以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。
[移動情報管理システムの構成]
まず、図1〜図4を参照して、本実施形態に係る移動情報管理システム1の構成について説明する。
図1は、本実施形態に係る移動情報管理システム1及び広告管理システム2の構成を概略的に示す図である。図2は、本実施形態に係る車両3(ECU32)に係る機能的な構成の一例を概略的に示す機能ブロック図である。図3は、本実施形態に係る携帯端末4(処理装置42)に係る機能的な構成の一例を概略的に示す機能ブロック図である。図4は、移動情報管理サーバ5(処理装置52)の機能的な構成の一例を概略的に示す機能ブロック図である。
移動情報管理システム1は、複数の車両3と、複数の車両3のそれぞれのユーザ等が所持する複数の携帯端末4と、複数の車両3及び複数の携帯端末4と通信可能に接続される移動情報管理サーバ5とを含む。詳細は後述するが、移動情報管理システム1は、複数の車両3及び複数の携帯端末4のそれぞれから位置情報等の移動履歴等の各種情報を収集し、複数の車両3及び複数の携帯端末4の移動に関連する情報を管理する。また、移動情報管理システム1は、複数の車両3のそれぞれから車内の発話内容を収集し、発話内容から、複数の車両3の乗員の移動目的に関連する可能性が高い特徴語を抽出し、抽出した特徴語を利用した情報配信のための情報整備を行う。
尚、複数の車両3のそれぞれの移動情報管理システム1及び広告管理システム2に関連する構成は、略同じであるため、図中、1台の車両3が代表的に図示される。同様に、複数の携帯端末4のそれぞれの移動情報管理システム1及び広告管理システム2に関連する構成は、略同じであるため、図中、1台の携帯端末4が代表的に図示される。また、複数の携帯端末4には、複数の車両3のそれぞれを利用するユーザ以外のユーザの携帯端末4が含まれうる。
車両3は、DCM(Data Communication Module)31と、ECU(Electronic Control Unit)32と、GPS(Global Positioning System)モジュール33と、ACC(アクセサリ電源)スイッチ34と、表示装置35と、マイク36を含む。
DCM31は、所定の通信ネットワーク、例えば、多数の基地局を末端とする携帯電話網やインターネット網等を通じて、移動情報管理サーバ5及び広告管理サーバ6と双方向で通信を行う通信デバイスである。DCM31は、CAN(Controller Area Network)等の車載ネットワークを通じて、ECU32を含む各種ECUと相互に通信可能に接続される。
ECU32は、車両3における所定の機能に関する各種制御処理を行う電子制御ユニットである。ECU32は、その機能が任意のハードウェア、ソフトウェア、或いはその組み合わせにより実現されてよく、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、補助記憶装置、I/O(Input-Output interface)を含むマイクロコンピュータを中心に構成されてよい。ECU32は、例えば、ROMや補助記憶装置に格納される1以上のプログラムをCPU上で実行することにより実現される機能部として、車両情報取得部321と、マップマッチング部322と、車両移動情報送信部323と、表示処理部324と、音声データ保存処理部325と、音声データ送信部326を含む。また、ECU32は、例えば、補助記憶装置に規定される記憶領域としての記憶部329を含む。記憶部329には、地図情報DB(Data Base)3291と、音声データ3292が格納される。
尚、ECU32の機能の一部は、一又は複数の他のECUにより分担されてもよい。
車両情報取得部321は、GPSモジュール33、ACCスイッチ34等から入力される車両状態に関する情報をRAM内のバッファ等から取得する。具体的には、車両情報取得部321は、GPSモジュール33から入力される車両3の位置情報を取得する。また、車両情報取得部321は、ACCスイッチ34から入力されるACCスイッチ34のON・OFF状態に関する信号(ON信号或いはOFF信号)を取得する。
マップマッチング部322は、記憶部329に格納される地図情報DB(Data Base)3291と、車両情報取得部321により取得される車両3の位置情報に基づき、車両3の位置情報に対応する道路リンク、即ち、車両3が現在位置する道路リンクを特定する。例えば、地図情報DB3291に含まれる道路網を構成する複数の道路リンクのそれぞれには、予め識別情報、即ち、リンクID(Identifier)が規定されており、マップマッチング部322は、車両3が現在位置する道路リンクのリンクIDを特定する。
尚、地図情報DB3291には、交差点に対応するノード、隣接する交差点間の道路に対応する、即ち、ノード間を接続する道路リンク、各建物や道路等の地物に対応するラインやポリゴン等を含むGIS(Geographic Information System:地理情報システム)データ等が含まれる。
車両移動情報送信部323は、車両3の移動に関する情報(車両移動情報)を生成し、DCM31を介して、移動情報管理サーバ5に送信する。車両移動情報には、車両3の位置情報、車両3の位置情報に対応する時刻情報、マップマッチング部322により特定される車両3の位置情報に対応する道路リンクに関する情報、車両3の起動・停止に関する情報が含まれる。以下、本実施形態では、車両3の起動に関する情報として、ACCスイッチ34がOFF状態からONされた旨の情報(ACC−ON情報)を採用し、車両3の停止に関する情報として、ACCスイッチ34がON状態からOFFされた旨の情報(ACC−OFF情報)を採用する。
尚、車両3から移動情報管理サーバ5に送信される車両移動情報には、車両3の位置情報に対応する時刻情報が含まれなくてもよい。この場合、移動情報管理サーバ5は、車両3から車両移動情報が送信された時刻、移動情報管理サーバ5で車両移動情報が受信された時刻、或いはこれらの時刻から算出される車両3が位置情報に対応する実在位置に存在したと推定時刻等を、車両3の位置情報に対応する時刻情報として、車両3から受信された車両移動情報に追加する等すればよい。
表示処理部324は、車両3の運転者等の乗員による操作等に応じて、表示装置35に所定の情報画面を表示させる処理を行う。例えば、表示処理部324は、後述する広告管理サーバ6から車両3に配信される広告情報を表示装置35に表示させる処理を行う。
音声データ保存処理部325は、マイク36から入力される車両3の車内の音声データを記憶部329に保存する。具体的には、音声データ保存処理部325は、音声データに、当該音声データが取得されたときの時刻情報(例えば、タイムスタンプ)、車両3の位置情報、及び車両3の位置に対応する道路リンク(即ち、リンクID)に関する情報を付与し、記憶部329(音声データ3292)に保存する処理を行う。
尚、記憶部329に保存される音声データ3292には、リンクIDが付与されない態様であってもよく、この場合、移動情報管理サーバ5において、リンクIDが付与されればよい。
音声データ送信部326は、DCM31を介して、記憶部329に保存された音声データ3292を移動情報管理サーバ5に送信する。音声データ送信部326は、例えば、新たな音声データ3292が保存されるたびに、音声データ3292を移動情報管理サーバに送信してもよいし、定期的に、ある程度溜まった音声データ3292を移動情報管理サーバ5に送信してもよい。
尚、音声データ送信部326により移動情報管理サーバ5にアップロード済の音声データ3292については、記憶部329から消去されてもよい。
GPSモジュール33は、車両3の上空の3以上、好ましくは、4以上の衛星から送信されるGPS信号を受信し、自己が搭載される車両3の位置を測位する。GPSモジュール33は、1対1の通信線やCAN等の車載ネットワークを通じてECU32等と通信可能に接続され、測位された車両3の位置情報は、ECU32等に入力される。
ACCスイッチ34は、車両3の運転者等の乗員による所定操作に応じて、車両3のアクセサリ電源をON/OFFする。例えば、ACCスイッチ34は、車室内の運転席のステアリング近傍のインストルメンタルパネルに設けられるパワースイッチ(ACCスイッチ34及びイグニッションスイッチ(IGスイッチ)を操作するボタン型スイッチ)に対する操作に応じて、ON/OFFされる。ACCスイッチ34は、1対1の通信線やCAN等の車載ネットワークを通じてECU32等と通信可能に接続され、その状態信号(ON信号/OFF信号)は、ECU32に入力される。
表示装置35は、車両3の運転者等の乗員から視認し易い位置、例えば、車室内のインストルメントパネルの中央上部に配置され、ECU32(具体的には、表示処理部324)による制御の下、各種情報画面や操作画面等を表示する。表示装置35は、例えば、タッチパネル式の液晶ディスプレイ等である。
マイク36は、例えば、インストルメントパネルやセンターコンソール等に設けられ、ECU32による制御の下、車両3の車内における乗員の発話内容を含む音声を集音し、音声データを出力する。車両3の車内における乗員の発話内容を含む音声データは、ECU32に入力される。
尚、マイク36を含む音声入力デバイスは、それ自体が移動情報管理サーバ5と通信可能な通信機能を有し、ECU32を介することなく、移動情報管理サーバ5に時刻情報、位置情報等を含む音声データを送信する態様であってもよい。また、マイク36の代わりに、車両3に乗車しているユーザの携帯端末4のマイクを通じて取得される音声データが、当該携帯端末4から移動情報管理サーバ5に送信される態様であってもよい。この場合、後述の如く、移動情報管理サーバ5(具体的には、後述する乗車中特定部5207)は、当該携帯端末4のユーザが車両3(具体的には、予め当該ユーザが利用するとして特定されている車両3)に乗車中であるか否かを判定する。そして、移動情報管理サーバ5は、車両3に乗車中であると判定された場合、当該携帯端末4から受信された音声データを、当該車両3の車内の発話内容を含む音声データとして扱うとよい。
携帯端末4は、例えば、車両3のユーザが所持する携帯電話、スマートフォン、タブレット端末等である。携帯端末4は、通信機器41と、処理装置42と、GPSモジュール43と、加速度センサ44と、タッチパネルディスプレイ(以下、単に「ディスプレイ」と称する)45を含む。
通信機器41は、処理装置42による制御の下、所定の通信ネットワーク、例えば、多数の基地局を末端とする携帯電話網やインターネット網を通じて、移動情報管理サーバ5及び広告管理サーバ6と双方向で通信を行うデバイスであり、例えば、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation)等の通信規格に対応する移動通信モジュールである。
処理装置42は、携帯端末4における各種制御処理を行う。処理装置42は、例えば、CPU、RAM、ROM、補助記憶装置、I/O等を含むコンピュータを中心に構成されてよく、ROMや補助記憶装置に格納される1以上のプログラムをCPU上で実行することにより実現される機能部として、通信処理部421と、表示処理部422と、センサ情報取得部423と、移動手段判定部424と、端末移動情報送信部425、一意識別子送信部426を含む。
尚、一意識別子送信部426は、広告管理システム2に関連する構成であるため、詳細は、後述する。
通信処理部421は、通信機器41を制御し、移動情報管理サーバ5との間での各種信号の送受信を行う。
表示処理部422は、ディスプレイ45に各種画像を表示させる。例えば、表示処理部422は、ディスプレイ45に操作画面としての各種GUI(Graphical User Interface)を表示させる。また、例えば、表示処理部422は、後述する広告管理サーバ6から配信される広告情報をディスプレイ45に表示させる。
センサ情報取得部423は、GPSモジュール43、加速度センサ44等の各種センサから入力されるセンサ情報を、RAM内のバッファ等から取得する。具体的には、センサ情報取得部423は、GPSモジュール43から入力される携帯端末4の位置情報を取得する。また、センサ情報取得部423は、加速度センサ44から入力される携帯端末4の加速度に関する情報(加速度情報)を取得する。
移動手段判定部424は、任意の方法を用いて、携帯端末4を所持するユーザが移動手段としての公共交通機関(バス)を除く車両(以下、単に「移動手段としての車両」と称する)で移動しているか、それ以外の移動手段(徒歩、自転車、電車、バス等)で移動しているかを判定する。例えば、移動手段判定部424は、加速度センサ44から入力される加速度情報に基づき、移動手段としての車両で移動している場合と車両以外の移動手段で移動している場合とを識別可能に予め機械学習された識別器を適用することにより、当該判定を行ってよい。また、例えば、移動手段判定部424は、加速度センサ44から入力される加速度情報に加えて、或いは、代えて、GPSモジュール43から入力される携帯端末4の位置情報に基づき、ユーザが移動手段としての車両で移動しているか、車両以外の移動手段で移動しているかを判定してもよい。
尚、本実施形態における公共交通機関には、タクシーが含まれない。即ち、公共交通機関を除く車両には、タクシーが含まれうる。また、移動手段判定部424は、簡易的に、携帯端末4のユーザが移動手段としての公共交通機関(バス)も含む車両で移動しているか、それ以外の移動手段で移動しているかを判定してもよい。これにより、例えば、移動手段判定部424は、携帯端末4の移動速度の高低と、線路上を移動中であるか否かを判断するだけで、携帯端末4を所持するユーザが移動手段としての公共交通機関も含む車両で移動しているか、それ以外の移動手段で移動しているかを判定することができる。
端末移動情報送信部425は、携帯端末4の移動、即ち、携帯端末4を所持するユーザの移動に関する情報(端末移動情報)を生成し、通信処理部421を介して、移動情報管理サーバ5に送信する。端末移動情報には、携帯端末4の位置情報、移動手段判定部424による判定結果(後述する車両移動中タグの有無)等が含まれうる。
