JP6821909B2 - ヒト型エストロゲン受容体活性化作用を呈するキノリン誘導体 - Google Patents

ヒト型エストロゲン受容体活性化作用を呈するキノリン誘導体 Download PDF

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Description

この発明はヒト型エストロゲン受容体活性化作用を呈するキノリン誘導体に関するものである。
エストロゲン受容体はエストロゲンの働きを伝える受容体であり、種々の細胞に存在している。核内受容体の他に、細胞膜にも一部発現している。核内のエストロゲン受容体はアルファ型とベータ型が存在し、いずれの型もDNA結合部位を有し、DNAに直接反応する。アルファ型は子宮や乳腺などの生殖器に存在している。一方、ベータ型は骨細胞や神経細胞など幅広く分布している。
エストロゲン受容体はエストロゲンの働きを伝達し、生殖器や皮膚などの全身の組織にエストロゲンの働きを伝え、エストロゲンの働きを生じさせる。エストロゲンの作用としては皮膚細胞の再生、卵巣の維持、神経細胞の活性化、血流の増加、脂肪細胞の脂肪分解、インスリン受容体の活性化、血糖の低下、コレステロールの代謝分解などである。
エストロゲンの分泌には年齢的な衰えがあり、40歳前後を過ぎると更年期症状としてエストロゲン低下による症状が発現する。同時に、エストロゲン受容体も反応性を低下させ、エストロゲンの働きを十分発揮できなくなる。更年期障害の発症はエストロゲンの低下のみではなく、エストロゲン受容体の働きが低下することも原因のひとつである。
エストロゲン受容体活性化に関する発明の例は少ない。たとえば、イソフラボノイド二量体に関する発明があり、ここではイソフラボノイド環系の二量体化によって取得され、新規二量体化合物の合成方法、同化合物を含有する組成物についての発明があるものの、エストロゲン受容体を活性化する化合物の特定には至っていない(例えば、特許文献1参照。)。
特願2008−502191
既存の物質によるエストロゲン受容体活性化作用は軽度であり、産業上への利用が限定されるという課題があり、また、化学合成された物質では安全性に問題があり、利用が限られている。
そこで、副作用が弱く優れたエストロゲン受容体活性化作用を呈する天然物が望まれている。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は下記の式(1)で示されるエストロゲン受容体活性化作用を呈するキノリン誘導体に関するものである。
この発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
請求項1に記載のキノリン誘導体はエストロゲン受容体活性化作用に優れている。
以下、この発明を具体化した実施形態について詳細に説明する。
エストロゲン受容体活性化作用を呈するキノリン誘導体とは、下記の式(1)で示される構造からなるものである。
前記の式(1)のようにエストロゲン受容体活性化作用を呈するキノリン誘導体はキノリンの1分子、p―クマル酸の1分子及びバリン(L型―バリン)の1分子から構成される。これらの分子及びその結合はすべて自然界に存在する天然型であり、各分子間はエステル結合を介して結合している。C30H31O6N2の化学式であり、炭素原子30個、水素原子31個、酸素原子6個及び窒素原子2個から形成される。
このキノリン誘導体はキノリン、p―クマル酸及びバリンを原料として化学的なエステル合成の工程により得ることができる。たとえば、キノリン、p―クマル酸及びフェニルアラニンは市販されている化成品や精製品を利用できる。官能基を保護しながら有機合成法により合成することができる。
一方、その化学的な合成では原料の損失が多く、製造コストが高くなるため、産業への利用は限定される。ここで化学合成された純度の高いキノリン誘導体は定量及び定性分析のために用いられる。
このキノリン誘導体の構造を解析することは目的とする有効成分の特定ができる点から好ましい。また、製品や製剤に利用して販売する際の有効成分の含有量の指標として利用できることから好ましい。
このキノリン誘導体の構造解析の一例として化学合成された高純度(純度96%以上)の標準物質を用いて重水素化ジメチルスルホキシド中の600MHzのH−NMR(1H−NMR)により解析した場合、ピークは1.84、1.88、1.90、2.69、3.33、4.00、5.06、6.20、6.65、6.66、6.74、6.77、6.80、6.91、6.95、7.96、8.02及び8.05ppmに認められる。
