JP6849148B2 - 半導体駆動装置および電力変換装置 - Google Patents

半導体駆動装置および電力変換装置 Download PDF

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Description

本発明は、直列に接続された複数の半導体スイッチング素子を駆動する半導体駆動装置およびそれを用いた電力変換装置に関する。
インバータ装置をはじめとする電力変換装置は、半導体スイッチング素子のオンオフ動作によって電力変換を実現している。半導体スイッチング素子としては、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)およびIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)に代表される電圧駆動型のスイッチング素子がある。以下、半導体スイッチング素子を単にスイッチング素子と呼ぶ。
近年、電力変換装置の高パワー密度化を目的として、コンデンサおよびインダクタ等が小型化されるとともにスイッチング素子のオンオフのスイッチングが高周波化される傾向がある。電力変換装置では、直列に接続された複数のスイッチング素子が同時にオンすることによってアーム短絡が生じる。このようなアーム短絡の発生を防止するため、複数のスイッチング素子が同時にオフされる期間(デッドタイム)が設けられる。通常、デッドタイムは一定の時間に設定される。そのため、オンオフのスイッチングの高周波化に伴い、キャリア周期におけるデッドタイムの時間的割合が相対的に大きくなる。スイッチング素子としてMOSFETが用いられる場合には、デッドタイム中に内蔵ダイオードの導通損失が発生する。デッドタイムの時間的割合が増加すると、このような導通損失が発生しやすくなる。その結果、電力変換効率が低下する。また、電力変換装置が例えば昇圧コンバータである場合、デッドタイムの時間的割合が増加することによって実効的なオンデューティが低下する。そのため、昇圧可能な範囲が縮小する。さらには、ワイドバンドギャップ半導体を含むSiC(Silicon Carbide)−MOSFETがスイッチング素子として用いられ、かつMOSFETの内蔵ダイオードが利用される場合には、SiCの結晶欠陥に起因する通電劣化が生じる。
特開2015−154524号公報 特開2007−185024号公報
上記の問題に対して、例えば特許文献1には、センストランジスタを活用してデッドタイムを短縮する方式が示されている。具体的には、同期整流が開始されると、センストランジスタの寄生ダイオードが通電することによって、検出電圧が基準電圧を下回る。これに応答して、メイントランジスタがオンされる。この場合、メイントランジスタへの指令信号がローレベルであっても、メイントランジスタがオンされるので、同期整流開始時のデッドタイムが短縮される。しかしながら、この方式では、同期整流開始時におけるデッドタイムを短縮することが可能であっても、同期整流終了時におけるデッドタイムを短縮することはできない。そのため、仮に同期整流開始時のデッドタイムが90%削減されたとしても、全体としての削減率は50%×90%=45%であり、十分な削減効果が得られない。
同期整流終了時のデッドタイムを短縮するためには、一対のスイッチング素子のうち一方のスイッチング素子がオフしたタイミングに合わせて他方のスイッチング素子をオンする必要がある。例えば、特許文献2では、一対のスイッチング素子をそれぞれ駆動する一対の駆動装置の間でオンオフ情報が伝送され、そのオンオフ信号に基づいて一対のスイッチング素子の同時オンが防止される。しかしながら、この方式では、オンオフ情報を伝送するための絶縁回路が新たに必要になる。そのため、駆動装置が大型化し、かつコストが増大する。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、大型化および高コスト化を抑制しつつデッドタイムを短縮することが可能な半導体駆動装置および電力変換装置を得ることを目的とする。
本発明に係る半導体駆動装置は、直列に接続された複数の半導体スイッチング素子をそれぞれ駆動するための複数のオンオフ指令信号を生成する制御部と、複数の半導体スイッチング素子のうち一の半導体スイッチング素子のオンオフ状態を検出するとともに検出されたオンオフ状態を表すオンオフ判定信号を出力するオンオフ判定部と、一の半導体スイッチング素子の異常の有無を検出するとともに検出された異常の有無を表す異常検出信号を出力する異常検出部と、オンオフ判定部から出力されたオンオフ判定信号および異常検出部から出力された異常検出信号に基づいて状態信号を出力する状態信号生成部と、制御部と一のスイッチング素子との間の絶縁を確保しつつ制御部により生成された一の半導体スイッチング素子を駆動するための一のオンオフ指令信号を伝送するとともに状態信号生成部と制御部との間の絶縁を確保しつつ状態信号生成部から出力される状態信号を伝送する絶縁通信部と、を備え、制御部は、絶縁通信部により伝送される状態信号に基づいて、複数の半導体スイッチング素子のうち他の半導体スイッチング素子を駆動するための他のオンオフ指令信号を生成する。
本発明によれば、大型化および高コスト化を抑制しつつデッドタイムを短縮することが可能である。
本発明の実施の形態1および実施の形態2に係る半導体駆動装置の基本構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1に係る半導体駆動装置の状態信号生成部、ゲート駆動部、オンオフ判定部および異常検出部の具体的な構成例を示す回路図である。 本発明の実施の形態1に係る半導体駆動装置の制御部の具体的な構成例を示す回路図である。 本発明の実施の形態1における各種信号の変化およびスイッチング素子のゲート・ソース間電圧の変化の一例を示すタイミングチャートである。 本発明の実施の形態1における状態信号、クリア信号、異常信号および異常保持信号の変化の一例を示すタイミングチャートである。 本発明の実施の形態1においてスイッチング素子がハード遮断される場合の各種信号の変化について説明するためのタイミングチャートである。 本発明の実施の形態1においてオン判定時間が比較的長く設定された場合の種々の信号の変化について説明するためのタイミングチャートである。 本発明の実施の形態2に係る半導体駆動装置の状態信号生成部、ゲート駆動部、オンオフ判定部および異常検出部の具体的な構成例を示す回路図である。 本発明の実施の形態2における半導体駆動装置の制御部の具体的な構成例を示す回路図である。 本発明の実施の形態2における各種信号の変化およびスイッチング素子のゲート・ソース間電圧の変化の一例を示すタイムチャートである。 本発明の実施の形態2における指令信号、オンオフ指令信号、状態信号、差異判定信号および異常信号の変化の一例を示すタイミングチャートである。 本発明の実施の形態3に係る半導体駆動装置の基本構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態3に係る半導体駆動装置の状態信号生成部、ゲート駆動部、オンオフ判定部および異常検出部の具体的な構成例を示す回路図である。 本発明の実施の形態4に係る半導体駆動装置の基本構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態4に係る半導体駆動装置の状態信号生成部、ゲート駆動部、オンオフ判定部および異常検出部の具体的な構成例を示す回路図である。 本発明の実施の形態5に係る電力変換装置の基本構成を示す回路図である。 本発明の実施の形態6に係る電力変換装置の基本構成を示す回路図である。 本発明の実施の形態6に係る電力変換装置に用いる半導体駆動装置の制御部の具体的な構成例を示す回路図である。 本発明の実施の形態6における異常信号と他の種々の信号との関係について説明するためのタイムチャートである。 本発明の実施の形態7に係る電力変換装置の基本構成を示す回路図である。 制御部の各機能がソフトウェアで実現される例を示す図である。
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1に係る半導体駆動装置の基本構成を示すブロック図である。実施の形態1に係る半導体駆動装置1は、直流電源の正極端子TPと負極端子TNとの間に直列に接続された一対の半導体スイッチング素子(以下、スイッチング素子と略記する。)M1,M2をパルス幅変調によりそれぞれ駆動する。本例において、スイッチング素子M1,M2はそれぞれパワーMOSFETである。スイッチング素子M1,M2の各々には寄生ダイオードが設けられる。半導体駆動装置1は、スイッチング素子M1のドレイン端子DrainHとソース端子SourceHとの間の電圧およびスイッチング素子M2のドレイン端子DrainLとソース端子SourceLとの間の電圧に基づいて、アーム短絡を検出する機能を備える。アーム短絡は、スイッチング素子M1およびM2が同時にオンすることによって正極端子TPと負極端子TNとの間で生じる短絡である。
半導体駆動装置1は、制御部10、ゲート駆動部22Hおよび22L、オンオフ判定部23Hおよび23L、ならびに異常検出部24Hおよび24Lを備える。制御部10は、スイッチング素子M1を駆動するためのオンオフ指令信号SctlHおよびスイッチング素子M2を駆動するためのオンオフ指令信号SctlLを生成する。オンオフ指令信号SctlH,SctlLは、スイッチング素子M1,M2をオンすべき場合にハイレベルとなり、スイッチング素子M1,M2をオフすべき場合にローレベルとなる。オンオフ指令信号SctlHは、後述の絶縁通信部20Hを介してオンオフ指令信号SgdHとしてゲート駆動部22Hおよびオンオフ判定部23Hに与えられる。オンオフ指令信号SctlLは、後述の絶縁通信部20Lを介してオンオフ指令信号SgdLとしてゲート駆動部22Lおよびオンオフ判定部23Lに与えられる。
ゲート駆動部22Hには、絶縁通信部20Hによって伝送されるオンオフ指令信号SgdHが入力される。ゲート駆動部22Hは、入力されたオンオフ指令信号SgdHに基づいて、スイッチング素子M1を駆動する。ゲート駆動部22Lには、絶縁通信部20Lによって伝送されるオンオフ指令信号SgdLが入力される。ゲート駆動部22Lは、入力されたオンオフ指令信号SgdLに基づいて、スイッチング素子M2を駆動する。本例において、ゲート駆動部22H,22Lは、スイッチング素子M1,M2のゲート端子GateH,GateLに電圧を付与することにより、スイッチング素子M1,M2を駆動する。ゲート駆動部22H,22Lは、スイッチング素子M1,M2のゲート端子GateH,GateLに電流を付与することによってスイッチング素子M1,M2を駆動してもよい。例えば、スイッチング素子M1,M2としてバイポーラトランジスタ等の電流駆動型の半導体が用いられる場合、電流によってスイッチング素子M1,M2が駆動される。
