以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態等は、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
また、本明細書及び図面において、X軸、Y軸及びZ軸は、三次元直交座標系の三軸を表しており、本実施の形態では、Z軸方向を鉛直方向とし、Z軸に垂直な方向(XY平面に平行な方向)を水平方向としている。X軸及びY軸は、互いに直交し、かつ、いずれもZ軸に直交する軸である。なお、Z軸方向のプラス方向を鉛直下方としている。
(実施の形態)
実施の形態に係る照明器具100について、図1及び図2を用いて説明する。図1は、実施の形態に係る照明器具100の分解斜視図である。図2は、同照明器具100の要部拡大断面図である。なお、図1及び図2では、上方が天井200に対向する床面(図示せず)の方向(Z軸のプラス方向)である。つまり、図1及び図2において、照明器具100は、通常の使用時とは上下が逆の姿勢で図示されている。
照明器具100は、住宅等の建物の造営材に設置される。図1に示すように、本実施の形態における照明器具100は、例えば天井200に設置されるシーリングライトである。具体的には、照明器具100は、天井200に設けられたで引っ掛けシーリングボディ210(天井側取付部材)に取り付けられることによって天井200に設置される。
引っ掛けシーリングボディ210は、天井200の裏側において電線等を介して商用電源と電気的に接続されている。照明器具100は、引っ掛けシーリングボディ210に取り付けられることで商用電源からの電力を受けることができる。
図1及び図2に示すように、照明器具100は、器具本体110と、器具取付部材120と、発光モジュール130と、外郭カバー(第2の透光カバー)140と、回路カバー150と、光源カバー(第1の透光カバー)160とを備えている。
以下、本実施の形態に係る照明器具100の各構成部材について、図1及び図2を用いて詳細に説明する。
[器具本体]
図1及び図2に示すように、器具本体110は、発光モジュール130、外郭カバー140、回路カバー150及び光源カバー160を支持する。器具本体110は、照明器具100の外郭部材を構成している。
器具本体110は、板金製であり、例えばアルミニウム板又は鋼板等の板金をプレス加工することによって所定形状に成形されている。器具本体110の発光モジュール130が配置される側の面である第1面110aは、器具本体110の内面である。第1面110aの反射性を高めて光取り出し効率を向上させるために、第1面110aに白色塗料を塗布したり反射性金属材料を蒸着したりしてもよい。なお、第1面110aとは反対側の面である第2面110bは、器具本体110の外面であり、外気にさらされる。つまり、第2面110bは放熱面として機能する。
本実施の形態において、器具本体110は、一部が床面側に突出する突出部111を有する。突出部111は、基板131を支持する基板支持部であり、発光モジュール130の基板131を配置するための基板配置面を有する。具体的には、突出部111の床面側の平面が基板配置面となっている。一例として、突出部111は、プレス加工によって断面形状が略矩形状となるように成形されている。なお、突出部111の平面視形状は、基板配置面として一定の幅を有する円環状(ドーナツ状)である。
図2に示すように、突出部111の外側部分には、段差部111aが形成されている。段差部111aもプレス加工によって形成される。段差部111aには光源カバー160の外周端部160aが収納されている。段差部111aの段差面は、基板配置面から一段ずれた面となっている。
また、器具本体110は、開口部112を有する。開口部112は、器具本体110の中央部に形成される。器具本体110には、器具取付部材120が配置される。本実施の形態では、開口部112には支持部材180が設けられており、開口部112には、器具取付部材120と支持部材180とが配置される。開口部112の形状は、支持部材180の外形と同様の形状であり、本実施の形態では、円形である。
支持部材180は、器具本体110を器具取付部材120に装着するためにアダプタガイドであり、器具取付部材120と嵌め合わせ可能な構造を有している。支持部材180は、器具本体110に固定されている。支持部材180は、開口部112から外郭カバー140側に向かって延在する略円筒状であり、開口部112を挿通するように配置される。支持部材180は、例えば樹脂材料によって構成されているが、金属材料によって構成されていてもよい。なお、支持部材180は、器具本体110の一部として構成されていてもよい。
