JP2021176820A - キナゾリン化合物を有効成分とする医薬組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】膵臓癌、特にKRAS G12C変異陽性膵臓癌の治療用医薬組成物を提供する。【解決手段】本発明者らは、G12C変異KRAS阻害作用を有する化合物について検討し、特定のキナゾリン化合物がG12C変異KRAS阻害作用を有し、これらの化合物を有効成分として含有する医薬組成物が膵臓癌、特にKRAS G12C変異陽性膵臓癌に対する治療効果を有することを確認し、本発明を完成した。【選択図】なし
Description
本発明は、キナゾリン化合物又はその製薬学的に許容される塩を有効成分とする膵臓癌の治療用医薬組成物に関する。
膵管腺癌が主である膵臓癌は、5年生存率が10%以下(CA Cancer J. Clin., 66, 7, 2016)と非常に予後が悪い癌であり、世界中で年間34万人ほどが新たに症例として報告されている(GLOBOCAN 2012)。さらにアメリカ合衆国においては2030年には死亡者数が2位になると予想されている(Cancer Res., 74, 2913, 2014)。膵臓癌の治療で最も有効な手段は外科的手術だが、早期発見が難しいために転移していることが多く、外科的手術が適用できないことが多いのが現状である。手術適応とならない場合は化学療法や放射線療法が採用されるが生存率は芳しくない状況である。過去に抗vascular endothelial growth factor(VEGF)抗体、マルチキナーゼ阻害剤やRAS下流因子の阻害剤などの臨床試験が行われたが、明確な予後延長は見られていない(Nature Rev. Gastroenterol. Hepatol., 15, 333, 2018、Semin. Cancer Biol., Epub ahead of print, 2018)。
RASタンパク質は188-189個のアミノ酸から成る約21kDaの低分子グアノシン三リン酸(GTP)結合タンパク質であり、KRAS遺伝子、NRAS遺伝子、HRAS遺伝子の3つの遺伝子より生じる4種類の主要なタンパク質[KRAS(KRAS4A及びKRAS4B)、NRAS、HRAS]が存在する。RASタンパク質には活性型であるGTP結合型と、不活性型であるグアノシン二リン酸(GDP)結合型が存在する。RASタンパク質は、EGFRなど細胞膜受容体へのリガンド刺激等により、GDPとGTPが交換されることにより、活性化する。活性型RASは、RAF、PI3K、RALGDSなど20種類に及ぶエフェクタータンパク質と結合し、下流のシグナルカスケードを活性化する。一方、活性型RASは内在性のGTP加水分解酵素(GTPase)活性により、GTPがGDPへと変換されることで不活性型となる。このGTPase活性はGAP(GTPase活性化タンパク質)によって増強される。このことから、RASは、EGFRなどの細胞内シグナル伝達経路における重要な「分子スイッチ」の機能を担っており、細胞の成長、増殖、血管生成などの過程において、重要な役割を果たしている(Nature rev. cancer, 11, 761, 2011、Nature rev. drug discov., 13, 828, 2014、Nature rev. drug discov., 15, 771, 2016)。
RAS遺伝子の突然変異によりアミノ酸置換が生じると、RASのGTPaseとしての機能低下やGAPに対する親和性低下により、活性型の割合が増加すると考えられている。このことに起因する過剰なシグナル伝達が、発がんや、がんの増殖亢進をもたらすとされている。膵管腺癌は膵上皮内腫瘍性病変/pancreatic intraepithelial neoplasia (PanIN)において異形の弱い段階から強い段階を経て発生するとされており、KRAS遺伝子変異は初期段階のPanINですでに認められている。その後腫瘍抑制遺伝子のINK4A、p53やSMAD4の異常が生じ、悪性化する(Nature Rev. Cancer, 10, 683, 2010)。さらに、膵管腺癌の90%以上においてKRAS遺伝子に変異が認められており、中でもKRASエクソン2に位置するコドン12の点突然変異がその大多数を占める(Cancer Cell 32, 185, 2017)。このことから、KRASは膵臓癌の発がんや発展過程において、重要な役割を担っている。
近年、G12C変異KRASに対し、スイッチIIと呼ばれる領域の近傍にアロステリックポケットの存在が示される(Nature, 503, 548, 2013)と共に、変異システインに対して共有結合を形成することにより、不可逆的にG12C変異KRASと結合する化合物が報告された(Cancer Discov., 6, 316, 2016、Cell, 172, 578, 2018)。G12C変異KRAS選択的な阻害剤は、G12C変異KRASに対し共有結合することにより、不活性型から活性型への変換を阻害し、下流シグナルを遮断することでがん細胞死を誘導する。膵臓癌の数%においてG12C変異KRASが認められていることから(Cancer Cell 25, 272, 2014)、本作用機序を持つ化合物は、KRAS G12C変異陽性膵臓癌の治療に有用であると考えられる。
下記の式(A)及び式(B)で示される化合物が、G12C変異KRASに対して結合能を有することが報告されている(特許文献1、2及び3)。
また非特許文献1には、特許文献1に開示された実施例353の化合物(ARS-1620ともいう)が、ヒトKRAS G12C変異陽性膵臓癌株MIA PaCa-2に対して細胞増殖阻害作用を有し、MIA PaCa-2担癌ヌードマウスモデルにおいて抗腫瘍作用を示すことが報告されている。
Cell、2018年、第172巻、第3号、p.578−589
膵臓癌の治療用医薬組成物、ある態様としてはKRAS G12C変異陽性膵臓癌治療用医薬組成物を提供する。
本発明者らは、膵臓癌の治療用医薬組成物、特にKRAS G12C変異陽性膵臓癌治療用医薬組成物の創製を目的に、G12C変異KRAS阻害作用を有する化合物について鋭意検討した結果、本発明のキナゾリン化合物又はその製薬学的に許容される塩が優れたG12C変異KRAS阻害作用を有し、これらの化合物を有効成分とする医薬組成物が膵臓癌の治療用医薬組成物として有用であることを知見して本発明を完成させた。
即ち、本発明は、
(+)-1-{7-[6-シクロプロピル-2-{[1-(3-メトキシプロピル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-7-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)キナゾリン-4-イル]-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナ-2-イル}プロパ-2-エン-1-オン(以下、「化合物A」と記載することがある)、
(+)-1-{7-[6-シクロプロピル-2-{[1-(2-メトキシエチル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-7-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)キナゾリン-4-イル]-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナ-2-イル}プロパ-2-エン-1-オン(以下、「化合物B」と記載することがある)、
(+)-1-{7-[2-{[1-(2-メトキシエチル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-7-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)-6-ビニルキナゾリン-4-イル]-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナ-2-イル}プロパ-2-エン-1-オン(以下、「化合物C」と記載することがある)、及び、
(+)-1-(7-{8-エトキシ-7-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ]-6-ビニルキナゾリン-4-イル}-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナ-2-イル)プロパ-2-エン-1-オン(以下、「化合物D」と記載することがある)、
からなる群から選択される化合物、又はその製薬学的に許容される塩、及び製薬学的に許容される賦形剤を含有する膵臓癌の治療用医薬組成物に関する。
即ち、本発明は、
(+)-1-{7-[6-シクロプロピル-2-{[1-(3-メトキシプロピル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-7-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)キナゾリン-4-イル]-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナ-2-イル}プロパ-2-エン-1-オン(以下、「化合物A」と記載することがある)、
(+)-1-{7-[6-シクロプロピル-2-{[1-(2-メトキシエチル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-7-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)キナゾリン-4-イル]-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナ-2-イル}プロパ-2-エン-1-オン(以下、「化合物B」と記載することがある)、
(+)-1-{7-[2-{[1-(2-メトキシエチル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-7-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)-6-ビニルキナゾリン-4-イル]-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナ-2-イル}プロパ-2-エン-1-オン(以下、「化合物C」と記載することがある)、及び、
(+)-1-(7-{8-エトキシ-7-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ]-6-ビニルキナゾリン-4-イル}-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナ-2-イル)プロパ-2-エン-1-オン(以下、「化合物D」と記載することがある)、
からなる群から選択される化合物、又はその製薬学的に許容される塩、及び製薬学的に許容される賦形剤を含有する膵臓癌の治療用医薬組成物に関する。
また、本発明は、化合物A、化合物B、化合物C及び化合物Dからなる群から選択される化合物、又はその製薬学的に許容される塩を含有する膵臓癌の治療剤、別の態様として、化合物A、化合物B、化合物C及び化合物Dからなる群から選択される化合物、又はその製薬学的に許容される塩を含有するKRAS G12C変異陽性膵臓癌の治療剤である。
また、本発明は、膵臓癌の治療用医薬組成物の製造のための、化合物A、化合物B、化合物C及び化合物Dからなる群から選択される化合物、又はその製薬学的に許容される塩の使用、ある態様としては、KRAS G12C変異陽性膵臓癌治療用医薬組成物の製造のための、化合物A、化合物B、化合物C及び化合物Dからなる群から選択される化合物、又はその製薬学的に許容される塩の使用;膵臓癌の治療のための、化合物A、化合物B、化合物C及び化合物Dからなる群から選択される化合物、又はその製薬学的に許容される塩の使用、ある態様としてはKRAS G12C変異陽性膵臓癌治療のための、化合物A、化合物B、化合物C及び化合物Dからなる群から選択される化合物、又はその製薬学的に許容される塩の使用;膵臓癌の治療の使用のための、化合物A、化合物B、化合物C及び化合物Dからなる群から選択される化合物、又はその製薬学的に許容される塩、ある態様としてはKRAS G12C変異陽性膵臓癌の治療の使用のための、化合物A、化合物B、化合物C及び化合物Dからなる群から選択される化合物、又はその製薬学的に許容される塩;及び、化合物A、化合物B、化合物C及び化合物Dからなる群から選択される化合物、又はその製薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与することからなる膵臓癌の治療方法、ある態様としては、化合物A、化合物B、化合物C及び化合物Dからなる群から選択される化合物、又はその製薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与することからなるKRAS G12C変異陽性膵臓癌の治療方法に関する。なお、「対象」とは、その治療を必要とするヒト又はその他の動物であり、ある態様としては、その治療を必要とするヒトである。
本発明の医薬組成物の有効成分である化合物A、化合物B、化合物C及び化合物Dからなる群から選択される化合物、又はその製薬学的に許容される塩は、G12C変異KRAS阻害作用を有し、膵臓癌の治療用医薬組成物、ある態様としてKRAS G12C変異陽性膵臓癌の治療用医薬組成物の有効成分として使用できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
「G12C変異」とは、遺伝子変異のうち、野生型タンパク質における12番目に相当する残基がグリシンからシステインに変換している変異を示す。
「G12C変異KRAS」とは、KRASをコードする遺伝子において、上記「G12C変異」を有するKRASを示す。
本発明のある態様を以下に示す。
(1−1)化合物A又はその製薬学的に許容される塩、及び製薬学的に許容される賦形剤を含有する膵臓癌の治療用医薬組成物。別の態様として、化合物A又はその製薬学的に許容される塩、及び製薬学的に許容される賦形剤を含有するKRAS G12C変異陽性膵臓癌治療用医薬組成物。
(1−2)化合物A又はその製薬学的に許容される塩を含有する膵臓癌の治療剤。別の態様として、化合物A又はその製薬学的に許容される塩を含有するKRAS G12C変異陽性膵臓癌の治療剤。
(1−3)膵臓癌の治療用医薬組成物の製造のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用。別の態様として、KRAS G12C変異陽性膵臓癌治療用医薬組成物の製造のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用。
(1−4)膵臓癌の治療のための化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用。別の態様として、KRAS G12C変異陽性膵臓癌の治療のための化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用。
(1−5)膵臓癌の治療の使用のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩。別の態様として、KRAS G12C変異陽性膵臓癌の治療の使用のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩。
(1−6)化合物A又はその製薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与することからなる、膵臓癌の治療方法。別の態様として、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与することからなる、KRAS G12C変異陽性膵臓癌の治療方法。
(1−1)化合物A又はその製薬学的に許容される塩、及び製薬学的に許容される賦形剤を含有する膵臓癌の治療用医薬組成物。別の態様として、化合物A又はその製薬学的に許容される塩、及び製薬学的に許容される賦形剤を含有するKRAS G12C変異陽性膵臓癌治療用医薬組成物。
(1−2)化合物A又はその製薬学的に許容される塩を含有する膵臓癌の治療剤。別の態様として、化合物A又はその製薬学的に許容される塩を含有するKRAS G12C変異陽性膵臓癌の治療剤。
(1−3)膵臓癌の治療用医薬組成物の製造のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用。別の態様として、KRAS G12C変異陽性膵臓癌治療用医薬組成物の製造のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用。
(1−4)膵臓癌の治療のための化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用。別の態様として、KRAS G12C変異陽性膵臓癌の治療のための化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用。
