JP6893501B2 - スルフィニルフェニル又はスルホンイミドイルフェニルベンザゼピン - Google Patents

スルフィニルフェニル又はスルホンイミドイルフェニルベンザゼピン Download PDF

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Description

本発明は、薬学的活性を有する新規のスルフィニルフェニル又はスルホンイミドイルフェニルベンザゼピン化合物、その製造、それを含有する薬学的組成物及び医薬としてのその使用可能性に関する。
具体的には、本発明は、以下の式
Figure 0006893501
[上式中、RからR及びXは後述の通りである]の化合物、又はその薬学的に許容される塩に関する。
化合物はTLRアゴニストである。さらに具体的には、化合物は、TLR8アゴニストであり、がん、自己免疫疾患、炎症、敗血症、アレルギー、喘息、移植片拒絶、移植片対宿主病、免疫不全及び感染症の治療、予防(例えばワクチン接種)に有用でありうる。
Toll様受容体(TLR)は、樹状細胞、マクロファージ、単球、T細胞、B細胞、NK細胞、及びマスト細胞のような免疫系の細胞上だけでなく、内皮細胞、上皮細胞、さらには腫瘍細胞といった様々な非免疫細胞上にも発現する膜貫通受容体のファミリーである(Kawai et al., Immunity, 2011, 34, 637-650, Kawai et al., Nat. Immunol., 2010, 11, 373-384)。細菌及び真菌成分を認識するTLRは、細胞表面に発現し(すなわちTLR1、2、4、5及び6)、一方、TLR3、7、8及び9のようなウイルス又は微生物の核酸を認識するものは、リソソーム/ファゴソーム区画に局在し(Henessy et al. Nat. Rev. Drug Discovery 2010, 9, 293-307)、主に骨髄細胞系列の細胞により発現されることが分かっている。TLRのライゲーションは、特異的活性化配列と特異的TLR及び細胞型に対する応答とにより、NF−κB及びIRF依存性経路を活性化させる。TLR7がすべての樹状細胞のサブタイプに(DCと、ここでは特にpDC(形質細胞様DC)に)主に発現され、IFNαの刺激時にB細胞内に誘導されうる(Bekeredjian-Ding et al.J. Immunology 2005, 174:4043-4050)一方、TLR8発現は、むしろ単球、マクロファージ及び骨髄DCに限定される。MyD88を介したTLR8シグナル伝達は、細菌性の一本鎖RNA、小分子アゴニスト、及び最近発見されたマイクロRNA(Chen et al. RNA 2013, 19:737-739)により活性化されうる。TLR8の活性化により、様々な炎症誘発性サイトカイン、例えばIL−6、IL−12及びTNF−αが生成されるとともに、共刺激分子、例えばCD80、CD86及びケモカイン受容体の発現が亢進される(Cros et al. Immunity 2010, 33:375-386)。加えて、TLR8活性化は、初代ヒト単球内にI型インターフェロン(IFNβ)を誘導することができる(Pang et al. BMC Immunology 2011, 12:55)。
TLR7及びTLR8受容体両方の小分子アゴニスト、並びにワクチンアジュバント又はコンジュゲートとしての使用のために修飾されたアナログが、多くの特許(すなわち国際公開第1992015582号、国際公開第2007024612号、国際公開第2009111337号、国際公開第2010093436号、国際公開第2011017611号、国際公開第2011068233号、国際公開第2011139348号、国際公開第2012066336号、国際公開第2012167081号、国際公開第2013033345号、国際公開第2013166110号及び米国特許出願公開第2013202629号)において同定されている。主にTLR7アゴニストについて臨床治験が得られているが、高度に特異的なTLR8アゴニストの使用に焦点を当てた臨床研究は殆どない。これまで、FDA(米国食品医薬品局)に承認された小分子薬は、性器疣贅、表在型基底細胞癌及び紫外線角化症の治療用外用剤としてのTLR7アゴニストイミキモド(ALDARATM)しかない。しかしながら、レシキモドのような早期TLR7アゴニストの全身への適用が、治療レベルにおける全般的なケモカインの刺激時に観察される許容不能な心毒性のため断念されている(Holldack, Drug Discovery Today, 2013, 1-4)。TLR8アゴニストに関する学問はあまり進歩しておらず、多くが早期混合TLR7/8アゴニスト様レシキモドを用いたデータに限られている。しかしながら、レシキモドアゴニストの場合、TLR7の刺激能はTLR8の活性化と比較して優れており、そのためレシキモドの効果の大部分は、TLR7活性の効果が占めている。最近では、VTX−2337のようなTLR8に特異的な化合物がVentiRX Pharmaceuticalsによって記載されており(すなわち国際公開第2007024612号)、同時にTLR7を活性化させずにTLR8の特異的役割を分析することが初めて可能になった。現在も、小分子TLR8アゴニスト、特に効力又は選択性が向上したものに対するニーズが依然として存在する。
本発明は、がん、好ましくは固形腫瘍及びリンパ腫の治療における使用のため、及び特定の皮膚状態又は疾患、例えばアトピー性皮膚炎の治療、感染症、好ましくはウイルス性疾患の治療を含むその他の使用のため、並びにがん療法における使用のために製剤化されたワクチン中のアジュバントとしての使用、又は自己免疫疾患の治療における連続刺激による受容体の脱感作での使用のための、この種の既知のTLR8アゴニストを上回る、向上した細胞l効力を有するベンザゼピンに関する。
これら新規化合物は、VTX−2337のような既知のTLR8アゴニストと比較して、TLR8における細胞効力が向上していることに注目されたい。加えて、これら化合物は、TLR8に対して高度に特異的であり、TLR7に対しては低い活性しか有しないか、又は全く活性を有しない。したがって、これら化合物は、混合TLR7/8アゴニストと比較して、TLR8の発現パターンがより制限されていることにより全身投与の際に副作用が低減することから、有利な特性を有すると予測される。
発明の概要
本発明は、以下の式
Figure 0006893501
[上式中、
Xは、C−R又はNであり;
は、C3−7−アルキル又はC3−7−シクロアルキルであり;
は、C3−7−アルキル、ヒドロキシ−C1−7−アルキル、C3−7−アルキニル、アミノ−C1−7−アルコキシ−C1−7−アルコキシ−C1−7−アルキル、ハロゲン−C1−7−アルキル、及びC3−7−シクロアルキル−C1−7−アルキルからなる群より選択され;
及びRの一方は
Figure 0006893501
であり、R及びRのもう一方は、水素、C1−7−アルキル、及びハロゲンからなる群より選択され;
、R及びRは互いに独立に、水素、C1−7−アルキル、及びハロゲンから選択され;
は、C1−7−アルキルであり;
は、存在しないか又は=N−R10(式中、R10は、水素、C1−7−アルキル、ハロゲン−C1−7−アルキル、ヒドロキシ−C1−7−アルキル、及びヒドロキシ−C1−7−アルコキシ−C1−7−アルキルからなる群より選択される)である]
のスルフィニルフェニル又はスルホンイミドイルフェニルベンザゼピン−4−カルボキサミド化合物
又はその薬学的に許容される塩に関する。
本発明は、式Iの化合物の製造のための方法にも関する。
本発明は、上述の式Iの化合物と薬学的に許容される担体及び/又はアジュバントとを含む薬学的組成物にも関する。
本発明のさらなる態様は、TLRアゴニスト、具体的にはTLR8アゴニストによって媒介されうる疾患の治療のための治療的活性物質としての式Iの化合物の使用である。したがって、本発明は、例えばがん及び自己免疫疾患又は感染症といったTRLアゴニストによって媒介されうる疾患の治療のための方法に関する。
別途定義のない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を持つ。さらに、本発明を説明するために使用される様々な用語の意味及び範囲を例示及び定義するために、以下の定義を示す。
本出願に使用される命名法は、別途指示がない限りIUPACの体系的命名法に基づいている。
用語「本発明の化合物」は、式(I)の化合物及びその溶媒和物又は塩(例えば薬学的に許容される塩)を指す。
用語「置換基」は、親分子上の水素原子を置き換える1個の原子又は原子群を意味する。
用語「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨードを指し、フルオロ、クロロ、及びブロモを特に対象とする。さらに具体的には、ハロゲンはフルオロを指す。
用語「アルキル」は、単独で又は他の基と組み合わせて、1から20個の炭素原子、特に1から16個の炭素原子、さらに具体的には1から10個の炭素原子の分枝又は直鎖一価飽和脂肪族炭化水素ラジカルを指す。さらに具体的には、用語「アルキル」は、後述するような低級アルキル基も含む。
用語「低級アルキル」又は「C1−7−アルキル」は、単独で又は組み合わせて、1から7個の炭素原子を含む直鎖又は分枝鎖アルキル基、具体的には1から6個の炭素原子を含む直鎖又は分枝鎖アルキル基、さらに具体的には1から4個の炭素原子を含む直鎖又は分枝鎖アルキル基を意味する。直鎖及び分枝C1−7アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、異性体ペンチル、異性体ヘキシル及び異性体ヘプチル、特にメチル及びエチルである。用語「C2−7−アルキル」は、上で定義したような2から7個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖アルキル基を指すが、ただしメチル又はメチレン基は含まない。
用語「低級アルケニル」又は「C2−7−アルケニル」は、オレフィン結合と、2から7個、好ましくは3から6個、特に好ましくは3から4個の炭素原子とを含む、直鎖又は分枝鎖炭化水素残基を意味する。アルケニル基の例は、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、イソプロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、及びイソブテニル、特に2−プロペニル(アリル)である。
用語「低級アルキニル」又は「C2−7−アルキニル」は、三重結合と2から7個の炭素原子とを含む直鎖又は分枝鎖炭化水素残基を意味する。低級アルキニル基の例は、エチニル及び1−プロピニル(−C≡C−CH)である。
