JP6825221B2 - 画像形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成方法に関する。
従来、織物、編物および不織布等の布帛に対して、画像を記録する捺染方法が知られており、近年、捺染に用いるインクを効率良く使用できるという観点などから、インクジェット記録方式の利用が検討されている。このインクジェット記録方式を利用したインクジェット捺染方法では、ヘッドのノズルから液滴状にしたインクを吐出して布帛に付着させることにより、布帛にインク塗膜の画像を形成する。
このようなインクジェット捺染方法に用いるインクは、例えば、顔料や染料などの色材、分散剤(界面活性剤)および溶媒(水、有機溶剤等)などからなる。ここで、色材に染料を用いると、記録される画像の耐光性等の特性に優れない傾向にあるため、色材として顔料を用いる顔料捺染が知られている。この顔料捺染において、より高い発色性や耐擦性が要求されており、これらの要求を満たすべく、REDなどの特色インクの検討も行われている(例えば、特許文献1)。
特開2011−246633号公報
しかしながら、ジケトピロロピロールのような疎水性の高い顔料を用いると、異物や、キャビテーション(吐出エラー)が生じやすく、吐出安定性が確保できないという問題がある。この異物発生は、顔料として用いているジケトピロロピロールの疎水性が高いため、インク中で分散安定性を確保しにくいことに起因している。一方、キャビテーションは、ジケトピロロピロール顔料が微小気泡核を含有してしまっていることに起因すると予想される。
そこで、本発明に係る幾つかの態様は、上述の課題の少なくとも一部を解決することで、インクジェット方式で記録媒体に顔料インクが付与される際に、顔料由来の異物の発生を抑制し、かつ、吐出エラーを低減させて吐出安定性に優れる画像形成方法を提供するものである。
本発明は上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様又は適用例として実現することができる。
[適用例1]
本発明に係る画像形成方法の一態様は、
ジケトピロロピロール顔料と、SP値が13以下の溶剤と、を含有するインクジェットインク組成物を、下記式(1)を満たすピエゾインクジェットヘッドを有する装置を用いて吐出することを特徴とする。
0.13≦{(1打滴あたりの吐出量)/(インク圧力室の容積)}×100 ・・・(1)
適用例1の画像形成方法によれば、上記した特定のインクと特定のヘッドを組み合わせることにより、インクジェット方式で顔料インクが付与される際に、ジケトピロロピロール顔料由来の異物の発生を抑制し、吐出エラーを低減させて吐出安定性に優れる画像形成方法を提供できる。また、顔料としてジケトピロロピロール顔料を用いることにより、捺染分野等において特に要求される発色性や耐擦性が確保された画像を得ることができる。
[適用例2]
上記適用例において、
さらに、前記ピエゾインクジェットヘッドを有する装置は下記式(2)を満たすことができる。
0.13≦{(1打滴あたりの吐出量)/(インク圧力室の容積)}×100≦0.18 ・・・(2)
適用例2によれば、式(2)を満たすヘッドを使用することにより、より吐出安定性に優れた画像形成方法を提供できる。さらに、細線表現を良好とすることができる。
[適用例3]
上記適用例において、
前記溶剤のSP値が9以上であることができる。
適用例3によれば、より吐出安定性に優れる画像形成方法を提供できる。
[適用例4]
上記適用例において、
前記インクジェットインク組成物は、前記溶剤を、前記インクジェットインク組成物全質量に対して0.1質量%以上10質量%以下含有することができる。
適用例4によれば、より、ジケトピロロピロール顔料由来の異物の発生を抑制し、吐出エラーを低減させて吐出安定性に優れる画像形成方法を提供できる。
[適用例5]
上記適用例において、
記録媒体が布帛であることができる。
適用例5によれば、インクジェット方式で布帛に顔料インクが付与される際に、顔料由来の異物の発生を抑制し、吐出エラーを低減させて吐出安定性に優れる画像形成方法を提供できる。また、顔料としてジケトピロロピロール顔料を用いることにより、捺染分野等において特に要求される発色性や耐擦性が確保された画像を得ることができる。
[適用例6]
上記適用例において、
前記インクジェットインク組成物が水性インク組成物であることができる。
適用例6によれば、インクジェット方式で布帛に顔料インクが付与される際に、顔料由来の異物の発生を抑制し、吐出エラーを低減させて吐出安定性に優れる画像形成方法を提供できる。
[適用例7]
上記適用例において、
前記ジケトピロロピロール顔料がピグメントレッド254又はピグメントレッド255
であることができる。
適用例7によれば、インクジェット方式で記録媒体に顔料インクが付与される際に、捺染分野等において特に要求される発色性と耐擦性を確保できる。
[適用例8]
上記適用例において、
前記溶剤がSP値が9.5以上11.5以下である溶剤を含むことができる。
適用例8によれば、より、顔料由来の異物の発生を抑制し、吐出エラーを低減させて吐出安定性に優れる画像形成方法を提供できる。
[適用例9]
上記適用例において、
前記インクジェットインク組成物は、前記溶剤を、前記インクジェットインク組成物全質量に対して0.5質量%以上5質量%以下含有することができる。
適用例9によれば、より、顔料由来の異物の発生を抑制し、吐出エラーを低減させて吐出安定性に優れる画像形成方法を提供できる。
[適用例10]
上記適用例において、
前記インクジェットインク組成物において、前記ジケトピロロピロール顔料の固形分濃度が前記インクジェットインク組成物全質量に対して3質量%以上10質量%以下であることができる。
適用例10によれば、より、顔料由来の異物の発生を抑制し、吐出エラーを低減させて吐出安定性に優れる画像形成方法を提供できる。また、顔料としてジケトピロロピロール顔料を用いることにより、捺染分野等において特に要求される発色性や耐擦性が確保された画像を得ることができる。
本実施形態に係る画像形成方法を行うインクジェット装置の概略斜視図。 インクジェット装置のヘッドを模式的に示す分解斜視図。 インクジェット装置のヘッドの要部の断面の模式図。
以下に本発明の幾つかの実施形態について説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の一例を説明するものである。本発明は以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形形態も含む。なお、以下で説明される構成の全てが本発明の必須の構成であるとは限らない。
1.画像形成方法
本発明の一実施形態に係る画像形成方法は、ジケトピロロピロール顔料と、SP値が13以下の溶剤と、を含有するインクジェットインク組成物を、下記式(1)を満たすピエゾインクジェットヘッドを有する装置を用いて吐出することを特徴とする。
0.13≦{(1打滴あたりの吐出量)/(インク圧力室の容積)}×100 ・・・(1)
以下、本実施形態に係る画像形成方法について、これを実施可能な装置の構成、インク
組成物の順に説明した上で、その工程を詳細に説明する。
1.1.装置構成
本実施形態に係る画像形成方法に用いるインクジェット装置は、インクをノズルから吐出させる方式として、インクに圧電素子で圧力と記録情報信号を同時に加え、インクの液滴を吐出・記録させるピエゾ方式を採用したピエゾインクジェットヘッド(以下、単に「ヘッド」ともいう。)を有する。このようなインクジェット装置は、例えば、インク組成物を吐出するノズルと、このインク組成物に圧力を付与してノズルから吐出させる圧力室と、圧力室とノズルとを接続する接続部と、を備えるピエゾインクジェットヘッドを備えている。
以下、本実施形態で用いるピエゾインクジェットヘッドを有する装置について、インクカートリッジがキャリッジに搭載されたオンキャリッジタイプのプリンターを例に挙げて説明するが、本発明で用いられるピエゾインクジェットヘッドを有する装置は、オンキャリッジタイプのプリンターであることに限定されるものではなく、インクカートリッジがキャリッジに搭載されないで外部に固定された、オフキャリッジタイプのプリンターであってもよい。
また、以下の説明に用いるプリンターは、所定の方向に移動するキャリッジにヘッドが搭載されており、キャリッジの移動に伴ってヘッドが移動することにより記録媒体上に液滴を吐出するシリアルプリンターであるが、本発明で用いられるインクジェット装置はシリアルプリンターに限定されるものではなく、ヘッドが記録媒体の幅よりも広く形成され、ヘッドが移動せずに記録媒体上に液滴を吐出するラインプリンターであってもよい。
以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
図1は、本実施形態に係る画像形成方法を行うピエゾインクジェットヘッドを有する装置の一例であるプリンター200を示す概略斜視図であり、プリンター200は記録媒体Pに記録を行う。記録媒体Pとして布帛を用いることで、インクジェット捺染を行うことができる。本実施形態において記録媒体としては布帛を用いることが好ましい。記録媒体として布帛を用い、顔料としてジケトピロロピロール顔料を用いることにより、捺染分野において特に要求される、発色性や耐擦性が確保された画像を得ることができる。
