JP6828225B2 - 高炉における中心部へコークスを装入する原料装入方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高炉内の中心部へコークスを装入する原料装入技術に関する。
従来より、高炉では、炉頂部より鉱石とコークスを交互に層状に装入し、且つ炉下部に備えられている羽口より熱風(高温の空気+酸素)を送風することで、鉱石を昇温還元して、溶銑を製造している。
炉内への鉱石とコークスの装入は、例えば、炉頂部に備えられているベルレス式の原料装入装置を用いて、実施されている。
このベルレス式の原料装入装置は、炉頂部に設置されていて、原料である鉄鉱石とコークスを貯留する炉頂ホッパーと、炉頂ホッパーの下方に備えられていて、ベルレスと呼ばれる原料装入用シュートとを有していて、その原料装入用シュートを旋回・傾動させながら、炉頂ホッパーから送られてきた鉄鉱石とコークスを、交互に層状となるように装入している。
高炉内の中心部へコークスを装入する技術としては、例えば、特許文献1、2に開示されているものがある。
特許文献1は、分配シュートとの干渉による飛散を防止し、特定原料を炉中心部に装入する方法を提供することを目的としている。具体的には、分配シュートに門型の熱変形防止用スチフナーを取り付け、分配シュート先端位置が炉内断面中心線を越えた傾動位置で旋回させながら特定原料を装入することで、周辺に飛散分散させることなく、炉中心のみに落下堆積させるとされている。
特許文献2は、ベルレス式高炉において、比較的簡単な手段で特定原料を炉中心部に装入する方法を提供することを目的としている。具体的には、旋回シュートの旋回数を増加させることで、原料装入時間を延長させ、原料落下衝撃を低減および原料流幅の減少させることで、炉中心に原料を落下堆積させるように装入することとされている。また、旋回シュートに筒状のシュートを取り付けて、原料を装入することで、落下衝撃の低減および原料流幅の減少ができるとされている。
特開平06−316616号公報 特開2000−119711号公報
さて、高炉を安定して操業させるためには、炉内において、ガスの通気性を確保する必要がある。この炉内におけるガスの通気性を確保するためには、炉内中心部にコークスのみの領域(中心装入コークス)を形成すると共に、その形成されるコークスの山の高さを高くする必要がある。
このコークスの山の高さが低いと、周辺部に装入された鉱石の層に埋まってしまい、ガスの通気性を悪化させてしまうこととなる。それ故、炉内中心部に形成されるコークスの山の高さを、周辺部の鉱石の層より高くする、すなわち突出するようにコークスを炉内中心部に装入する必要がある。
特許文献1については、炉内中心部に装入する原料の周辺部への飛散を防止することができると考えられるが、原料の落下速度は低下しないため、落下の衝撃が大きくなると考えられる。この大きい落下の衝撃により、原料が弾かれるように周辺部に飛散すると想定できるため、原料の落下堆積範囲が広くなると考えられる。
特許文献2については、筒状(ストレート形状)の装入シュートが取り付けられている。この筒状の装入シュートを用いると、原料の流入量と排出量に差ができてしまう、つまり原料の排出量より流入量の方が上回ることとなるので、装入シュート内で原料が滞留してしまうという懸念が生じる。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、高炉の操業において、コークス中心装入を行いながら、コークスと鉱石を層状に装入する際、原料の落下衝撃を低下させると共に、内部での滞留の発生を抑制する装入シュートを用いて、コークスの中心装入量を低減しつつ、中心装入コークスの山の高さを確保することができる高炉における中心部へコークスを装入する原料装入方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
本発明にかかる高炉における中心部へコークスを装入する原料装入方法は、装入シュートを用いて、コークス中心装入を行いながら、コークスと鉱石を層状に装入する高炉の原料装入方法において、前記装入シュートは、下方に向かって絞り込まれるテーパ形状の錐部と、当該錐部の下側にストレート形状の筒部とを組み合わせた形状とされていて、装入する前記コークスの平均粒径を、43〜58mmの範囲とし、前記装入シュートの前記筒部の長さをL(m)とし、当該筒部の断面積をS(m2)としたとき、前記筒部の長さLと、前記筒部の断面積Sとの関係を示す筒部抵抗L/S(/m)を、12.3以上とし、単位時間あたりの前記装入シュ
