JP6873362B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電動パワーステアリング装置に関する。
近年、電動パワーステアリング装置において、操舵トルクを検出する検出手段(トルクセンサ)により操舵トルクを検出することができなくなった場合においても、電動モータによるアシスト力を付与することを可能とする技術が提案されている。
例えば、特許文献1に記載の電動パワーステアリング装置は、トルクセンサで故障が発生した場合に、操舵角θおよびその微分値である操舵角速度ωに基づき、モータの電流目標値を次のように設定する。θ>0かつω≧0のときには、右方向へのハンドル操作を補助すべく、車速で定まる一定電流値I(V)を電流目標値として設定する。θ<0かつω≦0のときには、左方向へのハンドル操作を補助すべく、−I(V)を電流目標値として設定する。一方、θ>0かつω<0、または、θ<0かつω>0のときは、ハンドルが戻り状態にあるので、操舵補助を停止すべく電流目標値を零と設定する。
特開2003−72580号公報
トルク検出部(例えばトルクセンサ)に故障が生じた場合においても、例えば一定旋回するときなどステアリングホイールに一定の力を付加して保舵するときに適切なアシスト力を付与することが好ましい。
本発明は、トルク検出部に故障が生じた場合においても保舵状態であるときに適切なアシスト力を付与することができる電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
かかる目的のもと、本発明は、車両のステアリングホイールの操舵に対してアシスト力を付与するモータと、前記ステアリングホイールの操舵トルクを検出するトルク検出部と、前記ステアリングホイールの回転角度である操舵角を推定する操舵角推定部と、前記トルク検出部に故障が発生していない場合には前記トルク検出部が検出した前記操舵トルクに基づいて前記アシスト力を決定し、前記トルク検出部に故障が発生した場合には、前記操舵角推定部が推定した推定操舵角に基づいて前記アシスト力を決定し、前記推定操舵角に基づいて算出される操舵角速度の絶対値が所定操舵角速度未満になったときに、前記車両の横G、前記車両のヨーレイト及び左右の車輪速度差の少なくとも2つに基づいて前記ステアリングホイールが保舵状態であるか否かを判定し、前記保舵状態であると判定したときには前記アシスト力を維持し、前記保舵状態が解除されて切り戻されていると判断した場合には、前記アシスト力を低減する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記横Gの変化量が予め定められた基準横G未満であり、かつ前記ヨーレイトの変化量が予め定められた基準ヨーレイト未満である場合に前記ステアリングホイールが保舵されていると判断する電動パワーステアリング装置である。
また、本発明は、車両のステアリングホイールの操舵に対してアシスト力を付与するモータと、前記ステアリングホイールの操舵トルクを検出するトルク検出部と、前記ステアリングホイールの回転角度である操舵角を推定する操舵角推定部と、前記トルク検出部に故障が発生していない場合には前記トルク検出部が検出した前記操舵トルクに基づいて前記アシスト力を決定し、前記トルク検出部に故障が発生した場合には、前記操舵角推定部が推定した推定操舵角に基づいて前記アシスト力を決定し、前記推定操舵角に基づいて算出される操舵角速度の絶対値が所定操舵角速度未満になったときに、前記車両の横G、前記車両のヨーレイト及び左右の車輪速度差の少なくとも2つに基づいて前記ステアリングホイールが保舵状態であるか否かを判定し、前記保舵状態であると判定したときには前記アシスト力を維持し、前記保舵状態が解除されて切り戻されていると判断した場合には、前記アシスト力を低減する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記横Gの変化量が予め定められた基準横G未満であり、かつ前記車輪速度差の変化量が予め定められた基準車輪速度差未満である場合に前記ステアリングホイールが保舵されていると判断する電動パワーステアリング装置である。
また、本発明は、車両のステアリングホイールの操舵に対してアシスト力を付与するモータと、前記ステアリングホイールの操舵トルクを検出するトルク検出部と、前記ステアリングホイールの回転角度である操舵角を推定する操舵角推定部と、前記トルク検出部に故障が発生していない場合には前記トルク検出部が検出した前記操舵トルクに基づいて前記アシスト力を決定し、前記トルク検出部に故障が発生した場合には、前記操舵角推定部が推定した推定操舵角に基づいて前記アシスト力を決定し、前記推定操舵角に基づいて算出される操舵角速度の絶対値が所定操舵角速度未満になったときに、前記車両の横G、前記車両のヨーレイト及び左右の車輪速度差の少なくとも2つに基づいて前記ステアリングホイールが保舵状態であるか否かを判定し、前記保舵状態であると判定したときには前記アシスト力を維持し、前記保舵状態が解除されて切り戻されていると判断した場合には、前記アシスト力を低減する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記ヨーレイトの変化量が予め定められた基準ヨーレイト未満であり、かつ前記車輪速度差の変化量が予め定められた基準車輪速度差未満である場合に前記ステアリングホイールが保舵されていると判断する電動パワーステアリング装置である。
また、本発明は、車両のステアリングホイールの操舵に対してアシスト力を付与するモータと、前記ステアリングホイールの操舵トルクを検出するトルク検出部と、前記ステアリングホイールの回転角度である操舵角を推定する操舵角推定部と、前記トルク検出部に故障が発生していない場合には前記トルク検出部が検出した前記操舵トルクに基づいて前記アシスト力を決定し、前記トルク検出部に故障が発生した場合には、前記操舵角推定部が推定した推定操舵角に基づいて前記アシスト力を決定し、前記推定操舵角に基づいて算出される操舵角速度の絶対値が所定操舵角速度未満になったときに、前記車両の横G、前記車両のヨーレイト及び左右の車輪速度差の少なくとも2つに基づいて前記ステアリングホイールが保舵状態であるか否かを判定し、前記保舵状態であると判定したときには前記アシスト力を維持し、前記保舵状態が解除されて切り戻されていると判断した場合には、前記アシスト力を低減する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記横Gの変化量が予め定められた基準横G未満であり、かつ前記ヨーレイトの変化量が予め定められた基準ヨーレイト未満であり、かつ前記車輪速度差の変化量が予め定められた基準車輪速度差未満である場合に前記ステアリングホイールが保舵されていると判断する電動パワーステアリング装置である。
本発明によれば、トルク検出部に故障が生じた場合においても保舵状態であるときに適切なアシスト力を付与することができる。
実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の概略構成を示す図である。 制御装置の概略構成図である。 目標電流算出部の概略構成図である。 センサ故障時電流決定部の概略構成図である。 センサ故障時ベース電流算出部の概略構成図である。 操舵状態判定部が行う操舵状態判定処理の手順を示すフローチャートである。 操舵状態判定部が行う保舵状態判定処理の手順を示すフローチャートである。 操舵状態判定部が行う保舵状態判定処理の変形例4の手順を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、実施の形態に係る電動パワーステアリング装置100の概略構成を示す図である。