オンオフ判定部23Hには、絶縁通信部20Hにより伝送されるオンオフ指令信号SgdHが入力されるとともに、スイッチング素子M1のゲート端子GateHの電圧が与えられる。オンオフ判定部23Hは、スイッチング素子M1のゲート端子GateHの電圧に基づいてスイッチング素子M1のオンオフ状態を判定し、判定されたオンオフ状態を表すオンオフ判定信号SonHを出力する。オンオフ判定部23Lには、絶縁通信部20Lにより伝送されるオンオフ指令信号SgdLが入力されるとともに、スイッチング素子M2のゲート端子GateLの電圧が与えられる。オンオフ判定部23Lは、スイッチング素子M2のゲート端子GateLの電圧に基づいてスイッチング素子M2のオンオフ状態を判定し、判定されたオンオフ状態を表すオンオフ判定信号SonLを出力する。スイッチング素子M1,M2がオンしている場合、オンオフ判定部23H,23Lはハイレベルのオンオフ判定信号SonH,SonLを出力し、スイッチング素子M1,M2がオフしている場合、オンオフ判定部23H,23Lはローレベルのオンオフ判定信号SonH,SonLを出力する。なお、オンオフ判定部23H,23Lは、スイッチング素子M1,M2のゲート端子GateH,GateLに与えられる電流に基づいて、スイッチング素子M1,M2のオンオフ状態を判定してもよい。
異常検出部24Hには、オンオフ判定部23Hから出力されるオンオフ判定信号SonHが入力されるとともに、スイッチング素子M1のドレイン端子DrainHの電圧が与えられる。異常検出部24Hは、スイッチング素子M1の異常の有無を検出し、検出された異常の有無を表す異常検出信号SfaHを出力する。異常検出部24Lには、オンオフ判定部23Lから出力されるオンオフ判定信号SonLが入力されるとともに、スイッチング素子M2のドレイン端子DrainLの電圧が与えられる。異常検出部24Lは、スイッチング素子M2の異常の有無を検出し、検出された異常の有無を表す異常検出信号SfaLを出力する。ハイレベルの異常検出信号SfaH,SfaLは、スイッチング素子M1,M2に異常があることを表し、ローレベルの異常検出信号SfaH,SfaLは、スイッチング素子M1,M2に異常がないことを表す。本例において、異常検出部24H,24Lは、スイッチング素子M1,M2の異常としてアーム短絡をそれぞれ検出する。
半導体駆動装置1は、状態信号生成部21Hおよび21Lならびに絶縁通信部20Hおよび20Lをさらに備える。状態信号生成部21Hには、オンオフ判定部23Hから出力されるオンオフ判定信号SonHが入力されるとともに、異常検出部24Hから出力される異常検出信号SfaHが入力される。状態信号生成部21Hは、オンオフ判定信号SonHおよび異常検出信号SfaHに基づいて状態信号SstHを生成し、生成された状態信号SstHを出力する。状態信号生成部21Hには、オンオフ判定部23Lから出力されるオンオフ判定信号SonLが入力されるとともに、異常検出部24Lから出力される異常検出信号SfaLが入力される。状態信号生成部21Lは、オンオフ判定信号SonLおよび異常検出信号SfaLに基づいて状態信号SstLを生成し、生成された状態信号SstLを出力する。
絶縁通信部20Hは、チャンネルCh1およびCh2を含み、絶縁通信部20Lは、チャンネルCh3およびCh4を含む。チャンネルCh1〜Ch4には、例えばフォトカプラまたはパルストランス等の絶縁素子が用いられる。絶縁性材料(例えば樹脂)によって形成された光ファイバがチャンネルCh1〜Ch4に用いられてもよい。また、チャンネルCh1〜Ch4は、集積回路(IC)内に形成されたパルストランス等の絶縁であってもよい。
絶縁通信部20Hは、制御部10とゲート駆動部22Hとの間の絶縁を確保しつつ制御部10からゲート駆動部22Hにオンオフ指令信号を伝送し、状態信号生成部21Hと制御部10との間の絶縁を確保しつつ状態信号生成部21Hから制御部10に状態信号を伝送する。具体的には、制御部10から出力されたオンオフ指令信号SctlHがチャンネルCh1に入力され、チャンネルCh1から出力されたオンオフ指令信号SgdHがゲート駆動部22Hに与えられる。また、状態信号生成部21Hから出力された状態信号SstHがチャンネルCh2に入力され、チャンネルCh2から出力された状態信号SfbHが制御部10に与えられる。
絶縁通信部20Lは、制御部10とゲート駆動部22Lとの間の絶縁を確保しつつ制御部10からゲート駆動部22Lにオンオフ指令信号を伝送し、状態信号生成部21Lと制御部10との間の絶縁を確保しつつ状態信号生成部21Lから制御部10に状態信号を伝送する。具体的には、制御部10から出力されたオンオフ指令信号SctlLがチャンネルCh3に入力され、チャンネルCh3から出力されたオンオフ指令信号SgdLがゲート駆動部22Lに与えられる。また、状態信号生成部21Lから出力された状態信号SstLがチャンネルCh4に入力され、チャンネルCh4から出力された状態信号SfbLが制御部10に与えられる。
絶縁通信部20H,20Lへの信号の入力時点と絶縁通信部20H,20Lからの信号の出力時点との間に僅かな遅延が生じる。そのため、オンオフ指令信号SgdHは、オンオフ指令信号SctlHより僅かに遅延して変化し、状態信号SfbHは、状態信号SstHより僅かに遅延して変化する。同様に、オンオフ指令信号SgdLは、オンオフ指令信号SctlLより僅かに遅延して変化し、状態信号SfbLは、状態信号SstLより僅かに遅延して変化する。
ゲート駆動部22H、オンオフ判定部23H、異常検出部24Hおよび状態信号生成部21Hの各々に対して入出力される信号は、スイッチング素子M1のソース端子SourceHの電位を基準とする。また、ゲート駆動部22L、オンオフ判定部23L、異常検出部24Lおよび状態信号生成部21Lの各々に対して入出力される信号は、スイッチング素子M2のソース端子SourceHの電位を基準とする。ソース端子SourceH,SourceLの電位は、スイッチング素子M1,M2のスイッチング動作によってそれぞれ変動する。一方、制御部10に対して入出力される信号は、一定の電位を基準とすることが好ましい。そのため、制御部10とゲート駆動部22H,22Hとの間および制御部10と状態信号生成部21H,21Lとの間では、絶縁を介した信号の伝送が必要となる。本実施の形態では、絶縁通信部20H,20Lが設けられることにより、制御部10とゲート駆動部22H,22Hとの間および制御部10と状態信号生成部21H,21Lとの間で絶縁を介した信号の伝送が可能となる。
制御部10は、オン指令生成部11ならびにデッドタイム生成部12Hおよび12Lを有する。オン指令生成部11には、絶縁通信部20Hにより伝送される状態信号SfbHおよび絶縁通信部20Lにより伝送される状態信号SfbLが入力される。オン指令生成部11は、状態信号SfbH,SfbLに基づいて、オン信号SinHおよびSinLを生成する。デッドタイム生成部12Hには、絶縁通信部20Lにより伝送される状態信号SfbLおよびオン指令生成部11から出力されるオン信号SinHが入力される。デッドタイム生成部12Hは、状態信号SfbLおよびオン信号SinHに基づいて、デッドタイムが好適に確保されるようにオンオフ指令信号SctlHを生成する。デッドタイム生成部12Lには、絶縁通信部20Hにより伝送される状態信号SfbHおよびオン指令生成部11から出力されるオン信号SinLが入力される。デッドタイム生成部12Lは、状態信号SfbLおよびオン信号SinLに基づいて、デッドタイムが好適に確保されるようにオンオフ指令信号SctlLを生成する。
本実施の形態では、オンオフ判定信号SonHが絶縁通信部20Hの専用のチャンネルを介して伝送されるのではなく、オンオフ判定信号SonHおよび異常検出信号SfaHから状態信号SstHが生成され、その状態信号SstHが絶縁通信部20Hの1つのチャンネルCh2を介して伝送される。また、オンオフ判定信号SonLが絶縁通信部20Lの専用のチャンネルを介して伝送されるのではなく、オンオフ判定信号SonLおよび異常検出信号SfaLから状態信号SstLが生成され、その状態信号SstLが絶縁通信部20Hの1つのチャンネルCh4を介して伝送される。これにより、オンオフ判定信号SonH,SonLを伝送するために絶縁通信部20H,20Lに新たなチャンネルを設けることなく、スイッチング素子M1,M2のオンオフ状態を制御部10に伝達することができる。
図2は、図1の状態信号生成部21H、ゲート駆動部22H、オンオフ判定部23Hおよび異常検出部24Hの具体的な構成例を示す概略的な回路図である。なお、図1の状態信号生成部21L、ゲート駆動部22L、オンオフ判定部23Lおよび異常検出部24Lは、状態信号生成部21H、ゲート駆動部22H、オンオフ判定部23Hおよび異常検出部24Hと同様の構成および機能を有する。
ゲート駆動部22Hは、バッファ回路BF1、抵抗R1〜R10、スピードアップコンデンサC1,C2、およびトランジスタTr1〜Tr3を備える。絶縁通信部20Hから出力されるオンオフ指令信号SgdHはバッファ回路BF1で増幅され、オン制御用のゲート抵抗R6、R8およびスピードアップコンデンサC2、またはオフ制御用のゲート抵抗R7、R8およびスピードアップコンデンサC1を介してスイッチング素子M1のゲート端子GateHに与えられる。バッファ回路BF1の正の端子には電圧VccHが与えられ、負の端子には電圧VeeHが与えられる。電圧VccH,VeeHは、ソース端子SourceHの電位FgHを基準に設定される。バッファ回路BF1の負の端子の電位がFgHとなるように、電圧VeeHが0に設定されてもよい。また、誤点弧を防止するため、バッファ回路BF1の負の端子の電位がFgHよりも低くなるように、電圧VeeHが負電圧に設定されてもよい。また、図2の例では、デッドタイムの短縮を行うためにスピードアップコンデンサC1,C2が設けられるが、スピードアップコンデンサC1,C2以外の構成が用いられてもよい。さらには、図2の例では、ゲート駆動方式が定電圧駆動であるが、ゲート駆動方式は、定電流駆動、あるいはアクティブゲート駆動であってもよい。アクティブゲート駆動は、ゲート駆動回路のインピーダンスを動的に変化させる駆動方式である。
