JP6867652B2 - 癌療法のためのモノマレイミド官能化白金化合物 - Google Patents

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Description

本発明は、本明細書の下記に記載して定義されるような、特に新規モノマレイミド官能化オキサリプラチン及びカルボプラチン誘導体が含まれる、式(I)の新規モノマレイミド官能化白金化合物、並びに医薬品としての、特に癌の治療又は予防のためのそれらの使用に関する。
臨床の癌療法における白金薬剤の応用は、ローゼンバーグら(Rosenberg et al.)が白金(II)錯体:シスプラチンの有望な抗癌活性を発見した1969年に遡る。シスプラチンの抗癌活性は、らせんDNA構造の歪みをもたらす、白金−DNA付加物の形成に主に基づく。これによりDNA鎖の切断、DNAの複製及び転写の阻害、そして最終的な帰結として、細胞周期の停止とアポトーシスを生じるのである。そのきわめて強い抗癌活性に基づいて、シスプラチン又はその後継品であるカルボプラチン及びオキサリプラチンは、今日、ほぼあらゆる化学療法スキームの本来的な部分となっている。そのような白金薬剤のある種の誘導体も、例えば、Abramkin, S. A. et al. J Med Chem. 2010; 53(20): 7356-64; Abramkin, S. et al. Dalton Trans. 2012; 41(10):3001-5; Abramkin, S., Dissertation 2012; 及びWO2015/102922 において提唱されてきた。しかしながら、白金薬剤での治療には、(内因性又は獲得性の耐性の発現以外に)(重篤な)副作用がいつでも付随して、それには、悪心及び嘔吐以外に、腎毒性又は神経毒性も含まれる。必然的に、白金薬剤の腫瘍標的化を高めるため(そして必然的に、副作用を抑えるため)の新たな戦略の開発には、重大な関心がある。
白金(IV)錯体の抗癌活性は、シスプラチンとともに1960年代に発見された。これまでのところ、3種の白金(IV)薬剤:JM9(イプロプラチン)、テトラプラチン(オルマプラチン)、及びJM−216(サトラプラチン)が臨床治験において試験されてきた。一般に、白金(IV)錯体は、その白金(II)対応物より動態学的に不活性であって、必然的に、生体分子とのより低い反応性を有する。おそらくはその低下した細胞傷害性の故に、白金(IV)薬剤は、白金(II)化合物ほど広範に研究されることも開発されることもなかった。今日、白金(IV)錯体は、腫瘍組織において還元を受ける、プロドラッグとみなされている。このプロセスの間に、好ましくは、軸配位子(axial 配位子)が放出されて、対応するより活性型の平面四配位白金(II)類似体が生成される。特にこれらの軸配位子がきわめて興味深いのは、脂溶性、安定性、及び還元電位のような広範囲の物理化学的及び薬理学的特性を調節するためにそれらを使用することができるからである。さらに、この配位子は、特定の腫瘍部位に標的指向するか又は追加の生理活性成分を付加するように設計することができる。
アルブミンは、分子量が66.5kDaである、最も豊富な血漿タンパク質(ヒト血漿中、35〜50g/L)である。アルブミンの平均半減期は19日であって、大抵の血漿タンパク質のように、肝臓において合成される。アルブミンの生理機能は、多種多様である。例えば、それは、血液のコロイド浸透圧の要因となる主要タンパク質である。薬物送達に関して最も重要にも、ビリルビン又は金属イオンのようないくつかの分子の生理学的な担体であるアルブミンは、きわめて強力な結合特性を有して、いくつかの治療薬剤(例、ペニシリン類)へ結合することが知られている。さらに、漏出性の毛細血管がリンパ液排出の非存在/欠陥と結び付くことにより、アルブミンが悪性腫瘍組織に蓄積する(血管透過性・滞留性亢進(EPR)効果とも呼ばれている)ことが知られている。必然的に、薬物の血清アルブミンへの結合を高めるための戦略は、腫瘍組織中へ標的指向される薬物送達にとって魅力的で有効なアプローチとなっている。現在、アルブミンの特異的な腫瘍蓄積を細胞傷害性薬剤(特に、パクリタキセルとドキソルビシン)にも利用しようとするいくつかの試みがある。このようにして、Abraxane(登録商標)[アルブミン−パクリタキセル含有ナノ粒子]が非小細胞肺癌(NSCLC)、並びに非応答性又は再発性乳癌に対して最近承認されて、マレイミド含有ドキソルビシン誘導体(INNO−206,アルドキソルビシン)は、現在、第III相臨床治験中である。必然的に、臨床現場では、腫瘍標的化戦略としてのアルブミンの有効性と利点がすでに証明されている。
最新の研究(Pichler V et al. Chem Commun (Camb). 2013; 49(22):2249-51)では、最初のビスマレイミド含有アルブミン結合性白金(IV)薬剤、KP2156がそれぞれのスクシンイミド誘導体、KP2157(これは、アルブミンに対する反応性を保有しないことが見出された)と一緒に合成された。
Figure 0006867652
特に、ウシ血清を使用するSEC−ICP−MS測定では、アルブミン含有タンパク質画分へのKP2156の特異的な結合が証明されたのに対し、KP2157は、低分子量画分に専ら検出された。この新たな化合物の生体内での(in vivo)抗癌活性に対するアルブミン結合の影響について検証するために、マウスCT−26結腸癌モデルを使用した(この同系マウス腫瘍モデルの使用は、オキサリプラチンの抗癌活性について最近報告された免疫系の重要性の故に必要であった;Kroemer G et. al. Oncogene, 2010, 29, 482-491; Jungwirth U et al. Mol Pharmacol. 2012; 81(5):719-28)。いずれの白金錯体も十分に忍容されて、体重の有意な損失がなかった。しかしながら、KP2157と比べると、ビスマレイミド官能化誘導体のKP2156は、有意により高い抗癌活性を示して、顕著に低下した平均腫瘍負荷をもたらした。
アルブミンとの相互作用試験は、2つのマレイミド部分の存在にもかかわらず、KP2156が1つのアルブミン分子にのみ結合することが可能であることをさらに明らかにした。本発明者たちは、フリーの第二マレイミドが他のタンパク質又はチオール含有分子と非特異的な反応を生じて、これにより多数の代謝産物の生体内での(in vivo)発生による無制御の挙動がもたられる可能性があると考慮した。
この課題に対処するために、本発明の文脈では、最初のモノマレイミド官能化オキサリプラチン、シスプラチン、及びカルボプラチン誘導体を開発して、その生体内での(in vivo)抗癌活性について検討した。このことがいくつかの全く予想外の発見をもたらしたのである:
1)ビスマレイミド誘導体のアルブミン結合反応速度は、いずれの事例でもモノマレイミド誘導体より約2倍速いが、本発明で提供する、新しいオキサリプラチンモノマレイミド錯体の1つ、並びにカルボプラチン類似体(即ち.KP2299とKP2551)は、図面1と図面2にも示すように、試験した他のすべての化合物(オキサリプラチン、シスプラチン、及びカルボプラチンが含まれる)よりも顕著に活性があることがわかった。
2)図面1Cと図面1Eにも示すように、モノマレイミド化合物のKP2299は、構造的にきわめて類似したモノマレイミド化合物のKP2260(これは、下記に図示するように、一方の軸位置で、KP2299のアセタト基の代わりにメトキシド基を有する)よりも、そしてKP2541(これは、そのリンカーにNH基を欠く)よりも顕著に高い抗癌活性を示した。加えて、KP2299は、KP2260と比べて、きわめて増加した水溶性を明示した。
3)KP2299のシスプラチン類似体、即ち、KP2372とKP2540は、ごくわずかな活性しかなかった(図面1Dと図面1Eを参照のこと)。このことは、シスプラチン誘導体が通常は同等又はより高い抗癌活性も保有するので、きわめて驚くべきことであった。
4)KP2372とは対照的に、KP2299は、顕著な抗白血病活性も発揮した(図面4を参照のこと)。このことは、血液系疾患ではEPR効果を観測し得ないので、驚きであった(アルブミンの蓄積が合理的に説明され得るのは、固形腫瘍の場合だけである)。
Figure 0006867652
従って、本発明は、特に、有利に増強された腫瘍標的化の故に、著しく増加した治療有効性と好ましい副作用プロフォールを示す、新規で改善された白金薬剤を癌における治療介入のために提供するという課題を解決する。
従って、本発明は、以下の式(I):
Figure 0006867652
の化合物、又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物を提供する。
式(I)において、RとRは、一緒に結合して、部分(A1)、(A2)又は(A3):
Figure 0006867652
を形成し、
とRは、一緒に結合して、部分(B1)を形成するか又はRは、部分(B2)であって、Rは、−NHである、又はRとRは、それぞれ−NHであり:
Figure 0006867652
は、−N(R51)−又は−CH−である。
51は、水素又はC1−8アルキルである。
は、C1−8アルキレンであり、ここで前記C1−8アルキレンに含まれる1又は2の−CH−単位は、−O−、−CO−、−C(=O)O−、−O−C(=O)−、−N(R61)−、−N(R61)−CO−、−CO−N(R61)−、アリーレン、及びヘテロアリーレンより独立して選択される基によってそれぞれ置換されてもよく、ここで前記アリーレンと前記ヘテロアリーレンは、1以上のR62基でそれぞれ置換されてもよい。
それぞれのR61は、水素とC1−8アルキルより独立して選択される。
それぞれのR62は、C1−8アルキル、C2−8アルケニル、C2−8アルキニル、−(C0−3アルキレン)−OH、−(C0−3アルキレン)−O(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−SH、−(C0−3アルキレン)−S(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−NH、−(C0−3アルキレン)−NH(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−N(C1−8アルキル)(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−ハロゲン、−(C0−3アルキレン)−(C1−8ハロアルキル)、−(C0−3アルキレン)−CF、−(C0−3アルキレン)−CN、−(C0−3アルキレン)−CHO、−(C0−3アルキレン)−CO−(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−COOH、−(C0−3アルキレン)−CO−O−(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−O−CO−(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−CO−NH、−(C0−3アルキレン)−CO−NH(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−CO−N(C1−8アルキル)(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−NH−CO−(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−N(C1−8アルキル)−CO−(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−SO−NH、−(C0−3アルキレン)−SO−NH(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−SO−N(C1−8アルキル)(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−NH−SO−(C1−8アルキル)、及び−(C0−3アルキレン)−N(C1−8アルキル)−SO−(C1−8アルキル)より独立して選択される。
は、水素、C1−8アルキル、C2−8アルケニル、C2−8アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、−O−(C1−8アルキル)、−O−(C2−8アルケニル)、−O−(C2−8アルキニル)、−O−シクロアルキル、−O−ヘテロシクロアルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−N(R71)−(C1−8アルキル)、−N(R71)−(C2−8アルケニル)、−N(R71)−(C2−8アルキニル)、−N(R71)−シクロアルキル、−N(R71)−ヘテロシクロアルキル、−N(R71)−アリール、及び−N(R71)−ヘテロアリールより選択され、ここで上述した基のいずれにも含まれる前記C1−8アルキル又はC1−8アルキル部分、上述した基のいずれにも含まれる前記C2−8アルケニル又はC2−8アルケニル部分、及び上述した基のいずれにも含まれる前記C2−8アルキニル又はC2−8アルキニル部分は、1以上のR72基でそれぞれ置換されてもよく、そしてさらにここで上述した基のいずれにも含まれる前記シクロアルキル又はシクロアルキル部分、上述した基のいずれにも含まれる前記ヘテロシクロアルキル又はヘテロシクロアルキル部分、上述した基のいずれにも含まれる前記アリール又はアリール部分、及び上述した基のいずれにも含まれる前記ヘテロアリール又はヘテロアリール部分は、1以上のR73基でそれぞれ置換されてもよい。
それぞれのR71は、水素とC1−8アルキルより独立して選択される。
それぞれのR72は、−OH、−O(C1−8アルキル)、−SH、−S(C1−8アルキル)、−NH、−NH(C1−8アルキル)、−N(C1−8アルキル)(C1−8アルキル)、ハロゲン、C1−8ハロアルキル、−CF、−CN、−CHO、−CO−(C1−8アルキル)、−COOH、−CO−O−(C1−8アルキル)、−O−CO−(C1−8アルキル)、−CO−NH、−CO−NH(C1−8アルキル)、−CO−N(C1−8アルキル)(C1−8アルキル)、−NH−CO−(C1−8アルキル)、−N(C1−8アルキル)−CO−(C1−8アルキル)、−SO−NH、−SO−NH(C1−8アルキル)、−SO−N(C1−8アルキル)(C1−8アルキル)、−NH−SO−(C1−8アルキル)、及び−N(C1−8アルキル)−SO−(C1−8アルキル)より独立して選択される。
それぞれのR73は、C1−8アルキル、C2−8アルケニル、C2−8アルキニル、−(C0−3アルキレン)−OH、−(C0−3アルキレン)−O(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−SH、−(C0−3アルキレン)−S(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−NH、−(C0−3アルキレン)−NH(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−N(C1−8アルキル)(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−ハロゲン、−(C0−3アルキレン)−(C1−8ハロアルキル)、−(C0−3アルキレン)−CF、−(C0−3アルキレン)−CN、−(C0−3アルキレン)−CHO、−(C0−3アルキレン)−CO−(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−COOH、−(C0−3アルキレン)−CO−O−(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−O−CO−(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−CO−NH、−(C0−3アルキレン)−CO−NH(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−CO−N(C1−8アルキル)(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−NH−CO−(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−N(C1−8アルキル)−CO−(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−SO−NH、−(C0−3アルキレン)−SO−NH(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−SO−N(C1−8アルキル)(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−NH−SO−(C1−8アルキル)、及び−(C0−3アルキレン)−N(C1−8アルキル)−SO−(C1−8アルキル)より独立して選択される。
それぞれのRは、C1−8アルキル、C2−8アルケニル、C2−8アルキニル、−OH、−O−(C1−8アルキル)、−SH、−S−(C1−8アルキル)、−NH、−NH(C1−8アルキル)、−N(C1−8アルキル)(C1−8アルキル)、ハロゲン、C1−8ハロアルキル、−CF、−CN、−CHO、−CO−(C1−8アルキル)、−COOH、−CO−O−(C1−8アルキル)、−O−CO−(C1−8アルキル)、−CO−NH、−CO−NH(C1−8アルキル)、−CO−N(C1−8アルキル)(C1−8アルキル)、−NH−CO−(C1−8アルキル)、−N(C1−8アルキル)−CO−(C1−8アルキル)、−SO−NH、−SO−NH(C1−8アルキル)、−SO−N(C1−8アルキル)(C1−8アルキル)、−NH−SO−(C1−8アルキル)、及び−N(C1−8アルキル)−SO−(C1−8アルキル)より独立して選択される。
それぞれのRは、C1−8アルキル、C2−8アルケニル、C2−8アルキニル、−OH、−O−(C1−8アルキル)、−SH、−S−(C1−8アルキル)、−NH、−NH(C1−8アルキル)、−N(C1−8アルキル)(C1−8アルキル)、ハロゲン、C1−8ハロアルキル、−CF、−CN、−CHO、−CO−(C1−8アルキル)、−COOH、−CO−O−(C1−8アルキル)、−O−CO−(C1−8アルキル)、−CO−NH、−CO−NH(C1−8アルキル)、−CO−N(C1−8アルキル)(C1−8アルキル)、−NH−CO−(C1−8アルキル)、−N(C1−8アルキル)−CO−(C1−8アルキル)、−SO−NH、−SO−NH(C1−8アルキル)、−SO−N(C1−8アルキル)(C1−8アルキル)、−NH−SO−(C1−8アルキル)、及び−N(C1−8アルキル)−SO−(C1−8アルキル)より独立して選択される。
nは、0〜8の整数である。
mは、0〜6の整数である。
本発明はまた、式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物を医薬的に許容される賦形剤と組み合わせて含んでなる医薬組成物に関する。従って、本発明は、医薬品としての使用のための、式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物、又は上述した成分(entities)のいずれかと医薬的に許容される賦形剤を含んでなる医薬組成物に関する。
さらに本発明は、癌の治療又は予防における使用のための、式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物、又は上述した成分のいずれかと医薬的に許容される賦形剤を含んでなる医薬組成物に関する。
さらに、本発明は、癌の治療又は予防用医薬品の製造における、式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物の使用に関する。
同様に、本発明は、癌を治療するか又は予防する方法に関し、該方法は、式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物、又は上述した成分のいずれかを医薬的に許容される賦形剤と組み合わせて含んでなる医薬組成物をその必要な被験者(好ましくは、ヒト)へ投与することを含んでなる。式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物、又はその医薬組成物の治療有効量は、本方法に従って投与することが可能であると理解されよう。
本発明に従って治療されるか又は予防される癌は、好ましくは、消化器癌、結直腸癌(例、McLean et al. 又は Goldenstein et al. いずれも Clin Colorectal Cancer. 2015)、結腸癌、肝癌(例、肝細胞癌)、膵臓癌(例、Cid-Arregui et al. World J Gastroenterol. 2015)、胆管癌(例、Yang R et al. Anticancer Drugs 2013)、胃癌、尿生殖器癌、膀胱癌、精巣癌、子宮頸部癌、悪性中皮腫、骨原性肉腫、食道癌、喉頭癌、前立腺癌(例、ホルモン抵抗性前立腺癌)、肺癌(例、小細胞肺癌又は非小細胞肺癌)、乳癌(例、トリプルネガティブ乳癌、又はBRCA1及び/又はBRCA2遺伝子変異を有する乳癌)、血液癌、白血病(例、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、又は慢性骨髄性白血病)、リンパ腫(例、ホジキンリンパ腫又は非ホジキンリンパ腫、例えば、濾胞性リンパ腫又はびまん性大細胞型B細胞リンパ腫のような)、卵巣癌(例、Bogliolo et al. Expert Opin Investig Drugs. 2015)、脳腫瘍、神経芽腫、ユーイング肉腫、腎癌、表皮癌、皮膚癌、黒色腫、頭頚部癌(例、頭頚部扁平細胞癌)、及び口腔癌より選択される。本発明に従って治療されるか又は予防される癌はまた、例えば、子宮頸部癌、卵巣癌(例、卵巣悪性腫瘍)、子宮癌、膣癌、又は外陰癌のような婦人科癌、特に子宮内膜癌であり得る。治療されるか又は予防される癌は、さらに、例えば、肝胆道癌、胸腺腫、メルケル細胞癌、肛門癌(特に、肛門扁平細胞癌)、又は神経内分泌癌であり得る。本発明は、特に、結直腸癌、結腸癌、膵臓癌、肺癌(特に、非小細胞肺癌)、卵巣癌(特に、卵巣悪性腫瘍)、膀胱癌、子宮頸部癌、悪性中皮腫、黒色腫、頭頚部癌(特に、頭頚部扁平細胞癌)、又は精巣癌の治療又は予防に関する。なおより好ましくは、本発明に従って治療されるか又は予防される癌は、結直腸癌、結腸癌、膵臓癌、肺癌(特に、非小細胞肺癌)、卵巣癌(特に、卵巣悪性腫瘍)、子宮頸部癌、黒色腫、又は頭頚部癌(特に、頭頚部扁平細胞癌)である。従って、治療されるか又は予防される癌は、このように、例えば、卵巣癌(特に、卵巣悪性腫瘍)、肺癌(特に、非小細胞肺癌)、又は頭頚部癌(特に、頭頚部扁平細胞癌)であり得る。さらになおより好ましくは、本発明に従って治療されるか又は予防される癌は、結直腸癌、結腸癌、又は膵臓癌である。
式(I):
Figure 0006867652
の化合物又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物は、以下により詳しく記載される。
式(I)において、RとRは、一緒に結合して、部分(A1)、(A2)又は(A3)を形成する:
Figure 0006867652
好ましくは、RとRが一緒に結合して部分(A1)又は(A2)を形成する。より好ましくは、RとRが一緒に結合して部分(A1)を形成する。
とRは、一緒に結合して、部分(B1)を形成するか又はRは、部分(B2)であって、Rは、−NHである、又はRとRは、それぞれ−NHである:
Figure 0006867652
好ましくは、RとRが一緒に結合して部分(B1)を形成するか又はRとRがそれぞれ−NHである。より好ましくは、RとRが一緒に結合して部分(B1)を形成する。
、R、R、及びRは、以下の構造;
Figure 0006867652
のいずれか1つを有する式(I)の化合物を提供するように選択されることが好ましい。
とRが一緒に結合して部分(A1)を形成して、RとRが一緒に結合して部分(B1)を形成すること、又はRとRが一緒に結合して部分(A2)を形成して、RとRがそれぞれ−NHであることのいずれかであることが特に好ましい。最も好ましくは、RとRが一緒に結合して部分(A1)を形成して、RとRが一緒に結合して部分(B1)を形成する。
部分(B1)に含まれるシクロヘキシル環の2個の不斉炭素原子は、ともにR配置を有すること、即ち、部分(B1)中のシクロヘキサン−1,2−ジアミン基は、以下に図解されるように、(1R,2R)−シクロヘキサン−1,2−ジアミンとして存在することがさらに好ましい:
Figure 0006867652
は、−N(R51)−又は−CH−である。好ましくは、Rが−N(R51)−である。
51は、水素又はC1−8アルキルである。好ましくは、R51が水素又はC1−5アルキルである。より好ましくは、R51が、水素、メチル、又はエチルである。なおより好ましくは、R51が水素である。
上記に記載されるRとR51の意味に従えば、Rは、−NH−、−N(−CH)−、又は−N(−CHCH)−であることが特に好ましくて、最も好ましくは、Rが−NH−である。
は、C1−8アルキレンであり、ここで前記C1−8アルキレンに含まれる1又は2の−CH−単位は、−O−、−CO−、−C(=O)O−、−O−C(=O)−、−N(R61)−、−N(R61)−CO−、−CO−N(R61)−、アリーレン、及びヘテロアリーレンより独立して選択される基によってそれぞれ置換されてもよく、ここで前記アリーレンと前記ヘテロアリーレンは、1以上(例えば、1、2、3、又は4)のR62基でそれぞれ置換されてもよい。好ましくは、RがC1−8アルキレンであり、ここで前記C1−8アルキレンに含まれる1又は2の−CH−単位は、−O−、−CO−、−C(=O)O−、−O−C(=O)−、−N(R61)−、−N(R61)−CO−、及び−CO−N(R61)−より独立して選択される基によってそれぞれ置換されてもよい。より好ましくは、RがC1−8アルキレンであり、ここで前記C1−8アルキレンに含まれる1つの−CH−単位は、−O−、−CO−、−C(=O)O−、−O−C(=O)−、−N(R61)−、−N(R61)−CO−、及び−CO−N(R61)−より独立して選択される基によって置換されてもよい。なおより好ましくは、RがC1−8アルキレン(例えば、−CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、又は−(CH−のような)である。なおより好ましくは、RがC1−5アルキレンである。さらになおより好ましくは、Rが、−CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、及び−(CH−より選択される。なおより好ましくは、Rが、−CH−、−(CH−、及び−(CH−より選択される。最も好ましくは、Rが−(CH−である。
それぞれのR61は、水素とC1−8アルキルより独立して選択される。好ましくは、それぞれのR61が水素とC1−5アルキルより独立して選択される。より好ましくは、それぞれのR61が、水素、メチル、及びエチルより独立して選択される。なおより好ましくは、それぞれのR61が水素である。