電動パワーステアリング装置100(以下、単に「ステアリング装置100」と称する場合もある。)は、車両の進行方向を任意に変えるためのかじ取り装置であり、本実施の形態においては車両の一例としての自動車1に適用した構成を例示している。なお、図1は、自動車1を前方から見た図である。
ステアリング装置100は、自動車1の進行方向を変えるために運転者が操作する車輪(ホイール)状のステアリングホイール(ハンドル)101と、ステアリングホイール101に一体的に設けられたステアリングシャフト102とを備えている。また、ステアリング装置100は、ステアリングシャフト102と自在継手103aを介して連結された上部連結シャフト103と、この上部連結シャフト103と自在継手103bを介して連結された下部連結シャフト108とを備えている。下部連結シャフト108は、ステアリングホイール101の回転に連動して回転する。
また、ステアリング装置100は、転動輪としての左側前輪151,右側前輪152それぞれに連結されたタイロッド104と、タイロッド104に連結されたラック軸105とを備えている。また、ステアリング装置100は、ラック軸105に形成されたラック歯105aとともにラック・ピニオン機構を構成するピニオン106aを備えている。ピニオン106aは、ピニオンシャフト106の下端部に形成されている。これらラック軸105、ピニオンシャフト106などが、ステアリングホイール101の回転操作力を左側前輪151,右側前輪152の転動力として伝達する伝達機構として機能する。ピニオンシャフト106は、左側前輪151,右側前輪152を転動させるラック軸105に対して、回転することにより左側前輪151,右側前輪152を転動させる駆動力(ラック軸力)を加える。
また、ステアリング装置100は、ピニオンシャフト106を収納するステアリングギヤボックス107を有している。ピニオンシャフト106は、ステアリングギヤボックス107内にてトーションバー112を介して下部連結シャフト108と連結されている。そして、ステアリングギヤボックス107の内部には、下部連結シャフト108とピニオンシャフト106との相対回転角度に基づいて、言い換えればトーションバー112の捩れ量に基づいて、ステアリングホイール101に加えられた操舵トルクTを検出するトルク検出部の一例としてのトルクセンサ109が設けられている。
また、ステアリング装置100は、ステアリングギヤボックス107に支持された電動モータ110と、電動モータ110の駆動力を減速してピニオンシャフト106に伝達する減速機構111とを有している。減速機構111は、例えば、ピニオンシャフト106に固定されたウォームホイール(不図示)と、電動モータ110の出力軸に固定されたウォームギヤ(不図示)などから構成される。電動モータ110は、ピニオンシャフト106に回転駆動力を加えることにより、ラック軸105に左側前輪151,右側前輪152を転動させる駆動力(ラック軸力)を加える。本実施の形態に係る電動モータ110は、電動モータ110の回転角度であるモータ回転角度θmに連動した回転角度信号θmsを出力するレゾルバ120を有する3相ブラシレスモータである。
また、ステアリング装置100は、電動モータ110の作動を制御する制御装置10を備えている。制御装置10には、上述したトルクセンサ109からの出力信号が入力される。また、制御装置10には、自動車1に搭載される各種の機器を制御するための信号を流す通信を行うネットワーク(CAN)を介して、自動車1の移動速度である車速Vcを検出する車速センサ170からの出力信号v、横方向の加速度を検出する横Gセンサ180からの出力信号g、ヨーレイトを検出するためのヨーレイトセンサ185からの出力信号y、などが入力される。
また、制御装置10には、ネットワーク(CAN)を介して、自動車1の前後左右に配置された4つの車輪それぞれの回転速度を検出する車輪速度センサ190からの出力信号vhsが入力される。車輪速度センサ190は、自動車1の左側の前に配置された左側前輪151の回転速度を検出する左側前輪速度センサ191(図4参照)と、右側の前に配置された右側前輪152の回転速度を検出する右側前輪速度センサ192(図4参照)とを備えている。また、車輪速度センサ190は、左側の後に配置された左側後輪の回転速度を検出する左側後輪速度センサ193(図4参照)と、右側の後に配置された右側後輪の回転速度を検出する右側後輪速度センサ194(図4参照)とを備えている。
以上のように構成されたステアリング装置100は、トルクセンサ109が検出した操舵トルクTに基づいて電動モータ110を駆動し、電動モータ110の駆動力(発生トルク)をピニオンシャフト106に伝達する。これにより、電動モータ110の発生トルクが、ステアリングホイール101に加える運転者の操舵をアシストする。このように、電動モータ110は、運転者のステアリングホイール101の操舵に対してアシスト力を付与する。
次に、制御装置10について説明する。
図2は、制御装置10の概略構成図である。
制御装置10は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM等からなる算術論理演算回路である。
制御装置10には、上述したトルクセンサ109にて検出された操舵トルクTが出力信号に変換されたトルク信号Td、車速センサ170からの車速Vcに対応する車速信号v、レゾルバ120からの回転角度信号θmsなどが入力される。また、制御装置10には、上述した横Gセンサ180からの出力信号g、ヨーレイトを検出するためのヨーレイトセンサ185からの出力信号y、車輪速度センサ190からの出力信号vhsなどが入力される。
そして、制御装置10は、トルク信号Td、車速センサ170などからの出力信号vなどに基づいて電動モータ110が供給するのに必要となる目標電流Itを算出(設定)する目標電流算出部20と、目標電流算出部20が算出した目標電流Itに基づいてフィードバック制御などを行う制御部30とを備えている。また、制御装置10は、電動モータ110のモータ回転角度θmを算出するモータ回転角度算出部71と、モータ回転角度算出部71にて算出されたモータ回転角度θmに基づいて、モータ回転速度Vmを算出するモータ回転速度算出部72とを備えている。また、制御装置10は、ステアリングホイール101の回転角度である操舵角θsを算出する操舵角算出部73を備えている。
〔目標電流算出部〕
図3は、目標電流算出部20の概略構成図である。
目標電流算出部20は、目標電流Itを設定する上で基準となるベース電流Ibを算出するベース電流算出部21と、電動モータ110の慣性モーメントを打ち消すためのイナーシャ補償電流Isを算出するイナーシャ補償電流算出部22と、モータの回転を制限するダンパー補償電流Idを算出するダンパー補償電流算出部23とを備えている。また、目標電流算出部20は、ベース電流算出部21、イナーシャ補償電流算出部22、ダンパー補償電流算出部23にて算出された値に基づいて仮の目標電流である仮目標電流Itfを決定する仮目標電流決定部25を備えている。また、目標電流算出部20は、トルクセンサ109にて検出された操舵トルクTの位相を補償する位相補償部26を備えている。
