JP6848505B2 - エレクトロクロミック素子 - Google Patents

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Description

本発明は、エレクトロクロミック素子に関する。
電気化学的な酸化還元反応によって透明状態と着色状態を可逆的に変化させるエレクトロクロミック材料は、表示素子(電子ペーパーやディスプレイなど)や調光素子(調光レンズや調光窓、遮光フィルター、防眩ミラーなど)としての応用が考えられている。
表示素子としては非発光の素子であるため目の負担が少なく、透明な状態からでも画像の表示が可能であり、フィルム等の非常に薄い素子へ応用でき、従来にない新規な画像表示素子として期待が高まっている。調光素子としては省エネルギー技術として実用化が期待されている。
エレクトロクロミック素子では、間隔をおいて対向する2つの電極間にエレクトロクロミック化合物を含むエレクトロクロミック層と電解質層を有することを基本構成とする。従来のエレクトロクロミック素子では、エレクトロクロミック層と電解質層の密着が弱く、加工時に素子に加わる力や熱、フレキシブル基材での折り曲げ等の負荷によりエレクトロクロミック層と電解質層が界面剥離し、電気的物理的な接続が断たれる、という問題があった。
この問題については、例えば特許文献1で液晶性を有する高分子をマトリクスポリマーとした固体電解質層を用いることでエレクトロクロミック層への密着性の高い電解質層を得る方法が提案されている。
しかしながら、固体電解質は一般的にゲル電解質と比較してイオン伝導度が低く、エレクトロクロミック素子の応答性において不利であり、応答性に優れたエレクトロクロミック素子を作製することが難しい。そのため、イオン伝導度が高く、応答性に優れるエレクトロクロミック素子を提供できるゲル電解質であってもエレクトロクロミック層への密着力を高める方法が求められている。
一方、特許文献2では、電極基板と導電性高分子とから構成されるエレクトロクロミック電極において、該電極基板と該導電性高分子とをシランカップリング剤溶液で処理することにより生成する共有結合を介して結合させたエレクトロクロミック電極が開示されている。
しかしながら、特許文献2は、電極とエレクトロクロミック組成物との密着を上げるものであり、電解質とエレクトロクロミック層の密着力には関連していない。
また、特許文献3では、剥離強度を向上させるため、例えばシリカ等を用いた多孔質の剥離防止層を有するエレクトロクロミック装置が開示されている。
しかし、高温での加工や曲げ加工への対応、さらに素子の耐久性を考慮すると、更に剥離強度を向上させたエレクトロクロミック素子が必要とされている。
本発明は、エレクトロクロミック層と電解質層との密着性が高く、良好な発消色性を有するエレクトロクロミック素子を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のエレクトロクロミック素子は、第1の電極と、該第1の電極上に形成された第1のエレクトロクロミック層と、該第1のエレクトロクロミック層上に形成された剥離防止層と、該剥離防止層上に形成された電解質層と、前記第1のエレクトロクロミック層、前記剥離防止層、及び前記電解質層を介して前記第1の電極に対向する第2の電極と、を有し、前記剥離防止層は、前記第1のエレクトロクロミック層の構成成分及び前記電解質層の構成成分のいずれにも化学結合する化合物Aを含み、膜厚が0.1nm以上100nm以下であることを特徴とする。
本発明によれば、エレクトロクロミック層と電解質層との密着性が高く、良好な発消色性を有するエレクトロクロミック素子を提供することができる。
本発明のエレクトロクロミック素子の一例を示す概略断面図である。 本発明のエレクトロクロミック素子の他の例を示す概略断面図である。 クロスカット試験法の試験結果分類基準の図例である。
以下、本発明に係るエレクトロクロミック素子について図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
(第1の実施形態)
本発明にエレクトロクロミック素子の一実施形態について説明する。本実施形態のエレクトロクロミック素子を図1に示す。図1は本実施形態のエレクトロクロミック素子の概略断面図である。
本実施形態のエレクトロクロミック素子は、第1の電極1と、第1の電極1上に形成された第1のエレクトロクロミック層2と、第1のエレクトロクロミック層2上に形成された剥離防止層3と、剥離防止層3上に形成された電解質層4と、第1のエレクトロクロミック層2、剥離防止層3、及び電解質層4を介して第1の電極1に対向する第2の電極5と、を有している。
<第1の電極>
前記第1の電極は、透明導電材料からなることが好ましく、酸化インジウムスズ(スズをドープした酸化インジウム)(以下、「ITO」と称する)、フッ素をドープした酸化スズ(以下、「FTO」と称する)、アンチモンをドープした酸化スズ(以下、「ATO」と称する)、酸化亜鉛等の無機材料などが挙げられる。更に、透明性を有するカーボンナノチューブや、他のAu、Ag、Pt、Cuなど高導電性の非透過性材料等を微細なネットワーク状に形成して、透明度を保持したまま、導電性を改善した電極を用いてもよい。これらの中でも、ITOを用いると高い密着力が得られるため本発明のエレクトロクロミック素子に含まれる電極として好適である。
前記第1の電極の作製方法としては、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法等を用いることができる。前記第1の電極の材料が塗布形成できるものであれば特に制限はなく、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スリットコート法、キャピラリーコート法、スプレーコート法、ノズルコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、反転印刷法、インクジェットプリント法等の各種印刷法を用いることができる。
<第2の電極>