(1−5)膵臓癌の治療の使用のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩。別の態様として、KRAS G12C変異陽性膵臓癌の治療の使用のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩。
(1−6)化合物A又はその製薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与することからなる、膵臓癌の治療方法。別の態様として、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与することからなる、KRAS G12C変異陽性膵臓癌の治療方法。
(2−1)化合物B又はその製薬学的に許容される塩、及び製薬学的に許容される賦形剤を含有する膵臓癌の治療用医薬組成物。別の態様として、化合物B又はその製薬学的に許容される塩、及び製薬学的に許容される賦形剤を含有するKRAS G12C変異陽性膵臓癌治療用医薬組成物。
(2−2)化合物B又はその製薬学的に許容される塩を含有する膵臓癌の治療剤。別の態様として、化合物B又はその製薬学的に許容される塩を含有するKRAS G12C変異陽性膵臓癌の治療剤。
(2−3)膵臓癌の治療用医薬組成物の製造のための、化合物B又はその製薬学的に許容される塩の使用。別の態様として、KRAS G12C変異陽性膵臓癌治療用医薬組成物の製造のための、化合物B又はその製薬学的に許容される塩の使用。
(2−4)膵臓癌の治療のための化合物B又はその製薬学的に許容される塩の使用。別の態様として、KRAS G12C変異陽性膵臓癌の治療のための化合物B又はその製薬学的に許容される塩の使用。
(2−5)膵臓癌の治療の使用のための、化合物B又はその製薬学的に許容される塩。別の態様として、KRAS G12C変異陽性膵臓癌の治療の使用のための、化合物B又はその製薬学的に許容される塩。
(2−6)化合物B又はその製薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与することからなる、膵臓癌の治療方法。別の態様として、化合物B又はその製薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与することからなる、KRAS G12C変異陽性膵臓癌の治療方法。
(2−2)化合物B又はその製薬学的に許容される塩を含有する膵臓癌の治療剤。別の態様として、化合物B又はその製薬学的に許容される塩を含有するKRAS G12C変異陽性膵臓癌の治療剤。
(2−3)膵臓癌の治療用医薬組成物の製造のための、化合物B又はその製薬学的に許容される塩の使用。別の態様として、KRAS G12C変異陽性膵臓癌治療用医薬組成物の製造のための、化合物B又はその製薬学的に許容される塩の使用。
(2−4)膵臓癌の治療のための化合物B又はその製薬学的に許容される塩の使用。別の態様として、KRAS G12C変異陽性膵臓癌の治療のための化合物B又はその製薬学的に許容される塩の使用。
(2−5)膵臓癌の治療の使用のための、化合物B又はその製薬学的に許容される塩。別の態様として、KRAS G12C変異陽性膵臓癌の治療の使用のための、化合物B又はその製薬学的に許容される塩。
(2−6)化合物B又はその製薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与することからなる、膵臓癌の治療方法。別の態様として、化合物B又はその製薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与することからなる、KRAS G12C変異陽性膵臓癌の治療方法。
(3−1)化合物C又はその製薬学的に許容される塩、及び製薬学的に許容される賦形剤を含有する膵臓癌の治療用医薬組成物。別の態様として、化合物C又はその製薬学的に許容される塩、及び製薬学的に許容される賦形剤を含有するKRAS G12C変異陽性膵臓癌治療用医薬組成物。
(3−2)化合物C又はその製薬学的に許容される塩を含有する膵臓癌の治療剤。別の態様として、化合物C又はその製薬学的に許容される塩を含有するKRAS G12C変異陽性膵臓癌の治療剤。
(3−3)膵臓癌の治療用医薬組成物の製造のための、化合物C又はその製薬学的に許容される塩の使用。別の態様として、KRAS G12C変異陽性膵臓癌治療用医薬組成物の製造のための、化合物C又はその製薬学的に許容される塩の使用。
(3−4)膵臓癌の治療のための化合物C又はその製薬学的に許容される塩の使用。別の態様として、KRAS G12C変異陽性膵臓癌の治療のための化合物C又はその製薬学的に許容される塩の使用。
(3−5)膵臓癌の治療の使用のための、化合物C又はその製薬学的に許容される塩。別の態様として、KRAS G12C変異陽性膵臓癌の治療の使用のための、化合物C又はその製薬学的に許容される塩。
(3−6)化合物C又はその製薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与することからなる、膵臓癌の治療方法。別の態様として、化合物C又はその製薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与することからなる、KRAS G12C変異陽性膵臓癌の治療方法。
(3−2)化合物C又はその製薬学的に許容される塩を含有する膵臓癌の治療剤。別の態様として、化合物C又はその製薬学的に許容される塩を含有するKRAS G12C変異陽性膵臓癌の治療剤。
(3−3)膵臓癌の治療用医薬組成物の製造のための、化合物C又はその製薬学的に許容される塩の使用。別の態様として、KRAS G12C変異陽性膵臓癌治療用医薬組成物の製造のための、化合物C又はその製薬学的に許容される塩の使用。
(3−4)膵臓癌の治療のための化合物C又はその製薬学的に許容される塩の使用。別の態様として、KRAS G12C変異陽性膵臓癌の治療のための化合物C又はその製薬学的に許容される塩の使用。
(3−5)膵臓癌の治療の使用のための、化合物C又はその製薬学的に許容される塩。別の態様として、KRAS G12C変異陽性膵臓癌の治療の使用のための、化合物C又はその製薬学的に許容される塩。
(3−6)化合物C又はその製薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与することからなる、膵臓癌の治療方法。別の態様として、化合物C又はその製薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与することからなる、KRAS G12C変異陽性膵臓癌の治療方法。
(4−1)化合物D又はその製薬学的に許容される塩、及び製薬学的に許容される賦形剤を含有する膵臓癌の治療用医薬組成物。別の態様として、化合物D又はその製薬学的に許容される塩、及び製薬学的に許容される賦形剤を含有するKRAS G12C変異陽性膵臓癌治療用医薬組成物。
(4−2)化合物D又はその製薬学的に許容される塩を含有する膵臓癌の治療剤。別の態様として、化合物D又はその製薬学的に許容される塩を含有するKRAS G12C変異陽性膵臓癌の治療剤。
(4−3)膵臓癌の治療用医薬組成物の製造のための、化合物D又はその製薬学的に許容される塩の使用。別の態様として、KRAS G12C変異陽性膵臓癌治療用医薬組成物の製造のための、化合物D又はその製薬学的に許容される塩の使用。
(4−4)膵臓癌の治療のための化合物D又はその製薬学的に許容される塩の使用。別の態様として、KRAS G12C変異陽性膵臓癌の治療のための化合物D又はその製薬学的に許容される塩の使用。
(4−5)膵臓癌の治療の使用のための、化合物D又はその製薬学的に許容される塩。別の態様として、KRAS G12C変異陽性膵臓癌の治療の使用のための、化合物D又はその製薬学的に許容される塩。
(4−6)化合物D又はその製薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与することからなる、膵臓癌の治療方法。別の態様として、化合物D又はその製薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与することからなる、KRAS G12C変異陽性膵臓癌の治療方法。
(4−2)化合物D又はその製薬学的に許容される塩を含有する膵臓癌の治療剤。別の態様として、化合物D又はその製薬学的に許容される塩を含有するKRAS G12C変異陽性膵臓癌の治療剤。
(4−3)膵臓癌の治療用医薬組成物の製造のための、化合物D又はその製薬学的に許容される塩の使用。別の態様として、KRAS G12C変異陽性膵臓癌治療用医薬組成物の製造のための、化合物D又はその製薬学的に許容される塩の使用。
(4−4)膵臓癌の治療のための化合物D又はその製薬学的に許容される塩の使用。別の態様として、KRAS G12C変異陽性膵臓癌の治療のための化合物D又はその製薬学的に許容される塩の使用。
(4−5)膵臓癌の治療の使用のための、化合物D又はその製薬学的に許容される塩。別の態様として、KRAS G12C変異陽性膵臓癌の治療の使用のための、化合物D又はその製薬学的に許容される塩。
(4−6)化合物D又はその製薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与することからなる、膵臓癌の治療方法。別の態様として、化合物D又はその製薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与することからなる、KRAS G12C変異陽性膵臓癌の治療方法。
本明細書において、「化合物A、化合物B、化合物C及び化合物Dからなる群から選択される化合物の製薬学的に許容される塩」とは、化合物A、化合物B、化合物C又は化合物Dの酸付加塩を意味し、具体的には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸や、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、マンデル酸、酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、ジトルオイル酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸(メシル酸)、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸(トシル酸)、アスパラギン酸、グルタミン酸等の有機酸との酸付加塩が挙げられる。
なお、「化合物A、化合物B、化合物C及び化合物Dからなる群から選択される化合物」には、化合物A、化合物B、化合物C若しくは化合物Dの各種溶媒和物、具体的には、水和物やエタノール和物が含まれる。さらに、「製薬学的に許容される塩」にはこれらの溶媒和物の酸付加塩も含まれる。
また、「化合物A、化合物B、化合物C及び化合物Dからなる群から選択される化合物、又はその製薬学的に許容される塩」のある態様としては、塩を形成していないフリーベース、即ち、化合物A、化合物B、化合物C又は化合物Dが挙げられ、別の態様としては、化合物Aであり、さらに別の態様としては、化合物Bであり、さらに別の態様としては、化合物Cであり、またさらに別の態様としては、化合物Dである。
なお、「化合物A、化合物B、化合物C及び化合物Dからなる群から選択される化合物」には、化合物A、化合物B、化合物C若しくは化合物Dの各種溶媒和物、具体的には、水和物やエタノール和物が含まれる。さらに、「製薬学的に許容される塩」にはこれらの溶媒和物の酸付加塩も含まれる。
また、「化合物A、化合物B、化合物C及び化合物Dからなる群から選択される化合物、又はその製薬学的に許容される塩」のある態様としては、塩を形成していないフリーベース、即ち、化合物A、化合物B、化合物C又は化合物Dが挙げられ、別の態様としては、化合物Aであり、さらに別の態様としては、化合物Bであり、さらに別の態様としては、化合物Cであり、またさらに別の態様としては、化合物Dである。
化合物A、化合物B、化合物C及び化合物Dからなる群から選択される化合物、又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物は、当分野において通常用いられている賦形剤、即ち、薬剤用賦形剤や薬剤用担体等を用いて、通常使用されている方法によって調製することができる。
投与は錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤等による経口投与、又は、関節内、静脈内、筋肉内等の注射剤、坐剤、点眼剤、眼軟膏、経皮用液剤、軟膏剤、経皮用貼付剤、経粘膜液剤、経粘膜貼付剤、吸入剤等による非経口投与のいずれの形態であってもよい。
投与は錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤等による経口投与、又は、関節内、静脈内、筋肉内等の注射剤、坐剤、点眼剤、眼軟膏、経皮用液剤、軟膏剤、経皮用貼付剤、経粘膜液剤、経粘膜貼付剤、吸入剤等による非経口投与のいずれの形態であってもよい。
経口投与のための固体組成物としては、錠剤、散剤、顆粒剤等が用いられる。このような固体組成物においては、1種又は2種以上の有効成分を、少なくとも1種の不活性な賦形剤と混合される。組成物は、常法に従って、不活性な添加剤、例えば滑沢剤や崩壊剤、安定化剤、溶解補助剤を含有していてもよい。錠剤又は丸剤は必要により糖衣又は胃溶性若しくは腸溶性物質のフィルムで被膜してもよい。
経口投与のための液体組成物は、薬剤的に許容される乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤又はエリキシル剤等を含み、一般的に用いられる不活性な希釈剤、例えば精製水又はエタノールを含む。当該液体組成物は不活性な希釈剤以外に可溶化剤、湿潤剤、懸濁剤のような補助剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、防腐剤を含有していてもよい。
経口投与のための液体組成物は、薬剤的に許容される乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤又はエリキシル剤等を含み、一般的に用いられる不活性な希釈剤、例えば精製水又はエタノールを含む。当該液体組成物は不活性な希釈剤以外に可溶化剤、湿潤剤、懸濁剤のような補助剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、防腐剤を含有していてもよい。
非経口投与のための注射剤は、無菌の水性又は非水性の溶液剤、懸濁剤又は乳濁剤を含有する。水性の溶剤としては、例えば注射用蒸留水又は生理食塩液が含まれる。非水性の溶剤としては、例えばエタノールのようなアルコール類がある。このような組成物は、さらに等張化剤、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤、又は溶解補助剤を含んでもよい。これらは例えばバクテリア保留フィルターを通す濾過、殺菌剤の配合又は照射によって無菌化される。また、これらは無菌の固体組成物を製造し、使用前に無菌水又は無菌の注射用溶媒に溶解又は懸濁して使用することもできる。
通常経口投与の場合、1日の投与量は、体重当たり約0.001〜100mg/kg、好ましくは0.1〜30mg/kg、更に好ましくは0.1〜10mg/kgが適当であり、これを1回であるいは2回〜4回に分けて投与する。静脈内投与される場合は、1日の投与量は、体重当たり約0.0001〜10mg/kgが適当で、1日1回〜複数回に分けて投与する。投与量は症状、年令、性別等を考慮して個々の場合に応じて適宜決定される。
投与経路、剤形、投与部位、賦形剤や添加剤の種類によって異なるが、本発明の医薬組成物は0.01〜100重量%、ある態様としては0.01〜50重量%の有効成分である化合物A、化合物B、化合物C及び化合物Dからなる群から選択される化合物、又はその製薬学的に許容される塩を含有する。
本発明の医薬組成物は、膵臓癌、殊にKRAS G12C変異陽性膵臓癌に有効性を示すと考えられる種々の治療剤と併用することができる。当該併用は、同時投与、あるいは別個に連続して、若しくは所望の時間間隔をおいて投与してもよい。同時投与の場合には、配合剤であっても別個に製剤化されていてもよい。
以下に化合物A、化合物B、化合物C、及び、化合物Dの製造法を参考例として詳細に説明する。また、それらの原料化合物の製法を製造例に示す。また、化合物A、化合物B、化合物C、及び、化合物Dの製造法は、以下に示される具体的参考例の製造法のみに限定されるものではなく、これらの製造法の別の組み合わせ、あるいは当業者に自明である方法によっても製造されうる。
本明細書において、化合物の命名にACD/Name(登録商標、Advanced Chemistry Development, Inc.)等の命名ソフトを使用している場合がある。