また、目標電流算出部20は、トルクセンサ109の故障を検出するセンサ故障検出部27と、センサ故障検出部27がトルクセンサ109の故障を検出した場合に電動モータ110に供給する目標電流Itの基となる電流を算出するセンサ故障時電流決定部28とを備えている。また、目標電流算出部20は、最終的に電動モータ110に供給する目標電流Itを決定する最終目標電流決定部29を備えている。
なお、目標電流算出部20には、トルク信号Td、車速Vcに応じた車速センサ170からの出力信号、モータ回転速度Vmに応じたモータ回転速度算出部72からのモータ回転速度信号Vms、横Gセンサ180からの出力信号g、ヨーレイトセンサ185からの出力信号y、車輪速度センサ190からの出力信号vhsなどが入力される。
ベース電流算出部21は、位相補償部26にてトルク信号Tdが位相補償されたトルク信号Tsと、車速センサ170からの出力信号vとに基づいて、予め経験則に基づいて作成しROMに記憶しておいた、操舵トルクT及び車速Vcとベース電流Ibとの対応を示す制御マップよりベース電流Ibを算出する。操舵トルクT及び車速Vcとベース電流Ibとの対応を示す制御マップは、操舵トルクTの絶対値が予め定められた所定トルク以内である不感帯領域ではベース電流Ibは0、不感帯領域以外では、操舵トルクTがプラスである場合にはベース電流Ibはプラス、操舵トルクTがマイナスである場合にはベース電流Ibはマイナスとなるように作成されている。また、制御マップは、操舵トルクTの絶対値が同じである場合には、車速Vcが低速であるほどベース電流Ibの絶対値が大きくなるように作成されている。
イナーシャ補償電流算出部22は、位相補償部26にてトルク信号Tdが位相補償されたトルク信号Ts、車速センサ170からの出力信号vに基づいてイナーシャ補償電流Isを算出する。
ダンパー補償電流算出部23は、位相補償部26にてトルク信号Tdが位相補償されたトルク信号Ts、車速センサ170からの出力信号v、モータ回転速度算出部72からの出力信号などに基づいてダンパー補償電流Idを算出する。
仮目標電流決定部25は、ベース電流算出部21にて算出されたベース電流Ib、イナーシャ補償電流算出部22にて算出されたイナーシャ補償電流Is及びダンパー補償電流算出部23にて算出されたダンパー補償電流Idに基づいて仮目標電流Itfを決定する。仮目標電流決定部25は、例えば、ベース電流Ibに、イナーシャ補償電流Isを加算するとともにダンパー補償電流Idを減算して得た電流を仮目標電流Itfとして決定する。
センサ故障検出部27は、例えば、トルクセンサ109からの出力が0(V)に固定される、あるいは0〜5(V)以外の電圧が出力される等の異常を検出したときにトルクセンサ109が故障したと判定し、故障した旨を最終目標電流決定部29に出力する。
センサ故障時電流決定部28については後で詳述する。
最終目標電流決定部29は、センサ故障検出部27が故障と判定していない場合(故障した旨の信号を取得していない場合)には、仮目標電流決定部25にて決定された仮目標電流Itfを最終的な目標電流Itとして決定する。そして、最終目標電流決定部29は、センサ故障検出部27が故障と判定した場合(故障した旨の信号を取得した場合)には、最終的な目標電流Itを、センサ故障時電流決定部28にて決定されたセンサ故障時電流Ieに切り替える。
ここで、トーションバー112の捩れ量が0の状態を中立状態(中立位置)とし、中立状態(中立位置)からのステアリングホイール101の右回転時におけるステアリングホイール101(下部連結シャフト108)とピニオンシャフト106との相対回転角度が変化する方向(相対回転角度が生じる方向)をプラス(操舵トルクTがプラス)とする。また、中立状態からのステアリングホイール101の左回転時におけるステアリングホイール101(下部連結シャフト108)とピニオンシャフト106との相対回転角度が変化する方向(相対回転角度が生じる方向)をマイナス(操舵トルクTがマイナス)とする。
そして、トルクセンサ109にて検出された操舵トルクTがプラスであるときに、電動モータ110を右回転方向に回転させるようにベース電流算出部21にてベース電流Ibが算出され、そのベース電流Ibが流れる方向をプラスとする。つまり、操舵トルクTがプラスのときにベース電流算出部21はプラスのベース電流Ibを算出し、電動モータ110を右回転方向に回転させる方向のトルクを発生させる。操舵トルクTがマイナスのときにベース電流算出部21はマイナスのベース電流Ibを算出し、電動モータ110を左回転方向に回転させる方向のトルクを発生させる。
また、ステアリングホイール101の回転角度である操舵角θsが0度である状態からステアリングホイール101が右方向に回転した場合に操舵角θsがプラスとなり、左方向に回転した場合に操舵角θsがマイナスとなる。
〔制御部〕
制御部30は、電動モータ110の作動を制御するモータ駆動制御部と、電動モータ110を駆動させるモータ駆動部と、電動モータ110に実際に流れる実電流Imを検出するモータ電流検出部とを有している。
モータ駆動制御部は、目標電流算出部20にて最終的に決定された目標電流Itと、モータ電流検出部にて検出された電動モータ110へ供給される実電流Imとの偏差に基づいてフィードバック制御を行うフィードバック(F/B)制御部と、電動モータ110をPWM駆動するためのPWM(パルス幅変調)信号を生成するPWM信号生成部とを有している。
フィードバック制御部は、目標電流算出部20にて最終的に決定された目標電流Itとモータ電流検出部にて検出された実電流Imとの偏差を求める偏差演算部と、その偏差がゼロとなるようにフィードバック処理を行うフィードバック(F/B)処理部とを有している。
PWM信号生成部は、フィードバック制御部からの出力値に基づいて電動モータ110をPWM(パルス幅変調)駆動するためのPWM信号を生成し、生成したPWM信号を出力する。
モータ駆動部は、所謂インバータであり、例えば、スイッチング素子として6個の独立したトランジスタ(FET)を備え、6個の内の3個のトランジスタは電源の正極側ラインと各相の電気コイルとの間に接続され、他の3個のトランジスタは各相の電気コイルと電源の負極側(アース)ラインと接続されている。そして、6個の中から選択した2個のトランジスタのゲートを駆動してこれらのトランジスタをスイッチング動作させることにより、電動モータ110の駆動を制御する。
モータ電流検出部は、モータ駆動部に接続されたシャント抵抗の両端に生じる電圧から電動モータ110に流れる実電流Imの値を検出する。
〔モータ回転角度算出部、モータ回転速度算出部、操舵角算出部〕
モータ回転角度算出部71(図2参照)は、レゾルバ120からの回転角度信号θmsに基づいてモータ回転角度θmを算出する。
モータ回転速度算出部72(図2参照)は、モータ回転角度算出部71が算出したモータ回転角度θmに基づいて電動モータ110のモータ回転速度Vmを算出する。
操舵角算出部73(図2参照)は、ステアリングホイール101、減速機構111などが機械的に連結されているためにステアリングホイール101の回転角度(操舵角θs)と電動モータ110のモータ回転角度θmとの間に相関関係があることに鑑み、モータ回転角度算出部71にて算出されたモータ回転角度θmに基づいて操舵角θsを算出する。操舵角算出部73は、例えば、モータ回転角度算出部71にて定期的(例えば1ミリ秒毎)に算出されたモータ回転角度θmの前回値と今回値との差分の積算値に基づいて操舵角θsを算出する。
<センサ故障時電流決定部>
図4は、センサ故障時電流決定部28の概略構成図である。
