JP6891286B2 - チューブリン阻害剤 - Google Patents

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Description

本発明は、医療分野に係り、特に、チューブリン阻害剤としての一連の新規の化合物と、その使用とに係る。
本発明は、さらに、当該化合物を含む医薬組成物に係る。
癌治療の主要手段として、抗腫瘍薬が、患者の生存期間を延ばし、そのクオリティ・オブ・ライフを向上するのに貢献するものと考えられる。とりわけ、微小管に作用する薬剤(微小管阻害薬)は、腫瘍学の薬剤において非常に重要なステータスを有する。しかしながら、現在の臨床薬剤は、以下の望ましくない問題を伴う。すなわち、水溶性が低いこと、薬剤投与が不便であること、アレルギー反応を起こしやすいこと、深刻な中毒性副作用と抵抗力が得られることとによって引き起こされる有効性の低下、及び複雑な化学的構造の合成が困難であることによる生産性の低さという問題であり、これらはすべて、使用の促進を限定してしまう。従って、新規のチューブリン阻害剤、特に、単純な構造を備えた小分子阻害剤を発見することが急務である。
微小管は、真核細胞の重要な構成要素であり、抗腫瘍薬の重要な標的である。微小管は、細胞骨格における主要構成要素であり、α−チューブリンヘテロダイマー及びβ−チューブリンヘテロダイマーから成り、中空筒状構造特性を有する。また、微小管の構成要素ではないものの、微小管の会合に関与するγチューブリンがある。
微小管は、重合及び解重合の動的な特性を有し、細胞形態、細胞***、シグナル伝達、及び物質搬送において重要な役割を果たす。微小管は、細胞***の早期段階で紡錘体へと重合され、これが有糸***において、染色体を2極に向かって引き付け、2つの娘細胞内に移動させて細胞増殖を完了する。微小管は、細胞***において極めて重要な役割を果たすため、現在、抗腫瘍薬研究の重要なターゲットのうちの1つとなっている。微小管系に作用するチューブリン阻害剤はまた、有効な抗腫瘍薬にも分類されている。
チューブリン阻害剤には2つの分類方法が有る。1つは、異なる機能的機構に基づいて、それらを2つのカテゴリーに分類するものであり、(1)チューブリン重合を阻害するチューブリン脱重合剤と、(2)チューブリン重合を促進するチューブリン重合剤との2つのカテゴリーに分類する。他の分類方法は、チューブリンに対するチューブリン阻害剤の異なる作用部位に基づいて、それらを3つのカテゴリーに分類するものであり、(1)コルヒチン部位に作用するチューブリン阻害剤と、(2)ビンブラスチン部位に作用するチューブリン阻害剤と、(3)パクリタキセル部位に作用するチューブリン阻害剤との3つのカテゴリ―に分類する。
既存の研究では、チューブリンには3つの主要な薬剤結合部位があることが示されてきた。すなわち、タキソール結合部位(タキソール部位)、ブンブラスチン結合部位(ブンブラスチン部位)、及びコルヒチン結合部位(コルヒチン部位)である。これら3つの部位のうち、コルヒチン部位は、その結合空洞部の容量が小さいため、小分子抗腫瘍阻害剤の研究において価値が有る。
中国特許出願CN1684955号は、癌及び真菌感染の治療のための化合物、デヒドロフェニルアヒスチン類(ピナブリン)(式II)に関連し、これらは、細胞周期阻害剤、腫瘍成長阻害剤、又は真菌阻害剤として使用可能な化合物である。
Figure 0006891286

中国特許出願CN1934101Aは、血管増殖及び血管密度を低減し、腫瘍血管に作用する上述の化合物の使用に関連する。しかしながら、プリナブリンは、単独で使用すると、腫瘍に対する阻害効果が小さく、免疫系機能の不全を生じることが多い。
本発明の目的は、置換複素環主鎖に基づく一連の化合物である、コルヒチン結合部位を標的とした新規のチューブリン阻害剤を提供することである。
阻害剤の結合部位と結合態様との構造特性を解析することにより、サブポケットと、それらのキーとなる残余機能及び潜在的な結合部位との特性が特定される。一般に普及した阻害剤構造の群から開始すると、阻害剤の構造テンプレートは、一般に普及した構造を繰り返し最適化することによって表される。そして、既存の構造−活性の関係に関する研究と組み合わせた活性立体配座から開始して、阻害剤の三次元ファーマコフォアモデルと、活性に影響を及ぼすいくつかの構造因子が提示されている。このように、新規の微小管阻害剤の設計、合成、構造変更、及びin vitroにおける活性に関する研究が進められる。
本発明はまた、上述のチューブリン剤を含有する医薬組成物も提供する。
本発明の上述の目的によると、式(I)の構造を有するチューブリン阻害剤であって、
Figure 0006891286

