JP6823579B2 - 魚釣用スピニングリール - Google Patents
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Description
特許文献1の魚釣用スピニングリールでは、リール本体の後部に後部開口部が形成されている。後部開口部は、スプール往復動装置の構成部材の一部を受け入れ可能である。このような構成とすることで、スプール往復動装置の前後ストロークの機能を低下させることなくリール本体の小型化、軽量化が可能となる。スプール往復動装置のガイド軸は、後部開口部を通じて後方に延在しており、後部開口部を覆うカバー部材に支持されている。
脚部111は、ボディ110の上部から上方に延び、その先端に、釣竿に装着される竿取付部111a(図1参照)を有している。
軸受部材130は、側部開口部113を塞ぐ蓋部材である。保護カバー140は、ボディ110の後部に取り付けられ後部開口部115を塞ぐ保護部材である。以下において、ボディ110の内部の空間をボディ110内又は収容空間S1と称する場合がある。
図2に示すように、駆動軸筒107の後端は、ボディ110内に位置している。そして、駆動軸筒107の後端には、ピニオンギャ107aが形成されている。
ボディ前部112の後端には、後方から視て円形を成し(図5(b)、図6(a)を参照)、カバー112aの後開口部を塞ぐフランジ116が形成されている。
ハンドル軸105の左端部は、軸受部材130を貫通するとともに、ハンドル105aに設けられた連結軸105bと螺合し、ハンドル軸105とハンドル105aとが一体になっている。
ハンドル軸105において左右方向の中央部よりも左寄りの位置に、ピニオンギャ107aに噛合するドライブギャ106が固定されている。
以上から、ハンドル105aの巻き取り操作が行われると、巻き取り操作による駆動力がハンドル軸105、ドライブギャ106、ピニオンギャ107aを介して駆動軸筒107に伝達し、ロータ103が回転する。
なお、ハンドル軸105において左右方向の中央部よりも右寄りの位置に、スプール往復動装置150を駆動するための歯車106aが固定されている(図3参照)。
なお、摺動子152と突出部108bとは固定ねじ108bにより抜け止めされている。
図2に示すように、連動歯車154は、ハンドル軸105から後方下側の位置においてボディ110の底部に配置され、歯車106aの後側と噛合している。
以上から、ハンドル105aの巻き取り操作が行われると、巻き取り操作による駆動力が歯車106aを介して連動歯車154に伝達し、連動歯車154が回転する。また、連動歯車154の偏芯突部155が摺動子152の案内溝153の前面又は後面を押圧し、摺動子152とスプール軸108(スプール104)が前後方向に往復運動する。
図3,図5(a)に示すように、ボディ110は、底部に周壁を有する有底箱状(筒状)を呈し左側に向って開口している。ボディ110は、円板状の右壁部120と、右壁部120の周端縁から左側に延びる筒状の筒部121と、を備える。
なお、筒部121の左端部が側部開口部113を構成している。
右側中央孔123は、ハンドル軸105の右端部が貫通する孔であり、右壁部120の中央部に設けられている。
上下リブ124bの後面には、図3,図5(b)に示すように、前方に窪む凹部124eが形成されている。凹部124eは、円弧状に窪んでおり、上下リブ124bと歯車106aとの干渉を回避するためのものである。
なお、貫通孔124cには、駆動軸筒107の後端を支持するベアリング108cが嵌め込まれている(図3参照)。
より詳細に説明すると、筒部121の内周面121aは、ハンドル軸105の中心軸O2を中心とする円形状に形成され、かつ、ドライブギャ106の大きさに対応している。
筒部121の外周面121bは、ハンドル軸105の中心軸O2を中心とする略円形状に形成されている。
このため、筒部121の厚み(径方向の肉厚)が周方向において略均一になっている。つまり、筒部121は、従来の筒部(側面視略矩形筒状の筒部)よりも小型化しており、筒部121の内周面121aとドライブギャ106との間には、不要な空間が生じないようになっている。
