JP6897287B2 - 発光素子 - Google Patents

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Description

本開示は、発光素子に係る。
近年、ロッド状構造を含むロッド状発光素子が注目されている(例えば、特許文献1〜3)。ロッド状発光素子では、例えばn型半導体から成る1以上のn側の半導体ロッド、そのロッドの表面を覆う活性層、および活性層を覆う、例えばp型半導体からなる層を含んでいる。
ロッド状発光素子は、半導体ロッドの表面全体が発光面となり得るため、従来の発光素子に比べて、単位体積当たりの発光面積を広くできる利点がある。
特開2013−004661号公報 特開2015−142020号公報 特開2015−508941号公報
しかしながら、従来のロッド状構造を有する発光素子は、単位体積当たりの発光面積を広くできる利点を十分に生かし切れておらず、まだ発光効率が十分に高いとはいえない。
そこで、本開示は、発光効率を高めることのできるロッド状構造を有する発光素子を提供することを目的とする。
本開示に係る発光素子は、
n側半導体ロッドと、
前記n側半導体ロッドを覆う半導体から成る活性層と、
前記活性層を覆うp側半導体被覆層と、を含み、
前記n側半導体ロッドは、n型不純物を含むn型半導体ロッド本体部と該n型半導体ロッド本体部の上面に設けられたp型不純物を含む第1半導体層と該第1半導体層の上面に設けられ、前記第1半導体層よりp型不純物濃度の低い第2半導体層とを含むことを特徴とする。
本開示に係る発光素子によれば、ロッド状発光素子の発光効率を高めることができる。
図1は、本開示の実施形態に係る発光素子の概略上面図である。 図2は、図1のII−II線に沿った概略断面図である。 図3Aは、図2に示すロッド状発光部の断面図の部分拡大図である。 図3Bは、ロッド状発光部の変形例の部分拡大図である。 図4は、図3AのIV−IV線に沿った模式断面図である。 図5は、ロッド状発光部の変形例を示す模式断面図である。 本開示に係る発光素子の製造方法を説明するための断面図1である。 本開示に係る発光素子の製造方法を説明するための断面図2である。 本開示に係る発光素子の製造方法を説明するための断面図3である。 本開示に係る発光素子の製造方法を説明するための断面図4である。 本開示に係る発光素子の製造方法を説明するための断面図5である。 本開示に係る発光素子の製造方法を説明するための断面図6である。 本開示に係る発光素子の製造方法を説明するための断面図7である。 本開示に係る発光素子の製造方法を説明するための断面図8である。 本開示に係る発光素子の製造方法を説明するための断面図9である。 本開示に係る発光素子の製造方法を説明するための断面図10である。
上述したように、従来のロッド状構造を有する発光素子は、単位体積当たりの発光面積を広くできる利点を十分に生かし切れておらず、まだ発光効率が十分に高いとはいえない。以上の課題を解決するために、本発明者はロッド状構造を有する発光素子の発光効率を向上させるべく鋭意検討した。その結果、n型半導体ロッドの上面に直接活性層を形成すると、活性層の上面近傍において逆方向のリーク電流が生じ、その逆方向のリーク電流により発光効率の向上が妨げてられていることがわかった。そこで、本発明者は、n側半導体ロッドの上面近傍において生じる逆方向のリーク電流を抑制するために、n型半導体ロッドの上面に、n型半導体ロッドより不純物濃度が低い抵抗の大きい、例えば、半絶縁性(i型)の半導体層を形成することを試みた。しかしながら、n型半導体ロッドの上面にi型半導体層を形成したことによる効果、すなわち発光効率の向上は限定的であった。その原因を解明するために、順方向電圧に対する逆リーク電流を調べた結果、n型半導体ロッドの上面にi型半導体層を形成した構造では、比較的低い順方向電圧で逆リーク電流が生じ、その順方向電圧値を超えると急激に逆リーク電流が増えることがわかった。そこでさらに、本発明者は、n型半導体ロッドの上面とi型半導体層の間に、p型不純物を含む、例えば、p型半導体層を形成してn型半導体ロッドとi型半導体層間のバンドオフセットを大きくしたところ、逆リーク電流が発生し始める順方向電圧を大きくすることができ、その結果、ロッド状構造を有する発光素子において発光効率を向上させることができた。
本開示の発光素子は、上述した本発明者が独自に得た知見に基づいて成されたものである。すなわち、本開示の発光素子は、n側半導体ロッドと、n側半導体ロッドを覆う活性層と、活性層を覆うp側半導体被覆層とを含み、n側半導体ロッドは、n型不純物を含むn型半導体ロッド本体部とそのn型半導体ロッド本体部の上面に設けられたp型不純物を含む第1半導体層とその第1半導体層の上面に設けられ、前記第1半導体層よりp型不純物濃度の低い第2半導体層とを含んでいる。
以上のように構成された本開示の発光素子は、n側半導体ロッドが、n型半導体ロッド本体部側から順にp型不純物を含む第1半導体層と、前記第1半導体層よりp型不純物濃度の低い第2半導体層とを含むことにより、n型半導体ロッド本体部の上面近傍における逆リーク電流を抑えることができ、発光素子の発光効率を高めることができる。
また、本開示の発光素子は、n側半導体ロッドは、複数の側面を有する多角柱形状であり、半導体から成る活性層は、n側半導体ロッドの少なくとも側面上に設けられた複数の井戸層と、n側半導体ロッドの稜線上に設けられた稜線部を含み、隣接する井戸層は稜線部によって分離されており、かつ稜線部のバンドギャップは井戸層のバンドギャップより広くされていることが好ましい。このようにすると、隣接する井戸層の間でキャリア移動が起こり難く、井戸層内へのキャリア閉じ込め効果を向上させることができる。これにより、発光素子の発光効率をより高めることができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「右」、「左」及び、それらの用語を含む別の用語)を用いる。それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が限定されるものではない。また、複数の図面に表れる同一符号の部分は同一の部分または部材を示す。
図1は、本開示の実施形態に係る発光素子1の概略上面図、図2は、図1のII−II線に沿った発光素子1の概略断面図である。図1および図2に示すように、実施形態に係る発光素子1は、成長基板50、バッファ層45、下地層40、絶縁膜90、91、ロッド状の発光部分5(以下「ロッド状発光部5」と称する)、および電極70、71、80、81、82、を含んでいる。
ロッド状発光部5は柱状であり、図1の例では六角柱状である。発光素子1は、少なくとも1つ以上のロッド状発光部5を含んでいる。図1の発光素子1は、23個のロッド状発光部5を含んでいる。
図3Aは、図2に示すロッド状発光部5の断面図の部分拡大図である。図3Aに示すように、個々のロッド状発光部5は、n側半導体ロッド10、活性層20およびp側半導体被覆層30を含んでいる。n側半導体ロッド10は、n型半導体からなるn型半導体ロッド本体部11とn型半導体ロッド本体部11の上面に設けられたp型不純物を含む、例えば、p型の第1半導体層12と、第1半導体層12よりp型不純物濃度の低い、例えば、i型の第2半導体層13とを含む。第1半導体層12及び第2半導体層13のp型不純物の濃度は、例えば、3次元アトムプローブ(3DAP)により測定することができる。n側半導体ロッド10において、第1半導体層12の厚さt及び第2半導体層13の厚さtはそれぞれ0.1μm以上であることが好ましく、第1半導体層12の厚さtと第2半導体層13の厚さtとを合わせた厚さttotalは、0.1μm以上、2μm以下であることが好ましい。