このように、移動手段判定部424は、当該携帯端末4のユーザが移動手段としての車両で移動中であるか否かを判定する。そして、携帯端末4の端末移動情報送信部425は、移動手段判定部424により当該携帯端末4のユーザが移動手段としての車両で移動中であると判定されているときの当該携帯端末4の端末移動情報を、移動手段判定部424により当該携帯端末4のユーザが移動手段としての車両3で移動中でないと判定されているときの当該携帯端末4の端末移動情報と区別可能な態様で移動情報管理サーバ5に送信する。よって、移動手段としての車両で移動中であると判定されたときの携帯端末4の端末移動情報が、移動手段としての車両で移動中でないと判定されているときの携帯端末4の端末移動情報と区別可能な態様で携帯端末4から移動情報管理サーバ5に送信される。従って、移動情報管理サーバ5側で後述する利用車両特定部5205が処理すべき端末移動履歴の情報量が減少するため、携帯端末4のユーザが利用する車両3を特定するための処理負荷を軽減し、より早く処理を完了させることができる。
GPSモジュール43は、携帯端末4の上空の3以上、好ましくは、4以上の衛星から送信されるGPS信号を受信し、自己が搭載される携帯端末4の位置を測位する。測位された携帯端末4の位置情報は、処理装置42に入力される。
尚、携帯端末4の位置情報は、GPSモジュール43によるGPS測位に代えて、或いは、加えて、基地局との間での信号のやり取りに基づく基地局測位により取得されてもよい。
加速度センサ44は、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical System)技術を用いて、携帯端末4の加速度を検出する既知の検出手段である。
移動情報管理サーバ5は、通信機器51と、処理装置52を含む。
通信機器51は、処理装置52(具体的には、通信処理部5201)による制御の下、所定のネットワーク、例えば、多数の基地局を末端とする携帯電話網やインターネット網を通じて、車両3、携帯端末4、及び後述する広告管理サーバ6等と双方向で通信を行うデバイスである。
処理装置52は、移動情報管理サーバ5における各種制御処理を実行する。処理装置52は、例えば、CPU、RAM、ROM、補助記憶装置、I/O等を含む1又は複数のサーバコンピュータを中心に構成されてよく、ROMや補助記憶装置に格納される1以上のプログラムをCPU上で実行することにより実現される機能部として、通信処理部5201と、車両移動履歴蓄積処理部5202と、端末移動履歴蓄積処理部5203と、乗車車両抽出部5204と、利用車両特定部5205と、ユーザ関連度判断部5206と、乗車中特定部5207と、ユーザ乗車移動追跡部5208と、発話データ保存処理部5209と、特徴語抽出部5210と、発話時情報取得部5211と、発話回数集計部5212と、特徴語紐付け部5213を含む。また、処理装置52は、サーバコンピュータの補助記憶装置やサーバコンピュータに接続される外部記憶装置に規定される記憶領域としての記憶部5200を含む。記憶部5200には、地図情報DB5200Aと、プローブ情報DB5200Bと、車両移動履歴DB5200Cと、端末移動履歴DB5200Dと、利用車両DB5200Eと、ユーザ関連度DB5200Fと、追跡情報DB5200Gと、発話データDB5200Hと、発話回数集計DB5200Iが含まれる。
通信処理部5201は、通信機器51を制御し、複数の車両3及び複数の携帯端末4との間での各種信号(制御信号、情報信号等)の送受信を行う。
車両移動履歴蓄積処理部5202は、通信処理部5201により複数の車両3から逐次受信される車両移動情報に加工を施し、車両3の移動履歴(車両移動履歴)として車両移動履歴DB5200Cに蓄積させる処理を行う。例えば、車両移動履歴蓄積処理部5202は、プローブ情報DB5200Bに格納される複数の車両3のそれぞれの車両移動情報の時系列データに基づき、それぞれの車両3が起動されてから停止されるまでの期間ごと、即ち、1トリップごとの移動履歴に関する情報(トリップ情報)を生成する。換言すれば、車両移動履歴蓄積処理部5202は、車両3の1トリップごとの出発地から目的地までのトリップ情報を生成する。具体的には、車両移動履歴蓄積処理部5202は、車両移動情報に含まれるACC−ON情報に基づき、車両3の起動を判断し、ACC−ON情報を含む車両移動情報に含まれる車両3の位置情報を車両3の1トリップの起点(出発地)と規定する。また、車両移動履歴蓄積処理部5202は、当該車両移動情報よりも時系列的に後の車両移動情報の中でACC−OFF情報を含む直近の車両移動情報に含まれる車両3の位置情報を車両3の1トリップの終点(目的地)と規定する。そして、車両移動履歴蓄積処理部5202は、車両3の1トリップの起点及び終点の双方に係る2つの車両移動情報と、時系列的に、この2つの車両移動情報の間にある複数の車両移動情報(車両移動情報群)を1つにまとめて、トリップ情報を生成する。車両移動履歴蓄積処理部5202は、生成したそれぞれの車両3のトリップ情報をそれぞれの車両3の移動履歴として車両移動履歴DB5200Cに保存する。
尚、車両移動履歴蓄積処理部5202による上記処理は、通信処理部5201により複数の車両3から逐次受信されるプローブ情報に対応して、リアルタイムに実行されてもよいし、定期的に、ある程度溜まった未処理のプローブ情報に対して実行されてもよい。また、プローブ情報DB5200Bには、通信処理部5201により複数の車両3のそれぞれから受信される、車両移動情報を含むプローブ情報が保存される。また、車両移動履歴DB5200Cに保存されるそれぞれのトリップ情報には、固有の識別情報(トリップID)が規定されており、トリップIDによって、車両移動履歴DB5200Cの中から特定のトリップ情報が探索されうる。
端末移動履歴蓄積処理部5203は、通信処理部5201により複数の携帯端末4から逐次受信される端末移動情報を、携帯端末4の移動履歴(端末移動履歴)として端末移動履歴DB5200D(端末移動履歴記憶部の一例)に蓄積させる処理を行う。
尚、端末移動履歴蓄積処理部5203による当該処理は、通信処理部5201により複数の携帯端末4から逐次受信される端末移動情報に対応して、リアルタイムに実行されてもよいし、定期的に、RAM等のバッファにある程度溜まった未処理の端末移動情報に対して実行されてもよい。
乗車車両抽出部5204は、車両移動履歴DB5200C及び端末移動履歴DB5200Dに蓄積される複数の車両3の車両移動履歴及び複数の携帯端末4の端末移動履歴に基づき、複数の携帯端末4のそれぞれのユーザが乗車した車両3を抽出する。換言すれば、乗車車両抽出部5204は、複数の車両3の中から、複数の携帯端末4のそれぞれのユーザの乗車実績がある車両3を抽出する。例えば、図5は、乗車車両抽出部5204による処理を説明する図である。本例では、複数の携帯端末4に含まれる携帯端末4A,4BのそれぞれのユーザUS1,US2が、複数の車両3に含まれる車両3Aに同乗し、出発地である出発地Poから目的地である目的地Pdまで移動した状況を表している。
図5に示すように、乗車車両抽出部5204は、端末移動履歴DB5200D内の携帯端末4A,4Bの端末移動履歴と、車両移動履歴DB5200C内の車両3Aの車両移動履歴、即ち、トリップ情報群に基づき、2つの条件成立の有無を判定する。
具体的には、第一に、乗車車両抽出部5204は、車両3Aの出発地Po及び目的地PdでのユーザUS1,US2の滞在実績があることを示す滞在実績条件JC1の成立の有無を判定する。より具体的には、乗車車両抽出部5204は、携帯端末4Aの端末移動履歴が、車両3Aのトリップ情報における車両3Aの起動時、即ち、ACC−ON時(図5の時刻t0)より以前の所定時間(例えば、10分)以内で、出発地Po付近に滞在していたことを示しているか否かを判定する。また、乗車車両抽出部5204は、携帯端末4Aの端末移動履歴が、車両3Aの当該トリップ情報における車両3Aの停止時、即ち、ACC−OFF時(図5の時刻t5)より以降の所定時間(例えば、10分)以内で、目的地Pd付近に滞在していたことを示しているか否かを判定する。これにより、携帯端末4AのユーザUS1が、車両3Aが出発地Po及び目的地Pdに駐車されていた時間帯で、車両3Aの出発地Po及び目的地Pd付近に滞在していたと判断することができる。また、同様の処理がユーザUS2の携帯端末4Bの端末移動履歴に対して行われることにより、ユーザUS2が、車両3Aが出発地Po及び目的地Pdに駐車されていた時間帯で、車両3Bの出発地Po及び目的地Pd付近に滞在していたと判断することができる。
また、第二に、乗車車両抽出部5204は、ユーザUS1,US2が車両3Aと同時刻に移動経路RT上の同位置に存在していたことを示す同期移動条件JC2の成立の有無を判定する。より具体的には、乗車車両抽出部5204は、車両3Aのトリップ情報に含まれる出発地Poと目的地Pdとの間の車両移動情報(時刻情報及び位置情報)のデータ群と、当該データ群と同じ時間帯の携帯端末4Aの端末移動履歴に含まれる端末移動情報(時刻情報及び位置情報)のデータ群とを比較する。そして、乗車車両抽出部5204は、携帯端末4Aと車両3Aとが同時刻、同位置に存在したと判断可能な車両3Aの車両移動情報と携帯端末4Aの端末移動情報との間のマッチングが複数ある場合、同期移動条件JC2が成立したと判定する。例えば、図5に示すように、本例では、移動経路RT上の地点P1,P3の2地点において、車両3Aと携帯端末4Aとが同時刻に存在していたと判断可能であることを表している。これにより、乗車車両抽出部5204は、携帯端末4AのユーザUS1が、出発地Poから目的地Pdまでの間で車両3Aに乗車していたと判断できる。また、例えば、図5に示すように、本例では、移動経路RT上の地点P2〜P4の3地点において、車両3Aと携帯端末4Bとが同時刻に存在していたと判断可能であることを表している。よって、乗車車両抽出部5204は、同様の処理がユーザUS2の携帯端末4Bの端末移動履歴に対して行われることにより、携帯端末4BのユーザUS2が出発地Poから目的地Pdまでの間で車両3AにユーザUS1と共に乗車していたと判断できる。
このように、乗車車両抽出部5204は、複数の携帯端末4のそれぞれの端末移動履歴に対して、滞在実績条件JC1及び同期移動条件JC2の双方が成立する車両3のトリップ情報を探索することにより、携帯端末4のユーザが乗車した車両3を抽出できる。
尚、乗車車両抽出部5204は、滞在実績条件JC1を省略し、同期移動条件JC2だけを利用して、携帯端末4のユーザの乗車実績がある車両3を抽出してもよい。また、乗車車両抽出部5204は、車両移動履歴蓄積処理部5202及び端末移動履歴蓄積処理部5203のそれぞれによる車両移動履歴DB5200C及び端末移動履歴DB5200Dの更新に合わせて、リアルタイムに上述した処理を実行してよい。また、乗車車両抽出部5204は、定期的に、ある程度溜まった未処理の車両移動履歴及び端末移動履歴に対して、上述した処理を実行してもよい。
利用車両特定部5205は、複数の携帯端末4のそれぞれのユーザが利用する車両3を特定する。携帯端末4のユーザが利用する車両3とは、ドライバとして利用する車両3だけでなく、ドライバの同乗者として利用する車両3を含む。具体的には、利用車両特定部5205は、乗車車両抽出部5204により抽出される、複数の携帯端末4のそれぞれのユーザが乗車した、即ち、乗車実績のある車両3の中から、複数の携帯端末4のそれぞれのユーザが利用する車両3を特定する。利用車両特定部5205は、複数の携帯端末4のそれぞれ、或いは、複数の携帯端末4のそれぞれのユーザと、特定した複数の携帯端末4のそれぞれのユーザが利用する車両3とを紐づける態様で、利用車両DB5200Eに保存する。以下、携帯端末4と、当該携帯端末4のユーザが利用する車両3とを紐づける場合を主に説明する。また、この際、利用車両特定部5205は、特定した複数の携帯端末4のそれぞれのユーザが利用する車両3への乗車頻度(乗車回数)も併せて、利用車両DB5200Eに保存する。即ち、利用車両特定部5205は、複数の携帯端末4のそれぞれと、複数の携帯端末4のそれぞれのユーザが利用する車両3との間を、関係性を表す乗車頻度(乗車回数)で紐づける態様の利用車両DB5200Eを構築する。例えば、図6は、利用車両特定部5205により構築される利用車両DB5200Eのデータモデルを模式的に示す図である。本例では、複数の携帯端末4に含まれる携帯端末4A,4BのユーザUS1,US2のそれぞれが乗車した車両3として、複数の車両3に含まれる車両3A,3Bが乗車車両抽出部5204により抽出された場合が示される。
図6に示すように、利用車両DB5200Eは、グラフ型データベースとして構築されうる。具体的には、本例の利用車両DB5200Eは、複数の携帯端末4A,4B或いはそれぞれのユーザUS1,US2と車両3A,3Bとをノードとし、携帯端末4A,4B或いはそれぞれのユーザUS1,US2に対応するノードと車両3A,3Bに対応するノードとの間を、関係性を示す情報(リレーション情報)としての乗車頻度(乗車回数)で紐づける態様のグラフ型データベースとして構築されうる。より具体的には、ノードとしての携帯端末4A或いはそのユーザUS1と車両3A,3Bとの間は、それぞれ、乗車回数が100回、1回というリレーション情報を伴う態様で、紐づけられている。また、ノードとしての携帯端末4B或いはそのユーザUS2と車両3A,3Bの間は、それぞれ、乗車回数が10回、85回というリレーション情報を伴う態様で、紐付けられている。
