JP6837772B2 - 車両用制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ベルト式の無段変速機を搭載した車両に用いられる制御装置に関する。
自動車などの車両では、駆動源からの動力が変速機(トランスミッション)のインプット軸に入力され、変速機で変速された動力がアウトプット軸からデファレンシャルギヤなどを介して駆動輪に伝達される。
車両に搭載される変速機として、無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)が知られている。ベルト式の無段変速機は、無段変速機の一例であり、入力側のプライマリプーリと出力側のセカンダリプーリとに無端状のベルトが巻き掛けられた構成を有している。プライマリプーリおよびセカンダリプーリの各プーリは、固定シーブと、固定シーブにベルトを挟んで対向し、その対向方向(回転軸線方向)に移動可能な可動シーブとを備えている。各プーリにおける固定シーブと可動シーブとの間隔の変更により、各プーリに対するベルトの巻きかけ径を変更することができ、変速比(プーリ比)を無段階で連続的に変更することができる。
特開2013−181408号公報
車両がスピードブレーカ(スピードバンプ)やキャッツアイ(チャッタバー)などの突起物を乗り越えたときに、路面から駆動輪にトルクが入力されることにより、プーリとベルトとの間での滑り(ベルト滑り)が発生するおそれがある。すなわち、車両の駆動輪が突起物を乗り越える際に、駆動輪が路面から浮き上がって、アウトプット軸の回転数が上昇した後、駆動輪が着地したときに、路面から駆動輪に入力されるトルクによりアウトプット軸の回転数が急減し、その急減によるイナーシャトルクでベルト滑りが発生するおそれがある。また、慣性により一定速で動こうとする車体と凹凸のある路面に追従しようとする車輪とに速度差が発生し、アウトプット軸の回転が急変することによるイナーシャトルクでベルト滑りが発生するおそれがある。
そのため、駆動輪が突起物を乗り越えてもベルト滑りが発生しないように、インプット軸に入力されるトルクに対してベルト滑りを防止できる最低限の挟圧に所定値を加算することにより目標挟圧が高く設定され、その目標挟圧が得られるように、セカンダリプーリに供給される油圧が制御される。しかしながら、車両が平坦な路面を突起物を踏むことなく走行している状況がほとんどであり、目標挟圧が高く設定されている分、油圧を発生させるオイルポンプの負荷がエネルギ損失となる。
本発明の目的は、駆動輪が突起物を乗り越えるときにベルト滑りが発生することを抑制できながら、車両の低燃費化を図ることができる、車両用制御装置を提供することである。
前記の目的を達成するため、本発明に係る車両用制御装置は、ベルト式の無段変速機を搭載した車両に用いられる制御装置であって、無段変速機から動力が伝達される駆動輪の前方の路面の状況に基づいて、当該路面から駆動輪へのトルク入力の有無を予測する路面入力予測手段と、路面入力予測手段によりトルク入力ありと予測された場合、無段変速機のベルトに付与される推力の目標値である目標推力を相対的に高い値に設定し、路面入力予測手段によりトルク入力なしと予測された場合、目標推力を相対的に低い値に設定する目標推力設定手段とを含む。
この構成によれば、駆動輪の前方の路面の状況から、路面から駆動輪へのトルク入力の有無が予測される。たとえば、車両が後輪駆動車である場合、前輪の車輪速が変動すると、駆動輪の前方の路面に前輪が乗り越えた突起物が存在する状況であると判断できる。そして、その状況で車両がそのまま直進すると駆動輪が突起物を乗り越える可能性があることから、路面から駆動輪へのトルク入力ありと予測することができる。
路面から駆動輪へのトルク入力ありと予測された場合、無段変速機のベルトに付与される推力の目標値である目標推力が相対的に高い値に設定される。これにより、駆動輪が突起物を乗り越えるときにベルト滑りが発生することを抑制できる。
一方、路面から駆動輪へのトルク入力なしと予測された場合、目標推力が相対的に低い値に設定される。これにより、目標推力が無駄に高く設定されることを抑制でき、オイルポンプの負荷によるエネルギ損失を低減できる。その結果、車両の燃費を向上させることができる。
なお、車両用制御装置は、目標推力設定手段に代えて、目標挟圧設定手段を含む構成であってもよい。目標挟圧は、たとえば、目標推力から無段変速機のセカンダリプーリに設けられているバイアススプリングによる推力を差し引いた値をセカンダリプーリの可動シーブの受圧面積で除し、その除算値から可動シーブに加わる遠心油圧を差し引くことにより設定される。したがって、目標挟圧設定手段は、目標推力設定手段を備えることになる。