用語「低級アルコキシ」又は「C1−7−アルコキシ」は、R’が低級アルキルである基R’−O−を指し、用語「低級アルキル」は、前述の意味を有する。低級アルコキシ基の例は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、及びtert−ブトキシ、特にメトキシである。
用語「低級アルコキシアルキル」又は「C1−7−アルコキシ−C1−7−アルキル」は、低級アルキル基の水素原子の少なくとも1つが低級アルコキシ基により置き換えられている、上で定義した低級アルキル基を指す。特に対象とされる低級アルコキシアルキル基にはメトキシメチル、2−メトキシエチル、及び2−エトキシエチルがあり、2−エトキシエチルが最も対象とされる。
用語ヒドロキシ又はヒドロキシルは、基-OHを意味する。
用語「低級ヒドロキシアルキル」又は「ヒドロキシ−C1−7−アルキル」は、低級アルキル基の水素原子の少なくとも1つがヒドロキシ基により置き換えられている、上で定義した低級アルキル基を指す。特に対象とされる低級ヒドロキシアルキル基には、ヒドロキシメチル又はヒドロキシエチルがある。
用語「低級ヒドロキシアルコキシアルキル」又は「ヒドロキシ−C1−7−アルコキシ−C1−7−アルキル」は、低級アルコキシ基の水素原子の少なくとも1つがヒドロキシ基により置き換えられている、上で定義した低級アルコキシアルキル基を指す。特に対象とされる低級ヒドロキシアルコキシアルキル基には、2−ヒドロキシエトキシエチルがある。
用語「低級ハロゲンアルキル」又は「ハロゲン−C1−7−アルキル」は、低級アルキル基の水素原子の少なくとも1つがハロゲン原子、具体的にはフルオロ又はクロロ、さらに具体的にはフルオロにより置き換えられている、上で定義した低級アルキル基を指す。特に対象とされる低級ハロゲンアルキル基には、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、フルオロメチル、及びクロロメチルがあり、トリフルオロメチルがより対象とされる。
「アミノ」は、基-NHを指す。用語「C1−7−アルキルアミノ」は、Rが低級アルキルである基-NHRを意味し、用語「低級アルキル」は前述の意味を有する。用語「ジ−C1−7−アルキルアミノ」は、R及びR’が上で定義した低級アルキル基である基-NRR’を意味する。
用語「低級アミノアルキル」又は「アミノ−C1−7−アルキル」は、低級アルキル基の水素原子の少なくとも1つがアミノ基により置き換えられている、上で定義した低級アルキル基を指す。特に対象とされる低級アミノアルキル基には、アミノメチル又は2−アミノエチルがある。
用語「低級アミノアルコキシアルキル」又は「アミノ−C1−7−アルコキシ−C1−7−アルキル」は、低級アルコキシ基の水素原子の少なくとも1つがアミノ基により置き換えられている、上で定義した低級アルコキシアルキル基を指す。特に対象とされる低級アミノアルコキシアルキル基には、2−アミノエトキシメチル又は2−アミノエトキシエチルがある。
用語「低級アミノアルコキシアルコキシアルキル」又は「アミノ−C1−7−アルコキシ−C1−7−アルコキシ−C1−7−アルキル」は、低級アルコキシ基の水素原子の少なくとも1つがアミノ−C1−7−アルコキシ基により置き換えられている、上で定義した低級アルコキシアルキル基を指す。特に対象とされる低級アミノアルコキシアルコキシアルキル基には、2−アミノエトキシエトキシメチル又は2−アミノエトキシエトキシエチルがある。
「薬学的に許容される」という用語は、一般的に安全であり、非毒性であり、生物学的にもその他の点でも望ましくないものではなく、動物及びヒトの医薬用途に許容される薬学的組成物を調製するのに有用な物質の属性を表す。
式Iの化合物は、薬学的に許容される塩を形成しうる。用語「薬学的に許容される塩」は、生物学的有効性と、遊離塩基又は遊離酸の特性とを保持する塩であって、生物学的にもその他の点でも望ましくないものではないものを指す。薬学的に許容される塩は、酸付加塩及び塩基付加塩の両方を含む。塩は例えば、生理学的に適合する鉱酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、硫酸、亜硫酸又はリン酸;又は有機酸、例えばメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、乳酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、マロン酸、酒石酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、エンボン酸(embonic acid)、コハク酸又はサリチル酸と式Iの化合物との酸付加塩である。加えて、薬学的に許容される塩は、遊離酸に対する無機塩基又は有機塩基の付加により調製されうる。無機塩基に由来する塩には、限定されないが、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、銅、マンガン及びアルミニウム塩等が含まれる。有機塩基に由来する塩には、限定されないが、一級、二級及び三級アミン、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環状アミン、並びに塩基性イオン交換樹脂、例えばイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、エチレンジアミン(ethylendiamine)、グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロミン、ピペラジン、N−エチルピペリジン、ピペリジン及びポリアミン樹脂が含まれる。式Iの化合物は、両性イオンの形態で存在することもできる。特に対象とされる式Iの化合物の薬学的に許容される塩は、ナトリウム塩又は三級アミンを含む塩である。
式Iの化合物は、溶媒和、例えば水和されてもよい。溶媒和は、製造プロセスの過程で行うことができるか、又は、例えば式Iの初期無水化合物の吸湿性の結果として起こりうる(水和)。用語「薬学的に許容される塩」には、生理的に許容される溶媒和物も含まれる。
用語「アゴニスト」は、例えばGoodman及びGilman著「The Pharmacological Basis of Therapeutics 第7編」(Macmillan Publ. Company, Canada, 1985)の35頁に定義されている別の化合物又は受容体部位の活性を亢進させる化合物を意味する。「完全アゴニスト」は完全応答をもたらすが、「部分アゴニスト」は、受容体集団全体を占めるときでさえ完全活性化に満たない効果しかもたらさない。「逆アゴニスト」はアゴニストの効果とは逆の効果をもたらすが、同じ受容体結合部位に結合する。
用語「半数効果濃度」(EC50)は、特定のin vivo効果の最大値の50%を得るために必要な特定の化合物の血漿濃度を意味する。
「治療的に有効な量(治療的有効量)」という用語は、対象に投与されたとき、本明細書に記載の(i)特定の疾患、状態又は障害を治療又は予防する、(ii)特定の疾患、状態又は障害の1つ以上の症候を軽減、改善又は排除する、又は(iii)特定の疾患、状態又は障害の1以上の症候の発症を予防する又は遅らせる、本発明の化合物の量を意味する。治療的有効量は、化合物、治療される疾患状態、重症度又は治療される疾患、対象の年齢及び相対的健康度、投与の経路及び形態、主治医又は獣医師の判断、並びに他の要因に応じて変化するだろう。
詳細には、本発明は、以下の式
Figure 0006893501
[上式中、
Xは、CR又はNであり;
は、C3−7−アルキル又はC3−7−シクロアルキルであり;
は、C3−7−アルキル、ヒドロキシ−C1−7−アルキル、C3−7−アルキニル、アミノ−C1−7−アルコキシ−C1−7−アルコキシ−C1−7−アルキル、ハロゲン−C1−7−アルキル、及びC3−7−シクロアルキル−C1−7−アルキルからなる群より選択され;
及びRの一方は
Figure 0006893501
であり、R及びRのもう一方は、水素、C1−7−アルキル、及びハロゲンからなる群より選択され;
、R及びRは互いに独立に、水素、C1−7−アルキル、及びハロゲンから選択され;
は、C1−7−アルキルであり;
は、存在しないか又は=N−R10(式中、R10は、水素、C1−7−アルキル、ハロゲン−C1−7−アルキル、ヒドロキシ−C1−7−アルキル、及びヒドロキシ−C1−7−アルコキシ−C1−7−アルキルからなる群より選択される)である]
の化合物
又はその薬学的に許容される塩に関する。
一態様では、本発明は、RがC1−7−アルキルである式Iの化合物に関する。
具体的には、本発明は、Rがプロピルである式Iの化合物に関する。
別の態様では、本発明は、RがC3−7−アルキル、さらに具体的にはプロピルである式Iの化合物に関する。
一態様において、本発明は、以下の式
Figure 0006893501
[上式中、
Xは、CR又はNであり;
は、C3−7−アルキル又はC3−7−シクロアルキルであり;
は、C3−7−アルキルであり;
及びRの一方は
Figure 0006893501
であり、R及びRのもう一方は、水素、C1−7−アルキル、及びハロゲンからなる群より選択され;
、R及びRは互いに独立に、水素、C1−7−アルキル、及びハロゲンから選択され;
は、C1−7−アルキルであり;
は、存在しないか又は=N−R10(式中、R10は、水素、C1−7−アルキル、ハロゲン−C1−7−アルキル、ヒドロキシ−C1−7−アルキル、及びヒドロキシ−C1−7−アルコキシ−C1−7−アルキルからなる群より選択される)である]
の化合物
又はその薬学的に許容される塩に関する。
具体的には、本発明は、R及びRがC3−7−アルキル、具体的にはプロピル、さらに具体的にはn−プロピルである式Iの化合物に関する。
別の態様では、本発明は、Rが水素、C1−7−アルキル、及びハロゲンからなる群より選択され、R
Figure 0006893501
であり、RがC1−7−アルキルであり、Rが存在しないか又は=N−R10(式中、R10は、水素、C1−7−アルキル、ハロゲン−C1−7−アルキル、ヒドロキシ−C1−7−アルキル、及びヒドロキシ−C1−7−アルコキシ−C1−7−アルキルからなる群より選択される)である式Iの化合物に関する。具体的には、当該化合物において、Rは水素である。
さらなる態様では、本発明は、Rが水素、C1−7−アルキル、及びハロゲンからなる群より選択され、R
Figure 0006893501
であり、RがC1−7−アルキルであり、Rが存在しないか又は=N−R10(式中、R10は、水素、C1−7−アルキル、ハロゲン−C1−7−アルキル、ヒドロキシ−C1−7−アルキル、及びヒドロキシ−C1−7−アルコキシ−C1−7−アルキルからなる群より選択される)である式Iの化合物に関する。さらに具体的には、当該化合物において、Rは水素である。