それぞれのR62は、C1−8アルキル、C2−8アルケニル、C2−8アルキニル、−(C0−3アルキレン)−OH、−(C0−3アルキレン)−O(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−SH、−(C0−3アルキレン)−S(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−NH、−(C0−3アルキレン)−NH(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−N(C1−8アルキル)(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−ハロゲン、−(C0−3アルキレン)−(C1−8ハロアルキル)、−(C0−3アルキレン)−CF、−(C0−3アルキレン)−CN、−(C0−3アルキレン)−CHO、−(C0−3アルキレン)−CO−(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−COOH、−(C0−3アルキレン)−CO−O−(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−O−CO−(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−CO−NH、−(C0−3アルキレン)−CO−NH(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−CO−N(C1−8アルキル)(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−NH−CO−(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−N(C1−8アルキル)−CO−(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−SO−NH、−(C0−3アルキレン)−SO−NH(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−SO−N(C1−8アルキル)(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−NH−SO−(C1−8アルキル)、及び−(C0−3アルキレン)−N(C1−8アルキル)−SO−(C1−8アルキル)より独立して選択される。好ましくは、それぞれのR62が、C1−5アルキル、C2−5アルケニル、C2−5アルキニル、−OH、−O(C1−5アルキル)、−SH、−S(C1−5アルキル)、−NH、−NH(C1−5アルキル)、−N(C1−5アルキル)(C1−5アルキル)、ハロゲン、C1−5ハロアルキル、−CF、−CN、−CHO、−CO−(C1−5アルキル)、−COOH、−CO−O−(C1−5アルキル)、−O−CO−(C1−5アルキル)、−CO−NH、−CO−NH(C1−5アルキル)、−CO−N(C1−5アルキル)(C1−5アルキル)、−NH−CO−(C1−5アルキル)、−N(C1−5アルキル)−CO−(C1−5アルキル)、−SO−NH、−SO−NH(C1−5アルキル)、−SO−N(C1−5アルキル)(C1−5アルキル)、−NH−SO−(C1−5アルキル)、及び−N(C1−5アルキル)−SO−(C1−5アルキル)より独立して選択される。より好ましくは、それぞれのR62が、C1−5アルキル、C2−5アルケニル、C2−5アルキニル、−OH、−O(C1−5アルキル)、−SH、−S(C1−5アルキル)、−NH、−NH(C1−5アルキル)、−N(C1−5アルキル)(C1−5アルキル)、ハロゲン、C1−5ハロアルキル、−CF、及び−CNより独立して選択される。なおより好ましくは、それぞれのR62が、C1−4アルキル(例、メチル又はエチル)、−OH、−O(C1−4アルキル)(例、−OCH又は−OCHCH)、−NH、−NH(C1−4アルキル)(例、−NHCH)、−N(C1−4アルキル)(C1−4アルキル)(例、−N(CH)、ハロゲン(例、−F、−Cl、−Br、又は−I)、−CF、及び−CNより独立して選択される。
は、水素、C1−8アルキル、C2−8アルケニル、C2−8アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、−O−(C1−8アルキル)、−O−(C2−8アルケニル)、−O−(C2−8アルキニル)、−O−シクロアルキル、−O−ヘテロシクロアルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−N(R71)−(C1−8アルキル)、−N(R71)−(C2−8アルケニル)、−N(R71)−(C2−8アルキニル)、−N(R71)−シクロアルキル、−N(R71)−ヘテロシクロアルキル、−N(R71)−アリール、及び−N(R71)−ヘテロアリールより選択され、ここで上述した基のいずれにも含まれる前記C1−8アルキル又はC1−8アルキル部分(例えば、前記−O−(C1−8アルキル)に含まれるC1−8アルキル部分)、上述した基のいずれにも含まれる前記C2−8アルケニル又はC2−8アルケニル部分、及び上述した基のいずれにも含まれる前記C2−8アルキニル又はC2−8アルキニル部分は、1以上(例、1、2、又は3)のR72基でそれぞれ置換されてもよく、そしてさらにここで上述した基のいずれにも含まれる前記シクロアルキル又はシクロアルキル部分(例えば、前記−O−シクロアルキルに含まれるシクロアルキル部分)、上述した基のいずれにも含まれる前記ヘテロシクロアルキル又はヘテロシクロアルキル部分、上述した基のいずれにも含まれる前記アリール又はアリール部分、及び上述した基のいずれにも含まれる前記ヘテロアリール又はヘテロアリール部分は、1以上(例、1、2、3、又は4)のR73基でそれぞれ置換されてもよい。好ましくは、Rは、水素、C1−8アルキル、C2−8アルケニル、C2−8アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール(例、フェニル)、ヘテロアリール、−O−(C1−8アルキル)、−O−(C2−8アルケニル)、−O−(C2−8アルキニル)、−O−シクロアルキル、−O−ヘテロシクロアルキル、−O−アリール、及び−O−ヘテロアリールより選択され、ここで前記C1−8アルキル、前記C2−8アルケニル、前記C2−8アルキニル、前記−O−(C1−8アルキル)に含まれるC1−8アルキル部分、前記−O−(C2−8アルケニル)に含まれるC2−8アルケニル部分、及び前記−O−(C2−8アルキニル)に含まれるC2−8アルキニル部分は、1以上(例、1、2、又は3)のR72基でそれぞれ置換されてもよく、そしてさらにここで前記シクロアルキル、前記ヘテロシクロアルキル、前記アリール、前記ヘテロアリール、前記−O−シクロアルキルに含まれるシクロアルキル部分、前記−O−ヘテロシクロアルキルに含まれるヘテロシクロアルキル部分、前記−O−アリールに含まれるアリール部分、及び前記−O−ヘテロアリールに含まれるヘテロアリール部分は、1以上(例、1、2、3、又は4)のR73基でそれぞれ置換されてもよい。より好ましくは、Rが、C1−8アルキル、C2−8アルケニル、及びC2−8アルキニルより選択される。なおより好ましくは、RがC1−8アルキルである。さらになおより好ましくは、RがC1−5アルキルである。なおより好ましくは、Rが、−CH、−CHCH、−(CH−CH、−(CH−CH、及び−(CH−CHより選択される。最も好ましくは、Rが−CHである。
それぞれのR71は、水素とC1−8アルキルより独立して選択される。好ましくは、それぞれのR71が水素とC1−5アルキルより独立して選択される。より好ましくは、それぞれのR71が、水素、メチル、及びエチルより独立して選択される。なおより好ましくは、それぞれのR71が水素である。
それぞれのR72は、−OH、−O(C1−8アルキル)、−SH、−S(C1−8アルキル)、−NH、−NH(C1−8アルキル)、−N(C1−8アルキル)(C1−8アルキル)、ハロゲン、C1−8ハロアルキル、−CF、−CN、−CHO、−CO−(C1−8アルキル)、−COOH、−CO−O−(C1−8アルキル)、−O−CO−(C1−8アルキル)、−CO−NH、−CO−NH(C1−8アルキル)、−CO−N(C1−8アルキル)(C1−8アルキル)、−NH−CO−(C1−8アルキル)、−N(C1−8アルキル)−CO−(C1−8アルキル)、−SO−NH、−SO−NH(C1−8アルキル)、−SO−N(C1−8アルキル)(C1−8アルキル)、−NH−SO−(C1−8アルキル)、及び−N(C1−8アルキル)−SO−(C1−8アルキル)より独立して選択される。好ましくは、それぞれのR72が、−OH、−O(C1−5アルキル)、−SH、−S(C1−5アルキル)、−NH、−NH(C1−5アルキル)、−N(C1−5アルキル)(C1−5アルキル)、ハロゲン、C1−5ハロアルキル、−CF、及び−CNより独立して選択される。より好ましくは、それぞれのR72が、C1−4アルキル(例、メチル又はエチル)、−OH、−O(C1−4アルキル)(例、−OCH又は−OCHCH)、−NH、−NH(C1−4アルキル)(例、−NHCH)、−N(C1−4アルキル)(C1−4アルキル)(例、−N(CH)、ハロゲン(例、−F、−Cl、−Br、又は−I)、−CF、及び−CNより独立して選択される。
それぞれのR73は、C1−8アルキル、C2−8アルケニル、C2−8アルキニル、−(C0−3アルキレン)−OH、−(C0−3アルキレン)−O(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−SH、−(C0−3アルキレン)−S(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−NH、−(C0−3アルキレン)−NH(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−N(C1−8アルキル)(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−ハロゲン、−(C0−3アルキレン)−(C1−8ハロアルキル)、−(C0−3アルキレン)−CF、−(C0−3アルキレン)−CN、−(C0−3アルキレン)−CHO、−(C0−3アルキレン)−CO−(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−COOH、−(C0−3アルキレン)−CO−O−(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−O−CO−(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−CO−NH、−(C0−3アルキレン)−CO−NH(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−CO−N(C1−8アルキル)(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−NH−CO−(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−N(C1−8アルキル)−CO−(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−SO−NH、−(C0−3アルキレン)−SO−NH(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−SO−N(C1−8アルキル)(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−NH−SO−(C1−8アルキル)、及び−(C0−3アルキレン)−N(C1−8アルキル)−SO−(C1−8アルキル)より独立して選択される。好ましくは、それぞれのR73が、C1−5アルキル、C2−5アルケニル、C2−5アルキニル、−OH、−O(C1−5アルキル)、−SH、−S(C1−5アルキル)、−NH、−NH(C1−5アルキル)、−N(C1−5アルキル)(C1−5アルキル)、ハロゲン、C1−5ハロアルキル、−CF、−CN、−CHO、−CO−(C1−5アルキル)、−COOH、−CO−O−(C1−5アルキル)、−O−CO−(C1−5アルキル)、−CO−NH、−CO−NH(C1−5アルキル)、−CO−N(C1−5アルキル)(C1−5アルキル)、−NH−CO−(C1−5アルキル)、−N(C1−5アルキル)−CO−(C1−5アルキル)、−SO−NH、−SO−NH(C1−5アルキル)、−SO−N(C1−5アルキル)(C1−5アルキル)、−NH−SO−(C1−5アルキル)、及び−N(C1−5アルキル)−SO−(C1−5アルキル)より独立して選択される。より好ましくは、それぞれのR73が、C1−5アルキル、C2−5アルケニル、C2−5アルキニル、−OH、−O(C1−5アルキル)、−SH、−S(C1−5アルキル)、−NH、−NH(C1−5アルキル)、−N(C1−5アルキル)(C1−5アルキル)、ハロゲン、C1−5ハロアルキル、−CF、及び−CNより独立して選択される。なおより好ましくは、それぞれのR73が、C1−4アルキル(例、メチル又はエチル)、−OH、−O(C1−4アルキル)(例、−OCH又は−OCHCH)、−NH、−NH(C1−4アルキル)(例、−NHCH)、−N(C1−4アルキル)(C1−4アルキル)(例、−N(CH)、ハロゲン(例、−F、−Cl、−Br、又は−I)、−CF、及び−CNより独立して選択される。
それぞれのRは、C1−8アルキル、C2−8アルケニル、C2−8アルキニル、−OH、−O−(C1−8アルキル)、−SH、−S−(C1−8アルキル)、−NH、−NH(C1−8アルキル)、−N(C1−8アルキル)(C1−8アルキル)、ハロゲン、C1−8ハロアルキル、−CF、−CN、−CHO、−CO−(C1−8アルキル)、−COOH、−CO−O−(C1−8アルキル)、−O−CO−(C1−8アルキル)、−CO−NH、−CO−NH(C1−8アルキル)、−CO−N(C1−8アルキル)(C1−8アルキル)、−NH−CO−(C1−8アルキル)、−N(C1−8アルキル)−CO−(C1−8アルキル)、−SO−NH、−SO−NH(C1−8アルキル)、−SO−N(C1−8アルキル)(C1−8アルキル)、−NH−SO−(C1−8アルキル)、及び−N(C1−8アルキル)−SO−(C1−8アルキル)より独立して選択される。好ましくは、それぞれのRが、C1−8アルキル、C2−8アルケニル、及びC2−8アルキニルより独立して選択される。より好ましくは、それぞれのRが、独立してC1−8アルキルである。なおより好ましくは、それぞれのRが、独立してC1−4アルキル(例、メチル又はエチル)である。
例えば、部分(B1)は、以下に示すように、1つのメチル置換基(即ち、nが1であって、Rがメチルである)を特にシクロヘキシル環の4位に担う場合がある:
Figure 0006867652
どのR置換基も、存在するならば、R配置又はS配置をとり得る。例えば、部分(B1)が(上記に記載のように)1つのメチル置換基を特にシクロヘキシル環の4位に担う場合、このメチル置換基は、R配置又はS配置をとり得る。従って、部分(B1)は、例えば、(1R,2R,4R)−4−メチル−シクロヘキサン−1,2−ジアミン部分又は(1R,2R,4S)−4−メチル−シクロヘキサン−1,2−ジアミン部分であり得る。
それぞれのRは、C1−8アルキル、C2−8アルケニル、C2−8アルキニル、−OH、−O−(C1−8アルキル)、−SH、−S−(C1−8アルキル)、−NH、−NH(C1−8アルキル)、−N(C1−8アルキル)(C1−8アルキル)、ハロゲン、C1−8ハロアルキル、−CF、−CN、−CHO、−CO−(C1−8アルキル)、−COOH、−CO−O−(C1−8アルキル)、−O−CO−(C1−8アルキル)、−CO−NH、−CO−NH(C1−8アルキル)、−CO−N(C1−8アルキル)(C1−8アルキル)、−NH−CO−(C1−8アルキル)、−N(C1−8アルキル)−CO−(C1−8アルキル)、−SO−NH、−SO−NH(C1−8アルキル)、−SO−N(C1−8アルキル)(C1−8アルキル)、−NH−SO−(C1−8アルキル)、及び−N(C1−8アルキル)−SO−(C1−8アルキル)より独立して選択される。好ましくは、それぞれのRが、C1−8アルキル、C2−8アルケニル、及びC2−8アルキニルより独立して選択される。より好ましくは、それぞれのRが、独立してC1−8アルキルである。なおより好ましくは、それぞれのRが、独立してC1−4アルキル(例、メチル又はエチル)である。
nは、0〜8の整数である。好ましくは、nが0〜6の整数である。より好ましくは、nが、0、1、2、3、又は4である。なおより好ましくは、nが、0、1、又は2である。さらになおより好ましくは、nが0又は1である。最も好ましくは、nが0である。
mは、0〜6の整数である。より好ましくは、mが、0、1、2、3、又は4である。なおより好ましくは、mが、0、1、又は2である。さらになおより好ましくは、mが0又は1である。最も好ましくは、mが0である。
nは、対応するシクロヘキシル環(例えば、部分(B1)又は(B2)に、又は式(Ia)に含まれるシクロヘキシル環)へ結合しているR置換基の数を示すと理解されたい。nが0であれば、このシクロヘキシル環は、どのR基でも置換されない、即ち、Rの代わりに水素で置換されている。同様に、mは、部分(A2)に含まれるシクロブチル環へ結合しているR置換基の数を示すと理解されたい。mが0であれば、このシクロブチル環は、未置換である、即ち、Rの代わりに水素で置換されている。
式(I)の例示化合物は、以下の化合物:KP2299、17、18、19、20、21、22、23、24、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、及び42、並びにこれらの化合物のいずれもの医薬的に許容される塩又は溶媒和物である:
Figure 0006867652
Figure 0006867652
Figure 0006867652
Figure 0006867652
特に好ましい態様において、式(I)の化合物は、以下の式(Ia)の化合物又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物である:
Figure 0006867652
式中、特に、R、R、R、R、及びnが含まれる、式(Ia)中の基及び変数は、式(I)の化合物について本明細書の上記に記載されて定義されたのと同じ意味を、同じ好ましい意味も含めて有する。
なおより好ましい態様において、式(I)の化合物は、以下の式(Ib)の化合物又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物である:
Figure 0006867652
式(Ib)において、R74は、水素、C1−8アルキル、C2−8アルケニル、C2−8アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、−O−(C1−8アルキル)、−O−(C2−8アルケニル)、−O−(C2−8アルキニル)、−O−シクロアルキル、−O−ヘテロシクロアルキル、−O−アリール、及び−O−ヘテロアリールより選択され、ここで前記C1−8アルキル、前記C2−8アルケニル、前記C2−8アルキニル、前記−O−(C1−8アルキル)に含まれるC1−8アルキル部分、前記−O−(C2−8アルケニル)に含まれるC2−8アルケニル部分、及び前記−O−(C2−8アルキニル)に含まれるC2−8アルキニル部分は、1以上(例、1、2、又は3)のR72基でそれぞれ置換されてもよく、そしてさらにここで前記シクロアルキル、前記ヘテロシクロアルキル、前記アリール、前記ヘテロアリール、前記−O−シクロアルキルに含まれるシクロアルキル部分、前記−O−ヘテロシクロアルキルに含まれるヘテロシクロアルキル部分、前記−O−アリールに含まれるアリール部分、及び前記−O−ヘテロアリールに含まれるヘテロアリール部分は、1以上(例、1、2、3、又は4)のR73基でそれぞれ置換されてもよい。R72基とR73基は、式(I)の化合物について本明細書の上記に記載されて定義されたのと同じ意味を、同じ好ましい意味も含めて有する。
好ましくは、R74が、C1−8アルキル、C2−8アルケニル、及びC2−8アルキニルより選択される.より好ましくは、R74がC1−8アルキルである。なおより好ましくは、R74がC1−5アルキルである。さらになおより好ましくは、R74が、−CH、−CHCH、−(CH−CH、−(CH−CH、及び−(CH−CHより選択される。最も好ましくは、R74が−CHである。
pは、1〜8の整数である。好ましくは、pが、1、2、3、4、又は5である。より好ましくは、pが、1、2、又は3である。なおより好ましくは、pが2である。
式(I)、(Ia)、又は(Ib)の特に好ましい化合物は、以下の化合物(本明細書では、「KP2299」とも呼ばれる)、又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物である:
Figure 0006867652
さらに具体的な態様において、式(I)の化合物は、以下の式(Ic)の化合物、又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物であり:
Figure 0006867652
ここで式(Ic)中のR基とR基は、本明細書の上記に定義されるように、一緒に結合して、部分(A1)又は(A2)を、好ましくは部分(A2)を形成し、そしてここで式(Ic)中のさらなる基及び変数(特に、R、R、R、R、及びmが含まれる)は、式(I)の化合物について本明細書の上記に記載されて定義されたのと同じ意味を、同じ好ましい意味も含めて有する。
式(Ic)の例示化合物は、以下の化合物:17、20、31、32、37、及び38、並びにこれらの化合物のいずれもの医薬的に許容される塩又は溶媒和物である:
Figure 0006867652
さらに好ましい態様において、式(I)の化合物は、以下の式(Id)の化合物又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物であり:
Figure 0006867652
ここで式(Id)中の基及び変数(特に、R、R、R、R、及びmが含まれる)は、式(I)の化合物について本明細書の上記に記載されて定義されたのと同じ意味を、同じ好ましい意味も含めて有する。
特に好ましい式(Id)の化合物は、以下の化合物20と化合物31、並びにこれらの化合物のいずれもの医薬的に許容される塩又は溶媒和物である:
Figure 0006867652
さらなる態様において、式(I)の化合物は、以下の式(Ie)の化合物又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物であり:
Figure 0006867652
ここで式(Ie)中のRとRは、本明細書の上記に定義されるように、一緒に結合して、部分(A2)又は(A3)を形成し、そしてここで式(Ie)中のさらなる基及び変数は、式(I)の化合物について本明細書の上記に記載されて定義されたのと同じ意味を、同じ好ましい意味も含めて有する。
さらなる態様において、式(I)の化合物は、以下の式(If)の化合物又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物であり:
Figure 0006867652
ここで式(If)中のRとRは、本明細書の上記に定義されるように、一緒に結合して部分(A2)を形成し、そしてここで式(If)中のさらなる基及び変数は、式(I)の化合物について本明細書の上記に記載されて定義されたのと同じ意味を、同じ好ましい意味も含めて有する。
さらなる態様において、式(I)の化合物は、以下の式(Ig)の化合物又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物であり:
Figure 0006867652
ここで式(Ig)中のRとRは、本明細書の上記に定義されるように、一緒に結合して部分(A2)を形成し、ここでRとRは、本明細書の上記に定義されるように、一緒に結合して部分(B1)を形成し、そしてここで式(Ig)中のさらなる基及び変数は、式(I)の化合物について本明細書の上記に記載されて定義されたのと同じ意味を、同じ好ましい意味も含めて有する。
さらなる態様において、式(I)の化合物は、以下の式(Ih)の化合物又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物であり:
Figure 0006867652
ここで式(Ih)中のRとRは、本明細書の上記に定義されるように、一緒に結合して部分(A2)を形成し、ここでRとRは、それぞれ−NHであり、そしてここで式(Ih)中のさらなる基及び変数は、式(I)の化合物について本明細書の上記に記載されて定義されたのと同じ意味を、同じ好ましい意味も含めて有する。
さらなる態様において、式(I)の化合物は、以下の式(Ii)の化合物又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物であり:
Figure 0006867652
ここで式(Ii)中のRとRは、本明細書の上記に定義されるように、一緒に結合して部分(A3)を形成し、そしてここで式(Ii)中のさらなる基及び変数は、式(I)の化合物について本明細書の上記に記載されて定義されたのと同じ意味を、同じ好ましい意味も含めて有する。
さらなる態様において、式(I)の化合物は、以下の式(Ij)の化合物又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物であり:
Figure 0006867652
ここで式(Ij)中のRは、本明細書の上記に定義されるような部分(B2)であり、ここでRは、−NHであって、そしてここで式(Ij)中のさらなる基及び変数は、式(I)の化合物について本明細書の上記に記載されて定義されたのと同じ意味を、同じ好ましい意味も含めて有する。
合成化学の技術分野に精通した当業者には、式(I)の化合物の製造についての様々な方法が容易に明らかであろう。例えば、式(I)の化合物は、以下に記載のように製造することが可能であって、特に、それらは、実施例1に記載される合成経路に従って、又はそれに類似して製造することができる。
白金(II)前駆体の製造:
白金(II)前駆体(P2)は、水溶液中のテトラクロリド白金酸カリウム(P1)から、対応するアミン配位子(B1)を Kidani, Y; Inagaki, K. J. Med. Chem. 1978, 21(12), 1315-1318 に従って使用するか、又はアンモニア(RとRがそれぞれ−NHである)を Dhara, S. Ch. Indian J. Chem. 1970, 8(2), 193-194 に従って使用して、合成することができる。Rが(B2)部分であってRが−NHである(P2)前駆体は、RとRがそれぞれ−NHである(P2)より、Giandomenico, C. M. et al. Inorg. Chem. 1995, 34, 1015-1021 に従って合成することができる。
白金(II)前駆体(P3)は、水溶液中の前駆体(P2)から、AgNO又はAgSOと対応する配位子R及びRを使用して合成することができて、ここでRとRは、一緒に結合して、部分(A1)、(A2)又は(A3)を形成する(Kidani, Y; Inagaki, K. J. Med. Chem. 1978, 21(12), 1315-1318 又は Rochon, F. D.; Gruia, L. M. Inorg. Chim. Acta 2000, 306, 193-204)。
Figure 0006867652
白金(IV)前駆体の製造:
白金(IV)前駆体(P5)は、白金(II)前駆体(P3)から、溶媒としての対応配位子:RCOOHとHを Lee, Y.-A.; Jung, S. M.; Kang, S. W.; Jung, O.-S. Transition Met. Chem. 2004, 29, 710-713 に従って使用して合成することができる。
Figure 0006867652
