JP6812634B2 - エレクトロクロミック素子 - Google Patents
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Description
前記熱可塑性樹脂粒子は、スペーサの機能を有し、部材(基材)間のギャップ(間隔)を一定に保つ機能のほか、各部材間の密着性向上に寄与する。そのため、各部材間のギャップを一定に保つ目的で使用されているガラスビーズなどと併用して用いることも可能である。このような熱可塑性樹脂微粒子のサイズは、特に限定されないが、例えば、球状形態の場合には粒径として1μm〜100μm程度が好ましく、3μm〜50μm程度がより好ましい。例えば、電解質層のギャップ制御のスペーサ機能を持たせ、第1EC層と電解質層と第2EC層との密着性を向上させるには、5μm〜30μm程度が最も好ましい。この場合、粒径分布がより均一であると精細なギャップ制御を可能とするため、更に一層好ましい。熱可塑性樹脂粒子の含有量は、特に限定されないが、通常1個/cm2〜100000個/cm2、好ましくは10個/cm2〜100000個/cm2の範囲であることが望ましい。
前記第1EC層は、前記第1の電極上に形成され、例えば、還元反応によって着色するエレクトロクロミック材料を含み、更に必要に応じてその他の成分を含んでなる。前記エレクトロクロミック材料としては、無機エレクトロクロミック化合物及び有機エレクトロクロミック化合物のいずれを用いても構わない。また、エレクトロクロミズムを示すことで知られる導電性高分子も用いることができる。前記第1EC層としては、導電性又は半導体性微粒子に有機エレクトロクロミック化合物を担持した構造を用いることが好ましい。具体的には、例えば、電極表面に粒径5nm〜100nm程度の微粒子を焼結し、前記微粒子の表面にホスホン酸やカルボキシル基、シラノール基等の極性基を有する有機エレクトロクロミック化合物を吸着した構造である。前記構造は、微粒子の大きな表面効果を利用して、効率よく有機EC化合物に電子が注入されるため、従来のエレクトロクロミック素子と比較して高速に応答する。更に、微粒子を用いることで第1EC層として透明な膜を形成することができるため、エレクトロクロミック色素の高い発色濃度を得ることができる。なお、複数種類の有機エレクトロクロミック化合物を導電性又は半導体性微粒子に担持することもできる。
前記第2EC層は、例えば、酸化反応によって着色するエレクトロクロミック材料を含んでなる。前記エレクトロクロミック材料として、トリアリールアミンを有するラジカル重合性化合物を含有する。また、前記第2EC層は、エレクトロクロミック材料として、重合開始剤やトリアリールアミンを含まない他のラジカル重合性化合物を含有してもよく、更に必要に応じてその他の成分を含有させることも可能である。
前記トリアリールアミンを有するラジカル重合性化合物は、第2の電極の表面において酸化還元反応を有するエレクトロクロミック機能を付与するために重要である。前記トリアリールアミンを有するラジカル重合性化合物としては、下記一般式1で表される化合物が挙げられる。
[一般式1]
An−Bm
ただし、n=2のときにはmは0であり、n=1のときmは0又は1である。A及びBの少なくとも1つはラジカル重合性官能基を有する。前記Aは下記一般式2で示される構造であり、R1からR15のいずれかの位置で前記Bと結合している。前記Bは下記一般式3で示される構造であり、R16からR21のいずれかの位置で前記Aと結合している。
前記一般式2及び前記一般式3における前記一価の有機基としては、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールカルボニル基、アミド基、置換基を有していてもよいモノアルキルアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいジアルキルアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいモノアリールアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいジアリールアミノカルボニル基、スルホン酸基、置換基を有していてもよいアルコキシスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシスルホニル基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールスルホニル基、スルホンアミド基、置換基を有していてもよいモノアルキルアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいジアルキルアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいモノアリールアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいジアリールアミノスルホニル基、アミノ基、置換基を有していてもよいモノアルキルアミノ基、置換基を有していてもよいジアルキルアミノ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよい複素環基などが挙げられる。