本発明によれば、駆動輪が突起物を乗り越えるときにベルト滑りが発生することを抑制できながら、車両の低燃費化を図ることができる
本発明の一実施形態に係る制御装置が搭載された車両の要部の構成を示す図である。 車両の駆動系統の構成を示すスケルトン図である。 CVTECUの目標挟圧設定機能に関する構成を示すブロック図である。 第2安全余裕設定部によって設定される路面入力補正値および路面入力予測部による予測結果の変化を示す図である。
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
<車両の要部構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る制御装置が搭載された車両1の要部の構成を示す図である。
車両1は、エンジン2を駆動源とする自動車である。エンジン2の出力は、トルクコンバータ3および無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)4を介して、車両1の左右の駆動輪に伝達される。
エンジン2には、エンジン2の燃焼室への吸気量を調整するための電子スロットルバルブ、燃料を吸入空気に噴射するインジェクタ(燃料噴射装置)および燃焼室内に電気放電を生じさせる点火プラグなどが設けられている。また、エンジン2には、その始動のためのスタータが付随して設けられている。
車両1には、CPU、ROMおよびRAMなどを含む構成の複数のECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)が備えられている。複数のECUには、エンジンECU11およびCVTECU12が含まれる。各ECUは、CAN(Controller Area Network)通信プロトコルによる双方向通信が可能に接続されている。
エンジンECU11には、アクセルセンサ21およびエンジン回転数センサ22などが接続されている。
アクセルセンサ21は、運転者により操作されるアクセルペダルの操作量に応じた検出信号を出力する。エンジンECU11は、アクセルセンサ21から入力される検出信号に基づいて、アクセルペダルの最大操作量に対する操作量の割合、つまりアクセルペダルが踏み込まれていないときを0%とし、アクセルペダルが最大に踏み込まれたときを100%とする百分率であるアクセル開度を演算する。
エンジン回転数センサ22は、エンジン2の回転(クランクシャフトの回転)に同期したパルス信号を検出信号として出力する。エンジンECU11は、エンジン回転数センサ22から入力されるパルス信号の周波数をエンジン2の回転数(エンジン回転数)に換算する。
エンジンECU11は、各種センサの検出信号から取得した情報および/または他のECUから入力される種々の情報などに基づいて、エンジン2の始動、停止および出力調整などのため、エンジン2に設けられた電子スロットルバルブ、インジェクタおよび点火プラグなどを制御する。
CVTECU12には、プライマリ回転数センサ23、セカンダリ回転数センサ24および油圧センサ25などが接続されている。
プライマリ回転数センサ23は、たとえば、無段変速機4のプライマリ軸51(図2参照)の回転に同期したパルス信号を検出信号として出力する。CVTECU12は、プライマリ回転数センサ23から入力されるパルス信号の周波数をプライマリ軸51の回転数(プライマリ回転数)に換算する。
セカンダリ回転数センサ24は、たとえば、無段変速機4のセカンダリ軸52(図2参照)の回転に同期したパルス信号を検出信号として出力する。CVTECU12は、セカンダリ回転数センサ24から入力されるパルス信号の周波数をセカンダリ軸52の回転数(セカンダリ回転数)に換算する。
油圧センサ25は、無段変速機4のセカンダリプーリ54の可動シーブ66(図2参照)に作用する油圧に応じた検出信号を出力する。CVTECU12は、油圧センサ25の検出信号から可動シーブ66に作用する油圧を取得する。
CVTECU12は、各種センサの検出信号から取得した情報および/または他のECUから入力される種々の情報などに基づいて、無段変速機4の変速制御などのため、無段変速機4の各部に油圧を供給するための油圧回路26に含まれる各種のバルブなどを制御する。
<駆動系統の構成>
図2は、車両1の駆動系統の構成を示すスケルトン図である。