アーム短絡が発生した場合に、スイッチング素子M1が遮断(いわゆるハード遮断)されると、大電流の遮断によって過大なサージ電圧が発生することがある。本例では、バッファ回路BF1およびトランジスタTr3により、そのような過大なサージ電圧の発生が防止される。具体的には、アーム短絡が検出されることによって異常検出部24Hから出力される異常検出信号SfaHがハイレベルになると、バッファ回路BF1がハイインピーダンス状態に保持されることによってバッファ回路BF1の出力が停止される。その状態でトランジスタTr3がオンされると、ゲート抵抗R10によってスイッチング素子M1が低速で遮断される(いわゆるソフト遮断)。ゲート抵抗R10の値は、ゲート抵抗R7の値とゲート抵抗R8の値との和よりも大きく、例えば、ゲート抵抗R7の値とゲート抵抗R8の値との和の10倍程度である。
オンオフ判定部23Hは、コンパレータCP1、抵抗R11〜R15、ダイオードD1およびコンデンサC3を備える。スイッチング素子M1のゲート・ソース間電圧(ゲート端子GateHとソース端子SourceHとの間の電圧)が抵抗R11を介してコンパレータCP1のプラス側入力端子に与えられる。コンパレータCP1によってスイッチング素子M1のゲート・ソース間電圧が比較基準電圧と比較される。比較基準電圧は抵抗R13〜R15の値に依存する。本例では、オンオフ指令信号SgdHが抵抗R15を介してコンパレータCP1のマイナス側入力端子に与えられる。そのため、オンオフ指令信号SgdHがハイレベルである場合とオンオフ指令信号SgdHがローレベルである場合との間で比較基準電圧が変更される。また、抵抗R11,R12およびコンデンサC3によりローパスフィルタが構成される。後述のように、スイッチング素子M1がオンしてからオンオフ判定信号SonHがハイレベルになるまでの時間(以下、オン判定時間と呼ぶ。)が、スイッチング素子M1がオフしてからオンオフ判定信号SonHがローレベルになるまでの時間(以下、オフ判定時間と呼ぶ。)よりも長くなるように、ローパスフィルタが設定されてもよい。オン判定時間は、第2の時間の例であり、オフ判定時間は第1の時間の例である。なお、オン判定時間とオフ判定時間との間に差異を設ける必要がない場合には、抵抗R12およびダイオードD1は設けられなくてもよい。
異常検出部24Hは、コンパレータCP2、抵抗R16〜R20、ダイオードD2,D3、コンデンサC4、トランジスタTr5、定電流源Idc1および信号幅伸長回路MM1を備える。アーム短絡によってドレイン端子DrainHの電圧が上昇すると、定電流源Idc1からの電流がドレイン端子DrainHに流れない。それにより、コンパレータCP2のプラス側入力端子の電圧が上昇し、コンパレータCP2の出力信号がハイレベルになる。これにより、アーム短絡の発生が検出される。また、オンオフ判定部23Hから出力されるオンオフ判定信号SonHが、トランジスタTr5のベースに与えられる。トランジスタTr5はpnp型である。オンオフ判定信号SonHがローレベルである場合(スイッチング素子M1がオフしている場合)、トランジスタTr5がオンに維持されるため、定電流源Idc1からの電流がトランジスタTr5を介して負極端子に流れる。これにより、スイッチング素子M1が正常にオフしている場合、ドレイン端子DrainHの電圧が上昇してもコンパレータCP2のプラス側入力端子の電圧が上昇しない。その結果、アーム短絡の誤検出が防止される。コンパレータCP2の出力信号は信号幅伸長回路MM1により時間軸方向に伸長され、異常検出信号SfaHとして出力される。
状態信号生成部21Hは、パルス信号発生源CLK1、インバータ回路INV1、OR回路B1,B2およびAND回路A1を備える。パルス信号発生源CLK1は、連続パルスからなる異常パルス信号Sfpを生成し、その異常パルス信号SfpをOR回路B1の一方の入力端子に与える。本例において、異常パルス信号SfPにおけるパルス周期Tf(後述の図5)は、パルス幅変調のキャリア周期よりも短い。OR回路B1の他方の入力端子には、異常検出部24Hからの異常検出信号SfaHがインバータ回路INV1を介して与えられる。OR回路B2の一方の入力端子には、異常検出部24Hからの異常検出信号SfaHが与えられる。OR回路B2の他方の入力端子には、オンオフ判定部23Hからのオンオフ判定信号SonHが与えられる。AND回路A1の一方の入力端子には、OR回路B1の出力信号が与えられ、AND回路A1の他方の入力端子には、OR回路B2の出力信号が与えられる。AND回路A1は、状態信号SstHを出力する。
異常検出信号SfaHがローレベルである場合、オンオフ判定信号SonHが状態信号SstHとして出力され、異常検出信号SfaHがハイレベルである場合、パルス信号発生源CLK1により生成された異常パルス信号Sfpが状態信号SstHとして出力される。すなわち、異常が検出されていない場合には、状態信号SstHがスイッチング素子M1のオンオフ状態を信号レベルによって表し、異常が検出されると、状態信号SstHがスイッチング素子M1に異常があることを連続パルスによって表す。これにより、状態信号SstHからスイッチング素子M1のオンオフ状態および異常の有無を判定することが可能となる。
上記のように、異常検出信号SfaHがハイレベルになると、ゲート駆動部22Hがスイッチング素子M1をオフする。これにより、アーム短絡が解消される。ただし、スイッチング素子M2の故障によってアーム短絡が生じた場合には、スイッチング素子M1のオフによって一時的にアーム短絡が解消されても、その後にスイッチング素子M1がオンされると、アーム短絡が繰り返される。そこで、信号幅伸長回路MM1によってアーム短絡が解消された後にも異常検出信号SfaHがハイレベルに保持される。これにより、一定時間以上スイッチング素子M1がオフに維持され、アーム短絡の繰り返しが防止される。
図3は、図1の制御部10の具体的な構成例を示す概略的な回路図である。図3に示すように、オン指令生成部11は、カウンタ回路CN1およびCN2、OR回路B3、信号保持回路FF1、信号生成部PG1、AND回路A11およびA12ならびにインバータ回路INV2およびINV11を備える。図1の絶縁通信部20Lからカウンタ回路CN1に状態信号SfbHが与えられ、図1の絶縁通信部20Hからカウンタ回路CN2に状態信号SfbHが与えられる。カウンタ回路CN1は、状態信号SfbLのパルス数をカウントする。カウンタ回路CN2は、状態信号SfbHのパルス数をカウントする。カウンタ回路CN1,CN2の各々には、予め定められたカウントリセット周期Tr(後述の図5)でクリア信号CLRが与えられる。クリア信号CLRが与えられると、カウンタ回路CN1,CN2はカウント値をリセットする。カウンタ回路CN1,CN2の少なくとも一方によりカウントリセット周期Tr内で所定のパルス数がカウントされると、異常が発生したと判定される。
カウントリセット周期Trは上記の異常パルス信号Sfpのパルス周期Tfよりも大きく設定される。これにより、異常発生時にはカウンタ回路CN1,CN2の各々が異常パルス信号Sfpの少なくとも1つのパルスをカウントする。また、異常パルス信号Sfpのパルス周期Tfはパルス幅変調のキャリア周期Tc(後述の図5)よりも小さく設定される。これにより、正常時の状態信号SfbH,SfbLに含まれるオンオフ判定信号SonH,SonLのパルスと、異常発生時の状態信号SfbH,SfbLに含まれる異常パルス信号Sfpのパルスとを正確に区別することができる。状態信号SfbH,SfbLの詳細については後述する。信号保持回路FF1は、異常信号ScnHまたは異常信号ScnLを保持することにより異常保持信号SfbFFを生成する。信号保持回路FF1から出力される異常保持信号SfbFFは、インバータ回路INV11によって反転されてAND回路A11の一方の入力端子およびAND回路A12の一方の入力端子に与えられる。
信号生成部PG1には、図示しない演算処理装置(例えば、マイクロコンピュータ)からパルス幅変調によるスイッチング動作を実現するための制御信号Sdrvが与えられる。信号生成部PG1は、制御信号Sdrvに基づいて指令信号Scomを出力する。指令信号Scomは、スイッチング素子M1がオンされるべき期間にハイレベルとなり、スイッチング素子M2がオンされるべき期間にローレベルとなる。指令信号Scomは、AND回路A12の他方の入力端子に与えられるとともに、インバータ回路INV2によって反転されて指令信号Scom’としてAND回路A11の他方の入力端子に与えられる。AND回路A11はオン信号SinHを出力する。AND回路A12はオン信号SinLを出力する。
正常時には、信号保持回路FF1から出力される異常保持信号SfbFFがローレベルである。そのため、インバータ回路INV11によって反転されたハイレベルの信号がAND回路A11,A12に与えられる。この場合、AND回路A12は、信号生成部PG1から出力される指令信号Scomをオン信号SinLとして出力し、AND回路A11は、指令信号Scomの反転信号である指令信号Scom’をオン信号SinHとして出力する。異常が発生した場合には、信号保持回路FF1から出力される異常保持信号SfbFFがハイレベルになる。そのため、インバータ回路INV2によって反転されたローレベルの信号がAND回路A11,A12に与えられる。それにより、AND回路A11,A12は、ローレベルのオン信号SinH,SinLをそれぞれ出力する。
デッドタイム生成部12Hは、インバータ回路INV3およびAND回路A2を備える。オン指令生成部11のAND回路A11から出力されるオン信号SinHが、AND回路A2の一方の入力端子に与えられる。また、図1の絶縁通信部20Lから出力される状態信号SfbLが、インバータ回路INV3によって反転されてAND回路A2の他方の入力端子に与えられる。AND回路A2は、オンオフ指令信号SctlHを出力する。デッドタイム生成部12Lは、インバータ回路INV4およびAND回路A3を備える。オン指令生成部11のAND回路A12から出力されるオン信号SinLが、AND回路A3の一方の入力端子に与えられる。また、図1の絶縁通信部20Hから出力される状態信号SfbHが、インバータ回路INV4によって反転されてAND回路A3の他方の入力端子に与えられる。AND回路A3は、オンオフ指令信号SctlLを出力する。