これらの中でも、安定動作及び光耐久性の点から、アルキル基、アルコキシル基、水素原子、アリール基、アリールオキシ基、ハロゲン基、アルケニル基、アルキニル基が特に好ましい。
前記ラジカル重合性官能基とは、炭素−炭素2重結合を有し、ラジカル重合可能な基であればいずれでもよい。前記ラジカル重合性官能基としては、例えば、下記に示す1−置換エチレン官能基、1,1−置換エチレン官能基等が挙げられる。
前記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基などが挙げられる。
前記アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基などが挙げられる。
前記他のラジカル重合性化合物は、前記トリアリールアミン骨格を有するラジカル重合性化合物とは異なり、少なくとも1つのラジカル重合性官能基を有する化合物である。前記他のラジカル重合性化合物としては、例えば、重合性官能基数が1つの1官能ラジカル重合性化合物、重合性官能基数が2つの2官能ラジカル重合性化合物、重合官能基数が3つ以上の3官能以上のラジカル重合性化合物、機能性モノマー、ラジカル重合性オリゴマーなどが挙げられる。これらの中でも、官能基数が2つ以上のラジカル重合性化合物が特に好ましい。前記他のラジカル重合性化合物におけるラジカル重合性官能基としては、前記トリアリールアミンを有するラジカル重合性化合物におけるラジカル重合性官能基と同様であり、これらの中でも、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が特に好ましい。
前記第2EC層は、エレクトロクロミック材料として、前記トリアリールアミンを有するラジカル重合性化合物や、前記トリアリールアミンを有するラジカル重合性化合物とは異なる前記他のラジカル重合性化合物と前記トリアリールアミンを有するラジカル重合性化合物との混合物の重合反応を効率よく進行させるため、必要に応じて重合開始剤を含有することが好ましい。前記重合開始剤としては、熱重合開始剤、光重合開始剤などが挙げられるが、重合効率の観点から光重合開始剤が好ましい。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フィラー、溶媒、可塑剤、レベリング剤、増感剤、分散剤、界面活性剤、酸化防止剤などが挙げられる。
前記電解質層を構成する前記電解質は、少なくともヒドロキシル基を含む1官能ラジカル重合性化合物と、2官能以上のラジカル重合性化合物と、イオン伝導性化合物からなり、重合開始剤を含有していてもよく、更に必要に応じてその他の成分を含有してもよい。
前記イオン伝導性化合物としては、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等の無機イオン塩、4級アンモニウム塩や酸類、アルカリ類の支持塩を用いることができ、具体的には、LiClO4、LiBF4、LiAsF6、LiPF6、LiCF3SO3、LiCF3COO、KCl、NaClO3、NaCl、NaBF4、NaSCN、KBF4、Mg(ClO4)2、Mg(BF4)2などが挙げられる。
前記ヒドロキシル基を含む1官能ラジカル重合性化合物のラジカル重合性官能基としては、前記トリアリールアミンを有するラジカル重合性化合物や、トリアリールアミンを含まないその他のラジカル重合性化合物と同様で、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が好ましい。前記ヒドロキシル基を含む1官能ラジカル重合性化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシエチル−フタル酸、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート、グリセリンモノメタクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記2官能以上のラジカル重合性化合物としては、前述のエレクトロクロミック組成物で記載した、2官能ラジカル重合性化合物、3官能以上のラジカル重合性化合物、多官能ラジカル重合性オリゴマーのいずれかを用いることができる。
