JP6902222B2 - 化粧シート及び該化粧シートを備える化粧部材 - Google Patents
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Description
斯かる凹凸形状としては、各種形状が採用され得るが、中でも、木目模様における導管部の溝状凹凸形状、グロスマット調凹凸形状等が代表的なものであり、多用されている。
なお、「グロスマット調凹凸形状」とは、物品の表面に高光沢(gross)領域と低光沢(matte)領域とを模様状に混在させた凹凸形状を意味する。
斯かる構成の物品表面は、物品の表面をグロスマット調凹凸形状とすることにより、物理的凹凸とは無関係に、視覚的に、低光沢領域を高光沢領域よりも凹んでいるように見せることができ、立体的意匠外観を表現することができる。
しかしながら、特許文献1において開示される化粧シートは、耐摩耗性及び耐傷性が十分とは言えなかった。また、懸濁部の位置や、大きさを制御することが困難であり、高いグロスマット感を付与することができなかったり、絵柄層に微細な模様が形成されている化粧シートに対して正確なグロスマット感を付与することが難しかったりと、改善の余地があった。
しかしながら、特許文献2において開示される化粧シートについても、その耐摩耗性、耐傷性および耐汚染性には依然として改善の余地があった。
今般、本発明者らは、特定の重合成分を含む放射線硬化性樹脂組成物により高光沢層を形成させることにより、裾引き部を生じさせることなく、高光沢層の厚さを大きくすることができ、耐摩耗性および耐傷性を向上させることができると共に、正確かつ高いグロスマット感を化粧シートに対して付与することができるとの知見を得た。
さらに、かかる高光沢層を備える化粧シートは、その耐汚染性についても改善されているとの知見を得た。
本発明は、かかる知見に基づくものであり、その解決しようとする課題は、高い耐摩耗性、耐傷性、耐汚染性及び良好なグロスマット感を有する化粧シート及びこれを備える化粧部材を提供することである。
(1)基材シートと、絵柄層と、低光沢層と、高光沢層とを順に有する化粧シートであって、
高光沢層が、低光沢層の少なくとも一部を露出させる開口部を有し、
高光沢層の開口部が、化粧シートの表面に凹部を形成しており、
高光沢層が、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物で形成されており、
電離放射線硬化性樹脂組成物が、数平均分子量1,000〜3,000、官能基数2〜8の多官能(メタ)アクリレート系オリゴマー及び数平均分子量10,000〜30,000のセルロース系ポリマーを含んでなる、化粧シート。
(2)電離放射線硬化性樹脂組成物における多官能(メタ)アクリレート系オリゴマーの含有量が、15〜95質量%である、前記(1)に記載の化粧シート。
(3)電離放射線硬化性樹脂組成物におけるセルロース系ポリマーの含有量が、1〜10質量%である、前記(1)または(2)に記載の化粧シート。
(4)電離放射線硬化性樹脂組成物が、数平均分子量100〜500、官能基数2〜8の多官能(メタ)アクリレート系モノマーを含んでなる、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の化粧シート。
(5)電離放射線硬化性樹脂組成物における、多官能(メタ)アクリレート系オリゴマーの含有量と、多官能(メタ)アクリレー系トモノマーの含有量との比(多官能(メタ)アクリレート系オリゴマーの含有量/多官能(メタ)アクリレート系モノマーの含有量)が、質量基準で、99/1〜20/80である、前記(4)に記載の化粧シート。
(6)高光沢層の厚さが、8〜20μmである、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の化粧シート。
(7)電離放射線硬化性樹脂組成物が、平均粒径0.1〜10μmの無機粒子を含んでなる、前記(1)〜(6)のいずれかに記載の化粧シート。
(8)電離放射線硬化性樹脂組成物における無機粒子の含有量が、1〜15質量%である、前記(1)〜(7)のいずれかに記載の化粧シート。
(9)絵柄層が木目模様を形成しており、凹部が、木目模様の導管部と同調するように設けられている、前記(1)〜(8)のいずれかに記載の化粧シート。
(10)平面視において高光沢層の占める面積割合が50%以上、80%以下である領域の明度(L*1)及び平面視において凹部の占める面積割合が50%以上、80%以下であるの領域の明度(L*2)を、以下の測定条件を用いて、化粧シートの高光沢層側の表面に光を照射して測定した、明度差(ΔL*=L*1−L*2)が、10以上である、前記(9)に記載の化粧シート。
(測定条件)
測定装置:コニカミノルタ(株)製、CM−3700d
測定サイズ:直径8mmの円
光源:D65光源
視野角:2°
(11)被着材と前記(1)〜(10)のいずれかに記載の化粧シートとを、前記被着体と前記化粧シートの前記基材シートとが対向するように備える、化粧部材。
