゾ[4,6]イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、ベンズオキサゾリノニル、ベンズイミダゾールチオニル(benzimidazolthionyl)、カルバゾリル、シンノリニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、フラニル、フラノニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、インダゾリル、インドリル、インダゾリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、イソキノリル、インドリジニル、イソキサゾリル、ナフチリジニル、オキサジアゾリル、2−オキソアゼピニル、オキサゾリル、オキシラニル、1−オキシドピリジニル、1−オキシドピリミジニル、1−オキシドピラジニル、1−オキシドピリダジニル、1−フェニル−1H−ピロリル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フタラジニル、プテリジニル、プテリジノニル、プリニル、ピロリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピリジノニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリミジノニル、ピリダジニル、ピロリル、ピリド[2,3−d]ピリミジノニル、キナゾリニル、キナゾリノニル、キノキサリニル、キノキサリノニル、キノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、チアゾリル、チアジアゾリル、チエノ[3,2−d]ピリミジン−4−オニル、チエノ[2,3−d]ピリミジン−4−オニル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニル、及びチオフェニル(即ちチエニル)を含む。本明細書において具体的に明言されているとき、ヘテロアリール基は、以下から成る群から選択される1以上の置換基によって随意に置換され得る:アルキル、アルケニル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルケニル、シアノ、オキソ、チオキソ、ニトロ、チオキソ、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、−R21−OR20、−R21−OC(O)−R20、−R21−N(R20)2、−R21−C(O)R20、−R21−C(O)OR20、−R21−C(O)N(R20)2、−R21−N(R20)C(O)OR22、−R21−N(R20)C(O)R22、−R21−N(R20)S(O)pR22(pは1〜2)である、−R21−N=C(OR20)R20、−R21−S(O)pOR22(pは1〜2である)、−R21−S(O)tR22(tは0〜2である)、及び−R21−S(O)pN(R20)2(pは1〜2である)、ここで、R20はそれぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルであり;R21はそれぞれ独立して、直接結合、或いは直鎖又は分枝鎖のアルキレン鎖であり;及びR22はそれぞれ、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルである。
「N−ヘテロアリール」は、少なくとも1つの窒素を含む、上記に定義されるようなヘテロアリールラジカルを指す。分子の残部へのN−ヘテロアリールの結合点は、N−ヘテロアリールにおいて窒素原子又は炭素原子を介する場合がある。本明細書で具体的に明記されているとき、N−ヘテロアリールラジカルは、随意に置換したヘテロアリールラジカルについて上述されるように随意に置換され得る。
「ヘテロアリールアルキル」は、式−RbRiのラジカルを指し、ここで、Rbは上記に定義されるようなアルキレン鎖であり、Riは上記に定義されるようなヘテロアリールラジカルである。本明細書で具体的に明記されているとき、ヘテロアリールアルキルラジカルのヘテロアリール部分は、随意に置換したヘテロアリール基について上記に定義されるように随意に置換され得る。本明細書で具体的に明記されているとき、ヘテロアリールアルキルラジカルのアルキレン鎖部分は、随意に置換したアルキレン鎖について上記に定義されるように随意に置換され得る。
「プロドラッグ」は、生理学的条件下で、又はソルボリシスによって、本明細書に記載される生物学的に活性な化合物へと変換され得る化合物を示すことを意味する。故に、用語「プロドラッグ」は、薬学的に許容可能である本明細書に記載される化合物の代謝前駆体を指す。プロドラッグは、被験体に投与される時は不活性な場合もあるが、本発明の活性化合物へとインビボで変換される。プロドラッグは典型的に、例えば血液中の加水分解によって、本明細書に記載される親化合物を産出するために、インビボで急速に変換される。プロドラッグ化合物は頻繁に、哺乳動物における可溶性、組織適合性、又は遅延放出の利点をもたらす(Bundgard, H., Design of Prodrugs (1985), pp. 7 9, 21 24 (Elsevier, Amsterdam)を参照)。プロドラッグの議論は、Higuchi, T., et al., “Pro drugs as Novel Delivery Systems,” A.C.S. Symposium Series, Vol. 14、及びBioreversible Carriers in Drug Design, Ed. Edward B. Roche, American Pharmaceutical Association and Pergamon Press, 1987において提供され、これらは共に本明細書中で引用により完全に組み込まれる。
用語「プロドラッグ」はまた、そのようなプロドラッグが哺乳動物被験体に投与される時、インビボで本発明の活性化合物を放出する、共有結合された担体を含むことも意味する。幾つかの実施形態において、本明細書に記載される化合物のプロドラッグは、慣例的な操作又はインビボの何れかで、修飾物が本明細書に記載される親化合物へと切断されるような方法で、化合物に存在する官能基を修飾することによって調製される。プロドラッグは本明細書に記載される化合物を含み、ここで、ヒドロキシ、アミノ、又はメルカプトの基は、本明細書に記載される化合物のプロドラッグが哺乳動物被験体に投与される時に、遊離ヒドロキシ、遊離アミノ、又は遊離メルカプトの基それぞれを形成するように切断する、任意の基に結合される。プロドラッグの例は、限定されないが、本明細書に記載される化合物におけるアミン官能基のアルコール又はアミドの誘導体の酢酸塩、ギ酸塩、及び安息香酸塩の誘導体などを含む。
本明細書に開示される発明はまた、1つ以上の原子を異なる原子質量又は質量数を持つ原子と置き換えることによって同位体的に標識されている式(I)の薬学的に許容可能な化合物を全て包含するよう意図されている。開示される化合物に組み込まれ得る同位体の例は、水素、炭素、窒素、酸素、硫酸、フッ素、塩素、及びヨウ素の同位体を含み、それぞれ、2H、3H、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、31P、32P、35S、18F、36Cl、123I、及び125Iなどである。これらの放射標識された化合物は、例えばRSK上の作用の部位又は様式、或いはRSK上の作用の薬理学的に重要な部位への結合親和性を特徴化することにより、化合物の有効性の判定又は測定を支援するのに有用であり得る。特定の同位体的に標識された式(I)の化合物、例えば、放射性同位体を組み込むものは、薬物及び/又は基質組織分布の研究に有用である。放射性同位体トリチウム、即ち3H、及び炭素−14、即ち14Cは、組み込みの容易さ及び検出の迅速な方法(ready means)を考慮して、この目的に特に有用である。
重水素、即ち2Hなどの、より重い同位体による置換は、より大きな代謝安定性から結果として生じる特定の治療上の利点、例えば、インビボの半減期の増加又は必要用量の減少をもたらす場合があり、従ってこの置換は、幾つかの状況に好ましい場合がある。
11C、18F、15O、及び13Nなどの同位体を放出する陽電子での置換は、基質受容体の占有率を検査するための陽電子放射トポグラフィー(PET)研究に有用であり得る。同位体的に標識された式(I)の化合物は通常、当業者に既知の従来技術によって、又は、以前に利用された標識されていない試薬の代わりに適切な同位体的に標識された試薬を使用する、以下に記載されるような実施例及び調製に記載されるものと同様のプロセスによって、調製され得る。
本明細書に開示される発明はまた、開示された化合物のインビボの代謝産物を包含するよう意図されている。そのような産物は、主に酵素プロセスが原因で、投与された化合物の例えば酸化、還元、加水分解、アミド化、エステル化などから結果として生じ得る。従って、本発明は、その代謝産物を産出するのに十分な期間にわたり、本発明の化合物を哺乳動物に接触させる工程を含むプロセスによって産生された化合物を含む。そのような産物は典型的に、ラット、マウス、モルモット、サル、又はヒトなどの動物に検知可能な用量で本明細書に記載される放射標識された化合物を投与し、代謝が生じるために十分な時間を可能にし、及び尿、血液、又は他の生体サンプルからその変換産物を単離することによって同定される。
「安定した化合物」及び「安定した構造」は、反応混合物からの有用な程度の純度までの単離、及び、有効な治療薬への製剤に耐えるほど十分に強健な化合物を示すよう意図される。
「哺乳動物」は、ヒト、並びに、実験動物及び家庭用ペットなどの家庭動物(例えばネコ、イヌ、ブタ、畜牛、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ウサギ)及び野生動物などの非家庭動物の両方を含む。
「随意の」又は「随意に」は、後に記載される事象又は状況が生じる又は生じない場合があることを意味するとともに、この記載が、前記事象又は状況が生じる場合の例と、これらが生じない場合の例とを含むことを意味する。例えば、「随意に置換したアリール」は、アリールラジカルが置換される又は置換されない場合があることを意味するとともに、この記載が、置換されたアリールラジカル及び置換を持たないアリールラジカル(未置換)の両方を含むことを意味する。官能基が「随意に置換した」と記載され、次に官能基上での置換が「随意に置換される」などのときに、本発明のために、このような反復は5回に制限され、好ましくは2回に制限される。
「薬学的に許容可能な担体、希釈剤、又は賦形剤」は、限定されないが、ヒト又は家庭動物における使用に許容可能なものとしてアメリカ食料医薬品局により承認されている、アジュバント、担体、賦形剤、流動促進剤、甘味料、希釈剤、防腐剤、色素/着色剤、調味料、界面活性剤、湿潤剤、分散剤、懸濁化剤、安定剤、等張剤、溶媒、又は乳化剤を含む。
「薬学的に許容可能な塩」は、酸付加塩及び塩基付加塩の両方を含む。
「薬学的に許容可能な酸付加塩」は、遊離塩基の生物学的効果及び特性を保持する塩を指し、これは、生物学的に又はその他に望ましくないものではなく、且つ、限定されないが、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、及び有機酸、例えば限定されないが、酢酸、2,2−ジクロロ酢酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4−アセトアミド安息香酸、カンフル酸、カンフル−10−スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、炭酸、桂皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン−1,2−二スルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタミン酸、グルタル酸、2−オキソ−グルタル酸、グリセロリン酸、グリコール酸、馬尿酸、イソ酪酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムチン酸、ナフタレン−1,5−二スルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ニコチン酸、オレイン酸、オロト酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、プロピオン酸、ピログルタミン酸、ピルビン酸、サリチル酸、4−アミノサリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、酒石酸、チオシアン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、ウンデシレン酸などにより形成される。
「薬学的に許容可能な塩基付加塩」は、遊離酸の生物学的効果及び特性を保持する塩を指し、これは生物学的に又は他に望ましいものではない。これらの塩は、無機塩基又は有機塩基を遊離酸に添加することにより調製される。無機塩基に由来する塩は、限定されないが、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウムの塩などを含む。好ましい無機塩類は、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、及びマグネシウムの塩である。有機塩基由来の塩は、限定されないが、第一級、第二級、及び第三級アミン、自然に生じる置換アミンを含む置換アミン、環状アミン及び塩基イオン交換樹脂、例えば、アンモニア、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、デアノール、2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、ジシクロヘキシルアミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、ベネサミン(benethamine)、ベンザチン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、N−エチルピペリジン、ポリアミン樹脂などの塩を含む。特に好ましい有機塩基は、イソプロピルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、コリン、及びカフェインである。
頻繁に結晶化は、本明細書に記載される化合物の溶媒和物を産生する。本明細書で使用されるように、用語「溶媒和物」は、溶媒の1つ以上の分子と共に本明細書に記載される化合物の1以上の分子を含む集合体を指す。幾つか実施形態において、溶媒は水であり、その場合に溶媒和物は水和物である。代替的に、幾つかの実施形態において、溶媒は有機溶媒である。故に、本発明の化合物は、対応する溶媒和された形態の他に、一水和物、二水和物、半水和物、セスキ水和物、三水和物、四水和物などを含む水和物として存在し得る。幾つかの実施形態において、本明細書に記載される化合物は真の溶媒和物であり、一方で他の場合に、本明細書に記載される化合物は単に不定の(adventitious)水を保持するか、又は水と幾つかの不定の溶媒との混合物であり得る。
「医薬組成物」は、哺乳動物、例えばヒトへの生物学的に活性な化合物の送達のために、本明細書に記載される化合物、及び当該技術分野で一般的に容認された媒体の製剤を指す。そのような媒体は、それについて薬学的に許容可能な担体、希釈剤、又は賦形剤を全て含む。
「治療上有効な量」は、化合物のその量を指す、本明細書に記載されている、哺乳動物、好ましくはヒトに投与された時に、哺乳動物、好ましくはヒトにおけるRSK媒介性の疾患又は疾病の以下に定義されるような処置を達成するのに十分である、本明細書に記載される化合物の量を指す。「治療上有効な量」を構成する、本明細書に記載される量の化合物は、化合物、疾病及びその重症度、投与の様式、及び処置される哺乳動物の年齢によって変動するが、自己の知識及び本開示を考慮して当業者によって慣例的に決定され得る。
「処置する」又は「処置」は、本明細書で使用されるように、対象の疾患又は疾病を患う哺乳動物、好ましくはヒトにおける対象の疾患又は疾病の処置を包含し、以下を含む:
(a)特に哺乳動物が疾病に罹患しているが疾患を患うとは診断されていない時に、疾患又は疾病がそのような哺乳動物に生じるのを防ぐこと;
(b)疾患又は疾病を阻害すること、即ちそれらの進行を阻止すること;
(c)疾患又は疾病を軽減(又は緩和)すること、即ち疾患又は疾病の退行を引き起こすこと;又は
(d)疾患又は疾病から結果として生じる症状を軽減(又は緩和)すること、例えば基礎の疾患又は疾病に対処することなく癌の症状を軽減すること。
本明細書で使用されるように、用語「疾患」及び「疾病」は互換的に使用されるか、又は、特定の疾患(malady)又は疾病が既知の原因物質を持たない(それにより病因がまだ解明されていない)という点で異なる場合もあり、それ故、疾患ではなく望ましくない状態又は症候群としてしか認識されず、ここで、多かれ少なかれ特定のセットの症状は臨床医により同定される。
本明細書に記載される化合物、又はその薬学的に許容可能な塩は、1以上の不斉中心を含む場合があり、故に、アミノ酸について(R)又は(S)として、或いは(D)又は(L)として絶対立体化学に関して定義され得る、エナンチオマー、ジアステレオマー、及び他の立体異性体を生じさせる場合がある。本発明は、そのような全ての起こり得る異性体の他に、それらのラセミ体及び光学的に純粋な形態を含むよう意図される。幾つかの実施形態において、光学的に活性な(+)及び(−)、(R)及び(S)、又は(D)及び(L)の異性体は、キラルシントン又はキラル試薬を使用して調製され、或いは、例えばクロマトグラフィー及び分別結晶といった従来技術を使用して分離され得る。個々のエナンチオマーの調製/単離のための従来技術は、適切な光学的に純粋な前駆物質からのキラル合成、又は、例えばキラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用するラセミ体(又は、塩或いは誘導体のラセミ体)の分解を含む。本明細書に記載される化合物がオレフィンの二重結合又は幾何学的な不斉の他の中心を含む時、及び別段の定めが無い限り、化合物はE及びZの幾何異性体の両方を含むことが意図される。同様に、全ての互変異性型も含まれるように意図される。
「立体異性体」は、同じ結合によって結合される同じ原子で構成されるが、異なる三次元構造を有する化合物を指し、これは交換可能ではない。本発明は、様々な立体異性体及びその混合物を熟考し、且つ、その分子が互いに重ねることのできない(nonsuperimposeable)鏡像である2つの立体異性体を指すエナンチオマーを含む。例えば、構造の詳細な記載、及びヴエナンチオマーと立体異性体の特性については、Smith, M.B. and J. March, March’s Advanced Organic Chemistry: Reactions, Mechanisms, and Structureの現行版(Wiley)を参照。
「互変異性体」は、分子の1つの原子から同分子の別の原子へのプロトン移動を指す。本発明は、前記化合物の互変異性体を含んでいる。
置換基における括弧及び丸括弧の使用は、空間を節約するために本明細書で使用される。従って、置換基における括弧の使用は、括弧内に囲まれた基が括弧に先行する原子に直接結合されることを示す。置換基における丸括弧の使用は、丸括弧内に囲まれた基も括弧に先行する原子に直接結合されることを示す。
本明細書で使用される化学命名プロトコル及び構造のダイアグラムは、ChemBioDraw Ultraのバージョン12.0のソフトウェアプログラムを使用するI.U.P.A.C.の命名システムの改良された形態であり、ここで、本明細書に記載される化合物は、中核構造、例えばカルボキサミド構造の誘導体として本明細書で命名される。本明細書で利用される複雑な化学名については、置換基は、それが結合する基の前に命名される。例えば、シクロプロピルエチルは、シクロプロピル基置換基を伴うエチルバックボーンを含む。化学構造のダイアグラムにおいて、原子価を完成させるのに十分な水素原子に結合されると仮定される幾つかの炭素原子を除いて、全ての結合が同定される。
「エナンチオマー」は、空間中に異なる配置を持つ2つの異なる異性型に存在し得る不斉分子を指す。エナンチオマーを明示する又は指すために使用される他の用語は、「立体異性体」(キラル中心のまわりの異なる配置又は立体化学による;全てのエナンチオマーが立体異性体であるが、全ての立体異性体がエナンチオマーとは限らない)又は「光学異性体」(異なる純エナンチオマーが異なる方向に面偏光を回転させる能力である、純エナンチオマーの光学活性による)を含む。
記号表示「R」及び「S」は、本明細書に記載される化合物のエナンチオマーの絶対配置のために、化合物の名称における接頭辞又は接尾辞として現われる場合があり;それらはハイフンによってエナンチオマーの名称から分離される又は分離されない場合があり;ハイフンで結ばれる又は結ばれない場合があり;且つ、括弧に囲まれる又は囲まれな場合がある。
「分解(resolution)」又は「分解する(resolving)」は、ラセミ化合物或いは本明細書に記載される化合物のラセミ混合物に関して使用される時、ラセミ化合物又はラセミ混合物のその2つのエナンチオマー形態(即ち、(+)と(−);(R)と(S)の形態)への分離を指す。
「鏡像体過剰率」又は「ee」は、本明細書で使用されるように、1つのエナンチオマーが他の過剰なものに存在する生成物を指し、各エナンチオマーのモル分率における絶対差として定義される。鏡像体過剰率は典型的に、他のエナンチオマーに対する混合物に存在するエナンチオマーの割合として表される。本発明の目的のために、本明細書に開示される方法により調製された化合物の(S)−エナンチオマーは、(S)−エナンチオマーが、80%より上、好ましくは90%より上、より好ましくは95%より上、最も好ましくは99%より上の鏡像体過剰率に存在する時に、対応する(R)エナンチオマーを「実質的に含まない」と考慮される。
<発明の実施形態>
発明の概要において上述された本発明の様々な態様のうち、特定の実施形態が好ましい。
<化合物>
発明の概要において上述されるような式(I)の化合物のうち、1つの実施形態は、R1がR5−C(O)N(R6)−である式(I)の化合物、即ち式(Ia)を持つ化合物であり:
式中:
nは1又は2であり;
Aは−N=又は−C(R
3)=であり;
Bは−O−、−N(R
4)−、又は−S(O)
t(tは0、1、又は2である)−であり;
Eは−N=又は−C(R
3)=であり;
R
2はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、随意に置換したアリール、随意に置換したアラルキル、随意に置換したシクロアルキル、随意に置換したシクロアルキルアルキル、随意に置換したヘテロシクリル、随意に置換したヘテロシクリルアルキル、随意に置換したヘテロアリール、又は随意に置換したヘテロアリールアルキルであり;
或いは2つのR
2は、それらが結合される隣接した炭素と一体となって、融合された随意に置換した6員のN−ヘテロシクリルを形成し;
R
3はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、随意に置換したアリール、随意に置換したアラルキル、随意に置換したシクロアルキル、随意に置換したシクロアルキルアルキル、随意に置換したヘテロシクリル、随意に置換したヘテロシクリルアルキル、随意に置換したヘテロアリール、又は随意に置換したヘテロアリールアルキルであり;
R
4は、水素、アルキル、ハロアルキル、随意に置換したアリール、又は随意に置換したアラルキルであり;
或いはR
4はそれが結合される窒素と一体となって、及びR
2はそれが結合される隣接した炭素と一体となって、共に以下の構造の融合された6員のN−ヘテロシクリルを形成し;
は融合の点を示し、R
4a、R
4b、R
4c、及びR
4dはそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロ、又はハロアルキルであり、或いはR
4aとR
4bは、それらが共に結合される炭素と一体となってシクロアルキルを形成し、又はR
4cとR
4dは、それらが共に結合される炭素と一体となってシクロアルキルを形成し、残りのR
2は、存在する場合、水素、アルキル、ハロ、又はハロアルキルから選択され;
R
5は、随意に置換したアリール又は随意に置換したN−ヘテロアリールであり;及び
R
6は、水素、アルキル、ハロアルキル、随意に置換したアリール、又は随意に置換したアラルキルである。
この実施形態のうち、1つの実施形態は、Aが−C(R3)=である式(Ia)の化合物、即ち式(Ia1)を持つ化合物であり:
式中:
nは1又は2であり;
Bは−O−、−N(R
4)−、又は−S(O)
t(tは0、1、又は2である)−であり;
Eは−N=又は−C(R
3)=であり;
R
2はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、随意に置換したアリール、随意に置換したアラルキル、随意に置換したシクロアルキル、随意に置換したシクロアルキルアルキル、随意に置換したヘテロシクリル、随意に置換したヘテロシクリルアルキル、随意に置換したヘテロアリール、又は随意に置換したヘテロアリールアルキルであり;
或いは2つのR
2は、それらが結合される隣接した炭素と一体となって、融合された随意に置換した6員のN−ヘテロシクリルを形成し;
R
3はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、随意に置換したアリール、随意に置換したアラルキル、随意に置換したシクロアルキル、随意に置換したシクロアルキルアルキル、随意に置換したヘテロシクリル、随意に置換したヘテロシクリルアルキル、随意に置換したヘテロアリール、又は随意に置換したヘテロアリールアルキルであり;
R
4は、水素、アルキル、ハロアルキル、随意に置換したアリール、又は随意に置換したアラルキルであり;
或いはR
4はそれが結合される窒素と一体となって、及びR
2はそれが結合される隣接した炭素と一体となって、共に以下の構造の融合された6員のN−ヘテロシクリルを形成し;
は融合の点を示し、R
4a、R
4b、R
4c、及びR
4dはそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロ、又はハロアルキルであり、或いはR
4aとR
4bは、それらが共に結合される炭素と一体となってシクロアルキルを形成し、又はR
4cとR
4dは、それらが共に結合される炭素と一体となってシクロアルキルを形成し、残りのR
2は、存在する場合、水素、アルキル、ハロ、又はハロアルキルから選択され;
R
5は、随意に置換したアリール又は随意に置換したN−ヘテロアリールであり;及び
R
6は、水素、アルキル、ハロアルキル、随意に置換したアリール、又は随意に置換したアラルキルである。この実施形態のうち、1つの実施形態は式(Ia1)の化合物であり、ここで:
nは1又は2であり;
Bは−N(R
4)−であり;
Eは−N=又は−C(R
3)=であり;
R
2はそれぞれ独立して、水素、ハロ、アルキル、ハロアルキル、随意に置換したアリール、随意に置換したアラルキル、随意に置換したシクロアルキル、随意に置換したシクロアルキルアルキル、随意に置換したヘテロシクリル、随意に置換したヘテロシクリルアルキル、随意に置換したヘテロアリール、又は随意に置換したヘテロアリールアルキルであり;
或いは2つのR
2は、それらが結合される隣接した炭素と一体となって、融合された随意に置換した6員のN−ヘテロシクリルを形成し;
R
3はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、随意に置換したアリール、随意に置換したアラルキル、随意に置換したシクロアルキル、随意に置換したシクロアルキルアルキル、随意に置換したヘテロシクリル、随意に置換したヘテロシクリルアルキル、随意に置換したヘテロアリール、又は随意に置換したヘテロアリールアルキルであり;
R
4は、水素、アルキル、ハロアルキル、随意に置換したアリール、又は随意に置換したアラルキルであり;
或いはR
4はそれが結合される窒素と一体となって、及びR
2はそれが結合される隣接した炭素と一体となって、共に以下の構造の融合された6員のN−ヘテロシクリルを形成し;
は融合の点を示し、R
4a、R
4b、R
4c、及びR
4dはそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロ、又はハロアルキルであり、或いはR
4aとR
4bは、それらが共に結合される炭素と一体となってシクロアルキルを形成し、又はR
4cとR
4dは、それらが共に結合される炭素と一体となってシクロアルキルを形成し、残りのR
2は、存在する場合、水素、アルキル、ハロ、又はハロアルキルから選択され;
R
5は、随意に置換したアリール又は随意に置換したN−ヘテロアリールであり;及び
R
6は、水素、アルキル、ハロアルキル、随意に置換したアリール、又は随意に置換したアラルキルである。この実施形態のうち、1つの実施形態は、次のものから選択された化合物である:
1−ベンジル−N−(3−(モルホリノメチル)−1H−インドール−5−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド塩酸塩;
1−ベンジル−N−(3−(モルホリノメチル)−1H−インドール−6−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド塩酸塩;
1−ベンジル−N−(3−((4−メチルピペラジン−1−イル)メチル)−1H−インドール−5−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド二塩酸塩;
1−ベンジル−N−(3−((4−メチルピペラジン−1−イル)メチル)−1H−インドール−6−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド二塩酸塩;
1−ベンジル−N−(2−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール−8−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド塩酸塩;
(S)−1−ベンジル−N−(6−メチル−9−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[2’,3’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド;及び
(S)−1−ベンジル−N−(6−メチル−9−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[2’,3’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド。
式(Ia1)の化合物の別の実施形態は、式(Ia1)の化合物であって、ここで:
nは1又は2であり;
Bは−O−であり;
Eは−N=又は−C(R3)=であり;
R2はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、随意に置換したアリール、随意に置換したアラルキル、随意に置換したシクロアルキル、随意に置換したシクロアルキルアルキル、随意に置換したヘテロシクリル、随意に置換したヘテロシクリルアルキル、随意に置換したヘテロアリール、又は随意に置換したヘテロアリールアルキルであり;
或いは2つのR2は、それらが結合される隣接した炭素と一体となって、融合された随意に置換した6員のN−ヘテロシクリルを形成し;
R3はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、随意に置換したアリール、随意に置換したアラルキル、随意に置換したシクロアルキル、随意に置換したシクロアルキルアルキル、随意に置換したヘテロシクリル、随意に置換したヘテロシクリルアルキル、随意に置換したヘテロアリール、又は随意に置換したヘテロアリールアルキルであり;
R5は、随意に置換したアリール又は随意に置換したN−ヘテロアリールであり;及び
R6は、水素、アルキル、ハロアルキル、随意に置換したアリール、又は随意に置換したアラルキルである。この実施形態のうち、1つの実施形態は、次のものから選択された化合物である:
1−ベンジル−N−(3−(モルホリノメチル)ベンゾフラン−6−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド塩酸塩;
1−ベンジル−N−(3−(モルホリノメチル)ベンゾフラン−5−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド塩酸塩;
1−ベンジル−N−(3−(ピペラジン−1−イルメチル)ベンゾフラン−5−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド二塩酸塩;
1−ベンジル−N−(3−(ピペラジン−1−イルメチル)ベンゾフラン−6−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド二塩酸塩;及び
1−ベンジル−N−(2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロベンゾフロ[3,2−c]ピリジン−8−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド塩酸塩。
式(Ia1)の化合物の別の実施形態は、式(Ia1)の化合物であって、ここで:
nは1又は2であり;
Bは−S(O)t(tは0、1、又は2である)−であり;
Eは−N=又は−C(R3)=であり;
R2はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、随意に置換したアリール、随意に置換したアラルキル、随意に置換したシクロアルキル、随意に置換したシクロアルキルアルキル、随意に置換したヘテロシクリル、随意に置換したヘテロシクリルアルキル、随意に置換したヘテロアリール、又は随意に置換したヘテロアリールアルキルであり;
或いは2つのR2は、それらが結合される隣接した炭素と一体となって、融合された随意に置換した6員のN−ヘテロシクリルを形成し;
R3はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、随意に置換したアリール、随意に置換したアラルキル、随意に置換したシクロアルキル、随意に置換したシクロアルキルアルキル、随意に置換したヘテロシクリル、随意に置換したヘテロシクリルアルキル、随意に置換したヘテロアリール、又は随意に置換したヘテロアリールアルキルであり;
R5は、随意に置換したアリール又は随意に置換したN−ヘテロアリールであり;及び
R6は、水素、アルキル、ハロアルキル、随意に置換したアリール、又は随意に置換したアラルキルである。この実施形態のうち、1つの実施形態は、次のものから選択された化合物である:
1−ベンジル−N−(3−(モルホリノメチル)ベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド塩酸塩;及び
1−ベンジル−N−(3−(ピペラジン−1−イルメチル)ベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド二塩酸塩。
この実施形態のうち、別の実施形態は、Aが−N=である式(Ia)の化合物、即ち式(Ia2)を持つ化合物であり:
式中:
nは1又は2であり;
Bは−O−、−N(R
4)−、又は−S(O)
t(tは0、1、又は2である)−であり;
Eは−N=又は−C(R
3)=であり;
R
2はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、随意に置換したアリール、随意に置換したアラルキル、随意に置換したシクロアルキル、随意に置換したシクロアルキルアルキル、随意に置換したヘテロシクリル、随意に置換したヘテロシクリルアルキル、随意に置換したヘテロアリール、又は随意に置換したヘテロアリールアルキルであり;
或いは2つのR
2は、それらが結合される隣接した炭素と一体となって、融合された随意に置換した6員のN−ヘテロシクリルを形成し;
R
3は、水素、アルキル、ハロアルキル、随意に置換したアリール、随意に置換したアラルキル、随意に置換したシクロアルキル、随意に置換したシクロアルキルアルキル、随意に置換したヘテロシクリル、随意に置換したヘテロシクリルアルキル、随意に置換したヘテロアリール、又は随意に置換したヘテロアリールアルキルであり;
R
4は、水素、アルキル、ハロアルキル、随意に置換したアリール、又は随意に置換したアラルキルであり;
或いはR
4はそれが結合される窒素と一体となって、及びR
2はそれが結合される隣接した炭素と一体となって、共に以下の構造の融合された6員のN−ヘテロシクリルを形成し;
は融合の点を示し、R
4a、R
4b、R
4c、及びR
4dはそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロ、又はハロアルキルであり、或いはR
4aとR
4bは、それらが共に結合される炭素と一体となってシクロアルキルを形成し、又はR
4cとR
4dは、それらが共に結合される炭素と一体となってシクロアルキルを形成し、残りのR
2は、存在する場合、水素、アルキル、ハロ、又はハロアルキルから選択され;
R
5は、随意に置換したアリール又は随意に置換したN−ヘテロアリールであり;及び
R
6は、水素、アルキル、ハロアルキル、随意に置換したアリール、又は随意に置換したアラルキルである。この実施形態のうち、1つの実施形態は式(Ia2)の化合物であり、ここで:
nは1又は2であり;
Bは−N(R
4)−であり;
Eは−N=又は−C(R
3)=であり;
R
2はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、随意に置換したアリール、随意に置換したアラルキル、随意に置換したシクロアルキル、随意に置換したシクロアルキルアルキル、随意に置換したヘテロシクリル、随意に置換したヘテロシクリルアルキル、随意に置換したヘテロアリール、又は随意に置換したヘテロアリールアルキルであり;
或いは2つのR
2は、それらが結合される隣接した炭素と一体となって、融合された随意に置換した6員のN−ヘテロシクリルを形成し;
R
3は、水素、アルキル、ハロアルキル、随意に置換したアリール、随意に置換したアラルキル、随意に置換したシクロアルキル、随意に置換したシクロアルキルアルキル、随意に置換したヘテロシクリル、随意に置換したヘテロシクリルアルキル、随意に置換したヘテロアリール、又は随意に置換したヘテロアリールアルキルであり;
R
4は、水素、アルキル、ハロアルキル、随意に置換したアリール、又は随意に置換したアラルキルであり;
或いはR
4はそれが結合される窒素と一体となって、及びR
2はそれが結合される隣接した炭素と一体となって、共に以下の構造の融合された6員のN−ヘテロシクリルを形成し;
は融合の点を示し、R
4a、R
4b、R
4c、及びR
4dはそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロ、又はハロアルキルであり、或いはR
4aとR
4bは、それらが共に結合される炭素と一体となってシクロアルキルを形成し、又はR
4cとR
4dは、それらが共に結合される炭素と一体となってシクロアルキルを形成し、残りのR
2は、存在する場合、水素、アルキル、ハロ、又はハロアルキルから選択され;
R
5は、随意に置換したアリール又は随意に置換したN−ヘテロアリールであり;及び
R
6は、水素、アルキル、ハロアルキル、随意に置換したアリール、又は随意に置換したアラルキルである。この実施形態のうち、1つの実施形態は、次のものから選択された化合物である:
(R)−1−ベンジル−N−(4−メチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド;
1−ベンジル−N−(1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド;
1−ベンジル−N−((9R)−9−メチル−6−オキソ−5,5a,6,7,8,9−ヘキサヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド;及び
(R)−1−(3−アミノベンジル)−N−(9−メチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド。
式(Ia2)の化合物の別の実施形態は、式(Ia2)の化合物であって、ここで:
nは1又は2であり;
Bは−O−であり;
Eは−N=又は−C(R3)=であり;
R2はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、随意に置換したアリール、随意に置換したアラルキル、随意に置換したシクロアルキル、随意に置換したシクロアルキルアルキル、随意に置換したヘテロシクリル、随意に置換したヘテロシクリルアルキル、随意に置換したヘテロアリール、又は随意に置換したヘテロアリールアルキルであり;
或いは2つのR2は、それらが結合される隣接した炭素と一体となって、融合された随意に置換した6員のN−ヘテロシクリルを形成し;
R3は、水素、アルキル、ハロアルキル、随意に置換したアリール、随意に置換したアラルキル、随意に置換したシクロアルキル、随意に置換したシクロアルキルアルキル、随意に置換したヘテロシクリル、随意に置換したヘテロシクリルアルキル、随意に置換したヘテロアリール、又は随意に置換したヘテロアリールアルキルであり;
R5は、随意に置換したアリール又は随意に置換したN−ヘテロアリールであり;及び
R6は、水素、アルキル、ハロアルキル、随意に置換したアリール、又は随意に置換したアラルキルである。
式(Ia2)の化合物の別の実施形態は、式(Ia2)の化合物であって、ここで:
nは1又は2であり;
Bは−S(O)t(tは0、1、又は2である)−であり;
Eは−N=又は−C(R3)=であり;
R2はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、随意に置換したアリール、随意に置換したアラルキル、随意に置換したシクロアルキル、随意に置換したシクロアルキルアルキル、随意に置換したヘテロシクリル、随意に置換したヘテロシクリルアルキル、随意に置換したヘテロアリール、又は随意に置換したヘテロアリールアルキルであり;
或いは2つのR2は、それらが結合される隣接した炭素と一体となって、融合された随意に置換した6員のN−ヘテロシクリルを形成し;
R3は、水素、アルキル、ハロアルキル、随意に置換したアリール、随意に置換したアラルキル、随意に置換したシクロアルキル、随意に置換したシクロアルキルアルキル、随意に置換したヘテロシクリル、随意に置換したヘテロシクリルアルキル、随意に置換したヘテロアリール、又は随意に置換したヘテロアリールアルキルであり;
R5は、随意に置換したアリール又は随意に置換したN−ヘテロアリールであり;及び
R6は、水素、アルキル、ハロアルキル、随意に置換したアリール、又は随意に置換したアラルキルである。
発明の概要において上述されるような式(I)の化合物のうち、1つの実施形態は、R1がR7−N(R6)C(O)−である式(I)の化合物、即ち式(Ib)を持つ化合物であり:
式中:
nは1又は2であり;