さらに、本発明は、R及びRが水素である式Iの化合物に関する。
特定の実施態様では、Rは水素である。
一態様では、本発明は、R又はR
Figure 0006893501
であり、RがC1−7−アルキルである式Iの化合物に関する。
別の態様では、本発明は、R及びRの一方が
Figure 0006893501
であり;RがC1−7−アルキルであり;R10が、水素、C1−7−アルキル、ハロゲン−C1−7−アルキル、ヒドロキシ−C1−7−アルキル、及びヒドロキシ−C1−7−アルコキシ−C1−7−アルキルからなる群より選択される式Iの化合物に関する。
特定の態様では、本発明は、R10が水素又はヒドロキシ−C1−7−アルコキシ−C1−7−アルキルである式Iの化合物に関する。
別の態様では、本発明の式Iの化合物は、Rがメチル又はエチルであるものである。
一態様では、本発明は、XがCである先に定義した式Iの化合物、すなわち式I−a:
Figure 0006893501
[式中、RからRは先に定義した通りである]
の化合物に関する。
別の態様では、式Iの化合物は、XがNであるもの、すなわち式I−b:
Figure 0006893501
[式中、RからRは先に定義した通りである]
の化合物である。
本発明による式Iの特定の化合物は、以下:
2−アミノ−8−(4−メチルスルフィニルフェニル)−N,N−ジプロピル−3H−1−ベンザゼピン−4−カルボキサミド、
2−アミノ−8−[4−(メチルスルホンイミドイル)フェニル]−N,N−ジプロピル−3H−1−ベンザゼピン−4−カルボキサミド、
2−アミノ−8−[3−[N−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]−S−メチル−スルホンイミドイル]フェニル]−N,N−ジプロピル−3H−1−ベンザゼピン−4−カルボキサミド、
2−アミノ−8−(5−メチルスルフィニル−3−ピリジル)−N,N−ジプロピル−3H−1−ベンザゼピン−4−カルボキサミド、
2−アミノ−8−(3−メチルスルフィニルフェニル)−N,N−ジプロピル−3H−1−ベンザゼピン−4−カルボキサミド、
2−アミノ−8−[5−(メチルスルホンイミドイル)−3−ピリジル]−N,N−ジプロピル−3H−1−ベンザゼピン−4−カルボキサミド、
2−アミノ−8−[3−(メチルスルホンイミドイル)フェニル]−N,N−ジプロピル−3H−1−ベンザゼピン−4−カルボキサミド、
2−アミノ−8−(4−エチルスルフィニルフェニル)−N,N−ジプロピル−3H−1−ベンザゼピン−4−カルボキサミド、
2−アミノ−8−[4−(エチルスルホンイミドイル)フェニル]−N,N−ジプロピル−3H−1−ベンザゼピン−4−カルボキサミド、
2−アミノ−8−(3−エチルスルフィニルフェニル)−N,N−ジプロピル−3H−1−ベンザゼピン−4−カルボキサミド、
2−アミノ−8−[3−(エチルスルホンイミドイル)フェニル]−N,N−ジプロピル−3H−1−ベンザゼピン−4−カルボキサミド、
及びその薬学的に許容される塩である。
さらに具体的には、本発明は、以下の式Iの化合物:
2−アミノ−8−(5−メチルスルフィニル−3−ピリジル)−N,N−ジプロピル−3H−1−ベンザゼピン−4−カルボキサミド、
2−アミノ−8−(3−メチルスルフィニルフェニル)−N,N−ジプロピル−3H−1−ベンザゼピン−4−カルボキサミド、
2−アミノ−8−(3−エチルスルフィニルフェニル)−N,N−ジプロピル−3H−1−ベンザゼピン−4−カルボキサミド、
及びその薬学的に許容される塩に関する。
本発明における一般式Iの化合物を官能基において誘導体化し、in vivoで親化合物に戻るように変換できる誘導体を提供できることが理解されよう。in vivoで一般式Iの親化合物を生成することのできる、生理学的に許容され且つ代謝的に不安定な誘導体も、本発明の範囲内である。
本発明のさらなる態様は、上で定義した式Iの化合物の製造のための方法であり、この方法は、
塩基性条件下、Pd触媒の存在下で、式II

Figure 0006893501
[上式中、R及びRは先に定義した通りであり、PGは保護基である]の化合物を、ビス(ピナコラート)ジボロンと反応させて式III

Figure 0006893501
[上式中、R及びRは先に定義した通りであり、PGは保護基である]のボロン酸エステルを得ること、及び塩基性条件下、Pd触媒の存在下で化合物IIIを式
Figure 0006893501
[上式中、RからR及びXは先に定義した通りである]の臭化物とカップリングさせること、及び酸性条件下で保護基PGを除去して式I
Figure 0006893501
[上式中、RからR及びXは先に定義した通りである]の化合物を得ること、かつ、望ましい場合には、得られた化合物を薬学的に許容される塩に変換すること
を含む。
具体的には、適切な保護基PGは、Boc(tert−ブトキシカルボニル)、ベンジル(Bz)、及びベンジルオキシカルボニル(Cbz)から選択されるアミノ保護基である。具体的には、保護基はBocである。
「酸性条件下で保護基PGを除去すること」とは、適切な溶媒中で被保護化合物を酸処理することを意味し、例えばトリフルオロ酢酸(TFA)をジクロロメタン(DCM)などの溶媒に入れて用いることができる。
「塩基性条件」下とは、塩基、具体的には炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム、及び水酸化ナトリウムからなる群より選択される塩基の存在を意味する。典型的な溶媒は、1.4−ジオキサン、トルエン、THF、ジメチルホルムアミド、及び水と有機溶媒の混合物からなる群より選択される。
用語「Pd触媒」は、鈴木カップリングにおいて使用するのに適切な任意のPd(0)触媒を指す。鈴木カップリングに適切なPd触媒の例は、Pd(PPh、PdCl(PPh、及びPd(dppf)Clからなる群より選択される。
本発明はさらに、上記の方法によって得ることができる、上で定義した式Iの化合物に関する。
本発明の化合物は、任意の一般的な方法によって調製されうる。これら化合物及びその出発物質を合成するための適切な方法を下記のスキーム及び実施例において提供する。特に断らない限り、すべての置換基、具体的にはRからR及びYは、上で定義した通りである。また、特に明記しない限り、すべての反応、反応条件、略語及び記号は、有機化学の当業者によく知られている意味を有する。
式Iの化合物を調製するための一般的な合成経路を以下のスキーム1に示す。
スキーム1
Figure 0006893501
式Iの化合物は、スキーム1に従って調製されうる。臭化アリールIIのパラジウム触媒変換は、アリールボロン酸エステルIIIを生ずる。ボロン酸ピナコールエステルIIIと選択された臭化アリール又は臭化ヘテロアリールIVxとの鈴木カップリングは、化合物Vxを生ずる。酸条件下での化合物VxのBoc脱保護は、式Ixの化合物を生ずる。
ボロン酸ピナコールエステルIIIは、窒素雰囲気下、高温でビス(ピナコラート)ジボロン及びPd(dppf)Clと臭化物IIを反応させることによって調製することができる。この反応は、典型的には、1,4−ジオキサンなどの溶媒中で数時間行われ、クロマトグラフィー精製後に化合物IIIを生ずる。
窒素雰囲気下、典型的な鈴木カップリング条件(触媒Pd(dppf)Cl、炭酸ナトリウム及び高温)を用いて、別の選択された臭化アリール又は臭化ヘテロアリールIVxとボロン酸ピナコールエステルIIIを数時間さらに反応させる。クロマトグラフィー精製後に化合物Vxが得られる。
式Iの化合物は、TFAのジクロロメタン溶液を用いた化合物VxのBoc脱保護と、それに続く分取HPLCでの精製により調製することができる。
出発材料の1つが、1つ以上の反応工程の反応条件下で安定でないか又は反応性である1以上の官能基を含有する場合、当該技術分野において周知の方法を適用して、適切な保護基(PG)(例えばT.W. Greene et al., Protective Groups in Organic Chemistry, John Wiley and Sons Inc. New York 1999, 3rd editionに記載されているような保護基)を重要な工程の前に導入することができる。このような保護基は、合成の後半の工程において、当該技術分野で既知の標準的な方法を用いて除去することができる。
式の1種以上の化合物がキラル中心を含有する場合、式Iの化合物は、ジアステレオマー又はエナンチオマーの混合物として得ることができ、これは当該技術分野で周知の方法、例えば(キラル)HPLC又は結晶化により分離することができる。ラセミ化合物は、例えば、結晶化によりジアステレオマー塩を介してその鏡像体に分離することができるか、又はキラルな吸着剤又はキラルな溶出剤を用いた特定のクロマトグラフ法による鏡像体の分離により分離することができる。
上述のように、本発明の式Iの化合物は、TLRアゴニストによって媒介される疾患の治療のため、具体的にはTLR8アゴニストによって媒介される疾患の治療のための医薬として使用することができる。
本発明において定義される化合物は、in vitroでの細胞アッセイにおけるTLR8受容体のアゴニストである。したがって、本発明の化合物は、TLR8アゴニストを介した免疫系の活性化から恩恵を受けうる疾患又は医学的状態の治療において、潜在的に有用な薬剤であることが期待される。それらは、がん、自己免疫疾患、炎症、敗血症、アレルギー、喘息、移植片拒絶、移植片対宿主病、免疫不全、及び感染症等の疾患の治療又は予防において有用である。
さらに詳細には、本発明の式Iの化合物は、腫瘍学において有用であり、すなわち膀胱がん、頭頸部がん、前立腺がん、結腸直腸がん、腎臓がん、乳がん、肺がん、卵巣がん、子宮頸がん、肝臓がん、膵臓がん、腸及び結腸がん、胃がん、甲状腺がん、メラノーマ、皮膚及び脳の腫瘍、並びに骨髄を冒す悪性腫瘍(例えば白血病)及びリンパ増殖系を冒す悪性腫瘍(例えばホジキン及び非ホジキンリンパ腫)を含む一般的ながんの治療に使用することができ、これには転移性がん及び腫瘍再発、並びに腫瘍随伴症候群の予防(例えばワクチン接種)及び治療が含まれる。
本発明の式Iの化合物は、自己免疫疾患の治療にも有用である。「自己免疫疾患」は、個体自身の組織若しくは臓器から生じてこれらに向けられた疾患若しくは障害、又はその共分離若しくは顕在化、又はそれから生じる状態である。「自己免疫疾患」は、臓器特異的な疾患(すなわち免疫応答が内分泌系、造血系、皮膚、心肺系、胃腸及び肝臓系、腎臓系、甲状腺、耳、神経筋系、中枢神経系等の臓器系に特異的に向けられているもの)又は多くの臓器系を冒す全身性疾患(例えば全身性紅斑性狼瘡(SLE)、関節リウマチ、多発筋炎等)でありうる。特定の態様では、自己免疫疾患は、皮膚、筋組織及び/又は結合組織に関連付けられる。
