JP6843313B1 - 制御システム - Google Patents

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Abstract

数値制御装置(1)は、ワーク(24)に対して工具(25)を相対的に移動させながら切削加工を行う工作機械(2)を制御する。数値制御装置(1)は、ワーク(24)に対する工具(25)の移動経路に沿って、ワーク(24)に対して工具(25)を振動させるための振動条件が入力される振動条件入力部(10)と、振動条件に従った振動を伴う切削が、ワーク(24)の断続的な切削であって細分された切り屑をワーク(24)から生じさせる断続切削に該当するか否かを振動条件に基づいて判定する断続切削判定部(12)とを備える。

Description

本開示は、切削加工を行う工作機械を制御する制御システムに関する。
ワークに対して工具を相対的に移動させることによってワークの切削加工を行う工作機械が知られている。かかる工作機械では、切削加工によって生じる切り屑がワークまたは工具に絡まることを抑制するために、細分された切り屑が生じるように、ワークに対して工具を振動させる方法が用いられることがある。ワークまたは工具への切り屑の絡まりが抑制されることによって、ワークまたは工具から切り屑を除去する作業を少なくすることができる。また、絡まった切り屑によってワークに傷が付くことが抑制されるため、加工品質が向上する。
特許文献1には、主軸の回転によってワークを回転させながら、ワークに対して工具を少なくとも2軸方向に移動させる制御装置に関し、ワークに対する工具の移動経路に沿って工具を振動させることが開示されている。特許文献1にかかる制御装置は、ワークに対して工具を移動させるための位置指令と主軸の回転角度とを基に、工具を振動させるための揺動指令を生成する。また、特許文献1にかかる制御装置は、位置指令と、工具またはワークの位置を示すフィードバック値とから得られる位置偏差に基づいて、揺動指令を補正する。
特許文献1にかかる制御装置では、工具の前進量と後退量、前進速度、および後退速度といった、工具を振動させるための具体的なデータが登録されたテーブルが不要である。特許文献1にかかる制御装置は、切削加工におけるさまざまな加工条件に対応するテーブルを作成する手間を無くすことができる。特許文献1にかかる制御装置は、工作機械の加工条件が変更された場合に、工具を振動させるための指令を、変更後の加工条件に対応するように容易に変更することができる。
特開2017−182336号公報
上記特許文献1にかかる従来技術によると、生成された揺動指令によって、細分された切り屑が生じるか否かが判定されていない。従来技術にかかる制御装置の場合、揺動指令の補正においてフィードバック値が必要であることから、試し加工が行われなければ、生成された揺動指令について、細分された切り屑を確実に生じさせることが可能か否かを判定することができない。このため、従来技術によると、制御装置は、細分された切り屑を生じさせる制御を可能とするために手間を要するという課題があった。
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、切削加工において、細分された切り屑を生じさせる制御を容易に実現可能とする制御システムを得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示にかかる制御システムは、ワークに対して工具を相対的に移動させながら切削加工を行う工作機械と、工作機械を制御する数値制御装置と、表示装置とを備える。数値制御装置は、ワークに対する工具の移動経路に沿って、ワークに対して工具を振動させるための振動条件が入力される振動条件入力部と、振動条件に従った振動を伴う切削が、ワークの断続的な切削であって細分された切り屑をワークから生じさせる断続切削に該当するか否かを振動条件に基づいて判定する断続切削判定部とを備える。表示装置は、断続切削判定部による判定結果を表示する判定情報表示部と、振動条件のうち変更可能な条件として指定される変更可能条件が入力される変更入力部と、変更可能条件のうち断続切削が可能な範囲を算出する断続切削条件計算部とを備える。
本開示にかかる制御システムは、切削加工において、細分された切り屑を生じさせる制御を容易に実現できるという効果を奏する。
実施の形態1にかかる数値制御装置を含む制御システムを示す図 図1に示す制御システムに含まれる工作機械による切削加工について説明するための図 図1に示す制御システムに含まれる工作機械における工具の振動について説明するための図 実施の形態1にかかる数値制御装置の動作手順を示すフローチャート 実施の形態1にかかる数値制御装置が有する断続切削判定部における判定について説明するための図 実施の形態1にかかる数値制御装置が有する振動条件補正部による処理の手順を示すフローチャート 実施の形態2にかかる数値制御装置を含む制御システムを示す図 実施の形態2にかかる数値制御装置において保持される動剛性情報の例を示す図 実施の形態2にかかる数値制御装置が有する振動条件補正部による処理の手順を示すフローチャート 実施の形態3にかかる数値制御装置を含む制御システムを示す図 図10に示す制御システムが有する表示装置における表示例を示す図 実施の形態4にかかる数値制御装置を含む制御システムを示す図 実施の形態1から4にかかる数値制御装置が有するハードウェア構成の例を示す図
以下に、実施の形態にかかる制御システムを図面に基づいて詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかる数値制御装置を含む制御システムを示す図である。制御システムは、実施の形態1にかかる数値制御装置1と、切削加工を行う工作機械2と、工作機械2を駆動する駆動部3とを有する。数値制御装置1は、加工プログラム50の実行によって工作機械2を制御する。工作機械2は、切削加工のための工具25をワーク24に対して相対的に移動させながらワーク24を切削する。
数値制御装置1は、振動条件が入力される振動条件入力部10と、加工プログラム50が入力される加工プログラム入力部11と、断続切削が行われるか否かを判定する断続切削判定部12と、振動条件入力部10へ入力された振動条件を補正する振動条件補正部13と、指令値を生成する指令値生成部14とを有する。断続切削については後述する。
振動条件入力部10には、ワーク24に対する工具25の移動経路に沿って、ワーク24に対して工具25を振動させるための振動条件が入力される。振動条件入力部10は、入力された振動条件を表す振動条件情報51を断続切削判定部12と振動条件補正部13とへ出力する。加工プログラム入力部11は、入力された加工プログラム50を断続切削判定部12と指令値生成部14とへ出力する。
断続切削判定部12は、振動条件に従った振動を伴う切削が断続切削に該当するか否かを、振動条件に基づいて判定する。断続切削は、ワーク24の断続的な切削であって、細分された切り屑をワーク24から生じさせる切削である。断続切削判定部12は、判定結果を表す判定情報52を振動条件補正部13へ出力する。
