JP6867214B2 - 角速度検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、慣性等の物理量を検出する物理量検出装置に関し、例えば角速度検出装置に適用して有効な技術に関する。
慣性等の物理量を検出する物理量検出装置として、角速度検出装置(以下、角速度センサと記載する場合がある)がある。角速度センサの一種として、振動型角速度センサがある。振動型角速度センサは、慣性体の振動振幅や振動周波数の変化を利用して物体の角速度を検出する。振動型角速度センサは、物質が及ぼす角速度の変動、傾斜角等の物体の状態を観測可能である。角速度センサは、例えば自動車等の乗り物の制御、無人飛行機や遠隔操作ロボットの姿勢制御や姿勢検知、音波や地震波等の観測、老朽インフラの保守情報の取得、スマートフォンへの具備等、各種の用途に使用されている。
振動型角速度センサにおいて、慣性体の振動状態を計測するために静電容量の変化を適切な電子回路によって計測する手法が一般的に用いられている。このような角速度センサは容量検出型角速度センサと呼ばれている。静電容量は角速度センサのフレームに対して相対的に変位できる慣性体を一方の電極とし、フレームに対して固定されたもう一方の電極とから構成される。この静電容量の変化量(ΔC)は一般的に慣性体の変位がゼロの時の初期容量値(C0)に比較して小さい(ΔC<<C0)。静電容量検出回路により検出および増幅される静電容量はC0+ΔCであるから、検出回路の増幅率を十分に大きくしてΔCを高精度で検出するためにはC0成分を増幅器の入力以前の段階で除去もしくは減少させることが必要である。
特許文献1には、容量検出器の入力ノードにおいてC0に由来するフィードスルー電荷と寄生容量に由来する電荷を固定容量により相殺して除去する回路技術が示されている。
特表2014-529972号公報
容量検出型角速度センサにおいて、初期容量値は角速度センサ要素の製造ばらつきにより変化する。同様に、角速度センサ要素および制御回路チップの実装状況により寄生容量成分の大きさは変化する。このため、前述した特許文献1に示されているように、例えば回路チップ内に作られた固定容量を用いてC0成分および寄生成分を除去する方法では、大きな製造ばらつきには対応できない。よって増幅回路の増幅率を大きくできないため、信号雑音比(S/N)が劣化するという課題があった。
本発明の代表的な目的は、信号雑音比を高く維持できる角速度検出装置を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴については、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
一実施の形態における角速度検出装置は、第1の容量検出回路および第2の容量検出回路を含む複数の容量検出回路と、前記第1の容量検出回路からの第1の交流信号出力と前記第2の容量検出回路からの第2の交流信号出力との直流成分に基づいて、前記第1の容量検出回路の入力ノードにおいて第1のフィードスルー成分を除去する第1のフィードスルー除去回路、および前記第2の容量検出回路の入力ノードにおいて第2のフィードスルー成分を除去する第2のフィードスルー除去回路と、を備える。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
一実施の形態によれば、信号雑音比を高く維持できる角速度検出装置を提供することができる。
実施の形態に対する比較例の角速度センサにおける課題を示す図である。 実施の形態1において、電荷相殺機能を搭載した角速度センサの静電容量変化出力を検出する回路構成例を示す図である。 実施の形態1において、電荷相殺動作の一例を示す図である。 実施の形態1において、センサ要素の等価回路、および駆動制御回路の構成を示す図である。 実施の形態1において、センサ要素の実装構造例を示す図である。 実施の形態1において、角速度電荷相殺の実装構成例を示す図である。 実施の形態2において、電荷相殺機能を搭載した角速度センサの静電容量変化出力を検出する回路構成例を示す図である。 実施の形態3において、電荷相殺機能を搭載した角速度センサの静電容量変化出力を検出する回路構成例を示す図である。 実施の形態4において、電荷相殺機能を搭載した角速度センサの静電容量変化出力を検出する回路構成例を示す図である。 実施の形態5において、電荷相殺機能を搭載した角速度センサの静電容量変化出力を検出する回路構成例を示す図である。 実施の形態5において、物理量検出システムの構成例を示す図である。 実施の形態6において、電荷相殺機能を搭載した角速度センサの静電容量変化出力を検出する回路構成例を示す図である。
以下、実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において同一部には原則として同一符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、図面を分かりやすくするために、平面図であってもハッチングを付す場合があり、また断面図であってもハッチングを省略する場合がある。
(従来の課題)
角速度センサ(角速度検出装置)の一種である容量検出型角速度センサにおいて、初期容量値(C0)は角速度センサ要素の製造ばらつきにより変化する。同様に、角速度センサ要素および制御回路チップの実装状況により寄生容量成分の大きさは変化する。このため、前述した特許文献1に示されているように、例えば回路チップ内に作られた固定容量を用いてC0成分および寄生成分を除去する方法では、大きな製造ばらつきには対応できない。よって増幅回路の増幅率を大きくできないため、信号雑音比(S/N)が劣化するという課題があった。
一方で、回路チップ内に固定容量ではなく可変の容量を備えることで、大きな製造ばらつきに対応する方法も考えられる。例えば、複数の静電容量を回路チップ内に備えておき、角速度センサ製造後の出荷調整時にC0成分および寄生容量成分を角速度センサ毎に個別計測し、この計測結果に基づき、あらかじめ備えてある複数の静電容量から適切な個数の静電容量を回路に接続することで、前述した特許文献1よりも高精度でC0および寄生成分を除去することが可能となる。しかし、この方法では出荷調整コストが大きくなり、結果として角速度センサのコストが上昇してしまうという課題がある。さらに、C0成分および寄生成分を計測するための余分な回路を回路チップ上に設ける必要があり、チップ面積が増大してセンサのコストが増大するという課題もある。
さらに、上記2つの例に共通の課題として、角速度センサの出荷および製造時に設定した相殺電荷量を、出荷後に変更できないという点が挙げられる。高い信頼性を有する角速度センサは、使用される環境の振動や温度が変化するような状況でも正確に動作することが求められる。環境に応じて相殺電荷量を変動させる、もしくは、センサの動作中やシステムがキャリブレーション信号を発行したタイミングで相殺電荷量を変化させるような動作が出来れば、常に高いS/Nを維持しつつ、信頼性の高い角速度センサを提供することが可能となる。
そこで、本実施の形態では、第1に、信号雑音比を高く維持できる角速度センサを提供することを目的とする。第2に、出荷調整工程等のコストを低くできる角速度センサを提供することを目的とする。
具体的に、図1を用いて、実施の形態に対する比較例の角速度センサ(角速度検出装置)における課題を詳細に述べる。図1は、実施の形態に対する比較例の角速度センサにおける課題を示す図である。
