JP6889606B2 - ヘッドレスト付きバックパッドの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用座席シートを構成するヘッドレスト付きバックパッドの製造方法に関する。
自動車等の車両に搭載される座席シートで、背もたれ用バックパッドにはバックパッド部にヘッドレスト部を一体成形させた、いわゆるハイバック仕様のヘッドレスト付きバックパッドがある。このヘッドレスト付きバックパッドは、発泡成形型のヘッドレスト内面形成型部に袋状の裏当て材を装着し、次に、発泡原料の注入,型閉じを行ない、その後、ヘッドレスト部に裏当て材が一体化されたパッド本体を発泡成形してできる。ヘッドレスト部に下向き開口の穴が形成され、その内壁面に裏打ち一体化された袋状の裏当て材が、ヘッドレスト部と組付けられる車体側フレーム(図示せず)との間に介在して、フレームの擦れに伴う異音発生やヘッドレスト部の亀裂を防いでいる。そして、裏当て材を袋状に縫製する際にできる縫代がパッド本体の発泡成形で流路を狭め、ボイド等ができ易かったが、これを解消する特許文献1等の発明が提案されている。尚、特許文献1では裏当て材を裏面材という。
特開2012−34894号公報
しかるに、特許文献1をはじめとする従来品は、袋底から袋口まで末広がりに広がる袋状の裏当て材(特許文献の図1〜図5)であり、発泡成形型のヘッドレスト内面形成型部92も本願の図13(イ)のごとくにして、裏当て材Yを装着し易かったが、図13(ロ)のようなヘッドレスト内面形成型部92では装着困難となる。最近のヘッドレスト部3は下面側穴口37よりも穴内3uが広がる図1のケースが存在する。こうしたヘッドレスト部3では、ヘッドレスト内面形成型部92が図13(ロ)のごとくバックパッド裏面形成型部91へ向けて次第にその厚み幅を大きくし、途中で最大厚み幅Wmaxとなっている。そのため、該ヘッドレスト内面形成型部92に袋状裏当て材Zを被せて装着するのが至難になる。該ヘッドレスト内面形成型部92に袋状裏当て材Zを無理して被せて装着できたとしても、最大突部分95を越えた裏当て材Zの裾部分Z1が広がり、たるみが発生し支障をきたす。たるんだ裾部分Z1がパッド本体の発泡成形時の流路を塞いだり、発泡原料の液流れを阻害したりして品質不良が生じやすい。さらに、裏当て材Zのたるみ部分Z1が製品意匠面側に露出してしまう不具合も起こったりする。
本発明は、上記問題を解決するもので、ヘッドレスト部の穴口よりも穴内の方が広がっていても、品質維持し高い歩留まりを保ってパッド本体の発泡成形ができ、さらに作業性向上,生産性向上にも貢献するヘッドレスト付きバックパッドの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成すべく、請求項1に記載の発明の要旨は、発泡成形型のヘッドレスト内面形成型部に裏当て材を装着後、発泡原料を注入すると共に型閉じし、その後、ヘッドレスト部に係る下向き穴の内壁面に裏当て材が一体化されたパッド本体を発泡成形するヘッドレスト付きバックパッドの製造方法において、布材を前記内壁面用に裁断した裁断片の縫合によって上部を袋状とし、下部はその下縁の一地点から前記上部の袋底へ向かう該裁断片の一辺側と、該一辺側との縫合によって袋口側筒状部分になる他辺側と、を縫合せずに遊離させ、且つ該他辺側を延在させて下部外周に沿わせることのできる横長帯部が備わる袋状体の裏当て材を、前記ヘッドレスト内面形成型部に被せた後、該ヘッドレスト内面形成型部に係る下半部域の周方向に前記横長帯部を巻き付けて装着することを特徴とするヘッドレスト付きバックパッドの製造方法にある。請求項2の発明たるヘッドレスト付きバックパッドの製造方法は、請求項1で、袋状にした前記上部の縫合に伴う縫い代部分を袋内側に配して、前記裏当て材を前記ヘッドレスト内面形成型部に被せたことを特徴とする。