以下では、本発明の実施の形態に係る照明器具について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。また、以下の実施の形態において、略平行又は略垂直などの「略」を用いた表現を用いている。例えば、略平行は、完全に平行であることを意味するだけでなく、実質的に平行である、すなわち、例えば数%程度の差異を含むことも意味する。他の「略」を用いた表現についても同様である。
また、本明細書及び図面において、x軸、y軸及びz軸は、三次元直交座標系の三軸を示している。各実施の形態では、z軸方向を鉛直方向とし、z軸に垂直な方向(xy平面に平行な方向)を水平方向としている。なお、z軸の正方向を鉛直下方としている。
(実施の形態)
[概要]
まず、実施の形態に係る照明器具1の概要について、図1〜図4を用いて説明する。
図1は、本実施の形態に係る照明器具1の床面側の外観を示す斜視図である。図2は、本実施の形態に係る照明器具1の天井側の外観を示す斜視図である。図3は、外郭カバー70を取り外した状態での、本実施の形態に係る照明器具1の斜視図である。図4は、本実施の形態に係る照明器具1の分解斜視図である。
図1〜図4に示される照明器具1は、例えば、住宅などの建物の造営材に設置される。一例として、照明器具1は、建物の天井に固定されるシーリングライトであり、建物の内部の空間を照明する。具体的には、照明器具1は、天井に固定された引っ掛けシーリングボディに取り付けられることによって天井に設置される。
図1〜図4に示すように、照明器具1は、器具本体10と、発光モジュール(発光部)20と、光源カバー30と、電源ユニット40と、導光板50と、反射部材60と、外郭カバー70と、化粧カバー80と、器具取付部材90と、無線通信モジュール100とを備える。
以下、図1〜図4を参照しながら、さらに、図5〜図7を用いて、照明器具1の各構成部品について詳細に説明する。
図5は、図1のV−V線における本実施の形態に係る照明器具1の断面図である。図6は、図5の領域VIを拡大して示す本実施の形態に係る照明器具1の拡大断面図である。図7は、本実施の形態に係る無線通信モジュール100が挿入される開口14と発光モジュール20との位置関係を示す平面図である。図7では、照明器具1が備える構成部品のうち、発光モジュール20と器具本体10(具体的には、第1の器具本体11)とを示しており、他の構成部品については図示していない。
なお、各図において、z軸の負側が天井側であり、z軸の正側が床面側を表している。また、説明の都合上、図2を除く残りの各図において、照明器具1を通常の使用時の姿勢とは上下逆の姿勢で図示している。
[器具本体]
器具本体10は、発光モジュール20を支持するための筐体である。図4〜図7に示すように、器具本体10は、発光モジュール20が載置される載置面13を有する。器具本体10は、さらに、電源ユニット40を内部に収納する。本実施の形態では、器具本体10は、さらに、光源カバー30、電源ユニット40、導光板50、反射部材60及び化粧カバー80を支持している。また、図5及び図6に示すように、器具本体10には、無線通信モジュール100が固定されている。
図4〜図6に示すように、器具本体10は、第1の器具本体11と、第2の器具本体12とを備える。本実施の形態では、第1の器具本体11のz軸の正方向(床面側)に、発光モジュール20、光源カバー30、導光板50、反射部材60及び化粧カバー80が固定されている。第1の器具本体11と第2の器具本体12とによって構成される空間内に、電源ユニット40が収納されている。さらに、第1の器具本体11を貫通するように、無線通信モジュール100が固定されている。
第1の器具本体11は、図4及び図7に示すように、載置面13と、開口14と、貫通孔15aと、フランジ部16aとを有する。本実施の形態では、第1の器具本体11は、扁平な板金製であり、貫通孔15aを囲む環状の平板部分がz軸の正方向(床面側)に突出するように形成されている。この突出部分(平板部分)の床面側の面が載置面13である。第1の器具本体11の形状は、中央に貫通孔15aが設けられた円盤状である。
載置面13は、第1の器具本体11(器具本体10)の床面側の主面であり、発光モジュール20が載置されて固定される面である。載置面13は、貫通孔15aを囲むように、貫通孔15aの全周に亘って所定幅のリング状に設けられている。図5及び図6に示すように、載置面13は、その外周に沿って環状に設けられたフランジ部16aよりも光出射側(z軸の正側)に突出した位置に位置している。
開口14は、図4〜図7に示すように、載置面13を貫通している。開口14は、無線通信モジュール100を挿入するための開口であり、第1の器具本体11を厚み方向に貫通している。開口14には、無線通信モジュール100が載置面13に対して略垂直になる姿勢で挿入されている。
開口14は、図7に示すように、平面視形状が長尺のスリットである。平面視における開口14の長手方向(y軸方向)は、載置面13の径方向及び周方向に交差している。例えば、開口14の長手方向は、載置面13の径方向(具体的には、仮想線L1)に対して約45°の角度で交差している。また、開口14の長手方向は、載置面13の周方向(具体的には、仮想線L11〜L13の接線方向)に対して約45°の角度で交差している。
貫通孔15aは、図3に示すように外郭カバー70を取り外した場合に、天井に設けられた引掛シーリングボディに取り付けるための器具取付部材90を露出させるための孔である。貫通孔15aの平面視形状は、例えば、所定方向に長尺のレーストラック形状であるが、これに限らない。器具取付部材90が床面側に露出するので、器具取付部材90が備える取り外し用の操作レバーを容易に操作することができ、照明器具1を天井面から取り外すことができる。
第1の器具本体11は、発光モジュール20からの光を反射するための反射カバーとしても機能する。さらに、第1の器具本体11は、発光モジュール20からの熱を放熱するためのヒートシンクとしても機能する。
第1の器具本体11は、金属製であり、金属材料を用いて形成されている。第1の器具本体11は、例えばアルミニウム板又は鋼板などの板金をプレス加工することによって所定の形状に成形されている。第1の器具本体11の一方側の面(載置面13)には、反射性を高めて光取り出し効率を向上させるために、白色塗料が塗布、又は、反射性金属材料が蒸着されていてもよい。
第2の器具本体12は、図2及び図4に示すように、貫通孔15bと、フランジ部16bと、配置面17とを有する。本実施の形態では、第2の器具本体12は、扁平な板金製であり、かつ、外周部に沿った環状の部分(フランジ部16b)がz軸の正方向(床面側)に突出するように形成されている。第2の器具本体12の正面視形状は、中央に貫通孔15bが設けられた円盤状である。