nは、独立して、0〜5の整数を表し、但し、n≦5であり、Aは〜C20のヒドロカルビル、C〜C20のアシルアミノ、C〜C20のアシルオキシ、C〜C20のアルカノイル、C〜C20のアルコキシカルボニル、C〜C20のアルコキシ、C〜C20のアルキルアミノ、C〜C20のアルキルカルボキシアミノ、アロイル、アラルカノイル、カルボキシル、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、及びメチルチエニルからなる群より選択された一置換基又は多置換基を表す。
より好適には、上の式(I)中、nは、独立して、0〜2の整数を表し、但し、n≦2であり、Aはビニル、メチル、トリフルオロメトキシ、メトキシ、シアノ、ハロゲン、及びベンゾイルからなる群より選択された一置換基又は多置換基を表す。
本発明の代表的な化合物として、
(3Z,6Z)−3−((E)−3−(5−tert−ブチル)−1H−イミダゾリル−4−イル)メチレ−6−((E)−3−(3−エチレンフェニル)−2−プロペニレン)ピペラジン−2,5−ジオン(6)
(3Z,6Z)−3−((E)−3−(5−tert−ブチル)−1H−イミダゾリル−4−イル)メチレ−6−((E)−3−(3−フルオロフェニル)−2−プロフェニレン)ピペラジン−2,5−ジオン(7)
(3Z,6Z)−3−((E)−3−(5−tert−ブチル)−1H−イミダゾリル−4−イル)メチレ−6−((E)−3−フェニルプロペニリン)ピペラジン−2,5−ジオン(8)
(3Z,6Z)−3−((E)−3−(5−tert−ブチル)−1H−イミダゾリル−4−イル)メチレ−6−((E)−3−(2,3−チメチルフェニル)−2−プロペニレン)ピペラジン−2,5−ジオン(9)
(3Z,6Z)−3−((E)−3−(5−tert−ブチル)−1H−イミダゾリル−4−イル)メチレ−6−((E)−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)−2−プロペニレン)ピペラジン−2,5−ジオン(10)
(3Z,6Z)−3−((E)−3−(5−tert−ブチル)−1H−イミダゾリル−4−イル)メチレ−6−((E)−3−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−プロペニレン)ピペラジン−2,5−ジオン(11)
(3Z,6Z)−3−((E)−3−(5−tert−ブチル)−1H−イミダゾリル−4−イル)メチレ−6−((E)−3−(4−メトキシフェニル)−2−プロペニレン)ピペラジン−2,5−ジオン(12)
(3Z,6Z)−3−((E)−3−(5−tert−ブチル)−1H−イミダゾリル−4−イル)メチレ−6−((E)−3−(3,5−ジメトキシフェニル)−2−プロペニレン)ピペラジン−2,5−ジオン(13)
(3Z,6Z)−3−((E)−3−(5−tert−ブチル)−1H−イミダゾリル−4−イル)メチレ−6−((E)−3−(3−クロロフェニル)−2−プロペニレン)ピペラジン−2,5−ジオン(14)
(3Z,6Z)−3−((E)−3−(5−tert−ブチル)−1H−イミダゾリル−4−イル)メチレ−6−((E)−3−(3−シアノフェニル)−2−プロペニレン)ピペラジン−2,5−ジオン(15)
(3Z,6Z)−3−((E)−3−(5−tert−ブチル)−1H−イミダゾリル−4−イル)メチレ−6−((E)−3−(3−ベンゾイルフェニル)−2−プロペニレン)ピペラジン−2,5−ジオン(16)
(3Z,6Z)−3−((E)−3−(5−tert−ブチル)−1H−イミダゾリル−4−イル)メチレ−6−((E)−3−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)−2−プロペニレン)ピペラジン−2,5−ジオン(17)
(3Z,6Z)−3−((E)−3−(5−tert−ブチル)−1H−イミダゾリル−4−イル)メチレ−6−((E)−3−(3−メトキシ−4−アセトキシ)−2−プロペニレン)ピペラジン−2,5−ジオン(18)
が挙げられる。
本発明の化合物の調整方法について、本発明の代表的化合物10を例として、以下に例示する。本発明の合成経路1は、以下の通りである。
Figure 0006891286