図1に示すように、器具本体110には、複数のネジ孔113が設けられている。ネジ孔113にはネジ191が螺合する。ネジ191がネジ孔113に螺合されることで、発光モジュール130、回路カバー150及び光源カバー160が器具本体110に取り付けられる。
また、器具本体110の第1面110aの外周領域には、外郭カバー140を器具本体110に取り付けるための外郭カバー取付部材170が設けられている。外郭カバー取付部材170は、器具本体110の周方向に沿って複数設けられている。本実施の形態では、3つの外郭カバー取付部材170が器具本体110の周方向に沿って等間隔で設けられている。
このように構成される器具本体110は、支持部材180を介して器具取付部材120に装着されている。具体的には、器具本体110は、引っ掛けシーリングボディ210に取り付けられた器具取付部材120に、器具本体110に固定された支持部材180を嵌め合わせることで引っ掛けシーリングボディ210に装着することができる。
なお、器具本体110と天井200との間には、器具本体110のぐらつき等を抑制するためのクッション部材(図示せず)が配置されていてもよい。
[器具取付部材]
器具取付部材120は、照明器具100を造営材に設置するためのアダプタである。本実施の形態において、器具取付部材120は、天井200に設けられた引っ掛けシーリングボディ210に照明器具100を取り付けるためにアダプタである。
器具取付部材120の筐体は、例えば平たい略円柱状であり、例えばPBT(ポリブチレンテレフタレート)等の絶縁性を有する樹脂材料により形成される。また、器具取付部材120には、引っ掛けシーリングボディ210の孔に引っ掛けるためにL字状の金具が設けられている。なお、この金具は、引っ掛けシーリングボディ210と照明器具100との電気接続も兼ねている。
器具取付部材120は、引っ掛けシーリングボディ210に取り付けられる。また、器具取付部材120には、器具本体110が装着される。これにより、器具本体110は、器具取付部材120を介して引っ掛けシーリングボディ210に支持される。
また、器具取付部材120は、引っ掛けシーリングボディ210に着脱自在に取り付けられる。器具取付部材120が引っ掛けシーリングボディ210に着脱自在に取り付けられることにより、器具本体110は、着脱自在に天井200に取り付けられる。
照明器具100を天井200に設置する場合、ユーザは、まず、器具取付部材120を引っ掛けシーリングボディ210に取り付ける。その後、器具本体110の開口部112に設けられた支持部材180が器具取付部材120に挿入されるように、器具本体110を天井200側に押し上げる。これにより、支持部材180と器具取付部材120とが係止して照明器具100が天井200に固定されるとともに、引っ掛けシーリングボディ210と照明器具100とが電気的及び機械的に接続される。
[発光モジュール]
発光モジュール130は、照明器具100の光源モジュールであり、例えば白色光を発する。発光モジュール130は、器具本体110に支持されている。
図1及び図2に示すように、発光モジュール130は、基板131と、基板131の主面131aに配置された発光素子132とを有する。発光モジュール130は、さらに、回路素子133を有する。
発光素子132は、器具本体110の一方の面側に配置されている。また、回路素子133も器具本体110の一方の面側に配置されている。つまり、発光素子132と回路素子133とは、器具本体110の同じ面側に配置されている。具体的には、発光素子132と回路素子133とは、器具本体110の第1面110a側に配置されている。
本実施の形態において、発光素子132と回路素子133とは、器具本体110の第1面110a側に配置された基板131に配置されている。つまり、基板131には、発光素子132だけではなく、回路素子133も配置されている。このように、基板131は、発光素子132と回路素子133とに共通の共通基板であって、発光素子132と回路素子133とは同一の基板131に配置されている。_本実施の形態では、複数の発光素子132及び複数の回路素子133が基板131に実装されている。
基板131の主面131aは、発光素子132及び回路素子133を実装するための素子実装面である第1の面(オモテ面)である。なお、基板131の主面131aとは反対側の主面131bは、器具本体110の突出部111の基板配置面に接する第2の面(ウラ面)である。