また、C−NMR(13C−NMR)の解析ではピークは22.4、22.6、23.5、36.0、42.3、49.7、56.5、71.3、86.2、114.2、116.4、117.4、117.9、119.0、119.4、123.0、124.3、126.4、131.7、134.7、136.5、141.5、142.8、146.0、146.3、146.9、147.0、173.9、174.2及び174.3ppmに認められる。
さらに、このキノリン誘導体は高速液体クロマトグラフィーや質量分析装置で解析され、その構造が同定される。この構成成分であるキノリンは天然に存在している化合物であり、植物や微生物にも認められ、安全性も確認されている。
特に桑の葉やハスの種子、ハスやマグワの葉には元来キノリンが含有されており、ハスの種子を発酵することにより目的とするキノリン誘導体を製造することが可能である。目的とするキノリン誘導体を製造するための原料としてこれらの野菜、藻類、果実や穀類を用いることは好ましい。
もともと、このキノリンはデメチルコクラウリンであり、このキノリン自体にも働きがあり、エストロゲン受容体活性化作用の他、皮膚細胞の保護作用、抗炎症作用、抗腫瘍作用、脂肪燃焼作用、神経保護作用などである。しかし、キノリン自体は吸収、体内動態や薬力学的に十分ではなく、産業上への利用には乏しかった。そこで、より吸収が良く、効果の強い物質が望まれていた。
このキノリン誘導体は吸収と作用の両面で優れた構造上の特徴がある点から好ましい。すなわち、このキノリン誘導体は内部に疎水性領域を有し、一方、外側には水酸基とアミノ基を有して水溶性に優れた特徴があり、水溶性にも脂溶性にもなりうる両親媒性の性質である。このため、水溶液に溶解し、かつ、細胞膜のような脂溶性部分も通過しやすい。この両親媒性の性質のため、エストロゲン受容体として細胞に浸透しやすく、核内に浸透し、DNAに結合してエストロゲン作用を発揮する。
このキノリン誘導体は両親媒性を示すことから、腸管の粘膜層を通過しやすく、体内への吸収が高まることは好ましい。さらに、皮膚の角質層に対しても角質細胞同士のバリア組織に浸透し、浸潤しやすく、表皮層、つまり、顆粒層、有棘層と基底層にある皮膚幹細胞に到達しやすい。また、両親媒性を示すことから水溶液及びオイルとして利用範囲が広がることは好ましい。
さらに、p―クマル酸のベンゼン環も疎水性に寄与し、また、バリンのアミノ基はpHの緩衝作用を呈し、食用として摂取した場合、胃酸に対する抵抗性を呈する。すなわち、このpH緩衝作用により胃酸を緩和することにより、胃酸によるこの誘導体の分解を防御することは好ましい。
このキノリン誘導体の2つの水酸基はフリー体であり、ポリフェノールの水酸基として抗酸化作用を呈する。この抗酸化作用により酸化ストレスに対する防御作用が発揮されることは好ましい。たとえば、皮膚に塗布した場合、紫外線による皮膚の酸化を防止する働きがあり、皮膚を防御することは好ましい。また、この誘導体は粉末化した後、水溶性溶媒と反応させることにより水素ガスを発生することは好ましい。
このキノリン誘導体自体はエストロゲン受容体のリガンドとしての働きはなく、核内エストロゲン受容体の活性中心の近傍に働き、エストロゲン受容体活性化作用を呈する。また、発生した水素ガスは受容体の働きを助け、安定化作用があることは好ましい。
さらに、このキノリン誘導体によるエストロゲン受容体活性化作用としてはエストロゲンとエストロゲン受容体のkm値とVmax値を変化させる。つまり、km値を低下させてエストロゲンとエストロゲン受容体の結合性を高める。また、最大結合数であるVmaxを増加させて結合最大値を増加させる。このkmとVamxの変化はエストロゲンに拮抗型反応であり、リガンドであるエストロゲンの減少によってキノリン誘導体によるエストロゲン受容体活性化作用は低下する。つまり、エストロゲンが存在しない状態で活性化は生じない。この拮抗型反応であることは可逆的な反応であり、エストロゲン受容体の状態を強く変化させるものではないことから安全性が高い。
このキノリン誘導体の構成成分であるバリンやp―クマル酸は天然物であり、自然界に豊富に存在しており、その安全性は確認されている。また、キノリンも自然界にアミノ酸の成分として存在しており、その安全性は高い。
このキノリン誘導体によるエストロゲン受容体活性化作用の結果として皮膚細胞の細胞増殖作用、骨芽細胞の増殖作用、脂肪細胞の脂肪分解作用、コレステロールの代謝増加作用及び神経細胞の活性化作用が確認される。
エストロゲン受容体は各臓器に存在しており、その反応性は臓器に特異的であり、年齢、性別の他に遺伝子多型による差異も認められる。