また、便宜上、濃度mol/LをMとして表す。例えば、1M水酸化ナトリウム水溶液は1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液であることを意味する。
製造例1
2-アミノ-4-ブロモ-3-フルオロ安息香酸(4.0 g)、N-ヨードコハク酸イミド(4.0 g)、N,N-ジメチルホルムアミド(以下、DMFと略記する)(40 mL)の混合物を、アルゴン気流下、50℃にて2時間撹拌した。反応混合物に、50℃にてN-ヨードコハク酸イミド(1.5 g)を加え、同温にて1.5時間撹拌した。反応混合物に、50℃にてN-ヨードコハク酸イミド(1.5 g)を加え、同温にて終夜撹拌した。反応混合物を室温まで放冷した後、水を加え、室温にて5時間撹拌した。析出した固体を濾取し、室温にて通風乾燥した。得られた固体を水に懸濁し、室温にて1時間撹拌した。固体を濾取し、水にて洗浄した後、減圧下、50℃にて乾燥し、2-アミノ-4-ブロモ-3-フルオロ-5-ヨード安息香酸(5.6 g)を固体として得た。
2-アミノ-4-ブロモ-3-フルオロ安息香酸(4.0 g)、N-ヨードコハク酸イミド(4.0 g)、N,N-ジメチルホルムアミド(以下、DMFと略記する)(40 mL)の混合物を、アルゴン気流下、50℃にて2時間撹拌した。反応混合物に、50℃にてN-ヨードコハク酸イミド(1.5 g)を加え、同温にて1.5時間撹拌した。反応混合物に、50℃にてN-ヨードコハク酸イミド(1.5 g)を加え、同温にて終夜撹拌した。反応混合物を室温まで放冷した後、水を加え、室温にて5時間撹拌した。析出した固体を濾取し、室温にて通風乾燥した。得られた固体を水に懸濁し、室温にて1時間撹拌した。固体を濾取し、水にて洗浄した後、減圧下、50℃にて乾燥し、2-アミノ-4-ブロモ-3-フルオロ-5-ヨード安息香酸(5.6 g)を固体として得た。
製造例2
2-アミノ-4-ブロモ-3-フルオロ-5-ヨード安息香酸(5.6 g)、尿素(4.7 g)の混合物を、200℃にて3時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷した後、水を加え、室温にて15分間撹拌した。固体を濾取し、水にて洗浄した後、減圧下、50℃にて乾燥した。得られた固体をすりつぶして粉末とした後、オキシ塩化リン(80 mL)と混合して氷冷し、窒素気流下、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(以下、DIPEAと略記する)(8.0 mL)を滴下にて加えた。反応混合物を150℃にて2.5時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷した後、減圧下、濃縮し、得られた残渣に酢酸エチルを加えた。反応混合物を氷水に注ぎ入れた後、不溶物を濾別し、濾液を酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄した後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥し、減圧下、溶液を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、7-ブロモ-2,4-ジクロロ-8-フルオロ-6-ヨードキナゾリン(3.6 g)を固体として得た。
2-アミノ-4-ブロモ-3-フルオロ-5-ヨード安息香酸(5.6 g)、尿素(4.7 g)の混合物を、200℃にて3時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷した後、水を加え、室温にて15分間撹拌した。固体を濾取し、水にて洗浄した後、減圧下、50℃にて乾燥した。得られた固体をすりつぶして粉末とした後、オキシ塩化リン(80 mL)と混合して氷冷し、窒素気流下、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(以下、DIPEAと略記する)(8.0 mL)を滴下にて加えた。反応混合物を150℃にて2.5時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷した後、減圧下、濃縮し、得られた残渣に酢酸エチルを加えた。反応混合物を氷水に注ぎ入れた後、不溶物を濾別し、濾液を酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄した後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥し、減圧下、溶液を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、7-ブロモ-2,4-ジクロロ-8-フルオロ-6-ヨードキナゾリン(3.6 g)を固体として得た。
製造例3
7-ブロモ-2,4-ジクロロ-8-フルオロ-6-ヨードキナゾリン(3.6 g)、1,4-ジオキサン(35 mL)の混合物を氷冷した後、窒素気流下、DIPEA(8.0 mL)、2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル(2.0 g)を加え、室温にて1.5時間撹拌した。反応混合物に水を加え、クロロホルムにて抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、減圧下、溶液を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル)にて精製し、7-(7-ブロモ-2-クロロ-8-フルオロ-6-ヨードキナゾリン-4-イル)-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル(4.6 g)を固体として得た。
7-ブロモ-2,4-ジクロロ-8-フルオロ-6-ヨードキナゾリン(3.6 g)、1,4-ジオキサン(35 mL)の混合物を氷冷した後、窒素気流下、DIPEA(8.0 mL)、2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル(2.0 g)を加え、室温にて1.5時間撹拌した。反応混合物に水を加え、クロロホルムにて抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、減圧下、溶液を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル)にて精製し、7-(7-ブロモ-2-クロロ-8-フルオロ-6-ヨードキナゾリン-4-イル)-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル(4.6 g)を固体として得た。
製造例4
7-(7-ブロモ-2-クロロ-8-フルオロ-6-ヨードキナゾリン-4-イル)-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル(9.5 g)、1-(3-メトキシプロピル)ピペリジン-4-オール(6.8 g)、炭酸セシウム(15 g)、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(以下、DABCOと略記する)(260 mg)、DMF(76 mL)、テトラヒドロフラン(以下、THFと略記する)(76 mL)の混合物を、アルゴン雰囲気下、室温にて終夜撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄した後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減圧下、溶液を濃縮した後、得られた固体にジイソプロピルエーテルを加え、室温にて撹拌した。固体を濾取し、減圧下、50℃にて乾燥し、7-(7-ブロモ-8-フルオロ-6-ヨード-2-{[1-(3-メトキシプロピル)ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン-4-イル)-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル(9.1 g)を固体として得た。
7-(7-ブロモ-2-クロロ-8-フルオロ-6-ヨードキナゾリン-4-イル)-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル(9.5 g)、1-(3-メトキシプロピル)ピペリジン-4-オール(6.8 g)、炭酸セシウム(15 g)、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(以下、DABCOと略記する)(260 mg)、DMF(76 mL)、テトラヒドロフラン(以下、THFと略記する)(76 mL)の混合物を、アルゴン雰囲気下、室温にて終夜撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄した後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減圧下、溶液を濃縮した後、得られた固体にジイソプロピルエーテルを加え、室温にて撹拌した。固体を濾取し、減圧下、50℃にて乾燥し、7-(7-ブロモ-8-フルオロ-6-ヨード-2-{[1-(3-メトキシプロピル)ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン-4-イル)-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル(9.1 g)を固体として得た。
製造例5
7-(7-ブロモ-8-フルオロ-6-ヨード-2-{[1-(3-メトキシプロピル)ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン-4-イル)-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル(5.0 g)、2,2,2-トリフルオロエタノール(1.4 mL)、炭酸セシウム(6.5 g)、DMF(50 mL)の混合物を、室温にて5時間撹拌した。反応混合物を、50℃にて1.5時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷した後、水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を水、飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄した後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減圧下、溶液を濃縮した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩基性シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、7-[7-ブロモ-6-ヨード-2-{[1-(3-メトキシプロピル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-8-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)キナゾリン-4-イル]-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル(5.5 g)を得た。
7-(7-ブロモ-8-フルオロ-6-ヨード-2-{[1-(3-メトキシプロピル)ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン-4-イル)-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル(5.0 g)、2,2,2-トリフルオロエタノール(1.4 mL)、炭酸セシウム(6.5 g)、DMF(50 mL)の混合物を、室温にて5時間撹拌した。反応混合物を、50℃にて1.5時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷した後、水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を水、飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄した後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減圧下、溶液を濃縮した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩基性シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、7-[7-ブロモ-6-ヨード-2-{[1-(3-メトキシプロピル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-8-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)キナゾリン-4-イル]-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル(5.5 g)を得た。
製造例6
7-[7-ブロモ-6-ヨード-2-{[1-(3-メトキシプロピル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-8-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)キナゾリン-4-イル]-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル(2.7 g)、シクロプロピルボロン酸(560 mg)、リン酸三カリウム(2.5 g)、[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド ジクロロメタン付加物(以下、PdCl2(dppf)・CH2Cl2と略記する)(270 mg)、1,4-ジオキサン(20 mL)、アセトニトリル(20 mL)、水(8.6 mL)の混合物を、アルゴン雰囲気下、100℃にて4時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷した後、飽和塩化ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、減圧下、溶液を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩基性シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、7-[7-ブロモ-6-シクロプロピル-2-{[1-(3-メトキシプロピル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-8-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)キナゾリン-4-イル]-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル(1.9 g)を得た。
7-[7-ブロモ-6-ヨード-2-{[1-(3-メトキシプロピル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-8-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)キナゾリン-4-イル]-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル(2.7 g)、シクロプロピルボロン酸(560 mg)、リン酸三カリウム(2.5 g)、[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド ジクロロメタン付加物(以下、PdCl2(dppf)・CH2Cl2と略記する)(270 mg)、1,4-ジオキサン(20 mL)、アセトニトリル(20 mL)、水(8.6 mL)の混合物を、アルゴン雰囲気下、100℃にて4時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷した後、飽和塩化ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、減圧下、溶液を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩基性シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、7-[7-ブロモ-6-シクロプロピル-2-{[1-(3-メトキシプロピル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-8-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)キナゾリン-4-イル]-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル(1.9 g)を得た。