また、筒部121の内周面121aのうち上方に位置する内周上方面121eには、脚部111の基部111bに向けて窪む凹状部122が形成され、ボディ110が軽量化している。なお、凹状部122は、ボディ110の上部において必要とされる強度を損なわない程度の深さとなっている。また、凹状部122は図3にのみ示している。
後部開口部115は、ボディ110内に組み付けられた部品の一部を受け入れてボディ110外に、言い換えると、ボディ110から後方に突出するように配置するための開口部である。また、後部開口部115は、ボディ110内への部品の組み付け口としても機能する。さらに、後部開口部115を備えることで、ボディ110の軽量化も図られている。
言い換えると、側部開口部113と後部開口部115との間には、側部開口部113と後部開口部115とのそれぞれの開口の端縁を構成する円弧状の架橋部114が延在している。
このため、後部開口部115の開口(孔)と側部開口部113の開口(孔)とが連続する場合よりも、筒部121の強度が向上している。この結果、ボディ110の耐久性が向上している。
カバー装着部118の上側には、上側ねじ挿通孔118aが開口形成されている。上側ねじ挿通孔118aは、図3に示すように、脚部111の下部を前後方向に貫通している。上側ねじ挿通孔118aには、上側取付ねじ123が挿通される。また、上側取付ねじ123の上側には、図5(b)に示すように、シール部材147の位置決め部として機能する上端リブ118bが形成されている。上端リブ118bには、シール部材147の上端部が係止される。また、上側取付ねじ123の下側には、同様に、シール部材147の上部が係止される上部リブ118cが形成されている。
各補強片118e,118eは、スプール往復動装置150のガイド軸151が挿通される位置に対応して設けられており、図6(a)に示すように、ガイド軸151を左右両側から跨ぐように配置されている。
以下において、保護カバー140の内部の空間を保護カバー140内又は収容空間S2と称する場合がある。
軸部161の一端側には、中間部分よりも大径とされた胴部164が形成されている。
なお、胴部164の後部は、後方へ向けてテーパー状に窄まっており、下側ねじ挿通孔110aに挿入し易くなっている。
なお、当接部165は、略円錐形状を呈するものに限られることはなく、螺合時に下ボス部142の前面が当て付けられる部位を含む形状であれば、種々の形状のものを採用し得る。
リール本体102内(ボディ110内)には、下側取付ねじ部材160の軸部161の一部を囲う下部空間S5が設けられている。
ガイド軸151は、図9(a)に示すように、後部開口部115を貫通し、その後端が保護カバー140の中ボス部144の穴部144aに支持されている。したがって、リール本体102の後部にガイド軸151を支持するための構造を設ける必要が無くなり、リール本体102の後部の構成が簡単になるとともに、軽量化が促進される。
つまり、摺動子152の前後ストロークは、ボディ110の収容空間S1に限定されず、後方に拡大している。
このため、ボディ110の筒部121が円筒状に形成されてボディ110の下部側の収容空間が小さくなったとしても、所望の大きさの連動歯車154を使用することができ、スプール往復動装置150の機能低下を回避できる。
また、保護カバー140が連動歯車154及び後部開口部115を覆うため、海水や塵埃が連動歯車154に付着したり、ボディ110内に浸入したりするおそれがない。
また、ボディ110内においてハンドル軸105の下側の内部スペースにガイド軸151とスプール軸108を配置している。このため、魚釣用スピニングリール101の低重心化が可能である。また、ガイド軸151よりもさらに下方に前後方向に延在して下側取付ねじ部材160を配置している。したがって、全長の大きい下側取付ねじ部材160が前後方向に片寄ってしまうことが防止され、重量バランスがよい。
図7に示すように、側部開口部113(筒部121の左端部)は、ボディ110内にドライブギャ106等の部品を組み込むための孔である。
側部開口部113の内周面113aは、筒部121の内周面121aと略同一径の円形状に形成されている(図2参照)。このため、ボディ110を大型化することなく比較的大径のドライブギャ106を筒部121内に容易に組み付けることができる。