図1に示すように、プリンター200は、ピエゾ型のインクジェットヘッド(ヘッド)100と、ヘッド100を搭載するとともにインクカートリッジ231を着脱可能に装着するキャリッジ232と、キャリッジ232を媒体幅方向に往復移動させる主走査機構235と、記録媒体を媒体送り方向に移送するプラテンローラー236と、を有する。プリンター200は、当該プリンター200全体の動作を制御する制御部(図示せず)を更に有する。ここにおいて、媒体幅方向とは、主走査方向(ヘッド走査方向)であり、媒体送り方向とは、副走査方向(主走査方向に直交する方向)である。
主走査機構235は、キャリッジ232に接続されたタイミングベルト238と、タイミングベルト238を駆動するモーター239と、主走査方向に架設された支持部材であるガイド軸240と、を備える。キャリッジ232は、タイミングベルト238を介してモーター239によって駆動され、ガイド軸240に沿って主走査方向に往復移動するものである。この往復移動の際に、ヘッド100から所定のタイミングでインクが吐出され、記録媒体Pへの印刷が行われる。
ヘッドユニット230は、後述するヘッド100から構成されるインクジェット式の記
録ヘッドを有する。ヘッドユニット230は、さらに、ヘッド100にインクを供給するインクカートリッジ231と、ヘッド100及びインクカートリッジ231を搭載した運搬部(キャリッジ)232とを備える。
本実施形態では、ヘッド100及び記録媒体Pがいずれも移動しながら印刷が行われる例を示しているが、プリンター200は、ヘッド100及び記録媒体Pが互いに相対的に位置を変えて記録媒体Pに印刷される機構であればよい。
なお、例示しているプリンター200は、1つのヘッド100を有し、このヘッド100によって、記録媒体Pに印刷を行うことができるものであるが、複数のヘッドを有してもよい。プリンター200が複数のヘッドを有する場合には、複数のヘッドは、それぞれ独立して上述のように動作されてもよいし、複数のヘッドが互いに連結されて、1つの集合したヘッドとなっていてもよい。このような集合となったヘッドとしては、例えば、複数のヘッドのそれぞれのノズル孔が全体として均一な間隔を有するような、ライン型のヘッドを挙げることができる。
1.1.1.ピエゾインクジェットヘッド
図2は、プリンター200におけるヘッド100を模式的に示す分解斜視図であり、図1に示したプリンター200に搭載される状態とは上下を逆に示したものである。図3は、ヘッド100の要部の断面の模式図であり、インクの吐出動作の際のインク供給室40からノズル12までのインクの流れを、破線矢印で模式的に示してある。
なお、図2及び図3では、圧電素子32は簡略化して図示されている。また、本実施形態ではヘッド100は連通板110とカバー150を備える構成であるが、図2では省略されている。
図2に示すように、ヘッド100は、記録媒体と対向する面に複数のノズル孔12を有するノズルプレート10と、ノズルプレート10に形成された複数のノズル孔12のそれぞれに連通する複数の圧力室20と、複数の圧力室20のそれぞれの容積を変化させる振動板30と、複数の圧力室20にインクを供給するインク供給室40と、筐体130を備える。
ノズルプレート10は、インクを吐出するための複数のノズル孔12を有し、これらの複数のノズル孔12は列状に配列されており、ノズルプレート10表面にノズル面13が形成されている。ノズルプレート10に設けられるノズル孔12の数は、特に限定されない。本実施形態で用いられるヘッド100では、ノズル孔12の列方向におけるノズル密度は、200dpi以上であることが好ましい。すなわち、配列されたノズル孔12の隣り合うノズル孔12の間隔は、127μm以下であることが好ましい。ノズル密度を200dpi以上とすることにより、液滴を微小化した場合であっても、総インク打ち込み量を維持することができ、画像の隠蔽性を維持することができる。より好ましくは、ノズル密度は240dpi以上であり、さらに好ましくは250dpi以上、より好ましくは300dpi以上、さらに好ましくは400dpi以上、もっとも好ましくは500dpi以上である。ノズル密度の上限値は、好ましくは2000dpi以下であり、より好ましくは1000dpi以下である。
ノズルプレート10の材質としては、例えば、シリコン、ステンレス鋼(SUS)などを挙げることができる。また、ノズルプレート10の材質としては、鉄(Fe)を主成分(50%以上)として、クロム(Cr)を10.5%以上含む合金であると、剛性や錆び難さを両立できるためより好ましい。ノズルプレート10の厚みは特に限定されないが、例えば、好ましくは50μm以下、より好ましくは20μm以下、さらに好ましくは1μ
m以上10μm以下である。
ヘッド100は、圧力室20を形成するための圧力室基板120を備え、圧力室基板120の材質としては、例えば、シリコンなどが挙げられる。図3に示すように、圧力室基板120は、ノズルプレート10との間に流路形成基板としての連通板110を備える。連通板110がノズルプレート10と圧力室基板120との間の空間を区画することにより、インク供給室40(液体貯留部)と、インク供給室40と連通する供給口126と、供給口126と連通する圧力室20と、が形成される。すなわち、インク供給室40、供給口126及び圧力室20は、ノズルプレート10、連通板110、圧力室基板120及び振動板30とによって区画されている。
連通板110は、圧力室20からノズル孔12に連通する連通孔127を有する。連通板110がノズルプレート10と接触する面に形成された連通孔127の端部には、インクの吐出口128が形成されている。吐出口128は、ノズルプレート10に形成されたノズル孔12に連通している。
振動板30は圧力室基板120に接して設けられ、振動板30に接して圧電素子32が形成されている。圧電素子32は、圧電素子駆動回路(図示せず)に電気的に接続され、圧電素子駆動回路の信号に基づいて動作(振動、変形)することができる。振動板30は、圧電素子32の動作によって変形し、圧力室20の容積を変化させることで圧力室20の内部圧力を変化させることができる。圧電素子32としては、特に限定されないが、例えば、電圧を印加することによって変形を生じる種の素子(電気機械変換素子)を挙げることができる。このように、本実施形態では、圧電素子32と振動板30とによって圧電アクチュエーター34が構成されている。
なお、この例では、圧力室20は、連通板110、圧力室基板120及び振動板30によって区画されているが、圧力室20は、振動板30の振動によって容積が変化され得る限り、適宜の部材によって形成されることができ、そのための部材の数、形状、材質等は任意である。また、振動板30は、圧電素子32を構成する電極(例えば、Pt等で形成される。)と一体的であってもよい。
本実施形態において、ヘッド100は、ノズル孔12間の間隔が127μm以下であるため、圧電素子32としては、2つの電極の間に圧電材料が配置された構成であることが好ましい。すなわち、圧電アクチュエーター34は、例えば、振動板30に対して、一方の電極、圧電材料(例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛))の層、及び他方の電極が順次積層された全体として薄膜状の態様であることが好ましい。
振動板30の材質についても特に限定されないが、例えば、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)、酸化窒化シリコン(SiON)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化チタン(TiO)、炭化ケイ素(SiC)、及びそれらの材質からなる層の積層体等を挙げることができる。振動板30の材質としては、ヤング率が250Gpa以下のものが、変位を大きくできる点、及び破損を生じにくい点でより好ましく、例えば、ZrO(150GPa)、SiO(75GPa)、Si(130GPa)、SUS(199GPa)、Cr(248GPa)を含んで形成されることがより好ましい(括弧内はヤング率)。また、圧電素子32の電極がPtで形成され、振動板30と一体的に積層されている場合には、ヤング率はPtが168GPa、ZrOが150GPaであるため、組み合わせても250GPa以下となるためそのように構成してもよい。
なお、本明細書において、ヤング率とは、静的試験(JIS G0567J等)(機械的試験)で測定されるヤング率を指し、例えば、II−6号試験片を用いて測定される。
更に、ヘッド100は、インク流路の一部を形成する部材として、コンプライアンスシート140と、圧電素子32を収容するカバー150を備える。コンプライアンスシート140は、連通板110との間に、インク供給室40と連通する供給口126を形成する。また、コンプライアンスシート140は可撓性の弾性膜であり、インクの吐出や流通のためのダンパーとしての機能や、インクの体積が膨張した場合に、変形することによってヘッド100の破損を抑制する機能を有している。
コンプライアンスシート140は、弾性を有する膜であれば特に限定されないが、例えば、高分子膜、薄膜にした金属、ガラスファイバー、カーボンファイバー等が用いられる。高分子膜の材質としては、特に限定されないが、ポリイミド、ナイロン、ポリオレフィン、ポリフェニレンスルファイト等が挙げられ、ポリフェニレンスルファイトで形成されることがより好ましい。また、金属としては、例えば、鉄やアルミニウムを含む材料が挙げられる。
コンプライアンスシート140の厚みは、特に限定されないが、例えば、50μm以下が好ましく、より好ましく20μm以下、さらに好ましくは1μm以上10μm以下である。コンプライアンスシート140は、薄膜にしすぎるとインク吐出時に振動が大きくなり、残留振動が多く発生する場合がある。