振動を伴う切削が断続切削に該当しないことを示す判定情報52が振動条件補正部13に入力された場合、振動条件補正部13は、振動を伴う切削が断続切削となるような振動条件を求める。振動条件補正部13は、振動条件を求めた結果に基づいて振動条件情報51を補正する。振動条件補正部13が振動条件情報51を補正した場合、振動条件補正部13は、補正された振動条件情報51である振動条件情報53を指令値生成部14へ出力する。
一方、振動を伴う切削が断続切削に該当することを示す判定情報52が振動条件補正部13に入力された場合、振動条件補正部13は、振動条件情報51の補正をスキップする。振動条件補正部13は、振動条件情報51の補正をスキップした場合、補正されていない振動条件情報51である振動条件情報53を指令値生成部14へ出力する。
指令値生成部14は、加工プログラム50と振動条件情報53とに基づいて軸指令値54を生成する。軸指令値54は、主軸モータ22とサーボモータ23とを制御するための指令である。指令値生成部14は、生成された軸指令値54を駆動部3へ出力する。
工作機械2は、主軸20と、駆動軸21と、主軸モータ22と、サーボモータ23とを有する。主軸20は、主軸モータ22が発生させた駆動力を受けて回転する。ワーク24は、主軸20とともに回転する。駆動軸21は、サーボモータ23が発生させた駆動力を受けて工具25を直進駆動する。
駆動部3は、主軸モータ22を制御するサーボアンプである主軸サーボ制御部30と、サーボモータ23を制御するサーボアンプである駆動軸サーボ制御部31とを有する。主軸サーボ制御部30は、軸指令値54に基づいて、主軸モータ22へ主軸モータ電流55を出力する。主軸モータ22は、主軸モータ電流55に従って主軸20を駆動する。駆動軸サーボ制御部31は、軸指令値54に基づいて、サーボモータ23へサーボモータ電流56を出力する。サーボモータ23は、サーボモータ電流56に従って駆動軸21を駆動する。
工作機械2は、主軸モータ22が発生させる駆動力によってワーク24を回転させるとともに、サーボモータ23が発生させる駆動力によって工具25を移動させる。工作機械2は、加工プログラム50に従って、ワーク24を回転させるとともに工具25を移動させることによって、ワーク24を切削する。
実施の形態1において、ワーク24に対する工具25の移動とは、ワーク24に対する工具25の相対的な移動を指す。工作機械2は、ワーク24と工具25とのうちの少なくとも一方を移動させることによって、ワーク24に対して工具25を相対的に移動させる。すなわち、工作機械2は、ワーク24を移動させず工具25を移動させても、工具25を移動させずワーク24を移動させても良い。工作機械2は、ワーク24と工具25との双方を移動させても良い。工作機械2は、ワーク24を直進駆動するための駆動軸21を有しても良い。工作機械2は、工具25を回転させることによってワーク24を切削しても良い。工作機械2は、ドリル加工またはミリング加工といった、回転工具の使用による切削加工を行っても良い。
図2は、図1に示す制御システムに含まれる工作機械による切削加工について説明するための図である。X軸とZ軸とは、互いに垂直な軸である。ワーク24の中心線26は、主軸20の回転中心と一致する。Z軸の方向は、中心線26の方向と同じである。工具25は、ZX面内においてワーク24に対して移動しながら、回転しているワーク24の表面を切削する。図2に示す破線矢印は、ワーク24に対する工具25の移動経路を表す。
工作機械2は、工具25の移動経路に沿って、工具25を振動させる。移動経路に沿って振動するとは、移動経路内の区間において往復する動作である。移動経路のうち直線の区間では、工具25は当該直線に沿って往復する。移動経路のうち曲線の区間では、工具25は当該曲線に沿って往復する。工作機械2は、サーボモータ23が発生させる駆動力によって工具25を振動させる。工作機械2は、工具25を振動させながら、移動経路に沿って工具25を移動させる。図2に示す両矢印は、工具25を振動させる方向を表す。
実施の形態1において、ワーク24に対する工具25の振動とは、ワーク24に対する工具25の相対的な振動を指す。工作機械2は、ワーク24と工具25とのうちの少なくとも一方を振動させることによって、ワーク24に対して工具25を相対的に振動させる。すなわち、工作機械2は、ワーク24を振動させずに工具25を振動させても、工具25を振動させずにワーク24を振動させても良い。工作機械2は、ワーク24と工具25との双方を振動させても良い。
図3は、図1に示す制御システムに含まれる工作機械における工具の振動について説明するための図である。図3に示すグラフにおいて、横軸は主軸20の回転角度を表す。縦軸はワーク24における工具25の位置であって、Z軸方向における位置を表す。図3に示す白抜き矢印は、工具25の送り方向を表す。送り方向は、ワーク24に対して工具25が移動する方向であって、Z軸方向である。
工具25は、送り方向へ移動しながら、移動経路に沿って振動する。移動経路に沿って工具25が振動するとともに、ワーク24が回転することによって、工具25は、ワーク24の表面において、正弦曲線状の軌跡を描いて移動する。以下の説明では、かかる軌跡を、振動軌跡と称する。振動軌跡は、図3に示すグラフにより表すことができる。図3には、主軸20が1回転する間における工具25の振動数が1.5回である場合における振動軌跡を示している。
振動軌跡は、主軸20の回転速度「S」と、工具25の送り速度「F」と、振動の振幅「A」と、振動の角周波数「ω」とによって定まる。回転速度「S」は、単位時間当たりに主軸20が回転する回数である。回転速度「S」の単位は、例えば「r/min」である。送り速度「F」は、主軸20が1回転する間における、ワーク24に対する工具25の送り量である。送り速度「F」の単位は、例えば「mm/r」である。以下の説明では、送り速度「F」を、送り量「F」と称することがある。振幅「A」は、ワーク24に対して工具25が振動する振幅を表す。振幅「A」の単位は、例えば「mm」である。角周波数「ω」は、ワーク24に対する工具25の振動における角周波数である。角周波数「ω」の単位は、例えば「rad/s」である。
図3に示すように、時刻「t(n)」における主軸20の回転角度が0度とする。時刻「t(n)」は、基準時刻からある長さの時間「n」が経過したときの時刻である。基準時刻は、任意の時刻であって、例えば、ワーク24の切削加工を開始した時刻である。主軸20は、時刻「t(n)」から時刻「t(n+1)」において1回転する。振動軌跡60は、時刻「t(n)」から時刻「t(n+1)」における工具25の移動を表す振動軌跡である。
主軸20の回転角度は、時刻「t(n+1)」において0度に戻る。主軸20は、時刻「t(n+1)」から時刻「t(n+2)」において1回転する。振動軌跡61は、時刻「t(n+1)」から時刻「t(n+2)」における工具25の移動を表す振動軌跡である。
工具25が振動軌跡61において移動する間において、振動軌跡61上の位置が振動軌跡60上の位置よりも送り方向へ進んだ位置であるときに、工具25は、ワーク24を切削する。ここで、基準時刻における工具25の位置を基準位置、基準位置と振動軌跡61上の位置との距離を距離「d(n+1)」、基準位置と振動軌跡60上の位置との距離を距離「d(n)」とする。振動軌跡61上の位置が振動軌跡60上の位置よりも送り方向へ進んだ位置であるとは、距離「d(n+1)」と距離「d(n)」との差である「d(n+1)−d(n)」が正の値であることを表す。工作機械2は、「d(n+1)−d(n)」が正の値であるときに、ワーク24を切削する。
