JP6833956B1 - 乗客コンベアのチェーン緩み検出装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本実施形態では、無端状に連結された複数の踏段を周回(循環)移動させて動作する乗客コンベアとして、エスカレータ100を一例に挙げて説明する。
駆動チェーン112は、無端状に形成され、減速機106のスプロケット111と駆動輪113とに亘って掛けられている。駆動チェーン112は、減速機106を介して伝達されたモータ105の駆動力によって、駆動輪113と減速機106のスプロケット111との周りを循環走行することで、駆動輪113を回転させる。すなわち、駆動チェーン112は、減速機106を介して伝達されたモータ105の駆動力を駆動輪113に伝達している。
このように、上階側乗降口101、下階側乗降口102において、踏段120は、利用者を乗せる上面の踏み面を水平状として、トラス110内から進出し、またはトラス110内へ進入する。
本実施形態では、駆動チェーン112の緩みを検出する場合を例として説明するものとする。
制御盤200は、物理的には、CPU、RAMとROMなどを有するコンピュータである。制御盤200の機能は、ROMに保持されるアプリケーションプログラムをRAMにロードしてCPUで実行することによって、CPUの制御のもとでエスカレータ100内の各種装置を動作させるとともに、RAMやROMにおけるデータの読み出し、書き込みを行うことで実現される。
エスカレータ100の制御盤200は、図2に示すように、チェーン緩み検出装置10と、エスカレータ100の遠隔に設けられた遠隔監視装置300と相互に通信可能に接続され、検出信号や駆動信号、制御信号を送受信する。
制御盤200は、制御部201と、制御用記憶部202と、通信部203とを有している。ここで、制御盤200は、通信部203を介して入力される遠隔監視装置300からの指示に基づいてエスカレータ100の駆動制御を行うことができる。つまり、エスカレータ100は、遠隔監視装置300により遠隔操作され得る。
通信部203は、遠隔監視装置300との間で行う通信の制御を行う。
遠隔監視装置300は、通信部303を介して制御盤200と相互に通信可能に接続され、制御盤200における検出信号に対応する検出データ、制御履歴データ、制御盤200ひいてはエスカレータ100を制御するための制御データを送受信する。
遠隔監視装置300は、監視者が遠隔監視盤(図示省略)を通じてエスカレータ100の各部を遠隔監視する。遠隔監視装置300は、図2に示すように、制御部301と、監視用記憶部302と、通信部303と、警報ユニット304と、を有している。
通信部303は、制御盤200との間で行う通信の制御を行う。
チェーン緩み検出装置10は、大別すると、第1リミットスイッチ11と、第2リミットスイッチ12と、制御部13と、警報ユニット14と、を備えている。
第2リミットスイッチ12は、エスカレータ100が下降動作を行っている場合のチェーンの緩みを検出する。
チェーン緩み検出装置10は、図3に示すように、第1リミットスイッチ11と、第2リミットスイッチ12と、台座21と、第1カム部22と、第2カム部23と、第1アーム部24と、第2アーム部25と、第1錘部26と、第2錘部27と、を備える。
第1カム部22及び第2カム部23は、台座21に固定された回動軸28を回動中心として、軸28の周面を回動可能に回動軸28に支持されている。
図4においては、理解の容易のため、第1リミットスイッチ11、第1カム部22、第1アーム部24及び第1錘部26のみを示している。
第1アーム部24は、L字形状をしており、第1カム部22の周面の所定位置に突設されて、第1錘部26を駆動チェーン112に対して、駆動チェーン112の外周側(上面側)に摺動可能に当接させるために、第1錘部26を支持している。このとき、第1錘部26の自重により駆動チェーン112には、所定の張力が付与された状態となっている。
図5は、実施形態の動作フローチャートである。
この状態において、エスカレータ100には、電源が供給されているものとする。
まず、制御盤200の制御部201は、キースイッチがオンになっているか否かを検出し(ステップS11)、キースイッチが未だオフ状態である場合には(ステップS11;No)、待機状態となる。
続いて、エスカレータ100の動作が下降動作であるか否かを判断する(ステップS13)。
そして、制御部13は、第1リミットスイッチ11の動作検出結果を検出履歴として記憶する(ステップS15)。
ここで、図6を参照して、第1リミットスイッチ11を用いた駆動チェーン112の緩み検出について説明する。
第1カム部22は、原節として機能する回転板カムを構成しており、凹部22A内に従節としての第1リミットスイッチ11のアクチュエータ部11Aが収納された状態となっており、第1リミットスイッチ11はオフ状態となっている。