前記第2の電極は、前記第1の電極と対向して形成される。前記第2の電極は前記第1の電極と同様に透明な電極であってもよく、透明ではない電極を用いてもよい。前記第2の電極が透明である場合は、ITO、FTO、ATO、酸化亜鉛等の無機材料などが挙げられる。更に、透明性を有するカーボンナノチューブや、他のAu、Ag、Pt、Cuなど高導電性の非透過性材料等を微細なネットワーク状に形成して、透明度を保持したまま、導電性を改善した電極を用いてもよい。また上記電極上に酸化チタン粒子膜や酸化スズ粒子膜を多孔質電極として形成し、第2の電極としてもよい。
前記第2の電極が透明ではない電極の場合はCu、Al、Ti、Znなどの金属板を用いることができる。
前記第2の電極の作製方法としては、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法等を用いることができる。
前記第2の電極の材料が塗布形成できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スリットコート法、キャピラリーコート法、スプレーコート法、ノズルコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、反転印刷法、インクジェットプリント法等の各種印刷法を用いることができる。
<第1のエレクトロクロミック層>
前記第1のエレクトロクロミック層は、酸化還元反応に伴って発消色するエレクトロクロミック化合物を含み、更に必要に応じてバインダーやその他の成分を含有する。
第1のエレクトロクロミック層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1μm以上30μm以下が好ましく、特に0.4μm以上10μm以下がより好ましい。
−エレクトロクロミック化合物−
前記エレクトロクロミック化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、特に酸化反応によって発色する化合物が好ましい。例えば、トリアリールアミンを有する重合性化合物、アゾベンゼン系、テトラチアフルバレン系、トリフェニルメタン系、トリフェニルアミン系、ロイコ染料などが挙げられる。これらの中でも、トリアリールアミンを有する重合性化合物が特に好ましい。トリアリールアミンを有する重合性化合物を用いた場合、より良好な発消色特性を示すことができる。
前記トリアリールアミンを有する重合性化合物としては、例えば下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
An−Bm ・・・一般式(1)
ただし、n=2のときにはmは0であり、n=1のときmは0又は1である。
A及びBの少なくとも1つはラジカル重合性官能基を有する。
前記Aは例えば下記一般式(2)で示される構造であり、RからR15のいずれかの位置で前記Bと結合している。
前記Bは例えば下記一般式(3)で示される構造であり、R16からR21のいずれかの位置で前記Aと結合している。
Figure 0006848505
Figure 0006848505
ただし、RからR21は、いずれも一価の有機基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、前記一価の有機基のうち少なくとも1つはラジカル重合性官能基である。
前記一般式(2)及び前記一般式(3)における前記一価の有機基としては、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールカルボニル基、アミド基、置換基を有していてもよいモノアルキルアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいジアルキルアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいモノアリールアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいジアリールアミノカルボニル基、スルホン酸基、置換基を有していてもよいアルコキシスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシスルホニル基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールスルホニル基、スルホンアミド基、置換基を有していてもよいモノアルキルアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいジアルキルアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいモノアリールアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいジアリールアミノスルホニル基、アミノ基、置換基を有していてもよいモノアルキルアミノ基、置換基を有していてもよいジアルキルアミノ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよい複素環基などが挙げられる。
これらの中でも、安定動作の点から、アルキル基、アラルキル基、アルコキシ基、水素原子、アリール基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、アルケニル基、アルキニル基が特に好ましい。
前記ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられる。
前記アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
前記アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基などが挙げられる。
前記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などが挙げられる。
前記アリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基などが挙げられる。
前記複素環基としては、例えば、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、オキサジアゾール、チアジアゾールなどが挙げられる。
前記置換基に更に置換される置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基などが挙げられる。