特定の自己免疫疾患には、自己免疫性リウマチ疾患(例えば関節リウマチ、シェーグレン症候群、強皮症、SLE及びループス腎炎などの狼瘡、多発性筋炎/皮膚筋炎、低温型グロブリン血症、抗リン脂質抗体症候群及び乾癬性関節炎)、自己免疫性胃腸及び肝臓障害(例えば炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎及びクローン病、自己免疫性胃炎及び悪性貧血、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、及びセリアック病)、脈管炎(例えば、チャーグシュトラウス症候群を含むANCA陰性脈管炎及びANCA関連脈管炎、ウェグナー肉芽腫症、及び顕微鏡的多発性血管炎)、自己免疫性神経障害(例えば多発性硬化症、眼球クローヌス・ミオクローヌス運動失調、重症筋無力症、視神経脊髄炎、パーキンソン病、アルツハイマー病、及び自己免疫性多発ニューロパチー)、腎性障害(例えば糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、及びベルガー病)、自己免疫性皮膚疾患(例えば乾癬、じんましん(urticaria、hives)、尋常性天疱瘡、水疱性類天疱瘡、及び皮膚エリテマトーデス)、血液障害(例えば血小板減少性紫斑病、血栓性血小板減少性紫斑病、輸血後紫斑病、及び自己免疫性溶血性貧血)、アテローム性動脈硬化症、ブドウ膜炎、自己免疫性聴覚障害(例えば内耳疾患及び聴覚損失)、ベーチェット病、レイノー症候群、臓器移植及び自己免疫性内分泌疾患(例えば、インスリン依存性糖尿病(IDDM)などの糖尿病関連自己免疫疾患、アジソン病及び自己免疫性甲状腺疾患(例えばグレーブス病及び甲状腺炎))、アレルギー症状及び応答、食物アレルギー、薬物アレルギー、昆虫アレルギー、肥満細胞症などのまれなアレルギー性疾患、アレルギー反応、アレルギー性又はアトピー性湿疹を含む湿疹、気管支喘息及び自己免疫性喘息などの喘息、骨髄細胞及びT細胞の浸潤を伴う状態、並びに慢性炎症応答が含まれる。
本発明の式Iの化合物は、感染症の治療にも有用である。したがって、この化合物は、ウイルス性疾患、具体的にはパピローマウイルス、例えばヒトパピローマウイルス(HPV)及び性器疣贅、一般的疣贅及び足底疣贅を引き起こすもの、単純ヘルペスウイルス(HSV)、伝染性軟属腫、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、デングウイルス、痘瘡ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、サイトメガロウイルス(CMV)、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、ライノウイルス、エンテロウイルス、アデノウイルス、コロナウイルス(例えばSARS)、インフルエンザ、おたふくかぜ、及びパラインフルエンザからなる群より選択されるウイルスの感染により引き起こされる疾患の治療において有用でありうる。
この化合物は、細菌性疾患、具体的には、マイコバクテリウム属(例えば結核菌、マイコバクテリウム・アビウム及びマイコバクテリウム・レプレ)からなる群より選択される細菌の感染により引き起こされる疾患の治療においても有用でありうる。本発明の式Iの化合物はさらに、他の感染症、例えばクラミジア、真菌性疾患(具体的にはカンジダ症、アスペルギルス症及びクリプトコックス髄膜炎からなる群より選択される真菌性疾患)、及び寄生虫病(例えばニューモシスチス・カリニ、肺炎、クリプトスポリジウム症、ヒストプラズマ症、トキソプラズマ症、トリパノソーマ感染症及びリーシュマニア症)の治療においても有用でありうる。
したがって、「TLRアゴニストによって媒介される疾患」という表現は、TLR8アゴニストでの免疫系の活性化により治療されうる疾患、例えばがん、自己免疫疾患、炎症、敗血症、アレルギー、喘息、移植片拒絶、移植片対宿主病、免疫不全、及び感染症を意味する。具体的には、「TLRアゴニストによって媒介される疾患」という表現は、がん、自己免疫疾患、炎症、敗血症、アレルギー、喘息、移植片拒絶、移植片対宿主病、免疫不全、及び感染症を意味する。
特定の態様では、「TLRアゴニストにより媒介される」という表現は、膀胱がん、頭頸部がん、肝臓がん、前立腺がん、結腸直腸がん、腎臓がん、乳がん、肺がん、卵巣がん、子宮頸がん、膵臓がん、腸及び結腸がん、胃がん、甲状腺がん、メラノーマ、皮膚及び脳の腫瘍、並びに骨髄を冒す悪性腫瘍(例えば白血病)及びリンパ増殖系を冒す悪性腫瘍(例えばホジキン及び非ホジキンリンパ腫)からなる群より選択されるがんに関し、これには転移性がん及び腫瘍再発、並びに腫瘍随伴症候群の予防(例えばワクチン接種)及び治療が含まれる。
本発明はまた、上で定義した式Iの化合物と薬学的に許容される担体及び/又はアジュバントとを含む薬学的組成物に関する。具体的には、本発明は、TLRアゴニストにより媒介される疾患の治療に有用な薬学的組成物に関する。
さらに、本発明は、治療的活性物質としての、具体的にはTLRアゴニストにより媒介される疾患の治療のための治療的活性物質としての使用のための、上で定義した式Iの化合物に関する。具体的には、本発明は、がん又は自己免疫疾患、又はウイルス性疾患、細菌性疾患、真菌性疾患及び寄生虫病からなる群より選択される感染症の治療における使用のための、式Iの化合物に関する。
別の態様では、本発明は、TLRアゴニストにより媒介される疾患の治療のための方法に関し、この方法は、治療的に活性な量の式Iの化合物をヒト又は動物に投与することを含む。具体的には、本発明は、がん、並びにウイルス性疾患、細菌性疾患、真菌性疾患及び寄生虫病からなる群より選択される感染症の治療のための方法に関する。
本発明はさらに、TLRアゴニストにより媒介される疾患の治療のための、上で定義した式Iの化合物の使用に関する。
加えて、本発明は、TLRアゴニストにより媒介される疾患の治療のための医薬の調製のための、上で定義した式Iの化合物の使用に関する。具体的には、本発明は、がん又は自己免疫疾患、又はウイルス性疾患、細菌性疾患、真菌性疾患及び寄生虫病からなる群より選択される感染症の治療のための医薬の調製のための、上で定義した式Iの化合物の使用に関する。
さらなる態様では、式Iの化合物は、がんの治療のレジメンにおいて1以上の追加の治療モダリティと組み合わせることができる。
併用療法には、本発明の化合物の投与の他に、がんの治療に有効な1以上のモダリティの補助的な使用が含まれる。このようなモダリティには、限定されないが、化学療法剤、免疫療法、抗血管新生剤、サイトカイン、ホルモン、抗体、ポリヌクレオチド、放射線及び光線力学治療剤が含まれる。特定の態様では、併用療法は、がんの再発の予防、転移の阻害、又はがん若しくは転移の増殖及び/若しくは拡大の阻害のために使用することができる。本明細書において使用される「と組み合わせて」とは、式Iの化合物が、上述のような1以上の追加の治療モダリティを含む治療レジメンの一部として投与されることを意味する。したがって本発明は、がんの治療のための方法にも関し、この方法は、治療的に活性な量の式Iの化合物を1以上の他の薬学的に活性な化合物と組み合わせてヒト又は動物に投与することを含む。
式Iの化合物は、自己免疫疾患の治療において、単独で又は1以上の追加の治療モダリティと組み合わせて使用することができる。
併用療法には、本発明の化合物の投与の他に、自己免疫疾患の予防又は治療において補助となる1以上のモダリティの補助的な使用が含まれる。このようなモダリティには、限定されないが、化学療法剤、免疫療法、抗血管新生剤、サイトカイン、ホルモン、抗体、ポリヌクレオチド、放射線及び光線力学治療剤が含まれる。本明細書において使用される「と組み合わせて」とは、式Iの化合物が、上述のような1以上の追加の治療モダリティを含む治療レジメンの一部として投与されることを意味する。したがって本発明は、自己免疫疾患の治療のための方法にも関し、この方法は、治療的に活性な量の式Iの化合物を1以上の他の薬学的に活性な化合物と組み合わせてヒト又は動物に投与することを含む。
さらなる態様では、式Iの化合物は、感染症の治療において、単独で又は1以上の追加の治療モダリティと組み合わせて使用することができる。
併用療法には、本発明の化合物の投与の他に、感染症の予防又は治療において補助となる1以上のモダリティの補助的な使用が含まれる。このようなモダリティには、限定されないが、抗ウイルス剤、抗生物質、及び抗真菌剤が含まれる。本明細書において使用される「と組み合わせて」とは、式Iの化合物が、上述のような1以上の追加の治療モダリティを含む治療レジメンの一部として投与されることを意味する。したがって本発明は、感染症の治療のための方法にも関し、この方法は、治療的に活性な量の式Iの化合物を1以上の他の薬学的に活性な化合物と組み合わせてヒト又は動物に投与することを含む。
薬理試験
以下の試験を、式Iの化合物の活性を決定するために実施した。
TLR8及びTLR7の活性試験のために、HEK−BlueヒトTLR8又はTLR7細胞(Invivogen,San Diego,CA,USA)がそれぞれ使用される。これら細胞は、NF−κBの活性化をモニターすることによりヒトTLR8又はTLR7の刺激を研究するために設計されている。SEAP(分泌型胚性アルカリホスファターゼ)レポーター遺伝子を、五つのNF−κB及びAP−1−結合部位に融合したIFN−b最小プロモーターの制御下に配置する。したがって、レポーター発現は、20時間にわたりヒトTLR8又はTLR7を刺激すると、NF−κBプロモーターにより制御される。細胞培養上清のSEAPレポーターの活性を、640nmの波長でQuanti Blueキット(Invivogen,San Diego,Ca,USA)(アルカリホスファターゼの存在下で紫/青に変わる検出媒体)を用いて決定した。
式Iによる化合物は、ヒトTLR8についての上記アッセイにおいて、0.01nMから0.1μM、特に0.01nMから0.03μMの範囲の活性(EC50値)を有し、一方ヒトTLR7についての上記アッセイにおける活性(EC50値)は1μMを上回り、2μMから>100μMの範囲であり、このことは化合物がヒトTLR8に対して高い選択性を示すことを意味する。
例えば、以下の化合物は、上記のアッセイにおいて以下のようなEC50値を示した。
Figure 0006893501
薬学的組成物
式Iの化合物及びその薬学的に許容される塩は、例えば経腸、非経口又は局所投与のための薬学的調製物の形態で、医薬として使用することができる。式Iの化合物及びその薬学的に許容される塩は、全身投与(例えば非経口)又は局所投与(例えば局所又は病巣内注射)されうる。いくつかの例では、薬学的製剤は、局所、非経口、経口、膣内、子宮内、鼻腔内又は吸入投与される。本明細書に記載のように、特定の組織は、TLRアゴニストにとって好ましい標的である。したがって、TLRアゴニストのリンパ節、脾臓、骨髄、血液、及びウイルスに曝された組織への投与は、好ましい投与の部位である。