「d(n+1)−d(n)」は、切削によって生じる切り屑の厚さに相当する。以下の説明において、切り屑厚さ「D」は、切削加工によってワーク24から生じる切り屑の厚さであって、送り方向における厚さを表す。
「d(n+1)−d(n)」が負の値であるときに、工具25は、工具25が振動軌跡60を通ったときに切削が行われた領域を通る。「d(n+1)−d(n)」が負の値であるときに、ワーク24の切削は中断される。図3においてハッチングを付した領域は、「d(n+1)−d(n)」が負の値となる領域を表している。工作機械2は、「d(n+1)−d(n)」が正の値となるときの切削と、「d(n+1)−d(n)」が負の値となるときの切削中断とを繰り返すことによって、断続切削を行う。工作機械2は、「d(n+1)−d(n)」が負の値となるときに切り屑を分断させることによって、細分された切り屑を生じさせる。
数値制御装置1は、振動軌跡60と振動軌跡61とに位相差を生じさせることによって、断続切削を実現させる。なお、振動軌跡60の位相と振動軌跡61の位相とが互いに一致する場合、「d(n+1)−d(n)」が常に一定となる。この場合、切り屑は分断されず、ワーク24は連続的に切削される。
工作機械2は、細分された切り屑を生じさせることによって、ワーク24または工具25への切り屑の絡まりを抑制させる。工作機械2は、切り屑の絡まりを抑制させることによって、ワーク24または工具25から切り屑を除去する作業を少なくすることができる。また、絡まった切り屑によってワーク24に傷が付くことが抑制されるため、工作機械2による加工品質が向上する。
次に、数値制御装置1による動作について説明する。図4は、実施の形態1にかかる数値制御装置の動作手順を示すフローチャートである。
工作機械2を使用する作業者は、振動条件入力部10へ振動条件を入力する。振動条件入力部10へは、振動条件である、振幅「A」、角周波数「ω」、回転速度「S」および送り量「F」の各値が入力される。これにより、ステップS1において、数値制御装置1は、振動条件のデータを取得する。振動条件のデータは、振幅「A」、角周波数「ω」、回転速度「S」および送り量「F」の各値である。振動条件入力部10は、入力された振動条件のデータを含む振動条件情報51を、断続切削判定部12と振動条件補正部13とに出力する。なお、実施の形態1において、数値制御装置1によって取得される振動条件のデータには、振幅「A」、角周波数「ω」、回転速度「S」および送り量「F」の各値のうちの少なくとも1つが含まれていれば良い。振動条件のデータには、それ以外の値が含まれても良い。
ステップS2において、数値制御装置1は、振動条件に従った振動を伴う切削が、断続切削に該当するか否かを判定する。断続切削判定部12は、断続切削が行われるか否かを、振動条件情報51に基づいて判定する。
ここで、断続切削判定部12による処理の詳細について説明する。切り屑厚さ「D」は、次の式(1)により表される。
Figure 0006843313
F+Asin(ωt)は、上記振動軌跡61を表す。Asin(ωt−ω1)は、上記振動軌跡60を表す。Asin(ωt)とAsin(ωt−ω1)とは、一定の振幅および一定の周期で増減を繰り返す関数である。上記式(1)によると、切り屑厚さ「D」は、振動軌跡61から振動軌跡60を差し引くことによって算出される。「t」は、任意の時刻を表す。「ω1」は、振動軌跡60と振動軌跡61との位相差を表す。このように、断続切削判定部12は、工具25の振動軌跡60,61を表す関数を含む上記式(1)を使用して、切り屑厚さ「D」を算出する。
位相差「ω1」は、次の式(2)により表される。
Figure 0006843313
断続切削判定部12は、振動条件情報51に基づいて、切り屑厚さ「D」を算出する。断続切削判定部12は、切り屑厚さ「D」の算出結果のうちの最小値がゼロ未満である場合、切り屑の分断がある、すなわち断続切削が行われると判定する。断続切削判定部12は、切り屑厚さ「D」の算出結果のうちの最小値がゼロ以上である場合、切り屑の分断が無い、すなわち断続切削が行われないと判定する。このように、断続切削判定部12は、厚さの算出結果がゼロ未満である場合に、振動を伴う切削が断続切削に該当と判定する。
ここで、切り屑厚さ「D」の最小値を求める方法について説明する。上記式(1)と、三角関数の和関の公式とに基づいて、次の式(3)が得られる。
Figure 0006843313
上記式(3)において、切り屑厚さ「D」が最小値である場合、cos{(2ωt−ω1)/2}の値は「1」または「−1」である。よって、断続切削判定部12は、次の式(4)または(5)を満たす位相差「ω1」が存在するか否かによって、断続切削が行われるか否かを判定することができる。式(4)は、cos{(2ωt−ω1)/2}=1が成り立つ場合を表す。式(5)は、cos{(2ωt−ω1)/2}=−1が成り立つ場合を表す。
Figure 0006843313
Figure 0006843313
上記式(4)へ上記式(2)が代入されることによって、次の式(6)が得られる。上記式(5)へ上記式(2)が代入されることによって、次の式(7)が得られる。
Figure 0006843313
Figure 0006843313
上記式(6)を満たすか否か、または、上記式(7)を満たすか否かは、例えば、次に説明する幾何学的な解法を用いて判定可能である。図5は、実施の形態1にかかる数値制御装置が有する断続切削判定部における判定について説明するための図である。
図5に示す円は、点(cos(30ω/S),sin(30ω/S))の集合である単位円である。上記式(7)を満たす角度「30ω/S」を第1の解とすると、範囲「R1」は、第1の解が存在する角度範囲である。上記式(6)を満たす角度「30ω/S」を第2の解とすると、範囲「R2」は、第2の解が存在する角度範囲である。なお、振幅「A」と送り量「F」とは一般にゼロ以上であるため、振幅「A」または送り量「F」が負の値である場合については考慮されなくても良い。
断続切削判定部12は、振動条件情報51に従った振動を伴う切削が断続切削に該当するか否かを、上記式(6)および(7)に基づいて判定する。断続切削判定部12は、判定結果を示す判定情報52を、振動条件補正部13へ出力する。
上記式(1)によると、断続切削判定部12は、関数と定数との加算または減算を含む演算によって切り屑厚さ「D」を算出する。関数は、一定の振幅および一定の周期で増減を繰り返す関数である。一定の振幅が決定される条件には、振動の振幅「A」が含まれる。一定の周期が決定される条件には、振動の角周波数「ω」が含まれる。定数が決定される条件には、送り量「F」が含まれる。
上記式(1)によると、切り屑厚さ「D」の算出において、振動は正弦波として表される。断続切削判定部12は、振動を余弦波として表して、切り屑厚さ「D」を算出しても良い。断続切削判定部12は、オイラーの公式を利用して三角関数を複素数へ変換し、複素数を使用する演算によって切り屑厚さ「D」を算出しても良い。