例えば、利用車両特定部5205は、携帯端末4のユーザが1回でも車両3に乗車実績がある場合、当該携帯端末4のユーザが当該車両3を利用すると特定してよい。また、例えば、利用車両特定部5205は、携帯端末4のユーザがある程度の頻度で車両3に乗車している、即ち、乗車頻度が所定閾値(例えば、5回)以上である場合に、当該携帯端末4のユーザが当該車両3を利用すると特定してもよい。この場合、利用車両特定部5205は、乗車頻度が所定閾値より低いとき、当該携帯端末4のユーザが当該車両3を利用すると仮に特定した状態(仮特定状態)で、利用車両DB5200Eに登録するとよい。例えば、図6に示すように、携帯端末4AのユーザUS1の車両3Bへの乗車回数は、非常に少なく、1回だけであるため、車両3Bは、仮特定状態として、携帯端末4A、或いはそのユーザUS1と紐付けられている(図中の点線参照)。
上述の如く、乗車車両抽出部5204は、車両移動履歴DB5200C及び端末移動履歴DB5200Dの更新に応じて、リアルタイムに、或いは、定期的に、複数の車両3の何れかに乗車実績があるユーザの抽出処理を実行する。そのため、利用車両特定部5205は、乗車車両抽出部5204により逐次実行される抽出処理の結果に応じて、利用車両DB5200Eを更新する。具体的には、利用車両特定部5205は、乗車車両抽出部5204によって、携帯端末4のユーザが今まで乗車実績のない車両3に乗車したとして、当該車両3が新たに抽出された場合、当該携帯端末4のユーザと、当該車両3とを紐づける態様で、利用車両DB5200Eに保存する。また、利用車両特定部5205は、乗車車両抽出部5204によって、携帯端末4のユーザが既に乗車実績のある車両3に乗車したとして、新たに当該車両3が抽出された場合、利用車両DB5200Eのリレーション情報の乗車頻度を更新する。
このように、利用車両特定部5205は、複数の携帯端末4或いはそれぞれのユーザと、複数の車両3との間を、乗車頻度という関係性によって紐づける態様で、利用車両DB5200Eを構築し、複数の携帯端末4のユーザが利用する車両3を特定することができる。また、利用車両特定部5205は、乗車車両抽出部5204により逐次抽出される、複数の携帯端末4のそれぞれのユーザが乗車した車両3によって、利用車両DB5200Eの携帯端末4或いはそのユーザと車両3との間のリレーション情報としての乗車頻度(乗車回数)を更新することができる。
このように、利用車両特定部5205は、車両移動履歴DB5200Cに蓄積された複数の車両3の車両移動履歴と、端末移動履歴DB5200Dに蓄積された複数の携帯端末4の端末移動履歴とに基づき、複数の車両3の中から、複数の携帯端末4のユーザのそれぞれが利用する車両3を特定する。例えば、利用車両特定部5205は、車両3の車両移動履歴と携帯端末4の端末移動履歴とを比較し、双方の位置情報及び時刻情報が略一致する車両移動履歴の一部又は全部について、携帯端末4のユーザが車両3に乗車していたと判断することができる。従って、利用車両特定部5205は、携帯端末4のユーザが乗車していた実績のある車両3の中から当該ユーザが利用する車両3を特定することができる。これにより、例えば、移動情報管理システム1は、携帯端末4の位置情報と、特定された当該携帯端末4のユーザが利用する車両3の位置情報とをモニタリングすることにより、当該車両3に乗車している携帯端末4のユーザをより確実に特定することができる。
また、乗車車両抽出部5204は、車両移動履歴DB5200Cに蓄積された複数の車両3の車両移動履歴と、端末移動履歴DB5200Dに蓄積された複数の携帯端末4の端末移動履歴とに基づき、複数の車両3の中から、複数の携帯端末4のユーザのそれぞれが乗車した車両3を抽出する。具体的には、乗車車両抽出部5204は、携帯端末4の端末移動履歴が、車両3の車両移動履歴に含まれる出発地から目的地までの移動経路に対して、当該車両3が出発地及び前記目的地で駐車されていた時間帯で、当該携帯端末4が前記出発地及び前記目的地の付近に滞在していたことを表し、且つ、当該携帯端末4が当該車両3と同じ時刻に移動経路上の同じ位置に存在していたことを表す場合、当該携帯端末4のユーザが乗車したとして当該車両3を抽出する。そして、利用車両特定部5205は、乗車車両抽出部5204により抽出される、複数の携帯端末4のそれぞれのユーザが乗車した車両3の中から、複数の携帯端末4のユーザのそれぞれが利用する車両3を特定する。よって、乗車車両抽出部5204は、車両移動履歴に含まれる車両3の目的地及び出発地を含む各移動経路を対象として、携帯端末4が車両3の出発地及び目的地の双方に滞在していたか否か、及び、移動経路上で携帯端末4が同じ時刻に車両3と同じ位置に存在していたか否かを判断することにより、当該携帯端末4のユーザが車両3に乗車していたか否かを判断し、複数の車両3の中から当該携帯端末4のユーザが乗車した車両3を抽出することができる。従って、利用車両特定部5205は、複数の携帯端末4のそれぞれのユーザが乗車した実績がある車両3の中から、具体的に、複数の携帯端末4のそれぞれのユーザが利用する車両3を特定することができる。
また、利用車両特定部5205は、乗車車両抽出部5204により抽出される、複数の携帯端末4のそれぞれのユーザが乗車した車両3のうち、乗車頻度が所定閾値以上である車両3を、複数の携帯端末4のそれぞれのユーザが利用する車両3として特定する。よって、利用車両特定部5205は、乗車車両抽出部5204により抽出される、複数の携帯端末4のそれぞれのユーザが乗車した実績のある車両3のうち、乗車頻度が比較的高い車両3を、複数の携帯端末4のそれぞれのユーザが利用する車両3として特定することができる。従って、移動情報管理システム1は、例えば、携帯端末4のユーザが利用する車両3として、例えば、たまたま1回乗車しただけの車両3等、乗車頻度が非常に少ない車両3が特定されることにより、当該ユーザが当該車両3に乗車しているか否かを判別するための処理が無駄に実行されてしまうような事態を抑制できる。
尚、利用車両DB5200Eは、グラフ型データベースでなく、一般的なリレーショナルデータベースとして構築されてもよい。
ユーザ関連度判断部5206は、利用車両DB5200Eに基づき、複数の携帯端末4のユーザの相互間の関連度を判断する。例えば、ユーザ関連度判断部5206は、利用車両DB5200Eにおいて、二以上の携帯端末4のユーザが利用する車両として同じ車両3が特定されている場合、当該二以上のユーザは、当該車両3に同乗したり、当該車両3の貸し借りをしたりする比較的親密な関係、即ち、相互間の関連度があると判断することができる。
また、この場合、ユーザ関連度判断部5206は、当該二以上のユーザの当該車両3への乗車頻度に基づき、当該二以上のユーザの相互間の関連度の強弱を判断することができる。例えば、ユーザ関連度判断部5206は、同じ車両3を利用する二人のユーザの乗車頻度の差が比較的小さい場合、二人のユーザは頻繁に同乗している、或いは、当該車両3の貸し借りの回数が頻繁であると推測されるため、相互間の関連度が強いと判断することができる。一方、ユーザ関連度判断部5206は、乗車頻度の差が比較的大きい場合、二人のユーザはあまり頻繁に同乗していない、或いは、当該車両3の回数も比較的少ない等と推測されるため、相互間の関連度が弱い等と判断することができる。例えば、ユーザ関連度判断部5206は、ユーザ相互間の乗車頻度の差に対して一又は複数設けられる閾値に基づき、乗車頻度の差が小さいほど関連度が強くなる態様の段階的な関連度のレベルの何れに、二以上のユーザの関連度が該当するかを判断する。
上述の如く、利用車両DB5200Eは、逐次更新されるため、ユーザ関連度判断部5206は、利用車両DB5200Eの更新に応じて、複数の携帯端末4のユーザの相互間の関連度を判断する処理を逐次行う。そして、ユーザ関連度判断部5206は、例えば、上述した関連度のレベル等、複数の携帯端末4のユーザの相互間の関連度に関する情報(関連度情報)を生成し、ユーザ関連度DB5200Fに保存する。
このように、ユーザ関連度判断部5206は、利用車両特定部5205により特定された複数の携帯端末4のそれぞれのユーザが利用する車両3に基づき、複数の携帯端末4のそれぞれのユーザの相互間の関連度を判断する。例えば、ユーザ関連度判断部5206は、二以上の携帯端末4のユーザが利用する車両3として同一車両が特定されている場合、当該二以上のユーザは、同乗したり、当該車両3の貸し借りをしたり等の関連性があると判断することができる。従って、移動情報管理システム1や後述する広告管理システム2等は、例えば、関連度があると判断される二以上のユーザが同じ位置にいる状況等において、各ユーザの共通の嗜好性を考慮した広告情報やレコメンド情報を各ユーザの携帯端末に配信することができる。そのため、一緒に行動する可能性がある、関連度があるユーザ群をターゲットとして、共通の嗜好性を考慮した広告情報やレコメンド情報を配信できるため、広告情報やレコメンド情報の配信による効果を向上させることができる。
また、ユーザ関連度判断部5206は、利用車両特定部5205により、二以上の携帯端末4のユーザが利用する車両3として同一車両が特定された場合、当該二以上のユーザのそれぞれの同一車両への乗車頻度に応じて、当該二以上のユーザの相互間の関連度の強弱を判断する。例えば、ユーザ関連度判断部5206は、二人のユーザが利用する車両3として同一車両が特定された場合に、二人のユーザ間の当該同一車両への乗車頻度の差が比較的小さい場合、二人は頻繁に同乗しており、関連度が強いと判断することができる。一方、ユーザ関連度判断部5206は、二人のユーザ間の当該同一車両への乗車頻度の差が比較的大きい場合、二人はあまり同乗しておらず、関連度が弱い等と判断することができる。従って、例えば、家族同士や親友同士等のように、車両3に乗車している二以上のユーザの相互間の関連度が比較的強い場合に、各ユーザに共通する嗜好性を考慮した広告情報やレコメンド情報を各ユーザの携帯端末に配信することができる。そのため、より高い確率で一緒に行動することが予測されうる、関連度が比較的強いユーザ群をターゲットとして、共通の嗜好性を考慮した広告情報やレコメンド情報を配信できるため、広告情報やレコメンド情報の配信による効果を更に向上させることができる。
乗車中特定部5207は、利用車両DB5200Eに保存される、複数の携帯端末4と複数の車両3との相互間の紐付き関係に基づき、携帯端末4のユーザが、当該携帯端末4のユーザが利用する車両3に現に乗車しているかを特定する。例えば、乗車中特定部5207は、複数の携帯端末4のそれぞれの現在の端末移動情報と、利用車両DB5200Eで複数の携帯端末4のそれぞれと紐づけられる車両3の現在の車両移動情報とをリアルタイムに比較する。これにより、乗車中特定部5207は、利用車両DB5200Eにおいて、携帯端末4のユーザが利用するとして、予め特定されている車両3の車両移動履歴だけをモニタリングすればよく、現実的な処理時間で、携帯端末4のユーザが車両3に乗車しているかを特定することができる。乗車中特定部5207による処理の詳細は後述する。
このように、利用車両DB5200Eには、複数の携帯端末4のそれぞれのユーザと、利用車両特定部5205により特定された、複数の携帯端末4のそれぞれのユーザが利用する車両3とが紐付けられて記憶される。そして、乗車中特定部5207は、携帯端末4の現在の位置情報と、当該携帯端末4のユーザに紐付けられて利用車両DB5200Eに記憶される車両3の現在の位置情報とに基づき、当該携帯端末4のユーザが当該車両3に乗車しているか否かを特定する。従って、乗車中特定部5207は、複数の携帯端末4のそれぞれの現在の位置情報と、複数の携帯端末4のそれぞれのユーザと紐付けられて記憶された車両3の現在の位置情報とをモニタリングすることにより、リアルタイムに携帯端末4のユーザが車両3に乗車中であるか否かであるか否かを特定することができる。また、二以上の携帯端末4のユーザが車両3に同乗して移動している場合であっても、携帯端末4の端末移動情報だけでは、位置情報の精度や端末移動情報の取得タイミング等に依存して、二以上の携帯端末のユーザが同乗して車両3で移動しているか否かを特定するのは難しい。これに対して、本実施形態では、二以上の携帯端末4のユーザが同じ車両3に紐付けられている場合、当該車両3を媒介させることにより、二以上の携帯端末4のユーザが同乗しているか否かを比較的精度良く特定することができる。
ユーザ乗車移動追跡部5208は、乗車中特定部5207により携帯端末4のユーザが車両3に乗車中であると特定されているときの当該車両3の出発地から目的地までの移動経路を追跡する。ユーザ乗車移動追跡部5208は、追跡した移動経路に関する情報(乗車移動追跡情報)を、乗車中のユーザの携帯端末4或いは当該ユーザ及び乗車中の車両3と紐づける態様で追跡情報DB5200Gに保存する。乗車移動追跡情報には、出発地及び目的地に対応するPOI(Point Of Interest)情報及びエリア情報や、出発地から目的地までの移動経路に対応する道路リンク、即ち、リンクIDの情報等が含まれる。ユーザ乗車移動追跡部5208による処理の詳細は、後述する。
尚、ユーザ乗車移動追跡部5208は、二以上の携帯端末4のユーザが車両3に乗車中であると特定されている場合、そのときの乗車移動追跡情報を、乗車中の二以上のユーザの携帯端末4或いはその二以上のユーザ、及び乗車中の車両3と紐づける態様で、追跡情報DB5200Gに保存する。
発話データ保存処理部5209(発話内容取得部の一例)は、通信処理部5201により複数の車両3のそれぞれから受信される車内の音声データに基づき、それぞれの車両3の車内の乗員による発話内容に相当するテキストデータ(発話データ)を取得する。そして、発話データ保存処理部5209は、取得した発話データに、所定の追加情報を付与した上で、記憶部5200(発話データDB5200H)に保存する。発話データに付与される追加情報には、元の音声データに付与されているリンクID、及び元の音声データが取得されたときの車両3のトリップ情報に対応するトリップIDが含まれる。また、発話データに付与される追加情報には、乗車中特定部5207により元の音声データが取得されたときの車両3に乗車中であると特定されたユーザの携帯端末4の識別情報(端末ID)が含まれる。詳細は、後述する。