一態様では、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩を含む薬学的製剤は、非経口投与される。投与の非経口経路には、限定されないが、経皮、経粘膜、鼻咽頭、肺及び直接注射が含まれる。注射による非経口投与は、限定されないが、ボーラス及び点滴(例えば急速又は緩徐に)を含め、静脈内(IV)、腹腔内(IP)、筋肉内(IM)、皮下(SC)及び皮内(ID)経路を含む任意の非経口注射経路であってよい。経皮及び経粘膜投与は、例えば、担体(例えばジメチルスルホキシド、DMSO)の封入、電気インパルス(例えばイオン導入)の適用、又はそれらの組み合わせにより達成されうる。経皮投与のために使用することができる様々な機器がある。非経口投与に適した式Iの化合物の製剤は、通常USP水又は注射用水中で製剤化され、さらにpHバッファー、塩充填剤、防腐剤、及び他の薬学的に許容される賦形剤を含んでもよい。
経皮投与は、TLRアゴニストが皮膚を通過して血流に入ることを可能にすることができるクリーム、リンス、ゲルなどの適用により達成される。経皮投与に適した組成物には、限定されないが、皮膚に直接適用されるか又は経皮デバイス(いわゆる「パッチ」)のような保護担体に組み込まれる、薬学的に許容される懸濁液、オイル、クリーム及び軟膏が含まれる。適切なクリーム、軟膏などの例は、例えば医師用添付文書集に見出すことができる。経皮透過は、例えば無傷の皮膚を通してそれらの製品を数日以上の期間にわたって連続的に送達する市販のパッチを用いるイオン導入によっても達成することができる。この方法を用いることにより、比較的高濃度の薬学的組成物の制御された透過、併用薬物の点滴、及び吸収促進剤の同時使用が可能となる。経皮及び経粘膜経路を介した投与は、連続的又は拍動性であってよい。
肺内投与は、吸入によって達成され、鼻腔内、経気管支及び経肺胞経路などの送達経路を含む。限定されないが、エアロゾルを形成するための懸濁液及び乾燥粉末吸入送達系のための粉末形態を含む、吸入による投与に適した式Iの化合物の製剤が提供される。吸入による投与に適したデバイスには、限定されないが、アトマイザー、ヴェポライザー、ネブライザー及び乾燥粉末吸入送達装置が含まれる。呼吸粘膜への送達の他の方法には、点鼻などによる液体製剤の送達が含まれる。点滴と同様の送達はネブライザーの使用により達成されるが、吸入による投与は、好ましくは、(例えば定量噴霧吸入器を介して)個別の用量で達成される。
式Iの化合物及びその薬学的に許容される塩は、例えば錠剤、コーティング錠、ドラジェ、硬質及び軟質のゼラチンカプセルの形態で経口投与されてもよい。
薬学的調製物の製造は、記載される式Iの化合物及びその薬学的に許容される塩を、任意選択的に他の治療的に有用な物質と組み合わせて、適切な非毒性且つ不活性の治療的に適合性の固体又は液体の担体材料、及び必要に応じて通常の薬学的アジュバントと共に、ガレン製剤投与形態にすることにより、当業者によく知られる方式で実現することができる。
適切な担体材料は、無機担体材料だけでなく、有機担体材料もある。したがって、例えばラクトース、コーンスターチ又はその誘導体、タルク、ステアリン酸又はその塩を、錠剤、コーティング錠、ドラジェ及び硬質ゼラチンカプセルの担体材料として使用することができる。軟質ゼラチンカプセルに適した担体材料は、例えば植物油、ワックス、油脂、並びに半固体及び液体ポリオールである(ただし軟質ゼラチンカプセルの場合、活性成分の性質によっては、担体は不要でありうる)。溶液及びシロップ剤の製造に適した担体材料は、例えば水、ポリオール、スクロース、転化糖等である。注射溶液に適した担体材料は、例えば水、アルコール、ポリオール、グリセロール及び植物油である。座薬に適した担体材料は、例えば天然油又は硬化油、ワックス、油脂、及び半液体又は液体ポリオールである。局所用調製物に適した担体材料は、グリセリド、半合成及び合成グリセリド、水素添加油、液体ワックス、流動パラフィン、液状脂肪アルコール、ステロール、ポリエチレングリコール及びセルロース誘導体である。
通常の安定剤、防腐剤、湿潤及び乳化剤、粘度改善剤(consistency-improving agent)、風味改良剤、浸透圧を変えるための塩、緩衝物質、可溶化剤、着色剤及びマスキング剤、並びに抗酸化剤が薬学的アジュバントとして考慮される。
式Iの化合物の用量は、コントロールされる疾患、患者の年齢及び個体状態、並びに投与様式に応じて広い範囲内で変動し、言うまでもなく、各特定の症例の個体要件に適合させる。成人患者の場合、一日当たりの用量として約1から1000mg、特に約1から300mgが考慮される。疾患の重症度及び正確な薬物動態プロファイルに応じて、化合物は、単一又は複数の日量単位、例えば1から3用量単位で投与することもできる。
薬学的調製物は、約1〜500mg、好ましくは1〜100mgの式Iの化合物を好都合には含有する。
以下の実施例C1からC3は、本発明の典型的な組成物を示しているが、単にその代表例であるにすぎない。
実施例C1
以下の成分を含有するフィルムコーティングされた錠剤は、常套的な方式で製造することができる:
Figure 0006893501
活性成分をふるいにかけ、微結晶性セルロースと混合し、混合物をポリビニルピロリドン水溶液を用いて顆粒化する。顆粒をデンプングリコール酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムと混合し、圧縮し、それぞれ120又は350mgの核を得る。核は、上記フィルムコーティングの水溶液/懸濁液で塗られる。
実施例C2
以下の成分を含有するカプセルは、常套的な方式で製造することができる:
Figure 0006893501
成分をふるいにかけ、混合し、サイズ2のカプセルに充填する。
実施例C3
注射液は以下の組成を有することができる:
Figure 0006893501
活性成分をポリエチレングリコール400と注射用の水(一部)との混合物に溶解する。pHを酢酸により5.0に調整する。残りの量の水を付加することにより、量を1.0mlに調整する。溶液を濾過し、適切な過剰分を用いてバイアルに充填し、滅菌する。
以下の実施例は、本発明をさらに詳細に説明する。しかしながら、これらは、いかなる方法によっても本発明の範囲を限定するようには意図されていない。
実施例
[使用される略記号]
BocO=二炭酸ジ−tert−ブチル、Boc=カルバミン酸t−ブチル、CDOD=重水素化メタノール、d=日、DIPEA=N,N−ジイソプロピルエチルアミン、DCM=ジクロロメタン、DMAP:4−ジメチルアミノピリジン、DMF−DMA:N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール、EA=酢酸エチル又はEtOAc、Eaton試薬:7.7wt%五酸化リン/メタンスルホン酸溶液、m−CPBA:メタ−クロロ過安息香酸、EC50=半数効果濃度、EDCI=1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩、h又はhr=時間、HOBT=N−ヒドロキシベンゾトリアゾール、HPLC=高速液体クロマトグラフィー、HPLC−UV=紫外線検出器付き高速液体クロマトグラフィー、Hz=ヘルツ、mg=ミリグラム、MHz=メガヘルツ、min=分、mL=ミリリットル、mm=ミリメートル、mM=mmol/L、mmol=ミリモル、MS=質量分析、MW=分子量、NMR=核磁気共鳴、PE=石油エーテル、prep−HPLC=分取高速液体クロマトグラフィー、rt=室温、sat.=飽和、TEA=トリエチルアミン、TFA=トリフルオロ酢酸、THF=テトラヒドロフラン、μM=マイクロモル、μm=マイクロメートル、UV=紫外線検出器、OD=光学濃度、Pd(dppf)Cl=[1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)−フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、TLR8=toll様受容体8;TLR7=toll様受容体7、NF−κB=活性化B細胞の核因子カッパ軽鎖エンハンサー、SEAP=分泌胚性アルカリホスファターゼ、IFN−β=インターフェロン−ベータ
実施例A - 重要中間体Gの調製
tert−ブチル N−[8−ブロモ−4−(ジプロピルカルバモイル)−3H−1−ベンザゼピン−2−イル]カルバメート
詳細な合成経路をスキーム2に示す。
Figure 0006893501
a) 化合物Aの調製:
4−ブロモ−1−メチル−2−ニトロ−ベンゼン(100g、0.46mol)のDMF(1L)溶液に、ピロリジン(39.6g、0.59mol)及びDMF−DMA(70g、0.59mol)を連続して加えた。反応混合物を100℃で4時間撹拌した後、溶媒を減圧下で濃縮し、1−[(E)−2−(4−ブロモ−2−ニトロ−フェニル)ビニル]ピロリジン(化合物A、137g、粗製)を褐色油として得、これを次工程にそのまま使用した。MS: m/z = 297 (M+H)+.
b) 化合物Bの調製:
THF(1.7L)と水(2.0L)の混合溶媒中の1−[(E)−2−(4−ブロモ−2−ニトロ−フェニル)ビニル]ピロリジン(化合物A、137g、0.47mol、粗製)溶液に、NaIO(298g、1.40mol)を10℃で複数回に分けて加えた。反応混合物を25℃で20時間撹拌した後、濾過し、濾液をEA(3L)で抽出した。分離した有機層をブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して粗生成物を得た。PE中5%の酢酸エチルを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによりこの粗生成物を精製し、4−ブロモ−2−ニトロ−ベンズアルデヒド(化合物B、66g、61%)を黄色の固体として得た。MS: m/z = 230 (M+H)+.
c) 化合物Cの調製:
4−ブロモ−2−ニトロ−ベンズアルデヒド(化合物B、65g、0.28mol)のトルエン(700mL)溶液に、エチル 3−シアノ−2−(トリフェニルホスホラニリデン)プロピオナート(120g、0.31mol)を25℃で加えた。反応物を25℃で18時間撹拌した後、反応混合物を濃縮した。次いでメタノール(500mL)を加えた。その溶液を冷蔵庫で4時間保管した後、形成された沈殿物を濾過により収集し、2−[1−(4−ブロモ−2−ニトロ−フェニル)−(E)−メチリデン]−3−シアノ−プロピオン酸エチルエステル(化合物C、75g、78%)を白色固体として得た。MS: m/z = 298 (M+H)+.