このキノリン誘導体によるエストロゲン受容体活性化作用は2つの異なるメカニズムにより発現するため、遺伝子多型や病的な状態などを含めたすべての状態とすべての組織に対して働くことが可能である。
特に、皮膚基底層の幹細胞及び神経細胞の幹細胞のエストロゲン受容体に対してはこのキノリン誘導体の反応性が高いことは好ましい。したがって、このキノリン誘導体は皮膚や神経の増殖効果や皮膚疾患や神経疾患の治療効果及び予防効果に優れている。
キノリン誘導体は植物活性化剤として利用される。このキノリン誘導体は両親媒性を呈することから動物の細胞膜及び植物や酵母の細胞壁を通過し、細胞内に吸収されやすい。このうち、植物に対するエストロゲンとしては植物ホルモン類似作用がある。
このキノリン誘導体はオーキシン、サイトカイニン、アブシシン酸、ジベレリンなどの反応性を高めて植物の生育を促進させることは好ましい。
このキノリン誘導体は植物活性化剤や植物生育剤として発芽、成長、開花、結実、収穫などの植物の全体的な成長を促進することから農業分野の発展と食糧の増産に寄与できる点は好ましい。特に、蘭やマツバランなどの貴重な花や盆栽などの生育に利用できることは好ましい。
さらに、キノリン誘導体は微生物活性化剤としても利用される。また、このキノリン誘導体は有用な微生物の成長を促進できる点では発酵工程の短縮化と合理化に利用できる。酒造、みそ、しょうゆ、納豆などの製造などの増産と製造期間の短縮に活用できる点は好ましい。
このキノリン誘導体は皮膚の角質細胞膜も通過しやすく、角質層のバリア機能を維持することは皮膚の健康や美容の点から好ましい。
また、このキノリン誘導体は両親媒性でpH緩衝作用を呈することから、水溶性の化粧水とクリームのいずれにも配合できる点は好ましい。
このキノリン誘導体は生殖器細胞の増殖を介してコラーゲンやエラスチン産生を促進することにより皮膚細胞機能を促進することは好ましい。さらに、EGF(Epidermal Growth Factor)との併用により相乗的な効果が得られることは好ましい。
神経細胞においても神経細胞のエストロゲン受容体活性化作用を呈して神経細胞の増殖を活性化する。認知症、アルツハイマー症などの疾患、活性酸素やアミロイドβたんぱく質による神経細胞の障害や現象に対し、このキノリン誘導体はエストロゲン受容体活性化作用を介して神経細胞の働きを回復させる。この作用は神経疾患の予防、防御と回復の目的で好ましい。
また、この誘導体は神経終末からの神経伝達物質の放出を促進して神経伝達を高めることは神経機能の回復の点から好ましい。さらに、NGFとの併用により相乗的な効果が得られることは好ましい。
運動神経細胞の神経末端からのアセチルコリンの放出を高めることにより筋肉の収縮を高めて神経と筋肉の活動性を増すことは筋肉の増強や寝たきり老人の予防と治療の点から好ましい。
このキノリン誘導体は心筋梗塞においては冠状動脈の梗塞や虚血状態でも心筋細胞のエストロゲン受容体を活性化して心筋細胞を増殖させ、障害部位の再生を促進することは好ましい。
また、このキノリン誘導体はアスリートや筋肉を増強したい場合、筋肉細胞のエストロゲン受容体活性化作用を呈して骨格筋細胞を増殖させることにより筋肉組織を増強させることは好ましい。特に、肉離れや筋肉切断のような筋肉細胞の消失に対して筋肉細胞を再生させることは好ましい。
このキノリン誘導体は生体内では腎臓や肝臓のエステラーゼにより分解され、尿中に***される。分解されて構成成分である安全性の高いキノリン、p−クマル酸及びバリンに分解される。したがって、このキノリン誘導体は体内に蓄積されず、分解も生体内酵素で行われ、さらに、分解物も天然物であることから安全性が高い。
このキノリン誘導体の製造方法の例としては、桑の葉、ハスの種子、ハスの葉、ハスの花、藻類、ユスラウメの果実、グレープフルーツや温州みかんなどのかんきつ類、蕎麦の実などを原料として発酵法により目的とするキノリン誘導体を製造することは、原材料が天然物であることから安全性の点から好ましい。
このキノリン誘導体を精製により上記の植物などから抽出することは可能である。ただし、精製には大量の原料を必要としコストが高く、また、有機溶媒などを利用することから食品産業などへの利用は制限される。
さらに、発酵法による製造はタンパク質を分解、食物繊維を除外できる点から製造効率が良く、このキノリン誘導体の産生に適していることから好ましい。得られたキノリン誘導体を医薬品素材として利用する場合、目的とするキノリン誘導体を精製することは、目的とするキノリン誘導体の純度が高まり、不純物を除去できる点から好ましい。