Figure 0006891286

経路1の方法によると、本発明の以下の代表的化合物が合成される。
Figure 0006891286

Figure 0006891286

本発明の他の目的は、種々の癌、感染症、炎症、及び従来の増殖性疾患の治療、又は、乾癬及びその他の皮膚疾患等、急速に増殖する細胞の出現を特徴とするその他の疾患の治療のために、治療に有効な量の式(I)の化合物と、薬学的に許容される担体及び/又は賦形剤とを含有する医薬組成物を提供することである。上述の治療に有効な量とは、医薬組成物中の式(I)の化合物の量が、臨床的に所望の治療効果を得るのに十分であること、例えば、患者の腫瘍の大きさが、臨床的に許容可能な範囲まで縮小されること、又はその他の疾患の治療が効果的であると臨床的に認められることを意味する。
特定の実施形態において、本発明の化合物又は医薬組成物は、肉腫、癌腫、及び/又は、白血病の治療に使用される。当該化合物又は組成物が単独又は治療規制の一部として使用可能である、一例としての疾患には、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑液膜腫、中皮腫、ユーイング肉腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、結腸癌腫、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮細胞癌腫、基底細胞癌腫、汗腺癌腫、皮脂腺癌腫、乳頭癌、乳頭状腺腫、嚢胞腺癌、髄様癌、気管支癌、腎細胞癌腫、肝細胞癌腫、胆管癌腫、絨毛癌、精上皮腫、胎生期癌、ウィルムス腫瘍、子宮頸癌、精巣腫瘍、肺癌、肺小細胞癌、膀胱癌、上皮癌、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽腫、聴神経腫、希突起神経膠腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽細胞腫、及び網膜芽細胞腫が含まれる。
いくつかの特定の実施形態によると、本発明の化合物又は組成物は、胸部、前立腺、腎臓、膀胱、又は結腸組織に形成された癌等の症状を治療するために使用される。
他の特定の実施形態によると、本発明の化合物又は医薬組成物は、脂肪細胞腫瘍(脂肪腫)、筋腫、脂肪芽細胞腫、高脂血症、褐色の脂肪腫(褐色脂肪腫)、血管腫、及び/又は、脂肪肉腫等の脂肪組織に発生する増殖性又は腫瘍性の疾患を治療するために使用される。
いくつかの実施形態によると、当該組成物及び化合物はまた、感染性物質及び寄生虫(例えば、バクテリア、トリパノソーマ、真菌等)のコントロールにも使用可能である。
本発明の医薬組成物は、例えば、静脈注射経路、皮内経路、筋肉内経路、皮下経路、経口経路、又は吸入経路により、投与可能である。医薬組成物の投薬形態は、錠剤、カプセル、又はピル等の消化系製剤とすることができる。或いは、注射又は外用製剤等の非経口製剤とすることもできる。
さらに、本発明は、腫瘍及び関連疾患の治療方法を提供する。当該方法は、癌又は関連疾患を患う患者に、式(I)の化合物を治療に有効な量、投与することからなる。
当該方法はまた、患者の微小管重合を調節する方法を提供する。当該方法は、治療に有効な量の本発明に係る少なくとも1つの化合物、又は薬学的に許容される本発明の化合物のプロドラッグ、塩、水和物、溶媒和物、結晶形態、又はジアステレオマーを投与することを含む。
本発明の化合物は、腫瘍治療のための化学療法剤との組み合わせで使用可能である。実験により、本発明の化合物は、化学療法剤との組み合わせによる使用時、腫瘍抑制効果を強化可能であり、同時に、化学療法剤の毒性を低減可能であることを実証している。最も好適な化合物は、化合物(17)であり、化学療法剤は、腫瘍の治療に一般的に使用される従来の化学療法剤とすることができる。好適な実施形態において、化合物(17)は、ドセタキセルとの組み合わせで使用されると、非常に良好な治療効果を生じる。
本発明の化合物は、チューブリンと結合し、対応する白血球及び顆粒球にほぼ影響を及ぼすことなく、癌細胞の成長及び増殖を阻害する。当該化合物によると、腫瘍増殖との闘いにおいて免疫系機能不全を生じることを低減し、臨床での使用においては、抗腫瘍薬の欠点を克服するのに成功している。このような化合物は、過剰増幅に関連づけられたその他の疾患の治療にも有用である。
図1は、同等の安全投与量における、薬剤抵抗MES−SAヌードマウス中の腫瘍重量に対する各化合物の効果を示す。 図2は、化合物(17)の抗腫瘍効果と安全試験結果とを示し、図中、Aは、ヌードマウスにおける腫瘍増殖に対する化合物の阻害効果を示し、Bは、腫瘍増殖阻害時における、ヌードマウス中の腫瘍重量に対する化合物の効果を示し、Cは、ドセタキセルとの組み合わせで化合物(17)を連続投与した後の、SDラットにおける好中球数に対する効果を示す。 図3は、同等の腫瘍阻害投与を使用した際の、ラットにおける相対好中球数に対する各化合物の効果を示す。
発明の詳細な説明
本発明の化合物の構造変更は、式(II)の上述の化合物の構造に基づくものである。そして変更のキーポイントは、ピペラジン環の1つの側鎖が二重結合を導入することによって伸張され、2つの二重結合と2つの単一結合とを備えた新たな炭素鎖を形成したことである。この実験の結果は、この変更により、腫瘍細胞に対する新たな化合物の阻害能力を強化し、白血球及び顆粒球の機能には何らの影響も及ぼすことなく、より良好な抗腫瘍効果を導くことを示している。変更された化合物の試験結果を、変更対象の側鎖に単一結合及び二重結合を有する従来の化合物と比較すると、後者の化合物は、不安定であり、常温で容易に品質低下するため、本発明の化合物の方が、より良好な安定性を有する。
以下の実施例によって本発明についてさらに説明するが、これらの実施例は、本発明の範囲を何ら限定するものでない。
一般的方法:融点を、温度の補正されたRT−1融点装置(Tianjin Analytical Instrument Factory)で測定した。1H NMRスペクトルは、Bruker AV400(400MHz)分光器で記録し、TMSの百万分率(ppm)で低磁場として記述した。赤外スペクトルは、Nicoret Magna550FT−IRフーリエ分光光度計で記録した。質量スペクトルは、HP1100 Esquire 2000液体クロマトグラフィ/質量分光器で記録した。UVスペクトルは、Shimadzu UV2410分光光度計で記録した。TLCは、シリカゲルGF254高効率プレート(Yantai Zhifu Silica Gel Development Test Plant)上で実施した。旋光度測定は、WZZ−1S旋光度測定器(Shanghai Precision Scientific Instrument Co.,Ltd.)で実施した。
実施例において、式(I)の化合物は、経路1で合成した。
実施例1
Figure 0006891286