請求項3の発明たるヘッドレスト付きバックパッドの製造方法は、請求項1又は2で、横長帯部の先端側部位に磁性体入りテープ片を貼着する一方、該横長帯部を巻き付けた時の前記下半部域で、前記磁性体入りテープ片の対向面にマグネット体を埋設して、該横長帯部を該下半部域に巻き付け、且つ該マグネット体に前記磁性体入りテープ片を磁力吸着させて装着することを特徴とする。請求項4の発明たるヘッドレスト付きバックパッドの製造方法は、請求項1〜3で、裏当て材に係る前記下部に、前記一辺側と前記他辺側との遊離箇所以外に、前記下部の下縁から前記上部の袋底へ向かうスリットを設けたことを特徴とする。
本発明の車両用ヘッドレスト付きバックパッドの製造方法は、ヘッドレスト部の穴口よりも穴内の方が広がっていても、その内壁面に袋状裏当て材をたるみなく一体化でき、且つパッド本体の発泡成形において、たるみ部分が発泡原料の液流れを阻害したり製品意匠面側に現れたりする不良をなくし、加えて脱型も可能であるなど品質が安定し、歩留まり向上,生産性向上、さらに作業性向上等にも優れた効果を発揮する。
本発明のヘッドレスト付きバックパッドの製造方法の一形態で、(イ)はヘッドレスト付きバックパッドの全体斜視図で、(ロ)は(イ)のI-I線矢視断面図である。 裏当て材用裁断片の展開平面図である。 図2の裁断片を縫製し袋状にした裏当て材の斜視図である。 図3の裏当て材を裏返しにして中子型にセットする説明斜視図である。 (イ)は中子型のヘッドレスト内面形成型部周りの側面図で、(ロ)は(イ)のヘッドレスト内面形成型部に裏当て材を被せた側面図である。 (イ)がヘッドレスト内面形成型部に裏当て材を被せて、横長帯部を巻き付け始めるところの斜視図、(ロ)が横長帯部の巻き付けを終え、裏当て材の装着完了の断面図である。 中子型の部分斜視図である。 図6(イ)の直後姿態を表す斜視図である。 発泡原料を下型に注入する説明断面図である。 図9の後、型閉じした断面図である。 図10の後、パッド本体を発泡成形した断面図である。 図4の裏当て材に代わる他態様の裏当て材の斜視図である。 従来技術の説明斜視図である。
以下、本発明に係るヘッドレスト付きバックパッドの製造方法について詳述する。
図1〜図12は本発明のヘッドレスト付きバックパッドの製造方法の一形態で、車両後部座席のヘッドレスト付きバックパッドに適用する。図1の(イ)はヘッドレスト付きバックパッドの斜視図で、(ロ)は(イ)のI-I線矢視断面図、図2は裏当て材用裁断片の展開平面図、図3は図2の裁断片を袋状にした裏当て材の斜視図、図4は図3の裏当て材を中子型にセットする説明図、図5の(イ)は中子型のヘッドレスト内面形成型部周りの側面図で、(ロ)は(イ)のヘッドレスト内面形成型部に裏当て材を被せた側面図、図6は図5(ロ)のヘッドレスト内面形成型部に横長帯部で巻き付ける説明図、図7は中子型の部分斜視図、図8は図6(イ)の直後姿態を表す斜視図、図9は下型に発泡原料を注入する説明断面図、図10は型閉じの断面図、図11はパッド本体を発泡成形した断面図、図12は他態様の裏当て材の斜視図である。各図は図面を判り易くするため発明要部を強調図示し、また本発明と直接関係しない部分を簡略化又は省略する。
ヘッドレスト付きバックパッドの製造方法は、車両用バックパッド部2にヘッドレスト部3が一体化したハイバック仕様のヘッドレスト付きバックパッドの製法である。発泡成形型6のヘッドレスト内面形成型部92に裏当て材4を装着後、発泡原料gを注入すると共に型閉じし、その後、ヘッドレスト部3に係る下向き穴の内壁面3bに裏当て材4が一体化されたパッド本体1を発泡成形する。パッド本体1の発泡成形で、ヘッドレスト部3にフレーム挿入用の下向き穴口37の穴を設け、該穴の内壁面3bに裏当て材4を一体化する。
本実施形態は、図1のような車両後部座席で、進行方向左側のヘッドレスト付きバックパッドPに適用する。図1(ロ)のヘッドレスト付きバックパッドPは、その紙面右方が車両前方となり、紙面上方が上方になっている。本発明でいう「前方」、「上方」もこれと同じくする。ヘッドレスト付きバックパッドPのパッド本体1の発泡成形に先立ち、裏当て材4,発泡成形型6が用意される。