以下、図1を参照しながら、本発明の一実施形態に係る化粧シートについて説明する。図1は本発明の一実施形態に係る化粧シート10の構成を模式的に示す側面図である。
また、図1に示すように高光沢層14は、低光沢層13の少なくとも一部を露出させる開口部を有し、この開口部は、化粧シートの表面において、凹部14’を形成する。
さらに、化粧シート10は、基材シート11と、絵柄層12との間に着色層15を有していてもよい。さらに、化粧シート10は、任意の層間にプライマー層を有していてもよい(図示せず)。
以下、各層の構成等について詳細に説明する。
基材シート11として、紙材、樹脂を用いて成形した樹脂フィルム、金属箔、金属シート、木材、窯業系素材等を使用することができる。また、基材シート11として、これらを任意に積層した積層体を使用してもよい。
基材シート11が紙材以外である場合、その厚さは、25〜200μmであることが好ましく、38〜188μmであることがより好ましい。
一実施形態において、本発明の化粧シートは、着色層15を備えてなることができる。
基材シート11が着色されている場合や色ムラを有する場合に、この基材シート11上に着色層15を設けることにより、これらを隠蔽することができる。そのため、基材シート11上に設けられる絵柄層12の色調の安定性を確保することができ、化粧シート10の意匠性を向上させることができる。
絵柄層12とは、化粧シート10に所望の絵柄を付与する層である。絵柄は、特に限定されるものではないが、年輪断面の春材領域及び秋材領域、導管部等から構成される木目模様、レザー(皮シボ)模様、大理石、花崗岩、砂岩等の石材表面の石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様等を挙げることができる。
絵柄層12における着色剤の含有量は、使用する着色剤の種類や形成させる絵柄に応じて適宜変更することが好ましいが、絵柄層12に含まれる樹脂の総量100質量部に対して、0.5〜70質量部であることが好ましく、1〜50質量部であることがより好ましい。
上記の手段の中でも、模様の微細な部分まで鮮明に形成することができるため、グラビアコート法を利用することが特に好ましい。
低光沢層13は、化粧シート10にマット感を付与する層であり、絵柄層12を視認できる程度の透明性(無色透明、着色透明、半透明)を有する層である。
本発明において、「光沢値」は、JIS Z 8741に準拠して、入射角75°で測定することができる。
これらの中でも、コストおよび材料選択の容易性、樹脂に対する分散安定性の観点から、シリカが好ましい。
また、その形状は、特に限定されず、球形、多面体状、鱗片状とすることができる。
なお、本発明において、「平均粒径」とは、粒子の一次粒子径のことを指し、レーザー回析・散乱法により測定した体積分布における累積分布が50%となる粒子径である。
熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂(2液硬化型ポリウレタン系樹脂も含む)、エポキシ系樹脂、アルキド系樹脂、フェノール系樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン系樹脂、グアナミン系樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、被膜の成形性及び柔軟性という観点から、ポリオールと、イソシアネート化合物との反応物である、2液硬化型ポリウレタン系樹脂が特に好ましい。
また、イソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
電離放射線硬化性樹脂とは、電磁波又は荷電粒子線の中で分子を架橋、重合させ得るエネルギー量子を有するもの、すなわち、紫外線又は電子線等を照射することにより、架橋、硬化する樹脂のことである。具体的には、従来電離放射線硬化性樹脂として慣用されている重合性モノマー、重合性オリゴマー、重合性ポリマーを適宜選択して使用することができる。
なお、本発明において、「オリゴマー」とは、数平均分子量が500〜10000の重合体のことを意味する。また、「ポリマー」とは、数平均分子量が、10000超えの重合体のことを意味する。
さらに、本発明において、「数平均分子量」は、JIS K7252−1に準拠し、GPC(ゲルパーミエ−ションクロマトグラフィ)法により測定したポリスチレン換算による分子量を意味する。
なお、ここで「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート又はメタクリレート」を意味する。多官能性(メタ)アクリレートとしては、分子内にエチレン性不飽和結合を2個以上有する(メタ)アクリレートを意味する。これらの多官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
多官能(メタ)アクリレートとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸のペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