製造例7
アルゴン雰囲気下、7-[7-ブロモ-6-シクロプロピル-2-{[1-(3-メトキシプロピル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-8-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)キナゾリン-4-イル]-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル(1.9 g)、(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)ボロン酸(710 mg)、(1E,4E)-1,5-ジフェニルペンタ-1,4-ジエン-3-オン/パラジウム(3:2)(以下、Pd2(dba)3と略記する)(230 mg)、ジシクロヘキシル(2',6'-ジメトキシビフェニル-2-イル)ホスフィン(以下、SPhosと略記する)(210 mg)、リン酸三カリウム(2.2 g)、1,4-ジオキサン(15 mL)、水(2.8 mL)を混合し、マイクロ波照射下、120℃にて70分間撹拌した。反応混合物を減圧下、濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩基性シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)にて精製した。得られた精製物にアセトニトリルを加え、室温にて30分間撹拌した。析出した固体を濾取し、7-[6-シクロプロピル-2-{[1-(3-メトキシプロピル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-7-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)キナゾリン-4-イル]-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル(630 mg)を固体として得た。
アルゴン雰囲気下、7-[7-ブロモ-6-シクロプロピル-2-{[1-(3-メトキシプロピル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-8-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)キナゾリン-4-イル]-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル(1.9 g)、(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)ボロン酸(710 mg)、(1E,4E)-1,5-ジフェニルペンタ-1,4-ジエン-3-オン/パラジウム(3:2)(以下、Pd2(dba)3と略記する)(230 mg)、ジシクロヘキシル(2',6'-ジメトキシビフェニル-2-イル)ホスフィン(以下、SPhosと略記する)(210 mg)、リン酸三カリウム(2.2 g)、1,4-ジオキサン(15 mL)、水(2.8 mL)を混合し、マイクロ波照射下、120℃にて70分間撹拌した。反応混合物を減圧下、濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩基性シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)にて精製した。得られた精製物にアセトニトリルを加え、室温にて30分間撹拌した。析出した固体を濾取し、7-[6-シクロプロピル-2-{[1-(3-メトキシプロピル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-7-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)キナゾリン-4-イル]-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル(630 mg)を固体として得た。
製造例8
7-[6-シクロプロピル-2-{[1-(3-メトキシプロピル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-7-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)キナゾリン-4-イル]-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル(630 mg)、1M塩酸(5.5 mL)の混合物を、アルゴン雰囲気下、50℃にて1時間撹拌した。反応混合物を氷冷した後、ジクロロメタン(3.2 mL)、塩化 3-クロロプロパノイル(0.17 mL)、炭酸水素ナトリウム(670 mg)を加え、同温にて30分間撹拌した。反応混合物に、同温にてイソプロピルアルコール(以下、IPAと略記する)(9.3 mL)、4M水酸化ナトリウム水溶液(3.0 mL)を加え、室温にて3時間撹拌した。反応混合物を氷冷した後、1M塩酸(10 mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、酢酸エチルを加え、室温にて5分間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、減圧下、溶液を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)にて精製した。得られた精製物にアセトニトリルを加え、室温にて1時間撹拌した。析出した固体を濾取し、1-{7-[6-シクロプロピル-2-{[1-(3-メトキシプロピル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-7-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)キナゾリン-4-イル]-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナ-2-イル}プロパ-2-エン-1-オン(230 mg)を固体として得た。
7-[6-シクロプロピル-2-{[1-(3-メトキシプロピル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-7-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)キナゾリン-4-イル]-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル(630 mg)、1M塩酸(5.5 mL)の混合物を、アルゴン雰囲気下、50℃にて1時間撹拌した。反応混合物を氷冷した後、ジクロロメタン(3.2 mL)、塩化 3-クロロプロパノイル(0.17 mL)、炭酸水素ナトリウム(670 mg)を加え、同温にて30分間撹拌した。反応混合物に、同温にてイソプロピルアルコール(以下、IPAと略記する)(9.3 mL)、4M水酸化ナトリウム水溶液(3.0 mL)を加え、室温にて3時間撹拌した。反応混合物を氷冷した後、1M塩酸(10 mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、酢酸エチルを加え、室温にて5分間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、減圧下、溶液を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)にて精製した。得られた精製物にアセトニトリルを加え、室温にて1時間撹拌した。析出した固体を濾取し、1-{7-[6-シクロプロピル-2-{[1-(3-メトキシプロピル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-7-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)キナゾリン-4-イル]-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナ-2-イル}プロパ-2-エン-1-オン(230 mg)を固体として得た。
製造例9
7-(7-ブロモ-2-クロロ-8-フルオロ-6-ヨードキナゾリン-4-イル)-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル(8.1 g)、1-(2-メトキシエチル)ピペリジン-4-オール(5.3 g)、炭酸セシウム(13 g)、DABCO(220 mg)、DMF(65 mL)、THF(65 mL)の混合物を、アルゴン雰囲気下、室温にて3日間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄した後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減圧下、溶液を濃縮した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩基性シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、7-(7-ブロモ-8-フルオロ-6-ヨード-2-{[1-(2-メトキシエチル)ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン-4-イル)-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル(7.9 g)を得た。
7-(7-ブロモ-2-クロロ-8-フルオロ-6-ヨードキナゾリン-4-イル)-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル(8.1 g)、1-(2-メトキシエチル)ピペリジン-4-オール(5.3 g)、炭酸セシウム(13 g)、DABCO(220 mg)、DMF(65 mL)、THF(65 mL)の混合物を、アルゴン雰囲気下、室温にて3日間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄した後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減圧下、溶液を濃縮した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩基性シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、7-(7-ブロモ-8-フルオロ-6-ヨード-2-{[1-(2-メトキシエチル)ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン-4-イル)-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル(7.9 g)を得た。
製造例10
7-(7-ブロモ-8-フルオロ-6-ヨード-2-{[1-(2-メトキシエチル)ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン-4-イル)-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル(3.8 g)、2,2,2-トリフルオロエタノール(0.75 mL)、炭酸セシウム(3.4 g)、DMF(40 mL)の混合物を、アルゴン雰囲気下、室温にて20時間撹拌した。反応混合物に2,2,2-トリフルオロエタノール(0.40 mL)、炭酸セシウム(1.7 g)を加え、室温にて24時間撹拌した。反応混合物に水を加え、室温にて10分間撹拌した。析出した固体を濾取した後、クロロホルム/メタノール(9:1)を加え、得られた溶液を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減圧下、溶液を濃縮した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩基性シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、7-[7-ブロモ-6-ヨード-2-{[1-(2-メトキシエチル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-8-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)キナゾリン-4-イル]-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル(3.1 g)を固体として得た。
7-(7-ブロモ-8-フルオロ-6-ヨード-2-{[1-(2-メトキシエチル)ピペリジン-4-イル]オキシ}キナゾリン-4-イル)-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル(3.8 g)、2,2,2-トリフルオロエタノール(0.75 mL)、炭酸セシウム(3.4 g)、DMF(40 mL)の混合物を、アルゴン雰囲気下、室温にて20時間撹拌した。反応混合物に2,2,2-トリフルオロエタノール(0.40 mL)、炭酸セシウム(1.7 g)を加え、室温にて24時間撹拌した。反応混合物に水を加え、室温にて10分間撹拌した。析出した固体を濾取した後、クロロホルム/メタノール(9:1)を加え、得られた溶液を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減圧下、溶液を濃縮した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩基性シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、7-[7-ブロモ-6-ヨード-2-{[1-(2-メトキシエチル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-8-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)キナゾリン-4-イル]-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル(3.1 g)を固体として得た。
製造例13
7-[6-シクロプロピル-2-{[1-(2-メトキシエチル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-7-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)キナゾリン-4-イル]-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル(800 mg)、ジクロロメタン(4.0 mL)の混合物を氷冷した後、トリフルオロ酢酸(以下、TFAと略記する)(1.2 mL)を加え、室温にて6時間撹拌した。反応混合物にクロロホルム/IPA(4:1)、2M炭酸カリウム水溶液(11 mL)を加えた。水層をクロロホルム/IPA(4:1)にて抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、減圧下、溶液を濃縮した(残渣A)。DIPEA(0.45 mL)、THF(16 mL)の混合物を氷-メタノール浴にて冷却した後、塩化アクリロイル(0.20 mL)を加えた。この混合物に、残渣AのTHF(12 mL)溶液を滴下にて加え、同温にて20分間撹拌した。反応混合物に、同温にて1M水酸化ナトリウム水溶液(5.0 mL)を滴下にて加え、室温にて4時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、減圧下、溶液を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール/28%アンモニア水)にて精製した。得られた精製物にアセトニトリルを加え、ソニケーションした。析出した固体を濾取し、1-{7-[6-シクロプロピル-2-{[1-(2-メトキシエチル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-7-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)キナゾリン-4-イル]-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナ-2-イル}プロパ-2-エン-1-オン(410 mg)を固体として得た。