図1において、(A)は一般的な容量検出回路と角速度センサの等価回路を示したものである。センサ要素109は、2つの差動可変容量110および111で構成され、搬送波入力CRRと正側出力ASDpと負側出力ASDnを有する。搬送波は搬送波生成回路108により生成され、センサ要素109に入力される。容量検出回路100は、例えば2つのスイッチ(SW)101および106、2つの帰還容量102および105、2つのオペアンプ103および104から構成される。オペアンプ103および104のリファレンス電圧Vが外部から生成される。
以上の構成から、スイッチ101および106がONの時にはリセット状態、OFFの時にはセット状態として信号を増幅するサンプルアンドホールド動作を行う。容量検出回路100の差動出力CVOUTpおよびCVOUTnが、差動のアナログ入力をデジタル変換するアナログデジタル変換回路107に入力され、差動出力ADCOUTを得る。差動出力ADCOUTを適切に処理してアナログフロントエンド出力SENSOUTを得る出力回路(OUTPUT)112により、センサ要素出力を後段の回路に伝達する。
上記の構成において、センサ要素109の差動可変容量110および111の初期容量C0が容量変化ΔCに比較して大きい場合、フィードバック容量をCf、搬送波振幅をVcとすれば、差動出力CVOUTp=Vc(C0+ΔC)/Cfおよび差動出力CVOUTn=Vc(C0−ΔC)/Cfとなるため、搬送波振幅Vcおよびフィードバック容量Cfの設定次第では信号の飽和が起こる。
図1(B)および(C)には、飽和した場合の差動出力CVOUTpおよびCVOUTnの一例を示した。アナログ回路においては、一般的に回路に供給される電源電圧や回路内部で生成する安定化電源電圧(例えば0Vと3.3V)を越える電位を処理することはできないため、信号強度が想定を超えて大きい場合にこのような飽和が起きる。図1(B)および(C)のような飽和した信号を入力した場合、アナログデジタル変換回路107の差動出力ADCOUTは図1(D)に示すように波形が歪み、正しい差動信号処理が出来なくなる。このような事態を防ぐためには、容量検出回路100の差動出力CVOUTpおよびCVOUTnにおいて飽和が起きないように処理する必要がある。
また、容量検出回路100の差動出力CVOUTpおよびCVOUTnの直流成分が同等で、かつ、両方の信号が飽和している場合、差動出力ADCOUTにおいては直流成分がゼロだが波形が歪んでいるという状況が発生しうる。つまり、アナログデジタル変換回路107の差動出力ADCOUTにおいて直流成分がゼロになるのが良いのではなく、アナログデジタル変換回路107の入力において歪および飽和が発生していないことが望ましい。
上記の飽和を防ぐ方法として、搬送波振幅Vcおよびフィードバック容量Cfの大きさを調整する方法がある。しかし、容量変化ΔCの増幅率も小さくなってしまうため、信号雑音比S/Nが劣化してしまう。よって、最も望ましい方法は、初期容量C0の寄与を容量検出回路100の入力で除去することである。以下の実施の形態において詳細に説明する。
(実施の形態1)
図2〜図6を用いて、実施の形態1の角速度センサ(角速度検出装置)について説明する。図2は、実施の形態1において、電荷相殺機能を搭載した角速度センサの静電容量変化出力を検出する回路構成例を示す図である。図3は、実施の形態1において、電荷相殺動作の一例を示す図である。図4は、実施の形態1において、センサ要素の等価回路、および駆動制御回路の構成を示す図である。図5は、実施の形態1において、センサ要素の実装構造例を示す図である。図6は、実施の形態1において、角速度電荷相殺の実装構成例を示す図である。
[角速度センサの静電容量変化出力を検出する回路の構成例]
図2には、センサ要素に含まれる一組の差動容量を検出する際に、適切に初期容量C0を除去して最適な増幅率を実現するための回路、すなわち電荷相殺機能を搭載した角速度センサの静電容量変化出力を検出する回路の構成例を示している。電荷相殺機能を搭載した角速度センサの静電容量変化出力を検出する回路は、容量検出回路207と、アナログデジタル変換回路(ADC)214と、出力回路(OUTPUT)217と、平均化回路(AVE)215と、論理回路(LOGIC)216と、フィードスルー除去回路201および218と、反転回路206および223から構成される。
容量検出回路207は、図1の従来方式と同等の構成となっている。すなわち、容量検出回路207は、2つのスイッチ(SW)208および213、2つの帰還容量209および212、2つのオペアンプ210および211から構成される。この容量検出回路207は、スイッチ208、帰還容量209およびオペアンプ210からなる正側の容量検出回路(第1の容量検出回路)と、スイッチ213、帰還容量212およびオペアンプ211からなる負側の容量検出回路(第2の容量検出回路)とを含み、複数の容量検出回路で構成される。センサ要素224は、2つの差動可変容量225および226で構成される。搬送波は搬送波生成回路227により生成され、センサ要素224に入力される。
アナログデジタル変換回路214は、容量検出回路207からの差分交流信号である差動出力CVOUTpおよびCVOUTnを取得し、これをデジタル値に変換する回路である。出力回路217は、アナログデジタル変換回路214からの出力ADCOUTを適切に処理してセンサ出力とする回路である。平均化回路215は、アナログデジタル変換回路214からの差分交流信号である出力ADCOUTを平均化して、これに含まれる直流成分を抽出する回路である。論理回路216は、平均化回路215で平均化処理後の直流成分である出力AVEOUTを演算に必要な定数VALに基づいて処理し、フィードスルー成分であるフィードスルー電荷除去量DCOCpおよびDCOCnを推定する回路である。反転回路206および223は、搬送波を反転する回路である。
正側のフィードスルー除去回路201は、デジタルアナログ変換回路(DAC)204と、アンプ(AMP)203と、アナログ乗算器202と、フィードスルー除去容量205から構成される。この正側のフィードスルー除去回路201は、容量検出回路207の入力ノードASDpとアナログ乗算器202との間に挿入される。デジタルアナログ変換回路204は、フィードスルー電荷除去量DCOCpのデジタル値をアナログ値に変換する回路である。アンプ203(増幅回路)は、デジタルアナログ変換回路204の出力DACOpを適切に増幅する回路である。アナログ乗算器202(ミキサ回路)は、容量検出回路207の動作クロックである反転した搬送波信号CRRBとアンプ203の出力AOpを乗算する乗算器である。フィードスルー除去容量205は、アナログ乗算器202の出力DCCpに応じた電荷をオペアンプ210の入力ノードASDpから除去する容量である。この正側のフィードスルー除去回路201は、容量検出回路207からの交流信号出力(CVOUTp)の直流成分(AVEOUT)に基づいて、容量検出回路207の入力ノードASDpにおいてフィードスルー成分を除去する第1のフィードスルー除去回路である。
負側のフィードスルー除去回路218は、正側のフィードスルー除去回路201と同等の構成となっている。すなわち、負側のフィードスルー除去回路218は、デジタルアナログ変換回路(DAC)221と、アンプ(AMP)220と、アナログ乗算器219と、フィードスルー除去容量222から構成される。この負側のフィードスルー除去回路218は、容量検出回路207の入力ノードASDnとアナログ乗算器219との間に挿入される。この負側のフィードスルー除去回路218は、容量検出回路207からの交流信号出力(CVOUTn)の直流成分(AVEOUT)に基づいて、容量検出回路207の入力ノードASDnにおいてフィードスルー成分を除去する第2のフィードスルー除去回路である。