あるいは、(P5)の製造には、テトラヒドロフラン又はジクロロメタンのような他の有機溶媒、並びにtert−ブチルヒドロペルオキドのような他の酸化試薬を使用することができる(Zhang, J. Z. et al. Chem. Eur. J. 2013, 19, 1672-1676)。
(P5)の製造用の別の合成経路は、白金前駆体(P4)経由の2工程手順である。(P4)は、水溶液中のHでの(P3)の酸化によって製造することができる。第二工程では、DMF又はアセトンのような有機溶媒(ピリジンを含むか又は含まない)において、イソシアネートとしてのRCOOH、対称又は非対称の無水物、又は塩化アシルを(P4)へ付加することができる(下記のスキームにおいて、イソシアネート反応体:R−N=C=Oの使用は、化合物(P5)の形成をもたらし、ここで−Rは、−NH−Rである);このように、イソシアネート反応体中のR基は、式(I)の化合物に関連して定義されるような対応のアミノ含有基:Rを提供するように選択することができる)。あるいは、RCOOHの(P4)へのカップリングには、有機溶媒中のDCC(N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド)又はTBTU(N,N,N’,N’−テトラメチル−O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)ウロニウム・テトラフルオロホウ酸塩)のような、どのペプチドカップリング試薬も使用し得る(Zhang, J. Z. et al. Chem. Eur. J. 2013, 19, 1672-1676)。
Figure 0006867652
イソシアネートの製造についての一般手順:
対応するカルボン酸のアセトンのような有機溶媒中の溶液と1.0〜1.2当量のトリエチルアミンのような塩基へ(約−5℃で)、アセトンのような有機溶媒中のクロロギ酸エチルのようなクロロギ酸アルキル(1.0〜1.2当量)を加える。引き続き、NaN(1当量)を加えて、撹拌を冷却せずに20〜60分間続ける。この反応混合物を水へ注いで、トルエンで抽出する。合わせた有機層をMgSOで乾燥させて、120〜1400℃で50〜100分間加熱して還流する。減圧下での溶媒の除去後、粗生成物は、さらに精製せずに使用することができる。
無水物の製造についての一般手順:
対称無水物は、トリホスゲンを使用して製造することができる。非対称無水物は、無水酢酸(Hofer, D et al. J. Inorg. Biochem. in press, doi:10.1016/j.jinorgbio.2015.08.018)、塩化アシル(Kim, S. et al. J Org. Chem. 1985, 50, 560-565)、又はクロロギ酸アルキルのいずれかを使用して合成することができる。
塩化アシルの製造についての一般手順:
塩化アシルは、例えば、塩化オキサリルとジメチルホルムアミドを触媒として使用して製造することができる(Mantovani, G. et al. J. Am. Chem. Soc. 2005, 127, 2966-2973)。
式(I)の化合物の製造:
式(I)の化合物は、白金(IV)前駆体(P5)から、DMF又はアセトンのような有機溶媒(ピリジンを含むか又は含まない)においてイソシアネートとしてのマレイミド含有配位子、対称又は非対称の無水物、又は塩化アシルを使用して合成することができる。あるいは、マレイミド含有配位子の(P5)へのカップリングには、有機溶媒中のDCC(N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド)又はTBTU(N,N,N’,N’−テトラメチル−O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)ウロニウム・テトラフルオロホウ酸塩)、等のような、どのペプチドカップリング試薬も使用することができる(Zhang, J. Z. et al. Chem. Eur. J. 2013, 19, 1672-1676)。
Figure 0006867652
あるいは、イソシアネートとしてのマレイミド含有配位子、対称又は非対称の無水物、又は塩化アシルをDMF又はアセトンのような有機溶媒(ピリジンを含むか又は含まない)において前駆体(P4)へ初めに付加して、(P6)を生成することができる。あるいは、マレイミド含有配位子のカップリングに、有機溶媒中のDCC(N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド)又はTBTU(N,N,N’,N’−テトラメチル−O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)ウロニウム・テトラフルオロホウ酸塩)のような、どのペプチドカップリング試薬も使用して、(P6)を生成することができる(Zhang, J. Z. et al. Chem. Eur. J. 2013, 19, 1672-1676)。
第二工程において、イソシアネートとしてのRCOOH、対称又は非対称の無水物、又は塩化アシルをDMF又はアセトンのような有機溶媒(ピリジンを含むか又は含まない)において(P6)へ付加して、対応する式(I)の化合物を生成することができる。あるいは、RCOOHの(P6)へカップリングに、有機溶媒中のDCC(N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド)又はTBTU(N,N,N’,N’−テトラメチル−O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)ウロニウム・テトラフルオロホウ酸塩)のような、どのペプチドカップリング試薬も使用して、対応する式(I)の化合物を生成することができる(Zhang, J. Z. et al. Chem. Eur. J. 2013, 19, 1672-1676)。
Figure 0006867652
以下の定義は、他に特に断らなければ、本明細書を通して適用される。
本明細書に使用されるように、「炭化水素基」という用語は、炭素原子と水素原子からなる基を意味する。
本明細書に使用されるように、「アルキル」という用語は、直鎖でも分岐鎖でもよい、一価の飽和非環式(即ち、非環状性)炭化水素基を意味する。従って、「アルキル」基は、いかなる炭素−炭素二重結合もいかなる炭素−炭素三重結合も含まない。「C1−8アルキル」は、1〜8個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。好ましい例示アルキル基は、メチル、エチル、プロピル(例、n−プロピル又はイソプロピル)、又はブチル(例、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、又はtert−ブチル)である。他に定義されなければ、「アルキル」という用語は、好ましくはC1−4アルキルを、より好ましくはメチル又はエチルを、そしてなおより好ましくはメチルを意味する。
本明細書に使用されるように、「アルケニル」という用語は、直鎖でも分岐鎖でもよい、一価の不飽和非環式炭化水素基を意味して、1以上(例、1又は2)の炭素−炭素二重結合を含む一方、いかなる炭素−炭素三重結合も含まない。「C2−8アルケニル」という用語は、2〜8個の炭素原子を有するアルケニル基を意味する。好ましい例示アルケニル基は、エテニル、プロペニル(例、プロプ−1−エン−1−イル、プロプ−1−エン−2−イル、又はプロプ−2−エン−1−イル)、ブテニル、ブタジエニル(例、ブタ−1,3−ジエン−1−イル又はブタ−1,3−ジエン−2−イル)、ペンテニル、又はペンタジエニル(例、イソプレニル)である。他に定義されなければ、「アルケニル」という用語は、好ましくは、C2−4アルケニルを意味する。
本明細書に使用されるように、「アルキニル」という用語は、直鎖でも分岐鎖でもよい、一価の不飽和非環式炭化水素基を意味して、1以上の(例、1又は2)の炭素−炭素三重結合を含み、そして1以上の炭素−炭素二重結合を含んでもよい。「C2−8アルキニル」という用語は、2〜8個の炭素原子を有するアルキニル基を意味する。好ましい例示アルキニル基は、エチニル、プロピニル(例、プロパルジル)、又はブチニルである。他に定義されなければ、「アルキニル」という用語は、好ましくは、C2−4アルキニルを意味する。
本明細書に使用されるように、「アルキレン」という用語は、アルカンジイル基、即ち、直鎖でも分岐鎖でもよい、二価の飽和非環式炭化水素基を意味する。「C1−8アルキレン」は、1〜8個の炭素原子を有するアルキレン基を意味して、「C0−3アルキレン」という用語は、共有結合(「Cアルキレン」という選択肢に対応する)又はC1−3アルキレンが存在することを示す。好ましい例示アルキレン基は、メチレン(−CH−)、エチレン(例、−CH−CH−又は−CH(−CH)−)、プロピレン(例、−CH−CH−CH−、−CH(−CH−CH)−、−CH−CH(−CH)−、又は−CH(−CH)−CH−)、又はブチレン(例、−CH−CH−CH−CH−)である。他に定義されなければ、「アルキレン」という用語は、好ましくはC1−4アルキレン(特に、直鎖C1−4アルキレンが含まれる)を、より好ましくはメチレン又はエチレンを意味する。
本明細書に使用されるように、「アリール」という用語は、芳香族炭化水素環基を意味し、単環式芳香族環、並びに少なくとも1つの芳香族環を含有する架橋環系及び/又は縮合環系(例、2又は3の縮合環から構成される環系、ここでは、これらの縮合環の少なくとも1つが芳香族である;又は2又は3の環から構成される架橋環系、ここでは、これら架橋環の少なくとも1つが芳香族である)が含まれる。「アリール」は、例えば、フェニル、ナフチル、ジアリニル(即ち、1,2−ジヒドロナフチル)、テトラリニル(即ち、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル)、インダニル、インデニル(例、1H−インデニル)、アントラセニル、フェナントレニル、9H−フルオレニル、又はアズレニルを意味し得る。他に定義されなければ、「アリール」は、好ましくは6〜14個の環原子、より好ましくは6〜10個の環原子を有し、なおより好ましくはフェニル又はナフチルを意味して、最も好ましくはフェニルを意味する。
本明細書に使用されるように、「アリーレン」という用語は、2つの付加点を有する以外は、本明細書の上記に定義されるようなアリール基、即ち、二価の芳香族炭化水素環基を意味し、単環式芳香族環、並びに少なくとも1つの芳香族環を含有する架橋環系及び/又は縮合環系(例、2又は3の縮合環から構成される環系、ここでは、これらの縮合環の少なくとも1つが芳香族である;又は2又は3の環から構成される架橋環系、ここでは、これら架橋環の少なくとも1つが芳香族である)が含まれる。「アリーレン」は、例えば、フェニレン(例、フェン−1,2−ジイル、フェン−1,3−ジイル、又はフェン−1,4−ジイル)、ナフチレン(例、ナフタレン−1,2−ジイル、ナフタレン−1,3−ジイル、ナフタレン−1,4−ジイル、ナフタレン−1,5−ジイル、ナフタレン−1,6−ジイル、ナフタレン−1,7−ジイル、ナフタレン−2,3−ジイル、ナフタレン−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、ナフタレン−2,7−ジイル、又はナフタレン−2,8−ジイル)、1,2−ジヒドロナフチレン、1,2,3,4−テトラヒドロナフチレン、インダニレン、インデニレン、アントラセニレン、フェナントレニレン、9H−フルオレニレン、又はアズレニレンを意味し得る。他に定義されなければ、「アリーレン」は、好ましくは6〜14個の環原子、より好ましくは6〜10個の環原子を有し、なおより好ましくはフェニレン又はナフチレンを意味して、最も好ましくはフェニレン(特にフェン−1,4−ジイル)を意味する。
本明細書に使用されるように、「ヘテロアリール」という用語は、芳香族環基を意味し、単環式芳香族環、並びに少なくとも1つの芳香族環を含有する架橋環系及び/又は縮合環系(例、2又は3の縮合環から構成される環系、ここでは、これらの縮合環の少なくとも1つが芳香族である;又は2又は3の環から構成される架橋環系、ここでは、これら架橋環の少なくとも1つが芳香族である)が含まれ、ここで前記芳香族環基は、O、S、及びNより独立して選択される1個以上(例えば、1、2、3、又は4個のような)の環ヘテロ原子を含み、そして残る環原子は炭素原子であり、ここで1個以上のS環原子(存在する場合)及び/又は1個以上のN環原子(存在する場合)は、酸化されていてもよく、そしてさらにここで1個以上の炭素環原子も、酸化されて(即ち、オキソ基を形成する)いてもよい。例えば、前記芳香族環基に含まれるそれぞれのヘテロ原子含有環は、1又は2個のO原子、及び/又は1又は2個のS原子(これは、酸化されていてもよい)、及び/又は1、2、3、又は4個のN原子(これは、酸化されていてもよい)を含有し得る、但し、対応するヘテロ原子含有環中のヘテロ原子の総数は、1〜4個であって、対応するヘテロ原子含有環には、少なくとも1個の炭素環原子(これは、酸化されていてもよい)があることが条件である。「ヘテロアリール」は、例えば、チエニル(即ち、チオフェニル)、ベンゾ[b]チエニル、ナフト[2,3−b]チエニル、チアントレニル、フリル(即ち、フラニル)、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、クロマニル、クロメニル(例、2H−1−ベンゾピラニル又は4H−1−ベンゾピラニル)、イソクロメニル(例、1H−2−ベンゾピラニル)、クロモニル、キサンテニル、フェノキサチイニル、ピロリル(例、2H−ピロリル)、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル(即ち、ピリジニル;例、2−ピリジル、3−ピリジル、又は4−ピリジル)、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、インドリル(例、3H−インドリル)、イソインドリル、インダゾリル、インドリジニル、プリニル、キノリル、イソキノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、シンノリニル、プテリジニル、カルバゾリル、β−カルボリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、ペリミジニル、フェナントロリニル(例、[1,10]フェナントロリニル、[1,7]フェナントロリニル、又は[4,7]フェナントロリニル)、フェナジニル、チアゾリル、イソチアゾリル、フェノチアジニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル(例、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル(即ち、フラザニル)、又は1,3,4−オキサジアゾリル)、チアジアゾリル(例、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、又は1,3,4−チアジアゾリル)、フェノキサジニル、ピラゾロ[1,5−a]ピリミジニル(例、ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル)、1,2−ベンゾイソオキサゾール−3−イル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾ[b]チオフェニル(即ち、ベンゾチエニル)、トリアゾリル(例、1H−1,2,3−トリアゾリル、2H−1,2,3−トリアゾリル、1H−1,2,4−トリアゾリル、又は4H−1,2,4−トリアゾリル)、ベンゾトリアゾリル、1H−テトラゾリル、2H−テトラゾリル、トリアジニル(例、1,2,3−トリアジニル、1,2,4−トリアジニル、又は1,3,5−トリアジニル)、フロ[2,3−c]ピリジニル、ジヒドロフロピリジニル(例、2,3−ジヒドロフロ[2,3−c]ピリジニル又は1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジニル)、イミダゾピリジニル(例、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル又はイミダゾ[3,2−a]ピリジニル)、キナゾリニル、チエノピリジニル、テトラヒドロチエノピリジニル(例、4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジニル)、ジベンゾフラニル、1,3−ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキサニル(例、1,3−ベンゾジオキサニル又は1,4−ベンゾジオキサニル)、又はクマリニルを意味し得る。他に定義されなければ、「ヘテロアリール」という用語は、好ましくは、O、S、及びNより独立して選択される1個以上(例えば、1、2、3、又は4個)の環ヘテロ原子を含んでなる5〜14員の(より好ましくは5〜10員の)単環式環又は縮合環系を意味し、ここで1個以上のS環原子(存在する場合)及び/又は1個以上のN環原子(存在する場合)は、酸化されていてもよく、そしてここで1個以上の炭素環原子も、酸化されていてもよい;なおより好ましくは、「ヘテロアリール」は、O、S、及びNより独立して選択される1個以上(例えば、1、2、又は3個)の環ヘテロ原子を含んでなる5若しくは6員の単環式環を意味し、ここで1個以上のS環原子(存在する場合)及び/又は1個以上のN環原子(存在する場合)は、酸化されていてもよく、そしてここで1個以上の炭素環原子も、酸化されていてもよい。さらに、他に定義されなければ、「ヘテロアリール」という用語は、特に好ましくは、ピリジニル(例、2−ピリジル、3−ピリジル、又は4−ピリジル)、イミダゾリル、チアゾリル、1H−テトラゾリル、2H−テトラゾリル、チエニル(即ち、チオフェニル)、又はピリミジニルを意味する。
本明細書に使用されるように、「ヘテロアリーレン」という用語は、2つの付加点を有する以外は、本明細書の上記に定義されるようなヘテロアリール基、即ち、二価の芳香族環基を意味し、単環式芳香族環、並びに少なくとも1つの芳香族環を含有する架橋環系及び/又は縮合環系(例、2又は3の縮合環から構成される環系、ここでは、これらの縮合環の少なくとも1つが芳香族である;又は2又は3の環から構成される架橋環系、ここでは、これら架橋環の少なくとも1つが芳香族である)が含まれ、ここで前記芳香族環基は、O、S、及びNより独立して選択される1個以上(例えば、1、2、3、又は4個のような)の環ヘテロ原子を含み、そして残る環原子は炭素原子であり、ここで1個以上のS環原子(存在する場合)及び/又は1個以上のN環原子(存在する場合)は、酸化されていてもよく、そしてさらにここで1個以上の炭素環原子も、酸化されて(即ち、オキソ基を形成する)いてもよい。例えば、前記芳香族環基に含まれるそれぞれのヘテロ原子含有環は、1又は2個のO原子、及び/又は1又は2個のS原子(これは、酸化されていてもよい)、及び/又は1、2、3、又は4個のN原子(これは、酸化されていてもよい)を含有し得る、但し、対応するヘテロ原子含有環中のヘテロ原子の総数は、1〜4個であって、対応するヘテロ原子含有環には、少なくとも1個の炭素環原子(これは、酸化されていてもよい)があることが条件である。「ヘテロアリーレン」は、例えば、チエニレン(即ち、チオフェニレン;例、チエン−2,3−ジイル、チエン−2,4−ジイル、又はチエン−2,5−ジイル)、ベンゾ[b]チエニレン、ナフト[2,3−b]チエニレン、チアントレニレン、フリレン(即ち、フラニレン;例、フラン−2,3−ジイル、フラン−2,4−ジイル、又はフラン−2,5−ジイル)、ベンゾフラニレン、イソベンゾフラニレン、クロマニレン、クロメニレン、イソクロメニレン、クロモニレン、キサンテニレン、フェノキサチイニレン、ピロリレン、イミダゾリレン、ピラゾリレン、ピリジレン(即ち、ピリジニレン)、ピラジニレン、ピリミジニレン、ピリダジニレン、インドリレン、イソインドリレン、インダゾリレン、インドリジニレン、プリニレン、キノリレン、イソキノリレン、フタラジニレン、ナフチリジニレン、キノキサリニレン、シンノリニレン、プテリジニレン、カルバゾリレン、β−カルボリニレン、フェナントリジニレン、アクリジニレン、ペリミジニレン、フェナントロリニレン、フェナジニレン、チアゾリレン(例、チアゾール−2,4−ジイル、チアゾール−2,5−ジイル、又はチアゾール−4,5−ジイル)、イソチアゾリレン(例、イソチアゾール−3,4−ジイル、イソチアゾール−3,5−ジイル、又はイソチアゾール−4,5−ジイル)、フェノチアジニレン、オキサゾリレン(例、オキサゾール−2,4−ジイル、オキサゾール−2,5−ジイル、又はオキサゾール−4,5−ジイル)、イソオキサゾリレン(例、イソオキサゾール−3,4−ジイル、イソオキサゾール−3,5−ジイル、又はイソオキサゾール−4,5−ジイル)、オキサジアゾリレン(例、1,2,4−オキサジアゾル−3,5−ジイル、1,2,5−オキサジアゾル−3,4−ジイル、又は1,3,4−オキサジアゾル−2,5−ジイル)、チアジアゾリレン(例、1,2,4−チアジアゾル−3,5−ジイル、1,2,5−チアジアゾル−3,4−ジイル、又は1,3,4−チアジアゾル−2,5−ジイル)、フェノキサジニレン、ピラゾロ[1,5−a]ピリミジニレン、1,2−ベンゾイソオキサゾリレン、ベンゾチアゾリレン、ベンゾチアジアゾリレン、ベンゾオキサゾリレン、ベンゾイソオキサゾリレン、ベンゾイミダゾリレン、ベンゾ[b]チオフェニレン(即ち、ベンゾチエニレン)、トリアゾリレン(例、1H−1,2,3−トリアゾリレン、2H−1,2,3−トリアゾリレン、1H−1,2,4−トリアゾリレン、又は4H−1,2,4−トリアゾリレン)、ベンゾトリアゾリレン、1H−テトラゾリレン、2H−テトラゾリレン、トリアジニレン(例、1,2,3−トリアジニレン、1,2,4−トリアジニレン、又は1,3,5−トリアジニレン)、フロ[2,3−c]ピリジニレン、ジヒドロフロピリジニレン(例、2,3−ジヒドロフロ[2,3−c]ピリジニレン又は1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジニレン)、イミダゾピリジニレン(例、イミダゾ[1,2−a]ピリジニレン又はイミダゾ[3,2−a]ピリジニレン)、キナゾリニレン、チエノピリジニレン、テトラヒドロチエノピリジニレン(例、4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジニレン)、ジベンゾフラニレン、1,3−ベンゾジオキソリレン、ベンゾジオキサニレン(例、1,3−ベンゾジオキサニレン又は1,4−ベンゾジオキサニレン)、又はクマリニレンを意味し得る。他に定義されなければ、「ヘテロアリーレン」という用語は、好ましくは、O、S、及びNより独立して選択される1個以上(例えば、1、2、3、又は4個)の環ヘテロ原子を含んでなる二価で5〜14員の(より好ましくは5〜10員の)単環式環又は縮合環系を意味し、ここで1個以上のS環原子(存在する場合)及び/又は1個以上のN環原子(存在する場合)は、酸化されていてもよく、そしてここで1個以上の炭素環原子も、酸化されていてもよい;なおより好ましくは、「ヘテロアリーレン」は、O、S、及びNより独立して選択される1個以上(例えば、1、2、又は3個)の環ヘテロ原子を含んでなる二価で5若しくは6員の単環式環を意味し、ここで1個以上のS環原子(存在する場合)及び/又は1個以上のN環原子(存在する場合)は、酸化されていてもよく、そしてここで1個以上の炭素環原子も、酸化されていてもよい。「ヘテロアリーレン」は、本明細書に記載される特定のヘテロアリーレン基のいずれも含めて、2個の炭素環原子を介して、特に、対応するヘテロアリーレンの1つの単一環内で、又は環系全体内で互いから最も離れている(可能な限り最も短い連結によってそれらを離している環原子の数に関して)2個の炭素環原子を介して付く場合がある。さらに、他に定義されなければ、「ヘテロアリーレン」という用語は、特に好ましくは、ピリジニレン、イミダゾリレン、チアゾリレン、1H−テトラゾリレン、2H−テトラゾリレン、チエニレン(即ち、チオフェニレン)、又はピリミジニレンを意味する。
本明細書に使用されるように、「シクロアルキル」という用語は、単環式環、並びに架橋環系、スピロ環系、及び/又は縮合環系(これらは、例えば、2又は3の環より構成され得る;例えば、2又は3の縮合環から構成される縮合環系のように)が含まれる、飽和炭化水素環基を意味する。「シクロアルキル」は、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、デカリニル(即ち、デカヒドロナフチル)、又はアダマンチルを意味し得る。他に定義されなければ、「シクロアルキル」は、好ましくはC3−11シクロアルキルを意味して、より好ましくはC3−7シクロアルキルを意味する。特に好ましい「シクロアルキル」は、3〜7個の環員を有する単環式飽和炭化水素環である。さらに、他に定義されなければ、「シクロアルキル」という用語は、なおより好ましくはシクロヘキシル又はシクロプロピルを意味して、さらになおより好ましくはシクロヘキシルを意味する。
本明細書に使用されるように、「ヘテロシクロアルキル」という用語は、単環式環、並びに架橋環系、スピロ環系、及び/又は縮合環系(これらは、例えば、2又は3の環より構成され得る;例えば、2又は3の縮合環から構成される縮合環系のように)が含まれる、飽和環基を意味し、ここで前記環基は、O、S、及びNより独立して選択される1個以上(例えば、1、2、3、又は4個のような)の環ヘテロ原子を含有し、そして残る環原子は炭素原子であり、ここで1個以上のS環原子(存在する場合)及び/又は1個以上のN環原子(存在する場合)は、酸化されていてもよく、そしてさらにここで1個以上の炭素環原子も、酸化されて(即ち、オキソ基を形成する)いてもよい。例えば、前記飽和環基に含まれるそれぞれのヘテロ原子含有環は、1又は2個のO原子、及び/又は1又は2個のS原子(これは、酸化されていてもよい)、及び/又は1、2、3、又は4個のN原子(これは、酸化されていてもよい)を含有し得る、但し、対応するヘテロ原子含有環中のヘテロ原子の総数は、1〜4個であって、対応するヘテロ原子含有環には、少なくとも1個の炭素環原子(これは、酸化されていてもよい)があることが条件である。「ヘテロシクロアルキル」は、例えば、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、アゼパニル、ジアゼパニル(例、1,4−ジアゼパニル)、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、モルホリニル(例、モルホリン−4−イル)、チオモルホリニル(例、チオモルホリン−4−イル)、オキサゼパニル、オキシラニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、1,3−ジオキソラニル、テトラヒドロピラニル、1,4−ジオキサニル、オキセパニル、チイラニル、チエタニル、テトラヒドロチオフェニル(即ち、チオラニル)、1,3−ジチオラニル、チアニル、チエパニル、デカヒドロキノリニル、デカヒドロイソキノリニル、又は2−オキサ−5−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−イルを意味し得る。他に定義されなければ、「ヘテロシクロアルキル」は、好ましくは、単環式環又は縮合環系(例えば、2個の縮合環から構成される縮合環系)である、3〜11員の飽和環基を意味し、ここで前記環基は、O、S、及びNより独立して選択される1個以上(例えば、1、2、3、又は4個)の環ヘテロ原子を含有し、ここで1個以上のS環原子(存在する場合)及び/又は1個以上のN環原子(存在する場合)は、酸化されていてもよく、そしてここで1個以上の炭素環原子も、酸化されていてもよい;より好ましくは、「ヘテロシクロアルキル」は、O、S、及びNより独立して選択される1個以上(例えば、1、2、又は3個)の環ヘテロ原子を含有する、5〜7員の飽和単環式環基を意味し、ここで1個以上のS環原子(存在する場合)及び/又は1個以上のN環原子(存在する場合)は、酸化されていてもよく、そしてここで1個以上の炭素環原子も、酸化されていてもよい。さらに、他に定義されなければ、「ヘテロシクロアルキル」は、なおより好ましくは、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリジニル、又はテトラヒドロフラニルを意味する。