−ラジカル重合性官能基−
前記ラジカル重合性官能基とは、炭素−炭素2重結合を有し、ラジカル重合可能な基であればいずれでもよい。
前記ラジカル重合性官能基としては、例えば、下記に示す1−置換エチレン官能基、1,1−置換エチレン官能基等が挙げられる。
(1)1−置換エチレン官能基としては、例えば、下記一般式(i)で表される官能基が挙げられる。
Figure 0006848505
ただし、前記一般式(i)中、Xは、置換基を有してもよいアリーレン基、置換基を有してもよいアルケニレン基、−CO−基、−COO−基、−CON(R100)−基〔R100は、水素、アルキル基、アラルキル基、アリール基を表す。〕、又は−S−基を表す。
前記一般式(i)のアリーレン基としては、例えば、置換基を有してもよいフェニレン基、ナフチレン基などが挙げられる。
前記アルケニレン基としては、例えば、エテニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基などが挙げられる。
前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基などが挙げられる。
前記アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基などが挙げられる。
前記アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
前記一般式(i)で表されるラジカル重合性官能基の具体例としては、ビニル基、スチリル基、2−メチル−1,3−ブタジエニル基、ビニルカルボニル基、アクリロイルオキシ基、アクリロイルアミド基、ビニルチオエーテル基などが挙げられる。
(2)1,1−置換エチレン官能基としては、例えば、下記一般式(ii)で表される官能基が挙げられる。
Figure 0006848505
ただし、前記一般式(ii)中、Yは、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、−COOR101基〔R101は、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアリール基、又はCONR102103(R102及びR103は、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、又は置換基を有してもよいアリール基を表し、互いに同一又は異なっていてもよい。)〕を表す。
また、Xは、前記一般式(i)のXと同一の置換基及び単結合、アルキレン基を表す。
ただし、Y及びXの少なくともいずれか一方がオキシカルボニル基、シアノ基、アルケニレン基、芳香族環である。
前記一般式(ii)のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基などが挙げられる。
前記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基などが挙げられる。
前記アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基などが挙げられる。
前記一般式(ii)で表されるラジカル重合性官能基の具体例としては、α−塩化アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、α−シアノエチレン基、α−シアノアクリロイルオキシ基、α−シアノフェニレン基、メタクリロイルアミノ基などが挙げられる。
なお、これらX、X、Yについての置換基に更に置換される置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基などが挙げられる。
前記ラジカル重合性官能基の中でも、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が特に好ましい。
−バインダー−
前記第1のエレクトロクロミック層はバインダーとして前記エレクトロクロミック化合物とは異なるラジカル重合性化合物を含んでいてもよい。前記ラジカル重合性化合物としては、例えば、1官能のラジカル重合性化合物、2官能のラジカル重合性化合物、3官能以上のラジカル重合性化合物、機能性モノマー、ラジカル重合性オリゴマーなどが挙げられる。
前記ラジカル重合性官能基としては、前記エレクトロクロミック化合物におけるラジカル重合性官能基と同様であり、これらの中でも、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が特に好ましい。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、溶媒、可塑剤、重合開始剤、レベリング剤、増感剤、分散剤、界面活性剤、酸化防止剤、フィラーなどが挙げられる。
−層の形成方法−
前記第1のエレクトロクロミック層の形成方法としては、例えば、前記エレクトロクロミック化合物を重合させて得られる重合物、または前記エレクトロクロミック化合物と前記バインダーであるラジカル重合性化合物を架橋した架橋物を用いる方法などが挙げられる。特にイオンの透過性や、層の柔軟性などの機械的特性の観点から、前記エレクトロクロミック化合物と前記バインダーであるラジカル重合性化合物を共重合させて第1のエレクトロクロミック層を形成する方法が好ましい。
前記第1のエレクトロクロミック層の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法等を用いることができる。また、前記エレクトロクロミック層の材料が塗布形成できるものであれば、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スリットコート法、キャピラリーコート法、スプレーコート法、ノズルコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、反転印刷法、インクジェットプリント法等の各種印刷法を用いることができる。
<電解質層>