d) 化合物Dの調製:
2−[1−(4−ブロモ−2−ニトロ−フェニル)−メタ−(E)−イリデン]−3−シアノ−プロピオン酸エチルエステル(化合物C、75g、0.22mol)のAcOH(1.1L)撹拌溶液に、Fe(74g、1.33mol)を80℃で加えた。この反応混合物を80℃で3時間加熱した後、反応混合物をセライトパッドを通して濾別した。セライトパッドを酢酸で洗浄した。混合濾液を減圧中で濃縮し、残留物を飽和NaHCO(300mL)で塩基性にした。その後酢酸エチル(1L)を加え、混合物を10分間撹拌した。未溶解物をセライトパッドを通してさらに濾別した。セライトパッドを酢酸エチル(800mL)で洗浄した。相分離後、有機層を収集し、水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、減圧中で濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物をジエチルエーテル(100mL)でさらにすすぎ、エチル 2−アミノ−8−ブロモ−3H−1−ベンザゼピン−4−カルボキシレート(化合物D、50g、73%)を明黄色の固体として得た。MS: m/z = 309 (M+H)+.
e) 化合物Eの調製:
エチル 2−アミノ−8−ブロモ−3H−1−ベンザゼピン−4−カルボキシレート(化合物D、50g、0.16mol)及びTEA(26.1g、0.26mol)のDCM(500mL)溶液に、BocO(56.6g、0.26mol)のDCM(100mL)溶液を0〜5℃で加えた。反応物を25℃で42時間撹拌した後、水(200mL)を加えた。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をEA及びPE中でスラリー化し、濾過し、エチル 8−ブロモ−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3H−1−ベンザゼピン−4−カルボキシレート(化合物E、57g、86%)を黄色の固体として得た。MS: m/z = 409 (M+H)+.
f) 化合物Fの調製:
エチル 8−ブロモ−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3H−1−ベンザゼピン−4−カルボキシレート(化合物E、10g、24.5mmol)のTHF(60mL)溶液に、EtOH(18mL)と水(18mL)の混合溶媒中のLiOH(37mL、1M)を加えた。反応混合物を25℃で18時間撹拌した。LiOH(10mL、1M)をEtOH(5mL)と水(5mL)に溶かした溶液を加え、反応混合物を25℃でさらに5時間撹拌した。反応混合物を10%のクエン酸を用いてpH=5に酸性化した後、EA(50mL×3)で抽出した。有機層を合せ、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、8−ブロモ−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3H−1−ベンザゼピン−4−カルボン酸(化合物F、9.6g、粗製)を黄色の固体として得た。MS: m/z = 380 (M+H)+.
g) 化合物Gの調製:
8−ブロモ−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3H−1−ベンザゼピン−4−カルボン酸(化合物F、9.6g、25.3mmol)のDCM(360mL)溶液に、EDCI(12g、63.1mmol)、HOBT(4.1g、30.3mmol)、DIPEA(13g、101mmol)、及びDMAP(770mg、6.3mmol)を10℃で連続して加えた。反応混合物を30分間25℃で撹拌した後、N−プロピルプロパン−1−アミン(3.8g、37.9mmol)を加えた。反応混合物を25℃で3時間撹拌した。その後水を加え、混合物をDCMで抽出し、NaSOで乾燥させ、減圧中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(PE:EA=5:1)により残留物を精製し、tert−ブチル N−[8−ブロモ−4−(ジプロピルカルバモイル)−3H−1−ベンザゼピン−2−イル]カルバメート(化合物G、8.6g、73%)を黄色の固体として得た。1H NMR (300MHz, DMSO-d6):δ ppm = 10.25 - 10.07 (m, 1H), 7.44 - 7.24 (m, 3H), 6.86 - 6.79 (m, 1H), 3.28 - 3.14 (m, 4H), 3.13 - 3.01 (m, 2H), 1.62-1.45 (m, 4 H), 1.43 (s, 9 H), 1.00 - 0.62 (m, 6H).MS: m/z =464 (M+H)+.
実施例1
2−アミノ−8−(4−メチルスルフィニルフェニル)−N,N−ジプロピル−3H−1−ベンザゼピン−4−カルボキサミド
Figure 0006893501
スキーム1に示した一般的な合成経路に従って、標題化合物を調製した。詳細な合成経路をスキーム3に示す。
Figure 0006893501
工程1:化合物Jの調製
1−ブロモ−4−メチルスルファニル−ベンゼン(4.99g、24.6mmol)のDCM(75ml)溶液に、メタ−クロロ過安息香酸(5.57g、25.8mmol)を0℃で加えた。反応混合物を20℃で18時間撹拌した後、NaSO水溶液(30mL)及びNaHCO水溶液(30mL)でクエンチした。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、減圧中で濃縮し、残留物を得た。粉砕によりこの残留物を精製し(EA:PE=10mL、1:9)、所望の生成物、1−ブロモ−4−(メチルスルフィニル)ベンゼン(化合物J、4.8g、77.4%)を白色固体として得た。MS: 計算値219(M+H)+, 測定値219(M+H)+.
工程2:化合物Hの調製
tert−ブチル N−[8−ブロモ−4−(ジプロピルカルバモイル)−3H−1−ベンザゼピン−2−イル]カルバメート(化合物G、5.0g、10.7mmol)の1,4−ジオキサン(100mL)撹拌溶液に、ビス(ピナコラート)ジボロン(3.0g、11.8mmol)、酢酸カリウム(2.1g、21.4mmol)、及びPd(dppf)Cl(787mg、1.0mmol)を窒素雰囲気下で加えた。反応混合物を90℃で3時間撹拌した後、水を加えた。この溶液をEAで抽出し、減圧中で濃縮した。残留物をフラッシュHPLCにより精製し、tert−ブチル N−[4−(ジプロピルカルバモイル)−8−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−3H−1−ベンザゼピン−2−イル]カルバメート(化合物H、3.5g、64%)を黄色の固体として得た。MS: m/z =512(M+H)+, 測定値512(M+H)+.
工程3:化合物Kの調製
tert−ブチル N−[4−(ジプロピルカルバモイル)−8−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−3H−1−ベンザゼピン−2−イル]カルバメート(化合物H、400mg、0.78mmol)の1,4−ジオキサン(10mL)溶液に1−ブロモ−4−メチルスルフィニル−ベンゼン(化合物I、187mg、0.86mmol)、炭酸ナトリウム(207mg、1.96mmol)、水(2mL)、及びPd(dppf)Cl(57mg、0.078mmol)を窒素雰囲気下で加えた。反応混合物を50℃で18時間撹拌した後、未溶解物を濾過した。濾液を水(10mL)及びEtOAc(20mL)で希釈した。有機層を分離し、NaSOで乾燥させ、濃縮し、粗生成物を得た。この粗生成物をフラッシュHPLCにより精製し、tert−ブチル (4−(ジプロピルカルバモイル)−8−(4−(メチルスルフィニル)フェニル)−3H−ベンゾ[b]アゼピン−2−イル)カルバメート(化合物K、150mg、37%)を得た。MS:計算値 524 (M+H)+, 測定値 524 (M+H)+.
工程4:実施例1の調製
tert−ブチル N−[4−(ジプロピルカルバモイル)−8−(4−メチルスルフィニルフェニル)−3H−1−ベンザゼピン−2−イル]カルバメート(化合物J、150mg)のDCM(2mL)溶液に、TFA(0.5mL)のDCM(0.5mL)溶液を0℃で加えた。反応混合物を25℃で1.5時間撹拌した後、溶媒を除去し、残留物を分取HPLCにより精製し、2−アミノ−N,N−ジプロピル−8−(4−メチルスルフィニルフェニル)−3H−1−ベンザゼピン−4−カルボキサミド(実施例1)を白色固体(22mg)として得た。1H NMR (METHANOL-d4 , 400 MHz) δppm = 7.99 - 7.93 (m, 2 H), 7.90 - 7.84 (m, 2 H), 7.80 - 7.75 (m, 1 H), 7.73 - 7.66 (m, 2 H), 7.13 - 7.09 (m, 1 H), 3.57 - 3.43 (m, 4 H), 3.40 - 3.37 (m, 2 H), 2.88 (s, 3 H), 1.79 - 1.64 (m, 4 H), 1.10 - 0.84 (m, 6 H).MS: 計算値424(M+H)+, 測定値424(M+H)+.
実施例2
2−アミノ−8−[4−(メチルスルホンイミドイル)フェニル]−N,N−ジプロピル−3H−1−ベンザゼピン−4−カルボキサミド
Figure 0006893501
スキーム1に示した一般的な合成経路に従って、標題化合物を調製した。詳細な合成経路をスキーム4に示す。
Figure 0006893501
tert−ブチル (4−(ジプロピルカルバモイル)−8−(4−(メチルスルフィニル)フェニル)−3H−ベンゾ[b]アゼピン−2−イル)カルバメート(化合物J、150.0mg、0.28mmol)のEaton試薬(1.5mL)の溶液に、NaN(55.8mg、0.86mmol)を加えた。反応混合物を50℃で20分間撹拌した後、0℃で1M水酸化アンモニウム溶液(1mL)に注いだ。混合物をDCM(30mL×2)で抽出した。有機層をブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、分取HPLCにより精製し、2−アミノ−8−[4−(メチルスルホニルイミドイル)フェニル]−N,N−ジプロピル−3H−1−ベンザゼピン−4−カルボキサミド(実施例2、18.0mg)を白色固体として得た。1H NMR (METHANOL-d4 , 400 MHz) δppm = 8.12-8.09 (m, 2 H), 7.94-7.92 (m, 2 H), 7.49-7.42 (m, 3 H), 6.91 (s, 1 H), 3.47-3.44 (m, 4H), 3.3 (s, 2H), 2.91 (s, 3H), 1.71-1.69 (m, 4 H), 0.92 (m, 6 H).MS: 計算値439(M+H)+, 測定値439(M+H)+.
実施例3
2−アミノ−8−[3−[N−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]−S−メチル−スルホンイミドイル]フェニル]−N,N−ジプロピル−3H−1−ベンザゼピン−4−カルボキサミド
Figure 0006893501
スキーム1に示した一般的な合成経路に従って、標題化合物を調製した。詳細な合成経路をスキーム5に示す。
スキーム5:
Figure 0006893501
工程1:化合物3Bの調製:
ジエチレングリコール(化合物3A、10.0g、94.2mmol)、EtN(2.86g、28.3mmol)のDCM(50mL)撹拌溶液に、4−メチルベンゼンスルホニルクロリド(4.49g、23.6mmol)のDCM(50mL)溶液を16℃でゆっくり添加した。その後、反応混合物を16℃で18時間撹拌した。TLC(PE:EA=1:1)は、反応が完了したことを示した。飽和NaHCO(50mLx2)で反応混合物を洗浄した。その有機層を無水NaSOで乾燥させ、減圧中で濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE:EA=5:1〜1:1)により精製し、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル 4−メチルベンゼンスルホネート(化合物3B、2.4g、39%)を無色油として得た。MS: 計算値 278 (M+H2O)+, 測定値278 (M+H2O)+.