トルクコンバータ3は、ポンプインペラ31、タービンランナ32およびロックアップクラッチ33を備えている。ポンプインペラ31には、エンジン2の出力軸(E/G出力軸)が連結されており、ポンプインペラ31は、E/G出力軸と同一の回転軸線を中心に一体的に回転可能に設けられている。タービンランナ32は、ポンプインペラ31と同一の回転軸線を中心に回転可能に設けられている。ロックアップクラッチ33は、ポンプインペラ31とタービンランナ32とを直結/分離するために設けられている。ロックアップクラッチ33が係合されると、ポンプインペラ31とタービンランナ32とが直結され、ロックアップクラッチ33が解放されると、ポンプインペラ31とタービンランナ32とが分離される。
ロックアップクラッチ33が解放された状態において、E/G出力軸が回転されると、ポンプインペラ31が回転する。ポンプインペラ31が回転すると、ポンプインペラ31からタービンランナ32に向かうオイルの流れが生じる。このオイルの流れがタービンランナ32で受けられて、タービンランナ32が回転する。このとき、トルクコンバータ3の増幅作用が生じ、タービンランナ32には、E/G出力軸の動力(トルク)よりも大きな動力が発生する。
ロックアップクラッチ33が係合された状態では、E/G出力軸が回転されると、E/G出力軸、ポンプインペラ31およびタービンランナ32が一体となって回転する。
トルクコンバータ3と無段変速機4との間には、オイルポンプ5が設けられている。オイルポンプ5は、機械式オイルポンプであり、ポンプ軸は、ポンプインペラ31と回転軸線が一致するように配置され、ポンプインペラ31に相対回転不能に連結されている。これにより、エンジン2の動力によりポンプインペラ31が回転されると、オイルポンプ5のポンプ軸が回転し、オイルポンプ5からオイルが吐出される。
無段変速機4は、トルクコンバータ3から入力される動力をデファレンシャルギヤ6に伝達する。無段変速機4は、入力軸41、出力軸42、ベルト伝達機構43および前後進切替機構44を備えている。
入力軸41は、トルクコンバータ3のタービンランナ32に連結され、タービンランナ32と同一の回転軸線を中心に一体的に回転可能に設けられている。
出力軸42は、入力軸41と平行に配置されている。出力軸42には、出力ギヤ45が相対回転不能に支持されている。
ベルト伝達機構43には、プライマリ軸51およびセカンダリ軸52が含まれる。プライマリ軸51およびセカンダリ軸52は、それぞれ入力軸41および出力軸42と同一軸線上に配置されている。
そして、ベルト伝達機構43は、プライマリ軸51に支持されたプライマリプーリ53とセカンダリ軸52に支持されたセカンダリプーリ54とに、無端状のベルト55が巻き掛けられた構成を有している。
プライマリプーリ53は、プライマリ軸51に固定された固定シーブ61と、固定シーブ61にベルト55を挟んで対向配置され、プライマリ軸51にその軸線方向に移動可能かつ相対回転不能に支持された可動シーブ62とを備えている。可動シーブ62に対して固定シーブ61と反対側には、プライマリ軸51に固定されたピストン63が設けられ、可動シーブ62とピストン63との間に、ピストン室(油室)64が形成されている。
セカンダリプーリ54は、セカンダリ軸52に対して固定された固定シーブ65と、固定シーブ65にベルト55を挟んで対向配置され、セカンダリ軸52にその軸線方向に移動可能かつ相対回転不能に支持された可動シーブ66とを備えている。可動シーブ66に対して固定シーブ65と反対側には、セカンダリ軸52に固定されたピストン67が設けられ、可動シーブ66とピストン67との間に、ピストン室68が形成されている。
なお、図示されていないが、可動シーブ66とピストン67との間には、ベルト55に初期挟圧(初期推力)を与えるためのバイアススプリングが介在されている。バイアススプリングの弾性力により、可動シーブ66およびピストン67は、互いに離間する方向に付勢されている。
前後進切替機構44は、入力軸41とベルト伝達機構43のプライマリ軸51との間に介装されている。前後進切替機構44は、遊星歯車機構71、リバースクラッチC1およびフォワードブレーキB1を備えている。
遊星歯車機構71には、キャリア72、サンギヤ73およびリングギヤ74が含まれる。
キャリア72は、入力軸41に相対回転可能に外嵌されている。キャリア72は、複数のピニオンギヤ75を回転可能に支持している。複数のピニオンギヤ75は、円周上に配置されている。
サンギヤ73は、入力軸41に相対回転不能に支持されて、複数のピニオンギヤ75により取り囲まれる空間に配置されている。サンギヤ73のギヤ歯は、各ピニオンギヤ75のギヤ歯と噛合している。