前記電解質層は、前記第1のエレクトロクロミック層へのイオン供給のためにイオン伝導可能な層である。また、前記電解質層はエレクトロクロミック素子の表示素子としての性質より、透明な層であることが好ましい。前記電解質層は、電解質を含有し、更に必要に応じて電解質溶媒やその他の成分を含有する。
前記電解質層はゲル状や高分子架橋型などの形態とすることができる。電解質層はゲル状、固体状に形成することで、素子強度向上、信頼性向上などの利点が得られる。特に高いイオン伝導度を維持できるゲル状に形成することが好ましい。ゲル化手法としては、前記電解質、電解質溶媒やその他の成分をポリマー樹脂中に保持することが好ましい。これにより高いイオン伝導度と固体強度が得られる。
本実施形態の電解質層としては、イオン伝導度の高いゲル電解質を用いることが好ましい。この場合、エレクトロクロミック層と電解質層の密着力をより高めつつ、より良好な発消色応答性を得ることができる。液晶性を有する固体電解質層を用いる場合、イオン電導度が低いと良好な発消色応答性が得られないことがある。
前記ポリマー樹脂としては光硬化可能な樹脂が好ましい。熱重合や溶剤を蒸発させることにより薄膜化する方法に比べて、低温かつ短時間でエレクトロクロミック素子を製造できるためである。
前記電解質層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100nm以上10μm以下が好ましい。
−電解質−
電解質としては、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等の無機イオン塩、4級アンモニウム塩や酸類、アルカリ類の支持塩を用いることができる。例えば、LiClO、LiBF、LiAsF、LiPF、LiCFSO、LiCFCOO、KCl、NaClO、NaCl、NaBF、NaSCN、KBF、Mg(ClO、Mg(BFなどが挙げられる。
前記電解質としてはイオン性液体を用いることも可能である。前記イオン性液体としては、特に制限はなく、一般的に研究・報告されている物質ならばどのようなものでも構わない。これらの中でも、有機のイオン性液体は、室温を含む幅広い温度領域で液体を示す分子構造を有するため、用いることが好ましい。
前記有機のイオン液体の分子構造として、カチオン成分としては、例えば、N,N−ジメチルイミダゾール塩、N,N−メチルエチルイミダゾール塩、N,N−メチルプロピルイミダゾール塩等のイミダゾール誘導体;N,N−ジメチルピリジニウム塩、N,N−メチルプロピルピリジニウム塩等のピリジニウム誘導体;トリメチルプロピルアンモニウム塩、トリメチルヘキシルアンモニウム塩、トリエチルヘキシルアンモニウム塩等の脂肪族4級アンモニウム系などが挙げられる。
また、アニオン成分としては、大気中での安定性を考慮して、フッ素を含んだ化合物を用いることが好ましく、例えば、BF 、CFSO 、PF 、(CFSOなどが挙げられる。
前記電解質の材料としては、前記カチオン成分と前記アニオン成分とを任意に組み合わせたイオン性液体を用いることが好ましい。
−電解質溶媒−
前記溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン、エチレンカーボネート、スルホラン、ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1,2−ジメトキシエタン、1,2−エトキシメトキシエタン、ポリエチレングリコール、アルコール類、又はこれらの混合溶媒などが挙げられる。
−ポリマー樹脂−
前記ポリマー樹脂としてはメタクリレート系ポリマー、アクリレート系ポリマーが好ましい。前記ポリマーは少なくとも1つのラジカル重合性官能基を有する化合物を光硬化して得ることが好ましい。前記のラジカル重合性化合物としては、前記エレクトロクロミック層の前記バインダーとして挙げた例と同様の化合物を用いることができる。例えば、1官能のラジカル重合性化合物、2官能のラジカル重合性化合物、3官能以上のラジカル重合性化合物、機能性モノマー、ラジカル重合性オリゴマーなどが挙げられる。これらは単一、または複数の種類を組み合わせて使用することができる。
前記のラジカル重合性官能基を有する化合物と前記電解質、電解質溶媒、後述のその他の成分を混合し光硬化することで、ゲル化した電解質層が得られる。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、溶媒、可塑剤、重合開始剤、レベリング剤、増感剤、分散剤、界面活性剤、酸化防止剤、フィラーなどが挙げられる。
<剥離防止層>
前記剥離防止層は前記第1のエレクトロクロミック層と電解質層との間に設けられており、前記第1のエレクトロクロミック層と電解質層との密着力を高め、素子の機械的強度を向上させる。
前記剥離防止層は、前記エレクトロクロミック層の構成成分及び前記電解質層の構成成分のいずれにも化学結合する化合物Aを含んでおり、化学結合による接着のため、強い密着力を付与することができる。
前記剥離防止層は、化合物Aとして特にシランカップリング剤を含むことが好ましい。また、必要に応じてその他の成分を含有する。
剥離防止層の膜厚としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1nm〜100nmが好ましい。
前記化合物Aと化学結合する前記エレクトロクロミック層の構成成分としては、例えばバインダー成分、エレクトロクロミック化合物等が挙げられる。
また、前記化合物Aと化学結合する前記電解質層の構成成分としては、例えばポリマー樹脂成分等が挙げられる。
−シランカップリング剤−
前記シランカップリング剤は前記剥離防止層に含まれ、前記エレクトロクロミック層と電解質層の構成成分と化学結合することで素子の機械的強度を向上させる。
また、シランカップリング剤は前記電解質層の構成成分と化学結合するために、少なくとも1種の反応性官能基を有することが好ましい。前記反応性官能基の例としては、ビニル基、エポキシ基、スチリル基、アクリル基、メタクリル基、アミノ基、イソシアヌレート基、ウレイド基、メルカプト基、イソシアネート基などが挙げられる。
この中でも、前記電解質層に含まれるポリマー樹脂と共重合可能なラジカル重合性官能基を選択することが好ましい。前記ラジカル重合性官能基としては特に、アクリル基、メタクリル基が特に好ましい。
前記シランカップリング剤がラジカル重合性官能基を有し、電解質層の構成成分と共重合する場合、電解質層の形成と同時に結合が生成されるため素子作製のプロセスを減らすことができる。