ートへの前記コークスの供給速度を、V(kg/sec)としたとき、当該単位時間あたりの前記装入シュートへのコークスの供給速度Vと、前記筒部抵抗L/Sの関係を示すL/S+0.105Vが、26.7以下となるように、前記単位時間あたりの前記装入シュートへのコークスの供給速度Vを調整することを特徴とする。
本発明によれば、高炉の操業において、コークス中心装入を行いながら、コークスと鉱石を層状に装入する際、原料の落下衝撃を低下させると共に、内部での滞留の発生を抑制する装入シュートを用いて、コークスの中心装入量を低減しつつ、中心装入コークスの山の高さを確保することができる。
高炉の概略を模式的に示した図である。 ベルレス式の原料装入装置の概略を模式的に示した拡大図である。 中心装入コークスの装入方法の概略を模式的に示した図である。 アダプターシュートの形状を模式的に示した側方断面図である。 原料装入用シュートと、アダプターシュートの位置関係を模式的に示した側面図である。 原料装入用シュートと、アダプターシュートの位置関係を模式的に示した平面図である(図5AのZ矢視図)。 コークス堆積状況の確認テストに用いた試験機の装置構成の概略を模式的に示した図である。 筒部抵抗L/Sと、コークス投入重量あたりの中心装入コークスの山の高さH/Wとの関係を示したグラフである。 1チャージあたりの中心装入コークスの必要量の変化を示したグラフである。 単位時間あたりのコークス装入量Vと筒部抵抗L/Sの関係、及び、装入シュート内でのコークスの滞留の有無を示したグラフである。 本発明の規定範囲内、及び、本発明の規定範囲外における、0.6mのコークス山高さを維持するために必要な、溶銑1t当たりの必要なコークス量の変化を示したヒストグラムである。
以下、本発明にかかる高炉1における中心部へコークスを装入する原料装入方法の実施形態を、図を参照して説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明を具体化した一例であって、その具体例をもって本発明の構成を限定するものではない。
以降、本実施形態の説明において、本発明の名称を「コークスの装入方法」とする。
本発明は、交互に層状に装入された鉱石8とコークス9に対し、炉下部に備えられている羽口2より熱風(高温の空気+酸素)を送風して、鉱石8を昇温還元させて、溶銑を製造する高炉1の操業において、炉内中心部へ優先的に装入するコークス中心装入を行いながら、コークス9と鉱石8を層状に装入する高炉1の原料装入方法において、後述する構成とされた装入シュート7を用いてコークス中心装入を実施し、中心装入コークス量を低減させつつ、炉内中心部に形成されるコークス9の山の高さを十分に確保するコークス9の装入方法である。
図1、2に示すように、高炉1の炉頂部には、原料である鉄鉱石とコークス9を貯留する炉頂ホッパー3と、その炉頂ホッパー3より落下してくる原料を炉内へ装入するベルレス式の原料装入装置5が備えられている。
ベルレス式の原料装入装置5は、ベルレスという原料装入用シュート6を有している。そのベルレス6を旋回・傾動させながら、炉頂ホッパー3から落下してきた鉄鉱石とコークス9を交互に装入する。
なお、装入サイクルについては、以下の(1)〜(5)の工程に示す通りである。
(1) コークス中心装入
(2) コークス周辺装入(I)
(3) コークス周辺装入(II)
(4) 鉱石周辺装入(I)
(5) 鉱石周辺装入(II)
上記の(1)〜(5)に示す装入工程が、1サイクルである。
また、炉内への装入に使用した鉄鉱石は、ペレット65wet%、塊鉱石35wet%を含むものを使用した。なお、鉄鉱石とは、焼結鉱、ペレット、塊鉱石を含むものである。
図3に示すように、コークス中心装入(1)は、高炉1の炉内中心部へ集中的に、コークス9を装入する方法である。
コークス中心装入(1)については、周辺部装入コークス(2),(3)と、同一のコークス9を使用し、炉頂ホッパー3から装入することとしている。