重合性ポリマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つポリマー、例えばエポキシ(メタ)アクリレート系ポリマー、ウレタン(メタ)アクリレート系ポリマー、ポリエステル(メタ)アクリレート系ポリマー、ポリエーテル(メタ)アクリレート系ポリマー等が挙げられる。
単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの単官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、低光沢層13は、本発明の特性を損なわない範囲において、重合開始剤、光安定剤、難燃剤、可塑剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を含んでいてもよい。
加熱乾燥させる場合の温度は、50〜200℃であることが好ましく、60〜150℃であることがより好ましい。
ここで、電離放射線として電子線を使用する場合、加速電圧は、使用する樹脂や層の厚みに応じて適宜変更することが好ましいが、90〜165kVであることが好ましい。
また、照射線量は、電離放射線硬化性樹脂の架橋密度が飽和する量が好ましく、具体的には、20〜70kGy(2〜7Mrad)であることが好ましく、30〜50kGy(3〜5Mrad)であることが好ましい。
電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器を使用することができる。
また、電離放射線として紫外線を使用する場合には、波長190〜380nmの紫外線を含むものを放射する。紫外線源としては特に制限はなく、例えば高圧水銀燈、低圧水銀燈、メタルハライドランプ、カーボンアーク燈等が使用される。
高光沢層14は、化粧シート10にグロス感を付与する層であり、絵柄層12を視認できる程度の透明性(無色透明、着色透明、半透明)を有する層である。
また高光沢層14は、低光沢層13の少なくとも一部を露出させる開口部を有しており、この開口部は、化粧シート10の表面において凹部14’を形成する。
なお、本発明において「同調」とは、導管部の位置と、凹部14’の位置とが、平面視で一致することを意味する。また、「平面視」とは、図1において、同図に向かって上方かた下方を見降ろすことを意味する。
さらに、高光沢層14の光沢値を上記数値範囲とすることにより、白ぼけが生じてしまうことを防止することができると共に、化粧シート10の光沢が全体として高くなりすぎてしまうことを抑えることができ、絵柄層に木目模様を形成させた場合において、古木感を表現することができ、化粧シート10の意匠性をより向上させることができる。
この電離放射線硬化性樹脂組成物は、数平均分子量1,000〜3,000、官能基数2〜8の多官能(メタ)アクリレート系オリゴマー及び数平均分子量10,000〜30,000のセルロース系ポリマーを含んでなる。このように特定の重合成分を含む放射線硬化性樹脂組成物により高光沢層14を形成させることにより、高光沢層14の厚さを大きくしても、裾引き部が発生せず、化粧シート10の耐摩耗性および耐傷性を向上させることができると共に、化粧シート10に対し、良好なグロスマット感を付与することができる。さらに、化粧シート10の防汚性も向上させることができる。
セルロースエステルとしては、セルロースアセテート、セルロースブチレート、セルロースプロピオネート等のカルボン酸エステル、硝酸セルロース、硫酸セルロース、リン酸セルロース等の無機酸エステル、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートフタレート、硝酸酢酸セルロース等の混酸エステル等が挙げられる。
セルロースエーテルとしては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ベンジルセルロース、シアンエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース等が挙げられる。上記の中で(メタ)アクリレート系オリゴマーとの相溶性の高いものを適宜使用することができる。
また、多官能(メタ)アクリレート系モノマーの官能基数は、2〜6であることがより好ましい。
ここで、電離放射線として電子線を使用する場合、加速電圧は、使用する樹脂や層の厚みに応じて適宜変更することが好ましいが、90〜165kVであることが好ましい。
また、照射線量は、電離放射線硬化性樹脂の架橋密度が飽和する量が好ましく、具体的には、20〜70kGy(2〜7Mrad)であることが好ましく、30〜50kGy(3〜5Mrad)であることが好ましい。
(測定条件)
測定装置:コニカミノルタ(株)製CM−3700d
測定サイズ:直径8mmの円
光源:D65光源
視野角:2°