貫通孔15bには、図2に示すように、器具取付部材90が挿入される。貫通孔15bの形状は、例えば、円形である。貫通孔15bの配置面17側の周縁部には、図3及び図4に示すように、第2の器具本体12を器具取付部材90に装着するためのホルダ91が固定されている。ホルダ91の内部には、器具取付部材90が着脱自在に嵌合される。
フランジ部16bは、配置面17を囲むように全周に亘って環状に設けられている。フランジ部16bには、第1の器具本体11のフランジ部16aが取り付けられ、ネジ止めによって固定される。
配置面17は、第2の器具本体12のz軸の正方向(床面側)の面であり、電源ユニット40を配置するための面である。配置面17には、電源ユニット40の絶縁ケース43が固定される。絶縁ケース43の内部に電源ユニット40の回路基板41などが固定される。
また、第2の器具本体12の天井側の面(配置面17の裏側)には、図2、図5及び図6に示すように、ウレタンなどのクッション部材18が複数設けられている。複数のクッション部材18は、第2の器具本体12の周方向に沿って等間隔で配置されている。複数のクッション部材18は、照明器具1が天井に設置された際に、器具本体10(第2の器具本体12)と天井との間に挟み込まれることにより、照明器具1のぐらつきが抑制される。
第2の器具本体12は、金属製であり、金属材料によって構成されている。第2の器具本体12は、例えばアルミニウム板又は鋼板などの板金をプレス加工することによって所定の形状に成形されている。本実施の形態では、第1の器具本体11と第2の器具本体12とは、同じ金属材料によって形成されている。
なお、詳細な説明を省略するが、第1の器具本体11の載置面13には、発光モジュール20及び光源カバー30を固定するための取付ネジが挿入されるネジ穴、並びに、導光板50、反射部材60及び化粧カバー80を固定するための取付ネジが挿入されるネジ穴などが設けられている。第2の器具本体12の配置面17には、電源ユニット40及びホルダ91を固定するための取付ネジが挿入されるネジ穴などが設けられている。また、第1の器具本体11のフランジ部16a及び第2の器具本体12のフランジ部16bにはそれぞれ、第1の器具本体11と第2の器具本体12とを固定するための取付ネジが挿入されるネジ穴が設けられている。
[発光モジュール(発光部)]
発光モジュール20は、照明器具1の器具本体10に取り付けられた発光部の一例であり、白色などの所定の色(波長)の光を発する。発光モジュール20は、主に前方(床面に向けて)に光を出射する。発光モジュール20は、第1の器具本体11の載置面13に載置されている。
本実施の形態では、発光モジュール20は、複数設けられている。つまり、照明器具1の発光部は、複数の発光モジュール20から構成されている。具体的には、図4及び図7に示すように、照明器具1は、発光部として、3つの発光モジュール20を有する。3つの発光モジュール20は、環状(ドーナツ状)になるように、互いに隣接して配置されている。3つの発光モジュール20は互いに同じ構成を有する。なお、照明器具1は、発光部として、1つのリング状の発光モジュールを備えてもよい。
図4及び図7に示すように、複数の発光モジュール20はそれぞれ、光源基板21と、複数の第1の発光素子22と、複数の第2の発光素子23とを有する。
光源基板21は、複数の第1の発光素子22及び複数の第2の発光素子23を実装するための実装基板である。光源基板21は、例えば、プリント配線基板であり、光源基板21の一方の面には、金属配線が所定形状でパターン形成されている。図6及び図7に示すように、光源基板21は、第1の発光素子22及び第2の発光素子23が床面側を向くようにして、第1の器具本体11の載置面13に載置されている。光源基板21の平面視形状は、例えば、所定幅のドーナツ形状を周方向に3等分した形状である。光源基板21は、第1の器具本体11の載置面13に、取付ネジを用いて固定されている。
光源基板21は、例えば、絶縁性樹脂材料からなる樹脂基板、表面が樹脂被膜された金属材料からなるメタルベース基板、セラミック材料の焼結体であるセラミック基板、又は、ガラス材料からなるガラス基板などである。光源基板21は、リジッド基板に限らず、フレキシブル基板でもよい。光源基板21の表面には、金属配線を覆うように絶縁被膜としてレジスト膜が形成されていてもよい。
複数の第1の発光素子22及び複数の第2の発光素子23はそれぞれ、パッケージ化された表面実装(SMD:Surface Mount Device)型のLED(Light Emitting Diode)素子である。一例として、第1の発光素子22及び第2の発光素子23の各々は、凹部を有する白色樹脂製のパッケージ(容器)と、パッケージの凹部の底面に一次実装されたLEDチップ(ベアチップ)と、パッケージの凹部内に封入された封止部材とを有している。封止部材は、例えばシリコーン樹脂などの透光性樹脂材料で構成されている。封止部材は、蛍光体などの波長変換材が含有された蛍光体含有樹脂であってもよい。また、封止部材には、シリカなど(SiO2)の光拡散材(光散乱粒子)を含んでいてもよい。
LEDチップは、所定の直流電力により発光する半導体発光素子の一例であって、単色の可視光を発するベアチップである。LEDチップは、例えば、通電されれば青色光を発する青色LEDチップである。この場合、白色光を得るために、封止部材には、青色LEDチップからの青色光を励起光として蛍光するYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)などの黄色蛍光体が含有される。
このように、第1の発光素子22及び第2の発光素子23の各々は、青色LEDチップと黄色蛍光体とによって構成されたB−Yタイプの白色LED素子である。具体的には、封止部材に含有される黄色蛍光体は、青色LEDチップからの青色光の一部を吸収することにより励起されて黄色光を放出する。この放出された黄色光と黄色蛍光体に吸収されなかった青色光とが混ざることにより、白色光が生成される。このようにして第1の発光素子22及び第2の発光素子23の各々から白色光が出射される。
なお、本実施の形態では、第1の発光素子22及び第2の発光素子23は、いずれも同じ光色の光を発するようにしたが、互いに異なる光色の光を発するようにしてもよい。例えば、第1の発光素子22が昼白色の光を発し、第2の発光素子23が電球色の光を発してもよい。