正常時には、一方のスイッチング素子がオンしている場合に他方のスイッチング素子がオンされないように各オンオフ指令信号が生成される。具体的には、スイッチング素子M2がオンしていると、状態信号SfbLはハイレベルである。そのため、AND回路A2には、インバータ回路INV3によって反転されたローレベルの信号が与えられる。それにより、オン信号SinHがハイレベルおよびローレベルのいずれであっても、AND回路A2は、ローレベルのオンオフ指令信号SctlHを出力する。一方、スイッチング素子M2がオフされると、図1の絶縁通信部20Lから出力される状態信号SfbLがローレベルになる。そのため、AND回路A2には、インバータ回路INV3によって反転されたハイレベルの信号が与えられる。これにより、オン信号SinHがハイレベルであるときには、AND回路A2はハイレベルのオンオフ指令信号SctlHを出力する。このように、スイッチング素子M2がオンしているときには、AND回路A2からハイレベルのオンオフ指令信号SctlLが出力されることはなく、スイッチング素子M2がオフしていることを条件としてハイレベルのオンオフ指令信号SctlHの出力が許可される。これにより、スイッチング素子M1,M2が同時にオンすることを防止しつつスイッチング素子M2がオフした後に迅速にスイッチング素子M1をオンすることができる。同様に、スイッチング素子M1がオンしているときには、AND回路A3からハイレベルのオンオフ指令信号SctlLが出力されることはなく、スイッチング素子M1がオフしていることを条件としてハイレベルのオンオフ指令信号SctlLの出力が許可される。これにより、スイッチング素子M1,M2が同時にオンすることを防止しつつスイッチング素子M1がオフした後に迅速にスイッチング素子M2をオンすることができる。このようにして、スイッチング素子M1,M2のオフ動作時のデッドタイムが短縮される。
信号保持回路FF1から出力される異常保持信号SfbFFがハイレベルになると、オン信号SinH,SinLがともにローレベルに維持される。これにより、故障によってスイッチング素子M1,M2の駆動が不可能である場合を除いて、スイッチング素子M1,M2がともにオフされる。
上記のように、異常の発生時には、異常検出信号SfaHまたはSfaLがハイレベルになることに応答してゲート駆動部22Hまたは22Lがスイッチング素子M1またはM2をオフする。これにより、スイッチング素子M1,M2を含むシステム(例えば後述の電力変換装置)が一次的に保護される。それに加えて、異常保持信号SfbFFがハイレベルになると、制御部10が全てのスイッチング素子をオフする。これにより、システムが二次的に保護され、異常による誤動作等が防止される。信号保持回路FF1には、必要に応じてリセット信号RSTが与えられる。例えばノイズ等によって異常が誤検出された場合には、リセット信号RSTによって信号保持回路FF1を正常状態に復帰させることができる。
図4は、実施の形態1における各種信号の変化およびスイッチング素子M1,M2のゲート・ソース間電圧の変化の一例を示すタイムチャートである。ここでは、スイッチング素子M2の故障によってアーム短絡が生じる場合の例を説明する。
時点t0においては、オン信号SinH、オンオフ指令信号SctlHおよびオンオフ指令信号SgdlHがそれぞれハイレベルであり、オン信号SinL、オンオフ指令信号SctlLおよびオンオフ指令信号SgdlLがそれぞれローレベルである。スイッチング素子M1のゲート・ソース間電圧VgsHはVccHであり、スイッチング素子M2のゲート・ソース間電圧VgsLはVeeLである。オンオフ判定信号SonHはハイレベルであり、オンオフ判定信号SonLはローレベルである。異常検出信号SfaH,SfaLはともにローレベルである。すなわち、時点t0で異常は生じていない。そのため、状態信号SstHおよび状態信号SfbHは、オンオフ判定信号SonHと同じくハイレベルであり、状態信号SstLおよび状態信号SfbLは、オンオフ判定信号SonLと同じくローレベルである。
時点t1において、オン信号SinHがローレベルになるとともにオン信号SinLがハイレベルになる。オン信号SinHの変化に応答して、オンオフ指令信号SctlHがローレベルになる。一方、オンオフ指令信号SctlLはローレベルに維持される。上記のように、図3のデッドタイム生成部12Lにより、状態信号SfbHがハイレベルである場合には、オン信号SinLがハイレベルであってもオンオフ指令信号SctlLはローレベルに維持される。時点t2において、オンオフ指令信号SctlHより僅かに遅延してオンオフ指令信号SgdHがローレベルになる。これにより、スイッチング素子M1のゲート・ソース間電圧VgsHが下降し始める。
時点t3において、ゲート・ソース間電圧VgsHが予め定められたオフしきい値Vthoffより低くなる。これにより、スイッチング素子M1がオフしたと判定され、オンオフ判定信号SonHがローレベルになるとともに状態信号SstHがローレベルになる。時点t4において、状態信号SstHより僅かに遅延して状態信号SfbHがローレベルになる。状態信号SfbHがローレベルになると、それに応答してオンオフ指令信号SctlLがオン信号SinLと同じハイレベルになる。時点t5において、オンオフ指令信号SctlLより僅かに遅延してオンオフ指令信号SgdLがハイレベルになる。これにより、スイッチング素子M2のゲート・ソース間電圧VgsLが上昇し始める。
時点t6において、ゲート・ソース間電圧VgsLが予め定められたオンしきい値Vthonより高くなる。これにより、スイッチング素子M2がオンしたと判定され、オンオフ判定信号SonLがハイレベルになるとともに状態信号SstLがハイレベルになる。時点t7において、状態信号SstLより僅かに遅延して状態信号SfbLがハイレベルになる。その後、ゲート・ソース間電圧VgsHがVeeHに維持され、ゲート・ソース間電圧VgsLがVccLに維持される。
時点t8において、オン信号SinHがハイレベルになるとともにオン信号SinLがローレベルになる。オン信号SinLの変化に応答して、オンオフ指令信号SctlLがローレベルになる。一方、オンオフ指令信号SctlHはローレベルに維持される。上記のように、図3のデッドタイム生成部12Hにより、状態信号SfbLがハイレベルである場合には、オン信号SinHがハイレベルであってもオンオフ指令信号SctlHはローレベルに維持される。時点t9において、オンオフ指令信号SctlLより僅かに遅延してオンオフ指令信号SgdLがローレベルになる。これにより、スイッチング素子M2のゲート・ソース間電圧VgsLが下降し始める。
時点t10において、ゲート・ソース間電圧VgsLがオフしきい値Vthoffより低くなる。これにより、スイッチング素子M2がオフしたと判定され、オンオフ判定信号SonLがローレベルになるとともに状態信号SstLがローレベルになる。時点t11において、状態信号SstLより僅かに遅延して状態信号SfbLがローレベルになる。状態信号SfbLがローレベルになると、それに応答してオンオフ指令信号SctlHがオン信号SinHと同じハイレベルになる。時点t12において、オンオフ指令信号SctlHより僅かに遅延してオンオフ指令信号SgdHがハイレベルになる。これにより、スイッチング素子M1のゲート・ソース間電圧VgsHが上昇し始める。
時点t13において、ゲート・ソース間電圧VgsHがオンしきい値Vthonより高くなる。これにより、スイッチング素子M1がオンしたと判定され、オンオフ判定信号SonHがハイレベルになるとともに状態信号SstHがハイレベルになる。時点t14において、状態信号SstHより僅かに遅延して状態信号SfbHがハイレベルになる。
その状態で、スイッチング素子M2に故障が生じる。それにより、オンオフ指令信号SgdLがローレベルであるにも関わらずスイッチング素子M2がオンし、時点t15において、スイッチング素子M2のゲート・ソース間電圧VgsLがオンしきい値Vthonより高くなる。これにより、オンオフ判定信号SonLがハイレベルになるとともに状態信号SstLがハイレベルになる。時点t17において、状態信号SstLより僅かに遅延して状態信号SfbLがハイレベルになる。状態信号SfbLがハイレベルになると、図3のデッドタイム生成部12Hにより、オン信号SinHがハイレベルであってもオンオフ指令信号SctlHがローレベルになる。
一方、時点t16において、図2の異常検出部24Hがアーム短絡を検出することにより、異常検出信号SfaHがハイレベルになる。それにより、状態信号SstHに異常パルス信号Sfpが挿入され、僅かに遅延して状態信号SfbHに異常パルス信号Sfpが挿入される。また、異常検出信号SfaHがハイレベルになると、図2のゲート駆動部22Hがスイッチング素子M1のソフト遮断を開始する。これにより、スイッチング素子M1のゲート・ソース間電圧VgsHが緩やかに下降する。
時点t18において、オンオフ指令信号SctlHより僅かに遅延してオンオフ指令信号SgdHがローレベルになる。この場合、異常検出信号SfaHに応答してゲート駆動部22Hがスイッチング素子M1のソフト遮断を開始しているので、オンオフ指令信号SgdHがローレベルになっても、スイッチング素子M1のソフト遮断が継続される。
図5は、状態信号SfbH,SfbL、クリア信号CLR、異常信号ScnH,ScnLおよび異常保持信号SfbFFの変化の一例を示すタイムチャートである。ここでは、状態信号SfbH、カウンタ回路CN2、異常信号ScnHおよび異常保持信号SfbFFの関係を主に説明する。状態信号SfbL、カウンタ回路CN1、異常信号ScnLおよび異常保持信号SfbFFの関係も図5の例と同様である。図5の上部には、図3のカウンタ回路CN2によるパルス数のカウント値が示される。カウンタ回路CN2は、状態信号SfbHがローレベルからハイレベルになると、カウント値をインクリメントし、一定のカウントリセット周期Trでクリア信号CLRにパルスが立ち上がるとカウント値をリセットする。
正常時には、オンオフ判定信号SonHがハイレベルになると、状態信号SfbHがハイレベルになる。一方、異常発生時には、状態信号SfbHに異常パルス信号Sfpが挿入されるので、状態信号SfbHに複数のパルスが連続的に立ち上がる。上記のように、カウントリセット周期Trは異常パルス信号Sfpのパルス周期Tfよりも大きく設定される。これにより、異常の発生時に、カウンタ回路CN2が異常パルス信号Sfpの少なくとも1つのパルスをカウントする。また、パルス周期Tfはパルス幅変調のキャリア周期Tcよりも小さく設定される。この場合、時間の経過に伴って異常の発生時にカウントされる異常パルス信号Sfpのパルス数が、正常時にカウントされるオンオフ判定信号SonHのパルス数よりも大きくなる。本実施の形態では、正常時におけるカウント値と異常発生時におけるカウント値との差異を利用して、異常の有無が判定される。
