JP6863237B2 - Vehicle transmission - Google Patents
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Description
本発明は、回転同期機構を備える車両用変速機に関し、特に、スリーブとシフトフォークとが接触する接触面に効率的に潤滑油を供給可能な構造に関するものである。 The present invention relates to a vehicle transmission provided with a rotation synchronization mechanism, and more particularly to a structure capable of efficiently supplying lubricating oil to a contact surface where a sleeve and a shift fork come into contact with each other.
(a)変速操作に応じて第1位置から第2位置へ一軸線方向に移動させられるシフトフォークと、(b)前記シフトフォークが係合する環状溝が外周面に形成され、(c)前記一軸線方向に移動可能且つ前記一軸線まわりに回転可能に設けられた円環状のスリーブと、(d)前記シフトフォークの前記スリーブと接触する接触面の一部または全面に設けられたピークパッドとを含む回転同期機構、を備える車両用変速機が知られている。たとえば、特許文献1に記載の車両用変速機がそれである。
(A) A shift fork that is moved from the first position to the second position in the uniaxial direction according to a shifting operation, and (b) an annular groove with which the shift fork engages are formed on the outer peripheral surface, and (c) the above. An annular sleeve that is movable in the uniaxial direction and rotatably provided around the uniaxial line, and (d) a peak pad provided on a part or the entire surface of the contact surface of the shift fork that contacts the sleeve. Vehicle transmissions are known to include a rotation synchronization mechanism, including. For example, the vehicle transmission described in
上記特許文献1に記載の車両用変速機は、回転同期機構を備えており、変速ギヤと回転軸との回転の同期をスリーブの移動に基づいて行うようになっている。具体的には、上記特許文献1に記載の車両用変速機では、変速ギヤと回転軸との回転を同期させない場合には、スリーブを移動させるシフトフォークを第1位置に移動させ、変速ギヤと回転軸との回転を同期させる場合には、スリーブを移動させるシフトフォークを第2位置へ移動させている。すなわち、上記特許文献1に記載の車両用変速機では、たとえば車両がベルト走行モードの場合には、前記第1位置へシフトフォークを移動させ、車両がギヤ走行モードの場合には、前記第2位置へシフトフォークを移動させている。
The vehicle transmission described in
ところで、車両用変速機では、シフトフォークのスリーブと接触する接触面の一部または全面には、摩擦材としてのピークパッドが配設されている。ピークパッドの摩耗を抑制するためには、スリーブの環状溝に潤滑油を充分に供給することが必要になるが、上記特許文献1に記載の車両用変速機では、スリーブの環状溝に潤滑油を常時供給するようにすると、車両用変速機内のその他の部品たとえば伝動ベルトなどに供給する潤滑油が不足する可能性があった。
By the way, in a vehicle transmission, a peak pad as a friction material is provided on a part or the entire surface of a contact surface in contact with a sleeve of a shift fork. In order to suppress the wear of the peak pad, it is necessary to sufficiently supply the lubricating oil to the annular groove of the sleeve. However, in the vehicle transmission described in
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、シフトフォークとスリーブとが接触する接触面に選択的に潤滑油を供給可能にする構造から成る車両用変速機を提供することにある。 The present invention has been made in the background of the above circumstances, and an object of the present invention is for a vehicle having a structure capable of selectively supplying lubricating oil to a contact surface where a shift fork and a sleeve come into contact with each other. To provide a transmission.
本発明の要旨とするところは、(a)変速操作に応じて第1位置から第2位置へ一軸線方向に移動させられるシフトフォークと、前記シフトフォークが係合する環状溝が外周面に形成され、前記一軸線方向に移動可能且つ前記一軸線まわりに回転可能に設けられた円環状のスリーブと、前記シフトフォークの前記スリーブと接触する接触面の一部または全面に設けられたピークパッドとを含む回転同期機構、を備える車両用変速機であって、(b)前記シフトフォークには、貫通穴が形成され、(c)前記一軸線方向に平行に配置され、内部に潤滑油が供給される管部材の先端部が前記貫通穴に摺動可能に嵌合され、(d)前記管部材の先端部には、前記管部材内の潤滑油を前記環状溝に供給可能な噴射穴が形成され、(e)前記噴射穴は、前記シフトフォークが前記第1位置に移動させられることにより閉状態とされ、前記第2位置に移動させられることにより開状態とされることにある。 The gist of the present invention is (a) a shift fork that is moved from the first position to the second position in the uniaxial direction according to a shifting operation, and an annular groove that the shift fork engages with are formed on the outer peripheral surface. An annular sleeve that is movable in the uniaxial direction and rotatably provided around the uniaxial line, and a peak pad provided on a part or the entire surface of the contact surface of the shift fork that comes into contact with the sleeve. A vehicle transmission including a rotation synchronization mechanism, wherein (b) the shift fork is formed with a through hole, (c) is arranged parallel to the uniaxial direction, and lubricating oil is supplied to the inside. The tip of the pipe member is slidably fitted into the through hole, and (d) the tip of the pipe member has an injection hole capable of supplying the lubricating oil in the pipe member to the annular groove. The injection hole is formed, and (e) the injection hole is closed by moving the shift fork to the first position, and opened by moving the shift fork to the second position.