基板131は、器具本体110の開口部112を囲む形状である。具体的には、基板131は、平面視形状が円環状(ドーナツ状)であり、中央部には円形の開口部が形成されている。基板131の円形の開口部の中心は、器具本体110の円形の開口部112の中心と一致している。
発光素子132は、主として基板131の外側領域に配置されており、回路素子133は、主として基板131の内側領域に配置される。具体的には、複数の回路素子133の多くは、基板131の開口部を囲むように環状に配列されており、複数の発光素子132は、複数の回路素子133及び基板131の開口部を囲むように環状に配列されている。本実施の形態において、複数の発光素子132及び複数の回路素子133は、円環状に配列されている。
基板131は、金属配線が形成されたプリント基板であり、例えば基板131の主面131aには、金属配線が所定形状でパターン形成されている。複数の発光素子132と複数の回路素子133とは基板131に形成された金属配線によって電気的に接続されている。基板131としては、例えば、樹脂基板、メタルベース基板、セラミック基板、又は、ガラス基板等を用いることができる。基板131は、リジッド基板に限るものではなく、フレキシブル基板であってもよい。
発光素子132は、例えば、個々にパッケージ化された表面実装(SMD:Surface Mount Device)型のLED素子であり、凹部を有する白色樹脂製のパッケージ(容器)と、パッケージの凹部の底面に一次実装されたLEDチップと、パッケージの凹部内に封入された封止部材とを有する。封止部材は、例えばシリコーン樹脂等の透光性樹脂材料で構成されている。封止部材は、蛍光体等の波長変換材が含有された蛍光体含有樹脂であってもよい。
LEDチップは、所定の直流電力により発光する半導体発光素子の一例であって、単色の可視光を発するベアチップである。LEDチップは、例えば、通電されれば青色光を発する青色LEDチップである。この場合、白色光を得るために、封止部材には、青色LEDチップからの青色光を励起光として蛍光発光するYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)等の黄色蛍光体が含有される。
このように、本実施の形態における発光素子132は、青色LEDチップと黄色蛍光体とによって構成されたB−Yタイプの白色LED光源である。具体的には、黄色蛍光体は青色LEDチップが発した青色光の一部を吸収して励起されて黄色光を放出し、この黄色光と黄色蛍光体に吸収されなかった青色光とが混ざって白色光となる。
なお、複数の発光素子132の接続の態様(直列接続、並列接続、及び、直列接続と並列接続との組み合わせの接続等)は特に限定されるものではない。
複数の回路素子133は、所定の駆動回路を構成する電子部品(回路部品)である。本実施の形態において、複数の回路素子133には、少なくとも発光素子132を発光させるための電力を生成するための電源回路を構成する電源用回路素子が含まれている。電源回路を構成する複数の回路素子133は、例えば器具取付部材120から延設されたケーブルを介して供給される交流電力を直流電力に変換する。複数の回路素子133で生成された直流電力が各発光素子132に供給されることで、各発光素子132が発光する。なお、基板131の主面131aには、器具取付部材120から延設されたケーブルが接続される接続端子(コネクタ端子)が設けられていてもよい。
電源回路を構成する複数の回路素子133(電源用回路素子)は、例えば、電解コンデンサやセラミックコンデンサ等の容量素子、抵抗器等の抵抗素子、整流回路素子、コイル素子、チョークコイル(チョークトランス)、ノイズフィルタ、ダイオード又は集積回路素子等の半導体素子等である。
なお、複数の回路素子133としては、電源用回路素子だけではなく、その他の回路を構成する回路素子が含まれていてもよい。例えば、複数の回路素子133には、照明器具100が人感センサ等のセンサを有する場合、センサからの信号により発光素子132の発光状態を制御するための制御回路を構成するセンサ用回路素子が含まれていてもよいし、調光回路又は昇圧回路等を構成する駆動用回路素子が含まれていてもよいし、通信回路を構成する通信用回路素子(通信モジュール)等のその他の回路素子が含まれていてもよい。
このように構成される発光モジュール130は、ネジ191によって器具本体110に固定される。具体的には、発光モジュール130は、回路カバー150、光源カバー160及び基板131の各々に設けられたネジ孔にネジ191を挿入して、ネジ191を器具本体110のネジ孔113にねじ込むことで器具本体110に固定される。