化粧シート10は、必要に応じて、各層間密着性を向上させるために、各層間のいずれかにプライマー層、裏面プライマー層を有することができる。例えば、被着材21と基材シート11との間で、基材シート11側に裏面プライマー層としてプライマー層を設けることで、層間密着性に優れた化粧部材が得られる。
以下、図2を参照しながら、本発明の一実施形態に係る化粧部材について説明する。図2は本発明の一実施形態に係る化粧部材20の構成を模式的に示す側面図である。
被着材21としては、例えば、各種素材の平板、曲面板等の板材、立体形状物品、シート(或いはフィルム)等が挙げられる。具体的には、木材単板、木材合板、パーティクルボード、MDF(中密度繊維板)等の木質繊維板等の板材や立体形状物品等として使用される木質部材;鉄、アルミニウム等の板材や鋼板、立体形状物品、あるいはシート等として使用される金属部材;ガラス、陶磁器等のセラミックス、石膏等の非セメント窯業系材料、ALC(軽量気泡コンクリート)板等の非陶磁器窯業系材料等の板材や立体形状物品等として使用される窯業部材;アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)樹脂、フェノール樹脂、塩化ビニル樹脂、セルロース系樹脂、ゴム等の板材、立体形状物品、あるいはシート等として使用される樹脂部材等が挙げられる。また、これらの部材は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
化粧部材20は、被着材21と化粧シート10との間に接着剤層22を有する。接着剤層22は省略可能であるが、優れた接着性を得るため、被着材21と化粧シート10とを接着剤層22を介して貼り合わせることが好ましい。
1.基材シートの準備
基材シートとして、坪量30g/m2の紙材(王子エフテックス(株)製、U−FLEX30)を準備した。
基材シートの一方の面に、グラビア印刷法により、厚さ7μmの着色層及び厚さ4μmの図3に示す木目柄の絵柄層(導管部の太さ:約0.5mm)を形成させた。
なお、着色層の形成には、ウレタンアクリレート、アクリルポリオール、硬化剤および着色剤(DICグラフィックス(株)製、HRA)を使用し、絵柄層の形成には、アルキド系樹脂及び着色剤(DICグラフィックス(株)製、MA)を使用した。
下記組成からなる低光沢層形成用組成物を、絵柄層上に塗布、乾燥し、厚さ10μmの低光沢層を形成させた。
低光沢層の光沢値を携帯光沢計(株式会社製村上色彩技術研究所 GMX−202)を用い、JIS Z 8741に準拠して、入射角75°にて測定したところ、2であった。
(低光沢層形成用組成物)
・アクリルポリオール 49質量%
・ヘキサメチレンジイソシアネート 32質量%
・シリカ(平均粒子径3μm) 19質量%
・希釈用剤 適量
低光沢層上に、下記組成からなる高光沢層形成用組成物を塗布し、次いで、塗布した組成物に電子線(165kV、30kGy)を照射することにより、厚さが10μmであり、低光沢層の一部を露出させる開口部を有し、該開口部が、化粧シートの表面において、絵柄層の導管部と同調する凹部を形成している、高光沢層を形成した。
次いで、70℃で24時間加熱養生し、化粧シートを得た。
高光沢層の光沢値を携帯光沢計(株式会社製村上色彩技術研究所 GMX−202)を用い、JIS Z 8741に準拠して、入射角75°にて測定したところ、13であった。
(高光沢層形成用組成物)
・6官能アクリレート系オリゴマー 90質量%
・セルロース系ポリマー 1.1質量%
・シリカ(6μm) 8.9質量%
・希釈用剤 適量
平面視において高光沢層の占める面積割合が50%以上である領域の明度(L*1)及び平面視において凹部の占める面積割合が50%以上であるの領域の明度(L*2)を、以下の測定条件を用いて、化粧シートの前記高光沢層側の表面に光を照射して測定し、明度差(ΔL*=L*1−L*2)を求めた。結果を表1に示す。
(測定条件)
測定装置:コニカミノルタ(株)製、CM−3700d
測定サイズ:直径8mmの円
光源:D65光源
視野角:2°
高光沢層形成用組成物の組成を表1のように変更した以外は実施例1と同様にして化粧シートを得た。
高光沢層形成用組成物の組成を表1のように変更すると共に、明度差(ΔL*)が10となるよう、絵柄層において形成させた木目柄を図4に示す木目柄に変更した以外は実施例1と同様にして化粧シートを得た。
高光沢層形成用組成物の組成を表1のように変更した以外は実施例1と同様にして化粧シートを得た。
高光沢層形成用組成物の組成を表1のように変更した以外は実施例1と同様にして化粧シートを得た。
高光沢層形成用組成物の組成を表1のように変更すると共に、高光沢層の厚さを4μmに変更した以外は実施例1と同様にして化粧シートを得た。
上記実施例及び比較例において得られた化粧シートについて、以下の評価を行った。
実施例及び比較例において得られた化粧シートの基材シート側の面を、厚さ3μmの木質合板に、酢酸ビニルエマルジョン系接着剤を介して貼り合わせた。次いで、JAS特殊合板「摩耗B試験」に準拠し(S42研磨紙、総荷重500g、100回転)、以下の評価基準に従い、耐摩耗性を評価した。評価結果は、表1に示す。