本実施形態では、インク供給室40、供給口126、圧力室20および連通孔127を区別して説明しているが、これらはいずれも液体の流路であって、圧力室20が形成される限り、流路はどのように設計されても構わない。例えば、図示の例では供給口126として、流路の一部が狭窄された形状を有しているが、そのような流路の拡大縮小は、設計にしたがって任意に形成することができ、また必ずしも必須の構成ではない。
上記構成によって形成される圧力室20は、連通板110と、圧力室基板120と、振動板30とによって区画される空間であり、供給口126、連通孔127、吐出口128及びノズル孔12を含まない空間のことをいう。つまり、振動板30、圧力室基板120、連通板110などのインクに圧力を付与する部分(圧力室20の壁の変形や発熱する部分)と対向する空間、および、該空間に隣接し、インクが移動する方向に対する断面の断面積が該空間と等しい空間を圧力室20とし、圧力室20の容積はこの容積である。このように、圧力室20は、振動板30の変位によって容積が変化する空間であり、係る空間に連通する狭窄された流路等を含まない空間と定義する。
上記したように、連通孔127は圧力室20からノズル孔12に連通している。本発明においては、圧力室からノズル側へインクが流出する部分からノズルまでの部分、すなわち、図3の例では、連通孔127、ノズル孔12、及びこれらを接続する全ての部分、を接続部132と定義する。したがって、接続部132の距離とは、図3の例では、接続部132が連通板110の厚み方向と平行に貫通するように設けられているので、連通板110の厚み方向の長さd1とノズルプレート10の厚み方向の長さd2の和に等しくなる。
本実施形態では、例えば、連通板110の厚み方向の長さd1とノズルプレート10の厚み方向の長さd2の長さの和、つまり、d1+d2が500μm以上であることが好ましい。このように、接続部132の距離が長い構成とすることにより、ノズル面13からインクの乾燥が進むことを防止できる。これにより、インク塗膜の洗濯堅牢度を高めるためにインク中の樹脂の含有量を多くした場合であっても間欠性が損なわれない。また、インクとして、例えば、インク中の樹脂の含有量が多くなった場合においても、吐出の際にミストが多くなることによるノズル面13の汚れやインクの裏抜けが防止され、発色性に
優れるインクジェット捺染物を提供できる。
なお、図3に示す例では、ノズルプレート10と連通板110が積層され、ノズル孔12及び連通孔127が異なる部材により形成されているが、ノズルプレートと連通板が単一の部材で形成されていてもよい。ノズルプレートと連通板が単一の部材で形成されている場合においても、接続部132は、圧力室からノズル側へインクが流出する部分からノズルまでの部分となる。この場合においても、接続部の距離が500μm以上である場合には、ノズル面からインクの乾燥が進むことを防止できる。
接続部132の距離は、500μm以上3000μm以下であることが好ましく、700μm以上2500μm以下であることがより好ましく、更には900μm以上1500μm以下であることが好ましい。なお、連通孔がノズルプレート10に対して斜めに伸びている場合にも、連通孔の長さは連通孔に沿った長さであり、この場合には連通板110の厚み方向の長さd1よりも長くなる。つまり、圧力室20と連通孔の境界から連通孔の中を通ってノズル孔12までに到る最短の距離が連通孔の長さとなり、接続部の距離は、この連通孔の長さに、ノズル孔12及びこれらを接続する全ての部分の長さを足した長さとなる。
圧力室の1つ当たりの圧力室および接続部の容積の合計、つまり、本実施形態において、圧力室20と連通孔127とノズル孔12の容積の合計は、4200pl以上6200pl以下であることが好ましく、4500pl以上5500pl以下であることがより好ましい。この場合には、よりノズル面13からインクの乾燥が進むことを防止することができる。
この場合において、圧力室20の1つ当たりの容積が3700pl以下であることが好ましく、3500pl以下であることがより好ましい。更に好ましくは3300pl以下であり、より好ましくは3000pl以下である。圧力室20の1つ当たりの容積の下限値は、好ましくは1500pl以上であり、より好ましくは2000pl以上である。圧力室20の容積が3700pl以下であることにより、連通孔127の容積を充分に確保することができるため、ノズル面13からインクの乾燥が進むことを効果的に防止することができる。
インク供給室40は、外部(例えば、インクカートリッジ)から、振動板30に設けられた貫通孔129を通じて供給されるインクを一時貯留することができる。インク供給室40内のインクは、供給口126を介して、圧力室20に供給されることができる。圧力室20は、振動板30の変形により容積が変化する。圧力室20は連通孔127を介してノズル孔12と連通しており、圧力室20の容積が変化することによって、ノズル孔12からインクが吐出されたり、インク供給室40から圧力室20にインクが導入されたりすることができる。ここで、ノズル孔12のノズル径は、画質を優れたものにする点や、間欠性やミスト低減の点で、好ましくは5μm以上100μm以下であり、より好ましくは10μm以上60μm以下であり、さらに好ましくは10μm以上40μm以下である。
筐体130は、図2に示すように、ノズルプレート10、圧力室基板120及び圧電素子32を収納することができる。筐体130の材質としては、例えば、樹脂、金属などを挙げることができる。筐体130は、圧電素子32を外部環境から隔てる機能を有してもよい。また、筐体130には、不活性ガス等が封入されたり、筐体130内が減圧されてもよく、これにより、圧電材料の劣化等を抑制することができる。
カバー150は、筐体130とは別部材として構成されている。カバー150は、振動板30に接して設けられ、圧電素子32を収容する空間を形成し、圧電素子32を当該空
間に収納している。カバー150の材質は、上述の筐体130の材質と同様である。上記筐体130は圧電素子32を覆うカバーとなっているが、カバー150は圧電素子32を外部環境から隔てる機能を有し、カバー150によって形成される空間に不活性ガス等が封入されたり、当該空間が減圧されてもよい。これにより、圧電素子32の圧電材料の劣化等を抑制することができる。この場合に、筐体130は、ヘッド100の支持体として機能してもよい。
以上例示したヘッド100は、プリンター200に搭載された場合に、ノズルプレート10が布帛Pに向かって配置され、ノズルプレート10が大気(外気)と直接に接することになる。また、本実施形態のヘッド100は、筐体130およびカバー150を有するため、圧電素子32及び振動板30が実質的に外気と接触しない構造である。
本実施形態において、ヘッド100は、下記式(1)を満たす。
0.13≦{(1打滴あたりの吐出量)/(インク圧力室の容積)}×100 ・・・(1)
ヘッド100が式(1)を満たすことにより、後述する疎水性の高いジケトピロロピロール顔料由来の異物の発生を抑制し、吐出エラーを低減させて吐出安定性に優れる画像形成方法を提供できる。また、式(1)を満たすヘッドを用いることにより、細線表現を良好とすることが可能となる。
なお、上記式(1)中、1打滴あたりの吐出量は体積流量であり、1打滴あたりの吐出量は、振動板の変位により1打滴を吐出する際のインク圧力室の容積減少量(排除体積)に略相当する。また、上記式(1)中、1打滴とは、ヘッド100から液体を吐出させた際の液1滴をいい、記録媒体表面に着弾する前に複数の液滴が合体するものは含まない。
また、上記式(1)中、インク圧力室の容積は、インクに圧力を付与する部分と対向する空間、および、該空間に隣接し、インクがノズルに向かって移動する方向の空間の容積の合計である。つまり、インク圧力室の容積とは、振動板の変位によって容積が変化する空間と、係る空間に連通する狭窄された流路等を含む空間との容積の合計である。したがって、本実施形態においては、インク圧力室の容積は、圧力室の1つ当たりの圧力室および接続部の容積の合計、つまり、圧力室20と連通孔127とノズル孔12の容積の合計がインク圧力室の容積である。
さらに、ピエゾインクジェットヘッドを有する装置は、下記式(2)を満たすことが好ましい。
0.13≦{(1打滴あたりの吐出量)/(インク圧力室の容積)}×100≦0.18 ・・・(2)
本実施形態では、上記式(2)を満たすことにより、キャビテーションの発生をより好適に抑えることができ、吐出エラーを低減させて吐出安定性に優れる画像形成方法を提供できる。なお、上記式(2)中、1打滴あたりの吐出量、インク圧力室の容積の定義は式(1)と同様である。
ここで、本実施形態に係る画像形成方法では、上記のインクジェット装置において、以下に説明するインク組成物を用いて画像形成を行う。画像形成はインクジェット捺染による画像形成であることが好ましい。
1.2.インク組成物
本発明の一実施形態に係る画像形成方法に用いられるインク組成物は、ジケトピロロピロール顔料と、SP値が13以下の溶剤と、を含有することを特徴とする。
以下、本実施形態に係る画像形成方法に用いるインク組成物(以下、単に「インク」ともいう。)に含まれる成分について詳細に説明する。
1.2.1.顔料
本実施形態に係る画像方法に用いるインクは、顔料としてジケトピロロピロール顔料を含有する。ジケトピロロピロール顔料は疎水性の高い顔料であり、分散安定性に劣る傾向にあるが、捺染分野等において特に要求される発色性や耐擦性が確保された画像を得ることができる。