発光モジュール130を器具本体110に固定する際、基板131は、器具本体110の基板配置面に配置される。具体的には、基板131は、器具本体110の突出部111に配置される。
[外郭カバー]
外郭カバー(グローブ)140は、発光モジュール130を覆うカバー部材である。また、外郭カバー140は、外カバーであり、照明器具100の外郭部材を構成している。本実施の形態において、外郭カバー140は、器具本体110の全体を覆っている。つまり、外郭カバー140は、発光モジュール130を覆う光源カバー160を覆うとともに回路カバー150を覆っている。
外郭カバー140は、透光性を有する透光カバーであり、発光モジュール130(発光素子132)から出射して光源カバー160を透過した光を透過させる。つまり、外郭カバー140の内面に入射した発光モジュール130の光は、外郭カバー140を透過して外郭カバー140の外部へと取り出される。外郭カバー140は、発光素子132を直接覆う光源カバー160を第1の透光カバーとして、光源カバー160を介して発光素子132を間接的に覆う第2の透光カバーである。
外郭カバー140は、透光性の樹脂材料を用いて形成することができる。例えば、外郭カバー140の材質は、アクリル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)又はポリ塩化ビニル等である。
また、外郭カバー140は、光拡散性を有する。外郭カバー140に光拡散性を持たせることによって、外郭カバー140に入射する光源カバー160からの光を拡散(散乱)させることができるので、外郭カバー140の全体から均一に光を外部に取り出すことができる。
この場合、例えば、外郭カバー140は乳白色とすることで外郭カバー140に光拡散性を持たせることができる。具体的には、光拡散粒子を分散させた樹脂材料によって外郭カバー140を構成することによって外郭カバー140に光拡散性を持たせることができる。また、外郭カバー140の内面又は外面に乳白色の光拡散膜を形成することによって外郭カバー140に光拡散性を持たせてもよい。あるいは、透明な外郭カバー140の表面に複数の光拡散ドット又は複数の微小凹凸(シボ)を形成することによって光拡散性を持たせてもよい。また、乳白色の外郭カバー140に対してさらに複数の光拡散ドット又は複数の微小凹凸を形成することによって光拡散性を持たせてもよい。
本実施の形態において、外郭カバー140の光拡散性は、光源カバー160の光拡散性よりも大きい。この場合、例えば、光拡散性を有しない透明な光源カバー160を用いるとともに光拡散性を有する外郭カバー140を用いることで、外郭カバー140の光拡散性を光源カバー160の光拡散性よりも大きくすることができる。あるいは、外郭カバー140も光源カバー160も光拡散性を有する場合は、外郭カバー140に分散させる光拡散粒子の濃度を光源カバー160に分散させる光拡散粒子の濃度よりも大きくすることで、外郭カバー140の光拡散性を光源カバー160の光拡散性よりも大きくすることもできる。
外郭カバー140の形状は、器具本体110の形状に従った形状であり、本実施の形態では、円形ドーム状である。なお、器具本体110がスクエア形である場合は、外郭カバー140の形状は、矩形ドーム状であってもよい。
このように構成される外郭カバー140は、器具本体110に着脱自在に取り付けられる。具体的には、外郭カバー140には、器具本体110の外郭カバー取付部材170に係合する突起状の係合部(不図示)が3つ設けられており、外郭カバー140を回転させて係合部を外郭カバー取付部材170に係合させることで外郭カバー140を器具本体110に取り付けることができる。なお、外郭カバー140を逆回転させて係合部を外郭カバー取付部材170から外すことで器具本体110から外郭カバー140を取り外すことができる。
[回路カバー]
図1及び図2に示すように、回路カバー150は、回路素子133を覆うカバー部材である。回路カバー150は、例えば発光素子から出射して当該回路カバー150に当たった光を反射して外郭カバー140の方向に導くように不透光性の白色であるが、透光性を有する透光カバーであってもよい。また、本実施の形態において、回路カバー150は、金属製の金属カバーであるが、樹脂製の樹脂カバーであってもよい。なお、回路カバー150は、金属材料又は不燃性樹脂材料等の不燃性を有する材料で構成されているとよい。