図5の例では、正常時にカウントリセット周期Tr内で状態信号SfbHにパルスが立ち上がる回数が多くとも1回となるように、カウントリセット周期Trが設定される。したがって、正常時におけるカウント値の上限は1である。一方、異常発生時には、異常パルス信号Sfpの挿入によって状態信号SfbLに複数のパルスが連続的に立ち上がるため、カウント値は時間の経過に伴って2以上となる。すなわち、カウント値が2以上となった場合には、異常が発生したことを識別できる。そこで、カウンタ回路CN2は、カウント値が2以上の所定値に達すると、異常信号ScnHにパルスPAを立ち上げる。図5の例では、カウンタ回路CN2は3ビットカウンタであり、カウント値が3に達すると、異常信号ScnHにパルスPAを立ち上げる。パルスPAが立ち上がると、異常保持信号SfbFFがハイレベルになる。その後、異常保持信号SfbFFはハイレベルに維持される。このようにして、正常時の状態信号SfbH,SfbLと、異常発生時の状態信号SfbH,SfbLとを正確に区別することができる。したがって、正常時の状態信号SfbH,SfbL(オンオフ判定信号SonH,SonL)に基づいて、デッドタイムを適切に短縮することができ、かつ異常発生時の状態信号SfbH,SfbL(異常パルス信号Sfp)に基づいて、システム全体の二次保護を適切に行うことができる。
図4の例のように、アーム短絡として、スイッチング素子M2のゲートの故障によってゲート・ソース間電圧VgsLが反転した場合を考える。この場合、故障したスイッチング素子M2をオフすることはできない。本例では、先にゲートがオンしているスイッチング素子側の異常検出部、すなわち故障が生じていないスイッチング素子M1側の異常検出部24Hによって異常が検出される。そのため、異常検出部24Hからの異常検出信号SfaHに応答して、故障が生じていないスイッチング素子M1がオフされる。これにより、短絡の検出に応答してスイッチング素子M1を安全にソフト遮断することができる。
ただし、アーム短絡の発生時にゲート駆動部22Hがスイッチング素子M1をオフする場合として、異常検出信号SfaHに応答してゲート駆動部22Hがスイッチング素子M1をオフする場合と、オンオフ指令信号SgdHに応答してゲート駆動部22Hがスイッチング素子M1をオフする場合とがある。具体的には、異常検出部24Hが異常を検出すると、異常検出部24Hからの異常検出信号SfaHがハイレベルになる。それに応答して、ゲート駆動部22Hがスイッチング素子M1をオフする。以下、異常検出信号に応答してスイッチング素子をオフすることを検出オフ動作と呼ぶ。一方、スイッチング素子M1がオンしているときにスイッチング素子M2がオンした場合、デッドタイム生成部12Hから出力されるオンオフ指令信号SctlHがローレベルになる。それにより、絶縁通信部20Hからゲート駆動部22Hに与えられるオンオフ指令信号SgdHがローレベルになり、それに応答してゲート駆動部22Hがスイッチング素子M1をオフする。以下、オンオフ指令信号に応答してスイッチング素子をオフすることを指令オフ動作と呼ぶ。
ローレベルのオンオフ指令信号SgdHがゲート駆動部22Hのバッファ回路BF1(図2)に到達するよりも前に、ハイレベルの異常検出信号SfaHがゲート駆動部22Hのバッファ回路BF1に到達すると、ゲート駆動部22Hによる検出オフ動作が行われる。逆に、ハイレベルの異常検出信号SfaHがゲート駆動部22Hのバッファ回路BF1に到達するよりも前に、ローレベルのオンオフ指令信号SgdHがゲート駆動部22Hのバッファ回路BF1に到達すると、ゲート駆動部22Hによる指令オフ動作が行われる。ゲート駆動部22Hが検出オフ動作を行うと、スイッチング素子M1がソフト遮断される。一方、ゲート駆動部22Hが指令オフ動作を行うと、スイッチング素子M1がハード遮断される可能性がある。
図6は、スイッチング素子M1がハード遮断される場合の各種信号の変化について説明するためのタイムチャートである。図6の例は、以下の点で図4の例と異なる。図6の例では、時点t15でオンオフ判定信号SonLがハイレベルになった後、時点t21でオンオフ指令信号SctlHがローレベルになる。そのため、異常検出部24Hによってアーム短絡が検出される前に、ゲート駆動部22Hの指令オフ動作によってスイッチング素子M1がオフされる。したがって、スイッチング素子M1は、ハード遮断される。また、時点t23でゲート・ソース間電圧VgsHがオフしきい値Vthoffよりも小さくなる。それにより、異常検出部24Hによってアーム短絡が検出される前に短絡が解消される。したがって、異常検出信号SfaHはローレベルに維持され、状態信号SstHに異常パルス信号Sfpは挿入されない。
図4および図6の例のような短絡は、TypeII短絡(MOSのチャネルが導通している場合)またはTypeIII短絡(ダイオードが導通している場合)と呼ばれる。これらの短絡は大電流が発生し得るので、一般的には短絡が検出されてから対象のスイッチング素子がソフト遮断されるまでの時間が十分短く設定される(例えば、特開2015−139271号公報参照)。
しかしながら、図6の例のように、検出オフ動作の前に指令オフ動作が行われ、スイッチング素子M1がハード遮断される場合がある。スイッチング素子M1がハード遮断される場合であっても、アーム短絡が発生してからハード遮断が行われるまでの時間が短いと、スイッチング素子M1に流れる電流は抑制される。そのため、スイッチング素子M1が破壊される可能性は低い。しかしながら、より信頼性を高めるためには、ハード遮断でなくソフト遮断が行われることが好ましい。
このような課題は、デッドタイムを短縮するために一方のスイッチング素子のオンオフ状態に基づいて他方のスイッチング素子を駆動する場合に発生する新たな課題である。このような課題について、公知文献には全く記載されていない。
このような課題を解決するため、スイッチング素子M1,M2のオン判定時間(スイッチング素子M1,M2がオンしてからオンオフ判定信号SonH,SonLがハイレベルになるまでの時間)がオフ判定時間(スイッチング素子M1,M2がオフしてからオンオフ判定信号SonH,SonLがローレベルになるまでの時間)よりも長く設定されてもよい。具体的には、オンオフ判定部23H,23Lの各々において、図2に示される抵抗R11の値が抵抗R11と抵抗R12の並列値より十分に大きくなるように設定される。コンパレータCP1のプラス側入力端子の電圧が上昇する速度は、抵抗R11の値に依存する。一方、コンパレータCP1のプラス側入力端子の電圧が下降する速度は、抵抗R11と抵抗R12の並列値に依存する。従って、抵抗R11の値が大きいほど、オン判定時間が長くなり、抵抗R12の値が小さいほど、オフ判定時間が短くなる。
図7は、オン判定時間が比較的長く設定された場合の種々の信号の変化について説明するためのタイムチャートである。図7の例は、以下の点で図4の例と異なる。図7の例では、オン判定時間が比較的長く設定されているので、時点t15でスイッチング素子M2のゲート・ソース間電圧VgsLがオンしきい値Vthonより大きくなってから一定時間が経過した後の時点t15aで、オンオフ判定信号SonLがハイレベルになる。時点t15から時点t15aまでの時間がオン判定時間に相当する。この場合、指令オフ動作が行われるよりも前の時点t16で、異常検出部24Hがアーム短絡を検出し、異常検出信号SfaHがハイレベルになる。それに応答して、ゲート駆動部22Hによるスイッチング素子M1のソフト遮断が開始される。これにより、スイッチング素子M1がハード遮断でなくソフト遮断によりオフされるので、さらなる信頼性の向上が実現される。
オン判定時間は、例えば、異常検出部24H,24Lがアーム短絡の検出に要する時間よりも長く設定される。ただし、オンオフ判定信号SonH,SonLが出力されてからオンオフ指令信号SgdH,SgdLによってスイッチング素子M1,M2がオフされるまでの間には、絶縁通信部20H,20L等で信号の遅延が生じる。そのため、オン判定時間と、絶縁通信部20H、20L等で発生する遅延時間との総和が、アーム短絡の検出に要する時間よりも大きければよい。一方、デッドタイムの短縮のため、オフ判定時間は、オン判定時間に比べて十分に短く設定されることが好ましい。
スイッチング素子M1,M2の異常として、アーム短絡に代えて、温度異常、過電圧異常、過電流、故障または特性劣化等が検出されてもよい。スイッチング素子M1,M2の温度異常、過電圧異常、過電流、故障および特性劣化は、公知の検出方法によって検出することができる。
温度上昇または特性劣化が進行する時定数は例えば数ms以上であり、デッドタイムの時定数は例えば数百ns〜数μsであるので、温度上昇または特性劣化が進行する時定数は、デッドタイムの時定数に比べて十分に大きい。そのため、制御部10に要求される温度異常または特性劣化の検出のための時定数は、デッドタイムの時定数よりも十分に大きい。したがって、制御部10は、デッドタイムを適切に確保しつつ時間的余裕をもって温度上昇または特性劣化からシステムを保護することができる。一方、短絡、過電圧、過電流または故障といった異常に対しては、上記のように、ゲート駆動部22H,22Lによって一次保護を行うことにより、制御部10は、デッドタイムを適切に確保しつつ時間的余裕をもってシステム全体の二次保護を行うことができる。
以上説明したように、実施の形態1に係る半導体駆動装置1においては、オンオフ判定信号SonH,SonLがそれぞれ絶縁通信部20H,20Lの専用のチャンネルを介して伝送されるのではなく、オンオフ判定信号SonH,SonLおよび異常検出信号SfaH,SfaLに基づいて状態信号SstH,SstLが生成され、その状態信号SstH,SstLがそれぞれ絶縁通信部20H,20Lの1つのチャンネルを介して伝送される。これにより、絶縁通信部20H,20Lに新たなチャンネルを設けることなく、制御部10にスイッチング素子M1,M2のオンオフ状態を伝達することができる。したがって、半導体駆動装置1の大型化および高コスト化を抑制しつつデッドタイムを適切に短縮することができる。
[実施の形態2]
本発明の実施の形態2について、実施の形態1と異なる点を説明する。図8は、実施の形態2に係る半導体駆動装置1の状態信号生成部21H、ゲート駆動部22H、オンオフ判定部23Hおよび異常検出部24Hの具体的な構成例を示す概略的な回路図である。図8のゲート駆動部22H、オンオフ判定部23Hおよび異常検出部24Hは、図2のゲート駆動部22H、オンオフ判定部23H、および異常検出部24Hと同じ構成を有する。