振動を伴う切削が断続切削に該当しない場合(ステップS2,No)、数値制御装置1は、ステップS3へ手順を進める。ステップS3において、数値制御装置1は、振動条件を補正する。振動を伴う切削が断続切削に該当しないことを示す判定情報52が振動条件補正部13へ入力されると、振動条件補正部13は、振動条件情報51を補正する。この場合、振動条件補正部13は、補正された振動条件情報51である振動条件情報53を指令値生成部14へ出力する。その後、数値制御装置1は、後述するステップS4へ手順を進める。
一方、振動を伴う切削が断続切削に該当する場合(ステップS2,Yes)、数値制御装置1は、ステップS4へ手順を進める。振動を伴う切削が断続切削に該当することを示す判定情報52が振動条件補正部13へ入力されると、振動条件補正部13は、振動条件情報51の補正をスキップする。この場合、振動条件補正部13は、補正されていない振動条件情報51である振動条件情報53を指令値生成部14へ出力する。
ここで、振動条件補正部13による処理の詳細について説明する。図6は、実施の形態1にかかる数値制御装置が有する振動条件補正部による処理の手順を示すフローチャートである。
ステップS11において、振動条件補正部13は、振動条件情報51に含まれる値である振幅「A」の値と送り量「F」の値とが、F/2A>1を満たすか否かを判定する。F/2A>1を満たす場合は上記式(6)および(7)は実数解を持たないことから、振動条件補正部13は、振動条件を補正する際にかかる判定を行う。
F/2A>1を満たす場合(ステップS11,Yes)、振動条件補正部13は、手順をステップS12へ進める。一方、F/2A>1を満たさない場合(ステップS11,No)、振動条件補正部13は、後述するステップS13へ手順を進める。
ステップS12において、振動条件補正部13は、F/2A<1が満たされるように振動条件を変更する。振動条件補正部13は、振幅「A」の値を、F/2A<1を満たすことが可能な値まで大きくする。または、振動条件補正部13は、送り量「F」の値を、F/2A<1を満たすことが可能な値まで小さくする。ステップS12において、振動条件の変更は、振幅「A」の値を大きくする変更、または、送り量「F」の値を小さくする変更である。振動条件補正部13は、振幅「A」と送り量「F」とを変更しても良い。振動条件補正部13は、振幅「A」と送り量「F」との少なくとも一方を変更した後、ステップS13へ手順を進める。
ステップS13において、振動条件補正部13は、振幅「A」の値、角周波数「ω」の値、回転速度「S」の値および送り量「F」の値が、上記式(6)または上記式(7)を満たすか否かを判定する。上記式(6)と上記式(7)とのどちらも満たさない場合(ステップS13,No)、振動条件補正部13は、ステップS14へ手順を進める。一方、上記式(6)と上記式(7)との少なくとも一方を満たす場合(ステップS13,Yes)、振動条件補正部13は、後述するステップS17へ手順を進める。
ステップS14において、振動条件補正部13は、角周波数「ω」の値と回転速度「S」の値とが、30ω/S≧0を満たすか否かを判定する。30ω/S≧0を満たす場合(ステップS14,Yes)、振動条件補正部13は、ステップS15において、次の式(8)が満たされるように振動条件を変更する。振動条件補正部13は、式(8)が満たされるように、角周波数「ω」および回転速度「S」の少なくとも一方を変更する。
Figure 0006843313
一方、30ω/S≧0を満たさない場合(ステップS14,No)、振動条件補正部13は、ステップS16において、次の式(9)が満たされるように振動条件を変更する。振動条件補正部13は、式(9)が満たされるように、角周波数「ω」および回転速度「S」の少なくとも一方を変更する。
Figure 0006843313
ステップS15とステップS16とにおいて、振動条件の変更は、角周波数「ω」および回転速度「S」の少なくとも一方の変更である。ステップS15またはステップS16において、角周波数「ω」および回転速度「S」の少なくとも一方を変更した後、振動条件補正部13は、ステップS17へ手順を進める。
振動条件補正部13は、上述するようにステップS11からステップS16までにおいて振動条件を変更することによって、切り屑厚さ「D」の算出結果がゼロ未満となるように、振動条件情報51を補正する。ステップS17において、振動条件補正部13は、補正された振動条件情報51である振動条件情報53を指令値生成部14へ出力する。これにより、振動条件補正部13は、図6に示す手順による処理を終了する。
図4に示すステップS4において、数値制御装置1は、軸指令値54を生成する。指令値生成部14には、加工プログラム50と振動条件情報53とが入力される。指令値生成部14は、加工プログラム50と振動条件情報53とに基づいて、軸指令値54を生成する。
軸指令値54は、主軸モータ22を制御するための指令と、サーボモータ23を制御するための指令とを含む。主軸モータ22を制御するための指令は、角度指令または速度指令である。サーボモータ23を制御するための指令は、位置指令または速度指令である。指令値生成部14は、生成された軸指令値54を駆動部3へ出力する。振動条件情報53に基づいて出力される軸指令値54は、主軸モータ22を制御するための指令とサーボモータ23を制御するための指令とのうち少なくとも一方を含むものであれば良い。数値制御装置1は、軸指令値54を出力することによって、図4に示す手順による動作を終了する。
なお、数値制御装置1において、回転速度「S」と送り量「F」とは、振動条件入力部10への入力によって取得されるものに限られない。回転速度「S」と送り量「F」とは、加工プログラム50に記述される加工条件に含まれている場合がある。この場合、断続切削判定部12は、回転速度「S」と送り量「F」との少なくとも一方を加工プログラム50から読み出しても良い。すなわち、断続切削判定部12は、回転速度「S」と送り量「F」とのうちの少なくとも1つである加工条件と、入力された振動条件とに基づいて、断続切削が行われるか否かを判定する。
実施の形態1によると、数値制御装置1は、振動条件が入力され、振動条件に従った振動を伴う切削が断続切削に該当するか否かを振動条件に基づいて判定する。数値制御装置1は、工具25を振動させるための具体的なデータが登録されたテーブルをあらかじめ保持しなくても良い。数値制御装置1は、さまざまな加工条件に対応するテーブルを作成する手間を無くすことができる。数値制御装置1は、加工条件が変更された場合に、変更後の加工条件に対応するように軸指令値54を容易に変更することができる。また、数値制御装置1は、加工中に取得されるフィードバック値を使用せずに、断続切削が可能か否かを判定することができる。断続切削が可能か否かを判定するための試し加工が不要である。以上により、数値制御装置1は、切削加工において、細分された切り屑を生じさせる制御を容易に実現できるという効果を奏する。
実施の形態1では、サーボモータ23が発生させた駆動力を工具25へ伝達させる機構において、工具25を振動させる際にゲインの低下が無いものとしている。すなわち、実施の形態1において、数値制御装置1は、サーボモータ23から工具25までの機構を剛体とみなして、断続切削が行われるか否かを判定する。次に説明する実施の形態2では、サーボモータ23から工具25までの機構におけるゲインの低下を考慮して、断続切削が行われるか否かを判定する場合について説明する。
実施の形態2.