回路カバー150は、器具本体110の開口部112を囲む形状である。本実施の形態において、回路カバー150は、平面視形状が円環状(ドーナツ状)に形成されている。また、図2に示すように、回路カバー150の断面形状は円弧状であり、回路カバーと支持部材180と基板131とで断面が扇形の空間を形成するように構成されている。この空間内に回路素子133が配置されている。なお、回路カバー150の外側端部は、基板131の主面131aに支持されている。
回路カバー150は、ネジ191によって、発光モジュール130及び光源カバー160とともに、器具本体110に取り付けられている。本実施の形態では、回路カバー150、光源カバー160、発光モジュール130及び器具本体110がこの順で配置されて4つのネジ191によってとも締めされる。なお、図1では、回路カバー150の上方に描かれた1つのネジ191から器具本体110のネジ孔113までを接続する1本のみの一点鎖線が図示されている。
[光源カバー]
図1及び図2に示すように、光源カバー160は、基板131に配置された発光素子132を覆うカバー部材である。光源カバー160は、透光性を有する透光カバーであって、発光素子132から出射した光を透過させる。光源カバー160は、発光素子132を直接覆う第1の透光カバーである。また、光源カバー160は、外郭カバー140の内側に配置される内カバーである。光源カバー160を配置することで、発光素子132を保護したり基板131の充電部にユーザが触れないようにしたりできる。また、光源カバー160は、発光素子132から出射する光の配光を制御する配光制御部材であってもよく、例えば光源カバー160にレンズ機能等を持たせてもよい。
光源カバー160は、透光性の樹脂材料を用いて形成することができる。例えば、光源カバー160の材質は、アクリル、ポリカーボネート又はポリエチレンテレフタレート等である。
本実施の形態における光源カバー160は、透明であって、光拡散性を有していないが、光源カバー160は光拡散性を有していてもよい。光源カバー160に光拡散性を持たせることで、複数の発光素子132のつぶつぶ感(輝度ムラ)を抑制することができる。この場合、光源カバー160は、例えば、乳白色であり、光拡散粒子を分散させた樹脂材料によって構成することができる。また、光源カバー160の内面又は外面に乳白色の光拡散膜を形成したり、光源カバー160に複数の光拡散ドット又は複数の微小凹凸を形成したりすることで、光源カバー160に光拡散性を持たせることができる。
光源カバー160は、器具本体110の開口部112を囲む形状である。光源カバー160は、環状に配列された複数の発光素子132を覆うように環状に形成されている。本実施の形態において、光源カバー160は、平面視形状が円環状(ドーナツ状)に形成されている。また、図2に示すように、光源カバー160の断面形状は曲線と直線とで空間を形成するように構成されており、この空間内に発光素子132が配置されている。
また、光源カバー160は、回路カバー150を囲むように構成されている。つまり、光源カバー160の開口部には回路カバー150が配置されており、光源カバー160の外径は回路カバー150の外径よりも大きい。
光源カバー160の外周端部160aの少なくとも一部は、基板131を越えた位置に存在する。具体的には、光源カバー160の外周端部160aの少なくとも一部は、基板131の主面131a側から基板131の外周端部を越えて基板131の主面131b側にまで位置している。光源カバー160の外周端部160aにおける基板131を越えた位置に存在する部分は、光源カバー160の外周端部160aを延設させた延設部161である。つまり、光源カバー160の外周端部160aには延設部161が形成されている。
本実施の形態では、光源カバー160の外周端部160aの周方向の全部が基板131を越えた位置に存在する。つまり、光源カバー160の外周端部160aには、全周にわたって延設部161が形成されている。
延設部161の器具本体110側の先端は、基板131の主面131aを通る平面S1と、基板131の主面131aと平行な平面であって器具本体110の外側の端部115を通る平面S2との間に位置する。
また、延設部161は、器具本体110の突出部111に設けられた段差部111aに嵌っている。つまり、延設部161は、段差部111aに収納されている。
このように、光源カバー160の外周端部160aが基板131を越えた位置に存在することで、光源カバー160に入射した発光素子132の光は、光源カバー160の外周端部160aの基板131を越えた位置に存在する部分(延設部161)にまで導光する。これにより、基板131の主面131a側(オモテ面側)の領域だけではなく突出部111の基板配置面よりも天井200側の領域にまで光源カバー160から光が放出されることになる。