また、第1の発光素子22と第2の発光素子23とは、同時に発光してもよく、第1の発光素子22及び第2の発光素子23の一方のみが発光してもよい。複数の第1の発光素子22及び複数の第2の発光素子23の各々における接続の態様(直列接続、並列接続、及び、直列接続と並列接続との組み合わせの接続など)は、特に限定されない。
複数の第1の発光素子22は、光源基板21の主面上の内周領域に実装されている。具体的には、複数の第1の発光素子22は、光源基板21の内周領域において、径方向に見て3列配置されている。各列において、複数の第1の発光素子22は、光源基板21の周方向に間隔を空けて配置されている。より具体的には、図7に示すように、発光部の全体として、複数の第1の発光素子22は、同心円状に並んだ3本の円環状の仮想線L11〜L13上に配置されている。複数の第1の発光素子22から出射される光は、光源カバー30と、外郭カバー70の第1のカバー71とを透過して照明器具1の外部に出射される。
複数の第2の発光素子23は、光源基板21の主面上の外周領域に実装されている。なお、外周領域は、内周領域より外側の領域である。複数の第2の発光素子23は、光源基板21の外周領域において、例えば、光源基板21の周方向に間隔を空けて1列のみ配置されている。より具体的には、図7に示すように、発光部の全体として、複数の第2の発光素子23は、1本の円環状の仮想線L20上に配置されている。複数の第2の発光素子23から出射される光は、導光板50の入射部53に入射され、導光板50を導光されて照明器具1の外部に出射される。
発光モジュール20の各々は、コネクタ及びリード線(図示せず)によって互いに接続される。複数のリード線の1つは、電源ユニット40の回路基板41に接続されており、複数の第1の発光素子22及び複数の第2の発光素子23を点灯させるための電力を回路基板41から光源基板21に供給する。
本実施の形態では、発光モジュール20は、調光機能及び調色機能の少なくとも一方を有してもよい。例えば、発光モジュール20は、0%(消灯)〜100%(全点灯)の範囲から選択された調光比の光を出射する。調光比は、光の強度(放射照度)を示すパラメータの一例である。また、例えば、発光モジュール20は、2700K〜6500Kの範囲から選択された色温度の光を出射する。色温度は、光の色合いを示すパラメータの一例である。調光比及び色温度を選択する指示は、無線通信モジュール100が受信する制御信号に含まれる。
なお、発光モジュール20は、赤色光(R)、緑色光(G)及び青色光(B)の各々を独立して出射してもよい。発光モジュール20は、制御信号によって各々の光出力が制御(RGB制御)されてもよい。
[光源カバー]
光源カバー30は、透光性を有する透光カバーである。図5及び図6に示すように、光源カバー30は、外郭カバー70の内側に配置されている。光源カバー30は、発光モジュール20に設けられた複数の第1の発光素子22を覆っている。つまり、光源カバー30に、複数の第1の発光素子22が発した光が入射する。なお、図6に示すように、光源カバー30は、第2の発光素子23を覆っていない。
光源カバー30は、発光モジュール20が有する複数の第1の発光素子22が発した光を透過させる。本実施の形態では、光源カバー30は、複数の第1の発光素子22から発せられた光の配光を制御する配光制御機能を有する。
具体的には、図3及び図4に示すように、光源カバー30は、複数のレンズ部31を有する。複数のレンズ部31は、複数の第1の発光素子22と一対一に対応して設けられている。具体的には、複数のレンズ部31は、同心円状に3列分(3周分)の円環状に配置されている。レンズ部31は、例えば、対応する第1の発光素子22からの光の配光角を拡大する。すなわち、レンズ部31は、光を発散させる機能を有する。
光源カバー30は、複数の光源基板21の各々の内周領域を覆うようにして、第1の器具本体11の載置面13に、取付ネジ(図示せず)を用いて固定されている。
光源カバー30には、図3、図4及び図6に示すように、無線通信モジュール100を挿入するための貫通孔32が設けられている。貫通孔32は、光源カバー30の外周寄りの位置に設けられている。具体的には、貫通孔32は、複数のレンズ部31が構成する仮想的な3本の円環のうち外側の2本の円環上に形成されている。すなわち、貫通孔32は、図7に示す仮想線L12及びL13上に形成されている。
光源カバー30は、透光性を有する樹脂材料を用いて形成されている。光源カバー30の材料は、例えば、アクリル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)又はポリ塩化ビニルなどである。
なお、本実施の形態では、光源カバー30は、透明であり、光拡散性を有していないが、これに限らない。光源カバー30は、光拡散性(光散乱性)を有してもよい。光源カバー30に光拡散性を持たせることにより、第1の発光素子22からの光のつぶつぶ感(輝度ムラ)を抑制することができる。この場合、光源カバー30は、例えば、乳白色であり、光拡散粒子を分散させた樹脂材料によって形成することができる。また、光源カバー30の内面又は外面に乳白色の光拡散膜を形成してもよく、光源カバー30に複数の光拡散ドット又は微小凹凸(シボ)を形成してもよい。
[電源ユニット]
電源ユニット40は、発光モジュール20を点灯させるための電力を生成するための電源装置である。電源ユニット40は、例えば、系統電源又は蓄電池などの外部の電源から引掛シーリングボディ及び器具取付部材90を介して供給される交流電力を直流電力に変換して発光モジュール20に供給する。
電源ユニット40は、具体的には、発光モジュール20の点灯(全点灯)及び消灯を制御する。電源ユニット40は、発光モジュール20の調光又は調色を行ってもよい。
例えば、電源ユニット40は、無線通信モジュール100が受信した照明制御信号に基づいて、発光モジュール20に供給する電力量を調整する。照明制御信号が発光モジュール20の点灯指示を含む場合、電源ユニット40は、発光モジュール20に電力を供給することで、発光モジュール20を点灯させる。照明制御信号が発光モジュール20の消灯指示を含む場合、電源ユニット40は、発光モジュール20への電力の供給を停止することで、発光モジュール20を消灯させる。照明制御信号が発光モジュール20の調光比又は色温度を選択する指示を含む場合、電源ユニット40は、照明制御信号に含まれる指示によって選択された調光比又は色温度の光を発光モジュール20が発するように制御する。
図4及び図5に示すように、電源ユニット40は、例えば、回路基板41と、複数の回路素子42と、絶縁ケース43とを備える。