図7は、実施の形態2にかかる数値制御装置を含む制御システムを示す図である。実施の形態2では、上記の実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付し、実施の形態1とは異なる構成について主に説明する。制御システムは、実施の形態2にかかる数値制御装置1Aと、切削加工を行う工作機械2と、工作機械2を駆動する駆動部3とを有する。
数値制御装置1Aは、動剛性情報57を保持する動剛性保持部15を有する。また、数値制御装置1Aは、振動条件入力部10と、加工プログラム入力部11と、指令値生成部14と、断続切削判定部16と、振動条件補正部17とを有する。断続切削判定部16による処理は、実施の形態1の断続切削判定部12による処理とは異なる。振動条件補正部17による処理は、実施の形態1の振動条件補正部13による処理とは異なる。
動剛性情報57は、工具25を駆動するモータであるサーボモータ23と工具25とを含む機構の動剛性を表す情報である。サーボモータ23と工具25とを含む機構の動剛性があらかじめ測定されることによって、動剛性保持部15に動剛性情報57が保持される。
動剛性保持部15は、駆動軸動剛性を表す伝達関数を記憶する。伝達関数「FRF1(s)」は、FRF1(s)=Xt(s)/Xs(s)の関係式により得られる。「Xs(s)」は、サーボモータ23の位置を表す。「Xt(s)」は、工具25の位置を表す。「s」はラプラス演算子である。駆動軸動剛性は、離散的な周波数伝達関数により表すことができる。例えば、サーボモータ23をスイープ加振させるサーボモータ電流56をサーボモータ23に流し、その際における位置「Xs(s)」と位置「Xt(s)」とがサンプリングされる。周波数領域において位置「Xs(s)」と位置「Xt(s)」とを比較することによって、離散的な周波数伝達関数が得られる。
動剛性情報57には、周波数ごとの伝達関数「FRF1(s)」におけるゲイン「G(f)」が少なくとも含まれる。「f」は、軸指令値54により表される振動の周波数を表す。動剛性情報57は、断続切削判定部16と振動条件補正部17とへ読み出される。ゲイン「G(f)」は、工具25の実際の振動における振幅と、軸指令値54により表される振動における振幅との比である。ゲイン「G(f)」の値は、周波数「f」によって異なる値である。
図8は、実施の形態2にかかる数値制御装置において保持される動剛性情報の例を示す図である。動剛性情報57は、周波数「f」のデータとゲイン「G(f)」のデータとが格納されたテーブルである。テーブルの1列目には、1Hzから100Hzまで、1Hzごとの周波数「f」の値が格納される。テーブルの2列目には、周波数「f」の各々に対応するゲイン「G(f)」の値が格納される。動剛性保持部15からは、このようなテーブルの形でゲイン「G(f)」が読み出される。
次に、断続切削判定部16による処理の詳細について説明する。断続切削判定部16は、断続切削が行われるか否かを、振動条件情報51と動剛性情報57とに基づいて判定する。
切り屑厚さ「D」は、次の式(10)により表される。
Figure 0006843313
F+G(f)Asin(ωt)は、上記振動軌跡61を表す。G(f)Asin(ωt−ω1)は、上記振動軌跡60を表す。上記式(10)によると、切り屑厚さ「D」は、振動軌跡61から振動軌跡60を差し引くことによって算出される。上記式(10)において、振動軌跡61と振動軌跡60との各々には、ゲイン「G(f)」が乗算されている。これにより、断続切削判定部16は、軸指令値54に基づいてサーボモータ23が駆動することによる工具25の振動を正確に算出することができる。
振動軌跡60と振動軌跡61との位相差である位相差「ω1」は、次の式(11)により表される。
Figure 0006843313
断続切削判定部16は、振動条件情報51と動剛性情報57とに基づいて、切り屑厚さ「D」を算出する。断続切削判定部16は、切り屑厚さ「D」の最小値がゼロ未満である場合、切り屑の分断がある、すなわち断続切削が行われると判定する。断続切削判定部16は、切り屑厚さ「D」の最小値がゼロ以上である場合、切り屑の分断が無い、すなわち断続切削が行われないと判定する。
ここで、切り屑厚さ「D」の最小値を求める方法について説明する。上記式(10)と、三角関数の和関の公式とに基づいて、次の式(12)が得られる。
Figure 0006843313
上記式(12)において、切り屑厚さ「D」が最小値である場合、cos{(2ωt−ω1)/2}の値は「1」または「−1」である。よって、断続切削判定部16は、次の式(13)または(14)を満たす位相差「ω1」が存在するか否かによって、断続切削が行われるか否かを判定することができる。式(13)は、cos{(2ωt−ω1)/2}=1が成り立つ場合を表す。式(14)は、cos{(2ωt−ω1)/2}=−1が成り立つ場合を表す。
Figure 0006843313
Figure 0006843313
実施の形態2では、断続切削判定部16は、角周波数「ω」で振動する工具25について、角周波数「ω」に対応するゲイン「G(f)」の値を動剛性情報57から取得する。周波数「f」と角周波数「ω」とには、次の式(15)の関係が成立する。
Figure 0006843313
上記式(11)と上記式(15)とが上記式(13)へ代入されることによって、次の式(16)が得られる。上記式(11)と上記式(15)とが上記式(14)へ代入されることによって、次の式(17)が得られる。なお、断続切削判定部16は、図8に示すテーブルを参照することにより、周波数「f」に対応するゲイン「G(f)」を算出することができる。
Figure 0006843313
Figure 0006843313
断続切削判定部16は、振動条件情報51に従った振動を伴う切削が断続切削に該当するか否かを判定する。断続切削判定部16は、判定結果を示す判定情報52を、振動条件補正部17へ出力する。
上記式(10)によると、断続切削判定部16は、関数と定数との加算または減算を含む演算によって切り屑厚さ「D」を算出する。関数は、一定の振幅および一定の周期で増減を繰り返す関数である。一定の振幅が決定される条件には、振動の振幅「A」とゲイン「G(f)」とが含まれる。一定の周期が決定される条件には、振動の角周波数「ω」が含まれる。定数が決定される条件には、送り量「F」が含まれる。
次に、振動条件補正部17による処理の詳細について説明する。振動を伴う切削が断続切削に該当しないことを示す判定情報52が振動条件補正部17へ入力されると、振動条件補正部17は、振動条件情報51を補正する。この場合、振動条件補正部17は、補正された振動条件情報51である振動条件情報53を指令値生成部14へ出力する。
一方、振動を伴う切削が断続切削に該当することを示す判定情報52が振動条件補正部17へ入力されると、振動条件補正部17は、振動条件情報51の補正をスキップする。この場合、振動条件補正部17は、補正されていない振動条件情報51である振動条件情報53を指令値生成部14へ出力する。
図9は、実施の形態2にかかる数値制御装置が有する振動条件補正部による処理の手順を示すフローチャートである。ステップS21において、振動条件補正部17は、振動条件情報51に含まれる値である振幅「A」の値と送り量「F」の値とが、F/2A>1を満たすか否かを判定する。F/2A>1を満たす場合は上記式(16)および(17)は実数解を持たないことから、振動条件補正部17は、振動条件を補正する際にかかる判定を行う。
F/2A>1を満たす場合(ステップS21,Yes)、振動条件補正部17は、手順をステップS22へ進める。一方、F/2A>1を満たさない場合(ステップS21,No)、振動条件補正部17は、後述するステップS23へ手順を進める。
ステップS22において、振動条件補正部17は、F/2A<1が満たされるように振動条件を変更する。振動条件補正部17は、振幅「A」の値を、F/2A<1を満たすことが可能な値まで大きくする。または、振動条件補正部17は、送り量「F」の値を、F/2A<1を満たすことが可能な値まで小さくする。ステップS22において、振動条件の変更は、振幅「A」の値を大きくすること、または、送り量「F」の値を小さくすることである。振動条件補正部17は、振幅「A」と送り量「F」とを変更しても良い。振動条件補正部17は、振幅「A」と送り量「F」との少なくとも一方を変更した後、ステップS23へ手順を進める。
ステップS23において、振動条件補正部17は、振幅「A」の値、角周波数「ω」の値、回転速度「S」の値および送り量「F」の値が、上記式(16)または上記式(17)を満たすか否かを判定する。上記式(16)と上記式(17)とのどちらも満たさない場合(ステップS23,No)、振動条件補正部13は、ステップS24へ手順を進める。一方、上記式(16)と上記式(17)との少なくとも一方を満たす場合(ステップS23,Yes)、振動条件補正部13は、後述するステップS25へ手順を進める。
ステップS24において、振動条件補正部17は、次の式(18)が満たされるように振動条件を変更する。振動条件補正部17は、式(18)を満たす角周波数「ω」の値と回転速度「S」の値とを検索する。これにより、振動条件補正部17は、式(18)が満たされるように、角周波数「ω」および回転速度「S」の少なくとも一方を変更する。ステップS24において、振動条件の変更は、角周波数「ω」および回転速度「S」の少なくとも一方の変更である。
Figure 0006843313
実施の形態2では、ゲイン「G(ω/2π)」の値は、図8に示すテーブルの参照によって得られる値であることから、ゲイン「G(ω/2π)」は非線形かつ不連続な要素である。このため、微分を利用した、角周波数「ω」および回転速度「S」の求解は行い得ない。そこで、振動条件補正部17は、例えば、シンプレックス法といった探索的な方法を用いて、周波数「ω」と回転速度「S」との少なくとも一方を変更する。角周波数「ω」および回転速度「S」の少なくとも一方を変更した後、振動条件補正部17は、ステップS25へ手順を進める。
振動条件補正部17は、上述するようにステップS21からステップS24までにおいて振動条件を変更することによって、切り屑厚さ「D」の算出結果がゼロ未満となるように、振動条件情報51を補正する。ステップS25において、振動条件補正部17は、補正された振動条件情報51である振動条件情報53を指令値生成部14へ出力する。これにより、振動条件補正部17は、図9に示す手順による処理を終了する。
振動条件補正部17は、サーボモータ23から工具25までの機構における動剛性の影響によるゲイン「G(f)」の低下を考慮して、切り屑厚さ「D」の算出結果がゼロ未満となるように、振動条件情報51を補正する。振動条件補正部17は、ゲイン「G(f)」の低下を考慮して、断続切削を可能にさせるように振動条件を補正することができる。
実施の形態2によると、数値制御装置1Aは、動剛性情報57を保持する動剛性保持部15を有する。断続切削判定部16は、サーボモータ23から工具25までの機構における動剛性の影響によるゲイン「G(f)」の低下を考慮して、断続切削が行われるか否かを判定することができる。数値制御装置1Aは、サーボモータ23から工具25までの機構が剛体ではなく、ゲイン「G(f)」が低下する場合であっても、断続切削が行われるか否かを正確に判定することができる。
実施の形態3.