化合物Aの調製には、中国特許CN1684955号に記載の実施例2の合成経路Aを参照した。

Figure 0006891286

4−トリフルオロメトキシベンズアルデヒド3(19.0g、0.10mol)、ホルミルメチレントリフェニルホスファン4(33.5g、0.11mol)、及びトルエン(200ml)を、1Lの乾燥したシングルネックフラスコに添加した。この反応システムを17時間、還流した後、濃縮し、粗生成物をカラムクロマトグラフィ(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル:100/1〜80/20)で精製して、黄色油5(14,9g、収率:69%)を得た。ESI−MS:m/z=217.1(M+H)であった。
Figure 0006891286

DMF(100ml)、中間物質A(1.38g、5mmol)、3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)プロペナル5(2.16g、10mmol)及び炭酸(3.26g、10mmol)を、250mlの乾燥したシングルネックフラスコに添加した。反応システムを25℃にて12時間、攪拌した。混合物を室温まで冷却し、氷水中に注ぎ込んだ後、酢酸エチルで抽出した。有機層を塩水で3度洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過及び濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物を石油エーテル/酢酸エチル(5/1)で洗浄し、鮮黄色の固形物10(1.69mg、収率:38%)を得た。ESI−MS:m/z=447.2(M+H)+;1H−NMR:(500MHz、DMSO‐d6)δ7.84−7.78(m、2H)、7.70−7.68(d,J=8.4Hz、2H)、7.38−7.36(d,J=8.4Hz、2H)、6.93−6.89(d,J=15.6Hz、1H)、6.88−6.85(m、1H)、6.53−6.50(d,J=12Hz、1H)、1.38(s、9H)である。
実施例2〜11
中間物質Aは、ステップ1及び2で調製したが、これは、実施例1のステップ1及び2と同一である。他の中間生成物及び最終生成物の調製方法については、以下の表に一覧表示する。
Figure 0006891286
Figure 0006891286
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Figure 0006891286
Figure 0006891286



実施例14:細胞レベルの阻害実験
目的:CCK−8試験キットを使用して、5つの細胞系統(MDA−MB−231、HT−1080、AGS、A−673、及びHUVEC)に対する14個の候補化合物の細胞毒性IC50値を試験すること。
材料及び方法:
細胞株:
MDAH−MB−231Hヒト乳癌細胞系統(Shanghai Cell Resource Center,Chinese Academy of Sciencesより購入)
T−1080ヒト線維肉腫細胞系統(Shanghai Cell Resource Center,Chinese Academy of Sciencesより購入)
AGSヒト胃腺癌細胞系統(Shanghai Cell Resource Center,Chinese Academy of Sciencesより購入)
A−673ヒト横紋筋肉腫細胞系統(Shanghai Cell Resource Center,Chinese Academy of Sciencesより購入)
HUVECヒト人体静脈内皮細胞系統(ScienCell Research Laboratories,Cat#8000,Lot#11233より購入)
試薬及び材料
細胞計数キット−8(Cat#CK04−13,Dojindo)
96ウェル培養プレート(Cat#3599、Corning Costar)
培地及びウシ胎仔血清(GIBCO)
培地:ECM内皮細胞培地(Cat#1001、ScienCell Research Laboratories)
ベンチトップマイクロプレートリーダ:SpectraMax M5 Microplate Reader(Molecular Devices)
実験手順
試薬調製
Figure 0006891286