Aは−N=又は−C(R
3)=であり;
Bは−O−、−N(R
4)−、又は−S(O)
t(tは0、1、又は2である)−であり;
Eは−N=又は−C(R
3)=であり;
R
2はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、随意に置換したアリール、随意に置換したアラルキル、随意に置換したシクロアルキル、随意に置換したシクロアルキルアルキル、随意に置換したヘテロシクリル、随意に置換したヘテロシクリルアルキル、随意に置換したヘテロアリール、又は随意に置換したヘテロアリールアルキルであり;
或いは2つのR
2は、それらが結合される隣接した炭素と一体となって、融合された随意に置換した6員のN−ヘテロシクリルを形成し;
R
3はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、随意に置換したアリール、随意に置換したアラルキル、随意に置換したシクロアルキル、随意に置換したシクロアルキルアルキル、随意に置換したヘテロシクリル、随意に置換したヘテロシクリルアルキル、随意に置換したヘテロアリール、又は随意に置換したヘテロアリールアルキルであり;
R
4は、水素、アルキル、ハロアルキル、随意に置換したアリール、又は随意に置換したアラルキルであり;
或いはR
4はそれが結合される窒素と一体となって、及びR
2はそれが結合される隣接した炭素と一体となって、共に以下の構造の融合された6員のN−ヘテロシクリルを形成し;
は融合の点を示し、R
4a、R
4b、R
4c、及びR
4dはそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロ、又はハロアルキルであり、或いはR
4aとR
4bは、それらが共に結合される炭素と一体となってシクロアルキルを形成し、又はR
4cとR
4dは、それらが共に結合される炭素と一体となってシクロアルキルを形成し、残りのR
2は、存在する場合、水素、アルキル、ハロ、又はハロアルキルから選択され;
R
6はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、随意に置換したアリール、又は随意に置換したアラルキルであり;及び
Eが−N=である時、R
7は、随意に置換したアリール又は随意に置換したN−ヘテロアリールであり;
或いは、Eが−C(R
3)=であり、且つ1つのR
2が、ハロ、ハロアルキル、随意に置換したアリール、随意に置換したアラルキル、随意に置換したシクロアルキル、随意に置換したシクロアルキルアルキル、随意に置換したヘテロシクリル、随意に置換したヘテロシクリルアルキル、随意に置換したヘテロアリール、又は随意に置換したヘテロアリールアルキルである時に、R
7は、随意に置換したアラルキルで置換された単環式N−ヘテロアリールであり;
或いは、Eが−C(R
3)=であり、R
4a及びR
4bのうち一方がメチルでなく、他方が水素でない時に、R
7は、随意に置換したアラルキルで置換された単環式N−ヘテロアリールであり;
或いは、Eが−C(R
3)=であり、隣接した炭素上のR
4a、R
4b、R
4c、及びR
4dのうち2つが共にメチルでなく、残り2つが共に水素でない時、R
7は、随意に置換したアラルキルで置換された単環式N−ヘテロアリールであり;
或いは、Eが−C(R
3)=であり、R
4aとR
4bが、それらが共に結合される炭素と一体となってシクロアルキルを形成し、又はR
4cとR
4dが、それらが共に結合される炭素と一体となってシクロアルキルを形成する時、R
7は、随意に置換したアラルキルで置換される単環式N−ヘテロアリールであり;
或いは、Eが−C(R
3)=であり、R
4aがメチルであり、R
4b、R
4c、及びR
4dがそれぞれ水素であり、又はEが−C(R
3)=であり、R
4aとR
4cがそれぞれメチルであり、R
4bと
R4dがそれぞれ水素である時、R
7は、ハロ、ハロアルキル、−CN、−NO
2、−N(R
6)
2、−N(R
6)C(O)OR
6、−C(O)R
6、−C(O)OR
6、又は−C(O)N(R
6)
2で置換されるアラルキルによって置換される単環式N−ヘテロアリールであり;
或いは、Eが−C(R
3)=である時、R
7は、随意に置換したN−ヘテロシクリルアルキルで置換される単環式N−ヘテロアリールである。
この実施形態のうち、1つの実施形態は、Aが−C(R3)=である式(Ib)の化合物、即ち式(Ib1)を持つ化合物であり:
式中:
nは1又は2であり;
Bは−O−、−N(R
4)−、又は−S(O)
t(tは0、1、又は2である)−であり;
Eは−N=又は−C(R
3)=であり;
R
2はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、随意に置換したアリール、随意に置換したアラルキル、随意に置換したシクロアルキル、随意に置換したシクロアルキルアルキル、随意に置換したヘテロシクリル、随意に置換したヘテロシクリルアルキル、随意に置換したヘテロアリール、又は随意に置換したヘテロアリールアルキルであり;
或いは2つのR
2は、それらが結合される隣接した炭素と一体となって、融合された随意に置換した6員のN−ヘテロシクリルを形成し;
R
3はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、随意に置換したアリール、随意に置換したアラルキル、随意に置換したシクロアルキル、随意に置換したシクロアルキルアルキル、随意に置換したヘテロシクリル、随意に置換したヘテロシクリルアルキル、随意に置換したヘテロアリール、又は随意に置換したヘテロアリールアルキルであり;
R
4は、水素、アルキル、ハロアルキル、随意に置換したアリール、又は随意に置換したアラルキルであり;
或いはR
4はそれが結合される窒素と一体となって、及びR
2はそれが結合される隣接した炭素と一体となって、共に以下の構造の融合された6員のN−ヘテロシクリルを形成し;
は融合の点を示し、R
4a、R
4b、R
4c、及びR
4dはそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロ、又はハロアルキルであり、或いはR
4aとR
4bは、それらが共に結合される炭素と一体となってシクロアルキルを形成し、又はR
4cとR
4dは、それらが共に結合される炭素と一体となってシクロアルキルを形成し、残りのR
2は、存在する場合、水素、アルキル、ハロ、又はハロアルキルから選択され;
R
6はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、随意に置換したアリール、又は随意に置換したアラルキルであり;及び
Eが−N=である時、R
7は、随意に置換したアリール又は随意に置換したN−ヘテロアリールであり;
或いは、Eが−C(R
3)=であり、且つ1つのR
2が、ハロ、ハロアルキル、随意に置換したアリール、随意に置換したアラルキル、随意に置換したシクロアルキル、随意に置換したシクロアルキルアルキル、随意に置換したヘテロシクリル、随意に置換したヘテロシクリルアルキル、随意に置換したヘテロアリール、又は随意に置換したヘテロアリールアルキルである時に、R
7は、随意に置換したアラルキルで置換された単環式N−ヘテロアリールであり;
或いは、Eが−C(R
3)=であり、R
4a及びR
4bのうち一方がメチルでなく、他方が水素でない時に、R
7は、随意に置換したアラルキルで置換された単環式N−ヘテロアリールであり;
或いは、Eが−C(R
3)=であり、隣接した炭素上のR
4a、R
4b、R
4c、及びR
4dのうち2つが共にメチルでなく、残り2つが共に水素でない時、R
7は、随意に置換したアラルキルで置換された単環式N−ヘテロアリールであり;
或いは、Eが−C(R
3)=であり、R
4aとR
4bが、それらが共に結合される炭素と一体となってシクロアルキルを形成し、又はR
4cとR
4dが、それらが共に結合される炭素と一体となってシクロアルキルを形成する時、R
7は、随意に置換したアラルキルで置換される単環式N−ヘテロアリールであり;
或いは、Eが−C(R
3)=であり、R
4aがメチルであり、R
4b、R
4c、及びR
4dがそれぞれ水素であり、又はEが−C(R
3)=であり、R
4aとR
4cがそれぞれメチルであり、R
4bと
R4dがそれぞれ水素である時、R
7は、ハロ、ハロアルキル、−CN、−NO
2、−N(R
6)
2、−N(R
6)C(O)OR
6、−C(O)R
6、−C(O)OR
6、又は−C(O)N(R
6)
2で置換されるアラルキルによって置換される単環式N−ヘテロアリールであり;
或いは、Eが−C(R
3)=である時、R
7は、随意に置換したN−ヘテロシクリルアルキルで置換される単環式N−ヘテロアリールである。
この実施形態のうち、1つの実施形態は式(Ib1)の化合物であり、ここで:
nは1又は2であり;
Bは−N(R4)−であり;
Eは−N=又は−C(R3)=であり;
R2はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、随意に置換したアリール、随意に置換したアラルキル、随意に置換したシクロアルキル、随意に置換したシクロアルキルアルキル、随意に置換したヘテロシクリル、随意に置換したヘテロシクリルアルキル、随意に置換したヘテロアリール、又は随意に置換したヘテロアリールアルキルであり;
或いは2つのR2は、それらが結合される隣接した炭素と一体となって、融合された随意に置換した6員のN−ヘテロシクリルを形成し;
R3はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、随意に置換したアリール、随意に置換したアラルキル、随意に置換したシクロアルキル、随意に置換したシクロアルキルアルキル、随意に置換したヘテロシクリル、随意に置換したヘテロシクリルアルキル、随意に置換したヘテロアリール、又は随意に置換したヘテロアリールアルキルであり;
R4は、水素、アルキル、ハロアルキル、随意に置換したアリール、又は随意に置換したアラルキルであり;
R4は、水素、アルキル、ハロアルキル、随意に置換したアリール、又は随意に置換したアラルキルであり;
或いはR4はそれが結合される窒素と一体となって、及びR2はそれが結合される隣接した炭素と一体となって、共に以下の構造の融合された6員のN−ヘテロシクリルを形成し;
は融合の点を示し、R
4a、R
4b、R
4c、及びR
4dはそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロ、又はハロアルキルであり、或いはR
4aとR
4bは、それらが共に結合される炭素と一体となってシクロアルキルを形成し、又はR
4cとR
4dは、それらが共に結合される炭素と一体となってシクロアルキルを形成し、残りのR
2は、存在する場合、水素、アルキル、ハロ、又はハロアルキルから選択され;
Eが−N=である時、R
7は、随意に置換したアリール又は随意に置換したN−ヘテロアリールであり;
或いは、Eが−C(R
3)=であり、且つ1つのR
2が、ハロ、ハロアルキル、随意に置換したアリール、随意に置換したアラルキル、随意に置換したシクロアルキル、随意に置換したシクロアルキルアルキル、随意に置換したヘテロシクリル、随意に置換したヘテロシクリルアルキル、随意に置換したヘテロアリール、又は随意に置換したヘテロアリールアルキルである時に、R
7は、随意に置換したアラルキルで置換された単環式N−ヘテロアリールであり;
或いは、Eが−C(R
3)=であり、R
4a及びR
4bのうち一方がメチルでなく、他方が水素でない時に、R
7は、随意に置換したアラルキルで置換された単環式N−ヘテロアリールであり;
或いは、Eが−C(R
3)=であり、隣接した炭素上のR
4a、R
4b、R
4c、及びR
4dのうち2つが共にメチルでなく、残り2つが共に水素でない時、R
7は、随意に置換したアラルキルで置換された単環式N−ヘテロアリールであり;
或いは、Eが−C(R
3)=であり、R
4aとR
4bが、それらが共に結合される炭素と一体となってシクロアルキルを形成し、又はR
4cとR
4dが、それらが共に結合される炭素と一体となってシクロアルキルを形成する時、R
7は、随意に置換したアラルキルで置換される単環式N−ヘテロアリールであり;
或いは、Eが−C(R
3)=であり、R
4aがメチルであり、R
4b、R
4c、及びR
4dがそれぞれ水素であり、又はEが−C(R
3)=であり、R
4aとR
4cがそれぞれメチルであり、R
4bと
R4dがそれぞれ水素である時、R
7は、ハロ、ハロアルキル、−CN、−NO
2、−N(R
6)
2、−N(R
6)C(O)OR
6、−C(O)R
6、−C(O)OR
6、又は−C(O)N(R
6)
2で置換されるアラルキルによって置換される単環式N−ヘテロアリールであり;
或いは、Eが−C(R
3)=である時、R
7は、随意に置換したN−ヘテロシクリルアルキルで置換される単環式N−ヘテロアリールである。この実施形態のうち、1つの実施形態は、次のものから選択された化合物である:
(S)−N−(1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−イル)−6−メチル−9−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[2’,3’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−3−カルボキサミド;及び
(S)−N−(1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−イル)−6−メチル−9−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[2’,3’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボキサミド。
式(Ib1)の化合物の別の実施形態は、式(Ib1)の化合物であって、ここで:
nは1又は2であり;
Bは−O−であり;
Eは−N=又は−C(R3)=であり;
R2はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、随意に置換したアリール、随意に置換したアラルキル、随意に置換したシクロアルキル、随意に置換したシクロアルキルアルキル、随意に置換したヘテロシクリル、随意に置換したヘテロシクリルアルキル、随意に置換したヘテロアリール、又は随意に置換したヘテロアリールアルキルであり;
或いは2つのR2は、それらが結合される隣接した炭素と一体となって、融合された随意に置換した6員のN−ヘテロシクリルを形成し;
R3はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、随意に置換したアリール、随意に置換したアラルキル、随意に置換したシクロアルキル、随意に置換したシクロアルキルアルキル、随意に置換したヘテロシクリル、随意に置換したヘテロシクリルアルキル、随意に置換したヘテロアリール、又は随意に置換したヘテロアリールアルキルであり;
R6はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、随意に置換したアリール、又は随意に置換したアラルキルであり;及び
Eが−N=である時、R7は、随意に置換したアリール又は随意に置換したN−ヘテロアリールであり;
或いは、Eが−C(R3)=であり、且つ1つのR2が、ハロ、ハロアルキル、随意に置換したアリール、随意に置換したアラルキル、随意に置換したシクロアルキル、随意に置換したシクロアルキルアルキル、随意に置換したヘテロシクリル、随意に置換したヘテロシクリルアルキル、随意に置換したヘテロアリール、又は随意に置換したヘテロアリールアルキルである時に、R7は、随意に置換したアラルキルで置換された単環式N−ヘテロアリールであり;
或いは、Eが−C(R3)=であり、R4a及びR4bのうち一方がメチルでなく、他方が水素でない時に、R7は、随意に置換したアラルキルで置換された単環式N−ヘテロアリールであり;
或いは、Eが−C(R3)=であり、隣接した炭素上のR4a、R4b、R4c、及びR4dのうち2つが共にメチルでなく、残り2つが共に水素でない時、R7は、随意に置換したアラルキルで置換された単環式N−ヘテロアリールであり;
或いは、Eが−C(R3)=であり、R4aとR4bが、それらが共に結合される炭素と一体となってシクロアルキルを形成し、又はR4cとR4dが、それらが共に結合される炭素と一体となってシクロアルキルを形成する時、R7は、随意に置換したアラルキルで置換される単環式N−ヘテロアリールであり;
或いは、Eが−C(R3)=であり、R4aがメチルであり、R4b、R4c、及びR4dがそれぞれ水素であり、又はEが−C(R3)=であり、R4aとR4cがそれぞれメチルであり、R4bとR4dがそれぞれ水素である時、R7は、ハロ、ハロアルキル、−CN、−NO2、−N(R6)2、−N(R6)C(O)OR6、−C(O)R6、−C(O)OR6、又は−C(O)N(R6)2で置換されるアラルキルによって置換される単環式N−ヘテロアリールであり;
或いは、Eが−C(R3)=である時、R7は、随意に置換したN−ヘテロシクリルアルキルで置換される単環式N−ヘテロアリールである。
式(Ib1)の化合物の別の実施形態は、式(Ib1)の化合物であって、ここで:
nは1又は2であり;
Bは−S(O)t(tは0、1、又は2である)−であり;
Eは−N=又は−C(R3)=であり;
R2はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、随意に置換したアリール、随意に置換したアラルキル、随意に置換したシクロアルキル、随意に置換したシクロアルキルアルキル、随意に置換したヘテロシクリル、随意に置換したヘテロシクリルアルキル、随意に置換したヘテロアリール、又は随意に置換したヘテロアリールアルキルであり;
或いは2つのR2は、それらが結合される隣接した炭素と一体となって、融合された随意に置換した6員のN−ヘテロシクリルを形成し;
R3はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、随意に置換したアリール、随意に置換したアラルキル、随意に置換したシクロアルキル、随意に置換したシクロアルキルアルキル、随意に置換したヘテロシクリル、随意に置換したヘテロシクリルアルキル、随意に置換したヘテロアリール、又は随意に置換したヘテロアリールアルキルであり;
R6はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、随意に置換したアリール、又は随意に置換したアラルキルであり;及び
Eが−N=である時、R7は、随意に置換したアリール又は随意に置換したN−ヘテロアリールであり;
或いは、Eが−C(R3)=であり、且つ1つのR2が、ハロ、ハロアルキル、随意に置換したアリール、随意に置換したアラルキル、随意に置換したシクロアルキル、随意に置換したシクロアルキルアルキル、随意に置換したヘテロシクリル、随意に置換したヘテロシクリルアルキル、随意に置換したヘテロアリール、又は随意に置換したヘテロアリールアルキルである時に、R7は、随意に置換したアラルキルで置換された単環式N−ヘテロアリールであり;
或いは、Eが−C(R3)=であり、R4a及びR4bのうち一方がメチルでなく、他方が水素でない時に、R7は、随意に置換したアラルキルで置換された単環式N−ヘテロアリールであり;
或いは、Eが−C(R3)=であり、隣接した炭素上のR4a、R4b、R4c、及びR4dのうち2つが共にメチルでなく、残り2つが共に水素でない時、R7は、随意に置換したアラルキルで置換された単環式N−ヘテロアリールであり;
或いは、Eが−C(R3)=であり、R4aとR4bが、それらが共に結合される炭素と一体となってシクロアルキルを形成し、又はR4cとR4dが、それらが共に結合される炭素と一体となってシクロアルキルを形成する時、R7は、随意に置換したアラルキルで置換される単環式N−ヘテロアリールであり;
或いは、Eが−C(R3)=であり、R4aがメチルであり、R4b、R4c、及びR4dがそれぞれ水素であり、又はEが−C(R3)=であり、R4aとR4cがそれぞれメチルであり、R4bとR4dがそれぞれ水素である時、R7は、ハロ、ハロアルキル、−CN、−NO2、−N(R6)2、−N(R6)C(O)OR6、−C(O)R6、−C(O)OR6、又は−C(O)N(R6)2で置換されるアラルキルによって置換される単環式N−ヘテロアリールであり;
或いは、Eが−C(R3)=である時、R7は、随意に置換したN−ヘテロシクリルアルキルで置換される単環式N−ヘテロアリールである。
この実施形態のうち、別の実施形態は、Aが−N=である式(Ib)の化合物、即ち式(Ib2)を持つ化合物であり:
式中:
nは1又は2であり;
Bは−O−、−N(R
4)−、又は−S(O)
t(tは0、1、又は2である)−であり;
Eは−N=又は−C(R
3)=であり;
R
2はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、随意に置換したアリール、随意に置換したアラルキル、随意に置換したシクロアルキル、随意に置換したシクロアルキルアルキル、随意に置換したヘテロシクリル、随意に置換したヘテロシクリルアルキル、随意に置換したヘテロアリール、又は随意に置換したヘテロアリールアルキルであり;
或いは2つのR
2は、それらが結合される隣接した炭素と一体となって、融合された随意に置換した6員のN−ヘテロシクリルを形成し;
R
3は、水素、アルキル、ハロアルキル、随意に置換したアリール、随意に置換したアラルキル、随意に置換したシクロアルキル、随意に置換したシクロアルキルアルキル、随意に置換したヘテロシクリル、随意に置換したヘテロシクリルアルキル、随意に置換したヘテロアリール、又は随意に置換したヘテロアリールアルキルであり;
R
4は、水素、アルキル、ハロアルキル、随意に置換したアリール、又は随意に置換したアラルキルであり;
或いはR
4はそれが結合される窒素と一体となって、及びR
2はそれが結合される隣接した炭素と一体となって、共に以下の構造の融合された6員のN−ヘテロシクリルを形成し;
は融合の点を示し、R
4a、R
4b、R
4c、及びR
4dはそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロ、又はハロアルキルであり、或いはR
4aとR
4bは、それらが共に結合される炭素と一体となってシクロアルキルを形成し、又はR
4cとR
4dは、それらが共に結合される炭素と一体となってシクロアルキルを形成し、残りのR
2は、存在する場合、水素、アルキル、ハロ、又はハロアルキルから選択され;
R
6はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、随意に置換したアリール、又は随意に置換したアラルキルであり;
Eが−N=である時、R
7は、随意に置換したアリール又は随意に置換したN−ヘテロアリールであり;
或いは、Eが−C(R
3)=であり、且つ1つのR
2が、ハロ、ハロアルキル、随意に置換したアリール、随意に置換したアラルキル、随意に置換したシクロアルキル、随意に置換したシクロアルキルアルキル、随意に置換したヘテロシクリル、随意に置換したヘテロシクリルアルキル、随意に置換したヘテロアリール、又は随意に置換したヘテロアリールアルキルである時に、R
7は、随意に置換したアラルキルで置換された単環式N−ヘテロアリールであり;
或いは、Eが−C(R
3)=であり、R
4a及びR
4bのうち一方がメチルでなく、他方が水素でない時に、R
7は、随意に置換したアラルキルで置換された単環式N−ヘテロアリールであり;
或いは、Eが−C(R
3)=であり、隣接した炭素上のR
4a、R
4b、R
4c、及びR
4dのうち2つが共にメチルでなく、残り2つが共に水素でない時、R
7は、随意に置換したアラルキルで置換された単環式N−ヘテロアリールであり;
或いは、Eが−C(R
3)=であり、R
4aとR
4bが、それらが共に結合される炭素と一体となってシクロアルキルを形成し、又はR
4cとR
4dが、それらが共に結合される炭素と一体となってシクロアルキルを形成する時、R
7は、随意に置換したアラルキルで置換される単環式N−ヘテロアリールであり;
或いは、Eが−C(R
3)=であり、R
4aがメチルであり、R
4b、R
4c、及びR
4dがそれぞれ水素であり、又はEが−C(R
3)=であり、R
4aとR
4cがそれぞれメチルであり、R
4bと
R4dがそれぞれ水素である時、R
7は、ハロ、ハロアルキル、−CN、−NO
2、−N(R
6)
2、−N(R
6)C(O)OR
6、−C(O)R
6、−C(O)OR
6、又は−C(O)N(R
6)
2で置換されるアラルキルによって置換される単環式N−ヘテロアリールであり;
或いは、Eが−C(R
3)=である時、R
7は、随意に置換したN−ヘテロシクリルアルキルで置換される単環式N−ヘテロアリールである。
この実施形態のうち、1つの実施形態は式(Ib2)の化合物であり、ここで:
nは1又は2であり;
Bは−N(R4)−であり;
Eは−N=又は−C(R3)=であり;
R2はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、随意に置換したアリール、随意に置換したアラルキル、随意に置換したシクロアルキル、随意に置換したシクロアルキルアルキル、随意に置換したヘテロシクリル、随意に置換したヘテロシクリルアルキル、随意に置換したヘテロアリール、又は随意に置換したヘテロアリールアルキルであり;
或いは2つのR2は、それらが結合される隣接した炭素と一体となって、融合された随意に置換した6員のN−ヘテロシクリルを形成し;
R3は、水素、アルキル、ハロアルキル、随意に置換したアリール、随意に置換したアラルキル、随意に置換したシクロアルキル、随意に置換したシクロアルキルアルキル、随意に置換したヘテロシクリル、随意に置換したヘテロシクリルアルキル、随意に置換したヘテロアリール、又は随意に置換したヘテロアリールアルキルであり;
R4は、水素、アルキル、ハロアルキル、随意に置換したアリール、又は随意に置換したアラルキルであり;
或いはR4はそれが結合される窒素と一体となって、及びR2はそれが結合される隣接した炭素と一体となって、共に以下の構造の融合された6員のN−ヘテロシクリルを形成し;
は融合の点を示し、R
4a、R
4b、R
4c、及びR
4dはそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロ、又はハロアルキルであり、或いはR
4aとR
4bは、それらが共に結合される炭素と一体となってシクロアルキルを形成し、又はR
4cとR
4dは、それらが共に結合される炭素と一体となってシクロアルキルを形成し、残りのR
2は、存在する場合、水素、アルキル、ハロ、又はハロアルキルから選択され;
R
6はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、随意に置換したアリール、又は随意に置換したアラルキルであり;及び
Eが−N=である時、R
7は、随意に置換したアリール又は随意に置換したN−ヘテロアリールであり;
或いは、Eが−C(R
3)=であり、且つ1つのR
2が、ハロ、ハロアルキル、随意に置換したアリール、随意に置換したアラルキル、随意に置換したシクロアルキル、随意に置換したシクロアルキルアルキル、随意に置換したヘテロシクリル、随意に置換したヘテロシクリルアルキル、随意に置換したヘテロアリール、又は随意に置換したヘテロアリールアルキルである時に、R
7は、随意に置換したアラルキルで置換された単環式N−ヘテロアリールであり;
或いは、Eが−C(R
3)=であり、R
4a及びR
4bのうち一方がメチルでなく、他方が水素でない時に、R
7は、随意に置換したアラルキルで置換された単環式N−ヘテロアリールであり;
或いは、Eが−C(R
3)=であり、隣接した炭素上のR
4a、R
4b、R
4c、及びR
4dのうち2つが共にメチルでなく、残り2つが共に水素でない時、R
7は、随意に置換したアラルキルで置換された単環式N−ヘテロアリールであり;
或いは、Eが−C(R
3)=であり、R
4aとR
4bが、それらが共に結合される炭素と一体となってシクロアルキルを形成し、又はR
4cとR
4dが、それらが共に結合される炭素と一体となってシクロアルキルを形成する時、R
7は、随意に置換したアラルキルで置換される単環式N−ヘテロアリールであり;
或いは、Eが−C(R
3)=であり、R
4aがメチルであり、R
4b、R
4c、及びR
4dがそれぞれ水素であり、又はEが−C(R
3)=であり、R
4aとR
4cがそれぞれメチルであり、R
4bと
R4dがそれぞれ水素である時、R
7は、ハロ、ハロアルキル、−CN、−NO
2、−N(R
6)
2、−N(R
6)C(O)OR
6、−C(O)R
6、−C(O)OR
6、又は−C(O)N(R
6)
2で置換されるアラルキルによって置換される単環式N−ヘテロアリールであり;
或いは、Eが−C(R
3)=である時、R
7は、随意に置換したN−ヘテロシクリルアルキルで置換される単環式N−ヘテロアリールである。この実施形態のうち、1つの実施形態は、次のものから選択された化合物である:
(R)−N−(1−(3−アミノベンジル)−1H−ピラゾール−4−イル)−9−メチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボキサミド;
(R)−N−(1−(2−アミノベンジル)−1H−ピラゾール−4−イル)−9−メチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボキサミド;
(R)−N−(1−(4−アミノベンジル)−1H−ピラゾール−4−イル)−9−メチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボキサミド;
(R)−N−(1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−イル)−5−フルオロ−9−メチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボキサミド;
(R)−N−(1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−イル)−9−イソプロピル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボキサミド;
(S)−N−(1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−イル)−9−トリフルオロメチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボキサミド;
N−(1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−イル)−6’−オキソ−7’,8’−ジヒドロ−6’H−スピロ[シクロプロパン−1,9’−ピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン]−2’−カルボキサミド;
(R)−N−(1−(4−メチルピペラジニル)−1H−ピラゾール−4−イル)−9−メチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボキサミド;
(R)−N−(1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−イル)−5−クロロ−9−メチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボキサミド;
(S)−N−(1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−イル)−9−イソプロピル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボキサミド;
(R)−N−(1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−イル)−9−トリフルオロメチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボキサミド;
N−(1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−イル)−9,9−ジメチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボキサミド;
(R)−5−フルオロ−9−メチル−N−(1−((4−メチルピペラジン−1−イル)メチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボキサミド;
(R)−5−フルオロ−9−メチル−N−(1−((1−メチルピペリジン−4−イル)メチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボキサミド;及び
(R)−N−(1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−イル)−6−メチル−9−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピロロ[1,5−a:2,3−b’]ジピラジン−3−カルボキサミド。
式(Ib2)の化合物の別の実施形態は、式(Ib2)の化合物であって、ここで:
nは1又は2であり;
Bは−O−であり;
Eは−N=又は−C(R3)=であり;
R2はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、随意に置換したアリール、随意に置換したアラルキル、随意に置換したシクロアルキル、随意に置換したシクロアルキルアルキル、随意に置換したヘテロシクリル、随意に置換したヘテロシクリルアルキル、随意に置換したヘテロアリール、又は随意に置換したヘテロアリールアルキルであり;
或いは2つのR2は、それらが結合される隣接した炭素と一体となって、融合された随意に置換した6員のN−ヘテロシクリルを形成し;
R3は、水素、アルキル、ハロアルキル、随意に置換したアリール、随意に置換したアラルキル、随意に置換したシクロアルキル、随意に置換したシクロアルキルアルキル、随意に置換したヘテロシクリル、随意に置換したヘテロシクリルアルキル、随意に置換したヘテロアリール、又は随意に置換したヘテロアリールアルキルであり;
R6はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、随意に置換したアリール、又は随意に置換したアラルキルであり;及び
Eが−N=である時、R7は、随意に置換したアリール又は随意に置換したN−ヘテロアリールであり;
或いは、Eが−C(R3)=であり、且つ1つのR2が、ハロ、ハロアルキル、随意に置換したアリール、随意に置換したアラルキル、随意に置換したシクロアルキル、随意に置換したシクロアルキルアルキル、随意に置換したヘテロシクリル、随意に置換したヘテロシクリルアルキル、随意に置換したヘテロアリール、又は随意に置換したヘテロアリールアルキルである時に、R7は、随意に置換したアラルキルで置換された単環式N−ヘテロアリールであり;
或いは、Eが−C(R3)=であり、R4a及びR4bのうち一方がメチルでなく、他方が水素でない時に、R7は、随意に置換したアラルキルで置換された単環式N−ヘテロアリールであり;
或いは、Eが−C(R3)=であり、隣接した炭素上のR4a、R4b、R4c、及びR4dのうち2つが共にメチルでなく、残り2つが共に水素でない時、R7は、随意に置換したアラルキルで置換された単環式N−ヘテロアリールであり;
或いは、Eが−C(R3)=であり、R4aとR4bが、それらが共に結合される炭素と一体となってシクロアルキルを形成し、又はR4cとR4dが、それらが共に結合される炭素と一体となってシクロアルキルを形成する時、R7は、随意に置換したアラルキルで置換される単環式N−ヘテロアリールであり;
或いは、Eが−C(R3)=であり、R4aがメチルであり、R4b、R4c、及びR4dがそれぞれ水素であり、又はEが−C(R3)=であり、R4aとR4cがそれぞれメチルであり、R4bとR4dがそれぞれ水素である時、R7は、ハロ、ハロアルキル、−CN、−NO2、−N(R6)2、−N(R6)C(O)OR6、−C(O)R6、−C(O)OR6、又は−C(O)N(R6)2で置換されるアラルキルによって置換される単環式N−ヘテロアリールであり;
或いは、Eが−C(R3)=である時、R7は、随意に置換したN−ヘテロシクリルアルキルで置換される単環式N−ヘテロアリールである。
式(Ib2)の化合物の別の実施形態は、式(Ib2)の化合物であって、ここで:
nは1又は2であり;
Bは−S(O)t(tは0、1、又は2である)−であり;
Eは−N=又は−C(R3)=であり;
R2はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、随意に置換したアリール、随意に置換したアラルキル、随意に置換したシクロアルキル、随意に置換したシクロアルキルアルキル、随意に置換したヘテロシクリル、随意に置換したヘテロシクリルアルキル、随意に置換したヘテロアリール、又は随意に置換したヘテロアリールアルキルであり;
或いは2つのR2は、それらが結合される隣接した炭素と一体となって、融合された随意に置換した6員のN−ヘテロシクリルを形成し;
R3は、水素、アルキル、ハロアルキル、随意に置換したアリール、随意に置換したアラルキル、随意に置換したシクロアルキル、随意に置換したシクロアルキルアルキル、随意に置換したヘテロシクリル、随意に置換したヘテロシクリルアルキル、随意に置換したヘテロアリール、又は随意に置換したヘテロアリールアルキルであり;
R6はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、随意に置換したアリール、又は随意に置換したアラルキルであり;及び
Eが−N=である時、R7は、随意に置換したアリール又は随意に置換したN−ヘテロアリールであり;
或いは、Eが−C(R3)=であり、且つ1つのR2が、ハロ、ハロアルキル、随意に置換したアリール、随意に置換したアラルキル、随意に置換したシクロアルキル、随意に置換したシクロアルキルアルキル、随意に置換したヘテロシクリル、随意に置換したヘテロシクリルアルキル、随意に置換したヘテロアリール、又は随意に置換したヘテロアリールアルキルである時に、R7は、随意に置換したアラルキルで置換された単環式N−ヘテロアリールであり;
或いは、Eが−C(R3)=であり、R4a及びR4bのうち一方がメチルでなく、他方が水素でない時に、R7は、随意に置換したアラルキルで置換された単環式N−ヘテロアリールであり;
或いは、Eが−C(R3)=であり、隣接した炭素上のR4a、R4b、R4c、及びR4dのうち2つが共にメチルでなく、残り2つが共に水素でない時、R7は、随意に置換したアラルキルで置換された単環式N−ヘテロアリールであり;
或いは、Eが−C(R3)=であり、R4aとR4bが、それらが共に結合される炭素と一体となってシクロアルキルを形成し、又はR4cとR4dが、それらが共に結合される炭素と一体となってシクロアルキルを形成する時、R7は、随意に置換したアラルキルで置換される単環式N−ヘテロアリールであり;
或いは、Eが−C(R3)=であり、R4aがメチルであり、R4b、R4c、及びR4dがそれぞれ水素であり、又はEが−C(R3)=であり、R4aとR4cがそれぞれメチルであり、R4bとR4dがそれぞれ水素である時、R7は、ハロ、ハロアルキル、−CN、−NO2、−N(R6)2、−N(R6)C(O)OR6、−C(O)R6、−C(O)OR6、又は−C(O)N(R6)2で置換されるアラルキルによって置換される単環式N−ヘテロアリールであり;
或いは、Eが−C(R3)=である時、R7は、随意に置換したN−ヘテロシクリルアルキルで置換される単環式N−ヘテロアリールである。
発明の概要において上述されるような式(I)の化合物のうち、1つの実施形態は、R1がR5−N(R6)C(O)N(R6)−である式(I)の化合物、即ち式(Ic)を持つ化合物であり:
式中:
nは1又は2であり;
Aは−N=又は−C(R
3)=であり;
Bは−O−、−N(R
4)−、又は−S(O)
t(tは0、1、又は2である)−であり;
Eは−N=又は−C(R
3)=であり;
R
2はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、随意に置換したアリール、随意に置換したアラルキル、随意に置換したシクロアルキル、随意に置換したシクロアルキルアルキル、随意に置換したヘテロシクリル、随意に置換したヘテロシクリルアルキル、随意に置換したヘテロアリール、又は随意に置換したヘテロアリールアルキルであり;
或いは2つのR
2は、それらが結合される隣接した炭素と一体となって、融合された随意に置換した6員のN−ヘテロシクリルを形成し;
R
3はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、随意に置換したアリール、随意に置換したアラルキル、随意に置換したシクロアルキル、随意に置換したシクロアルキルアルキル、随意に置換したヘテロシクリル、随意に置換したヘテロシクリルアルキル、随意に置換したヘテロアリール、又は随意に置換したヘテロアリールアルキルであり;
R
4は、水素、アルキル、ハロアルキル、随意に置換したアリール、又は随意に置換したアラルキルであり;
或いはR
4はそれが結合される窒素と一体となって、及びR
2はそれが結合される隣接した炭素と一体となって、共に以下の構造の融合された6員のN−ヘテロシクリルを形成し;
は融合の点を示し、R
4a、R
4b、R
4c、及びR
4dはそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロ、又はハロアルキルであり、或いはR
4aとR
4bは、それらが共に結合される炭素と一体となってシクロアルキルを形成し、又はR
4cとR
4dは、それらが共に結合される炭素と一体となってシクロアルキルを形成し、残りのR
2は、存在する場合、水素、アルキル、ハロ、又はハロアルキルから選択され;
R
5は、随意に置換したアリール又は随意に置換したN−ヘテロアリールであり;
及びR
6はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、随意に置換したアリール、又は随意に置換したアラルキルである。この実施形態のうち、1つの実施形態は、(R)−1−(1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−イル)−3−(9−メチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−イル)尿素である化合物である。
発明の概要において上述されるような式(I)の化合物のうち、1つの実施形態は、R1がR5−N(R6)C(=NR6)N(R6)−である式(I)の化合物、即ち式(Id)を持つ化合物であり:
式中:
nは1又は2であり;
Aは−N=又は−C(R
3)=であり;
Bは−O−、−N(R
4)−、又は−S(O)
t(tは0、1、又は2である)−であり;
Eは−N=又は−C(R
3)=であり;
R
2はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、随意に置換したアリール、随意に置換したアラルキル、随意に置換したシクロアルキル、随意に置換したシクロアルキルアルキル、随意に置換したヘテロシクリル、随意に置換したヘテロシクリルアルキル、随意に置換したヘテロアリール、又は随意に置換したヘテロアリールアルキルであり;