ジケトピロロピロール顔料としては、例えば、レッド系顔料とオレンジ系顔料が挙げられる。
レッド系顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントレッド264、C.I.ピグメントレッド270、及びC.I.ピグメントレッド272のような有機顔料が挙げられる。これらの中でも、より優れた発色濃度の記録物を得る観点から、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、及びC.I.ピグメントレッド264のレッド系の有機顔料が好ましく、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントレッド254がより好ましく、C.I.ピグメントレッド254がさらに好ましい。
C.I.ピグメントレッド254は、CAS登録番号84632−65−5のジケトピロロピロール系顔料であり、化学式はC1810Clであり、化学名は、3,6−ビス(4−クロロフェニル)−2,5−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−1,4−ジオンである。C.I.ピグメントレッド254は、市販品を利用することもでき、例えば、日本チバガイギー株式会社の「DPP Red BP P」、東京化成工業株式会社の「ピグメントレッド254」等として入手することができる。
C.I.ピグメントレッド255は、CAS登録番号54660−00−3のジケトピロロピロール系顔料であり、化学式はC1812であり、化学名は、3,6−ジフェニル−2,5−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−1,4−ジオンである。C.I.ピグメントレッド255は、市販品を利用することもでき、例えば、東京化成工業株式会社の「ピグメントレッド255」、日本チバガイギー株式会社の「DPP Scarlet EK」等として入手することができる。
C.I.ピグメントレッド264は、CAS登録番号88949−33−1のジケトピロロピロール系顔料であり、化学式はC3020であり、化学名は、3,6−ビス(4−ビフェニリル)ピロロ[3,4−c]ピロール−1,4−ジオンである。C.I.ピグメントレッド264は、市販品を利用することもでき、例えば、日本チバガイギー株式会社の「Irgazin DPP Rubine FTX」、「Microlen
DPP Rubine TR」等として入手することができる。
オレンジ系顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ71、C.I.ピグメントオレンジ73、及びC.I.ピグメントオレンジ81が挙げられる。
C.I.ピグメントオレンジ71は、CAS登録番号71832−85−4のジケトピロロピロール系顔料であり、化学式はC2010であり、化学名は、3,6−ビス(3−シアノフェニル)−2,5−ジヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロール−1,4−ジオンである。C.I.ピグメントオレンジ71は、市販品を利用することもでき、例えば、日本チバガイギー株式会社の「DPP Orange TA」、Clariant社の「Cromophtal Orange」、BASF社の「Orange TRP
」等として入手することができる。
C.I.ピグメントオレンジ73は、CAS登録番号84632−59−7のジケトピロロピロール系顔料であり、化学式はC2628であり、化学名は、3,6−ビス[4−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]−2,5−ジヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロール−1,4−ジオンである。C.I.ピグメントオレンジ73、81は、市販品を利用することもできる。
本実施形態に係る画像方法に用いるインクは、インクジェットインク組成物の全質量に対してジケトピロロピロール顔料の固形分濃度が3質量%以上10質量%以下であることが好ましい。ジケトピロロピロール顔料の固形分濃度が3質量%以上10質量%以下であることにより、後述の溶剤およびヘッドとの組み合わせにより、顔料由来の異物の発生を抑制し、吐出エラーを低減させて吐出安定性に優れる画像形成方法を提供することができる。また、捺染分野において要求される発色性や耐擦性が確保された画像を得ることができる。なお、ジケトピロロピロール顔料の固形分濃度は、3.5質量%以上8質量%以下であることがより好ましく、5質量%以上7質量%以下であることがさらに好ましい。
また、本実施形態で用いられるインクは、ジケトピロロピロール顔料以外の顔料を含有してもよい。ジケトピロロピロール顔料以外の顔料とは、特に限定されないが、例えば、有機顔料および無機顔料のいずれも使用することができ、いずれの色の顔料も使用できる。
ジケトピロロピロール顔料以外の顔料としては、例えば、アゾ系、フタロシアニン系、縮合多環系、ニトロ系、ニトロソ系、中空樹脂粒子、及び高分子粒子などの有機顔料(ブリリアントカーミン6B、レーキレッドC、ウォッチングレッド、ジスアゾイエロー、ハンザイエロー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、アルカリブルー、アニリンブラック等);コバルト、鉄、クロム、銅、亜鉛、鉛、チタン、バナジウム、マンガン、及びニッケル等の金属類、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アンチモン、硫化亜鉛、及び酸化ジルコニウム等の金属酸化物及び硫化物、並びにファーネスカーボンブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、及びチャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、さらには黄土、群青、及び紺青等の無機顔料を用いることができる。
更に詳しくは、ブラック系の顔料として使用できるカーボンブラックとしては、例えば、MCF88、No.2300、2200B、900、33、40、45、52、MA7、8、100等(以上、三菱化学社製、商品名)、Raven 5750、5250、5000、3500、1255、700等(以上、コロンビアカーボン社製、商品名)、Rega1 400R、330R、660R、Mogul L、Monarch 700、800、880、900、1000、1100、1300、1400等(以上、キャボット社製、商品名)、Color Black FW1、FW2、FW2V、FW18、FW200、S150、S160、S170、Printex 35、U、V、140U、Special Black 6、5、4A、4等(以上、デグッサ社製、商品名)等が挙げられる。
ホワイト顔料としては、C.I.ピグメントホワイト 1(塩基性炭酸鉛)、4(酸化亜鉛)、5(硫化亜鉛と硫酸バリウムの混合物)、6(酸化チタン),6:1(他の金属酸化物を含有する酸化チタン)、7(硫化亜鉛)、18(炭酸カルシウム),19(クレー)、20(雲母チタン)、21(硫酸バリウム)、22(天然硫酸バリウム)、23(グロスホワイト)、24(アルミナホワイト)、25(石膏)、26(酸化マグネシウム・酸化ケイ素)、27(シリカ)、28(無水ケイ酸カルシウム)等が挙げられる。
イエロー系の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー 1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、16、17、24、34、35、37、53、55、65、73、74、75、81、83、93、94、95、97、98、99、108、109、110、113、114、117、120、124、128、129、133、138、139、147、151、153、154、167、172、180等が挙げられる。
マゼンタ系の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、40、41、42、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、88、112、114、122、123、144、146、149、150、166、168、170、171、175、176、177、178、179、184、185、187、202、209、219、224、245、C.I.ピグメントバイオレット 19、23、32、33、36、38、43、50等が挙げられる。
シアン系の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー 1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:34、15:4、16、18、22、25、60、65、66等が挙げられる。
マゼンタ、シアン、及びイエロー以外の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントグリーン 7、10、C.I.ピグメント ブラウン 3、5、25、26、C.I.ピグ
メント オレンジ 1、2、5、7、13、14、15、16、24、34、36、38
、40、43、63等が挙げられる。