原料を周辺部へ装入するにあたっては、中心装入コークス10を規定量、炉内中心部に装入後、炉頂ホッパー3内に設けられている流量調整ゲート4を一度閉鎖し、ベルレス6が設定の傾動角度になった後に、流量調整ゲート4を開放し、周辺部にコークス9の装入を開始する。
図4に示すように、コークス中心装入に用いる装入シュート7(アダプターシュート)は、下方に向かって絞り込まれるテーパ形状の錐部7aと、当該錐部7aの下側にストレート形状の筒部7bとを組み合わせた形状とされている。
なお、本実施形態においては、錐部7aを円錐形状(円錐部)とし、筒部7bを円筒形状(円筒部)としている。
図5Aに示すように、アダプターシュート7は、ベルレス6(原料装入用シュート)の側方に備えている。なお、ベルレス6については、円筒を上下方向に分割した半筒形状の部材である。アダプターシュート7は、側方視で、一部がベルレス6とオーバーラップするような近さに備えられている。
つまり、図5Bに示すように、アダプターシュート7は、平面視で、ベルレス6の半筒内側に覆われるように、備えられているともいえる。
なお、このアダプターシュート7は、図5Aに示すように、旋回・傾動自在のベルレス6の傾動角が4.2°となったとき、軸心が床面に対して垂直となるように設置されている。
なお、錐部7a及び筒部7bの径方向(水平方向)の断面形状については、本発明の規定に沿うものであれば、特に限定はしない。例えば、楕円形状などであってもよい。
本実施形態においては、装入するコークス9の平均粒径を、43〜58mmの範囲としている。
このコークス9の平均粒径の範囲は、後述するコークス9の堆積状況の確認テスト時、及び、当該のアダプターシュート7を実機に設置した後から、現在に至るまでのコークス9の粒径を、平均してまとめた範囲である。
なお、本実施形態のコークス9の平均粒径について、アンダーサイズを28mmのスクリーンで篩い、また粒径が100mm以上のオーバーサイズはロールブレイカーで粉砕することで、43〜58mmの範囲内となるように、高炉1に装入されるコークス9の粒径を調整している。
図4に戻って、本実施形態においては、アダプターシュート7の円筒部7bの長さをL(m)とし、当該円筒部7bの断面積をS(m2)としている。また、アダプターシュート7の円錐部7aについて、長さをX(m)とし、傾斜角をθ(°)としている。
なお、本実施形態においては、傾斜角θを10°とし、円錐部7aの長さXを1.0mとしている。この円錐部7aの寸法(傾斜角θ及び長さX)については、実操業に影響が出ない範囲とするとよい。
本実施形態においては、円筒部7bの長さLと円筒部7bの断面積Sとの関係を示す、筒部抵抗L/S(/m)を、12.3以上としている。
この筒部抵抗L/Sは、アダプターシュート7の円筒部7b内でのコークス9の抵抗の大きさを表す指標である。
この筒部抵抗L/Sの値が小さくなると、円筒部7b内でコークス9が受ける抵抗が小さくなるため、アダプターシュート7下端でのコークス9の落下速度は、大きく(速く)なる。その結果、落下するコークス9が有する運動エネルギーが大きくなるので、コークス9の衝突衝撃が大となり、アダプターシュート7の下方に形成されるコークス9の山が崩れやすくなる。これにより、コークス9の山の傾斜角が小さくなる、つまり緩斜面となり、ピークがブロードな形状となる。
一方で、円筒部7bの断面積Sが小さくなる、すなわち筒部抵抗L/Sの値が大きくなると、コークス9の落下範囲が小さくなるため、アダプターシュート7の下方に形成されるコークス9の山の傾斜角は大きくなる、つまり急斜面となり、ピークがシャープな形状となる。
筒部抵抗L/Sと、コークス9の山の高さHとの関係を、実機に類似させた試験機を用いたコークス9の堆積状況の確認テストにより、検証した。
図6に、コークス9の堆積状況の確認テストに用いた試験機の装置構成の概略の模式図を示す。
図6に示すように、コークス9の堆積状況の確認テストは、500kgに計量したコークス9(実験用コークス11)を炉頂ホッパー3に装入し、流量調整用ゲート4を所定の開度で開放し、アダプターシュート7を介して、コークス9にて作製したコークス堆積基盤12上に落下させる。その後、コークス堆積基盤12の中心部から、中心装入コークス10の頂点の差である、中心装入コークス10の山の高さH(m)を測定する。