医薬品としては注射剤または経口剤または塗布剤などの非経口剤として利用され、医薬部外品としては錠剤、カプセル剤、ドリンク剤、石鹸、塗布剤、ゲル剤、歯磨き粉等に配合されて利用される。
経口剤としては錠剤、カプセル剤、散剤、シロップ剤、ドリンク剤等が挙げられる。前記の錠剤及びカプセル剤に混和される場合には、結合剤、賦形剤、膨化剤、滑沢剤、甘味剤、香味剤等とともに用いることができる。前記の錠剤はシェラックまたは砂糖などで被覆することもできる。
また、前記のカプセル剤の場合には、上記の材料にさらに油脂等の液体担体を含有させることができる。前記のシロップ剤及びドリンク剤の場合には、甘味剤、防腐剤、色素香味剤等を添加することができる。
非経口剤としては、軟膏剤、クリーム剤、水剤等の外用剤の他に、注射剤が挙げられる。外用剤の基材としては、ワセリン、パラフィン、油脂類、ラノリン、マクロゴールド等が用いられ、通常の方法によって軟膏剤やクリーム剤等とすることができる。
注射剤には、液剤があり、その他、凍結乾燥剤がある。これは使用時、注射用蒸留水や生理食塩液等に無菌的に溶解して用いられる。
また、食品製剤として皮膚の再生、神経の再生、筋肉の再生などの組織の再生を目的とした食品に利用できる。保健機能食品として栄養機能食品や特定保健用食品に利用することは好ましい。
得られた食品製剤をイヌやネコなどのペットや家畜動物に利用する場合、皮膚障害や神経障害の回復、老化の抑制と運動能力の向上を目的とした飼料やペット用サプリメントとして利用される。
化粧料として常法に従って界面活性化剤、溶剤、増粘剤、賦形剤等とともに用いることができる。例えば、クリーム、毛髪用ジェル、洗顔剤、美容液、化粧水等の形態とすることができる。両親媒性を示すことから水溶液及びオイルとして利用範囲が広がることは好ましい。
化粧料の形態は任意であり、溶液状、クリーム状、ペースト状、ゲル状、ジェル状、固形状または粉末状として用いることができる。
ここで製造された化粧料はエストロゲン作用を増強して障害された皮膚の修復やコラーゲンやエラスチンなどの増加及び肌の健康維持の目的で利用される。
また、このキノリン誘導体は老化により減少した骨芽細胞や歯肉細胞の増殖と機能の維持を目的とした歯磨き剤、洗口液や歯磨きペーストなどに利用できる。
このキノリン誘導体の製造方法としては、たとえば、ハスの種子を発酵させ、プロテアーゼ処理し、濾過した液を滅菌して製造することは好ましい。
ハス(学名Nelumbo nucifera)は日本の各地で栽培されており、このハスの種子は花が咲いた後に実として採取される。有機栽培されたものは農薬による汚染の危険性が少ないことから好ましい。また、ハスの種子は化粧品や食品の原料として使用されている実績があることは安全性の点から好ましい。
ハスの種子は愛知県海部郡立田村などで栽培され、漢方を扱う商社、たとえば、日本橋の古樹軒などで購入することは可能である。また、プロテアーゼは食品加工用のものが利用できる。たとえば、アマノエンザイム製のプロテアーゼNは食品加工用として実績が豊富で安全性も高いことから好ましい。
ハスの種子は清浄なタンクに入れられて精製水により分散される。これを37〜43℃に加温した後、プロテアーゼNを添加して撹拌しながら3時間から6時間タンパク質を分解する。
精製水10Lに対してハスの種子の重量は300g〜1kg、プロテアーゼNの添加重量は10〜30gが好ましい。
この反応後、ろ紙による濾過によりろ液を採取することは分解されていないハスの種子の残渣を除去できる点から好ましい。さらに、このろ液を95℃以上の温度で煮沸することはプロテアーゼの失活の目的と滅菌の目的から好ましい。
さらに、ハスの種子を発酵することにより目的とするキノリン誘導体を得ることは好ましい。たとえば、大豆とともに納豆菌により発酵する発酵方法は技術的な知識と経験が豊富なことから好ましい。
発酵原料となる大豆は、日本産、中国産、アメリカ産、ロシア産などいずれの産地の大豆でも利用できるが、トレーサビリティーが確実であり、生産者が明確である日本産が好ましい。
このうち、有機栽培や無農薬で栽培された大豆は有害な農薬や金属を含有しないことから、さらに好ましい。
大豆は使用に際して、株式会社奈良機械製作所製の自由ミル、スーパー自由ミル、サンプルミル、ゴブリン、スーパークリーンミル、マイクロス、減圧乾燥機として東洋理工製の小型減圧乾燥機、株式会社マツイ製の小型減圧伝熱式乾燥機DPTH−40、エーキューエム九州テクノス株式会社製のクリーンドライVD−7、VD−20、中山技術研究所製DM−6などにより乾燥され、粉砕される。これにより発酵の工程が効率的に進行されやすい。