特徴語抽出部5210は、発話データDB5200Hに保存される発話データから発話内容を特徴付ける単語(特徴語)を抽出する。特徴語抽出部5210は、既知の様々な手法を用いて、発話データから特徴語を抽出することができる。詳細は、後述する。
発話時情報取得部5211は、特徴語抽出部5210により抽出された特徴語が発話されたときの車両3に関連する情報(例えば、車両3の位置に関する情報、車両3の目的地に関する情報、車両3に乗車中の携帯端末4のユーザに関する情報)を取得する。例えば、発話時情報取得部5211は、特徴語が発話されたときの車両3の位置に関する情報として、抽出された特徴語の元データである発話データに付与されたリンクIDを取得する。また、例えば、発話時情報取得部5211は、特徴語が発話されたときの車両3の目的地に関する情報として、抽出された特徴語の元データである発話データに付与されたトリップIDを取得する。また、発話時情報取得部5211は、特徴語が発話されたときの車両3に乗車中の携帯端末4のユーザに関する情報として、抽出された特徴語の元データである発話データに付与された端末IDを取得する。
発話回数集計部5212は、車両3の位置に対応する位置指標ごとに、特徴語抽出部5210により特徴語として抽出される相互に異なる複数の単語ごとの発話回数を集計する。車両3の位置に対応する位置指標には、例えば、車両3の位置に対応する道路リンク、車両3の位置に対応する交差点(具体的には、進行方向に直近の交差点等)、及び車両3の位置に対応するエリア等が含まれうる。本実施形態では、発話回数集計部5212は、車両3の位置に対応する道路リンク(リンクID)ごとに、特徴語抽出部5210によって、複数の車両3の車内での発話内容(発話データ)から特徴語として抽出された相互に異なる複数の単語ごとの発話回数を集計する。これにより、それぞれの道路リンクに通過する車両3に乗車している乗員が話題にしている特徴語、即ち、発話回数が相対的に上位の特徴語を把握することができる。よって、例えば、ある道路リンクに対応する位置を通過している車両3の乗員が比較的頻繁に話題にする単語は、車両3に乗車している乗員の行動目的に関連している可能性が高いと考えられるところ、当該集計結果により、当該道路リンクを通過するユーザの行動目的を推定することができる。詳細は、後述する。
また、発話回数集計部5212は、車両3の出発地及び目的地に対応する出発地指標及び目的地指標ごとに、特徴語抽出部5210により特徴語として抽出される相互に異なる複数の単語ごとの発話回数を集計する。車両3の出発地及び目的地に対応する出発地指標及び目的地指標には、例えば、車両3の出発地及び目的地に対応するPOIやエリアが含まれうる。本実施形態では、発話回数集計部5212は、車両3の出発地に対応するPOIごとに、特徴語抽出部5210によって、複数の車両3の車内での発話内容(発話データ)から特徴語として抽出された相互に異なる複数の単語ごとの発話回数を集計する。また、発話回数集計部5212は、車両3の目的地に対応するPOIごとに、特徴語抽出部5210によって、複数の車両3の車内での発話内容(発話データ)から特徴語として抽出された相互に異なる複数の単語ごとの発話回数を集計する。これにより、それぞれのPOIを目的地とする車両3に乗車している乗員が話題にしている特徴語、即ち、発話回数が相対的に上位の特徴語を把握することができる。よって、例えば、あるPOIを目的地とする車両3の乗員が比較的頻繁に話題にする単語は、車両3に乗車している乗員の行動目的に関連している可能性が高いと考えられるところ、当該集計結果により、当該POIを目的地とする車両3の乗員の行動目的を推定することができる。詳細は、後述する。
また、発話回数集計部5212は、特徴語抽出部5210により、所定時点以降(例えば、3カ月前の時点以降)の発話内容(発話データ)から特徴語として抽出される相互に異なる複数の単語ごとに発話回数を集計してもよい。即ち、発話回数集計部5212は、適宜設定される所定時点以降の発話データから、特徴語抽出部5210により抽出された特徴語だけを発話回数の集計対象としてよい。これにより、適宜、所定時点を設定することにより、車両3の位置に対応する位置指標(道路リンク)、或いは、車両3の目的地に対応する目的地指標(POI)に関連する最新の状況(例えば、新たな施設の開業や新たな道路の開通等)を反映して、より適切にユーザの行動目的を推定することができる。
特徴語紐付け部5213は、特徴語抽出部5210により特徴語として抽出された単語を、当該特徴語が発話された車両3及び当該車両3に乗車中であったユーザ或いはそのユーザの携帯端末4と紐づけて、記憶部5200に保存する。例えば、特徴語紐付け部5213は、特徴語抽出部5210によりある車両3の発話データから特徴語として抽出された単語を、利用車両DB5200Eにおける当該車両3及び当該車両3に乗車中であったユーザ或いはそのユーザの携帯端末4との間を紐づけるリレーション情報(追加リレーション情報)として記憶部5200に保存してよい。また、特徴語紐付け部5213は、特徴語抽出部5210により、ある車両3における発話データから特徴語として抽出された単語が、当該車両3と当該車両3に乗車中であったユーザ或いはそのユーザの携帯端末4との間を紐づける追加リレーション情報として既に登録されている場合、当該単語の抽出回数(発話回数)をカウントアップし、追加リレーション情報として記憶部5200に保存してよい。これにより、車両3に乗車中のユーザが発話する特徴語、特に、頻度が高い特徴語は、車両3を利用して移動する際の当該ユーザの行動目的に関連する可能性が高いと考えられるところ、車両3に乗車中の携帯端末4のユーザが発話する特徴語及びその頻度を把握することができる。よって、利用車両DB5200Eの追加リレーション情報を用いることで、特定のユーザが車両3を利用して移動する際の行動目的を推定することができる。
現在位置情報取得部5214(現在情報取得部の一例)は、広告管理サーバ6から所定の問い合わせに応じて、プローブ情報DB5200Bから車両3の現在の位置に関する情報を取得する。
[移動情報管理システムの動作の詳細]
次に、図7〜図13を参照して、移動情報管理システム1の具体的な動作について説明をする。
まず、図7は、本実施形態に係る車両3のECU32による処理の一例を概略的に示すフローチャートである。本フローチャートによる処理は、例えば、車両3のACC−ONからACC−OFFを起点とする一定期間経過後までの間で、定期的に(例えば、GPSモジュール33による車両3の車両位置情報の検出周期ごとに)、繰り返し実行される。
ステップS702にて、車両情報取得部321は、GPSモジュール33及びACCスイッチ34から入力される車両3の位置情報及びACCスイッチ34のON・OFF状態に関する信号を取得する。
ステップS704にて、ECU32は、ACC−ON或いはACC−OFFがされた否かを判定する。例えば、ECU32は、上述の如く、ACC−ONにより本フローチャートによる処理が開始される場合、当該フローチャートの開始後の1回目の処理フローであるときに、ACC−ONされたと判定してよい。また、ECU32は、本フローチャートによる処理が車両3の駐車場でも行われる場合、ACCスイッチ34からの状態信号がOFF信号からON信号に変化したときに、ACC−ONされたと判定してもよい。また、ECU32は、ACCスイッチ34からの状態信号がON信号からOFF信号に変化したときに、ACC−OFFされたと判定してよい。ECU32は、ACC−ON及びACC−OFFされていない場合、ステップS706に進み、ACC−ON或いはACC−OFFされた場合、ステップS708に進む。
ステップS706にて、マップマッチング部322は、車両情報取得部321により取得された現在の車両3の位置情報に基づき、車両3が現在位置する道路リンク(リンクID)を特定する。
ステップS708にて、車両移動情報送信部323は、車両3の位置情報と、当該位置情報に対応する時刻情報と、ACC−ON/OFF情報或いは道路リンクのリンクIDをと含む車両移動情報を、DCM31を介して、移動情報管理サーバ5に送信し、今回の処理を終了する。これにより、移動情報管理サーバ5は、車両移動情報を確認するだけで、車両3の位置情報及び当該位置情報に対応する時刻情報に加えて、車両3が位置する具体的な道路リンクや、車両3の起動(ACC−ON)及び停止(ACC−OFF)を把握することができる。
続いて、図8は、本実施形態に係る携帯端末4の処理装置42による処理の一例を概略的に示すフローチャートである。本フローチャートによる処理は、例えば、携帯端末4の電源ONされている状態で、定期的に(例えば、GPSモジュール43の検出周期ごとに)、繰り返し実行される。また、本フローチャートによる処理は、携帯端末4の電源ON中の場合で、且つ、GPSモジュール43により携帯端末4の比較的高い精度の位置情報が取得可能な場合、即ち、GPSモジュール43がGPS信号を受信可能な状態にある場合だけ、実行されてもよい。
ステップS802にて、センサ情報取得部423は、GPSモジュール43及び加速度センサ44から入力された最新の携帯端末4の位置情報及び加速度情報を取得する。
ステップS804にて、移動手段判定部424は、センサ情報取得部423により取得された携帯端末4の加速度情報に基づき、携帯端末4のユーザが移動手段としての車両で移動中であるか、それ以外の移動手段で移動中であるかを判定する。
ステップS806にて、移動手段判定部424は、携帯端末4のユーザが移動手段としての車両である場合、ステップS808に進み、携帯端末4のユーザの移動手段が公共交通機関を除く車両以外である場合、ステップS808をスキップし、ステップS810に進む。
ステップS808にて、端末移動情報送信部425は、当該携帯端末4のユーザが公共交通機関を除く車両3で移動中であることを示す車両移動中タグを端末移動情報にタグ付けする。
ステップS810にて、端末移動情報送信部425は、携帯端末4の位置情報、当該位置情報に対応する時刻情報を含む端末移動情報を、通信処理部421を介して、移動情報管理サーバに送信し、今回の処理を終了する。これにより、移動情報管理サーバ5は、携帯端末4が公共交通機関を除く車両で移動している場合と、携帯端末4が公共交通機関を除く車両以外で移動している場合とを識別可能な態様の端末移動情報を取得することができる。
続いて、図9は、本実施形態に係る移動情報管理サーバ5の処理装置52による複数の携帯端末4のそれぞれのユーザが利用する車両3を特定する処理(利用車両特定処理)の一例を概略的に示すフローチャートである。本フローチャートによる処理は、上述の如く、車両移動履歴DB5200C及び端末移動履歴DB5200Dの更新に応じて、更新分の車両移動履歴及び端末移動履歴に対して、リアルタイムに実行されてよい。また、本フローチャートによる処理は、上述の如く、所定周期ごとに、車両移動履歴DB5200C及び端末移動履歴DB5200Dの本フローチャートの一周期で更新された未処理分の車両移動履歴及び端末移動履歴に対して、実行されてもよい。
ステップS902にて、乗車車両抽出部5204は、端末移動履歴DB5200D内の処理対象の端末移動履歴(端末移動情報のデータ群)の中から、車両移動中タグ付きの端末移動情報のデータ群を抽出する。これにより、処理対象の端末移動履歴のうち、複数の車両3の何れかに乗車している可能性が高いユーザの携帯端末4の端末移動情報だけがステップS904〜S910の処理の対象となるため、全体の処理効率を向上させ、処理完了までの時間を短縮させることができる。
以下、ステップS904〜S910の処理は、ステップS902で抽出された端末移動情報のデータ群に対応する携帯端末4が複数ある場合、それぞれの携帯端末4ごとに実行される。
ステップS904にて、乗車車両抽出部5204は、抽出した携帯端末4の端末移動情報の時系列データ群に含まれる時刻情報の時間帯で、当該データ群の位置情報の近隣エリア(例えば、1km以内)を通過した車両3のトリップ情報を車両移動履歴DB5200Cから抽出する。
ステップS906にて、乗車車両抽出部5204は、端末移動情報の時系列データ群と、抽出したトリップ情報に基づき、携帯端末4と同じ時刻に同じ道路リンクを通過した車両3があるか否かを判定する。乗車車両抽出部5204は、携帯端末4と同じ時刻に同じ道路リンクを通過した車両3がある場合、ステップS908に進み、携帯端末4と同じ時刻に同じ道路リンクを通過した車両3がない場合、今回の処理を終了する。
ステップS908にて、乗車車両抽出部5204は、具体的に、端末移動情報の時系列データ群とマッチングする車両3のトリップ情報があるか否かを判定する。例えば、乗車車両抽出部5204は、上述の如く、滞在履歴条件及び同期移動条件の双方が成立するか否かに基づき、携帯端末4の端末移動情報の時系列データ群とマッチングする車両3のトリップ情報を探索する。乗車車両抽出部5204は、端末移動情報の時系列データ群とマッチングする車両3のトリップ情報がある場合、当該トリップ情報に対応する車両3に当該携帯端末4のユーザが乗車したと判断し、ステップS910に進み、端末移動情報の時系列データ群とマッチングする車両3のトリップ情報がない場合、今回の処理を終了する。
ステップS910にて、利用車両特定部5205は、当該携帯端末4(或いは、そのユーザ)と、当該携帯端末4の端末移動情報の時系列データ群とマッチングするトリップ情報に対応する車両3とを紐づける態様で、利用車両DB5200Eに保存し、今回の処理を終了する。これにより、利用車両特定部5205は、乗車車両抽出部5204により抽出される当該携帯端末4のユーザが乗車した車両3を、当該携帯端末4のユーザが利用すると特定した状態、或いは、仮特定した状態で保存することができる。
続いて、図10は、本実施形態に係る移動情報管理サーバ5の処理装置52による乗車中特定処理の一例を概略的に示すフローチャートである。本フローチャートによる処理は、例えば、移動情報管理サーバ5(処理装置52)の稼働中において、所定時間間隔で繰り返し実行される。