センサ故障時電流決定部28は、操舵角算出部73にて算出された操舵角θsである算出操舵角θscに基づいて後述する制御マップに代入するための操舵角である代入操舵角θseを算出する代入操舵角算出部281を備えている。
また、センサ故障時電流決定部28は、代入操舵角算出部281が算出した代入操舵角θseに基づいてセンサ故障時電流Ieのベースとなるセンサ故障時ベース電流Iebを算出するセンサ故障時ベース電流算出部282を備えている。
また、センサ故障時電流決定部28は、操舵状態を判定する操舵状態判定部283と、操舵状態判定部283が判定した操舵状態に応じた補正係数である操舵状態補正係数Kcを設定する操舵状態補正係数設定部284とを備えている。
また、センサ故障時電流決定部28は、センサ故障時ベース電流算出部282が算出したセンサ故障時ベース電流Iebと操舵状態補正係数設定部284が設定した操舵状態補正係数Kcとを乗算することにより補正後ベース電流Iebcを算出する操舵状態補正係数乗算部285を備えている。
また、センサ故障時電流決定部28は、操舵状態補正係数乗算部285にて算出された補正後ベース電流Iebcに対してリミット処理を行うリミット処理部286を備えている。
また、センサ故障時電流決定部28は、リミット処理部286にてリミット処理された後の補正後ベース電流Iebcであるリミット処理後ベース電流Ilに対して符号化処理を行う符号化処理部287を備えている。
(代入操舵角算出部)
代入操舵角算出部281は、0度から、操舵角算出部73にて定期的(例えば1ミリ秒毎)に算出された算出操舵角θscの前回値と今回値との差分を積算することにより0度からの回転角度を算出し、この算出値を代入操舵角θseとする。そして、予め定められたリセット条件が成立したら代入操舵角θseを0にリセットする。リセット条件としては、ステアリングホイール101の回転角度(操舵角θs)の差分が0度となったことを把握できる条件であればよく、例えば、目標電流算出部20にて設定された目標電流Itあるいはモータ電流検出部が検出した実電流Imが0近傍となったとき、を例示することができる。
このように、代入操舵角算出部281は、操舵角θsを推定する操舵角推定部の一例として機能する。
(センサ故障時ベース電流算出部)
図5は、センサ故障時ベース電流算出部282の概略構成図である。
センサ故障時ベース電流算出部282は、代入操舵角算出部281にて算出された代入操舵角θseの絶対値化を行う絶対値化部282aを備えている。また、センサ故障時ベース電流算出部282は、絶対値化部282aにて絶対値化された絶対値化後操舵角|θse|に基づいて仮のセンサ故障時ベース電流Iebである仮センサ故障時ベース電流Iebaを算出する仮ベース電流算出部282bを備えている。また、センサ故障時ベース電流算出部282は、車速センサ170からの出力信号v(車速Vc)に基づいて車速補正係数Kvを設定する車速補正係数設定部282cを備えている。また、センサ故障時ベース電流算出部282は、仮ベース電流算出部282bにて算出された仮センサ故障時ベース電流Iebaと車速補正係数設定部282cにて設定された車速補正係数Kvとを乗算することによりセンサ故障時ベース電流Iebを算出する車速補正係数乗算部282dを備えている。センサ故障時ベース電流算出部282は、定期的(例えば1ミリ秒毎)にセンサ故障時ベース電流Iebを算出する。
絶対値化部282aは、プラス又はマイナスの符号を持つ代入操舵角θseの絶対値を算出する。絶対値化部282aにて算出された値が絶対値化後操舵角|θse|である。
仮ベース電流算出部282bは、予め経験則に基づいて作成しROMに記憶しておいた、絶対値化後操舵角|θse|と仮センサ故障時ベース電流Iebaとの対応を示す制御マップに、絶対値化後操舵角|θse|を代入することにより仮センサ故障時ベース電流Iebaを算出する。
絶対値化後操舵角|θse|と仮センサ故障時ベース電流Iebaとの対応を示す制御マップにおいては、絶対値化後操舵角|θse|が予め定められた基準操舵角θse0以下である場合には仮センサ故障時ベース電流Iebaは0である。絶対値化後操舵角|θse|が基準操舵角θse0より大きい場合には、絶対値化後操舵角|θse|が大きくなるに従って仮センサ故障時ベース電流Iebaが0から徐々に大きくなるように設定されている。
車速補正係数設定部282cは、予め経験則に基づいて作成しROMに記憶しておいた、車速補正係数Kvと車速Vcとの対応を示す制御マップに、車速Vcを代入することにより車速補正係数Kvを算出する。
車速補正係数Kvと車速Vcとの対応を示す制御マップにおいては、車速Vcが0(km/h)であるときの車速補正係数Kvを1、車速Vcが1(km/h)であるときの車速補正係数Kvを0.5としている。また、車速Vcが5(km/h)であるときの車速補正係数Kvを0.3とし、車速Vcが1から5(km/h)に変化する間に車速補正係数Kvを徐々に低下させている。また、車速Vcが40(km/h)であるときの車速補正係数Kvを0.4とし、車速Vcが5から40(km/h)に変化する間に車速補正係数Kvを徐々に上昇させている。そして、車速Vcが40(km/h)から大きくなるに従って車速補正係数Kvを徐々に低下させている。なお、上記速度域は、一例であり車両特性により適宜変更可能である。
車速補正係数乗算部282dは、仮ベース電流算出部282bにて算出された仮センサ故障時ベース電流Iebaと車速補正係数設定部282cにて設定された車速補正係数Kvとを乗算することによりセンサ故障時ベース電流Iebを算出し(Ieb=Ieba×Kv)、算出したセンサ故障時ベース電流Iebを操舵状態補正係数乗算部285に出力する。
(操舵状態判定部)
操舵状態判定部283は、自動車1が交差点を曲がっている時などの旋回中であるか否かを判定するとともに、旋回中である場合には、ステアリングホイール101が切り込まれているのか、切り戻されているか、一定の力が付加されている保舵状態であるのかを判定する。操舵状態判定部283は、代入操舵角算出部281にて算出された代入操舵角θse、横Gセンサ180からの出力信号g、ヨーレイトセンサ185からの出力信号y、車輪速度センサ190からの出力信号vhsに基づいて判定する。
ここで、直進状態(例えば絶対値化後操舵角|θse|が予め定められた基準角θb未満である状態(|θse|<θb))から右に旋回(右折)する場合には、運転者は、先ず、ステアリングホイール101を右回転させて切り込んだ後、左回転させて切り戻して、直進状態に戻る。従って、基本的には、直進状態から右に旋回(右折)して直進状態に戻る場合には、右回転が切り込み方向、左回転が切り戻し方向となる。他方、直進状態から左に旋回(左折)する場合には、運転者は、先ず、ステアリングホイール101を左回転させて切り込んだ後、右回転させて切り戻して、直進状態に戻る。従って、基本的には、直進状態から左に旋回(左折)して直進状態に戻る場合には、左回転が切り込み方向、右回転が切り戻し方向となる。
操舵状態判定部283は、代入操舵角算出部281にて算出された代入操舵角θseを時間微分して算出した算出操舵角速度θsevの絶対値が予め定められた第1基準角速度θv1以下である場合には旋回中ではないと判定する。
他方、操舵状態判定部283は、算出操舵角速度θsevの絶対値が第1基準角速度θv1よりも大きくなった場合には旋回中で切り込まれていると判定する。そして、その後、算出操舵角速度θsevが予め定められた第2基準角速度θv2(例えばθv2<θv1)未満となった場合には切り戻されていると判定する。