或いは2つのR
2は、それらが結合される隣接した炭素と一体となって、融合された随意に置換した6員のN−ヘテロシクリルを形成し;
R
3はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、随意に置換したアリール、随意に置換したアラルキル、随意に置換したシクロアルキル、随意に置換したシクロアルキルアルキル、随意に置換したヘテロシクリル、随意に置換したヘテロシクリルアルキル、随意に置換したヘテロアリール、又は随意に置換したヘテロアリールアルキルであり;
R
4は、水素、アルキル、ハロアルキル、随意に置換したアリール、又は随意に置換したアラルキルであり;
或いはR
4はそれが結合される窒素と一体となって、及びR
2はそれが結合される隣接した炭素と一体となって、共に以下の構造の融合された6員のN−ヘテロシクリルを形成し;
は融合の点を示し、R
4a、R
4b、R
4c、及びR
4dはそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロ、又はハロアルキルであり、或いはR
4aとR
4bは、それらが共に結合される炭素と一体となってシクロアルキルを形成し、又はR
4cとR
4dは、それらが共に結合される炭素と一体となってシクロアルキルを形成し、残りのR
2は、存在する場合、水素、アルキル、ハロ、又はハロアルキルから選択され;
R
5は、随意に置換したアリール又は随意に置換したN−ヘテロアリールであり;及び
R
6はそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、随意に置換したアリール、又は随意に置換したアラルキルである。この実施形態のうち、1つの実施形態は、(R)−1−(1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−イル)−3−(9−メチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−イル)グアニジンである化合物である。
別の態様では、個々の立体異性体、エナンチオマー、または、互変異性体、あるいはそれらの混合物としての、以下の構造を有する式(II)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物またはプロドラッグがあり、
式中、R
2は独立して水素、ハロ、C
1−6アルキル、またはC
1−6ハロアルキルであり、R
4aとR
4bはそれぞれ独立して、水素、ハロ、C
1−6アルキル、またはC
1−6ハロアルキルであり、あるいは、R
4aとR
4bは、それらが両方とも結合する炭素と一体となって、シクロアルキルを形成し、R
6はそれぞれ独立して水素またはC
1−6アルキルであり、R
11は、ハロ、C
1−6ハロアルキル、−N(R
6)
2、−C
1−6アルキル−N(R
6)
2、あるいは−C(O)N(R
6)
2であり、R
12はそれぞれ独立して、−OH、−CN、ハロ、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
1−6アルコキシ、C
1−6ハロアルコキシ、−N(R
6)
2、−C
1−6アルキル−N(R
6)
2、−C(O)R
6、−C(O)OR
6、−C(O)N(R
6)
2、アリール、アラルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、あるいはヘテロアリールであり、および、nは0、1、2、3、または4である。
いくつかの実施形態では、式(II)の化合物があり、ここで、R2は水素である。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物があり、ここで、R2はハロである。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物があり、ここで、R2は−Fである。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物があり、ここで、R2は−Clである。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物があり、ここで、R2はC1−6アルキルである。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物があり、ここで、R2は−CH3である。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物があり、ここで、R2は−CH2CH3である。いくつかの実施形態において、式(II)の化合物であり、ここで、R2は−CH(CH3)2である。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物があり、ここで、R2はC1−6ハロアルキルである。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物があり、ここで、R2は−CF3である。
いくつかの実施形態では、式(II)の化合物があり、ここで、R4aは水素である。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物があり、ここで、R4aはハロである。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物があり、ここで、R4aは−Fである。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物があり、ここで、R4aは−Clである。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物があり、ここで、R4aはC1−6アルキルである。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物があり、ここで、R4aは−CH3である。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物があり、ここで、R4aは−CH2CH3である。いくつかの実施形態において、式(II)の化合物であり、ここで、R4aは−CH(CH3)2である。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物があり、ここで、R4bは水素である。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物があり、ここで、R4bはハロである。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物があり、ここで、R4bは−Fである。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物があり、ここで、R4bは−Clである。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物があり、ここで、R4bはC1−6アルキルである。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物があり、ここで、R4bは−CH3である。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物があり、ここで、R4bは−CH2CH3である。いくつかの実施形態において、式(II)の化合物であり、ここで、R4bは−CH(CH3)2である。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物があり、ここで、R4bはC1−6ハロアルキルである。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物があり、ここで、R4bは−CF3である。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物があり、ここで、R4aはC1−6アルキルであり、R4bは水素である。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物があり、ここで、R4aは−CH3であり、R4bは水素である。いくつかの実施形態において、式(II)の化合物があり、ここで、R4aとR4bは、それらが両方とも結合する炭素と一体となって、シクロアルキルを形成する。いくつかの実施形態において、式(II)の化合物があり、ここで、R4aとR4bは、それらが両方とも結合する炭素と一体となって、シクロプロピルを形成する。いくつかの実施形態において、式(II)の化合物があり、ここで、R4aとR4bは、それらが両方とも結合する炭素と一体となって、シクロブチルを形成する。いくつかの実施形態において、式(II)の化合物があり、ここで、R4aとR4bは、それらが両方とも結合する炭素と一体となって、シクロペンチルを形成する。いくつかの実施形態において、式(II)の化合物があり、ここで、R4aとR4bは、それらが両方とも結合する炭素と一体となって、シクロヘキシルを形成する。
いくつかの実施形態において、式(II)の化合物があり、ここで、R12はそれぞれ独立して、−OH、−CN、ハロ、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C1−6アルコキシ、C1−6ハロアルコキシ、−N(R6)2、−C1−6アルキル−N(R6)2、−C(O)R6、−C(O)OR6、または−C(O)N(R6)2である。いくつかの実施形態において、式(II)の化合物があり、ここで、R12はそれぞれ独立して、ハロ、C1−6アルキル、−N(R6)2、−C1−6アルキル−N(R6)2、またはC1−6ハロアルキルである。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物があり、ここで、R12がハロである。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物があり、ここで、R12は−Fである。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物があり、ここで、R12は−Clである。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物があり、ここで、R12はC1−6ハロアルキルである。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物があり、ここで、R12は−CF3である。いくつかの実施形態において、式(II)の化合物であり、ここで、R12は−N(R6)2である。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物があり、ここで、R12は−NH2である。いくつかの実施形態において、式(II)の化合物であり、ここで、R12は−C1−6アルキル−N(R6)2である。いくつかの実施形態において、式(II)の化合物であり、ここで、R12は−CH2N(R6)2である。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物があり、ここで、R12は−CH2NH2である。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物があり、ここで、R12は−C(O)N(R6)2である。いくつかの実施形態において、式(II)の化合物であり、ここで、R12は−C(O)NH2である。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物があり、ここで、nは3である。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物があり、ここで、nは2である。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物があり、ここで、nは1である。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物があり、ここで、nは0である。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物があり、ここで、nは1であり、R12はハロである。別の実施形態では、式(II)の化合物があり、ここで、nは1であり、R12は−Fである。別の実施形態では、式(II)の化合物があり、ここで、nは1であり、R12は−Clである。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物があり、ここで、nは1であり、R12はC1−6ハロアルキルである。別の実施形態では、式(II)の化合物があり、ここで、nは1であり、R12は−CF3である。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物があり、ここで、nは1であり、R12は−N(R6)2である。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物があり、ここで、nは1であり、R12は−NH2である。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物があり、ここで、nは1であり、R12は−C1−6アルキル−N(R6)2である。いくつかの実施形態において、式(II)の化合物であり、ここで、nは1であり、R12は−CH2N(R6)2である。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物であり、ここで、nは1であり、R12は−CH2NH2である。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物であり、ここで、nは1であり、R12は−C(O)N(R6)2である。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物であり、ここで、nは1であり、R12は−C(O)NH2である。
いくつかの実施形態では、式(II)の化合物があり、ここで、R11はハロである。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物があり、ここで、R11は−Fである。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物があり、ここで、R11は−Clである。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物があり、ここで、R11はC1−6ハロアルキルである。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物があり、ここで、R11は−CF3である。いくつかの実施形態において、式(II)の化合物であり、ここで、R11は−N(R6)2である。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物があり、ここで、R11は−NH2である。いくつかの実施形態において、式(II)の化合物であり、ここで、R11は−N(H)CH3である。いくつかの実施形態において、式(II)の化合物であり、ここで、R11は−N(CH3)2である。いくつかの実施形態において、式(II)の化合物であり、ここで、R11は−C1−6アルキル−N(R6)2である。いくつかの実施形態において、式(II)の化合物であり、ここで、R11は−CH2N(R6)2である。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物があり、ここで、R11は−CH2NH2である。いくつかの実施形態において、式(II)の化合物であり、ここで、R11は−CH2N(H)CH3である。いくつかの実施形態において、式(II)の化合物であり、ここで、R11は−CH2N(CH3)2である。いくつかの実施形態において、式(II)の化合物であり、ここで、R11は−CH2CH2N(R6)2である。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物があり、ここで、R11は−CH2CH2NH2である。いくつかの実施形態において、式(II)の化合物であり、ここで、R11は−CH2CH2N(H)CH3である。いくつかの実施形態において、式(II)の化合物であり、ここで、R11は−CH2CH2N(CH3)2である。いくつかの実施形態において、式(II)の化合物であり、ここで、R11は−CH2CH2CH2N(R6)2である。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物があり、ここで、R11は−CH2CH2CH2NH2である。いくつかの実施形態において、式(II)の化合物であり、ここで、R11は−CH2CH2CH2N(H)CH3である。いくつかの実施形態において、式(II)の化合物であり、ここで、R11は−CH2CH2CH2N(CH3)2である。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物があり、ここで、R11は−N(R6)2または−C1−6アルキル−N(R6)2である。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物があり、ここで、R11は−C(O)N(R6)2である。いくつかの実施形態において、式(II)の化合物であり、ここで、R11は−C(O)NH2である。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物があり、ここで、R11は−C(O)N(H)CH3である。いくつかの実施形態では、式(II)の化合物があり、ここで、R11は−C(O)N(CH3)2である。
別の態様では、個々の立体異性体、エナンチオマー、または、互変異性体、あるいはそれらの混合物としての、以下の構造を有する式(III)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物またはプロドラッグであり、
式中、R
2は独立して、ハロ、C
1−6アルキル、またはC
1−6ハロアルキルであり、R
4aとR
4bはそれぞれ独立して、水素、ハロ、C
1−6アルキル、またはC
1−6ハロアルキルであり、あるいは、R
4aとR
4bは、それらが両方とも結合する炭素と一体となって、シクロアルキルを形成し、R
6はそれぞれ独立して水素またはC
1−6アルキルであり、R
12はそれぞれ独立して、−OH、−CN、ハロ、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
1−6アルコキシ、C
1−6ハロアルコキシ、−N(R
6)
2、−C
1−6アルキル−N(R
6)
2、−C(O)R
6、−C(O)OR
6、−C(O)N(R
6)
2、アリール、アラルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、あるいはヘテロアリールであり、および、nは0、1、2、3、または4である。
いくつかの実施形態では、式(III)の化合物があり、ここで、R2はハロである。いくつかの実施形態では、式(III)の化合物があり、ここで、R2は−Fである。いくつかの実施形態では、式(III)の化合物があり、ここで、R2は−Clである。いくつかの実施形態では、式(III)の化合物があり、ここで、R2はC1−6アルキルである。いくつかの実施形態では、式(III)の化合物があり、ここで、R2は−CH3である。いくつかの実施形態では、式(III)の化合物があり、ここで、R2は−CH2CH3である。いくつかの実施形態において、式(III)の化合物であり、ここで、R2は−CH(CH3)2である。いくつかの実施形態では、式(III)の化合物があり、ここで、R2はC1−6ハロアルキルである。いくつかの実施形態では、式(III)の化合物があり、ここで、R2は−CF3である。
いくつかの実施形態では、式(III)の化合物があり、ここで、R4aは水素である。いくつかの実施形態では、式(III)の化合物があり、ここで、R4aはハロである。いくつかの実施形態では、式(III)の化合物があり、ここで、R4aは−Fである。いくつかの実施形態では、式(III)の化合物があり、ここで、R4aは−Clである。いくつかの実施形態では、式(III)の化合物があり、ここで、R4aはC1−6アルキルである。いくつかの実施形態では、式(III)の化合物があり、ここで、R4aは−CH3である。いくつかの実施形態では、式(III)の化合物があり、ここで、R4aは−CH2CH3である。いくつかの実施形態において、式(III)の化合物であり、ここで、R4aは−CH(CH3)2である。いくつかの実施形態では、式(III)の化合物があり、ここで、R4bは水素である。いくつかの実施形態では、式(III)の化合物があり、ここで、R4bはハロである。いくつかの実施形態では、式(III)の化合物があり、ここで、R4bは−Fである。いくつかの実施形態では、式(III)の化合物があり、ここで、R4bは−Clである。いくつかの実施形態では、式(III)の化合物があり、ここで、R4bはC1−6アルキルである。いくつかの実施形態では、式(III)の化合物があり、ここで、R4bは−CH3である。いくつかの実施形態では、式(III)の化合物があり、ここで、R4bは−CH2CH3である。いくつかの実施形態において、式(III)の化合物であり、ここで、R4bは−CH(CH3)2である。いくつかの実施形態では、式(III)の化合物があり、ここで、R4bはC1−6ハロアルキルである。いくつかの実施形態では、式(III)の化合物があり、ここで、R4bは−CF3である。いくつかの実施形態では、式(III)の化合物があり、ここで、R4aはC1−6アルキルであり、R4bは水素である。いくつかの実施形態では、式(III)の化合物があり、ここで、R4aは−CH3であり、R4bは水素である。いくつかの実施形態において、式(III)の化合物があり、ここで、R4aとR4bは、それらが両方とも結合する炭素と一体となって、シクロアルキルを形成する。いくつかの実施形態において、式(III)の化合物があり、ここで、R4aとR4bは、それらが両方とも結合する炭素と一体となって、シクロプロピルを形成する。いくつかの実施形態において、式(III)の化合物があり、ここで、R4aとR4bは、それらが両方とも結合する炭素と一体となって、シクロブチルを形成する。いくつかの実施形態において、式(III)の化合物があり、ここで、R4aとR4bは、それらが両方とも結合する炭素と一体となって、シクロペンチルを形成する。いくつかの実施形態において、式(III)の化合物があり、ここで、R4aとR4bは、それらが両方とも結合する炭素と一体となって、シクロヘキシルを形成する。
いくつかの実施形態では、式(III)の化合物があり、ここで、R12はそれぞれ独立して、−OH、−CN、ハロ、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C1−6アルコキシ、C1−6ハロアルコキシ、−N(R6)2、−C1−6アルキル−N(R6)2、−C(O)R6、−C(O)OR6、または−C(O)N(R6)2である。いくつかの実施形態において、式(III)の化合物があり、ここで、R12はそれぞれ独立して、ハロ、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、−N(R6)2、−C1−6アルキル−N(R6)2、または−C(O)N(R6)2である。いくつかの実施形態において、式(III)の化合物があり、ここで、R12はそれぞれ独立して、ハロ、C1−6アルキル、−N(R6)2、−C1−6アルキル−N(R6)2、またはC1−6ハロアルキルである。いくつかの実施形態では、式(III)の化合物があり、ここで、R12はハロである。いくつかの実施形態では、式(III)の化合物があり、ここで、R12は−Fである。いくつかの実施形態では、式(III)の化合物があり、ここで、R2は−Clである。いくつかの実施形態では、式(III)の化合物があり、ここで、R12はC1−6ハロアルキルである。いくつかの実施形態では、式(III)の化合物があり、ここで、R12は−CF3である。いくつかの実施形態において、式(III)の化合物であり、ここで、R12は−N(R6)2である。いくつかの実施形態では、式(III)の化合物があり、ここで、R12は−NH2である。いくつかの実施形態において、式(III)の化合物であり、ここで、R11は−N(H)CH3である。いくつかの実施形態において、式(III)の化合物であり、ここで、R12は−N(CH3)2である。いくつかの実施形態において、式(III)の化合物であり、ここで、R12は−C1−6アルキル−N(R6)2である。いくつかの実施形態において、式(III)の化合物であり、ここで、R12は−CH2N(R6)2である。いくつかの実施形態では、式(III)の化合物があり、ここで、R12は−CH2NH2である。いくつかの実施形態において、式(III)の化合物であり、ここで、R12は−CH2N(H)CH3である。いくつかの実施形態において、式(III)の化合物であり、ここで、R12は−CH2N(CH3)2である。いくつかの実施形態において、式(III)の化合物であり、ここで、R12は−CH2CH2N(R6)2である。いくつかの実施形態では、式(III)の化合物があり、ここで、R12は−CH2CH2NH2である。いくつかの実施形態において、式(III)の化合物であり、ここで、R12は−CH2CH2N(H)CH3である。いくつかの実施形態において、式(III)の化合物であり、ここで、R12は−CH2CH2N(CH3)2である。いくつかの実施形態において、式(III)の化合物であり、ここで、R12は−CH2CH2CH2N(R6)2である。いくつかの実施形態では、式(III)の化合物があり、ここで、R12は−CH2CH2CH2NH2である。いくつかの実施形態において、式(III)の化合物であり、ここで、R12は−CH2CH2CH2N(H)CH3である。いくつかの実施形態において、式(III)の化合物であり、ここで、R12は−CH2CH2CH2N(CH3)2である。いくつかの実施形態では、式(III)の化合物があり、ここで、R12は−N(R6)2または−C1−6アルキル−N(R6)2である。いくつかの実施形態では、式(III)の化合物があり、ここで、R12は−C(O)N(R6)2である。いくつかの実施形態において、式(III)の化合物であり、ここで、R12は−C(O)NH2である。いくつかの実施形態では、式(III)の化合物があり、ここで、nは3である。いくつかの実施形態では、式(III)の化合物があり、ここで、nは2である。いくつかの実施形態では、式(III)の化合物があり、ここで、nは1である。いくつかの実施形態では、式(III)の化合物があり、ここで、nは0である。いくつかの実施形態では、式(III)の化合物があり、ここで、nは1であり、R12はハロである。別の実施形態では、式(III)の化合物があり、ここで、nは1であり、R12は−Fである。別の実施形態では、式(III)の化合物があり、ここで、nは1であり、R12は−Clである。いくつかの実施形態では、式(III)の化合物があり、ここで、nは1であり、R12はC1−6ハロアルキルである。別の実施形態では、式(III)の化合物があり、ここで、nは1であり、R12は−CF3である。いくつかの実施形態では、式(III)の化合物があり、ここで、nは1であり、R12は−N(R6)2である。いくつかの実施形態では、式(III)の化合物があり、ここで、nは1であり、R12は−NH2である。いくつかの実施形態では、式(III)の化合物であり、ここで、nは1であり、R12は−C(O)N(R6)2である。いくつかの実施形態では、式(III)の化合物であり、ここで、nは1であり、R12は−C(O)NH2である。
いくつかの実施形態において、以下から選択される化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、またはプロドラッグがある:(R)1−ベンジル−N−(9−メチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’、2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド;(R)−N−(1−(3−アミノベンジル)−1H−ピラゾール−4−イル)−9−メチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’、2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボキサミド;(R)−N−(1−(2−アミノベンジル)−1H−ピラゾール−4−イル)−9−メチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’、2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボキサミド;および、(R)−1−(3−アミノベンジル)−N−(9−メチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’、2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド。
別の態様では、個々の立体異性体、エナンチオマー、または、互変異性体、あるいはそれらの混合物としての、以下の構造を有する式(IV)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、またはプロドラッグであり、
はヘテロシクリルであり、R
2は独立して水素、ハロ、C
1−6アルキル、またはC
1−6ハロアルキルであり、R
4aとR
4bはそれぞれ独立して、水素、ハロ、C
1−6アルキル、またはC
1−6ハロアルキルであり、あるいは、R
4aとR
4bは、それらが両方とも結合する炭素と一体となって、シクロアルキルを形成し、R
6はそれぞれ独立して水素またはC
1−6アルキルであり、R
11は、ハロ、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、−N(R
6)
2、−C
1−6アルキル−N(R
6)
2、あるいは−C(O)N(R
6)
2であり、R
12はそれぞれ独立して、−OH、−CN、ハロ、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
1−6アルコキシ、C
1−6ハロアルコキシ、−N(R
6)
2、−C
1−6アルキル−N(R
6)
2、−C(O)R
6、−C(O)OR
6、−C(O)N(R
6)
2、アリール、アラルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、あるいはヘテロアリールであり、および、nは0、1、2、3、または4である。
いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、R2はハロゲンである。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、R2はハロである。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、R2は−Fである。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、R2は−Clである。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、R2はC1−6アルキルである。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、R2は−CH3である。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、R2は−CH2CH3である。いくつかの実施形態において、式(IV)の化合物であり、ここで、R2は−CH(CH3)2である。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、R2はC1−6ハロアルキルである。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、R2は−CF3である。
いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、R4aはハロゲンである。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、R4aはハロである。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、R4aは−Fである。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、R4aは−Clである。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、R4aはC1−6アルキルである。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、R4aは−CH3である。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、R4aは−CH2CH3である。いくつかの実施形態において、式(IV)の化合物であり、ここで、R4aは−CH(CH3)2である。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、R4bは水素である。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、R4bはハロである。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、R4bは−Fである。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、R4bは−Clである。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、R4bはC1−6アルキルである。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、R4bは−CH3である。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、R4bは−CH2CH3である。いくつかの実施形態において、式(IV)の化合物であり、ここで、R4bは−CH(CH3)2である。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、R4bはC1−6ハロアルキルである。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、R4bは−CF3である。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、R4aはC1−6アルキルであり、R4bは水素である。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、R4aは−CH3であり、R4bは水素である。いくつかの実施形態において、式(IV)の化合物があり、ここで、R4aとR4bは、それらが両方とも結合する炭素と一体となって、シクロアルキルを形成する。いくつかの実施形態において、式(IV)の化合物があり、ここで、R4aとR4bは、それらが両方とも結合する炭素と一体となって、シクロプロピルを形成する。いくつかの実施形態において、式(IV)の化合物があり、ここで、R4aとR4bは、それらが両方とも結合する炭素と一体となって、シクロブチルを形成する。いくつかの実施形態において、式(IV)の化合物があり、ここで、R4aとR4bは、それらが両方とも結合する炭素と一体となって、シクロペンチルを形成する。いくつかの実施形態において、式(IV)の化合物があり、ここで、R4aとR4bは、それらが両方とも結合する炭素と一体となって、シクロヘキシルを形成する。
いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、R12はそれぞれ独立して、−OH、−CN、ハロ、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C1−6アルコキシ、C1−6ハロアルコキシ、−N(R6)2、−C1−6アルキル−N(R6)2、−C(O)R6、−C(O)OR6、または−C(O)N(R6)2である。いくつかの実施形態において、式(IV)の化合物があり、ここで、R12はそれぞれ独立して、ハロ、C1−6アルキル、−N(R6)2、−C1−6アルキル−N(R6)2、またはC1−6ハロアルキルである。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、R12はハロである。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、R12は−Fである。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、R12は−Clである。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、R12はC1−6ハロアルキルである。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、R12は−CF3である。いくつかの実施形態において、式(IV)の化合物であり、ここで、R12は−N(R6)2である。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、R12は−NH2である。いくつかの実施形態において、式(IV)の化合物であり、ここで、R12は−C1−6アルキル−N(R6)2である。いくつかの実施形態において、式(IV)の化合物であり、ここで、R12は−CH2N(R6)2である。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、R12は−CH2NH2である。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、R12は−C(O)N(R6)2である。いくつかの実施形態において、式(IV)の化合物であり、ここで、R12は−C(O)NH2である。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、nは3である。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、nは2である。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、nは1である。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、nは0である。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、nは1であり、R12はハロである。別の実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、nは1であり、R12は−Fである。別の実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、nは1であり、R12は−Clである。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、nは1であり、R12はC1−6ハロアルキルである。別の実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、nは1であり、R12は−CF3である。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、nは1であり、R12は−N(R6)2である。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、nは1であり、R12は−NH2である。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、nは1であり、R12は−C1−6アルキル−N(R6)2である。いくつかの実施形態において、式(IV)の化合物であり、ここで、nは1であり、R12は−CH2N(R6)2である。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物であり、ここで、nは1であり、R12は−CH2NH2である。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物であり、ここで、nは1であり、R12は−C(O)N(R6)2である。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物であり、ここで、nは1であり、R12は−C(O)NH2である。
いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、R11はハロである。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、R11は−Fである。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、R11は−Clである。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、R11はC1−6ハロアルキルである。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、R11は−CF3である。いくつかの実施形態において、式(IV)の化合物であり、ここで、R11は−N(R6)2である。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、R11は−NH2である。いくつかの実施形態において、式(III)の化合物であり、ここで、R11は−N(H)CH3である。いくつかの実施形態において、式(II)の化合物であり、ここで、R11は−N(CH3)2である。いくつかの実施形態において、式(IV)の化合物であり、ここで、R11は−C1−6アルキル−N(R6)2である。いくつかの実施形態において、式(IV)の化合物であり、ここで、R11は−CH2N(R6)2である。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、R11は−CH2NH2である。いくつかの実施形態において、式(IV)の化合物であり、ここで、R11は−CH2N(H)CH3である。いくつかの実施形態において、式(IV)の化合物であり、ここで、R11は−CH2N(CH3)2である。いくつかの実施形態において、式(IV)の化合物であり、ここで、R11は−CH2CH2N(R6)2である。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、R11は−CH2CH2NH2である。いくつかの実施形態において、式(IV)の化合物であり、ここで、R11は−CH2CH2N(H)CH3である。いくつかの実施形態において、式(IV)の化合物であり、ここで、R11は−CH2CH2N(CH3)2である。いくつかの実施形態において、式(IV)の化合物であり、ここで、R11は−CH2CH2CH2N(R6)2である。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、R11は−CH2CH2CH2NH2である。いくつかの実施形態において、式(IV)の化合物であり、ここで、R11は−CH2CH2CH2N(H)CH3である。いくつかの実施形態において、式(IV)の化合物であり、ここで、R11は−CH2CH2CH2N(CH3)2である。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、R11は−N(R6)2または−C1−6アルキル−N(R6)2である。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、R11は−C(O)N(R6)2である。いくつかの実施形態において、式(IV)の化合物であり、ここで、R11は−C(O)NH2である。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、R11は−C(O)N(H)CH3である。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、R11は−C(O)N(CH3)2である。
いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、
はピペリジンである。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、
はピペラジンである。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、
はモルホリンである。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、
はチオモルホリンである。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、
はテトラヒドロピランである。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、
はピロリジンである。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物があり、ここで、
いくつかの実施形態において、以下の構造を有する化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、またはプロドラッグがある:(R)−9−メチル−N−(1−((1−メチルピペリジン−4−イル)メチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’、2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボキサミド。
いくつかの実施形態において、以下から選択される化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、またはプロドラッグがある:(R)−9−メチル−6−オキソ−N−(1−(4−(トリフルオロメチル)ベンジル)−1H−ピラゾール−4−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’、2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボキサミド;(R)−N−(1−(2,4−ジフルオロベンジル)−1H−ピラゾール−4−イル)−9−メチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’、2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボキサミド;およそ、(R)−N−(1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−イル)−5−クロロ−9−メチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’、2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボキサミド;である。
いくつかの実施形態において、以下の構造を有する化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、またはプロドラッグがある:(R)−N−(1−(4−アミノメチル)ベンジル)−1H−ピラゾール−4−イル)−9−メチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’、2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボキサミド。
いくつかの実施形態において、以下の構造を有する化合物がある:(R)−N−(1−(4−アミノメチル)ベンジル)−1H−ピラゾール−4−イル)−9−メチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’、2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボキサミド塩酸塩;あるいは、その薬学的に許容可能な溶媒和物またはプロドラッグ。
いくつかの実施形態において、以下の構造を有する化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、またはプロドラッグがある:(R)−N−(1−(4−アミノベンジル)−1H−ピラゾール−4−イル)−9−メチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’、2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボキサミド。
いくつかの実施形態において、以下の構造を有する化合物がある:(R)−N−(1−(4−アミノベンジル)−1H−ピラゾール−4−イル)−9−メチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’、2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボキサミド塩酸塩;あるいは、その薬学的に許容可能な溶媒和物またはプロドラッグ。
いくつかの実施形態において、以下の構造を有する化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、またはプロドラッグがある:(R)−N−(2−カルバモイルフェニル)−9−メチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’、2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボキサミド。
本発明の化合物の有用性と試験
本発明は、N末端キナーゼドメイン中でATPを求めて競争することによりRSKタンパク質を阻害する化合物を対象としている。本明細書に引用されるように、RSKはRSK1、RSK2、RSK3、およびRSK4を含むRSKのすべての既知のアイソフォームを指す。とりわけ、本明細書に記載された化合物はRSK活性をブロックするように設計される。したがって、化合物は、個々のアイソフォームあるいはそれらの任意の組み合わせの活性を含む、RSK活性に関係している疾患と症状を処置するのに役立つ。
本明細書に記載された化合物は、直接の細胞の取り込みと、抗体薬物複合体の開発の適応性のために設計された。さらに、本明細書に記載された化合物はこれらのRSK阻害剤の構造活性関係を知らせるために合成された。クリスタルバイオレット染色(アラマーブルーと軟寒天のアッセイ)に基づいてインビトロのキナーゼ阻害とインビボでの成長抑制との間に優れた相関があった。
使用されたモデルは、表1Aと表1Bで以下に説明されるように、ヒトとマウスのソースに由来する癌細胞株であった。
化合物は、突然変異、p53突然変異、薬物耐性のものと同様に表皮成長因子受容体の増幅を抱えていたこうしたTNBC細胞株の活性を実証した。TNBCの多様な遺伝組成にもかかわらず、本明細書に記載された化合物は、癌細胞成長を抑えることにおいて均一に活性であった。
したがって、化合物は、RSK活性、癌細胞成長、代謝、細胞シグナル伝達を抑え、かつ細胞死を促すのに役立つ。RSKの活性の阻害における化合物の効能は、ヒト組み換えRSKを用いる無細胞のキナーゼアッセイを直接使用して評価可能である。RSKに対する阻害剤の特異性は、MK2(マイトジェン活性化プロテインキナーゼ活性化プロテインキナーゼ2)などの構造上関連づけられる他のキナーゼを含むアッセイにおいて小分子を評価することにより対処可能である。細胞成長はクリスタルバイオレットなどのDNA染色を使用して測定可能である。代謝はRSK阻害剤によって変えられ、アラマーブルーを使用して評価可能である。マンモスフェアアッセイは、RSK阻害剤が自己複製を阻む方法を測定するための便利な手段である。癌にはいくつかのRSK基質があるが、しかしながら、RSK不活性化のための最も信頼できるマーカーは、リン酸化されたYボックス結合タンパク質1(P−YB−1S102)の喪失によってである。RSK阻害剤は、PARP切断を含む多くの方法によって評価可能な癌細胞の細胞死を引き起こす。RSK阻害剤の安全性はCD34+細胞を用いるコロニー形成アッセイを使用して評価可能である。CD34+細胞は一次骨髄前駆細胞である。CD34+細胞を誘発することで、特定培地を使用して成熟した赤血球と単球に分化することができる。
本明細書に記載されるような式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物を使用する方法のいくつかの実施形態において、哺乳動物のRSK活性に関連する疾患または疾病を処置する方法があり、該方法は、個々の立体異性体、エナンチオマー、または、互変異性体、あるいはそれらの混合物としての、治療上有効な量の式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、またはプロドラッグを哺乳動物に投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、哺乳動物におけるp90リボソームS6キナーゼ(RSK)活性に関連する疾患または症状を処置する方法であり、該方法は、個々の立体異性体、エナンチオマー、または、互変異性体、あるいはそれらの混合物としての、治療上有効な量の式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、またはプロドラッグを哺乳動物に投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、哺乳動物におけるp90リボソームS6キナーゼ(RSK)活性に関連する疾患または症状を処置する方法であり、該方法は、個々の立体異性体、エナンチオマー、または、互変異性体、あるいはそれらの混合物としての、治療上有効な量の式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、またはプロドラッグを哺乳動物に投与する工程を含み、ここで、疾患または症状は癌である。いくつかの実施形態において、哺乳動物の癌を処置する方法であり、該方法は、個々の立体異性体、エナンチオマー、または、互変異性体、あるいはそれらの混合物としての、治療上有効な量の式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、またはプロドラッグを哺乳動物に投与する工程を含み、ここで、癌は、乳癌、前立腺癌、肺癌、脳癌、皮膚癌、骨癌、卵巣癌、あるいは血液の癌である。いくつかの実施形態において、哺乳動物の前立腺癌を処置する方法であり、該方法は、個々の立体異性体、エナンチオマー、または、互変異性体、あるいはそれらの混合物としての、治療上有効な量の式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、またはプロドラッグを哺乳動物に投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、哺乳動物の肺癌を処置する方法であり、該方法は、個々の立体異性体、エナンチオマー、または、互変異性体、あるいはそれらの混合物としての、治療上有効な量の式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、またはプロドラッグを哺乳動物に投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、哺乳動物の脳癌を処置する方法であり、該方法は、個々の立体異性体、エナンチオマー、または、互変異性体、あるいはそれらの混合物としての、治療上有効な量の式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、またはプロドラッグを哺乳動物に投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、哺乳動物の皮膚癌を処置する方法であり、該方法は、個々の立体異性体、エナンチオマー、または、互変異性体、あるいはそれらの混合物としての、治療上有効な量の式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、またはプロドラッグを哺乳動物に投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、哺乳動物の骨癌を処置する方法であり、該方法は、個々の立体異性体、エナンチオマー、または、互変異性体、あるいはそれらの混合物としての、治療上有効な量の式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、またはプロドラッグを哺乳動物に投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、哺乳動物の卵巣癌を処置する方法であり、該方法は、個々の立体異性体、エナンチオマー、または、互変異性体、あるいはそれらの混合物としての、治療上有効な量の式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、またはプロドラッグを哺乳動物に投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、哺乳動物の血液の癌を処置する方法であり、該方法は、個々の立体異性体、エナンチオマー、または、互変異性体、あるいはそれらの混合物としての、治療上有効な量の式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、またはプロドラッグを哺乳動物に投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、哺乳動物の乳癌を処置する方法であり、該方法は、個々の立体異性体、エナンチオマー、または、互変異性体、あるいはそれらの混合物としての、治療上有効な量の式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、またはプロドラッグを哺乳動物に投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、哺乳動物の乳癌を処置する方法であり、該方法は、個々の立体異性体、エナンチオマー、または、互変異性体、あるいはそれらの混合物としての、治療上有効な量の式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、またはプロドラッグを哺乳動物に投与する工程を含み、ここで、乳癌は、ルミナールA、ルミナールB、Her−2陽性、トリプルネガティブ乳癌、基底細胞様乳癌、炎症性乳癌、BRCA1/2変異乳癌、薬物耐性乳癌、マウス乳癌、ゲフィチニブ非感受性:MDA−MB−231、および転移性乳癌から選択される。
上記の実施形態の各々に適切な条件を含む本明細書に記載された方法の特定の実施形態が、次の段落でより詳細に記載されている。
併用療法
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物、およびこれらの組成物は、処置される疾病に対するその治療的価値のために選択される他の治療薬と組み合わせて使用される。一般に、本明細書に記載される組成物と、併用療法が用いられる実施形態においては、他の薬剤とは、同じ医薬組成物で投与される必要はなく、様々な物理的および化学的な特性ゆえに様々な経路によって投与されなければならないこともある。投与のモードと投与の妥当性の判定は、可能な場合には、同じ医薬組成物において、十分に臨床医の知識の範囲内である。最初の投与は当該技術分野で認識されている確立されたプロトコルにしたがって行うことができ、その後、観察された効果、投与量、投与モード、および投与の回数に基づいて、臨床医によって修正可能である。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される少なくとも1つの化合物を別の治療薬と組み合わせて投与することが適切である。ほんの一例として、式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物などの化合物の1つを受け取った患者が経験する副作用の1つが悪心である場合、当初の治療薬と組み合わせて嘔吐抑制剤を投与することが適切なこともある。または、ほんの一例として、本明細書に記載される化合物の1つの治療的恩恵は、アジュバントの投与によって増強されることがある(つまり、アジュバント単独では最小限の治療的有用性しかないが、別の治療薬と組み合わせると患者への全体的な治療的恩恵は増強される)。または、ほんの一例として、患者が受ける恩恵は、本明細書に記載される化合物の1つを、治療的利点を有する別の治療薬(治療レジメンも含む)とともに投与することによって増大することもある。どんな場合でも、処置されている疾患、障害、または疾病にかかわらず、患者が経験する全体的な利益は2つの治療薬の単なる添加剤であるか、あるいは、患者は相乗的な利益を受けることがある。
治療用途について、いくつかの実施形態では、本発明の化合物または医薬品は単独で投与されるか、あるいは従来の化学療法、放射線療法、ホルモン療法、および/または免疫療法と組み合わせて同時投与される。
非限定的な例として、いくつかの実施形態では、本明細書に記載される式(I)(II)(III)、または(IV)の化合物は、アルキル化剤(例えば、シクロホスファミド、イホスファミド、クロラムブチル、ブスルファン、メルファラン、メクロレタミン、ウラムスチン、チオテパ、ニトロソ尿素など)、抗代謝産物(例えば、5−フルオロウラシル、アザチオプリン、メトトレキサート、ロイコボリン、カペシタビン、シタラビン、フロクスウリジン、フルダラビン、ゲムシタビン、ペメトレキセド、ラルチトレキセドなど)、植物アルカロイド(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビン、ビンデシン、ポドフィロトキシン、パクリタキセル、ドセタキセルなど)、トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、イリノテカン、トポテカン、アムサクリン、エトポシド(VP16)、エトポシドリン酸塩、テニポシドなど)、抗腫瘍抗生物質(例えば、ドキソルビシン、アドリアマイシン、ダウノルビシン、エピルビシン、アクチノマイシン、ブレオマイシン、マイトマイシン、ミトキサントロン、プリカマイシンなど)、白金ベースの化合物(例えば、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチンなど)を含む従来の化学療法剤とともに同時投与される。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される式(I)(II)(III)、または(IV)の化合物は、限定されないが、ステロイド(例えば、デキサメタゾン)、フィナステリド、アロマターゼ阻害薬、タモキシフェン、およびゴセレリンなどのゴナドトロピン放出ホルモンアゴニスト(GnRH)を含む従来のホルモン性治療薬とともに同時投与される。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される式(I)(II)(III)、または(IV)の化合物は、限定されないが、免疫賦活剤(例えば、カルメット・ゲラン桿菌(BCG)、レバミソール、インターロイキン2、アルファインターフェロンなど)、モノクローナル抗体(例えば、抗CD20、抗HER2、抗CD52、抗−HLA−DR、および抗VEGFモノクローナル抗体)、免疫毒素(例えば、抗CD33モノクローナル抗体−カリチアマイシン複合体、抗CD22モノクローナル抗体シュードモナス外毒素複合体など)、および放射免疫治療(例えば、111In、90Y、あるいは131Iに複合した抗CD20モノクローナル抗体など)を含む従来の免疫療法薬ととともに同時投与される。
さらなる実施形態において、本明細書に記載される式(I)(II)(III)、または(IV)の化合物は、ポリADPリボースポリメラーゼ(PARP)阻害剤、STAT 3阻害剤、ヤーヌスキナーゼ阻害剤、あるいはEGFR阻害剤とともに同時投与される。
使用される化合物の特定の選択は、主治医の診断と、患者の疾病に対する判断と、適切な処置プロトコルに依存する。いくつかの実施形態では、化合物は、疾患、障害、あるいは疾病の性質、患者の状態、および使用される化合物の実際の選択に依存して、同時に(例えば、同時に、本質的に同時に、あるいは同じ処置プロトコル内で)あるいは連続して投与される。投与の順番と処置プロトコル中の各治療薬の投与の反復回数との決定は、処置されている疾患と患者の状態を評価した後の医師の知識の十分な範囲内である。
医薬品が処置の組み合わせで使用される場合、治療上有効な量は変わる場合がある。併用処置レジメンで使用される治療上有効な投与量の薬物および他の薬剤を試験的に決定するための方法が文献に記載されている。例えば、メトロノミック投与の使用、つまり、毒性の副作用を最小限に抑えるためにより高い頻度で低用量を提供することは、「Combination treatment 」という文献に後半に記載されているが、患者の臨床管理を支援するために様々な時点で始まったり終わったりする周期的な治療を含んでいる。
本明細書に記載される併用療法について、同時投与された化合物の投与量は、使用された助剤のタイプ、使用された特定の薬物、処置されている疾患または疾病などに依存して変化する。加えて、1つ以上の生理的に活性な材料で同時投与される際、本明細書に記載される化合物は、生理的に活性な薬剤と同時に、または連続して投与されることがある。連続して投与される場合、主治医は生理的に活性な薬剤と組み合わせてタンパク質を投与する適切な配列を決める。
いかなる場合でも、複数の治療薬(そのうちの1つは本明細書に記載される式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物である)は、任意の順序で、あるいは同時でも投与されてもよい。同時の場合、複数の治療薬は単回用の均一な形態で、または複数回用の形態(ほんの一例として、単一の錠剤または2つの別々の錠剤として)で提供されてもよい。治療薬の1つは複数回投与で与えられてもよく、または、両方とも複数回投与として与えられてもよい。同時ではない場合、複数回投与間のタイミングは0週以上から4週未満で変動することがある。さらに、併用の方法、組成物および製剤は、2つの薬剤のみの使用に限定されない。複数の治療の組み合わせを用いることも想定される。
緩和が求められる疾病を処置、予防、または寛解するための投薬レジメンは様々な要因に従って改変可能であることが理解される。これらの因子は、被験体の年齢、体重、性別、食事、および病状と同様に、被験体が患っている障害も含む。ゆえに、実際に用いられる投薬レジメンは広く異なる場合があり、それ故、本明細書で説明される投与レジメンから逸脱することがあり得る。
本明細書に開示された併用療法を構築する医薬品は、組み合わされた剤形であるか、または、ほぼ同時の投与を意図した個別の剤形であってもよい。併用療法を構築する医薬品は、2段階の投与を要求するレジメンによって投与されている一方の治療上の化合物と共に、連続して投与されてもよい。2段階の投与レジメンは、活性薬剤の連続する投与、または、別個の活性薬剤の間隔を空けた投与を要求してもよい。複数の投与段階の間の期間は、医薬品の性能、可溶性、バイオアベイラビリティ、血漿半減期、および速動性の特性といった、医薬品それぞれの特性に依存して、数分から数時間にまで及んでもよい。標的分子濃度の日周期の変化はまた、最適な投与間隔を決定する場合がある。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は、患者に付加的または相乗的な効果を提供する処置と組み合わせて使用される。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される式(I)(II)(III)、または(IV)の化合物は放射線療法で投与される。ほんの一例として、患者は、本明細書に記載される方法において、治療的および/または予防的効果を得ると予測され、ここで、本明細書に開示される化合物の医薬組成物、および/または他の治療法との併用は、個体が特定の疾患または疾病と相互関連すると知られている突然変異遺伝子の保有者であるかどうかを判定するための遺伝子検査と組み合わされる。
本明細書に記載される化合物および併用治療は、疾患または疾病の発症前、その最中、またはその後に投与され、化合物を含む組成物の投与のタイミングは異なり得る。したがって、いくつかの実施形態では、化合物は予防薬として使用され、疾患または疾病の発症を防ぐために、疾病または疾患を進行させる傾向のある被験体に継続的に投与される。いくつかの実施形態では、化合物および組成物は、症状の発症の間にまたはその後できるだけすぐに被験体に投与され得る。いくつかの実施形態では、化合物の投与は、症状の発症の最初の48時間以内に、好ましくは症状の発症の最初の48時間以内に、より好ましくは症状の発症の最初の6時間以内に、および最も好ましくは症状の発症の3時間以内に、始められる。最初の投与は、例えば、静脈注入、ボーラス注入、約5分〜約5時間にわたる注入、丸剤、カプセル剤、経皮パッチ、頬側送達など、またはこれらの組み合わせといった、任意の経路を介して行われ得る。化合物は、疾患または疾病の発症が検出または疑われた後に実施可能な限り早急に、および、例えば約1日〜約3ヶ月間など、疾患の処置が必要とされる期間に投与されることが好ましい。処置の長さは、各被験体について異なることがあり、この長さは既知の分類基準を使用して決定することができる。例えば、化合物または化合物を含む製剤は、少なくとも2週間、好ましくは約1ヶ月と約5年の間、および約1ヶ月乃至約3年の間、投与され得る。
本発明の医薬組成物と投与
本発明は、さらに本明細書に開示された化合物を含む医薬組成物に関する。1つの実施形態では、本発明は、薬学的に許容可能な担体、賦形剤、あるいは希釈剤中の、および動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトの患者に投与されるとRSKの活性を阻害するのに有効な量の、本明細書に記載される化合物を含む組成物に関する。
いくつかの実施形態において、個々の立体異性体、エナンチオマー、または、互変異性体、あるいはそれらの混合物としての、式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、またはプロドラッグ、および少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物がある。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、個々の立体異性体、エナンチオマー、または、互変異性体、あるいはそれらの混合物としての、式(I)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、またはプロドラッグ、および少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤を含んでいる。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、個々の立体異性体、エナンチオマー、または、互変異性体、あるいはそれらの混合物としての、式(II)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、またはプロドラッグ、および少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤を含んでいる。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、個々の立体異性体、エナンチオマー、または、互変異性体、あるいはそれらの混合物としての、式(III)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、またはプロドラッグ、および少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤を含んでいる。
医薬組成物は、本明細書で使用されるように、本明細書に記載される式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物と、担体、安定化剤、希釈剤、分散剤、懸濁化剤、増粘剤、および/または賦形剤などの他の化学成分との混合物を指す。医薬組成物は、有機体への化合物の投与を促進する。本明細書で提供される処置方法または使用方法を行う際に、本明細書に記載される治療上有効な量の化合物は、処置される疾患、障害、または、疾病を抱える哺乳動物に医薬組成物として投与される。いくつかの実施形態では、哺乳動物は、ヒトである。特定の実施形態において、治療上有効な量は、疾患の重症度、被験体の年齢および相対的な健康状態、使用される化合物の力価、および、他の因子に依存して変化する。式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物は、単独で、あるいは、(併用療法のように)混合物の成分として1つ以上の治療薬と組み合わせて使用可能である。
純粋な形態あるいは適切な医薬組成物での本明細書に記載された化合物あるいはその薬学的に許容可能な塩の投与は、同様の有用性を果たすために薬剤の投与の容認された様式のいずれかによっても実行可能である。本明細書に記載された医薬組成物は、適切な薬学的に許容可能な担体、希釈剤、あるいは賦形剤と本明細書に記載された化合物を組み合わせることにより調製可能であり、錠剤、カプセル剤、粉末、顆粒、軟膏剤、溶液、坐剤、注射剤、吸入薬、ゲル剤、マイクロスフェア、およびエアロゾルなどの固体、半固体、液体、あるいはガス状の形態の調製物に製剤されてもよい。そのような医薬組成物を投与する典型的なルートは、限定なしに、経口、局所、経皮、吸入、非経口、舌下、直腸、膣、および鼻腔内を含む。用語「非経口」とは、本明細書で使用されるように、皮下注射、静脈内、筋肉内、胸骨内注射、あるいは注入の技術を含んでいる。本明細書に記載された医薬組成物は、内部に含まれた有効成分が患者への組成物の投与時に生体利用可能となるように製剤される。被験体または患者に投与される組成物は1つ以上の投与ユニットの形態をとり、例えば、錠剤は単一の投与ユニットであってもよく、エアロゾルの形態中の本明細書に記載される化合物の容器は複数の投与ユニットを保持してもよい。こうした剤形を調製する実際の方法は知られているか、あるいは当業者には明らかとなるであろう。例えば、 The Science and Practice of Pharmacy, 20th Edition (Philadelphia College of Pharmacy and Science, 2000)を参照。投与される組成物は、いかなる事象においても、本発明の教示に従って所望の疾患または疾病の処置のために、治療上有効な量の本明細書に記載された化合物またはその薬学的に許容可能な塩を含む。
本明細書に有用な医薬組成物はさらに、任意の適切な希釈剤または賦形剤を含む薬学的に許容可能な担体を含み、これは、それ自体では組成物を受け取る個体に有害な抗体の産生を引き起こさない医薬品を含み、過度な毒性を伴うことなく投与され得る。薬学的に許容可能な担体としては、限定されないが、水、食塩水、グリセロール、およびエタノールなどの液体が挙げられる。薬学的に許容可能な担体、希釈剤、および他の賦形剤の完全な議論は、REMINGTON’S PHARMACEUTICAL SCIENCES(Mack Pub. Co., N.J. current edition)の中で提示される。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載された医薬組成物は、固体または液体の形態である。1つの態様では、担体は微粒子であり、そのため、組成物は例えば、錠剤または粉末の形態である。いくつかの実施形態において、担体は液体であり、組成物は、例えば、経口シロップ、注射可能な液体、あるいはエアロゾルであり、例えば、吸入投与に役立つ。
経口投与を意図するとき、医薬組成物は好ましくは固体あるいは液体の形態のいずれかであり、半固体、半液体、懸濁液、およびゲルフォームは、固体または液体のいずれかとして本明細書で見なされた形態の内部に含まれる。
いくつかの実施形態において、経口投与用の固形組成物として、医薬組成物は、粉末、顆粒、圧縮錠剤、丸剤、カプセル、チューインガム、ウエハー、あるいは同様の形態へ製剤される。こうした固形組成物は典型的には1つ以上の不活性の希釈剤あるいは食用の担体を含む。いくつかの実施形態において、以下の1つ以上が存在する:カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、微結晶性セルロース、トラガカントゴム、またはゼラチンなどの結合剤;デンプン、ラクトース、またはデキストリンなどの崩壊剤、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、Primogel、トウモロコシデンプンなどの賦形剤;ステアリン酸マグネシウムまたはSterotexなどの滑沢剤;コロイド状二酸化ケイ素などの滑剤;スクロースまたはサッカリンなどの甘味剤;ペパーミント、サリチル酸メチル、またはオレンジ調味料などの香料;および、着色料。
医薬組成物がカプセル、例えば、ゼラチンカプセルの形態である場合、医薬組成物は、上記のタイプの材料に加えて、ポリエチレングリコールまたは油などの液体担体を含むことがある。
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、液体、例えば、エリキシル、シロップ、溶液、エマルジョン、懸濁液の形態である。いくつかの実施形態において、液体は2つの例として、経口投与あるいは注射による送達のためのものである。経口投与を意図するとき、好ましい組成物は、本化合物に加えて、甘味剤、保存剤、染料/着色剤、および調味料の1以上を含むことを好む。いくつかの実施形態において、注射によって投与されることを意図された組成物中には、界面活性剤、防腐剤、湿潤剤、分散剤、懸濁化剤、緩衝液、安定化剤、および等張剤の1以上が含まれている。
本明細書に記載される液体の医薬組成物は、溶液、懸濁液、あるいは他の類似の形態であっても、以下のアジュバントの1つ以上を含み得る:注射用水、食塩水、好ましくは生理食塩水、リンゲル溶液、等張食塩水などの無菌の希釈剤、溶媒あるいは懸濁媒として役立ち得る合成のモノグリセリドまたはジグリセリドなどの固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、または他の溶媒;ベンジルアルコールあるいはメチルパラベンなどの抗菌物質;アスコルビン酸または亜硫酸ナトリウムなどの抗酸化剤;エチレンジアミン四酢酸などのキレート剤;酢酸塩、クエン酸塩、あるいはリン酸塩などの緩衝液、塩化ナトリウムまたはデキストロースなどの浸透圧の調整用の薬剤。非経口調製物はガラスまたはプラスチックで作られたアンプル、使い捨て注射器、あるいは複数回投与用のバイアルに入れることができる。生理食塩水は好ましいアジュバントである。注射可能な医薬組成物は好ましくは無菌である。
非経口あるいは経口の投与のいずれかのために意図された本明細書に記載の液体の医薬組成物は、適切な投与量が得られるように本明細書に記載された化合物の量を含まなければならない。典型的には、この量は、組成物中で本明細書に記載される化合物の少なくとも0.01%である。経口投与を意図するとき、この量は組成物の重量の0.1〜約70%の間になるように変動させてもよい。好ましい経口医薬組成物は、本明細書に記載された化合物の約4%〜約50%を含有している。非経口の投与ユニットが本明細書に記載される希釈の前に化合物の0.01重量%〜10重量%を含有するように、本発明にかかる好ましい医薬組成物と調製物は調製される。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載された医薬組成物は、局所性投与を意図しており、その場合、担体は溶液、エマルジョン、軟膏、あるいはゲル基剤を適切に含むことがある。基剤は、例えば、以下の1つ以上を含むことがある:ペトロラタム、ラノリン、ポリエチレングリコール、蜜ろう、鉱油、水やアルコールなどの希釈剤、乳化剤、および安定化剤。いくつかの実施形態において、増粘剤は局所投与用の医薬組成物中に存在する。経皮的な投与を意図するいくつかの実施形態では、組成物は経皮パッチまたはイオン導入装置を含む。いくつかの実施形態において、局所製剤は、約0.1〜約10w/v%(単位体積当たりの重量)の本明細書に記載された化合物の濃度を含んでいる。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載された医薬組成物は、例えば、直腸で溶けて薬物を放出する坐薬の形態で直腸投与用に意図される。直腸投与用の組成物は適切な非刺激性賦形剤として油脂性基剤を含有することがある。こうした基剤は、限定なしで、ラノリン、ココアバター、およびポリエチレングリコールを含んでいる。
本明細書に記載された医薬組成物は、固体または液体の投与ユニットの物理的形態を修正する様々な材料を含んでもよい。例えば、組成物は、有効成分のまわりでコーティングシェルを形成する材料を含んでもよい。いくつかの実施形態において、コーティングシェルを形成する材料は、典型的に不活性であり、例えば、砂糖、セラック、および他の腸溶コーティング薬剤から選択される。代替的に、いくつかの実施形態では、有効成分はゼラチンカプセルで包まれている。
固体または液体の形態の本明細書に記載された医薬組成物は、本明細書に記載された化合物に結合し、それにより化合物の送達を助ける薬剤を含んでもよい。この能力で作用し得る適切な薬剤はモノクローナルまたはポリクローナル抗体、タンパク質、あるいはリポソームを含む。
本明細書に記載された医薬組成物は、エアロゾルとして投与可能な投与ユニットからなることがある。エアロゾルという用語は、コロイド状の性質の系から加圧された包装からなる系まで及ぶ様々な系を表示するために使用される。いくつかの実施形態において、送達は、液化または圧縮ガスによるか、あるいは有効成分を分注する適切なポンプシステムによる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載された化合物のエアロゾルは、有効成分を伝達するために、単相、二相、または三相の系で送達される。エアロゾルの送達は、必要な容器、アクチベーター、バルブ、サブ容器などを含み、これらがともにキットを形成することもある。当業者は過度な実験作業なしで好ましいエアロゾルを決定することがある。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載された医薬組成物は、製薬分野で周知の方法によって調製される。例えば、いくつかの実施形態では、注射によって投与されるように意図された医薬組成物は、溶液を形成するために無菌の蒸留水と本明細書に記載された化合物を組み合わせることにより調製される。いくつかの実施形態において、界面活性剤は均一溶液または懸濁液の形成を促すために付け加えられる。界面活性剤は、水性送達システムでの化合物の溶解あるいは均質な懸濁を促すために、本明細書に記載された化合物に非共有結合的に相互に作用する化合物である。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載された医薬組成物は、当該技術分野で知られている手順を採用することによって患者への投与後に有効成分の迅速な放出、徐放、あるいは遅延放出をもたらすように製剤される。制御放出性製物送達系は、ポリマーをコーティングしたリザーバーあるいは薬物ポリマーマトリクス製剤を含んでいる浸透性のポンプシステムと溶解システムを含む。制御放出システムの例は、米国特許第3,845,770号と第4,326,525号、およびP. J. Kuzma et al., Regional Anesthesia 22 (6): 543−551 (1997)に挙げられており、これらの文献は参照により本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載された医薬組成物は、局所的な、全身的な、および鼻から脳への薬物療法に関する鼻の内部の薬物送達系を介して送達される。制御粒子分散液(CPD)(商標)技術、従来の鼻内噴霧瓶、吸入器、あるいは噴霧器は、嗅部と副鼻腔を標的とすることにより薬物の効果的な局所的および全身的な送達をもたらすために、当業者によって知られている。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載された医薬組成物はさらに、ヒトの女性または動物の雌への投与に適した膣内のシェルまたはコア薬物送達装置に関する。いくつかの実施形態において、装置は、シースに囲まれたポリマーマトリクス中の医薬品活性成分で構成され、かつ、PCT公開出願番号WO98/50016に記載されるようなテストステロンを適用するために用いられる装置に類似して毎日のように実質的にゼロ次パターンで化合物を放出することができる。
目の送達のための現在の方法は、局所投与(目薬)、結膜下注射、眼周囲注射、硝子体内注射、手術移植、およびイオン導入(イオン化された医薬品を体内組織へおよび体内組織を通って輸送するために小さな電流を使用する)を含んでいる。当業者は安全で効果的な眼内投与のための化合物と、最も適した賦形剤を組み合わせる。
最も適切なルートが、処置されている疾病の性質と重症度に依存する。さらに、当業者は、投与方法(例えば、経口、静脈内、吸入、皮下、直腸など)、剤形、適切な製薬の賦形剤、および被験体への化合物の送達に関連する他の事柄を決定することにも精通している。
投薬方法と処置レジメン
本明細書に記載される化合物は、癌の処置のための、またはRSKの阻害から少なくとも部分的に利益を得ることになる疾患または疾病の処置のための薬物の調製に使用可能である。加えて、そのような処置を必要としている被験体における本明細書に記載される疾患または疾病のいずれかを処置する方法は、少なくとも1つの本明細書に記載される化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩、薬学的に許容可能なプロドラッグ、または、薬学的に許容可能な溶媒和物を含む医薬組成物の、治療上有効な量での被験体への投与を含んでいる。