本発明の車両用変速機によれば、前記シフトフォークには貫通穴が形成され、前記一軸線方向に平行に配置され内部に潤滑油が供給される管部材の先端部が前記貫通穴に摺動可能に嵌合されている。また、前記管部材の先端部には、前記管部材内の潤滑油を前記環状溝に供給可能な噴射穴が形成されている。さらに、前記噴射穴は、前記シフトフォークが前記第1位置に移動させられることにより閉状態とされ、前記第2位置に移動させられることにより開状態とされる。これにより、前記シフトフォークの位置に基づいて、前記環状溝に潤滑油を供給する必要がない場合たとえば前記シフトフォークが前記第1位置に位置している場合には、前記噴射穴を閉状態とし、前記環状溝に潤滑油を供給する必要がある場合たとえば前記シフトフォークが前記第2位置に位置している場合には、前記噴射穴を開状態とすることができる。そのため、前記第1位置に比較して前記ピークパッドの摩耗が大きくなる前記第2位置において、前記環状溝に効率的に潤滑油を供給することができるので、車両用変速機内のその他部品への潤滑油の供給が不足することを抑制することができる。 According to the vehicle transmission of the present invention, a through hole is formed in the shift fork, and the tip of a pipe member arranged parallel to the uniaxial direction and supplied with lubricating oil is slid into the through hole. It is movably fitted. Further, at the tip of the pipe member, an injection hole capable of supplying the lubricating oil in the pipe member to the annular groove is formed. Further, the injection hole is closed by moving the shift fork to the first position, and opened by moving the shift fork to the second position. As a result, when it is not necessary to supply lubricating oil to the annular groove based on the position of the shift fork, for example, when the shift fork is located at the first position, the injection hole is closed. When it is necessary to supply lubricating oil to the annular groove, for example, when the shift fork is located at the second position, the injection hole can be opened. Therefore, in the second position where the wear of the peak pad is larger than that in the first position, the lubricating oil can be efficiently supplied to the annular groove, so that the lubricating oil can be efficiently supplied to other parts in the vehicle transmission. It is possible to prevent a shortage of lubricating oil supply.
以下、本発明の一実施例について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。 Hereinafter, an embodiment of the present invention will be described in detail with reference to the drawings. In the following examples, the drawings are appropriately simplified or deformed, and the dimensional ratios and shapes of each part are not necessarily drawn accurately.