用いる納豆菌は学名バチルス サブチリスであり、納豆の製造に利用される有用な微生物である。納豆素本舗の粉末の納豆菌は品質が良好で発酵に適していることから好ましい。
まず、ハスの種子は粉砕機やミキサーなどにより粉砕にされる。粉砕されることにより、加工がしやすくなる。大豆は粉砕機により粉砕され、清浄な水を添加して懸濁される。ハスの種子100gに対して大豆は60〜200g添加され、清浄な容器の中で精製水などの水と3リットル〜10リットルとともに攪拌される。
ハスの種子と大豆は煮沸滅菌され、発酵タンクに添加される。滅菌することにより雑菌の混入が防御され、納豆菌による発酵が進行する。
発酵は静置法または撹拌法のいずれでも良いが、発酵を短時間で実施できる点から撹拌法が好ましい。発酵は40〜44℃で20時間から80時間行われることが好ましい。温度が低く、時間が短い場合には発酵が進まず、温度が高く、時間が長い場合には目的とするキノリン誘導体が分解されてしまうおそれがある。
純度を高くするために精製することは好ましい。例えば、分離用担体または樹脂により分離され、分取されることにより目的とするキノリン誘導体が得られる。分離用担体または樹脂としては、表面が後述のようにコーティングされた、多孔性の多糖類、酸化珪素化合物、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、ポリプロピレン、スチレン−ビニルベンゼン共重合体等が用いられる。0.1〜300μmの粒度を有するものが好ましく、粒度が細かい程、精度の高い分離が行なわれるが、分離時間が長い欠点がある。
例えば、逆相担体または樹脂として表面が疎水性化合物でコーティングされたものは、疎水性の高い物質の分離に利用される。陽イオン物質でコーティングされたものは陰イオン性に荷電した物質の分離に適している。また、陰イオン物質でコーティングされたものは陽イオン性に荷電した物質の分離に適している。特異的な抗体をコーティングした場合には、特異的な物質のみを分離するアフィニティ担体または樹脂として利用される。
アフィニティ担体または樹脂は、抗原抗体反応を利用して抗原の特異的な調製に利用される。分配性担体または樹脂は、シリカゲル(メルク社製)等のように、物質と分離用溶媒の間の分配係数に差異がある場合、それらの物質の単離に利用される。なお、純度の高い精製物を得るために精製操作を繰り返して実施することは好ましい。
これらのうち、製造コストを低減することができる点から、吸着性担体または樹脂、分配性担体または樹脂、分子篩用担体または樹脂及びイオン交換担体または樹脂が好ましい。さらに、分離用溶媒に対して分配係数の差異が大きい点から、逆相担体または樹脂及び分配性担体または樹脂はより好ましい。
分離用溶媒として有機溶媒を用いる場合には、有機溶媒に耐性を有する担体または樹脂が用いられる。また、医薬品製造または食品製造に利用される担体または樹脂は好ましい。
これらの点から吸着性担体としてダイヤイオンHP20(三菱化学(株)社製)及びXAD−2またはXAD−4(ロームアンドハース社製)、分子篩用担体としてセファデックスLH−20(アマシャムファルマシア社製)、分配用担体としてシリカゲル、イオン交換担体としてIRA−410(ロームアンドハース社製)、逆相担体としてDM1020T(富士シリシア社製)がより好ましい。
これらのうち、三菱化学製のダイヤイオンHP20、セファデックスLH−20及びDM1020Tはさらに好ましい。
得られた抽出物は、分離前に分離用担体または樹脂を膨潤化させるための溶媒に溶解される。その量は、分離効率の点から抽出物の重量に対して2〜40倍量が好ましく、4〜20倍量がより好ましい。分離の温度としては物質の安定性の点から10〜30℃が好ましく、12〜25℃がより好ましい。
分離用溶媒には、水、または、水を含有する低級アルコール、親水性溶媒、親油性溶媒が用いられる。低級アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールが用いられるが、食用として利用されているエタノールが好ましい。
セファデックスLH−20を用いる場合、分離用溶媒には低級アルコールが好ましい。シリカゲルを用いる場合、分離用溶媒にはクロロホルム、メタノール、酢酸またはそれらの混合液が好ましい。
ダイヤイオンHP20及びDM1020Tを用いる場合、分離用溶媒はメタノール、エタノール等の低級アルコールまたは低級アルコールと水の混合液が好ましい。