本明細書に使用されるように、「ハロゲン」という用語は、フルオロ(−F)、クロロ(−Cl)、ブロモ(−Br)、又はヨード(−I)を意味する。
本明細書に使用されるように、「ハロアルキル」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨードより独立して選択されて、好ましくはすべてフルオロ原子である、1個以上(好ましくは1〜6個、より好ましくは1〜3個)のハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味する。ハロゲン原子の最大数は、利用可能な付加部位の数によって制限されるので、ハロアルキル基のアルキル部分に含まれる炭素原子の数に依存すると理解されよう。「ハロアルキル」は、例えば、−CF、−CHF、−CHF、−CF−CH、−CH−CF、−CH−CHF、−CH−CF−CH、−CH−CF−CF、又は−CH(CFを意味し得る。特に好ましい「ハロアルキル」基は、−CFである。 本明細書に使用されるように、「任意の(optional)」、「任意に、〜であってもよい(optionally)」、及び「〜し得る(may)」という用語は、指定の特徴が存在し得るが、非存在である可能性もあることを示す。「任意の(optional)」、「任意に、〜であってもよい(optionally)」、及び「〜し得る(may)」という用語が使用されるときはいつでも、本発明は、特別に、両方の可能性、即ち、対応する特徴が存在すること、またあるいは、対応する特徴が非存在であることに関する。例えば、「Xは、Yで置換されていてもよい」(又は「Xは、Yで置換され得る」)という表現は、XがYで置換されているか又は未置換であることのいずれかであることを意味する。同様に、ある組成物のある成分が「任意(optional)」であると示されるならば、本発明は、特別に、両方の可能性、即ち、対応する成分が存在する(組成物に含まれる)こと、また対応する成分が組成物に存在しないことに関する。
本明細書では、様々な基が「置換されていてもよい(optionally substituted)」と言及される。一般に、これらの基は、例えば、1、2、3、又は4の置換基のような1以上の置換基を担い得る。置換基の最大数は、置換される部分上で利用可能な付加部位の数によって制限されると理解されよう。他に定義されなければ、本明細書に言及される「置換されていてもよい」基は、好ましくは、2以下の置換基を担って、特に、1つだけの置換基を担い得る。さらに、他に定義されなければ、任意の置換基が非存在であること、即ち、対応する基が未置換であることが好ましい。
本明細書に使用されるように、他に明白に示さなければ、又は文脈に矛盾しなければ、「1つの(a)」、「1つの(an)」(不定冠詞)、及び「その(the)」(定冠詞)という用語は、「1以上の(one or more)」及び「少なくとも1つの(at least one)」と交換可能的に使用される。従って、例えば、「1つの(a)」式(I)の化合物を含んでなる組成物とは、「1以上の」式(I)の化合物を含んでなる組成物に言及すると解釈することができる。
本明細書に使用されるように、「約」という用語は、好ましくは指定数値の±10%、より好ましくは指定数値の±5%、そして特に正確な指定数値を意味する。
本明細書に使用されるように、「〜を含んでなる(comprising)」(又は「〜を含む(comprise)」、「〜を含む(comprises)」、「〜を含有する(contain)」、「〜を含有する(contains)」、又は「〜を含有している(containing)」)という用語は、他に明白に示さなければ、又は文脈に矛盾しなければ、「とりわけ〜を含有する」、即ち、「さらなる任意要素の中でも、〜を含有する」の意味を有する。これに加えて、この用語には、「本質的に〜なる(consisting essentially of)」及び「〜なる(consisting of)」というより狭義の意味も含まれる。例えば、「B及びCを含んでなるA」という用語は、「とりわけB及びCを含有するA」という意味を有し、ここでAは、さらなる任意の要素を含有してよい(例えば、「B、C、及びDを含有するA」も含まれる)が、この用語には、「本質的にB及びCからなるA」という意味と「B及びCからなるA」という意味(即ち、Aには、BとC以外の成分が含まれない)も含まれる。
本発明の範囲には、例えば、アミノ基のような、プロトン化を受けやすい孤立電子対を担う原子のプロトン化によって、無機酸又は有機酸と形成され得るか又は、酸基(カルボン酸基のような)の生理学的に許容されるカチオンとの塩として形成され得る、式(I)の化合物のすべての医薬的に許容される塩型が含まれる。例示の塩基付加塩は、例えば:ナトリウム塩又はカリウム塩のようなアルカリ金属塩;カルシウム塩又はマグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩;亜鉛塩;アンモニウム塩;トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンのような脂肪族アミンの塩、プロカイン塩、メグルミン塩、エチレンジアミン塩、又はコリン塩;N,N−ジベンジルエチレンジアミン塩、ベンザチン塩、べネタミン塩のようなアラルキルアミン塩;ピリジン塩、ピコリン塩、キノリン塩、又はイソキノリン塩のような複素環式芳香族アミン塩;テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、ベンジルトリメチルアンモニウム塩、ベンジルトリエチルアンモニウム塩、ベンジルトリブチルアンモニウム塩、メチルトリオクチルアンモニウム塩、又はテトラブチルアンモニウム塩のような四級アンモニウム塩;及び、アルギニン塩、リジン塩、又はヒスチジン塩のような塩基性アミノ酸塩を含む。例示の酸付加塩は、例えば:塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩(例えば、硫酸塩又は硫酸水素塩のような)、硝酸塩、リン酸塩(例えば、リン酸塩、リン酸水素塩、又はリン酸二水素塩のような)、炭酸塩、炭酸水素塩、過塩素酸塩、ホウ酸塩、又はチオシアン酸塩のような無機酸塩;酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、ペンタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヘプタン酸塩、オクタン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、デカン酸塩、ウンデカン酸塩、オレイン酸塩、ステアリン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、シュウ酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、アジピン酸塩、グルコン酸塩、グリコール酸塩、ニコチン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、アスコルビン酸塩、パモ酸塩(エンボン酸塩)、ショウノウ酸塩、グルコヘプタン酸塩、又はピバル酸塩のような有機酸塩;メタンスルホン酸塩(メシレート)、エタンスルホン酸塩(エシレート)、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩(イセチオン酸塩)、ベンゼンスルホン酸塩(ベシレート)、p−トルエンスルホン酸塩(トシラート)、2−ナフタレンスルホン酸塩(ナプシレート)、3−フェニルスルホン酸塩、又はカンファースルホン酸塩のようなスルホン酸塩;グリセロリン酸塩;及び、アスパラギン酸塩又はグルタミン酸塩のような酸性アミノ塩を含む。式(I)の化合物が医薬的に許容される塩の形態であれば、それは、好ましくは、塩酸塩の形態である。しかしながら、最も好ましくは、式(I)の化合物は、本明細書に記載される式(I)の特定化合物(KP2299のような)のいずれも含めて、塩の形態ではない。
さらに、本発明の範囲には、式(I)の化合物が、例えば、水との溶媒和物(即ち、水和物として)又は、例えば、メタノール、エタノール、又はアセトニトリルのような有機溶媒との溶媒和物(即ち、メタノラート、エタノラート、又はアセトニトリラートのような)が含まれるどの溶媒和型でも、又はどの結晶形(即ち、あらゆる多形として)でも、又は非晶形でも含まれる。式(I)の化合物のそのような溶媒和物には、式(I)の化合物の医薬的に許容される塩の溶媒和物も含まれると理解されたい。
さらに、式(I)の化合物は、様々な異性体、特に立体異性体(例えば、幾何異性体(又はシス/トランス異性体)、エナンチオマー、及びジアステレオマーが含まれる)又は互変異性体の形態で存在し得る。式(I)の化合物のすべてのそのような異性体が、混合形態でも、純粋な又は実質的に純粋な形態でも、本発明の一部と考慮される。立体異性体に関しては、本発明には、本発明による化合物の単離された光学異性体、並びにそのあらゆる混合物(特に、ラセミ混合物/ラセミ体が含まれる)が含まれる。ラセミ体は、例えば、分別結晶法、ジアステレオマー誘導体の分離又は結晶化、又はキラルカラムクロマトグラフィーによる分離といった、物理的な方法によって分割することができる。その個別の光学異性体はまた、ラセミ体より、光学活性酸との塩形成に続く結晶化を介して入手することができる。特に、配位子対のR/RとR/Rの一方又は両方が、例えば、それらの置換パターンか又は部分(A3)及び/又は部分(B2)の存在により非対称であれば、対応する式(I)の化合物中の白金(IV)原子は、立体中心を形成して、2つの軸配位子(即ち、RとRを含有する軸配位子と、Rを含有する軸配位子)の配向に関して異なる立体異性体(例えば、本明細書の上記に図示されるような立体異性体(18)及び(19)のような)を生じるものであり;式(I)の化合物のどのそのような立体異性体も、同様に本発明に含まれる。さらに本発明には、本発明で提供される化合物のどの互変異性体も含まれる。
本発明の範囲には、1以上の原子が対応する原子の特定の同位体に置き換わっている、式(I)の化合物も含まれる。例えば、本発明には、1個以上の水素原子(又は、例えば、すべての水素原子)が重水素原子(即ち、H;「D」とも呼ばれる)に置き換わっている、式(I)の化合物が含まれる。従って、本発明には、重水素が豊富にある、式(I)の化合物も含まれる。天然に存在する水素は、約99.98モル%の水素−1(H)と約0.0156モル%の重水素(H又はD)を含んでなる同位体混合物である。式(I)の化合物中の1以上の水素位置における重水素の含量は、当該技術分野で知られた重水素化技術を使用して増加させることができる。例えば、式(I)の化合物又は式(I)の化合物の合成に使用し得る反応体又は前駆体を、例えば重水(DO)を使用するH/D交換反応へ処すことができる。さらなる好適な重水素化技術については:Atzrodt J et al., Bioorg Med Chem, 20(18), 5658-5667, 2012; William JS et al., Journal of Labelled Compounds and Radiopharmaceuticals, 53(11-12), 635-644, 2010; Modvig A et al., J Org Chem, 79, 5861-5868, 2014 に記載されている。重水素の含量は、例えば質量分析法又はNMR分光法を使用して、定量することができる。他に具体的に示さなければ、式(I)の化合物は、重水素が豊富でないことが好ましい。従って、式(I)の化合物においては、天然に存在する水素原子又はH水素原子の存在が好ましい。
本発明には、1個以上の原子が、例えば、18F、11C、13N、15O、76Br、77Br、120I及び/又は124Iのような、対応する原子の陽電子放出同位体に置き換わっている、式(I)の化合物も含まれる。そのような化合物は、陽電子放出断層撮影(PET)におけるトレーサー又はイメージングプローブとして使用することができる。従って、本発明には、(i)1個以上のフッ素原子(又は、例えば、すべてのフッ素原子)が18F原子に置き換わっている、式(I)の化合物、(ii)1個以上の炭素原子(又は、例えば、すべての炭素原子)が11C原子に置き換わっている、式(I)の化合物、(iii)1個以上の窒素原子(又は、例えば、すべての窒素原子)が13N原子に置き換わっている、式(I)の化合物、(iv)1個以上の酸素原子(又は、例えば、すべての酸素原子)が15O原子に置き換わっている、式(I)の化合物、(v)1個以上の臭素原子(又は、例えば、すべての臭素原子)が76Br原子に置き換わっている、式(I)の化合物、(vi)1個以上の臭素原子(又は、例えば、すべての臭素原子)が77Br原子に置き換わっている、式(I)の化合物、(vii)1個以上のヨウ素原子(又は、例えば、すべてのヨウ素原子)が120I原子に置き換わっている、式(I)の化合物、及び(viii)1個以上のヨウ素原子(又は、例えば、すべてのヨウ素原子)が124I原子に置き換わっている、式(I)の化合物が含まれる。一般に、式(I)の化合物中の原子のいずれも特定の同位体に置き換わっていないことが好ましい。
本発明で提供される化合物は、化合物それ自体として投与しても、医薬品として製剤化してもよい。この医薬品/医薬組成物は、担体、希釈剤、充填剤、崩壊剤、滑沢剤、結合剤、着色剤、色素剤、安定化剤、保存剤、抗酸化剤、及び/又は溶解性向上剤のような、1以上の医薬的に許容される賦形剤を含んでもよい。
該医薬組成物は、例えば、約200〜約5,000Daの範囲に分子量を有するポリ(エチレングリコール)が含まれる、ポリ(エチレングリコール)(例えば、PEG 200、PEG 300、PEG 400、又はPEG 600)、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、非イオン性界面活性剤、チロキサポール、ポリソルベート80、マクロゴール−15−ヒドロキシステアレート(例、Kolliphor(登録商標)HS15、CAS70142−34−6)、リン脂質、レシチン、ジミリストイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリン、シクロデキストリン、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−γ−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン、スルホブチルエーテル−γ−シクロデキストリン、グルコシル−α−シクロデキストリン、グルコシル−β−シクロデキストリン、ジグルコシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−α−シクロデキストリン、マルトシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−γ−シクロデキストリン、マルトトリオシル−β−シクロデキストリン、マルトトリオシル−γ−シクロデキストリン、ジマルトシル−β−シクロデキストリン、メチル−β−シクロデキストリン、カルボキシアルキルチオエーテル、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、酢酸ビニル共重合体、ビニルピロリドン、ラウリル硫酸ナトリウム、ジオクチルナトリウムスルホスクシネート、又はこれらのあらゆる組合せのような、1以上の溶解性向上剤を含んでよい。
該医薬組成物は、「レミントン:調剤の科学及び実践(Remington: The Science and Practice of Pharmacy)」、Pharmaceutical Press, 第22版に公表された技術のような、当業者に知られた技術によって製剤化することができる。該医薬組成物は、経口投与、非経口(筋肉内、静脈内、皮下、皮内、動脈内、又は腹腔内(特に、温熱化学灌流の形式)のような)投与用の剤形として製剤化することができる。経口投与用の剤形には、被覆錠剤及び素錠剤、軟ゼラチンカプセル剤、硬ゼラチンカプセル剤、甘味入り錠剤、トローチ剤、溶液剤、乳液剤、懸濁液剤、シロップ剤、エリキシル剤、復元用の散剤及び顆粒剤、分散性散剤及び顆粒剤、医療用ガム剤、咀嚼(chewing)錠剤、及び発泡錠剤が含まれる。非経口投与用の剤形には、溶液剤、乳液剤、懸濁液剤、分散液剤及び散剤と、復元用の顆粒剤が含まれる。非経口投与に好ましい剤形は、乳液剤である。
式(I)の化合物、又は式(I)の化合物を含んでなる上記に記載の医薬組成物は、全身的/末梢的でも、所望の作用部位でも、どの簡便な投与経路によっても被験者へ投与してよく、限定されないが、以下の1以上の投与が含まれる:経口投与(例えば、錠剤、カプセル剤、又は摂取可能溶液剤として)、非経口投与(例えば、注射技術又は注入技術を使用して、そして例えば、注射(例、皮下、皮内、筋肉内、静脈内、動脈内、心臓内、髄腔内、脊髄内、嚢内、被膜下、眼窩内、腹腔内、気管内、表皮下、関節内、くも膜下、又は胸骨内の)によって、例えば、デポー剤の埋め込み(例えば、皮下又は筋肉内)によって、が含まれる)、肺内投与(例えば、エアゾール剤を、例えば、口腔又は鼻を通して使用する、吸入又は通気療法によって)、消化器、子宮内、眼内、皮下、又は眼適用(硝子体内又は前房内が含まれる)の投与。
前記化合物又は医薬組成物が非経口的に投与されるならば、そのような投与の例には、以下の1以上が含まれる:静脈内、動脈内、腹腔内、髄腔内、心室内、尿道内、胸骨内、心臓内、頭蓋内、筋肉内、又は皮下に該化合物又は医薬組成物を投与すること、及び/又は注入技術を使用することによって。非経口投与では、該化合物は、無菌水溶液剤の形態で最も良好に使用されて、これは他の物質、例えば、該溶液剤を血液と等張にするのに十分な塩類又はブドウ糖を含有してよい。この水溶液剤は、必要であれば、好適に(好ましくはpH3〜9へ)緩衝化されるべきである。好適な非経口製剤の無菌条件下での製造は、当業者によく知られた標準的な製剤技術によって容易に達成される。
前記化合物又は医薬組成物はまた、即時型、遅延型、修飾型、持続型、パルス型、又は制御型放出の適用のために、香味剤又は着色剤を含有し得る、錠剤、カプセル剤、丸剤、エリキシル剤、溶液剤、又は懸濁液剤の形態で経口投与することができる。
錠剤は、微結晶性セルロース、乳糖、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸二塩基性カルシウム、及びグリシンのような賦形剤、デンプン(好ましくは、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、又はタピオカデンプン)、グリコール酸デンプンナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、及びある種の複合ケイ酸塩のような崩壊剤、及び、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ショ糖、ゼラチン、及びアカシアのような造粒結合剤を含有し得る。加えて、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ベヘン酸グリセリル、及びタルクのような滑沢剤を含めてよい。ゼラチンカプセル剤では、似たタイプの固体組成物も充填剤として利用し得る。この点に関して好ましい賦形剤には、乳糖、デンプン、セルロース、又は高分子量ポリエチレングリコール類が含まれる。水性懸濁液剤及び/又はエリキシル剤では、該薬剤を様々な甘味剤又は香味剤、着色物質又は染料と、乳化剤及び/又は懸濁剤と、そして水、エタノール、プロピレングリコール、及びグリセリン、及びこれらの混合物のような希釈剤と組み合わせてよい。
前記化合物又は医薬組成物はまた、持続放出系によって投与してよい。持続放出組成物の好適な例には、造形品の形態の半透過性高分子マトリックス(例、フィルム剤、又はマイクロカプセル剤)が含まれる。持続放出型マトリックス剤には、例えば、ポリラクチド(例えば、US 3,773,919を参照のこと)、L−グルタミン酸とγ−エチル−L−グルタメートの共重合体(Sidman, U. et al., Biopolymers 22: 547-556 (1983))、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)(R. Langer et al., J. Biomed. Mater. Res. 15:167-277 (1981), 及び R. Langer, Chem. Tech. 12:98-105 (1982))、エチレンビニルアセテート(R. Langer et al., 同上)、又はポリ−D−(−)−3−ヒドロキシ酪酸(EP133988)が含まれる。持続放出型医薬組成物には、リポソーム捕捉された化合物も含まれる。本発明の化合物を含有するリポソーム剤は、例えば、DE3218121;Epstein et al., Proc. Natl. Acad. Sci. (USA) 82:3688-3692 (1985);Hwang et al., Proc. Natl. Acad. Sci. (USA) 77:4030-4034 (1980);EP0052322;EP0036676;EP088046;EP0143949;EP0142641;JP83−118008;US 4,485,045;US 4,544,545;及びEP0102324のいずれか1つに記載の方法のような、当該技術分野で知られた方法によって製造することができる。
前記化合物又は医薬組成物はまた、肺経路又は眼経路によって投与してよい。眼科用の使用では、それらを等張性でpH調整性の無菌生理食塩水中の微粉化懸濁液剤として、又は好ましくは、塩化ベンザルコニウムのような保存剤と組み合わせてもよい、等張性でpH調整性の無菌生理食塩水中の溶液剤として製剤化することができる。あるいは、それらは、ワセリンのような軟膏剤において製剤化してよい。
肺投与、特に吸入用には、式(I)の化合物の乾燥粉末製剤を調製することも想定される。そのような乾燥散剤は、実質的に非晶性のガラス状又は実質的に結晶性の生理活性粉末を生じる条件下でのスプレー乾燥法によって製造され得る。従って、本発明の化合物の乾燥散剤は、WO99/16419又はWO01/85136に開示される乳化/スプレー乾燥法に従って作製することができる。本発明の化合物の溶液製剤のスプレー乾燥は、例えば、「スプレー乾燥ハンドブック(Spray Drying Handbook)」、第5版、K. Masters 監修、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ社、NY (1991)、WO97/41833、又はWO03/053411において一般的に記載されているように行うことができる。
このように、本発明は、本発明で提供される化合物又は医薬組成物に関し、ここで対応する化合物又は医薬組成物は、経口経路;注射技術又は注入技術を使用する非経口経路(皮下、皮内、筋肉内、静脈内、動脈内、心臓内、髄腔内、脊髄内、嚢内、被膜下、眼窩内、腹腔内、気管内、表皮下、関節内、くも膜下、胸骨内、心室内、尿道内、又は頭蓋内の経路が含まれる);肺経路(吸入又は通気療法が含まれる);消化器経路;子宮内経路;眼内経路;皮下経路;又は眼適用経路(硝子体内又は前房内経路が含まれる)のいずれによっても投与することが可能である。特に好ましい投与経路は、例えば、静脈内投与と腹腔内投与(温熱化学灌流の間)といった、非経口投与である。
典型的には、個別の被験者に最も適しているはずである、実際の投与量は、医師が決定する。ある特別な個別の被験者への特定の用量レベルと投与の頻度は、多様であり得て、利用される特定化合物の活性、その化合物の代謝安定性と作用時間、施療中の個別の被験者の年齢、体重、健康全般、性別、食事、投与の形式及び時間、排出の速度、薬物の組合せ、特別な状態の重症度が含まれる、多様な要因に依拠するものである。
本発明による化合物の非限定的であるが提唱される用量は、ヒト(概ね70kgの体重)への静脈内投与では、単位用量に付き10〜1000mg、好ましくは250〜350mgの有効成分(KP2299のような)であり得る。単位用量は、例えば、2週毎に1回投与され得る。投与量に対しては、患者/被験者の年齢及び体重、並びに治療される状態の重症度に依拠して、定番の変更を施すことが必要であり得ると理解されよう。正確な用量と投与の経路も、最終的には、担当の医師又は獣医師の裁量によるものである。
式(I)の化合物又は式(I)の化合物を含んでなる医薬組成物は、単独療法(例えば、さらなる治療薬剤の併用投与を伴わない、又は特に、さらなる抗癌剤の併用投与を伴わない)で投与することができる。しかしながら、式(I)の化合物又は式(I)の化合物を含んでなる医薬組成物は、1以上のさらなる治療薬剤と組み合わせて投与することもできる。同一の疾患又は状態に抗する第二の治療薬剤(例、さらなる抗癌剤)と組み合わせて式(I)の化合物が使用されるならば、各化合物の用量は、対応する化合物が単独で使用される場合のそれとは異なる場合があって、特に、各化合物のより低い用量が使用され得る。式(I)の化合物の1以上のさらなる治療薬剤との組合せは、式(I)の化合物とさらなる治療薬剤(複数)の同時/併用投与(単一の医薬製剤におけるか又は別個の医薬製剤における)、又は式(I)の化合物とさらなる治療薬剤(複数)の連続/分服投与を含み得る。投与が連続的であれば、本発明による式(I)の化合物又は1以上のさらなる治療薬剤のいずれか一方が最初に投与され得る。投与が同時であれば、1以上のさらなる治療薬剤は、式(I)の化合物と同じ医薬製剤中に含まれても、1以上の異なる(別個の)医薬製剤において投与されてもよい。
好ましくは、本発明の化合物と組み合わせて投与され得る1以上のさらなる治療薬剤は、抗癌剤である。本発明による式(I)の化合物と組み合わせて投与し得る抗癌剤(複数)は、例えば、血管新生阻害剤(例、プロテアーゼ阻害剤、線維芽細胞増殖因子受容体キナーゼ阻害剤、又は血管内皮増殖因子受容体キナーゼ阻害剤);細胞増殖抑制剤(例、プリン及びピリミジン類似体の代謝拮抗薬のような代謝拮抗薬);抗有糸***剤(例、微小管安定化薬又は抗有糸***アルカロイド);白金配位錯体;抗腫瘍抗生物質;アルキル化剤(例、ナイトロジェンマスタード又はニトロソ尿素);内分泌剤(例、副腎皮質ステロイド、アンドロゲン、抗アンドロゲン、エストロゲン、抗エストロゲン、アロマターゼ阻害剤、ゴナドトロピン放出ホルモンアゴニスト、又はソマトスタチン類似体);又は腫瘍細胞において誤制御/脱制御されている特異的な代謝経路において過剰発現されている、及び/又は他のやり方で関与している酵素又は受容体を標的とする化合物(例えば、ATP及びGTPホスホジエステラーゼ阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、プロテインキナーゼ阻害剤(セリン、スレオニン、及びチロシンキナーゼ阻害剤(例、エーベルソン(Abelson)プロテインキナーゼ阻害剤)のような)、並びに様々な増殖因子、それらの受容体と対応するキナーゼの阻害剤(表皮成長因子受容体キナーゼ阻害剤、血管内皮増殖因子受容体キナーゼ阻害剤、線維芽細胞増殖因子阻害剤、インスリン様増殖因子受容体阻害剤、PI3K阻害剤、及び血小板由来増殖因子受容体キナーゼ阻害剤のような));メチオニン、アミノぺプチダーゼ阻害剤;プロテアソーム阻害剤;シクロオキシゲナーゼ阻害剤(例、シクロオキシゲナーゼ−1阻害剤又はシクロオキシゲナーゼ−2阻害剤);トポイソメラーゼ阻害剤(例、トポイソメラーゼI阻害剤又はトポイソメラーゼII阻害剤);ポリADPリボースポリメラーゼ阻害剤(PARP阻害剤);及び表皮成長因子受容体(EGFR)阻害剤/アンタゴニストより選択され得る。加えて、これには、免疫腫瘍学的治療薬剤(例えば、CTLA−4、PD−1/PD−L1を標的とする)との組合せだけでなく、他の免疫刺激戦略も含まれる。