上記の実施の形態1では、数値制御装置1は、振動条件補正部13において、判定情報52を基に振動条件を補正する。実施の形態3では、断続切削が可能な振動条件の範囲が表示装置に表示され、作業者によって振動条件が選択されることによって振動条件を補正する場合について説明する。
図10は、実施の形態3にかかる数値制御装置を含む制御システムを示す図である。実施の形態3では、上記の実施の形態1または2と同一の構成要素には同一の符号を付し、実施の形態1または2とは異なる構成について主に説明する。制御システムは、実施の形態3にかかる数値制御装置1Bと、切削加工を行う工作機械2と、工作機械2を駆動する駆動部3と、表示装置4とを有する。
数値制御装置1Bは、振動条件入力部10と、加工プログラム入力部11と、断続切削判定部18と、指令値生成部19とを有する。断続切削判定部18による処理は、実施の形態1の断続切削判定部12による処理と、実施の形態2の断続切削判定部16による処理とのいずれとも異なる。指令値生成部19による処理は、実施の形態1または2の指令値生成部14による処理とは異なる。
表示装置4は、変更可能条件のうち断続切削が可能な範囲を算出する断続切削条件計算部40と、断続切削判定部18による判定結果を表示する判定情報表示部41と、断続切削条件計算部40によって算出された範囲を表す情報を表示する断続切削条件表示部42と、変更可能条件が入力される変更入力部43と、補正条件が入力される補正条件入力部44とを有する。変更可能条件については後述する。
断続切削判定部18は、振動を伴う切削が断続切削に該当しないと判定した場合、断続切削に該当しないことを示す判定情報52を判定情報表示部41へ出力する。断続切削判定部18は、振動条件情報51を指令値生成部19へ出力する。判定情報表示部41は、振動条件入力部10へ入力された振動条件では断続切削を行うことができないことを表示する。
作業者は、判定情報表示部41による表示を確認すると、入力された振動条件のうち変更可能な条件を、変更入力部43へ入力する。作業者は、振幅「A」、角周波数「ω」、回転速度「S」および送り量「F」の各条件の中から、変更しても良いと判断した条件を、変更入力部43への入力によって指定する。実施の形態3において、変更可能条件とは、振動条件のうち、変更可能な条件として作業者によって指定された条件である。
ここで、変更入力部43へ入力された変更可能条件が振幅「A」であったものとして、表示装置4による処理について説明する。変更入力部43は、作業者によって入力された変更可能条件を表す変更条件情報70を断続切削条件計算部40へ出力する。断続切削条件計算部40は、上記式(6)および(7)を満たす振幅「A」の解の範囲を算出する。この例では、変更可能条件が振幅「A」であることから、上記式(6)を基に、振幅「A」の解の範囲を表す次の式(19)が得られる。また、上記式(7)を基に、振幅「A」の解の範囲を表す次の式(20)が得られる。なお、振動「A」は負の値とはなり得ないため、解の範囲には、A>0の制限が付される。
Figure 0006843313
Figure 0006843313
断続切削条件計算部40は、上記式(19)または(20)を満たす振幅「A」の範囲を表す切削条件情報71を断続切削条件表示部42へ出力する。断続切削条件表示部42は、切削条件情報71に基づいて、断続切削を可能にする振動「A」の解の範囲を表示する。この例では、表示される解の範囲は1つの変数についての範囲であるため、断続切削条件表示部42は、具体的な数値を用いて解の範囲を表示する。
作業者は、断続切削条件表示部42による表示を確認すると、表示された解の範囲の中から振幅「A」の値を決定し、決定した値を補正条件入力部44へ入力する。このように、補正条件入力部44には、補正後の振幅「A」の値が入力される。補正条件入力部44は、補正後の振幅「A」の値を含む振動条件情報72を指令値生成部19へ出力する。振動条件情報72は、補正された振動条件を表す。指令値生成部19は、加工プログラム50と、振動条件情報51と、振動条件情報72とに基づいて軸指令値54を生成する。
上記する説明は、変更入力部43へ入力された変更可能条件が1つであった場合の例である。変更入力部43へ入力される変更可能条件は2つであっても良い。ここで、変更入力部43へ入力された変更可能条件が、回転速度「S」と振幅「A」とであった場合について説明する。
断続切削条件計算部40は、上記式(19)または(20)を満たす、回転速度「S」の範囲と振幅「A」の範囲とを算出する。断続切削条件計算部40は、回転速度「S」の当該範囲と振幅「A」の当該範囲とを表す切削条件情報71を断続切削条件表示部42へ出力する。
断続切削条件表示部42は、断続切削を可能にする、回転速度「S」の解の範囲と振動「A」の解の範囲とを、切削条件情報71に基づいて表示する。この例では、表示される解の範囲は2つの変数についての範囲であるため、断続切削条件表示部42は、2次元平面によって解の範囲を表現する。
図11は、図10に示す制御システムが有する表示装置における表示例を示す図である。図11には、断続切削条件表示部42に表示される画面の例であって、2つの変更可能条件についての範囲の表示例を示している。画面には、2つの変数についての解の範囲を表示する表示領域80が設けられる。表示領域80における横軸は、第1の変数である回転速度「S」を表す。表示領域80における縦軸は、第2の変数である振幅「A」を表す。表示領域80のうちハッチングを付した領域は、断続切削が可能である回転速度「S」および振幅「A」の範囲を表す。表示領域80のうち白抜きの領域は、断続切削が可能ではない回転速度「S」および振幅「A」の範囲を表す。
また、画面には、補正前の振動条件の内容を表示する欄81と、補正後の振動条件の内容を表示する欄82とが設けられる。欄81には、振動条件入力部10へ入力された振動条件情報51の内容が表示される。欄82のうち、補正された振動条件である振幅「A」および回転速度「A」については、補正条件入力部44へ入力された振動条件情報72の内容が表示される。欄82のうち、補正されていない振動条件である角周波数「ω」および送り量「F」については、振動条件情報51の内容が表示される。
まず、断続切削条件表示部42は、振動条件情報51に含まれる回転速度「S」および振幅「A」の各値を表すマーク83を表示領域80に表示する。作業者は、表示領域80を確認すると、断続切削が可能である回転速度「S」および振幅「A」の範囲の中から、回転速度「S」および振幅「A」の任意の各値を補正条件入力部44へ入力する。
例えば、ポインティングデバイスの操作によって表示領域80内にてポインタを移動させ、かつポインティングデバイスをクリックすることによって、補正条件入力部44には、回転速度「S」および振幅「A」の各値が入力される。断続切削条件表示部42は、補正条件入力部44へ入力された回転速度「S」および振幅「A」の各値を表すマーク84を表示領域80に表示する。なお、補正条件入力部44には、回転速度「S」および振幅「A」の各値が手動により入力されても良い。図11に示す例における振動条件の補正は、振幅「A」が「0.15」から「0.1」へ減らされ、かつ回転速度「S」が「650」から「900」へ増やされる補正である。
補正条件入力部44は、補正後の回転速度「S」の値と補正後の振幅「A」の値とを含む振動条件情報72を指令値生成部19へ出力する。このように、表示装置4は、変更入力部43へ入力された変更可能条件が2つである場合において、2つの変更可能条件についての範囲を分かり易く表示することができる。
実施の形態3によると、制御システムは、表示装置4において判定情報52を表示することによって、断続切削が可能であるか否かを作業者に提示することができる。表示装置4は、変更可能条件のうち断続切削が可能な範囲を算出し、算出された範囲を表す情報を表示する。制御システムは、振動条件入力部10へ入力された振動条件では断続切削が可能ではない場合に、断続切削が可能な振動条件を作業者に提示することができる。作業者は、試行錯誤により振動条件を探索しなくても、工作機械2に断続切削を行わせることができる。作業者は、加工前の準備を効率良く進めることができる。
実施の形態4.