搬送波生成回路227とセンサ要素224、容量検出回路207、アナログデジタル変換回路214、出力回路217の接続関係および動作は前述した図1の従来方式と同等である。Vはオペアンプ210および211の基準電位であり、かつセンサ要素224に印加されるバイアス電圧を決定するため、回路動作およびセンサ要素224の機械的動作に十分に考慮して適切に設定されることが望ましい。出力回路217は、例えばフィルタ処理をしたり、ダウンサンプリングしたりする機能を有する。図2中に明らかには記載しないが、角速度センサの動作には駆動制御の機能も必要であり、これは出力回路217の出力SENSOUTを用いて別の回路により実現される。
角速度センサは、慣性体が機械的な構成で決定される共振周波数f0で振動した状態で動作するため、容量変化ΔCは共振周波数で変調されてセンサ要素224から出力される。一方で、初期容量C0に起因するフィードスルー信号や寄生成分に起因する電荷は共振周波数f0で変調されず、直流成分として信号出力に重畳される。センサ要素224の正側の差動可変容量225の初期容量をC0p、容量変化をΔC、帰還容量209の値をCf、搬送波の電圧をVcとすると、差動出力CVOUTp=Vc(C0p+ΔC)/Cfと記述される。同様に、センサ要素224の負側の差動可変容量226の初期容量をC0n、容量変化をΔC、帰還容量212の値をCfとすると、差動出力CVOUTn=Vc(C0n−ΔC)/Cfと記述される。よって、アナログデジタル変換回路214の出力ADCOUT=Vc(C0p−C0n+2ΔC)/Cfとなる。平均化回路215がセンサ要素224の共振周波数f0以下の周波数で平均化処理を行うとf0に変調されたΔC成分がゼロになるため、平均化回路215の出力AVEOUT=Vc(C0p−C0n)/Cfとしてフィードスルー成分の差分が出力されることになる。
この平均化回路215の出力AVEOUTを入力として、論理回路216において実際のフィードスルー電荷除去量を演算する。初期容量C0pおよびC0nの大きさが等しい場合には、この信号がゼロになるためフィードスルー除去動作は行われないが、実際の回路においてフィードスルー除去を行う前にC0p=C0nとなることは稀である。C0p≠C0nの場合、AVEOUTの符号からC0pとC0nのどちらが大きいかを判別し、AVEOUT>0(C0p>C0)nの場合にはフィードスルー電荷除去量DCOCpにフィードバックし、AVEOUT<0(C0p<C0n)の場合にはフィードスルー電荷除去量DCOCnにフィードバックを行うこととする。フィードスルー電荷除去量DCOCpおよびDCOCnの初期値は、ゼロまたは演算に必要な定数VALにより与えられるものとする。定数VAL自体は通信により外部システムから与えられてもよいし、システム内に具備されたメモリ(揮発性メモリ、不揮発メモリのどちらでもよいが、最低でも論理回路216の処理速度以上のデータレートを有していることが必要)から与えられてもよい。
実際のフィードバック量には、演算に必要な定数VALから与えられた定数α1を乗じる。すなわち、DCOCp=α1・Vc(C0p−C0n)/Cfとし、フィードバックを常時行う場合にはその都度、DCOCpの値をインクリメントして更新していくものとする。これにより、複数回のフィードバックの後にある適切な電荷キャンセル量に収束するように制御される。定数α1の値は、オペアンプ210の入力ノードASDpにおける実際の電荷キャンセル量がVc(C0p−C0n)/Cfよりも大きくなるように適切に設定されることが望ましい。言い換えれば、キャンセル電荷量がα1・Vc(C0p−C0n)/Cfと書き表され、α1>1となるように設定する。このような条件を満たすように、アンプ203の増幅率とフィードスルー除去容量205の静電容量Cdoを設定しておくことが好ましい。もしもα1=1の場合、一回の電荷キャンセルの後にC0p=C0nとなり、それ以降の電荷キャンセル動作が行われなくなる。
実施の形態1では、容量検出回路207の差動出力CVOUTpおよびCVOUTnにおける直流成分を直接観測することなく、推定しながら電荷を除去するため、実際はC0p=0かつC0n=0まで電荷除去を行うべきところ、C0p=C0n≠0の条件が満たされてしまうと、この時点で電荷除去のループが終了してしまい、これ以上の除去が進まないからである。よって、α1>1を満たしながらループをまわしていくことが望ましい。α1>1の場合、仮に一回前のループで値が更新されたのがDCOCpであった場合、今回のループで値が更新されるのはDCOCnとなる。言い換えれば、一回前のループではC0p>C0nであったためにCDOCpが更新されたので、次は必ずC0p<C0nになるということである。このように、交互にp側とn側のC0を減じていくことで両者をゼロに近づけていくことができる。一回のループに要する最短時間は容量検出回路207の動作クロック、すなわち、スイッチ208および213の動作周波数fsで決定する。通常、センサ要素224の共振周波数f0に比較してスイッチ208および213の動作周波数fsは2倍以上に大きいため、最低でもfs=2f0でフィードバックループを回すことができる。これは、一般的な角速度センサにおけるバンド幅に比較して十分に高い周波数であり、センサの計測性能に影響を与えることは無い。
この際、定数α1をずっと一定値に保っていた場合、推定除去量が発散する可能性があるが、適切なアルゴリズムでα1を更新していくことでこれを回避可能となる。例えば、平均化回路215の出力AVEOUTの値がある一定値βよりも小さくなった場合には、α1をある決められた値Δαだけ減じて次の定数はα2=α1−Δαとするなどのアルゴリズムが考えられる。Δαおよびβの値は、演算に必要な定数VALとしてメモリに記憶しておくか、外部のシステムから必要に応じて設定および変更できるようにしておく。
他の推定方法として、PI制御を行う方法がある。すなわち、KpおよびKiを論理回路216に演算に必要な定数VALとして与えておき、フィードスルー電荷除去量DCOCp(DCOCn)=AVEOUT・Kp+Ki∫AVEOUT・dtとする。平均化回路215の出力AVEOUTが正の場合はDCOCpにフィードバックし、負の場合にはDCOCnにフィードバックする。この場合、初期容量C0pおよびC0nをゼロに向けて除去するには、少なくともKp>1を満たす必要がある。また、DCOCpおよびDCOCnは、値を更新するときには新しい推定結果をインクリメントしていく。これにより、ある一定の値に推定が収束していくように制御可能である。KpおよびKiの数値は、センサ要素および回路の設計に依存する。
図3には、電荷の推定除去ループが20回まで回り、容量検出回路207の差動出力CVOUTpおよびCVOUTnにおける直流成分が正しく除去できている様子を示している。図3(A)は20回のループ後にCVOUTpおよびCVOUTnの直流成分がほぼゼロまで減じられていることが分かる。その際には、図3(B)に示す通り、アナログデジタル変換回路214の出力ADCOUTの直流成分は正と負の値を交互に取る。これは、α1>1(またはPI制御の場合にはKp>1)を満たしているからである。このように、実施の形態1では厳密にゼロまでではないが、かなり直流成分を推定除去できることが分かる。
前述した通り、一回の推定に要する時間は長くても2f0程度であり、これを20回繰り返した場合、40f0程度となる。仮にf0=10kHzとしたとき、20回の試行に必要な時間は4msである。一般的な角速度検出装置のバンド幅は100Hz程度とすると、これは10msに相当し、20回の推定は検出装置の出力に影響を与えるものではない。逆に言えば、上記推定は装置の出力特性に影響を与えないように、そのパラメータを設定する必要がある。