A:柄残存率が50%以上
B:柄残存率が50%未満
実施例及び比較例において得られた化粧シートの基材シート側の面を、厚さ3μmの木質合板に、酢酸ビニルエマルジョン系接着剤を介して貼り合わせた。ベルマースクラッチ試験機を用いて、化粧シートの高光沢層を擦り、基材シートに達する荷重を測定し、以下の評価基準に従い、耐傷性を評価した。なお、加重は50gごとに行った。
A:基材シートに達する荷重が、200g以上
B:基材シートに達する荷重が、100g以上、200g未満
C:基材シートに達する荷重が、100g未満
JAS特殊合板「汚染A試験」に準拠して耐汚染試験を行い、以下の評価基準に従い耐汚染性を評価した。評価結果は、表1に示す。なお、汚染物として青色インキを用いた。
実施例および比較例において得られた化粧シートについて、パナソニック製演色AA昼光色D6500K光源下において、以下の評価基準に従い、その意匠性を目視により評価した。
A:裾引き部の発生が見られず、グロスマット感が正確に付与されていると共に、その程度についても十分高かった。
B:裾引き部の発生が見られず、グロスマット感が正確に付与されていたが、その程度については、少し弱かった。
C:グロスマット感の高さは十分であったが、裾引き部の発生が少し見られた。
D:裾引き部の発生が見られ、グロスマット感の程度についても不十分であった。
Claims (11)
- 基材シートと、絵柄層と、低光沢層と、高光沢層とを順に有する化粧シートであって、
前記高光沢層が、前記低光沢層の少なくとも一部を露出させる開口部を有し、
前記高光沢層の前記開口部が、前記化粧シートの表面に凹部を形成しており、
前記高光沢層が、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物で形成されており、
前記電離放射線硬化性樹脂組成物が、数平均分子量1,000〜3,000、官能基数2〜8の多官能(メタ)アクリレート系オリゴマー及び数平均分子量10,000〜30,000のセルロース系ポリマーを含んでなる(但し、数平均分子量5000〜15000で平均官能基数6〜15の多官能(メタ)アクリレートポリマーを20〜90質量%、及び数平均分子量1000〜2000で平均官能基数2〜8の多官能(メタ)アクリレートオリゴマーを10〜80質量%を含む電離放射線硬化性樹脂組成物を除く。)、化粧シート。 - 前記電離放射線硬化性樹脂組成物における前記多官能(メタ)アクリレート系オリゴマーの含有量が、15〜95質量%である、請求項1に記載の化粧シート。
- 前記電離放射線硬化性樹脂組成物における前記セルロース系ポリマーの含有量が、1〜10質量%である、請求項1又は2に記載の化粧シート。
- 前記電離放射線硬化性樹脂組成物が、数平均分子量100〜500、官能基数2〜8の多官能(メタ)アクリレート系モノマーを含んでなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化粧シート。
- 前記電離放射線硬化性樹脂組成物における、前記多官能(メタ)アクリレート系オリゴマーの含有量と、前記多官能(メタ)アクリレート系モノマーの含有量との比(多官能(メタ)アクリレート系オリゴマーの含有量/多官能(メタ)アクリレート系モノマーの含有量)が、質量基準で、99/1〜20/80である、請求項4に記載の化粧シート。
- 前記高光沢層の厚さが、8〜20μmである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化粧シート。
- 前記電離放射線硬化性樹脂組成物が、平均粒径0.1〜10μmの無機粒子を含んでなる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化粧シート。
- 前記電離放射線硬化性樹脂組成物における前記無機粒子の含有量が、1〜15質量%である、請求項7に記載の化粧シート。
- 前記絵柄層が木目模様を形成しており、
前記凹部が、前記木目模様の導管部と同調するように設けられている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化粧シート。 - 平面視において前記高光沢層の占める面積割合が50%以上、80%以下である領域の明度(L*1)及び平面視において前記凹部の占める面積割合が50%以上、80%以下であるの領域の明度(L*2)を、以下の測定条件を用いて、前記化粧シートの前記高光沢層側の表面に光を照射して測定した、明度差(ΔL*=L*1−L*2)が、10以上である、請求項9に記載の化粧シート。
(測定条件)
測定装置:コニカミノルタ(株)製、CM−3700d
測定サイズ:直径8mmの円
光源:D65光源
視野角:2° - 被着材と請求項1〜10のいずれか一項に記載の化粧シートとを、前記被着材と前記化粧シートの前記基材シートとが対向するように備える、化粧部材。
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