図1は、本発明の車両用動力伝達装置が適用される車両の概略構成を説明する図である。図1において、車両10は、走行用の駆動力源として機能するエンジン12と、駆動輪14と、エンジン12と駆動輪14との間に設けられた車両用動力伝達装置16とを備えている。車両用動力伝達装置16は、非回転部材としてのハウジング18内において、エンジン12に連結された流体式伝動装置としての公知のトルクコンバータ20、トルクコンバータ20に連結された入力軸22、入力軸22に連結された無段変速機構としての公知のベルト式無段変速機24(以下、車両用変速機24)、同じく入力軸22に連結された前後進切換装置26、前後進切換装置26を介して入力軸22に連結されて車両用変速機24と並列に設けられた伝動機構としてのギヤ機構28を備えている。また、車両用動力伝達装置16は、車両用変速機24及びギヤ機構28の共通の出力回転部材である出力軸30、カウンタ軸32、出力軸30及びカウンタ軸32に各々相対回転不能に設けられて噛み合う一対のギヤから成る減速歯車装置34、カウンタ軸32に相対回転不能に設けられたギヤ36に連結されたデフギヤ38、デフギヤ38に連結された一対の車軸40等を備えている。このように構成された車両用動力伝達装置16において、エンジン12の動力は、トルクコンバータ20、車両用変速機24或いは前後進切換装置26及びギヤ機構28、減速歯車装置34、デフギヤ38、及び車軸40等を順次介して一対の駆動輪14へ伝達される。
FIG. 1 is a diagram illustrating a schematic configuration of a vehicle to which the vehicle power transmission device of the present invention is applied. In FIG. 1, the
車両用動力伝達装置16は、エンジン12と駆動輪14との間に並列に設けられた、車両用変速機24及びギヤ機構28を備えている。車両用動力伝達装置16は、エンジン12の動力を入力軸22から車両用変速機24を介して駆動輪14側すなわち出力軸30へ伝達する第1動力伝達経路と、エンジン12の動力を入力軸22からギヤ機構28を介して駆動輪14側すなわち出力軸30へ伝達する第2動力伝達経路とを備え、車両10の走行状態に応じてその第1動力伝達経路とその第2動力伝達経路とが切り換えられるように構成されている。そのため、車両用動力伝達装置16は、エンジン12の動力を駆動輪14側へ伝達する動力伝達経路を、第1動力伝達経路と第1動力伝達経路よりも大きい変速比すなわち低速側の変速比で動力を伝達する第2動力伝達経路とで選択的に切り替えるクラッチとして、第1動力伝達経路を断接する第1クラッチとしてのCVT走行用クラッチC2と、第2動力伝達経路を断接する第2クラッチとしての前進用クラッチC1及び後進用ブレーキB1とを備えている。CVT走行用クラッチC2、前進用クラッチC1、及び後進用ブレーキB1は、断接装置に相当するものであり、何れも油圧アクチュエータによって摩擦係合させられる公知の油圧式摩擦係合装置いわゆる摩擦クラッチである。又、前進用クラッチC1及び後進用ブレーキB1は、前後進切換装置26を構成する要素の1つである。
The vehicle
トルクコンバータ20は、入力軸22回りにその入力軸22に対して同心に設けられており、エンジン12に連結されたポンプ翼車20p、及び入力軸22に連結されたタービン翼車20tを備えている。ポンプ翼車20pには、たとえば車両用動力伝達装置16の動力伝達経路の各部に潤滑油を供給する制御等を実施するための油圧を発生させる機械式油圧ポンプ41が連結されている。機械式油圧ポンプ41は、エンジン12の回転と連動して作動させられる。
The
前後進切換装置26は、第2動力伝達経路において入力軸22回りにその入力軸22に対して同心に設けられており、ダブルピニオン型の遊星歯車装置26p、前進用クラッチC1、及び後進用ブレーキB1を備えている。遊星歯車装置26pは、入力要素としてのキャリア26cと、出力要素としてのサンギヤ26sと、反力要素としてのリングギヤ26rとの3つの回転要素を有する差動機構である。キャリア26cは入力軸22に一体的に連結され、リングギヤ26rは後進用ブレーキB1を介してハウジング18に選択的に連結され、サンギヤ26sは入力軸22回りにその入力軸22に対して同心に相対回転可能に設けられた小径ギヤ42に連結されている。又、キャリア26cとサンギヤ26sとは、前進用クラッチC1を介して選択的に連結される。よって、前進用クラッチC1は、前記3つの回転要素のうちの2つの回転要素を選択的に連結するクラッチ機構であり、後進用ブレーキB1は、前記反力要素をハウジング18に選択的に連結するクラッチ機構である。
The forward / backward
ギヤ機構28は、小径ギヤ42と、小径ギヤ42と噛み合う大径ギヤ46とを備えている。大径ギヤ46は、一軸線すなわち軸心C回りに回転可能に設けられた回転軸44すなわちギヤ機構カウンタ軸44に対して、そのギヤ機構カウンタ軸44の軸心Cに相対回転不能に設けられている。また、ギヤ機構28は、ギヤ機構カウンタ軸44回りにそのギヤ機構カウンタ軸44に対して同心に相対回転可能に設けられた変速ギヤすなわちアイドラギヤ48と、出力軸30回りにその出力軸30に対して同心に相対回転不能に設けられてそのアイドラギヤ48と噛み合う出力ギヤ50とを備えている。出力ギヤ50は、アイドラギヤ48よりも大径である。従って、ギヤ機構28は、入力軸22と出力軸30との間の動力伝達経路において、所定のギヤ比(ギヤ段)としての1つのギヤ比(ギヤ段)が形成される伝動機構である。