図8の状態信号生成部21Hは、AND回路A4,A5、インバータ回路INV5,INV6およびOR回路B4を備える。異常検出部24Hからの異常検出信号SfaHが、AND回路A4の一方の入力端子に与えられるとともに、インバータ回路INV6を介してAND回路A5の一方の入力端子に与えられる。AND回路A4の他方の入力端子には、オンオフ指令信号SgdHがインバータ回路INV6を介して与えられる。AND回路A4の出力信号およびAND回路A5の出力信号が、OR回路B4の一方および他方の入力端子に与えられる。この状態信号生成部21Hにおいては、異常検出信号SfaHがローレベルである場合、オンオフ判定信号SonHが状態信号SstHとして出力され、異常検出信号SfaHがハイレベルである場合、オンオフ指令信号SgdHの反転信号が状態信号SstHとして出力される。なお、状態信号生成部21Lは、図8の状態信号生成部21Hと同様の構成および機能を有する。
実施の形態2に係る半導体駆動装置1の制御部10は、絶縁通信部20H,20Lによって伝送される状態信号SfbH,SfbLと指令信号Scom,Scom’との差異に基づいて、異常の有無を判定する。図9は、実施の形態2に係る半導体駆動装置1の制御部10の具体的な構成例を示す概略的な回路図である。図9のデッドタイム生成部12H,12Lは、図3のデッドタイム生成部12H,12Lと同じ構成を有する。図9のオン指令生成部11は、カウンタ回路CN1,CN2およびOR回路B3の代わりに、EXOR回路Bx1,Bx2、ローパスフィルタLPF1,LPF2およびOR回路B5を備える。EXOR回路Bx1の一方の入力端子には、状態信号SfbLが与えられる。EXOR回路Bx1の他方の入力端子には、指令信号Scomが与えられる。EXOR回路Bx2の一方の入力端子には、状態信号SfbHが与えられる。EXOR回路Bx2の他方の入力端子には、指令信号Scom’が入力される。
EXOR回路Bx1は、差異判定信号SxoLを出力する。状態信号SfbLと指令信号Scomとの間で論理(信号レベル)が異なると、差異判定信号SxoLがハイレベルとなる。EXOR回路Bx2は、差異判定信号SxoHを出力する。状態信号SfbHと指令信号Scom’との間で論理(信号レベル)が異なると、差異判定信号SxoHがハイレベルとなる。信号保持回路FF1から出力される異常保持信号SfbFFがローレベルである場合、指令信号Scomはオン信号SinLと等しく、指令信号Scom’はオン信号SinHと等しい。異常が発生していない場合、大部分の期間において、状態信号SfbLと指令信号Scomとの間の間で論理は等しく、状態信号SfbHと指令信号Scom’との間で論理は等しい。ただし、信号の伝送およびスイッチング素子M1,M2のオンオフ動作による遅延に起因して、状態信号SfbLと指令信号Scomとの間あるいは状態信号SfbHと指令信号Scom’との間で一時的に論理が異なることがある。その場合、差異判定信号SxoL,SxoHが一時的にハイレベルになる。以下、信号の伝送およびスイッチング素子M1,M2のオンオフ動作による遅延時間を総称して動作遅延時間と呼ぶ。また、デッドタイムにおいては、状態信号SfbLと指令信号Scomとの間あるいは状態信号SfbHと指令信号Scom’との間で論理が異なるため、差異判定信号SxoLまたは差異判定信号SxoHが一時的にハイレベルになる。
EXOR回路Bx1から出力される差異判定信号SxoLは、ローパスフィルタLPF1に与えられ、EXOR回路Bx2から出力される差異判定信号SxoHは、ローパスフィルタLPF2に与えられる。ローパスフィルタLPF1は、差異判定信号SxoLから高周波数成分を除去することにより異常信号ScnLを生成する。ローパスフィルタLPF2は、差異判定信号SxoHから高周波数成分を除去することにより異常信号ScnHを生成する。この場合、差異判定信号SxoLがローパスフィルタLPF1の時定数よりも長くハイレベルに保持された場合に、異常信号ScnLがハイレベルになる。また、差異判定信号SxoHがローパスフィルタLPF2の時定数よりも長くハイレベルに保持された場合に、異常信号ScnHがハイレベルになる。ローパスフィルタLPF1,LPF2の時定数は、例えば、一回のオン動作または一回のオフ動作に必要な動作遅延時間と一回のデッドタイムとの合計時間より長く設定される。また、ローパスフィルタLPF1,LPF2の時定数が、キャリア周期Tcよりも長く設定されてもよい。
異常信号ScnLは、OR回路B5の一方の入力端子に与えられ、異常信号ScnHは、OR回路B5の他方の入力端子に与えられる。OR回路B5の出力信号は信号保持回路FF1に与えられる。異常信号ScnH,ScnLのいずれか一方がハイレベルになると、信号保持回路FF1から出力される異常保持信号SfbFFがハイレベルになる。
図10は、実施の形態2における各種信号の変化およびスイッチング素子M1,M2のゲート・ソース間電圧の変化の一例を示すタイムチャートである。図10の例について、図4の例と異なる点を説明する。図10の例では、時点t31で異常が発生し、異常検出信号SfaHがハイレベルになる。これにより、状態信号SstHがオンオフ指令信号SgdHの反転信号となる。このとき、オンオフ指令信号SgdHはハイレベルであるので、状態信号SstHはローレベルになる。時点t32において、状態信号SstHより僅かに遅延して状態信号SfbHがローレベルになる。
図11は、指令信号Scom’,Scom、オンオフ指令信号SctlH,SctlL、状態信号SfbH,SfbL、差異判定信号SxoH,SxoLおよび異常信号ScnH,ScnLの変化の一例を示すタイムチャートである。時点t1から時点t4までの期間には、指令信号Scom’がローレベルであるのに対し、状態信号SfbHがハイレベルである。そのため、差異判定信号SxoHがハイレベルになる。また、時点t1から時点t7までの期間には、指令信号Scomがハイレベルであるのに対し、状態信号SfbLがローレベルである。そのため、差異判定信号SxoLがハイレベルになる。同様に、時点t8から時点t11までの期間には、指令信号Scomがローレベルであるのに対し、状態信号SfbLがハイレベルである。そのため、差異判定信号SxoLがハイレベルになる。また、時点t8から時点t13まで期間には、指令信号Scom’がハイレベルであるのに対し、状態信号SfbHがローレベルである。そのため、差異判定信号SxoHがハイレベルになる。
上記のように、異常の発生によって時点t32で状態信号SfbHがローレベルになる。これにより、指令信号Scom’と状態信号SfbHとの間で論理が不一致となり、差異判定信号SxoHがハイレベルになる。時点t32からローパスフィルタLPF1の時定数Tlpが経過した時点t33において、異常信号ScnHがハイレベルになる。これにより、図9の信号保持回路FF1から出力される異常保持信号SfbFFがハイレベルになり、オン信号SinH,SinLがローレベルになる。このようにして、正常時の状態信号SfbH,SfbLと異常発生時の状態信号SfbH,SfbLとを正確に区別することができる。したがって、正常時の状態信号SfbH,SfbL(オンオフ判定信号SonH,SonL)に基づいて、デッドタイムを適切に短縮することができ、かつ異常発生時の状態信号SfbH,SfbLに基づいて、システム全体の二次保護を適切に行うことができる。
[実施の形態3]
本発明の実施の形態3について、実施の形態1と異なる点を説明する。図12は、実施の形態3に係る半導体駆動装置1の基本構成を示すブロック図である。図12の例では、スイッチング素子M1,M2に加えて、スイッチング素子M1s,M2sが設けられる。本例において、スイッチング素子M1s,M2sは、それぞれMOSFETである。スイッチング素子M1sは、スイッチング素子M1とドレイン端子およびゲート端子を共有し、スイッチング素子M2sは、スイッチング素子M2とドレイン端子およびゲート端子を供給する。本例では、スイッチング素子M1s,M2sによってスイッチング素子M1、M2の異常として過電流が検出される。
図13は、実施の形態3における状態信号生成部21H、ゲート駆動部22H、オンオフ判定部23H、および異常検出部24Hの具体的な構成例を示す概略的な回路図である。図13の状態信号生成部21H、ゲート駆動部22Hおよびオンオフ判定部23Hは、図2の状態信号生成部21H、ゲート駆動部22Hおよびオンオフ判定部23Hと同じ構成を有する。異常検出部24Lは、図13の異常検出部24Hと同じ構成を有する。図13の異常検出部24Hは、図2の抵抗R16〜R18、ダイオードD2,D3、トランジスタTr5および定電流源Idc1の代わりに、抵抗R21,R22を備える。コンパレータCP2のプラス側入力端子は、抵抗R22を介してスイッチング素子M2sのソース端子SoureHsに接続される。この異常検出部24Hにおいては、スイッチング素子M1sの電流が抵抗R21により電圧に変換され、コンパレータCP2の出力信号がハイレベルになることにより、過電流が検出される。
実施の形態3に係る半導体駆動装置1においても、上記実施の形態1と同様に、絶縁通信部20H,20Lに新たなチャンネルを設けることなく、制御部10にスイッチング素子M1,M2のオンオフ状態を伝達することができる。したがって、半導体駆動装置1の大型化および高コスト化を抑制しつつデッドタイムを適切に短縮することができる。
[実施の形態4]
本発明の実施の形態4について、実施の形態1と異なる点を説明する。図14は、実施の形態4に係る半導体駆動装置1の基本構成を示すブロック図である。図14の例では、スイッチング素子M1、M2の寄生インダクタンスに基づいてスイッチング素子M1,M2の異常として過電流が検出される。図14においては、スイッチング素子M1の寄生インダクタンスを有するインダクタL1およびスイッチング素子M2の寄生インダクタンスを有するインダクタL2が模式的に示される。
図15は、実施の形態4における状態信号生成部21H、ゲート駆動部22H、オンオフ判定部23H、および異常検出部24Hの具体的な構成例を示す概略的な回路図である。図15の状態信号生成部21H、ゲート駆動部22Hおよびオンオフ判定部23Hは、図2の状態信号生成部21H、ゲート駆動部22Hおよびオンオフ判定部23Hと同じ構成を有する。異常検出部24Lは、図15の異常検出部24Hと同じ構成を有する。