ただし、操舵状態判定部283は、算出操舵角速度θsevの絶対値が第2基準角速度θv2未満となったとしても、保舵状態であるか否かを判定する。例えば、直進状態から曲率が小さな(曲率半径が大きな)道路を右に旋回(右折)する場合に、先ず、ステアリングホイール101を右回転させて切り込んだ後左回転させて切り戻す前に、保舵し続ける(一定の力を付加し続ける)ことがあるからである。また、直進状態から曲率が小さな(曲率半径が大きな)道路を左に旋回(左折)する場合に、先ず、ステアリングホイール101を左回転させて切り込んだ後右回転させて切り戻す前に、保舵し続ける(一定の力を付加し続ける)ことがあるからである。
操舵状態判定部283は、以下の条件(1)〜(3)が全て成立した場合に保舵状態であると判定する。(1)予め定められた期間における横Gセンサ180が検出した検出横Gの変化量である横G変化量ΔGが予め定められた基準横G未満(ΔG<基準横G)である。(2)予め定められた期間におけるヨーレイトセンサ185が検出した検出ヨーレイトの変化量であるヨーレイト変化量ΔYが予め定められた基準ヨーレイト未満(ΔY<基準ヨーレイト)である。(3)予め定められた期間における自動車1の左側に配置された車輪の回転速度と右側に配置された車輪の回転速度との車輪速度差Vhlrの変化量である車輪速度差変化量ΔVhlrが予め定められた基準車輪速度差未満(ΔVhlr<基準車輪速度差)である。
なお、操舵状態判定部283は、右側前輪速度センサ192にて検出された右側前輪152の回転速度である右側前輪速度Vh2と右側後輪速度センサ194にて検出された右側後輪(不図示)の回転速度である右側後輪速度Vh4とを加算した値から、左側前輪速度センサ191にて検出された左側前輪151の回転速度である左側前輪速度Vh1と、左側後輪速度センサ193にて検出された左側後輪(不図示)の回転速度である左側後輪速度Vh3とを減算することにより車輪速度差Vhlrを算出する(Vhlr=Vh2+Vh4−Vh1−Vh3)。
次に、フローチャートを用いて、操舵状態判定部283が行う操舵状態判定処理の手順について説明する。
図6は、操舵状態判定部283が行う操舵状態判定処理の手順を示すフローチャートである。
操舵状態判定部283は、この操舵状態判定処理を、例えば予め定めた期間(例えば1ミリ秒)毎に繰り返し実行する。
操舵状態判定部283は、先ず、後述するS604にてONされる(RAMにおいてセットされる)切り込みフラグがONとなっているか否かを判断する(S601)。そして、切り込みフラグがONとなっていない場合(S601でNo)、操舵状態判定部283は、算出操舵角速度θsevの絶対値が第1基準角速度θv1よりも大きいか否かを判断する(S602)。算出操舵角速度θsevが第1基準角速度θv1よりも大きい場合(S602でYes)、ステアリングホイール101が切り込まれている状態である切り込み状態と判定し(S603)、切り込みフラグをONにする(RAMにセットする)(S604)。
その後、操舵状態判定部283は、算出操舵角速度θsevの絶対値が第2基準角速度θv2よりも小さいか否かを判断する(S605)。そして、算出操舵角速度θsevの絶対値が第2基準角速度θv2よりも小さい場合(S605でYes)、後述する保舵状態判定処理を行い、保舵状態であるか否かを判断する(S606)。保舵状態である場合(S606でYes)、切り込み状態又は切り戻し状態が終了したと判断して切り込みフラグ又は後述する切り戻しフラグをOFFにし(S607)、保舵フラグをONにする(RAMにセットする)(S608)。そして、その後、保舵状態判定処理を行い、保舵状態ではなくなったか否かを判断する(S609)。保舵状態ではなくなった場合(S609でYes)、保舵フラグをOFFにする(S610)。保舵状態ではなくなっていない場合(保舵状態である場合)(S609でNo)、保舵状態ではなくなるまで待機する。
他方、保舵状態ではない場合(S606でNo)、後述する所定時間T0が経過したか否かを判断する(S611)。そして、所定時間T0が経過していない場合(S611でNo)、ステアリングホイール101が切り戻されている状態である切り戻し状態と判定し(S612)、切り戻しフラグをONにする(RAMにセットする)(S613)。所定時間T0が経過している場合(S611でYes)、切り戻しフラグをOFFにする(S614)。
S601にて切り込みフラグがONとなっていると判定された場合(S601でYes)、S605以降の処理を行う。
一方、S602にて算出操舵角速度θsevの絶対値が第1基準角速度θv1よりも大きくないと判断された場合(S602でNo)、切り戻しフラグがONとなっているか否かを判断する(S615)。そして、切り戻しフラグがONとなっていると判定された場合(S615でYes)、S606以降の処理を行う。他方、切り戻しフラグがONとなっていると判定されなかった場合(S615でNo)、旋回中ではないと判定する(S616)。
次に、フローチャートを用いて、操舵状態判定部283が行う保舵状態判定処理の手順について説明する。
図7は、操舵状態判定部283が行う保舵状態判定処理の手順を示すフローチャートである。
操舵状態判定部283は、この保舵状態判定処理を、例えば予め定めた期間(例えば1ミリ秒)毎に繰り返し実行する。
操舵状態判定部283は、先ず、予め定められた期間における検出横Gの変化量である横G変化量ΔGが予め定められた基準横G未満(ΔG<基準横G)であるか否かを判断する(S701)。そして、横G変化量ΔGが基準横G未満である場合(S701でYes)、操舵状態判定部283は、予め定められた期間における検出ヨーレイトの変化量であるヨーレイト変化量ΔYが予め定められた基準ヨーレイト未満(ΔY<基準ヨーレイト)であるか否かを判断する(S702)。そして、ヨーレイト変化量ΔYが基準ヨーレイト未満である場合(S702でYes)、操舵状態判定部283は、予め定められた期間における車輪速度差Vhlrの変化量である車輪速度差変化量ΔVhlrが予め定められた基準車輪速度差未満(ΔVhlr<基準車輪速度差)であるか否かを判断する(S703)。そして、車輪速度差変化量ΔVhlrが基準車輪速度差未満である場合(S703でYes)、操舵状態判定部283は、保舵状態であると判定する(S704)。
一方、横G変化量ΔGが基準横G未満ではない場合(S701でNo)、ヨーレイト変化量ΔYが基準ヨーレイト未満ではない場合(S702でNo)、車輪速度差変化量ΔVhlrが基準車輪速度差未満ではない場合(S703でNo)、操舵状態判定部283は、保舵状態ではないと判定する(S705)。
なお、基準横G、基準ヨーレイト及び基準車輪速度差は略0であることを例示することができる。基準横G、基準ヨーレイト及び基準車輪速度差が略0である場合、操舵状態判定部283は、横G変化量ΔG、ヨーレイト変化量ΔY及び車輪速度差変化量ΔVhlrが略0である場合、言い換えれば、検出横G、検出ヨーレイト及び車輪速度差Vhlrが略一定である場合に保舵状態であると判定する。
操舵状態判定部283は、旋回中で、切り込まれていると判定した(切り込みフラグがONである)場合、切り戻されている(切り戻しフラグがONである)場合、保舵状態である(保舵フラグがONである)場合のいずれかである場合には、その旨を操舵状態補正係数設定部284に出力する。一方、操舵状態判定部283は、旋回中ではないと判定した(切り込みフラグ、切り戻しフラグ及び保舵フラグがOFFである)場合には、旋回中ではない旨を操舵状態補正係数設定部284に出力する。操舵状態判定部283は、操舵状態補正係数設定部284への操舵状態の出力を、例えばセンサ故障検出部27からトルクセンサ109が故障していると判定した旨の情報を取得した後に予め定めた期間(例えば1ミリ秒)毎に繰り返し行う。