ステップS1002にて、乗車中特定部5207は、端末移動履歴DB5200D内の最新の端末移動情報のうち、車両乗車中タグ付きの端末移動情報から当該端末移動情報に対応する携帯端末4の現在の位置情報及び対応する時刻情報を取得する。
以下、ステップS1004〜ステップS1012の処理は、車両乗車中のタグ付きの端末移動情報に対応する携帯端末4が複数ある場合、それぞれの携帯端末4ごとに実行される。
ステップS1004にて、乗車中特定部5207は、利用車両DB5200Eにおいて、取得された端末移動情報に対応する携帯端末4と紐付けられて保存される車両3、即ち、当該携帯端末4のユーザが利用する車両3を抽出する。
ステップS1006にて、乗車中特定部5207は、ステップS1004にて、当該携帯端末4と紐付けられている車両3が抽出できたか否か、即ち、利用車両DB5200Eにおいて、当該携帯端末4のユーザが利用する車両3が保存されているか否かを判定する。乗車中特定部5207は、当該携帯端末4と紐付けられた車両3が存在した場合、ステップS1008に進み、それ以外の場合、今回の処理を終了する。
ステップS1008にて、乗車中特定部5207は、プローブ情報DB5200B或いは車両移動履歴DB5200Cに格納される、抽出された車両3の最新の車両移動情報から、当該車両3の現在の位置情報及び対応する時刻情報を取得する。
ステップS1010にて、乗車中特定部5207は、当該携帯端末4及び当該車両3の現在の位置情報と、地図情報DB5200Aとに基づき、当該携帯端末4と当該車両3とが同時刻に同じ道路リンクを通過しているか否かを判定する。乗車中特定部5207は、例えば、携帯端末4の現在の位置情報と車両3の現在の位置情報との差分、携帯端末4の現在の位置情報に対応する時刻情報と車両3の現在の位置情報に対応する時刻情報との差分、及び今回より前のフローチャートの本ステップでの判定内容等を総合的に考慮し、当該携帯端末4と当該車両3とが同時刻に同じ道路リンクを通過しているか否かを判定する。乗車中特定部5207は、当該携帯端末4及び当該車両3とが同時刻に同じ道路リンクを通過していると判定する場合、ステップS1012に進み、それ以外の場合、今回の処理を終了する。
ステップS1012にて、乗車中特定部5207は、当該携帯端末4のユーザが当該車両3に乗車中であることを示す、当該携帯端末4と当該車両3との乗車紐付け状態を出力し、今回の処理を終了する。これにより、携帯端末4がそのユーザが利用するとして特定されている車両3に乗車しているか否かを、当該車両3と乗車紐付け状態にあるか否かに基づき判定することができる。
続いて、図11は、本実施形態に係る移動情報管理サーバ5の処理装置52による携帯端末4のユーザが乗車中の車両3の移動経路を追跡する処理(ユーザ乗車移動追跡処理)の一例を概略的に示すフローチャートである。本フローチャートによる処理は、例えば、移動情報管理サーバ5(処理装置52)の稼働中において、所定時間間隔で繰り返し実行される。また、本フローチャートによる処理は、複数の携帯端末4のそれぞれに対して実行される。
ステップS1102にて、ユーザ乗車移動追跡部5208は、利用車両DB5200Eで当該携帯端末4と紐付けられて保存される車両3の中から、当該携帯端末4と乗車紐付け状態にある車両3を抽出する。
ステップS1104にて、ユーザ乗車移動追跡部5208は、当該携帯端末4と乗車紐付け状態にある車両3を抽出できたか否かを判定する。ユーザ乗車移動追跡部5208は、当該携帯端末4と乗車紐付け状態にある車両3を抽出できた場合、ステップS1106に進み、当該携帯端末4と乗車紐付け状態にある車両3を抽出できなかった場合、今回の処理を終了する。
ステップS1106にて、ユーザ乗車移動追跡部5208は、、プローブ情報DB5200B或いは車両移動履歴DB5200Cに格納される、抽出された車両3の最新の車両移動情報を取得する。
ステップS1108にて、ユーザ乗車移動追跡部5208は、取得した車両移動情報に基づき、ステップS1104で抽出された車両3がACC−ON或いはACC−OFFされたか否かを判定する。即ち、ユーザ乗車移動追跡部5208は、取得した車両移動情報にACC−ON情報或いはACC−OFF情報が含まれるか否かを判定する。ユーザ乗車移動追跡部5208は、取得した車両移動情報にACC−ON情報及びACC−OFF情報が含まれない場合、ステップS1110に進み、ACC−ON情報或いはACC−OFF情報が含まれる場合、ステップS1112に進む。
ステップS1110にて、ユーザ乗車移動追跡部5208は、車両移動情報から当該車両3の現在位置に対応する道路リンクに関する情報、即ち、リンクIDを取得する。
一方、ステップS1112にて、ユーザ乗車移動追跡部5208は、車両移動情報に基づき、車両3の駐車位置を特定する。即ち、ユーザ乗車移動追跡部5208は、車両移動情報に含まれる車両3の位置情報と、地図情報DB5200Aとに基づき、車両3が駐車された場所に対応するPOI(施設、店舗)、例えば、駐車された当該車両3から携帯端末4のユーザが訪問すると想定されるPOIの候補(候補POI)等を特定する。
ステップS1114にて、ユーザ乗車移動追跡部5208は、特定された車両3の駐車位置が、候補POIの駐車場であるか否かを判定する。例えば、ユーザ乗車移動追跡部5208は、車両3の位置情報が、地図情報DB5200Aに含まれる候補POIの駐車場のポリゴンの範囲に含まれるか否かを判断することにより、車両3の駐車位置が候補POIの駐車場であるか否かを判定してよい。また、例えば、ユーザ乗車移動追跡部5208は、当該車両3がACC−OFFされる直前の車両移動情報と、地図情報DB5200Aに基づき、当該車両3が、候補POIの駐車場の出入り口付近で道路リンク上から道路リンクの外に離脱しているか否かを判断することにより、車両3の駐車位置が候補POIの駐車場であるか否かを判定してよい。また、例えば、ユーザ乗車移動追跡部5208は、当該車両3がACC−ONされた直後の車両移動情報と、地図情報DB5200Aに基づき、当該車両3が、候補POIの駐車場の出入り口付近で道路リンク外から道路リンク上に戻ったか否かを判断することにより、車両3の駐車位置が候補POIの駐車場であるか否かを判定してよい。
ステップS1116にて、ユーザ乗車移動追跡部5208は、ステップS1110で取得された道路リンクに関する情報、(即ち、リンクID)、或いは、ステップS1112で特定された車両3の駐車位置(候補POIに関する情報等)及びステップS1114の判定結果を含む乗車移動追跡情報を、当該携帯端末4及び当該車両3と紐づける態様で、追跡情報DB5200Gに保存する。今回の処理を終了する。これにより、携帯端末4のユーザが車両3に乗車して移動したときの移動経路や出発地及び目的地に関する情報(候補POI情報や候補POIの駐車場に駐車されたか否かの判定結果等)を事後的に参照することができる。即ち、携帯端末4のユーザがどのような移動経路で、どのような目的地を訪問したのかを、事後的に把握することにより、例えば、携帯端末4のユーザの嗜好性等を特定し、ターゲット広告の配信やデジタルサイネージの設置場所の選定等に利用することができる。また、後述の如く、広告の誘導先としての実店舗(広告の対象商品等を販売等する実在の店舗)への来店実績等を特定することができる。
続いて、図12は、移動情報管理サーバ5の処理装置52による発話データ保存処理の一例を概略的に示すフローチャートである。本フローチャートによる処理は、例えば、通信処理部5201により車両3から音声データが受信されるたびに実行されてよい。
ステップS1202にて、発話データ保存処理部5209は、通信処理部5201により車両3から受信された音声データを、既知の音声認識処理を施すことにより、テキストデータ(発話データ)に変換する。
ステップS1204にて、発話データ保存処理部5209は、音声データに対応するトリップ情報、即ち、音声データが取得されたときの車両3のトリップ情報を車両移動履歴DB5200Cから探索する。
ステップS1206にて、発話データ保存処理部5209は、利用車両DB5200Eに基づき、複数の携帯端末4の中から音声データの送信元である車両3に乗車中のユーザの携帯端末4、即ち、当該車両3と乗車紐付け状態の携帯端末4を抽出する。
ステップS1208にて、発話データ保存処理部5209は、発話データに対して、上述の如く、追加情報(元データに付与されたリンクID、ステップS1204で抽出されたトリップ情報のトリップID、及びステップS1206で抽出された携帯端末4の端末ID)を付与する。
尚、ステップS1206にて、音声データの送信元である車両3と乗車紐付け状態の携帯端末4が抽出できなかった場合、本ステップで付与される追加情報には、端末IDが省略される。
ステップS1210にて、発話データ保存処理部5209は、追加情報が付与された発話データを発話データDB5200Hに保存し、今回の処理を終了する。
続いて、図13は、移動情報管理サーバ5の処理装置52による発話データ解析処理の一例を概略的に示すフローチャートである。本フローチャートによる処理は、例えば、発話データDB5200Hの更新に応じて、更新分の発話データを対象として、リアルタイムに実行されてよい。また、本フローチャートによる処理は、所定周期ごとに、一周期で更新された未処理分の発話データを対象として、実行されてもよい。
ステップ1302にて、特徴語抽出部5210は、対象となる発話データを発話データDB5200Hから抽出する。
ステップS1304にて、特徴語抽出部5210は、既知の形態素解析を行い、記憶部5200に予め格納されるキーワード辞書(不図示)等に基づき、発話データを意味を持つ最小単位の文字列に分解する。
ステップS1306にて、特徴語抽出部5210は、形態素解析により分解された文字列に基づき、発話内容の特徴付ける単語である特徴語を抽出する。例えば、特徴語抽出部5210は、文書における各単語の重要度を数値化して扱うTF(Term Frequency)−IDF(Inverse Document Frequency)を利用して、分解された文字列或いは分解された文字列を連接させた複合語に相当する文字列から特徴語を抽出してよい。また、例えば、特徴語抽出部5210は、予め規定される特徴語の持つ性質(例えば、主語や目的語として出現し易い等)に基づく複数の特性量(特徴ベクトル)を、形態素解析により分解された文字列或いは分解された文字列を連接させた複合語に相当する文字列のそれぞれに対して算出する。そして、特徴語抽出部5210は、機械学習により予め生成される、特徴語と特徴語でない非特徴語とをクラス分類する識別器であるSVM(Support Vector Machine)を利用して、特徴語を抽出してもよい。
ステップS1308にて、発話時情報取得部5211は、抽出されたそれぞれの特徴語が発話されたときの車両3に関する情報を取得する。具体的には、発話時情報取得部5211は、上述の如く、それぞれの特徴語が発話されたときの車両3の位置に対応するリンクID、車両3のトリップ情報に対応するトリップID、及び車両3に乗車中であったユーザの携帯端末4の端末IDを取得する。
ステップS1310にて、発話回数集計部5212は、発話時情報取得部5211により取得されたそれぞれの特徴語に対応するリンクIDに基づき、道路リンクごとに、特徴語として抽出された相互に異なる複数の単語ごとの発話回数を集計する。発話回数集計部5212は、既に、過去の集計結果が発話回数集計DB5200Iに保存されている場合、過去の集計結果に今回の処理で抽出された相互に異なるそれぞれの単語の発話回数を合算することにより、全体での集計結果を算出してよい。また、発話回数集計部5212は、上述の如く、所定時点以降の発話内容(発話データ)から抽出された特徴語だけを集計対象とする場合、発話回数集計DB5200Iに既に格納される集計結果のうち、所定時点より前の発話内容から抽出された特徴語に相当する分の発話回数を減算すればよい。次のステップの出発地及び目的地に対応するPOIごとの集計処理に関しても同様である。
ステップS1312にて、発話回数集計部5212は、発話時情報取得部5211により取得されたトリップIDに対応する車両移動履歴DB5200Cのトリップ情報に基づき、出発地及び目的地に対応するPOIごとに、特徴語として抽出された相互に異なる複数の単語ごとの発話回数を集計する。
ステップS1314にて、発話回数集計部5212は、ステップS1310及びステップS1312の集計結果を発話回数集計DB5200Iに保存する。
ステップS1316にて、特徴語紐付け部5213は、上述の如く、発話時情報取得部5211により取得された端末IDに基づき、抽出されたそれぞれの特徴語を追加リレーション情報として利用車両DB5200Eに保存し、今回の処理を終了する。具体的には、特徴語紐付け部5213は、それぞれの特徴語が発話された車両3と当該車両3に乗車中であったユーザ或いはそのユーザの携帯端末4との間を紐づける追加リレーション情報として、当該特徴語及びその発話回数を利用車両DB5200Eに保存する。
[広告管理システムの構成]
次に、図1〜図4に加えて、図14を参照して、本実施形態に係る広告管理システム2の構成について説明する。
図14は、本実施形態に係る広告管理サーバ6(処理装置62)の機能的な構成の一例を概略的に示す機能ブロック図である。
広告管理システム2(情報提供システムの一例)は、複数の車両3と、複数の携帯端末4と、移動情報管理サーバ5と、複数の車両3、複数の携帯端末4、及び移動情報管理サーバ5等と通信可能な広告管理サーバ6と、広告管理サーバ6と通信可能に接続される、所定の道路の周辺、例えば、道路の路側(路側に位置する建物の壁面等に設定される場合も含む)や道路の真上等に設置される複数のデジタルサイネージ端末7を含む。即ち、広告管理システム2は、移動情報管理システム1と、移動情報管理システム1の構成要素と通信可能な広告管理サーバ6と、複数のデジタルサイネージ端末7を含む。詳細は後述するが、広告管理システム2は、複数の車両3、複数の携帯端末4、及び複数のデジタルサイネージ端末7への広告の配信等の管理を行う。以下、車両3及び移動情報管理サーバ5についての説明は、重複するため省略する。