なお、コークス中心装入1回あたりのコークス投入重量を、W(kg)としている。この中心装入コークス量Wについては、コークス9の堆積状況の確認テスト事前に計量し、上記したように、500kgとしている。また、中心装入コークス量Wと中心装入コークス10の山の高さHとの関係を、H/W(m/kg)で示す。
図7に、アダプターシュート7の形状を変更して、筒部抵抗L/Sを変化させた場合における、その筒部抵抗L/Sと中心装入コークス量と山高さの比H/Wとの関係を示す。
なお、中心装入コークス10は、アダプターシュート7を通過して、炉口の中心部に山型になるように装入されたコークス9のことである。
筒部抵抗L/Sが12.3未満となると、中心装入コークス量と山高さの比H/W、すなわち中心装入コークス10の山の高さが、急激に低下することとなり、中心装入コークス10の山の高さHを所定の高さに維持するために必要な中心装入コークス量Wが、増加してしまうこととなる。
一方で、中心装入コークス10の山高さの比H/Wを大きくすると、従来と同じ高さの中心装入コークス10の山を形成する場合、中心装入コークス10の量を少量にすることができる。
なお、本実施形態においては、中心装入コークス10の山高さの比H/Wの閾値を、図7より、0.0015m/kg以上としている。
図8に、筒部抵抗L/Sと、中心装入コークス10に必要な山の高さHを得るために、必要な1チャージあたりの中心装入コークス量(kg/CH)を示す。
なおここでの1チャージとは、上記の(1)〜(5)の工程に示した装入の1サイクルである。また、必要な中心装入コークス10の山の高さHは、周辺部に装入されている鉱石層以上の高さである。通常の高炉操業では、中心装入コークス10の山の高さHは、0.6m以上必要である。それ故、本実施形態においては、中心装入コークス10の山の高さHの閾値を、0.6m以上としている。
図7、8に示すように、筒部抵抗L/Sが12.3以上の場合、中心装入コークス10の山の高さ(0.6m)を維持することができているため、筒部抵抗L/S>12.3を閾値としている(○印参照)。
本実施形態においては、単位時間あたりのコークス9の供給速度を、V(kg/sec)としている。
単位時間あたりのコークス9の供給速度Vとは、上記の(1)〜(5)の工程に示した装入サイクルのうち、コークス中心装入(1)を実施する際における、炉頂ホッパー3から高炉1内へ供給される単位時間あたりのコークス装入量である。
単位時間あたりのコークス9の供給速度Vは、図6に示す、コークス9の堆積状況の確認テストに用いる試験機において、計量されたコークス重量と、実測のコークス排出時間により求められる。なお、コークス9の堆積状況の確認テスト時においては、炉頂ホッパー3内のコークス9が流出し始めてから、流出し終わるまでの時間から計算して、コークス9の供給速度Vとした。
本実施形態においては、単位時間あたりのコークス9の供給速度Vと、筒部抵抗L/Sの関係を示すL/S+0.105Vが26.7以下(=単位時間あたりのコークス9の供給速度Vの上限値)となるように、コークス9の供給速度Vを調整することとしている。
なお、単位時間あたりのコークス9の供給速度Vの下限値については、実操業に影響が出ない範囲にするとよい。
さて、アダプターシュート7内でのコークス9の滞留の定義を、以下に示す状況とする。
すなわち、アダプターシュート7の上部へ流入するコークス流入量(単位時間あたり)が、アダプターシュート7下部から炉内へ落下するコークス排出量(単位時間あたり)に比べて多くなり、アダプターシュート7内でコークス9が滞留する状況を、コークス9の滞留とする。この場合、アダプターシュート7上部よりコークス9が溢れ落ちる状況となる。
また、アダプターシュート7内部で棚吊り現象が発生し、アダプターシュート7上部よりコークス9が溢れ落ちる状況とする。なお、棚吊り現象とは、アダプターシュート7内部でコークス9の落下量が多量となり、詰まってしまって下部まで降りてこない現象のことをいう。
アダプターシュート7内でのコークス9の滞留については、図6に示すコークス9の堆積状況の確認テストに用いる試験機にて、コークス9がアダプターシュート7内を通過する際に、アダプターシュート7内部を通過せずに上部より溢れて落下したコークス9の有無を目視にて確認した。
