JP6908982B2 - 表面処理金属部材、加熱器具 - Google Patents

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Description

本発明は、ガスコンロ、グリル、五徳等のように加熱時に直火が触れる器具に使用される金属部材や、ヒータ部品や乾燥焼成炉、ボイラー配管等のような高温環境下において使用される金属部材において、高温による金属の酸化を防止することにより、その変色を効果的に防止することが可能な表面処理金属部材、並びにこれが使用される加熱器具に関する。
ステンレス鋼は、厚さ数nm〜十数nm程度の極めて薄い保護性の高い不動態皮膜を有しており、美麗な金属光沢を保ちながら優れた耐食性、耐熱性を呈する。このため従来より、ガスコンロ、グリル、五徳、ガスバーナー等のように加熱時に直火が触れる加熱器具や、ヒータ部品や乾燥焼成炉、ボイラー配管等のような高温環境下において使用される機器を構成する材料として用いられている。
但し、このステンレス鋼は、上述の如き直火が触れる環境下、又は高温環境下において、その表面が変色し着色する、いわゆるテンパーカラーが発生する場合がある。このようなステンレス鋼の変色は、高温により当該ステンレス鋼が酸化して酸化物層が形成されることに基づくものである。この酸化物層の厚さが光の波長と一致する場合に、反射光が干渉して色の違いとして認知されるものである。このような酸化による変色が金属部材としてのステンレス鋼表面に現れると、外観や意匠性が急激に劣化した印象を与えてしまう。特に五徳やガスコンロ、ガスバーナー等の加熱器具は、購入時からそれほど日数が経過していないにも関わらず、直火に触れただけでこのような変色が現れてしまう場合があり、使用し尽くされて急激に古くなった印象を与えてしまう。
このため、高温環境下においてステンレス鋼の酸化に基づく変色を防止することができる技術が従来より研究されている。先ず特許文献1には、表面にアルカリ珪酸塩皮膜を有するステンレス鋼材において、鋼素地とアルカリ珪酸塩皮膜の間に厚さ5〜100nmの反応層が介在させる技術が開示されている。この反応層を通じて、鋼材表面を覆うアルカリ珪酸塩皮膜への原子の拡散を抑制し、テンパーカラーの発生要因となるCr−Fe−O系酸化物層の生成を食い止め、変色を防止することを期待したものである。
また特許文献2には、ステンレス鋼の表面に、シリカ系化合物による酸化物層を1μm以下の厚さで被覆する技術が開示されている。このシリカ系化合物は、酸素の拡散が遅い酸化物であることから、ステンレス鋼の表面近傍において生じる酸化の進行が抑制されることで、変色を防止することを期待したものである。
また特許文献3には、ステンレス鋼の表面にポリシラザンからなる塗膜を形成させることにより、同様にステンレス鋼の表面近傍において生じる酸化の進行が抑制されることで、変色を防止することを期待したものである。
しかしながら、特許文献1−3の開示技術によれば、確かに高温化においてステンレス鋼の酸化に基づく変色を防止はできるものの、加熱時において700℃以上の環境にて使用されるステンレス鋼においては、酸化による変色を十分に防止することができず、また、塗膜のワレや白化等の酸化による変色以外の外観異常を抑制できないという問題点があった。
また特許文献4には、アルミナ薄膜を酸化抑制被膜に用いる技術的思想が開示されている。アルミナ薄膜は優れた成膜性、緻密性、熱安定性、電気絶縁性などを併せ持ち、確かに高温化においてステンレス鋼の酸化に基づく変色を防止はできるものの、加熱時において700℃以上の環境にて使用されるステンレス鋼においては、酸化による変色を十分に防止することができず、耐食性を向上させることができないという問題点があった。
特開2008−231551号公報 特開2006−63427号公報 特開2015−44300号公報 特開2013−216760号公報
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、700℃以上の高温環境下においても酸化による変色を防止することが可能であり、塗膜のワレや白化等の酸化による変色以外の外観異常や基材の耐食性の低下も防止できる表面処理金属部材、並びにこれが使用される加熱器具を提供することにある
本発明者らは、上述した課題を解決するために、アルミニウムを含有するステンレス鋼材の表面にコーティング層が形成された表面処理金属部材であって、コーティング層は、シリカ系化合物を含有する第1層と、第1層の上に積層され、アルミニウム系化合物を含有する第2層とを有する表面処理金属部材、並びにこれが使用される加熱器具を発明した。
