JP6870520B2 - 印刷装置、印刷プログラム、及び印刷方法 - Google Patents

印刷装置、印刷プログラム、及び印刷方法 Download PDF

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Description

本発明は、装置内の温度を推定し、推定された温度に応じた印刷制御を行う印刷装置、印刷プログラム、及び印刷方法に関する。
印刷装置は、装置内の温度に応じた条件で駆動し印刷を実行することが好ましい。なぜならば、例えば装置内の温度の上昇に応じて各種素子が正常に動作しなくなり、印刷の品質が低下する可能性がある為である。特許文献1に記載された印刷装置は、電源内の素子の表面温度を検出する温度検知器を備える。温度検知器は、検出した温度情報を制御部に出力する。制御部は、受信した温度情報に対応する印刷制御条件を、予め記憶された警戒温度領域、限界温度領域等に基づいて特定する。制御部は、特定された印刷制御条件に基づいて、印刷制御を実行する。
特開2006−102962号公報
装置の構造上の制約等により、印刷装置内のうち温度検出が必要な部位に温度検知器を取り付けることができない場合がある。この場合、特許文献1に記載された方法では、装置内の温度を精度良く特定できない場合があるという問題点がある。
本発明の目的は、装置内の温度を精度良く特定可能な印刷装置、印刷プログラム、及び印刷方法を提供することである。
本発明の第1態様に係る印刷装置は、印刷媒体に印刷を行う印刷部と、少なくとも前記印刷部を駆動する電源を生成する電源部とを有し、前記印刷部による印刷が実行中である印刷状態と、前記印刷部による印刷が実行中でないスタンバイ状態とのそれぞれの状態で動作可能な印刷装置であって、前記スタンバイ状態における前記電源部の温度を、所定の第1周期毎に第1推定温度として推定する第1推定手段と、前記印刷状態における前記電源部の温度を、所定の第2周期毎に第2推定温度として推定する第2推定手段と、前記第2推定手段により推定された前記第2推定温度と所定閾値との関係に応じた方法で前記印刷部を制御する印刷手段とを備え、前記第1推定手段は、前記印刷状態から前記スタンバイ状態に切り替わってからi(iは2以上の整数)番目の第1周期である第iスタンバイ周期における第1推定温度を、第i−1スタンバイ周期における第1推定温度に第1パラメータを適用して推定し、前記第2推定手段は、前記スタンバイ状態から前記印刷状態に切り替わってからj(jは2以上の整数)番目の第2周期である第j印刷周期における第2推定温度を、第j−1印刷周期における第2推定温度と、前記第j印刷周期の間に前記印刷部に供給される電流に対応する発熱パラメータとのそれぞれに、前記第1パラメータと異なる第2パラメータを適用して推定し、前記第1パラメータは、少なくとも、第1係数、第2係数、第3係数を含み、前記第1係数は、前記電源部の周辺空気が前記電源部から受ける熱に応じた温度に適用され、前記第2係数は、前記電源部の周辺空気が前記電源部から受ける熱と、前記印刷装置の外部に放出される熱とのそれぞれに応じた温度に適用され、前記第3係数は、前記電源部が周辺空気に放出する熱に応じた温度に適用され、前記第2パラメータは、少なくとも、第4係数、第5係数、第6係数を含み、前記第4係数は、前記電源部の周辺空気が前記電源部から受ける熱に応じた温度に適用され、前記第5係数は、前記電源部の周辺空気が前記電源部から受ける熱と、前記印刷装置の外部に放出される熱とのそれぞれに応じた温度に適用され、前記第6係数は、前記電源部が周辺空気に放出する熱に応じた温度と前記発熱パラメータとのそれぞれに適用されることを特徴とする。
第1態様によれば、印刷装置は、スタンバイ状態における電源部の温度を、第1パラメータに基づいて推定し、印刷状態における電源部の温度を、発熱パラメータと第2パラメータとに基づいて推定する。これにより印刷装置は、温度センサ等を要せず電源部の温度を精度良く推定できる。又、印刷装置は、スタンバイ状態における第1推定温度を、第1パラメータに基づいて精度良く推定できる。又、印刷装置は、印刷状態における第2推定温度を、第2パラメータに基づいて精度良く推定できる。
第1態様において、前記第1推定手段は、前記印刷状態から前記スタンバイ状態に切り替わった後、最初の前記第1周期である第1スタンバイ周期における第1推定温度を、前記スタンバイ状態に切り替わる前の前記印刷状態の最終番目の前記第2周期である第J(Jは2以上の整数)印刷周期における第2推定温度に前記第1パラメータを適用して推定し、前記第2推定手段は、前記スタンバイ状態から前記印刷状態に切り替わった後、最初の前記第2周期である第1印刷周期における第2推定温度を、前記印刷状態に切り替わる前の前記スタンバイ状態の最終番目の前記第1周期である第I(Iは2以上の整数)スタンバイ周期における第1推定温度と、前記第1印刷周期の間に前記印刷部に供給された電流に対応する発熱パラメータのそれぞれに第2パラメータを適用して推定してもよい。印刷装置は、印刷状態からスタンバイ状態に切り替わった後、最初の第1スタンバイ周期の第1推定温度を、印刷状態において最後に推定された第2推定温度に基づいて推定する。同様に、印刷装置は、スタンバイ状態から印刷状態に切り替わった後、最初の第1印刷周期の第2推定温度を、スタンバイ状態において最後に推定された第1推定温度に基づいて推定する。これにより、印刷装置は、切り替え直前の状態における推定温度を加味して、切り替え後の状態における温度を推定できる。従って、印刷装置は、温度推定の精度を向上させることができる。
第1態様において、前記第1推定手段は、前記印刷装置の起動後、最初の前記第1周期である第1初期スタンバイ周期における第1推定温度を、所定の初期温度に前記第1パラメータを適用して推定してもよい。この場合、印刷装置は、印刷装置の起動直後の第1スタンバイ周期における第1推定温度の精度を高めることができる。
第1態様において、前記第1推定手段及び前記第2推定手段は、それぞれ、前記電源部の周囲温度を更に推定し、前記第1推定手段は、前記第iスタンバイ周期における第1推定温度を、前記第i−1スタンバイ周期における第1推定温度、前記第i−1スタンバイ周期における前記周囲温度、及び、前記印刷装置の環境温度のそれぞれに前記第1パラメータを適用して推定し、前記第2推定手段は、前記第j印刷周期における第2推定温度を、前記第j−1印刷周期における第2推定温度、前記第j−1印刷周期における前記周囲温度、前記印刷装置の環境温度、及び、前記発熱パラメータのそれぞれに前記第2パラメータを適用して推定してもよい。この場合、印刷装置は、第1推定温度及び第2推定温度を、電源部の周囲温度及び印刷装置の環境温度に基づいて更に精度良く推定できる。
第1態様において、前記印刷手段は、前記第2推定温度が第1閾値よりも高い場合、前記印刷部を制御して印刷動作を停止してもよい。この場合、印刷装置は、第2推定速度が第1閾値よりも高い場合、印刷動作を停止させて電源部の温度上昇を抑制できる。
第1態様において、前記印刷手段は、前記第2推定温度が、前記第1閾値よりも低く、且つ、前記第1閾値よりも小さい第2閾値よりも低い場合、前記印刷部による印刷速度を第1速度とし、前記第2推定温度が、前記第1閾値よりも低く、且つ、前記第2閾値よりも高い場合、前記印刷部による印刷速度を、前記第1速度よりも小さい第2速度としてもよい。この場合、印刷装置は、第2推定速度に応じて印刷速度を切り替えることによって、印刷動作を継続しつつ電源部の温度上昇を抑制できる。
第1態様において、前記電源部を冷却するためのファンを更に備え、前記印刷状態において前記ファンを回転させ、前記スタンバイ状態において前記ファンを回転させないファン制御手段を更に備えてもよい。印刷装置は、ファンの駆動状態がそれぞれ異なるスタンバイ状態と印刷状態とのそれぞれの状態における電源部の温度を、第1パラメータ及び第2パラメータに基づいて精度良く推定できる。