コークス9がアダプターシュート7内で滞留してしまい、後に流入してくるコークス9がアダプターシュート7内部を通過せずに、上部より溢れて落下してしまうと、炉内中心部に精度よく落下堆積しないため、中心装入コークス10の山が形成されない、もしくは、中心装入コークス10の山の高さが低くなってしまうこととなる。
そのため、アダプターシュート7内でのコークス9の滞留を起こさないようにする必要がある。
図9に、単位時間あたりのコークス9の供給速度Vと筒部抵抗L/Sとの関係、及び、アダプターシュート7内でのコークス9の滞留の有無を示す。
図9を参照すると、L/S+0.105V>26.7の領域では、アダプターシュート7での滞留が発生することがわかる(◆印参照)。
この理由としては、単位時間あたりのコークス9の供給速度Vが速くなると、コークス9がアダプターシュート7の上部へ流入する、単位時間あたりのコークス流入量が多くなるので、コークス9が容易にアダプターシュート7より溢れてしまうためである。
また、筒部抵抗L/Sの値が大きくなると、コークス9のシュート通過速度の低下幅が大きくなり、コークス9がアダプターシュート7下部から炉内へ落下する、単位時間当たりのコークス排出量が少なくなるので、アダプターシュート7におけるコークス9の溢れが発生しやすくなる。
[実施例]
以下に、本発明の高炉1における中心部へコークス9を装入する(中心装入コークス10)原料装入方法に従って実施した実施例及び、本発明と比較するために実施した比較例について、説明する。
本実施例における実施条件については、以下の通りである。
高炉1について、内容積が2112m3であり、炉口半径が3.9mである。また、羽口数は25個であり、出銑口数は2本である。原料装入装置については、ベルレス式の原料装入装置5を用いている。炉体冷却装置については、冷却板と散水としている。
主原料について、コークス9、塊鉱石、ペレット鉱を用いている。なお、塊鉱石=20〜40wet%とし、ペレット鉱=60〜80wet%としている。
表1に、本発明の高炉1における中心部へコークス9を装入する原料装入方法に従って、実施した実施例、及び、本発明と比較するために実施した比較例を示す。なお、表1は、それぞれ一続きのものであり、見やすくするため、分割して上下に配置している。
表1の実施例1を参照すると、コークス9の平均粒径は、43〜58mmである。コークス中心装入1回あたりのコークス投入重量Wは、500kg/CHである。アダプターシュート7の円筒部7bの長さLは1.4mであり、断面積Sは0.071m2である。
筒部抵抗L/Sは19.7(/m)となり、12.3(/m)以上を満たしている。単位時間あたりのコークス9の供給速度Vは、63kg/secである。単位時間あたりのコークス9の供給速度Vと筒部抵抗L/Sの関係を示すL/S+0.105Vは26.3となり、26.7以下を満たしている。
中心装入コークス10の山の高さHは0.79mとなり、0.6m以上を満たしている。中心装入コークス10の山高さの比H/Wは0.00158m/kgとなり、0.0015m/kg以上を満たしている。
中心装入コークス10の山の高さH=0.6mを維持するために必要な、1チャージあたりの中心装入コークス量は、397kg/CHとなっている。また、中心装入コークス10の山の高さH=0.6mを維持するために必要な、溶銑1tあたりの中心装入コークス量は、13.2kg/tとなっている。つまり、後述する比較例と比べてもわかるように、本実施例では中心装入コークス量を低減させることができている。
さらに、アダプターシュート7内でのコークス9の滞留が発生していないことがわかる。
また、実施例2〜4も、実施例1と同様に、本発明で規定した範囲を全て満たしている。
以上、本発明の実施例1〜4の結果より、高炉1の操業において、コークス中心装入を行いながら、コークス9と鉱石8を層状に装入する際、原料の落下衝撃を低下させると共に、内部での滞留の発生を抑制する装入シュート7を用いることで、コークス9の中心装入量を低減しつつ、中心装入コークス10の山の高さを確実に確保することができる。