本明細書に記載された化合物またはその薬学的に許容可能な塩は、治療上有効な量で投与され、これは、使用された特定の化合物の活性;化合物の代謝性安定性と作用の長さ;患者の年齢、体重、健康状態、性別、および食事;投与の方式と時間;***率;複合薬;特定の障害または疾病の重症度;および、治療を受ける被験体を含む様々な因子に依存して変化する。一般に、治療上有効な1日量は(70kgの哺乳動物について)、約0.001mg/kg(つまり0.07mg)から約100mg/kg(つまり7.0g)までであり、好ましくは、治療上有効な量は(70kgの哺乳動物について)、約0.01mg/kg(つまり0.7mg)から約50mg/kg(つまり3.5g)までであり、より好ましくは、治療上有効な量は(70kgの哺乳動物について)、約1mg/kg(つまり70mg)から約25mg/kg(つまり1.75g)までである。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物の適切な毎日の投与量は、約0.001mg/kgから約20mg/kgまでである。いくつかの実施形態では、毎日の投与量は、約0.1mg/kgから約10mg/kgまでである。限定されないがヒトを含む大型の哺乳類における指定された毎日の投与量は、約0.5mgから約1000mgまでの範囲であり、好都合なことには、単回投与量で、あるいは限定されないが1日に最大で4回を含む分割投与量で、または持続放出形態で投与される。いくつかの実施形態では、経口投与にふさわしい単位剤形は約1〜約500mgの活性成分を含んでいる。いくつかの実施形態では、単位投与量は、約1mg、約5mg、約10mg、約20mg、約50mg、約100mg、約200mg、約250mg、約400mg、または約500mgである。
本明細書で提供される有効な量の範囲は、制限的であることを意図しておらず、かつ好ましい投与量範囲を表す。こうした投与量は、多くの変数、限定されないが、使用される化合物の活性、処置される疾患または疾病、投与モード、個々の被験体の必要条件、処置されている疾患または疾病の重症度、および医師の判断に依存して変更されることがある。しかしながら、最も好ましい投与量は、当業者により理解されおよび決定され得るように、個々の被験体に適合される(例えば、Berkowet al. , eds., The Merck Manual, 16th edition, Merck and Co., Rahway, N.J., 1992; Goodmanetna., eds.,Goodman and Cilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics, 10th edition, Pergamon Press, Inc., Elmsford, N.Y., (2001); Avery’s Drug Treatment: Principles and Practice of Clinical Pharmacology and Therapeutics, 3rd edition, ADIS Press, LTD., Williams and Wilkins, Baltimore, MD. (1987), Ebadi, Pharmacology, Little, Brown and Co., Boston, (1985); Osolci al., eds., Remington’s Pharmaceutical Sciences, 18th edition, Mack Publishing Co., Easton, PA (1990); Katzung, Basic and Clinical Pharmacology, Appleton and Lange, Norwalk, CT (1992)を参照)。
各処置に必要とされる総投与量は、必要に応じて、1日の間に複数回投与により、あるいは一回投与量で投与可能である。一般に、処置は低投与量で始められ、それは化合物の最適投与量未満である。その後、このような状況下で最適な効果に到達するまで、投与量を少しずつ増加させる。診断用医薬品化合物または組成物は、単独で、あるいは病状に向けられた、あるいは病状の他の症状に向けられた他の診断法および/または医薬品と組み合わせて投与可能である。本明細書に記載される組成物および/または化合物の投与のレシピエントは、哺乳動物などの任意の脊椎動物であり得る。哺乳動物の中で、好ましいレシピエントは、サル目(ヒト、類人猿、およびサルを含む)、ウシ目(ウマ、ヤギ、雌ウシ、ヒツジ、ブタを含む)、ネズミ目(マウス、ラット、ウサギ、およびハムスターを含む)、および食肉目(ネコとイヌを含む)の哺乳動物である。鳥の中で、好ましいレシピエントは、七面鳥、鶏、および同次の他のメンバーである。最も好ましいレシピエントはヒトである。
本明細書に記載される化合物を含む組成物は、予防的および/または治療的な処置のために投与可能である。治療用途では、組成物は、疾患または疾病の症状を治療するか少なくとも部分的に阻止するのに十分な量で疾患または疾病に既に苦しんでいる患者に投与される。この使用に有効な量は、疾患または疾病の重症度と経過、以前の治療、患者の健康状態、体重、および薬品に対する反応、ならびに治療医の判断に依存する。
予防的な適用では、本明細書に記載される化合物を含む組成物は、特定の疾患、障害、あるいは疾病になりやすい、あるいはそのリスクのある患者に投与される。こうした量は「予防的に有効な量または投与量」であると定義される。この用途では、正確な量は患者の容態、体重などによって変わる。患者で使用される際、この使用のための有効な量は、疾患、障害、または疾病の重症度と経過、以前の治療、患者の健康状態および医薬品に対する反応、ならびに治療医の判断に依存する。
患者の症状が改善しない場合、医者の裁量によって、いくつかの実施形態では、化合物の投与は、患者の疾患または疾病の症状を改善するため、またはさもなければ、それらを制御もしくは制限するために、習慣的に、すなわち、患者の生命が続く期間を含む長時間にわたって行われてもよい。
患者の状態が改善する場合、医者の裁量に従って、いくつかの実施形態では、化合物の投与は継続的に与えられるか、あるいは、いくつかの実施形態では、投与される薬物の投与量は、特定の期間、一時的に減らされるか、一時的に中止される(すなわち、休薬日)。休薬日の長さは、ほんの一例として、2日、3日、4日、5日、6日、7日、10日、12日、15日、20日、28日、35日、50日、70日、100日、120日、150日、180日、200日、250日、280日、300日、320日、350日、または365日を含む、2日〜1年の間で変動し得る。いくつかの実施形態では、休薬日中の投与量の減少は、ほんの一例として、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、または約100%を含む、約10%から約100%である。
いったん患者の状態が改善すると、必要に応じて維持量が投与される。その後、投与量または投与頻度、あるいはその両方は、症状に応じて、改善された疾患、障害、または疾病が保持されるレベルにまで減少可能である。しかしながら、患者は症状の任意の再発で長期間にわたって断続的な処置を必要とすることがあり得る。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される医薬組成物は、正確な投与量の単回投与に適した単位剤形である。単位剤形では、製剤は1つ以上の化合物の適切な量を含む単位投与量に分割される。単位用量は、製剤の離散量を含有するパッケージ形状である。非限定的な例は、包装された錠剤またはカプセル剤、および、バイアルまたはアンプル中の粉末である。いくつかの実施形態において、水性懸濁組成物は、単回用量用の再密閉できない容器に包装される。代替的に、いくつかの実施形態では、複数回用量用の再密閉可能な容器が使用され、この場合、組成物中に防腐剤を含めることが一般的である。ほんの一例として、いくつかの実施形態では、非経口的注入のための製剤は、限定されないがアンプルを含む単位剤形で、あるいは、追加の防腐剤と共に複数回投与量容器で提示される。
こうした処置レジメンの毒性と治療の有効性は、限定されないが、LD50(母集団の50%に対する致死投与量)と、ED50(母集団の50%で治療上有効な投与量)の測定を含む、細胞培養または実験動物中の標準的な製薬手順によって決定することができる。毒性効果と治療効果との間の用量比は、治療指数であり、LD50とED50との間の比率として表され得る。高い治療指数を示す化合物が好ましい。細胞培養アッセイと動物研究から得られたデータは、ヒトで使用される一連の投与量を処方するのに使用可能である。こうした化合物の投与量は好ましくは、最小限の毒性を備えるED50を含む一連の循環濃度内に位置する。投与量は、使用された剤形と利用された投与経路に依存してこの範囲内で変動することがある。
本発明の化合物の調製
以下の反応スキームは、個々の立体異性体、エナンチオマー、または、互変異性体、あるいはそれらの混合物としての、本発明の化合物(つまり、式(I)の化合物)、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物またはプロドラッグを作る方法を例証し、
n、A、B、E、R
1、およびR
2は、本発明の要約に定義される通りである。
当業者は、同様の方法により、あるいは当業者に既知の方法により、本明細書に記載される化合物を作ることができることが理解されよう。当業者は、適切な出発成分を用いることにより、かつ、必要に応じて合成のパラメータを修正することにより、以下に具体的に例証されていない本明細書に記載の他の化合物を、以下に記載されるのと類似するやり方で作ることができることも理解されよう。一般に、出発成分は、Sigma Aldrich, Lancaster Synthesis, Inc., Maybridge, Matrix Scientific, TCI, and Fluorochem USAなどのソースから得ることができ、当業者に知られているソースに従って合成され得る(例えば、Smith, M.B. and J. March, March’s Advanced Organic Chemistry: Reactions, Mechanisms, and Structure, 6th edition (Wiley, 2007)を参照)か、あるいは本明細書に記載されるとおりに調製され得る。
以下の記載において、描かれた式の置換基および/または変数の組み合わせは、そのような寄与が安定した化合物をもたらす場合にのみ許容可能である。
さらに、以下に記載されたプロセスにおいて、中間体化合物の官能基は適切な保護基によって保護される必要があり得ることが当業者によって評価される。こうした官能基はヒドロキシ、アミノ、メルカプト、およびカルボン酸を含んでいる。ヒドロキシに適切な保護基は、トリアルキルシリルまたは、ジアリールアルキルシリル(例えば、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル、あるいはトリメチルシリル)、テトラヒドロピラニル、ベンジルなどを含んでいる。アミノ、アミジノ、およびグアニジノに適切な保護基は、t−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルなどを含んでいる。メルカプトに適切な保護基は、−C(O)−R”(ここで、R”はアリール、アルキル、あるいはアラルキルを含む)、p−メトキシベンジル、トリチルなどを含む。カルボン酸に適切な保護基は、アルキル、アリール、あるいはアリールアルキルエステルを含んでいる。
いくつかの実施形態において、保護基は、当業者に知られており、かつ、本明細書に記載されるとおりである標準的な技術に合わせて追加または削除される。
保護基の使用は、 Greene, T.W. and P.G.M. Wuts, Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis (2006), 4th Ed., Wileyに詳細に記載されている。保護基はさらに、Wang樹脂あるいは2−クロロトリチル−塩化物樹脂などの高分子樹脂でもあってもよい。
本発明の化合物のこうした保護誘導体はそのようなものとして薬理活性を有していないこともあるが、これらは哺乳動物に投与され、その後身体内で代謝されることで、薬理学的に活性である本明細書に記載される化合物が形成されることも当業者には理解される。したがって、こうした誘導体は「プロドラッグ」と記載されることがある。本発明の化合物のプロドラッグはすべて本明細書に記載された化合物の範囲内に含まれる。
式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物は、少なくとも1つの不斉炭素原子を含み、ゆえに、ラセミ化合物、エナンチオマー、および/または、ジアステレオ異性体として存在し得る。いくつかの実施形態において、特定のエナンチオマーあるいはジアステレオ異性体は適切なキラル出発物質を利用することにより調製される。代替的に、いくつかの実施形態では、式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物のジアステレオ異性体混合物あるいはラセミ混合物は、それぞれのエナンチオマーあるいはジアステレオ異性体へ分解される。本明細書に記載される式(I)、(II)、(III)、または(IV)のジアステレオ異性体混合物またはラセミ混合物の分解のための方法は、当該技術分野で周知である(例えば、E.L. Eliel and S.H. Wilen, in Stereochemistry of Organic Compounds; John Wiley & Sons: New York, 1994; Chapter 7、および本明細書で引用される参考文献を参照)。結晶化(例えば、優先的な結晶化、添加剤のある状態での優先的な結晶化)、ラセミ化合物の非対称的な形質転換、化学的分離(例えば、ジアステレオマー塩混合物などのジアステレオマーの形成と分離、あるいは他の分割剤の使用;複合体と包接化合物による分離)、速度論的分割(例えば、チタン酒石酸塩触媒を用いる)、酵素の分解(例えば、リパーゼ媒介)、およびクロマトグラフ分離(例えば、キラル固定相および/または疑似移動床技術を用いるHPLC、あるいは超臨界流体クロマトグラフィーおよび関連する技術)などの適切なプロセスは、適用され得る例の一部である(例えば、T.J. Ward, Analytical Chemistry, 2002, 2863−2872を参照)。
式(I−1)の化合物の調製
式(I−1)の化合物は式(I)の化合物であり、反応スキーム1で以下に説明される通りに調製され、ここで、n、E、A、B、R2、およびR5は発明の概要において上に記載される通りである。
式(A)と式(C)の化合物は市販で入手可能であるか、あるいは当業者に知られている方法により調製されてもよい。
一般に、式(I−1)の化合物は、室温でのラネーニッケルを用いる処置などの標準的な還元条件下で、メタノールなどのプロトン性溶媒中の式(A)の化合物を最初に還元することにより調製される。その後、式(B)の化合物は、蒸発とフラッシュカラムクロマトグラフィーによる精製などの標準的な技術によって反応混合物から単離される。その後、式(B)の化合物は、標準的なアミド形成条件下において室温で式(C)の化合物で処理されることで、式(I−1)の化合物が得られ、これを、有機溶媒抽出、蒸発、およびカラムクロマトグラフィーなどの標準的な単離技術によって反応条件から単離する。
式(I−2)の化合物の調製
式(I−2)の化合物は式(I)の化合物であり、反応スキーム2で以下に説明される通りに調製され、ここで、E、A、B、およびR5は発明の概要において上に記載される通りであり、Xはそれぞれ独立してブロモまたはクロロであり、R9はアルキレンである。
式(C)、式(D)、および式(E)の化合物は市販で入手可能であるか、あるいは当業者に知られている方法により調製されてもよい。特に、式(E)の化合物は本明細書に定義されるような随意に置換されたN−複素環である。
一般に、式(I−2)の化合物は、まず式(D)の化合物を標準的なアルキル化条件下で処理することにより調製されることで式(F)の化合物が得られ、これを、蒸発とカラムクロマトグラフィーなどの標準的な単離技術によって反応混合物から隔離する。その後、式(F)の化合物は、ハロゲン化アリール条件を用いてアミンのパラジウム触媒クロスカップリングにより標準的なバックワルド・ハートウィッグアミノ化反応下で処理されることで、式(G)の化合物が得られ、これを蒸発とカラムクロマトグラフィーなどの標準的な単離技術によって単離する。その後、式(G)の化合物を、標準的なアミド形成条件下で式(C)の化合物で処理することで、式(I−2)の化合物が得られ、これを、有機的な抽出、蒸発、およびカラムクロマトグラフィーなどの標準的な単離技術によって反応条件から単離する。
式(I−3)の化合物の調製
式(I−3)の化合物は式(I)の化合物であり、反応スキーム3で以下に説明される通りに調製され、ここで、E、A、R4a、R4b、R4c、R4d、およびR5は発明の概要において上に記載される通りであり、Xはそれぞれ独立してブロモまたはクロロであり、R10はアルキルであり、およびPGはt−ブトキシカルボニルなどの窒素保護基である。
式(G)、式(H)、および式(C)の化合物は市販で入手可能であるか、あるいは当業者に知られている方法により調製されてもよい。
一般に、式(I−3)の化合物は、塩基条件下において標準的な求核置換の下で式(H)の化合物で最初に式(G)の化合物を処理することにより調製されることで、式(J)の化合物が得られ、これを、有機溶媒抽出、蒸発、およびカラムクロマトグラフィーなどの標準的な単離技術によって反応混合物から単離する。その後、式(J)の化合物を、標準的なラクタム環化条件下で処理することで、式(K)の化合物が得られ、これを、溶媒抽出、蒸発、およびカラムクロマトグラフィーなどの標準的な単離技術によって反応混合物から単離する。その後、式(K)の化合物を、標準的なアミド形成条件下で式(C)の化合物で処理することで、式(I−2)の化合物が得られ、これを、有機的な抽出、蒸発、およびカラムクロマトグラフィーなどの標準的な単離技術によって反応条件から単離する。
式(I−4)の化合物の調製
式(I−4)の化合物は式(I)の化合物であり、反応スキーム4で以下に説明される通りに調製され、ここで、E、A、およびR5は発明の概要において上に記載される通りであり、Xは独立してブロモまたはクロロであり、R10はアルキルである。
式(G)、式(L)、および式(C)の化合物は市販で入手可能であるか、あるいは当業者に知られている方法により調製されてもよい。
一般に、式(I−4)の化合物は、標準的なアルキル化条件下において式(L)の化合物で最初に式(G)の化合物を処理することにより調製されることで、式(M)の化合物が得られ、これを、ろ過などの標準的な単離技術によって反応混合物から単離する。その後、式(M)の化合物を、標準的なラクタム環化条件下で処理することで、式(N)の化合物が得られ、これを、蒸発およびカラムクロマトグラフィーなどの標準的な単離技術によって反応混合物から単離する。その後、式(N)の化合物を、標準的なアミド形成条件下で式(C)の化合物で処理することで、式(I−4)の化合物が得られ、これを、有機的な抽出、蒸発、およびカラムクロマトグラフィーなどの標準的な単離技術によって反応条件から単離する。
式(I−5)の化合物の調製
式(I−5)の化合物は式(I)の化合物であり、反応スキーム5で以下に説明される通りに調製され、ここで、E、A、およびR5は発明の概要において上に記載される通りであり、Xは独立してブロモまたはクロロであり、R10はアルキルである。
式(O)、式(P)、および式(C)の化合物は市販で入手可能であるか、あるいは当業者に知られている方法により調製されてもよい。
一般に、式(I−5)の化合物は、塩基条件下において標準的な求核置換の下で式(P)の化合物で最初に式(O)の化合物を処理することにより調製されることで、式(Q)の化合物が得られ、これを、有機溶媒抽出、蒸発、およびカラムクロマトグラフィーなどの標準的な単離技術によって反応混合物から単離する。その後、式(Q)の化合物を、フィッシャーインドール様合成条件下で処理することで、式(R)の化合物が得られ、これを、抽出、蒸発、およびカラムクロマトグラフィーなどの標準的な単離技術によって反応混合物から単離する。その後、式(R)の化合物を、ラネーニッケルとヒドラジン水化物を用いる処置などの標準的な還元条件下で処理することで、式(S)の化合物が得られ、これを蒸発とカラムクロマトグラフィーなどの標準的な単離技術によって反応混合物から単離する。その後、式(S)の化合物を、標準的なアミド形成条件下で式(C)の化合物で処理することで、式(I−5)の化合物が得られ、これを、有機的な抽出、蒸発、およびカラムクロマトグラフィーなどの標準的な単離技術によって反応条件から単離する。
式(I−6)の化合物の調製
式(I−6)の化合物は式(I)の化合物であり、反応スキーム6で以下に説明される通りに調製され、ここで、E、A、およびR5は発明の概要において上に記載される通りであり、R10はアルキルである。
式(T)、式(∪)、および式(C)の化合物は市販で入手可能であるか、あるいは当業者に知られている方法により調製されてもよい。
一般に、式(I−6)の化合物は、標準的な還元的アミノ化条件下において式(∪)の化合物で最初に式(T)の化合物を処理することにより調製されることで、式(∨)の化合物が得られ、これを、有機溶媒抽出や蒸発などの標準的な単離技術によって反応条件から単離する。その後、式(∨)の化合物を、標準的なフィッシャーインドール合成条件下で処理することで、式(W)の化合物が得られ、これを、有機溶媒抽出、蒸発、およびカラムクロマトグラフィーなどの標準的な単離技術によって反応条件から単離する。その後、式(W)の化合物を、室温においてラネーニッケルとヒドラジン水化物を用いる処置などの標準的な還元条件下で処理することで、式(X)の化合物が得られ、これをろ過、蒸発、およびフラッシュカラムクロマトグラフィーなどの標準的な単離技術によって反応条件から単離する。その後、式(X)の化合物を、標準的なアミド形成条件下で式(C)の化合物で処理することで、式(I−6)の化合物が得られ、これを、有機溶媒抽出、蒸発、およびカラムクロマトグラフィーなどの標準的な単離技術によって反応条件から単離する。
式(I−7)の化合物の調製
式(I−7)の化合物は式(I)の化合物であり、反応スキーム7で以下に説明される通りに調製され、ここで、n、E、A、B、およびR2は発明の概要において上に記載される通りであり、Xはブロモまたはクロロであり、R9はアルキレンであり、R7bはハロ、ハロアルキル、−CN、−NO2、−N(R6)2、−N(R6)C(O)OR6、−C(O)R6、−C(O)OR6、あるいは−C(O)N(R6)2であり、R6は発明の概要において上に記載される通りであり、
式(Y)、式(Z)、および式(CC)の化合物は市販で入手可能であるか、あるいは当業者に知られている方法により調製されてもよい。
一般に、式(I−7)の化合物は、標準的な窒素アルキル化条件下において式(Z)の化合物で最初に式(Y)の化合物を処理することにより調製されることで、式(AA)の化合物が得られ、これを、有機溶媒抽出やカラムクロマトグラフィーなどの標準的な単離技術によって反応条件から単離する。その後、式(AA)の化合物を、酢酸中の鉄を用いる処置などの標準的な還元条件下で処理することで、式(BB)の化合物が得られ、これを有機溶媒抽出と蒸発などの標準的な単離技術によって反応条件から単離する。その後、式(BB)の化合物を、標準的なアミド形成条件下で式(CC)の化合物で処理することで、式(I−7)の化合物が得られ、これを、有機溶媒抽出、蒸発、およびカラムクロマトグラフィーなどの標準的な単離技術によって反応条件から単離する。
式(I−87)の化合物の調製
式(I−8)の化合物は式(I)の化合物であり、反応スキーム8で以下に説明される通りに調製され、ここで、n、E、A、B、およびR2は発明の概要において上に記載される通りであり、Xはブロモまたはクロロであり、R9はアルキレンであり、R5aはハロ、ハロアルキル、−CN、−NO2、−N(R6)2、−N(R6)C(O)OR6、−C(O)R6、−C(O)OR6、あるいは−C(O)N(R6)2であり、R6は発明の概要において上に記載される通りであり、
式(DD)、式(EE)、および式(B)の化合物は市販で入手可能であるか、あるいは当業者に知られている方法により調製されてもよい。
一般に、式(I−8)の化合物は、標準的な窒素アルキル化条件下において式(DD)の化合物で最初に式(EE)の化合物を処理することにより調製されることで、式(FF)の化合物が得られ、これを、有機溶媒抽出、蒸発、およびカラムクロマトグラフィーなどの標準的な単離技術によって反応条件から単離する。その後、式(FF)の化合物を、塩基性加水分解条件下で処理することで、式(GG)の化合物が得られ、これを、有機溶媒抽出や溶媒の蒸発などの標準的な単離技術によって反応条件から単離する。その後、式(GG)の化合物を、標準的なアミド形成条件下で式(B)の化合物で処理することで、式(I−8)の化合物が得られ、これを、有機溶媒抽出、蒸発、およびカラムクロマトグラフィーなどの標準的な単離技術によって反応条件から単離する。
合成例
本明細書に記載される中間体および/または化合物の調製を対象とした以下の合成例は、本発明の実施を助けるためのガイドとして提供され、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。略語
次の略語が以下の合成例において本明細書で使用されてもよい:
酢酸はAcOH;
アセトニトリルはACN;
t−ブトキシカルボニルはBoc;
ボランテトラヒドロフラン複合体はBH3・THF;
ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスファートはBOP;
1,4,7,10,13,16−ヘキサオキサシクロオクタデカンは18−クラウン−6;
ジクロロメタンはDCM;
N,N−ジメチルホルムアミドはDMF;
トリエチルアミンはEt3N;
酢酸エチルはEtOAc;
エタノールはEtOH;
時間はh;
1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム 3−オキシドヘキサフルオロホスファートはHATU;
O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファートはTBTU;
リチウム ビス(トリメチルシリル)アミドはLiHMDS;
minute(分)はmin;
メタノールはMeOH;
水酸化ナトリウムはNaOH;
核磁気共鳴はNMR;
木炭上パラジウム金属はPd/C;
トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)はPd2(dba)3;
フェニルはPh;
トリ−tert−ブチルホスフィンはPtBu3;
ポリリン酸はPPA、および、ジイソプロピルエチルアミンはiPr2NEt;
ラネーニッケルはRa−Ni;
室温はrt;
テトラブチルアンモニウムフッ化物はTBAF;
トリフルオロ酢酸はTFA;
テトラヒドロフランはTHF;
薄層クロマトグラフィーはTLC。
合成例1
1−ベンジル−N−(3−(モルホリノメチル)−1H−インドール−5−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、化合物#1の合成
A.MeOH(20mL)中の4−((5−ニトロ−1H−インドール−3−イル)メチル)モルホリン(化合物(1A)(0.42g、1.607mmol)を、ラネーニッケル(〜100mg)で処理し、その後、室温にてヒドラジン水化物(0.78mL、16.074mmol)で処理した。反応をあらかじめ加熱した油浴で10−15分間還流させ、その後、室温に戻した。溶液をセライトのパッドによってろ過し、メタノール(2×15mL)で洗浄した。結合したメタノール層を蒸発させ、粗製物をシリカゲル上でフラッシュカラムクロマトグラフィー(MeOH中の2MのNH3:CH2Cl2、5:95)によって精製することで、茶色の固形物として3−(モルホリノメチル)−1H−インドール−5−アミン、化合物1b(0.3g、81%)を得た。
B.乾燥したDMF(10mL)中の3−(モルホリノメチル)−1H−インドール−5−アミン(化合物1b、0.215g、0.929mmol)、1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸(化合物1c、0.21g、1.022mmol)、およびEt3N(0.26mL、1.859mmol)の溶液を、室温にてHBTU(0.35g、0.929mmol)で処理し、4時間撹拌した。反応物を1NのNaOH溶液(50mL)、水(50mL)で希釈し、生成物を酢酸エチル(2×50mL)へ抽出した。結合した酢酸エチル層を塩水(50mL)で洗浄し、乾燥させた(Na2SO4)。溶媒を蒸発させ、粗製物をシリカゲル上でカラムクロマトグラフィー(MeOH中の2MのNH3:CH2Cl2、2:98〜5:95)によって精製することで、オフホワイト固形物として、1−ベンジル−N−(3−(モルホリノメチル)−1H−インドール−5−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、化合物#1(0.3g、78%)を得た。1H NMR (DMSO−d6) δ 2.36 (brs, 4H), 3.50−3.60(m,6H), 5.39(s,2H), 7.21(s,1H), 7.27−7.39(m,7H), 7.87(s,1H), 8.06(s,1H), 8.41(s,1H), 9.70(s,1H), 10.88(s,1H);ESI−MS(m/z、%):416(MH+、100%).
合成例2
1−ベンジル−N(3−(モルホリノメチル)−1H−インドール−6−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、化合物#2の合成
A.MeOH(20mL)中の4−((6−ニトロ−1H−インドール−3−イル)メチル)モルホリン(化合物(2a、0.325g、1.243mmol)を、ラネーニッケル(〜50mg)で処理し、その後、室温にてヒドラジン水化物(0.6mL、12.438mmol)で処理した。反応をあらかじめ加熱した油浴で10−15分間還流させ、その後、室温に戻した。溶液をセライトのパッドによってろ過し、メタノール(2×15mL)で洗浄した。結合したメタノール層を蒸発させ、粗製物をシリカゲル上でフラッシュカラムクロマトグラフィー(MeOH中の2MのNH3:CH2Cl2、5:95)によって精製することで、黄褐色の固形物として3−(モルホリノメチル)−1H−インドール−6−アミン、化合物2b(0.27g、94%)を得た。
B.乾燥したDMF(10mL)中の3−(モルホリノメチル)−1H−インドール−6−アミン(化合物2b、0.26g、1.124mmol)、1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸(化合物1c、0.25g、1.236mmol)、およびEt3N(0.31mL、2.248mmol)の溶液を、室温にてHBTU(0.42g、1.124mmol)で処理し、4時間撹拌した。反応物を1NのNaOH溶液(50mL)、水(50mL)で希釈し、生成物を酢酸エチル(2×50mL)へ抽出した。結合した酢酸エチル層を塩水(50mL)で洗浄し、乾燥させた(Na2SO4)。溶媒を蒸発させ、粗製物をシリカゲル上でカラムクロマトグラフィー(MeOH中の2MのNH3:CH2Cl2、2:98〜5:95)によって精製することで、オフホワイト固形物として、1−ベンジル−N−(3−(モルホリノメチル)−1H−インドール−6−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、化合物#2(0.43g、92%)を得た。1H NMR (DMSO−d6) δ 2.36 (brs, 4H), 3.54−3.57(m,6H), 5.39(s,2H), 7.16−7.18(m,2H), 7.28−7.38(m,5H), 7.54(d,1H,J= 4.2 Hz), 7.94(s,1H), 8.06(s,1H), 8.43(s,1H), 9.72(s,1H), 10.87(s,1H);ESI−MS(m/z、%):416(MH+、100%).
合成例3
1−ベンジル−N−(3−((4−メチルピペラジン−1−イル)メチル)−1H−インドール−5−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、化合物#3の合成
A.MeOH(10mL)中の3−((4−メチルピペラジン−1−イル)メチル)−5−ニトロ−1H−インドール(化合物(3a、0.25g、0.911mmol)を、ラネーニッケル(〜50mg)で処理し、その後、室温にてヒドラジン水化物(0.44mL、9.113mmol)で処理した。反応をあらかじめ加熱した油浴で10−15分間還流させ、その後、室温に戻した。溶液をセライトのパッドによってろ過し、メタノール(2×15mL)で洗浄した。結合したメタノール層を蒸発させ、粗製物をシリカゲル上でフラッシュカラムクロマトグラフィー(MeOH中の2MのNH3:CH2Cl2、5:95)によって精製することで、黄褐色の固形物として3−((4−メチルピペラジン−1−イル)メチル)−1H−インドール−5−アミン、化合物3b(0.19g、86%)を得た。
B.乾燥したDMF(5mL)中の3−((4−メチルピペラジン−1−イル)メチル)−1H−インドール−5−アミン(化合物3b、0.175g、0.716mmol)、1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸(化合物1c、0.16g、0.787mmol)、およびEt3N(0.2mL、1.432mmol)の溶液を、室温にてHBTU(0.27g、0.716mmol)で処理し、4時間撹拌した。反応物を1NのNaOH溶液(50mL)、水(50mL)で希釈し、生成物を酢酸エチル(2×50mL)へ抽出した。結合した酢酸エチル層を塩水(50mL)で洗浄し、乾燥させた(Na2SO4)。溶媒を蒸発させ、粗製物をシリカゲル上でカラムクロマトグラフィー(MeOH中の2MのNH3:CH2Cl2、2:98〜5:95)によって精製することで、淡黄色固形物として、1−ベンジル−N−(3−((4−メチルピペラジン−1−イル)メチル)−1H−インドール−5−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、化合物#3(0.26g、85%)を得た。1H NMR (DMSO−d6) δ 2.21(s,3H), 2.25−2.40(m,8H), 3.55(s,2H), 5.39(s,2H), 7.19(d,1H,J= 1.2 Hz), 7.27−7.39(m,7H), 7.83(s,1H), 8.06(s,1H), 8.41(s,1H), 9.69(s,1H), 10.85(s,1H);ESI−MS(m/z、%):429(MH+、100%).
合成例4
1−ベンジル−N−(3−((4−メチルピペラジン−1−イル)メチル)−1H−インドール−6−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、化合物#4の合成
A.MeOH(10mL)中の3−((4−メチルピペラジン−1−イル)メチル)−6−ニトロ−1H−インドール(化合物(4a、0.32g、1.166mmol)を、ラネーニッケル(〜50mg)で処理し、その後、室温にてヒドラジン水化物(0.56mL、11.665mmol)で処理した。反応をあらかじめ加熱した油浴で10−15分間還流させ、その後、室温に戻した。溶液をセライトのパッドによってろ過し、メタノール(2×15mL)で洗浄した。結合したメタノール層を蒸発させ、粗製物をシリカゲル上でフラッシュカラムクロマトグラフィー(MeOH中の2MのNH3:CH2Cl2、5:95)によって精製することで、黄褐色の固形物として3−((4−メチルピペラジン−1−イル)メチル)−1H−インドール−6−アミン、化合物4b(0.26g、91%)を得た。
B.乾燥したDMF(5mL)中の3−((4−メチルピペラジン−1−イル)メチル)−1H−インドール−6−アミン(化合物4b、0.245g、1.002mmol)、1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸(化合物1c、0.22g、1.102mmol)、およびEt3N(0.28mL、2.005mmol)の溶液を、室温にてHBTU(0.38g、1.002mmol)で処理し、4時間撹拌した。反応物を1NのNaOH溶液(50mL)、水(50mL)で希釈し、生成物を酢酸エチル(2×50mL)へ抽出した。結合した酢酸エチル層を塩水(50mL)で洗浄し、乾燥させた(Na2SO4)。溶媒を蒸発させ、粗製物をシリカゲル上でカラムクロマトグラフィー(MeOH中の2MのNH3:CH2Cl2、2:98〜5:95)によって精製することで、淡黄色固形物として、1−ベンジル−N−(3−((4−メチルピペラジン−1−イル)メチル)−1H−インドール−6−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、化合物#4(0.335g、80%)を得た。1H NMR (DMSO−d6) δ 2.12(s,3H), 2.20−2.40(m,8H), 3.56(s,2H), 5.39(s,2H), 7.14(d,1H,J= 1.2 Hz), 7.16(dd,1H,J= 0.9, 4.2 Hz), 7.28−7.33(m,3H), 7.36−7.38(m,2H), 7.52(d, 1H, H = 4.2 Hz), 7.93(s,1H), 8.06(s,1H), 8.43(s,1H), 9.72(s,1H), 10.85(s,1H);ESI−MS(m/z、%):429(MH+、100%).
合成例5
1−ベンジル−N−(3−(モルホリノメチル)ベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、化合物#5の合成
A.アセトニトリル(20mL)中の5−ブロモ−3−(ブロモメチル)ベンゾ[b]チオフェン(PCT公開特許出願WO1998/15545で開示された手順に従って調製された化合物5a、0.5g、1.63mmol)の溶液を、K2CO3(0.67g、4.90mmol)で処理し、その後、室温でモルホリン(化合物5b、0.28mL、3.26mmol)により処理し、結果として生じた懸濁液を1時間還流した。反応を室温にして、固形物をろ過し、CH2Cl2(15mL)で洗浄し、その後、CH2Cl2(2×25mL)中の20%のメタノールで洗浄した。組み合わせた溶媒を蒸発させ、粗製物をシリカゲル上でカラムクロマトグラフィー(MeOH中の2MのNH3:CH2Cl2、2:98〜5:95)によって精製することで、黄色の油として、4−((5−ブロモベンゾ[b]チオフェン−3−イル)メチル)モルホリン、化合物5c(0.48g、94%)を得た。1H NMR (CDCl3) δ 2.35−2.60(m,4H), 3.60−3.80(m,6H), 7.31 (brs,1H), 7.42(d,1H,J= 4.5 Hz), 7.68(d,1H,J= 4.2 Hz), 8.12(s,1H).
B.乾燥したTHF(10mL)中の4−((5−ブロモベンゾ[b]チオフェン−3−イル)メチル)モルホリン(化合物5c、0.46g、1.473mmol)の溶液を、Pd2(dba)3(0.042g、0.073mmol)、LiHMDS(2.95mL、2.946mmol、THF中の1M溶液)で処理し、その後、室温でPtBu3(0.87mL、0.294mmol、ヘキサン中の10%)によって処理した。結果として生じた溶液を2時間密封したチューブ内で170°Cで加熱した。反応物を室温にし、2NのHCl溶液(10mL)でクエンチし、10分間撹拌した。反応物を4NのNaOH溶液で塩基化し、生成物を酢酸エチル(2×50mL)へ抽出した。組み合わせた酢酸エチル層を塩水(25mL)で洗浄し、乾燥させた(Na2SO4)。溶媒を蒸発させ、粗製物をシリカゲル上でカラムクロマトグラフィー(MeOH中の2MのNH3:CH2Cl2、2.5:97.5〜5:95)によって精製することで、薄茶色の固形物として、3−(モルホリノメチル)ベンゾ[b]チオフェン−5−アミン、化合物5d(0.35g、96%)を得た。
C.乾燥したDMF(5mL)中の3−(モルホリノメチル)ベンゾ[b]チオフェン−5−アミン(化合物5d、0.34g、1.369mmol)、1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸(化合物1c、0.3g、1.505mmol)、およびEt3N(0.38mL、2.738mmol)の溶液を、室温にてHBTU(0.52g、1.369mmol)で処理し、4時間撹拌した。反応物を1NのNaOH溶液(50mL)、水(50mL)で希釈し、生成物を酢酸エチル(2×50mL)へ抽出した。結合した酢酸エチル層を塩水(50mL)で洗浄し、乾燥させた(Na2SO4)。溶媒を蒸発させ、粗製物をシリカゲル上でカラムクロマトグラフィー(MeOH中の2MのNH3:CH2Cl2、2:98〜5:95)によって精製することで、クリーム色の固形物として、1−ベンジル−N−(3−(モルホリノメチル)ベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、化合物#5(0.45g、76%)を得た。1H NMR (DMSO−d6) δ 2.35−2.45(m,4H), 3.52−3.60(m,4H), 3.66(s,2H), 5.40(s,2H), 7.29−7.33(m,3H), 7.36−7.39(m,2H), 7.58(s,1H), 7.68(dd,1H,J= 1.2, 4.3 Hz), 7.89(d,1H,J= 4.5 Hz), 8.09(s,1H), 8.31(d,1H,J= 0.9 Hz), 8.47(s,1H), 9.97(s,1H).
合成例6
1−ベンジル−N−(3−(ピペラジン−1−イルメチル)ベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、化合物#6の合成
A.アセトニトリル(20mL)中の5−ブロモ−3−(ブロモメチル)ベンゾ[b]チオフェン(PCT公開特許出願WO1998/15545で開示された手順に従って調製された化合物5a、0.5g、1.63mmol)の溶液を、K2CO3(0.67g、4.90mmol)で処理し、その後、室温でtert−ブチルピペラジン−1−カルボン酸塩(化合物6a、0.34mL、1.79mmol)により処理し、結果として生じた懸濁液を1時間還流した。反応を室温にして、固形物をろ過し、CH2Cl2(15mL)で洗浄し、その後、CH2Cl2(2×25mL)中の20%のメタノールで洗浄した。組み合わせた溶媒を蒸発させ、粗製物をシリカゲル上でカラムクロマトグラフィー(MeOH中の2MのNH3:CH2Cl2、2:98〜5:95)によって精製することで、淡黄色固形物として、tert−ブチル4−((5−ブロモベンゾ[b]チオフェン−3−イル)メチル)ピペラジン−1−カルボン酸塩、化合物6b(0.78g、89%)を得た。1H NMR (CDCl3) δ 1.43(s,9H), 2.35−2.48(m,4H), 3.40−3.50(m,4H), 3.69 (brs, 2H), 7.28−7.36(m,1H), 7.42(d,1H,J= 4.2 Hz), 7.68(d,1H,J= 4.2 Hz), 8.10(s,1H).