7-[6-シクロプロピル-2-{[1-(2-メトキシエチル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-7-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)キナゾリン-4-イル]-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル(800 mg)、ジクロロメタン(4.0 mL)の混合物を氷冷した後、トリフルオロ酢酸(以下、TFAと略記する)(1.2 mL)を加え、室温にて6時間撹拌した。反応混合物にクロロホルム/IPA(4:1)、2M炭酸カリウム水溶液(11 mL)を加えた。水層をクロロホルム/IPA(4:1)にて抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、減圧下、溶液を濃縮した(残渣A)。DIPEA(0.45 mL)、THF(16 mL)の混合物を氷-メタノール浴にて冷却した後、塩化アクリロイル(0.20 mL)を加えた。この混合物に、残渣AのTHF(12 mL)溶液を滴下にて加え、同温にて20分間撹拌した。反応混合物に、同温にて1M水酸化ナトリウム水溶液(5.0 mL)を滴下にて加え、室温にて4時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、減圧下、溶液を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール/28%アンモニア水)にて精製した。得られた精製物にアセトニトリルを加え、ソニケーションした。析出した固体を濾取し、1-{7-[6-シクロプロピル-2-{[1-(2-メトキシエチル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-7-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)キナゾリン-4-イル]-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナ-2-イル}プロパ-2-エン-1-オン(410 mg)を固体として得た。
製造例14
7-[7-ブロモ-6-ヨード-2-{[1-(2-メトキシエチル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-8-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)キナゾリン-4-イル]-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル(3.0 g)、ビニルトリフルオロホウ酸カリウム(640 mg)、1,4-ジオキサン(30 mL)、水(3.0 mL)の混合物に炭酸カリウム(1.5 g)、PdCl2(dppf)・CH2Cl2(30 mg)を加え、窒素雰囲気下、50℃にて2時間撹拌した。反応混合物にPdCl2(dppf)・CH2Cl2(150 mg)を加え、窒素雰囲気下、60℃にて4時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷した後、酢酸エチル、水を加えた。不溶物を濾別した後、濾液を酢酸エチルにて抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、減圧下、溶液を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩基性シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、7-[7-ブロモ-2-{[1-(2-メトキシエチル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-8-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)-6-ビニルキナゾリン-4-イル]-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル(2.2 g)を得た。
7-[7-ブロモ-6-ヨード-2-{[1-(2-メトキシエチル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-8-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)キナゾリン-4-イル]-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル(3.0 g)、ビニルトリフルオロホウ酸カリウム(640 mg)、1,4-ジオキサン(30 mL)、水(3.0 mL)の混合物に炭酸カリウム(1.5 g)、PdCl2(dppf)・CH2Cl2(30 mg)を加え、窒素雰囲気下、50℃にて2時間撹拌した。反応混合物にPdCl2(dppf)・CH2Cl2(150 mg)を加え、窒素雰囲気下、60℃にて4時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷した後、酢酸エチル、水を加えた。不溶物を濾別した後、濾液を酢酸エチルにて抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、減圧下、溶液を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩基性シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、7-[7-ブロモ-2-{[1-(2-メトキシエチル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-8-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)-6-ビニルキナゾリン-4-イル]-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル(2.2 g)を得た。
製造例15
7-[7-ブロモ-2-{[1-(2-メトキシエチル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-8-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)-6-ビニルキナゾリン-4-イル]-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル(1.0 g)、リン酸三カリウム(900 mg)、1,4-ジオキサン(10 mL)、水(2.0 mL)の混合物に(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)ボロン酸(490 mg)、Pd2(dba)3(130 mg)、SPhos(120 mg)を加え、アルゴン雰囲気下、130℃にて4時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷した後、酢酸エチル、水を加えた。不溶物を濾別した後、濾液を酢酸エチルにて抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、減圧下、溶液を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール/28%アンモニア水)にて精製した。得られた精製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩基性シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)にて精製した。得られた固体にアセトニトリルを加え、室温にて撹拌した。析出した固体を濾取し、7-[2-{[1-(2-メトキシエチル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-7-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)-6-ビニルキナゾリン-4-イル]-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル(630 mg)を固体として得た。
7-[7-ブロモ-2-{[1-(2-メトキシエチル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-8-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)-6-ビニルキナゾリン-4-イル]-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル(1.0 g)、リン酸三カリウム(900 mg)、1,4-ジオキサン(10 mL)、水(2.0 mL)の混合物に(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)ボロン酸(490 mg)、Pd2(dba)3(130 mg)、SPhos(120 mg)を加え、アルゴン雰囲気下、130℃にて4時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷した後、酢酸エチル、水を加えた。不溶物を濾別した後、濾液を酢酸エチルにて抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、減圧下、溶液を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール/28%アンモニア水)にて精製した。得られた精製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩基性シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)にて精製した。得られた固体にアセトニトリルを加え、室温にて撹拌した。析出した固体を濾取し、7-[2-{[1-(2-メトキシエチル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-7-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)-6-ビニルキナゾリン-4-イル]-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル(630 mg)を固体として得た。
製造例16
7-[2-{[1-(2-メトキシエチル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-7-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)-6-ビニルキナゾリン-4-イル]-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル(470 mg)、1M塩酸(4.1 mL)の混合物を、50℃にて1時間撹拌した。反応混合物を氷冷した後、ジクロロメタン(2.3 mL)、塩化 3-クロロプロパノイル(0.13 mL)、炭酸水素ナトリウム(520 mg)を加え、同温にて1時間撹拌した。反応混合物に、同温にてIPA(4.7 mL)、4M水酸化ナトリウム水溶液(2.3 mL)を加え、室温にて2時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄した後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減圧下、溶液を濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール/28%アンモニア水)にて精製した。得られた精製物にアセトニトリルを加え、室温にて5分間撹拌した。析出した固体を濾取した後、減圧下、30℃にて乾燥し、1-{7-[2-{[1-(2-メトキシエチル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-7-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)-6-ビニルキナゾリン-4-イル]-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナ-2-イル}プロパ-2-エン-1-オン(320 mg)を固体として得た。
7-[2-{[1-(2-メトキシエチル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-7-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)-6-ビニルキナゾリン-4-イル]-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル(470 mg)、1M塩酸(4.1 mL)の混合物を、50℃にて1時間撹拌した。反応混合物を氷冷した後、ジクロロメタン(2.3 mL)、塩化 3-クロロプロパノイル(0.13 mL)、炭酸水素ナトリウム(520 mg)を加え、同温にて1時間撹拌した。反応混合物に、同温にてIPA(4.7 mL)、4M水酸化ナトリウム水溶液(2.3 mL)を加え、室温にて2時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄した後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減圧下、溶液を濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール/28%アンモニア水)にて精製した。得られた精製物にアセトニトリルを加え、室温にて5分間撹拌した。析出した固体を濾取した後、減圧下、30℃にて乾燥し、1-{7-[2-{[1-(2-メトキシエチル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-7-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)-6-ビニルキナゾリン-4-イル]-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナ-2-イル}プロパ-2-エン-1-オン(320 mg)を固体として得た。
製造例17
7-(7-ブロモ-2-クロロ-8-フルオロ-6-ヨードキナゾリン-4-イル)-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル(6.0 g)、DMF(60 mL)、THF(60 mL)の混合物に、アルゴン雰囲気下、1-メチルピペリジン-4-オール(3.5 mL)、炭酸セシウム(9.6 g)、DABCO(220 mg)を加え、室温にて14時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄した後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。減圧下、溶液を濃縮した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール/28%アンモニア水)にて精製し、7-{7-ブロモ-8-フルオロ-6-ヨード-2-[(1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ]キナゾリン-4-イル}-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル(6.3 g)を得た。
7-(7-ブロモ-2-クロロ-8-フルオロ-6-ヨードキナゾリン-4-イル)-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル(6.0 g)、DMF(60 mL)、THF(60 mL)の混合物に、アルゴン雰囲気下、1-メチルピペリジン-4-オール(3.5 mL)、炭酸セシウム(9.6 g)、DABCO(220 mg)を加え、室温にて14時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄した後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。減圧下、溶液を濃縮した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール/28%アンモニア水)にて精製し、7-{7-ブロモ-8-フルオロ-6-ヨード-2-[(1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ]キナゾリン-4-イル}-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル(6.3 g)を得た。
製造例18