キノリン誘導体を含む画分を採取して乾燥または真空乾燥により溶媒を除去し、目的とするキノリン誘導体を粉末または濃縮液として得ることは溶媒による影響を除外できることから好ましい。両親媒性を示すことから水溶液及びオイルとして利用範囲が広がることは好ましい。
一方、最終的な抽出を食用油や化粧料に用いる油脂で実施することも可能である。例えば、大豆油、米ぬか油、グレープシード油、オリーブ油、ホホバ油で抽出することが可能である。つまり、オイル状にすることにより、利用範囲が広がる。
また、このキノリン誘導体をスプレードライまたは凍結乾燥法により粉末化することは防腐と保存期間を長くする目的から好ましい。
このように製造されたキノリン誘導体はHPLCやNMRにより構造解析を行うことは高い品質のキノリン誘導体を提供できる点から好ましい。
以下、前記実施形態を実施例及び試験例を用いて具体的に説明する。なお、これらは一例であり、素材、原料や検体の違いに応じて常識の範囲内で条件を変更させることが可能である。
まず、発酵法による製造の実施例について記載する。すなわち、日本橋古樹軒(東京)で購入したハスの種子(実)1kgを購入した。これを水洗後、粉砕機(株式会社奈良機械製作所製のスーパー自由ミル)に精製水とともに懸濁して懸濁物0.88kgを得た。
ハスの種子は農薬の分析を事前に行い、在留農薬のないことを確認した。なお、使用まで凍結保管した。
さらに、北海道産の大豆1kgを三輪物産より購入して用いた。これを洗浄後、粉砕機により粉砕し、粉砕物約920gを得た。
ハスの種子の懸濁物500gと大豆粉末500gを清浄なステンレス製の寸胴に移し、5リットルの精製水を添加して攪拌機により懸濁した。
これを95〜99℃で1時間煮沸して滅菌した。冷却後、これらを100kg容量の横河電機社製の撹拌式発酵タンク(FP211)に移し、滅菌した精製水18リットルを添加した。
これに納豆菌本舗である有限会社高橋祐蔵研究所製造の粉末納豆菌3gを購入した。この納豆菌を滅菌水100gに懸濁し、これに粉末大豆粉を添加し、37℃で1時間加温して前培養した。
この納豆菌液を前記の撹拌式発酵タンクに添加して40〜43℃の温度で42時間発酵させた。発酵の状態は大豆の粉末の分解性及び溶解したタンパク質の定量(ビューレット法)によりモニタリングした。
発酵後、得られた発酵液の上清を濾過布により粗濾過してろ液を得た。
このろ液を凍結乾燥機(タイテック社製のフリーズトラップVA−140S)により凍結乾燥させて目的とする粉末136gを得た。これを検体1とした。この粉末0.1gに精製水10mLを添加したところ、水素ガスが1.6ppmの濃度で検出された。
得られた検体1を精製工程に供した。つまり、この粉末80gを精製水320mLに懸濁して8%エタノールで膨潤させたダイヤイオンHP20(三菱化学製)500gに供した。8%エタノール1200mLで洗浄後、50%エタノールの1リットルでさらに、洗浄した。
これに、80%エタノール800mLを添加し、目的とするキノリン誘導体の分画を採取した。この精製工程を3回繰り返して純度を高めた。なお、この精製工程の実施温度は18〜22℃であった。この3回の精製工程で得られた最終分画を減圧乾燥器(日本バイオコン社製)により乾燥し、粉末12gを得た。この粉末を検体2とした。この検体2の粉末0.1gに精製水10mLを添加したところ、ガスクロマトグラフィー(島津製作所製)による分析の結果、1.6ppmの水素ガスの発生が検出された。
以下に、キノリン誘導体の構造解析に関する試験方法及び結果について説明する。
(試験例1)
上記のように得られた検体2をエタノールに溶解し、質量分析器付き高速液体クロマトグラフィ(HPLC、島津製作所)で分析した。
さらに、これを核磁気共鳴装置(600MHz、H−NMR及びC−NMR、ブルカー製)で解析した結果、検体1と検体2から目的とするキノリン誘導体を同定した。
すなわち、検体2の重水素化ジメチルスルホキシド中のH−NMR測定の結果、ピークの位置は1.84、1.88、1.90、2.69、3.33、4.00、5.06、6.20、6.65、6.66、6.74、6.77、6.80、6.91、6.95、7.96、8.02及び8.05ppmに認められた。
また、検体2のC−NMR測定の結果、22.4、22.6、23.5、36.0、42.3、49.7、56.5、71.3、86.2、114.2、116.4、117.4、117.9、119.0、119.4、123.0、124.3、126.4、131.7、134.7、136.5、141.5、142.8、146.0、146.3、146.9、147.0、173.9、174.2及び174.3ppmにピークが認められた。