回路基板41は、複数の回路素子42を実装するための実装基板である。回路基板41は、例えば、プリント配線基板であり、複数の回路素子42を電気的に接続する金属配線が設けられている。複数の回路素子42は、例えば、整流回路素子、検知抵抗、ヒューズ素子、抵抗、コンデンサ、チョークコイル、ノイズフィルタ、ダイオード又はトランジスタなどである。
図示しないが、回路基板41には、器具取付部材90と回路基板41とを電気的に接続するためのコネクタ及びリード線が設けられている。また、回路基板41には、無線通信モジュール100と回路基板41とを電気的に接続するためのコネクタ及びリード線が設けられている。
絶縁ケース43は、図4及び図5に示すように、第1の絶縁ケース44及び第2の絶縁ケース45を備える。第1の絶縁ケース44と第2の絶縁ケース45とによって囲まれた空間内に、回路基板41及び複数の回路素子42が配置されている。これにより、絶縁ケース43は、回路基板41及び複数の回路素子42が第1の器具本体11又は第2の器具本体12と接触して導電(ショート)するのを抑制する。
第1の絶縁ケース44は、第2の器具本体12の配置面17に配置されて、取付ネジなどによって固定されている。第2の絶縁ケース45は、第1の絶縁ケース44と対向するように配置されている。第2の絶縁ケース45は、第1の器具本体11と第2の器具本体12とが固定された状態で第1の器具本体11によって第1の絶縁ケース44に向けて押圧される。これにより、第2の絶縁ケース45は、第1の絶縁ケース44との間で回路基板41を挟んで固定されている。第1の絶縁ケース44及び第2の絶縁ケース45は、例えば絶縁性樹脂材料を用いて形成されている。
[導光板]
導光板50は、第2の発光素子23から出射する光が入射する光学部材の一例である。具体的には、導光板50は、複数の第2の発光素子23の各々から出射する光を照明器具1の外部に導くための導光部材である。
図4に示すように、導光板50は、略円形状の開口部51を有するリング状に形成されている。導光板50は、光導領域として、湾曲部52、入射部53及び出射部54を有している。導光板50は、透光性を有する材料(例えば透明のアクリル樹脂など)で形成されている。
開口部51は、光源カバー30を露出させるための略円形の開口である。
湾曲部52は、図6に示すように、一端部(天井側の端部)から他端部(床面側の端部)に向けてラッパ状に広がっている。湾曲部52は、光を一端部から他端部に向けて導く。具体的には、湾曲部52は、入射部53から入射した光を出射部54に導光する。湾曲部52の凹面側は、化粧カバー80の支持部81に支持されている。湾曲部52の凸面側は、反射部材60の反射部61によって覆われている。すなわち、湾曲部52は、化粧カバー80の支持部81と反射部材60の反射部61との間に挟持されている。
入射部53は、湾曲部52の一端部の全周に亘ってリング状に形成されており、導光板50の内周部を規定する。図6に示すように、入射部53は、複数の第2の発光素子23に対向し、かつ、近接する位置に配置されている。すなわち、複数の第2の発光素子23は、導光板50の内周部に対向する位置に配置されている。これにより、入射部53には、第2の発光素子23から出射した光が入射する。
出射部54は、図4及び図6に示すように、湾曲部52の他端部の全周から導光板50の径方向外側にリング状に延びており、導光板50の外周部を規定する。出射部54は、化粧カバー80の一端部よりも導光板50の径方向外側に張り出しており、略水平な姿勢で(すなわち、天井に対して略平行な姿勢で)配置されている。出射部54の一方側の面(床面側の面)は、光が出射する面である。出射部54の他方側の面(天井側の面)には、例えばドット加工によりプリズム(図示せず)が形成されている。湾曲部52によって導光した第2の発光素子23からの光は、出射部54から面発光となって出射する。
また、図4に示すように、導光板50には、突出部55が形成されている。突出部55は、入射部53から開口部51に向かって突出するように、かつ、内周に沿って形成されている。突出部55には、取付ネジが挿入される貫通孔(図示せず)が設けられている。当該貫通孔に取付ネジが挿入されることで、導光板50が器具本体10(第1の器具本体11)に取り付けられる。具体的には、突出部55は、第1の器具本体11の載置面13との間に発光モジュール20の光源基板21を挟んで、取付ネジにより固定される。なお、貫通孔は、例えば切り欠き状に形成されているが、これに限らない。
[反射部材]
反射部材60は、導光板50の湾曲部52の内部で導かれた光、及び、光源カバー30から出射された光を反射するための部材である。
反射部材60は、リング状に形成されている。具体的には、反射部材60は、図4及び図6に示すように、反射部61と、押さえ部62とを有している。
反射部61は、一端部(天井側の端部)から他端部(床面側の端部)に向けてラッパ状に広がっている。反射部61の凹面側及び凸面側の両方には反射面が形成されている。反射部61の凹面側は、導光板50の湾曲部52の凸面側を覆っている。
押さえ部62は、反射部61の一端部の全周から反射部材60の径方向内側にリング状に延びている。押さえ部62の先端部は、導光板50の突出部55と光源カバー30の外周端部とを光源基板21に向けて押さえ付ける。具体的には、押さえ部62に設けられた貫通孔(図示せず)に取付ネジを挿入して、導光板50の突出部55と発光モジュール20の光源基板21とを挟んで第1の器具本体11にネジ止めされる。これにより、押さえ部62は、導光板50及び光源基板21を第1の器具本体11に向かって押さえ付けて固定する。
反射部材60は、例えば白色樹脂で形成されている。反射部材60を構成する樹脂材料としては、例えばポリカーボネート又はPBT(ポリブチレンテレフタレート)などを用いることができる。
なお、図4及び図6に示すように、反射部材60には、外郭カバー70を着脱自在に取り付けるための取付部材63が固定されている。本実施の形態では、3つの取付部材63が押さえ部62の床面側に取付ネジ(図示せず)によって固定されている。3つの取付部材63は、周方向に沿って略等間隔に配置されている。3つの取付部材63の各々には、外郭カバー70の第2のカバー72の一部が周方向にスライドして挿入される。
取付部材63は、例えば、反射部材60と同様に、白色樹脂で形成されているが、これに限らない。取付部材63は、金属材料を用いて形成されていてもよい。また、取付部材63と反射部材60とは一体に形成されていてもよい。
[外郭カバー]
外郭カバー(グローブ)70は、載置面13の光出射側に配置された透光性を有する透光カバーである。図1及び図5に示すように、本実施の形態において、外郭カバー70は、照明器具1の外郭を構成する外郭カバーである。外郭カバー70は、器具本体10、発光モジュール20及び光源カバー30を覆っている。