また、側部開口部113の内周面113aには、雌ねじ113bが形成されている。
軸受部材130は、側部開口部113を閉塞する環状の蓋部131と、蓋部131の中央部で左右方向に開口する円筒部132と、蓋部131の内面(右側面)から右側に突出し側部開口部113内に挿入される挿入部133と、を備える。
なお、円筒部132内には、図示しない軸受が内嵌され、その軸受に支持されるハンドル軸105が円筒部132内を貫通している。
このような螺合による固定構造によれば、ボディ110内に挿入部133(軸受部材130)が螺合し、ボディ110の強度が格段に向上する。また、挿入部133の全周が筒部121(側部開口部113)に支持されているため、ハンドル操作時において軸受部材130に作用するハンドル軸105の荷重は、筒部121(側部開口部113)の全周に分散する。よって、ボディ110の耐久性が向上する。
また、補強片118e,118eが係合溝146,146に係合することで、各補強片118eが保護カバー140に一体化するので、保護カバー140をより好適に補強することができる。
例えば、前記実施形態では、補強片118eを一対設けたものを示したが、これに限られることはなく、後部開口部115の左右一方の縁リブ118dに設けるように構成してもよい。
105 ハンドル軸
108 スプール軸
115 後部開口部
118d 縁リブ(縁部)
118e 補強片
140 保護カバー(カバー部材)
144 中ボス部(支持部)
145 側壁
146 係合溝(係合部)
150 スプール往復動装置
151 ガイド軸
152 摺動子
Claims (6)
- ハンドル軸の回転をスプール軸の前後往復動に変換するスプール往復動装置がリール本体に収容された魚釣用スピニングリールであって、
前記スプール往復動装置は、
前記スプール軸に固定された摺動子と、
前記摺動子を案内するガイド軸と、を備えており、
前記リール本体の後部に設けられ、前記ガイド軸が挿通する後部開口部と、
前記リール本体の後部に取り付けられ、前記後部開口部を覆うカバー部材と、
前記カバー部材に設けられ、前記ガイド軸の後端部を支持する支持部と、
前記後部開口部の縁部から後方に突設され、前記カバー部材の前記支持部の側方部分に係合して前記カバー部材を保持する補強片とを備えたことを特徴とする魚釣用スピニングリール。 - 前記補強片は、一対突設されており、前記一対の補強片は、前記カバー部材の前記支持部を跨ぐように両側方部分に配設されて前記カバー部材を保持することを特徴とする請求項1に記載の魚釣用スピニングリール。
- 前記カバー部材の内側部には、前記補強片が係合する係合部が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の魚釣用スピニングリール。
- 前記カバー部材は側壁を備えており、
前記係合部は、前記側壁に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の魚釣用スピニングリール。 - 前記補強片は、前記後部開口部を前記ガイド軸が挿通される位置に対応して前記後部開口部の縁部から後方に向けて突設されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の魚釣用スピニングリール。
- ハンドル軸の回転をスプール軸の前後往復動に変換するスプール往復動装置がリール本体に収容された魚釣用スピニングリールであって、
前記スプール往復動装置は、
前記スプール軸に固定された摺動子と、
前記摺動子を案内するガイド軸と、を備えており、
前記リール本体の後部に設けられ、前記ガイド軸が挿通する後部開口部と、
前記リール本体の後部に取り付けられ、前記後部開口部を覆うカバー部材と、
前記カバー部材に設けられ、前記ガイド軸の後端部を支持する支持部と、
前記後部開口部の縁部から後方に突設され、前記支持部を前記ハンドル軸の軸方向両側から挟持する一対の補強片とを備えたことを特徴とする魚釣用スピニングリール。
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