このためには、例えば、検出装置の出力に影響が出る回数をあらかじめ規定しておき、この回数に達したら推定を自動的に終了する仕組みを設ける。同様に、推定の自動終了には、図3(B)に示すADCOUTの直流成分の絶対値に閾値を設定しておき、前記閾値以下になったら推定を終了するという方法も考えられる。さらに、上記2つの方法のor(論理和)を取り、どちらかの条件が満たされたら推定を終了するという制御も可能である。これらの推定中断動作により検出装置の信頼性が向上する利点がある。つまり、パラメータが合わずいつまでも推定が完了しない、もしくは、推定値が発散するという事態を防止することができる。
[角速度センサ全体の構成例]
図4で、角速度センサ全体の構成例を説明する。前述した図2はアナログフロントエンド回路412および422を詳細に記述したものである。センサ要素(SNS)401は、駆動制御回路(XCTRL)420と、駆動制御回路(YCTRL)410により制御される。センサ要素401は、静電容量素子Cxsp、Cxsn、Cxfp、Cxfn、Cysp、Cysn、CyfpおよびCyfnを有し、各静電容量素子に対応する電極Exsp、Exsn、Exfp、Exfn、Eysp、Eysn、EyfpおよびEyfnを備えている。また、センサ要素401は、搬送波信号CRRの電極E0も備えている。
駆動制御回路(XCTRL)420は、センサ要素401をその共振周波数f0で動作させるように適切な駆動制御を行う。駆動制御回路420は、従来一般的な角速度センサに備える駆動制御回路と同様の構成が適用可能である。駆動制御回路420は、デジタルアナログ変換回路(DAC)421、アナログフロントエンド回路(ANL)422等を含み、アナログフロントエンド回路422以外は公知の回路によって構成できる。駆動制御回路420は、センサ要素401の端子に駆動信号DRVを印加し、センサ要素401の端子からの駆動検出信号ASDを入力し、駆動検出信号ASDに応じてフィードバック制御として駆動信号DRVを生成する。
デジタルアナログ変換回路421は、駆動制御信号DRV0を入力とし、駆動信号DRVを生成し、慣性体の電極ExfpおよびExfnに供給する。駆動信号DRVは、差動信号であり、正側駆動信号DRVpと負側駆動信号DRVnとから成る。
アナログフロントエンド回路422は前述した図2に示す構成を有し、慣性体の電極ExspおよびExsnから出力された駆動検出信号ASDを入力する。駆動検出信号ASDは、差動信号であり、正側駆動検出信号ASDpと負側駆動検出信号ASDnとから成る。アナログフロントエンド回路422は、駆動検出信号ASDをデジタル信号に変換し、アナログフロントエンド出力SENSOUT(ΔX信号)を生成する。アナログフロントエンド回路422がサンプリングホールド回路で構成される場合、搬送波生成回路430で生成された搬送波CRRの周波数の1倍もしくは0.5倍の周波数で動作する。同期検波によって低周波雑音を除去する形態の場合、アナログフロントエンド回路422は、0.5倍の周波数でサンプリングホールドを行う回路として構成されることが望ましい。
駆動制御回路(YCTRL)410は、駆動制御回路420と同様の構成から成り、デジタルアナログ変換回路(DAC)411、アナログフロントエンド回路(ANL)412等を含む。駆動制御回路410は、センサ要素401の端子にサーボ電圧信号SRVを印加し、センサ要素401の端子からの検出信号ASSを入力し、検出信号ASSに応じてフィードバック制御としてサーボ電圧信号SRVを生成する。
デジタルアナログ変換回路411は、サーボ制御信号SRV0を入力とし、サーボ電圧信号SRVを生成し、慣性体の電極EyfpおよびEffnに供給する。サーボ電圧信号SRVは、差動信号であり、正側駆動信号SRVpと負側駆動信号SRVnとから成る。
アナログフロントエンド回路412は前述した図2に示す構成を有し、慣性体の電極EyspおよびEysnから出力された検出信号ASSを入力する。検出信号ASSは、差動信号であり、正側駆動検出信号ASSpと負側駆動検出信号ASSnとから成る。アナログフロントエンド回路412は、検出信号ASSをデジタル信号に変換し、アナログフロントエンド出力SENSOUT(ΔY信号)を生成する。
[センサ要素の実装構造例]
図5は、センサ要素401の機械的、物理的な実装構造例を示す。センサ要素401は、慣性体として、駆動マス501、検出マス502を有する。駆動マス501および検出マス502は、ベース部材に対して弾性部材を介して接続されており、慣性に応じた変位が可能な構造を有する。駆動マス501は、X方向に変位し、その変位をΔXとする。検出マス502は、Y方向に変位し、その変位をΔYとする。図5では、説明上の方向および座標系として(X、Y、Z)を示す。X方向は、第1軸に対応する第1方向であり、駆動マス501の駆動に係わる方向である。Y方向は、X方向に直交する第2軸に対応する第2方向であり、検出マス502のコリオリ検出に係わる方向である。Z方向は、X方向およびY方向に垂直な第3軸に対応する第3方向である。検出対象の角速度Ωは、Z方向の軸周りの角速度である。出力信号OUTのうちの角度は、その角速度Ωの角度である。
センサ要素401では、図4の各静電容量素子Cxsp、Cxsn、Cxfp、Cxfn、Cysp、Cysn、CyfpおよびCyfnが、図5の各電極Exsp1,2、Exsn1,2、Exfp1,2、Exfn1,2、Eysp、Eysn、Eyfp、EyfnおよびE0で構成されている。分かりやすいように、各電極への入出力信号ASDp、ASDn、DRVp、DRVn、ASSp、ASSn、SRVp、SRVnおよびCRRも併せて示している。各電極の端子が、図4の駆動制御回路420および410に接続されている。駆動制御回路420および410のアナログフロントエンド出力SENSOUTである変位ΔXおよび変位ΔYは、対応する容量の電極対の間の距離に応じた静電容量変化を表す電気信号として検出される。
[角速度センサモジュールの実装構成例]
図6は、図4の角速度センサモジュールの実装構成例を示す。図6(A)は、角速度センサモジュールの実装基板を鉛直方向(Z方向)の上から見た平面図を示す。端子と入出力信号との対応関係も併せて示している。図6(B)は、実装基板を水平方向(Y方向)から見た側面図を示す。
実装基板は、第1基板601と、第2基板602を有する。第1基板601上に、第2基板602が積層されている。第2基板602には、センサ要素401が実装されている。第1基板601は、センサ要素401を支持しており、前述した図2や図4の回路が実装されている。第1基板601の矩形の辺部には、回路と接続するための各端子に対応する電極パッド603を有する。第2基板602の矩形の辺部には、センサ要素401の各端子に対応する電極パッド604を有する。第1基板601の電極パッド603と、第2基板602の電極パッド604とが、ワイヤボンディング605を通じて物理的および電気的に接続されている。
なお、製造業者は、第1基板601の電極パッド603に、モニタ用や試験用の回路を接続することで、位相遅延等の特性に係わるモニタや試験を行うことも可能である。サーボ電圧信号SRVと駆動信号DRVは、同一の周波数を持ち、センサ要素401の共振周波数f0および搬送波CRRの周波数とおおよそ一致する。
以上説明した実施の形態1の角速度センサによれば、初期容量C0の寄与を容量検出回路207の入力ノードASDpおよびASDnで除去することができる。これにより、容量検出回路207からの差動出力CVOUTpおよびCVOUTnを入力とするアナログデジタル変換回路214の入力において、歪および飽和が発生することがない。この結果、信号雑音比を高く維持することができるので、信頼性の高い角速度センサを提供することが可能となる。また、コストの観点では、出荷調整工程等のコストを低くすることができるので、加速度センサのコストの上昇を抑制することが可能となる。
(実施の形態2)