図1、図4及び図5に示すように、外郭カバー70は、第1のカバー71と、第2のカバー72とを備える。
第1のカバー71は、導光板50の開口部51を覆うように配置されている。第1のカバー71は、載置面13に平行に配置された板状のカバーである。第1のカバー71は、光源カバー30から出射された光を透過させて、照明器具1の外部に出射させる。第1のカバー71は、略円板状であり、端部が第2のカバー72に接続されている。本実施の形態では、第1のカバー71と第2のカバー72とが一体に構成されている。
第1のカバー71は、略水平な姿勢で(すなわち、天井に対して略平行な姿勢で)配置されている。第1のカバー71と第1の器具本体11の載置面13とは略平行である。
第2のカバー72は、導光板50の出射部54を覆うようにリング状に配置されている。第2のカバー72は、導光板50の出射部54から出射された光を透過させて、照明器具1の外部に出射させる。第2のカバー72は、第1のカバー71と光出射側の面が略面一になるように配置されている。
第2のカバー72は、湾曲部73を有する。図6に示すように、湾曲部73は、一端部(天井側の端部)から他端部(床面側の端部)に向けてラッパ状に広がっている。湾曲部73は、反射部材60の反射部61の凸面側を覆っている。
なお、湾曲部73の一端部(天井側の端部)には、突出部(図示せず)が設けられている。当該突出部が、反射部材60に固定された取付部材63にスライド挿入されて係止することで、外郭カバー70が反射部材60に固定される。本実施の形態では、取付部材63と同じ数(具体的には3つ)の突出部が設けられている。
例えば、外郭カバー70の湾曲部73を導光板50の開口部51に挿入し、外郭カバー70の全体を周方向にスライド(回転)させることで、複数の突出部の各々が、対応する取付部材63にスライド挿入される。取付部材63にスライド挿入された突出部が、取付部材63に係止される。これにより、外郭カバー70が反射部材60に着脱自在に取り付けられる。
第1のカバー71及び第2のカバー72はそれぞれ、透光性を有する樹脂材料を用いて形成することができる。第1のカバー71及び第2のカバー72の材質は、例えばアクリル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)又はポリ塩化ビニルなどである。
本実施の形態において、第1のカバー71は、光拡散性(光散乱性)を有する拡散カバーである。例えば、第1のカバー71に光拡散性を持たせることによって、第1のカバー71に入射する光源カバー30からの光を拡散(散乱)させることができ、第1のカバー71の全体から均一に光を外部に取り出すことができる。
この場合、例えば、第1のカバー71は乳白色とすることで第1のカバー71に光拡散性を持たせることができる。具体的には、光拡散粒子を分散させた樹脂材料によって第1のカバー71を構成することによって第1のカバー71に光拡散性を持たせることができる。あるいは、第1のカバー71の内面又は外面に乳白色の光拡散膜を形成することによって第1のカバー71に光拡散性を持たせてもよいし、透明な第1のカバー71の表面に複数の光拡散ドット又は複数の微小凹凸(シボ)を形成することによって光拡散性を持たせてもよい。その他に、乳白色の第1のカバー71に対してさらに複数の光拡散ドット又は複数の微小凹凸を形成することによって光拡散性を持たせてもよい。
第2のカバー72は、第1のカバー71と同様に光拡散性を有してもよい。このとき、第2のカバー72による拡散の程度は、第1のカバー71より弱くてもよい。あるいは、第2のカバー72は、光拡散性を有さず、透明な部材で形成されていてもよい。第1のカバー71と第2のカバー72とで拡散性を異ならせることで、照明器具1の見栄えを良くすることができる。
[化粧カバー]
図1及び図5に示すように、化粧カバー80は、器具本体10を側方から覆って化粧するためのカバーである。化粧カバー80は、リング状に形成されている。具体的には、化粧カバー80は、一端部(床面側の端部)から他端部(天井側の端部)に向けてラッパ状に広がっており、器具本体10を側方から覆うように配置されている。なお、化粧カバー80は、例えば白色のポリスチレン樹脂などで形成されている。
化粧カバー80の一端部には、化粧カバー80の径方向における内側で、かつ、化粧カバー80の他端部に向けて湾曲しながら延びるリング状の支持部81が形成されている。図4に示すように、支持部81は、導光板50の湾曲部52の凹面側を支持している。
化粧カバー80は、器具本体10に固定されている。具体的には、化粧カバー80は、支持部81に設けられた貫通孔(図示せず)に取付ネジ(図示せず)が挿入されて第1の器具本体11の載置面13にネジ止めされる。
[器具取付部材]
器具取付部材90は、天井に設置された引っ掛けシーリングボディに器具本体10を着脱自在に取り付けるためのアダプタである。器具取付部材90は、例えば絶縁性を有する樹脂材料により形成される。
図2〜図4に示すように、器具取付部材90は、略円柱状に形成され、器具本体10のホルダ91の内部に着脱自在に嵌合される。また、器具取付部材90は、引っ掛けシーリングボディに着脱自在に取り付けられる。器具取付部材90には、L字状の一対の金具(図示せず)が設けられている。これらの一対の金具がそれぞれ引っ掛けシーリングボディの一対の孔に引っ掛けられることにより、器具取付部材90が引っ掛けシーリングボディに着脱自在に取り付けられる。なお、器具取付部材90の金具は、引っ掛けシーリングボディと照明器具1との電気的な接続も兼ねている。
照明器具1を天井に設置する際、まず、器具取付部材90を引っ掛けシーリングボディに取り付ける。その後、器具取付部材90が器具本体10のホルダ91の内部に挿入されるようにして、器具本体10を天井側に押し上げることでホルダ91と器具取付部材90とを嵌合させる。これにより、器具本体10が器具取付部材90及び引っ掛けシーリングボディを介して天井に取り付けられ、照明器具1が天井に設置される。
なお、引っ掛けシーリングボディは、天井の裏側に配置された商用電源(図示せず)と電線(図示せず)を介して電気的に接続されている。照明器具1が天井に設置されることにより、商用電源からの交流電力が電線及び引っ掛けシーリングボディを介して照明器具1の電源ユニット40に供給される。
[無線通信モジュール]
無線通信モジュール100は、無線通信を行うことで、発光モジュール20を制御するための制御信号を受信する。制御信号は、例えば、ユーザが操作するリモコン又はスマートフォンなどの携帯端末(操作端末)から送信される無線信号である。