前記ラジカル重合性官能基を持つ前記シランカップリング剤としては、例えば、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどが好適である。
シランカップリング剤は、一般的には無機物と有機物の密着に用いられるが、本実施形態ではエレクトロクロミック層と電解質層という有機膜同士に対して用いている。
シランカップリング剤を用いることにより、エレクトロクロミック層の構成成分と、電解質層の構成成分の両方と化学結合が生成できる。このため、第1のエレクトロクロミック層と電解質層との密着性をより向上させることができ、また発消色性を向上させることができる。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、溶媒、可塑剤、重合開始剤、レベリング剤、増感剤、分散剤、界面活性剤、酸化防止剤、フィラーなどが挙げられる。
−層の形成方法−
剥離防止層の形成方法としては、前記シランカップリング剤とその他の成分の水溶液を第1のエレクトロクロミック層表面に塗布及び乾燥をさせて形成することが好ましい。この際、前記シランカップリング剤との反応性を高めるために、前記第1のエレクトロクロミック層表面をプラズマ処理することが好ましい。
<その他の層及び部材>
前記その他の部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、第1の基材、第2の基材、絶縁性多孔質層、保護層、第2のエレクトロクロミック層などが挙げられる。
−第1の基材、第2の基材−
前記基材としては、各層を支持できる透明材料であれば特に制限はなく、公知の有機材料や無機材料をそのまま用いることができる。
前記基材としては、例えば、無アルカリガラス、硼珪酸ガラス、フロートガラス、ソーダ石灰ガラス等のガラス基板を用いることができる。
前記基材としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂等の樹脂基板を用いてもよい。
これらの中でも、加工性と透明性の点から、ポリカーボネート樹脂が好ましい。
なお、前記基材の表面に、水蒸気バリア性、ガスバリア性、紫外線耐性、及び視認性を高めるために透明絶縁層、UVカット層、反射防止層等がコーティングされていてもよい。
前記基材の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、長方形であっても丸型であってもよい。
前記基材は複数の重ね合わせでもよく、例えば、2枚のガラス基板でエレクトロクロミック素子を挟持する構造にすることで、水蒸気バリア性及びガスバリア性を高めることが可能である。
−絶縁性多孔質層−
前記絶縁性多孔質層、第1の電極と第2の電極とが電気的に絶縁されるように隔離すると共に、電解質を保持する機能を有する。
前記絶縁性多孔質層の材料としては、透明で多孔質であればよく特に限定されるものではないが、絶縁性及び耐久性が高く成膜性に優れた有機材料や無機材料、及びそれらの複合体を用いることが好ましい。
前記絶縁性多孔質層の形成方法としては、焼結法(高分子微粒子や無機粒子をバインダー等に添加して部分的に融着させ粒子間に生じた孔を利用する)や、抽出法(溶剤に可溶な有機物又は無機物類と溶剤に溶解しないバインダー等で構成層を形成した後に、溶剤で有機物又は無機物類を溶解させ細孔を得る)等を用いることができる。
前記絶縁性多孔質層の形成方法として、高分子重合体等を加熱や脱気する等して発泡させる発泡法、良溶媒と貧溶媒を操作して高分子類の混合物を相分離させる相転換法、各種放射線を輻射して細孔を形成させる放射線照射法等の形成方法を用いてもよい。具体例としては、金属酸化物微粒子(SiO粒子やAl粒子等)とポリマー結着剤を含むポリマー混合粒子膜、多孔性有機膜(ポリウレタン樹脂やポリエチレン樹脂等)、多孔質膜状に形成した無機絶縁材料膜等が挙げられる。中でもSiO粒子は絶縁性に優れている点、比較的低屈折率な点、安価な点から好適に用いることができる。
前記絶縁性多孔質層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5μm以上3μm以下が好ましい。
−保護層−
前記保護層の役割は、外的応力や洗浄工程の薬品から素子を守ることや、電解質の漏洩を防ぐこと、大気中の水分や酸素などエレクトロクロミック素子が安定的に動作するために不要なものの侵入を防ぐこと等である。
前記保護層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1μm以上200μm以下が好ましい。
前記保護層の材料としては、例えば、紫外線硬化型や熱硬化型の樹脂を用いることができ、具体的には、アクリル系、ウレタン系、エポキシ系樹脂などが挙げられる。
(第2の実施形態)
本発明のエレクトロクロミック素子の他の実施形態について説明する。なお、上記実施形態と共通する事項については説明を省略する。
本実施形態のエレクトロクロミック素子を図2に示す。本実施形態のエレクトロクロミック素子は、電解質層4と接し、かつ、電解質層4と第2の電極5との間に、第2のエレクトロクロミック層6を有している。
第2のエレクトロクロミック層は応答性向上や発色濃度の向上、発色時の色彩の制御を目的として用いることができる。この場合、第1のエレクトロクロミック層と第2のエレクトロクロミック層は発消色の変化を同時に起こすことが好ましい。よって本発明においては還元反応によって発色する第2のエレクトロクロミック層を用いることが好ましい。前記第2のエレクトロクロミック層は還元反応によって発色するエレクトロクロミック化合物と、導電性又は半導体性微粒子を含むことが好ましい。
平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.2μm以上5.0μm以下が好ましい。前記平均厚みが、0.2μm未満であると、発色濃度が得られにくくなることがあり、5.0μmを超えると、製造コストが増大するとともに、着色によって視認性が低下しやすいことがある。
−還元反応によって発色するエレクトロクロミック化合物−