n型半導体ロッド本体部11を構成するn型半導体と、第1半導体層12を構成するp型不純物を含む半導体と、第2半導体層13を構成する、第1半導体層12より不純物濃度の低い半導体は、同一組成の半導体であってもよいし、組成が異なっていてもよい。n側半導体ロッド10全体、特に、第1半導体層12及び第2半導体層13の結晶性を良好にするためには、n型半導体ロッド本体部11、第1半導体層12及び第2半導体層13のそれぞれをGaN結晶からなる半導体で構成することが好ましい。また、第1半導体層12及び第2半導体層13のいずれか一方又は両方をn型半導体ロッド本体部11よりバンドギャップの大きい半導体により構成すると、バンドオフセットを大きくすることができ、より逆方向リーク電流を抑制することが期待できる。
また、n側半導体ロッド10において、n型半導体ロッド本体部11のn型不純物の濃度は、例えば、5×1017cm−3〜1×1020cm−3の範囲、好ましくは、1×1018cm−3〜5×1019cm−3の範囲に設定される。また、第1半導体層12のp型不純物濃度は、例えば、1×1018cm−3〜5×1020cm−3の範囲、好ましくは、5×1018cm−3〜1×1020cm−3の範囲に設定される。n型半導体ロッド本体部11及び第1半導体層12はそれぞれ、p型不純物濃度より低い濃度でn型不純物を含んでいてもよいが、それぞれのn型不純物濃度は典型的には実質的にn型不純物を含まない濃度である5×1017cm−3未満とすることが好ましい。第2半導体層13のn型不純物濃度はn型半導体ロッド本体部11のn型不純物濃度より低く、第2半導体層13のp型不純物濃度は第1半導体層12のp型不純物濃度より低く設定されることが好ましい。第2半導体層13のn型不純物濃度及びp型不純物濃度はともに、実質的に不純物を含まない濃度である5×1017cm−3未満とすることができる。このようにすると、第2半導体層13がi型となるかそれに近い性質を有することになるので、n側半導体ロッド10の上面を介した活性層20に対する電流の供給を抑制することができる。尚、本明細書において、成長時に不純物の原料ガス(n型不純物の原料ガス及びp型不純物の原料ガス)を含むことなく、半導体材料の原料ガスのみにより成長させた半導体層をアンドープ層といい、典型的にはこのアンドープ層の不純物濃度は5×1017cm−3未満である。
n側半導体ロッド10は、その側面10cの一部または全部及び上面10aが、活性層20で覆われている。すなわち、複数の側面10cのうち一部の側面10cまたは全ての側面10cが活性層20で覆われており、また、活性層20に覆われた側面10cのそれぞれにおいては、一部の領域または全ての領域が活性層20で覆われている。なお、本実施形態では、少なくとも隣接する2つ以上の側面10c(例えば、図4の側面10cと側面10c)が、連続する活性層20で覆われていることが好ましい。したがって、「複数の側面10cのうち一部の側面10c」とは隣接する2つ以上の側面10cを少なくとも含むことが好ましい。
1つの側面10cにおいて一部の領域のみが活性層20で覆われている場合とは、例えば、図3Aに示すように、n側半導体ロッド10の側面10c(例えば、1つの側面10c)において、下面10b側の一部が絶縁膜90に覆われており、絶縁膜90から露出した領域のみが活性層20に覆われている場合をいう。
本開示では、後述する製造方法において、n側半導体ロッド10の形成の際に絶縁膜90を利用するときには、このような形態になり得る。
本実施形態では、発光面積を広くするという観点から、発光層として機能する活性層20で覆う面積を広くするのが好ましい。つまり、側面10cのうち絶縁膜90から露出した領域の全てが、活性層20に覆われているのが好ましい。
また、ロッド状発光部5のすべての側面において、活性層20の厚さは実質的に同じであることが好ましい。同様に、ロッド状発光部5のすべての側面において、p側半導体被覆層30の厚さは実質的に同じであることが好ましい。これにより、ロッド状発光部5のすべての側面から同程度の発光を得ることができる。
さらに、n側半導体ロッド10の上面10aは活性層20で覆われており、n型半導体ロッド本体部11の上面11aと活性層20の間に、上面11a側からp型不純物を含む第1半導体層12と、n型半導体ロッド本体部11及び第1半導体層12より不純物濃度の低い第2半導体層13とを含む。なお、n側半導体ロッド10の下面10bは、活性層20で覆われることはなく、n側半導体ロッド10への通電経路として利用される。
活性層20は、p側半導体被覆層30で覆われている。図3Aの例では、活性層20はn側半導体ロッド10の側面10cおよび上面10aに形成されており、p側半導体被覆層30は、活性層20の側面20cおよび上面20aを覆うように設けられている。
図4は、図3AのIV−IV線に沿ったロッド状発光部5の模式断面図である。n側半導体ロッド10は六角形状であり、6つの辺がn側半導体ロッド10の側面10c(側面10c〜10c)に相当し、6つの頂点がn側半導体ロッド10の稜線10r(10r〜10r)に相当する。稜線10rは、隣接する側面10cの境界線であり、n側半導体ロッド10の長手方向(z方向)に伸びている。例えば、n側半導体ロッド10が六角柱であり、側面10c〜10cが平坦な面である場合には、稜線10r〜10rは、n側半導体ロッド10の中心軸に平行な直線である。
活性層20は、n側半導体ロッド10の六角形状の外周全体を連続して囲んでいる。活性層20は、井戸層21と稜線部22とを含んでいる。井戸層21は、n側半導体ロッド10の側面10cに配置されている。隣接する2つの側面10cをそれぞれ覆う2つの井戸層21は、n側半導体ロッド10の稜線10rの位置において分離されている。つまり、井戸層21は、半導体ロッド10の外周方向において不連続である。隣接する2つの井戸層21の間、つまりn側半導体ロッド10の稜線10rの位置には稜線部22が設けられている。この稜線部22によって隣接する2つの井戸層21が接続されることにより、n側半導体ロッド10の外周方向に連続する活性層20が形成される。
上述したように、稜線10rはn側半導体ロッド10の長手方向(z方向)に伸びているので、活性層20の稜線部22も、稜線10rに沿って、n側半導体ロッド10の長手方向(z方向)に伸びている。
稜線部22のバンドギャップは、井戸層21のバンドギャップより広くなっている。つまり、稜線部22は、量子井戸構造の障壁層と同様の機能を発揮し得る。これにより、以下の理由により、ロッド状発光部5の発光効率を向上し得る。
ロッド状発光部5を点灯する場合、発光素子1に電圧を印加する。これにより活性層20にキャリアが注入され、発光が生じる。ここで、井戸層21を、バンドギャップの大きい稜線部22で分断することにより、分断された小寸法の井戸層21内にキャリアを閉じ込めることができる。その結果、井戸層21内での発光再結合の頻度を増加させることができ、発光効率を向上させることができる。また、稜線部22間の距離が例えば数十nm程度に十分小さければ、量子効果を得ることができるため、より効率的にキャリアを井戸層21内に閉じ込めることができる。