図7を用いて、実施の形態2の角速度センサ(角速度検出装置)について説明する。図7は、実施の形態2において、電荷相殺機能を搭載した角速度センサの静電容量変化出力を検出する回路構成例を示す図である。実施の形態2の基本的な構成は前述した実施の形態1と同様であり、以下では、実施の形態2における実施の形態1とは異なる構成部分について説明する。
実施の形態2に示す電荷相殺機能を搭載した角速度センサの静電容量変化出力を検出する回路は、実施の形態1と比較して容量検出回路の構成が異なる。図7に示すように、容量検出回路701は、2つのスイッチ(SW)702および706、2つの帰還容量703および705、1つのオペアンプ704から構成される。容量検出回路701を構成するオペアンプ704が全差動型となっている点が異なる。その他の容量検出回路701の構成は実施の形態1と同じである。
すなわち、実施の形態2においては、容量検出回路701は単一の差動容量検出回路であり、さらに、フィードスルー除去回路201および218はこの容量検出回路701からの差動交流信号出力の直流成分に基づいて、容量検出回路701の入力ノードASDpおよびASDnにおいてフィードスルー成分を除去する構成となっている。
実施の形態2の角速度センサによれば、前述した実施の形態1と異なる効果として、容量検出回路701を、全差動型のオペアンプ704を用いて構成することで、実施の形態1で用いられる基準電位Vを用いない構成をとることができ、雑音源をひとつ減らすことができる点が利点である。
(実施の形態3)
図8を用いて、実施の形態3の角速度センサ(角速度検出装置)について説明する。図8は、実施の形態3において、電荷相殺機能を搭載した角速度センサの静電容量変化出力を検出する回路構成例を示す図である。実施の形態3の基本的な構成は前述した実施の形態1と同様であり、以下では、実施の形態3における実施の形態1とは異なる構成部分について説明する。
実施の形態3に示す電荷相殺機能を搭載した角速度センサの静電容量変化出力を検出する回路は、実施の形態1と比較してフィードスルー除去回路の構成が異なる。図8に示すように、フィードスルー除去回路801および805は、それぞれ、容量アレー回路802および806と、スイッチアレー回路(SWs)803および807と、デコード回路(DEC)804および808から構成される。フィードスルー除去回路801とフィードスルー除去回路805は同等の構成であるから以下にはフィードスルー除去回路801の構成および動作について説明する。フィードスルー電荷除去量DCOCpの求め方は実施の形態1と同等である。
フィードスルー除去回路801において、デコード回路804は、フィードスルー電荷除去量DCOCpを入力としてk+1本のデコード信号SWCNTp<k:0>を出力する回路である。容量アレー回路802は、複数の容量であるk+1個の並列容量から構成され、各容量の一方の端子が互いに電気的に接続され、容量検出回路207の動作クロックに接続され、もう一方の端子はスイッチアレー回路803により制御されてオペアンプ210の入力ノードASDpに接続される回路である。スイッチアレー回路803は、容量アレー回路802の<0>〜<k>の端子とデコード回路804の出力端子とオペアンプ210の入力ノードASDpに接続され、デコード回路804の出力であるデコード信号SWCNTpにより制御される回路である。
このフィードスルー除去回路801は、デコード回路804がフィードスルー電荷除去量DCOCpに応じてスイッチアレー回路803の制御信号SWCNTp<k:0>を出力することで、容量アレー回路802の任意の容量をオペアンプ210の入力ノードASDpに接続できるような構成をとっている。こうすることで、除去したい電荷量に応じた大きさの静電容量をキャリア反転信号CRRBとASDpの間に構成し、除去電荷量を調整することが可能となる。スイッチアレー回路803は容量アレー回路802の端子<k:0>から複数の任意の端子を同時にASDpに接続する機能を有し、これにより容量アレー回路802は2(k+1)通りのデジタル可変容量として動作する。
実施の形態3の角速度センサによれば、前述した実施の形態1と比較して、フィードスルー除去回路801および805において、容量アレー回路802および806を構成する回路面積がオーバーヘッドとなるが、デジタルアナログ変換回路を省略できるため、消費電力を小さくすることができる利点がある。
(実施の形態4)
図9を用いて、実施の形態4の角速度センサ(角速度検出装置)について説明する。図9は、実施の形態4において、電荷相殺機能を搭載した角速度センサの静電容量変化出力を検出する回路構成例を示す図である。実施の形態4の基本的な構成は前述した実施の形態1と同様であり、以下では、実施の形態4における実施の形態1とは異なる構成部分について説明する。
実施の形態4に示す電荷相殺機能を搭載した角速度センサの静電容量変化出力を検出する回路は、実施の形態1と比較してフィードスルー電荷除去量の導出方法およびフィードスルー除去回路の構成が異なる。図9に示すように、フィードスルー除去回路901および907は、それぞれ、アナログ乗算器902および908と、アンプ(AMP)903および909と、フィードスルー除去容量904および910から構成される。フィードスルー除去回路901および907のアンプ903および909には、それぞれ、容量検出回路207の差動出力CVOUTpおよびCVOUTnを平均化回路(AVE)905および906で平均化したフィードスルー電荷除去量DCOCpおよびDCOCnが入力される。
実施の形態4では、平均化回路905(第1の平均化回路)および平均化回路906(第2の平均化回路)により容量検出回路207の差動出力CVOUTpおよびCVOUTnを直接平均化し、フィードスルー電荷除去量DCOCpおよびDCOCnをアナログ的に求める。フィードスルー除去動作に際してアナログデジタル変換回路を使う必要が無いため、実施の形態1と同様に角速度センサとしての動作中にフィードスルー除去動作が可能である。これは、高精度角速度センサを構成するに当たり非常に有利となる。
容量検出回路207の差動出力CVOUTpおよびCVOUTnのモニタリング結果をそのままフィードスルー電荷除去量DCOCpおよびDCOCnとしてフィードスルー除去回路901および907にフィードバックするため、正確に初期容量C0pおよびC0nを容量検出回路207の入力ノードASDpおよびASDnにおいて除去することができる点が実施の形態1に比較して優れている。一方で、フィードスルー電荷除去量DCOCpおよびDCOCnがアナログ信号であることから、複雑な回路設計および雑音の適切な低減が必要であり、回路設計の難易度が増大する可能性はある。
フィードスルー除去回路901および907は、実施の形態1と比較してデジタルアナログ変換回路が除去されている点が異なる。これは、フィードスルー電荷除去量DCOCpおよびDCOCnがアナログ信号であるためである。デジタルアナログ変換回路を省略できるため、回路面積が低減できる利点がある。また、フィードスルー除去に関係するすべてのフィードバックパスがアナログ回路で構成されるため、デジタル回路を採用した場合に必須となる信号遅延量の管理を考えなくても済む点が実施の形態1と比較した利点であると言える。
(実施の形態5)
図10と図11を用いて、実施の形態5の角速度センサ(角速度検出装置)および物理量検出システムについて説明する。まず、図10を用いて、角速度センサについて説明する。図10は、実施の形態5において、電荷相殺機能を搭載した角速度センサの静電容量変化出力を検出する回路構成例を示す図である。実施の形態5の基本的な構成は前述した実施の形態1と同様であり、以下では、実施の形態5における実施の形態1とは異なる構成部分について説明する。