第1発明に係る表面処理金属部材は、金属層の表面にコーティング層が形成された表面処理金属部材において、上記金属層は、アルミニウムを含有するステンレス鋼材であり、上記コーティング層は、シリカ系化合物を含有する第1層と、上記第1層の上に積層され、アルミニウム系化合物を含有する第2層とを有し、上記第1層は、上記シリカ系化合物としてSiO を含有し、その塗着量はSiO 換算値の合計で300mg/m 以上、3000mg/m 以下であり、上記第2層は、上記アルミ系化合物としてAl を含有し、その塗着量はAl 換算値の合計で2500mg/m 未満であることを特徴とする。
第2発明に係る表面処理金属部材の製造方法は、金属層を準備する工程と、上記金属層の表面にコーティング層を形成する工程とを有し、上記金属層は、アルミニウムを含有するステンレス鋼材であり、上記コーティング層は、前駆体である塗料が結晶粒子分散液であるシリカ系化合物を含有する第1層と、上記第1層の上に積層され、アルミニウム系化合物を含有する第2層とを有し、上記第1層は、上記シリカ系化合物としてSiO を含有し、その塗着量はSiO 換算値の合計で300mg/m 以上、3000mg/m 以下であり、上記第2層は、上記アルミ系化合物としてAl を含有し、その塗着量はAl 換算値の合計で2500mg/m 未満であることを特徴とする。
第3発明に係る表面処理金属部材の製造方法は、第2発明において、上記第1層及び上記第2層は、透明性を呈することを特徴とする。
第4発明に係る加熱器具は、加熱される金属部材を有し、第発明に係る表面処理金属部材が当該金属部材に使用されることを特徴とする。
上述した構成からなる本発明によれば、第2層を構成するアルミニウム系化合物により直火の近傍に位置することによる高温環境下において外観上の異常が生じることを防止することができる。これに加えて本発明によれば、第1層がFe元素の拡散のバリア層として機能することで、これが第2層の内部に拡散するのを防止できる。このため、アルミニウム系化合物中においてFeが酸化することによる酸化自体が起こりえない構成となっており、700℃を超える高温環境下においても、酸化による変色を防止、また腐食による変色を防止することができる。
更に本発明によれば、金属層を構成するステンレス鋼中にアルミニウムが含有してなることにより、アルミニウムが含有しないステンレスに対し本件発明の第1層、第2層を施したものや、アルミニウムが含有する耐熱ステンレスにコーティングを施さないものに比べ、700℃を超える高温環境下に長時間さらした場合に、酸化による変色を肉眼で検知できるまでの時間が著しく長時間になった。このように、酸化による変色防止の耐久性が著しく向上する作用が生まれる。
本発明を適用した表面処理金属部材が適用される加熱器具を示す図である。 本発明を適用した表面処理金属部材を構成する各層について説明するための図である。 ガスバーナーの表面を構成する金属部材の上層に第1層、第2層22を形成させた例を示す図である。
以下、本発明を適用した表面処理金属部材について、図面を参照しながら詳細に説明をする。
本発明を適用した表面処理金属部材は、例えば図1(a)に示すような加熱調理時において直火が触れる加熱器具としての五徳3等に使用される。五徳3は、システムキッチンにおけるガスコンロ2に用いられる。五徳3は、ガスコンロ2の周囲から中心に向けて延長される爪の如き形状で構成される場合が多く、やかんや鍋等の加熱用容器が載置される。五徳3は、ガスコンロから出火される直火の近傍に位置するため、700℃以上もの高温環境下で使用される場合が多く、直火に触れる場合には1000℃以上もの高温環境下で使用される場合が多い。
このような五徳3を構成する表面処理金属部材におけるB−B´断面図を図1(b)に示す。この五徳3を構成する表面処理金属部材は、その基材としての金属層11と、この金属層11の表面を覆うように被膜され積層されたコーティング層12とを備えている。
金属層11は、例えばステンレス鋼を始めとした金属で構成されている。この金属層11は、そのステンレス鋼の中でもアルミニウムを含有してなることが必須となる。ステンレス鋼は、添加されたCrが空気中の酸素と結合することで厚さ数nm〜十数nm程度の極めて薄い保護性の高い不動態皮膜を形成させる。この不動態皮膜は、優れた耐食性、耐熱性を呈する。即ち、五徳3は、錆の発生については、この不動態皮膜が形成された金属層11により防止することができる。