前記重合開始剤としては、前述の第2EC層で記載した重合開始剤を用いることができる。前記重合開始剤の含有量は、前記ラジカル重合性化合物の全量100質量部に対して、0.5質量部以上40質量部以下が好ましく、1質量部以上20質量部以下がより好ましい。前記イオン伝導性化合物の、ラジカル重合性化合物に対する溶解性が悪い場合は、少量の溶媒に溶解させて、ラジカル重合性化合物と混合して用いればよい。
前記第1の電極及び前記第2の電極の材料としては、導電性を有する透明材料であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スズをドープした酸化インジウム(以下、「ITO」という)、フッ素をドープした酸化スズ(以下、「FTO」という)、アンチモンをドープした酸化スズ(以下、「ATO」という)、酸化亜鉛等の無機材料などが挙げられる。これらの中でも、InSnO、GaZnO、SnO、In2O3、ZnOが好ましい。
前記その他の部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、支持体、絶縁性多孔質層、劣化防止層、保護層、などが挙げられる。
前記支持体は、第1の電極、第1EC層、第2の電極、第2EC層等を支持する機能を有する。前記支持体としては、各層を支持できる透明材料であればよく、周知の有機ガラスや無機ガラスをそのまま用いることができる。
また、前記基材の表面に、水蒸気バリア性、ガスバリア性、紫外線耐性、及び視認性を高めるために透明絶縁層、UVカット層、反射防止層等がコーティングされていてもよい。加工性と透明性をもつ支持体としては、ポリカーボネートを用いることが好適である。
本実施形態に係るエレクトロクロミック素子の製造方法は、第1の電極と、第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に設けられる電解質とを有するエレクトロクロミック素子の製造方法であって、塗布工程を含み、架橋工程を含むことが好ましく、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
前記塗布工程は、前記第1の電極上に、前述した無機エレクトロクロミック化合物又は有機エレクトロクロミック化合物を含む第1のエレクトロクロミック組成物を塗布する工程である。また、第2の電極上に、前述したトリアリールアミン骨格を有するラジカル重合性化合物と、前記トリアリールアミンを有するラジカル重合性化合物とは異なる他のラジカル重合性化合物と、フィラーとを含む第2のエレクトロクロミック組成物を塗布する工程である。
前記架橋工程は、塗布した第1、第2のエレクトロクロミック組成物に対し加熱又は光エネルギーを付与して架橋する工程である。前記第1、第2の電極上に前記第1、第2のエレクトロクロミック組成物を塗布後、外部からエネルギーを与え、硬化させて、第1、第2EC層を形成する。前記外部エネルギーとしては、例えば、熱、光、放射線などが挙げられる。前記熱のエネルギーを加える方法としては、空気、窒素等の気体、蒸気、又は各種熱媒体、赤外線、電磁波を用い塗工表面側、あるいは支持体側から加熱することによって行われる。
前記その他の工程としては、例えば、第1の電極形成工程、第2の電極形成工程、熱可塑性樹脂粒子含有工程、貼り合わせ工程、などが挙げられる。第1の電極形成工程、第2の電極形成工程は、上記第1、第2の電極において説明した方法を用いて行うことができる。熱可塑性樹脂粒子含有工程としては、例えば、熱可塑性樹脂粒子を、前記電解質層に含有させる工程、前記第1EC層に含有させる工程、前記第2EC層に含有させる工程、前記電解質層と前記第1EC層と前記第2EC層の少なくともいずれかに含有させる工程のいずれかである。また、熱可塑性樹脂粒子を、少なくともイオン性液体を含有する電解質に分散させる工程であってもよい。
ここで、図1〜図3に、本発明の第1〜第3の実施形態に係るエレクトロクロミック素子100A〜100Cの一構成例を模式的に示す。図1〜図3に示すように、第1〜第3の実施形態に係るエレクトロクロミック素子100A〜100Cは、第1の支持体1と、第1の電極2と、第1EC層3と、電解質層4と、熱可塑性樹脂粒子5と、第2EC層6と、第2の電極7と、第2の支持体8とを備えている。各部材の詳細については前述したとおりである。