The
車両用変速機24は、入力軸22と出力軸30との間の動力伝達経路上に設けられている。車両用変速機24は、入力軸22に設けられた有効径が可変のプライマリプーリ64と、出力軸30と同心の回転軸66に設けられた有効径が可変のセカンダリプーリ68と、その一対のプーリ64,68の間に巻き掛けられた伝動ベルト70とを備え、一対のプーリ64,68と伝動ベルト70との間の摩擦力を介して動力伝達が行われる。車両用変速機24では、一対のプーリ64,68のV溝幅が変化して伝動ベルト70の掛かり径いわゆる有効径が変更されることで、変速比(ギヤ比)γ(=入力軸回転速度Ni/出力軸回転速度No)が連続的に変化させられる。CVT走行用クラッチC2は、車両用変速機24よりも駆動輪14側、すなわちセカンダリプーリ68と出力軸30との間に設けられており、セカンダリプーリ68すなわち回転軸66と出力軸30との間を選択的に断接する。車両用動力伝達装置16では、CVT走行用クラッチC2が係合されることで、第1動力伝達経路が成立させられて、エンジン12の動力が入力軸22から車両用変速機24を経由して出力軸30へ伝達される。車両用動力伝達装置16では、CVT走行用クラッチC2が解放されると、第1動力伝達経路はニュートラル状態とされる。
The
ギヤ機構カウンタ軸44回りには、大径ギヤ46とアイドラギヤ48との間に、変速操作に基づいてこれらの間を選択的に断接するシンクロメッシュ機構付噛合式クラッチD1(以下、噛合式クラッチD1という)が設けられている。噛合式クラッチD1は、車両用変速機24に備えられて、サンギヤ26sから出力軸30までの間の第2動力伝達経路を断接する噛合式クラッチであり、前進用クラッチC1よりも出力軸30側に設けられた、第2動力伝達経路を断接する第3クラッチとして機能する。
Around the gear
図2は、図1の車両用変速機24の要部を拡大して示す図であり、後述するシフトフォーク60が第1位置にある状態を示す断面図である。図3は、図2の一点鎖線で囲むE部を拡大して示す図であり、図2の車両用変速機24に設けられる回転同期機構すなわちシンクロメッシュ機構S1の要部を拡大して示す図である。図2に示すように、ギヤ機構カウンタ軸44は、一対の軸受80a、80bを介して一対の支持壁82a、82bにより軸心C回りに回転可能に支持されている。ギヤ機構カウンタ軸44には、貫通する中心孔44aが軸心C方向に形成されている。中心孔44aには、ギヤ機構カウンタ軸44が一対の支持壁82a、82bにより支持された状態で、一対の支持壁82a、82bのうちの他方の支持壁82a側の開口から潤滑油が供給される。
FIG. 2 is an enlarged view showing a main part of the
図2に示すように、車両用変速機24に備えられた噛合式クラッチD1は、アイドラギヤ48に固設されるギヤピース54を備えている。ギヤピース54は、アイドラギヤ48の大径ギヤ46側に固設され、且つギヤ機構カウンタ軸44に対して同心に相対回転可能に備えられている。ギヤピース54の外周歯54sは、噛合式クラッチD1における一対の噛合歯のうちの一方に対応している。また、噛合式クラッチD1では、ギヤ機構カウンタ軸44の外周面の一部に形成された図示しない外周歯と、円環状に形成されたスリーブ56の内周面の内周歯56sとがスプライン嵌合されている。スリーブ56は、ギヤ機構カウンタ軸44の軸心C回りの相対回転不能且つその軸心Cと平行な方向すなわち軸心C方向の相対移動可能に設けられている。スリーブ56の内周歯56sは、ギヤピース54の外周歯54sに噛合可能であり、噛合式クラッチD1における一対の噛合歯のうちの他方に対応している。噛合式クラッチD1には、ギヤピース54およびアイドラギヤ48とギヤ機構カウンタ軸44との間にニードルベアリング84が配設されている。ギヤピース54およびアイドラギヤ48は、ニードルベアリング84を介してギヤ機構カウンタ軸44に相対回転可能に支持されている。ギヤ機構カウンタ軸44には、他方の支持壁82a側の開口から供給された潤滑油をニードルベアリング84に供給するための径方向油路86が中心孔44aから径方向に形成されている。
As shown in FIG. 2, the meshing clutch D1 provided in the