原節として機能する第1カム部22は、駆動チェーン112に緩みが発生すると、第1錘部26が自重により鉛直方向VRT方向に下がり、第1アーム部24が回動軸28を回動中心として、回動方向RD1に沿って回動し、図6(B)中、時計回りに回動する。
ステップS16の判断において、第1リミットスイッチ11がオン状態である場合には、所定の基準値以上の駆動チェーン112の緩みが発生しているので、制御部13は、警報ユニット14を制御して、警報出力を行う(ステップS20)。
続いて、制御部13は、制御盤200の制御部201に対して異常通知を行い(ステップS21)、ステップS15の処理において、記憶していた履歴を通知する(ステップS22)。その後、エスカレータ停止処理を行って処理を終了する(ステップS23)。
その後、作業者や遠隔監視者によって、駆動チェーン112に緩みが生じていると判断されて、駆動チェーン112の修理や交換が行われる。
さらには、本実施形態に係るチェーン緩み検出装置10によれば、制御盤200の制御用記憶部202及び遠隔監視装置300の監視用記憶部302において、第1リミットスイッチ11又は第2リミットスイッチ12の動作履歴情報を記憶することができる。
このように本実施形態の乗客コンベアのチェーン緩み検出装置10によれば、駆動チェーン112の緩みを正確に検出して、報知したり、第1リミットスイッチ11及び第2リミットスイッチ12の動作履歴、すなわち、駆動チェーン112に生じた緩みを記録させたりできる。
また、上記実施形態では、駆動チェーン112の緩みを検出する場合について説明したが、チェーン緩み検出装置10は、踏段チェーン115や手すりベルト駆動チェーンの緩みを検出することも可能である。これにより、チェーン緩み検出装置10によって、エスカレータ100に配設されている各種チェーンの緩みを正確に検出することができる。
Claims (5)
- スプロケット間に掛け渡されたチェーンに対し、自重で当接する錘部と、
前記錘部を支持するアーム部と、
前記アーム部が固定され、所定の回動軸に沿って回動するカム部と、
前記カム部が所定角度以上回動したことを検出する検出部と、
前記検出部により前記カム部が所定角度以上回動した場合に所定の基準値以上の前記チェーンの緩みが発生したと判断する制御部と、を備え、
前記検出部は、前記カム部の周面に設けられた凹部にアクチュエータ部が収納されるスイッチ部を備え、前記カム部の回動により前記アクチュエータ部が前記凹部から前記カム部の前記周面に移動して前記アクチュエータ部が前記スイッチ部の本体に押し込まれることによりオン状態となることで、前記カム部が所定角度以上回動したことを検出する、
乗客コンベアのチェーン緩み検出装置。 - 前記錘部は、前記チェーンの外周側から当接される第1錘部と、前記チェーンの内周側から当接される第2錘部と、を備え、
前記アーム部は、前記第1錘部を支持する第1アーム部と、前記第2錘部を支持する第2アーム部と、を備え、
前記カム部は、前記第1アーム部に固定され、所定の回動軸に沿って回動する第1カム部と、前記第2アーム部に固定され、所定の回動軸に沿って回動する第2カム部と、を備え、
前記検出部は、前記第1カム部が所定角度以上回動したことを検出する第1検出部と、前記第2カム部が所定角度以上回動したことを検出する第2検出部と、を備え、
前記第1検出部は、前記第1カム部の周面に設けられた第1凹部に第1アクチュエータ部が収納される第1スイッチ部を備え、前記第1カム部の回動により前記第1アクチュエータ部が前記第1凹部から前記第1カム部の前記周面に移動して前記第1アクチュエータ部が前記第1スイッチ部の本体に押し込まれて前記第1スイッチ部がオン状態となることで、前記第1カム部が所定角度以上回動したことを検出し、
前記第2検出部は、前記第2カム部の周面に設けられた第2凹部に第2アクチュエータ部が収納される第2スイッチ部を備え、前記第2カム部の回動により前記第2アクチュエータ部が前記第2凹部から前記第2カム部の前記周面に移動して前記第2アクチュエータ部が前記第2スイッチ部の本体に押し込まれて前記第2スイッチ部がオン状態となることで、前記第2カム部が所定角度以上回動したことを検出する、
請求項1記載の乗客コンベアのチェーン緩み検出装置。 - 前記第1錘部及び前記第2錘部は、前記スプロケット間において、それぞれ前記チェーンの中央部に当接するようにされている、
請求項2記載の乗客コンベアのチェーン緩み検出装置。 - 前記第1カム部及び前記第2カム部は、同一の回動軸に沿って回動する、
請求項2または請求項3記載の乗客コンベアのチェーン緩み検出装置。 - 前記制御部により前記基準値以上の前記チェーンの緩みが発生したとされた場合に、所定の警報処理を行う警報ユニットを備えた、
請求項1乃至請求項4のいずれか一項記載の乗客コンベアのチェーン緩み検出装置。
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