本発明の化合物と組み合わせて抗癌剤として使用することができるアルキル化剤は、例えば、ナイトロジェンマスタード(シクロホスファミド、メクロレタミン(クロメチン)、ウラムスチン、メルファラン、クロラムブシル、イホスファミド、ベンダムスチン、又はトロホスファミド)、ニトロソ尿素(カルムスチン、ストレプトゾシン、フォテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、プレドニムスチン、ラニムスチン、又はセムスチンのような)、スルホン酸アルキル(ブスルファン、マンノスルファン、又はトレオスルファンのような)、アジリジン(ヘキサメチルメラミン(アルトレタミン)、トリエチレンメラミン、チオテパ(N,N’N’−トリエチレンチオホスホラミド)、カルボクオン、又はトリアジクオンのような)、ヒドラジン(プロカルバジンのような)、トリアゼン(ダカルバジンのような)、又はイミダゾテトラジン(テモゾロミドのような)であり得る。
本発明の化合物と組み合わせて抗癌剤として使用することができる白金配位錯体は、例えば、シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン、オキサリプラチン、サトラプラチン、又は四硝酸トリプラチンであり得る。
本発明の化合物と組み合わせて抗癌剤として使用することができる細胞傷害性薬剤は、例えば、葉酸類似体代謝拮抗薬(アミノプテリン、メトトレキセート、ペメトレキセド、又はラルチトレキセドのような)、プリン類似体代謝拮抗薬(クラドリビン、クロファラビン、フルダラビン、6−メルカプトプリン(そのプロドラッグ型であるチオプリンが含まれる)、ペントスタチン、又は6−チオグアニン)、及びピリミジン類似体代謝拮抗薬(シタラビン、デシタラビン、5−フルオロウラシル(そのプロドラッグ型であるカペシタビン及びテガフールが含まれる)、フロクスウリジン、ゲンシタビン、エノシタビン、又はサパシタビンのような)が含まれる、代謝拮抗薬であり得る。
本発明の化合物と組み合わせて抗癌剤として使用することができる抗有糸***剤は、例えば、タキサン(ドセタキセル、ラロタキセル、オルタタキセル、パクリタキセル/タキソール、テセタキセル、又はnab−パクリタキセル(例、Abraxane(登録商標))のような)、植物アルカロイド(ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンフルニン、ビンデシン、又はビノレルビンのような)、エポチロン(エポチロンA、エポチロンB、エポチロンC、エポチロンD、エポチロンE、又はエポチロンFのような)、又はエポチロンB類似体(イキサベピロン/アザエポチロンBのような)であり得る。
本発明の化合物と組み合わせて抗癌剤として使用することができる抗腫瘍抗生物質は、例えば、アントラサイクリン(アクラルビシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、アムルビシン、ピラルビシン、バルルビシン、又はゾルビシンのような)、アントラセンジオン(ミトキサントロン又はピキサントロンのような)、又はストレプトマイセス属より単離される抗腫瘍抗生物質(アクチノマイシン(アクチノマイシンDが含まれる)、ブレオマイシン、マイトマイシン(マイトマイシンCが含まれる)、又はプリカマイシンのような)であり得る。
本発明の化合物と組み合わせて抗癌剤として使用することができるチロシンキナーゼ阻害剤は、例えば、アキシチニブ、ボスチニブ、セジラニブ、ダサチニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、レスタウルチニブ、ニロチニブ、セマキサニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、アキシチニブ、ニンテダニブ、ポナチニブ、又はバンデタニブであり得る。
本発明の化合物と組み合わせて抗癌剤として使用することができるトポイソメラーゼ阻害剤は、例えば、トポイソメラーゼI阻害剤(イリノテカン、トポテカン、カンプトテシン、ベロテカン、ルビテカン、又はラメラリンDのような)又はトポイソメラーゼII阻害剤(アムサクリン、エトポシド、リン酸エトポシド、テニポシド、又はドキソルビシンのような)であり得る。
本発明の化合物と組み合わせて抗癌剤として使用することができるPARP阻害剤は、例えば、BMN−673、オラパリブ、ルカパリブ、ベリパリブ、CEP9722、MK4827、BGB−290、又は3−アミノベンズアミドであり得る。
本発明の化合物と組み合わせて抗癌剤として使用することができるEGFR阻害剤/アンタゴニストは、例えば、ゲフィチニブ、エルロチニブ、ラパチニブ、アファチニブ、オシメルチニブ、ネラチニブ、ABT−414、ダコミチニブ、AV−412、PD153035、バンデタニブ、PKI−166、ペリチニブ、カネルチニブ、イコチニブ、ポジオチニブ、BMS−690514、CUDC−101、AP26113、XL647、セツキシマブ、パニツムマブ、ザルツムマブ、ニモツズマブ、又はマツズマブであり得る。
さらなる抗癌剤も、本発明の化合物と組み合わせて抗癌剤として使用し得る。この抗癌剤は、TNF関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL)、タモキシフェン、アムサクリン、ベキサロテン、エストラムスチン、イロフルベン、トラベクテジン、セツキシマブ、パニツムマブ、トシツモマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、エドレコロマブ、ゲンツズマブ、アルボシジブ、セリシクリブ、アミノレブリン酸、アミノレブリン酸メチル、エファプロキシラル、ポルフィマーナトリウム、タラポルフィン、テモポルフィン、ベルテポルフィン、アリトレチノイン、トレチノイン、アナグレリド、三酸化ヒ素、アトラセンタン、ボルテゾミブ、カルモフール、セレコキシブ、デメコルシン、エレスクロモール、エルサミトルシン、エトグルシド、ロニダミン、ルカントン、マソプロコール、ミトブロニトール、ミトグアゾン、ミトタン、オブリメルセン、オマセタキシン、シチマゲン、セラデノベク、テガフール、テストラクトン、チアゾフリン、チピファルニブ、ボリノスタット、又はイニパリブのような生体分子又は化学分子を含み得る。
増殖性疾患に関与する癌又は腫瘍マーカー/因子/サイトカインに対して指向される、抗体、抗体断片、抗体構築体(例えば、単鎖構築体)、及び/又は修飾抗体(CDR移植抗体、ヒト化抗体、「完全ヒト化」抗体、等)のようなバイオ医薬品も、本発明の化合物との併用療法アプローチに利用することができる。そのような生体分子の例は、抗HER2抗体(例、トラスツズマブ、Herceptin(登録商標))、抗CD20抗体(例、リツキシマブ、Rituxan(登録商標)、MabThera(登録商標)、Reditux(登録商標))、抗CD19/CD3構築体(例えば、EP1071752を参照のこと)、及び抗TNF抗体(例えば、Taylor PC.「慢性関節リウマチへの抗体療法(Antibody therapy for rheumatoid arthritis)」Curr Opin Pharmacol. 2003. 3(3):323-328 を参照のこと)である。本発明の化合物との併用療法アプローチに使用され得るさらなる抗体、抗体断片、抗体構築体、及び/又は修飾抗体は、例えば、Taylor PC. Curr Opin Pharmacol. 2003. 3(3):323-328;又は Roxana A. Maedica. 2006. 1(1):63-65 に見出すことができる。
本発明の化合物と組み合わせて使用することができる抗癌剤は、特に、免疫腫瘍学的治療剤(CTLA−4、PD−1/PD−L1、TIM3、LAG3、OX4、CSF1R、IDO、又はCD40のいずれかを標的とする、抗体(例、モノクローナル抗体又はポリクローナル抗体)、抗体断片、抗体構築体(例、単鎖構築体)、又は修飾抗体(例、CDR移植抗体、ヒト化抗体、又は「完全ヒト化」抗体)のような)であり得る。そのような免疫腫瘍学的治療薬剤には、例えば、抗CTLA−4抗体(特に、拮抗性又は経路遮断性の抗CTLA−4抗体;例、イピリムマブ又はトレメリムマブ)、抗PD−1抗体(特に、拮抗性又は経路遮断性の抗PD−1抗体;例、ニボルマブ(BMS−936558)、ペンブロリズマブ(MK−3475)、ピジリズマブ(CT−011)、AMP−224、又はAPE02058)、抗PD−L1抗体(特に、経路遮断性の抗PD−L1抗体;例、BMS−936559、MEDI4736、MPDL3280A(RG7446)、MDX−1105、又はMEDI6469)、抗TIM3抗体(特に、経路遮断性の抗TIM3抗体)、抗LAG3抗体(特に、拮抗性又は経路遮断性の抗LAG3抗体;例、BMS−986016、IMP701、又はIMP731)、抗OX4抗体(特に、拮抗性の抗OX4抗体;例、MEDI0562)、抗CSF1R抗体(特に、経路遮断性の抗CSF1R抗体;例、IMC−CS4又はRG7155)、抗IDO抗体(特に、経路遮断性の抗IDO抗体)、又は抗CD40抗体(特に、拮抗性の抗CD40抗体;例、CP−870,893又はChi Lob7/4)が含まれる。当該技術分野では、さらなる免疫腫瘍学的治療薬剤が知られていて、例えば、KyiC et al., FEBS Lett, 2014, 588(2):368-76; Intlekofer AM et al., J Leukoc Biol, 2013, 94(1):25-39; Callahan MK et al., J Leukoc Biol, 2013, 94(1):41-53; Ngiow SF et al., Cancer Res, 2011, 71(21):6567-71; 及び Blattman JN et al., Science, 2004, 305(5681):200-5 に記載されている。
KP2299のような式(I)の化合物は、フォリン酸(例、ロイコボリンカルシウム又はロイコボリンナトリウム)や5−フルオロウラシルと組み合わせて投与されることが特に好ましい。
併用療法のさらなる例は、特に、式(I)の化合物(特に、RとRが一緒に結合して部分(A2)を形成して、RとRがそれぞれ−NHであるもの(例えば、化合物20のような)が含まれる)の、タキサン(例、パクリタキセル/タキソール、nab−パクリタキセル(例、Abraxane(登録商標))、ドセタキセル、ラロタキセル、オルタタキセル、又はテセタキセルのような;好ましくは、パクリタキセル又はnab−パクリタキセル;より好ましくは、パクリタキセル)、及び抗PD−1抗体(特に、拮抗性抗PD−1抗体;例えば、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピジリズマブ、AMP−224、又はAPE02058のような;好ましくは、ニボルマブ)と組み合わせた投与を含み得る。式(I)の前記化合物は、パクリタキセル及びニボルマブと組み合わせて投与することが好ましい。
上記に言及した組合せは、簡便には、医薬製剤の形態での使用のために提示され得る。そのような組合せの個別成分は、どの簡便な経路によっても、別個又は複合の医薬製剤において、連続的に投与しても、同時的/併用的に投与してもよい。投与が連続的である場合、本発明の化合物(即ち、式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物)又はさらなる治療薬剤(複数)のいずれか一方が最初に投与され得る。投与が同時である場合、この組合せは、同じ医薬組成物において投与されても、異なる医薬組成物において投与されてもよい。同じ製剤において組み合わされる場合は、その2以上の化合物が安定していて、互いと、そして該製剤の他の成分と適合可能でなければならないことが理解されよう。別々に製剤化される場合、それらは、どの簡便な製剤でも提供してよい。
式(I)の化合物はまた、放射線療法のような物理療法と組み合わせて投与することができる。放射線療法は、本発明の化合物の投与の前に、その後に、又はそれと同時に始めてよい。例えば、放射線療法は、該化合物の投与後1〜10分、1〜10時間、又は24〜72時間後に開始してよい。しかしながら、こういった時間枠は、限定的なものと解釈しではならない。被験者は、放射線、好ましくはγ放射線へ曝露されて、これによって放射線は、単回線量でも、又は数時間、数日、及び/又は数週に及んで投与される頻回線量でも提供され得る。γ放射線は、標準の放射線量及び投与方式を使用する、標準的な放射線療法に従って送達し得る。
このように、本発明は、癌の治療又は予防に使用のための、式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物、又は上述した成分のいずれをも医薬的に許容される賦形剤と組み合わせて含んでなる医薬組成物に関し、ここで該化合物又は医薬組成物は、1以上の抗癌剤と組み合わせて、及び/又は放射線療法及び/又は免疫療法と組み合わせて投与することが可能である。
しかしながら、式(I)の化合物は、単独療法においても、特に癌の単独療法的な治療又は予防(即ち、式(I)の化合物(複数)での治療が終わるまでは、他のどの抗癌剤も投与しない)においても使用することができる。従って、本発明はまた、癌の単独療法的な治療又は予防に使用のための、式(I)の化合物又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物、又は上述した成分のいずれをも医薬的に許容される賦形剤と組み合わせて含んでなる医薬組成物に関する。
本発明に従って治療されるべき被験者又は患者は、動物(例、非ヒト動物)、脊椎動物、哺乳動物、齧歯動物(例、モルモット、ハムスター、ラット、又はマウス)、イヌ科動物(例、イヌ)、ネコ科動物(例、ネコ)、イノシシ科動物(例、ブタ)、ウマ科動物(例、ウマ)、霊長動物、又は真猿類(例、マーモセット、ヒヒ、ゴリラ、チンパンジー、オランウータン、又はギボンのような、サル又は類人猿)、又はヒトであり得る。本発明に従えば、経済的、農業経済的に、又は科学的に重要である動物が治療されるべきであると想定される。科学的に重要な生物には、限定されないが、マウス、ラット、及びウサギが含まれる。科学的アプローチでは、例えば、キイロショウジョウバエ(Drosophila melagonaster)のようなショウジョウバエやエレガンス線虫(Caenorhabditis elegans)のような線虫類といった下等動物も使用し得る。農業経済的に重要な動物の非限定的な例が、ヒツジ、ウシ、及びブタであるのに対し、例えば、ネコとイヌは、経済的に重要な動物とみなし得る。好ましくは、被験者/患者は、哺乳動物である。より好ましくは、被験者/患者は、ヒト又は非ヒト哺乳動物(例えば、モルモット、ハムスター、ラット、マウス、ウサギ、イヌ、ネコ、ウマ、サル、類人猿、マーモセット、ヒヒ、ゴリラ、チンパンジー、オランウータン、ギボン、ヒツジ、ウシ、又はブタのような)である。最も好ましくは、被験者/患者は、ヒトである。本発明に従って治療されるべき被験者/患者は、雌性でも雄性でもよい。特別な側面において、本発明は、雌性の被験者/患者、好ましくは雌性動物(例、このパラグラフにおいて言及した動物種のいずれもの雌)、より好ましくは雌性のヒト又は雌性の非ヒト哺乳動物、そしてなおより好ましくは雌性のヒトの治療に関する。
本明細書に使用される、障害又は疾患の「治療」(例えば、癌の「治療」)という用語は、当該技術分野でよく知られている。障害又は疾患の「治療」は、患者/被験者においてある障害又は疾患が疑われるか又は診断されたことを含意する。障害又は疾患に罹患していることが疑われる患者/被験者は、典型的には、当業者であれば特定の病理学的状態へ容易に帰する(即ち、障害又は疾患を診断する)ことができる、特定の臨床及び/又は病理症状を示す。
障害又は疾患の「治療」は、例えば、障害又は疾患の進行の停止(例えば、症状の悪化がないこと)、又は障害又は疾患の進行の遅延(進行の停止が一過性のものでしかない場合)をもたらす場合がある。障害又は疾患の「治療」は、障害又は疾患に罹患している被験者/患者の部分奏効(例、症状の改善)又は完全奏効(例、症状の消失)をもたらす場合もある。従って、障害又は疾患の「治療」は、例えば、障害又は疾患の進行の停止又は障害又は疾患の進行の遅延をもたらし得る、障害又は疾患の改善を意味する場合もある。そのような部分奏効又は完全奏効には、再発が続く場合がある。被験者/患者は、治療に対して広範囲の応答を経験する可能性があると理解されたい(本明細書の上記に記載した例示の応答のような)。障害又は疾患の治療は、とりわけ、治癒的な治療(好ましくは、完全奏効をもたらして、最終的には、障害又は疾患の治癒をもたらす)と待機的な治療(症状緩和が含まれる)を含み得る。
本明細書に使用される、障害又は疾患の「予防」(例えば、癌の「予防」)という用語も、当該技術分野でよく知られている。例えば、ある障害又は疾患に罹患しやすいことが疑われる患者/被験者は、特に、該障害又は疾患の予防から利益を得る場合がある。その被験者/患者は、障害又は疾患への罹患性又は素因(限定されないが、遺伝的素因が含まれる)を有する場合がある。そのような素因は、例えば、遺伝子マーカー又は表現型指標を使用する、標準的な方法又はアッセイによって決定することができる。本発明に従って予防することができる障害又は疾患は、患者/被験者において診断されたことがないか又は診断し得ない(例えば、患者/被験者は、何らかの臨床症状又は病理症状を示さない)と理解されたい。このように、「予防」という用語は、担当医によって何らかの臨床症状及び/又は病理症状が診断されるか又は決定されること、又は診断又は決定することが可能であることより以前の、本発明の化合物の使用を含む。
本発明は、具体的には、本明細書に記載される特徴及び態様のありとあらゆる組合せ(一般的な特徴/態様、及び/又は好ましい特徴/態様のあらゆる組合せが含まれる)に関すると理解されたい。特に、本発明は、具体的には、式(I)に含まれる様々な基及び変数についての種々の意味(一般的な意味及び/又は好ましい意味が含まれる)の各組合せに関する。
本明細書では、特許出願、科学文献、及び製造業者マニュアルが含まれる、数多くの文書が引用される。これら文書の開示内容は、本発明の特許性に関連するとみなされないものの、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。より具体的には、すべての参照文書は、それぞれ個別の文書が具体的かつ個別に参照により取り込まれると指定されるのと同じ程度で、参照により取り込まれる。
本明細書における、あらゆる先行文献(又はそれより派生する情報)への言及は、対応する先行文献(又はそれより派生する情報)が本明細書の関連する技術分野における共通の一般知識の一部を形成するという是認又は認容、又はあらゆる形式の示唆としてはみなされないし、みなすべきではない。
本発明は、特に、以下の項目に関する:
1.以下の式(I):
Figure 0006867652
[式中:
とRは、一緒に結合して、部分(A1)、(A2)又は(A3):
Figure 0006867652
を形成し、
とRは、一緒に結合して、部分(B1)を形成するか又はRは、部分(B2)であって、Rは、−NHである、又はRとRは、それぞれ−NHであり:
Figure 0006867652
は、−N(R51)−又は−CH−であり;
51は、水素又はC1−8アルキルである;
は、C1−8アルキレンであり、ここで前記C1−8アルキレンに含まれる1又は2の−CH−単位は、−O−、−CO−、−C(=O)O−、−O−C(=O)−、−N(R61)−、−N(R61)−CO−、−CO−N(R61)−、アリーレン、及びヘテロアリーレンより独立して選択される基によってそれぞれ置換されてもよく、ここで前記アリーレンと前記ヘテロアリーレンは、1以上のR62基でそれぞれ置換されてもよく;
それぞれのR61は、水素とC1−8アルキルより独立して選択され;
それぞれのR62は、C1−8アルキル、C2−8アルケニル、C2−8アルキニル、−(C0−3アルキレン)−OH、−(C0−3アルキレン)−O(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−SH、−(C0−3アルキレン)−S(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−NH、−(C0−3アルキレン)−NH(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−N(C1−8アルキル)(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−ハロゲン、−(C0−3アルキレン)−(C1−8ハロアルキル)、−(C0−3アルキレン)−CF、−(C0−3アルキレン)−CN、−(C0−3アルキレン)−CHO、−(C0−3アルキレン)−CO−(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−COOH、−(C0−3アルキレン)−CO−O−(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−O−CO−(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−CO−NH、−(C0−3アルキレン)−CO−NH(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−CO−N(C1−8アルキル)(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−NH−CO−(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−N(C1−8アルキル)−CO−(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−SO−NH、−(C0−3アルキレン)−SO−NH(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−SO−N(C1−8アルキル)(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−NH−SO−(C1−8アルキル)、及び−(C0−3アルキレン)−N(C1−8アルキル)−SO−(C1−8アルキル)より独立して選択される;
は、水素、C1−8アルキル、C2−8アルケニル、C2−8アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、−O−(C1−8アルキル)、−O−(C2−8アルケニル)、−O−(C2−8アルキニル)、−O−シクロアルキル、−O−ヘテロシクロアルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−N(R71)−(C1−8アルキル)、−N(R71)−(C2−8アルケニル)、−N(R71)−(C2−8アルキニル)、−N(R71)−シクロアルキル、−N(R71)−ヘテロシクロアルキル、−N(R71)−アリール、及び−N(R71)−ヘテロアリールより選択され、ここで上述した基のいずれにも含まれる前記C1−8アルキル又はC1−8アルキル部分、上述した基のいずれにも含まれる前記C2−8アルケニル又はC2−8アルケニル部分、及び上述した基のいずれにも含まれる前記C2−8アルキニル又はC2−8アルキニル部分は、1以上のR72基でそれぞれ置換されてもよく、そしてさらにここで上述した基のいずれにも含まれる前記シクロアルキル又はシクロアルキル部分、上述した基のいずれにも含まれる前記ヘテロシクロアルキル又はヘテロシクロアルキル部分、上述した基のいずれにも含まれる前記アリール又はアリール部分、及び上述した基のいずれにも含まれる前記ヘテロアリール又はヘテロアリール部分は、1以上のR73基でそれぞれ置換されてもよく;
それぞれのR71は、水素とC1−8アルキルより独立して選択され;
それぞれのR72は、−OH、−O(C1−8アルキル)、−SH、−S(C1−8アルキル)、−NH、−NH(C1−8アルキル)、−N(C1−8アルキル)(C1−8アルキル)、ハロゲン、C1−8ハロアルキル、−CF、−CN、−CHO、−CO−(C1−8アルキル)、−COOH、−CO−O−(C1−8アルキル)、−O−CO−(C1−8アルキル)、−CO−NH、−CO−NH(C1−8アルキル)、−CO−N(C1−8アルキル)(C1−8アルキル)、−NH−CO−(C1−8アルキル)、−N(C1−8アルキル)−CO−(C1−8アルキル)、−SO−NH、−SO−NH(C1−8アルキル)、−SO−N(C1−8アルキル)(C1−8アルキル)、−NH−SO−(C1−8アルキル)、及び−N(C1−8アルキル)−SO−(C1−8アルキル)より独立して選択され;
それぞれのR73は、C1−8アルキル、C2−8アルケニル、C2−8アルキニル、−(C0−3アルキレン)−OH、−(C0−3アルキレン)−O(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−SH、−(C0−3アルキレン)−S(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−NH、−(C0−3アルキレン)−NH(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−N(C1−8アルキル)(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−ハロゲン、−(C0−3アルキレン)−(C1−8ハロアルキル)、−(C0−3アルキレン)−CF、−(C0−3アルキレン)−CN、−(C0−3アルキレン)−CHO、−(C0−3アルキレン)−CO−(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−COOH、−(C0−3アルキレン)−CO−O−(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−O−CO−(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−CO−NH、−(C0−3アルキレン)−CO−NH(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−CO−N(C1−8アルキル)(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−NH−CO−(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−N(C1−8アルキル)−CO−(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−SO−NH、−(C0−3アルキレン)−SO−NH(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−SO−N(C1−8アルキル)(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−NH−SO−(C1−8アルキル)、及び−(C0−3アルキレン)−N(C1−8アルキル)−SO−(C1−8アルキル)より独立して選択される;