携帯端末4の処理装置42は、上述の如く、一意識別子送信部426を含む。
一意識別子送信部426は、複数の携帯端末4のそれぞれで重複しないユニークな識別子(一意識別子)を発行し、通信処理部421を介して、広告管理サーバ6に送信する。当該一意識別子は、予め携帯端末4ごとに規定される固有の識別子(例えば、スマートフォンの広告ID等)であってもよいし、例えば、ユーザの携帯端末に登録されるメールアドレス、電話番号等により、既知のハッシュ関数を用いて自動生成されるハッシュID等であってもよい。
また、一意識別子送信部426は、ユーザによる携帯端末4における操作に応じて、インターネットのウェブサイトの閲覧要求を対象のサーバに送信する際、使用されているブラウザに依らず、通信処理部421を介して、発行した一意識別子を対象のサーバに送信する。そして、当該対象のサーバが広告管理サーバ6を中心とするいわゆるアドネットワークに含まれる場合、一意識別子のデータは、閲覧履歴のデータに紐付けられた状態で、広告管理サーバ6に送信される。これにより、複数の携帯端末4のそれぞれのユーザが閲覧したウェブサイト等のいわゆるオンラインの行動履歴を、広告管理サーバ6で把握することができる。また、携帯端末4において、使用されうるブラウザには、デフォルトのウェブブラウザの他、インストールされる複数のアプリ、例えば、SNS(Social Networking Service)アプリ、メールアプリ、EC(Electronic Commerce)アプリ内のブラウザ等が含まれる。よって、一意識別子がブラウザの種類に依らず、広告管理サーバ6を含むアドネットワーク側に送信されるため、複数のアプリの相互間でのインターネット閲覧履歴を共有化することができる。また、一意識別子が携帯端末4のユーザのメールアドレス、電話番号等により生成されるハッシュIDである場合、例えば、複数の携帯端末4の中に同じユーザが利用する携帯端末4が二以上含まれる場合であっても、異なる携帯端末4のそれぞれのオンラインの行動履歴を同じユーザの行動履歴として集約することができる。
広告管理サーバ6は、通信機器61、処理装置62を含む。
通信機器61は、処理装置62(具体的には、通信処理部621)による制御の下、所定のネットワーク、例えば、多数の基地局を末端とする携帯電話網やインターネット網を通じて、車両3、携帯端末4、及び移動情報管理サーバ5等と双方向で通信を行うデバイスである。
処理装置62は、広告管理サーバ6における各種制御処理を実行する。処理装置62は、例えば、CPU、RAM、ROM、補助記憶装置、I/O等を含む一又は複数のサーバコンピュータを中心に構成される。処理装置62は、例えば、ROMや補助記憶装置等に格納される一以上のプログラムをCPU上で実行することにより実現される機能部として、通信処理部621と、ユーザ情報蓄積処理部622と、目的地取得部623と、広告配信部624を含む。また、処理装置62は、補助記憶装置やサーバコンピュータに接続される外部記憶装置等に規定される記憶領域としての記憶部629を含む。記憶部629には、広告DB6291、一意識別子DB6292、オンライン行動履歴DB6293、学習パラメータ6294を含む。
通信処理部621は、通信機器61を制御し、車両3、携帯端末4、及び移動情報管理サーバ5等との間で各種信号(情報信号、制御信号等)の送受信を行う。
ユーザ情報蓄積処理部622は、複数の携帯端末4、移動情報管理サーバ5及びその他のサーバ(例えば、上記アドネットワークに含まれるウェブサーバ等)から複数の携帯端末4のユーザに関連する各種情報を収集し、記憶部629に蓄積させる処理を行う。
また、例えば、ユーザ情報蓄積処理部622は、通信処理部621により複数の携帯端末4のそれぞれから受信される一意識別子を、送信元の複数の携帯端末4(具体的には、端末ID)のそれぞれと紐付けて記憶部629に保存し、一意識別子DB6292を構築する。これにより、一意識別子と、携帯端末4との対応関係を把握することができる。
また、例えば、ユーザ情報蓄積処理部622は、通信処理部621により広告管理サーバ6を中心とするアドネットワーク内の複数のウェブサーバから受信される、一意識別子と紐付けられたインターネット経由での情報閲覧履歴(ネット情報閲覧履歴)を、一意識別子DB6292に基づき、複数の携帯端末4のそれぞれと紐づける態様で、記憶部629に保存し、オンライン行動履歴DB6293を構築する。これにより、後述の如く、複数の携帯端末4のそれぞれのユーザのオンラインでの行動履歴に基づき、各ユーザの興味・関心等の嗜好に関する特性(嗜好特性)を把握することができる。
尚、ユーザ情報蓄積処理部622は、一意識別子の他、クッキー(HTTP cookie)等を利用する既知の方法を併用する等により、携帯端末4のユーザのオンライン行動履歴DB6293を構築してもよい。
目的地取得部623(現在情報取得部の一例)は、車両3が向かっている目的地を取得する。例えば、目的地取得部623は、車両3に搭載されるナビゲーション装置(不図示)において、ユーザによる操作により、或いは過去の探索履歴等に基づき自動的に設定された目的地に関する情報を、通信処理部621を介して車両3から取得してよい。この場合、車両3は、DCM31を介して、直接、目的地に関する情報を広告管理サーバ6に送信してもよいし、移動情報管理サーバ5に送信する態様であってもよい。後者の場合、目的地取得部623は、通信処理部621を介して、移動情報管理サーバ5に問い合わせればよい。また、例えば、目的地取得部623は、複数の車両3及び複数の携帯端末4で利用可能なナビゲーションサービスを提供するナビゲーションサーバ(不図示)から、通信処理部621を介して、車両3或いは車両3に乗車中のユーザの携帯端末4で設定された目的地に関する情報を取得してもよい。また、目的地取得部623は、携帯端末4のユーザが車両3に乗車中である場合に、オンライン行動履歴DB6293に基づき、当該車両3の目的地を推定することにより、車両3の目的地を取得してもよい。この場合、目的地取得部623は、通信処理部621を介して、移動情報管理サーバ5に問い合わせを行うことにより、複数の携帯端末4のそれぞれのユーザのうち、車両3に乗車している携帯端末4のユーザを把握することができる。携帯端末4のユーザがSNSを含むオンラインで得る情報には、ユーザが事後的に行う行動(以下、「次行動」と称する)の動機となる情報が含まれうる。そのため、携帯端末4のユーザがオンラインで得る情報は、携帯端末4のユーザの次行動、具体的には、ユーザが訪れる場所や施設、即ち、目的地等の選択に影響する可能性がある。つまり、携帯端末4のユーザのオンラインでの行動履歴と、当該ユーザの訪問履歴(訪問したPOIやエリア)との間には、何等かの関係性(相関関係、相対的な傾向、及び因果関係等)が存在すると考えることができる。よって、目的地取得部623は、目的地を推定する前段階のオフライン処理として、複数の携帯端末4のそれぞれのユーザのオンラインでの行動履歴(オンライン行動履歴DB6293)と、当該ユーザの訪問履歴(移動情報管理サーバ5から取得するトリップ情報)に基づき、携帯端末4のユーザの利用履歴と訪問先(目的地)との関係性を、例えば、車両3の位置するエリアや道路リンクごとに分析し、その分析結果を逐次学習する。より具体的には、目的地取得部623は、特定の携帯端末4のユーザのオンラインでの行動履歴と、現在位置するエリアや道路リンク(リンクID)を入力データとして、逐次更新される学習結果(学習パラメータ6294)に基づき、目的地を推定してよい。また、目的地取得部623は、車両3に二人以上の携帯端末4のユーザが乗車している場合、二人以上の携帯端末4のユーザのオンライン行動履歴から推定される目的地の中から、共通性の高い目的地を推定してよい。
広告配信部624は、複数の車両3、複数の携帯端末4、及び複数のデジタルサイネージ端末7等を対象として、広告を配信する処理を行う。広告管理サーバ6に入力される配信対象の広告のデータ(広告データ)は、広告DB6291に保存される。また、広告管理サーバ6に入力される配信対象の広告には、当該広告によりユーザを誘導したい誘導先(広告の対象商品等を販売する実店舗等)に関する情報(誘導先情報)、当該広告のターゲットとなる対象ユーザの特性情報(ユーザ特性ターゲット情報)、当該広告のターゲットとなるロケーション(例えば、対象ユーザが多く集まるPOIを含むエリア、誘導先に近いエリア等)に関する情報(ロケーションターゲット情報)等が予め設定され、広告データに紐づけられる態様で、広告DB6291に保存される。広告配信部624は、誘導先情報、ユーザ特性ターゲット情報、ロケーションターゲット情報等に基づき、複数の車両3、複数の携帯端末4、及び複数のデジタルサイネージ端末7等の中から、配信対象の広告の配信先を決定し、通信処理部621を介して、当該広告のデータを配信先に送信してよい。
例えば、広告配信部624は、移動情報管理サーバ5の発話回数集計DB5200Iに保存される道路リンクごと、並びに、出発地及び目的地としてのPOIごとに集計された、特徴語として抽出された複数の単語のそれぞれの発話回数の集計結果に基づき、広告配信を行ってよい。この場合、広告配信部624は、通信処理部621を介して、移動情報管理サーバ5に問い合わせを行うことにより、発話回数集計DB5200Iの内容を把握することができる。
具体的には、問い合わせを受け付けた移動情報管理サーバ5の処理装置52は、発話回数集計DB5200Iに基づき、複数の道路リンクの中から、当該広告のターゲットとして適切なユーザ(ターゲットユーザ)が乗車する車両3が通過する可能性が高い道路リンク(ターゲット道路リンク)を抽出してよい。また、処理装置52は、当該広告のターゲットユーザが乗車する車両3が向かう可能性が高い目的地としてのPOI(ターゲットPOI)を抽出してよい。より具体的には、移動情報管理サーバ5は、当該広告の対象(商品・サービス等)が属する一又は複数の嗜好ジャンルと同じ嗜好ジャンルに属する単語が発話回数の相対的な上位を占める道路リンクや目的地としてのPOIを抽出してよい。嗜好ジャンルとは、予め規定されるユーザの嗜好特性に関して分類される複数のジャンルである。また、単語と嗜好ジャンルとの対応関係は、例えば、記憶部629や記憶部5200に格納される対応テーブル(不図示)等により予め規定されている。例えば、移動情報管理サーバ5は、発話回数の集計結果の1位〜5位までの単語のうち、広告の対象が属する嗜好ジャンルと同じ嗜好ジャンルに属する単語が所定数(例えば、3つ)以上存在する道路リンクや目的地としてのPOIを抽出する。
そして、広告配信部624は、抽出されたターゲット道路リンクに位置する車両3、当該車両3に乗車しているユーザの携帯端末4、及びターゲット道路リンクに隣接するデジタルサイネージ端末7に当該広告を配信する。また、広告配信部624は、抽出されたターゲットPOIを目的地とする車両3、即ち、目的地取得部623により取得された目的地がターゲットPOIと一致する車両3、当該車両3に乗車しているユーザの携帯端末4、及び当該車両3が通過している道路リンクに隣接するデジタルサイネージ端末7に対して当該広告を配信する。これにより、上述の如く、それぞれの道路リンクを通過する車両3やそれぞれのPOIを目的地として移動している車両3に乗車している乗員に対して、その行動目的に合わせた広告情報を提供することができる。そのため、広告のターゲットとしてふさわしいユーザに対して広告情報が提供され易くなり、広告配信による効果の向上を図ることができる。
尚、広告配信部624は、通信処理部621を介して、移動情報管理サーバ5に問い合わせを行うことにより、ターゲット道路リンクに位置する車両3や当該車両3に乗車しているユーザの携帯端末4を特定することができる。具体的には、移動情報管理サーバ5の処理装置52は、現在位置情報取得部5214により取得されるそれぞれの車両3の現在の位置情報、地図情報DB5200A、乗車中特定部5207の出力結果等に基づき、当該車両3及び当該携帯端末4を特定することができる。また、広告配信部624は、ターゲット道路リンクのリンクIDと、サイネージ情報DB6295に登録される、それぞれのデジタルサイネージ端末7が隣接する道路リンクのリンクIDと照合することにより、対象となるデジタルサイネージ端末7を特定することができる。また、広告配信部624は、通信処理部621を介して、移動情報管理サーバ5に問い合わせを行うことにより、ターゲットPOIを目的地とする車両3に乗車しているユーザの携帯端末4や当該車両3が通過している道路リンクに隣接するデジタルサイネージ端末7を特定することができる。具体的には、移動情報管理サーバ5の処理装置52は、ターゲットPOIを目的地とする車両3についての乗車中特定部5207の出力結果等に基づき、当該携帯端末4を特定することができる。また、広告配信部624は、移動情報管理サーバ5から返信される、現在位置情報取得部5214により取得されるターゲットPOIを目的地とする車両3の現在の位置情報に対応する道路リンクのリンクIDと、サイネージ情報DB6295に登録される、それぞれのデジタルサイネージ端末7の道路リンクとを照合することにより、対象となるデジタルサイネージ端末7を特定することができる。
ここで、図15は、特徴語として抽出された相互に異なる複数の単語の発話回数集計部5212による集計結果を模式的に示す図である。具体的には、模式的な地図上に、道路リンクLK1,LK2、及び目的地のPOIとしてのショッピングモールML1のそれぞれに対して集計された、特徴語として抽出された相互に異なる複数の単語の発話回数の集計結果LST1〜LST3が示されている。
図15に示すように、例えば、同じエリアにある道路リンクLK1,LK2であっても、集計結果LST1,LST2の間で、発話回数が相対的に上位となる単語が全く異なっている。即ち、道路リンクLK1と道路リンクLK2との間では、通過している車両3の乗員の行動目的が大きく異なっている可能性も有り得る。よって、例えば、広告配信部624は、集計結果LST1,LST2を利用することで、道路リンクLK1及び道路リンクLK2のそれぞれに隣接するデジタルサイネージ端末7に、それぞれの道路リンクLK1,LK2を通過する車両3の乗員の行動目的に合わせた異なる広告を配信することができる。