以上述べた顔料は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本実施形態で用いられるインクに含まれるジケトピロロピロール顔料以外の顔料の含有量は、使用する顔料種により異なるものの、顔料全体の分散性が損なわれず、良好な発色性を確保すること等の理由により、ジケトピロロピロール顔料との和が、インクの全質量に対して、1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、3質量%以上15質量%以下であることがより好ましく、5質量%以上10質量%以下がさらに好ましい。
顔料は、インク中での分散性を高めるという観点から、表面処理を施した顔料であってもよいし、分散剤等を利用した顔料であってもよい。
表面処理を施した顔料とは、物理的処理または化学的処理によって顔料表面に、カルボキシル基、スルホン酸基等の親水性基を、直接または間接的に結合させて水性溶媒中に分散可能としたものである(以下、「自己分散型の顔料」ともいう。)。
また、分散剤を利用した顔料とは、界面活性剤や樹脂により顔料を分散させたものであり(以下、「ポリマー分散型顔料」ともいう。)、界面活性剤や樹脂としてはいずれも公知の物質を使用することが可能である。また、「ポリマー分散型顔料」の中には、樹脂により被覆された顔料も含まれる。樹脂により被覆された顔料は、酸析法、転相乳化法、及びミニエマルション重合法などにより得ることができる。
1.2.2.樹脂
本実施形態で用いるインクは、樹脂を含有することが好ましい。樹脂を含有することにより、インクと布帛の密着性を向上できるので、記録される画像の耐擦性を向上すること
ができる。
本実施形態で用いられるインクは、布帛に対する記録に好適に用いることができる。ここで、布帛は、伸縮しやすい性質を備えるため、記録される画像、すなわちインクにより形成されるインク膜も伸縮しやすい(伸張しやすい)ものであることが好ましい。すなわち、インク膜が布帛の伸縮に追随して伸縮できる伸度を有することにより、インク膜の破断、ひび割れを防ぎ、洗濯・摩擦堅牢度を確保することができる。こうした観点から、本実施形態で用いられるインクに含まれる樹脂の皮膜伸度は、400%以上1200%以下であることが好ましく、500%以上1200%以下であることがより好ましく、600%以上1200%以下であることがさらに好ましく、700%以上1200%以下であることが特に好ましい。樹脂の皮膜伸度が上記範囲内、とりわけ下限を下回らずにあることで、布帛の伸縮に対して追従性の良好な画像を形成できる。また、樹脂の皮膜伸度が上記範囲内、とりわけ上限を超えずにあることで、インク膜の粘性を適度な範囲に保ち、布帛に対するアンカー効果の低下を抑制できるので、定着性の低下を抑制しつつ、洗濯・摩擦堅牢度(耐擦性)にも良好な画像を形成できる。
樹脂の皮膜伸度は、次のようにして測定したものである。まず、乾燥後の膜厚が500μmになるように、ポリテトラフルオロエチレンシート上に樹脂を塗布し、常温(20℃)・常圧(65%RH)で15時間乾燥し、さらに80℃で6時間、および120℃で20分の乾燥を行った後、シートから剥離して、樹脂フィルムを作成する。そして、引っ張り試験機を用いて、測定温度20℃、測定スピード200mm/minの条件で、得られた樹脂フィルムの皮膜伸度を測定する。皮膜伸度の測定は、樹脂フィルムを伸長させて樹脂フィルムが破断するまでに伸長する長さを測定し、その割合をパーセントで皮膜伸度として表す。なお、引っ張り試験機としては、例えば、テンシロン万能試験機RTC−1225A(商品名、株式会社オリエンテック製)や、これに準ずるものを使用できる。
また、樹脂は、インク膜の破断、ひび割れを防ぎ、洗濯・摩擦堅牢度を確保することができる点で、ガラス転移点(Tg)が、0℃以下が好ましく、−10°以下がより好ましくい。また、ガラス転移点(Tg)の下限は、−80℃以上が好ましい。また、第1インクに含まれる樹脂は、インク膜の破断、ひび割れを防ぎ、洗濯・摩擦堅牢度を確保することができる点で、最低像膜温度(MFT)が、0℃以下が好ましく、−10°以下がより好ましい。また、最低像膜温度の下限は、−80℃以上が好ましい。
樹脂は、皮膜の耐擦性、密着性、インクの保存安定性を向上できる等の観点から、エマルジョンであることが好ましい。本実施形態に係るインクに含まれる樹脂は、水に安定に分散させるために必要な親水成分が導入された自己乳化型のものでもよいし、外部乳化剤の使用により水分散性となるものでもよいが、後述する前処理剤に含まれる多価金属化合物との反応を阻害しないという観点から、乳化剤を含まない自己乳化型の分散体(自己乳化型のエマルジョン)であることが好ましい。
樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、スチレンアクリル系樹脂、フルオレン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ロジン変性樹脂、テルペン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン酢酸ビニル系樹脂等を用いることができる。これらの樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。これらの中でも、設計の自由度が高く、それゆえ所望の皮膜物性(上記の皮膜伸度)を得やすいことから、ウレタン系樹脂およびアクリル系樹脂から選択される少なくとも1種を用いることが好ましく、ウレタン系樹脂を用いることがより好ましい。
ウレタン系樹脂としては、ウレタン骨格を有し水分散性を有するものであれば特に限定
はされず、例えば、スーパーフレックス 460、460s、840(商品名、第一工業製薬株式会社製)、レザミン D−1060、D−2020、D−4080、D−4200、D−6300、D−6455(商品名、大日精化工業株式会社製)、タケラック WS−6021、W−512−A−6(商品名、三井化学ポリウレタン株式会社製)、サンキュアー2710(商品名、LUBRIZOL社製)、などの市販品を用いてもよい。
また、ウレタン系樹脂は、インクの保存安定性の観点や、後述する前処理剤に多価金属化合物を含む場合にこれとの反応性を向上させるという観点から、カルボキシ基、スルホ基、ヒドロキシ基等のアニオン性の官能基を有する、アニオン性のウレタン系樹脂であることが好ましい。上述の市販品のうち、アニオン性のウレタン系樹脂としては、第一工業製薬(株)製のスーパーフレックス460、460s、840等;三井化学ポリウレタン(株)製のタケラックWS−6021、W−512−A−6等が挙げられる。
また、ウレタン系樹脂としては、ウレタン結合以外に、主鎖にエーテル結合を含むポリエーテル型ウレタン樹脂、主鎖にエステル結合を含むポリエステル型ウレタン樹脂、主鎖にカーボネート結合を含むポリカーボネート型ウレタン樹脂、などを使用できる。これらのウレタン樹脂は、複数種を組み合わせて使用することができる。
アクリル系樹脂としては、アクリル酸、アクリル酸エステルなどのアクリル系単量体の重合体や、アクリル系単量体と他の単量体との共重合体などが使用可能であり、他の単量体としてはスチレンなどのビニル系単量体があげられる。アクリル系樹脂としては、市販品を用いてもよく、例えばモビニール702、7502、7525、7320(日本合成化学株式会社製)などがあげられる。
樹脂の含有量は、インクの全質量に対して、固形分換算で、3質量%以上20質量%以下であり、5質量%以上15質量%以下であることが好ましく、7質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。インク中における樹脂の含有量が上記範囲内、とりわけ下限を下回らずにあることで、樹脂がインクの定着性を向上させる効果を十分に発揮できるので、記録される画像の耐擦性が向上し、得られたインク塗膜の洗濯堅牢性が向上する。また、上限を超えずにあることで、樹脂に起因する凝集物の発生が抑制できるので、インクの保存安定性や吐出安定性が優れたものとなる。
また、得られたインク塗膜の洗濯堅牢度を確保する観点から、樹脂の固形分の総含有量に対する有機溶剤の総含有量の比が0.3以上であり、0.4以上3以下であることが好ましく、0.5以上2.7以下であることがより好ましく、上限値は2.5以下であることがさらに好ましく、2以下であることがいっそう好ましい。さらに、1.5以下であることが好ましく、1.2以下であることがより好ましく、0.8以下であることがさらに好ましい。さらに、得られたインク塗膜の洗濯堅牢度を確保する観点から、樹脂の固形分の総含有量と有機溶剤の総含有量の合計がインク組成物に対し37質量%以下であり、15質量%以上35質量%以下であることが好ましく、18質量%以上33質量%以下であることがより好ましい。また、下限値は22質量%以上であることがより好ましく、27質量%以上であることがさらに好ましく、30質量%以上であることがもっとも好ましい。
1.2.3.凝集剤
非白色の布帛へ画像の記録を行う場合には、非白色の布帛上での画像の視認性を良くするために、酸化チタン等の白色系の顔料を含む白色インクを用いて記録が行われる。しかし、非白色の布帛は、布帛へインクが浸透した場合のインクの発色性や布帛の隠蔽性の低下が大きく、記録される画像の発色性、布帛の隠蔽性が不十分になる傾向がある。このため、非白色の布帛への画像の形成に用いるインクにより得られる画像の発色性、布帛の隠
蔽性を高めるという観点から、インク成分を凝集または増粘させる凝集剤を含むことが好ましい。
凝集剤としては、例えば、塩化カルシウム等の多価金属化合物が使用できる。凝集剤がインクに含まれる樹脂や顔料の成分と反応してインクの成分が凝集体を形成することで、記録される画像の発色性、布帛の隠蔽性を高めることができる。