それぞれのRは、C1−8アルキル、C2−8アルケニル、C2−8アルキニル、−OH、−O−(C1−8アルキル)、−SH、−S−(C1−8アルキル)、−NH、−NH(C1−8アルキル)、−N(C1−8アルキル)(C1−8アルキル)、ハロゲン、C1−8ハロアルキル、−CF、−CN、−CHO、−CO−(C1−8アルキル)、−COOH、−CO−O−(C1−8アルキル)、−O−CO−(C1−8アルキル)、−CO−NH、−CO−NH(C1−8アルキル)、−CO−N(C1−8アルキル)(C1−8アルキル)、−NH−CO−(C1−8アルキル)、−N(C1−8アルキル)−CO−(C1−8アルキル)、−SO−NH、−SO−NH(C1−8アルキル)、−SO−N(C1−8アルキル)(C1−8アルキル)、−NH−SO−(C1−8アルキル)、及び−N(C1−8アルキル)−SO−(C1−8アルキル)より独立して選択され;
それぞれのRは、C1−8アルキル、C2−8アルケニル、C2−8アルキニル、−OH、−O−(C1−8アルキル)、−SH、−S−(C1−8アルキル)、−NH、−NH(C1−8アルキル)、−N(C1−8アルキル)(C1−8アルキル)、ハロゲン、C1−8ハロアルキル、−CF、−CN、−CHO、−CO−(C1−8アルキル)、−COOH、−CO−O−(C1−8アルキル)、−O−CO−(C1−8アルキル)、−CO−NH、−CO−NH(C1−8アルキル)、−CO−N(C1−8アルキル)(C1−8アルキル)、−NH−CO−(C1−8アルキル)、−N(C1−8アルキル)−CO−(C1−8アルキル)、−SO−NH、−SO−NH(C1−8アルキル)、−SO−N(C1−8アルキル)(C1−8アルキル)、−NH−SO−(C1−8アルキル)、及び−N(C1−8アルキル)−SO−(C1−8アルキル)より独立して選択され;
nは、0〜8の整数であり;そして
mは、0〜6の整数である]の化合物、又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物。
2.RとRが一緒に結合して部分(A1)を形成する、項目1の化合物。
3.RとRが一緒に結合して部分(B1)を形成する、項目1又は項目2の化合物。
4.Rが、−NH−、−N(−CH)−、又は−N(−CHCH)−である、項目1〜項目3のいずれか1項の化合物。
5.RがC1−8アルキレンである、項目1〜項目4のいずれか1項の化合物。
6.Rが、−CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、及び−(CH−より選択される、項目1〜項目5のいずれか1項の化合物。
7.Rが、C1−8アルキル、C2−8アルケニル、及びC2−8アルキニルより選択される、項目1〜項目6のいずれか1項の化合物。
8.RがC1−5アルキルである、項目1〜項目7のいずれか1項の化合物。
9.nとmがそれぞれ0である、項目1〜項目8のいずれか1項の化合物。
10.RとRが一緒に結合して部分(A1)を形成して、RとRが一緒に結合して部分(B1)を形成する、項目1〜項目9のいずれか1項の化合物。
11.RとRが一緒に結合して部分(A2)を形成して、RとRがそれぞれ−NHである、項目1又は、又はその独立した項目3〜項目9のいずれか1項の化合物。
12.以下の式:
Figure 0006867652
Figure 0006867652
Figure 0006867652
Figure 0006867652
のいずれか1つを有する化合物である、項目1の化合物、又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物。
13.以下の式:
Figure 0006867652
を有する化合物である、項目1の化合物、又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物。
14.以下の式:
Figure 0006867652
を有する化合物である、項目1の化合物、又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物。
15.以下の式:
Figure 0006867652
を有する化合物である、項目1の化合物、又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物。
16.項目1〜項目15のいずれか1項の化合物と医薬的に許容される賦形剤を含んでなる医薬組成物。
17.医薬品としての使用のための、項目1〜項目15のいずれか1項の化合物又は項目16の医薬組成物。
18.癌の治療又は予防における使用のための、項目1〜項目15のいずれか1項の化合物又は項目16の医薬組成物。
19.癌が、消化器癌、結直腸癌、結腸癌、肝癌、肝細胞癌、膵臓癌、胆管癌、胃癌、尿生殖器癌、膀胱癌、精巣癌、子宮頸部癌、悪性中皮腫、骨原性肉腫、食道癌、喉頭癌、前立腺癌、ホルモン抵抗性前立腺癌、肺癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、乳癌、トリプルネガティブ乳癌、BRCA1及び/又はBRCA2遺伝子変異を有する乳癌、血液癌、白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、卵巣癌、脳腫瘍、神経芽腫、ユーイング肉腫、腎癌、表皮癌、皮膚癌、黒色腫、頭頚部癌、頭頚部扁平細胞癌、及び口腔癌より選択される、項目18に記載の使用のための化合物又は項目18に記載の使用のための医薬組成物。
20.癌が、結直腸癌、結腸癌、膵臓癌、肺癌、非小細胞肺癌、卵巣癌、膀胱癌、子宮頸部癌、悪性中皮腫、黒色腫、頭頚部癌、頭頚部扁平細胞癌、及び精巣癌より選択される、項目18又は項目19に記載の使用のための化合物又は項目18又は項目19に記載の使用のための医薬組成物。
21.癌が、結直腸癌、結腸癌、膵臓癌、肺癌、非小細胞肺癌、卵巣癌、子宮頸部癌、黒色腫、頭頚部癌、及び頭頚部扁平細胞癌より選択される、項目18〜項目20のいずれか1項に記載の使用のための化合物又は項目18〜項目20のいずれか1項に記載の使用のための医薬組成物。
22.癌が、結直腸癌、結腸癌、又は膵臓癌である、項目18〜項目21のいずれか1項に記載の使用のための化合物又は項目18〜項目21のいずれか1項に記載の使用のための医薬組成物。
23.抗癌剤と組み合わせて、及び/又は放射線療法及び/又は免疫療法と組み合わせて投与することが可能である、項目18〜項目22のいずれか1項に記載の使用のための化合物又は項目18〜項目22のいずれか1項に記載の使用のための医薬組成物。
24.癌の治療又は予防用医薬品の製造における、項目1〜項目15のいずれか1項の化合物の使用。
25.癌が、消化器癌、結直腸癌、結腸癌、肝癌、肝細胞癌、膵臓癌、胆管癌、胃癌、尿生殖器癌、膀胱癌、精巣癌、子宮頸部癌、悪性中皮腫、骨原性肉腫、食道癌、喉頭癌、前立腺癌、ホルモン抵抗性前立腺癌、肺癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、乳癌、トリプルネガティブ乳癌、BRCA1及び/又はBRCA2遺伝子変異を有する乳癌、血液癌、白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、卵巣癌、脳腫瘍、神経芽腫、ユーイング肉腫、腎癌、表皮癌、皮膚癌、黒色腫、頭頚部癌、頭頚部扁平細胞癌、及び口腔癌より選択される、項目24の使用。
26.癌が、結直腸癌、結腸癌、膵臓癌、肺癌、非小細胞肺癌、卵巣癌、膀胱癌、子宮頸部癌、悪性中皮腫、黒色腫、頭頚部癌、頭頚部扁平細胞癌、及び精巣癌より選択される、項目24又は項目25の使用。
27.癌が、結直腸癌、結腸癌、膵臓癌、肺癌、非小細胞肺癌、卵巣癌、子宮頸部癌、黒色腫、頭頚部癌、及び頭頚部扁平細胞癌より選択される、項目24〜項目26のいずれか1項の使用。
28.癌が、結直腸癌、結腸癌、又は膵臓癌である、項目24〜項目27のいずれか1項の使用。
29.医薬品が、抗癌剤と組み合わせて、及び/又は放射線療法及び/又は免疫療法と組み合わせて投与するためのものである、項目24〜項目28のいずれか1項の使用。
30.癌を治療する方法であって、項目1の化合物をその必要な被験者へ投与することを含んでなる、前記方法。
31.癌が、消化器癌、結直腸癌、結腸癌、肝癌、肝細胞癌、膵臓癌、胆管癌、胃癌、尿生殖器癌、膀胱癌、精巣癌、子宮頸部癌、悪性中皮腫、骨原性肉腫、食道癌、喉頭癌、前立腺癌、ホルモン抵抗性前立腺癌、肺癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、乳癌、トリプルネガティブ乳癌、BRCA1及び/又はBRCA2遺伝子変異を有する乳癌、血液癌、白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、卵巣癌、脳腫瘍、神経芽腫、ユーイング肉腫、腎癌、表皮癌、皮膚癌、黒色腫、頭頚部癌、頭頚部扁平細胞癌、及び口腔癌より選択される、項目30の方法。
32.癌が、結直腸癌、結腸癌、膵臓癌、肺癌、非小細胞肺癌、卵巣癌、膀胱癌、子宮頸部癌、悪性中皮腫、黒色腫、頭頚部癌、頭頚部扁平細胞癌、及び精巣癌より選択される、項目30の方法。。
33.癌が、結直腸癌、結腸癌、膵臓癌、肺癌、非小細胞肺癌、卵巣癌、子宮頸部癌、黒色腫、頭頚部癌、及び頭頚部扁平細胞癌より選択される、項目30の方法。
34.癌が、結直腸癌、結腸癌、又は膵臓癌である、項目30の方法。
35.該化合物を抗癌剤と組み合わせて、及び/又は放射線療法及び/又は免疫療法と組み合わせて投与することを含む、項目30の方法。
36.被験者がヒトである、項目30の方法。
さらなる側面において、本発明は、化合物:KP2260(実施例1に図示されるような)又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物、又は上述した成分のいずれをも医薬的に許容される賦形剤と組み合わせて含んでなる医薬組成物に関する。この側面において、本発明はまた、医薬品としての使用のための、特に癌(式(I)の化合物と関連して本明細書に記載される特定の癌のいずれも含まれる)の治療又は予防における使用のための、KP2260又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物、又は上述した成分のいずれをも医薬的に許容される賦形剤とともに含んでなる医薬組成物に関する。
本発明は、以下の例示的な図面によっても記載される。この付帯図面は、以下を示す:
図面1:生体内(in vivo)CT−26結腸癌細胞に抗する、KP2299の優れた抗癌活性。KP2299を(A)オキサリプラチン、(B)オキサリプラチン放出性ビスマレイミド白金(IV)薬剤:KP2156、及び(C)オキサリプラチン放出性モノマレイミド類似体:KP2260に対して比較する。A〜Cのデータは、数回の独立実験よりプールされている。(D)は、シスプラチン放出性モノマレイミド類似体:KP2372のシスプラチンとの比較に関する実験からのデータを示す。(E)と(F)は、シスプラチン放出性モノマレイミド錯体:KP2540とオキサリプラチン誘導体:KP2541(リンカーにNH基が無い)の比較に関する実験からのデータを示す。(G)は、KP2552(4−メチル−1,2−シクロヘキサンジアミン配位子が有る)とカルボプラチン放出性錯体:KP2551のカルボプラチンとの比較に関する1つの実験からのデータを示す。いずれの実験も雄性Balb/cマウスにおいて実施して、対照(0.9% NaCl)は、KP2299及びKP2156の溶媒に従って処理した。 図面1:生体内(in vivo)CT−26結腸癌細胞に抗する、KP2299の優れた抗癌活性。KP2299を(A)オキサリプラチン、(B)オキサリプラチン放出性ビスマレイミド白金(IV)薬剤:KP2156、及び(C)オキサリプラチン放出性モノマレイミド類似体:KP2260に対して比較する。A〜Cのデータは、数回の独立実験よりプールされている。(D)は、シスプラチン放出性モノマレイミド類似体:KP2372のシスプラチンとの比較に関する実験からのデータを示す。(E)と(F)は、シスプラチン放出性モノマレイミド錯体:KP2540とオキサリプラチン誘導体:KP2541(リンカーにNH基が無い)の比較に関する実験からのデータを示す。(G)は、KP2552(4−メチル−1,2−シクロヘキサンジアミン配位子が有る)とカルボプラチン放出性錯体:KP2551のカルボプラチンとの比較に関する1つの実験からのデータを示す。いずれの実験も雄性Balb/cマウスにおいて実施して、対照(0.9% NaCl)は、KP2299及びKP2156の溶媒に従って処理した。 図面1:生体内(in vivo)CT−26結腸癌細胞に抗する、KP2299の優れた抗癌活性。KP2299を(A)オキサリプラチン、(B)オキサリプラチン放出性ビスマレイミド白金(IV)薬剤:KP2156、及び(C)オキサリプラチン放出性モノマレイミド類似体:KP2260に対して比較する。A〜Cのデータは、数回の独立実験よりプールされている。(D)は、シスプラチン放出性モノマレイミド類似体:KP2372のシスプラチンとの比較に関する実験からのデータを示す。(E)と(F)は、シスプラチン放出性モノマレイミド錯体:KP2540とオキサリプラチン誘導体:KP2541(リンカーにNH基が無い)の比較に関する実験からのデータを示す。(G)は、KP2552(4−メチル−1,2−シクロヘキサンジアミン配位子が有る)とカルボプラチン放出性錯体:KP2551のカルボプラチンとの比較に関する1つの実験からのデータを示す。いずれの実験も雄性Balb/cマウスにおいて実施して、対照(0.9% NaCl)は、KP2299及びKP2156の溶媒に従って処理した。 図面1:生体内(in vivo)CT−26結腸癌細胞に抗する、KP2299の優れた抗癌活性。KP2299を(A)オキサリプラチン、(B)オキサリプラチン放出性ビスマレイミド白金(IV)薬剤:KP2156、及び(C)オキサリプラチン放出性モノマレイミド類似体:KP2260に対して比較する。A〜Cのデータは、数回の独立実験よりプールされている。(D)は、シスプラチン放出性モノマレイミド類似体:KP2372のシスプラチンとの比較に関する実験からのデータを示す。(E)と(F)は、シスプラチン放出性モノマレイミド錯体:KP2540とオキサリプラチン誘導体:KP2541(リンカーにNH基が無い)の比較に関する実験からのデータを示す。(G)は、KP2552(4−メチル−1,2−シクロヘキサンジアミン配位子が有る)とカルボプラチン放出性錯体:KP2551のカルボプラチンとの比較に関する1つの実験からのデータを示す。いずれの実験も雄性Balb/cマウスにおいて実施して、対照(0.9% NaCl)は、KP2299及びKP2156の溶媒に従って処理した。 図面2:生体内CT−26結腸癌細胞に抗するKP2299の抗癌活性に対する性の影響。(A)と(B)は、雄性動物における腫瘍負荷と生存率をそれぞれ示し、一方(C)と(D)では、雌性マウスからのデータを示す。(A)と(B)では、対照マウスをKP2299溶媒(0.9% NaCl)に従って処理して、(C)と(D)では、対照群をオキサリプラチン溶媒に従って5%グルコースで処理した。 図面2:生体内CT−26結腸癌細胞に抗するKP2299の抗癌活性に対する性の影響。(A)と(B)は、雄性動物における腫瘍負荷と生存率をそれぞれ示し、一方(C)と(D)では、雌性マウスからのデータを示す。(A)と(B)では、対照マウスをKP2299溶媒(0.9% NaCl)に従って処理して、(C)と(D)では、対照群をオキサリプラチン溶媒に従って5%グルコースで処理した。 図面3:生体内(in vivo)B16黒色腫細胞に抗する、KP2299の優れた抗癌活性。KP2299を雄性C57/B6JRjマウスにおいてオキサリプラチンに対して比較して、対照は、KP2299溶媒(0.9% NaCl)に従って処理した。 図面4:生体内(in vivo)白血病L1210細胞に抗する、KP2299、オキサリプラチン、KP2372、及びシスプラチンの抗癌活性。この図面は、数回の独立実験から一緒にプールしたデータを示す。 図面5:RP−HPLCによって定量した、緩衝化水溶液中のKP2299の異なるpH値での加水分解安定性。
これから本発明について以下の実施例を参照にして記載するが、これらは単に例解であって、本発明の範囲を制限するものと解釈してはならない。
本節に記載される化合物は、それらの化学式とそれらの対応する化学名によって定義される。本明細書に示される化学式と対応する化学名の間に抵触がある場合、本発明は、化学式によって定義される化合物と化学名によって定義される化合物の両方に関し、そして特に、化学式によって定義される化合物に関する。
実施例1:モノマレイミド官能化白金化合物の合成
Figure 0006867652
スキーム1:モノマレイミド白金化合物の合成についての反応スキーム
Figure 0006867652
スキーム2:モノマレイミド白金化合物の合成についての反応スキーム
Figure 0006867652
スキーム3:モノマレイミド白金化合物の合成についての反応スキーム
Figure 0006867652
スキーム4:モノマレイミド白金化合物の合成についての反応スキーム
材料と方法:
テトラクロリド白金酸カリウム(KPtCl)は、Johnson Matthey(スイス)より購入した。合成用水は、逆浸透システムより採取して、使用前に2回蒸留した。HPLCには、Milli-Q 水(18.2Mオーム・cm,Merck Milli-Q Advantage,ダーマシュタット、ドイツ)を使用した。他の化学品及び溶媒は、市販の供給業者(Sigma Aldrich, Acros, Fluka 及び Fisher Scientific)より購入した。白金(II)前駆体のシスプラチン(1)、オキサリプラチン(2)、(SP−4−2)−ジアンミンジヨージド白金(II)、(SP−4−3)−[(1R,2R,4R)−4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン]オキサラト白金(II)(25)、及びカルボプラチン(28)は、文献に知られた手順に従って製造した(シスプラチンと(SP−4−2)−ジアンミンジヨージド白金(II):Dhara, S. Ch. Indian J. Chem. 1970, 8(2), 193-194, オキサリプラチン:Kidani, Y; Inagaki, K. J. Med. Chem. 1978, 21(12), 1315-1318, カルボプラチン:Rochon, F. D.; Gruia, L. M. Inorg. Chim. Acta 2000, 306, 193-04,及び(SP−4−3)−[(1R,2R,4R)−4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン]オキサラト白金(II):Abramkin, S. A.; Jungwirth, U.; Valiahdi, S. M.; Dworak, C.; Habala, L.; Meelich, K.; Berger, W.; Jakupec, M. A.; Hartinger, C. G.; Nazarov, A. A.; Galanski, M.; Keppler, B. K. J. Med. Chem. 2010, 53, 7356-7364)。その後、これらを、メタノール(Dunham, S. O.; Larsen, R. D. Inorg. Chem. 1993, 32, 2049-2055)又は酢酸(Lee, Y.-A.; Jung, S. M.; Kang, S. W.; Jung, O.-S. Transition Met. Chem. 2004, 29, 710-713)のいずれかを溶媒として使用して過酸化水素(50%)で酸化して、非対称的に酸化された白金(IV)前駆体:3〜6、26、27、及び29を得た。マレイミド官能化イソシアネート配位子とスクシンイミド官能化イソシアネート配位子は、最近公表された手順(Pichler, V.; Mayr, J.; Heffeter, P.; Domotor, O.; Enyedy, E. A.; Hermann, G.; Groza, D.; Kollensperger, G.; Galanski, M.; Berger, W.; Keppler, B. K.; Kowol, C. R. Chem. Commun. 2013, 49, 2049-2051)に従って製造して、混合した無水物配位子は、文献に知られた手順(Cheronis, J. C.; Whalley, E. T.; Nguyen, K. T.; Eubanks, S. R.; Allen, L. G.; Duggan, M. J.; Loy, S. D.; Bonham, K. A.; Blodgett, J. K. J. Med. Chem. 1992, 35, 1563-1572)に従って製造した。化合物:7〜14、17〜20、22〜24、及び30〜31は、Agilent 1200 Series システムで Waters XBridge C18 カラムを使用する分取用RP−HPLCによって精製した。0.1%ギ酸とメタノール又はアセトニトリルを含有する Milli-Q 水を溶出液として使用した。エレクトロスプレーイオン化(ESI)質量スペクトルは、Bruker amaZon SL イオントラップ質量分析計で、ポジティブ及び/又はネガティブモードにおいて直接注入によって記録した。高分解能質量スペクトルは、Bruker maXisTM UHR ESI 飛行時間型質量分析計で測定した。いずれの質量スペクトルも、ウィーン大学質量分析センター(Mass Spectrometry Centre of the University of Vienna)で記録した。H、13C、15N、及び195Ptの一次元及び二次元NMRスペクトルは、Bruker Avance III 500 MHz 分光計にて、500.10(H)、127.75(13C)、50.68(15N)、及び107.51(195Pt)MHz(298K)で記録した。H−及び13C−NMRスペクトルでは、溶媒残留ピークを内部標準として採ったのに対し、195Pt−シフトは、外部KPtClに対して参照して、15N−シフトは、外部NHClに対して参照した。元素分析測定は、ウィーン大学微量分析研究所(Microanalytical Laboratory of the University of Vienna)にて Perkin Elmer 2400 CHN 元素分析計で実施した。
化合物:7〜14、17〜20、22〜24、及び30〜31の合成についての一般手順
非対称的に酸化される白金(IV)化合物とその対応するイソシアネート(化合物:7〜14、17〜20、23〜24、及び30〜31の場合)又は対応する混合無水物(化合物22の場合)をシュレンク(Schlenk)管へ移して、アルゴン雰囲気下に設定した。乾燥DMFの添加後、この懸濁液を一晩撹拌した。残留する沈殿を濾過して除き、その後でDMFを減圧下に除去した。残留物をメタノール中の懸濁液として取って、ジエチルエーテルの添加によって完全に沈殿させた。冷蔵庫中で数時間後に、粗生成物を濾過して取り、ジエチルエーテルで洗浄して減圧下に乾燥させた。この粗生成物を水に取って濾過した後で、それを分取用RP−HPLCによって精製した。採取した生成物画分を凍結乾燥させて、真空で乾燥させた。
(OC−6−44)−ジアンミンジクロリドメトキシド[2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチルカルバマト]白金(IV)(7;KP2298)
この化合物は、3mLのDMF(無水)中の(OC−6−44)−ジアンミンジクロリドヒドロキシドメトキシド白金(IV)(3;140mg,0.40ミリモル)と1−(2−イソシアナートエチル)−1H−ピロール−2,5−ジオン(2当量、134mg,0.80ミリモル)より合成した。8%メタノールで定組成の分取用RP−HPLCによる精製によって、薄黄色の固形物を得た。収量:70.5mg(18%);1H-NMR (DMSO-d6): δ=6.98 (s, 2H, CH), 6.38 (s, 1H, NH), 6.17-5.73 (m, 6H, NH3), 3.46-3.36 (m, 2H, NCH2), 3.06-2.96 (m, 2H, NHCH2), 2.63 (br, 3H, CH3) ppm; 13C-NMR (DMSO-d6): δ=171.1 (COCH), 164.8 (CONH), 134.5 (CH), 60.5 (CH3), 39.2 (NHCH2), 37.5 (NCH2) ppm; 15N{1H}-NMR (DMSO-d6): δ=59.5 (NH), -31.7 (NH3)ppm; 195Pt-NMR (DMSO-d6): δ=2642 (メジャー), 2629 (マイナー) ppm; HRMS (ESI-TOF):[C16ClPt−Naの計算値:536.0043,実測値:536.0028;元素分析:C16ClPt・0.5HOの計算値:C:18.36,H:3.27,N:10.71,O:16.82,実測値:C:18.38,H:2.92,N:10.32,O:16.57。
(OC−6−44)−アセタトジアンミンジクロリド[2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチルカルバマト]白金(IV)(8;KP2372)
この化合物は、5mLのDMF(無水)中の(OC−6−44)−アセタトジアンミンジクロリドヒドロキシド白金(IV)(4;450mg,1.20 ミリモル)と1−(2−イソシアナートエチル)−1H−ピロール−2,5−ジオン(2当量、398mg,2.39ミリモル)より合成した。3%メタノールで定組成の分取用RP−HPLCによる精製によって、薄黄色の固形物を得た。収量:267.0mg(42%);1H-NMR (DMSO-d6): δ=6.98 (s, 2H, CH), 6.80-6.37 (m, 6H, NH3), 6.67 (br, 1H, NH), 3.45-3.37 (m, 2H, NCH2), 3.07-2.99 (m, 2H, NHCH2), 1.90 (s, 3H, CH3) ppm; 13C-NMR (DMSO-d6): δ=178.2 (COCH3), 171.1 (COCH), 163.8 (CONH), 134.5 (CH), 38.9 (NHCH2), 37.4 (NCH2), 22.8 (CH3) ppm; 15N{1H}-NMR (DMSO-d6): δ=59.2 (NH), -39.4 (NH3) ppm; 195Pt-NMR (DMSO-d6): δ=2880 (メジャー), 2860 (マイナー)ppm;HRMS (ESI-TOF):[C16ClPt−Naの計算値:564.9944,実測値:564.9977;元素分析:C16ClPt・1.5HOの計算値:C:18.99,H:3.36,N:9.84,実測値:C:18.73,H:3.18,N:9.70。
(OC−6−44)−ジアンミンジクロリドメトキシド[2−(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)エチル)カルバマト]白金(IV)(9)
この化合物は、3mLのDMF(無水)中の(OC−6−44)−ジアンミンジクロリドヒドロキシドメトキシド白金(IV)(3;200mg,0.57ミリモル)と1−(2−イソシアナートエチル)ピロリジン−2,5−ジオン(1.5当量、145mg,0.86ミリモル)より合成した。5%メタノールで定組成の分取用RP−HPLCによる精製によって、薄黄色の固形物を得た。収量:124.2mg(42%);1H-NMR (DMSO-d6): δ=6.32 (s, 1H, NH), 6.20-5.70 (m, 6H, NH3), 3.47-3.29 (m, 2H, NCH2), 3.10-2.92 (m, 2H, NHCH2), 2.63 (br, 3H, CH3), 2.58 (br, 4H, COCH2) ppm; 13C-NMR (DMSO-d6): δ=177.9 (COCH2), 164.9 (CONH), 60.5 (CH3), 38.3 (br, NHCH2, NCH2), 28.1 (COCH2) ppm; 195Pt-NMR (DMSO-d6): δ=2642 (メジャー), 2629 (マイナー) ppm;HRMS (ESI-TOF):[C18ClPt−Naの計算値:538.0200,実測値:538.0195;元素分析:C18ClPt・0.5HOの計算値:C:18.32,H:3.65,N:10.69,実測値:C:18.73,H:3.66,N:10.22。