実施の形態5に示す電荷相殺機能を搭載した角速度センサの静電容量変化出力を検出する回路は、実施の形態1と比較して容量検出回路の差動出力をそれぞれ独立にアナログデジタル変換回路で変換し、この変換結果を平均化した情報によりフィードスルー除去動作を行う点が異なる。実施の形態5では、図10に示すように、容量検出回路207の差動出力CVOUTpおよびCVOUTnをそれぞれ選択する信号選択回路1001と、動作モード設定回路(CTRL)1006)と、データラッチ回路(LT)1007および1008を有する。信号選択回路1001は、スイッチ(SW0)1002、スイッチ(SW1)1003、スイッチ(SW2)1004およびスイッチ(SW3)1005から構成される。
実施の形態5では、信号選択回路1001により容量検出回路207の差動出力CVOUTpおよびCVOUTnをそれぞれ独立に選択した後、アナログデジタル変換回路214で変換し、この変換結果ADCOUTを平均化回路215により平均化し、この平均化した出力情報AVEOUTによりフィードスルー除去動作を行う。
容量検出回路207の差動出力CVOUTpおよびCVOUTnは、信号選択回路1001により適切な信号がアナログデジタル変換回路214に接続されるように制御信号CTRLSIGにより制御される。信号選択回路1001は、動作モードによってスイッチ1002〜1005をON(導通状態)およびOFF(切断状態)させ、容量検出回路207の差動出力CVOUTpおよびCVOUTnと基準電位Vとを動作モードに応じてアナログデジタル変換回路214の差動入力として繋ぎ換えるモード切り替えスイッチ回路として機能する。
通常動作の通常モード時には、信号選択回路1001においてスイッチ1002および1005をON、1003および1004をOFFにする。このようにすることで、容量検出回路207の差動出力CVOUTpと信号選択回路1001の出力SWOpを接続し、容量検出回路207の差動出力CVOUTnと信号選択回路1001の出力SWOnを接続し、容量検出回路207の差動出力をアナログデジタル変換する。つまり、本動作では、センサ要素224の信号をそのままデジタル値に変換して出力回路217からの出力SENSOUTとして出力することができる。この時、データラッチ回路1007および1008はデータの更新は行わず、このため、ラッチのタイミングを決めるクロックCKpおよびCKnはLのままである。
正側フィードスルー除去モード(第1のフィードスルー除去モード)の時には、信号選択回路1001においてスイッチ1002および1004をON、スイッチ1003および1005をOFFにする。このようにすることで、容量検出回路207の差動出力CVOUTpと信号選択回路1001の出力SWOpを接続し、基準電位Vと信号選択回路1001の出力SWOnを接続する。つまり、本動作では、容量検出回路207の正側出力CVOUTpのアナログデジタル変換結果をアナログデジタル変換回路214から出力することになり、センサ要素224の差動容量変化をアナログデジタル変換回路214から出力することはできない。この時、クロックCKpがLからHに遷移し、データラッチ回路1007(第1のデータラッチ回路)は平均化回路215の出力AVEOUTを取り込み、フィードスルー除去回路201の入力DCOCpを更新する。一方で、クロックCKnはLのままで、データラッチ回路1008はデータの更新は行わず、フィードスルー除去回路218の入力DCOCnはその値を変更しない。
負側フィードスルー除去モード(第2のフィードスルー除去モード)の時には、信号選択回路1001においてスイッチ1003および1005をON、スイッチ1002および1004をOFFにする。このようにすることで、容量検出回路207の差動出力CVOUTpと信号選択回路1001の出力SWOpを接続し、容量検出回路207の差動出力CVOUTnと信号選択回路1001の出力SWOnを接続する。つまり、本動作では、容量検出回路207の負側出力CVOUTnのアナログデジタル変換結果をアナログデジタル変換回路214から出力することになり、センサ要素224の差動容量変化をアナログデジタル変換回路214から出力することはできない。この時、クロックCKnがLからHに遷移し、データラッチ回路1008(第2のデータラッチ回路)は平均化回路215の出力AVEOUTを取り込み、フィードスルー除去回路218の入力DCOCnを更新する。一方で、クロックCKpはLのままで、データラッチ回路1007はデータの更新は行わず、フィードスルー除去回路201の入力DCOCpはその値を変更しない。
上記動作モードの制御は、動作モード設定回路1006により行い、モード設定のトリガ信号TRGは例えば外部システムから制御されるものとする。例えば、トリガ信号TRGは通常モードから正側フィードスルー除去モードおよび負側フィードスルー除去モードのいずれかに遷移するように指定する信号であればよい。例えば、動作モード設定回路1006がトリガ信号TRGを受け取ると正側フィードスルー除去モードに遷移し、その後、負側フィードスルー除去モードに遷移し、その後、自動的に通常モードに復帰するようなシーケンスが考えられる。通常モードに復帰したことは角速度センサモジュール出力の中でフラグを用意し、これにより上位システムが判断できるようにすると、上位システムから動作モードを把握できるようになり、システムが構成しやすくなる。
正側フィードスルー除去モードおよび負側フィードスルー除去モードの動作を行う回数は、例えば規定回数を設定しておき、この規定回数を上限としてそれ以上は行わないという動作を設定することが可能である。もしくは、フィードスルー除去回路201および218の入力DCOCpおよびDCOCnの値もしくは絶対値に閾値を設定し、これ以下になるまでフィードスルー除去動作を繰り返し実施するという方法もある。当然、前記2つの条件のor(論理和)を取る方法も考えられる。
次に、図11を用いて、実施の形態5の物理量検出システムについて説明する。図11は、実施の形態5において、物理量検出システムの構成例を示す図である。実施の形態5の物理量検出システムは、図10に示す角速度センサの静電容量変化出力検出回路を組み込んだ角速度センサモジュールに対して外部の装置が接続されたシステム例を示す。実施の形態5では、外部からトリガ信号TRGを用いて角速度センサモジュールのフィードスルー電荷除去のタイミング等を制御する例を示す。
図11(A)は、実施の形態5の物理量検出システムの構成を示す。この物理量検出システムは、角速度センサモジュール1101と、加速度センサモジュール1102と、制御装置1103(外部システム)とを有し、これらが信号線等で接続されている。この物理量検出システムでは、制御装置1103を介して角速度センサモジュール1101と加速度センサモジュール1102とが連携して動作する。角速度センサモジュール1101は、例えば図10に示す角速度センサの静電容量変化出力検出回路を組み込んだ角速度センサモジュールと同じである。角速度センサモジュール1101は、角速度を含む出力信号OUTを制御装置1103へ出力する。加速度センサモジュール1102は、加速度を検出する公知のモジュールである。加速度センサモジュール1102は、検出した加速度を含む出力信号ACCLを、制御装置1103へ出力する。制御装置1103は、任意の計算機や電子回路基板等が適用可能である。
制御装置1103は、出力信号ACCLに基づいて、トリガ信号TRGを生成し、角速度センサモジュール1101へ出力する。角速度センサモジュール1101は、トリガ信号TRGを受け取り、トリガ信号TRGに従って前述のフィードスルー除去動作を行う。即ち、図10に示すデータ処理回路内の動作モード設定回路1006は、トリガ信号TRGに従って、スイッチ1002〜1005からなる信号選択回路1001の制御信号を生成し、フィードスルー除去動作を開始させる。