リングギヤ74は、その回転軸線がプライマリ軸51の軸心と一致するように設けられている。リングギヤ74には、ベルト伝達機構43のプライマリ軸51が連結されている。リングギヤ74のギヤ歯は、複数のピニオンギヤ75を一括して取り囲むように形成され、各ピニオンギヤ75のギヤ歯と噛合している。
リバースクラッチC1は、油圧により、キャリア72とサンギヤ73とを直結(一体回転可能に結合)する係合状態(オン)と、その直結を解除する解放状態(オフ)とに切り替えられる。
フォワードブレーキB1は、キャリア72とトルクコンバータ3および無段変速機4を収容するトランスミッションケースとの間に設けられ、油圧により、キャリア72を制動する係合状態(オン)と、キャリア72の回転を許容する解放状態(オフ)とに切り替えられる。
車両1の前進時には、リバースクラッチC1が解放されて、フォワードブレーキB1が係合される。エンジン2の動力が入力軸41に入力されると、キャリア72が静止した状態で、サンギヤ73が入力軸41と一体に回転する。そのため、サンギヤ73の回転は、リングギヤ74に逆転かつ減速されて伝達される。これにより、リングギヤ74が回転し、ベルト伝達機構43のプライマリ軸51およびプライマリプーリ53がリングギヤ74と一体に回転する。プライマリプーリ53の回転は、ベルト55を介して、セカンダリプーリ54に伝達され、セカンダリプーリ54およびセカンダリ軸52を回転させる。そして、セカンダリ軸52と一体に、出力軸42および出力ギヤ45が回転する。出力ギヤ45は、デファレンシャルギヤ6(デファレンシャルギヤ6の入力ギヤ)と噛合している。出力ギヤ45が回転すると、デファレンシャルギヤ6から左右に延びるドライブシャフト7,8が回転して、駆動輪(図示せず)が回転することにより、車両1が前進する。
一方、車両1の後進時には、リバースクラッチC1が係合されて、フォワードブレーキB1が解放される。エンジン2の動力が入力軸41に入力されると、キャリア72およびサンギヤ73が入力軸41と一体に回転する。そのため、サンギヤ73の回転は、リングギヤ74に回転方向が逆転されずに伝達される。これにより、リングギヤ74が車両1の前進時と逆方向に回転し、ベルト伝達機構43のプライマリ軸51およびプライマリプーリ53がリングギヤ74と一体に回転する。プライマリプーリ53の回転は、ベルト55を介して、セカンダリプーリ54に伝達され、セカンダリプーリ54およびセカンダリ軸52を回転させる。そして、セカンダリ軸52と一体に、出力軸42および出力ギヤ45が回転する。出力ギヤ45が回転すると、デファレンシャルギヤ6から左右に延びるドライブシャフト7,8が前進時と逆方向に回転して、駆動輪(図示せず)が回転することにより、車両1が後進する。
<目標挟圧設定>
図3は、CVTECU12の目標挟圧設定機能に関する構成を示すブロック図である。
無段変速機4では、CVTECU12により、プライマリプーリ53およびセカンダリプーリ54とベルト55との間で滑り(ベルト滑り)が生じないように、目標挟圧が設定され、その目標挟圧が得られるように、セカンダリプーリ54の可動シーブ66に供給される油圧が制御される(挟圧制御)。
CVTECU12は、目標挟圧を設定するための処理部として、必要挟圧算出部101、加算部102、MAX取り部103、第1安全余裕設定部(安全余裕1)104、第2安全余裕設定部(安全余裕2)105、路面入力予測部106および終了判定部107を実質的に備えている。これらの処理部は、プログラム処理によってソフトウエア的に実現される。
必要挟圧算出部101は、加算部102から入力される補正後入力軸トルク、セカンダリ回転数センサ24の検出信号から取得されるセカンダリ回転数およびプライマリ回転数センサ23の検出信号から取得されるプライマリ回転数をセカンダリ回転数で除することにより求められる変速比から、目標挟圧を設定する。具体的には、必要挟圧算出部101では、補正後入力軸トルクおよび変速比に応じたベルト伝達トルクを確保するためにセカンダリプーリ54に必要とされる必要推力が求められる。そして、その必要推力からバイアススプリングによる推力およびセカンダリ回転数に応じて可動シーブ66に加わる遠心油圧推力を差し引いた値が目標挟圧推力とされて、その目標挟圧推力に応じた目標挟圧(セカンダリプーリ54に供給される油圧)が設定される。