7-{7-ブロモ-8-フルオロ-6-ヨード-2-[(1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ]キナゾリン-4-イル}-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル(3.3 g)、THF(65 mL)の混合物にナトリウムエトキシド(390 mg)を加え、40℃にて終夜撹拌した。反応混合物にナトリウムエトキシド(390 mg)を加え、40℃にて終夜撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄した後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減圧下、溶液を濃縮した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩基性シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、7-{7-ブロモ-8-エトキシ-6-ヨード-2-[(1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ]キナゾリン-4-イル}-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル(1.3 g)を固体として得た。
7-{7-ブロモ-8-フルオロ-6-ヨード-2-[(1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ]キナゾリン-4-イル}-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル(3.3 g)、THF(65 mL)の混合物にナトリウムエトキシド(390 mg)を加え、40℃にて終夜撹拌した。反応混合物にナトリウムエトキシド(390 mg)を加え、40℃にて終夜撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄した後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減圧下、溶液を濃縮した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩基性シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、7-{7-ブロモ-8-エトキシ-6-ヨード-2-[(1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ]キナゾリン-4-イル}-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル(1.3 g)を固体として得た。
製造例19
7-{7-ブロモ-8-エトキシ-6-ヨード-2-[(1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ]キナゾリン-4-イル}-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル(9.5 g)、4,4,5,5-テトラメチル-2-ビニル-1,3,2-ジオキサボロラン(4.5 mL)、1,4-ジオキサン(100 mL)、水(10 mL)の混合物に炭酸カリウム(5.5 g)、PdCl2(dppf)・CH2Cl2(1.1 g)を加え、アルゴン雰囲気下、80℃にて1時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷した後、酢酸エチル、飽和塩化ナトリウム水溶液、セライトを加え、室温にて10分間撹拌した。不溶物を濾別した後、濾液を酢酸エチルにて抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減圧下、溶液を濃縮した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩基性シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、7-{7-ブロモ-8-エトキシ-2-[(1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ]-6-ビニルキナゾリン-4-イル}-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル(6.8 g)を固体として得た。
7-{7-ブロモ-8-エトキシ-6-ヨード-2-[(1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ]キナゾリン-4-イル}-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル(9.5 g)、4,4,5,5-テトラメチル-2-ビニル-1,3,2-ジオキサボロラン(4.5 mL)、1,4-ジオキサン(100 mL)、水(10 mL)の混合物に炭酸カリウム(5.5 g)、PdCl2(dppf)・CH2Cl2(1.1 g)を加え、アルゴン雰囲気下、80℃にて1時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷した後、酢酸エチル、飽和塩化ナトリウム水溶液、セライトを加え、室温にて10分間撹拌した。不溶物を濾別した後、濾液を酢酸エチルにて抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減圧下、溶液を濃縮した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩基性シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、7-{7-ブロモ-8-エトキシ-2-[(1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ]-6-ビニルキナゾリン-4-イル}-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル(6.8 g)を固体として得た。
製造例20
7-{7-ブロモ-8-エトキシ-2-[(1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ]-6-ビニルキナゾリン-4-イル}-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル(5.7 g)、(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)ボロン酸(2.4 g)、Pd2(dba)3(850 mg)、SPhos(760 mg)、1,4-ジオキサン(60 mL)、リン酸三カリウム(10 g)、水(12 mL)の混合物を、アルゴン雰囲気下、120℃にて4時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷した後、酢酸エチル、飽和塩化ナトリウム水溶液を加え、不溶物を濾別した。濾液を酢酸エチルにて抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減圧下、溶液を濃縮した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール/28%アンモニア水)にて精製した。得られた精製物にアセトニトリルを加え、室温にて6時間撹拌した。析出した固体を濾取し、7-{8-エトキシ-7-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ]-6-ビニルキナゾリン-4-イル}-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル(2.2 g)を固体として得た。
7-{7-ブロモ-8-エトキシ-2-[(1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ]-6-ビニルキナゾリン-4-イル}-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル(5.7 g)、(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)ボロン酸(2.4 g)、Pd2(dba)3(850 mg)、SPhos(760 mg)、1,4-ジオキサン(60 mL)、リン酸三カリウム(10 g)、水(12 mL)の混合物を、アルゴン雰囲気下、120℃にて4時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷した後、酢酸エチル、飽和塩化ナトリウム水溶液を加え、不溶物を濾別した。濾液を酢酸エチルにて抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減圧下、溶液を濃縮した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール/28%アンモニア水)にて精製した。得られた精製物にアセトニトリルを加え、室温にて6時間撹拌した。析出した固体を濾取し、7-{8-エトキシ-7-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ]-6-ビニルキナゾリン-4-イル}-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル(2.2 g)を固体として得た。
製造例21
7-{8-エトキシ-7-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ]-6-ビニルキナゾリン-4-イル}-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル(1.3 g)、1M塩酸(13 mL)の混合物を、室温にて18時間撹拌した。反応混合物を氷冷した後、ジクロロメタン(6.5 mL)、塩化 3-クロロプロパノイル(0.41 mL)、炭酸水素ナトリウム(1.6 g)を加え、同温にて30分間撹拌した。反応混合物に、同温にてIPA(13 mL)、4M水酸化ナトリウム水溶液(4.9 mL)を加え、室温にて4時間撹拌した。反応混合物を氷冷した後、1M塩酸(6.4 mL)、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(26 mL)、クロロホルム(39 mL)を加え、室温にて10分間撹拌した。反応混合物をセライト濾過し、濾液をクロロホルムにて抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、減圧下、溶液を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール/28%アンモニア水)にて精製した。得られた精製物にアセトニトリルを加え、析出した固体を濾取した。得られた固体を減圧下、50℃にて乾燥し、1-(7-{8-エトキシ-7-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ]-6-ビニルキナゾリン-4-イル}-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナ-2-イル)プロパ-2-エン-1-オン(980 mg)を固体として得た。
7-{8-エトキシ-7-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ]-6-ビニルキナゾリン-4-イル}-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボン酸tert-ブチルエステル(1.3 g)、1M塩酸(13 mL)の混合物を、室温にて18時間撹拌した。反応混合物を氷冷した後、ジクロロメタン(6.5 mL)、塩化 3-クロロプロパノイル(0.41 mL)、炭酸水素ナトリウム(1.6 g)を加え、同温にて30分間撹拌した。反応混合物に、同温にてIPA(13 mL)、4M水酸化ナトリウム水溶液(4.9 mL)を加え、室温にて4時間撹拌した。反応混合物を氷冷した後、1M塩酸(6.4 mL)、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(26 mL)、クロロホルム(39 mL)を加え、室温にて10分間撹拌した。反応混合物をセライト濾過し、濾液をクロロホルムにて抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、減圧下、溶液を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール/28%アンモニア水)にて精製した。得られた精製物にアセトニトリルを加え、析出した固体を濾取した。得られた固体を減圧下、50℃にて乾燥し、1-(7-{8-エトキシ-7-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ]-6-ビニルキナゾリン-4-イル}-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナ-2-イル)プロパ-2-エン-1-オン(980 mg)を固体として得た。
上記に示した製造例の製造方法、及び同様の方法にて、後記表5〜表11に示す化合物を製造した。また、各製造例化合物の製造法、構造及び物理化学的データを表5〜表11に示す。
参考例1
1-{7-[6-シクロプロピル-2-{[1-(3-メトキシプロピル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-7-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)キナゾリン-4-イル]-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナ-2-イル}プロパ-2-エン-1-オン(2.2 g)を超臨界流体クロマトグラフィー(CHIRALPAK AS-H(ダイセル社製)、二酸化炭素/エタノール/トリエチルアミン)にて分取した。得られた分取物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)にて精製し、(+)-1-{7-[6-シクロプロピル-2-{[1-(3-メトキシプロピル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-7-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)キナゾリン-4-イル]-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナ-2-イル}プロパ-2-エン-1-オン(化合物A)(1.1 g)を得た。
1-{7-[6-シクロプロピル-2-{[1-(3-メトキシプロピル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-7-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)キナゾリン-4-イル]-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナ-2-イル}プロパ-2-エン-1-オン(2.2 g)を超臨界流体クロマトグラフィー(CHIRALPAK AS-H(ダイセル社製)、二酸化炭素/エタノール/トリエチルアミン)にて分取した。得られた分取物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)にて精製し、(+)-1-{7-[6-シクロプロピル-2-{[1-(3-メトキシプロピル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-7-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)キナゾリン-4-イル]-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナ-2-イル}プロパ-2-エン-1-オン(化合物A)(1.1 g)を得た。
参考例3
1-{7-[2-{[1-(2-メトキシエチル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-7-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)-6-ビニルキナゾリン-4-イル]-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナ-2-イル}プロパ-2-エン-1-オン(2.0 g)を超臨界流体クロマトグラフィー(CHIRALPAK AS-H(ダイセル社製)、二酸化炭素/メタノール/トリエチルアミン、二酸化炭素/エタノール/トリエチルアミン)にて分取した。得られた分取物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール/28%アンモニア水)にて精製し、(+)-1-{7-[2-{[1-(2-メトキシエチル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-7-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)-6-ビニルキナゾリン-4-イル]-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナ-2-イル}プロパ-2-エン-1-オン(化合物C)(810 mg)を得た。