本発明の第2態様に係る印刷プログラムは、印刷媒体に印刷を行う印刷部と、少なくとも前記印刷部を駆動する電源を生成する電源部とを有し、前記印刷部による印刷が実行中である印刷状態と、前記印刷部による印刷が実行中でないスタンバイ状態とのそれぞれの状態で動作可能な印刷装置のコンピュータに、前記スタンバイ状態における前記電源部の温度を、所定の第1周期毎に第1推定温度として推定する第1推定ステップと、前記印刷状態における前記電源部の温度を、所定の第2周期毎に第2推定温度として推定する第2推定ステップと、前記第2推定ステップにより推定された前記第2推定温度と所定閾値との関係に応じた方法で前記印刷部を制御する印刷ステップとを実行させるための印刷プログラムであって、前記第1推定ステップは、前記印刷状態から前記スタンバイ状態に切り替わってからi(iは2以上の整数)番目の第1周期である第iスタンバイ周期における第1推定温度を、第i−1スタンバイ周期における第1推定温度に第1パラメータを適用して推定し、前記第2推定ステップは、前記スタンバイ状態から前記印刷状態に切り替わってからj(jは2以上の整数)番目の第2周期である第j印刷周期における第2推定温度を、第j−1印刷周期における第2推定温度と、前記第j印刷周期の間に前記印刷部に供給される電流に対応する発熱パラメータとのそれぞれに、前記第1パラメータと異なる第2パラメータを適用して推定し、前記第1パラメータは、少なくとも、第1係数、第2係数、第3係数を含み、前記第1係数は、前記電源部の周辺空気が前記電源部から受ける熱に応じた温度に適用され、前記第2係数は、前記電源部の周辺空気が前記電源部から受ける熱と、前記印刷装置の外部に放出される熱とのそれぞれに応じた温度に適用され、前記第3係数は、前記電源部が周辺空気に放出する熱に応じた温度に適用され、前記第2パラメータは、少なくとも、第4係数、第5係数、第6係数を含み、前記第4係数は、前記電源部の周辺空気が前記電源部から受ける熱に応じた温度に適用され、前記第5係数は、前記電源部の周辺空気が前記電源部から受ける熱と、前記印刷装置の外部に放出される熱とのそれぞれに応じた温度に適用され、前記第6係数は、前記電源部が周辺空気に放出する熱に応じた温度と前記発熱パラメータとのそれぞれに適用されることを特徴とする。第2態様によれば、第1態様と同様の効果を奏することができる。
本発明の第3態様に係る印刷方法は、印刷媒体に印刷を行う印刷部と、少なくとも前記印刷部を駆動する電源を生成する電源部とを有し、前記印刷部による印刷が実行中である印刷状態と、前記印刷部による印刷が実行中でないスタンバイ状態とのそれぞれの状態で動作可能な印刷装置によって実行される印刷方法であって、
前記スタンバイ状態における前記電源部の温度を、所定の第1周期毎に第1推定温度として推定する第1推定ステップと、
前記印刷状態における前記電源部の温度を、所定の第2周期毎に第2推定温度として推定する第2推定ステップと、
前記第2推定ステップにより推定された前記第2推定温度と所定閾値との関係に応じた方法で前記印刷部を制御する印刷ステップと
を備え、
前記第1推定ステップは、
前記印刷状態から前記スタンバイ状態に切り替わってからi(iは2以上の整数)番目の第1周期である第iスタンバイ周期における第1推定温度を、第i−1スタンバイ周期における第1推定温度に第1パラメータを適用して推定し、
前記第2推定ステップは、
前記スタンバイ状態から前記印刷状態に切り替わってからj(jは2以上の整数)番目の第2周期である第j印刷周期における第2推定温度を、第j−1印刷周期における第2推定温度と、前記第j印刷周期の間に前記印刷部に供給される電流に対応する発熱パラメータとのそれぞれに、前記第1パラメータと異なる第2パラメータを適用して推定し、前記第1パラメータは、少なくとも、第1係数、第2係数、第3係数を含み、前記第1係数は、前記電源部の周辺空気が前記電源部から受ける熱に応じた温度に適用され、前記第2係数は、前記電源部の周辺空気が前記電源部から受ける熱と、前記印刷装置の外部に放出される熱とのそれぞれに応じた温度に適用され、前記第3係数は、前記電源部が周辺空気に放出する熱に応じた温度に適用され、前記第2パラメータは、少なくとも、第4係数、第5係数、第6係数を含み、前記第4係数は、前記電源部の周辺空気が前記電源部から受ける熱に応じた温度に適用され、前記第5係数は、前記電源部の周辺空気が前記電源部から受ける熱と、前記印刷装置の外部に放出される熱とのそれぞれに応じた温度に適用され、前記第6係数は、前記電源部が周辺空気に放出する熱に応じた温度と前記発熱パラメータとのそれぞれに適用されることを特徴とする。第3態様によれば、第1態様と同様の効果を奏することができる。
印刷装置1の斜視図である。 印刷装置1の内部を下側から見た図である。 印刷装置1の電気的構成を示すブロック図である。 メイン処理を示すフローチャートである。 メイン処理を示すフローチャートであって、図4の続きである。 第1推定処理を示すフローチャートである。 第2推定処理を示すフローチャートである。
<印刷装置1の概要>
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。印刷装置1は感熱式の印刷装置である。以下の説明では、図1の右下方、左上方、右上方、左下方、上方、及び下方を、それぞれ、印刷装置1の右方、左方、後方、前方、上方、及び下方と定義する。
図1に示すように、印刷装置1は、箱状の筐体9を備える。筐体9は、下カバー91及び上カバー92を有する。下カバー91は、図示しないが、ロールが収容される収容部を有する。ロールは、感熱ラベルが貼付された台紙(以下、「テープ」という。)が筒状の芯に巻回されて構成される。下カバー91は、収容部の上側に開口部910を有する。上カバー92は、下カバー91の後端部に回転可能に支持される。上カバー92は、後端部を中心に揺動することによって、下カバー91の開口部910を開閉できる。上カバー92は、開口部910を閉塞した状態で、非図示の係止部により係止される。下カバー91の右側面に、操作レバー91Aが設けられる。ユーザが操作レバー91Aを操作すると、係止部による係止が解除され、上カバー92が揺動して開口部910が開放した状態に切り替わる。
下カバー91の上側面に、複数の押しボタンからなる操作部91Bが設けられる。下カバー91の上側面のうち操作部91Bよりも前側に、排出口91Cが形成される。排出口91Cは、印刷装置1の内部で印刷されたテープを外部に排出する。下カバー91のうち排出口91Cの内側に、切断刃73C(図3参照)が設けられる。切断刃73Cは、テープのうち印刷された部分を切り離すことができる。
図2に示すように、下カバー91の後側面に、右側から左側に向けて順番に、電源ソケット91D、排気口91E、及びUSBソケット91Fが設けられる。電源ソケット91Dには、非図示のACアダプターが接続される。ACアダプターは、印刷装置1の駆動電源を生成し、電源ソケット91Dを介して印刷装置1に供給する。排気口91Eは、複数のスリットを有する。排気口91Eの内側にファン75Cが設けられる。ファン75Cは、筐体9内の空気を排出することで、後述する電源基板82を冷却する。USBソケット91Fには、非図示の外部端末から延びるUSBケーブルが接続される。印刷装置1は、USBケーブルを介して外部端末から受信した印刷データに基づいて、感熱ラベルに文字や図形等を印刷できる。外部端末は汎用のパーソナルコンピュータ(PC)又は携帯端末である。
図2は、印刷装置1を下側から見た斜視図であり、説明の都合上、下カバー91の内部が見えるように図示している。下カバー91の内部のうち前後方向中央よりも後側に制御基板81が収容され、前後方向中央よりも前側に電源基板82が収容される。制御基板81には、後述するCPU71(図3参照)等が実装される。電源基板82は、電源ソケット91Dを介して供給される電源を昇圧又は降圧し、制御基板81等に供給する。仕切り壁83は、制御基板81と電源基板82との間を仕切ると共に、電源基板82からファン75Cに至る空気の流路を形成する。ファン75Cが回転すると、電源基板82の周囲の空気が、仕切り壁83により形成された流路を通って筐体9の外部に排出される。即ち、電源基板82は、ファン75Cの回転により、周囲の空気が排出されることで冷却される。