比較対象として、図4に従来のエレクトロクロミック素子100を示す。前記従来のエレクトロクロミック素子100は、第1の支持体1と、第1の電極2と、第1EC層3と、電解質層4と、熱硬化性樹脂粒子9と、第2EC層6と、第2の電極7と、第2の支持体8とを備えている。第1の支持体1、第1の電極2及び第1EC層3からなる還元極側EC層10と、第2の支持体8、第2の電極7及び第2EC層6からなる酸化極側EC層20とをそれぞれ個別に作成し、電解質層4を介して互いを貼り合せることで、前記従来のエレクトロクロミック素子100を作成する。
セパラブルフラスコ中に、イオン交換水300重量部とTTAB(テトラデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、シグマ社製)1.5重量部を仕込み、20分間、窒素置換を行った後、撹拌しながら65℃まで昇温した。
恒温水槽中で回転する密閉可能な反応容器内に、以下の成分を仕込んだ。
・イオン交換水:100重量部
・ポリビニルアルコール:6重量部
恒温水槽中で回転する密閉可能な反応容器内に、下記の成分を仕込んだ。
・メタノール:100重量部
・メチルビニルエーテル−マレイン酸共重合体:5重量部
・スチレン:80重量部
・アクリル酸nブチル:20重量部
実施例1のエレクトロクロミック素子の作製例を、以下に示す。第1、第2の支持体及び第1、第2の電極としては、ITO付きポリカーボネート基板(50mm×50mm、厚み0.5mm、ITO膜厚約100nm)を用いた。以下に記載する第1EC層及び第2EC層の形成には、第1、第2の電極を酸素プラズマにて表面処理してから使用した。
還元極側EC層を形成するために、酸素プラズマ処理した第1の電極としてのITO付きポリカーボネート上に、酸化チタンナノ粒子分散液(商品名:SP210、昭和タイタニウム株式会社製、平均粒径:約20nm)をスピンコート法により塗布した。次いで、120℃で5分間アニール処理を行うことによって、約1.0μmの多孔質酸化チタン膜からなるナノ構造半導体材料を形成させた。
酸化極側EC層を形成するために、以下に示す組成のエレクトロクロミック組成物を調製した。
[組成]
・1官能アクリレートを有するトリアリールアミン化合物(例示化合物35):70重量部
・2官能アクリレートを有するPEG400ジアクリレート(以下「PEG400DA」という。日本化薬株式会社製):30重量部
・IRGACURE184(BASFジャパン株式会社製):5重量部
・メチルエチルケトン:900質量部
電解質層を形成するために、以下に示す組成の電解質液を調製した。
[組成]
・PEG400DA(日本化薬株式会社製):50質量部
・IRGACURE184(BASFジャパン株式会社製):2質量部
・1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド(関東化学社製):50質量部
作製した実施例1のエレクトロクロミック素子の発消色を確認した。具体的には、還元極側EC層の第1の電極の引き出し部分と酸化極側EC層の第2の電極の引き出し部分との間に、+3Vの電圧を5秒間印加させたところ、前記第1の電極と前記第2の電極の重なった部分に、第1EC層および第2EC層に由来する黒色系の発色が確認できた。
また、得られた実施例1のエレクトロクロミック素子の電極対をカッターで一部剥離させて、ポリカーボネート基板を支持体とした両電極を90°に折り曲げた。折り曲げた電極にフィルムチャック(FC−21、株式会社イマダ製)を取り付けて、片側をデジタルフォースゲージに取り付けて、もう片側からゆっくりと持ち上げて剥離する際の密着力をデジタルフォースゲージで計測した。密着力は1.5N/cmと良好な密着性を示した。
実施例1で用いた熱可塑性樹脂粒子Aを使用することなく、実施例1と同様の方法にて比較例1のエレクトロクロミック素子を作製した。得られた比較例1のエレクトロクロミック素子の発消色を実施例1と同様に確認した。続いて密着力の計測を実施例1と同様に行ったところ、密着力は0.2N/cmであり、密着性は不良であった。
実施例1で用いた熱可塑性樹脂粒子Aの代わりに、粒径約30μmの高架橋重合体微粒子(セキスイ化学工業社製ミクロパールGS−230)を用いて実施例1と同様の方法にて比較例2のエレクトロクロミック素子を作製した。得られた比較例2のエレクトロクロミック素子の発消色を実施例1と同様に確認した。しかしながら、密着力の計測を実施例1と同様に行ったところ、密着力は0.2N/cmであり、密着性は不良であった。