また、図15に示すように、例えば、隣接する道路リンクLK1とショッピングモールML1であっても、集計結果LST1と集計結果LST3との間で、発話回数が相対的に上位となる単語が大きく異なっている。即ち、道路リンクLK1を通過する車両3と、道路リンクLK1に隣接するショッピングモールML1を目的地としている車両3との間で、乗員の行動目的が大きく異なる可能性も有り得る。よって、広告配信部624は、適宜、POIごとの集計結果と道路リンクごとの集計結果とを使い分けたり、POIごとの集計結果と、道路リンクごとの集計結果の双方を利用したりことにより、より適切に、車両3の乗員の行動目的に合わせた広告の配信を行うことできる。
図14に戻り、また、例えば、広告配信部624は、利用車両DB5200Eの携帯端末4とそのユーザが利用する車両3とを紐づける追加リレーション情報として登録される、特徴語及びその発話回数に基づき、車両3、車両3に乗車中のユーザの携帯端末4、及び車両3が通過している道路リンクに隣接するデジタルサイネージ端末7に広告配信を行ってもよい。この場合、広告配信部624は、通信処理部621を介して、移動情報管理サーバ5に問い合わせを行うことにより、利用車両DB5200Eの内容を把握することができる。また、広告配信部624は、通信処理部621を介して、移動情報管理サーバ5に問い合わせを行うことにより、携帯端末4のユーザが乗車している車両3、或いは、携帯端末4のユーザが乗車し、且つ、デジタルサイネージ端末7に隣接する道路を通過している車両3を把握することができる。より具体的には、移動情報管理サーバ5は、問い合わせに応じて、複数の携帯端末4の何れかと乗車紐付け状態にある車両3を特定することにより、携帯端末4のユーザが乗車中の車両3を特定できる。また、移動情報管理サーバ5は、複数の携帯端末4の何れかと乗車紐付け状態にある車両3の中から、デジタルサイネージ端末7に隣接する道路リンクに位置する車両3を特定することができる。そして、移動情報管理サーバ5は、問い合わせ結果を広告管理サーバ6に返信する。上述の如く、車両3と携帯端末4とを紐づける追加リレーション情報として登録される特徴語、特に、発話回数が比較的多い特徴語は、当該車両3を利用して移動する際の当該携帯端末4のユーザの行動目的に関連する可能性が高い。そのため、広告配信部624或いは問い合わせを受け付けた移動情報管理サーバ5は、登録される特徴語とその発話回数に基づき、ある車両3を利用する携帯端末4のユーザの行動目的が、広告の対象が属する一又は複数の嗜好ジャンルに適合するか等を判断することができる。例えば、広告配信部624或いは移動情報管理サーバ5は、広告の対象が属する一又は複数の嗜好ジャンルと同じ嗜好ジャンルに属する単語が発話回数の相対的に上位として登録されているかにより、その適合性を判断してよい。より具体的には、広告配信部624或いは移動情報管理サーバ5は、例えば、追加リレーション情報として登録される、発話回数の1位〜5位までの単語のうち、広告の対象が属する嗜好ジャンルと同じ嗜好ジャンルに属する単語が所定数(例えば、3つ)以上ある場合、その適合性がある判断してよい。そして、広告配信部624は、適合性があると判断された、車両3に乗車中のユーザの携帯端末4、当該ユーザが乗車中の車両3、及び当該車両3が通過している道路リンクに隣接するデジタルサイネージ端末7に広告配信を行ってよい。これにより、車両3を利用して移動中の乗員に対して、その行動目的に合わせて、広告情報を提供することができる。そのため、広告のターゲットとしてふさわしいユーザに対して広告情報が提供され易くなり、広告配信による効果の向上を図ることができる。
尚、広告配信部624は、車両3に乗車中であるか否かに関わらず、利用車両DB5200Eの追加リレーション情報として登録される特徴語及びその発話回数に基づき、当該車両3を利用するユーザの携帯端末4に広告の配信を行ってもよい。追加リレーション情報として登録される特徴語及びその発話回数は、携帯端末4のユーザの一般的な嗜好特性に関する情報として捉えることも可能だからである。
また、例えば、広告配信部624は、移動情報管理サーバ5のユーザ関連度DB5200Fに基づき、車両3、携帯端末4、及び二以上の携帯端末4のユーザが乗車している車両3が通過している道路の周辺に設置されるデジタルサイネージ端末7に対する広告配信を行ってもよい。この場合、広告配信部624は、通信処理部621を介して、移動情報管理サーバ5に問い合わせを行うことにより、ユーザ関連度DB5200Fの内容を把握することができる。また、広告配信部624は、通信処理部621を介して、移動情報管理サーバ5に問い合わせを行うことにより、携帯端末4のユーザが乗車している車両3、或いは、携帯端末4のユーザが乗車し、且つ、デジタルサイネージ端末7に隣接する道路を通過している車両3を把握することができる。より具体的には、移動情報管理サーバ5は、問い合わせに応じて、複数の携帯端末4の何れかと乗車紐付け状態にある車両3を特定することにより、携帯端末4のユーザが乗車中の車両3を特定できる。また、移動情報管理サーバ5は、複数の携帯端末4の何れかと乗車紐付け状態にある車両3の中から、デジタルサイネージ端末7に隣接する道路リンクに位置する車両3を特定することができる。そして、移動情報管理サーバ5は、問い合わせ結果を広告管理サーバ6に返信する。例えば、広告配信部624は、複数の携帯端末4のそれぞれのユーザのうち、関連度が比較的強い(関連度のレベルが比較的高い)二以上のユーザの携帯端末4に対して、共通の嗜好特性、即ち、共通の嗜好ジャンルに属する広告を配信してよい。二以上のユーザの共通の嗜好特性(嗜好ジャンル)は、例えば、上述した利用車両DB5200Eに追加リレーション情報として登録される特徴語及びその発話回数等により判断されうる。これにより、関連度の比較的強いユーザ同士は、相互に影響し合う間柄であるため、例えば、閲覧した同じ広告を相互間で共有してもらうことで、広告の対象となる商品・サービスに対する興味・関心を持ってもらいやすくなる等、広告配信による効果を向上させることができる。また、例えば、広告配信部624は、関連度が比較的強い二以上のユーザが車両3に乗車している場合、当該二以上のユーザの携帯端末4に対して、共通の嗜好特性、即ち、共通の嗜好ジャンルに属する広告を配信してもよい。また、例えば、広告配信部624は、関連度が比較的強い二以上のユーザが車両3に乗車してデジタルサイネージ端末7に隣接する道路を通過している場合、当該デジタルサイネージ端末7に対して、当該二以上のユーザに共通の嗜好特性、即ち、共通の嗜好ジャンルに属する広告を配信してもよい。これにより、車両3で一緒に移動しているため、共通の嗜好ジャンルの情報が共有され易くなり、更に、広告の対象となる商品・サービスに対する興味・関心を持ってもらいやすくなる等、広告配信による効果を更に向上させることができる。
[広告管理システムの動作の詳細]
次に、図16、図17を参照して、広告管理システム2の動作の詳細について説明する。
まず、図16は、広告管理サーバ6の処理装置62による広告配信処理の一例を概略的に示すフローチャートである。具体的には、発話回数集計DB5200Iに保存される道路リンクごとに集計された、特徴語として抽出された複数の単語のそれぞれの発話回数の集計結果に基づく広告配信処理の具体例である。本フローチャートによる処理は、例えば、広告管理サーバ6に広告が入稿(入力)された場合に開始され、予め規定される当該広告の配信期間において、所定時間間隔で繰り返し実行される。
ステップS1602にて、広告配信部624は、通信処理部621を介して、移動情報管理サーバ5に当該広告のロケーションターゲット情報に基づく所定のエリア内のターゲット道路リンクを問い合わせる。これにより、問い合わせを受け付けた移動情報管理サーバ5の処理装置52は、発話回数集計DB5200Iに基づき、エリア内の複数の道路リンクの中からターゲット道路リンクを抽出し、広告管理サーバ6に抽出結果を返信する。
ステップS1604にて、広告配信部624は、通信処理部621により移動情報管理サーバ5から受信された抽出結果を確認し、抽出されたターゲット道路リンクの有無を判定する。広告配信部624は、抽出されたターゲット道路リンクがある場合、ステップS1606に進み、それ以外の場合、今回の処理を終了する。
ステップS1606にて、広告配信部624は、通信処理部621により、携帯端末4にインストールされる所定のアプリから広告配信のリクエストが受信されたか否かを判定する。広告配信部624は、通信処理部621により携帯端末4からの広告配信のリクエストが受信された場合、ステップS1608に進み、それ以外の場合、今回の処理を終了する。
ステップS1608にて、広告配信部624は、通信処理部621を介して、移動情報管理サーバ5に、広告配信のリクエストの送信元の携帯端末4のユーザが車両3に乗車中であるかを問い合わせる。即ち、広告配信部624は、通信処理部621を介して、移動情報管理サーバ5に、当該携帯端末4がターゲット道路リンクに位置する車両3と乗車紐付き状態であるか否かを問い合わせる。これにより、移動情報管理サーバ5の処理装置52は、利用車両DB5200Eと、乗車中特定部5207の出力結果に基づき、当該携帯端末4が車両3と乗車紐付き状態であるか否かを確認する。また、処理装置52は、地図情報DB5200Aに基づき、当該携帯端末4と乗車紐付き状態にある車両3がターゲット道路リンクに位置しているかを確認し、確認結果を広告管理サーバ6に返信する。
ステップS1610にて、広告配信部624は、通信処理部621により移動情報管理サーバ5から受信される確認結果に基づき、当該携帯端末4がターゲット道路リンクに位置する車両3と乗車紐付き状態であるか否かを判定する。広告配信部624は、当該携帯端末4がターゲット道路リンクに位置する車両3と乗車紐付き状態である場合、ステップS1612に進み、それ以外である場合、今回の処理を終了する。
ステップS1612にて、広告配信部624は、通信処理部621を介して、当該携帯端末4に当該広告を配信し、今回の処理を終了する。これにより、ターゲット道路リンクに位置する車両3に乗車しているユーザの携帯端末4だけに広告を配信することができる。そのため、上述の如く、車両3に乗車中の携帯端末4のユーザに対して、その行動目的に合わせた広告情報を提供することができる。また、併せて、広告のターゲットとしてより適切なユーザだけに広告情報が提供され易くなるため、広告の配信効果の向上を図ることができる。
尚、本例では、携帯端末4から広告管理サーバ6に送信されるリクエストに応じて広告配信を行ったが、広告管理サーバ6側から当該広告をプッシュ配信してもよい。この場合、広告配信部624は、通信処理部621を介して、移動情報管理サーバ5に、プッシュ配信対象の複数の携帯端末4のそれぞれがターゲット道路リンクに位置する車両3に乗車中であるかを問い合わせるとよい。
また、本例では、ターゲット道路リンクに位置する車両3に乗車中のユーザの携帯端末4に広告を配信したが、上述の如く、ターゲットPOIに向かっている車両3に乗車中のユーザの携帯端末4に広告を配信してもよい。
また、本例では、車両3に乗車中のユーザの携帯端末4に広告を配信するが、上述の如く、ターゲット道路リンクに位置する車両3やターゲットPOIに向かう車両3に広告を配信してもよい。この場合、広告配信部624は、通信処理部621を介して、移動情報管理サーバ5に、ターゲット道路リンクに位置する車両3を問い合わせるとよい。これにより、移動情報管理サーバ5の処理装置52は、地図情報DB5200A、プローブ情報DB5200B、及び発話回数集計DB5200Iに基づき、複数の車両3の中からターゲット道路リンクに位置する車両3を抽出し、広告管理サーバ6に返信する。また、広告配信部624は、ターゲット道路リンクに隣接するデジタルサイネージ端末7やターゲットPOIに向かう車両3が通過しているデジタルサイネージ端末7に広告を配信してもよい。この場合、広告配信部624は、通信処理部621を介して、移動情報管理サーバ5にターゲット道路リンクを問い合わせるとよい。これにより、広告配信部624は、移動情報管理サーバ5から返信されるターゲット道路リンクのリンクIDと、サイネージ情報DB6295に登録されるデジタルサイネージ端末7が隣接する道路リンクのリンクIDを照合し、広告配信の対象となるデジタルサイネージ端末7を抽出できる。
続いて、図17は、広告管理サーバ6の処理装置62による広告配信処理の他の例を概略的に示すフローチャートである。具体的には、利用車両DB5200Eの携帯端末4とそのユーザが利用する車両3とを紐づける追加リレーション情報として登録される、特徴語及びその発話回数に基づく広告配信処理の具体例である。本フローチャートによる処理は、例えば、広告管理サーバ6に広告が入稿(入力)された場合に開始され、予め規定される当該広告の配信期間において、所定時間間隔で繰り返し実行される。
ステップS1702にて、広告配信部624は、通信処理部621により、携帯端末4にインストールされる所定のアプリから広告配信のリクエストが受信されたか否かを判定する。広告配信部624は、通信処理部621により携帯端末4からの広告配信のリクエストが受信された場合、ステップS1704に進み、それ以外の場合、今回の処理を終了する。
ステップS1704にて、広告配信部624は、通信処理部621を介して、移動情報管理サーバ5に、当該携帯端末4のユーザが車両3に乗車中であるかを問い合わせる。即ち、広告配信部624は、通信処理部621を介して、移動情報管理サーバ5に、当該携帯端末4が車両3と乗車紐付き状態であるか否かを判定する。これにより、移動情報管理サーバ5の処理装置52は、利用車両DB5200Eと、乗車中特定部5207の出力結果に基づき、当該携帯端末4が車両3と乗車紐付き状態であるか否かを確認し、確認結果を広告管理サーバ6に返信する。