井戸層21と稜線部22は、いずれも窒化物半導体から形成することができる。例えば、井戸層21をInGaNから形成し、稜線部22をGaN又は井戸層21よりもIn組成比の小さなInGaNから形成する。井戸層21と稜線部22のバンドギャップの制御は、窒化物半導体に含まれるInの含有量(In組成比)で制御することができる。窒化物半導体の場合、In組成比が高くなるとバンドギャップが狭くなり、In組成比が低くなるとバンドギャップが広くなる。よって、井戸層21のIn組成比を稜線部22のIn組成比よりも高くすることにより、稜線部22のバンドギャップを井戸層21のバンドギャップより広くすることができる。なお、井戸層21及び稜線部22は同一の工程により形成することができる。この際、特定の成長条件により、稜線部22となる部分のIn組成比を井戸層21となる他の部分のIn組成比よりも低くすることができる。
活性層20は、多重量子井戸構造(MQW)にしてもよい。図5に示す活性層20は、活性層20の厚さ方向に積層された複数の井戸層21を含むことができる。このとき、径方向に隣接する井戸層21の間に障壁層25を介在させる。例えば、n側半導体ロッド10の1つの側面10cを覆う活性層20の場合、側面10cと垂直な方向N(活性層20の厚さ方向と一致)に、井戸層21と障壁層25とを交互に積層する。
井戸層21が、バンドギャップの広い障壁層25とバンドギャップの広い稜線部22とで囲まれているので、井戸層21内にキャリアを効率よく閉じ込めることができる。
ロッド状発光部5の太さに対する長さの比(アスペクト比)が大きいほど、発光面積の密度を高くすることができる。ロッド状発光部5のアスペクト比は、例えば2以上であり、さらには5以上とすることができる。また、アスペクト比が例えば20以下であれば、ロッド状発光部5を安定して作製しやすい。ロッド状発光部5のアスペクト比は、平坦な活性層を有する従来型の発光素子とした場合と比較して発光面積が大きくなるように、ロッド状発光部5の密度も考慮して選択することが好ましい。本明細書において「太さ」とは、断面形状が多角形の場合における、その多角形の外接円の直径である。
n側半導体ロッド10は、n型半導体ロッド本体部11と第1半導体層12と第2半導体層13とを含む。例えば、n型半導体ロッド本体部11は、n型窒化物半導体から形成し、p側半導体被覆層30はp型窒化物半導体から形成する。
n側半導体ロッド10は、ウルツ鉱型の結晶である窒化物半導体から形成することができる。ウルツ鉱型結晶は六方晶であり、図1に示すような上面視六角形状となるように横方向(m軸方向)の成長を抑制し、垂直方向に結晶成長することで高アスペクト比のロッドを形成できる。この場合、n側半導体ロッド10の側面10c(図3Aおよび図4参照)は、結晶のM面に対応する。言い換えると、n側半導体ロッド10の側面10cは、ウルツ鉱型結晶のM面であり、その側面10cは上面視で六角形状となるように配置されている。本明細書において「上面視」とは、図1および図4のようにz方向から観察することを意味している。
n側半導体ロッド10は、GaN結晶で形成することができる。このとき、n側半導体ロッド10は、下地層40から上方に向う方向(図3Aのz方向)が、GaN結晶の[000−1]方向であるのが好ましい。
図3Bは、ロッド状発光部の変形例である。図3Bのロッド状発光部6は、上面6aと側面6cとの間に傾斜面6d(上面6a及び側面6cとは異なるファセット)を有している。詳細には、変形例のロッド状発光部6は、傾斜面16dを有するn側半導体ロッド16と、n側半導体ロッド16の外面を覆う活性層26と、活性層26の外面を覆う半導体層36を有し、ロッド状発光部6は、傾斜面16dに実質的に平行な傾斜面6dを有している。さらに、図3Bに示すように、n側半導体ロッド16において、n型半導体ロッド本体部17は、側面17cと傾斜面17dと上面17aとを含み、第1半導体層18は、側面18cと傾斜面18dと上面18aとを含み、第2半導体層19は、側面19cと傾斜面19dと上面16aとを含む。n側半導体ロッド16の側面16cは、n型半導体ロッド本体部11の側面17cと第1半導体層18の側面18cと第2半導体層19の側面19cとを含む。変形例のロッド状発光部6は、n側半導体ロッド16が傾斜面16dを有しているので、n側半導体ロッド16の上面16a及び傾斜面16dの上に形成される活性層26の結晶性が良好になりやすく、n側半導体ロッド16の上面16a及び傾斜面16d近傍におけるリーク電流をより少なくできる。
すなわち、図3Aから分かるように、活性層20は、n側半導体ロッド10の側面10cから側面10cと上面10aとの境界である稜線10eを超え上面10aまで連続する井戸層21を含むが、n側半導体ロッド10の表面に形成する半導体層は、稜線10eの部分では良好な結晶性とすることが難しい。すなわち、稜線eを覆う部分の井戸層21は、結晶性が悪化しやすく、不十分な結晶性となった部分がリークパスとなる懸念があるが、n側半導体ロッド16に傾斜面16dを設けることで、井戸層21の結晶性をよくでき、リーク電流を抑制できる。
このため、n側半導体ロッド10の上面10a側を、図3Bに示すような形状とすることが好ましい。図3Bにおいても、n側半導体ロッド16は、側面16cと傾斜面16dとが接する稜線16eと、傾斜面16dと上面16aとが接する稜線16fを有しているが、側面16cと傾斜面16dとのなす角度が90°より大きく、傾斜面16dと上面16aとのなす角度が90°より大きいので、井戸層21の結晶性を良好にできる。側面16cがGaN系結晶におけるM面である場合には、例えば、傾斜面16dと側面16cとの成す角は約152度であることが好ましく、この場合の傾斜面16dはGaN系結晶の(10−11)面である。なお、ミラー指数において負の指数は数字の上にバーを付して表されるが、本明細書では数字の前に「−」を付して負の指数を表している。なお、図3Bには、上面16aを含む例を示したが、上面16aはなくてもよい。すなわち、図3Bに示す断面視ではn側半導体ロッド10の上端部は台形状であるが、三角形状であってもよい。
以下、再度図2を参照して説明する。発光素子1において、複数のロッド状発光部5が、下地層40の上面40bに配置されている。より正確には、図3Aに示すように、下地層40の上面40bに、ロッド状発光部5のn側半導体ロッド10が配置される。このような構造にすると、例えば、下地層40をn型導電性とすることにより、下地層40を介して、n側半導体ロッド10に通電することができる。
また、ロッド状発光部5のp側半導体被覆層30の表面には第1透光性電極81が形成され、さらにその表面に第2透光性電極82が形成されている。下地層40と第1透光性電極81の間に、複数のロッド状発光部5は並列に接続される。第2透光性電極82は下地層40の上側まで延在しているが、第2透光性電極82と下地層40とはこれらの間に配置された絶縁膜91によって電気的に絶縁されている。
ロッド状発光部5から発光する光は、第1透光性電極81および第2透光性電極82を通って発光素子1の外部に取り出すことができる。
次に図6A〜図6Jを参照しながら、発光素子1の製造方法について説明する。なお、製造工程の説明では、半導体として窒化ガリウム半導体を用いた場合の発光素子1の製造工程を例にとって詳述する。