一方、表1の比較例6を参照すると、単位時間あたりのコークス9の供給速度Vと筒部抵抗L/Sの関係を示すL/S+0.105Vが27.2となり、26.7以下を満たしていない。その結果、アダプターシュート7内でのコークス9の滞留が発生してしまっていることがわかる。
また、表1の比較例11を参照すると、筒部抵抗L/Sが9.2(/m)となり、12.3(/m)以上を満たしていない。その結果、中心装入コークス10の山高さの比H/Wは0.00146m/kgとなり、0.0015m/kg以上を満たしていない。つまり、中心装入コークス10の山の高さH=0.6mを維持するために必要な中心装入コークス量を低減させることができない。
(例)比較例11:430kg/CH(14.3kg/t)>実施例1:397kg/CH(13.2kg/t)
図10に、本発明の規定範囲内、及び、本発明の規定範囲外における、0.6mの中心装入コークス10の山高さを維持するために必要な、溶銑1tあたりの中心装入コークス量の変化を示す。
図10の値については、バラつきを考慮し、本発明の規定範囲内及び規定範囲外のそれぞれの最大値で示している(13.6kg/t=実施例1、15.9kg/t=比較例12)。
なお、中心装入コークス10の山の高さHを0.6mに維持するために必要な溶銑1tあたりの中心装入コークス量(kg/t)は、1チャージあたりの中心装入コークス量(kg/CH)を、1チャージあたりの溶銑量(t/CH)で割ることで求められる。この1チャージあたりの溶銑量については、1チャージの鉱石体積(π×炉口径2×0.6m)に鉱石比重を掛け、さらに鉄分比率を掛け合わせることで求められる。
図10に示すように、本発明の規定範囲内で、コークス中心装入を実施すると、コークス比を低減させることができる。
すなわち、炉内中心部へコークス9を装入する際に、本発明で規定した形状のアダプターシュート7内を通過させて装入することで、炉内中心部にできる中心装入コークス10の山の高さを確実に高くすることができると共に、圧損を低下させることができる。
また、本発明のアダプターシュート7を用いることで、アダプターシュート7内でのコークス9の滞留の発生を抑制することができる。さらに、原料の落下衝撃を低下させることができる。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。
特に、今回開示された実施形態において、明示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
1 高炉
2 羽口
3 炉頂ホッパー
4 流量調整ゲート
5 ベルレス式の原料装入装置
6 原料装入用シュート(ベルレス)
7 アダプターシュート(装入シュート)
7a 錐部(円錐部)
7b 筒部(円筒部)
8 鉱石
9 コークス
10 中心装入コークス
11 実験用コークス
12 コークス堆積基盤

Claims (1)

  1. 装入シュートを用いて、コークス中心装入を行いながら、コークスと鉱石を層状に装入する高炉の原料装入方法において、
    前記装入シュートは、下方に向かって絞り込まれるテーパ形状の錐部と、当該錐部の下側にストレート形状の筒部とを組み合わせた形状とされていて、
    装入する前記コークスの平均粒径を、43〜58mmの範囲とし、
    前記装入シュートの前記筒部の長さをL(m)とし、当該筒部の断面積をS(m2)としたとき、
    前記筒部の長さLと、前記筒部の断面積Sとの関係を示す筒部抵抗L/S(/m)を、12.3以上とし、
    単位時間あたりの前記装入シュートへの前記コークスの供給速度を、V(kg/sec)としたとき、
    当該単位時間あたりの前記装入シュートへのコークスの供給速度Vと、前記筒部抵抗L/Sの関係を示すL/S+0.105Vが、26.7以下となるように、前記単位時間あたりの前記装入シュートへのコークスの供給速度Vを調整する
    ことを特徴とする高炉における中心部へコークスを装入する原料装入方法。
JP2017134718A 2017-07-10 2017-07-10 高炉における中心部へコークスを装入する原料装入方法 Active JP6828225B2 (ja)

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