噛合式クラッチD1は、スリーブ56とギヤピース54と噛み合わせる際に回転を同期させる、シンクロナイザリング58を有する回転同期機構としての公知のシンクロメッシュ機構S1を備えている。図2および図3は、スリーブ56の内周歯56sが、クラッチギヤ54の外周歯54sに噛み合っていない状態を示している。シンクロメッシュ機構S1を構成するシンクロナイザリング58は、円環状に形成されており、シンクロナイザリング58の外周面には、スリーブ56の内周歯56sに噛合可能な外周歯58sが形成されている。外周歯58sは、スリーブ56が軸心C方向にギヤピース54側に移動した場合に内周歯56sに噛合可能な寸法に形成されている。また、シンクロナイザリング58の内周面には、ギヤピース54のテーパ状外周面76と面接触するテーパ状内周面78が形成されている。テーパ状内周面78は、軸心C方向にギヤピース54から遠ざかるほど内径の寸法が大きくなっている。シンクロナイザリング58は、ギヤピース54に相対回転可能に支持されている。図2および図3に示す状態から、スリーブ56がギヤピース54側へ移動させられると、スリーブ56の内周歯56sは、まずシンクロナイザリング58の外周歯58sに当接してその移動が阻止され、スリーブ56とギヤピース54との回転の同期が開始される。そして、スリーブ56とギヤピース54との回転の同期が完了すると、スリーブ56の内周歯56sがシンクロナイザリング58の外周歯58sを通してギヤピース54の外周歯54sと噛み合わされる。これにより、ギヤ機構カウンタ軸44の回転が噛合式クラッチD1を介してアイドラギヤ48に伝達される。
The meshing clutch D1 includes a known synchromesh mechanism S1 as a rotation synchronization mechanism having a
シフトフォーク60は、図示しないアクチュエータによって作動させられる図示しないフォークシャフトに固設されている。スリーブ56は、図示しないフォークシャフトが摺動させられることによってシフトフォーク60を介して軸心Cと平行な方向に摺動させられる。スリーブ56は、たとえば運転者のアクセル操作に基づく要求駆動力の変化に応じて軸心Cと平行な方向に摺動させられる。図示しないフォークシャフトは、シフトフォーク60の基端部60aに固定されている。シフトフォーク60には、基端部60aから曲線的に伸びる先端部60bが形成されている。先端部60bは、基端部60aから軸心Cに向かってすなわち軸心Cに同心に設けられたスリーブ56に向かって伸び、且つ双股状に形成されている。シフトフォーク60の先端部60bは、スリーブ56の外周面に形成された環状溝72に嵌合可能に形成されている。
The
図2および図3に示すように、先端部60bの環状溝72と接触する接触面には、高い耐摩擦性を有する材料から成る摩擦材としてのピークパッド62が配設されている。ピークパッド62は、たとえば接着剤によって先端部60bに固着させられている。ピークパッド62は、先端部60bの環状溝72と接触する接触面の一部または全面に設けられている。先端部60bに設けられたピークパッド62は、シフトフォーク60が移動させられることによって、環状溝72内の側壁面に当接させられる。
As shown in FIGS. 2 and 3, a
シフトフォーク60には、軸心C方向と平行な貫通穴60cが基端部60aを貫通して形成されている。貫通穴60cには、車両用変速機内24内たとえば伝動ベルト70などに潤滑油を供給するための油路88に連通する管部材90の先端部90aが摺動可能に嵌合させられる。油路88に流れる潤滑油は、図2の矢印の方向に流れて管部材90内に供給される。管部材90の先端部90aには、スリーブ56の環状溝72に向かって管部材90内に供給される潤滑油をスリーブ56に向かって噴射させるための噴射穴90bが形成されている。噴射穴90bの直径は、貫通穴60cの穴長さすなわち基端部60aの軸心C方向と平行な方向の厚さよりも小さくなるように形成されている。
In the
図2はシフトフォーク60が第1位置A1にある状態、具体的にはシフトフォーク60の基端部60aの大径ギヤ46側の端面60dが第1位置A1にある状態を示しており、環状溝72に潤滑油をそれほど供給する必要がない状態すなわち前記第1動力伝達経路に基づいて動力が伝達されるベルト走行モードにある場合の状態である。すなわち、シフトフォーク60が第1位置A1にある状態は、スリーブ56の内周歯56sが、ギヤ機構カウンタ軸44の図示しない外周歯とスプライン嵌合され、且つシンクロナイザリング58の外周歯58sおよびギヤピース54の外周歯54sと噛み合わされていない状態である。この状態では、シフトフォーク60の先端部60bに設けられたピークパッド62と環状溝72内の側壁面とがそれほど相対回転せず、摺動もしないので、それほど潤滑油の供給を必要としない。シフトフォーク60が第1位置A1にある状態では、噴射穴90bはシフトフォーク60の基端部60aによって閉じられた状態となる。管部材90は、軸心Cに平行な状態でたとえば車両用変速機24内の隔壁に固設されている。管部材90は、シフトフォーク60が第1位置A1にある状態では、先端部90aがシフトフォーク60の基端部60aから突出しない位置で嵌合されている。
FIG. 2 shows a state in which the