ちなみに、この金属層11を構成するステンレス鋼の例としては、少なくともアルミニウムを含有させたステンレス鋼等を使用するようにしてもよい。このときステンレス鋼全重量に対するアルミニウムの含有量は、特に制限されるものではないが、例えば4重量%とされていることが望ましい。
コーティング層12は、図2に示すように金属層11の表面に積層される第1層21と、この第1層21の上に積層され、最表面を形成する第2層22とを有している。
第1層21は、シリカ系化合物を含有する層で構成されている。第1層21を構成するシリカ系化合物の例としては、SiとOとの結合を有する化合物であれば全てを含む概念であり、例えば、脱水縮合したシリコンテトラエトキシドや、SiO2、(ポリシラザン、シロキサン、ケイ酸塩)等である。但し、このシリカ系化合物は、これらの例に限定されるものではない。この第1層21は、透明性を呈する材料で構成されていることで、自身が被覆する金属層11の金属色を表面に積極的に現すことが可能となる。但し、第1層21は、透明性を呈する材料以外で構成されていてもよいことは勿論である。
第1層21は、主として金属層11中のFe元素が第2層22に拡散しようとする動きを抑制することが可能となる。即ち、第1層21が、このFe元素の移動に対するバリアとして働かせることが可能となり、ひいてはFe元素が第2層22に到達するのを防止できる。その結果、このFe元素が700℃以上、ひいては1000℃を超える高温環境下で酸化してしまうのを防止することができる。そして、このFe元素が酸化することによる黒点が生じるのを防止することができる。
この第1層21の塗着量はSiO2換算値の合計で300mg/m2を超え、3000mg/m2未満で構成されていることが望ましい。但し、この第1層21はかかる塗着量により構成されている場合に限定されるものではなく、いかなる塗着量とされていてもよい。
仮にこの第1層21の塗着量が300mg/m2以下である場合には、膜厚が薄すぎるため、干渉色が生じてしまい、安定した外観を維持することができない。また1200°もの温度に到達する炎に接触させると変色して黒点が生じてしまう。一方、第1層21の塗着量が3000mg/m2以上に亘り積層させた場合には、却ってこのバリア層としての第1層21の膜厚が厚すぎてしまい、金属層11の内部に含有する気体が抜けきれず、これが白濁模様として現れて外観や意匠性を低下させる原因になる。
第1層21のシリカ系化合物はその前駆体である塗料が結晶粒子分散液であってもよいし、非結晶の塗料から得られたものであってもよい。このシリカ系化合物の前駆体である塗料が結晶粒子分散液である場合には、金属層11中のFe元素がこの結晶を迂回するようにして移動せざるを得なくなることから、このバリア層としての第1層21を通過する上での移動量が大きくなり、ひいてはFe元素の第2層22への拡散を防止することができる。但し、第1層21のシリカ系化合物が非結晶の塗料から得られたものであっても、Fe元素の拡散を抑制することができるように作用させることができることは勿論である。
なお、第1層21と金属層11との間に他の層が介在するものであってもよい。
第2層22は、アルミニウム系化合物を含有する層で構成されている。第2層22を構成するアルミニウム系化合物の例としては、Al23、(窒化アルミニウム、ムライト、スピネル)等である。このアルミニウム系化合物としては、望ましくは結晶状のAl23を使用するようにしてもよい。但し、このアルミニウム系化合物は、これらの例に限定されるものではない。この第2層22は、透明性を呈する材料で構成されていることで、自身が被覆する金属層11の金属色を表面に積極的に現すことが可能となる。但し、第2層22は、透明性を呈する材料以外で構成されていてもよいことは勿論である。
第2層22を構成するアルミニウム系化合物は、700℃以上、ひいては1000℃を超えるような高温域において結晶転移等が生じるものではなく、またかかる高温域において外観不良が生じることが殆ど無い。即ち、この第2層22は、直火の近傍に位置することによる高温環境下において外観上の異常が生じることは殆ど無い。これに加えて、第2層22中には、第1層21がFe元素の拡散のバリア層として機能することで、これが内部に拡散するのを防止できる。このため、アルミニウム系化合物中においてFeが酸化することによる酸化自体が起こりえない構成となっており、いわゆる酸化の変色によるテンパーカラーが発生してしまうのを防止することができる。
この第2層22の塗着量は、特にアルミニウム系化合物の場合において、Al23換算値の合計で2500mg/m2未満とされていることが望ましい。但し、この第2層22はかかる塗着量により構成されている場合に限定されるものではなく、いかなる塗着量とされていてもよい。