また、延設部161の厚みを他の部分よりも厚くすることで、延設部161を外側に膨出させた膨出部としてもよい。これにより、光源カバー160に入射して延設部161に導光された発光素子132の光は、突出部111の基板配置面よりも天井200側の領域に回り込み易くなる。この結果、突出部111の基板配置面よりも天井200側の領域にまで容易に光りを進行させることができる。なお、本実施の形態では、膨出部(延設部161)の全体が平面S1と平面S2との間に位置している。
また、光源カバー160に光拡散性を持たせる場合、延設部161の部分を他の部分よりも光拡散性を大きくしてもよい。これにより、突出部111の基板配置面よりも天井200側の領域に回り込む光束を増やすことができる。例えば、光源カバー160に分散させる光拡散粒子の濃度を、延設部161を他の部分よりも大きくすることで、延設部161の部分を他の部分よりも光拡散性を大きくできる。また、延設部161の表面にのみ微小凹凸を形成することで、延設部161の部分を他の部分よりも光拡散性を大きくしてもよい。
このように構成される光源カバー160は、上述のように、回路カバー150を貫通した4つのネジ191によって器具本体110に固定される。なお、光源カバー160の内側の端部は、基板131の主面131aに支持されている。
(効果等)
次に、本実施の形態における照明器具100の作用効果について、図1及び図2を参照しながら比較例の照明器具100Aと比較して説明する。図3は、比較例の照明器具100Aの部分拡大断面図である。
図3に示すように、比較例の照明器具100Aでは、発光素子132から出射する光は、基板131の主面131a(素子実装面)よりも床面側(Z軸のプラス方向:紙面上方)に進行する。このため、照明器具100Aでは、外郭カバー140から出射する光が基板131の主面131aよりも天井側の領域に届きにくいので、外郭カバー140の側方領域が薄暗く感じる。
特に、照明器具100Aのように、1枚の基板131上に発光素子132と回路素子133とが配置されたシーリングライトでは、電気接続を兼ねた器具取付部材120が器具本体110の中央部に配置されているので電源回路を構成する回路素子133も器具本体110の中心部に配置されていることが多い。このため、回路素子133と同一の基板131に配置された発光素子132も器具本体110の中心部に配置される。この結果、発光素子132と外郭カバー140との距離が長くなるので、外郭カバー140から出射する光は、基板131の主面131aよりも天井側の領域にますます届きにくくなる。
また、図3に示すように、発光素子132を保護したり基板131の充電部にユーザが触れないようにしたりするために、発光素子132を覆うように透光性の光源カバー160Aを設ける場合がある。
この場合、図3に示すように、外郭カバー140を外して器具本体110を天井に設置する際に基板131と光源カバー160との間からユーザの手が入らないように、板金製の器具本体110の突出部111(基板配置面)の一部をプレス加工等によって基板131よりもさらに突出させた環状の凸部111Aを基板131の外側の側方に設ける場合がある。しかしながら、器具本体110にこのような凸部111Aを設けると、発光素子132から出射する光のうち側方に出射する光は器具本体110の凸部111Aによって遮られる。このため、外郭カバー140から出射する光は、基板131の主面131aよりも天井側の領域に一層届きにくくなる。
これに対して、本実施の形態における照明器具100では、図2に示すように、光源カバー160の外周端部160aの少なくとも一部が基板131を越えた位置に存在している。つまり、光源カバー160の外周端部160aを発光モジュール130の発光部よりも天井側に位置するように構成している。
これにより、光源カバー160に入射した発光素子132の光は、光源カバー160の外周端部160aの基板131を越えた位置に存在する部分(延設部161)にまで導光し、光源カバー160からは、基板131の主面131a側(オモテ面側)の領域だけではなく器具本体110の基板配置面よりも天井側の領域にまで光が放出される。
したがって、外郭カバー140から出射する光は、基板131の主面131aよりも天井側の領域に届きやすくできる。よって、図3の照明器具100Aと比べて、外郭カバー140の側方領域の光束を大きくできるので、外郭カバー140の側方領域が薄暗く感じることを抑制できる。