図4は、図1の車両用変速機24の要部を拡大して示す図であり、シフトフォーク60が第2位置A2にある状態を示す断面図である。シフトフォーク60が第2位置A2にある状態は、具体的にはシフトフォーク60の基端部60aの大径ギヤ46側の端面60dが第2位置A2にある状態であり、環状溝72に潤滑油を供給する必要がある状態すなわち前記第2動力伝達経路に基づいて動力が伝達されるギヤ走行モードにある場合の状態である。シフトフォーク60が第2位置A2にある状態は、図4に示すように、図示しないアクチュエータの作動によって、シフトフォーク60が、図4の二点鎖線で示す第1位置A1から軸心C方向にギヤピース54側に向かって移動させられて、スリーブ56がシンクロメッシュ機構S1を通ってギヤピース54に噛み合わされた状態となっている。すなわち、シフトフォーク60が第2位置A2にある状態は、シフトフォーク60の摺動に伴って摺動するスリーブ56の内周歯56sが、ギヤピース54の外周歯54sと噛み合わされた状態である。スリーブ56の内周歯56sはギヤピース54側ほど歯厚が大きくなるようなテーパ状の側面を有し、同様に、ギヤピース54の外周歯54sはスリーブ56側ほど歯厚が大きくなるようなテーパ状の側面を有していて、スリーブ56の内周歯56sとギヤピース54の外周歯54sとが噛み合った状態でトルクが伝達されるとスリーブ56をギヤピース54側へ付勢するスラスト力が発生させられて、噛み合いの外れが抑制されている。このため、シフトフォーク60の先端部60bに設けられたピークパッド62と環状溝72内の側壁面とが相互に摺接させられる状態となる。このような、シフトフォーク60が第2位置A2にある場合には、シフトフォーク60が第1位置よりもギヤピース54側に移動させられたことによって、噴射穴90bがシフトフォーク60の基端部60aによって閉じられた状態から開かれた状態となっている。噴射穴90bが開かれることにより、シフトフォーク60が第2位置A2にある状態では、噴射穴90bからスリーブ56の環状溝72に向かって図4の矢印O方向に潤滑油が噴射される。矢印O方向に噴射された潤滑油は、シフトフォーク60の形状に沿って環状溝72に向かって供給され、且つピークパッド62に供給される。
FIG. 4 is an enlarged view showing a main part of the
以上のように構成された車両用変速機24においては、シフトダウン変速指令に応じて、ギヤ機構カウンタ軸44とアイドラギヤ48との回転を同期させるために、シフトフォーク60は、スリーブ56を軸心C方向にギヤピース54に近づける方向に移動させて、スリーブ56とギヤピース54とを噛み合わせる。管部材90に形成された噴射穴90bは、シフトフォーク60の位置に基づいて、開状態または閉状態が切り替えられる。これにより、シフトフォーク60が第1位置A1にある状態では、噴射穴90bは、シフトフォーク60の基端部60bによってシールされた閉状態とされ、シフトフォーク60が第2位置A2にある状態では、噴射穴90bは、シフトフォーク60にシールされない開状態とされる。そのため、シフトフォーク60とスリーブ56とが接触する接触面に設けられたピークパッド62に潤滑油を供給する必要がない場合、すなわちスリーブ56の環状溝72に潤滑油を供給する必要がない場合には、シフトフォーク60が第1位置A1にあるため潤滑穴90bから潤滑油は環状溝72に供給されない。しかしながら、環状溝72に潤滑油を供給する必要がある場合には、シフトフォーク60が第2位置A2にあるため噴射穴90bから潤滑油は環状溝72に供給される。
In the
このように、本実施例の車両用変速機24によれば、シフトフォーク60には貫通穴60cが形成され、軸心C方向に平行に配置され内部に潤滑油が供給される管部材90の先端部90aが貫通穴60cに摺動可能に嵌合されている。また、管部材90の先端部90bには、管部材90内の潤滑油を環状溝72に供給可能な噴射穴が形成されている。さらに、噴射穴90bは、シフトフォーク60が第1位置A1に移動させられることにより閉状態とされ、シフトフォーク60が第2位置A2に移動させられることにより開状態とされる。これにより、シフトフォーク60の位置に基づいて、環状溝72に潤滑油を供給する必要がない場合たとえばシフトフォーク60が第1位置A1に位置している場合には、噴射穴90bを閉状態とし、環状溝72に潤滑油を供給する必要がある場合たとえばシフトフォーク60が第2位置A2に位置している場合には、噴射穴90bを開状態とすることができる。そのため、第1位置A1に比較してピークパッド62の摩耗が大きくなる第2位置A2において、環状溝72に効率的に潤滑油を供給することができるので、車両用変速機24内のその他部品たとえば伝動ベルト70への潤滑油の供給が不足することを抑制することができる。
As described above, according to the
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、更に別の態様においても実施される。 Although a preferred embodiment of the present invention has been described in detail with reference to the drawings, the present invention is not limited to this, and is also carried out in still another embodiment.