還元反応で発色する材料としては、例えば、ポリマー系又は色素系のエレクトロクロミック化合物が挙げられる。具体的には、例えば、アゾベンゼン系、アントラキノン系、ジアリールエテン系、ジヒドロプレン系、ジピリジン系、スチリル系、スチリルスピロピラン系、スピロオキサジン系、スピロチオピラン系、チオインジゴ系、テトラチアフルバレン系、テレフタル酸系、トリフェニルメタン系、トリフェニルアミン系、ナフトピラン系、ビオロゲン系、ピラゾリン系、フェナジン系、フェニレンジアミン系、フェノキサジン系、フェノチアジン系、フタロシアニン系、フルオラン系、フルギド系、ベンゾピラン系、メタロセン系等の低分子系有機エレクトロクロミック化合物、ポリアニリン、ポリチオフェン等の導電性高分子化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、発消色電位が低く、良好な色値を示す点から、ビオロゲン系化合物又はジピリジン系化合物が好ましい。
前記ビオロゲン系化合物としては、例えば、特許第3955641号公報、特開2007−171781号公報に記載の化合物などが挙げられる。
前記ビオロゲン系化合物は、後述するように酸化チタン粒子と組み合わせて用いることが好ましい。このように酸化チタン粒子と組み合わせて用いることにより、高い光学的濃度及び高コントラスト比を維持できるという利点がある。
前記ジピリジン系化合物としては、例えば、特開2007−171781号公報、特開2008−116718号公報に記載の化合物などが挙げられる。
−膜の形成方法−
第2のエレクトロクロミック層は導電性又は半導体性微粒子に有機エレクトロクロミック化合物を担持した構造としてもよい。具体的には、電極表面に粒径5nm〜50nm程度の微粒子を焼結し、その微粒子の表面にホスホン酸やカルボキシル基、シラノール基等の極性基を有する有機エレクトロクロミック化合物を吸着した構造である。
このような構造では、微粒子の大きな表面効果を利用して、効率よく有機エレクトロクロミック化合物に電子が注入されるため、従来のエレクトロクロミック表示素子と比較して高速応答が可能となる。更に、微粒子を用いることで表示層として透明な膜を形成することができるため、エレクトロクロミック色素の高い発色濃度を得ることができる。また、複数種類の有機エレクトロクロミック化合物を導電性又は半導体性微粒子に担持することもできる。
前記導電性又は半導体性微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、金属酸化物が好ましい。前記金属酸化物としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化インジウム、酸化タングステンが挙げられる。
前記導電性又は半導体性微粒子の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、エレクトロクロミック化合物を効率よく担持するために、単位体積当たりの表面積(以下比表面積)が大きい形状が用いられる。例えば、微粒子が、ナノ粒子の集合体であるときは、大きな比表面積を有するため、より効率的にエレクトロクロミック化合物が担持され、発消色の表示コントラスト比が優れる。
前記エレクトロクロミック層及び導電性又は半導体性微粒子層は真空製膜により形成することも可能であるが、生産性の点で粒子分散ペーストとして塗布形成することが好ましい。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<第1のエレクトロクロミック層の形成>
−第1のエレクトロクロミック組成物の調製−
第1の電極上に第1のエレクトロクロミック層を形成するために、以下に示す組成のエレクトロクロミック組成物を調製した。
[組成]
・下記構造式(1)で表される2官能アクリレートを有するエレクトロクロミック化合物 100質量部
・バインダー(PME400、日油社製) 90.25質量部
・電極への吸着基を有するバインダー(KAYAMER PM−21、日本化薬社製) 4.75質量部
・光重合開始剤(IRGACURE184、BASFジャパン社製) 5質量部
・溶剤(テトラヒドロフラン) 800質量部
Figure 0006848505
−第1の電極上へのエレクトロクロミック層の形成−
得られたエレクトロクロミック組成物を、第1の基材及び第1の電極としてのITO付きガラス基板(40mm×40mm、厚み0.7mm、ITO膜厚:約100nm)上にスピンコート法により塗布した。
得られた塗布膜をUV照射装置(ウシオ電機社製SPOT CURE)により1.2mW/cmで240秒間照射し、60℃で1分間アニール処理を行うことにより、平均厚み1.3μmの架橋した第1のエレクトロクロミック層を形成した。
−エレクトロクロミック層の表面処理−
次に、得られた第1のエレクトロクロミック層表面に対しプラズマ処理を行う。
前記第1のエレクトロクロミック層を形成した基板に対し、プラズマ装置(ヤマト科学社製PDC510)を用いて、酸素雰囲気下で出力300W、10秒間のプラズマ処理を行った。
<第1のエレクトロクロミック層上への剥離防止層の形成>
−剥離防止層溶液の調製−
アクリル基を有するシランカップリング剤(3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、信越シリコーン社製KBM−5103)の2%水溶液を作製した。作製後、加水分解によるシラノール基生成を十分に行うため、室温状態で3時間維持した。
−第1のエレクトロクロミック層上への剥離防止層の形成−
前記シランカップリング剤を含む水溶液を、前記第1のエレクトロクロミック層を形成したITO付ガラス基板上にスピンコート法により塗布した。塗布後の基板を電気オーブン(ヤマト科学社製DKM300)で110℃に加熱し、5分間の乾燥処理を行った。
<電解質層の形成>
−電解質組成物の調整−
電解質層を形成するために以下に示す電解質組成物を調製した。
[組成]
・1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド(関東化学社製) 100質量部
・PEG400DA(日本化薬社製) 99質量部
・IRGACURE184(BASFジャパン社製) 1質量部
−剥離防止層上への電解質層の形成−