仮にこの第2層22の塗着量が2500mg/m2以上に亘り積層させた場合には、膜厚が厚すぎてしまい、上述した高温環境下においては金属層11と第2層22の線膨張係数の違いにより、当該第2層22が剥離してしまい、また塗膜割れが生じてしまう場合もある。
上述した構成からなる表面処理金属部材を有する五徳3の作用について、以下説明をする。五徳3に載置した調理用容器をガスコンロ2による直火で加熱した場合、五徳3は直火の近傍に位置し、場合によっては直火が直接触れることとなる。その結果、五徳3は、1000℃を超える高温環境下に置かれることとなる。また直接直火に触れない場合においても、その直火の近傍においては700℃以上もの高温環境下におかれることとなる。
かかる場合において、第2層22は、アルミニウム系化合物を介して、この700℃を超える高温環境に対する外観不良を抑制することができる。また金属層11中のFe元素がこの高温環境の下において拡散しようとするが、第1層21に向けた拡散は、これを構成するシリカ系化合物を介して抑制されることとなる。その結果、この拡散するFe元素が第1層21を通過して第2層22に入り込もうとする動きを抑え込むことが可能となる。その結果、第2層22にFe元素が入り込まないことでこれが高温環境下で酸化するのを防止することができ、変色してしまうのを防止することができる。特に金属層11を構成するステンレス鋼中にアルミニウムが含有してなることにより、アルミニウムが含有しないステンレスに対し本件発明の第1層、第2層を施したものや、アルミニウムが含有する耐熱ステンレスにコーティングを施さないものに比べ、700℃を超える高温環境下に長時間さらした場合に、酸化による変色を肉眼で検知できるまでの時間が著しく長時間になった。このように、酸化による変色防止の耐久性が著しく向上する作用が生まれる。
なお本発明は、五徳3やグリル等のような加熱器具に適用される場合に限定されるものではなく、高温環境下において使用される金属部材であればいかなるものに適用されるものであってもよい。例えば、図3に示すようなガスバーナー5やヒータ部品、ボイラー配管等に本発明を適用するようにしてもよいことは勿論である。仮に図3に示すガスバーナーにおいても、その表面を構成する金属部材を構成する金属層11の上層に第1層21、更にその上層に第2層22が形成されている。そして、この金属層11は、アルミニウムを含有するステンレス鋼材で構成されている。
また本発明は、これらに限定されるものではなく、高温に加熱される金属部材を有するいかなる器具に適用されるものであってもよい。かかる場合にはアルミニウムを含有するステンレス鋼材で構成されている当該金属部材の上層に第1層21、更にその上層に第2層22が形成されることとなる。
以下、本発明を適用した表面処理金属部材の効果を確認するために行った実験的検証について詳細に説明をする。
この実施例1における実験的検証においては、先ず表1に示すように複数種のサンプルを作成し、塗装後の外観、塗膜割れ、腐食度合、白化度、水鍋変色試験の有無の5項目について検証を行った。
Figure 0006908982
サンプルは、金属層11のみで構成し、その表面に何ら第1層21、第2層22を積層させない比較例1、2と、金属層11上に第1層21、第2層22とを2層に亘り積層させた比較例3、本発明例からなる。
このうち、比較例1と比較例3は、金属層11としてアルミニウムを含有しないステンレス鋼(19Cr−0.4Cu−0.4Nb−LC,N)を使用しており、比較例2と本発明例は、金属層11としてステンレス鋼全重量に対して4重量%のアルミニウムを含有するステンレス鋼(15Cr−4Al−LC,N)を使用している。
実験において塗布した第1層21は、濃度10%、平均直径25nm以上のシリカが主体となった結晶分散液である。
また実験において塗布した第2層22は、濃度3%、平均直径200nm以上の水酸化アルミニウムナノ粒子分散液である。
上述した各材料を単層、第1層21、第2層22に割り当てて実験的検証を行った。
各項目の評価方法について、先ず塗装後の外観については、塗装焼生後にJIS K5600-4-3(光源のみLED(オーム電機LEDPL48W)を使用している)に則り目視で評価を行い、外観異状が無い場合には○とし、外観異状が発見された場合には×としている。この塗装後の外観評価は、床面壁面が全て中性灰色(SCI値が47.69)の部屋にて観察位置の照度が約1100Luxである環境と、床面壁面が全て白色(SCI値が90.61)の部屋にて観察位置の照度が約2300Luxである環境の両方で行った。