例えば、前述の実施例においては、噴射穴90bからスリーブ56の環状溝72に向かって噴射された潤滑油は、シフトフォーク60の形状に沿って環状溝72に向かって供給され、且つピークパッド62に供給されているが、必ずしもこれに限らず、噴射穴90bからスリーブ56の環状溝72に向かって噴射された潤滑油は、直接環状溝72に供給され、且つピークパッド62に供給されてもよい。
For example, in the above-described embodiment, the lubricating oil injected from the
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、上述したのはあくまでも一実施形態であり、その他一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々変更、改良を加えた態様で実施することができる。 Although the embodiments of the present invention have been described in detail with reference to the drawings, the above is only one embodiment, and other examples are not given, but the present invention will be described by those skilled in the art without departing from the spirit of the present invention. It can be implemented with various changes and improvements based on knowledge.
24:ベルト式無段変速機(車両用変速機)
56:スリーブ
60:シフトフォーク
60c:貫通穴
62:ピークパッド
72:環状溝
90:管部材
90a:先端部
90b:噴射穴
A1:第1位置
A2:第2位置
C:軸心
S1:シンクロメッシュ機構(回転同期機構)
24: Belt type continuously variable transmission (vehicle transmission)
56: Sleeve 60:
Claims (1)
前記シフトフォークには、貫通穴が形成され、
前記一軸線方向に平行に配置され、内部に潤滑油が供給される管部材の先端部が前記貫通穴に摺動可能に嵌合され、
前記管部材の先端部には、前記管部材内の潤滑油を前記環状溝に供給可能な噴射穴が形成され、
前記噴射穴は、前記シフトフォークが前記第1位置に移動させられることにより閉状態とされ、前記第2位置に移動させられることにより開状態とされることを特徴とする車両用変速機。
A shift fork that is moved from the first position to the second position in the uniaxial direction according to a speed change operation and an annular groove that the shift fork engages with are formed on the outer peripheral surface, and can be moved in the uniaxial direction. A vehicle transmission including an annular sleeve rotatably provided around an axis and a rotation synchronization mechanism including a peak pad provided on a part or the entire surface of a contact surface of the shift fork in contact with the sleeve. And
A through hole is formed in the shift fork.
The tip of the pipe member, which is arranged parallel to the uniaxial direction and to which lubricating oil is supplied, is slidably fitted into the through hole.
At the tip of the pipe member, an injection hole capable of supplying the lubricating oil in the pipe member to the annular groove is formed.
The vehicle transmission is characterized in that the injection hole is closed when the shift fork is moved to the first position, and is opened when the shift fork is moved to the second position.
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