B.乾燥したTHF(5mL)中のPd2(dba)3(0.053g、0.093mmol)の溶液を、室温でPtBu3(1.11mL、0.374mmol、ヘキサン中の10%)で処理した。5分間撹拌した後に、反応物を、乾燥したTHF(10mL)中のtert−ブチル4−((5−ブロモベンゾ[b]チオフェン−3−イル)メチル)ピペラジン−1−カルボン酸塩(化合物6b、0.77g、1.871mmol)の溶液で処理し、その後、LiHMDS(3.74mL、3.74mmol、THF中の1Mの溶液)で処理した。結果として生じた溶液を2時間密封したチューブ内で170°Cで加熱した。反応物を室温にし、TBAF(10mL、THF中の1M)でクエンチし、10分間撹拌した。反応物を4NのNaOH溶液で塩基化し、生成物を酢酸エチル(2×50mL)へ抽出した。組み合わせた酢酸エチル層を塩水(25mL)で洗浄し、乾燥させた(Na2SO4)。溶媒を蒸発させ、粗製物をシリカゲル上でカラムクロマトグラフィー(MeOH中の2MのNH3:CH2Cl2、2.5:97.5〜5:95)によって精製することで、薄茶色の気泡として、tert−ブチル4−((5−アミノベンゾ[b]チオフェン−3−イル)メチル)ピペラジン−1−カルボン酸塩、化合物6c(0.655g、定量)を得た。
C.乾燥したDMF(5mL)中のtert−ブチル 4−((5−アミノベンゾ[b]チオフェン−3−イル)メチル)ピペラジン−1−カルボン酸塩(化合物6c、0.65g、2.057mmol)、1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸(化合物1c、0.42g、1.87mmol)、およびEt3N(0.52mL、3.741mmol)の溶液を、室温にてHBTU(0.71g、1.87mmol)で処理し、4時間撹拌した。反応物を1NのNaOH溶液(50mL)、水(50mL)で希釈し、生成物を酢酸エチル(2×50mL)へ抽出した。結合した酢酸エチル層を塩水(50mL)で洗浄し、乾燥させた(Na2SO4)。溶媒を蒸発させ、粗製物をシリカゲル上でカラムクロマトグラフィー(MeOH中の2MのNH3:CH2Cl2、2:98〜5:95)によって精製することで、淡黄色固形物として、tert−ブチル4−((5−(1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド)ベンゾ[b]チオフェン−3−イル)メチル)ピペラジン−1−カルボン酸塩、化合物6d(0.85g、86%)を得た。1H NMR (DMSO−d6) δ 1.38(s,9H), 2.35−2.45(m,4H), 3.32−3.40(m,4H), 3.68(s,2H), 5.40(s,2H), 7.29−7.33(m,3H), 7.36−7.39(m,2H), 7.57(s,1H), 7.68(dd,1H,J= 1.2, 4.3 Hz), 7.89(d,1H,J= 4.2 Hz), 8.09(s,1H), 8.32(d,1H,J= 0.9 Hz), 8.46(s,1H), 9.99(s,1H).
D.乾燥したCH2Cl2(12mL)中のtert−ブチル4−((5−(1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド)ベンゾ[b]チオフェン−3−イル)メチル)ピペラジン−1−カルボン酸塩(化合物6d、0.82g、1.542mmol)の懸濁液を、0°CにおいてTFA(8mL)で処理した。反応を室温にし、さらに2時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、粗製物を2NのNaOH溶液で塩基化し、生成物を酢酸エチル(2×25mL)へ抽出した。組み合わせた酢酸エチル層を塩水(25mL)で洗浄し、乾燥させた(Na2SO4)。溶媒を蒸発させ、粗製物をシリカゲル上でカラムクロマトグラフィー(MeOH中の2MのNH3:CH2Cl2、1:9)によって精製することで、クリーム色の固形物として、1−ベンジル−N−(3−(ピペラジン−1−イルメチル)ベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、化合物#6(0.5g、76%)を得た。1H NMR (DMSO−d6) δ 2.30−2.40(m,4H), 2.66−2.68(m,4H), 3.61(s,2H), 5.40(s,2H), 7.29−7.33(m,3H), 7.36−7.39(m,2H), 7.54(s,1H), 7.69(dd,1H,J= 1.2, 4.3 Hz), 7.89(d,1H,J= 4.2 Hz), 8.09(s,1H), 8.30(d,1H,J= 0.9 Hz), 8.47(s,1H), 9.96(s,1H).
合成例7
1−ベンジル−N(3−(モルホリノメチル)ベンゾフラン−6−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、化合物#7の合成
A.アセトニトリル(20mL)中の6−ブロモ−3−(ブロモメチル)ベンゾフラン(Bioorg. & Med. Chem., 1997, 5, 445−459で開示された方法に従って調製された化合物7a、0.66g、2.276mmol)の溶液を、K2CO3(0.94g、6.828mmol)で処理し、その後、室温でモルホリン(化合物5b、0.24mL、2.731mmol)により処理し、結果として生じた懸濁液を1時間還流した。反応を室温にして、固形物をろ過し、CH2Cl2(15mL)で洗浄し、その後、CH2Cl2(2×25mL)中の20%のメタノールで洗浄した。組み合わせた溶媒を蒸発させ、粗製物をシリカゲル上でカラムクロマトグラフィー(MeOH中の2MのNH3:CH2Cl2、2:98〜5:95)によって精製することで、黄色の油として、4−((6−ブロモベンゾフラン−3−イル)メチル)モルホリン、化合物7b(0.66g、98%)を得た。
B.乾燥したTHF(3mL)中のPd2(dba)3(0.045g、0.077mmol)の溶液を、室温でPtBu3(0.92mL、0.310mmol、ヘキサン中の10%)で処理した。5分間撹拌した後に、反応物を、乾燥したTHF(7mL)中の4−((6−ブロモベンゾフラン−3−イル)メチル)モルホリン(化合物7b、0.46g、1.553mmol)の溶液で処理し、その後、LiHMDS(3.1mL、3.106mmol、THF中の1Mの溶液)で処理した。結果として生じた溶液を3時間密封したチューブ内で100°Cで加熱した。反応物を室温にし、2NのHCl(10mL)でクエンチし、10分間撹拌した。反応物を4NのNaOH溶液で塩基化し、生成物を酢酸エチル(2×50mL)へ抽出した。組み合わせた酢酸エチル層を塩水(25mL)で洗浄し、乾燥させた(Na2SO4)。溶媒を蒸発させ、粗製物をシリカゲル上でカラムクロマトグラフィー(MeOH中の2MのNH3:CH2Cl2、2.5:97.5〜5:95)によって精製することで、茶色の油として、3−(モルホリノメチル)ベンゾフラン−6−アミン、化合物7c(0.35g、97%)を得た。
C.乾燥したDMF(10mL)中の3−(モルホリノメチル)ベンゾフラン−6−アミン(化合物7c、0.34g、1.463mmol)、1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸(化合物1c、0.33g、1.610mmol)、およびEt3N(0.4mL、2.927mmol)の溶液を、室温でHBTU(0.56g、1.463mmol)により処理し、4時間撹拌した。反応物を、1N NaOH溶液(50mL)、水(50mL)で希釈し、生成物を酢酸エチル(2×50mL)へと抽出した。組み合わせた酢酸エチル層を、ブライン(50mL)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を蒸発させ、粗製物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(MeOH中の2M NH3:CH2Cl2、2:98から5:95)によって精製し、黄色の固形物として1−ベンジル−N−(3−(モルホリノメチル)ベンゾフラン−6−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、化合物#7(0.24g、40%)を得た。1H NMR(DMSO−d6)δ2.35−2.45 (m, 4H), 3.52−3.65 (m, 6H), 5.40 (s, 2H), 7.28−7.33 (m, 3H), 7.36−7.38 (m, 2H), 7.45 (dd, 1H, 0.9, 4.3 Hz), 7.65 (d, 1H, J = 4.2 Hz), 7.82 (s, 1H), 8.07 (s, 1H), 8.09 (d, 1H, J = 0.9 Hz), 8.45 (s, 1H), 9.96 (s, 1H)。
合成例8
1−ベンジル−N−(3−(モルホリノメチル)ベンゾフラン−5−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、化合物#8の合成
A.アセトニトリル(20mL)中の5−ブロモ−3−(ブロモメチル)ベンゾフラン(化合物8a、Bioorg. & Med. Chem., 1997, 5, 445−459に開示される方法に従って調製した、1.0g、3.44mmol)の溶液を、K2CO3(1.43g、10.34mmol)で処理し、その後、室温でモルホリン(化合物5b、0.36mL、4.13mmol)で処理し、結果として生じる懸濁液を1時間還流させた。反応物を室温にさらし、固形物を、濾過し、CH2Cl2(15mL)で洗浄し、その後、CH2Cl2(2×25mL)中の20%のメタノールで洗浄した。組み合わせた溶媒を蒸発させ、粗製物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(MeOH中の2M NH3:CH2Cl2、2:98から5:95)によって精製し、浅黄色固形物として4−((5−ブロモベンゾフラン−3−イル)メチル)モルホリン、化合物8b(1.01g、定量的)を得た。
B.乾燥したTHF(5mL)中のPd2(dba)3(0.097g、0.168mmol)の溶液を、室温でPtBu3(2.0mL、0.675mmol、ヘキサン中に10%)で処理した。5分間撹拌した後に、反応物を、乾燥したTHF(10mL)中の4−((5−ブロモベンゾフラン−3−イル)メチル)モルホリン(化合物8b、1.0g、3.376mmol)の溶液で処理し、その後、LiHMDS(6.75mL、6.753mmol、THF中に1Mの溶液)で処理した。結果として生じる溶液を、3時間封管において100℃で加熱した。反応物を、室温にさらし、2N HCl(10mL)でクエンチし、10分間撹拌した。反応物を4N NaOH溶液で塩基化し、生成物を酢酸エチル(2×50mL)へと抽出した。組み合わせた酢酸エチル層を、ブライン(25mL)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を蒸発させ、粗製物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(MeOH中の2M NH3:CH2Cl2、2.5:97.5から5:95)によって精製し、褐色油として3−(モルホリノメチル)ベンゾフラン−5−アミン、化合物8c(0.72g、92%)を得た。
C.乾燥したDMF(10mL)中の3−(モルホリノメチル)ベンゾフラン−5−アミン(0.7g、3.013mmol)、1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸(0.67g、3.314mmol)およびEt3N(0.84mL、6.027mmol)の溶液を、室温でHBTU(1.14g、3.013mmol)により処理し、4時間撹拌した。反応物を、1N NaOH溶液(50mL)、水(50mL)で希釈し、生成物を酢酸エチル(2×50mL)へと抽出した。組み合わせた酢酸エチル層を、ブライン(50mL)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を蒸発させ、粗製物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(MeOH中の2M NH3:CH2Cl2、2:98から5:95)によって精製し、オフホワイト固形物として1−ベンジル−N−(3−(モルホリノメチル)ベンゾフラン−5−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、化合物#8(0.54g、44%)を得た。1H NMR(DMSO−d6)δ2.35−2.45 (m, 4H), 3.52−3.65 (m, 6H), 5.40 (s, 2H), 7.28−7.33 (m, 3H), 7.36−7.39 (m, 2H), 7.50 (d, 1H, J = 4.5 Hz), 7.59 (dd, 1H, 0.9, 4.5 Hz), 7.87 (s, 1H), 8.04 (d, 1H, J = 1.2 Hz), 8.07 (s, 1H), 8.44 (s, 1H), 9.89 (s, 1H)。
合成例9
1−ベンジル−N−(3−(ピペラジン−1−イルメチル)ベンゾフラン−5−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、化合物#9の合成
A.アセトニトリル(20mL)中の5−ブロモ−3−(ブロモメチル)ベンゾフラン(化合物8a、Bioorg. & Med. Chem., 1997, 5, 445−459に開示される方法に従って調製した、1.0g、3.44mmol)の溶液を、室温でK2CO3(1.43g、10.34mmol)により処理し、その後、tert−ブチルピペラジン−1−カルボン酸塩(化合物6a、0.7g、3.79mmol)で処理し、結果として生じる懸濁液を1時間還流させた。反応物を室温にさらし、固形物を、濾過し、CH2Cl2(15mL)で洗浄し、その後、CH2Cl2(2×25mL)中の20%のメタノールで洗浄した。組み合わせた溶媒を蒸発させ、粗製物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(MeOH中の2M NH3:CH2Cl2、2:98から5:95)によって精製し、浅黄色固形物としてtert−ブチル4−((5−ブロモベンゾフラン−3−イル)メチル)ピペラジン−1−カルボン酸塩、化合物9a(1.35g、定量的)を得た。
B.乾燥したTHF(5mL)中のPd2(dba)3(0.073g、0.126mmol)の溶液を、室温でPtBu3(1.5mL、0.505mmol、ヘキサン中に10%)により処理した。5分間撹拌した後に、反応物を、乾燥したTHF(10mL)中のtert−ブチル4−((5−ブロモベンゾフラン−3−イル)メチル)ピペラジン−1−カルボン酸塩(化合物9a、1.0g、2.529mmol)の溶液で処理し、その後、LiHMDS(5.05mL、5.059mmol、THF中に1Mの溶液)で処理した。結果として生じる溶液を、3時間封管において100℃で加熱した。反応物を、室温にさらし、TBAF(10mL、THF中に1M)でクエンチし、10分間撹拌した。反応物を4N NaOH溶液で塩基化し、生成物を酢酸エチル(2×50mL)へと抽出した。組み合わせた酢酸エチル層を、ブライン(25mL)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を蒸発させ、粗製物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(MeOH中の2M NH3:CH2Cl2、2.5:97.5から5:95)によって精製し、褐色の固形物としてtert−ブチル4−((5−アミノベンゾフラン−3−イル)メチル)ピペラジン−1−カルボン酸塩、化合物9b(0.8g、95%)を得た。
C.乾燥したDMF(10mL)中のtert−ブチル4−((5−アミノベンゾフラン−3−イル)メチル)ピペラジン−1−カルボン酸塩(化合物9b、0.75g、2.262mmol)、1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸(化合物1c、0.5g、2.489mmol)およびEt3N(0.63mL(4.525mmol))の溶液を、室温でHBTU(0.86g、2.262mmol)により処理し、4時間撹拌した。反応物を、1N NaOH溶液(50mL)、水(50mL)で希釈し、生成物を酢酸エチル(2×50mL)へと抽出した。組み合わせた酢酸エチル層を、ブライン(50mL)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を蒸発させ、粗製物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(MeOH中の2M NH3:CH2Cl2、2:98から5:95)によって精製し、浅黄色固形物としてtert−ブチル4−((5−(1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド)ベンゾフラン−3−イル)メチル)ピペラジン−1−カルボン酸塩、化合物9c(1.13g、97%)を得た。
D.乾燥したCH2Cl2(12mL)中のtert−ブチル4−((5−(1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド)ベンゾフラン−3−イル)メチル)ピペラジン−1−カルボン酸塩(化合物9c、1.0g、1.939mmol)の懸濁液を、0℃でTFA(8mL)により処理した。反応物を、室温にさらし、さらに2時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、粗製物を2N NaOH溶液で塩基化し、生成物を酢酸エチル(2×25mL)へと抽出した。組み合わせた酢酸エチル層を、ブライン(25mL)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を蒸発させ、粗製物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(MeOH中の2M NH3:CH2Cl2、1:9)によって精製し、浅黄色固形物として1−ベンジル−N−(3−(ピペラジン−1−イルメチル)ベンゾフラン−5−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、化合物#9(0.65g、81%)を得た。1H NMR(DMSO−d6)δ2.30−2.40 (m, 4H), 2.66−2.68 (m, 4H), 3.52 (s, 2H), 5.40 (s, 2H), 7.28−7.33 (m, 3H), 7.36−7.38 (m, 2H), 7.49 (d, 1H, J = 4.5 Hz), 7.59 (dd, 1H, J = 0.9, 4.5 Hz), 7.85 (s, 1H), 8.03 (s, 1H), 8.07 (s, 1H), 8.45 (s, 1H), 9.89 (s, 1H)。
合成例10
1−ベンジル−N−(3−(ピペラジン−1−イルメチル)ベンゾフラン−6−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、化合物#10の合成
A.アセトニトリル(25mL)中の6−ブロモ−3−(ブロモメチル)ベンゾフラン(化合物7a、0.745g、2.569mmol)の溶液を、K2CO3(1.06g、7.708mmol)で処理し、その後、室温でtert−ブチルピペラジン−1−カルボン酸塩(化合物6a、0.53g、2.826mmol)で処理し、結果として生じる懸濁液を1時間還流させた。反応物を室温にさらし、固形物を、濾過し、CH2Cl2(15mL)で洗浄し、その後、CH2Cl2(2×25mL)中の20%のメタノールで洗浄した。組み合わせた溶媒を蒸発させ、粗製物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(MeOH中の2M NH3:CH2Cl2、2:98から5:95)によって精製し、浅黄色固形物としてtert−ブチル4−((6−ブロモベンゾフラン−3−イル)メチル)ピペラジン−1−カルボン酸塩(化合物10a、1.0g、定量的)を得た。
B.乾燥したTHF(5mL)中のPd2(dba)3(0.070g、0.122mmol)の溶液を、室温でPtBu3(1.46mL、0.49mmol、ヘキサン中に10%)により処理した。5分間撹拌した後に、反応物を、乾燥したTHF(10mL)中のtert−ブチル4−((6−ブロモベンゾフラン−3−イル)メチル)ピペラジン−1−カルボン酸塩(化合物10a、0.97g、2.453mmol)の溶液で処理し、その後、LiHMDS(4.9mL、4.907mmol、THF中に1Mの溶液)で処理した。結果として生じる溶液を、3時間封管において100℃で加熱した。反応物を、室温にさらし、TBAF(10mL、THF中に1M)でクエンチし、10分間撹拌した。反応物を4N NaOH溶液で塩基化し、生成物を酢酸エチル(2×50mL)へと抽出した。組み合わせた酢酸エチル層を、ブライン(25mL)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を蒸発させ、粗製物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(MeOH中の2M NH3:CH2Cl2、2.5:97.5から5:95)によって精製し、褐色の固形物としてtert−ブチル4−((6−アミノベンゾフラン−3−イル)メチル)ピペラジン−1−カルボン酸塩(化合物10b、0.65g、80%)を得た。
C.乾燥したDMF(10mL)中のtert−ブチル4−((6−アミノベンゾフラン−3−イル)メチル)ピペラジン−1−カルボン酸塩(化合物10b、0.62g、1.87mmol)、1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸(化合物1c、0.42g、2.05mmol)およびEt3N(0.52mL、3.74mmol)の溶液を、室温でHBTU(0.71g、1.87mmol)により処理し、4時間撹拌した。反応物を、1N NaOH溶液(50mL)、水(50mL)で希釈し、生成物を酢酸エチル(2×50mL)へと抽出した。組み合わせた酢酸エチル層を、ブライン(50mL)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を蒸発させ、粗製物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(MeOH中の2M NH3:CH2Cl2、2:98から5:95)によって精製し、褐色の固形物としてtert−ブチル4−((6−(1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド)ベンゾフラン−3−イル)メチル)ピペラジン−1−カルボン酸塩、化合物10c(0.44g、97%)を得た。
D.乾燥したCH2Cl2(12mL)中のtert−ブチル4−((6−(1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド)ベンゾフラン−3−イル)メチル)ピペラジン−1−カルボン酸塩(化合物10c、0.35g、0.678mmol)の懸濁液を、0℃でTFA(8mL)により処理した。反応物を、室温にさらし、さらに2時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、粗製物を2N NaOH溶液で塩基化し、生成物を酢酸エチル(2×25mL)へと抽出した。組み合わせた酢酸エチル層を、ブライン(25mL)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を蒸発させ、粗製物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(MeOH中の2M NH3:CH2Cl2、1:9)によって精製し、浅黄色固形物として1−ベンジル−N−(3−(ピペラジン−1−イルメチル)ベンゾフラン−6−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、化合物#10(0.23g、82%)を得た。1H NMR(DMSO−d6)δ2.30−2.40 (m, 4H), 2.66−2.70 (m, 4H), 3.53 (s, 2H), 5.40 (s, 2H), 7.28−7.33 (m, 3H), 7.36−7.39 (m, 2H), 7.44 (dd, 1H, J = 0.9, 4.2 Hz),7.64 (d, 1H, J = 4.5 Hz), 7.80 (s, 1H), 8.07 (2s, 2H), 8.46 (s, 1H), 9.96 (s, 1H)。
合成例11
(R)−1−ベンジル−N−(4−メチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、化合物#11の合成
A.乾燥したDMF(10mL)中のメチル6−ブロモ−1H−インドール−2−カルボン酸塩(化合物11a、2.0g、7.87mmol)の溶液を、0℃でNaH(0.33g、8.65mmol、鉱油中に60%)により処理し、さらに30分間同じ温度で撹拌した。反応物を、同じ温度でDMF(10mL)中のtert−ブチル(S)−5−メチル−1,2,3−オキサチアゾリジン−3−カルボン酸塩2,2−ジオキシド(化合物11b、1.87g、7.87mmol)の溶液により液滴で処理した。反応物を、室温にさらし、18時間撹拌した。反応物を水(100mL)の付加でクエンチし、生成物を酢酸エチル(2×100mL)へと抽出した。組み合わせた酢酸エチル層を、水(2×50mL)、ブライン(2×50mL)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を蒸発させ、粗製物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン、1:9)によって精製し、オフホワイト固形物としてメチル(R)−6−ブロモ−1−(1−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロパノ−2−イル)−1H−インドール−2−カルボン酸塩、化合物11c(1.7g、51%)を得た。
B.CH2Cl2(15mL)中のメチル(R)−6−ブロモ−1−(1−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロパノ−2−イル)−1H−インドール−2−カルボン酸塩(化合物11c、1.7g、4.133mmol)の溶液を、0℃でTFA(10mL)により処理した。反応物を、室温にさらし、3時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、粗製物を1N NaOH溶液(50mL)で塩基化し、生成物をCH2Cl2(3×50mL)へと抽出した。組み合わせたCH2Cl2層を乾燥し(Na2SO4)、溶媒を蒸発させ、粗製物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(MeOH中の2M NH3:CH2Cl2、2.5:97.5)によって精製し、浅黄色固形物として(R)−7−ブロモ−4−メチル−3,4−ジヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−1(2H)−オン、化合物11d(0.65g、57%)を得た。1H NMR(DMSO−d6)δ1.29 (d, 3H, J = 3.3 Hz), 3.35−3.38 (m, 1H), 3.82 (dd, 1H, J = 2.4, 6.4 Hz), 4.88−4.90 (m, 1H), 7.03 (s, 1H), 7.22 (dd, 1H, J = 0.9, 3.4 Hz), 7.62 (d, 1H, J = 4.2 Hz), 7.89 (s, 1H), 8.11 (d, 1H, J = 2.4 Hz)。
C.乾燥したTHF(5mL)中のPd2(dba)3(0.015g、0.026mmol)の溶液を、室温でPtBu3(0.32mL、0.107mmol、ヘキサン中に10%)により処理した。5分間撹拌した後に、反応物を、乾燥したTHF(5mL)中の(R)−7−ブロモ−4−メチル−3,4−ジヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−1(2H)−オン(化合物11d、0.15g、0.537mmol)の溶液で処理し、その後、LiHMDS(1.1mL、1.074mmol、THF中に1Mの溶液)で処理した。結果として生じる溶液を、3時間封管において100℃で加熱した。反応物を、室温にさらし、2N HCl溶液(10mL)でクエンチし、10分間撹拌した。反応物を4N NaOH溶液で塩基化し、生成物を酢酸エチル(2×50mL)へと抽出した。組み合わせた酢酸エチル層を、ブライン(25mL)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を蒸発させ、粗製物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(MeOH中の2M NH3:CH2Cl2、2.5:97.5から5:95)によって精製し、褐色の固形物として(R)−7−アミノ−4−メチル−3,4−ジヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−1(2H)−オン、化合物11e(0.06g、52%)を得た。
D.乾燥したDMF(5mL)中の(R)−7−アミノ−4−メチル−3,4−ジヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−1(2H)−オン(化合物11e、0.06g、0.278mmol)、1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸(化合物1c、0.062g、0.306mmol)およびEt3N(0.07mL、0.557mmol)の溶液を、室温でHBTU(0.105g、0.278mmol)により処理し、16時間撹拌した。反応物を、1N NaOH溶液(50mL)、水(50mL)で希釈し、生成物を酢酸エチル(2×50mL)へと抽出した。組み合わせた酢酸エチル層を、ブライン(50mL)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を蒸発させ、粗製物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(MeOH中の2M NH3:CH2Cl2、2:98から5:95)によって精製し、黄色の固形物として(R)−1−ベンジル−N−(4−メチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、化合物#11(0.025g、23%)を得た。1H NMR(DMSO−d6)δ1.31 (d, 3H, J = 3.3 Hz), 3.32−3.37 (m, 1H), 3.82−3.85 (m, 1H), 4.71−4.73 (m, 1H), 5.41 (s, 2H), 6.98 (s, 1H), 7.29−7.39 (m, 6H), 7.60 (d, 1H, J = 4.5 Hz), 7.97 (d, 1H, J = 2.4 Hz), 8.06 (d, 1H, J = 1.8 Hz), 8.09 (s, 1H), 8.46 (s, 1H), 9.94 (s, 1H)。
合成例12
1−ベンジル−N−(1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、化合物#12の合成
A.乾燥したDMF(10mL)中のメチル6−ブロモ−1H−インドール−2−カルボン酸塩(化合物11a、0.865g、3.404mmol)の溶液を、室温でtBuOK(0.57g、5.106mmol)により処理し、15分間撹拌した。反応物を、液滴で2−ブロモアセトニトリル(化合物12a、0.47mL、6.808mmol)により処理し、静置させて、16時間撹拌した。反応物を、飽和したNH4Cl溶液(20mL)の付加でクエンチし、水(100mL)で希釈した。褐色の固形物を、濾過し、水(2×75mL)、ヘキサン(25mL)で洗浄し、真空下で乾燥して、メチル6−ブロモ−1−(シアノメチル)−1H−インドール−2−カルボン酸塩、化合物12b(0.95g、95%)を得た。
B.乾燥したTHF(15mL)中のメチル6−ブロモ−1−(シアノメチル)−1H−インドール−2−カルボン酸塩(化合物12b、0.92g、3.138mmol)の溶液を、0℃でBH3.THF(15.7mL、15.69mmol、THF中に1Mの溶液)により液滴で処理した。反応物を、室温にさらし、24時間撹拌した。反応物を、メタノール(10mL)でゆっくりクエンチし、その後、30分間還流させた。反応物を室温にさらし、溶媒を蒸発させ、粗製物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(MeOH中の2M NH3:CH2Cl2、2.5:97.5)によって精製し、浅黄色固形物として7−ブロモ−3,4−ジヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−1(2H)−オン、化合物12c(0.27g、34%)を得た。1H NMR(500MHz、CDCl3)δ3.79−3.81 (m, 2H), 4.20−4.22 (m, 2H), 6.59 (brs, 1H), 7.24−7.27 (m, 2H), 7.49 (s, 1H), 7.57 (d, 1H, J = 4.2 Hz)。
C.乾燥したTHF(5mL)中のPd2(dba)3(0.025g、0.043mmol)の溶液を、室温でPtBu3(0.51mL、0.173mmol、ヘキサン中に10%)により処理した。5分間撹拌した後に、反応物を、乾燥したTHF(5mL)中の7−ブロモ−3,4−ジヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−1(2H)−オン(化合物12c、0.23g、0.867mmol)の溶液で処理し、その後、LiHMDS(1.74mL、1.735mmol、THF中に1Mの溶液)で処理した。結果として生じる溶液を、3時間封管において100℃で加熱した。反応物を、室温にさらし、2N HCl溶液(10mL)でクエンチし、10分間撹拌した。反応物を4N NaOH溶液で塩基化し、生成物を酢酸エチル(2×50mL)へと抽出した。組み合わせた酢酸エチル層を、ブライン(25mL)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を蒸発させ、粗製物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(MeOH中の2M NH3:CH2Cl2、2.5:97.5から5:95)によって精製し、褐色の固形物として7−アミノ−3,4−ジヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−1(2H)−オン、化合物12d(0.09g、52%)を得た。
D.乾燥したDMF(5mL)中の7−アミノ−3,4−ジヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−1(2H)−オン(化合物12d、0.09g、0.447mmol)、1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸(化合物1c、0.1g、0.491mmol)およびEt3N(0.12mL、0.894mmol)の溶液を、室温でHBTU(0.17g、0.447mmol)により処理し、16時間撹拌した。反応物を、1N NaOH溶液(50mL)、水(50mL)で希釈し、生成物を酢酸エチル(2×50mL)へと抽出した。組み合わせた酢酸エチル層を、ブライン(50mL)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を蒸発させ、粗製物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(MeOH中の2M NH3:CH2Cl2、2:98から5:95)によって精製し、黄色の固形物として1−ベンジル−N−(1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、化合物#12(0.008g、5%)を得た。1H NMR(DMSO−d6)δ3.62−3.64 (m, 2H), 4.18−4.20 (m, 2H), 5.40 (s, 2H), 6.98 (s, 1H), 7.29−7.39 (m, 6H), 7.60 (d, 1H, J = 4.2 Hz), 8.05−8.08 (m, 3H), 8.46 (s, 1H), 9.93 (s, 1H)。
合成例13
1−ベンジル−N−(2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロベンゾフロ[3,2−c]ピリジン−8−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、化合物#13の合成
A.乾燥したTHF(5mL)中のNaH(0.5g、12.872mmol、鉱油中に60%)の懸濁液を、0℃で乾燥したTHF(20mL)中の1−メチルピペリジン−4−オンオキシム(化合物13a、PCT公開特許出願番号WO2006/108965に開示された方法に従って調製した、1.5g、11.702mmol)により液滴で処理した。反応物を、室温にさらし、30分間撹拌した。1−フルオロ−4−ニトロベンゼン(化合物13b、1.36mL、12.872mmol)、およびその後、18−クラウン−6(0.12g、0.468mmol)を0℃で加え、反応物を室温にさらし、さらに4時間撹拌した。反応物を水(50mL)でクエンチし、生成物を酢酸エチル(2×50mL)へと抽出した。組み合わせた酢酸エチル層を、ブライン(25mL)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を蒸発させ、粗製物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(MeOH:CH2Cl2、2:98)によって精製し、黄色の固形物として1−メチルピペリジン−4−オンO−(4−ニトロフェニル)オキシム、化合物13c(2.24g、77%)を得た。
B.固形物1−メチルピペリジン−4−オンO−(4−ニトロフェニル)オキシム(化合物13c、1.0g、4.011mmol)を、小分けにして100℃でPPA(〜50mL)を含有しているフラスコに加え、撹拌を、さらに3時間同じ温度で継続した。反応物を80℃にさらし、水(50mL)で希釈した。その後、反応物を、室温にさらし、4N NaOH溶液で塩基化し、生成物をCH2Cl2(3×50mL)へと抽出した。組み合わせたCH2Cl2層を乾燥し(Na2SO4)、溶媒を蒸発させ、粗製物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(MeOH中の2M NH3:CH2Cl2、2:98)によって精製し、黄色の固形物として2−メチル−8−ニトロ−1,2,3,4−テトラヒドロベンゾフロ[3,2−c]ピリジン、化合物13d(0.24g、26%)を得た。
C.MeOH(10mL)中の2−メチル−8−ニトロ−1,2,3,4−テトラヒドロベンゾフロ[3,2−c]ピリジンの溶液(化合物13d、0.2g、0.861mmol)を、ラネーニッケル(〜50mg)で処理し、その後、室温でヒドラジン水化物(0.41mL、8.611mmol)により処理した。反応物を、予め加熱した油浴中で10−15分間還流させ、その後、室温に戻した。溶液を、セライトのパッドに通して濾過し、メタノール(2x15mL)で洗浄した。組み合わせたメタノール層を蒸発させ、粗製物を、シリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(MeOH中の2M NH3:CH2Cl2、2:98から5:95)によって精製し、黄色の固形物として2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロベンゾフロ[3,2−c]ピリジン−8−アミン、化合物13e(0.06g、35%)を得た。
D.乾燥したDMF(5mL)中の2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロベンゾフロ[3,2−c]ピリジン−8−アミン(化合物13e、0.055g、0.271mmol)、1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸(化合物1c、0.06g、0.299mmol)およびEt3N(0.075mL、0.543mmol)の溶液を、室温でHBTU(0.10g、0.271mmol)により処理し、16時間撹拌した。反応物を、1N NaOH溶液(50mL)、水(50mL)で希釈し、生成物を酢酸エチル(2×50mL)へと抽出した。組み合わせた酢酸エチル層を、ブライン(50mL)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を蒸発させ、粗製物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(MeOH中の2M NH3:CH2Cl2、2:98から5:95)によって精製し、オフホワイト固形物として1−ベンジル−N−(2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロベンゾフロ[3,2−c]ピリジン−8−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、化合物#13(0.06g、57%)を得た。1H NMR(DMSO−d6)δ2.43 (s, 3H), 2.77−2.80 (m, 4H), 3.47 (s, 2H), 5.39 (s, 2H), 7.28−7.38 (m, 5H), 7.44−7.46 (m, 2H), 7.81 (s, 1H), 8.05 (s, 1H), 8.42 (s, 1H), 9.84 (s, 1H)。
合成例14
1−ベンジル−N−(2−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール−8−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、化合物#14の合成
A.1,4−ジオキサン(25mL)中の(4−ニトロフェニル)ヒドラジン(化合物14a、3.1g、20.24mmol)の溶液を、H2SO4(2mL)で処理し、その後、室温で1−メチルピペリジン−4−オン(化合物14b、4.7mL、40.48mmol)で処理し、結果として生じる混合物を30分間80℃で撹拌した。反応物を、室温にさらし、4N NaOH溶液で塩基化し、生成物を酢酸エチル(2×50mL)へと抽出した。組み合わせた酢酸エチル層を、ブライン(25mL)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を、蒸発させ、真空下で乾燥し、黄色の固形物として1−メチル−4−(2−(4−ニトロフェニル)ヒドラゾノ)ピペリジン(化合物14c、4.5g、90%)を得た。
B.固形物1−メチル−4−(2−(4−ニトロフェニル)ヒドラゾノ)ピペリジン(化合物14c、1.2g、4.83mmol)を、小分けにして110℃でPPA(〜50mL)を含有しているフラスコに加え、撹拌を、さらに3時間同じ温度で継続した。反応物を、80℃にさらし、水(50mL)で希釈した。その後、反応物を、室温にさらし、4N NaOH溶液で塩基化し、生成物をCH2Cl2(3×50mL)へと抽出した。組み合わせたCH2Cl2層を乾燥し(Na2SO4)、溶媒を蒸発させ、粗製物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(MeOH中の2M NH3:CH2Cl2、2:98から3:97)によって精製し、黄色の固形物として2−メチル−8−ニトロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール、化合物14d(0.24g、22%)を得た。
C.MeOH(10mL)中の2−メチル−8−ニトロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール(化合物14d、0.15g、0.648mmol)の溶液を、ラネーニッケル(〜50 mg)で処理し、その後、室温でヒドラジン水化物(0.31mL、6.486mmol)により処理した。反応物を、予め加熱した油浴中で10−15分間還流させ、その後、室温に戻した。溶液を、セライトのパッドに通して濾過し、メタノール(2x15mL)で洗浄した。組み合わせたメタノール層を蒸発させ、粗製物を、シリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(MeOH中の2M NH3:CH2Cl2、2:98から5:95)によって精製し、黄色の固形物として2−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール−8−アミン、化合物14e(0.12g、92%)を得た。