1-{7-[2-{[1-(2-メトキシエチル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-7-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)-6-ビニルキナゾリン-4-イル]-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナ-2-イル}プロパ-2-エン-1-オン(2.0 g)を超臨界流体クロマトグラフィー(CHIRALPAK AS-H(ダイセル社製)、二酸化炭素/メタノール/トリエチルアミン、二酸化炭素/エタノール/トリエチルアミン)にて分取した。得られた分取物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール/28%アンモニア水)にて精製し、(+)-1-{7-[2-{[1-(2-メトキシエチル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-7-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)-6-ビニルキナゾリン-4-イル]-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナ-2-イル}プロパ-2-エン-1-オン(化合物C)(810 mg)を得た。
参考例4
1-(7-{8-エトキシ-7-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ]-6-ビニルキナゾリン-4-イル}-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナ-2-イル)プロパ-2-エン-1-オン(1.5 g)を超臨界流体クロマトグラフィー(CHIRALPAK AS-H(ダイセル社製)、二酸化炭素/エタノール/トリエチルアミン)にて分取した。得られた分取物にヘキサン、酢酸エチルを加え、トリチュレーションした。析出した固体を濾取し、(+)-1-(7-{8-エトキシ-7-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ]-6-ビニルキナゾリン-4-イル}-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナ-2-イル)プロパ-2-エン-1-オン(670 mg)を固体として得た。
上記方法を複数回行うことにより得た固体(3.0 g)をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ODSシリカゲル、水/メタノール)にて精製した。得られた精製物にアセトニトリルを加え、室温にて撹拌した。析出した固体を濾取し、得られた固体を減圧下、40℃にて乾燥し、(+)-1-(7-{8-エトキシ-7-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ]-6-ビニルキナゾリン-4-イル}-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナ-2-イル)プロパ-2-エン-1-オン(化合物D)(2.0 g)を結晶として得た。
1-(7-{8-エトキシ-7-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ]-6-ビニルキナゾリン-4-イル}-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナ-2-イル)プロパ-2-エン-1-オン(1.5 g)を超臨界流体クロマトグラフィー(CHIRALPAK AS-H(ダイセル社製)、二酸化炭素/エタノール/トリエチルアミン)にて分取した。得られた分取物にヘキサン、酢酸エチルを加え、トリチュレーションした。析出した固体を濾取し、(+)-1-(7-{8-エトキシ-7-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ]-6-ビニルキナゾリン-4-イル}-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナ-2-イル)プロパ-2-エン-1-オン(670 mg)を固体として得た。
上記方法を複数回行うことにより得た固体(3.0 g)をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ODSシリカゲル、水/メタノール)にて精製した。得られた精製物にアセトニトリルを加え、室温にて撹拌した。析出した固体を濾取し、得られた固体を減圧下、40℃にて乾燥し、(+)-1-(7-{8-エトキシ-7-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ]-6-ビニルキナゾリン-4-イル}-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナ-2-イル)プロパ-2-エン-1-オン(化合物D)(2.0 g)を結晶として得た。
上記に示した参考例4の製造方法と同様の方法にて、参考例2(化合物B)を製造した。また、各参考例化合物の構造を後記表12〜表13に、各参考例化合物の製造法及び物理化学的データを表14に示す。
また、後記表中において、以下の略号を用いることがある。
PEx:製造例番号、REx:参考例番号、PSyn:同様の方法で製造した製造例番号、Syn:同様の方法で製造した参考例番号(例えば、R1は参考例1を示す。)、Str:化学構造式(Me:メチル、Et:エチル、Boc:tert-ブトキシカルボニルを示す。なお、化学構造式中に「#」が付された化合物は、軸不斉に基づく単一の光学異性体であることを示す。)、Dat:物理化学的データ、ESI+:質量分析におけるm/z値(イオン化法ESI、断りのない場合[M+H]+)、ESI-:質量分析におけるm/z値(イオン化法ESI、断りのない場合[M-H]-)、CI+:質量分析におけるm/z値(イオン化法CI、断りのない場合[M+H]+)、NMR:DMSO-d6中の1H-NMRにおけるシグナルのδ値(ppm)、s:一重線(スペクトル)、d:二重線(スペクトル)、t:三重線(スペクトル)、m:多重線(スペクトル)、[α]D 20:20℃における比旋光度、c:比旋光度を測定した際の濃度(g/100 mL)。
PEx:製造例番号、REx:参考例番号、PSyn:同様の方法で製造した製造例番号、Syn:同様の方法で製造した参考例番号(例えば、R1は参考例1を示す。)、Str:化学構造式(Me:メチル、Et:エチル、Boc:tert-ブトキシカルボニルを示す。なお、化学構造式中に「#」が付された化合物は、軸不斉に基づく単一の光学異性体であることを示す。)、Dat:物理化学的データ、ESI+:質量分析におけるm/z値(イオン化法ESI、断りのない場合[M+H]+)、ESI-:質量分析におけるm/z値(イオン化法ESI、断りのない場合[M-H]-)、CI+:質量分析におけるm/z値(イオン化法CI、断りのない場合[M+H]+)、NMR:DMSO-d6中の1H-NMRにおけるシグナルのδ値(ppm)、s:一重線(スペクトル)、d:二重線(スペクトル)、t:三重線(スペクトル)、m:多重線(スペクトル)、[α]D 20:20℃における比旋光度、c:比旋光度を測定した際の濃度(g/100 mL)。
本発明の医薬組成物の薬理的効果は、以下の実施例により確認した。
実施例1 KRAS G12C/SOS/c-Raf複合体形成阻害作用の評価
ヒトリコンビナントKRAS G12C、SOSおよびc-Rafタンパク質を用いてこれらタンパク質の複合体形成に対する被験化合物の阻害作用を検討した。
384ウェルプレート(Corning社)へ、assay buffer(50mM HEPES, 150mM NaCl, 5mM MgCl2, 0.05% Tween 20, pH7.4)に溶解したビオチン化AviTag -KRAS G12C(1-185, GDP)(2.5μL; 400nM)に被験化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)で希釈し終濃度1,000nMから1nMまで2.5μLの液量で添加した。これにSon of Sevenless(SOS)(2.5μL; 1.3μM)、c-Raf GSTおよびGTP(SIGMA社、2.5μL; それぞれ130nMおよび4μM)を加え1時間室温にて静置した。その後Ulight-anti-GST(終濃度60nM、Perkin Elmer社)およびLANCE Eu-W1024 labeled Streptoavidin(終濃度50ng/mL、Perkin Elmer社)の混合液(10μL)を加え、EnVision 2103 Multilabel Reader(Perkin Elmer社)を用いて励起波長337nm、620nm及び665nmでの蛍光強度を測定した。参照波長620nmによる蛍光強度で値を標準化した後、DMSO処理でのシグナル値を0%阻害、GTP無添加でのシグナル値を100%阻害とし、50%阻害濃度(IC50)をSigmoid-Emaxモデル非線形回帰分析にて算出した。被験化合物として化合物A、化合物B、化合物C及び化合物Dを用いた試験結果を表1に示す。
ヒトリコンビナントKRAS G12C、SOSおよびc-Rafタンパク質を用いてこれらタンパク質の複合体形成に対する被験化合物の阻害作用を検討した。
384ウェルプレート(Corning社)へ、assay buffer(50mM HEPES, 150mM NaCl, 5mM MgCl2, 0.05% Tween 20, pH7.4)に溶解したビオチン化AviTag -KRAS G12C(1-185, GDP)(2.5μL; 400nM)に被験化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)で希釈し終濃度1,000nMから1nMまで2.5μLの液量で添加した。これにSon of Sevenless(SOS)(2.5μL; 1.3μM)、c-Raf GSTおよびGTP(SIGMA社、2.5μL; それぞれ130nMおよび4μM)を加え1時間室温にて静置した。その後Ulight-anti-GST(終濃度60nM、Perkin Elmer社)およびLANCE Eu-W1024 labeled Streptoavidin(終濃度50ng/mL、Perkin Elmer社)の混合液(10μL)を加え、EnVision 2103 Multilabel Reader(Perkin Elmer社)を用いて励起波長337nm、620nm及び665nmでの蛍光強度を測定した。参照波長620nmによる蛍光強度で値を標準化した後、DMSO処理でのシグナル値を0%阻害、GTP無添加でのシグナル値を100%阻害とし、50%阻害濃度(IC50)をSigmoid-Emaxモデル非線形回帰分析にて算出した。被験化合物として化合物A、化合物B、化合物C及び化合物Dを用いた試験結果を表1に示す。
実施例2 ヒトKRAS G12C変異陽性膵臓癌株MIA PaCa-2に対するERKリン酸化阻害作用の評価
KRASシグナルの下流にあるERKの202番目のスレオニン(Thr202)および204番目のチロシン(Tyr204)のリン酸化をCell ELISAにより測定することで、被験化合物によるERKリン酸化阻害作用を評価した。
MIA PaCa-2細胞(RIKEN, RCB2094)を1ウェルあたり2.0x104細胞となるように、36μL/ウェルずつ384ウェルプレート(Greiner bio-one社)に播種した。細胞培養条件は、10% 牛胎児血清(GE Life Sciences社)を含むRPMI1640培地(Sigma-Aldrich社)を用いて、5%CO2存在下37℃で行った。
翌日、被験化合物(終濃度100nMから0.3nMの範囲で6点)、陽性対照として終濃度1μMのトラメチニブ(グラクソ・スミスクライン社;MEK阻害剤)、及び陰性対照として被験化合物の溶媒であるDMSOを新鮮な培地で100倍希釈し、4μLずつ各ウェルに添加後、2時間培養した。培養後速やかに、各ウェルに30%グリオキサール液[Wako社;40%グリオキサールをPhosphate Buffered Saline(PBS;Wako社)で希釈]を30μL添加し、1時間室温で静置することで細胞を固定した。その後、プレートを遠心(110xg, 7秒間、以下特記しない限り遠心は同条件で行った)することで上清を除き、0.1% Triton X-100(Amersham Biosciences社)含有PBSを20μLずつ各ウェルに添加した。10分間室温静置後、遠心により上清を除き、さらに同じ操作を繰り返した。次に、0.5% SDS(Invitrogen社)含有PBSを20μLずつ各ウェルに添加し、室温で30分間静置後、遠心することで上清を除去した。続いて、ブロッキング溶液(ODYSSEY Blocking Buffer;LI-COR Biosciences社)を20μLずつ各ウェルに添加して1時間室温で静置した。遠心により上清を除き、1次抗体としてERK(Thr202/Tyr204)のリン酸化抗体(Cell Signaling Technology社)を原液に対して1/2,500量となるように希釈したブロッキング溶液を10μLずつ各ウェルに添加して、4℃にて一晩静置した。
翌日、プレートを遠心して反応液を除き、0.05% Tween-20含有PBS(Thermo Scientific社;20x PBS Tween-20をイオン交換水で20倍希釈して使用)を20μLずつ各ウェルに添加し、遠心により上清を除去することで各ウェルを洗浄した。洗浄は計3回行った。洗浄後、2次抗体としてIRDye 800CW Goat anti-Rabbit IgG(LI-COR Biosciences社)を原液に対して1/1,000量となるように希釈したブロッキング溶液を10μLずつ各ウェルに添加して、1時間室温で静置した。プレートを遠心することにより反応液を除き、0.05% Tween-20含有PBSで1次抗体反応後と同様にして、各ウェルを3回洗浄した。3回目の洗浄後の遠心は、171xg, 17秒間行った。洗浄液を除いた後に、そのままプレートを室温で3時間以上風乾させ、Aerius(LI-COR Biosciences社)にて800nmの蛍光シグナルを測定した。
DMSO添加時のシグナル値を0%阻害、1μMのトラメチニブ添加時のシグナル値を100%阻害とし、50%阻害値(IC50)をSigmoid-Emaxモデル非線形回帰分析にて算出した。被験化合物として化合物A、化合物B、化合物C及び化合物Dを用いた試験結果を表2に示す。
KRASシグナルの下流にあるERKの202番目のスレオニン(Thr202)および204番目のチロシン(Tyr204)のリン酸化をCell ELISAにより測定することで、被験化合物によるERKリン酸化阻害作用を評価した。
MIA PaCa-2細胞(RIKEN, RCB2094)を1ウェルあたり2.0x104細胞となるように、36μL/ウェルずつ384ウェルプレート(Greiner bio-one社)に播種した。細胞培養条件は、10% 牛胎児血清(GE Life Sciences社)を含むRPMI1640培地(Sigma-Aldrich社)を用いて、5%CO2存在下37℃で行った。
翌日、被験化合物(終濃度100nMから0.3nMの範囲で6点)、陽性対照として終濃度1μMのトラメチニブ(グラクソ・スミスクライン社;MEK阻害剤)、及び陰性対照として被験化合物の溶媒であるDMSOを新鮮な培地で100倍希釈し、4μLずつ各ウェルに添加後、2時間培養した。培養後速やかに、各ウェルに30%グリオキサール液[Wako社;40%グリオキサールをPhosphate Buffered Saline(PBS;Wako社)で希釈]を30μL添加し、1時間室温で静置することで細胞を固定した。その後、プレートを遠心(110xg, 7秒間、以下特記しない限り遠心は同条件で行った)することで上清を除き、0.1% Triton X-100(Amersham Biosciences社)含有PBSを20μLずつ各ウェルに添加した。10分間室温静置後、遠心により上清を除き、さらに同じ操作を繰り返した。次に、0.5% SDS(Invitrogen社)含有PBSを20μLずつ各ウェルに添加し、室温で30分間静置後、遠心することで上清を除去した。続いて、ブロッキング溶液(ODYSSEY Blocking Buffer;LI-COR Biosciences社)を20μLずつ各ウェルに添加して1時間室温で静置した。遠心により上清を除き、1次抗体としてERK(Thr202/Tyr204)のリン酸化抗体(Cell Signaling Technology社)を原液に対して1/2,500量となるように希釈したブロッキング溶液を10μLずつ各ウェルに添加して、4℃にて一晩静置した。