<印刷装置1の電気的構成>
図3を参照し、印刷装置1の電気的構成について説明する。制御基板81には、印刷装置1の全体制御を司るCPU71が実装される。FROM72A、SDRAM72B、EEPROM72C、駆動回路73A、74A、75A、及びインタフェース(I/F)回路76は、制御基板81に実装され、CPU71と電気的に接続される。FROM72Aは、CPU71が実行する各種プログラムを記憶する。SDRAM72Bは、一時的なデータを記憶する。EEPROM72Cは、CPU71が各種プログラムの実行時に必要な各種パラメータを記憶する。駆動回路73Aは、切断刃73Cを駆動するためのモータ73Bにパルス信号を出力し、モータ73Bの回転を制御する。駆動回路74Aは、印刷装置1内でテープを搬送する搬送ローラ74Cを駆動するモータ74Bにパルス信号を出力し、モータ74Bの回転を制御する。駆動回路75Aは、ファン75Cを駆動するためのモータ75Bにパルス信号を出力し、モータ75Bの回転を制御する。I/F回路76は、USBソケット91Fに接続されるUSBケーブルを介して通信を行う為のドライバ回路である。
センサ77、サーミスタ78、及びサーマルヘッド79は、印刷装置1内に設けられ、CPU71と電気的に接続する。センサ77は、印刷装置1内のテープの搬送経路にテープがあるかを検出するフォトセンサ、上カバー92の開閉状態を検出する接触センサ等を含む。サーミスタ78は、制御基板81、サーマルヘッド79、及び、搬送ローラ74Cを駆動するモータ74Bに設けられ、これらの温度を検出する。サーマルヘッド79は、テープの搬送方向と直交する方向に直線状に並んだ複数の発熱素子を有する。サーマルヘッド79は、感熱ラベルを加熱することによって印刷を行う。
電源基板82には、電源ソケット91Dを介して供給される電源の昇圧又は降圧を行なう為の複数のFETが少なくとも実装される。電源基板82は、制御基板81に実装された各種デバイス、センサ77、サーミスタ78、及びサーマルヘッド79が駆動可能な電源を、複数のFETのスイッチングにより生成し、供給する。以下、複数のFETのうちサーマルヘッド79に供給する為の電源を生成するFETを、「FET82A」という。
FROM72Aに記憶されるプログラムが、USBソケット91Fに接続されるUSBケーブルを介して外部端末から送信されてもよい。CPU71は、外部端末からプログラムを受信し、FROM72Aに記憶してもよい。
<FET82Aの温度推定>
FET82Aは、サーマルヘッド79に供給する電源を生成する時、スイッチングにより発熱して温度が上昇する。FET82Aは、適正範囲を超えるレベルまで温度が上昇した場合、適切な動作条件で動作できなくなる可能性がある。本実施形態において、CPU71は、FET82Aからサーマルヘッド79に供給される電流に基づいて、FET82Aの温度を推定する。CPU71は、推定された温度に応じて、印刷動作時の動作モード(「印刷モード」という。)を第1モード又は第2モードに切り替える。CPU71は、推定された温度に応じた条件でサーマルヘッド79を加熱する印刷動作を実行することによって、FET82Aの温度が適正範囲を超えるまで上昇することを抑制する。
印刷装置1において、印刷周期毎にnライン分の印刷動作が実行される場合、FET82Aからサーマルヘッド79に供給される電流の印刷周期当たりの実効値Irms(Σn)は、次の(1)式により導出される。但し、tは、各ラインが印刷される場合の周期を示す。
Figure 0006870520
(1)式におけるΨは、次の(2)式により示される。但し、Irms(k)は、第kラインが印刷される場合においてサーマルヘッド79に通電される電流の実効値を示す。tは、第kラインが印刷される場合の周期を示す。
Figure 0006870520
(1)式及び(2)式の導出方法について説明する。印刷周期毎に1ライン分の印刷動作のみ実行される場合、第kラインが印刷される場合にFET82Aからサーマルヘッド79に供給される電流の実効値Irms(k)は、次の(3)式により示される。但し、ton(i)は、サーマルヘッド79のうち発熱させるi番目の発熱素子に供給される電流パルスのON時間を示す。jは、印刷周期に含まれるパルス数を示す。Ip(i)は、i番目のパルスのピーク電流を示す。
Figure 0006870520
印刷周期毎にnライン分の印刷動作が実行される場合、第kラインが印刷される場合にFET82Aからサーマルヘッド79に供給される電流の実効値I´rms(k)は、次の(4)式により示される。
Figure 0006870520
印刷周期毎にnライン分の印刷動作が実行される場合、印刷周期当たりの電流の実効値Irms(Σn)は、次の(5)式により示される。
Figure 0006870520
(5)式のうち点線枠にて囲まれた項は、(2)式のI rms(k)に対応する。(5)式のうち一点鎖線枠にて囲まれた項は、(2)式のΨに対応する。従って、(5)式のうち一点鎖線枠にて囲まれた項をΨにて置き換えることによって、(1)式を導出できる。
CPU71は、印刷動作が実行されている場合、FET82Aの一次側の表面温度を、印刷周期と同じサンプリング時間δt毎に推定温度として算出する。サンプリング時間δt毎の各印刷周期を、・・・第k−1印刷周期、第k印刷周期、第k+1印刷周期・・・と表記する。・・・第k−1印刷周期、第k印刷周期、第k+1印刷周期・・・のそれぞれにおいて推定される推定温度を、・・・、TFETk−1、TFETk、TFETk+1、・・・と表記する。第k印刷周期における推定温度TFETkは、次の(6)式により算出される。但し、βは、第k印刷周期においてFET82Aに通流してサーマルヘッド79に供給される電流の実効値に基づく発熱パラメータであり、Irms(Σn)((1)式参照)で示される。Kは所定の係数であり、実測結果に基づいて決定される。
Figure 0006870520
(6)式において、実線枠で囲まれた項は、前回の第k−1印刷周期における推定温度を示し、点線枠で囲まれた項は発熱パラメータを示す。(6)式の一点鎖線枠で囲まれた項のうち、θPWRは、FET82Aの周辺の空気温度、より詳細には、FET82Aが実装された電源基板82の周囲の仕切り壁83(図2参照)によって囲まれた空間のFET82A近傍の空気温度を示す。以下、この温度を「周囲温度」という。・・・第k−1印刷周期、第k印刷周期、第k+1印刷周期・・・における周囲温度を、それぞれ、・・・、θPWRk−1、θPWRk、θPWRk+1、・・・と表記する。つまり、(6)式において、一点鎖線枠で囲まれた項は、推定温度TFETk−1から周囲温度θPWRk−1を減算した値に対応し、FET82Aが周辺の空気に放出する熱に応じた温度を示す。又、Kは所定の係数であり、実測結果に基づいて決定される。係数Kは、FET82Aが周辺の空気に放出する熱に応じた温度に適用され、且つ、発熱パラメータβから減算される値に影響する。即ち、FET82Aが周辺の空気に放出する熱に応じた温度と発熱パラメータβとのそれぞれに適用される係数であることになる。
周囲温度θPWRkは次の(7)式により算出される。但し、λ、γは所定の係数であり、実測結果に基づいて決定される。Tは、印刷装置1が設置された環境温度を示す。
Figure 0006870520
(7)式の実線枠で囲まれた項は、前回の第k−1印刷周期における周囲温度を示す。(7)式の点線枠で囲まれた項は、推定温度TFETk−1から周囲温度θPWRk−1を減算した値に対応し、FET82Aの周辺空気がFET82Aから受ける熱に応じた温度を示す。又、係数γは、FET82Aの周辺空気がFET82Aから受ける熱に応じた温度に適用される係数であることになる。更に、(7)式の一点鎖線枠で囲まれた項は、周囲温度θPWRk−1から環境温度Tを減算した値に対応し、印刷装置1の外部に放出される熱に応じた温度を示す。又、係数λは、FET82Aの周辺空気がFET82Aから受ける熱に応じた温度と、印刷装置1の外部に放出される熱に応じた温度とのそれぞれに適用される係数であることになる。