化合物の調製
a)化合物は、2倍階段希釈を使用して、0.5μMから開始したDMSOで段階希釈した。
IC50実験(CCK−8検出)
対数増殖期の細胞を収集及び計数した。これらの細胞を、細胞密度最適化試験の結果に応じて濃度を調節した完全培地中で再懸濁し、各ウェルに100μlの細胞懸濁液を入れて、96ウェルプレート内に播種した。これらの細胞を、37℃、100%の相対湿度、5%のCOインキュベータで24時間、培養した。
b)試験化合物は、培地により、対応する作用濃度設定で希釈し、25μl/ウェルでプレート内の細胞に添加した。試験化合物は、9つの最終作用濃度で調製したが、これらは、2倍階段希釈を使用して500μMから連続希釈して得た。
c)細胞を、37℃、100%の相対湿度、5%COインキュベータで72時間、培養した。
d)培地を細胞から取り除き、10%CCK−8を含有する完全培地を添加し、37℃インキュベータで1〜4時間、培養した。
e)やさしく振動させた後、SpectraMax M5マイクロプレートリーダにより、450nmのサンプルの吸光度を測定し、参照として、650nmにおける吸光度を使用して、抑制率を計算した。
データ処理
腫瘍細胞の成長に対する薬剤の抑制率は、以下の通り、計算した。腫瘍細胞成長抑制%=[(Ac−As)/(Ac−Ab)]×100%
As:サンプルのOA(細胞+CCK−8+試験化合物)
Ac:ネガティブコントロールのOA(細胞+CCK−8+DMSO)
Ab:ポジティブコントロールのOA(培地+CCK−8+DMSO)
IC50曲線を合致させ、ソフトウェアGraphpad Prism 5及び計算式log(阻害剤)vs正規化応答−可変勾配又はlog(阻害剤)vs応答−可変勾配を使用して計算した。
実験結果
本実験では、5つの細胞株(MDA−MB−231、HT−1080、AGS、A−673、及びHUVEC)に対する7つの候補化合物に対する細胞毒性効果を試験した。実験結果を以下の表に示している。
Figure 0006891286