本実施の形態では、無線通信モジュール100は、受信機能だけでなく、送信機能も有する。例えば、無線通信モジュール100は、受信した制御信号を、他の照明器具などに送信する。つまり、無線通信モジュール100は、操作端末から他の照明器具への制御信号の中継を行ってもよい。これにより、操作端末から送信される制御信号を、操作端末から離れた照明器具(操作端末の通信範囲内に位置しない照明器具)に受信させることができる。
無線通信は、電波(すなわち、可視光及び赤外光を除く)を用いた通信である。無線通信モジュール100は、例えば、Wi−Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)又はZigBee(登録商標)などの無線通信規格に基づいて無線通信を行う。
本実施の形態では、無線通信モジュール100は、電源ユニット40と電気的に接続され、発光モジュール20の点灯又は消灯を制御するための照明制御信号を受信する。無線通信モジュール100は、発光モジュール20の調光又は調色を制御するための照明制御信号を受信してもよい。例えば、照明制御信号には、発光モジュール20を点灯させるための点灯指示、発光モジュール20を消灯させるための消灯指示、又は、発光モジュール20の調光比若しくは色温度(光色)を選択する指示などが含まれる。
図8は、本実施の形態に係る無線通信モジュール100の外観を示す斜視図である。図9は、本実施の形態に係る無線通信モジュール100の分解斜視図である。図10は、本実施の形態に係る無線通信モジュール100の樹脂ケース130の三面図である。具体的には、図10の(a)〜(c)はそれぞれ、樹脂ケース130の上面図、正面図及び側面図を示している。
無線通信モジュール100は、図8及び図9に示すように、基板110と、送受信部120と、樹脂ケース130と、取付ネジ140とを備える。
基板110は、送受信部120を実装するための実装基板である。基板110は、例えば、プリント配線基板であり、基板110の一方の面には、送受信部120を電気的に接続する金属配線(図示せず)が設けられている。本実施の形態では、基板110は、長尺であり、正面視形状が長方形である。
基板110は、載置面13に交差する姿勢で配置されている。具体的には、基板110は、載置面13に直交している。
本実施の形態では、図6及び図9に示すように、基板110は、露出部111と、非露出部112とを有する。露出部111は、基板110の一部であり、載置面13の光出射側(z軸の正側)に露出した部分である。非露出部112は、基板110の他の一部であり、載置面13の光出射側の反対側に位置する部分である。
露出部111は、基板110の長手方向の一方端側(z軸の正方向)の部分であり、基板110の長手方向における長さの40%以上を占めている。露出部111が占める範囲は、例えば、基板110の長手方向における長さの40%以上50%以下である。例えば、露出部111は、非露出部112と同じ大きさ、又は、非露出部112より小さい。つまり、基板110は、少なくとも半分が載置面13より光出射側に露出せずに、第1の器具本体11と第2の器具本体12との間(すなわち、器具本体10の内部)に収納されている。
非露出部112は、基板110の長手方向の他方端側(z軸の負方向)の部分であり、基板110の器具本体10内に収納されている部分である。非露出部112には、コネクタ150が接続されている(図8を参照)。コネクタ150は、無線通信モジュール100の送受信部120と電源ユニット40との電気的な接続を行うための回路素子である。
本実施の形態では、基板110は、器具本体10の径方向に交差している。具体的には、基板110は、器具本体10の径方向及び周方向に交差している。例えば、基板110は、器具本体10の径方向(具体的には、図7に示す仮想線L1)に対して約45°の角度で配置されている。また、基板110は、載置面13の周方向(具体的には、図7に示す仮想線L12又はL13の接線方向)に対して約45°の角度で交差している。つまり、基板110は、その短手方向(y軸方向)が開口14の長手方向に略一致するように、開口14に挿入されている。
送受信部120は、無線信号の受信を行う受信部の一例である。本実施の形態では、送受信部120は、例えば、チップアンテナ又はパターンアンテナと制御IC(Integrated Circuit)とで構成され、無線信号の送受信を行う。具体的には、送受信部120は、操作端末などから送信された制御信号を受信する。また、送受信部120は、受信した制御信号を送信してもよい。
本実施の形態では、送受信部120は、基板110の露出部111に設けられている。つまり、図6に示すように、送受信部120は、載置面13より光出射側であって、第1の器具本体11(載置面13)と外郭カバー70との間に位置している。
送受信部120の通信範囲は、送受信部120を中心として基板110の両側に形成される。このため、基板110を載置面13に寝かせて配置した場合(すなわち、基板110の送受信部120とは反対側の面を載置面13に載置した場合)、基板110の片側の通信範囲が天井側に形成されてしまい、無線通信に利用することができない。本実施の形態では、基板110を載置面13に交差するように配置しているので、基板110の両側に形成される通信範囲を有効に利用することができる。
樹脂ケース130は、送受信部120及び露出部111を覆う樹脂カバーの一例である。本実施の形態では、樹脂ケース130は、露出部111を内部に収納している。具体的には、樹脂ケース130は、送受信部120及び基板110の全体を覆っている。樹脂ケース130の外形形状は、露出部111の外周に沿った部分で丸みを帯びている。具体的には、丸みは、所定の曲率の丸面取り形状である。
本実施の形態では、図8〜図10に示すように、樹脂ケース130は、第1のケース130aと、第2のケース130bとを備える。基板110の長手方向の両端から、第1のケース130a及び第2のケース130bをそれぞれ被せるように挿入することで、樹脂ケース130内に基板110及び送受信部120が収納される。
第1のケース130aは、露出部111と送受信部120とを収納する。第1のケース130aは、図9及び図10に示すように、収納部131aと、開口132aと、フランジ部134aと、突起部135とを有する。
収納部131aは、露出部111及び送受信部120を収納する部分であり、扁平な略直方体状の空間を有する。基板110の長手方向の一方の端部(送受信部120が設けられた側)が開口132aから挿入されることで、収納部131aの空間内に露出部111及び送受信部120が収納される。