裏当て材4は、布材をヘッドレスト部3の内壁面3b用に裁断した裁断片5の縫合によって上部4aを袋状とし、下部4bはその下縁の一地点から前記上部4aの袋底420へ向かう一辺43S側と、これとの縫合によって袋口側筒状部分になる他辺45S側と、を縫合せずに遊離させた製品である(図3)。本実施形態は縫合すれば袋口を形成する下部周縁48の一地点から上部4aの袋底420へ向かう該裁断片5の一辺43S側と、該一辺43S側との縫合によって袋口側で筒状になる他辺45S側と、を縫い合わせずに離れたままとする。そして、他辺45S側がそのまま延在して下部4b外周に沿うことのできる横長帯部46を有する袋状体になっている。尚、図1,図4の符号47は、仮に一辺側と他辺側を縫合した場合の袋口を表す。
ここでは、不織布(又はフェルト等)からなる布材を、袋状裏当て材4にすることのできる図2のような一枚物の裁断片5に裁断する。袋状裏当て材4用の前部分51から底部分52、後部分53と縦長につながり、前部分51の両側に側部分54,55が延在する。同図左側の側部分55の下半部から紙面左方へ横長帯部分56が延在し、その先端部分561に磁性体入りテープ片MTを貼着する。同図で、横長帯部46の紙面横方向に延びる横長さは、巻き付けに必要な後部分53,側部分54,前部分51の各横長さの和に略等しい。磁性体入りテープ片MT(以下、単に「テープ片」ともいう。)は、鉄,ニッケル等の強磁性体粉末を配合した合成樹脂やゴムにより形成されるテープ片である。符号52j〜55jは縫代部分である。これらの付け根側の鎖線は袋状裏当て材4にした時の縫い目ライン仮想線5kで、この段階では縫糸Tで未だ縫っていない。前部分51,底部分52,後部分53,側部分54,55間の各境界線を表す鎖線は袋状にする際の曲げ部分になる仮想線であり、縫合はない。符号55Sは横長帯部分56と側部分との境界線で、裁断片5を縫合し裏当て材4にした場合、他辺45Sに相当する。符号510は前部分51に設けた孔、符号511は前突き出し部分、符号531は後突き出し部分を示す。
そして、裁断片5を図2に示した曲げ部分の前記仮想線で紙面手前側に曲げて各縫代部分52j〜55jを合わせ、該縫い目ラインE沿いに縫って上部4aを袋状とする。図2で、側部分55の左側縫代部分55jと後部分53の左側縫代部分53j、側部分55の上側縫代部分55jと底部分52の左側縫代部分52j、側部分54の右側縫代部分54jと後部分53の右側縫代部分53j、側部分54の上側縫代部分54jと底部分52の右側縫代部分52jとを夫々合せて、縫合することにより上部4aが袋状になる。下部4bは、既述のごとく縫合した場合に袋口47になる下部周縁48の一地点から上部4aの袋底420へ向かう該裁断片5の一辺43S側と他辺45S側とは縫合せずに離れたままにする。さらに、該他辺45S側が延在し、下部4b外周に沿って略一回りさせることのできる横長帯部46が備わる袋状体の裏当て材4とする(図3)。裁断片5の横長帯部分56が裏当て材4の横長帯部46に、裁断片5に設けた孔510が裏当て材4の透孔410に、裁断片5のテープ片MTが横長帯部46の先端部位461に貼着されたテープ片MTになる。
発泡成形型6は、図4のように下型7と上型8と中子型9を備え、下型7に対し中子型9,上型8がそれぞれ開閉可能に接続される。図10のごとく中子型9のヘッドレスト内面形成型部92に裏当て材4を装着して型閉じすると、下型キャビティ面7Sと上型キャビティ面8Sと中子型キャビティ面9Sとでヘッドレスト付きバックパッドPのキャビティCができる。