上記のように、CPU71は、第k印刷周期における推定温度TFETkを、第k−1印刷周期における推定温度TFETk−1、発熱パラメータβ、周囲温度θPWRk−1、環境温度Tに対して係数γ、λ、Kを適用することによって算出する((6)式、(7)式参照)。
以下、印刷装置1において印刷動作が実行されている状態を「印刷状態」という。印刷状態においてCPU71により算出される推定温度を、「第2推定温度」という。第2推定温度を算出するために使用される係数γ、λ、Kを、それぞれ、第4係数γ、第5係数λ、第6係数Kといい、γ、λ、Kを総称して「第2パラメータ」という。印刷状態においてCPU71が第2推定温度を算出する所定のサンプリング時間δtを、「第2周期Ts」という。
更に、CPU71は、印刷動作が実行中でない状態(以下、「スタンバイ状態」という。)において、サンプリング時間δtの各周期におけるFET82Aの一次側の表面温度を、上記の第2推定温度とは別に算出する。CPU71は、(6)式のうち発熱パラメータβを除いた(8)式を用いて、スタンバイ状態における推定温度を算出する。発熱パラメータβを除く理由は、スタンバイ状態においては、FET82Aからサーマルヘッド79に電流は供給されないので、FET82Aに通流される電流の実効値に基づくパラメータである発熱パラメータβも0となる為である。以下、スタンバイ状態におけるサンプリング時間δt毎の各周期を、スタンバイ周期といい、・・・第k−1スタンバイ周期、第kスタンバイ周期、第k+1スタンバイ周期・・・と表記する。
Figure 0006870520
(8)式において、実線枠で囲まれた項は、前回の第k−1スタンバイ周期における推定温度を示す。(8)式において、一点鎖線枠で囲まれた項は、推定温度TFETk−1から周囲温度θPWRk−1を減算した値に対応し、FET82Aが周辺の空気に放出する熱に応じた温度を示す。又、係数Kは、FET82Aが周辺の空気に放出する熱に応じた温度に適用される係数である。
(8)式の周囲温度θPWRkは、(7)式により算出される。このため、係数γは、FET82Aの周辺空気がFET82Aから受ける熱に応じた温度に適用される係数を示す。係数λは、FET82Aの周辺空気がFET82Aから受ける熱に応じた温度と、印刷装置1の外部に放出される熱に応じた温度とのそれぞれに適用される係数を示す。
上記のように、CPU71は、第kスタンバイ周期における推定温度TFETkを、第k−1スタンバイ周期における推定温度TFETk−1、周囲温度θPWRk−1と環境温度Tとのそれぞれに係数γ、λ、Kを適用することによって算出する((7)式、(8)式参照)。以下、スタンバイ状態においてCPU71により算出される推定温度を、「第1推定温度」という。第1推定温度を算出するために使用される係数γ、λ、Kを、それぞれ、第1係数γ、第2係数λ、第3係数Kといい、γ、λ、Kを総称して「第1パラメータ」という。スタンバイ状態においてCPU71が第1推定温度を算出する所定のサンプリング時間δtを、「第1周期Tr」という。
印刷装置1は、印刷状態とスタンバイ状態とを交互に切り替えながら、それぞれの状態で動作可能である。以下、印刷状態からスタンバイ状態に切り替わった後、第1周期Trで繰り返されるスタンバイ周期を、それぞれ、第iスタンバイ周期(i=1,2,3・・・)という。スタンバイ状態から印刷状態に切り替わった後、第2周期Tsで繰り返される印刷周期を、それぞれ、第j印刷周期(j=1,2,3・・・)という。
本実施形態において、第1パラメータ(第1係数γ、第2係数λ、第3係数K)と第2パラメータ(第4係数γ、第5係数λ、第6係数K)とは相違する。理由は、スタンバイ状態と印刷状態とで、FET82Aの周辺空気の状態が相違する為である。具体的には、スタンバイ状態の場合にはFET82Aを含む電源基板82からの発熱が相対的に小さいのでファン75Cが回転しないのに対し、印刷状態の場合にはFET82Aを含む電源基板82からの発熱が相対的に大きいのでファン75Cは回転する。このため、CPU71は、ファン75Cの駆動状態が異なるスタンバイ状態と印刷状態とのそれぞれで推定温度を精度良く算出するため、状態に応じて異なるパラメータ(第1パラメータ又は第2パラメータ)を用いている。第1パラメータの具体例は、第1係数γ:350、第2係数λ:4、第3係数K:7500である。第2パラメータの具体例は、第4係数γ:90、第5係数λ:60、第6係数K:9000である。但し、第1及び第2パラメータは、上記の数値に限定するものではない。
<メイン処理>
図4〜図7を参照し、メイン処理について説明する。CPU71は、印刷装置1の電源をONする操作が実行された場合、FROM72Aに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、メイン処理を開始する。なお、CPU71は、メイン処理の開始時、モータ75Bを制御し、ファン75Cの回転を停止させた状態とする。又、CPU71は、動作状態をスタンバイ状態に設定し、印刷モードを第1モードに設定する。
CPU71は、EEPROM72Cに記憶された初期推定温度T及び初期周囲温度θ(以下、これらを総称して「初期温度」という。)を取得する(S11)。CPU71は、環境温度Tを次の方法で推定する(S13)。CPU71は、制御基板81に設けられたサーミスタ78の温度Tpcbを取得する。CPU71は、サーマルヘッド79に設けられたサーミスタ78の温度Ttを取得する。ここで、サーミスタ78の温度Ttと環境温度Taは、印刷装置1の前回の電源OFF時に、EEPROM72Cに記憶されるものとする。EEPROM72Cに記憶されたサーミスタ78の温度を、温度Tt´とする。CPU71は、温度Tt´と、温度Ttとの差分から、サーミスタ78の温度減衰特性に基づき、電源OFFから電源ONまでの経過時間を推定する。CPU71は、推定した経過時間、温度Tpcb、及び温度Ttに基づいて環境温度Taを推定する。例えば、経過時間が短い場合は、EEPROM72Cに記憶された環境温度Taをそのまま用いてもよい。また、経過時間が十分に長い場合は、温度Tpcbと温度Ttとを比較して、温度が低い方を環境温度Taとしてもよい。
CPU71は、変数iに1を設定する(S15)。CPU71は、EEPROM72Cに記憶された第1パラメータ(第1係数γ、第2係数λ、第3係数K)を取得する(S17)。CPU71は、印刷装置1の電源をOFFする操作が実行されたか判定する(S19)。CPU71は、印刷装置1の電源をOFFする操作が実行されたと判定された場合(S19:YES)、メイン処理を終了させる。CPU71は、印刷装置1の電源をOFFする操作が実行されていないと判定された場合(S19:NO)、処理をS21に進める。CPU71は、第1推定温度を算出する為に、第1推定処理(図6参照)を実行する(S21)。
図6を参照し、第1推定処理を説明する。CPU71は、印刷装置1の起動後、最初の第1周期Tr(i=1)に対応する第1スタンバイ周期(以下、「第1初期スタンバイ周期」という。)における第1推定温度TFET1を、次のようにして算出する。CPU71は、S11(図4参照)の処理によって取得された初期温度(初期推定温度T及び初期周囲温度θ)を、それぞれ、第0スタンバイ周期における第1推定温度TFET0及び第1周囲温度θFET0として特定する(S61)。CPU71は、(7)式、(8)式に基づき、特定された第1推定温度TFET0及び第1周囲温度θFET0と、S13(図4参照)の処理によって算出された環境温度Tとに対し、S17(図4参照)の処理によって取得された第1パラメータを適用する。これによって、CPU71は、第1初期スタンバイ周期における第1推定温度TFET1及び第1周囲温度θFET1を算出する(S63)。CPU71は、算出された第1推定温度TFET1、及び、第1周囲温度θFET1を、SDRAM72Bに記憶する。CPU71は第1推定処理を終了させ、処理をメイン処理(図4参照)に戻す。