本開示においては、活性層20に含まれる井戸層21が、井戸層21よりバンドギャップの大きい稜線部22で繋がれた構成を有している。井戸層21と稜線部22は、雰囲気、原料ガスおよび形成温度を調節することにより、1つの積層工程内で同時に形成している。井戸層21と稜線部22とを、雰囲気、原料ガスおよび形成温度を調節することにより一工程内で同時に形成することができることは、本発明の発明者が独自に見いだした知見である。
<1.下地層40の準備>
図6Aに示すように、成長基板50の上に、バッファ層45および下地層40を順次積層する。バッファ層45および下地層40を形成するための反応装置としては、例えばMOCVD装置を用いることができる。なお、バッファ層45と下地層40の形成を省略して、成長基板50の成長面に直接n側半導体ロッド10を形成してもよい。ただし、下地層40を省略した場合には、n側半導体ロッドに通電するための電極などを別途設ける必要がある。
成長基板50としては、後述するようにサファイア基板、SiC基板、窒化物半導体基板などが利用できる。ここでは、サファイア(Al)基板を用いた例を説明する。サファイアの成長基板50の場合、(0001)面を成長面とするのが好ましい。ここで「(0001)面」とは、(0001)面に対してわずかに傾斜した面を含む。具体的には、(0001)面に対し0.5°以上2.0°以下のオフ角をもつ面を成長面とすることがより好ましい。
成長基板50の上にバッファ層45を形成する前に、成長基板50を以下の前処理することが好ましい。まず、成長基板50を反応装置内で加熱して、成長面(上面50a)上の不純物などを除去する(サーマルクリーニング)。加熱温度は例えば900〜1200℃の範囲に設定され、加熱時間は例えば2〜15分の範囲で行われる。また、この加熱処理により、成長基板50の上面50aに結晶学的なステップが現れ、これが結晶核の生成サイトとなる。
その後、反応装置にNHガスを導入して、成長基板50の上面50aを窒化する。窒化処理は、例えば処理温度900〜1100℃、処理時間1〜30分で行うことができる。このような窒化処理により、その上に成長する窒化物半導体の表面を(000−1)面とすることができる。
窒化処理後の成長基板50の上面50aにバッファ層45を成長させる。成長基板50の温度を例えば550℃とし、原料ガスを供給してGaNからなるバッファ層45を成長させる。バッファ層45の厚さは例えば約20nm程度とする。
バッファ層45として、例えば非晶質のGaNを形成し、その後に必要に応じて熱処理を行う。熱処理温度は1000℃以上、熱処理時間は数分〜1時間程度、熱処理時の雰囲気は窒素ガスあるいは窒素ガスの他に水素ガス及びNHガスの一方または両方を含む混合ガスとすることが好ましい。
バッファ層45の上に、下地層40を形成する。下地層40は例えばGaN層とする。また、下地層40にはn型不純物を添加することが好ましく、例えばSiが添加されたn型導電性を有するGaN層を下地層40として形成する。
下地層40の上面40aに、絶縁膜90を形成する。絶縁膜90は、SiO、SiN等の絶縁部材から形成する。絶縁膜90は、その厚さ方向(z方向)に貫通した複数の貫通孔90hを備えている。この貫通孔90hから、下地層40の上面40aが露出している。貫通孔90hは、例えばフォトリソグラフィ技術により形成することができる。貫通孔90hは、上面視(z方向から視認)において、円形、楕円形、多角形などの形状を有することができる。特に、円形の貫通孔90hは形成しやすいので好ましい。
貫通孔90hは、隣接する貫通孔90h間の最短距離は実質的に一定になるように形成することが好ましく、これにより、貫通孔90hから成長するn側半導体ロッド10を実質的に一定の間隔で配置することができる。また、n側半導体ロッド10の側面に活性層20及びp側半導体被覆層30等を成長させるとき、隣接するn側半導体ロッド10間の距離は、活性層20及びp側半導体被覆層30の成長速度に影響を与えることがある。複数のn側半導体ロッド10を実質的に一定の間隔で配置すると、それらの側面10cに形成される活性層20及びp側半導体被覆層30等の成長速度を実質的に一定とすることができる。これらのことを考慮して、例えば、上面視において貫通孔90hを正三角格子状に配列する。また、上面視において貫通孔90hの中心を結ぶ方向が、サファイアのa軸方向であることが好ましい。尚、サファイアのa軸方向は、n側半導体ロッド10を構成するGaN系結晶のm軸方向である。このように、貫通孔90hの中心を結ぶ方向がサファイアのa軸方向となるように、貫通孔90hを正三角格子状に配列すると、図1に示すように、GaN系結晶からなる正六角形状のn側半導体ロッド10を、隣接するn側半導体ロッド10の側面10cが実質的に平行でかつ等間隔で向かい合うように、正三角格子状に配列することができる。正六角形状のn側半導体ロッド10をこのように配置すると、各n側半導体ロッド10の各側面10cに成長される活性層20及びp側半導体被覆層30の成長速度を実質的に一定とすることができ、各層を精度よくかつ均一の厚さに形成することができる。
<2.n側半導体ロッド10の形成>
ここではまず、図6Bに示すように、貫通孔90hから露出した下地層40の上面40aに、n型半導体ロッド本体部11を形成する。n型半導体ロッド本体部11を形成する際に、絶縁膜90がマスクとして機能して、貫通孔90hから上向き(z方向)に成長したn型半導体ロッド本体部11を形成することができる。このとき、サファイアの成長基板50の窒化された表面を成長面とした場合、成長させるGaN系結晶の成長方向は[000−1]方向となるから、n型半導体ロッド本体部11の成長方向もGaN系結晶の[000−1]方向となる。つまり、n型半導体ロッド本体部11の下地層40から上方に向う方向(z方向)が、GaN系結晶の[000−1]方向になる。
GaN系半導体の成長方向を[000−1]方向にすると、GaN系半導体のマイグレーションが抑制されて、横方向成長が起こりにくい。このため、n型半導体ロッド本体部11は、絶縁膜90の貫通孔90h内で成長し始めた太さをほぼ維持したまま上方向(z方向)に成長する。結果として、比較的均一な太さのn型半導体ロッド本体部11が得られる。
n型半導体ロッド本体部11をウルツ鉱型(六方晶系)のGaN系結晶から形成すると、n型半導体ロッド本体部11は六角柱状に成長する傾向がある。そのため、絶縁膜90の貫通孔90hの形状が円形であっても、n型半導体ロッド本体部11は円柱状ではなく、六角柱状になる。このとき、n型半導体ロッド本体部11の側面は、GaN系結晶のM面になる。なお、貫通孔90hの内径が大きいと、それに合わせてn型半導体ロッド本体部11の太さも太くなる。よって、n型半導体ロッド本体部11の太さは、貫通孔90hの内径によって制御することができる。
n型半導体ロッド本体部11は、成長基板50の温度を例えば900〜1100℃とし、原料ガスを供給して成長させる。n型半導体ロッド本体部11は例えばGaN結晶から形成する。この場合、原料ガスは、下地層40と同様に、ガリウム源としてTMGまたはTEGと、窒素源としてNHを含む混合ガスが利用できる。n型半導体ロッド本体部11にもn型不純物を添加することが好ましく、例えば上述の原料ガスにシランガスを追加し、Siが添加されたGaN結晶をn型半導体ロッド本体部11として成長させる。n型半導体ロッド本体部11の長さ(z方向の寸法)は、原料ガスの供給時間により制御することができる。原料ガスの供給時間を例えば20〜60分とすると、約5〜15μm程度の長さのn型半導体ロッド本体部11を形成できる。