下型キャビティ面7Sには、椀状にへこんでヘッドレスト部3の車両前方側の外面3aをつくるヘッドレスト前方外面形成面7aと、バックパッド部2の背面2bを除く車両前方側及び車幅方向側面側の意匠面2aをつくるバックパッド表面形成面7mとが備わる(図9)。上型キャビティ面8Sには、ヘッドレスト後方外面形成面8bとヘッドレスト後方突出し外面形成面8fとが備わる(図10)。中子型キャビティ面9Sには、バックパッド裏面形成型部91によってバックパッド部2の背面2bをつくるバックパッド裏面形成面9mと、ヘッドレスト内面形成型部92によってヘッドレスト部3の内壁面3bをつくるヘッドレスト前方内面形成面9a,ヘッドレスト後方内面形成面9bとが備わる(図7)。
符号68,69は下型7と上型8を連結するヒンジ,下型7と中子型9を連結するヒンジ、符号79,89,99は型合せ面を示す。尚、図4,図9〜図11の発泡成形型6は、車両設置状態に在る図1(イ)のヘッドレスト付きバックパッドPを前方に倒し、図11のごとくバックパッド部背面2bが略水平になる姿態で、バックパッド部2とヘッドレスト部3と一体のパッド本体1を造る型構造になっている。
前記発泡成形型6、裏当て材4を用いて、ヘッドレスト付きバックパッドPが例えば次のように製造される。
まず、発泡成形型6の型開状態下、裏当て材4を中子型9のヘッドレスト内面形成型部92にセットする(図4)。裏当て材4は、裁断片5を縫製してなる図3の裏当て材4を予め裏返しにして、縫代部分42j〜45jを袋内側40に配しておく。型開で略起立状態にある中子型9のヘッドレスト内面形成型部92へ、袋底420を上にし、袋口47側を開けて図4,図5のように該裏当て材4を被せる。ヘッドレスト内面形成型部92の頂部から最大突部分95までの上半部分を、裏当て材上部4aで図5(ロ)のように難なく覆うことができる。裏当て材下部4bは、一辺43S側と他辺45S側が縫合されておらず離れているので、ヘッドレスト内面形成型部92に引っかかることなく被さるが、その下半部域921との間に隙がある状態で垂れ下がる。横長帯部46も図示のごとく垂れ下がる。
次に、垂れ下がった横長帯部46を、ヘッドレスト内面形成型部92に係る下半部域921の周方向に巻き付けて装着する。前記隙をなくし且つシワがでないように、図6(イ)でいうと、例えばヘッドレスト内面形成型部92よりも紙面手前側に配した裏当て材下部4bの一辺43S側を紙面右方へ適度に引っ張って、裏当て材4の後部43及び後突出し部431をヘッドレスト内面形成型部92の下半部域921に密着させた後、これに横長帯部46が覆いかぶさるように該下半部域921の周方向に横長帯部46を巻き付け、ヘッドレスト内面形成型部92に裏当て材4を装着する。横長帯部46を裏当て材下部4bの外周面に略3/4周回して装着させると、横長帯部46が後部43,側部44,前部41に積層し、且つこれらをヘッドレスト内面形成型部92に密着でき、裏当て材4の裾部分側のたるみがなくなる。
ここで、本実施形態は、既述のごとく横長帯部46の先端部位461にテープ片MTを貼着する一方、該横長帯部46を巻き付けた時のヘッドレスト内面形成型部92の下半部域921で、テープ片MTの対向面にマグネット体923を埋設している。横長帯部46を下半部域921に巻き付け、且つマグネット体923にテープ片MTを磁力吸着させて装着する。裏当て材下部4bのヘッドレスト内面形成型部92への密着,おさまりが良くなり、且つ形崩れしなくなるので、その後のパッド本体1の発泡成形を良好にする。さらに裏当て材下部4b上に重なるように、横長帯部46をヘッドレスト内面形成型部92の下半部域921に巻き付けた時、図6(ロ)のように透孔410を介してテープ片MTがマグネット体923に直かに接すると、より強力に磁力吸着されるので一層好ましくなっている。
その後、下型キャビティ面7Sにバックパッド部2及びヘッドレスト部3のバックパッド本体1成形用軟質ポリウレタン発泡原料g(以下、単に「発泡原料」ともいう。)を注入すると共に型閉じする。下型キャビティ面7S上に、注入ノズルNL等を使用して発泡原料gを所定量注入する(図9)。