図4に示すように、CPU71は、第1推定処理(S21)の終了後、印刷動作を開始させるための操作が実行されたか判定する(S23)。CPU71は、印刷動作を開始させるための操作が実行されていないと判定された場合(S23:NO)、処理をS29に進める。CPU71は、変数iに「1」を加算して更新し(S29)、第1周期Tr待機する(S31)。その後、CPU71は処理をS19に戻す。
CPU71は、印刷装置1の電源をOFFする操作が実行されていないと判定された場合(S19:NO)、第iスタンバイ周期(i=2)における第1推定温度を算出する為に、第1推定処理(図6参照)を実行する(S21)。図6に示すように、CPU71は、印刷装置1の起動後、2回目以降の第1周期Tr(i=2、3、・・・)に対応する第iスタンバイ周期における第1推定温度TFETiを、次のようにして算出する。CPU71は、前回のスタンバイ周期(第i−1スタンバイ周期)における第1推定温度TFETi−1及び第1周囲温度θFETi−1を、SDRAM72Bから読み出す(S61)。CPU71は、(7)式、(8)式に基づき、読み出された第1推定温度TFETi−1及び第1周囲温度θFETi−1と、S13(図4参照)の処理によって算出された環境温度Tとに対し、S17(図4参照)の処理によって取得された第1パラメータを適用する。これによって、CPU71は、第iスタンバイ周期(i=2,3、・・・)における第1推定温度TFETi及び第1周囲温度θFETiを算出する(S63)。CPU71は、算出された第1推定温度TFETi、及び、第1周囲温度θFETiを、SDRAM72Bに記憶する。CPU71は第1推定処理を終了させ、処理をメイン処理(図4参照)に戻す。以上により、スタンバイ状態が継続される間、第1周期Tr毎に第1推定温度TFETiが繰り返し推定される。
CPU71は、印刷動作を開始させるための操作が実行されたと判定された場合(S23:YES)、動作状態をスタンバイ状態から印刷状態に切り替え、処理をS25に進める。CPU71は、USBソケット91Fに接続されたUSBケーブルを介して、外部端末から印刷データを受信する(S25)。CPU71は、EEPROM72Cに記憶された第2パラメータ(第4係数γ、第5係数λ、第6係数K)を取得する(S27)。CPU71は、処理をS41(図5参照)に進める。
図5に示すように、CPU71は、変数jに1を設定する(S41)。CPU71はモータ75Bを制御し、ファン75Cの回転を開始させる(S43)。CPU71は、第2推定温度を算出する為に第2推定処理(図7参照)を実行する(S45)。
図7を参照し、第2推定処理を説明する。CPU71は、スタンバイ状態から印刷状態に切り替わった後、最初の第2周期Ts(j=1)に対応する第1印刷周期における第2推定温度TFET1を、次のようにして算出する。CPU71は、印刷状態に切り替わる直前のスタンバイ周期、即ち、印刷状態に切り替わる前のスタンバイ状態における最終番目(「I番目」とする。)の第Iスタンバイ周期における第1推定温度TFETI及び第1周囲温度θFETIを、SDRAM72Bから読み出す。CPU71は、読み出された第1推定温度TFETI及び第1周囲温度θFETIを、それぞれ、第0印刷周期における第2推定温度TFET0及び第2周囲温度θFET0として特定する(S71)。
CPU71は、第1印刷周期の間にFET82Aからサーマルヘッド79に供給される電流の実効値Irms(Σn)((1)式参照)を、発熱パラメータβとして算出する(S73)。具体的には、CPU71は、第1印刷周期の間にnライン分の印刷動作が実行される場合において、1ライン分の印刷動作が実行される場合にサーマルヘッド79に通電される電流の実効値Irms(k)(n=1の場合)又はI´rms(k)(n=2以上の場合)を、(3)式又は(4)式に基づいて特定する。CPU71は、(5)式に基づき、特定された各ラインの電流の実効値を累積し、第1印刷周期の間にFET82Aからサーマルヘッド79に供給される電流の実効値Irms(Σn)を算出し、発熱パラメータβとする。
CPU71は、(6)式、(7)式に基づき、S71の処理によって特定された第2推定温度TFET0及び第2周囲温度θFET0と、S73の処理によって算出された発熱パラメータβと、S13(図4参照)の処理によって算出された環境温度Tとに対し、S27(図4参照)の処理によって取得された第2パラメータを適用する。これによって、CPU71は、第1印刷周期(j=1)における第2推定温度TFET1及び第2周囲温度θFET1を算出する(S75)。CPU71は、算出された第1推定温度TFET1、及び、第1周囲温度θFET1を、SDRAM72Bに記憶する。
CPU71は、印刷状態における印刷モードが第1モードであるか判定する(S77)。CPU71は、第1モードであると判定された場合(S77:YES)、S75の処理によって算出された第2推定温度TFET1が所定の第1閾値Th1以上か判定する(S79)。CPU71は、第2推定温度TFET1が第1閾値Th1よりも小さいと判定された場合(S79:NO)、第2推定処理を終了させ、処理をメイン処理(図5参照)に戻す。
図5に示すように、CPU71は、第2推定処理(S47)の終了後、S25(図4参照)の処理によって受信した印刷データに基づき、第1モードに応じた方法でFET82Aからサーマルヘッド79に電流を供給し、印刷動作を実行する(S49)。具体的には、CPU71は、FET82Aからサーマルヘッド79に電流を供給し、第1印刷周期に対応するnライン分の印刷動作を、所定の第1速度V1で実行する。
CPU71は、S25(図4参照)の処理によって受信された印刷データに応じた印刷が全て終了したか判定する(S49)。CPU71は、印刷が全て終了していないと判定された場合(S49:NO)、処理をS53に進める。CPU71は、変数jに「1」を加算して更新し(S53)、第2周期Ts待機する(S55)。その後、CPU71は処理をS45に戻す。
CPU71は、第j印刷周期(j=2)における第2推定温度を算出する為に、第2推定処理(図7参照)を実行する(S45)。図7に示すように、CPU71は、スタンバイ状態から印刷状態に切り替わった後、2回目以降の第2周期Ts(j=2、3、・・・)に対応する第j印刷周期における第2推定温度TFETjを、次のようにして算出する。CPU71は、前回の印刷周期(第j−1印刷周期)における第2推定温度TFETj−1及び第2周囲温度θFETj−1を、SDRAM72Bから読み出す(S71)。CPU71は、(3)式、(4)式、(5)式に基づき、第j印刷周期の間にFET82Aからサーマルヘッド79に供給される電流の実効値Irms(Σn)((1)式参照)を、発熱パラメータβとして算出する(S73)。CPU71は、(6)式、(7)式に基づき、S71の処理によって読み出された第2推定温度TFETj−1及び第2周囲温度θFETj−1と、S73の処理によって算出された発熱パラメータβと、S13(図4参照)の処理によって算出された環境温度Tとに対し、S27(図4参照)の処理によって取得された第2パラメータを適用する。これによって、CPU71は、第j印刷周期における第2推定温度TFETj及び第2周囲温度θFETjを算出する(S75)。CPU71は、算出された第2推定温度TFETj、及び、第2周囲温度θFETjを、SDRAM72Bに記憶する。以上により、第2周期Ts毎に第2推定温度TFETjが繰り返し推定される。
CPU71は、印刷状態における印刷モードが第1モードであるか判定する(S77)。CPU71は、第1モードであると判定された場合(S77:YES)、S75の処理によって算出された第2推定温度TFETjが所定の第1閾値Th1以上か判定する(S79)。CPU71は、第2推定温度TFETjが第1閾値Th1以上と判定された場合(S79:YES)、印刷状態における印刷モードを、第1モードから第2モードに変更する(S85)。CPU71は処理をS87に進める。一方、CPU71は、S77の処理において第2モードであると判定された場合(S77:NO)、S75の処理によって算出された第2推定温度TFETjが第1閾値Th1よりも小さい所定の第2閾値Th2(Th1>Th2)以下か判定する(S81)。CPU71は、第2推定温度TFETjが第2閾値Th2以下と判定された場合(S81:YES)、印刷状態における印刷モードを、第2モードから第1モードに変更する(S83)。CPU71は第2推定処理を終了させ、処理をメイン処理(図5参照)に戻す。一方、CPU71は、第2推定温度TFETjが第2閾値Th2よりも大きいと判定された場合(S81:NO)、処理をS87に進める。