加算部102は、入力軸トルクにMAX取り部103から入力される入力軸トルク補正値を加算し、その加算値を補正後入力軸トルクとして、必要挟圧算出部101に入力する。入力軸トルクは、エンジントルクにトルクコンバータ3のトルク比を乗じることにより算出される。エンジントルクは、たとえば、エンジンECU11によってアクセル開度およびエンジン回転数から推定され、エンジンECU11からCVTECU12に送信される。トルク比は、トルクコンバータ3の速度比に応じたトルク増幅率である。速度比は、タービン回転数をエンジン回転数で除した除算値である。タービン回転数は、プライマリ回転数から演算により求められてもよいし、トルクコンバータ3のタービンランナ32の回転に同期したパルス信号を検出信号として出力するタービン回転数センサが設けられて、そのタービン回転数センサの検出信号から取得されてもよい。
MAX取り部103には、第1安全余裕設定部104によって設定される安全余裕値および第2安全余裕設定部105によって設定される路面入力補正値が入力される。MAX取り部103は、安全余裕補正値および路面入力補正値の大小を比較し、安全余裕補正値および路面入力補正値のうちの大きい方の値を入力軸トルク補正値として、加算部102に入力する。
第1安全余裕設定部104は、たとえば、入力軸トルクに所定の係数を乗じることにより安全余裕補正値を設定し、安全余裕補正値をMAX取り部103に入力する。
第2安全余裕設定部105は、車両1の車速、変速比および路面入力予測部106の予測結果に応じた路面入力補正値を設定する。車速は、CVTECU12によって車速センサ(図示せず)の検出信号から取得されるか、または、エンジンECU11もしくは他のECUによって車速センサの検出信号から取得され、そのECUからCVTECU12に入力される。
路面入力予測部106は、車両1の駆動輪の前方の路面の状況に基づいて、その路面から駆動輪へのトルク入力(路面入力)の有無を予測する。
路面入力の有無を予測するため、路面入力予測部106には、駆動輪の前方の路面の状況を表す情報が入力される。
たとえば、車両1の駆動輪が後輪である場合、前輪の車輪速(前輪速)が駆動輪の前方の路面の状況を表す情報として入力されてもよい。前輪速が急変動した場合、駆動輪の前方の路面に前輪が乗り越えた突起物(スピードブレーカやキャッツアイなど)が存在する状況であるか、または、前輪がはまった後に抜け出した穴が存在する状況であると判断することができ、この状況から車両1がそのまま直進すると駆動輪が突起物を乗り越えるか、または、穴にはまる可能性があるので、路面入力ありと予測される。
また、レーダセンサや超音波センサ、カメラなど、駆動輪の前方に存在する突起物(障害物)を検出可能な障害物検出センサが車両1に設けられている場合、その障害物検出センサの検出信号が駆動輪の前方の路面の状況を表す情報として入力されてもよい。障害物検出センサによって駆動輪の前方に突起物または穴が検出される場合、駆動輪が突起物を乗り越える可能性があるので、路面入力ありと予測される。
路面入力予測部106によって路面入力ありと予測された場合、その路面入力ありの予測結果が路面入力予測部106から第2安全余裕設定部105に入力される。終了判定部107は、路面入力ありの予測結果の第2安全余裕設定部105への入力の終了を判定する。この判定のために、終了判定部107には、たとえば、車両1のメータユニットに配置された走行距離計などの各種の計器類を制御するメータECUから車両1の走行距離が入力される。終了判定部107は、路面入力予測部106が路面入力ありと判定してから駆動輪が障害物の位置を通過するのに十分な距離を車両1が走行したことに応じて、路面入力ありの予測結果の入力終了を判定する。この判定を受けて、路面入力予測部106から第2安全余裕設定部105には、路面入力なしの予測結果が入力される。また、駆動輪の前方の路面の状況を表す情報が終了判定部107に入力されて、駆動輪の前方の路面に突起物が存在しないと判断される場合、終了判定部107により、路面入力ありの予測結果の入力終了が判定されてもよい。
図4は、第2安全余裕設定部105によって設定される路面入力補正値および路面入力予測部106による予測結果の変化を示す図である。
第2安全余裕設定部105では、車速および変速比に応じた基本値が設定される。基本値は、たとえば、車速が大きいほど大きい値に設定され、変速比が大きいほど大きい値に設定される。そして、路面入力予測部106から第2安全余裕設定部105に路面入力ありの予測結果が入力されているときには、第2安全余裕設定部105では、基本値に予め定められた所定値が加算されて、その加算値が路面入力補正値として設定される。基本値に加算される所定値は、路面入力補正値が第1安全余裕設定部104によって設定される安全余裕補正値よりも必ず大きくなるように設定されている。