続いて、中子型9,上型8を作動させ、型閉じする(図10)。上型8と中子型9と下型7の型閉じで、ヘッドレスト内面形成型部92に装着した裏当て材4がインサートセットされたヘッドレスト付きバックパッドPのキャビティCができる。型閉じによって、横長帯部46の先端部位461が同図のごとく下方側に配されるが、そこに貼着したテープ片MTが中子型9に埋設のマグネット体923へ強力に磁力吸着して、中子型9に裏当て材4を装着した姿態が保持される。尚、本実施形態は発泡原料gの注入後に型閉じしたが、型閉じ後に発泡原料gを注入することもできる。
前記型閉じの後、主工程の発泡成形に移る。図10の型閉じ状態を所定時間維持し、図11ごとくのヘッドレスト部3に係る下向き穴の内壁面3bに裏当て材4が一体化されたヘッドレスト部3付きバックパッド部2のパッド本体1を発泡成形する。
本実施形態は、図3のごとく裏当て材下部4bに係る前記他辺45Sの全長が横長帯部46の帯幅になっており、横長帯部46が裏当て材下部4bの全域に亘って、たるみをなくして巻き付き、裏当て材4をヘッドレスト内面形成型部92に密着させるので、より好ましくなっている。かくして、たるみ部分によるボイドやたるみ部分が製品意匠面側に露出するといった不具合が出ないパッド本体1を発泡成形する。
前記パッド本体1の発泡成形を終え、その後、脱型して、パッド本体1裏面側でヘッドレスト部3に下方穴口37の穴を有し、その穴内壁面3bに裏当て材4が一体化した図1ごとくの所望のヘッドレスト付きバックパッドPを得る。
ちなみに、本発明は脱型も支障なく実施できる。ヘッドレスト部3は図1(ロ)のごとく下方側穴口37よりも穴内3uの方が広い。ヘッドレスト内面形成型部92を図5(イ)のごとくバックパッド裏面形成型部91へ向けて次第にその厚み幅を大きくし、途中で最大厚み幅Wmaxとした後、バックパッド裏面形成型部91に向けて厚み幅を小さくしている。これまでのように、裏当て材4の下部4bを縫製で袋状にした裏当て材4にしてしまうと、ヘッドレスト内面形成型部92に装着できたとしても、脱型が困難になる。
しかるに、本実施形態は、下部4bの一辺43S側と他辺45S側が遊離する裏当て材4をヘッドレスト内面形成型部92に被せた後、その下半部域921に横長帯部46を巻き付け、且つマグネット体923にテープ片MTを磁力吸着させて装着している。発泡成形時は磁力吸着によって裏当て材下部4bをヘッドレスト内面形成型部92に密着保持させる一方、脱型時には横長帯部46の部分が伸びることで脱型を可能にする。最大突部分95がある先の穴口37側が狭まる穴内3uを有するヘッドレスト部3であっても、クッション性に富む軟質のパッド本体1であればある程度の変形融通性がある。さらに、一辺43S側と他辺45S側が遊離し、且つ横長帯部46のテープ片MTは、マグネット体923に磁力吸着で保持されながらも、縫合した場合と違ってパッド本体1の変形に追随できる融通性がある。テープ片MTがマグネット体923に横すべりして、穴口37の周囲を脱型に必要な最大突部分95の穴径まで開けて脱型が可能になる。
こうして、穴口37よりも穴内3uの方が大きなヘッドレスト部3を有していても、確実に脱型をなし得る所望のヘッドレスト付きバックパッドPが得られる。該ヘッドレスト付きバックパッドPに表皮を被せると、車両用後部座席シートのシートバックになる。
符号21は背もたれ主部、符号22はサイド部,符号29は吊溝,符号30は穴底,符号31は後方鍔部を示す。
図12は図4に代わる他態様の裏当て材4を示す。裏当て材下部4bに、前記一辺43S側と前記他辺45S側との遊離箇所以外に、前記下部4bの下縁から前記上部4aの袋底420へ向かうスリット49を別途形成した裏当て材4である。スリット49を設けて、該スリット両側の前部41と側部44や側部44と後部43が独立して動き易くなる。また前部41を長く垂らして、バックパッド本体1の発泡成形で、裏当て材4がヘッドレスト部3の内壁面3bだけでなく、バックパッド部2の背面2bにも長く垂らした前突出し部411の部分が一体化されるヘッドレスト付きバックパッドPとする。バックパッド部背面2bと車体側フレーム(図示せず)との間に前突出し部411が介在してここでの擦れ音も防ぐ。他の構成は図3,図4の裏当て材4と同様で、その説明を省く。