以下に、C−NMRの解析結果のチャートを示した。(横軸単位はppm、縦軸単位はピーク強度を示す。)
上記の解析結果から化学的に合成した標準品と同一構造を呈することが判明した。すなわち、検体2からキノリン1分子、バリン1分子とp―クマル酸の1分子が結合した目的とするキノリン誘導体であると確認できた。また、検体2のHPLCの分析ではピークは1本となり、純度は99.1%であった。なお、検体1の純度は77.1%であった。
以下にヒト皮膚表皮細胞を用いたエストロゲン受容体活性化試験について述べる。なお、この試験方法は生化学的に有効成分の効果を検証できる再現性のある手法である。
(試験例2)
クラボウより購入したヒト由来表皮細胞(表皮由来、エピダーセル)を用いた。培養液として5%牛胎児血清含有MEM培地(Sigma製)を用いて培養した1000個の細胞を35mm培養シャーレ(FALCON製)に播種し、5%炭酸ガス下、37℃で培養した。ここに紫外線照射装置(クオークテクノロジー製)により280nmの紫外線を1時間照射した。ここに、前記の検体1、検体2及び陽性対照としてEGF(フナコシ製、表皮成長因子)をいずれも10mg/mlの最終濃度で添加した。同時に、EGF(フナコシ製、商品コードNO20)との併用による働きを調べた。これを48時間培養して試験した。
培養液を採取後、表皮細胞の生存率をトリパンブルー法により計数した。その後、表皮細胞の懸濁液を調製した。この細胞懸濁液を用いてエストロゲン受容体の活性化状態を測定した。エストロゲン受容体と検体との結合親和性は核内受容体レポーターアッセイキット(INDIGO Biosciences,Inc.製)により解析した。このシテスムは細胞培養を介したエストロゲン受容体アッセイシステムであり、使用実績も豊富である。
さらに、細胞懸濁液からmRNAを核酸抽出キット(フナコシ製)により抽出した。常法に従い、タカラバイオ製のプライマーを使用しRT−PCR法(タカラバイオ株式会社、microRNA Ready−to−Use PCR Panel)によりエストロゲン受容体のmRNA量を定量した。
なお、シャーレは5枚を用いてその平均値を算出した。溶媒を添加した溶媒対照群と比較した。
その結果、検体1の10mg/mlの添加によりヒト由来表皮細胞数は溶媒対照群に比して平均値として177%に増加した。また、検体2では206%に増加した。一方、EGF添加では136%となった。この結果、検体1及び検体2の方がEGFよりも優れたヒト由来表皮細胞増殖作用を呈した。さらに、検体2とEGFとの併用により溶媒対照群に比して773%に増加し、EGFとの相乗的な効果が認められた。
核内受容体レポーターアッセイキットによるエストロゲン受容体との結合親和性の測定の結果、溶媒対照群に比して検体1添加ではVmaxの値は平均値として180%に増加した。また、検体2では311%に増加した。一方、EGF添加では110%となった。Vmaxはエストロゲンとエストロゲン受容体の最大結合能力を示すことから、検体1及び検体2の方がEGFよりも優れたエストロゲン受容体との結合性を示した。これはエストロゲン受容体との反応性を高めたということであり、エストロゲン受容体の活性化である。さらに、検体2とEGFとの併用により709%となり、EGFとの併用による相乗効果が認められた。
一方、エストロゲン受容体のエストロゲンとの結合濃度を示すkm値(つまり、50%濃度)は溶媒対照群に比して検体1添加のkm値は平均値として77%に減少した。また、検体2では65%に減少した。一方、EGF添加では98%となった。Km値はエストロゲンとエストロゲン受容体の結合の親和性を示すことから、検体1及び検体2の方がEGFよりも低い濃度で優れたエストロゲン受容体との親和性を示した。これはエストロゲン受容体との反応性を高めたということであり、kmが低下したことから、この反応はエストロゲン受容体の活性化である。さらに、検体2とEGFとの併用により52%となり、EGFとの併用による相乗効果が認められた。
さらに、検体1及び検体2による結合性はエストロゲンを高い濃度で処理することにより検体によるエストロゲン活性化作用は軽減された。この軽減により活性化作用が拮抗型活性化であることを示している。
上記の細胞中のエストロゲン受容体のmRNA発現量(コピー数)は溶媒対照群では19コピー、検体1処理群では58コピー、検体2処理群では388コピ−、EGF処理群では39コピーであった。さらに、検体2とEGFとの併用により820コピーとなった。この併用による結果は検体2とEGFが相乗的に作用したことを示している。