前記剥離防止層上に前記電解質組成物を70μL滴下し、その上にポリエチレンテレフタラートフィルム(以下PETフィルムと称する)を貼り、前記組成物を剥離防止層上へ均一に塗り広げた。その後、UV(波長250nm)照射装置(ウシオ電機社製SPOT CURE)により10mW/cmで60秒間照射して、電解質組成物を硬化させると同時に、剥離防止層中のシランカップリング剤と、電解質層中のPEG400DAとを共重合させた。その後、電解質層上のPETフィルムをはがすことで、基板上にITO電極、エレクトロクロミック層、剥離防止層、電解質層が順次積層された構成の試験用素子を作製した。
また、剥離防止層中のシランカップリング剤は、第1のエレクトロクロミック層におけるエレクトロクロミック化合物またはバインダーと結合している。
得られた試験用素子に対して、下記に示す密着性評価(クロスカット試験)を行った。結果を表2に示す。
(実施例2)
実施例1において第1のエレクトロクロミック層に含まれるエレクトロクロミック組成物を下記の組成に変更したこと以外は同様の手順で試験用素子を作製し、密着性評価を行った。
[組成]
・下記構造式(2)で表される1官能アクリレートを有するエレクトロクロミック化合物 70質量部
・バインダー(PEG400DA、日本化薬社製) 27質量部
・電極への吸着基を有するバインダー(KAYAMER PM−21、日本化薬社製) 1.5質量部
・光重合開始剤(IRGACURE184、BASFジャパン社製) 1.5質量部
・溶剤(テトラヒドロフラン) 400質量部
Figure 0006848505
(実施例3)
実施例1において、電解質組成物を下記に示す組成に変更したこと以外は同様の手順で試験用素子を作製し、密着性評価を行った。
[電解質組成物]
・1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド(関東化学社製) 400質量部
・AME400(日油社製) 49.75質量部
・ADE400(日油社製) 49.75質量部
・IRGACURE184(BASFジャパン社製) 0.5質量部
(実施例4)
実施例1において、剥離防止層に含まれるシランカップリング剤を3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン(信越シリコーン社製KBM−502)に変更したこと以外は同様の手順で試験用素子を作製し、密着性評価を行った。
(実施例5)
実施例1において、剥離防止層に含まれるシランカップリング剤を3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン社製KBM−503)に変更したこと以外は同様の手順で試験用素子を作製し、密着性評価を行った。
(比較例1)
実施例1において、剥離防止層を形成せず、第1のエレクトロクロミック層上に直接電解質層を形成したこと以外は同様の手順で試験用素子を作製し、密着性評価を行った。
(比較例2)
実施例2において、剥離防止層を形成せず、第1のエレクトロクロミック層上に直接電解質層を形成したこと以外は同様の手順で試験用素子を作製し、密着性評価を行った。
(比較例3)
実施例3において、剥離防止層を形成せず、第1のエレクトロクロミック層上に直接電解質層を形成したこと以外は同様の手順で試験用素子を作製し、密着性評価を行った。
(密着性評価:クロスカット試験)
得られた電解質層に対してクロスカット試験(JIS K5600−5−6(ISO2409))を実施した。なお、クロスカット試験による密着性の評価は、簡便であり工業的に広く使用されている方法である。
本試験では、電解質層に対して、1mm間隔で素地まで達する6本の格子状(碁盤目様)の切り込みを入れ、格子状に切り込みの入った電解質層の上に幅24mmのセロハンテープを貼り、基板と約60°の角度で1秒程度の時間で引き剥がす。このときの電解質層の剥離の程度から電解質層と下地である剥離防止層との密着性を評価した。
試験結果は下記表1の6段階の分類を、図3と比較しながら分類した。クロスカット法の試験結果の分類基準を表1に、得られた結果を表2に示す。
なお、本試験では電解質層の下地である第1のエレクトロクロミック層にも切り込みが入っているが、エレクトロクロミック層は前記第1の電極であるITOと強く密着し、剥離を全く起こさないことを事前に確認している。
Figure 0006848505
Figure 0006848505
表2に示されるように比較例1〜3では、電解質層は第1のエレクトロクロミック層から完全に剥離した。表2の結果から、本発明による剥離防止層は電解質層及びエレクトロクロミック層と強く密着し、素子の機械的強度を向上できることが確認された。
(実施例6)
下記の方法により、図1に示すエレクトロクロミック素子を作製した。
<第1の電極上に形成された第1のエレクトロクロミック層>
実施例1における、平均厚み1.3μmの架橋した第1のエレクトロクロミック層及び剥離防止層が形成された第1の電極を用いた。
<空セルの作製>
第1の電極と、第2の基材及び第2の電極としてのITOガラス基板(40mm×40mm、厚み0.7mm、ITO膜厚:約100nm)とを、平均厚みが50μmのフィルムを挟んで貼り合せた。次いで、第1の電極と第2の電極の端部2辺をUV接着剤(フォトレックE、低透湿タイプ、積水化学工業社製)で封止した後、前記フィルムを抜き取って空セルを作製した。
<電解質の充填>
次に、実施例1と同様の電解質組成物を空セルの中に気泡が入らないよう慎重に浸透させた。その後、UV(波長250nm)照射装置(ウシオ電機社製SPOT CURE)により10mW/cmで60秒間照射して、電解質を硬化させた。その後、セルの残りの端部2辺を封止して、エレクトロクロミック素子を作製した。
得られたエレクトロクロミック素子に対して、下記に示す発消色動作試験を行った。結果を表3に示す。
(実施例7〜10)
実施例6において、エレクトロクロミック組成物、電解質組成物、剥離防止層に含まれるシランカップリング剤をそれぞれ実施例2〜5に示したものに変更したこと以外は、実施例6と同様にして実施例7〜10のエレクトロクロミック素子を作製し、発消色動作試験を行った。結果を表3に示す。
(比較例4〜6)
実施例6〜8において剥離防止層を形成しなかったこと以外は実施例6〜8のそれぞれと同様の手順でエレクトロクロミック素子を作製し、発消色動作試験を行った。結果を表3に示す。