(OC−6−44)−アセタトジアンミンジクロリド[2−(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)エチル)カルバマト]白金(IV)(10)
この化合物は、5mLのDMF(無水)中の(OC−6−44)−アセタトジアンミンジクロリドヒドロキシド白金(IV)(4;600mg,1.60ミリモル)と1−(2−イソシアナートエチル)ピロリジン−2,5−ジオン(1.5当量、402mg,2.39ミリモル)より合成した。10分で5〜10.5%メタノールの勾配での分取用RP−HPLCによる精製によって、薄黄色の固形物を得た。収量:232.2mg(27%);1H-NMR (DMSO-d6): δ=6.89-6.33 (m, 7H, NH3, NH), 3.41-3.34 (m, 2H, NCH2), 3.03 (q, J=6.2 Hz, 2H, NHCH2), 2.59 (br, 4H, COCH2), 1.90 (s, 3H, CH3) ppm; 13C-NMR (DMSO-d6): δ=178.2 (COCH3), 177.8 (COCH2), 163.9 (CONH), 38.2 (NHCH2, NCH2), 28.1 (COCH2), 22.8 (CH3) ppm; 195Pt-NMR (DMSO-d6): δ=2880 (メジャー), 2859 (マイナー) ppm;HRMS (ESI-TOF):[C18ClPt−Naの計算値:567.0100,実測値:567.0138;元素分析:C18ClPt・HOの計算値:C:19.23,H:3.59,N:9.96,実測値:C:19.17,H:3.35,N:9.88。
(OC−6−34)−[(1R,2R)−シクロヘキサン−1,2−ジアミン]メトキシドオキサラト[2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチルカルバマト]白金(IV)(11;KP2260)
この化合物は、7mLのDMF(無水)中の(OC−6−44)−[(1R,2R)−シクロヘキサン−1,2−ジアミン]ヒドロキシドメトキシドオキサラト白金(IV)(5;170mg,0.38ミリモル)と1−(2−イソシアナートエチル)−1H−ピロール−2,5−ジオン(2当量、127mg,0.76ミリモル)より合成した。10分で15〜35%メタノールの勾配での分取用RP−HPLCによる精製によって、白色の固形物を得た。収量:88.7mg(38%);1H-NMR (DMSO-d6): δ=9.85-9.55 (m, 1H, NH2), 8.33-8.09 (m, 1H, NH2), 7.79-7.59 (m, 1H, NH2), 7.07-6.83 (m, 1H, NH2), 6.98 (s, 2H, COCH), 6.44 (s, 1H, NH), 3.55-3.45 (m, 1H, NCH2), 3.39-3.29 (m, 1H, NCH2), 3.15-3.05 (m, 1H, NHCH2), 3.00-2.90 (m, 1H, NHCH2), 2.63-2.43 (m, 2H, CHdach), 2.41 (s, 3H, CH3), 2.19-2.07 (m, 1H, CH2,dach), 2.07-1.96 (m, 1H, CH2,dach), 1.60-1.42 (m, 3H, CH2,dach), 1.39-1.27 (m, 1H, CH2,dach), 1.25-1.07 (m, 2H, CH2,dach) ppm; 13C-NMR (DMSO-d6): δ=171.0 (COCH), 165.2 (CONH), 163.7 (COox), 163.6 (COox), 134.4 (COCH), 61.3 (CHdach), 59.5 (CHdach), 57.4 (CH3), 39.0 (NHCH2), 37.4 (NCH2), 30.6 (CH2,dach), 23.7 (CH2,dach), 23.6 (CH2,dach) ppm; 15N{1H}-NMR (DMSO-d6): δ=60.9 (NH), -6.4 (NH2), -1.5 (NH2) ppm; 195Pt-NMR (DMSO-d6): δ=3001 (メジャー), 2995 (マイナー) ppm;HRMS (ESI-TOF):[C1624Pt−Naの計算値:634.1089,実測値:634.1089;元素分析:C1624Pt・HOの計算値:C:30.53,H:4.16,N:8.90,実測値:C:30.29,H:4.08,N:8.75。
(OC−6−34)−アセタト[(1R,2R)−シクロヘキサン−1,2−ジアミン]オキサラト[2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチルカルバマト]白金(IV)(12;KP2299)
この化合物は、2mLのDMF(無水)中の(OC−6−44)−アセタト[(1R,2R)−シクロヘキサン−1,2−ジアミン]ヒドロキシドオキサラト白金(IV)(6;200mg,0.42ミリモル)と1−(2−イソシアナートエチル)−1H−ピロール−2,5−ジオン(2当量、140mg,0.85ミリモル)より合成した。15%メタノールで定組成の分取用RP−HPLCによる精製によって、白色の固形物を得た。収量:111.2mg(41%);1H-NMR (DMSO-d6): δ=9.63 (bs, 1H, NH2), 8.74-8.00 (m, 3H, NH2), 6.99 (s, 2H, COCH), 6.79 (t, J=5.9Hz, 1H, NH), 3.58-3.45 (m, 1H, NCH2), 3.42-3.29 (m, 1H, NCH2), 3.19-3.08 (m, 1H, NHCH2), 3.01-2.89 (m, 1H, NHCH2), 2.70-2.60 (m, 1H, CHdach), 2.60-2.50 (m, 1H, CHdach), 2.15 (bs, 2H, CH2,dach), 1.95 (s, 1H, CH3), 1.59-1.10 (m, 6H, CH2,dach) ppm; 13C-NMR (DMSO-d6): δ=178.4 (COCH3), 171.0 (COCH), 164.2 (CONH), 163.3 (COox), 134.5 (COCH), 61.1 (CHdach), 60.7 (CHdach), 39.0 (NHCH2), 37.2 (NCH2), 31.0 (CH2,dach), 30.9 (CH2,dach), 23.5 (CH2,dach), 23.4 (CH2,dach), 22.9 (CH3) ppm; 195Pt-NMR (DMSO-d6): δ=3236 (メジャー), 3227 (マイナー) ppm;HRMS (ESI-TOF):[C172410Pt−Naの計算値:662.1038,実測値:662.1033;元素分析:C172410Pt・HOの計算値:C:31.05,H:3.99,N:8.52,実測値:C:30.96,H:3.91,N:8.44。
(OC−6−34)−[(1R,2R)−シクロヘキサン−1,2−ジアミン]メトキシドオキサラト[2−(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)エチル)カルバマト]白金(IV)(13)
この化合物は、3mLのDMF(無水)中の(OC−6−44)−[(1R,2R)−シクロヘキサン−1,2−ジアミン]ヒドロキシドメトキシドオキサラト白金(IV)(5;200mg,0.45ミリモル)と1−(2−イソシアナートエチル)ピロリジン−2,5−ジオン(2当量、151mg,0.90ミリモル)より合成した。14%メタノールで定組成の分取用RP−HPLCによる精製によって、白色の固形物を得た。収量:118.1mg(43%);1H-NMR (DMSO-d6): δ=9.84-9.42 (m, 1H, NH2), 8.20 (bs, 1H, NH2), 7.70 (bs, 1H, NH2), 6.98 (bs, 1H, NH2), 6.43 (t, J=5.9 Hz, 1H, NH), 3.51-3.41 (m, 1H, NCH2), 3.35-3.25 (m, 1H, NCH2), 3.13-2.94 (m, 2H, NHCH2), 2.62-2.55 (m, 1H, CHdach), 2.58 (s, 4H, COCH2), 2.54-2.46 (m, 1H, CHdach), 2.41 (s, 3H, CH3), 2.17-2.08 (m, 1H, CH2,dach), 2.07-1.96 (m, 1H, CH2,dach), 1.58-1.42 (m, 3H, CH2,dach), 1.41-1.27 (m, 1H, CH2,dach), 1.22-1.08 (m, 2H, CH2,dach) ppm; 13C-NMR (DMSO-d6): δ=177.7 (COCH2), 165.3 (CONH), 163.7 (COox), 163.6 (COox), 61.3 (CHdach), 59.5 (CHdach), 57.4 (CH3), 38.2 (NHCH2), 38.1 (NCH2), 30.6 (CH2,dach), 28.0 (CH2,dach), 23.7 (CH2,dach), 23.6 (CH2,dach) ppm; 195Pt-NMR (DMSO-d6): δ=3000 (メジャー), 2992 (マイナー) ppm;HRMS (ESI-TOF):[C1626Pt−Naの計算値:636.1245,実測値:636.1249;元素分析:C1626Pt・HOの計算値:C:30:43,H:4:47,N:8:87,実測値:C:30:26,H:4:59,N:8:72.
(OC−6−34)−アセタト[(1R,2R)−シクロヘキサン−1,2−ジアミン]オキサラト[2−(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)エチル)カルバマト]白金(IV)(14)
この化合物は、4mLのDMF(無水)中の(OC−6−44)−アセタト[(1R,2R)−シクロヘキサン−1,2−ジアミン]ヒドロキシドオキサラト白金(IV)(6;200mg,0.42ミリモル)と1−(2−イソシアナートエチル)ピロリジン−2,5−ジオン(1.5当量、107mg,0.63ミリモル)より合成した。17%メタノールで定組成の分取用RP−HPLCによる精製によって、白色の固形物を得た。収量:92.2mg(18%);1H-NMR (DMSO-d6): δ=9.76-9.25 (m, 1H, NH2), 8.74-8.02 (m, 3H, NH2), 6.76 (t, J=6.0 Hz, 1H, NH), 3.53-3.42 (m, 1H, NCH2), 3.37-3.25 (m, 1H, NCH2), 3.14-2.95 (m, 2H, NHCH2), 2.71-2.62 (m, 1H, CHdach), 2.62-2.53 (m, 1H, CHdach), 2.58 (s, 4H, COCH2), 2.14 (bs, 2H, CH2,dach), 1.95 (s, 1H, CH3), 1.57-1.33 (m, 4H, CH2,dach), 1.29-1.10 (m, 2H, CH2,dach) ppm; 13C-NMR (DMSO-d6): δ=178.4 (COCH3), 177.7 (COCH), 164.2 (CONH), 163.3 (COox), 61.1 (CHdach), 60.8 (CHdach), 38.1 (NHCH2), 37.9 (NCH2), 31.0 (CH2,dach), 30.9 (CH2,dach), 28.0 (COCH2), 23.5 (CH2,dach), 23.4 (CH2,dach), 22.9 (CH3) ppm; 195Pt-NMR (DMSO-d6): δ=3236 (メジャー), 3225 (マイナー) ppm;HRMS (ESI-TOF):[C172610Pt−Naの計算値:664.1194,実測値:664.1189;元素分析:C172610Pt・1.5HOの計算値:C:30.54,H:4.37,N:8.38,実測値:C:30.37,H:3.98,N:8.24。
(SP−4−2)−ジアンミンオキサラト白金(II)(15)
692mgの(SP−4−2)−ジアンミンジヨージド白金(II)(1.43ミリモル)を13mLのトリプル蒸留水に懸濁させて、475mgのAgNO(1.95当量、2.80ミリモル)を加えた。この懸濁液を8時間激しく撹拌した。その後、沈殿を濾過して除き、257.6mgのシュウ酸カリウム(0.975当量、1.40ミリモル)を加えて、この反応混合物を一晩撹拌した。4℃で1時間後、白色の生成物を濾過して取り、少量の冷トリプル蒸留水で洗浄して、減圧下にPで乾燥させた。収量:434.1mg(98%)。
(OC−6−44)−アセタトジアンミンヒドロキシドオキサラト白金(IV)(16)
200mgの(SP−4−2)−ジアンミンオキサラト白金(II)(15)(0.63ミリモル)を35mLの氷酢酸に懸濁させた。715μLのH(50%)(20当量、12.61ミリモル)の添加後、この懸濁液を暗所で2日間撹拌した。白色の沈殿を濾過して取り、氷酢酸とジエチルエーテルで洗浄して、減圧下に乾燥させた。この生成物をさらに精製せずに使用した。収量:175mg(71%)。
(OC−6−34)−アセタトジアンミンオキサラト[2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチルカルバマト]白金(IV)(17)
この化合物は、5mLのDMF(無水)中の(OC−6−44)−アセタトジアンミンヒドロキシドオキサラト白金(IV)(16;66.3mg,0.17ミリモル)と1−(2−イソシアナートエチル)−1H−ピロール−2,5−ジオン(2当量、56.0mg,0.34ミリモル)より一般手順に従って合成した。3%メタノールで定組成の分取用RP−HPLCによる精製によって、白色の固形物を得た。収量:17.5mg(20%);1H-NMR (DMSO-d6): δ=6.99 (s, 2H, CH), 6.85-6.39 (m, 6H, NH3), 6.82 (br, 1H, NH), 3.42 (t, J=6.5 Hz, 2H, NCH2), 3.10-3.00 (m, 2H, NHCH2), 1.92 (s, 3H, CH3) ppm; 13C-NMR (DMSO-d6): δ=177.8 (COCH3), 171.5 (COCH), 164.2 (COox), 163.6 (CONH), 135.0 (CH), 39.5 (NHCH2), 37.9 (NCH2), 22.8 (CH3) ppm; 195Pt-NMR (DMSO-d6): δ=3393 (メジャー), 3383 (マイナー) ppm;HRMS (ESI-TOF):[C111610Pt−Naの計算値:582.0406,実測値:582.0417。
(OC−6−54−A)−アセタト[(1R,2R,4R)−4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン]ヒドロキシドオキサラト白金(IV)(26)と(OC−6−54−C)−アセタト[(1R,2R,4R)−4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン]ヒドロキシドオキサラト白金(IV)(27)
この化合物の混合物は、2mLの氷酢酸に懸濁させた51.5mgの(SP−4−3)−[(1R,2R,4R)−4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン]オキサラト白金(II)(25,125.2マイクロモル)より合成した。71.0μLのH(50%)(10当量、1.25ミリモル)の添加後、この懸濁液を暗所で16時間撹拌した。残留溶液を減圧下に濃縮して、MeOHとジエチルエーテルの添加によって生成物を沈殿させた。白色の生成物を濾過して取り、ジエチルエーテルで洗浄して減圧下に乾燥させた。この生成物をさらに精製せずに使用した。収量:56.0mg(92%)。
(OC−6−35−A)−アセタト[(1R,2R,4R)−4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン]オキサラト[2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチルカルバマト]白金(IV)(18)と(OC−6−35−C)−アセタト[(1R,2R,4R)−4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン]オキサラト[2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチルカルバマト]白金(IV)(19)の混合物
この化合物の混合物は、1.5mLのDMF(無水)中の(OC−6−54−A/C)−アセタト[(1R,2R,4R)−4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン]ヒドロキシドオキサラト白金(IV)(26/27;50mg,102.59マイクロモル)と1−(2−イソシアナートエチル)−1H−ピロール−2,5−ジオン(3当量、51.1mg,307.78マイクロモル)のラセミ混合物より一般手順に従って合成した。20分で23〜33%メタノールの勾配での分取用RP−HPLCによる精製によって、白色の固形物を得た。収量:16.7mg(25%);1H-NMR (DMSO-d6): δ=9.59 (br, 1H, NH2), 8.53 (br, 1H, NH2), 8.30 (br, 1H, NH2), 8.20 (br, 1H, NH2), 7.00 (s, 2H, COCH), 6.80 (br, 1H, NH), 3.58-3.46 (m, 1H, NCH2), 3.41-3.28 (m, 1H, NCH2), 3.19-3.09 (m, 1H, NHCH2), 3.04-2.92 (m, 1H, NHCH2), 2.80-2.51 (m, 2H, CHdach), 2.11 (br, 2H, CH2,dach), 1.96 (s, 1H, CH3), 1.60-1.37 (m, 3H, CH2,dach), 1.23-1.09 (m, 1H, CH2,dach), 1.04-0.86 (m, 1H, CHdach), 0.95 (d, J=6.4 Hz, 3H, CH3,dach) ppm;HRMS (ESI-TOF):[C182610Pt−Naの計算値:676.1190,実測値:676.1190;元素分析:C182610Pt・HOの計算値:C:32.63,H:4.11,N:8.47,実測値:C:32.69,H:4.12,N:8.15。所望されるならば、化合物18と化合物19は、例えば、キラルカラムクロマトグラフィー(特に、キラルHPLC)を使用して、分離することができる。
(SP−4−2)−ジアンミンシクロブタン−1,1−ジカルボキシラト白金(II)(28)
1.894gの(SP−4−2)−ジアンミンジヨージド白金(II)(3.92ミリモル)を150mLのトリプル蒸留水に懸濁させて、1.198gのAgSO(0.98当量、3.84ミリモル)を加えた。この懸濁液を4時間激しく撹拌した。その後、沈殿を濾過して除き、50mLトリプル蒸留水中の635.9mgのシクロブタン−1,1−ジカルボン酸(1.13当量、4.41ミリモル)と1.213gのBa(OH)・8HO(0.98当量、3.84ミリモル)の溶液を加えて、この反応混合物をさらに1時間撹拌した。濾過後、この溶液を減圧下に濃縮して、生成物をMeOHで沈殿させた。この白色の生成物を濾過して取り、MeOHで洗浄して減圧下に乾燥させた。収量:1.214g(85%)。
(OC−6−44)−アセタトジアンミンシクロブタン−1,1−ジカルボキシラトヒドロキシド白金(IV)(29)
300mgの(SP−4−2)−ジアンミンシクロブタン−1,1−ジカルボキシラト白金(II)(28)(0.81ミリモル)を7mLの氷酢酸に懸濁させた。458.0μLのH(50%)(10当量、8.08ミリモル)の添加後、この懸濁液を暗所で2日間撹拌した。残留溶液を減圧下に濃縮して、MeOHとジエチルエーテルの添加によって生成物を沈殿させた。この白色の生成物を濾過して取り、ジエチルエーテルで洗浄して減圧下に乾燥させた。この生成物をさらに精製せずに使用した。収量:337.2mg(93%)。
(OC−6−34)−アセタトジアンミンシクロブタン−1,1−ジカルボキシラト[2−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エチルカルバマト]白金(IV)(20;KP2551)
この化合物は、3mLのDMF(無水)中の(OC−6−44)−アセタトジアンミンシクロブタン−1,1−ジカルボキシラトヒドロキシド白金(IV)(29;300.0mg,0.67ミリモル)と1−(2−イソシアナートエチル)−1H−ピロール−2,5−ジオン(2当量、222.8mg,1.34ミリモル)より一般手順に従って合成した。7%アセトニトリルで定組成の分取用RP−HPLCによる精製によって、白色の固形物を得た。収量:50.6mg(12%);1H-NMR (DMSO-d6): δ=6.99 (s, 2H, CH), 6.71-6.24 (m, 6H, NH3), 6.62 (br, 1H, NH), 3.42 (t, J=6.4 Hz, 2H, NCH2), 3.05 (q, J=6.4 Hz, 2H, NHCH2), 2.49 (t, J=8.0 Hz, 4H, CH2CCH2), 1.90 (s, 3H, CH3), 1.81 (quint, J=8.0 Hz, 2H, CH2CCH2) ppm;HRMS (ESI-TOF):[C152210Pt−Naの計算値:636.0876,実測値:636.0884;元素分析:C152210Pt・HOの計算値:C:28.53,H:3.83,N:8.87,実測値:C:28.62,H:3.75,N:8.64。
(OC−6−44)−アセタト[(1R,2R)−シクロヘキサン−1,2−ジアミン]オキサラト[4−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ブタノアト]白金(IV)(22;KP2541)
この化合物は、2mLのDMF(無水)中の(OC−6−44)−アセタト[(1R,2R)−シクロヘキサン−1,2−ジアミン]ヒドロキシドオキサラト白金(IV)(6;150mg,317.7マイクロモル)と(炭酸イソブチル)4−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ブタン酸無水物(1.5当量、140mg,0.85ミリモル)より一般手順に従って合成した。20分で15〜35%メタノールの勾配での分取用RP−HPLCによる精製によって、白色の固形物を得た。収量:52.4mg(26%);1H-NMR (DMSO-d6): δ=8.52-8.11 (m, 4H, NH2), 7.01 (s, 2H, COCH), 3.46-3.36 (m, 2H, NCH2), 2.67-2.51 (m, 2H, CHdach), 2.27 (t, J=7.3 Hz, 2H, COCH2), 2.18-2.06 (m, 2H, CH2,dach), 1.96 (s, 3H, CH3), 1.68 (quint, J=7.3 Hz, 2H, COCH2CH2), 1.56-1.35 (m, 4H, CH2,dach), 1.28-1.11 (m, 2H, CH2,dach) ppm;HRMS (ESI-TOF):[C182510Pt−Naの計算値:661.1080,実測値:661.1080;元素分析:C182510Pt・HOの計算値:C:32.93,H:4.15,N:6.40,実測値:C:33.02,H:4.12,N:6.33。
(OC−6−35−A)−アセタト[(1R,2R,4R)−4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン]オキサラト[5−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ペンチルカルバマト]白金(IV)(23)と(OC−6−35−C)−アセタト[(1R,2R,4R)−4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン]オキサラト[5−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ペンチルカルバマト]白金(IV)(24)の混合物
この化合物の混合物(KP2552)は、1.5mLのDMF(無水)中の(OC−6−54−A/C)−アセタト[(1R,2R,4R)−4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン]ヒドロキシドオキサラト白金(IV)(26/27;52.0mg,106.7マイクロモル)と1−(5−イソシアナートペンチル)−1H−ピロール−2,5−ジオン(3当量、66.6mg,320.1マイクロモル)のラセミ混合物より一般手順に従って合成した。30分で18〜33%メタノールの勾配での分取用RP−HPLCによる精製によって、白色の固形物を得た。収量:19.7mg(27%);1H-NMR (DMSO-d6): δ=9.62 (br, 1H, NH2), 8.55 (br, 1H, NH2), 8.25 (br, 2H, NH2), 7.01 (s, 2H, COCH), 6.78 (br, 1H, NH), 3.41-3.33 (m, 2H, NCH2), 2.96-2.77 (m, 2H, CH2), 2.71-2.48 (m, 2H, CH2,dach), 2.16-2.02 (m, 2H, CH2,dach), 1.96 (s, 1H, CH3), 1.57-1.25 (m, 7H, CH2,dach, CH2), 1.25-1.05 (m, 3H, CH2,dach, CH2), 1.01-0.84 (m, 1H, CHdach), 0.93 (d, J=6.3 Hz, 3H, CH3,dach) ppm;HRMS (ESI-TOF):[C213210Pt−Naの計算値:718.1660,実測値:718.1661;元素分析:C213210Pt・0.5HOの計算値:C:35.80,H:4.72,N:7.95,実測値:C:36.11,H:4.68,N:7.63。
(OC−6−44)−アセタトジアンミンジクロリド[5−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ペンチルカルバマト]白金(IV)(30;KP2540)
この化合物は、5mLのDMF(無水)中の(OC−6−44)−アセタトジアンミンジクロリドヒドロキシド白金(IV)(4;322mg,0.86ミリモル)と1−(5−イソシアナートペンチル)−1H−ピロール−2,5−ジオン(2当量、356mg,1.71ミリモル)より一般手順に従って合成した。25%メタノールで定組成の分取用RP−HPLCによる精製によって、薄黄色の固形物を得た。収量:165.0mg(33%);1H-NMR (DMSO-d6): δ=7.01 (s, 2H, CH), 6.89-6.34 (m, 6H, NH3), 6.54 (br, 1H, NH), 3.38 (t, J=7.1 Hz, 2H, NCH2), 2.96-2.80 (m, 2H, NHCH2), 1.91 (s, 3H, CH3), 1.47 (quint, J=7.3 Hz, 2H, CH2), 1.41-1.30 (m, 2H, CH2), 1.24-1.14 (m, 2H, CH2) ppm;HRMS (ESI-TOF):[C1222ClPt−Naの計算値:607.0454,実測値:607.0453;元素分析:C1222ClPtの計算値:C:24.67,H:3.80,N:9.59,実測値:C:24.58,H:3.90,N:9.29。