D.乾燥したDMF(5mL)中の2−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール−8−アミン(化合物14e、0.11g、0.546mmol)、1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸(化合物1c、0.12g、0.601mmol)およびEt3N(0.15mL、1.093mmol)の溶液を、室温でHBTU(0.20g、0.546mmol)により処理し、16時間撹拌した。反応物を、1N NaOH溶液(50mL)、水(50mL)で希釈し、生成物を酢酸エチル(2×50mL)へと抽出した。組み合わせた酢酸エチル層を、ブライン(50mL)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を蒸発させ、粗製物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(MeOH中の2M NH3:CH2Cl2、2:98から5:95)によって精製し、オフホワイト固形物として1−ベンジル−N−(2−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール−8−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、化合物#14(0.14g、67%)を得た。1H NMR(DMSO−d6)δ2.42 (s, 3H), 2.71−2.77 (m, 4H), 3.48 (s, 2H), 5.38 (s, 2H), 7.18−7.38 (m, 7H), 7.63 (s, 1H), 8.04 (s, 1H), 8.39 (s, 1H), 9.64 (s, 1H), 10.70 (s, 1H)。
合成例15
(R)−1−ベンジル−N−(9−メチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、化合物#15の合成
A.乾燥したDMF(10mL)中のメチル6−ブロモ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボン酸塩(化合物15a、0.5g、1.96mmol)の溶液を、0℃でNaH(0.087g、2.16mmol、鉱油中に60%)により処理し、さら30分間同じ温度で撹拌した。反応物を、同じ温度でDMF(10mL)中のtert−ブチル(S)−5−メチル−1,2,3−オキサチアゾリジン−3−カルボン酸塩2,2−ジオキシド(化合物11b、0.49g、2.06mmol)の溶液により液滴で処理した。反応物を、室温にさらし、18時間撹拌した。反応物を、水(50mL)の付加でクエンチし、生成物を酢酸エチル(2×25mL)へと抽出した。組み合わせた酢酸エチル層を、水(2×50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を蒸発させ、オフホワイト固形物として粗製生成物、メチル(R)−6−ブロモ−1−(1−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロパノ−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボン酸塩、化合物15b(0.75g、92%)を得て、これを次の工程で直接使用した。
B.CH2Cl2(50mL)中のメチル(R)−6−ブロモ−1−(1−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロパノ−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボン酸塩(化合物15b、0.75g、1.82mmol)の溶液を、0℃でTFA(5mL)により処理した。反応物を、室温にさらし、3時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、粗製物を、飽和したNaHCO3溶液(50mL)で塩基化し、生成物をCH2Cl2(3×50mL)へと抽出した。組み合わせたCH2Cl2層を乾燥し(Na2SO4)、溶媒を蒸発させ、粗製物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(MeOH:CH2Cl2、0:100から10:90)によって精製し、浅黄色固形物として(R)−2−ブロモ−9−メチル−8,9−ジヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−6(7H)−オン、化合物15c(0.185g、36%)を得た。1H NMR(DMSO−d6)δ1.46 (d, 3H, J = 3.0 Hz), 3.42−3.45 (m, 1H), 3.93 (dd, 1H, J = 4.8, 12.6 Hz), 5.02−5.04 (m, 1H), 6.71 (s, 1H), 7.13 (s, 1H), 7.21 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 7.80 (d, 1H, J = 8.4 Hz)。
C.乾燥したTHF(5mL)中のPd2(dba)3(0.024g、0.014mmol)の溶液を、室温でPtBu3(0.5mL、0.167mmol、ヘキサン中に10%)により処理した。5分間撹拌した後に、反応物を、乾燥したTHF(10mL)中の(R)−2−ブロモ−9−メチル−8,9−ジヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−6(7H)−オン(化合物15c、0.235g、0.839mmol)の溶液で処理し、その後、LiHMDS(1.7mL、1.678mmol、THF中に1Mの溶液)で処理した。結果として生じる溶液を、3時間封管において100℃で加熱した。反応物を、室温にさらし、2N HCl溶液(10mL)でクエンチし、10分間撹拌した。反応混合物を、酢酸エチル(2×25mL)で抽出し、出発物質(0.09g、38%)を回収した(recovered)。水層を4N NaOH溶液で塩基化し、生成物をクロロホルム(4×30mL)へと抽出した。組み合わせたクロロホルム層を、ブライン(25mL)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を蒸発させ、粗製物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(MeOH中の2M NH3:CH2Cl2、2.5:97.5から10:90)によって精製し、褐色の固形物として(R)−2−アミノ−9−メチル−8,9−ジヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−6(7H)−オン、化合物15d(0.09g、50%)を得た。1H NMR(DMSO−d6)δ
1.28 (d, 3H, J = 6.0 Hz), 3.28−3.32 (m, 1H),3.73 (dd, 1H, J = 4.8, 12.6 Hz), 4.70−4.80 (m, 1H), 6.20 (s, 1H), 6.35 (d, 1H, J = 8.4 Hz), 6.76 (s, 1H), 7.74 (d, 1H, J = 8.4 Hz)。
D.乾燥したDMF(3mL)中の(R)−2−アミノ−9−メチル−8,9−ジヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−6(7H)−オン(化合物15d、0.04g、0.185mmol)、1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸(化合物1c、0.038g、0.185mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.043g、1.8mmol)の溶液を、室温でHATU(0.078g、0.2mmol)により処理した。室温で30分間撹拌した後、反応混合物を72時間50℃で加熱した。反応物を、水(20mL)で希釈し、生成物をクロロホルム(3×25mL)へと抽出した。組み合わせたクロロホルム層を乾燥した(Na2SO4)。溶媒を蒸発させ、粗製物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(MeOH中の2M NH3:CH2Cl2、1:99から10:90)によって精製し、オフホワイト固形物として(R)−1−ベンジル−N−(9−メチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、化合物#15(0.015g、20%)を得た。1H NMR(DMSO−d6)δ1.36 (d, 3H, J = 6.6 Hz), 3.30−3.40 (m, 1H), 3.81−3.85 (m, 1H), 4.90−4.92 (m, 1H), 5.39 (s, 2H), 6.99 (s, 1H), 7.30−7.39 (m, 5H), 8.02−8.19 (m, 3H), 8.19 (s, 1H), 8.61 (s, 1H), 10.56 (s, 1H)。
合成例16
(R)−N−(1−(3−アミノベンジル)−1H−ピラゾール−4−イル)−9−メチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボキサミド、化合物#16の合成
A.アセトン(10mL)中の4−ニトロピラゾール(化合物16a、0.27g、2.45mmol)およびtert−ブチル(3−(ブロモメチル)フェニル)カルバミン酸塩(化合物16b、0.586g、2.04mmol)の溶液を、炭酸カリウム(0.563g、4.08mmol)で処理し、3時間還流温度に加熱した。反応物を室温にさらし、溶媒をロータベーパー(rotavapor)上で蒸発させた。反応物を水(30mL)の付加で希釈し、生成物を酢酸エチル(2×25mL)へと抽出した。組み合わせた酢酸エチル層を水(2×25mL)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を蒸発させ、粗製生成物を、ヘキサン中の10−30%の酢酸エチルを使用してカラムによって精製し、オフホワイト固形物としてtert−ブチル(3−((4−ニトロ−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)フェニル)カルバミン酸塩、化合物16c(0.56g、95%)を得て、これを次の工程で直接使用した。
B.エタノール(2mL)および水(1.5mL)中のtert−ブチル(3−((4−ニトロ−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)フェニル)カルバミン酸塩(化合物16c、0.2g、0.69mmol)の溶液を、鉄(0.115g、2.06mmol)で処理し、その後、酢酸(0.042g、0.69mmol)で処理した。反応混合物を、2時間還流温度に加熱した。反応物を室温にさらし、溶媒をロータベーパー上で蒸発させた。反応物を水(10mL)の付加で希釈し、pHを、飽和した炭酸水素ナトリウム溶液を使用してpH7−8に調整した。生成物をジクロロメタン(2×10mL)へと抽出した。組み合わせたジクロロメタン層を、ブライン(10mL)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を蒸発させ、粗製生成物、tert−ブチル(3−((4−アミノ−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)フェニル)カルバミン酸塩、化合物16d(0.105g、58.6%)を、薄褐色固形物として得て、これを次の工程で直接使用した。
C.乾燥したDMF(5mL)中の(R)−9−メチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボン酸(化合物16e、PCT公開特許出願番号WO2011/071725に開示された方法に従って調製した、0.09g、0.367mmol)、tert−ブチル(3−((4−アミノ−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)フェニル)カルバミン酸塩(化合物16d、0.105g、0.404mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.153g、0.404mmol)の溶液を、室温でHATU(0.085g、0.66mmol)により処理した。一晩室温で撹拌した後に、反応物を水(20mL)で希釈し、生成物を酢酸エチル(2×20mL)へと抽出した。組み合わせた酢酸エチル層を乾燥した(Na2SO4)。溶媒を蒸発させ、粗製物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(MeOH中の2M NH3:CH2Cl2、1:99から10:90)によって精製し、オフホワイト固形物としてtert−ブチル(R)−(3−((4−(9−メチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボキサミド)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)フェニル)カルバミン酸塩、化合物16f(0.105g、55%)を得た。
D.CH2Cl2(10mL)中のtert−ブチル(R)−(3−((4−(9−メチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボキサミド)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)フェニル)カルバミン酸塩(化合物16f、0.1g、0.194mmol)の溶液を、室温でTFA(1mL)により処理し、さらに2時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、粗製物を2N NaOH溶液で塩基化し、生成物をジクロロメタン(2×15mL)へと抽出した。組み合わせたジクロロメタン層を、ブライン(10mL)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を蒸発させ、粗製物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(MeOH中の2M NH3:CH2Cl2、1:99から10:90)によって精製し、オフホワイト固形物として(R)−N−(1−(3−アミノベンジル)−1H−ピラゾール−4−イル)−9−メチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボキサミド、化合物#16(0.065g、80.7%)を得た。1H NMR(DMSO−d6)δ1.42 (d, 3H, J = 6.6 Hz), 3.46−3.49 (m, 1H), 3.89−3.92 (m, 1H), 5.26 (s, 2H), 5.26−5.28 (m, 1H), 6.72 (s, 1H), 6.77−6.79 (m, 2H), 7.13 (s, 1H), 7.17 (d, 1H, J = 7.8 Hz), 7.80 (s, 1H), 7.91 (d, 1H, J = 8.4Hz), 8.21 (s, 1H), 8.30 (d, 1H, J = 8.4Hz), 8.35 (d, 1H, J = 4.8Hz), 10.67 (s, 1H)。
合成例17
(R)−N−(1−(2−アミノベンジル)−1H−ピラゾール−4−イル)−9−メチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボキサミド、化合物#17の合成
A.アセトン(10mL)中の4−ニトロピラゾール(化合物16a、0.236g、2.09mmol)およびtert−ブチル(2−(ブロモメチル)フェニル)カルバミン酸塩(化合物17a、0.5g、1.74mmol)の溶液を、炭酸カリウム(0.48g、3.48mmol)で処理し、3時間還流温度に加熱した。反応物を室温にさらし、溶媒をロータベーパー上で蒸発させた。反応物を水(30mL)の付加で希釈し、生成物を酢酸エチル(2×25mL)へと抽出した。組み合わせた酢酸エチル層を、水(2×25mL)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を蒸発させ、粗製生成物を、ヘキサン中の10−30%の酢酸エチルを使用してカラムによって精製し、オフホワイト固形物としてtert−ブチル(2−((4−ニトロ−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)フェニル)カルバミン酸塩、化合物17b(0.48g、95%)を得て、これを次の工程で直接使用した。
B.エタノール(7mL)および水(4mL)中のtert−ブチル(2−((4−ニトロ−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)フェニル)カルバミン酸塩(化合物17b、0.2g、0.69mmol)の溶液を、鉄(0.115g、2.06mmol)で処理し、その後、酢酸(0.042g、0.69mmol)で処理した。反応混合物を2時間還流温度に加熱した。反応物を室温にさらし、溶媒をロータベーパー上で蒸発させた。反応物を水(10mL)の付加で希釈し、pHを、飽和した炭酸水素ナトリウム溶液を使用してpH7−8に調整した。生成物をジクロロメタン(2×10mL)で抽出した。組み合わせたジクロロメタン層を、ブライン(10mL)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を蒸発させ、オレンジ色の固形物として粗製物tert−ブチル(2−((4−アミノ−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)フェニル)カルバミン酸塩、化合物17c(0.17g、94%)を得て、これを次の工程で直接使用した。
C.乾燥したDMF(5mL)中の(R)−9−メチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボン酸(化合物16e、0.09g、0.367mmol)、tert−ブチル(2−((4−アミノ−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)フェニル)カルバミン酸塩(化合物17c、0.105g、0.404mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.153g、0.404mmol)の溶液を、室温でHATU(0.085g、0.66mmol)により処理した。一晩室温で撹拌した後に、反応物を水(20mL)で希釈し、生成物を酢酸エチル(2×20mL)へと抽出した。組み合わせた酢酸エチル層を乾燥した(Na2SO4)。溶媒を蒸発させ、粗製物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(MeOH中の2M NH3:CH2Cl2、1:99から6:94)によって精製し、薄褐色固形物としてtert−ブチル(R)−(2−((4−(9−メチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボキサミド)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)フェニル)カルバミン酸塩、化合物17d(0.16g、84.6%)を得た。
D.CH2Cl2(10mL)中のtert−ブチル(R)−(2−((4−(9−メチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボキサミド)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)フェニル)カルバミン酸塩(化合物17d、0.16g、0.31 mmol)の溶液を、室温でTFA(1mL)により処理し、さらに2時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、粗製物を2N NaOH溶液で塩基化し、生成物をジクロロメタン(2×15mL)へと抽出した。組み合わせたジクロロメタン層を、ブライン(10mL)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を蒸発させ、粗製物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(MeOH中の2M NH3:CH2Cl2、1:99から8:92)によって精製し、浅黄色固形物として(R)−N−(1−(2−アミノベンジル)−1H−ピラゾール−4−イル)−9−メチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボキサミド、化合物#17(0.08g、62%)を得た。1H NMR(DMSO−d6)δ1.41 (d, 3H, J = 6.6 Hz), 3.45−3.48 (m, 1H), 3.88−3.91 (m, 1H), 5.19 (s, 2H), 5.22−5.28 (m, 1H), 6.53−6.55 (m, 1H), 6.67−6.68 (m, 1H), 6.97−7.03 (m, 2H), 7.12 (s, 1H), 7.79 (s, 1H), 7.90 (d, 1H, J = 8.4 Hz), 8.16 (s, 1H), 8.29 (d, 1H, J = 8.4Hz), 8.34 (d, 1H, J = 4.8 Hz), 10.64 (s, 1H)。
合成例18
(R)−N−(1−(4−アミノベンジル)−1H−ピラゾール−4−イル)−9−メチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボキサミド、化合物#18の合成
A.アセトン(10mL)中の4−ニトロピラゾール(化合物16a、0.236g、2.09mmol)およびtert−ブチル(4−(ブロモメチル)フェニル)カルバミン酸塩(化合物18a、0.5g、1.74mmol)の溶液を、炭酸カリウム(0.48g、3.48mmol)で処理し、3時間還流温度に加熱した。反応物を室温にさらし、溶媒をロータベーパー上で蒸発させた。反応物を水(30mL)の付加で希釈し、生成物を酢酸エチル(2×25mL)へと抽出した。組み合わせた酢酸エチル層を、水(2×25mL)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を蒸発させ、粗製生成物を、ヘキサン中の10−30%の酢酸エチルを使用してカラムによって精製し、浅黄色の濃い液体としてtert−ブチル(4−((4−ニトロ−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)フェニル)カルバミン酸塩、化合物18b(0.46g、91%)を得て、これをは次の工程で直接使用した。
B.エタノール(5mL)および水(2mL)中のtert−ブチル(4−((4−ニトロ−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)フェニル)カルバミン酸塩(化合物18b、0.2g、0.69mmol)の溶液を、鉄(0.115g、2.06mmol)で処理し、その後、酢酸(0.042g、0.69mmol)で処理した。反応混合物を2時間還流温度に加熱した。反応物を室温にさらし、溶媒をロータベーパー上で蒸発させた。反応物を水(10mL)の付加で希釈し、pHを、飽和した炭酸水素ナトリウム溶液を使用してpH7−8に調整した。生成物をジクロロメタン(2×10mL)で抽出した。組み合わせたジクロロメタン層を、ブライン(10mL)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を蒸発させ、オレンジ色の固形物として粗製物tert−ブチル(4−((4−アミノ−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)フェニル)カルバミン酸塩、化合物18c(0.17g、94%)を得て、これを次の工程で直接使用した。
C.乾燥したDMF(5mL)中の(R)−9−メチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボン酸(化合物16e、0.09g、0.367mmol)、tert−ブチル(4−((4−アミノ−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)フェニル)カルバミン酸塩(化合物18c、0.105g、0.404mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.153g、0.404mmol)の溶液を、室温でHATU(0.085g、0.66mmol)により処理した。一晩室温で撹拌した後に、反応物を水(20mL)で希釈し、生成物を酢酸エチル(2×20mL)へと抽出した。組み合わせた酢酸エチル層を乾燥した(Na2SO4)。溶媒を蒸発させ、粗製物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(MeOH中の2M NH3:CH2Cl2、1:99から6:94)によって精製し、オフホワイト固形物としてtert−ブチル(R)−(4−((4−(9−メチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボキサミド)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)フェニル)カルバミン酸塩、化合物18d(0.167g、88.8%)を得た。
D.CH2Cl2(10mL)中のtert−ブチル(R)−(4−((4−(9−メチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボキサミド)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)フェニル)カルバミン酸塩(化合物18d、0.158g、0.306mmol)の溶液を、室温でTFA(1mL)により処理し、さらに2時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、粗製物を2N NaOH溶液で塩基化し、生成物をジクロロメタン(2×15mL)へと抽出した。組み合わせたジクロロメタン層を、ブライン(10mL)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を蒸発させ、粗製物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(MeOH中の2M NH3:CH2Cl2、1:99から8:92)によって精製し、オフホワイト固形物として(R)−N−(1−(4−アミノベンジル)−1H−ピラゾール−4−イル)−9−メチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボキサミド、化合物#18(0.065g、80.7%)を得た。1H NMR(DMSO−d6)δ1.42 (d, 3H, J = 6.6 Hz), 3.45−3.48 (m, 1H), 3.89−3.92 (m, 1H), 5.09 (s, 2H), 5.27−5.29 (m, 1H), 6.52−6.54 (m, 2H), 6.77−6.79 (m, 2H), 7.0−7.02 (m, 2H), 7.12 (s, 1H), 7.74 (s, 1H), 7.90 (d, 1H, J = 7.8Hz), 8.07 (s, 1H), 8.29 (d, 1H, J = 7.8Hz), 8.34 (d, 1H, J = 4.8Hz), 10.61 (s, 1H)。
合成例19
(R)−1−(3−アミノベンジル)−N−(9−メチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、化合物#19の合成
A.アセトン(10mL)中のエチル1H−ピラゾール−4−カルボン酸塩(化合物19a、0.25g、1.78mmol)およびtert−ブチル(3−(ブロモメチル)フェニル)カルバミン酸塩(化合物16b、0.51g、1.78mmol)の溶液を、炭酸カリウム(0.48g、3.48mmol)で処理し、3時間還流温度に加熱した。反応物を室温にさらし、溶媒をロータベーパー上で蒸発させた。反応物を水(30mL)の付加で希釈し、生成物を酢酸エチル(2×25mL)へと抽出した。組み合わせた酢酸エチル層を、水(2×25mL)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を蒸発させ、粗製生成物を、ヘキサン中の10−30%の酢酸エチルを使用してカラムによって精製し、オフホワイト固形物としてエチル1−(3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ベンジル)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸塩、化合物19b(0.635g、100%)を得て、これを次の工程で直接使用した。
B.メタノール(20mL)および水(10mL)中のエチル1−(3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ベンジル)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸塩(化合物19b、0.635g、1.78mmol)の溶液を、LiOH.H2O(0.15g、3.55mmol)で処理した。反応混合物を24時間室温で撹拌した。溶媒をロータベーパー上で蒸発させた。反応物を水(10mL)の付加で希釈し、pHを酢酸を使用してpH5に調整した。生成物をジクロロメタン(2×10mL)へと抽出した。組み合わせたジクロロメタン層を、ブライン(10mL)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を蒸発させ、白色固形物として粗製物1−(3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ベンジル)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸、化合物19c(0.525g、90%)を得て、これを次の工程で直接使用した。
C.(R)2−アミノ−9−メチル−−8、9−dihydroピリド[3’、2」
乾燥したDMF(5mL)中の(R)−2−アミノ−9−メチル−8,9−ジヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−6(7H)−オン(化合物15d、0.08g、0.24mmol)、1−(3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ベンジル)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸(化合物19c、0.53g、0.24mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.075g、0.57mmol)の溶液を、室温でBOP(0.212g、0.48mmol)により処理した。7日間50℃の温度で撹拌した後に、反応物を水(20mL)で希釈し、生成物を酢酸エチル(2×20mL)へと抽出した。組み合わせた酢酸エチル層を乾燥した(Na2SO4)。溶媒を蒸発させ、粗製物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(MeOH中の2M NH3:CH2Cl2、1:99から5:95)によって精製し、薄褐色固形物としてtert−ブチル(R)−(3−((4−((9−メチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−イル)カルバモイル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)フェニル)カルバミン酸塩、化合物19d(0.008g、6.4%)を得た。
D.CH2Cl2(10mL)中のtert−ブチル(R)−(3−((4−((9−メチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−イル)カルバモイル)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)フェニル)カルバミン酸塩(化合物19d、0.008g、0.0155mmol)の溶液を、室温でTFA(0.5mL)により処理し、さらに2時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、粗製物を2N NaOH溶液で塩基化し、生成物をジクロロメタン(2×10mL)へと抽出した。組み合わせたジクロロメタン層を、ブライン(5mL)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を蒸発させ、粗製物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(MeOH中の2M NH3:CH2Cl2、1:99から6:94)によって精製し、薄褐色固形物として(R)−1−(3−アミノベンジル)−N−(9−メチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、化合物#19(0.003g、46%)を得た。1H NMR(500MHz、CDCl3)δ1.43 (d, 3H, J = 6.4 Hz), 3.39−3.42 (m, 1H), 3.92−3.96 (m, 1H), 4.85−4.90 (m, 1H), 5.18 (s, 2H), 5.94 (s, 1H), 6.50 (d, 1H, J = 2 Hz), 6.58−6.61 (m, 2H), 7.07−7.13 (m, 2H), 7.91−7.98 (m, 3H), 8.13 (d, 1H, J = 8.8 Hz)。
合成例20
(R)−9−メチル−N−(1−((1−メチルピペリジン−4−イル)メチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボキサミド、化合物#20の合成
A.乾燥したTHF(20mL)中の4−ニトロ−1H−ピラゾール(0.5g、4.421mmol)、(1−メチルピペリジン−4−イル)メタノール(0.57g、4.421mmol)およびトリフェニルフォスフィン(1.27g、4.863mmol)の溶液を、室温でDTAD(1.22g、5.305mmol)により処理し、さらに4時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、粗製物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによって精製し(ジクロロメタンからMeOH:ジクロロメタン、1:99から5:95からMeOH中の2M NH3:ジクロロメタン、5:95から1:9)、オフホワイト固形物として表題化合物(0.34g、34%)を得た。
B.メタノール(5mL)中の1−メチル−4−((4−ニトロ−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)ピペリジン(0.33g、1.471mmol)の溶液を、炭素(0.05g)上のパラジウムで処理し、水素気体でパージした。フラスコを空にし、水素気体を充填し(3回)、さらに3時間水素雰囲気(バルーン圧力)下で撹拌した。反応物を、セライトのパッドに通して濾過し、メタノール(3x20mL)で洗浄した。組み合わせたメタノール層を蒸発させ、薄褐色固形物として表題化合物(0.27g、95%)を得た。1H NMR(500MHz、CDCl3)δ1.24−1.28 (m, 2H), 1.51−1.55 (m, 2H), 1.81−1.87 (m, 3H), 2.21 (s, 3H), 2.78−2.84 (m, 4H), 3.82 (d, 2H, J = 5.4 Hz), 6.95 (s, 1H), 7.12 (s, 1H)。
C.乾燥したDMF(5mL)中の(R)−9−メチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボン酸(0.05g、0.203mmol)、1−((1−メチルピペリジン−4−イル)メチル)−1H−ピラゾール−4−アミン(0.04g、0.203mmol)およびDIPEA(0.06mL、0.366mmol)の溶液を、室温でHATU(0.09g、0.234mmol)により処理し、さらに24時間撹拌した。反応物を、水(50mL)で希釈し、2N NaOH溶液(20mL)で塩基化し、生成物を酢酸エチル(3×50mL)へと抽出した。組み合わせた酢酸エチル層を、水(2×25mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を蒸発させ、粗製物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(MeOH中の2M NH3:ジクロロメタン、5:95から1:9)によって精製し、浅黄色固形物として表題化合物(0.06g、71%)を得た。1H NMR(DMSO−d6)δ1.34−1.43 (m, 2H), 1.43 (d, 3H, J = 3.3 Hz), 1.61 (d, 2H, J = 6.0 Hz), 1.95 (brs, 1H), 2.55 (s, 3H), 3.13−3.50 (m, 5H), 3.91 (dd, 1H, J = 2.1, 6.4 Hz), 4.06 (d, 2H, J = 3.6 Hz), 5.27−5.29 (m, 1H), 7.13 (s, 1H), 7.76 (d, 1H, J = 0.3 Hz), 7.92 (d, 1H, J = 3.9 Hz), 8.18 (s, 1H), 8.30 (d, 1H, J = 4.2 Hz), 8.34 (d, 1H, J = 2.7 Hz), 10.62 (s, 1H)。
合成例21
(R)−N−(2−カルバモイルフェニル)−9−メチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボキサミド、化合物#21の合成
乾燥したDMF(5mL)中の(R)−9−メチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボン酸(0.05g、0.203mmol)、2−アミノベンズアミド(0.027g、0.203mmol)およびDIPEA(0.06mL、0.366mmol)の溶液を、室温でHATU(0.09g、0.234mmol)により処理し、さらに24時間撹拌した。反応物を、水(50mL)で希釈し、2N NaOH溶液(20mL)で塩基化し、生成物を酢酸エチル(3×50mL)へと抽出した。組み合わせた酢酸エチル層を、水(2×25mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を蒸発させ、粗製物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(MeOH中の2M NH3:ジクロロメタン、5:95から1:9)によって精製し、浅黄色固形物として表題化合物(19mg、26%)を得た。1H NMR(DMSO−d6)δ1.51 (d, 3H, J = 3.3 Hz), 3.47−3.50 (m, 1H), 3.95−3.98 (m, 1H), 5.19−5.21 (m, 1H), 7.17−7.20 (m, 2H), 7.56−7.59 (m, 1H), 7.73 (s, 1H), 7.86 (dd, 1H, J = 0.6, 3.9 Hz), 8.00 (d, 1H, J = 4.2 Hz), 8.26 (brs, 1H), 8.35 (d, 1H, J = 4.2 Hz), 8.40 (d, 1H, J = 2.4 Hz), 8.78 (dd, 1H, J = 0.3, 4.2 Hz), 13.48 (s, 1H)。
合成例22
(R)−9−メチル−6−オキソ−N−(1−(4−(トリフルオロメチル)ベンジル)−1H−ピラゾール−4−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボキサミド、化合物#22の合成
A.アセトン(100mL)中の4−ニトロ−1H−ピラゾール(5.0g、44.216mmol)および1−(ブロモメチル)−4−(トリフルオロメチル)ベンゼン(11.09g、46.427mmol)の溶液を、炭酸カリウム(30.5g、221.082mmol)で処理し、2時間還流温度で加熱した。反応物を室温にさらし、固形物を、濾過し、ジクロロメタン(3×35mL)で洗浄した。組み合わせた有機質層を蒸発させ、粗製生成物をヘキサンで洗浄し、白色固形物として表題化合物(12.0g、定量的)を得た。
B.エタノール(30mL)および水(25mL)中の4−ニトロ−1−(4−(トリフルオロメチル)ベンジル)−1H−ピラゾール(2.1g、7.743mmol)の溶液を、鉄(1.29g、23.229mmol)で処理し、その後、酢酸(0.44mL、7.743mmol)で処理し、反応物を2時間還流温度で加熱した。反応物を室温にさらし、溶媒を蒸発させた。反応物を1N NaOH溶液で塩基化し、生成物をジクロロメタン(3×50mL)へと抽出した。組み合わせたジクロロメタン層を、ブライン(10mL)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を蒸発させ、粗製物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(MeOH中の2M NH3:ジクロロメタン、5:95)によって精製し、オレンジ色−赤色の固形物として表題化合物(1.75g、94%)を得た。
C.乾燥したDMF(5mL)中の(R)−9−メチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボン酸(0.05g、0.203mmol)、1−(4−(トリフルオロメチル)ベンジル)−1H−ピラゾール−4−アミン(0.049g、0.203mmol)およびDIPEA(0.06mL、0.366mmol)の溶液を、室温でHATU(0.09g、0.234mmol)により処理し、さらに24時間撹拌した。反応物を、水(50mL)で希釈し、2N NaOH溶液(20mL)で塩基化し、生成物を酢酸エチル(3×50mL)へと抽出した。組み合わせた酢酸エチル層を、水(2×25mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を蒸発させ、粗製物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(MeOH中の2M NH3:ジクロロメタン、5:95から1:9)によって精製し、浅黄色固形物として表題化合物(65mg、68%)を得た。1H NMR(DMSO−d6)δ1.44 (d, 3H, J = 3.3 Hz), 3.47−3.50 (m, 1H), 3.90−3.93 (m, 1H), 5.28−5.30 (m, 1H), 5.48 (s, 2H), 7.14 (s, 1H), 7.45 (d, 2H, J = 4.2 Hz), 7.73 (d, 2H, J = 4.2 Hz), 7.85 (s, 1H), 7.94 (d, 1H, J = 3.9 Hz), 8.29−8.37 (m, 3H), 10.70 (s, 1H)。
合成例23
(R)−N−(1−(2,4−ジフルオロベンジル)−1H−ピラゾール−4−イル)−9−メチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボキサミド、化合物#23の合成
A.アセトン(60mL)中の4−ニトロ−1H−ピラゾール(3.0g、26.529mmol)および1−(ブロモメチル)−2,4−ジフルオロベンゼン(5.76g、27.856mmol)の溶液を、炭酸カリウム(18.33g、132.649mmol)で処理し、2時間還流温度で加熱した。反応物を室温にさらし、固形物を、濾過し、ジクロロメタン(3×25mL)で洗浄した。組み合わせた有機質層を蒸発させ、粗製生成物をヘキサンで洗浄し、オフホワイト固形物として表題化合物(6.3g、定量的)を得た。
B.エタノール(25mL)および水(20mL)中の1−(2,4−ジフルオロベンジル)−4−ニトロ−1H−ピラゾール(2.1g、8.779mmol)の溶液を、鉄(1.47g、26.339mmol)で処理し、その後、酢酸(0.5mL、8.779mmol)で処理し、反応物を2時間還流温度で加熱した。反応物を室温にさらした、溶媒を蒸発させた。反応物を1N NaOH溶液で塩基化し、生成物をジクロロメタン(3×50mL)へと抽出した。組み合わせたジクロロメタン層を、ブライン(10mL)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を蒸発させ、粗製物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(MeOH中の2M NH3:ジクロロメタン、5:95)によって精製し、暗赤色の固形物として表題化合物(1.42g、78%)を得た。