図12は、実施の形態4にかかる数値制御装置を含む制御システムを示す図である。実施の形態4では、制御システムは、実施の形態3と同様の構成と、実施の形態2の動剛性保持部15とを有する。実施の形態4では、上記の実施の形態1から3と同一の構成要素には同一の符号を付し、実施の形態1から3とは異なる構成について主に説明する。
実施の形態4にかかる数値制御装置1Cは、振動条件入力部10と、加工プログラム入力部11と、動剛性保持部15と、断続切削判定部18と、指令値生成部19とを有する。断続切削判定部18による処理は、実施の形態3の断続切削判定部18による処理とは異なる。断続切削条件計算部40による処理は、実施の形態3の断続切削条件計算部40による処理とは異なる。
断続切削判定部18は、断続切削が行われるか否かを、振動条件情報51と動剛性情報57とに基づいて判定する。断続切削判定部18による処理は、実施の形態2の断続切削判定部16による処理と同様である。断続切削判定部18は、上記式(16)または(17)を満たす場合に、振動を伴う切削が断続切削に該当すると判定する。
断続切削判定部18は、振動を伴う切削が断続切削に該当しない判定した場合、断続切削に該当しないことを示す判定情報52を判定情報表示部41へ出力する。断続切削判定部18は、振動条件情報51を指令値生成部19へ出力する。判定情報表示部41は、振動条件入力部10へ入力された振動条件では断続切削を行うことができないことを表示する。
実施の形態3と同様に、作業者は、判定情報表示部41による表示を確認すると、入力された振動条件のうち変更可能な条件を、変更入力部43へ入力する。作業者は、振幅「A」、角周波数「ω」、回転速度「S」および送り量「F」の各条件の中から、変更しても良いと判断した条件を、変更入力部43への入力によって指定する。
ここで、変更入力部43へ入力された変更可能条件が振幅「A」であったものとして、表示装置4による処理について説明する。変更入力部43は、作業者によって入力された変更可能条件を表す変更条件情報70を断続切削条件計算部40へ出力する。
断続切削条件計算部40は、振動条件情報51と動剛性情報57とを基に得られる上記式(16)または(17)を満たす振幅「A」の解の範囲を算出する。この例では、変更可能条件が振幅「A」であることから、上記式(16)を基に、振幅「A」の解の範囲を表す次の式(21)が得られる。また、上記式(17)を基に、振幅「A」の解の範囲を表す次の式(22)が得られる。なお、振動「A」は負の値とはなり得ないため、解の範囲には、A>0の制限が付される。
Figure 0006843313
Figure 0006843313
断続切削条件計算部40は、上記式(21)または(22)を満たす振幅「A」の範囲を表す切削条件情報71を断続切削条件表示部42へ出力する。断続切削条件表示部42は、切削条件情報71に基づいて、断続切削を可能にする振動「A」の解の範囲を表示する。断続切削条件表示部42は、実施の形態3と同様に、2つの変更可能条件についても、断続切削を可能にする解の範囲を表示することができる。
実施の形態4によると、数値制御装置1Cは、実施の形態3の場合と同様の効果を得ることができる。また、数値制御装置1Cは、実施の形態2の場合と同様に、サーボモータ23から工具25までの機構が剛体ではなくゲインが低下する場合であっても断続切削が行われるか否かを正確に判定することができる。制御システムは、振動条件入力部10へ入力された振動条件では断続切削が可能ではない場合に、断続切削が可能な振動条件を作業者に提示することができる。
次に、実施の形態1から4にかかる数値制御装置1,1A,1B,1Cが有するハードウェア構成について説明する。図13は、実施の形態1から4にかかる数値制御装置が有するハードウェア構成の例を示す図である。図13には、プログラムを実行するハードウェアを用いることによって数値制御装置1,1A,1B,1Cの機能が実現される場合におけるハードウェア構成を示している。
数値制御装置1,1A,1B,1Cは、加工プログラム50に従って工作機械2を制御するためのプログラムである制御プログラムがインストールされたコンピュータシステムである。数値制御装置1,1A,1B,1Cは、各種処理を実行するプロセッサ91と、内蔵メモリであるメモリ92と、数値制御装置1,1A,1B,1Cへの情報の入力と数値制御装置1,1A,1B,1Cからの情報の出力のためのインタフェース回路93と、情報を記憶する記憶装置94と、情報が入力される入力装置95とを有する。
プロセッサ91は、CPU(Central Processing Unit)である。プロセッサ91は、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、又はDSP(Digital Signal Processor)であっても良い。メモリ92は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)またはEEPROM(登録商標)(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)である。
記憶装置94は、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)である。コンピュータを数値制御装置1,1A,1B,1Cとして機能させる制御プログラムは、記憶装置94に格納される。プロセッサ91は、記憶装置94に格納されているプログラムをメモリ92に読み出して実行する。入力装置95は、キーボードまたはポインティングデバイスといった機器である。インタフェース回路93は、駆動部3および表示装置4との通信を行う。
制御プログラムは、コンピュータシステムによる読み取りが可能とされた記憶媒体に記憶されたものであっても良い。数値制御装置1,1A,1B,1Cは、記憶媒体に記録された制御プログラムをメモリ92へ格納しても良い。記憶媒体は、フレキシブルディスクである可搬型記憶媒体、あるいは半導体メモリであるフラッシュメモリであっても良い。制御プログラムは、他のコンピュータあるいはサーバ装置から通信ネットワークを介してコンピュータシステムへインストールされても良い。
数値制御装置1,1A,1B,1Cにおける、断続切削判定部12,16,18、振動条件補正部13,17および指令値生成部14,19の各機能は、プロセッサ91とソフトウェアの組み合わせによって実現される。当該各機能は、プロセッサ91およびファームウェアの組み合わせによって実現されても良く、プロセッサ91、ソフトウェアおよびファームウェアの組み合わせによって実現されても良い。ソフトウェアまたはファームウェアは、プログラムとして記述され、記憶装置94に格納される。
数値制御装置1A,1Cにおける動剛性保持部15の機能は、記憶装置94の使用により実現される。数値制御装置1,1A,1B,1Cにおける、振動条件入力部10および加工プログラム入力部11の各機能は、入力装置95の使用により実現される。