翌日、プレートを遠心して反応液を除き、0.05% Tween-20含有PBS(Thermo Scientific社;20x PBS Tween-20をイオン交換水で20倍希釈して使用)を20μLずつ各ウェルに添加し、遠心により上清を除去することで各ウェルを洗浄した。洗浄は計3回行った。洗浄後、2次抗体としてIRDye 800CW Goat anti-Rabbit IgG(LI-COR Biosciences社)を原液に対して1/1,000量となるように希釈したブロッキング溶液を10μLずつ各ウェルに添加して、1時間室温で静置した。プレートを遠心することにより反応液を除き、0.05% Tween-20含有PBSで1次抗体反応後と同様にして、各ウェルを3回洗浄した。3回目の洗浄後の遠心は、171xg, 17秒間行った。洗浄液を除いた後に、そのままプレートを室温で3時間以上風乾させ、Aerius(LI-COR Biosciences社)にて800nmの蛍光シグナルを測定した。
DMSO添加時のシグナル値を0%阻害、1μMのトラメチニブ添加時のシグナル値を100%阻害とし、50%阻害値(IC50)をSigmoid-Emaxモデル非線形回帰分析にて算出した。被験化合物として化合物A、化合物B、化合物C及び化合物Dを用いた試験結果を表2に示す。
実施例3 腫瘍内pERK阻害作用の評価
被験化合物投与後の腫瘍サンプル中のERKのリン酸化量を、pERK測定キット(Advanced ERK phospho-T202/Y204 kit, Cisbio社)を用いてTR-FRET法にて検討した。
MIA PaCa2細胞 3.0x106個をPBSに等量のマトリゲル(ベクトン・ディッキンソン社)を添加した溶液を用いて調製し、4-5週齡の雄性ヌードマウス(CAnN.Cg-Foxn1nu/CrlCrlj (nu/nu), 日本チャールス・リバー社)皮下に100μLの用量で注射して植え付け、17日後に試験に用いた。試験は溶媒群および被験化合物投与群各3匹で行い、被験化合物を表3に記載した投与量となるように溶媒を用いて調製した。被験化合物は経口投与し、6% 2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(Sigma-Aldrich社)を溶媒として用いた。投与6時間後にイソフルラン麻酔下で頸椎脱臼したマウスより腫瘍を摘出し、一部を2mLエッペンチューブに入れ、液体窒素を用いて凍結した。腫瘍サンプルはpERK測定試験に供するまで、-80℃のディープフリーザー内で保存した。
腫瘍サンプルに、lysis buffer1(Phospho lysis buffer [Cisbio社], Complete EDTA free [Roche社], Phosphatase inhibitor cocktail2 [Sigma-Aldrich社])500μLとビーズ1個(YTZボール 5mm [ニッカトー社])を添加し、Tissue Lyser II(QIAGEN社)を用いて破砕(frequency 25/s, 3分間)した。全量を新しいチューブに移し、微量高速冷却遠心機を用いて遠心(20,400xg, 10分間, 4℃)し、上清である腫瘍lysateを得た。蛋白定量キット(Pierce 660 nm Protein Assay Kit [Thermo Fisher社])を用いて腫瘍lysateの蛋白定量を行い、各サンプルを最終0.5μg/μLの濃度になるようにlysis buffer 2(Phospho lysis buffer [Cisbio社], Blocking Agent [pERK測定キット付属])を用いて希釈した。
p-ERK1/2 Cryptate抗体及びp-ERK1/2 d2抗体(pERK測定キットに付属)をdetection buffer(pERK測定キットに付属)で40倍希釈し、これら2種の抗体の混合溶液を作製した。抗体の混合溶液を384ウェルプレートに4μL/ウェルの液量で添加した。更に、0.5μg/μLに希釈した腫瘍lysateを16μL/ウェルの液量で添加した。約17時間、湿箱内にて室温で静置した後、EnVision 2103 Multilabel Reader(PerkinElmer社)を用いて、励起波長337nmの条件で、620nm及び665nmにおける蛍光強度を測定した。参照波長620nmによる蛍光強度で値を標準化した後、溶媒群のカウントを0%阻害、lysate添加無しのカウントを100%阻害とし、被験化合物投与サンプルの阻害値を%阻害率で算出した。被験化合物として化合物A、化合物B、化合物C及び化合物Dを用いた試験結果を表3に示す。
被験化合物投与後の腫瘍サンプル中のERKのリン酸化量を、pERK測定キット(Advanced ERK phospho-T202/Y204 kit, Cisbio社)を用いてTR-FRET法にて検討した。
MIA PaCa2細胞 3.0x106個をPBSに等量のマトリゲル(ベクトン・ディッキンソン社)を添加した溶液を用いて調製し、4-5週齡の雄性ヌードマウス(CAnN.Cg-Foxn1nu/CrlCrlj (nu/nu), 日本チャールス・リバー社)皮下に100μLの用量で注射して植え付け、17日後に試験に用いた。試験は溶媒群および被験化合物投与群各3匹で行い、被験化合物を表3に記載した投与量となるように溶媒を用いて調製した。被験化合物は経口投与し、6% 2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(Sigma-Aldrich社)を溶媒として用いた。投与6時間後にイソフルラン麻酔下で頸椎脱臼したマウスより腫瘍を摘出し、一部を2mLエッペンチューブに入れ、液体窒素を用いて凍結した。腫瘍サンプルはpERK測定試験に供するまで、-80℃のディープフリーザー内で保存した。
腫瘍サンプルに、lysis buffer1(Phospho lysis buffer [Cisbio社], Complete EDTA free [Roche社], Phosphatase inhibitor cocktail2 [Sigma-Aldrich社])500μLとビーズ1個(YTZボール 5mm [ニッカトー社])を添加し、Tissue Lyser II(QIAGEN社)を用いて破砕(frequency 25/s, 3分間)した。全量を新しいチューブに移し、微量高速冷却遠心機を用いて遠心(20,400xg, 10分間, 4℃)し、上清である腫瘍lysateを得た。蛋白定量キット(Pierce 660 nm Protein Assay Kit [Thermo Fisher社])を用いて腫瘍lysateの蛋白定量を行い、各サンプルを最終0.5μg/μLの濃度になるようにlysis buffer 2(Phospho lysis buffer [Cisbio社], Blocking Agent [pERK測定キット付属])を用いて希釈した。
p-ERK1/2 Cryptate抗体及びp-ERK1/2 d2抗体(pERK測定キットに付属)をdetection buffer(pERK測定キットに付属)で40倍希釈し、これら2種の抗体の混合溶液を作製した。抗体の混合溶液を384ウェルプレートに4μL/ウェルの液量で添加した。更に、0.5μg/μLに希釈した腫瘍lysateを16μL/ウェルの液量で添加した。約17時間、湿箱内にて室温で静置した後、EnVision 2103 Multilabel Reader(PerkinElmer社)を用いて、励起波長337nmの条件で、620nm及び665nmにおける蛍光強度を測定した。参照波長620nmによる蛍光強度で値を標準化した後、溶媒群のカウントを0%阻害、lysate添加無しのカウントを100%阻害とし、被験化合物投与サンプルの阻害値を%阻害率で算出した。被験化合物として化合物A、化合物B、化合物C及び化合物Dを用いた試験結果を表3に示す。
実施例4 ヒトKRAS G12C変異陽性膵臓癌株MIA PaCa担癌マウスにおける抗腫瘍作用の評価
MIA PaCa2細胞 3.0x106個をPBSに等量のマトリゲル(ベクトン・ディッキンソン社)を添加した溶液を用いて調製し、4-5週齡の雄性ヌードマウス(CAnN.Cg-Foxn1nu/CrlCrlj (nu/nu), 日本チャールス・リバー社)皮下に100μLの用量で注射して植え付けた。植え付け約1週間後、各群間の腫瘍体積および体重がほぼ同等となるよう群分けを行い、翌日より被験化合物の投与を開始した。試験は溶媒群および被験化合物投与群各5匹で行い、溶媒群には6% 2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(Sigma-Aldrich社)水溶液を、被験化合物投与群には6% 2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン水溶液に被験化合物(10または40 mg/kg)を混合して経口投与した。投与は14日間1日1回行い、腫瘍径および体重を1週間に2回測定した。腫瘍体積の算出には以下の式を用いた。
[腫瘍体積(mm3)] = [腫瘍の長径(mm)] x [腫瘍の短径(mm)]2 x 0.5
被験化合物による腫瘍増殖阻害率(%)は、投与開始前日の被験化合物投与群の腫瘍体積を100%阻害、投与終了日の溶媒群の腫瘍体積を0%阻害として算出した。また、被験化合物投与群の腫瘍体積が投与開始前日の腫瘍体積を下回った場合、投与開始前日の腫瘍体積を0%退縮、腫瘍体積0を100%退縮として、被験化合物の腫瘍退縮率(%)を算出した。被験化合物として化合物A、化合物B、化合物C及び化合物Dを用いた試験結果を表4に示す。
MIA PaCa2細胞 3.0x106個をPBSに等量のマトリゲル(ベクトン・ディッキンソン社)を添加した溶液を用いて調製し、4-5週齡の雄性ヌードマウス(CAnN.Cg-Foxn1nu/CrlCrlj (nu/nu), 日本チャールス・リバー社)皮下に100μLの用量で注射して植え付けた。植え付け約1週間後、各群間の腫瘍体積および体重がほぼ同等となるよう群分けを行い、翌日より被験化合物の投与を開始した。試験は溶媒群および被験化合物投与群各5匹で行い、溶媒群には6% 2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(Sigma-Aldrich社)水溶液を、被験化合物投与群には6% 2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン水溶液に被験化合物(10または40 mg/kg)を混合して経口投与した。投与は14日間1日1回行い、腫瘍径および体重を1週間に2回測定した。腫瘍体積の算出には以下の式を用いた。
[腫瘍体積(mm3)] = [腫瘍の長径(mm)] x [腫瘍の短径(mm)]2 x 0.5
被験化合物による腫瘍増殖阻害率(%)は、投与開始前日の被験化合物投与群の腫瘍体積を100%阻害、投与終了日の溶媒群の腫瘍体積を0%阻害として算出した。また、被験化合物投与群の腫瘍体積が投与開始前日の腫瘍体積を下回った場合、投与開始前日の腫瘍体積を0%退縮、腫瘍体積0を100%退縮として、被験化合物の腫瘍退縮率(%)を算出した。被験化合物として化合物A、化合物B、化合物C及び化合物Dを用いた試験結果を表4に示す。
以上の結果から、本発明の医薬組成物の有効成分である、化合物A、化合物B、化合物C及び化合物DがG12C変異KRASを阻害することが確認された。また、これらの化合物がKRAS G12C変異陽性膵臓癌細胞移植担癌マウスに対して抗腫瘍作用を有することが確認された。
従って、化合物A、化合物B、化合物C及び化合物Dからなる群から選択される化合物又はその製薬学的に許容される塩は、膵臓癌、特にKRAS G12C変異陽性膵臓癌の治療に使用できる。
本発明の医薬組成物の有効成分である、化合物A、化合物B、化合物C及び化合物Dからなる群から選択される化合物、又はその製薬学的に許容される塩は、G12C変異KRAS阻害作用を有し、膵臓癌の治療用医薬組成物、ある態様としてKRAS G12C変異陽性膵臓癌の治療用医薬組成物の有効成分として使用できる。
Claims (6)
- (+)-1-{7-[6-シクロプロピル-2-{[1-(3-メトキシプロピル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-7-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)キナゾリン-4-イル]-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナ-2-イル}プロパ-2-エン-1-オン、(+)-1-{7-[6-シクロプロピル-2-{[1-(2-メトキシエチル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-7-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)キナゾリン-4-イル]-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナ-2-イル}プロパ-2-エン-1-オン、(+)-1-{7-[2-{[1-(2-メトキシエチル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-7-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)-6-ビニルキナゾリン-4-イル]-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナ-2-イル}プロパ-2-エン-1-オン、及び、(+)-1-(7-{8-エトキシ-7-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ]-6-ビニルキナゾリン-4-イル}-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナ-2-イル)プロパ-2-エン-1-オンからなる群から選択される化合物、又はその製薬学的に許容される塩、及び製薬学的に許容される賦形剤を含有する膵臓癌の治療用医薬組成物。
- 化合物が、(+)-1-{7-[6-シクロプロピル-2-{[1-(3-メトキシプロピル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-7-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)キナゾリン-4-イル]-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナ-2-イル}プロパ-2-エン-1-オンである請求項1に記載の医薬組成物。
- 化合物が、(+)-1-{7-[6-シクロプロピル-2-{[1-(2-メトキシエチル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-7-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)キナゾリン-4-イル]-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナ-2-イル}プロパ-2-エン-1-オンである請求項1に記載の医薬組成物。
- 化合物が、(+)-1-{7-[2-{[1-(2-メトキシエチル)ピペリジン-4-イル]オキシ}-7-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-8-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)-6-ビニルキナゾリン-4-イル]-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナ-2-イル}プロパ-2-エン-1-オンである請求項1に記載の医薬組成物。
- 化合物が、(+)-1-(7-{8-エトキシ-7-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-2-[(1-メチルピペリジン-4-イル)オキシ]-6-ビニルキナゾリン-4-イル}-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナ-2-イル)プロパ-2-エン-1-オンである請求項1に記載の医薬組成物。
- 膵臓癌がKRAS G12C変異陽性膵臓癌である、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の医薬組成物。
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