1.2.4.溶剤
本実施形態で用いられるインクは、SP値が13以下の溶剤を含有する。ジケトピロロピロール顔料は疎水性が高いため、溶剤としてSP値が13以下の溶剤を用いることにより、ジケトピロロピロール顔料のインク中での分散性を高めて、ジケトピロロピロール顔料由来の異物の発生を抑制する。また、溶剤としてSP値が13以下の溶剤を用いることにより、インクがヘッドの動きに追随しやすくなり、吐出エラーを低減させて吐出安定性に優れるものとすることができる。
本明細書において、「SP値」とは、相溶化パラメーター(Solubility Parameter)といい、溶解度パラメーターとも言うことができる。以下に示されるハンセン(Hansen)の数式を用いて算出された値を意味する。Hansenの溶解度パラメーターは、ヒルデブランド(Hildebrand)によって導入された溶解度パラメーターを、分散項δd、極性項δp、及び水素結合項δhの3成分に分割し、3次元空間に表したものである。本明細書においては、SP値をδ[(cal/cm0.5]で表し、下記数式を用いて算出される値を用いる。
δ[(cal/cm0.5]]=(δd+δp+δh0.5
なお、上記の分散項δd、極性項δp、及び水素結合項δhは、ハンセンやその研究後継者らによって多く求められており、例えばPolymer Handbook(fourth edition)のVII−698〜711に掲載されている。また、多くの溶媒や樹脂に関するHansenの溶解度パラメーターが調べられており、例えば、Industrial Solvents Handbook(Wesley L.Archer著)にこれらの溶解度パラメーターが記載されている。
本実施形態で用いられるインクに含まれる溶剤としては、SP値が13以下であれば特に限定なく用いることができるが、溶剤のSP値が9以上であることが好ましい。溶剤のSP値が9以上13以下であることにより、ジケトピロロピロール顔料のインク中での分散性が安定し、ジケトピロロピロール顔料由来の異物の発生を抑制し、吐出エラーを低減させて吐出安定性に優れるものとすることができる。溶剤のSP値は9.3以上12以下であることが分散安定性のためより好ましく、9.5以上11.5以下であることがさらに好ましい。なお、SP値9未満の溶剤だと、インクがヘッドの動きには追随しやすくなるものの、インクを収容するインクパック等のプラスチック製基材に吸収されてインクの分散性のバランスが崩れやすくなり、異物を生じる場合がある。
SP値が13以下の溶剤としては、n−プロピルアルコール(SP値 11.8)、エチルプロピルエーテル(SP値 8.8)、1,2−ヘキサンジオール(SP値 12.1)、ジプロピレングリコール(SP値 12.9)、エタノール(SP値 11.8)、2−エチル−1,3−エキサンジオール(SP値 11.6)、テトラエチレングリコール(SP値 12.6)、2−プロパノール(SP値 12.7)、エチレングリコールモノメチルエーテル(SP値 11.4)、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル(SP値 9.2)、エチレングリコールモノブチルエーテル(SP値 9.8)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(SP値 11.6)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(SP値 9.5)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(SP値 10.0)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(SP値 10.4)、
プロピレングリコールn−プロピルエーテル(SP値 9.8)、プロピレングリコールn−ブチルエーテル(SP値 9.7)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(SP値 9.6)、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル(SP値 10.9)、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル(SP値 9.5)、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル(SP値 9.4)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(SP値 9.4)、ジエチレングリコールメチルブチルエーテル(SP値 9.3)、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(SP値 10.5)、プロピレングリコールモノフェニルエーテル(SP値 9.4)、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(SP値 9.1)、トリプロピレングリコールn−ブチルエーテル(SP値 9.3)等が挙げられる。
SP値が13以下の溶剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。これらの溶剤の含有量は、例えば、インク全質量に対して、好ましくは0.05質量%以上15質量%以下であり、より好ましくは0.1質量%以上10質量%以下であり、さらに好ましくは1質量%以上8質量%以下である。溶剤の含有量が前記範囲であることにより、ジケトピロロピロール顔料のインク中での分散性を高めて、ジケトピロロピロール顔料由来の異物の発生を抑制し、吐出エラーを低減させて吐出安定性に優れるものとすることができる。
1.2.5.その他の成分
本実施形態で用いられるインクは、水、上記溶剤以外の有機溶剤、界面活性剤、pH調製剤、防腐剤・防かび剤等を含有してもよい。
<水>
本実施形態で用いられるインクは水系インク組成物であることが好ましい。この場合、水は、インクの主となる媒体であり、乾燥により蒸発飛散する成分である。水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、及び蒸留水等の純水、並びに超純水のような、イオン性不純物を極力除去したものが挙げられる。また、紫外線照射又は過酸化水素の添加などによって滅菌した水を用いると、インクを長期保存する場合にカビやバクテリアの発生を防止することができる。インクに含まれる水の含有量としては、特に限定されるものではないが、インクの全質量に対して、例えば、50質量%以上であることができ、さらには60質量%以上95質量%以下であることができ、70質量%以上90質量%以下であることができる。
<水溶性有機溶剤>
本実施形態において、インクは、SP値が13以下の溶剤に加えて、従来公知の各種水溶性有機溶剤を併用することができる。この併用する溶媒として好ましく用いられる水溶性有機溶剤の例としては、例えば、アルコール類(例えば、メタノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール等)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン等)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド等)、スルホン類(例えば、スルホラン等)、尿素、アセトニトリル、アセトン等が挙げられる。これらの他の溶剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
水溶性有機溶剤の沸点は、好ましくは140〜280℃であり、より好ましくは160〜260℃であり、さらに好ましくは180〜240℃である。その他の溶剤の沸点が上記範囲内であることにより、間欠特性がより向上する傾向にある。
また、水溶性有機溶剤の含有量は、インクの総量に対して、好ましくは5.0〜25質量%であり、より好ましくは10〜20質量%である。
<界面活性剤>
界面活性剤は、表面張力を低下させ記録媒体との濡れ性を向上させる機能を備える。界面活性剤の中でも、例えば、アセチレングリコール系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、およびフッ素系界面活性剤を好ましく用いることができる。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、サーフィノール104、104E、104H、104A、104BC、104DPM、104PA、104PG−50、104S、420、440、465、485、SE、SE−F、504、61、DF37、CT111、CT121、CT131、CT136、TG、GA、DF110D(以上全て商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製)、オルフィンB、Y、P、A、STG、SPC、E1004、E1010、PD−001、PD−002W、PD−003、PD−004、EXP.4001、EXP.4036、EXP.4051、AF−103、AF−104、AK−02、SK−14、AE−3(以上全て商品名、日信化学工業社製)、アセチレノールE00、E00P、E40、E100(以上全て商品名、川研ファインケミカル社製)が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤としては、特に限定されないが、ポリシロキサン系化合物が好ましく挙げられる。当該ポリシロキサン系化合物としては、特に限定されないが、例えばポリエーテル変性オルガノシロキサンが挙げられる。当該ポリエーテル変性オルガノシロキサンの市販品としては、例えば、BYK−306、BYK−307、BYK−333、BYK−341、BYK−345、BYK−346、BYK−348(以上商品名、BYK社製)、KF−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945、KF−640、KF−642、KF−643、KF−6020、X−22−4515、KF−6011、KF−6012、KF−6015、KF−6017(以上商品名、信越化学工業社製)が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、フッ素変性ポリマーを用いることが好ましく、具体例としては、BYK−340(ビックケミー・ジャパン社製)が挙げられる。