(操舵状態補正係数設定部、操舵状態補正係数乗算部)
操舵状態補正係数設定部284は、操舵状態判定部283が判定した操舵状態に基づいて操舵状態補正係数Kcを設定する。操舵状態補正係数Kcは0以上1以下の値である。
操舵状態補正係数乗算部285は、センサ故障時ベース電流算出部282が算出したセンサ故障時ベース電流Iebと操舵状態補正係数設定部284にて設定された操舵状態補正係数Kcとを乗算することにより補正後センサ故障時ベース電流Iebcを算出する(Iebc=Ieb×Kc)。
操舵状態補正係数設定部284は、操舵状態判定部283が旋回中ではないと判定した場合には操舵状態補正係数Kcとして1を設定する。それゆえ、補正後センサ故障時ベース電流Iebcは、センサ故障時ベース電流算出部282が算出したセンサ故障時ベース電流Iebと同じ値となる。
操舵状態補正係数設定部284は、操舵状態判定部283が旋回中で切り込まれていると判定した場合には、予め経験則に基づいて作成しROMに記憶しておいた、連続操舵時間Tcと操舵状態補正係数Kcとの対応を示す制御マップに、連続操舵時間Tcを代入することにより操舵状態補正係数Kcを算出する。連続操舵時間Tcは、算出操舵角速度θsevが第1基準角速度θv1よりも大きい状態が連続している時間であることを例示することができる。
連続操舵時間Tcと操舵状態補正係数Kcとの対応を示す制御マップにおいては、操舵状態補正係数Kcは、連続操舵時間Tcに反比例する値に設定されている。例えば、操舵状態補正係数Kcは、連続操舵時間Tcが1秒経過する毎にα%小さくなる値であることを例示することができる(Kc=1−α×Tc/100、Tc≧100/αの場合はKc=0。以下、Kcが1未満の値となってからKc=0となるまでの時間を「低減時間」と称す。)。なお、αは10、低減時間は10秒であることを例示することができる。
操舵状態判定部283が旋回中で切り込まれていると判定した場合には、補正後センサ故障時ベース電流Iebcは、センサ故障時ベース電流算出部282が算出したセンサ故障時ベース電流Iebが操舵状態補正係数Kcを介して低減された値となる。これにより、旋回中にステアリングホイール101が切り込まれている場合には旋回中ではない場合よりも電動モータ110によるアシスト力が低減されるので、運転者の意に反して左側前輪151,右側前輪152が回り過ぎることが抑制される。
操舵状態補正係数設定部284は、操舵状態判定部283が旋回中で切り戻されていると判定した場合には、切り戻されていると判定されたときの操舵状態補正係数Kcの値(以下、「操舵状態補正係数Kc0」と称す。)から所定時間T0で0まで徐々に減少する値を操舵状態補正係数Kcとして設定する(Kc←Kc0×(1−t/T0))。tは、切り戻されていると判定されたときからの経過時間である。所定時間T0は、例えば1秒であることを例示することができる。
操舵状態判定部283が旋回中で切り戻されていると判定した場合には、補正後センサ故障時ベース電流Iebcは、センサ故障時ベース電流算出部282が算出したセンサ故障時ベース電流Iebが操舵状態補正係数Kcを介して低減された値となる。そして、操舵状態補正係数設定部284が、切り戻されていると判定されたときの操舵状態補正係数Kcの値である操舵状態補正係数Kc0から所定時間T0で0まで徐々に減少する値を操舵状態補正係数Kcとして設定することから、補正後センサ故障時ベース電流Iebcは、切り戻されていると判定されたときの補正後センサ故障時ベース電流Iebcが所定時間T0で0まで徐々に減少する値となる。これにより、ステアリングホイール101の戻りが促進される。つまり、走行中の車両に働く、ステアリングホイール101を直進方向(操舵角θsが0度の位置)に戻そうとする力、いわゆるSAT(Self Aligning Torque)により、ステアリングホイール101が、操舵角θsが0度となる位置に戻り易くなる。
操舵状態補正係数設定部284は、操舵状態判定部283が旋回中で保舵状態であると判定した場合には、保舵状態であると判定されたときの操舵状態補正係数Kcを維持する。これにより、補正後センサ故障時ベース電流Iebcは、保舵状態であると判定されたときの補正後センサ故障時ベース電流Iebcと同じ値となる。
その後、操舵状態判定部283が、保舵状態が解除されて切り戻されていると判定した場合には、その時点の操舵状態補正係数Kcの値(以下、「操舵状態補正係数Kc1」と称す。)から所定時間T0で0まで徐々に減少する値を操舵状態補正係数Kcとして設定する(Kc←Kc1×(1−t/T0))。
(リミット処理部286)
リミット処理部286は、操舵状態補正係数乗算部285にて算出された補正後センサ故障時ベース電流Iebcが予め定められた上限値よりも大きい場合には、上限値をリミット処理後ベース電流Ilとして出力する。他方、リミット処理部286は、算出された補正後センサ故障時ベース電流Iebcが上限値以下の場合には、算出された補正後センサ故障時ベース電流Iebcをリミット処理後ベース電流Ilとして出力する。
(符号化処理部287)
符号化処理部287は、代入操舵角算出部281にて算出された代入操舵角θseの符号がプラスである場合にはリミット処理部286から出力されたリミット処理後ベース電流Ilにプラスの符号を付す。他方、符号化処理部287は、代入操舵角算出部281にて算出された代入操舵角θseの符号がマイナスである場合にはリミット処理部286から出力されたリミット処理後ベース電流Ilにマイナスの符号を付す。
《実施の形態に係るステアリング装置の作用、効果》
以上説明したように構成されたステアリング装置100によれば、トルクセンサ109が故障したと判断された場合、センサ故障時電流決定部28のセンサ故障時ベース電流算出部282は、代入操舵角算出部281にて算出された代入操舵角θse、言い換えれば操舵角θsに応じたセンサ故障時ベース電流Iebを算出する。つまり、トルクセンサ109が故障したと判断された場合、センサ故障時電流決定部28は、操舵角θsに応じたセンサ故障時電流Ieを算出し、最終目標電流決定部29は、最終的な目標電流Itを、センサ故障時電流決定部28にて決定されたセンサ故障時電流Ieとする。これにより、トルクセンサ109が故障したと判断された場合、電動モータ110によるアシスト力は、操舵角θsに応じて変化する。電動モータ110によるアシスト力が操舵角θsに応じて変化するのは、操舵状態判定部283が、旋回中ではないと判定した場合、及び、旋回中であると判定した場合のいずれの場合も同様である。
そして、トルク検出装置109が故障したと判断された場合、操舵状態判定部283が、旋回中であり、ステアリングホイール101が切り込まれていると判定した場合には、操舵状態補正係数設定部284は、1以下の値であって連続操舵時間Tcに反比例する値となる操舵状態補正係数Kcを設定する。他方、操舵状態判定部283が、旋回中ではないと判定した場合には、操舵状態補正係数設定部284は、操舵状態補正係数Kcとして1を設定する。これにより、代入操舵角θse(算出操舵角θsc)が同じであるとしても、操舵状態補正係数乗算部285が算出する補正後センサ故障時ベース電流Iebc(=Ieb×Kc)は、旋回中にステアリングホイール101が切り込まれている場合には、旋回中ではない場合よりも小さな値となる。つまり、操舵状態補正係数乗算部285が算出する補正後センサ故障時ベース電流Iebcは、旋回中にステアリングホイール101が切り込まれている場合には、算出操舵角θscに基づいて定められたセンサ故障時ベース電流Iebが連続操舵時間Tcに応じて低減された値となる。その結果、旋回中にステアリングホイール101が切り込まれている場合には電動モータ110によるアシスト力が低減されるので、運転者の意に反して左側前輪151,右側前輪152が回り過ぎることが抑制される。