比較例2で使用したミクロパールGS−230と、実施例1で使用した熱可塑性樹脂粒子Aを併用して、実施例2のエレクトロクロミック素子を作製した。得られた実施例2のエレクトロクロミック素子の発消色を実施例1と同様に確認した。続いて密着力の計測を実施例1と同様に行ったところ、密着力は1.5N/cmであり、密着性は良好であった。
実施例1で用いた熱可塑性樹脂粒子Aの代わりに、熱可塑性樹脂粒子Bを用いて実施例1と同様の方法にて実施例3のエレクトロクロミック素子を作製した。得られた実施例3のエレクトロクロミック素子の発消色を実施例1と同様に確認した。続いて密着力の計測を実施例1と同様に行ったところ、密着力は1.5N/cmであり、密着性は良好であった。
実施例1で用いた熱可塑性樹脂粒子Aの代わりに、熱可塑性樹脂粒子Cを用いて実施例1と同様の方法にて実施例4のエレクトロクロミック素子を作製した。得られた実施例4のエレクトロクロミック素子の発消色を実施例1と同様に確認した。続いて密着力の計測を実施例1と同様に行ったところ、密着力は1.7N/cmであり、密着性は良好であった。
<1> 第1の電極と、該第1の電極に対して間隔をおいて対向する第2の電極と、前記第1の電極及び前記第2の電極の間に設けられる電解質とを有するエレクトロクロミック素子であって、前記第1の電極と前記第2の電極との間に、酸化還元反応に伴って発消色するエレクトロクロミック層と、前記電解質からなる電解質層と、熱可塑性樹脂粒子と、を少なくとも有することを特徴とするエレクトロクロミック素子である。
<2> 前記熱可塑性樹脂粒子が、前記電解質層に含有されている前記<1>に記載のエレクトロクロミック素子である。
<3> 前記エレクトロクロミック層が、前記第1の電極上に設けられ、前記熱可塑性樹脂粒子が、前記エレクトロクロミック層に含有されている前記<1>に記載のエレクトロクロミック素子である。
<4> 前記エレクトロクロミック層が、前記第2の電極上に設けられ、前記熱可塑性樹脂粒子が、前記エレクトロクロミック層に含有されている前記<1>に記載のエレクトロクロミック素子である。
<5> 前記エレクトロクロミック層が、前記第1の電極上に設けられた第1のエレクトロクロミック層と、前記第2の電極上に設けられた第2のエレクトロクロミック層とを有し、前記熱可塑性樹脂粒子が、前記電解質層、前記第1のエレクトロクロミック層、及び前記第2のエレクトロクロミック層の少なくとも何れかに含有されている前記<1>に記載のエレクトロクロミック素子である。
<6> 前記熱可塑性樹脂粒子が、少なくともイオン性液体を含有する前記電解質に分散されている前記<1>、<2>又は<5>のいずれかに記載のエレクトロクロミック素子である。
<7> 前記熱可塑性樹脂粒子の粒径が、1μm〜100μmである前記<1>乃至<6>のいずれかに記載のエレクトロクロミック素子である。
4 電解質層(電解質) 5 熱可塑性樹脂粒子
6 第2のエレクトロクロミック層(第2EC層)
7 第2の電極 100A,100B,100C エレクトロクロミック素子
Claims (5)
- 第1の電極と、該第1の電極に対して間隔をおいて対向する第2の電極と、前記第1の電極及び前記第2の電極の間に設けられる電解質とを有するエレクトロクロミック素子であって、
前記第1の電極と前記第2の電極との間に、酸化還元反応に伴って発消色するエレクトロクロミック層と、
前記電解質からなる電解質層と、熱可塑性樹脂粒子と、を少なくとも有し、
前記熱可塑性樹脂粒子が、前記電解質層に含有され、
前記エレクトロクロミック層が、前記第1の電極上に設けられ、
前記熱可塑性樹脂粒子が、前記エレクトロクロミック層に含有され,
前記熱可塑性樹脂粒子は、ガラス転移温度Tg以上に加熱することで、透明となる性質を有することを特徴とするエレクトロクロミック素子。 - 前記エレクトロクロミック層が、前記第2の電極上に設けられ、
前記熱可塑性樹脂粒子が、前記エレクトロクロミック層に含有されている請求項1に記載のエレクトロクロミック素子。 - 前記エレクトロクロミック層が、前記第1の電極上に設けられた第1のエレクトロクロミック層と、前記第2の電極上に設けられた第2のエレクトロクロミック層とを有し、
前記熱可塑性樹脂粒子が、前記電解質層、前記第1のエレクトロクロミック層、及び前記第2のエレクトロクロミック層の少なくとも何れかに含有されている請求項1に記載のエレクトロクロミック素子。 - 前記熱可塑性樹脂粒子が、少なくともイオン性液体を含有する前記電解質に分散されている請求項1乃至3のいずれか一項に記載のエレクトロクロミック素子。
- 前記熱可塑性樹脂粒子の粒径が、1μm〜100μmである請求項1乃至4のいずれか一項に記載のエレクトロクロミック素子。
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