(OC−6−34)−アセタトジアンミンシクロブタン−1,1−ジカルボキシラト[5−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ペンチルカルバマト]白金(IV)(31)
この化合物は、2mLのDMF(無水)中の(OC−6−44)−アセタトジアンミンシクロブタン−1,1−ジカルボキシラトヒドロキシド白金(IV)(29;41.0mg,101.2マイクロモル)と1−(5−イソシアナートペンチル)−1H−ピロール−2,5−ジオン(2当量、42.1mg,202.3マイクロモル)より一般手順に従って合成した。18%アセトニトリルで定組成の分取用RP−HPLCによる精製によって、白色の固形物を得た。収量:30.1mg(51%);1H-NMR (DMSO-d6): δ=7.07-6.67 (m, 3H, NH3), 6.99 (s, 2H, CH), 6.44-6.00 (m, 3H, NH3), 6.38 (br, 1H, NH), 3.36 (t, J=7.1 Hz, 2H, NCH2), 2.96-2.78 (m, 2H, NHCH2), 2.69-2.54 (m, 3H, CH2CCH2), 2.25-2.13 (m, 1H, CH2CCH2), 1.94 (s, 3H, CH3), 1.87-1.73 (m, 2H, NCH2CH2), 1.51-1.40 (m, 2H, CH2), 1.39-1.28 (m, 2H, CH2), 1.23-1.11 (m, 2H, CH2) ppm; ESI-MS:[C182810Pt−Naの計算値:678.13,実測値:678.34。
化合物21と化合物32〜化合物42は、本明細書の一般的な部分において記載した合成手順に従って製造することができる:
Figure 0006867652
Figure 0006867652
実施例2:化合物12(KP2299)のRP−HPLC安定性試験
本発明の化合物の水溶液中の異なるpH値での安定性について、化合物12(KP2299)の異なる緩衝液中のインキュベーションと、RP−HPLCシステムのUV/VIS検出器を250nmで用いた、この化合物のピーク面積の減少の後続のモニタリングによって評価した。故に、化合物12を100mMリン酸緩衝液(pH=7.4)、100mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH=6.3)、100mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH=5.3)、又は100mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH=4.3)のいずれか1つに0.5mMの濃度で溶かして、20℃で24時間インキュベートした。すべての測定は、Chromeleon 7.2 SR4 ソフトウェアによって制御される Ultimate 3000 RS システム(ThermoScientific,マサチューセッツ州ウォルサム、アメリカ)で Waters(ミルフォード、アメリカ)製の Acquity BEH C18 逆相カラム(50x3.0mm,粒径1.7μm)を使用して行った。試行には、以下の条件を使用した:流速:0.6mL/分、サンプラー温度:20℃、カラムオーブン温度:25℃、注入量:10μL、勾配:10分で5〜95% MeOH(及びHO(+0.1% HCOOH))。この化合物について、最初は該化合物の調製後すぐに(2〜3分後)、そしてその後は60分ごとに測定した。化合物の減少は、化合物の調製直後のピーク面積に対する化合物のピーク面積によって計算した。該化合物は、pH=4.3とpH=5.3で安定であって、24時間にわたって有意な変化が無いことがわかった。pH=6.3では、加水分解が0.5%/時間未満であるが、pH=7.4では、加水分解がきわめて速くて、約2.6%/時間である(図面5を参照のこと)。本発明のさらなる化合物について試験すると、対応する結果を得ることができる。このように、本発明の化合物は、KP2299を含めて、約4〜6のpHで特に安定であることを見出した。従って、本発明による式(I)の化合物は、有利にも、4〜6のpH(特に、約5のpH)を有する液体の水性組成物の形態で、又は再水和されるときに4〜6のpH(特に、約5のpH)を有する、再水和用の固形組成物として提供することができる。
実施例3:抗癌活性についての生体内(in vivo)アッセイ
CT−26実験:
CT−26結腸癌細胞(無血清培地中5x10個)をBalb/cマウスの右脇腹へ皮下注射した。動物を9mg/kgのオキサリプラチンと等モル濃度の指定のオキサリプラチン放出薬剤で週2回(月曜日と木曜日)処理した(i.v.;臨床プロトコルに従って、KP2156、KP2299(化合物12)、及びKP2541(化合物22)は0.9% NaCl溶液に溶かし、KP2260(化合物11)は10%プロピレングリコール/0.9% NaClに溶かして、オキサリプラチンは5%グルコース溶液に溶かした)。KP2552(4−メチル−1,2−シクロヘキサンジアミン部分がある、化合物23と化合物24の混合物)の場合も、オキサリプラチンの溶媒及び適用スキームを使用した。シスプラチン放出プロドラッグのKP2372(化合物8)及びKP2540(化合物30)の場合は、3mg/kgのシスプラチンと等モルの用量を週2回適用した。カルボプラチン誘導体のKP2551(化合物20)では、12mg/kgのカルボプラチンと等モルの用量を適用した。これらの錯体は0.9% NaClに溶かし、白金(II)薬剤では、臨床プロトコルに従って5%グルコース溶液を使用した。動物について苦痛の発現を毎日制御して、腫瘍サイズをノギス測定によって定期的に評価した。式:(長さx幅)を使用して腫瘍体積を計算した。
B16実験:
B16黒色腫細胞(無血清培地中1x10個)を雄性C57/B6JRjマウスの右脇腹へ皮下注射した。動物を9mg/kgのオキサリプラチンと等モル濃度のKP2299で週2回処理した(i.v.;0.9% NaCl溶液に溶かした)。オキサリプラチンは、臨床プロトコルに従って、5%グルコース溶液に溶かした。動物について苦痛の発現を毎日制御して、腫瘍サイズをノギス測定によって定期的に評価した。式:(長さx幅)を使用して腫瘍体積を計算した。
L1210実験:
L1210マウス白血病細胞(1x10個)を0.2mLの容量で雌性DBA/2J(シスプラチン放出薬剤)又は雄性DBA/2JxBalb/c SCID F1マウス(オキサリプラチン放出薬剤)へ腹腔内注射した。化合物(図面4を参照のこと;上記に記載のように溶かした)を3mg/kgのシスプラチンと9mg/kgのオキサリプラチンにそれぞれ等しいモル数の薬物濃度で1、5、及び9日目に腹腔内投与した。日々の動物観察とその体重の記録によって毒性をモニターした。実験マウスの生存の長さを未処理対照動物に比較して記録することによって、医薬候補品の治療効果をモニターした。
結果:
モノ官能化オキサリプラチン誘導体の1つ(KP2299)は、オキサリプラチン(CT−26についての図面1A及び図面2とB16腫瘍についての図面3を参照のこと)とビスマレイミド化合物:KP2156(図面1Bを参照のこと)に比較して、並外れて増加した抗癌活性を明らかにした。この活性が雌性マウスにおいて特に顕著であったことは注目に値する(図面2を参照のこと)。ここでは、処理によって4匹のうち3匹の動物が完全寛解した。このことに注目すべきなのは、ごく類似したモノ官能化類似体:KP2260(図面1Cを参照のこと)、リンカーにNH基を欠くオキサリプラチン類似体:KP2541(図面1Eと図面1Fを参照のこと)、並びに4−メチル−1,2−シクロヘキサンジアミン誘導体:KP2552がKP2299よりずっと活性が低いか又は少なくとも遅れて活性であったからである(図面1Gを参照のこと)。加えて、シスプラチン類似体:KP2372(図面1Dを参照のこと)とKP2540は、全般に不活性であった(図面1Eと図面1Fを参照のこと)。対照的に、カルボプラチンプロドラッグのKP2551は、ごく強い抗癌活性を有して、2/4の動物で完全寛解をもたらした。このことが特に注目されたのは、等モル濃度のカルボプラチンがCT−26腫瘍の成長に全く影響が無かったからである(図面1Gを参照のこと)。
固形癌モデルにおけるこれらの有望な効果に加えて、白血病モデル(L1210)においても、数匹の動物の治療をもたらす、明確に増強された抗癌活性が観測された。対照的に、フリーのオキサリプラチンは、処理動物の約50%にしか寿命延長をもたらさなかった(図面4を参照のこと)。ここでも、シスプラチン放出誘導体は、フリーのシスプラチンに優る結果を示さなかった。上記の抗白血病効果は、マレイミド官能化薬剤がいわゆる血管透過性・滞留性亢進効果(EPR効果)により固形腫瘍組織を特に標的とすると想定されているだけに、予想外のことである。
このように、本発明による式(I)の化合物は、特に化合物:KP2299(化合物12)及びKP2551(化合物20)を含めて、結腸癌、黒色腫、及び白血病が含まれる癌の治療においてきわめて有効であることが実証された。

Claims (23)

  1. 以下の式(I):
    Figure 0006867652
    [式中:
    とRは、一緒に結合して、部分(A1)、(A2)又は(A3):
    Figure 0006867652
    を形成し、
    とRは、一緒に結合して、部分(B1)を形成するか又はRは、部分(B2)であって、Rは、−NHである、又はRとRは、それぞれ−NHであり:
    Figure 0006867652
    は、−N(R51)−又は−CH−であり;
    51は、水素又はC1−8アルキルである;
    は、C1−8アルキレンであり、ここで前記C1−8アルキレンに含まれる1又は2の−CH−単位は、−O−、−CO−、−C(=O)O−、−O−C(=O)−、−N(R61)−、−N(R61)−CO−、−CO−N(R61)−、アリーレン、及びヘテロアリーレンより独立して選択される基によってそれぞれ置換されてもよく、ここで前記アリーレンと前記ヘテロアリーレンは、1以上のR62基でそれぞれ置換されてもよく;
    それぞれのR61は、水素とC1−8アルキルより独立して選択され;
    それぞれのR62は、C1−8アルキル、C2−8アルケニル、C2−8アルキニル、−(C0−3アルキレン)−OH、−(C0−3アルキレン)−O(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−SH、−(C0−3アルキレン)−S(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−NH、−(C0−3アルキレン)−NH(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−N(C1−8アルキル)(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−ハロゲン、−(C0−3アルキレン)−(C1−8ハロアルキル)、−(C0−3アルキレン)−CF、−(C0−3アルキレン)−CN、−(C0−3アルキレン)−CHO、−(C0−3アルキレン)−CO−(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−COOH、−(C0−3アルキレン)−CO−O−(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−O−CO−(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−CO−NH、−(C0−3アルキレン)−CO−NH(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−CO−N(C1−8アルキル)(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−NH−CO−(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−N(C1−8アルキル)−CO−(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−SO−NH、−(C0−3アルキレン)−SO−NH(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−SO−N(C1−8アルキル)(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−NH−SO−(C1−8アルキル)、及び−(C0−3アルキレン)−N(C1−8アルキル)−SO−(C1−8アルキル)より独立して選択される;
    は、水素、C1−8アルキル、C2−8アルケニル、C2−8アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、−O−(C1−8アルキル)、−O−(C2−8アルケニル)、−O−(C2−8アルキニル)、−O−シクロアルキル、−O−ヘテロシクロアルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−N(R71)−(C1−8アルキル)、−N(R71)−(C2−8アルケニル)、−N(R71)−(C2−8アルキニル)、−N(R71)−シクロアルキル、−N(R71)−ヘテロシクロアルキル、−N(R71)−アリール、及び−N(R71)−ヘテロアリールより選択され、ここで上述した基のいずれにも含まれる前記C1−8アルキル又はC1−8アルキル部分、上述した基のいずれにも含まれる前記C2−8アルケニル又はC2−8アルケニル部分、及び上述した基のいずれにも含まれる前記C2−8アルキニル又はC2−8アルキニル部分は、1以上のR72基でそれぞれ置換されてもよく、そしてさらにここで上述した基のいずれにも含まれる前記シクロアルキル又はシクロアルキル部分、上述した基のいずれにも含まれる前記ヘテロシクロアルキル又はヘテロシクロアルキル部分、上述した基のいずれにも含まれる前記アリール又はアリール部分、及び上述した基のいずれにも含まれる前記ヘテロアリール又はヘテロアリール部分は、1以上のR73基でそれぞれ置換されてもよく;
    それぞれのR71は、水素とC1−8アルキルより独立して選択され;
    それぞれのR72は、−OH、−O(C1−8アルキル)、−SH、−S(C1−8アルキル)、−NH、−NH(C1−8アルキル)、−N(C1−8アルキル)(C1−8アルキル)、ハロゲン、C1−8ハロアルキル、−CF、−CN、−CHO、−CO−(C1−8アルキル)、−COOH、−CO−O−(C1−8アルキル)、−O−CO−(C1−8アルキル)、−CO−NH、−CO−NH(C1−8アルキル)、−CO−N(C1−8アルキル)(C1−8アルキル)、−NH−CO−(C1−8アルキル)、−N(C1−8アルキル)−CO−(C1−8アルキル)、−SO−NH、−SO−NH(C1−8アルキル)、−SO−N(C1−8アルキル)(C1−8アルキル)、−NH−SO−(C1−8アルキル)、及び−N(C1−8アルキル)−SO−(C1−8アルキル)より独立して選択され;
    それぞれのR73は、C1−8アルキル、C2−8アルケニル、C2−8アルキニル、−(C0−3アルキレン)−OH、−(C0−3アルキレン)−O(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−SH、−(C0−3アルキレン)−S(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−NH、−(C0−3アルキレン)−NH(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−N(C1−8アルキル)(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−ハロゲン、−(C0−3アルキレン)−(C1−8ハロアルキル)、−(C0−3アルキレン)−CF、−(C0−3アルキレン)−CN、−(C0−3アルキレン)−CHO、−(C0−3アルキレン)−CO−(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−COOH、−(C0−3アルキレン)−CO−O−(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−O−CO−(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−CO−NH、−(C0−3アルキレン)−CO−NH(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−CO−N(C1−8アルキル)(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−NH−CO−(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−N(C1−8アルキル)−CO−(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−SO−NH、−(C0−3アルキレン)−SO−NH(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−SO−N(C1−8アルキル)(C1−8アルキル)、−(C0−3アルキレン)−NH−SO−(C1−8アルキル)、及び−(C0−3アルキレン)−N(C1−8アルキル)−SO−(C1−8アルキル)より独立して選択される;
    それぞれのRは、C1−8アルキル、C2−8アルケニル、C2−8アルキニル、−OH、−O−(C1−8アルキル)、−SH、−S−(C1−8アルキル)、−NH、−NH(C1−8アルキル)、−N(C1−8アルキル)(C1−8アルキル)、ハロゲン、C1−8ハロアルキル、−CF、−CN、−CHO、−CO−(C1−8アルキル)、−COOH、−CO−O−(C1−8アルキル)、−O−CO−(C1−8アルキル)、−CO−NH、−CO−NH(C1−8アルキル)、−CO−N(C1−8アルキル)(C1−8アルキル)、−NH−CO−(C1−8アルキル)、−N(C1−8アルキル)−CO−(C1−8アルキル)、−SO−NH、−SO−NH(C1−8アルキル)、−SO−N(C1−8アルキル)(C1−8アルキル)、−NH−SO−(C1−8アルキル)、及び−N(C1−8アルキル)−SO−(C1−8アルキル)より独立して選択され;
    それぞれのRは、C1−8アルキル、C2−8アルケニル、C2−8アルキニル、−OH、−O−(C1−8アルキル)、−SH、−S−(C1−8アルキル)、−NH、−NH(C1−8アルキル)、−N(C1−8アルキル)(C1−8アルキル)、ハロゲン、C1−8ハロアルキル、−CF、−CN、−CHO、−CO−(C1−8アルキル)、−COOH、−CO−O−(C1−8アルキル)、−O−CO−(C1−8アルキル)、−CO−NH、−CO−NH(C1−8アルキル)、−CO−N(C1−8アルキル)(C1−8アルキル)、−NH−CO−(C1−8アルキル)、−N(C1−8アルキル)−CO−(C1−8アルキル)、−SO−NH、−SO−NH(C1−8アルキル)、−SO−N(C1−8アルキル)(C1−8アルキル)、−NH−SO−(C1−8アルキル)、及び−N(C1−8アルキル)−SO−(C1−8アルキル)より独立して選択され;
    nは、0〜8の整数であり;そして
    mは、0〜6の整数である]の化合物、又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物であって、
    (i)RとRは一緒に結合して部分(A2)又は(A3)を形成し;または
    (ii)RとRは一緒に結合して部分(B1)を形成し、nは1、2、3、又は4であり;または
    (iii)Rは部分(B2)であって、Rは、−NHであり;または
    (iv)RとRは一緒に結合して部分(A1)を形成し、RとRは一緒に結合して部分(B1)を形成し、Rは−NH−であり、Rは−(CH−であり;または
    (v)式(I)の化合物は下に示されるいずれかの構造を有する、
    Figure 0006867652


    化合物、又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物。
  2. とRが一緒に結合して部分(A2)を形成して、RとRが一緒に結合して部分(B1)を形成する、請求項1の化合物、又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物。
  3. とRが一緒に結合して部分(A2)を形成して、RとRがそれぞれ−NHである、請求項1の化合物、又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物。
  4. とRが一緒に結合して部分(A3)を形成する、請求項1の化合物、又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物。
  5. が部分(B2)であって、Rが−NHであり、RとRが一緒に結合して部分(A1)又は(A2)を形成する、請求項1の化合物、又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物。
  6. とRが一緒に結合して部分(A1)を形成し、RとRが一緒に結合して部分(B1)を形成し、Rが−NH−であり、Rは−(CH−である、請求項1の化合物、又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物。
  7. が、−NH−、−N(−CH)−、又は−N(−CHCH)−であり、および/またはRが−CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、及び−(CH−より選択される、請求項1〜6のいずれかに記載の化合物、又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物。
  8. が−NH−であり、R−(CH である、請求項7の化合物、又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物。
  9. がC1−5アルキルである、請求項1〜8のいずれかに記載の化合物、又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物。
  10. −CH である、請求項9の化合物、又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物。
  11. とRは一緒に結合して部分(A2)を形成し;
    は−NH−、−N(−CH)−、又は−N(−CHCH)−であり;
    が−CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、又は−(CH−であり;
    がC1−5アルキルであり:および
    mが0である、請求項1の化合物、又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物。
  12. 以下の式:
    Figure 0006867652
    Figure 0006867652
    Figure 0006867652
    Figure 0006867652
    のいずれか1つを有する化合物である、請求項1の化合物、又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物。
  13. 以下の式:
    Figure 0006867652
    を有する化合物である、請求項1の化合物、又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物。
  14. 溶媒和物が水和物である、請求項1〜13のいずれか1項の化合物、又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物。
  15. 前記化合物またはその溶媒和物が塩の形態ではない、請求項1〜13のいずれか1項の化合物、又はその溶媒和物。
  16. 溶媒和物が水和物である、請求項15の化合物又はその溶媒和物。
  17. 請求項1〜14のいずれか一項の化合物、又はその医薬的に許容される塩又は溶媒和物、および医薬的に許容される賦形剤を含んでなる医薬組成物。
  18. 前記化合物またはその溶媒和物が塩の形態ではない、請求項17の医薬組成物。
  19. 溶媒和物が水和物である、請求項18の医薬組成物。
  20. 癌の治療又は予防に使用するための、請求項17〜20のいずれか1項の医薬組成物。
  21. 癌が、消化器癌、結直腸癌、結腸癌、婦人科癌、子宮内膜癌、肝癌、肝細胞癌、膵臓癌、胆管癌、胃癌、尿生殖器癌、膀胱癌、精巣癌、子宮頸部癌、悪性中皮腫、骨原性肉腫、食道癌、喉頭癌、前立腺癌、ホルモン抵抗性前立腺癌、肺癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、乳癌、トリプルネガティブ乳癌、BRCA1及び/又はBRCA2遺伝子変異を有する乳癌、血液癌、白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、卵巣癌、脳腫瘍、神経芽腫、ユーイング肉腫、腎癌、表皮癌、皮膚癌、黒色腫、頭頚部癌、頭頚部扁平細胞癌、及び口腔癌より選択される、好ましくは膵臓癌、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、婦人科癌、卵巣癌、膀胱癌、子宮内膜癌、子宮頸部癌、トリプルネガティブ乳癌、および頭頚部癌より選択され、特に好ましくは卵巣癌、肺癌、および膵臓癌から選択される、請求項20の医薬組成物。
  22. 抗癌剤と組み合わせて、及び/又は放射線療法及び/又は免疫療法と組み合わせて投与することが可能であり、
    場合によりパクリタキセル、nab−パクリタキセル、ドセタキセル、ラロタキセル、オルタタキセル、及びテセタキセルより選択される抗有糸***剤と組み合わせて投与することが可能であるか、
    またはゲムシタビン、エトポシド、ビンクリスチン、ベバシズマブ、またはトラスツズマブと組み合わせて投与することが可能である、請求項20または21の医薬組成物。
  23. 好ましくはイピリムマブ又はトレメリムマブである、抗CTLA−4抗体;好ましくは、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピジリズマブ、AMP−224、又はAPE02058である、抗PD−1抗体;好ましくは、BMS−936559、MEDI4736、MPDL3280A、MDX−1105、又はMEDI6469である、抗PD−L1抗体;抗TIM3抗体;好ましくは、BMS−986016、IMP701、又はIMP731である、抗LAG3抗体;好ましくはMEDI0562である、抗OX4抗体;好ましくはIMC−CS4又はRG7155である、抗CSF1R抗体;抗IDO抗体;又は、好ましくはCP−870,893又はChi Lob 7/4である、抗CD40抗体より選択される免疫腫瘍療法剤と組み合わせて投与することが可能である、請求項20または21の医薬組成物。
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