そして、操舵状態判定部283が旋回中にステアリングホイール101が切り戻されていると判定した場合には、操舵状態補正係数設定部284が、操舵状態補正係数Kc0(切り戻されていると判定されたときの操舵状態補正係数Kcの値)から所定時間T0で0まで徐々に減少する値を操舵状態補正係数Kcとして設定することから、補正後センサ故障時ベース電流Iebcは、切り戻されていると判定されたときの補正後センサ故障時ベース電流Iebcが所定時間T0で0まで徐々に減少する値となる。これにより、ステアリングホイール101の戻りが促進される。
ただし、操舵状態判定部283が旋回中で保舵状態であると判定した場合には、操舵状態補正係数設定部284は、保舵されていると判定されたときの操舵状態補正係数Kcを維持する。これにより、補正後センサ故障時ベース電流Iebcは、保舵状態であると判定されたときの補正後センサ故障時ベース電流Iebcと同じ値となる。つまり、操舵状態補正係数設定部284が操舵状態補正係数Kc0(切り戻されていると判定されたときの操舵状態補正係数Kcの値)から所定時間T0で0まで徐々に減少するのを中断するので、保舵状態であると判定されたときのアシスト力が維持される。その結果、旋回するべくステアリングホイール101を保舵しているにも拘らずセンサ故障時電流Ieが低減され、運転者の操舵負荷が大きくなってしまうことが抑制される。つまり、例えば、運転者がステアリングホイール101を保舵し、かつSATが大きい場合には、操舵状態補正係数Kcが低減されたことによりセンサ故障時電流Ieが小さくなると、運転者はステアリングホイール101を保舵するためにさらに操舵トルク(ステアリングホイール101に付加するトルク)を大きくする必要がある。しかしながら、本実施の形態に係るステアリング装置100によれば、操舵状態判定部283が保舵状態であると判定した場合には、操舵状態補正係数Kcが維持されセンサ故障時電流Ieが維持されてアシスト力が維持されることから運転者の操舵負荷が大きくなってしまうことが抑制される。
また、本実施の形態に係る操舵状態判定部283は、横G変化量ΔGが基準横G未満(ΔG<基準横G)であり、かつヨーレイト変化量ΔYが基準ヨーレイト未満(ΔY<基準ヨーレイト)であり、かつ車輪速度差変化量ΔVhlrが基準車輪速度差未満(ΔVhlr<基準車輪速度差)である場合に保舵状態であると判定するので、精度高く保舵状態であるか否かを判定することができる。また、実施の形態に係る操舵状態判定部283によれば、例えば絶対値化後操舵角|θse|が所定値以下の状況が所定時間継続する場合に保舵状態であると判定する場合と比べると、早期に保舵状態であると判定することができる。また、基準横G、基準ヨーレイト及び基準車輪速度差の設定次第で操舵状態判定部283が保舵状態であると判定するか否かの設定を変更することができる。つまり、基準横G、基準ヨーレイト及び基準車輪速度差に幅を持たせることができるので、設定の自由度が高い。
[操舵状態判定部が行う操舵状態判定処理の変形例1]
操舵状態判定部283は、横G変化量ΔGが基準横G未満(ΔG<基準横G)であり、かつヨーレイト変化量ΔYが基準ヨーレイト未満(ΔY<基準ヨーレイト)である場合に保舵状態であると判定しても良い。つまり、操舵状態判定部283は、車輪速度差変化量ΔVhlrが基準車輪速度差未満(ΔVhlr<基準車輪速度差)であるか否かを判断することなく、横G変化量ΔG及びヨーレイト変化量ΔYに基づいて保舵状態であると判定しても良い。
操舵状態判定部283が横Gセンサ180が検出した検出横G及びヨーレイトセンサ185が検出した検出ヨーレイトに基づいて保舵状態であるか否かを判定することで、いずれか一つの検出値のみに基づいて判定する場合よりも精度高く保舵状態であるか否かを判定することができる。
[操舵状態判定部が行う操舵状態判定処理の変形例2]
操舵状態判定部283は、横G変化量ΔGが基準横G未満(ΔG<基準横G)であり、かつ車輪速度差変化量ΔVhlrが基準車輪速度差未満(ΔVhlr<基準車輪速度差)である場合に保舵状態であると判定しても良い。つまり、操舵状態判定部283は、ヨーレイト変化量ΔYが基準ヨーレイト未満(ΔY<基準ヨーレイト)であるか否かを判断することなく、横G変化量ΔG及び車輪速度差変化量ΔVhlrに基づいて保舵状態であると判定しても良い。
操舵状態判定部283が、横Gセンサ180が検出した検出横G及び車輪速度センサ190が検出した車輪速度に基づいて保舵状態であるか否かを判定することで、いずれか一つの検出値のみに基づいて判定する場合よりも精度高く保舵状態であるか否かを判定することができる。
[操舵状態判定部が行う操舵状態判定処理の変形例3]
操舵状態判定部283は、ヨーレイト変化量ΔYが基準ヨーレイト未満(ΔY<基準ヨーレイト)であり、かつ車輪速度差変化量ΔVhlrが基準車輪速度差未満(ΔVhlr<基準車輪速度差)である場合に保舵状態であると判定しても良い。つまり、操舵状態判定部283は、横G変化量ΔGが基準横G未満(ΔG<基準横G)であるか否かを判断することなく、ヨーレイト変化量ΔY及び車輪速度差変化量ΔVhlrに基づいて保舵状態であると判定しても良い。
操舵状態判定部283が、ヨーレイトセンサ185が検出した検出ヨーレイト及び車輪速度センサ190が検出した車輪速度に基づいて保舵状態であるか否かを判定することで、いずれか一つの検出値のみに基づいて判定する場合よりも精度高く保舵状態であるか否かを判定することができる。
[操舵状態判定部が行う操舵状態判定処理の変形例4]
操舵状態判定部283は、横G変化量ΔGが基準横G未満(ΔG<基準横G)であること、ヨーレイト変化量ΔYが基準ヨーレイト未満(ΔY<基準ヨーレイト)であること及び車輪速度差変化量ΔVhlrが基準車輪速度差未満(ΔVhlr<基準車輪速度差)であることの3つの条件の内、少なくとも2つの条件が満たされた場合に保舵状態であると判定しても良い。
図8は、操舵状態判定部283が行う保舵状態判定処理の変形例4の手順を示すフローチャートである。
操舵状態判定部283は、この保舵状態判定処理を、例えば予め定めた期間(例えば1ミリ秒)毎に繰り返し実行する。
操舵状態判定部283は、横G変化量ΔGが基準横G未満(ΔG<基準横G)であるか否かを把握し(S801)、ヨーレイト変化量ΔYが基準ヨーレイト未満(ΔY<基準ヨーレイト)であるか否かを把握し(S802)、車輪速度差変化量ΔVhlrが基準車輪速度差未満(ΔVhlr<基準車輪速度差)であるか否かを把握する(S803)。その後、操舵状態判定部283は、横G変化量ΔGが基準横G未満(ΔG<基準横G)であること、ヨーレイト変化量ΔYが基準ヨーレイト未満(ΔY<基準ヨーレイト)であること、車輪速度差変化量ΔVhlrが基準車輪速度差未満(ΔVhlr<基準車輪速度差)であることの3つの条件の内、少なくとも2つの条件が満たされているか否かを判断する(S804)。そして、少なくとも2つの条件が満たされている場合(S804でYes)、操舵状態判定部283は、保舵状態であると判定する(S805)。一方、少なくとも2つの条件が満たされていない場合(S804でNo)、言い換えれば、3つの条件全てが満たされていない場合及び3つの条件の内の1つの条件のみが満たされている場合、操舵状態判定部283は、保舵状態ではないと判定する(S806)。