n型半導体ロッド本体部11の形成条件(成長温度、原料ガスの流量、貫通孔90hの内径など)を適宜調節することにより、図3Bに示すような、ファセットを有するn型半導体ロッド本体部11を形成することができる。
次に、図6Cに示すように、n型半導体ロッド本体部11の上面から、p型不純物を含むように窒化物半導体を成長させることにより、例えば、GaN系結晶からなる第1半導体層12を形成する。このとき、[000−1]方向に成長させたGaN系結晶によりn型半導体ロッド本体部11を形成した場合には、n型半導体ロッド本体部11の上面から成長するp型不純物を含むGaN系結晶の成長方向も[000−1]方向となる。したがって、上方から視た平面形状、すなわちx−y平面における平面形状が略同一の第1半導体層12をn型半導体ロッド本体部11に連続して成長させることができる。具体的には、n型半導体ロッド本体部11をウルツ鉱型(六方晶系)のGaN系結晶を成長させることにより形成し、その上面に、p型不純物を含むウルツ鉱型(六方晶系)のGaN系結晶を成長させることにより第1半導体層12を形成する。これにより、n型半導体ロッド本体部11と第1半導体層12とを含む一体化された六角柱のロッドを形成することができる。ここで、一体化された六角柱のロッドとは、n型半導体ロッド本体部11の側面とそれに続く第1半導体層12の側面とが同一平面上に位置している六角柱のロッドをいう。また、n型半導体ロッド本体部11の側面及び第1半導体層12の側面はいずれもGaN系結晶のM面である。
第1半導体層12を形成する際、n型半導体ロッド本体部11と同様、成長基板50の温度を例えば900〜1100℃とし、原料ガスを供給して成長させる。第1半導体層12を例えばGaN結晶から形成する場合、ガリウム源としてTMGまたはTEG、窒素源として例えばNHを、さらに、p型不純物を添加するための例えばCpMg(ビスシクロペンタジエニルマグネシウム)を含む混合ガスが利用できる。第1半導体層12の厚さ(z方向の寸法)は、原料ガスの供給時間により制御することができる。原料ガスの供給時間を例えば.0.3〜3分とすると、約0.1〜 1.0μm程度の厚さの第1半導体層12を形成することができる。
尚、図3Bに示すような傾斜面を有するn型半導体ロッド本体部11を形成した場合には、形成条件(成長温度、原料ガスの流量、貫通孔90hの内径など)を適宜調節することにより、図3Bに示すような、傾斜面を有する第1半導体層12を形成することができる。
次に、図6Dに示すように、第1半導体層12の上面から、n型不純物及びp型不純物の含有量が少なくなるように窒化物半導体を成長させることにより、例えば、GaN系結晶からなる第2半導体層13を形成する。このとき、第1半導体層12と同様、[000−1]方向に成長させたGaN系結晶によりn型半導体ロッド本体部11を形成した場合には、第1半導体層12の上面から成長するGaN系結晶の成長方向も[000−1]方向となる。したがって、上方から視た平面形状、すなわちx−y平面における平面形状が略同一の第2半導体層13を第1半導体層12に連続して成長させることができる。第1半導体層12と同様、n型半導体ロッド本体部11をウルツ鉱型(六方晶系)のGaN系結晶を成長させることにより形成し、その上面にp型不純物を含むウルツ鉱型(六方晶系)のGaN系結晶を成長させることにより第1半導体層12を形成して、第1半導体層12の上面に、ウルツ鉱型(六方晶系)のGaN系結晶を成長させることにより第2半導体層13を形成すると、n型半導体ロッド本体部11と第1半導体層12と第2半導体層13とを含む一体化された六角柱のロッドを形成することができる。第2半導体層13の側面は、GaN系結晶のM面である。
第2半導体層13を形成する際、n型半導体ロッド本体部11及び第1半導体層11と同様、成長基板50の温度を例えば900〜1100℃とし、原料ガスを供給して成長させる。第2半導体層13を例えばGaN結晶から形成する場合、ガリウム源としてTMGまたはTEG、窒素源として例えばNHを混合ガスが利用できる。第2半導体層13を成長させる際には、n型不純物及びp型不純物を少なくするために、例えば、混合ガスから不純物ガスを除く。第2半導体層13の厚さ(z方向の寸法)は、原料ガスの供給時間により制御することができる。原料ガスの供給時間を例えば0.3〜6分とすると、約0.1〜2μm程度の厚さの第1半導体層12を形成することができる。
尚、図3Bに示すような傾斜面を有するn型半導体ロッド本体部11を形成した場合には、形成条件(成長温度、原料ガスの流量、貫通孔90hの内径など)を適宜調節することにより、図3Bに示すような、傾斜面を有する第2半導体層13を形成することができる。
以上のようにして、n型半導体ロッド本体部11と第1半導体層12と第2半導体層13とを含む一体化された六角柱のn側半導体ロッド10を形成する。
<3.活性層20の形成>
図6Eに示すように、n側半導体ロッド10の外面に活性層20を形成する。
例えば、ロッド状発光部5を青色発光させる場合、活性層20の井戸層21は、成長基板50の温度を800〜900℃程度とし、In源ガスを含む原料ガスを供給してInを含む窒化物半導体を成長させることにより形成する。Inを含む井戸層を成長させるための原料ガスは、ガリウム源としてTMGまたはTEGと、窒素源としてNHと、インジウム源としてTMI(トリメチルインジウム)を含む混合ガスが利用できる。ここで、原料ガス中におけるガリウム元素に対する窒素元素の比を、5.5×10〜2.2×10にするのが好ましい。ガリウム元素に対する窒素元素の比がこの範囲内にあると、活性層20の井戸層21(図4および図5参照)を構成するInGaN膜を良好に形成することができる。なお、比率が前記範囲を下回ると、インジウム源から生じるInがGaやNと結合しにくくなり、In金属として析出されやすくなる。比率が前記範囲を上回ると、窒素源であるNHから生じるHにより、インジウム源から生じるInが排除されやすくなり、InGaNが形成されにくくなる。
ガリウム元素に対する窒素元素の比は、より好ましくは2.2×10〜2.2×10であり、特に好ましくは4.4×10〜1.1×10である。
なお、混合ガスは、キャリアガスとしてHガスまたはNガスを含んでいてもよい。InGaNを成長する場合、キャリアガスがHガスであると成長しにくくなる傾向があるため、キャリアガスとしてNガスを使用するのが好ましい。
上記の形成条件は、n側半導体ロッド10の側面10c上に形成された部分はIn組成比が多くなって井戸層21となり、n側半導体ロッド10の稜線10r上に形成された部分はIn組成比が少なくなって稜線部22となるように設定される。具体的には、原料ガスに含まれるガリウム元素および窒素元素の比率等を調整することにより、In組成比が多い井戸層21とIn組成比が少ない稜線部22とを形成することができる。例えば、これらの条件のうちの1つを変動させて活性層20を形成し、得られた井戸層21等のIn組成比を確認することで、適した条件を見出すことができる。
稜線部22のIn組成比が選択的に減少する理由は定かではないが、n側半導体ロッド10の側面10c上に形成されるInGaNと、稜線部22上に形成されるInGaNとを比較すると、上述の形成条件の場合には、稜線部22上のInGaNのIn含有量は側面10c上に形成されるInGaNのIn含有量より小さくなっており、稜線部22上のInGaNからInが選択的に離脱する傾向があるものと考えられる。より詳細には、稜線10r上に成長するInGaN結晶が不安定であることで稜線部22が形成可能となると考えられる。すなわち、稜線10r上に不安的なInGaN結晶が成長することにより、結合エネルギーが比較的低いInが脱離し、In組成比の小さい稜線部22が形成されると推測される。