<pH調整剤>
pH調整剤としては、例えば、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、アンモニア、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。
<防腐剤・防かび剤>
防腐剤・防かび剤としては、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム
、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ジベンジンチアゾリン−3−オン(ICI社のプロキセルCRL、プロキセルBND、プロキセルGXL、プロキセルXL−2、プロキセルTN)等が挙げられる。
1.2.6.インク組成物の調製方法
本実施形態で用いられるインクは、前述した成分を任意の順序で混合し、必要に応じて濾過等をして不純物を除去することにより得られる。各成分の混合方法としては、メカニカルスターラー、マグネチックスターラー等の撹拌装置を備えた容器に順次材料を添加して撹拌混合する方法が好適に用いられる。濾過方法としては、遠心濾過、フィルター濾過等を必要に応じて行なうことができる。
1.2.7.インク組成物の物性
本実施形態で用いられるインクのpHは、画像品質とインクジェット用のインクとしての信頼性とのバランスの観点から、20℃における表面張力が20mN/m以上40mN/mであることが好ましく、25mN/m以上35mN/m以下であることがより好ましい。なお、表面張力の測定は、例えば、自動表面張力計CBVP−Z(商品名、協和界面科学株式会社製)を用いて、20℃の環境下で白金プレートをインクで濡らしたときの表面張力を確認することにより測定することができる。
また、同様の観点から、本実施形態に係るインクの20℃における粘度は、3mPa・s以上10mPa・s以下であることが好ましく、3mPa・s以上8mPa・s以下であることがより好ましい。なお、粘度の測定は、例えば、粘弾性試験機MCR−300(商品名、Pysica社製)を用いて、20℃の環境下での粘度を測定することができる。
次に、本実施形態に係る画像形成方法について説明する。
1.3.画像形成方法
本実施形態に係る画像形成方法は、上述のインク組成物を布帛にインクジェット方式により付着させる工程を含むものである。これにより、インクに含まれる顔料等の成分が布帛上で凝集するので、発色性に優れた画像が得られる。
ここで、インクジェット法によるインクを付着させる際には、上述したように、下記式(1)を満たすピエゾインクジェットヘッドを有する装置を用いて、上述のインクを吐出させる。
0.13≦{(1打滴あたりの吐出量)/(インク圧力室の容積)}×100 ・・・(1)
本実施形態に係る画像形成方法では、インクジェット方式でインクが付与される際に、上述のインクを、式(1)を満たすピエゾインクジェットヘッドを有する装置を用いて吐出させるため、疎水性の高いジケトピロロピロール顔料由来の異物の発生を抑制し、吐出エラーを低減させて吐出安定性に優れる画像形成方法を提供できる。また、式(1)を満たすピエゾインクジェットヘッドを用いることにより、細線表現を良好とすることが可能となる。
さらに、下記式(2)を満たすことが好ましい。
0.13≦{(1打滴あたりの吐出量)/(インク圧力室の容積)}×100≦0.18 ・・・(2)
本実施形態に係る画像形成方法では、式(2)を満たすことにより、更に吐出エラーを低減させることができ、より吐出安定性に優れる画像形成方法を提供することができる。さらに、細線表現を良好とすることが可能となる。
なお、{(1打滴あたりの吐出量)/(インク圧力室の容積)}×100の値は、0.14以上0.17以下であることが好ましく、0.15以上0.16以下であることがより好ましい。
インク組成物を付着させる布帛としては、特に限定されないが、例えば、絹、綿、羊毛等の天然繊維や、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、レーヨン等の合成繊維等を原料とする、織物、編み物、不織布等が挙げられる。
なお、本工程においては、インク組成物の付着量が、1.5mg/cm以上6mg/cm以下となるように布帛に付与することが好ましく、2mg/cm以上5mg/cm以下となるように布帛に付与することがより好ましい。インク組成物の付着量が1.5mg/cmであることで、捺染分野において要求される高い発色性や耐擦性が確保される。一方、インク組成物の付着量が6mg/cm以下であることで、記録される画像の乾燥性が良好になって、画像の滲みを抑制できる。また、本工程を加熱しながら行うこともできる。
また、上述したように、圧力室の圧力室からノズル側へインクが流出する部分からノズルまでの接続部の距離が500μm以上であるヘッドを用いている場合には、樹脂の固形分を増量した場合であっても、ノズル面からの乾燥が防止されて間欠性に優れた画像形成方法を得ることが可能となり、また洗濯堅牢性に優れた記録物を得ることが可能となる。
2.実施例
以下、本発明を実施例および比較例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「部」および「%」は、特に断らない限り質量基準である。
2.1.インク組成物の調製
表1、2に記載の成分を混合し、マグネチックスターラーで2時間混合攪拌した後、さらに孔径5μmのメンブレンフィルターを用いてろ過し、実施例および比較例のインク組成物を得た。なお、表1、2に示す定着樹脂、界面活性剤および添加剤は以下の通りである。
・定着樹脂(商品名「タケラックWS−6021」、三井化学社製)
・界面活性剤(商品名「BYK−306」、BYK社製)
・添加剤(商品名「プロキセルCRL」、ICI社製)
Figure 0006825221
Figure 0006825221
2.2.インクジェット捺染装置の準備
上記で説明した図1〜図3に記載されているヘッドを備えるインクジェット捺染装置として、SC−F2000(セイコーエプソン株式会社製)の改造機を用意した。ヘッドとしては、比較例1以外は図3に示すヘッドH1を用い、比較例1ではH1よりも圧力室の容積が大きなヘッドH2を用いた。
ここで、ヘッドH1は、図3に示す構造を有しており、圧力室20の底面からノズル面13までの長さ、つまり、接続部132の距離(d1+d2)が1000μmであり、ノズルピッチは300dpi、圧力室20の容積は2900plであり、連通孔127、ノズル孔12および圧力室20の容積の合計(インク圧力室の容積)は4500plである。
ヘッドH2は、ヘッドH1と似た構造のヘッドであり、ヘッドH1と比較して圧力室容積をより大きく、ノズル密度をより低いものとした。つまり、接続部132の距離は1000μmであり、ノズルピッチは180dpi、圧力室20の容積は3700pl、連通孔127、ノズル孔12および圧力室20の容積の合計(インク圧力室の容積)は6000plである。
2.3.捺染記録試験
布帛(haines社製ヘビーウェイト、綿100%、白色生地)に対して捺染記録試験を行った。布帛を上記プリンターにセットし、ヘッドからインクを吐出させて布帛へインクの付着を行った。なお、{(1打滴あたりの吐出量)/(インク圧力室の容積)}×100を表1、2中の値となるように調整して付着させ、画像を記録した。付着させた後、布帛を排出し、170℃で1分間加熱して乾燥し、印捺物とした。
2.4.印捺物の評価
2.4.1.画像の発色濃度の評価
「2.3.捺染記録試験」で得られた印捺物の画像のC*値を、測色器(商品名「Gretag Macbeth Spectrolino」、X−RITE社製)で測定し、以下の評価基準で評価した。
(評価基準)
AA:Duty100%部のC*が80以上である。
A:Duty100%部のC*が70以上80未満である。
B:Duty100%部のC*が60以上70未満である。
C:Duty100%部のC*が60未満である。
2.4.2.細線表現の評価
ヘッドH1(ノズルピッチ300dpi)とヘッドH2(ノズルピッチ180dpi)との比較に当たり、印刷時間および単位面積当たりの吐出重量を合わせ、以下の条件で細線を印刷し、以下の評価基準で評価した。
<条件>
H1:600x600dpi、7ng/shot
H2:720x360dpi、10ng/shot
メディア:プリントスター社製ヘビーウェイトTシャツ(5.6オンス)
(評価基準)
A:0.05mmの細線をにじみなく表現できる。
B:0.1mmの細線をにじみなく表現できる。