C.乾燥したDMF(5mL)中の(R)−9−メチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボン酸(0.05g、0.203mmol)、1−(2,4−ジフルオロベンジル)−1H−ピラゾール−4−アミン(0.043g、0.203mmol)およびDIPEA(0.06mL、0.366mmol)の溶液を、室温でHATU(0.09g、0.234mmol)により処理し、さらに24時間撹拌した。反応物を、水(50mL)で希釈し、2N NaOH溶液(20mL)で塩基化し、生成物を酢酸エチル(3×50mL)へと抽出した。組み合わせた酢酸エチル層を、水(2×25mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を蒸発させ、粗製物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(MeOH中の2M NH3:ジクロロメタン、5:95から1:9)によって精製し、浅黄色固形物として表題化合物(40mg、45%)を得た。1H NMR(DMSO−d6)δ1.43 (d, 3H, J = 3.3 Hz), 3.47−3.50 (m, 1H), 3.90−3.93 (m, 1H), 5.28−5.30 (m, 1H), 5.39 (s, 2H), 7.09−7.37 (m, 4H), 7.81 (s, 1H), 7.93 (d, 1H, J = 4.2 Hz), 8.25−8.37 (m, 3H), 10.68 (s, 1H)。
合成例24
(R)−N−(1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−イル)−5−クロロ−9−メチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボキサミド、化合物#24の合成
A.アセトニトリル(5mL)中のジエチル1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2,6−ジカルボン酸塩(0.102g、0.388mmol)の懸濁液を、N−クロロスクシンアミド(0.062g、0.466mmol)で処理し、結果として生じる溶液を24時間60℃で撹拌した。反応物を、室温にさらし、水(50mL)で希釈し、生成物を酢酸エチル(2×25mL)へと抽出した。組み合わせた酢酸エチル層を、ブライン(20mL)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を蒸発させ、粗製物を、シリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン、1:9から1:4)によって精製し、無色の油として表題化合物(0.1g、87%)を得た。
B.乾燥したDMF(3mL)中のジエチル3−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2,6−ジカルボン酸塩(0.1g、0.337mmol)の溶液を、0℃で水素化ナトリウム(14.2mg、0.370mmol、鉱油中に60%)により処理した。反応物を、室温にさらし、30分間撹拌した。乾燥したDMF(2mL)中のtert−ブチル(S)−5−メチル−1,2,3−オキサチアゾリジン−3−カルボン酸塩2,2−ジオキシド(83mg、0.353mmol)の溶液を加え、反応物を18時間室温で撹拌した。反応物を、水(30mL)で希釈し、0.5Mのクエン酸(20mL)で酸性化し、生成物をジエチルエーテル(2×25mL)へと抽出した。組み合わせたジエチルエーテル層を、水(25mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。ジエチルエーテルを蒸発させ、油として表題化合物(0.12g、79%)を得た。
C.メタノール(5mL)中のジエチル(R)−1−(1−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロパノ−2−イル)−3−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2,6−ジカルボン酸塩(0.12g、0.264mmol)の溶液を、室温で1,4−ジオキサン(0.33mL、1.321mmol)中の4MのHClで処理し、さらに16時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、粗製物をジクロロメタン(50mL)中に取り込み、飽和したNaHCO3溶液(20mL)で洗浄した。水層をジクロロメタン(2×20mL)でさらに抽出した。組み合わせたジクロロメタン層を乾燥し(Na2SO4)、溶媒を蒸発させ、浅黄色固形物として粗製の表題化合物(76mg、82%)を得た。
D.エタノール(3mL)中のジエチル(R)−1−(1−アミノプロパン−2−イル)−3−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2,6−ジカルボン酸塩(76mg、0.214mmol)の溶液を、炭酸カリウム(89mg、0.644mmol)で処理し、結果として生じる混合物を、さらに16時間60℃で加熱した。反応物を室温にさらし、溶媒を蒸発させた。粗製物を、水(15mL)で希釈し、クエン酸で酸性化し、生成物をジクロロメタン(3×20mL)へと抽出した。組み合わせたジクロロメタン層を乾燥し(Na2SO4)、溶媒を蒸発させ、オフホワイト固形物として表題化合物(50mg、83%)を得た。
E.DMF(5mL)中の(R)−5−クロロ−9−メチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボン酸(0.05g、0.178mmol)、1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−アミン(0.03g、0.178mmol)およびDIPEA(0.056mL、0.321mmol)の溶液を、室温でHATU(0.078g、0.205mmol)により処理し、さらに24時間撹拌した。反応物を、水(50mL)で希釈し、2N NaOH溶液(20mL)で塩基化し、生成物を酢酸エチル(3×50mL)へと抽出した。組み合わせた酢酸エチル層を、水(2×25mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を蒸発させ、粗製物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(MeOH中の2M NH3:ジクロロメタン、5:95から1:9)によって精製し、黄褐色の固形物として表題化合物(40mg、45%)を得た。1H NMR(DMSO−d6)δ1.44 (d, 3H, J = 3.3 Hz), 3.45−3.47 (m, 1H), 3.90−3.93 (m, 1H), 5.32−5.36 (m, 3H), 7.27−7.37 (m, 5H), 7.80 (s, 1H), 7.99 (d, 1H, J = 3.9 Hz), 8.24−8.28 (m, 2H), 8.45 (d, 1H, J = 2.7 Hz), 10.73 (s, 1H)。
合成例25
(R)−N−(1−(4−アミノベンジル)−1H−ピラゾール−4−イル)−9−メチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボキサミド塩酸塩、化合物#25の合成
A.MeOH中の化合物18(1.0当量)の溶液を、室温でエーテル(1Mの溶液、1.5当量)中のHClにより処理し、30分間撹拌した。溶媒を、蒸発させ、真空下で乾燥して、化合物25を得た。
合成例26
(R)−N−(1−(4−(アミノメチル)ベンジル)−1H−ピラゾール−4−イル)−9−メチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボキサミド塩酸塩、化合物#26の合成
A.アセトン(10mL)中の4−ニトロ−1H−ピラゾール(0.23g、2.048mmol)およびtert−ブチル(4−(ブロモメチル)ベンジル)カルバミン酸塩(0.615g、2.048mmol)の溶液を、炭酸カリウム(0.85g、6.145mmol)で処理し、2時間還流温度で加熱した。反応物を室温にさらし、固形物を、濾過し、ジクロロメタン(3×25mL)で洗浄した。組み合わせた有機質層を蒸発させ、粗製生成物をヘキサンで洗浄し、オフホワイト固形物として表題化合物(0.68g、定量的)を得た。
B.エタノール(10mL)および水(7mL)中のtert−ブチル(4−((4−ニトロ−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)ベンジル)カルバミン酸塩(0.68g、2.045mmol)の溶液を、鉄(0.34g、6.137mmol)で処理し、その後、酢酸(0.12mL、2.045mmol)で処理し、反応物を2時間還流温度で加熱した。反応物を室温にさらし、溶媒を蒸発させた。反応物を1N NaOH溶液で塩基化し、生成物をジクロロメタン(3×50mL)へと抽出した。組み合わせたジクロロメタン層を、ブライン(10mL)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を蒸発させ、粗製物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(MeOH中の2M NH3:ジクロロメタン、5:95)によって精製し、褐色の固形物として表題化合物(0.45g、73%)を得た。
C.乾燥したDMF(5mL)中の(R)−9−メチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボン酸(0.11g、0.448mmol)、tert−ブチル(4−((4−アミノ−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)ベンジル)カルバミン酸塩(0.135g、0.448mmol)およびDIPEA(0.14mL、0.807mmol)の溶液を、室温でHATU(0.196g、0.515mmol)により処理し、さらに24時間撹拌した。反応物を、水(50mL)で希釈し、2N NaOH溶液(20mL)で塩基化し、生成物を酢酸エチル(3×50mL)へと抽出した。組み合わせた酢酸エチル層を、水(2×25mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を蒸発させ、粗製物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(MeOH中の2M NH3:ジクロロメタン、1:99から5:95)によって精製し、薄褐色固形物として表題化合物(170mg、72%)を得た。
D.CH2Cl2(6mL)中のtert−ブチル(R)−(4−((4−(9−メチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボキサミド)−1H−ピラゾール−1−イル)メチル)ベンジル)カルバミン酸塩(0.17g、0.32mmol)の溶液を、室温でTFA(4mL)により処理し、さらに2時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、粗製物を2N NaOH溶液で塩基化し、生成物をジクロロメタン(2×15mL)で抽出した。組み合わせたジクロロメタン層を、ブライン(10mL)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を蒸発させ、粗製物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(MeOH中の2M NH3:CH2Cl2、1:99から1:9)によって精製し、(R)−N−(1−(4−(アミノメチル)ベンジル)−1H−ピラゾール−4−イル)−9−メチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボキサミド(0.13g、95%)を得て、これを実施例25に記載される手順によって一塩酸塩、化合物26に変換した。化合物26に対する1H NMRスペクトル(DMSO−d6)δ1.42 (d, 3H, J = 5.1 Hz), 3.45−3.50 (m, 1H), 3.88−4.01 (m, 3H), 5.27−5.35 (m, 3H), 7.13 (s, 1H), 7.31 (d, 2H, J = 6.0 Hz), 7.47 (d, 2H, J = 6.0 Hz), 7.78 (s, 1H), 7.90 (d, 1H, J = 6.3 Hz), 8.24−8.41 (m, 6H), 10.68 (s, 1H)。
合成例1−26において上に記載される方法で、しかし適切に置換された出発物質を使用して、以下の化合物を調製する:
(R)−N−(1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−イル)−5−フルオロ−9−メチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボキサミド;
(R)−N−(1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−イル)−9−イソプロピル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボキサミド;
(S)−N−(1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−イル)−9−トリフルオロメチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボキサミド;
N−(1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−イル)−6’−オキソ−7’,8’−ジヒドロ−6’H−スピロ[シクロプロパン−1,9’−ピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン]−2’−カルボキサミド;
(R)−N−(1−(4−メチルピペラジニル)−1H−ピラゾール−4−イル)−9−メチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボキサミド;
(S)−N−(1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−イル)−9−イソプロピル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボキサミド;
(R)−N−(1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−イル)−9−トリフルオロメチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボキサミド;
N−(1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−イル)−9,9−ジメチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボキサミド;
(S)−N−(1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−イル)−6−メチル−9−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[2’,3’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−3−カルボキサミド;
(S)−N−(1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−イル)−6−メチル−9−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[2’,3’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボキサミド;
(S)−1−ベンジル−N−(6−メチル−9−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[2’,3’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−3−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド;
(S)−1−ベンジル−N−(6−メチル−9−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[2’,3’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド;
(R)−5−フルオロ−9−メチル−N−(1−((4−メチルピペラジン−1−イル)メチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボキサミド;
(R)−5−フルオロ−9−メチル−N−(1−((1−メチルピペリジン−4−イル)メチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボキサミド;
(R)−N−(1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−イル)−6−メチル−9−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピロロ[1,5−a:2,3−b’]ジピラジン−3−カルボキサミド;
(R)−1−(1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−イル)−3−(9−メチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−イル)尿素;および
(R)−1−(1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−イル)−3−(9−メチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−イル)グアニジン。
<一般的な合成手順>
遊離塩基形態の化合物を一塩酸塩または二塩酸塩に変換するための一般的な手順:
MeOHまたはMeOH:CH2Cl2(3:2)の混合中の遊離塩基(1.0当量)として本明細書に記載される化合物の溶液を、室温でエーテル(1Mの溶液、一塩酸塩に対して1.5当量および二塩酸塩に対して3.0当量)中のHClにより処理し、同じ温度でさらに30分間撹拌した。溶媒を、蒸発させ、真空下で乾燥して、対応する遊離塩基の必要な一塩酸塩または二塩酸塩を得た。
生物学的実施例
様々なインビトロおよびインビボでのアッセイにおける本明細書に記載される化合物の活性を試験するための様々な技術が、当該技術分野で知られている。本明細書に記載される発明がより十分に理解されるために、以下の生物学的実施例が明記される。これらの実施例が、単に例示目的のためにあり、いかなる方法でも本発明を限定するものとして解釈されるべきではないことを理解されたい。
生物学的実施例1
RSK阻害剤の構造活性相関(SAR)を判定するためのキナーゼアッセイ。
RSK2キナーゼ標的に対するアッセイ条件を、許容可能な酵素活性を産出するために最適化した。さらに、アッセイを、高い信号雑音比を得るために最適化した。
キナーゼ標的プロファイリングの評価のために放射性同位体分析(SignalChem)を実行し、アッセイをすべて指定の放射線作業領域で実行した。キナーゼ標的は、RSK1、RSK2、RSK3、RSK4およびMK2であった。キナーゼアッセイ(二通り)を、以下のアッセイ反応の調合(recipe)に従って、25μLの最終量で15分間30℃で実行した:
成分1: 5μLの希釈した活性キナーゼ標的(1反応当たり100ng)
成分2: 5μLのペプチド基質(1反応当たり0.5μg)(RSK1、RSK2、RSK3およびRSK4に対して、RSK S6K基質を使用した;MK2に対しては、HSP27tideを使用した)
成分3: 5μLのキナーゼアッセイ緩衝液
成分4: 5μLの本明細書に記載される化合物(様々な濃度:0、0.1、1、10、100または1000nMまたは1、3、10、30、100、300nM)
成分5: 5μLの33P−ATP(5μMの保存溶液、0.8μCi;20μMの終濃度)
アッセイを33P−ATPの付加によって開始し、反応混合物を15分間30℃でインキュベートした。インキュベーション後、10μLの反応混合物をマルチスクリーンのホスホセルロース(Multiscreen phosphocellulose)P81プレート上に配置することによって、アッセイを終了した。マルチスクリーンのホスホセルロースP81プレートを、1%のリン酸溶液中で3回それぞれおよそ15分間洗浄した。P81プレート上の放射活性を、Triluxシンチレーションカウンターでシンチレーション液の存在下においてカウントした。
(アッセイ希釈緩衝液の等量に取って代わる)適切な基質の付加以外のすべてのアッセイ成分を含んだ各標的キナーゼのために、空白制御(Blank controls)を設定した。各標的キナーゼに対して補正された活性を、空白制御値を削除することによって判定した。
本明細書に記載される化合物は、上記の放射性同位体アッセイにおいて試験されたときに、以下の表2に示されるようなRSK2を阻害する能力を実証した:
以下の4つのRSKアイソフォームがある;RSK1、RSK2、RSK3およびRSK4。幾つかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は、すべてのRSKアイソフォームに対して活性である。幾つかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は、RSK1、RSK3およびRSK4のアイソフォームに対して活性である(表3および4)。
生物学的実施例2
溶解性評価
溶解性は、治療薬候補ための重要な特性である。乏しい溶解性は、低いバイオアベイラビリティにつながりかねず、結果として最適以下の薬物送達となる。それはまた、望ましい効果を達成するために必要とされる濃度が、乏しい溶解性が原因で達成することができないため、動物における試験薬の評価を妨げかねない。溶解性評価のために、RSKを標的とする小分子を比較した。これらの評価に関して、DMSO中に溶解された化合物の100mMの溶液を、ウシ胎仔血清(FBS、Life Technologies)および100units/mlのペニシリンおよび100units/mlストレプトマイシン(Life Technologies)を補足したDMEM成長培地(Life Technologies)中に希釈して、20mg/mlの溶液を作った。溶液を、一度希釈すると、ボルテックスし、沈殿物の形成のために検査した。溶液中に残った化合物のために、pH試験ストリップ(BDH Analytical Chemicals)を使用してpHを判定した。化合物26のために、DMSO中に溶解された化合物の100mMの溶液を、リン酸緩衝生理食塩水(Life Technologies)中に希釈して、20mg/mlの溶液を作った。MTD、PK、PDおよび効能を含む一連の試験のためにマウスに投薬するべく必要とされるものの上限であるため、20mg/kgの保存溶液(stock)が選ばれた。前に記載されるように、この溶液のpHを2であると判定した。続いて、4M NaOHを加え、化合物は、9に等しいpHで溶液に残った。高濃度では、幾つかのRSK阻害剤は高溶解性であり、その一方で他の阻害剤はそうではなかった。化合物0は、(R)−N−(1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−イル)−9−メチル−6−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボキサミドである。化合物0は溶解性ではないが、化合物18、20、21、25および26は、同じ条件下で溶解性であった(表5)。
生物学的実施例3
単層増殖阻害アッセイ
乳癌細胞株に対する小分子RSK2キナーゼ阻害剤の細胞毒性プロファイリングのために、本発明の化合物またはビヒクル対照(DMSO、Life Technologies)を、0.1953125、0.390625、0.78125、1.5625、3.125、6.25、12.5、25および50μMの終濃度で3回繰り返して96ウェルプレート(Grenier Bio−One)において培地中に希釈した。1ウェル当たり1×103細胞を、1ウェル当たり200μlの最終量のために播種し、プレートを、5%のCO2を用いて加湿インキュベーターにおいて37℃で5日間インキュベートした。インキュベーション後、アラマーブルーアッセイ(Life Technologies)によって細胞生存を定量化した。簡潔には、各ウェルからの培地を、100μlのリン酸塩緩衝生理食塩水(PBS、Life Technologies)と交換し、細胞を、最大2時間の間、代謝活性に応じて色を変更する適切な(propriety)酸化還元指示薬を組み込む、5%のアラマーブルーでインキュベートした。インキュベーションのこの期間の間、570nmおよび600nmでの吸光度を、細胞株またはサンプルに応じて、様々な時点で測定した。以下の数式に示されるように、100%を乗じた対照ウェルに対する試験ウェルの吸光度比を比較することによって、パーセント生存率を計算した:
続いて、プレートをクリスタルバイオレット染色のために調製した。初めに、PBS中に希釈された8%のホルムアルデヒド(Alfa Aesar)溶液100μlを、各ウェルに加え、プレートを一晩4℃で保存した。次に、ホルムアルデヒド溶液を廃棄し、ウェルを、1ウェル当たり200μlの超純水で3回洗浄した。続いて、0.5%のクリスタルバイオレット溶液(0.5%w/vのクリスタルバイオレット(Alfa Aesar)、25%のメタノール(VWR))50μlを、各ウェルに加え、20分間室温でインキュベートした。クリスタルバイオレット溶液を廃棄し、ウェルを、1ウェル当たり200μlの超純水で3回洗浄した。次に、5%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)(Alfa Aesar)50μlを、各ウェルに加え、590nmの吸光度を測定した。アラマーブルーアッセイと同様に、パーセント生存率を、100%を乗じた対照ウェルに対する試験ウェルの吸光度比を比較することによって計算した。
A.アラマーブルーアッセイの結果:
本明細書に記載される代表的な化合物を、MDA−MB−231、MDA−MB−468、SUM149、SUM149−PTXR、MDA−MB−435、HCC1143、4T1およびT47Dの乳癌細胞株に対してアラマーブルーアッセイにおいて試験した。5日間試験したときの化合物のIC50値を、以下の表6Aおよび表6Bに提供する。すべての事例において、単回用量を実験の1日目に与えた。乳癌細胞株MDA−MB−231、MDA−MB−468、SUM149、および4T1に対する代表的な化合物の細胞毒性の能力を、それぞれ、図1、2、3、および4に示す。
B.クリスタルバイオレットアッセイの結果:
本明細書に記載される代表的な化合物を、MDA−MB−231、MDA−MB−468、SUM149、SUM149−PTXR、MDA−MB−435、HCC1143、4T1およびT47Dの乳癌細胞株に対してクリスタルバイオレットアッセイにおいて試験した。5日間試験したときの化合物のIC50値を、以下の表7Aおよび表7Bに提供する。すべての事例において、単回用量を実験の1日目に与えた。乳癌細胞株MDA−MB−231、MDA−MB−468、SUM149、および4T1に対する代表的な化合物の細胞毒性の能力を、それぞれ、図5、6、7、および8に示す。複数の異なる細胞株における化合物の幾つかを用いて、完全な(100%)成長抑制を達成することができた。これは、RSK阻害剤に対する耐性が観察されなかったことを示した。
生物学的実施例4
軟寒天増殖阻害アッセイ
2つの寒天(Alfa Aesar)溶液(0.8%w/vおよび0.4%w/v)を、超純水中で調製した。0.8%の寒天溶液を、製造業者の指示に従って粉末(Life Technologies)から事前に調製された2X培地と等量で混合し、濾過滅菌した。0.8%の寒天および培地の溶液を、1ウェル当たり500μlで24ウェルプレート(Mandel Scientific)に加えた。プレートを、5%のCO2を用いて37℃の加湿インキュベーターに入れた。次に、0.4%の寒天溶液を、2X培地と等量で混合した。乳癌細胞株を、1ウェル当たり2×104細胞の終濃度を達成するためにこの溶液に加え、底部の寒天および培地の層の上の各ウェルに500μlを加えた。続いて、20μlの化合物またはビヒクル対照(DMSO)の量を、以下の終濃度で3回繰り返して指定のウェルに加えた:0.078125、0.15625、0.3125、0.625、1.25、2.5、5、10、および20μm。プレートを、10−32日間インキュベーターに戻し、7日ごとに化合物またはDMSOを再投薬した。10−32日後に、コロニーを、各ウェルに対して3つの異なる視野でカウントした。各処理に対するカウントを平均し、パーセント生存率を、100%を乗じた対照ウェルに対する試験ウェルにおけるコロニーの数を比較することによって計算した。
結果:
本明細書に記載される代表的な化合物を、4T1乳癌細胞株に対する軟寒天増殖阻害アッセイにおいて試験した。10日間試験したときの化合物のIC50値を、以下の表8Aに提供し、14−22日間試験したときの化合物のIC50値を、表8Bに提供する。軟寒天において成長する4T1乳癌細胞株に対する代表的な化合物の能力を、図9Aに示す。完全な成長抑制を10μMで達成することができた。軟寒天において成長を同様にブロックする化合物25の能力を、MDA−MB−231、MDA−MB−468または4T1細胞株を使用して図9Bに示す。完全な成長抑制は、細胞株に応じて1.25−10μMの間で達成された。
生物学的実施例5
RSK阻害剤は、リン酸化されたYボックス結合タンパク質1(P−YB−1)の阻害によって細胞シグナル伝達を抑制する
細胞シグナル伝達の変化および細胞死の誘発のイムノブロッティング評価
細胞抽出物の生成:望ましい実験条件に従って、6ウェルプレートまたは100mmの培養皿(Grenier Bio−One)において成長および処理された乳癌細胞株を、氷上に置き、各ウェルからの上清を除去し、細胞を冷たいPBS中で洗浄した。PBSの除去後、細胞を、10分間、1%のホスファターゼ阻害剤(Fisher Scientific)および1%のプロテアーゼ阻害剤(Fisher Scientific)を補足した、放射免疫沈降アッセイ(RIPA)緩衝液(50mMのトリス=HCl(pH8)、150mMのNaCl、1%のNP−40、0.5%のデオキシコール酸ナトリウム、0.1%のSDS;Fisher Scientific)にさらした。サンプルを、エッペンドルフチューブに移し、ボルテックスし、その後、10分間14000rpmで遠心分離にかけた。上清を細胞溶解物全体として収集した。マウス腫瘍組織のために、各サンプルを、完全なRIPA溶解緩衝液とともに35mmの培養皿に置いた。サンプルを、滅菌メス(VWR)によって氷上の緩衝液中でさいの目に刻み、緩衝液および組織をエッペンドルフチューブに移した。サンプルを、周期的に2〜3分ごとにボルテックスしながら10分間氷上に静置させた。その後、サンプルを、Qiashredder(Qiagen)に移し、2分間14000rpmで遠心分離にかけた。素通り画分を、新しいエッペンドルフチューブに移し、サンプルを、5分間14000rpmで再び遠心分離にかけた。上清を細胞溶解物全体として収集した。
イムノブロッティング:初めに、溶解物のタンパク質含有量を、Bicinchoninic Acid (BCA) Protein Assay Kit (Pierce)を使用して測定し、これには、ウシ血清アルブミンとともに生成されたタンパク質標準曲線が含まれた。適切な量のサンプルおよびローディングバッファー(50mMのトリス=HCl(pH6.8)、2%のSDS、10%のグリセロール、1%のβ−メルカプトエタノール、12.5mMのEDTA、0.02%のブロモフェノールブルー)を混合し、等量のタンパク質が充填されたことを確かなものとした。この試験における実験の大部分で、1ウェル当たり30μgのタンパク質を充填した。その後、サンプルを、対象のタンパク質に応じて、様々な割合のアクリルアミドゲル(8%−12%)を使用して、SDS−PAGE上で分解した(ポリアクリルアミドゲル電気泳動法)。SDS−PAGEを、SDSランニングバッファー(25mMのトリス、192mMのグリシン、0.1%のSDS)上に流し、その後、室温で90分間100ボルトで転写バッファー(48mMのトリス、39mMのグリシン、20%(v/v)のメタノール)中のニトロセルロース膜(Bio−Rad)に移した。その後、イムノブロットを、1〜2時間、0.1%のTween−20(TBS−T;50mMのTris=HCl、pH7.5、150mMの NaCl、0.1%(v/v)のTween−20(Fisher Scientific))を用いてトリス緩衝食塩水中の5%のスキムミルクにおいてブロックした。その後、イムノブロットを、一晩0.1%のゼラチン(Bio−Rad)および0.05%のアジ化ナトリウム(Alfa Aesar)を用いてTBS−T中に希釈された選択された一次抗体でインキュベートした。8〜10分間のTBS−Tでの4回の洗浄後に、イムノブロットを、室温で2時間1:5000の比率でTBS−T+5%のスキムミルク中に希釈されたホースラディッシュペルオキシダーゼ(Cell Signalling Technology)に複合した適切な二次抗体でインキュベートした。TBS−T中の洗浄の追加のラウンド後に、イムノブロットを、1分間組み合わせた増強された化学発光(ECL)試薬(Fisher Scientific)にさらし、ChemiDoc MP Imaging System(Bio−Rad)を使用して発達させた。特定のイムノブロットのために、対象のタンパク質のバンドをスキャンし、バンド強度比をデンシトメトリー分析(ImageJ)によって判定した。本発明の化合物の抑制または不活性化の活性を、セリン102(P−YB−1S102)でのリン酸化されたYボックス結合タンパク質1(YB−1)の損失をモニタリングすることによって評価した(1:1000 Cell Signalling Technologies(CST)(図10A、10B、11A、および11B))。ある範囲の(0.01、0.1、1、または10uMの)化合物18または25でのMDA−MB−231細胞の処置は、24時間後にP−YB−1の用量依存的な損失につながった(図10A−B)。B−アクチンを、ローディングコントロール(1:5000 CST)として使用した。バンドをデンシトメトリーを使用して定量化した。同様に、96時間のMDA−MB−231細胞への0.01−1uMの化合物16または18いずれかの投薬は、P−YB−1の用量依存的な損失につながった(図11A−B)。この方法論を使用して、化合物22、23、24、25および26のためのP−YB−1に対するIC50値を、それぞれ、24、33、16、41および47nMであると判定した。YB−1の合計を、ローディングコントロール(1:5000 Abcam)として使用した。これは、YB−1がRSKのN末端キナーゼドメイン(NTKD)に直接結合するため、RSK不活性化の直接的な尺度であった。細胞が活発に細胞死を受けているかどうかを評価するために、ポリADPリボースポリメラーゼ(PARP)(1:1000 CST)の活性も、イムノブロッティング方法を使用して測定した。
生物学的実施例6
RSK阻害剤は細胞死を誘発する
PARP、P−YB−1、YB−1およびβ−アクチンを検出する方法は、上に記載されている(図12)。MDA−MB−231、MDA−MB−468、SUM−149−PTX、HCC1143、HCC1937または4T1の細胞を、2、4または6uMの濃度で120時間化合物25により処置した。細胞を、擦過(scraping)によって採取し、アポトーシスを受けた細胞を含む細胞をすべて収集した。細胞は、DMSO対照に対するPARP切断に基づいてアポトーシスを受けたことが示された。さらなるP−YB−1は、DMSO対照に対する化合物25での処置後にすべての細胞株において一貫して減少された。YB−1およびB−アクチンは、ローディングコントロールとして含まれた。PARPの合計レベルは、この時点での影響は受けなかった。
生物学的実施例7
標準治療の化学療法と組み合わせたRSK阻害剤は、腫瘍細胞増殖の抑制に相乗効果を有している。
乳癌細胞株に対する、本発明の化合物と微小管安定化剤であるパクリタキセルとの組み合わせの細胞毒性プロファイリングに関しては、以下の変更とともに、生物学的実施例2:単層増殖阻害アッセイを参照されたい。さらなる実験のための適切な用量を判定するために、単一の薬剤としてのパクリタキセルを用いる用量反応試験を、0.078125、0.15625、0.3125、0.625、1.25、2.5、5、10、20μMの終濃度でパクリタキセルを用いて記載されるように実行した。組み合わせでの処置を、0.1953125、0.390625、0.78125、1.5625、3.125、6.25、12.5、25および50μMの終濃度で本発明の単一の化合物を用いて、化合物の同じ濃度と用量反応試験によって判定されたパクリタキセルの単一の濃度とから成る組み合わせとともに、乳癌細胞株を処置することによって実行した(図13)。
RSK阻害剤に関して、化合物18は、標準治療の化学療法(例えば、パクリタキセル)と組み合わせたときの改善された細胞増殖抑制の例を表わす。RSK阻害剤のIC50は、亜致死量のパクリタキセル(PTX)の付加によっておよそ10倍低下した(表9)。組合せ指標(combination index)を計算し、これは、広範囲の濃度にわたって相乗効果があったことを示唆している(表10)。
RSK阻害剤Cpd18は、標準治療の化学療法(例えば、パクリタキセル)と組み合わせたときの改善された細胞増殖抑制の例を表わす。RSK阻害剤のIC50は、亜致死量のパクリタキセル(PTX)の付加によっておよそ10倍低下した(表9)。組合せ指標(combination index)を計算し、これは、広範囲の濃度にわたって相乗効果があったことを示唆している(表10)。
生物学的実施例8
免疫腫瘍学
癌の主な特長は低い免疫原性である。これは、細胞が免疫認識を回避することを可能にする幾つかのメカニズムによって生じ得る。RSK阻害剤(例えば、化合物16(2または4uM)、化合物18(1、2、または4uM))によるMDA−MB−231およびJIMT−1細胞の処置は、HLA−DRA mRNAのレベルを上昇させたが、CIITAのmRNA発現に対する効果はほとんどなかった(図14A、14B)。HLA−DRAはMHC−II遺伝子のメンバーであり、CIITAはMHC II転写の主要制御因子である。したがって、MHC II遺伝子発現を調節すると予期されるCIITAが、RSK阻害によって変更されなかったことは驚くべきことであった。RSKを同時に阻害することで、プログラム死亡受容体リガンド1(PD−L1)をコードする遺伝子である、CD274が阻害された(図14C、14D)。化合物16(2または4uM)または化合物18(1、2または4uM)は、MDA−MB−231細胞におけるCD274のレベルを低下させた。同様に、様々な濃度(1−20uM)での化合物18はまた、JIMT−1細胞においてCD274を阻害した。HLA−DRAは免疫認識にとって重要であり、一方でPD−L1は免疫チェックポイントに関係している。
生物学的実施例9
RSK阻害剤には、好適な薬力学的特性、例えば、腫瘍に対する送達がある
生物学的実施例2で上に議論されるように、その乏しい又は存在しない溶解性が原因で、化合物0は、薬力学につていて評価することができないかもしれない。逆に、化合物25は、マウスにおける全身送達のための優れた溶解度を有していた(表5)。
MDA−MB−231細胞を、ニュー/ニュー・マウスの***状の脂肪パッドに注入し、腫瘍を樹立した。腫瘍が50−100mm3に達すると、マウスを、2つの群、処置されるビヒクル対照または化合物25に無作為化した。マウスは、3日間100mg/kg BID POで化合物25を受けた。細胞シグナル伝達をイムノブロッティングによって評価しれた。血漿および腫瘍中のCpd 25のレベルを、LC/MSによって判定した(図15)。化合物25は、3/3の腫瘍におけるP−YB−1の損失によって細胞シグナル伝達を減少させた。YB−1およびB−アクチンは、ローディングコントロールとして含まれた。化合物25の腫瘍および血漿のレベルは、それぞれ、平均で7.1および35.1uMであった。腫瘍と血漿との間の比率は、優れた腫瘍取り込み(20%)を示している。同様に、腫瘍は、上に記載されるような化合物25で21日間処置されたマウスからも得られ、細胞シグナル伝達をイムノブロッティングによって評価した(図16A)。化合物25は、ビヒクル対照で処置した腫瘍と比べて9/9の腫瘍においてP−YB−1シグナル伝達を一貫して減少させた。YB−1およびB−アクチンは、内部ローディングコントロールとして含まれた。P−YB−1シグナル伝達の損失を、動物4、6、8、9、および10に対してImage Jを使用して定量化した(図16B)。化合物25のレベルも、21日間処置したマウスから得られた腫瘍において定量化し、腫瘍の平均濃度は7.7uMであった。3日間または21日間処置したマウスからの腫瘍を、化合物25の最後の経口投与の30分後に採取した。要するに、化合物25は、ビヒクル対照で処置した腫瘍と比べて12/12(n=3(3日間処置した)、n=9(21日間処置した))の腫瘍において優れた腫瘍取り込み及びP−YB−1シグナル伝達の減少を示したが、化合物0は、その乏しい溶解性が原因でインビボで投薬することができないかもしれない。
生物学的実施例10
コロニー形成単位の造血幹細胞アッセイ
造血コロニー形成細胞アッセイを、StemCell Technologiesによって概説されたプロトコルに基づいて行った。初めに、幾つかの濃度の本発明の化合物およびDMSO(0.625、1.25、2.5、5、10、20μM)を、組換えヒトサイトカイン幹細胞刺激因子(rh SCF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(rh GM−CSF)、インターロイキン−3(rh IL−3)、顆粒球コロニー刺激因子(rh G−CSF)およびエリスロポエチン(rh EPO)を含有しているメチルセルロースマトリックスである、MethoCult(StemCell Technologies)の別々のチューブに加えた。1皿当たり5×102細胞の終濃度でヒト臍帯血または末梢血(StemCell Technologies)から単離されたCD34+細胞の付加後に、チューブをボルテックスし、室温で5分間静置させた。次に、MethoCult混合物を、1皿当たり1.1mlの量で平滑末端針(StemCell Technologies)および5mlのシリンジ(BD Biosciences)によって35mmの皿(Corning Incorporated)へと分注した。培地を、軽い傾け(tilting)および回転によって各皿の表面にわたって均一に分配した。その後、皿を、滅菌水とともに追加の35mmの皿を含んでいる100mmの培養皿(Grenier Bio−One)に置き、湿度を維持した。その後、培養皿を、13日間37℃で5%のCO2を含有している加湿インキュベーターに入れた。処理済み及び対照の皿両方における骨髄および赤血球由来のコロニーの数をカウントし、比較した。
RSK阻害剤は、癌細胞と比較して、正常なヒト造血幹細胞前駆細胞の分化を阻害しない。対照的に、化合物#15は、3.8uMで癌細胞増殖の50%を阻害したが、細胞は100%、HSCアッセイにおいて生存可能であった。本明細書に記載される代表的な化合物、即ち、化合物#15は、このアッセイで試験されたときに、表11に示されるように、以下のIC50を実証した:
治療域(therapeutic window)は、安全で有効な治療を提供する、薬物の投与量または身体系におけるその濃度の範囲を指す。ヒト一次骨髄幹細胞からの造血幹細胞の分化を使用して、治療上の安全性を評価し、本明細書に記載される幾つかの化合物、即ち、化合物0、16、18、および25の安全域(safety windows)を判定して、比較した。化合物0とタキソールを比較すると、化合物16、18および25は、CD34+細胞およびMDA−MB−231細胞に対して、化合物の比率IC50値によって示されるように、より大きな治療域を有している(表12、図17)。値を、軟寒天(SA)の成長をブロックするために必要とされる濃度と比較した。
本明細書で言及される、米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、PCT公開特許出願、外国特許、外国特許出願および非特許公報はすべて、それら全体が引用によって本明細書に組み込まれる。
前述の本発明は理解を促進するために幾らか詳細に記載されているが、特定の変化および修正が添付の請求項の範囲内で実施され得ることは明白となる。したがって、記載される実施形態は、制限するものではなく例示的なものとして考慮されるべきであり、本発明は、本明細書で与えられた詳細に限定されるべきではなく、添付の請求項の範囲および同等物内で修正されてもよい。