このように構成したヘッドレスト付きバックパッドの製造方法は、上部4aを袋状とし、下部4bはその下縁の一地点から前記上部4aの袋底420へ向かう一辺43S側と、これとの縫合によって袋口47側筒状部分になる他辺45S側と、を縫合せずに遊離させた裏当て材4を採用するので、下向き穴口37よりも穴内3uが広がる図1(ロ)のようなヘッドレスト部3でも、パッド本体1の発泡成形でヘッドレスト部穴内3uの内壁面3bに裏当て材4を綺麗に裏打ち一体化できる。図5で、バックパッド裏面形成型部91へ向けて厚み幅を大きくし、その途中で最大厚み幅Wmaxとした後、今度はバックパッド裏面形成型部91に向けて厚み幅を小さくするヘッドレスト内面形成型部92に対して、一辺43S側と他辺45S側が遊離した裏当て材下部4bは広げられるので、袋状になっている上部4aでパッド本体内面形成型部92の最大厚み幅Wmaxまでを覆って楽に被せることができる。
そして、従来、図13(ロ)のごとく最大厚み幅Wmaxを越えて被せたとしても、ヘッドレスト内面形成型部92に配された裏当て材Zの裾部分Z1が広がって追従性が悪く、パッド本体1の発泡成形時に裏当て材4のたるみが発生して、発泡原料gの流路を塞いだり、液流れを阻害したりして品質不良を招き易かったが、たるみがでないのでそのような不具合は起こらない。最大厚み幅Wmaxを越えてヘッドレスト内面形成型部92に被せる裏当て材4の下部4bは一辺43S側と他辺45S側とが切り離され、横長帯部46の巻き付けで該下部4bをヘッドレスト内面形成型部92に寄せ当てる構成にして、たるみをなくしている。該下部4b上に横長帯部46が積層して、ヘッドレスト内面形成型部92に係る下半部域921の周方向に巻き付けて装着することで、裾部分を含めて、裏当て材4の下部4bが図6のようにヘッドレスト内面形成型部92に密着する。
ヘッドレスト内面形成型部92に被せた後、前記横長帯部46で、裏当て材下部4bを覆うようにして、ヘッドレスト内面形成型部92に係る下半部域921の周方向に巻き付けると、一辺43S側と他辺45S側が遊離して垂れ下っていた裏当て材下部4bの前部41や後部43であっても、たるみをなくしてヘッドレスト内面形成型部92の表面へ楽に接合させて装着できる。
また、袋状にした裏当て材上部4aの縫合に伴う縫代部分42j〜45jを袋内側40に配して、図4のように裏当て材4をヘッドレスト内面形成型部92に被せると、縫代部分42j〜45jが抵抗となってパッド本体1の発泡成形で流路を乱したり狭めたりしないので、ボイド不良をなくすことができる。
さらに、横長帯部46の先端部位461に磁性体入りテープ片MTを貼着すると共に、該横長帯部46を巻き付けた時の中子型9の下半部域921で、磁性体入りテープ片MTの対向面にマグネット体923を埋設し、横長帯部46を該下半部域921に巻き付け、且つ該マグネット体923に磁性体入りテープ片MTを磁力吸着させて装着すると、横長帯部46の巻き付けが簡便且つ確実に保持される。型閉じ時に下方に位置して重力によって垂れ下がり易い横長帯部46の先端部位461を、磁力吸着を使った簡便構成により、下部4bの一辺43S側と他辺45S側が遊離する裏当て材下部4bを含めて、ヘッドレスト内面形成型部92に裏当て材4を弛みなしで装着保持させたまま、パッド本体1の発泡成形まで無事行える。
さらにいえば、穴内3uよりも穴口37の方が狭まる図1のようなヘッドレスト部3であっても、クッション性に富み変形融通性のある軟質パッド本体1に追随して、テープ片MTがマグネット体923の面上をスムーズに移動して脱型が容易になる。穴口37を最大突部分95がつくる穴径まで大きくして、ヘッドレスト内面形成型部92からヘッドレスト部3を取り外すことができる。