図15の異常検出部24Hは、図2の抵抗R16〜R18、ダイオードD2,D3、トランジスタTr5および定電流源Idc1の代わりに、オペアンプOP1、コンデンサC6および抵抗R25,R26,R27を備える。オペアンプOP1のマイナス側入力端子は、抵抗R25を介してソース端子SourceHtに接続される。オペアンプOP1の出力端子は、コンパレータCP2のプラス側入力端子に接続される。この場合、図14のインダクタL1に発生する電圧がオペアンプOP1で積分され、コンパレータCP2の出力信号がハイレベルになることによって過電流が検出される。
実施の形態4に係る半導体駆動装置1においても、上記実施の形態1と同様に、絶縁通信部20H,20Lに新たなチャンネルを設けることなく、制御部10にスイッチング素子M1,M2のオンオフ状態を伝達することができる。したがって、半導体駆動装置1の大型化および高コスト化を抑制しつつデッドタイムを適切に短縮することができる。
[実施の形態5]
本発明の実施の形態5に係る電力変換装置について説明する。図16は、実施の形態5に係る電力変換装置の構成を示す回路図である。図16の電力変換装置100は、インバータ装置73および上記実施の形態1〜4のいずれかに係る半導体駆動装置1を備える。インバータ装置73は、電力変換部の例であり、スイッチング素子M3〜M8および出力コンデンサ82を有する。インバータ装置73は、いわゆる3相インバータである。インバータ装置73は、電力変換部の例であり、直流電源70の直流電力を3相交流電力に変換し、変換された交流電力を交流負荷であるモータ74に供給する。本例において、スイッチング素子M3〜M8は、パワーMOSFET である。半導体駆動装置1は、スイッチング素子M3〜M8を駆動する。
この場合、実施の形態1〜4のいずれかに係る半導体駆動装置1が用いられるので、半導体駆動装置1の大型化および高コスト化を抑制しつつデッドタイムを適切に短縮することができる。また、デッドタイムの短縮によってインバータ装置73の電力変換効率を向上することができる。さらに、スイッチング素子M3〜M8としてワイドバンドギャップ半導体を用いたSiC−MOSFETが適用される場合には、SiCの結晶欠陥に起因する寄生ダイオードの通電劣化を抑制することができ、インバータ装置73の信頼性の向上および製品寿命の増加を実現することができる。
なお、本実施の形態では、電力変換部として3相インバータが用いられるが、本発明はこれに限られるものではなく、任意の相数のインバータが用いられてもよい。また、電力変換部としてインバータ装置73の代わりに交流電力を直流電力に変換するAC−DCコンバータを含む電力変換装置に実施の形態1〜4のいずれかに係る半導体駆動装置1が適用されてもよい。
[実施の形態6]
本発明の実施の形態6に係る電力変換装置について説明する。図17は、実施の形態6に係る電力変換装置の構成を示す回路図である。図17の電力変換装置150は、昇圧コンバータ71および上記実施の形態1〜4のいずれかに係る半導体駆動装置1を備える。昇圧コンバータ71は、電圧変換部の例であり、スイッチング素子M11,M12、入力コンデンサ80、出力コンデンサ82および昇圧リアクトル81を備える。本例において、スイッチング素子M11,M12は、パワーMOSFET である。
昇圧コンバータ71は、直流電源70の電圧を昇圧して直流負荷72に電力を供給する。半導体駆動装置1は、スイッチング素子M11,M12を駆動する。
本実施の形態では、昇圧リアクトル81を小型化するために、スイッチング素子M11,M12としてワイドバンドギャップ半導体を用いた高速スイッチング素子が適用される。これにより、キャリア周期の短縮が可能となる。例えば、キャリア周期Tcが10μsとなり、オンデューティが50%となるようにスイッチング素子M11,M12が駆動される。その場合、スイッチング素子M11,M12を駆動するためのオンオフ指令信号の理想的なパルス幅は5μsとなる。しかしながら、実際にはデッドタイムを設ける必要があるので、例えば、スイッチング素子M11,M12のターンオン時およびターンオフ時のデッドタイムが0.5μsである場合、オンオフ指令信号の実効的なパルス幅は4μsに減少する。この場合、導通特性が悪い寄生ダイオードに電流が流れる時間の割合が多くなり、電力変換効率が低下する。さらに、デッドタイムの追加によって実効的な最大オンデューティが減少するため、昇圧可能な範囲が縮小する。
これに対し、本実施形態に係る昇圧コンバータ71では、半導体駆動装置1が上記のようにしてデッドタイムを短縮することが可能であるため、電力変換効率の低下が防止され、昇圧可能な範囲が広がる。
本実施の形態のようにキャリア周期が短縮化された場合に適した状態信号の生成方法について説明する。実施の形態1の状態信号生成部21H,21L(図2)においては、異常発生時に、キャリア周期Tcよりも短いパルス周期を有する異常パルス信号Sfpが状態信号に挿入される。その場合、絶縁通信部20H,20Lに要求される信号帯域に制約が生じたり、あるいは制御部10に設けられるマイクロコンピュータ等の演算速度に制約が生じたりする。そこで、本実施の形態では、例えば、パルス信号発生源CLK1により出力される異常パルス信号Sfpのパルス周期がキャリア周期Tcよりも大きく設定される。
図18は、図17の半導体駆動装置1が備える制御部10の具体的な構成例を示す概略的な回路図である。図18のデッドタイム生成部12H,12Lは、図3のデッドタイム生成部12H,12Lと同じ構成を有する。図18のオン指令生成部11は、カウンタ回路CN1,CN2およびOR回路B3のかわりに、ローパスフィルタLPF3,LPF4およびOR回路B6を備える。ローパスフィルタLPF3には、状態信号SfbLが与えられ、ローパスフィルタLPF4には、状態信号SfbHが与えられる。ローパスフィルタLPF3は、状態信号SfbLから高周波数成分を除去することによって異常信号SlpLを生成する。ローパスフィルタLPF4は、状態信号SfbHから高周波数成分を除去することによって異常信号SlpHを生成する。ローパスフィルタLPF3,LPF4の各々の時定数は、昇圧コンバータ71のキャリア周期Tcよりも大きくかつパルス信号発生源CLK1により出力される異常パルス信号Sfpのパルス幅よりも小さく設定される。
図19は、異常信号SlpH,SlpLと他の種々の信号との関係について説明するためのタイムチャートである。図19の例では、時点t41でスイッチング素子M11の異常が検出される。時点t41より前の期間には、状態信号SfbH,SfbLがスイッチング素子M1,M2のオンオフ状態を表しており、状態信号SfbH,SfbLのパルス周期がキャリア周期Tcより小さい。そのため、ローパスフィルタLPF3,LPF4から出力される異常信号SlpH、SlpLは、ローレベルに維持される。一方、時点t41で異常が検出されると、キャリア周期Tcよりも大きいパルス周期Tfを有する異常パルス信号Sfpが状態信号SfbHに挿入される。時点t42で状態信号SfbHのパルス幅がローパスフィルタLPF4の時定数を超える。これにより、ローパスフィルタLPF4から出力される異常信号SlpHがハイレベルになる。その結果、信号保持回路FF1から出力される異常保持信号SfbFFがハイレベルになり、オン信号SinH,SinLがローレベルになる。このようにして、正常時の状態信号SfbH,SfbLと異常発生時の状態信号SfbH,SfbLとを正確に区別することができる。したがって、正常時の状態信号SfbH,SfbL(オンオフ判定信号SonH,SonL)に基づいて、デッドタイムを適切に短縮することができ、かつ異常発生時の状態信号SfbH,SfbL(異常パルス信号Sfp)に基づいて、電力変換装置150全体の二次保護を適切に行うことができる。さらに、絶縁通信部20H,20Lに要求される信号帯域の制約ならびに制御部10の演算速度の制約が緩和される。
実施の形態6に係る電力変換装置150においては、実施の形態1〜4のいずれかに係る半導体駆動装置1が用いられるので、半導体駆動装置1の大型化および高コスト化を抑制しつつデッドタイムを適切に短縮することができる。また、絶縁通信部の伝送性能やマイクロコンピュータの演算性能に依存することなく、デッドタイムの短縮と異常発生時の保護機能との両立が実現される。
図17の例は、電圧変換部として昇圧コンバータ71を含む電力変換装置150に半導体駆動装置1が適用された例であるが、電圧変換部として昇圧コンバータ71の代わりに降圧コンバータまたは昇降圧コンバータを含む電力変換装置に実施の形態1〜4のいずれかに係る半導体駆動装置1が適用されてもよい。
[実施の形態7]
本発明の実施の形態7に係る電力変換装置について説明する。図20は、実施の形態7に係る電力変換装置の構成を示す回路図である。図20の電力変換装置200は、昇圧型インバータシステムであり、図16のインバータ装置73および図17の昇圧コンバータ71を備える。直流電源70の直流電圧が昇圧コンバータ71により昇圧され、昇圧された直流電圧がインバータ装置73により交流に変換され、変換された交流電力がモータ74に供給されることによってモータ74が駆動される。本実施の形態に係る電力変換装置200は、例えば電動自動車に適用される。
実施の形態7に係る電力変換装置200においては、実施の形態1〜4のいずれかに係る半導体駆動装置1が用いられるので、半導体駆動装置1の大型化および高コスト化を抑制しつつデッドタイムを適切に短縮することができる。また、実施の形態6と同様に、絶縁通信部の伝送性能やマイクロコンピュータの演算性能に依存することなく、デッドタイムの短縮と異常発生時の保護機能との両立が実現される。さらに、実施の形態5と同様に、デッドタイムの短縮によってインバータ装置73の電力変換効率を向上することができる。また、スイッチング素子M3〜M8としてSiC−MOSFETが適用される場合には、SiCの結晶欠陥に起因する寄生ダイオードの通電劣化を抑制することができ、インバータ装置73の信頼性の向上および製品寿命の増加を実現することができる。
図20の例は、電圧変換部として昇圧コンバータ71を含みかつ電力変換部としてインバータ装置73を含む電力変換装置200に実施の形態1〜4のいずれかの半導体駆動装置1が適用された例であるが、電圧変換部として昇圧コンバータ71の代わりに降圧コンバータまたは昇降圧コンバータを含む電力変換装置に実施の形態1〜4のいずれかに係る半導体駆動装置1が適用されてもよく、あるいは電力変換部としてインバータ装置73の代わりに交流電力を直流電力に変換するAC−DCコンバータを含む電力変換装置に実施の形態1〜4のいずれかに係る半導体駆動装置1が適用されてもよい。