井戸層21と稜線部22は、ロッド状発光部5の断面(図4および図5参照)のTEM(透過型電子顕微鏡)像から容易に識別することができる。明視野像のTEM写真であれば、In組成比の高い井戸層21は濃いグレーまたは黒色となり、In組成比の低い稜線部22は薄いグレーまたは白色となる。
稜線部22の幅22wは、1原子以上であり、例えば2nm以下とすることができる。なお、稜線部22の幅とは、稜線部22を挟む2つの井戸層21の最短距離を指す。
なお、図6Eから分かるように、n側半導体ロッド10の側面10cのうち、下面10b側の一部は絶縁膜90で覆われている。そのため、その部分には、活性層20は形成されない。言い換えれば、n側半導体ロッド10のうち、絶縁膜90より上側に露出している外面のみを、活性層20で覆うことができる。
<4.p側半導体被覆層30の形成>
図6Fに示すように、活性層20の外面にp側半導体被覆層30を形成する。n側半導体ロッド10をn型のGaN系結晶(n型窒化物半導体)から形成した場合、p側半導体被覆層30はp型のGaN系結晶(p型窒化物半導体)から形成する。例えば、p側半導体被覆層30は、p型GaN層やp型AlGaN層をp型不純物濃度を変えて複数積層させることにより形成する。
p側半導体被覆層30は、成長基板50の温度を例えば800〜900℃とし、原料ガスを供給して形成する。原料ガスは、ガリウム源としてTMGまたはTEGと、窒素源としてNHとを含む混合ガスが利用できる。さらに、p型不純物を添加するため、これらの原料ガスに例えばCpMg(ビスシクロペンタジエニルマグネシウム)を追加し、Mgが添加されたGaN層をp側半導体被覆層30として形成する。原料ガスの供給時間を例えば20〜60分とすると、約40〜120nm程度の厚さのp側半導体被覆層30を形成できる。
p側半導体被覆層30の形成により、ロッド状発光部5が得られる。
<5.透光性電極81の形成>
図6Gに示すように、ロッド状発光部5のp側半導体被覆層30の外面と、絶縁膜90の上面90aとを連続して覆うように、第1透光性電極81を形成する。
そして、例えば、図6Gに描かれた11個のロッド状発光部5のうちの中央部の7個のロッド状発光部5を残し、その外側に位置する第1透光性電極81とロッド状発光部5を削除する。このように、第1透光性電極81の一部と複数のロッド状発光部5の一部とを除去し、下地層40の一部を絶縁膜90から露出させる。絶縁膜90から露出した部分を、第1露出部40xおよび第2露出部40yと称する。なお、第1露出部40xには、n側半導体ロッド10に通電するための電極が形成される。第2露出部40yの上側には、絶縁膜91を介して、p側半導体被覆層30に通電するための電極が形成される。各電極については後で詳述する。
このように、第1透光性電極81を形成した後で第1露出部40xおよび第2露出部40yを形成すれば、第1露出部40xおよび第2露出部40yを形成するためのエッチング用のマスクを剥離する剥離液からロッド状発光部5を保護することができる。すなわち、ロッド状発光部5が第1透光性電極81に被覆されているので、剥離液がロッド状発光部5に接触し難い。したがって、必要なロッド状発光部5が除去される可能性を低減することができる。
第1露出部40xおよび第2露出部40yが形成される領域には、予めロッド状発光部5を成長させない、すなわち絶縁膜90の貫通孔90hを形成しないようにしてもよい。一方、第1露出部40xおよび第2露出部40yの形成位置を予め設定せず、形成されたロッド状発光部5の良不良を確認してから第1露出部40xおよび第2露出部40yの形成位置を決定してもよい。これにより、成長が不十分など不良のロッド状発光部5がある位置に第1露出部40xおよび第2露出部40yを形成することができる。
透光性電極81は、例えばITO膜等の透光性導電膜から形成することができる。
<6.絶縁膜91の形成>
図6Iに示すように、第1透光性電極81の一部と、下地層40の第1露出部40xの一部(n側透光性電極71が形成されていない部分)と、下地層40の第2露出部40yの全体とを覆うように、絶縁膜91を形成する。
絶縁膜91は、SiO、SiN等の絶縁部材から形成する。SiOは、透光性を有するため、絶縁膜91を通してロッド状発光部5からの発光を取り出すことができる利点がある。
<7.透光性電極71、82およびパッド電極70、80の形成>
図6Jに示すように、n側透光性電極71と第2透光性電極82とを形成する。n側透光性電極71は、下地層40の第1露出部40x上に形成する。第2透光性電極82は、第1透光性電極81と接触し、かつ下地層40の第2露出部40yの上側まで延在している。第2透光性電極82と下地層40の第2露出部40yの間に絶縁膜91を配置することにより、それらが短絡するのを防止している。
次いで、n側透光性電極71上にn側パッド電極70を形成する。および、下地層40の第2露出部40yの直上において、第2透光性電極82上にp側パッド電極80を形成する。
p側パッド電極80からロッド状発光部5までは、第2透光性電極82と第1透光性電極81を介して導通されている。n側パッド電極70からロッド状発光部5までは、n側透光性電極71と下地層40を介して導通されている。
p側の電流経路において、第1透光性電極81が複数のロッド状発光部5のp側半導体被覆層30と接触しており、n側の電流経路において、下地層40が複数のロッド状発光部5のn側半導体ロッド10と接触している。つまり、複数のロッド状発光部5は、並列接続されている。
次に、本開示の発光素子1の各構成について説明する。なお、本開示の発光素子1は、いわゆる半導体発光素子であり、例えば発光ダイオード(LED)およびレーザダイオード(LD)を含む。
(ロッド状発光部5)
ロッド状発光部5は、多角柱状の外形、もしくは多角柱状で上端にファセットを有する外形を有している。
ロッド状発光部5は、例えば、III−V族化合物半導体、II−VI族化合物半導体等の半導体材料から形成することができる。具体的には、InAlGa1−X−YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)等の窒化物半導体(例えばInN、AlN、GaN、InGaN、AlGaN、InGaAlN等)を用いることができる。
ロッド状発光部5の各構成(n側半導体ロッド10、活性層20およびp側半導体被覆層30)に適した半導体について詳述する。
n側半導体ロッド10において、n型半導体ロッド本体部11はn型半導体)を含む。n型半導体ロッド本体部11に適した半導体としては、GaNおよびAlGaNが挙げられる。なお、n型不純物としてSiやGe、O等を添加してもよい。n側半導体ロッド10は、第1導電型半導体のみから構成してもよい。
また、第1半導体層12は、p型不純物を含む半導体により構成されるが、第1半導体層12に適した半導体としては、GaNおよびAlGaNが挙げられる。p型不純物としては、Mg、Zn、C、Zn、Be、Mn、Ca、Sr等を添加することができる。
また、第2半導体層13は、n型不純物及びp型不純物の添加量が少ない半導体により構成されるが、第2半導体層13に適した半導体としては、GaNおよびAlGaNが挙げられる。