工程2:化合物3Cの調製
5分間かけて、ジヒドロピラン(2.5g、29.7mmol)を、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル 4−メチルベンゼンスルホネート(化合物3B、2.40g、9.2mmol)及びp−トルエンスルホン酸一水和物(125mg、0.66mmol)の無水ジオキサン(25mL)撹拌溶液に20℃で滴下した。20分間撹拌した後、溶液がわずかに塩基性になるまで飽和NaCOを加えた。混合物を減圧下で濃縮した。残留物をCHCl(50mL)に溶解し、ブライン(2x50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、減圧中で濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE:EA=20:1〜10:1)により精製し、2−(2−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)エトキシ)エチルl 4−メチルベンゼンスルホネート(化合物3C、2.3g、72.4%)を無色油として得た。MS:計算値 262.1 (M+H2O)+, 267 (M+Na+); 測定値 262.2 (M+H2O)+, 267 (M+Na+).
工程3:化合物3Dの調製:
(3−ブロモフェニル)(メチル)スルファン(5.0g、24.7mmol)のDCM(75ml)溶液に、m−CPBA(4.47g、25.9mmol)を0℃で加えた。反応物を20℃で18時間撹拌した後、NaHSO水溶液(30mL)及びNaHCO(30mL)水溶液でクエンチした。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させた。有機層を減圧中で濃縮し、粉砕により精製し(PE:EA=10mL、1:9)、1−ブロモ−3−(メチルスルフィニル)ベンゼン(化合物3D、3.8g、71.1%)を白色固体として得た。MS: 計算値219(M+H)+, 測定値219(M+H)+.
工程4:化合物3Eの調製:
1−ブロモ−3−(メチルスルフィニル)ベンゼン(化合物3D、3.8g、17.4mmol)のEaton試薬(30mL)の溶液に、NaN(3.4mg、52.3mmol)を加えた。反応混合物を60°Cで20分間撹拌した後、0℃で1M水酸化アンモニウム溶液(1mL)に注いだ。混合物をDCM(30mL×2)で抽出した。有機層をブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮し、1−ブロモ−3−(S−メチルスルホンイミドイル)ベンゼン(化合物3E、2.0g、48.7%)を黄色の固体として得た。MS: 計算値 234 (M+H)+; 測定値 234 (M+H)+.
工程5:化合物3Fの調製
1−ブロモ−3−(S−メチルスルホンイミドイルル)ベンゼン(化合物3E、500mg、2.14mmol)のDME(15mL)の溶液に、KH(269mg、2.35mmol)を0℃で加えた。この混合物を窒素雰囲気下、16℃で3時間攪拌した後、テトラブチルアンモニウムブロミド(28mg、0.10mmol)と2−(2−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)エトキシ)エチル 4−メチルベンゼンスルホネート(化合物3C、737mg、2.14mmol)のDME(10mL)溶液を反応混合物に加えた。混合物を30℃で16時間撹拌した後、水(30mL)に注いだ。混合物をEA(20mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE:EA=4:1〜2:1〜1:1)により精製し、(3−ブロモフェニル)−メチル−オキソ−[2−(2−テトラヒドロピラン−2−イルオキシエトキシ)エチルイミノ]−スルファン(化合物3F、240mg、27.6%)を褐色油として得た。MS: 計算値406 (M+H)+, 測定値406 (M+H)+.
工程6:化合物3Gの調製
tert−ブチル N−[4−(ジプロピルカルバモイル−8−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−3H−1−ベンザゼピン−2−イル]カルバメート(化合物H、310mg、0.606mmol)、(3−ブロモフェニル)−メチル−オキソ−[2−(2−テトラヒドロピラン−2−イルオキシエトキシ)エチルイミノ]−スルファン(化合物3F、190mg、0.467mmol)、NaCO(141mg、1.333mmol)及びPd(dppf)Cl(58mg、0.079mmol)のジオキサン/HO(7.5mL/1.5mL)溶液を、窒素雰囲気下50℃で16時間撹拌した。残留物をEA(10mL)で希釈し、沈殿物を濾過した。溶媒を減圧中で除去し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(PE:EA=1:1〜100%EA)で精製し、tert−ブチル(4−(ジプロピルカルバモイル)−8−(3−(S−メチル−N−(2−(2−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)エトキシ)エチル)スルホンイミドイルl)フェニル)−3H−ベンゾ[b]アゼピン−2−イル)カルバメート(化合物3G、160mg)を褐色の半固体として得た。MS: 計算値711 (M+H)+, 測定値711 (M+H)+.
工程7:実施例3の調製
TFA(513mg、4.5mmol)のDCM(0.5mL)溶液を、tert−ブチル(4−(ジプロピルカルバモイル)−8−(3−(S−メチル−N−(2−(2−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)エトキシ)エチル)スルホンイミドイル)フェニル)−3H−ベンゾ[b]アゼピン−2−イル)カルバメート(化合物3G、160mg、0.225mmol)DCM(2mL)のDCM(2mL)溶液に0℃で滴下した。その後、混合物を20℃で3時間撹拌した。溶液をNaHCO(約450mg)で中和し、沈殿物を濾過した。濾液を濃縮し、残留物を分取HPLC(塩基系)により精製し、2−アミノ−8−[3−[N−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]−S−メチル−スルホンイミドイル]フェニル]−N,N−ジプロピル−3H−1−ベンザゼピン−4−カルボキサミド(実施例3、10.3mg)を黄色の固体として得た。1HNMR (400MHz, METHANOL-d4) δppm = 8.21 (s, 1 H), 8.06-7.98 (m, 1 H) 7.96-7.91 (m, 1 H), 7.78-7.70 (m, 1 H), 7.46 (d, J=12.30 Hz, 2 H), 7.42-7.35 (m, 1 H), 6.93-6.86 (m, 1 H), 3.69-3.49 (m, 7 H), 3.48-3.39 (m, 4 H), 3.24 (s, 3 H), 3.18-3.10 (m, 1 H), 3.09-2.99 (m, 1 H), 2.92-2.83 (m, 1 H), 1.75-1.62 (m, 4 H), 1.05-0.78 (m, 6 H).MS: 計算値527(M+H)+, 測定値527(M+H)+.
実施例4
2−アミノ−8−(5−メチルスルフィニル−3−ピリジル)−N,N−ジプロピル−3H−1−ベンザゼピン−4−カルボキサミド
Figure 0006893501
標題化合物を、実施例1と同様にして、但し1−ブロモ−4−メチルスルファニル−ベンゼンの代わりに3−ブロモ−5−メチルスルファニル−ピリジンを用いることにより調製した。実施例4が黄色の固体(4.7mg)として得られた。1H NMR (400 MHz, METHANOL-d4) δppm = 9.06 (d, J=2.0 Hz, 1H), 8.78-8.93 (m, 1H), 8.45 (t, J=2.1 Hz, 1H), 7.36-7.56 (m, 3H), 6.92 (s, 1H), 3.38-3.51 (m, 6H), 2.85-3.04 (m, 3H), 1.53-1.78 (m, 4H), 0.53-1.13 ppm (m, 6H).MS: 計算値425(M+H)+, 測定値425(M+H)+.
実施例5
2−アミノ−8−(3−メチルスルフィニルフェニル)−N,N−ジプロピル−3H−1−ベンザゼピン−4−カルボキサミド
Figure 0006893501
標題化合物を、実施例1と同様にして、但し1−ブロモ−4−メチルスルファニル−ベンゼンの代わりに1−ブロモ−3−メチルスルファニル−ベンゼンを用いることにより調製した。実施例5が黄色の固体(40mg)として得られた。1H NMR (400 MHz, METHANOL-d4) δppm = 8.02 (s, 1H), 7.85-7.93 (m, 1H), 7.64-7.76 (m, 2H), 7.32-7.49 (m, 3H), 6.90 (s, 1H), 3.45 (m, 6H), 2.74 (s, 3H), 1.54-1.75 (m, 4H), 0.57-1.14 ppm (m, 6H).MS: 計算値424(M+H)+, 測定値424(M+H)+.
実施例6
2−アミノ−8−[5−メチルスルホンイミドイル)−3−ピリジル]−N,N−ジプロピル−3H−1−ベンザゼピン−4−カルボキサミド
Figure 0006893501
標題化合物を、実施例2と同様にして、但し1−ブロモ−4−メチルスルファニル−ベンゼンの代わりに3−ブロモ−5−メチルスルファニル−ピリジンを用いることにより調製した。実施例6が黄色の固体(8mg)として得られた。1H NMR (400 MHz, METHANOL-d4) δppm = 9.14-9.25 (m, 2H), 8.66 (t, J=2.1 Hz, 1H), 7.54-7.81 (m, 3H), 6.99-7.11 (m, 1H), 3.39-3.56 (m, 6H), 3.26 (s, 3H), 1.72 (m, 4H), 0.96 ppm (m, 6H).MS: 計算値440(M+H)+, 測定値440(M+H)+.
実施例7
22−アミノ−8−[3−(メチルスルホンイミドイル)フェニル]−N,N−ジプロピル−3H−1−ベンザゼピン−4−カルボキサミド
Figure 0006893501
標題化合物を、実施例2と同様にして、但し1−ブロモ−4−メチルスルファニル−ベンゼンの代わりに1−ブロモ−3−メチルスルファニル−ベンゼンを用いることにより調製した。実施例7が黄色の固体(8.3mg)として得られた。1H NMR (400 MHz, METHANOL-d4) δppm = 8.34 (t, J=1.6 Hz, 2H), 8.01-8.15 (m, 2H), 7.59-7.84 (m, 3H), 7.10 (s, 1H), 3.41-3.59 (m, 6H), 3.25 (s, 3H), 1.72 (sxt, J=7.5 Hz, 4H), 0.97 ppm (br. s., 6H).MS: 計算値439(M+H)+, 測定値439(M+H)+.