収納部131aは、丸みを帯びた縁部133を有する。縁部133は、図9及び図10の(b)に示すように、逆U字状の部分であり、その全てに亘って丸面取り形状(ボーズ面形状)を有する。縁部133の外形は、例えば、球面の一部と、円柱側面の一部と、円錐台側面の一部とを組み合わせた形状である。例えば、図9及び図10に示すように、縁部133は、2つの角部133aと、頂部133bと、2つの側部133cとを有する。
2つの角部133aはそれぞれ、半径(曲率半径)がrの球面を8等分した部分(1/8球面)に相当する。頂部133bは、半径がrの半円を底面とする半円柱の側面に相当する。2つの側部133cはそれぞれ、半径がrの半円を上面とする半円錐台の側面に相当する。なお、2つの側部133cはそれぞれ、半径がrの半円を底面とする半円柱の側面でもよい。
2つの角部133aと頂部133bとは互いに滑らかに接続され、2つの角部133aと2つの側部133cともそれぞれ滑らかに接続されている。すなわち、縁部133において、角(尖った部分)、段差及び平面が形成されていない。縁部133の全体が滑らかな曲面で形成されている。収納部131aの縁部133以外の部分には、角、段差又は平面が形成されていてもよい。
フランジ部134aは、開口132aの周に沿って、開口132aとは反対側(外方)に向けて突出した部分である。フランジ部134aは、図10の(a)に示すように、上面視形状が略楕円形である。フランジ部134aは、第2のケース130bのフランジ部134aと係合される。
突起部135は、収納部131aから外方に向かって突出した部分である。突起部135には、スリット状の貫通孔136が設けられている。貫通孔136に取付ネジ140が挿入され、取付ネジ140が載置面13との間に突起部135を挟み込むことで樹脂ケース130が器具本体10(第1の器具本体11)に固定される。
第2のケース130bは、図9及び図10に示すように、収納部131bと、フランジ部134bとを有する。
収納部131bは、基板110の非露出部112を収納する部分であり、扁平な略直方体状の空間を有する。基板110の長手方向の他方の端部(コネクタ150が接続される側)が開口132bから挿入されることで、収納部131bの空間内に非露出部112が収納される。
収納部131bには、開口138が設けられている。開口138は、基板110の非露出部112を露出させるために設けられている。これにより、基板110を樹脂ケース130に収納した状態で、基板110の非露出部112にコネクタ150を接続することができる。
フランジ部134bは、開口132bの周に沿って、開口132bとは反対側(外方)に向けて突出した部分である。フランジ部134bは、第1のケース130aのフランジ部134bと略同じ形状の略楕円形である。
本実施の形態では、第1のケース130aと第2のケース130bとが、基板110を長手方向の両端から挟むように組み合わされている。具体的には、第1のケース130aと第2のケース130bとの繋ぎ目(フランジ部134aとフランジ部134bとの接触面)は、載置面13に近接している。具体的には、図6に示すように、当該繋ぎ目は、載置面13に平行で、かつ、光源カバー30の上面よりも載置面13に近い位置となる。
例えば、繋ぎ目が第1のケース130aの前方端137などに設けられた場合、当該繋ぎ目に光が当たったときに、外郭カバー70に影が生じやすい。本実施の形態では、繋ぎ目が載置面13に近接しており、当該繋ぎ目には、光源カバー30から出射される光はほとんど当たらない。このため、外郭カバー70に影が生じにくくすることができる。
本実施の形態では、樹脂ケース130は、透光性を有する樹脂材料を用いて形成されている。樹脂ケース130は、例えば、アクリル、ポリカーボネートなどの透明樹脂材料を用いて形成されている。具体的には、第1のケース130a及び第2のケース130bの各々が、樹脂材料を用いた射出成形などによって一体に形成されている。これにより、樹脂ケース130は、発光モジュール20から発せられた白色光(可視光)に対して透過性を有する。なお、第2のケース130bは、遮光性を有する材料を用いて形成されていてもよい。
なお、第1のケース130aは、光拡散性(光散乱性)を有してもよい。例えば、第1のケース130aは、シリカなどの拡散粒子を含有する樹脂材料を用いて形成されていてもよい。例えば、第1のケース130aは、乳白色のケースであってもよい。あるいは、第1のケース130aは、シボ加工などによって外表面に微小凹凸などの拡散構造が形成されていてもよい。
また、樹脂ケース130は第1のケース130aと第2のケース130bとに分割可能であるが、これに限らない。樹脂ケース130は、1つのケースのみで構成されていてもよい。この場合、例えば、樹脂ケース130は、後方端(天井側の端部)に基板110を挿入するための開口が設けられている。これにより、開口は、器具本体10内に位置し、載置面13の光出射側において、開口及びケースの繋ぎ目などが形成されないようにすることができる。
[無線通信モジュールの取り付け位置]
図11は、本実施の形態に係る無線通信モジュール100の器具本体10への取り付けを説明するための斜視図である。
図11に示すように、無線通信モジュール100は、器具本体10(第1の器具本体11)に設けられた開口14に挿入される。例えば、第1の器具本体11の開口14の近傍には、図11に示すように、ネジ穴19が設けられている。ネジ穴19に、無線通信モジュール100の樹脂ケース130を固定するための取付ネジ140がネジ入れられることで、樹脂ケース130が器具本体10に固定される。
無線通信モジュール100は、載置面13を平面視した場合において、最内周の第1の発光素子22と第2の発光素子23との間に位置している。具体的には、無線通信モジュール100は、中央及び最外周の第1の発光素子22が並んだ仮想線L12及びL13(図7を参照)上に位置している。
無線通信モジュール100は、図5及び図6に示すように、一部が器具本体10の内部に収納され、他の部分が器具本体10と外郭カバー70との間に位置している。無線通信モジュール100の外郭カバー70に最も近い端部である前方端137と外郭カバー70との間の距離d1は、例えば25mm以上である。このように、無線通信モジュール100と前方端137とは、所定距離空けて配置されている。これにより、無線通信モジュール100の影が外郭カバー70に発生しにくくすることができる。