上述したように、n型半導体ロッド本体部11と第1半導体層12と第2半導体層13とは同一組成の半導体により構成してもよいし、異なる組成の半導体により構成してもよい。
例えば、
(1)n型半導体ロッド本体部11と第1半導体層12と第2半導体層13とをGaNにより構成する、
(2)n型半導体ロッド本体部11と第1半導体層12と第2半導体層13とをAlGaNにより構成する、
(3)n型半導体ロッド本体部11をGaNにより構成し、第1半導体層12と第2半導体層13とをAlGaNにより構成する、
(4)n型半導体ロッド本体部11をGaNにより構成し、第1半導体層12をAlGaNにより構成し、第2半導体層13をGaNにより構成する、
など、種々の組み合わせが可能である。
活性層20は、バンドギャップの大きい稜線部22と、バンドギャップの小さい井戸層21を含む。井戸層21に適した半導体としては、InGa1−xNが挙げられる。稜線部22に適した半導体としては、GaNおよびInGa1−yNが挙げられる。なお、井戸層21と稜線部22が共にInGaNから成るときは、井戸層21のIn組成比は稜線部22のIn組成比より大きくする(つまり、x>y)。
p側半導体被覆層30は、第2導電型半導体(例えばp型半導体)を含む。p側半導体被覆層30に適した半導体としては、Mg等のp型不純物を含むGaNが挙げられる。p側半導体被覆層30は、p型不純物を含有するp型半導体から成る層と、アンドープの層とを含む積層構造であってもよい。また、p側半導体被覆層30の上面と第1透光性電極81との間に、n型半導体ロッド本体部11及び第1半導体層12より不純物濃度の低い、例えば、i型の第3半導体層を形成してもよい。これにより、n型半導体ロッド本体部11の上面近傍における逆リーク電流をさらに抑えることができ、発光素子の発光効率を高めることができる。
(透光性電極71、81、82)
n側透光性電極71、第1透光性電極81および第2透光性電極82は、透光性の導電材料から形成することができ、特に、導電性酸化物が好適である。導電性酸化物としては、例えば、ZnO、In、ITO、SnO、MgOが挙げられる。特にITOは、可視光(可視領域)において高い光透過性を有し、導電率の高い材料であることから好ましい。
p側の透光性電極として、このように第1透光性電極81および第2透光性電極82の2層を設けることが好ましい。p側の透光性電極は1層のみとすることもできるが、この場合は絶縁膜91形成後にp側の透光性電極を設けることになるため、絶縁膜91に覆われたロッド状発光部5の部分に通電することができず、発光面積が減少する。また、ロッド状発光部5を覆わないように絶縁膜91の形成面積を減少させると、p側の電極と下地層40が短絡する可能性が上昇する。第1透光性電極81および第2透光性電極82の2層構造であれば、短絡の可能性が低い程度に絶縁膜91をロッド状発光部5の上にまで形成することができ、且つ、絶縁膜91の下のロッド状発光部5に通電することができる。なお、第1透光性電極81だけの部分よりもその上に第2透光性電極82が重なった部分の方が光の透過率が減少する。したがって、第1透光性電極81と第2透光性電極82が重なった部分の表面積よりも、第2透光性電極82から第1透光性電極81が露出した部分の表面積を大きくすることが好ましい。これにより、ロッド状発光部5の発光の取り出し効率を向上させることができる。
なお、n側透光性電極71は省略してもよい。この場合、n側パッド電極70を下地層40に直接形成する。
(成長基板50)
窒化物半導体を成長させる場合の成長基板50としては、典型的には、サファイア(A1)等の絶縁性基板を用いる。また、窒化物半導体(GaN、AlN等)等を用いることもできる。
特に、C面、すなわち(0001)面を成長面とするサファイアの成長基板が好ましい。成長面は厳密に(0001)面と一致するよりは、(0001)面に対して0.5°〜2.0°のオフ角を有しているのが好ましい。このような面を窒化することにより、GaN系半導体を[000−1]方向に成長させることができる。
(絶縁膜90、91)
絶縁膜90、91は、例えば、二酸化ケイ素(SiO)やSiNから形成することができる。
(パッド電極70、80)
n側パッド電極70およびp側パッド電極80としては、電気良導体を用いることができ、例えばCu、Au、Ag、Ni、Sn等の金属が好適である。パッド電極70、80を透光性電極71、81上に形成する場合には、透光性電極とオーミックコンタクトできる導電材料から形成するのが好ましい。なお、p側パッド電極80をロッド状発光部5に直接設けてもよく、その場合は、p側の透光性電極は1層のみ(第1透光性電極81のみ)であってもよい。好ましくは、p側パッド電極80をロッド状発光部5に直接設けるのではなく、図2に示すように、ロッド状発光部5が存在しない領域を設け、その領域にp側パッド電極80を形成する。これにより、ロッド状発光部5からの光をp側パッド電極80によって遮られることなく外部に取り出すことができるため、発光素子1の光取り出し効率を向上させることができる。
(実施例)
本開示に係るn側半導体ロッド10及び活性層20を製造した。活性層20は、多重量子井戸構造(MQW)とし、各半導体層はMOCVD法により形成した。
まず、(0001)面から約1°オフセットした面を成長面とするサファイア基板を成長基板50として準備した。成長基板50の上面50aは窒化処理し、その上に成長する窒化物半導体の上面(成長基板50の上面50aと平行な面)が(000−1)面となるようにした。そして、成長基板50の上に、フォトリソグラフィ技術により、開口形状が直径2μmの円形である貫通孔90hを複数有するSiOの絶縁膜90(厚さ約0.3μm)を形成した。
次いで、絶縁膜90が形成された成長基板50に、GaNのバッファ層45(厚さ約20nm)を形成し、その後、熱処理を行った。ここでは下地層40は設けなかったため、このように絶縁膜90形成後にバッファ層45の形成を行った。
次に、それぞれGaNからなるn型半導体ロッド本体部11と第1半導体層12と第2半導体層13とを以下の条件でGaNを成長させることにより、GaNからなるn側半導体ロッド10を形成した。形成したn側半導体ロッド10は、太さ3μm程度、長さ約8μmの略六角柱状のロッドである。
実施例のn側半導体ロッド10において、n型半導体ロッド本体部11の長さは約7μmであり、第1半導体層12の厚さと第2半導体層13の厚さとはいずれも約0.5μmであり、n側半導体ロッド10全体の長さは約8μmである。
[n側半導体ロッド10の形成条件]
・基板温度:1045℃
・製造時間:40分
・雰囲気ガス:水素と窒素の混合雰囲気
・キャリアガス:窒素 11slm
・NH:50sccm(約2×10−3モル/分)
・TMG:20sccm(約65×10−6モル/分)
実施例において、n側半導体ロッド10は、n型半導体ロッド本体部11、第1半導体層12及び第2半導体層13とは連続して成長させることにより形成した。具体的には、n型半導体ロッド本体部11は上記原料ガスに、n型不純物用のSiHガスを4.4sccm(約2.0nモル/分)の割合で加えて成長させ、約7μmの長さのロッド(n型半導体ロッド本体部11)が形成された時点で、n型不純物用のSiHガスを止めてp型不純物用のCpMgガスを29sccm(約40μモル/分)の割合で加えて引き続き成長させ、ロッド(n型半導体ロッド本体部11)上面に形成された半導体膜(第1半導体層12)の厚さが約0.5μmになった時点で、np型不純物用のCpMgガスを止めて不純物ガス用の原料ガスを含まない状態でさらにGaNを0.5μmの厚さになるように成長させて半導体膜(第2半導体層13)を形成した。