塗膜割れについては、塗装焼生後マイクロスコープにより450倍で拡大観察を行い、塗膜割れが無い場合には○とし、塗膜割れが発見された場合には×としている。
腐食度合は、JIS K5621 7.12耐複合サイクル防食性の試験を2サイクル行い、腐食が発生した場合を×発生しなかった場合を○とした。
また、白化は、直火による加熱後の各サンプルについて、JIS K5600-4-3(光源のみLED(オーム電機LEDPL48W)を使用している)に則り目視観察し、白化が発生した場合には×発生しなかった場合には○としている。この目視観察では、床面壁面が全て中性灰色(SCI値が47.69)の部屋にて行い、観察位置の照度は、約1100Luxであった。
また水鍋変色試験ついては、ステンレス鋼からなる金属層11を有する鍋(直径24cm)に2lの水を入れ、4.4kWのハイカロリーバーナーで1時間連続で加熱することを繰り返し行い、JIS K5600-4-3(光源のみLED(オーム電機LEDPL48W)を使用している)に則り変色を目視評価した。この水鍋変色試験ついては、床面壁面が全て白色(SCI値が90.61)の部屋にて行い、観察位置の照度は、約2300Luxであった。
水鍋変色試験では、上述した条件の下での目視評価の結果、変色が無い場合は○、変色が少ない場合は△、変色が大きい場合には×としている。
なお、塗着量については、蛍光X線分析装置による定量分析を行っている。装置としては、(株)リガクの波長分散卓上型 蛍光X線分析装置(Supermini200)を使用した。
比較例1、2ともに塗装後の外観、塗膜割れ、白化試験は、そもそも塗膜自体が無いことから評価対象外としている。また腐食試験においては、比較例1は×であり比較例2は×であった。
これに対して、比較例3、本発明例は、塗装後の外観、塗膜割れは共に○であり、腐食試験、白化試験ともに○であった。
表2は、水鍋変色試験の加熱開始からの経過時間に応じた評価結果を示している。
Figure 0006908982
水鍋変色試験結果において比較例1は加熱開始から1分後において△となり、比較例2は加熱開始から1.5分後に△となった。また水鍋変色試験結果において比較例3は加熱310時間後において△となったが、本発明例は加熱開始から1300時間経過後であっても○であった。
以上の実験結果から、金属層11としてアルミニウムを含有させ、またこの金属層11の上層に第1層21、第2層22を形成された本発明例のみが各種試験条件をクリアすることができることが分かった。
2 ガスコンロ
3 五徳
5 ガスバーナー
11 金属層
12 コーティング層
21 第1層
22 第2層

Claims (4)

  1. 金属層の表面にコーティング層が形成された表面処理金属部材において、
    上記金属層は、アルミニウムを含有するステンレス鋼材であり、
    上記コーティング層は、シリカ系化合物を含有する第1層と、
    上記第1層の上に積層され、アルミニウム系化合物を含有する第2層とを有し、
    上記第1層は、上記シリカ系化合物としてSiOを含有し、その塗着量はSiO換算値の合計で300mg/m以上、3000mg/m以下であり、
    上記第2層は、上記アルミ系化合物としてAlを含有し、その塗着量はAl換算値の合計で2500mg/m未満であること
    を特徴とする表面処理金属部材。
  2. 金属層を準備する工程と、
    上記金属層の表面にコーティング層を形成する工程とを有し、
    上記金属層は、アルミニウムを含有するステンレス鋼材であり、
    上記コーティング層は、前駆体である塗料が結晶粒子分散液であるシリカ系化合物を含有する第1層と、上記第1層の上に積層され、アルミニウム系化合物を含有する第2層とを有し、
    上記第1層は、上記シリカ系化合物としてSiOを含有し、その塗着量はSiO換算値の合計で300mg/m以上、3000mg/m以下であり、
    上記第2層は、上記アルミ系化合物としてAlを含有し、その塗着量はAl換算値の合計で2500mg/m未満であること
    を特徴とする表面処理金属部材の製造方法。
  3. 上記第1層及び上記第2層は、透明性を呈すること
    を特徴とする請求項2記載の表面処理金属部材の製造方法。
  4. 加熱される金属部材を有し、
    請求項記載の表面処理金属部材が当該金属部材に使用されることを特徴とする加熱器具。
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