この物理量検出システムでは、加速度センサモジュール1102で検出した加速度の状態に応じて、角速度センサモジュール1101の遅延調整の自動探索を行わせるように、トリガ信号TRGを発生させる。角速度センサモジュール1101のフィードスルー除去動作は、センサ要素224に角速度が印加されていない状態で行われることが望ましい。センサ要素224に角速度が印加されている状態では、加速度センサモジュール1102の方にも必ず何らかの信号が検出され、出力信号ACCLに表れる。そこで、制御装置1103は、出力信号ACCLの加速度を参照し、例えばその加速度が所定の閾値レベル以下である場合には、トリガ信号TRG(例えば値1とする)を出力する。制御装置1103は、その加速度が所定の閾値レベルよりも大きい場合には、トリガ信号TRGを出力しない(例えば値0とする)。これにより、センサ要素224に角速度が印加されている状態での遅延調整を回避でき、フィードスルー除去動作の精度を高めることができる。
図11(B)は、実施の形態5の他の物理量検出システムの構成を示す。この物理量検出システムは、角速度センサモジュール1104と、その上位のシステムである上位システム1105(外部システム)とを有し、これらが信号線等で接続されている。この物理量検出システムは、上位システム1105内に角速度センサモジュール1104が組み込まれているシステムと捉えてもよい。角速度センサモジュール1104は、例えば図10に示す角速度センサの静電容量変化出力検出回路を組み込んだ角速度センサモジュールと同じである。角速度センサモジュール1104は、出力信号OUTを上位システム1105へ出力する。上位システム1105は、任意の計算機や電子回路基板等を含んで構成される応用システム等が適用可能である。上位システム1105は、一例として、自動車の自動運転制御システムである。上位システム1105は、加速度センサ等の各種センサ等を備えており、例えば出力信号OUTを含む各センサ信号に基づいて自動車の自動運転等を制御する機能を有する。
この物理量検出システムでは、上位システム1105は、各種センサ情報等に基づいて、自身の総合的な判断によって、適切なタイミングでトリガ信号TRGを生成して、角速度センサモジュール1104に出力する。上位システム1105は、例えば、システム電源がオン状態になった時に、トリガ信号TRGを出力してもよい。上位システム1105は、温度等、様々な環境状況に応じて、トリガ信号TRGを生成する。トリガ信号TRGの生成の判断の内容は、上位システム1105の応用制御内容に応じて異なる。角速度センサモジュール1104は、そのトリガ信号TRGを受け取り、トリガ信号TRGに従って同様に遅延調整の動作を行う。
上記のように、実施の形態5によれば、高精度の角速度情報を用いて応用制御の品質を高めることができる。なお、変形例として、角速度センサモジュール1104は、現在のモードの状態を表す制御情報等を、上位システム1105へ出力してもよい。
(実施の形態6)
図12を用いて、実施の形態6の角速度センサ(角速度検出装置)について説明する。図12は、実施の形態6において、電荷相殺機能を搭載した角速度センサの静電容量変化出力を検出する回路構成例を示す図である。実施の形態6の基本的な構成は前述した実施の形態3と同様であり、以下では、実施の形態6における実施の形態3とは異なる構成部分について説明する。
実施の形態6に示す電荷相殺機能を搭載した角速度センサの静電容量変化出力を検出する回路は、実施の形態3と比較して、フィードスルー除去回路の構成、論理回路の出力がデコード回路およびマルチプレクサ回路を介してフィードスルー除去回路に入力されている点が異なる。実施の形態6では、図12に示すように、フィードスルー除去回路1201および1207と、デコード回路(DEC)1205と、マルチプレクサ回路(MUX)1206を有する。フィードスルー除去回路1201および1207は、それぞれ、容量アレー回路1202および1208と、スイッチアレー回路(SWs)1203および1209と、データラッチ回路(LT)1204および1210から構成される。実施の形態6では、論理回路216の出力がフィードスルー電荷除去量DCOCと選択信号SELとなっており、デコード回路1205の出力DECOUT<k:0>がマルチプレクサ回路1206に入力され、マルチプレクサ回路1206の出力MUXOUTp<k:0>およびMUXOUTn<k:0>がフィードスルー除去回路1201および1207にそれぞれ入力されている。
前述した実施の形態3では、論理回路216内に正側および負側のそれぞれについてフィードスルー電荷除去量を演算する回路を設け、これを並列に動作させていたが、実施の形態6ではこれを1つに統合し、2倍高速動作させることで回路規模を削減することができる。つまり、論理回路216は、時分割で正側および負側のフィードスルー電荷除去量をDCOCとして出力する。このため、正側および負側のフィードスルー除去回路1201および1207に接続する信号をマルチプレクサ回路1206(選択回路)で選択信号SELに基づいて選択する。選択信号SELは論理回路216から出力され、現在のフィードスルー電荷除去量DCOCがp側向けなのかn側向けなのかをマルチプレクサ回路1206に対して指定する役割を持つ。
フィードスルー除去回路1201および1207の構成は、実施の形態3におけるデコード回路804および808がデータラッチ回路1204および1210になった点が異なる。データラッチ回路1204および1210は、適切なタイミング信号によりデータをラッチして保持する。ラッチのタイミングを決めるクロックCKpおよびCKnは、論理回路216から適切に出力され、選択信号SELと同期していることが望ましい。例えば、SEL=HのときにMUXOUTpが選択された場合、CKpによりデータラッチ回路1204がMUXOUTpをラッチするように動作し、SEL=LのときにMUXOUTnが選択された場合には、CKnによりデータラッチ回路1210がMUXOUTnをラッチするように動作する。
実施の形態6の角速度センサによれば、前述した実施の形態3と比較して、正側および負側のそれぞれについてフィードスルー電荷除去量を演算する回路を1つに統合することで、回路規模を削減できる利点がある。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
なお、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
また、ある実施の形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることが可能である。
100、207、701 容量検出回路
101、106、208、213、702、706 スイッチ
102、105、209、212、703、705 帰還容量
103、104、210、211、704 オペアンプ
107 アナログデジタル変換回路
108、227 搬送波生成回路
109、224 センサ要素
110、111、225、226 差動可変容量
201、218、801、805、901、907、1201、1207 フィードスルー除去回路
202、219 アナログ乗算器
203、220 アンプ
204、221 デジタルアナログ変換回路
205、222 フィードスルー除去容量
206、223 反転回路
214 アナログデジタル変換回路
215 平均化回路
216 論理回路
217 出力回路
401 センサ要素
410、420 駆動制御回路
411、421 デジタルアナログ変換回路
412、422 アナログフロントエンド回路