ステップS1706にて、広告配信部624は、通信処理部621により移動情報管理サーバ5から受信される確認結果に基づき、当該携帯端末4が車両3と乗車紐付き状態であるか否かを判定する。広告配信部624は、当該携帯端末4が車両3と乗車紐付き状態である場合、ステップS1708に進み、それ以外の場合、今回の処理を終了する。
ステップS1708にて、広告配信部624は、通信処理部621を介して、移動情報管理サーバ5に、利用車両DB5200Eの当該車両3と当該携帯端末4との間を紐づける追加リレーション情報として登録された複数の単語のうちの発話回数が相対的に上位にある単語(例えば、1位〜5位の単語)を問い合わせる。これにより、移動情報管理サーバ5は、利用車両DB5200Eに登録される、当該車両3と当該携帯端末4との間を紐づける追加リレーション情報の中の発話回数が相対的に上位の単語を抽出し、抽出結果を通信処理部621に返信する。
尚、広告配信部624は、ステップS1704において、併せて、ステップS1708の問い合わせ内容を含む態様で、問い合わせを行ってもよい。この場合、ステップS1704の問い合わせに対する移動情報管理サーバ5から広告管理サーバ6への返信に、当該抽出結果が含まれるため、ステップ1708は省略されてよい。
ステップS1710にて、広告配信部624は、通信処理部621により移動情報管理サーバ5から受信される抽出結果に基づき、発話回数が相対的に上位の単語の嗜好ジャンルが、広告の対象の嗜好ジャンルに適合するかを判定する。例えば、広告配信部624は、上述の如く、発話回数の1位〜5位までの単語のうち、広告の対象が属する嗜好ジャンルと同じ嗜好ジャンルに属する単語が所定数(例えば、3つ)以上ある場合、その適合性がある判断してよい。広告配信部624は、発話回数が相対的に上位の単語の嗜好ジャンルが、広告の対象の嗜好ジャンルに適合している場合、ステップS1710に進み、それ以外の場合、今回の処理を終了する。
ステップS1712にて、広告配信部624は、通信処理部621を介して、当該携帯端末4に当該広告を配信し、今回の処理を終了する。これにより、車両3に乗車中のユーザの携帯端末4であって、車両3に乗車中の発話内容、具体的には、発話回数が相対的に上位にある単語の嗜好ジャンルが、広告の対象の嗜好ジャンルと適合するユーザの携帯端末4だけに広告を配信することができる。そのため、上述の如く、車両3に乗車中の携帯端末4のユーザに対して、その行動目的に合わせた広告情報を提供することができる。また、併せて、広告のターゲットとしてより適切なユーザだけに広告情報が提供され易くなるため、広告の配信効果の向上を図ることができる。
尚、本例では、携帯端末4から広告管理サーバ6に送信されるリクエストに応じて広告配信を行ったが、広告管理サーバ6側から当該広告をプッシュ配信してもよい。この場合、広告配信部624は、通信処理部621を介して、移動情報管理サーバ5に、プッシュ配信対象の複数の携帯端末4のそれぞれが車両3に乗車中であるかを問い合わせるとよい。また、併せて、広告配信部624は、移動情報管理サーバ5に、車両3に乗車中であると確認されたプッシュ配信対象の携帯端末4について、利用車両DB5200Eの当該車両3と当該携帯端末4との間を紐づける追加リレーション情報として登録された複数の単語のうちの発話回数が相対的に上位にある単語を問い合わせるとよい。
また、本例では、車両3に乗車中のユーザの携帯端末4に広告を配信するが、上述の如く、当該携帯端末4のユーザが乗車中の車両3に広告を配信してもよい。この場合、広告配信部624は、通信処理部621を介して、移動情報管理サーバ5に、携帯端末4のユーザが乗車中の車両3と、利用車両DB5200Eの当該車両3と当該携帯端末4とを紐づける追加リレーション情報に登録される複数の単語のうちの相対的に上位の単語を問い合わせるとよい。また、広告配信部624は、当該携帯端末4が乗車中の車両3が通過している道路リンクに隣接するデジタルサイネージ端末7に広告を配信してもよい。この場合、広告配信部624は、通信処理部621を介して、移動情報管理サーバ5に、携帯端末4と乗車紐付き状態にある車両3が通過している道路リンクと、利用車両DB5200Eの当該車両3と当該携帯端末4とを紐づける追加リレーション情報に登録される複数の単語のうちの相対的に上位の単語を問い合わせるとよい。
このように、本実施形態では、発話データ保存処理部5209は、複数の車両3のそれぞれにおける乗員の発話内容を取得し、特徴語抽出部5210は、取得される発話内容から特徴語を抽出する。また、発話時情報取得部5211は、特徴語が発話されたときの車両3の位置に関する情報又は目的地に関する情報を取得し、発話回数集計部5212は、車両3の位置に対応する位置指標(例えば、道路リンク、交差点、エリア等)、又は、車両3の目的地に対応する目的地指標(例えば、POI及びエリア)ごとに、特徴語として抽出される相互に異なる複数の単語ごとの発話回数を集計する。また、現在位置情報取得部5214は、ユーザが乗車している所定の対象車両(車両3)の位置に関する情報を取得し、目的地取得部623は、ユーザが乗車している対象車両の目的地に関する情報を取得する。そして、広告配信部624は、発話回数集計部5212による、対象車両の位置に対応する位置指標(道路リンク等)、又は、対象車両の目的地に対応する目的地指標(POI等)に対する集計結果に基づき、当該ユーザに広告情報を提供する。
これにより、例えば、道路リンク等、車両の位置に対応する位置指標、或いは、例えば、POI等、車両の目的地に対応する目的地指標ごとに、複数の車両3での乗員の発話内容の特徴語として抽出される複数の単語の発話回数が集計される。ここで、車両3の位置に対応する位置指標或いは車両3の目的地に対応する目的地指標ごとに集計される発話回数が比較的多い単語は、その場所を通過する車両3或いはその目的地に向かう車両3の乗員の中で比較的多く話題になっている単語であり、マクロ視点で見たときに、任意の車両3に乗車して移動している任意の乗員の移動目的に関連する単語である可能性が高い。従って、対象車両の位置に対応する位置指標、或いは、対象車両の目的地に対応する目的地指標に対する集計結果を利用することにより、対象車両に乗車しているユーザの具体的な会話内容を認識せずとも、行動目的に合わせた情報提供を行うことができる。
尚、本実施形態では、音声データの取得対象の車両と、広告情報の提供対象であるユーザが乗車している車両(対象車両)は、同じ車両3であるが、別であってもよい。例えば、音声データの取得対象である複数の車両3とは、異なる対象車両に対して、広告情報が配信されてもよい。また、複数の車両3のうちの一部から音声データを取得し、複数の車両3の全てに乗車するユーザを対象として、広告情報の提供が行われてもよい。また、本実施形態では、対象車両(車両3)に乗車しているユーザに広告情報が提供されるが、広告情報以外の情報(例えば、立寄り施設等のレコメンド情報)等が提供されてもよい。
また、本実施形態では、発話回数集計部5212は、車両3の位置に対応する位置指標、又は、車両3の目的地に対応する目的地指標ごとに、特徴語抽出部5210により、所定時点以降の発話内容から特徴語として抽出される相互に異なる複数の単語ごとの発話回数を集計してもよい。
これにより、所定時点以降の比較的新しい発話内容から特徴語として抽出される複数の単語ごとの発話回数が集計される。従って、適宜、所定時点を設定することにより、対象車両の位置に対応する位置指標、或いは、対象車両の目的地に対応する目的地指標に対する最新の状況を反映して、より適切に乗員の行動目的に合わせた情報提供を行うことができる。
また、本実施形態では、広告配信部624は、発話回数集計部5212により、対象車両の位置に対応する位置指標、又は、対象車両の目的地に対応する目的地指標に対して集計される複数の単語ごとの発話回数が相対的に上位にある単語に関連する広告情報をユーザに提供してもよい。
これにより、対象車両に乗車して移動しているユーザの移動目的に関連する情報として、対象車両が通過している場所或いは向かっている目的地に関して集計された発話回数が相対的に上位にある単語に関連する情報(例えば、同じ嗜好ジャンルに属する広告情報)を対象車両のユーザに提供することができる。
尚、発話回数集計部5212により、位置指標又は目的地指標に対して集計された複数の単語ごとの発話回数が相対的に上位の単語は、当該位置指標又は当該目的地指標に対応付ける態様で記憶部5200等に保存されてもよい。そして、広告配信部624は、対象車両の位置に対応する位置指標、又は、対象車両の目的地に対応する目的地指標に対応づけられて記憶部5200等に保存されている単語に関連する情報をユーザに提供してもよい。これにより、位置指標に対応する場所を通過している車両3や目的地指標に対応する目的地に向かう車両3の乗員の中で比較的多く話題になっている単語(特徴語)を、位置指標や目的地指標と対応付けた特徴語マップが記憶部5200等に構築される。従って、広告配信部624は、対象車両に乗車しているユーザの行動目的に合わせた情報として、特徴語マップで対象車両の位置に対応する位置指標或いは対象車両の目的地に対応する目的地指標に対応付けられた単語に関連する広告情報を提供することができる。
また、本実施形態では、広告配信部624は、対象車両が位置する道路の周辺に設置されるデジタルサイネージ端末7に広告情報を配信し、表示させることにより、当該ユーザに広告情報を提供してもよい。
これにより、対象車両が位置する道路の周辺のデジタルサイネージ端末7を介して対象車両に乗車しているユーザに対して移動目的に合わせた情報を提供することができる。また、デジタルサイネージ端末7の表示部は、対象車両の運転者としてのユーザの視界に含まれ易いため、対象車両の運転者に対する情報の把握を促進させることができる。
また、本実施形態では、広告配信部624は、ユーザが所持する携帯端末4又は対象車両(車両3)に広告情報を配信することにより、ユーザに広告情報を提供してもよい。
これにより、対象車両に乗車しているユーザが所持する携帯端末4におけるディスプレイ45への表示或いは対象車両(車両3)における表示装置35への表示等を介して、ユーザの行動目的に合わせた広告情報を提供することができる。
尚、車両3に搭載されるスピーカや携帯端末4に内臓されるスピーカ等からの音声出力により配信された広告情報をユーザに提供(通知)してもよい。
以上、本発明を実施するための形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
<第1変形例>
上述した実施形態において、移動情報管理サーバ5及び広告管理サーバ6の機能は、1つのサーバ(情報提供装置の一例)により実現されてもよいし、その一方の機能の一部がその他方により実現されてもよい。
<第2変形例>
上述した実施形態において、移動情報管理サーバ5及び広告管理サーバ6の機能の一部は、移動情報管理サーバ5及び広告管理サーバ6の双方と通信可能な他のサーバに分担されてもよい。
<第3変形例>
上述した実施形態において、発話データ保存処理部5209及び特徴語抽出部5210の機能は、移動情報管理サーバ5に設けられるが、複数の車両3のそれぞれに設けられる態様であってもよい。この場合、複数の車両3のそれぞれは、DCM31を用いて、発話内容(発話データ)から抽出された特徴語に関する情報を移動情報管理サーバ5にアップロードする。これにより、特徴語の抽出がそれぞれの車両3行われるため、それぞれの車両3の乗員の発話内容がサーバ側に送信されることが無く、それぞれの車両3の乗員のプライバシーにより配慮したシステムを構築することができる。
<第4変形例>
上述した実施形態において、移動情報管理システム1及び広告管理システム2は、利用車両特定部5205及び利用車両DB5200Eを前提とする構成でなくともよい。具体的には、移動情報管理サーバ5及び広告管理サーバ6は、利用車両DB5200Eの代わりに、車両3のユーザ等により、車両3と携帯端末4或いは当該携帯端末4のユーザとの対応関係が予め登録されたデータベース等(不図示)を利用して、上述した処理を実行してもよい。
<第5変形例>
上述した実施形態では、発話回数集計DB5200Iは、車両3に乗車する携帯端末4のユーザに対する情報提供のために利用されるが、他の目的に利用されてもよい。
例えば、発話回数集計DB5200Iは、道路の周辺に設置されるデジタルサイネージや看板の広告の効果検証に利用されてもよい。具体的には、周辺に所定の広告が表示或いは掲示されるデジタルサイネージ或いは看板が設置される所定の道路リンクの一端に接続される一又は複数の道路リンクにおける特徴語の発話回数の集計結果と、他端に接続される一又は複数の道路リンクにおける特徴語の発話回数の集計結果とが比較される。これにより、当該広告を視認する前と視認した後で、当該広告に関連する特徴語(キーワード)の発話回数に変化があるかを把握することが可能であるため、その変化の度合いを分析等することにより、広告の効果検証を行うことができる。
また、例えば、発話回数集計DB5200Iは、目的地としてのPOIと、当該POIに関連キーワード(例えば、広告やパンフレット等で利用されるキャッチフレーズのキーワード等)との相関関係の検証に利用することもできる。具体的には、目的地としての所定のPOIについて集計された特徴語の発話回数の集計結果における所定のキーワードの発話回数の絶対値や他の単語との相対的な発話回数の比較等により、当該キーワードの浸透度等を把握することができる。
また、例えば、発話回数集計DB5200Iは、道路インフラ等の改善点の抽出を目的地として利用されてもよい。具体的には、道路リンクごと、或いは、交差点(ノード)ごとに集計される、特徴語としての複数の単語の中に含まれる乗員の道路を通過したときの感想に関連する単語を収集することにより、道路インフラにおける具体的な改善点の抽出を図ることができる。より具体的には、道路状態が悪い箇所を抽出したり、標識の見にくい場所を抽出したり、交通流の流れの悪い交差点を抽出したり等することができる。