実施例8
2−アミノ−8−(4−エチルスルフィニルフェニル)−N,N−ジプロピル−3H−1−ベンザゼピン−4−カルボキサミド
Figure 0006893501
標題化合物を、実施例1と同様にして、但し1−ブロモ−4−メチルスルファニル−ベンゼンの代わりに1−ブロモ−4−エチルスルファニル−ベンゼンを用いることにより調製した。実施例8が黄色の固体(45mg)として得られた。1H NMR (400 MHz, METHANOL-d4) δppm = 7.91-8.01 (m, 2H), 7.56-7.86 (m, 5H), 7.03-7.15 (m, 1H), 3.49 (br. s., 4H), 3.35-3.40 (m, 2H), 2.80-2.98 (m, 2H), 1.62-1.82 (m, 4H), 1.14-1.30 (m, 3H), 0.97 ppm (br. s, 6H).MS: 計算値438(M+H)+, 測定値438(M+H)+.
実施例9
2−アミノ−8−[4−(エチルスルホンイミドイル)フェニル]−N,N−ジプロピル−3H−1−ベンザゼピン−4−カルボキサミド
Figure 0006893501
標題化合物を、実施例2と同様にして、但し1−ブロモ−4−メチルスルファニル−ベンゼンの代わりに1−ブロモ−4−エチルスルファニル−ベンゼンを用いることにより調製した。実施例9が黄色の固体(5mg)として得られた。1H NMR (400 MHz, METHANOL-d4) δppm = 8.09 (d, J=8.3 Hz, 2H), 7.87-8.02 (m, 2H), 7.55-7.77 (m, 3H), 7.07 (s, 1H), 3.40-3.60 (m, 4H), 3.22-3.31 (m, 2H), 2.66-2.77 (m, 2H), 1.72 (sxt, J=7.5 Hz, 4H), 1.13-1.33 (m, 3H), 0.97 ppm (br. s., 6H).MS: 計算値453(M+H)+, 測定値453(M+H)+.
実施例10
2−アミノ−8−(3−エチルスルフィニルフェニル)−N,N−ジプロピル−3H−1−ベンザゼピン−4−カルボキサミド
Figure 0006893501
標題化合物を、実施例1と同様にして、但し1−ブロモ−4−メチルスルファニル−ベンゼンの代わりに1−ブロモ−3−エチルスルファニル−ベンゼンを用いることにより調製した。実施例10が黄色の固体(29mg)として得られた。1H NMR (400 MHz, METHANOL-d4) δppm = 7.85-8.08 (m, 2H), 7.53-7.79 (m, 5H), 6.94-7.13 (m, 1H), 3.49 (br. s., 4H), 3.05-3.20 (m, 2H), 2.77-3.04 (m, 2H), 1.54-1.83 (m, 4H), 1.14-1.32 (m, 3H), 0.97 ppm (br. s., 6H).MS: 計算値438(M+H)+, 測定値438(M+H)+.
実施例11
2−アミノ−8−[3−(エチルスルホンイミドイル)フェニル]−N,N−ジプロピル−3H−1−ベンザゼピン−4−カルボキサミド
Figure 0006893501
標題化合物を、実施例1と同様にして、但し1−ブロモ−4−メチルスルファニル−ベンゼンの代わりに1−ブロモ−3−エチルスルファニル−ベンゼンを用いることにより調製した。実施例11が黄色の固体(5mg)として得られた。1H NMR (400 MHz, METHANOL-d4) δppm = 8.30 (t, J=1.6 Hz, 1H), 8.09 (dd, J=15.6, 8.3 Hz, 2H), 7.59-7.85 (m, 4H), 7.12 (s, 1H), 3.50 (br. s., 4H), 3.36-3.44 (m, 4H), 2.64-2.77 (m, 2H), 1.73 (sxt, J=7.4 Hz, 3H), 1.18-1.32 (m, 2H), 0.97 ppm (br. s., 6H).MS: 計算値453(M+H)+, 測定値453(M+H)+.

Claims (18)

  1. 式I
    Figure 0006893501
    [上式中、
    Xは、C−R又はNであり;
    は、C3−7−アルキルであり;
    は、C3−7−アルキルであり

    Figure 0006893501
    (式中、R がC 1−7 −アルキルであり、R が存在しないか又は=N−R 10 であって、R 10 は、水素、C 1−7 −アルキル、ハロゲン−C 1−7 −アルキル、ヒドロキシ−C 1−7 −アルキル、及びヒドロキシ−C 1−7 −アルコキシ−C 1−7 −アルキルからなる群より選択される)であり、かつ
    が水素であるか;或いは

    Figure 0006893501
    (式中、R がC 1−7 −アルキルであり、R が存在しないか又は=N−R 10 であって、R 10 は、水素、C 1−7 −アルキル、ハロゲン−C 1−7 −アルキル、ヒドロキシ−C 1−7 −アルキル、及びヒドロキシ−C 1−7 −アルコキシ−C 1−7 −アルキルからなる群より選択される)であり、かつ
    が水素であり;
    、R 及びR は水素である]
    の化合物
    又はその薬学的に許容される塩。
  2. がプロピルである、請求項1に記載の式Iの化合物。
  3. がプロピルである、請求項1又は2に記載の式Iの化合物。
  4. 又はR
    Figure 0006893501
    であり、RがC1−7−アルキルである、請求項1からのいずれか一項に記載の式Iの化合物。
  5. 及びRの一方が
    Figure 0006893501
    であり、RがC1−7−アルキルであり、R10が、水素、C1−7−アルキル、ハロゲン−C1−7−アルキル、ヒドロキシ−C1−7−アルキル、及びヒドロキシ−C1−7−アルコキシ−C1−7−アルキルからなる群より選択される、請求項1からのいずれか一項に記載の式Iの化合物。
  6. 10が水素又はヒドロキシ−C1−7−アルコキシ−C1−7−アルキルである、請求項に記載の式Iの化合物。
  7. がメチル又はエチルである、請求項1からのいずれか一項に記載の式Iの化合物。
  8. XがC−Rであり、Rが水素である、請求項1に記載の式Iの化合物。
  9. XがNである、請求項1に記載の式Iの化合物。
  10. 2−アミノ−8−(4−メチルスルフィニルフェニル)−N,N−ジプロピル−3H−1−ベンザゼピン−4−カルボキサミド、
    2−アミノ−8−[4−(メチルスルホンイミドイル)フェニル]−N,N−ジプロピル−3H−1−ベンザゼピン−4−カルボキサミド、
    2−アミノ−8−[3−[N−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]−S−メチル−スルホンイミドイル]フェニル]−N,N−ジプロピル−3H−1−ベンザゼピン−4−カルボキサミド、
    2−アミノ−8−(5−メチルスルフィニル−3−ピリジル)−N,N−ジプロピル−3H−1−ベンザゼピン−4−カルボキサミド、
    2−アミノ−8−(3−メチルスルフィニルフェニル)−N,N−ジプロピル−3H−1−ベンザゼピン−4−カルボキサミド、
    2−アミノ−8−[5−(メチルスルホンイミドイル)−3−ピリジル]−N,N−ジプロピル−3H−1−ベンザゼピン−4−カルボキサミド、
    2−アミノ−8−[3−(メチルスルホンイミドイル)フェニル]−N,N−ジプロピル−3H−1−ベンザゼピン−4−カルボキサミド、
    2−アミノ−8−(4−エチルスルフィニルフェニル)−N,N−ジプロピル−3H−1−ベンザゼピン−4−カルボキサミド、
    2−アミノ−8−[4−(エチルスルホンイミドイル)フェニル]−N,N−ジプロピル−3H−1−ベンザゼピン−4−カルボキサミド、
    2−アミノ−8−(3−エチルスルフィニルフェニル)−N,N−ジプロピル−3H−1−ベンザゼピン−4−カルボキサミド、
    2−アミノ−8−[3−(エチルスルホンイミドイル)フェニル]−N,N−ジプロピル−3H−1−ベンザゼピン−4−カルボキサミド
    からなる群より選択される、請求項1に記載の式Iの化合物
    又はその薬学的に許容される塩。
  11. 2−アミノ−8−(5−メチルスルフィニル−3−ピリジル)−N,N−ジプロピル−3H−1−ベンザゼピン−4−カルボキサミド、
    2−アミノ−8−(3−メチルスルフィニルフェニル)−N,N−ジプロピル−3H−1−ベンザゼピン−4−カルボキサミド、
    2−アミノ−8−(3−エチルスルフィニルフェニル)−N,N−ジプロピル−3H−1−ベンザゼピン−4−カルボキサミド
    からなる群より選択される、請求項1に記載の式Iの化合物
    又はその薬学的に許容される塩。
  12. 求項1から11のいずれか一項に記載の式Iの化合物を含む医薬
  13. 求項1から11のいずれか一項に記載の式Iの化合物を含む、TLRアゴニストにより媒介されうる疾患の治療のための医薬
  14. 請求項1から11のいずれか一項に記載の式Iの化合物を含む、がん、自己免疫疾患、炎症、敗血症、アレルギー、喘息、移植片拒絶、移植片対宿主病、免疫不全、及び感染症からなる群より選択される疾患の治療のための医薬。
  15. 請求項1から11のいずれか一項に記載の式Iの化合物と、薬学的に許容される担体及び/又はアジュバントとを含む薬学的組成物。
  16. TLRアゴニストにより媒介されうる疾患の治療のための医薬の調製のための、請求項1から11のいずれか一項に記載の式Iの化合物の使用。
  17. がん、自己免疫疾患、炎症、敗血症、アレルギー、喘息、移植片拒絶、移植片対宿主病、免疫不全、及び感染症からなる群より選択される疾患の治療のための医薬の調製のための、請求項1から11のいずれか一項に記載の式Iの化合物の使用。
  18. 式II

    Figure 0006893501
    [上式中、R及びRは先に定義した通りであり、PGはBoc(tert−ブトキシカルボニル)、ベンジル(Bz)、及びベンジルオキシカルボニル(Cbz)から選択される保護基である]の化合物を、Pd触媒の存在下、塩基性条件下でビス(ピナコラート)ジボロンと反応させて式III

    Figure 0006893501
    [上式中、R及びRは先に定義した通りであり、PGはBoc(tert−ブトキシカルボニル)、ベンジル(Bz)、及びベンジルオキシカルボニル(Cbz)から選択される保護基である]のボロン酸エステルを得ること、及び塩基性条件下、Pd触媒の存在下で化合物IIIを式
    Figure 0006893501
    [上式中、RからR及びXは先に定義した通りである]の臭化物とカップリングさせること、及び酸性条件下で保護基PGを除去して式I
    Figure 0006893501
    [上式中、RからR及びXは先に定義した通りである]の化合物を得ること、かつ、所望であれば、得られた化合物を薬学的に許容される塩に変換すること
    を含む、請求項1に記載の式Iの化合物の製造方法。
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