加えて、裏当て材4の下部4bに、前記一辺43S側と前記他辺45S側との遊離箇所以外に、下部4bの下縁から上部4aの袋底420へ向かうスリット49を設けると、スリット両側の前部41と側部44や側部44と後部43が独立して動き易くなる(図12)。ヘッドレスト内面形成型部92に裏当て材4を被せた後、スリット49の存在で裏当て材下部4bの動きに自由度が増し、該下部4bをヘッドレスト内面形成型部92へたるみやシワをつくらずに簡単に密着させた状態にして、該ヘッドレスト内面形成型部92に係る下半部域921の周方向に横長帯部46を楽に巻き付けて装着できる。
このように、本ヘッドレスト付きバックパッドの製造方法によれば、穴内3uよりも穴口37が狭いヘッドレスト部3でも、品質を維持し且つ高い歩留まりを保ってパッド本体1の発泡成形が可能だけでなく、脱型を可能にして作業性に優れるなど、品質安定,生産性向上,作業性向上等に優れた効果を発揮する。
尚、本発明においては前記実施形態に示すものに限られず、目的,用途に応じて本発明の範囲で種々変更できる。パッド本体1,バックパッド部2,ヘッドレスト部3,裏当て材4,裁断片5,発泡成形型6等の形状,大きさ,個数,材質等は用途に合わせて適宜選択できる。例えば、実施形態で裏当て材4用の裁断片5に一枚物を用いたが、複数の裁断片5で裏当て材4を構成できる。図12の裏当て材4にも透孔410,テープ片MTを設け、また図6と同様、該テープ片MTに対向するヘッドレスト内面形成型部92にマグネット体923を設けることができる。
1 パッド本体
3 ヘッドレスト部
3b 内壁面
4 裏当て材
4a 上部
4b 下部
42j〜45j 縫代部分
43S 一辺
45S 他辺
46 横長帯部
49 スリット
5 裁断片
6 発泡成形型
92 ヘッドレスト内面形成型部
921 下半部域
923 マグネット体
P ヘッドレスト付きバックパッド
g 発泡原料
MT 磁性体体入りテープ片(テープ片)

Claims (4)

  1. 発泡成形型のヘッドレスト内面形成型部に裏当て材を装着後、発泡原料を注入すると共に型閉じし、その後、ヘッドレスト部に係る下向き穴の内壁面に裏当て材が一体化されたパッド本体を発泡成形するヘッドレスト付きバックパッドの製造方法において、
    布材を前記内壁面用に裁断した裁断片の縫合によって上部を袋状とし、下部はその下縁の一地点から前記上部の袋底へ向かう該裁断片の一辺側と、該一辺側との縫合によって袋口側筒状部分になる他辺側と、を縫合せずに遊離させ、且つ該他辺側を延在させて下部外周に沿わせることのできる横長帯部が備わる袋状体の裏当て材を、前記ヘッドレスト内面形成型部に被せた後、該ヘッドレスト内面形成型部に係る下半部域の周方向に前記横長帯部を巻き付けて装着することを特徴とするヘッドレスト付きバックパッドの製造方法。
  2. 袋状にした前記上部の縫合に伴う縫い代部分を袋内側に配して、前記裏当て材を前記ヘッドレスト内面形成型部に被せた請求項1記載のヘッドレスト付きバックパッドの製造方法。
  3. 前記横長帯部の先端側部位に磁性体入りテープ片を貼着する一方、該横長帯部を巻き付けた時の前記下半部域で、前記磁性体入りテープ片の対向面にマグネット体を埋設して、該横長帯部を該下半部域に巻き付け、且つ該マグネット体に前記磁性体入りテープ片を磁力吸着させて装着する請求項1又は2記載のヘッドレスト付きバックパッドの製造方法。
  4. 前記裏当て材に係る前記下部に、前記一辺側と前記他辺側との遊離箇所以外に、前記下部の下縁から前記上部の袋底へ向かうスリットを設けた請求項1乃至3のいずれか1項に記載のヘッドレスト付きバックパッドの製造方法。
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