なお、外郭カバー70を無線通信モジュール100から離す程、無線通信モジュール100の影が発生しにくくなる。しかしながら、載置面13と外郭カバー70との間の距離dが大きくなるので、照明器具1の全体の厚みが大きくなる。
このため、本実施の形態では、図6に示すように、載置面13と外郭カバー70との間の距離dは、載置面13と前方端137との間の距離d2の2倍以上3倍以下である。なお、距離d2は、例えば20mmであるが、これに限らない。これにより、照明器具1の全体の厚みが大きくなることを抑制することができる。
[効果など]
以上のように、本実施の形態に係る照明器具1は、発光モジュール20が載置される載置面13を有する器具本体10(第1の器具本体11)と、無線通信を行うことで、発光モジュール20を制御するための制御信号を受信する無線通信モジュール100とを備え、無線通信モジュール100は、載置面13に交差する姿勢で配置された基板110と、載置面13より光出射側に露出した基板110の一部である露出部111に設けられた、制御信号を受信する送受信部120と、送受信部120及び露出部111を覆う樹脂カバーとを有し、樹脂カバーの外形形状は、露出部111の外周に沿った部分で丸みを帯びている。ここで、例えば、樹脂カバーは、露出部111を内部に収納する樹脂ケース130である。
これにより、発光モジュール20が発した光の影の原因となる樹脂ケース130の縁部133が丸みを帯びているので、明暗差が出にくくなる。このため、無線通信モジュール100による影の発生を抑制することができる。
また、無線通信モジュール100は、基板110が載置面13に交差する姿勢で配置されており、基板110が載置面13に載置されている場合に比べて、送受信部120を金属製の器具本体10から離すことができる。したがって、金属の影響を抑制することができるので、無線通信モジュール100による無線通信性能を維持することができる。なお、無線通信モジュール100は、基板110の両側に対して送受信部120の通信範囲が形成される。このため、基板110が載置面13に交差することで、基板110の両側に形成される通信範囲を有効に利用することができる。
このように、本実施の形態に係る照明器具1によれば、無線通信性能を維持しつつ、無線通信モジュール100による影の発生を抑制することができる。
また、例えば、樹脂ケース130の丸みは、所定の曲率の丸面取り形状である。
これにより、樹脂ケース130(第1のケース130a)の縁部133に角(鋭部)が形成されないので、明暗差をより和らげることができる。
また、例えば、樹脂ケース130は、透光性を有する樹脂材料を用いて形成されている。
これにより、樹脂ケース130が光を透過させるので、樹脂ケース130による影の発生を一層抑制することができる。
また、例えば、照明器具1は、さらに、載置面13の光出射側に配置された透光性を有する外郭カバー70を備え、無線通信モジュール100の外郭カバー70に最も近い端部である前方端137と外郭カバー70との間の距離d1は、25mm以上である。
これにより、無線通信モジュール100と外郭カバー70との間に25mm以上の隙間が確保されているので、無線通信モジュール100の影が外郭カバー70に発生しにくくなる。
また、例えば、外郭カバー70は、載置面13に平行に配置された板状のカバーであり、載置面13と外郭カバー70との間の距離dは、載置面13と無線通信モジュール100の前方端137との距離d2の2倍以上3倍以下である。
これにより、無線通信モジュール100と外郭カバー70とが離れすぎていないので、照明器具1全体としての器具の厚みを薄くすることができる。つまり、薄型化された照明器具1を提供することができる。
また、例えば、基板110は、長尺であり、露出部111は、基板110の長手方向の一方端側であり、基板110の長手方向における長さの40%以上を占めている。
これにより、無線通信モジュール100の周囲から発光モジュール20によって光が当たるので、無線通信モジュール100の影の発生を抑制することができる。
また、例えば、無線通信モジュール100は、載置面13を平面視した場合に、発光モジュール20内に配置されている。
これにより、送受信部120を器具本体10から離すことができるので、無線通信性能を高めることができる。
また、例えば、器具本体10には、載置面13を貫通する開口14が設けられ、無線通信モジュール100は、基板110が載置面13に直交する姿勢で、開口14に挿入されている。
これにより、基板110が載置面13に直交しているので、基板110の両側に形成される通信範囲を十分に有効に利用することができる。したがって、照明器具1の無線通信性能を高めることができる。
(その他)
以上、本発明に係る照明器具について、上記の実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記の実施の形態では、照明器具1が取り付けられる造営材が天井である例について示したが、これに限らない。造営材は、例えば、建物の内部の壁などでもよい。
また、上記の実施の形態において、発光モジュール20は、第1の発光素子22及び第2の発光素子23としてSMD型のLED素子を用いたSMDタイプのLEDモジュールであったが、これに限らない。例えば、発光モジュール20は、第1の発光素子22及び第2の発光素子23の各々としてLEDチップが用いられたCOB(Chip On Board)タイプのLEDモジュールであってもよい。この場合、発光モジュール20は、光源基板21と、光源基板21に直接実装された1つ又は複数のLEDチップ(ベアチップ)と、LEDチップを封止する蛍光体含有樹脂などの封止部材とによって構成される。
また、例えば、上記の実施の形態では、無線通信モジュール100が送受信機能を有する例について示したが、これに限らない。例えば、無線通信モジュール100は、受信機能のみを有してもよい。
また、例えば、上記の実施の形態では、樹脂ケース130が、透光性を有する樹脂材料を用いて形成されている例について示したが、これに限らない。樹脂ケース130は、遮光性の材料を用いて形成されていてもよい。
また、例えば、上記の実施の形態では、送受信部120及び露出部111を覆う樹脂カバーの一例として、樹脂ケース130を例に挙げて説明したが、これに限らない。例えば、樹脂カバーは、送受信部120及び露出部111を覆うモールド樹脂でもよい。具体的には、送受信部120及び露出部111に、硬化前の樹脂材料を端部が丸くなるように塗布し、硬化させてもよい。これにより、無線通信モジュール100の厚みをより薄くすることができるので、影の発生を一層抑制することができる。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。