表示装置4の機能は、図13に示すハードウェア構成と同様のハードウェア構成の使用により実現される。表示装置4は、図13に示す構成要素と、情報を表示するディスプレイとを有する。断続切削条件計算部40の機能は、プロセッサ91とソフトウェアの組み合わせによって実現される。断続切削条件計算部40の機能は、プロセッサ91およびファームウェアの組み合わせによって実現されても良く、プロセッサ91、ソフトウェアおよびファームウェアの組み合わせによって実現されても良い。変更入力部43および補正条件入力部44の各機能は、入力装置95の使用により実現される。判定情報表示部41および断続切削条件表示部42の各機能は、ディスプレイの使用により実現される。
以上の各実施の形態に示した構成は、本開示の内容の一例を示すものである。各実施の形態の構成は、別の公知の技術と組み合わせることが可能である。各実施の形態の構成同士が適宜組み合わせられても良い。本開示の要旨を逸脱しない範囲で、各実施の形態の構成の一部を省略または変更することが可能である。
1,1A,1B,1C 数値制御装置、2 工作機械、3 駆動部、4 表示装置、10 振動条件入力部、11 加工プログラム入力部、12,16,18 断続切削判定部、13,17 振動条件補正部、14,19 指令値生成部、15 動剛性保持部、20 主軸、21 駆動軸、22 主軸モータ、23 サーボモータ、24 ワーク、25 工具、26 中心線、30 主軸サーボ制御部、31 駆動軸サーボ制御部、40 断続切削条件計算部、41 判定情報表示部、42 断続切削条件表示部、43 変更入力部、44 補正条件入力部、50 加工プログラム、51,53,72 振動条件情報、52 判定情報、54 軸指令値、55 主軸モータ電流、56 サーボモータ電流、57 動剛性情報、60,61 振動軌跡、70 変更条件情報、71 切削条件情報、80 表示領域、81,82 欄、83,84 マーク、91 プロセッサ、92 メモリ、93 インタフェース回路、94 記憶装置、95 入力装置。

Claims (14)

  1. ワークに対して工具を相対的に移動させながら切削加工を行う工作機械と、
    前記工作機械を制御する数値制御装置と
    表示装置と、を備える制御システムであって、
    前記数値制御装置は、
    前記ワークに対する前記工具の移動経路に沿って、前記ワークに対して前記工具を振動させるための振動条件が入力される振動条件入力部と、
    前記振動条件に従った振動を伴う切削が、前記ワークの断続的な切削であって細分された切り屑を前記ワークから生じさせる断続切削に該当するか否かを前記振動条件に基づいて判定する断続切削判定部と、を備え
    前記表示装置は、
    前記断続切削判定部による判定結果を表示する判定情報表示部と、
    前記振動条件のうち変更可能な条件として指定される変更可能条件が入力される変更入力部と、
    前記変更可能条件のうち前記断続切削が可能な範囲を算出する断続切削条件計算部と、を備えることを特徴とする制御システム。
  2. 前記振動条件は、前記振動の振幅と、前記ワークを回転させる主軸の回転速度と、前記工具の送り速度と、前記振動の角周波数とのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の制御システム
  3. 前記断続切削判定部は、前記振動条件と、前記工作機械を制御するための加工プログラムに記載された加工条件とに基づいて、前記断続切削が行われるか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の制御システム
  4. 前記加工条件は、前記ワークを回転させる主軸の回転速度と、前記工具の送り速度との少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項3に記載の制御システム
  5. 前記断続切削判定部は、前記切削加工によって前記ワークから生じる切り屑の厚さであって前記工具の送り方向における厚さを前記振動条件に基づいて算出し、前記厚さの算出結果がゼロ未満である場合に、前記振動を伴う切削が前記断続切削に該当と判定することを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の制御システム
  6. 前記断続切削判定部は、一定の振幅および一定の周期で増減を繰り返す関数が使用される演算によって前記厚さを算出し、
    前記一定の振幅が決定される条件に、前記振動の振幅が含まれ、
    前記一定の周期が決定される条件に、前記振動の角周波数が含まれることを特徴とする請求項5に記載の制御システム
  7. 前記断続切削判定部は、前記関数と定数との加算または減算を含む演算によって前記厚さを算出し、
    前記定数が決定される条件に、前記工具の送り速度が含まれることを特徴とする請求項6に記載の制御システム
  8. 前記数値制御装置は、前記工具を駆動するモータと前記工具とを含む機構の動剛性を表す動剛性情報を保持する動剛性保持部を備え、
    前記断続切削判定部は、前記振動条件と前記動剛性情報とに基づいて、前記断続切削が行われるか否かを判定することを特徴とする請求項1から7のいずれか1つに記載の制御システム
  9. 前記動剛性情報は、前記工具の実際の振動における振幅と、前記モータを制御するための指令により表される振動における振幅との比であるゲインを含み、
    前記ゲインの値は、前記指令により表される振動の周波数によって異なる値であることを特徴とする請求項8に記載の制御システム
  10. 前記断続切削判定部は、前記切削加工によって前記ワークから生じる切り屑の厚さであって前記工具の送り方向における厚さを前記振動条件および前記ゲインに基づいて算出し、前記厚さの算出結果がゼロ未満である場合に、前記振動を伴う切削が前記断続切削に該当と判定することを特徴とする請求項9に記載の制御システム
  11. 前記断続切削判定部は、一定の振幅および一定の周期で増減を繰り返す関数を使用して前記厚さを算出し、
    前記一定の振幅が決定される条件に、前記振動の振幅と前記ゲインが含まれ、
    前記一定の周期が決定される条件に、前記振動の角周波数が含まれることを特徴とする請求項10に記載の制御システム
  12. 前記数値制御装置は、前記振動条件入力部へ入力された前記振動条件を補正する振動条件補正部を備え、
    前記振動条件補正部は、前記振動を伴う切削が前記断続切削に該当しないことを示す判定結果に基づいて、前記振動条件のうち、前記振動の振幅と、前記ワークを回転させる主軸の回転速度と、前記工具の送り速度と、前記振動の角周波数とのうちの少なくとも1つを補正することを特徴とする請求項1から11のいずれか1つに記載の制御システム
  13. 前記振動条件補正部は、前記切削加工によって前記ワークから生じる切り屑の厚さであって前記工具の送り方向における厚さについての算出結果がゼロ未満となるように、前記振動条件を補正することを特徴とする請求項12に記載の制御システム
  14. 前記表示装置は、前記断続切削条件計算部によって算出された範囲を表す情報を表示する断続切削条件表示部を有することを特徴とする請求項1から13のいずれか1つに記載の制御システム。
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