以上のようにして、一体化された六角柱のn側半導体ロッド10を形成した。
n側半導体ロッド10を形成後、形成条件を以下のように変更して、活性層20を形成した。なお、活性層20は、n側半導体ロッド10側から、障壁層25と、井戸層21および稜線部22を含む層(ここでは「混合層」と称する)とを交互に作成した。障壁層25を6層、混合層を6層形成した後、最後に障壁層25をもう1層形成した。障壁層25及び混合層の形成条件は以下の通りであった。障壁層25の形成条件はGaNのものであり、混合層の形成条件はInGaNのものである。
[障壁層25の形成条件]
・基板温度:810℃
・雰囲気ガス:窒素
・キャリアガス:窒素 8slm
・NH:4slm(約2×10−1モル/分)
・TEG:16sccm(約4×10−6モル/分)

GaNからなる障壁層25は、第1層(n側半導体ロッド10と接触している層)のみSiドープした。1層目の形成の際には、上記の原料ガスに加えて、Siドーパント源としてSiHガスを8×10−9モル/分で添加した。
障壁層25の形成時間は、第1層は約9分(厚さ10nm程度)、第2層〜第7層は、それぞれ4分(厚さ4〜10nm程度)とした。
[混合層(井戸層21、稜線部22)の形成条件]
・基板温度:810℃
・雰囲気ガス:窒素
・キャリアガス:窒素 8slm
・NH:4slm(約2×10−1モル/分)
・TEG:16sccm(約4×10−6モル/分)
・TMI:142sccm(約12×10−6モル/分)

混合層の形成時間は、第1層〜第6層の全てにおいて、それぞれ4分(厚さ4〜10nm程度)とした。なお、障壁層25の第2層〜第7層と混合層との成長時間は同じであるが、n側半導体ロッド10の長さ方向において成長速度の差が生じるため、後述するTEM像に示すように、障壁層25と混合層との厚さは同じとは限らない。
活性層20を形成した後、成長基板50の温度を760℃とし、NH、TEG、CpMgを用い、p側半導体被覆層30を形成した。
p側半導体被覆層30を形成した後、第1透光性電極81を以下のように形成した。
[第1透光性電極81の形成条件]
・材料:ITO
・膜厚:1700Å
第1透光性電極81を形成した後、絶縁膜91を以下のように形成した。
[絶縁膜91の形成条件]
・材料:SiO
・膜厚:3500Å
絶縁膜91を形成した後、n側透光性電極71、第2透光性電極82およびパッド電極70、80を形成した。
[n側透光性電極71、第2透光性電極82の形成条件]
・材料:ITO
・膜厚:1700Å

[n側パッド電極70の形成条件]
・材料:下層側からTi/Auを積層

[p側パッド電極80の形成条件]
・材料:下層側からTi/Auを積層
(比較例)
実施例において、n側半導体ロッドをn型半導体ロッド本体部11と第2半導体層13に対応する半導体層とによって構成した以外は実施例と同様にして比較例の発光素子を作製した。すなわち、比較例の発光素子では、n側半導体ロッドを、第1半導体層12を形成することなく、n型半導体ロッド本体部11と第2半導体層13に対応する半導体層とによって構成した。
比較例のn側半導体ロッド10において、n型半導体ロッド本体部11の長さは約7μmであり、第2半導体層13に対応する半導体層の厚さは約1μmであり、n側半導体ロッド全体の長さは約8μmである。
比較例の発光素子において、n側半導体ロッドは、実施例と同様の条件で約7μmの長さのn型半導体ロッド本体部が形成された時点で、n型不純物用のSiHガスを止めて不純物ガス用の原料ガスを含まない状態でさらにGaNを1μmの厚さになるように成長させて半導体膜(第2半導体層13)を成長させることにより形成した。
以上のようにして作製した実施例の発光素子と比較例の発光素子とを発光させたところ、実施例の発光素子は比較例の発光素子より明るかった。
また、比較例の発光素子においては逆方向リーク電流が低い電圧で立ち上がるのに対して、実施例の発光素子において逆方向リーク電流が立ち上がる電圧は比較例より格段に高いことが確認された。
1 発光素子
5、6 ロッド状発光部
10、16 n側半導体ロッド
10c、16c 半導体ロッドの側面
11 n型半導体ロッド本体部
12 第1半導体層
13 第2半導体層
20、26 活性層
21 井戸層
22 稜線部
25 障壁層
30、36 p側半導体被覆層(半導体層)
40 下地層
45 バッファ層
50 成長基板
90、91 絶縁膜
90h 貫通孔

Claims (10)

  1. n側半導体ロッドと、
    前記n側半導体ロッドを覆う半導体から成る活性層と、
    前記活性層を覆うp側半導体被覆層と、を含み、
    前記n側半導体ロッドは、n型不純物を含むn型半導体ロッド本体部と、該n型半導体ロッド本体部の上面近傍だけに設けられたp型不純物を含む第1半導体層と、該第1半導体層の上面に設けられ、前記第1半導体層よりp型不純物濃度の低い第2半導体層とを含むことを特徴とする発光素子。
  2. 前記n側半導体ロッドにおいて、前記第1半導体層の厚さt及び前記第2半導体層の厚さtはそれぞれ0.1μm以上であり、前記第1半導体層の厚さtと前記第2半導体層の厚さtとを合わせた厚さttotalは、0.1μm以上、2μm以下である請求項1記載の発光素子。
  3. 前記n側半導体ロッドは、複数の側面を有する多角柱形状であり、
    前記活性層は、前記複数の側面のうち少なくとも隣接する2つにそれぞれ配置された複数の井戸層を含み、
    前記複数の井戸層のうち隣接する井戸層同士はそれぞれ、隣接する前記側面同士が接する稜線に沿って分離されており、
    前記活性層は、半導体から成り、前記稜線上に配置されて前記隣接する井戸層同士を繋ぐ稜線部をさらに含み、
    前記稜線部のバンドギャップは、前記複数の井戸層それぞれのバンドギャップよりも広い請求項1又は2に記載の発光素子。
  4. 前記複数の井戸層は、前記n側半導体ロッドの全ての側面にそれぞれ配置されており、
    前記複数の井戸層のうち隣接する井戸層同士は全て前記稜線部により繋がれていることを特徴とする請求項3に記載の発光素子。
  5. 前記井戸層は、前記n側半導体ロッドの側面と垂直をなす方向において、障壁層を介して複数積層されていることを特徴とする請求項3または4に記載の発光素子。
  6. 前記n側半導体ロッドにおいて、
    前記n型半導体ロッド本体部は、ウルツ鉱型の結晶のn型窒化物半導体を含み、
    前記第1半導体層は、p型窒化物半導体を含み、
    前記第2半導体層は、i型窒化物半導体を含み、
    前記p側半導体被覆層はp型窒化物半導体を含み、
    前記n型半導体ロッド本体部の側面は、前記ウルツ鉱型の結晶のM面である請求項1〜5のいずれか1項に記載の発光素子。
  7. 前記n型半導体ロッド本体部は、GaN結晶から成ることを特徴とする請求項6に記載の発光素子。
  8. 前記第1半導体層はGaN結晶から成り、前記第2半導体層はGaN結晶から成る請求項7に記載の発光素子。
  9. 前記n型半導体ロッド本体部の軸は、前記GaN結晶の[000−1]方向に平行である請求項7又は8に記載の発光素子。
  10. 前記第2半導体層はアンドープ層である請求項1〜9のいずれか1項に記載の発光素子。
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