これらの結果は、上述の化合物が、試験対象の腫瘍細胞株に強力な阻害効果を有することを示している。参照薬剤の(−)ファニルアヒスチン(市販)と比較すると、本発明に係る試験対象の化合物は、腫瘍に対して非常に良好な阻害活性を有する(表4を参照のこと)。
実施例15:腫瘍増殖に対する阻害効果
実験方法:
MES−SA細胞(ATCC由来)は、十分な細胞生存率を維持するため、長時間に亘って低濃度のアドリアマイシン中で培養し、p−糖タンパク質の発現を誘発した。10か月の培養後、誘発された発現の結果をWBで検出した。誘発に成功した後、細胞をアドリアマイシンを含有しない培地で1週間、培養した。濃度を調整した腫瘍をヌードマウスの脇の下に接種した。移植された腫瘍を特定の質量まで成長させる際には、異なる薬剤で治療を施した。動物の体重に影響を与えない薬剤投与量、すなわち、腫瘍の移植された動物を治療するために投与される投与量を調べるため、ブランクマウスに異なる投与量で異なる薬剤を投与した。
これらの結果は、動物の体重を低下させない投与量での投与時、異なる薬剤では、ヌードマウス中の腫瘍抑制率に特定の差異があった。とりわけ、(−)フェニルアヒスチンは、毒性のない投与量で単独で使用されたとき、腫瘍増殖に対してほぼ効果がない。またドセタキセル(市販)は、著しい毒性を伴わない投与量での薬力学的効果が相対的に低かった。ブランクビークル群と比較すると、化合物7、化合物10、化合物12、化合物15、及び化合物17は、動物の体重増加に何らの著しい影響も及ぼさない投与量で、抗腫瘍増殖効果を著しく発揮することができる(P<0.01、Dunnet−t)(図1)。
本実施例において、同一の薬力学的投与量における、異なる組織及び臓器の血流分布に対する薬剤の効果を同時に試験した。投与から2時間後、ドセタキセル群の腫瘍組織中の1つを含む血流分布は、ブランクビークル群のものと同様であった。しかしながら、化合物7、化合物10、化合物12、化合物15、化合物17、及び(−)フェニルアヒスチンは、腫瘍組織以外の組織における血流分布に著しく影響を及ぼすことはなかった。化合物7、化合物10、化合物12、化合物15、化合物17、及び(−)フェニルアヒスチンの群は、ブランクビークル群と比較して、腫瘍組織内の腫瘍内血流分布を著しく低減することができた。
実施例16:化合物の抗腫瘍効果及び安全性
腫瘍細胞を接種したヌードマウスに、ブランクビークル、ドセタキセル、化合物17と、ドセタキセル及び化合物17の組み合わせ薬剤とを投与した。投与後、異なる期間で腫瘍質量を測定し、腫瘍質量の変化を評価した。同時に、ヌードマウスの体重変化を調べ、薬剤の抗腫瘍効果と毒性程度とを評価した。また、上述の投与及びグループ化方法に基づき、薬剤の好中球数に対する影響を評価するため、投与前、且つ、最終投与後に、正常SDの血液好中球数レベルを測定した。実験結果は、化合物17がin vivoで腫瘍の増殖を効果的に抑制可能であることを示している。その抗腫瘍活性は、ドセタキセルとの組み合わせで、著しく向上される。組み合わせ療法により、単一の薬剤治療としてドセタキセルの全体的な悪影響を効果的に低減し、具体的には、ドセタキセルの毒性によって生じる動物の体重減少を抑える。正常ラットにドセタキセルと化合物17とを組み合わせて投与した後、好中球数は、ドセタキセルを単独で使用した場合に比較して、著しく増加した。ドセタキセルによって生じる好中球数減少に関連の悪影響は、効果的に解消された。総合的に比較すると、腫瘍に対する化合物17の効果は、動物の総合的な生理的状態に影響を及ぼさない投与量でドセタキセルを投与した場合を著しく上回った。すなわち、化合物17の腫瘍治療範囲は、ドセタキセルを著しく上回った。一方、ドセタキセルと化合物17との組み合わせにより、ドセタキセルの毒性を効果的に低減し、抗腫瘍効果を向上することができた(図2)。
実施例17:好中球数に対する効果
実験方法:
異なる薬剤を複数の投薬量で各々、ヌードマウスに投与し、ヌードマウスに移植された腫瘍を抑制する薬剤の効能を調査した。ラットへの投与前に、この調査に基づき、各薬剤の同一投与量を特定し、ラットへの投与量に変換した。すなわち、相対的に同一の薬力学的投与量をラットに投与することにより、薬剤の好中球数に対する効果を調べた。2週間、連続投与した後、血液サンプルを収集して、好中球数を測定した(図3)。
この結果は、同等の薬力学的投与量でラットに各化合物を連続投与した後、従来の抗腫瘍薬であるドセタキセルが、ラット中の好中球数を著しく低下し得ることを示しており、これらのラットは、生理的状態にないことが観察された。ドセタキセルと比較すると、(−)フェニルアヒスチンは、同等の薬力学的投与量で好中球を減らす効果は低かったものの、好中球数は、依然として、ブランクビークル群及び治療群より著しく低かった(P<0.01、Dunnet−t)。しかしながら、化合物7、化合物10、化合物12、化合物15、及び化合物17の群は、他の薬剤と同等の薬力学的投与量で好中球に対して明らかな効果を示さなかった(P>0.05、Dunnet−t)。従って、化合物7、化合物10、化合物12、化合物15、及び化合物17は、腫瘍の増殖を阻害しつつ、好中球の減少という望ましくない反応を効果的に防ぐことができる。動物の体重の変動傾向は、好中球数の変化率とポジティブに相関する。
実施例18:微小管機能に対する作用
本研究においては、ヒト靭帯静脈内皮細胞(CambrexのHuVEC)を使用した。α−チューブリンを染色し、チューブリンに対する化合物7、10、12、15、17及びtert−ブチル−フェニルアヒスチンの効果を、コルヒチン及びパクリタキセルとの比較で評価した。
DMSOコントロールにおいて観察されるものとは対照的に、化合物7、10、12、15、17、tert−ブチル−フェニルアヒスチン又はコルヒチン(すべて、2μM)に30分間露出したとき、HuVEC細胞において、微小管解重合(無損傷微小管構造の欠如により発現)と細胞小胞化が誘発された。このような条件下において、パクリタキセルは、微小管解重合を誘発しなかった。コルヒチンは、既知の微小管解重合剤であり、パクリタキセルは、チューブリン安定剤である。CCD−27sk細胞が化合物7、10、12、15、17、又はコルヒチンに露出されたとき、同様の結果を観察することができる。