(発消色動作試験)
実施例6〜10、比較例4〜6で作製したエレクトロクロミック素子を60℃の環境下に24時間放置した後、該エレクトロクロミック素子に1.6Vの電圧を5秒間印加して発色させた。次に、−0.6Vの電圧を5秒間印加して消色させた。このとき波長380nm〜780nmの光の透過率を光学特性検査装置(大塚電子社製LCD−5200)で測定し、平均した値を平均透過率とし、下記基準で発消動作を評価した。結果を表3に示す。
[評価基準]
〇:発色状態での平均透過率が70%以上であり、かつ消色状態での平均透過率が20%以下であれば正常な発消色動作が行われたと判断した(合格)。
×:発色状態での平均透過率が70%以上、及び消色状態での平均透過率が20%以下の少なくともいずれかの条件を満たさない(不合格)。
Figure 0006848505
表3の結果から、実施例6〜10のエレクトロクロミック素子は、いずれも良好な発消色動作が行えた。これに対して、比較例4〜6においては、電解質層がエレクトロクロミック層から剥離したためエレクトロクロミック素子の正常な発消色動作が行えなかった。
よって、本発明によりエレクトロクロミック層及び電解質層と高い密着性を示す剥離防止層を有し、良好な発消色性を有するエレクトロクロミック素子が得られる。
(実施例11)
下記の方法により図2に示すエレクトロクロミック素子を作製した。
<第1の電極上に形成された第1のエレクトロクロミック層>
実施例1における、平均厚み1.3μmの架橋した第1のエレクトロクロミック層及び剥離防止層が形成された第1の電極を用いた。
<第2の電極上への第2のエレクトロクロミック層の形成>
第2の基材及び第2の電極としてのITOガラス基板(40mm×40mm、厚み0.7mm、ITO膜厚:約100nm)上に、酸化チタンナノ粒子分散液(タイタニウム社製SP210、平均粒子径:約20nm)をスピンコート法により塗布し、120℃で15分間アニール処理を行うことによって、酸化チタン粒子膜を形成した。前記酸化チタン粒子膜に下記構造式(3)で表される化合物の2質量%の2,2,3,3−テトラフロロプロパノール溶液を塗布液としてスピンコート法により塗布し、120℃で10分間アニール処理を行うことによって、第2の電極上の酸化チタン粒子表面に下記の構造式(3)で表される化合物を吸着させた、平均厚み1.0μmの第2のエレクトロクロミック層を形成した。
Figure 0006848505
<空セルの作製>
それぞれエレクトロクロミック層を形成した第1の電極及び第2の電極を、平均厚みが50μmのフィルムを挟んで貼り合せ、端部2辺をUV接着剤(フォトレックE、低透湿タイプ、積水化学工業社製)で封止した後、前記フィルムを抜き取って空セルを作製した。
<電解質の充填>
次に、実施例1と同様の電解質組成物を空セルの中に気泡が入らないよう慎重に浸透させた。その後、UV(波長250nm)照射装置(ウシオ電機社製SPOT CURE)により10mW/cmで60秒間照射して、電解質を硬化させた。その後、セルの残りの端部2辺を封止して、エレクトロクロミック素子を作製した。
得られたエレクトロクロミック素子に対して、実施例6と同様の発消色動作試験を行った。結果を表4に示す。
(実施例12〜15)
実施例11において、エレクトロクロミック組成物、電解質組成物、剥離防止層に含まれるシランカップリング剤をそれぞれ実施例2〜5に示したものに変更したこと以外は、実施例11と同様にして実施例12〜15のエレクトロクロミック素子を作製し、上記と同様の発消色動作試験を行った。結果を表4に示す。
(比較例7〜9)
実施例11〜13において剥離防止層を形成しなかったこと以外は実施例11〜13のそれぞれと同様の手順でエレクトロクロミック素子を作製し、上記と同様の発消色動作試験を行った。結果を表4に示す。
Figure 0006848505
表4の結果から、実施例11〜15のエレクトロクロミック素子は、いずれも良好な発消色動作が行えた。これに対して、比較例7〜9においては、電解質層がエレクトロクロミック層から剥離したためエレクトロクロミック素子の正常な発消色動作が行えなかった。
よって、本発明によりエレクトロクロミック層及び電解質層と高い密着性を示す剥離防止層を有し、良好な発消色性を有するエレクトロクロミック素子が得られる。
1 第1の電極
2 第1のエレクトロクロミック層
3 剥離防止層
4 電解質層
5 第2の電極
6 第2のエレクトロクロミック層
特開2002−287172号公報 特許第2727088号公報 特開2017−9843号公報

Claims (5)

  1. 第1の電極と、
    該第1の電極上に形成された第1のエレクトロクロミック層と、
    該第1のエレクトロクロミック層上に形成された剥離防止層と、
    該剥離防止層上に形成された電解質層と、
    前記第1のエレクトロクロミック層、前記剥離防止層、及び前記電解質層を介して前記第1の電極に対向する第2の電極と、を有し、
    前記剥離防止層は、前記第1のエレクトロクロミック層の構成成分及び前記電解質層の構成成分のいずれにも化学結合する化合物Aを含み、膜厚が0.1nm以上100nm以下であることを特徴とするエレクトロクロミック素子。
  2. 前記化合物Aがシランカップリング剤であることを特徴とする請求項1に記載のエレクトロクロミック素子。
  3. 前記シランカップリング剤がラジカル重合性官能基を有し、前記電解質層の構成成分と共重合することを特徴とする請求項2に記載のエレクトロクロミック素子。
  4. 前記第1のエレクトロクロミック層はエレクトロクロミック化合物を含み、
    該エレクトロクロミック化合物が、トリアリールアミンを有する重合性化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のエレクトロクロミック素子。
  5. 前記電解質層と接し、かつ、前記電解質層と前記第2の電極との間に、第2のエレクトロクロミック層を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のエレクトロクロミック素子。
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