[他の実施の形態]
上記実施の形態では、半導体スイッチング素子としてMOSFETが用いられるが、半導体スイッチング素子はこれに限定されない。例えば、MOSFETに代えて、IGBサイリスタまたはGTO(Gate Turn-off thyristor)が半導体スイッチング素子として用いられてもよい。
上記実施の形態では、直列に接続された一対のスイッチング素子のうち一方のスイッチング素子のオンオフ状態に基づいて他方のスイッチング素子の駆動タイミングが制御されるが、本発明はこれに限らない。3つ以上の複数のスイッチング素子が直列に接続され、その複数のスイッチング素子のうち一のスイッチング素子のオンオフ状態に基づいて他のスイッチング素子の駆動タイミングが制御されてもよい。
上記実施の形態では、制御部10のオン指令生成部11およびデッドタイム生成部12H,12Lがハードウェアで実現されるが、制御部10の各機能がソフトウェアで実現されてもよい。図21は、制御部10の各機能がソフトウェアで実現される例を示す図である。図21の例では、制御部10が、処理装置(プロセッサ)51および記憶装置(メモリ)52を備える。処理装置51は、例えばCPU(中央演算処理装置)であり、記憶装置52に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、上記実施の形態における制御部10の各機能を実現することができる。
上記実施の形態では、絶縁通信部20H,20Lにより伝送されたオンオフ指令信号SgdH,SgdLに基づいてゲート駆動部がスイッチング素子M1,M2を駆動するが、本発明はこれに限らない。絶縁通信部20H,20Lにより伝送されたオンオフ指令信号SgdH,SgdLがスイッチング素子M1,M2を直接的に駆動してもよい。
1 半導体駆動装置
10 制御部
11 オン指令生成部
12H、12L デッドタイム生成部
20H、20L 絶縁通信部
21H、21L 状態信号生成部
22H、22L ゲート駆動部
23H、23L オンオフ判定部
24H、24L 異常検出部
M1〜M8 スイッチング素子
CLK1 パルス信号発生源
MM1 信号幅伸長回路
FF1 信号保持回路
LP1〜LP4 ローパスフィルタ
CN1,CN2 カウンタ回路

Claims (16)

  1. 直列に接続された複数の半導体スイッチング素子をそれぞれ駆動するための複数のオンオフ指令信号を生成する制御部と、
    前記複数の半導体スイッチング素子のうち一の半導体スイッチング素子のオンオフ状態を検出するとともに検出されたオンオフ状態を表すオンオフ判定信号を出力するオンオフ判定部と、
    前記一の半導体スイッチング素子の異常の有無を検出するとともに検出された異常の有無を表す異常検出信号を出力する異常検出部と、
    前記オンオフ判定部から出力された前記オンオフ判定信号および前記異常検出部から出力された前記異常検出信号に基づいて状態信号を出力する状態信号生成部と、
    前記制御部と前記一のスイッチング素子との間の絶縁を確保しつつ前記制御部により生成された前記一の半導体スイッチング素子を駆動するための一のオンオフ指令信号を伝送するとともに前記状態信号生成部と前記制御部との間の絶縁を確保しつつ前記状態信号生成部から出力される状態信号を伝送する絶縁通信部と、を備え、
    前記制御部は、前記絶縁通信部により伝送される状態信号に基づいて、前記複数の半導体スイッチング素子のうち他の半導体スイッチング素子を駆動するための他のオンオフ指令信号を生成する、半導体駆動装置。
  2. 前記制御部は、前記状態信号に基づいて、前記一の半導体スイッチング素子がオンしている場合に前記他の半導体スイッチング素子がオンしないように前記他のオンオフ指令信号を生成する、請求項1に記載の半導体駆動装置。
  3. 前記異常検出部から前記一の半導体スイッチング素子に異常がないことを表す異常検出信号が出力されている期間には、前記状態信号は、前記一の半導体スイッチング素子のオンオフ状態を表し、前記異常検出部から前記一の半導体スイッチング素子に異常があることを表す異常検出信号が出力されている期間には、前記状態信号は、前記一の半導体スイッチング素子に異常があることを表す、請求項1または2に記載の半導体駆動装置。
  4. 前記状態信号は、前記一の半導体スイッチング素子のオンオフを信号レベルで表し、前記一の半導体スイッチング素子に異常があることを連続パルスで表す、請求項3に記載の半導体駆動装置。
  5. 前記制御部は、パルス幅変調によって前記複数のオンオフ指令信号を生成し、
    前記状態信号の前記連続パルスの周期は、前記パルス幅変調のキャリア周期よりも短い、請求項4に記載の半導体駆動装置。
  6. 前記制御部は、予め定められた周期毎に前記状態信号のパルス数をカウントし、カウントされたパルス数がしきい値に達した場合、前記複数の半導体スイッチング素子がオフされるように前記複数のオンオフ指令信号を生成する、請求項4または5に記載の半導体駆動装置。
  7. 前記異常検出部は、前記一の半導体スイッチング素子の異常が検出された場合、異常を表す異常検出信号を時間軸方向に伸長して出力する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体駆動装置。
  8. 前記オンオフ判定部は、複数のオンオフ判定部のうちの一のオンオフ判定部であり、
    前記異常検出部は、複数の異常検出部のうちの一の異常検出部であり、
    前記状態信号生成部は、複数の状態信号生成部のうちの一の状態信号生成部であり、
    前記絶縁通信部は、複数の絶縁通信部のうちの一の絶縁通信部であり、
    前記複数のオンオフ判定部のうちの他のオンオフ判定部は、前記他の半導体スイッチング素子のオンオフ状態を検出するとともに検出されたオンオフ状態を表すオンオフ判定信号を出力し、
    前記複数の異常検出部のうちの他の異常検出部は、前記他の半導体スイッチング素子の異常の有無を検出するとともに検出された異常の有無を表す異常検出信号を出力し、
    前記複数の状態信号生成部のうちの他の状態信号生成部は、前記他のオンオフ判定部から出力された前記オンオフ判定信号および前記他の異常検出部から出力された前記異常検出信号に基づいて状態信号を出力し、
    前記複数の絶縁通信部のうちの他の絶縁通信部は、前記制御部および前記他のスイッチング素子の間の絶縁を確保しつつ前記制御部により生成された前記他のオンオフ指令信号を伝送するとともに前記他の状態信号生成部および前記制御部の間の絶縁を確保しつつ前記他の状態信号生成部から出力される状態信号を伝送し、
    前記制御部は、前記他の絶縁通信部により伝送される状態信号に基づいて、前記一のオンオフ指令信号を生成する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の半導体駆動装置。
  9. 前記制御部により生成された前記他のオンオフ指令信号および前記他の異常検出部から出力された前記異常検出信号に基づいて前記他の半導体スイッチング素子を駆動する駆動部をさらに備え、
    前記制御部は、前記一および他の状態信号生成部から出力される状態信号に基づいて、前記他の半導体スイッチング素子がオンしている状態で前記一の半導体スイッチング素子がオンした場合に前記他の半導体スイッチング素子をオフさせるための前記他のオンオフ指令信号を生成し、
    前記駆動部は、前記他の異常検出部から前記他の半導体スイッチング素子に異常があることを表す異常検出信号が出力された場合に、前記他の半導体スイッチング素子を第1の速度でオフさせ、前記他の半導体スイッチング素子をオフさせるための前記他のオンオフ指令信号に基づいて、前記第1の速度よりも高い第2の速度で前記他の半導体スイッチング素子をオフさせ、
    前記他のオンオフ判定部は、前記他の半導体スイッチング素子がオフされてから第1の時間が経過した後に前記他の半導体スイッチング素子がオフされたことを表すオンオフ判定信号を出力し、前記他の半導体スイッチング素子がオンされてから前記第1の時間よりも長い第2の時間が経過した後に前記他の半導体スイッチング素子がオンされたことを表すオンオフ判定信号を出力する、請求項8に記載の半導体駆動装置。
  10. 前記制御部は、パルス幅変調に基づいて前記オンオフ指令信号を生成し、
    前記状態信号の前記連続パルスに含まれる各パルスの時間幅は、前記パルス幅変調のキャリア周期よりも長い、請求項4に記載の半導体駆動装置。
  11. 前記制御部は、前記キャリア周期よりも長い時定数を有するローパスフィルタを通過した前記状態信号に基づいて前記異常の有無を判定する、請求項10に記載の半導体駆動装置。
  12. 前記状態信号生成部は、前記異常検出部から前記一の半導体スイッチング素子に異常がないことを表す異常検出信号が出力されている期間には、前記オンオフ判定信号を前記状態信号として出力し、前記異常検出部から前記一の半導体スイッチング素子に異常があることを表す異常検出信号が出力されている期間には、前記絶縁通信部により伝送された前記一のオンオフ指令信号の反転信号を前記状態信号として出力する、請求項1または2に記載の半導体駆動装置。
  13. 前記制御部は、指令信号に基づいて前記複数のオンオフ指令信号を生成し、
    前記制御部は、前記状態信号および前記指令信号の差異に基づいて、前記異常の有無を判定する、請求項12に記載の半導体駆動装置。
  14. 複数の半導体スイッチング素子を含み、直流と交流との間で電力変換を行う電力変換部と、
    前記複数の半導体スイッチング素子を駆動する請求項1〜13のいずれか1項に記載の半導体駆動装置とを備える、電力変換装置。
  15. 複数の半導体スイッチング素子を含み、直流電圧の昇圧および降圧の少なくとも一方を行う電圧変換部と、
    前記複数の半導体スイッチング素子を駆動する請求項1〜13のいずれか1項に記載の半導体駆動装置とを備える、電力変換装置。
  16. 複数の第1の半導体スイッチング素子を有し、直流電圧の昇圧および降圧の少なくとも一方を行う電圧変換部と、
    複数の第2の半導体スイッチング素子を有し、前記電圧変換部により出力される電力を交流電力に変換する電力変換部と、
    前記複数の第1および第2の半導体スイッチング素子を駆動する請求項1〜13のいずれか1項に記載の半導体駆動装置とを備える、電力変換装置。
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