CPU71は、S87の処理において、第3周期Tu待機し(S87)、その後、処理をS71に戻す。つまり、CPU71は、印刷モードが第2モードの時、処理をメイン処理に戻さないので、FET82Aからサーマルヘッド79に対する電流の供給は停止されたまま維持される。このため、印刷データに基づく印刷動作は停止される。なお、印刷動作が停止された状態は、印刷モードが第1モードに変更されるまで継続される。
図5に示すように、CPU71は、S47の処理によって印刷動作が繰り返され、印刷データに応じた印刷が全て終了したと判定された場合(S49:YES)、動作状態を印刷状態からスタンバイ状態に切り替える。CPU71は、モータ75Bを制御し、S43の処理によって開始されたファン75Cの回転を停止させる(S51)。処理をS15(図4参照)に戻す。
図4に示すように、CPU71は、変数iに1を設定する(S15)。CPU71は、CPU71は、EEPROM72Cに記憶された第1パラメータ(第1係数γ、第2係数λ、第3係数K)を取得する(S17)。CPU71は、印刷装置1の電源をOFFする操作が実行されていないと判定された場合(S19:NO)、第1推定温度を算出する為に、第1推定処理(図6参照)を実行する(S21)。図6に示すように、CPU71は、印刷状態からスタンバイ状態に切り替わった後、最初の第1周期Tr(i=1)に対応する第1印刷周期における第2推定温度TFET1を、次のようにして算出する。CPU71は、スタンバイ状態に切り替わる直前の印刷周期、即ち、スタンバイ状態に切り替わる前の印刷状態における最終番目(「J番目」とする。)の第J印刷周期における第2推定温度TFETJ及び第2周囲温度θFETJを、SDRAM72Bから読み出す。CPU71は、読み出された第2推定温度TFETJ及び第2周囲温度θFETJを、それぞれ、第0スタンバイ周期における第1推定温度TFET0及び第1周囲温度θFET0として特定する(S61)。
CPU71は、(7)式、(8)式に基づき、S61の処理によって特定された第1推定温度TFET0及び第1周囲温度θFET0と、S13(図4参照)の処理によって算出された環境温度Tとに対し、S17(図4参照)の処理によって取得された第1パラメータを適用する。これによって、CPU71は、第1スタンバイ周期(i=1)における第1推定温度TFET1及び第1周囲温度θFET1を算出する(S63)。CPU71は、算出された第1推定温度TFET1、及び、第1周囲温度θFET1を、SDRAM72Bに記憶する。
<本発明の主たる作用、効果>
印刷装置1は、スタンバイ状態におけるFET82Aの第1推定温度を、第1パラメータ(第1係数γ、第2係数λ、第3係数K)に基づいて算出する(S21)。印刷装置1は、印刷状態におけるFET82Aの第2推定温度を、発熱パラメータβと第2パラメータ(第4係数γ、第5係数λ、第6係数K)とに基づいて推定する(S45)。これにより印刷装置1は、サーミスタ等の温度センサを要せずFET82Aの表面温度を精度良く推定できる。又、印刷装置1は、第1閾値Th1及び第2閾値Th2と第2推定温度との関係に応じた印刷モードでサーマルヘッド79を制御する(S47)。具体的には、印刷装置1は、印刷モードが第1モードである場合、FET82Aからサーマルヘッド79に電流を供給して印刷動作を実行する。一方、印刷装置1は、印刷モードが第1モードであるときに第2推定温度が第1閾値Th1以上となった場合(S79:YES)、印刷モードを第2モードに変更する。印刷装置1は、第2モードにおいて、FET82Aの温度上昇を抑制するために印刷動作を停止させる。この場合、印刷装置1は、FET82Aの温度上昇を未然に防止できる。
温度の推定方法が、印刷装置1の状態に応じて変化する場合がある。例えば印刷装置1は、印刷状態とスタンバイ状態とで、電源基板82の冷却用に設けられたファン75Cの駆動状態が相違する。FET82Aの温度の推定条件は、ファン75Cの駆動状態が相違する印刷状態とスタンバイ状態とで相違する。これに対し、印刷装置1は、スタンバイ状態と印刷状態とのそれぞれにおいて、異なるパラメータ(第1パラメータ又は第2パラメータ)に基づいてFET82Aの温度を推定する。これによって、印刷装置1は、それぞれの状態におけるファン75Cの駆動状態が異なる場合でも、それぞれの状態における推定温度(第1推定温度及び第2推定温度)の精度を向上させることができる。
印刷装置1は、印刷状態からスタンバイ状態に切り替わった後、最初の第1スタンバイ周期の第1推定温度TFET1を、印刷状態において最後に算出された第2推定温度TFETJに基づいて算出する。同様に、印刷装置1は、スタンバイ状態から印刷状態に切り替わった後、最初の第1印刷周期の第2推定温度TFET1を、スタンバイ状態において最後に算出された第1推定温度TFETIに基づいて算出する。これにより、印刷装置1は、切り替え直前の状態における推定温度を加味して、切り替え後の状態における推定温度を算出できる。従って、印刷装置1は、温度推定の精度を向上させることができる。
印刷装置1は、電源ONによる起動後、最初の第1スタンバイ周期(第1初期スタンバイ周期)における第1推定温度TFET1を、EEPROM72Cに記憶された初期温度(初期推定温度T及び初期周囲温度θ)に第1パラメータを適用することによって算出する(S63)。この場合、印刷装置1は、起動直後の第1初期スタンバイ周期における第1推定温度TFET1の精度を高めることができる。
第1パラメータは、第1係数γ、第2係数λ、第3係数Kを含む。第2パラメータは、第4係数γ、第5係数λ、第6係数Kを含む。第1係数γ及び第4係数γは、FET82Aの周辺空気がFET82Aから受ける熱に応じた温度に適用される。第2係数λ及び第5係数λは、FET82Aの周辺空気がFET82Aから受ける熱に応じた温度と、印刷装置1の外部に放出される熱に応じた温度とのそれぞれに適用される。第3係数Kは、FET82Aが周辺の空気に放出する熱に応じた温度に適用される。第6係数Kは、FET82Aが周辺の空気に放出する熱に応じた温度と発熱パラメータβとに適用される。この場合、印刷装置1は、FET82A、周辺空気、及び、印刷装置1の外部の空気とのそれぞれの間の熱エネルギーの移動を考慮して、FET82Aの表面温度を推定できる。更に、印刷装置1は、スタンバイ状態における第1推定温度を、第1パラメータに基づいて精度良く推定できる。又、印刷装置1は、印刷状態における第2推定温度を、第2パラメータに基づいて精度良く推定できる。
印刷装置1は、第1推定温度TFETi−1及び第1周囲温度θFETi−1だけでなく環境温度Tに対しても第1パラメータを適用し、第1推定温度TFETi及び第1周囲温度θFETiを算出する(S63)。同様に、印刷装置1は、第2推定温度TFETj−1及び第2周囲温度θFETj−1及び発熱パラメータβだけでなく環境温度Tに対しても第2パラメータを適用し、第2推定温度TFETj及び第2周囲温度θFETjを算出する。この場合、筐体9内部における熱エネルギーの移動だけでなく、筐体9外部への熱エネルギーの移動も考慮して、第1推定温度及び第2推定温度を算出できる。従って、印刷装置1は、第1推定温度及び第2推定温度を、環境温度Tに基づいて更に精度良く推定できる。