また、本実施の形態において、光源カバー160の外周端部160aにおける基板131を越えた位置に存在する部分(延設部161)の先端は、基板131の主面131aを通る平面S1と、基板131の主面131aと平行な平面であって器具本体110の外側の端部115を通る平面S2との間に位置する。
これにより、発光素子132から出射して光源カバー160を透過した光のうち光源カバー160の側方に進行する光は、器具本体110に遮光されることなく外郭カバー140を透過する。したがって、外郭カバー140から出射する光は、効率良く基板131の主面131aよりも天井側の領域に届く。
また、本実施の形態において、光源カバー160の外周端部160aにおける基板131を越えた位置に存在する部分(延設部161)は、器具本体110の突出部111に形成された段差部111aに嵌まっている。
これにより、延設部161を段差部111aに収納させることができるので、光源カバー160の外周端部160aを延設して延設部161を設けたとしても、延設部161が邪魔になることがない。
また、本実施の形態において、光源カバー160は、環状に配列された複数の発光素子132を覆うように環状に形成されており、光源カバー160の外周端部160aの周方向の全部が基板131を越えた位置に存在する。
これにより、光源カバー160からは、光源カバー160の全周にわたって器具本体110の基板配置面よりも天井側の領域にまで光が放出される。この結果、外郭カバー140から出射する光を、外郭カバー140の全周にわたって基板131の主面131aよりも天井側の領域に届きやすくできる。したがって、外郭カバー140の側方領域の全周において薄暗く感じることを抑制できる。
しかも、光源カバー160の外周端部160aの全部を基板131を越えた位置に存在させることによって、図3に示すように器具本体110に凸部111Aを設けなくても、外郭カバー140を外して器具本体110を天井に設置する際に基板131と光源カバー160との間からユーザの手が入ることを防止することができる。
また、本実施の形態において、外郭カバー140の光拡散性は、光源カバー160の光拡散性よりも大きい。
これにより、光源カバー160の光拡散性が外郭カバー140の光拡散性よりも大きい場合と比べて、外郭カバー140から出射する光を均一に散乱させることができる。したがって、輝度むらの少ない照明光を照射する照明器具を実現できる。
この場合、光源カバー160は、光拡散性を有しているとよい。
複数の発光素子132を覆う光源カバー160に光拡散性を持たせることで、光源カバー160によって発光素子132のつぶつぶ感を抑制できるので、より輝度むらの少ない照明光が照射する照明器具を実現できる。
しかも、光源カバー160に光拡散性を持たせることで、延設部161から光が拡散して放出される。これにより、突出部111の基板配置面よりも天井側の領域に光が回り込み易くなるので、外郭カバー140の側方領域の光束を一層容易に大きくできる。
また、本実施の形態において、基板131には、発光素子132を点灯させるための回路素子133が配置されている。つまり、基板131には発光素子132及び回路素子133の両方が配置されている。
上述のように、1枚の基板131上に発光素子132と回路素子133とが配置されたシーリングライトでは、電気接続を兼ねた器具取付部材120が器具本体110の中央部に配置されているので回路素子133とともに発光素子132も器具本体110の中心部に配置される。このため、発光素子132と外郭カバー140との距離が長くなって外郭カバー140から外部に出射する光が基板131の主面131aよりも天井側の領域に届きにくくなる。一方、本実施の形態のように、光源カバー160の外周端部160aを基板131を越えた位置に存在させることで、外郭カバー140から出射する光を基板131の主面131aよりも天井側の領域に届きやすくできる。したがって、発光素子132が器具本体110の中央部に配置されていても、外郭カバー140の側方領域が薄暗く感じることを効果的に抑制できる。
また、本実施の形態において、器具本体110は、図1に示すように、天井200に設けられた引っ掛けシーリングボディ210に取り付けられる器具取付部材120が配置される開口部112を有しており、基板131は、この開口部112を囲む形状である。そして、回路素子133は、基板131の内側領域に配置され、発光素子132は、基板131の外側領域に配置されている。
これにより、1枚の基板131上に発光素子132と回路素子133とを配置した一体型基板を使用したシーリングライトであっても、外郭カバー140から出射する光を基板131の主面131aよりも天井側の領域に届きやすくできる。