実施例19:医薬組成物
本発明の化合物を生理学的に許容可能な担体又はビークルと組み合わせることにより、種々の充填剤及び結合剤を伴う錠剤又はカプセルの投与形態の凍結乾燥粉末等の医薬組成物を提供してもよい。。同様に、化合物は、その他の薬剤と同時投与可能である。同時投与とは、薬剤の組み合わせの効果を得るように、患者に少なくとも2つの薬剤を投与することをいう。例えば、薬剤は、同時に投与も可能であり、又は時間的に連続して投与も可能である。当該組成物中の化合物の効果的な投薬量は、広範に亘る経験から当業者によって判定可能である。さらに、本発明の化合物は、単独でも使用可能であり、又は、症状及び所望の治療効果に応じて、1つ以上の追加の薬剤との組み合わせにおいても使用可能である。本発明における計画的な組み合わせ治療には、単一の製剤製法並びに別個の製薬製法において、追加の薬剤とともに本発明の化合物を投与することが含まれる。
本発明の化合物は、単独で投与も可能であり、又は、薬学的に許容される担体又は希釈剤、任意で医薬組成物中の微結晶性セルロース等の既知の補助剤とともに投与することも可能である。当該化合物又は上述の組成物は、哺乳動物に投与可能であり、標準の薬務に応じてヒトに投与可能であることが好ましい。投与経路は、経口経路であるか、又は、静脈投与注射、筋肉内投与経路、腹腔内投与経路、皮下投与経路、直腸投与経路、及び局所投与経路を含む、非経口経路である。
本発明の化学療法化合物の経口投与には、例えば、錠剤、カプセル、水溶液、又は懸濁液の形態で、選択された化合物が投与されてもよい。ラクトース及びコーンスターチを含む、一般的に使用される担体と、ステアリン酸マグネシウム等の潤滑油が、多くの場合、経口用錠剤に添加される。カプセルの経口による適用には、ラクトース及び乾燥コーンスターチを含む希釈剤が使用されてもよい。水性懸濁液が経口による適用に必要とされるときには、活性材料が乳化剤及び懸濁剤と混合される。所望に応じて、特定の甘味剤及び/又は香料が添加されてもよい。筋肉内、腹腔内、皮下、又は静脈注射の適用では、等浸透圧製法を達成できるように、溶質の総濃度が制御されなければならない。
19.1化合物17を含有する医薬組成物
製法1:
化合物17 2mg
ドセタキセル 4mg
微結晶性セルロース 80mg
ラクトース 98mg
低置換ヒドロキシプロピルセルロース 1mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
合計 187mg
製法2:
化合物17 4mg
ドセタキセル 8mg
微結晶性セルロース 80mg
ラクトース 98mg
架橋ナトリウムカルボキシメチルセルロース 5mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
合計 200mg
製法3:
化合物17 10mg
ドセタキセル 20mg
微結晶性セルロース 80mg
ラクトース 100mg
架橋ポリビドン 8mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
合計 215mg
製法4:
化合物17 20mg
ドセタキセル 40mg
ラクトース 150mg
架橋ポリビドン 8mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
合計 220mg
製法5:
化合物17 20mg
ドセタキセル 40mg
微結晶性セルロース 80mg
ラクトース 98mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
合計 240mg
製法6:
化合物17 40mg
ドセタキセル 80mg
微結晶性セルロース 80mg
ラクトース 98mg
架橋ポリビドン 5mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
合計 305mg
製法7:
化合物17 80mg
ドセタキセル 160mg
微結晶性セルロース 80mg
ラクトース 98mg
架橋ポリビドン 5mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
合計 425mg
19.2組成物の調製方法
本発明の活性化合物、崩壊剤、及び充填剤を比例するように抽出し、60〜100メッシュの篩を通過させ、均一に混合した。エタノールにおける2〜20%のポリビドンK30溶液を使用して湿潤用の塊を調製し、これを20〜50メッシュの篩で造粒及び通過させ、粒子中水分が3%以内に制御されるまで、40〜90℃で乾燥した。破砕プロセスを行った後、粒子を特定量の潤滑油と均一に混合して錠剤とした。
特に、上述の実施例の医薬組成物は、以下の方法によって調製されてもよい。つまり、化合物17、7、充填剤、及び崩壊剤を、規定量の50倍、連続的に60メッシュ及び80メッシュの篩を通過させ、均一に混合した。50%エタノール中の2〜20%のポリビドンK30溶液を使用して、湿潤用の塊を調製したが、これを、粒子中水分が3%以内に制御されるまで、30メッシュの篩で造粒し、60℃で乾燥させた。20メッシュの篩を用いた破砕プロセス後、粒子を特定量の潤滑油と均一に混合して錠剤とした。
実施例20:安定性調査
得られた化合物に安定性調査(10日間の加速試験)を施した。試験条件には、40℃、60℃、湿度75%、湿度92.5%、及び照明が含まれる。各条件下で、湿度、純度、最大単一不純物、及び試験対象化合物の全体不純物を、0日目のものと比較した。これらの結果は、得られた化合物が安定的であることを示している。しかしながら、(−)フェニルアフィスチンは、60℃で明らかに品質低下を示し、高温で(−)ファニルアヒスチンの安定性に影響を及ぼすことを示している。
Figure 0006891286