印刷装置1は、印刷モードが第1モードである状態で第2推定温度TFETjが第1閾値Th1よりも高くなった場合(S79:YES)、印刷モードを第2モードとして印刷動作を停止する。この場合、印刷装置1は、印刷動作を停止させることによってFET82Aの温度上昇を抑制できる。又、印刷装置1は、印刷モードが第2モードである状態で第2推定温度TFETjが第2閾値Th2以下となった場合(S81:YES)、印刷モードを第1モードとして印刷動作を実行する(S47)。このように、印刷装置1は、それぞれ異なる第1閾値Th1と第2閾値Th2とを基準として印刷モードを切り替えることによって、印刷モードが第1モードと第2モードとに頻繁に切り替わることを抑制できる。
印刷装置1は、FET82Aを冷却するためのファン75Cを備える。CPU71は、印刷状態においてファン75Cを回転させ(S43)、スタンバイ状態においてファン75Cの回転を停止させる(S51)。この場合、印刷装置1は、FET82Aの温度上昇をファン75Cによって抑制できる。なお、印刷装置1は、ファン75Cの駆動状態がそれぞれ異なるスタンバイ状態と印刷状態との何れの状態におけるFET82Aの温度を、第1パラメータ及び第2パラメータに基づいて精度良く推定できる。
<変形例>
本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変更が可能である。印刷装置1の印刷方式は、感熱方式に限定されず、例えば、インクリボンを加熱することによって印刷を行う熱転写方式であってもよい。第1周期Tr、第2周期Ts、第3周期Tuは、それぞれ、同一あってもよいし、互いに相違してもよい。
CPU71は、印刷状態における印刷モード(第1モード又は第2モード)に応じて、上記実施形態と異なる方法で印刷動作を実行してもよい。例えばCPU71は、印刷モードが第2モードの場合、FET82Aからサーマルヘッド79に電流を供給し、第j印刷周期に対応するnライン分の印刷動作を、第1速度V1よりも遅い第2速度V2で実行してもよい。つまりこの場合、CPU71は、印刷モードが第2モードである場合にも印刷動作を継続してもよい。
例えばCPU71は、S75の処理によって算出された第2推定温度TFETjが第2閾値Th2よりも低い場合に第1モードに切り替え、第j印刷周期に対応するnライン分の印刷動作を第1速度V1で実行してもよい。一方、CPU71は、S75の処理によって算出された第2推定温度TFETjが第1閾値Th1よりも低く且つ第2閾値Th2よりも高い場合、第j印刷周期に対応するnライン分の印刷動作を、第1速度V1よりも遅い第2速度V2で実行してもよい。この場合、印刷装置1は、第2推定速度に応じて印刷速度を切り替えることによって、印刷動作を継続しつつFET82Aの温度上昇を抑制できる。
更に、例えばCPU71は、S75の処理によって算出された第2推定温度TFETjが第1閾値Th1以上の場合に印刷モードを第3モードとし、第2推定温度TFETjが第1閾値Th1よりも低く且つ第2閾値Th2以上の場合に印刷モードを第2モードとし、第2推定温度TFETjが第2閾値Th2よりも低い場合に印刷モードを第1モードとしてもよい。CPU71は、印刷モードが第1モードの場合、第j印刷周期に対応するnライン分の印刷動作を、第1速度V1で実行してもよい。CPU71は、印刷モードが第2モードの場合、第j印刷周期に対応するnライン分の印刷動作を、第1速度V1よりも遅い第2速度V2で実行してもよい。CPU71は、印刷モードが第3モードの場合、FET82Aからサーマルヘッド79に電流を供給せず、印刷動作を停止してもよい。
CPU71は、印刷状態からスタンバイ状態に切り替わった後、最初の第1スタンバイ周期の第1推定温度TFET1を、直前の印刷状態よりも前のスタンバイ状態において最後に算出された第1推定温度に基づいて算出してもよい。同様に、印刷装置1は、スタンバイ状態から印刷状態に切り替わった後、最初の第1印刷周期の第2推定温度TFET1を、直前のスタンバイ状態よりも前の印刷状態において最後に算出された第2推定温度に基づいて算出してもよい。
印刷装置1は、電源ONによる起動後、操作部91Bを介して初期温度(初期推定温度T及び初期周囲温度θ)の入力操作を受け付けてもよい。CPU71は、第1初期スタンバイ周期における第1推定温度TFET1を、操作部91Bを介して入力された初期温度(初期推定温度T及び初期周囲温度θ)に第1パラメータを適用することによって算出してもよい。
第1パラメータに含まれる第1係数γ、第2係数λ、第3係数Kと、第2パラメータに含まれる第4係数γ、第5係数λ、第6係数Kとは、それぞれが全て相違していなくてもよく、何れかの係数が少なくとも相違していればよい。例えば、第1係数γ及び第4係数γが相違し、第2係数λ及び第5係数λが相違し、第3係数K及び第6係数Kが一致していてもよい。
印刷装置1は、筐体9の外部の温度を検出可能なサーミスタを更に有していてもよい。CPU71は、このサーミスタによって検出された温度を環境温度Tとし、第1推定温度及び第2推定温度を算出してもよい。
CPU71は、算出された第1推定温度又は第2推定温度に応じて、ファン75Cの回転/停止を切り替えてもよい。例えば、CPU71は、算出された第1推定温度又は第2推定温度が所定閾値よりも高い場合、ファン75Cを回転させ、算出された第1推定温度及び第2推定温度が所定閾値よりも低い場合、ファン75Cの回転を停止させてもよい。
<その他>
サーマルヘッド79は、本発明の「印刷部」の一例である。FET82Aは、本発明の「電源部」の一例である。S21の処理を行うCPU71は、本発明の「第1推定手段」の一例である。S45の処理を行うCPU71は、本発明の「第2推定手段」の一例である。S47の処理を行うCPU71は、本発明の「印刷手段」の一例である。S43、S51の処理を行うCPU71は、本発明の「ファン制御手段」の一例である。S21の処理は、本発明の「第1推定ステップ」の一例である。S45の処理は、本発明の「第2推定ステップ」の一例である。S47の処理は、本発明の「印刷ステップ」の一例である。
1 :印刷装置
71 :CPU
75C :ファン
79 :サーマルヘッド
82A :FET

Claims (9)

  1. 印刷媒体に印刷を行う印刷部と、少なくとも前記印刷部を駆動する電源を生成する電源部とを有し、前記印刷部による印刷が実行中である印刷状態と、前記印刷部による印刷が実行中でないスタンバイ状態とのそれぞれの状態で動作可能な印刷装置であって、
    前記スタンバイ状態における前記電源部の温度を、所定の第1周期毎に第1推定温度として推定する第1推定手段と、
    前記印刷状態における前記電源部の温度を、所定の第2周期毎に第2推定温度として推定する第2推定手段と、
    前記第2推定手段により推定された前記第2推定温度と所定閾値との関係に応じた方法で前記印刷部を制御する印刷手段と
    を備え、
    前記第1推定手段は、
    前記印刷状態から前記スタンバイ状態に切り替わってからi(iは2以上の整数)番目の第1周期である第iスタンバイ周期における第1推定温度を、第i−1スタンバイ周期における第1推定温度に第1パラメータを適用して推定し、
    前記第2推定手段は、
    前記スタンバイ状態から前記印刷状態に切り替わってからj(jは2以上の整数)番目の第2周期である第j印刷周期における第2推定温度を、第j−1印刷周期における第2推定温度と、前記第j印刷周期の間に前記印刷部に供給される電流に対応する発熱パラメータとのそれぞれに、前記第1パラメータと異なる第2パラメータを適用して推定し、
    前記第1パラメータは、少なくとも、第1係数、第2係数、第3係数を含み、
    前記第1係数は、前記電源部の周辺空気が前記電源部から受ける熱に応じた温度に適用され、
    前記第2係数は、前記電源部の周辺空気が前記電源部から受ける熱と、前記印刷装置の外部に放出される熱とのそれぞれに応じた温度に適用され、
    前記第3係数は、前記電源部が周辺空気に放出する熱に応じた温度に適用され、
    前記第2パラメータは、少なくとも、第4係数、第5係数、第6係数を含み、
    前記第4係数は、前記電源部の周辺空気が前記電源部から受ける熱に応じた温度に適用され、
    前記第5係数は、前記電源部の周辺空気が前記電源部から受ける熱と、前記印刷装置の外部に放出される熱とのそれぞれに応じた温度に適用され、