そのため、路面入力予測部106によって路面入力ありと予測された場合には、MAX取り部103から加算部102に、第2安全余裕設定部105によって設定される路面入力補正値が必ず入力される。
一方、路面入力予測部106から第2安全余裕設定部105に路面入力なしの予測結果が入力されているときには、第2安全余裕設定部105では、基本値がそのまま路面入力補正値として設定される。
このとき、MAX取り部103から加算部102に、第1安全余裕設定部104によって設定される安全余裕補正値と第2安全余裕設定部105によって設定される路面入力補正値とのうちの大きい方の値が入力される。安全余裕補正値と路面入力補正値とのいずれが大きい値となるかは、入力軸トルク、車速および変速比によって決まる。いずれにしても、MAX取り部103から加算部102に入力される値は、路面入力予測部106によって路面入力ありと予測された場合に第2安全余裕設定部105によって設定される路面入力補正値よりも小さく、加算部102から必要挟圧算出部101に入力される補正後入力軸トルクは、路面入力予測部106によって路面入力ありと予測された場合に加算部102から必要挟圧算出部101に入力される補正後入力軸トルクよりも必ず小さい。
したがって、必要挟圧算出部101では、路面入力予測部106によって路面入力ありと予測された場合には、目標挟圧が相対的に高い値に設定され、路面入力予測部106によって路面入力なしと予測された場合には、目標挟圧が相対的に低い値に設定される。
<作用効果>
以上のように、駆動輪の前方の路面の状況から、路面から駆動輪へのトルク入力の有無が予測される。路面から駆動輪へのトルク入力ありと予測された場合、無段変速機4のベルト55に付与される挟圧の目標値である目標挟圧が相対的に高い値に設定される。これにより、駆動輪が突起物を乗り越えるときにベルト滑りが発生することを抑制できる。
一方、路面から駆動輪へのトルク入力なしと予測された場合、目標挟圧が相対的に低い値に設定される。これにより、目標挟圧が無駄に高く設定されることを抑制でき、オイルポンプ5の負荷によるエネルギ損失を低減できる。その結果、車両1の燃費を向上させることができる。
<変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
たとえば、路面入力予測部106から第2安全余裕設定部105に入力される予測結果が路面入力ありから路面入力なしに切り替わる際には、路面入力補正値が基本値と係数との乗算値から基本値に一気に変更されてもよいし、図4に仮想線(二点鎖線)で示されるように、基本値と係数との乗算値から基本値まで、時間経過に伴って緩やかに変更されてもよい。
また、車両1の旋回走行中は、前輪の軌跡と後輪(駆動輪)の軌跡とが異なるため、前輪の車輪速(前輪速)に基づいては、路面から駆動輪へのトルク入力の有無を精度よく予測できないおそれがある。そのため、車両1の旋回走行中には、目標挟圧が相対的に高い値に設定されてもよい。
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1 車両
4 無段変速機
12 CVTECU
55 ベルト
101 必要挟圧算出部(目標挟圧設定手段)
102 加算部(目標挟圧設定手段)
103 MAX取り部(目標挟圧設定手段)
104 第1安全余裕設定部(目標挟圧設定手段)
105 第2安全余裕設定部(目標挟圧設定手段)
106 路面入力予測部(路面入力予測手段)

Claims (2)

  1. ベルト式の無段変速機を搭載した車両に用いられる制御装置であって、
    前記車両の直進走行時に、前記無段変速機から動力が伝達される駆動輪よりも前方の従動輪の車輪速の変動に基づいて、当該路面から前記駆動輪へのトルク入力の有無を予測する路面入力予測手段と、
    前記路面入力予測手段によりトルク入力ありと予測された場合、前記無段変速機のベルトに付与される推力の目標値である目標推力を相対的に高い値に設定し、前記路面入力予測手段によりトルク入力なしと予測された場合、前記目標推力を相対的に低い値に設定する目標推力設定手段とを含む、車両用制御装置。
  2. 前記目標推力設定手段は、
    前記路面入力予測手段によりトルク入力ありと予測された場合、前記目標推力を相対的に高い値に設定する第1の手段と、
    前記路面入力予測手段によりトルク入力なしと予測された場合、前記目標推力を相対的に低い値に設定する第2の手段とを含み、
    前記車両の旋回走行中、前記第1の手段により前記目標推力を設定する、請求項1に記載の車両用制御装置。
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