C:0.1mmの細線がにじむ。
2.4.3.異物安定性の評価
内層がポリエチレンフィルムで覆われたフレキシブルな容器(ここではインクパックを使用)に対し、空気が入らないようにインクを封入し、60℃5日放置し、以下の評価基準で評価した。
(評価基準)
AA:異物がまったく発生しない。
A:ごくわずかに異物が発生する。
B:わずかに異物が発生する。
C:異物が大量に発生する。
2.4.4.吐出安定性の評価
上記捺染記録試験に用いた装置の記録条件において、長時間使用を想定し、ヘッドからプラテン側方に設けたインク受けにインクの吐出を3分間連続吐出し、ノズルの不吐出検
査を行い、使用した全ノズル数に対する不吐出ノズル数を算出し、以下の基準で評価した。
(評価基準)
AA:1%未満
A:1%以上3%未満
B:3%以上5%未満
C:5%以上10%未満
D:10%以上
2.4.5.洗濯堅牢性の評価
「2.3.捺染記録試験」で得られた印捺物を洗濯堅牢性試験により評価した。洗濯堅牢性試験は、「AATCC61 2A、3A」に準じて行い、下記評価基準により評価した。なお、下記の「2A」とは、25℃で洗濯したことを示し、「3A」とは、60℃で洗濯したことを示す。Duty100%部は上記捺染記録試験にて作成した画像部であり、Duty50%部は、Duty100%部の半分の付着量としたこと以外は同様にして作成した画像部である。
(評価基準)
AA:3A条件において、Duty50%部で被膜の脱落なし
A:3A条件においてDuty50%部で被膜の脱落あり、Duty100%部では被膜の脱落無し。
B:3A条件においてDuty100%部でも被膜の脱落あり、2A条件においてDuty50%部でも被膜の脱落なし。
C:2A条件においてDuty50%部でも被膜の脱落あり。
2.5.評価結果
各実施例及び比較例の評価結果を表1、2の下段に示す。
表1に記載の実施例1を基準として各実施例を見てみると、以下の結果となった。実施例2では、SP値13以下の溶剤を増やし過ぎると、顔料の分散が不安定になり、実施例1と比較して異物安定性が多少劣る結果となった。反対に、実施例3では、SP値13以下の溶剤量を減らしたことにより動的表面張力が下がり、実施例1と比較して吐出安定性が多少劣る結果となった。実施例4では、SP値13以下の溶剤としてエチレングリコールモノメチルエーテルを使用したが、実施例1と同様の結果が得られた。実施例5では、SP値13以下の溶剤として、トリエチレングリコールモノブチルエーテルよりもSP値の低い溶剤を使用したことにより、溶剤の疎水性が強く、顔料の分散が不安定になり、異物安定性が低下した。
実施例6では、トリエチレングリコールモノブチルエーテルよりもSP値の高い溶剤を使用したことにより、動的表面張力がやや高くなり、実施例1よりも吐出安定性が多少劣る結果となった。実施例7では、顔料濃度が高くなったことにより、発色濃度は上がったが、異物安定性が低下し、吐出安定性も低下した。逆に、顔料濃度が低い実施例8では、実施例1より発色濃度は低下したが、異物安定性が向上し、吐出安定性も向上した。実施例9では、実施例1とは異なるジケトピロロピロール顔料を用いたが、実施例1とは同様の結果が得られ、性能は変わらなかった。実施例10より、SP値13以下の溶剤は組み合わせて構成しても性能は変らなかった。実施例11より、SP値13以下の溶剤は11%まで増やしても可能であるが、増量した分だけ、顔料の分散が不安定になり、異物安定性がやや劣る結果となった。
さらに、実施例12では、SP値13以下の溶剤量を実施例3よりも減らすことにより、さらに、吐出安定性が劣る結果となった。実施例13では、実施例2よりもSP値13
以下の溶剤を増やしたことにより、さらに、異物安定性が劣る結果となった。実施例14では、{(1打滴あたりの吐出量)/(インク圧力室の容積)}×100が本発明で好適とする範囲よりも大きな値であったため、キャビテーションが起こり、実施例1よりも吐出安定性が劣る結果となった。実施例15では、SP値13以下の溶剤としてSP値が9未満の溶剤を使用したことにより、インクがピエゾの動きには追随しやすくなるものの、インクがインクパック等のプラスチック製基材に吸収されてインクのバランスが崩れ、異物が発生した。
実施例に対し、比較例1では、インク圧力室の容積が大きく、{(1打滴あたりの吐出量)/(インク圧力室の容積)}×100が本発明の範囲よりも小さな値であったため、インクが十分着弾せず、細線表現が劣る結果となった。比較例2では、顔料がアゾ顔料だったため、顔料の分散性が良く、異物安定性の結果は良かったが、発色濃度が低下した。比較例3では、SP値が本発明の範囲から外れていたため、インクがピエゾの動きに追随しにくくなって吐出が安定せず、不吐出ノズル数が多い結果となった。比較例4では、アゾ顔料の場合は、顔料の疎水性が高くないため溶剤でSP値を調整する必要がなく、比較例2と変らない結果となった。比較例5では、{(1打滴あたりの吐出量)/(インク圧力室の容積)}×100が本発明の範囲よりも大きな値であったが、比較例2と変らない結果となり、アゾ顔料の場合には、排除体積が大きすぎてもキャビテーションは起こらず、吐出安定性に影響がないことが分かった。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
10…ノズルプレート、12…ノズル孔、13…ノズル面、20…圧力室、30…振動板、32…圧電素子、34…圧電アクチュエーター、40…インク供給室、100…ピエゾインクジェットヘッド、110…連通板、120…圧力室基板、126…供給口、127…連通孔、128…吐出口、130…筐体、132…接続部、140…コンプライアンスシート、150…カバー、200…プリンター、230…ヘッドユニット、231…インクカートリッジ、232…キャリッジ、235…主走査機構、236…プラテンローラー、238…タイミングベルト、240…ガイド軸、P…記録媒体

Claims (7)

  1. ジケトピロロピロール顔料と、SP値が13以下の溶剤と、を含有するインクジェットインク組成物を、下記式(2)を満たし、
    ノズル孔、圧力室、及び前記圧力室から前記ノズル孔に連通する連通孔の容積の合計が4200pl以上6200pl以下であり、前記連通孔と前記ノズル孔の長さの和が500μm以上である、ピエゾインクジェットヘッドを有する装置を用いて吐出する、画像形成方法であり、
    前記溶剤が、SP値が9.5以上11.5以下である溶剤を前記インクジェットインク組成物の全質量に対して、4質量%以上9質量%以下含有し、
    前記SP値が9.5以上11.5以下である溶剤は、エチレングリコールモノメチルエーテル(SP値 11.4)、エチレングリコールモノブチルエーテル(SP値 9.8)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(SP値 9.5)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(SP値 10.0)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(SP値 10.4)、プロピレングリコールn−プロピルエーテル(SP値 9.8)、プロピレングリコールn−ブチルエーテル(SP値 9.7)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(SP値 9.6)、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル(SP値 10.9)、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル(SP値 9.5)及びトリエチレングリコールモノメチルエーテル(SP値 10.5)から選択されるいずれかを含む、画像形成方法。
    0.13≦{(1打滴あたりの吐出量)/(連通孔と、ノズル孔と、圧力室との容積
    の合計)}×100≦0.18 ・・・(2)
  2. 前記インクジェットインク組成物は、前記SP値が13以下の溶剤を、前記インクジェットインク組成物全質量に対して4質量%以上10質量%以下含有する、請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 記録媒体が布帛である、請求項1又は請求項2に記載の画像形成方法。
  4. 前記インクジェットインク組成物が水性インク組成物である、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  5. 前記ジケトピロロピロール顔料がピグメントレッド254又はピグメントレッド255である、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  6. 前記インクジェットインク組成物は、前記SP値が13以下の溶剤を、前記インクジェットインク組成物全質量に対して4質量%以上5質量%以下含有する、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  7. 前記インクジェットインク組成物において、前記ジケトピロロピロール顔料の固形分濃度が前記インクジェットインク組成物全質量に対して3質量%以上10質量%以下である、請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の画像形成方法。
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