    前記第6係数は、前記電源部が周辺空気に放出する熱に応じた温度と前記発熱パラメータとのそれぞれに適用され
    ことを特徴とする印刷装置。
  2. 前記第1推定手段は、
    前記印刷状態から前記スタンバイ状態に切り替わった後、最初の前記第1周期である第1スタンバイ周期における第1推定温度を、前記スタンバイ状態に切り替わる前の前記印刷状態の最終番目の前記第2周期である第J(Jは2以上の整数)印刷周期における第2推定温度に前記第1パラメータを適用して推定し、
    前記第2推定手段は、
    前記スタンバイ状態から前記印刷状態に切り替わった後、最初の前記第2周期である第1印刷周期における第2推定温度を、前記印刷状態に切り替わる前の前記スタンバイ状態の最終番目の前記第1周期である第I(Iは2以上の整数)スタンバイ周期における第1推定温度と、前記第1印刷周期の間に前記印刷部に供給された電流に対応する発熱パラメータのそれぞれに第2パラメータを適用して推定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記第1推定手段は、
    前記印刷装置の起動後、最初の前記第1周期である第1初期スタンバイ周期における第1推定温度を、所定の初期温度に前記第1パラメータを適用して推定することを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷装置。
  4. 前記第1推定手段及び前記第2推定手段は、それぞれ、前記電源部の周囲温度を更に推定し、
    前記第1推定手段は、
    前記第iスタンバイ周期における第1推定温度を、前記第i−1スタンバイ周期における第1推定温度、前記第i−1スタンバイ周期における前記周囲温度、及び、前記印刷装置の環境温度のそれぞれに前記第1パラメータを適用して推定し、
    前記第2推定手段は、
    前記第j印刷周期における第2推定温度を、前記第j−1印刷周期における第2推定温度、前記第j−1印刷周期における前記周囲温度、前記印刷装置の環境温度、及び、前記発熱パラメータのそれぞれに前記第2パラメータを適用して推定することを特徴とする請求項1からの何れかに記載の印刷装置。
  5. 前記印刷手段は、
    前記第2推定温度が第1閾値よりも高い場合、前記印刷部を制御して印刷動作を停止することを特徴とする請求項1からの何れかに記載の印刷装置。
  6. 前記印刷手段は、
    前記第2推定温度が、前記第1閾値よりも低く、且つ、前記第1閾値よりも小さい第2閾値よりも低い場合、前記印刷部による印刷速度を第1速度とし、
    前記第2推定温度が、前記第1閾値よりも低く、且つ、前記第2閾値よりも高い場合、前記印刷部による印刷速度を、前記第1速度よりも小さい第2速度とすることを特徴とする請求項に記載の印刷装置。
  7. 前記電源部を冷却するためのファンを更に備え、
    前記印刷状態において前記ファンを回転させ、前記スタンバイ状態において前記ファンを回転させないファン制御手段を更に備えたことを特徴とする請求項1からの何れかに記載の印刷装置。
  8. 印刷媒体に印刷を行う印刷部と、少なくとも前記印刷部を駆動する電源を生成する電源部とを有し、前記印刷部による印刷が実行中である印刷状態と、前記印刷部による印刷が実行中でないスタンバイ状態とのそれぞれの状態で動作可能な印刷装置のコンピュータに、
    前記スタンバイ状態における前記電源部の温度を、所定の第1周期毎に第1推定温度として推定する第1推定ステップと、
    前記印刷状態における前記電源部の温度を、所定の第2周期毎に第2推定温度として推定する第2推定ステップと、
    前記第2推定ステップにより推定された前記第2推定温度と所定閾値との関係に応じた方法で前記印刷部を制御する印刷ステップと
    を実行させるための印刷プログラムであって、
    前記第1推定ステップは、
    前記印刷状態から前記スタンバイ状態に切り替わってからi(iは2以上の整数)番目の第1周期である第iスタンバイ周期における第1推定温度を、第i−1スタンバイ周期における第1推定温度に第1パラメータを適用して推定し、
    前記第2推定ステップは、
    前記スタンバイ状態から前記印刷状態に切り替わってからj(jは2以上の整数)番目の第2周期である第j印刷周期における第2推定温度を、第j−1印刷周期における第2推定温度と、前記第j印刷周期の間に前記印刷部に供給される電流に対応する発熱パラメータとのそれぞれに、前記第1パラメータと異なる第2パラメータを適用して推定し、
    前記第1パラメータは、少なくとも、第1係数、第2係数、第3係数を含み、
    前記第1係数は、前記電源部の周辺空気が前記電源部から受ける熱に応じた温度に適用され、
    前記第2係数は、前記電源部の周辺空気が前記電源部から受ける熱と、前記印刷装置の外部に放出される熱とのそれぞれに応じた温度に適用され、
    前記第3係数は、前記電源部が周辺空気に放出する熱に応じた温度に適用され、
    前記第2パラメータは、少なくとも、第4係数、第5係数、第6係数を含み、
    前記第4係数は、前記電源部の周辺空気が前記電源部から受ける熱に応じた温度に適用され、
    前記第5係数は、前記電源部の周辺空気が前記電源部から受ける熱と、前記印刷装置の外部に放出される熱とのそれぞれに応じた温度に適用され、
    前記第6係数は、前記電源部が周辺空気に放出する熱に応じた温度と前記発熱パラメータとのそれぞれに適用され
    ことを特徴とする印刷プログラム。
  9. 印刷媒体に印刷を行う印刷部と、少なくとも前記印刷部を駆動する電源を生成する電源部とを有し、前記印刷部による印刷が実行中である印刷状態と、前記印刷部による印刷が実行中でないスタンバイ状態とのそれぞれの状態で動作可能な印刷装置によって実行される印刷方法であって、
    前記スタンバイ状態における前記電源部の温度を、所定の第1周期毎に第1推定温度として推定する第1推定ステップと、
    前記印刷状態における前記電源部の温度を、所定の第2周期毎に第2推定温度として推定する第2推定ステップと、
    前記第2推定ステップにより推定された前記第2推定温度と所定閾値との関係に応じた方法で前記印刷部を制御する印刷ステップと
    を備え、
    前記第1推定ステップは、
    前記印刷状態から前記スタンバイ状態に切り替わってからi(iは2以上の整数)番目の第1周期である第iスタンバイ周期における第1推定温度を、第i−1スタンバイ周期における第1推定温度に第1パラメータを適用して推定し、
    前記第2推定ステップは、
    前記スタンバイ状態から前記印刷状態に切り替わってからj(jは2以上の整数)番目の第2周期である第j印刷周期における第2推定温度を、第j−1印刷周期における第2推定温度と、前記第j印刷周期の間に前記印刷部に供給される電流に対応する発熱パラメータとのそれぞれに、前記第1パラメータと異なる第2パラメータを適用して推定し、
    前記第1パラメータは、少なくとも、第1係数、第2係数、第3係数を含み、
    前記第1係数は、前記電源部の周辺空気が前記電源部から受ける熱に応じた温度に適用され、
    前記第2係数は、前記電源部の周辺空気が前記電源部から受ける熱と、前記印刷装置の外部に放出される熱とのそれぞれに応じた温度に適用され、
    前記第3係数は、前記電源部が周辺空気に放出する熱に応じた温度に適用され、
    前記第2パラメータは、少なくとも、第4係数、第5係数、第6係数を含み、
    前記第4係数は、前記電源部の周辺空気が前記電源部から受ける熱に応じた温度に適用され、
    前記第5係数は、前記電源部の周辺空気が前記電源部から受ける熱と、前記印刷装置の外部に放出される熱とのそれぞれに応じた温度に適用され、
    前記第6係数は、前記電源部が周辺空気に放出する熱に応じた温度と前記発熱パラメータとのそれぞれに適用され
    ことを特徴とする印刷方法。
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