このように、操舵状態判定部283が、3つの条件の内、少なくとも2つの条件が満たされている場合に保舵状態であると判定することで、1つの条件のみが満たされていることで保舵状態であると判定するよりも精度高く保舵状態であるか否かを判定することができる。
なお、上述した実施の形態においては、センサ故障時電流決定部28のセンサ故障時ベース電流算出部282は、代入操舵角算出部281にて算出された代入操舵角θse、言い換えれば操舵角算出部73が電動モータ110のモータ回転角度θmを用いて算出した操舵角θsに基づいてセンサ故障時ベース電流Iebを算出する。しかしながら、ステアリング装置100は、操舵角θsを検出する操舵角センサ(不図示)を備え、センサ故障時電流決定部28のセンサ故障時ベース電流算出部282は、操舵角センサが検出した操舵角θsに基づいてセンサ故障時ベース電流Iebを算出しても良い。操舵角センサは以下の構造であることを例示することができる。つまり、ステアリングシャフト102自体に取り付けられてステアリングシャフト102と同期回転する第1回転部材(不図示)と、この第1回転部材の回転に連動して回転する第2回転部材(不図示)と、この第2回転部材に固定された着磁部の磁界変化を検出する磁気抵抗素子(不図示)とを有する。そして、操舵角センサは、ステアリングホイール101の回転角度に対応する正弦波及び余弦波の信号を出力する。
10…制御装置、20…目標電流算出部、27…センサ故障検出部、28…センサ故障時電流決定部、283…操舵状態判定部

Claims (5)

  1. 車両のステアリングホイールの操舵に対してアシスト力を付与するモータと、
    前記ステアリングホイールの操舵トルクを検出するトルク検出部と、
    前記ステアリングホイールの回転角度である操舵角を推定する操舵角推定部と、
    前記トルク検出部に故障が発生していない場合には前記トルク検出部が検出した前記操舵トルクに基づいて前記アシスト力を決定し、前記トルク検出部に故障が発生した場合には、前記操舵角推定部が推定した推定操舵角に基づいて前記アシスト力を決定し、前記推定操舵角に基づいて算出される操舵角速度の絶対値が所定操舵角速度未満になったときに、前記車両の横G、前記車両のヨーレイト及び左右の車輪速度差の少なくとも2つに基づいて前記ステアリングホイールが保舵状態であるか否かを判定し、前記保舵状態であると判定したときには前記アシスト力を維持し、前記保舵状態が解除されて切り戻されていると判断した場合には、前記アシスト力を低減する制御装置と、
    を備え
    前記制御装置は、前記横Gの変化量が予め定められた基準横G未満であり、かつ前記ヨーレイトの変化量が予め定められた基準ヨーレイト未満である場合に前記ステアリングホイールが保舵されていると判断する
    電動パワーステアリング装置。
  2. 車両のステアリングホイールの操舵に対してアシスト力を付与するモータと、
    前記ステアリングホイールの操舵トルクを検出するトルク検出部と、
    前記ステアリングホイールの回転角度である操舵角を推定する操舵角推定部と、
    前記トルク検出部に故障が発生していない場合には前記トルク検出部が検出した前記操舵トルクに基づいて前記アシスト力を決定し、前記トルク検出部に故障が発生した場合には、前記操舵角推定部が推定した推定操舵角に基づいて前記アシスト力を決定し、前記推定操舵角に基づいて算出される操舵角速度の絶対値が所定操舵角速度未満になったときに、前記車両の横G、前記車両のヨーレイト及び左右の車輪速度差の少なくとも2つに基づいて前記ステアリングホイールが保舵状態であるか否かを判定し、前記保舵状態であると判定したときには前記アシスト力を維持し、前記保舵状態が解除されて切り戻されていると判断した場合には、前記アシスト力を低減する制御装置と、
    を備え、
    前記制御装置は、前記横Gの変化量が予め定められた基準横G未満であり、かつ前記車輪速度差の変化量が予め定められた基準車輪速度差未満である場合に前記ステアリングホイールが保舵されていると判断する
    電動パワーステアリング装置。
  3. 車両のステアリングホイールの操舵に対してアシスト力を付与するモータと、
    前記ステアリングホイールの操舵トルクを検出するトルク検出部と、
    前記ステアリングホイールの回転角度である操舵角を推定する操舵角推定部と、
    前記トルク検出部に故障が発生していない場合には前記トルク検出部が検出した前記操舵トルクに基づいて前記アシスト力を決定し、前記トルク検出部に故障が発生した場合には、前記操舵角推定部が推定した推定操舵角に基づいて前記アシスト力を決定し、前記推定操舵角に基づいて算出される操舵角速度の絶対値が所定操舵角速度未満になったときに、前記車両の横G、前記車両のヨーレイト及び左右の車輪速度差の少なくとも2つに基づいて前記ステアリングホイールが保舵状態であるか否かを判定し、前記保舵状態であると判定したときには前記アシスト力を維持し、前記保舵状態が解除されて切り戻されていると判断した場合には、前記アシスト力を低減する制御装置と、
    を備え、
    前記制御装置は、前記ヨーレイトの変化量が予め定められた基準ヨーレイト未満であり、かつ前記車輪速度差の変化量が予め定められた基準車輪速度差未満である場合に前記ステアリングホイールが保舵されていると判断する
    電動パワーステアリング装置。
  4. 車両のステアリングホイールの操舵に対してアシスト力を付与するモータと、
    前記ステアリングホイールの操舵トルクを検出するトルク検出部と、
    前記ステアリングホイールの回転角度である操舵角を推定する操舵角推定部と、
    前記トルク検出部に故障が発生していない場合には前記トルク検出部が検出した前記操舵トルクに基づいて前記アシスト力を決定し、前記トルク検出部に故障が発生した場合には、前記操舵角推定部が推定した推定操舵角に基づいて前記アシスト力を決定し、前記推定操舵角に基づいて算出される操舵角速度の絶対値が所定操舵角速度未満になったときに、前記車両の横G、前記車両のヨーレイト及び左右の車輪速度差の少なくとも2つに基づいて前記ステアリングホイールが保舵状態であるか否かを判定し、前記保舵状態であると判定したときには前記アシスト力を維持し、前記保舵状態が解除されて切り戻されていると判断した場合には、前記アシスト力を低減する制御装置と、
    を備え、
    前記制御装置は、前記横Gの変化量が予め定められた基準横G未満であり、かつ前記ヨーレイトの変化量が予め定められた基準ヨーレイト未満であり、かつ前記車輪速度差の変化量が予め定められた基準車輪速度差未満である場合に前記ステアリングホイールが保舵されていると判断する
    電動パワーステアリング装置。
  5. 前記制御装置は、前記トルク検出部に故障が発生した場合には、前記操舵角速度が予め定められた基準操舵角速度より大きくなったときに、前記推定操舵角が大きくなるのに従って前記アシスト力を大きくし、その後前記操舵角速度が前記所定操舵角速度未満になったときに前記アシスト力を低減する
    請求項1から4の何れか1項に記載の電動パワーステアリング装置。
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