430 搬送波生成回路
501 駆動マス
502 検出マス
601 第1基板
602 第2基板
603、604 電極パッド
605 ワイヤボンディング
802、806、1202、1208 容量アレー回路
803、807、1203、1209 スイッチアレー回路
804、808 デコード回路
902、908 アナログ乗算器
903、909 アンプ
904、910 フィードスルー除去容量
905、906 平均化回路
1001 信号選択回路
1002〜1005 スイッチ
1006 動作モード設定回路
1007、1008 データラッチ回路
1101、1104 角速度センサモジュール
1102 加速度センサモジュール
1103 制御装置
1105 上位システム
1204、1210 データラッチ回路
1205 デコード回路
1206 マルチプレクサ回路

Claims (14)

  1. 第1の容量検出回路および第2の容量検出回路を含む複数の容量検出回路と、
    前記第1の容量検出回路からの第1の交流信号出力と前記第2の容量検出回路からの第2の交流信号出力との直流成分に基づいて、前記第1の容量検出回路の入力ノードにおいて第1のフィードスルー成分を除去する第1のフィードスルー除去回路、および前記第2の容量検出回路の入力ノードにおいて第2のフィードスルー成分を除去する第2のフィードスルー除去回路と、
    を備え
    前記第1のフィードスルー除去回路および前記第2のフィードスルー除去回路は、
    デジタルアナログ変換回路と、
    前記デジタルアナログ変換回路の出力を増幅する増幅回路と、
    前記容量検出回路の動作クロックと前記増幅回路の出力とを乗算するミキサ回路と、
    フィードスルー除去容量と、
    を含み、
    前記第1のフィードスルー除去回路および前記第2のフィードスルー除去回路は、前記容量検出回路の入力ノードと前記ミキサ回路との間に挿入される、角速度検出装置。
  2. 請求項1記載の角速度検出装置において、
    前記第1の交流信号出力と前記第2の交流信号出力との差分交流信号を取得する差動回路をさらに備える、角速度検出装置。
  3. 請求項2記載の角速度検出装置において、
    前記差分交流信号を平均化して前記差分交流信号に含まれる直流成分を抽出する平均化回路をさらに備える、角速度検出装置。
  4. 請求項3記載の角速度検出装置において、
    前記直流成分に基づき前記第1のフィードスルー成分および前記第2のフィードスルー成分を推定する回路をさらに備える、角速度検出装置。
  5. 請求項1記載の角速度検出装置において、
    前記第1のフィードスルー除去回路および前記第2のフィードスルー除去回路は、
    デコード回路と、
    前記デコード回路の出力により制御されるスイッチアレー回路と、
    複数の容量により構成される容量アレー回路と、
    を含み、
    前記容量アレー回路を構成する複数の容量は一方の端子が互いに電気的に接続され、前記容量検出回路の動作クロックに接続され、
    前記複数の容量のもう一方の端子は前記スイッチアレー回路により制御されて前記容量検出回路の入力ノードに接続される、角速度検出装置。
  6. 請求項1記載の角速度検出装置において、
    前記第1の交流信号出力を平均化する第1の平均化回路と、
    前記第2の交流信号出力を平均化する第2の平均化回路と、
    をさらに備える、角速度検出装置。
  7. 請求項2記載の角速度検出装置において、
    前記第1の交流信号出力と前記第2の交流信号出力と基準電位とを、動作モードに応じて前記差動回路の差動入力として繋ぎ換えるモード切り替えスイッチ回路をさらに備える、角速度検出装置。
  8. 請求項7記載の角速度検出装置において、
    前記動作モードの設定を行う動作モード設定回路をさらに備え、
    前記動作モード設定回路は、モード変換を行うトリガ信号を外部システムから受け取る、角速度検出装置。
  9. 請求項7記載の角速度検出装置において、
    前記動作モードには、
    通常のセンサ出力を得る通常モードと、
    前記第1の容量検出回路の入力ノードに対してフィードスルー除去動作を行う第1のフィードスルー除去モードと、
    前記第2の容量検出回路の入力ノードに対してフィードスルー除去動作を行う第2のフィードスルー除去モードと、
    を含み、
    前記通常モード時には前記第1の交流信号出力と前記第2の交流信号出力とを前記差動回路に入力し、
    前記第1のフィードスルー除去モードでは前記第1の交流信号出力と前記基準電位とを前記差動回路に入力し、
    前記第2のフィードスルー除去モードでは前記第2の交流信号出力と前記基準電位とを前記差動回路に入力する、角速度検出装置。
  10. 請求項9記載の角速度検出装置において、
    前記第1のフィードスルー除去モードで前記第1のフィードスルー除去回路に入力する信号を更新する第1のデータラッチ回路と、
    前記第2のフィードスルー除去モードで前記第2のフィードスルー除去回路に入力する信号を更新する第2のデータラッチ回路と、
    をさらに備える、角速度検出装置。
  11. 請求項8記載の角速度検出装置において、
    前記外部システムは、他に備えた加速度センサの情報を元に前記トリガ信号を発行する、角速度検出装置。
  12. 請求項8記載の角速度検出装置において、
    前記外部システムは、自動車の自動運転制御システムである、角速度検出装置。
  13. 請求項1記載の角速度検出装置において、
    前記第1のフィードスルー除去回路および前記第2のフィードスルー除去回路は、
    フィードスルー除去データラッチ回路と、
    前記フィードスルー除去データラッチ回路の出力により制御されるスイッチアレー回路と、
    複数の容量により構成される容量アレー回路と、
    を含み、
    前記容量アレー回路を構成する複数の容量は一方の端子が互いに電気的に接続され、前記容量検出回路の動作クロックに接続され、
    前記複数の容量のもう一方の端子は前記スイッチアレー回路により制御されて前記第1の容量検出回路の入力ノードおよび前記第2の容量検出回路の入力ノードに接続され、
    前記角速度検出装置は、前記第1のフィードスルー除去回路および前記第2のフィードスルー除去回路のどちらのデータを更新するかを選択する選択回路をさらに備える、角速度検出装置。
  14. 単一の差動容量検出回路と、
    前記差動容量検出回路からの差動交流信号出力の直流成分に基づいて、前記差動容量検出回路の入力ノードにおいてフィードスルー成分を除去するフィードスルー除去回路と、
    を備え
    前記フィードスルー除去回路は、前記差動容量検出回路の第1の入力ノードにおいて第1のフィードスルー成分を除去する第1のフィードスルー除去回路、および前記差動容量検出回路の第2の入力ノードにおいて第2のフィードスルー成分を除去する第2のフィードスルー除去回路と、
    を備え、
    前記第1のフィードスルー除去回路および前記第2のフィードスルー除去回路は、
    デジタルアナログ変換回路と、
    前記デジタルアナログ変換回路の出力を増幅する増幅回路と、
    前記差動容量検出回路の動作クロックと前記増幅回路の出力とを乗算するミキサ回路と、
    フィードスルー除去容量と、
    を含み、
    前記第1のフィードスルー除去回路および前記第2のフィードスルー除去回路は、前記差動容量検出回路の入力ノードと前記ミキサ回路との間に挿入される、角速度検出装置。
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