また、本実施の形態において、光源カバー160は、器具本体110の開口部112を囲む形状である。
これにより、器具本体110の開口部112に配置された器具取付部材120を光源カバー160で囲むことができるので、光源カバー160を設けたとしても薄型のシーリングライトを容易に実現することができる。
(変形例)
以上、本発明に係る照明器具について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態において、器具本体110は、金属製としたが、これに限るものではなく、樹脂製であってもよい。ただし、発光モジュール130で発生する熱の放熱性の観点では、器具本体110の材質は、金属又は高熱伝導性樹脂等の熱伝導率の高い材料であるとよい。
また、上記実施の形態において、発光モジュール130は、1つの基板131で構成されていたが、これに限るものではない。例えば、発光素子132が実装された円弧状の基板を複数個並べることで、1つの円環状の発光モジュールを構成してもよい。
また、上記実施の形態において、発光素子132と回路素子133とを同じ基板に配置したが、これに限らない。例えば、発光素子132を実装する基板と回路素子133を実装する基板とが別々の基板であってもよい。
また、上記実施の形態において、発光素子132をSMD型のLED素子とし、発光モジュール130をSMDタイプとしたが、これに限らない。例えば、ベアチップが基板上に直接実装(1次実装)されたCOB(Chip On Board)タイプの発光モジュールを用いてもよい。つまり、発光素子132として、LEDチップそのものを採用してもよい。この場合、封止部材によって、基板上に実装された複数のLEDチップを一括に封止してもよいし個別に封止してもよい。また、封止部材には、上述のように黄色蛍光体等の波長変換材が含有されていてもよい。
また、上記実施の形態において、発光素子132は、青色LEDチップと黄色蛍光体とによって白色光を放出するB−Yタイプの白色LED光源としたが、これに限らない。例えば、赤色蛍光体及び緑色蛍光体を含有する蛍光体含有樹脂を用いて、これと青色LEDチップと組み合わせることによりに白色光を放出するように構成してもよい。また、演色性を高める目的で、黄色蛍光体に加えて、さらに赤色蛍光体や緑色蛍光体を混ぜても構わない。また、青色以外の色を発するLEDチップを用いてもよく、例えば、青色LEDチップが放出する青色光よりも波長が短い紫外光を放出する紫外LEDチップを用いて、主に紫外光により励起されて青色光、赤色光及び緑色光を放出する青色蛍光体、緑色蛍光体及び赤色蛍光体によって白色光を放出するように構成してもよい。
また、上記実施の形態において、発光モジュール130は、調光制御可能及び/又は調色制御可能に構成されていてもよい。例えば、発光モジュール130が、赤色光を発する赤色LED光源、緑色光を発する緑色LED光源及び青色光を発する青色LED光源を備えることで、RGB制御を行うことができる。これにより、調色制御可能なLEDモジュールを実現できる。
また、上記実施の形態において、発光素子132の光源としてLEDを例示したが、半導体レーザなどの半導体発光素子、有機EL(Electro Luminescence)又は無機EL等、その他の固体発光素子を用いてもよい。
また、上記実施の形態における照明器具100には、例えば、照明器具周辺の明るさを検知する明るさセンサ、赤外線によって人を検知する人感センサ、周辺画像を撮像する画像センサ、又は、照明器具を遠隔操作するためのリモコン受光装置等の機能ユニットが内蔵されていてもよい。さらに、照明器具100が人感センサを有する場合、画像センサ等のカメラ機能を有するとよい。これにより、人感センサで人を検知したときに防犯用として画像を撮像してメモリ等に記憶することができる。
また、上記実施の形態において、照明器具100は、有線又は無線によって照明器具100が受信した音声を出力するスピーカーを内蔵していてもよい。この場合、例えば、発光モジュール130の点灯に同期してスピーカーから音声が出力されるように、スピーカーが制御されてもよい。
その他、上記の実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、又は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で上記の実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。