Figure 0006891286

以上の説明は、本発明の範囲を限定することを意図するものでなく、本発明の一般的原則と実質的に異ならない修正及び変更に基づくあらゆる変形例も、本発明の範囲内であり、新規の発明と見做されてはならない。

Claims (8)

  1. 式(I)で表される化合物であって、
    Figure 0006891286

    nは、独立して、0〜5の整数を表し、但し、n≦5であり、Aは〜C20のヒドロカルビル、C〜C20のアシルアミノ、C〜C20のアシルオキシ、C〜C20のアルカノイル、C〜C20のアルコキシカルボニル、C〜C20のアルコキシ、C〜C20のアルキルアミノ、C〜C20のアルキルカルボキシアミノ、アロイル、アラルカノイル、カルボキシル、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、及びメチルチエニルからなる群より選択された一置換基又は多置換基を表す化合物。
  2. 式(I)中、nは、独立して、0〜2の整数を表し、但し、n≦2であり、Aはビニル、メチル、トリフルオロメトキシ、メトキシ、シアノ、ハロゲン、およびベンゾイルからなる群より選択される一置換基又は多置換基を表す請求項1に記載の化合物。
  3. 以下の化合物、すなわち、
    (3Z,6Z)−3−((E)−3−(5−tert−ブチル)−1H−イミダゾリル−4−イル)メチレン−6−((E)−3−(3−エチレンフェニル)−2−プロペニレン)ピペラジン−2,5−ジオン(6)
    Figure 0006891286

    (3Z,6Z)−3−((E)−3−(5−tert−ブチル)−1H−イミダゾリル−4−イル)メチレン−6−((E)−3−(3−フルオロフェニル)−2−プロフェニレン)ピペラジン−2,5−ジオン(7)
    Figure 0006891286

    (3Z,6Z)−3−((E)−3−(5−tert−ブチル)−1H−イミダゾリル−4−イル)メチレン−6−((E)−3−フェニルプロペニリン)ピペラジン−2,5−ジオン(8)
    Figure 0006891286

    (3Z,6Z)−3−((E)−3−(5−tert−ブチル)−1H−イミダゾリル−4−イル)メチレン−6−((E)−3−(2,3−チメチルフェニル)−2−プロペニレン)ピペラジン−2,5−ジオン(9)
    Figure 0006891286

    (3Z,6Z)−3−((E)−3−(5−tert−ブチル)−1H−イミダゾリル−4−イル)メチレン−6−((E)−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)−2−プロペニレン)ピペラジン−2,5−ジオン(10)
    Figure 0006891286

    (3Z,6Z)−3−((E)−3−(5−tert−ブチル)−1H−イミダゾリル−4−イル)メチレン−6−((E)−3−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−プロペニレン)ピペラジン−2,5−ジオン(11)
    Figure 0006891286

    (3Z,6Z)−3−((E)−3−(5−tert−ブチル)−1H−イミダゾリル−4−イル)メチレン−6−((E)−3−(4−メトキシフェニル)−2−プロペニレン)ピペラジン−2,5−ジオン(12)
    Figure 0006891286

    (3Z,6Z)−3−((E)−3−(5−tert−ブチル)−1H−イミダゾリル−4−イル)メチレン−6−((E)−3−(3,5−ジメトキシフェニル)−2−プロペニレン)ピペラジン−2,5−ジオン(13)
    Figure 0006891286

    (3Z,6Z)−3−((E)−3−(5−tert−ブチル)−1H−イミダゾリル−4−イル)メチレン−6−((E)−3−(3−クロロフェニル)−2−プロペニレン)ピペラジン−2,5−ジオン(14)
    Figure 0006891286

    (3Z,6Z)−3−((E)−3−(5−tert−ブチル)−1H−イミダゾリル−4−イル)メチレン−6−((E)−3−(3−シアノフェニル)−2−プロペニレン)ピペラジン−2,5−ジオン(15)
    Figure 0006891286

    (3Z,6Z)−3−((E)−3−(5−tert−ブチル)−1H−イミダゾリル−4−イル)メチレン−6−((E)−3−(3−ベンゾイルフェニル)−2−プロペニレン)ピペラジン−2,5−ジオン(16)
    Figure 0006891286

    (3Z,6Z)−3−((E)−3−(5−tert−ブチル)−1H−イミダゾリル−4−イル)メチレン−6−((E)−3−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)−2−プロペニレン)ピペラジン−2,5−ジオン(17)
    Figure 0006891286

    (3Z,6Z)−3−((E)−3−(5−tert−ブチル)−1H−イミダゾリル−4−イル)メチレン−6−((E)−3−(3−メトキシ−4−アセトキシ)−2−プロペニレン)ピペラジン−2,5−ジオン(18)
    Figure 0006891286

    からなる群より選択される請求項1又は2に記載の化合物。
  4. 医薬組成物であって、
    請求項1〜3に記載の化合物のうちのいずれか1つより選択された化合物を、治療に有効な量、含有する医薬組成物。
  5. 薬学的に許容される担体及び/又は賦形剤をさらに含有する請求項4に記載の医薬組成物。
  6. 腫瘍治療のための薬剤製造における、請求項1の前記化合物の使用。
  7. 腫瘍治療のための薬剤製造における、化学療法剤との組み合わせによる、請求項1の前記化合物の使用。
  8. 前記化合物は、(3Z,6Z)−3−((E)−3−(5−tert−ブチル)−1H−イミダゾリル−4−イル)メチレン−6−((E)−3−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)−2−プロペニレン)ピペラジン−2,5−ジオン(17)であり、前記化学療法剤はドセタキセルである、請求項7に記載の使用。
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