この結果から、エストロゲン受容体のmRNA発現量は検体1及び検体2で著しく、EGFより優っていた。これは検体1及び検体2によるエストロゲン受容体のmRNA誘導作用を示していた。また、検体2とEGFとの併用による相乗効果が認められた。
一方、安全性試験の一環として人工皮膚であるEpiSkin(SkinEthic社製)を用いた皮膚刺激性試験を行った。この結果、検体1及び検体2の添加により正常細胞に刺激性は認められず、検体1及び検体2の安全性が確認された。なお、この人工皮膚を用いる安全性試験法は細胞を用いる皮膚刺激性試験評価法であり、動物を使用しない動物実験の代替法として確立され、信頼性が高い方法である。
以下にヒト神経細胞の障害モデルを用いた障害に対する効果試験について述べる。なお、この試験方法は生化学的及び分子生物学的に有効成分の働きを検証できる再現性のある常法であり、試験成績も豊富であり、信頼性も高い方法である。
(試験例3)
コスモバイオから購入したヒト神経細胞(Human Neurons(HN)、1520タイプ)を用いた。培養液として専用の培養液(神経細胞増殖培地)を用いて培養した1000個の細胞を35mm培養シャーレに播種し、5%炭酸ガス下、37℃で培養した。これに1%の神経毒であるアクリルアミド水溶液を添加して神経細胞を刺激した。
ここに、前記の実施例1で得られた検体1及び検体2、陽性対照としてNGF(フナコシ(株)、ヒトタイプ)をいずれも10mg/mlの最終濃度で添加した。これを48時間培養した。さらに、NGF(フナコシ製、β型、商品コード450−01)と検体2を併用して実験した。
培養終了後、神経細胞数を顕微鏡的に計数した。さらに、上記と同様の方法により、エストロゲン受容体の働き(核内受容体レポーターアッセイキット)及びmRNAの発現量をRT−PCR法(タカラバイオ株式会社、microRNA Ready−to−Use PCR Panel)により測定した。
その結果、検体1の10mg/mlの添加により神経細胞数は溶媒対照群に比して平均値として132%に増加した。また、検体2では199%に増加した。一方、NGFでは112%となった。この結果、検体1及び検体2の方がNGFよりも優れた細胞活性化作用を呈した。また、NGFと検体2の併用により細胞数は442%となり、検体2とNGFとは相乗的な増殖を示した。
核内受容体レポーターアッセイキットによるエストロゲン受容体との結合親和性の測定の結果、溶媒対照群に比して検体1添加ではVmaxの値は平均値として166%に増加した。また、検体2では288%に増加した。一方、NGF添加では107%となった。Vmaxはエストロゲンとエストロゲン受容体の最大結合能力を示すことから、検体1及び検体2の方がNGFよりも優れたエストロゲン受容体との結合性を示した。これはエストロゲン受容体との反応性を高めたということであり、エストロゲン受容体の活性化である。さらに、検体2とNGFとの併用により566%となり、NGFとの併用による相乗効果が認められた。
一方、エストロゲン受容体のエストロゲンとの結合濃度を示すkm値は溶媒対照群に比して検体1添加ではkm値は平均値として80%に減少した。また、検体2では69%に減少した。一方、NGF添加では99%となった。Km値はエストロゲンとエストロゲン受容体の結合の親和性を示すことから、検体1及び検体2の方がNGFよりも低い濃度で優れたエストロゲン受容体との親和性を示した。これはエストロゲン受容体との反応性を高めたということであり、エストロゲン受容体の活性化である。さらに、検体2とNGFとの併用により59%となり、NGFとの併用による相乗効果が認められた。
さらに、検体1及び検体2による結合性はエストロゲンを高い濃度で処理することにより検体によるエストロゲン活性化作用は軽減された。この軽減により活性化作用が拮抗型活性化であることを示している。
上記の細胞中のエストロゲン受容体のmRNA発現量(コピー数)は溶媒対照群では17コピー、検体1処理群では48コピー、検体2処理群では122コピ−、NGF処理群では29コピーであった。また、検体2とNGFとの併用により552コピーとなり、NGFとの相乗的な効果が認められた。
エストロゲン受容体のmRNA発現量は検体1及び検体2で著しく、NGFより優っていた。これは検体1及び検体2によるエストロゲン受容体のmRNA誘導作用を示していた。また、NGFとの併用による相乗的な効果が認められた。
本発明で得られるキノリン誘導体はエストロゲン受容体活性化作用を呈し、皮膚細胞や神経細胞などの各種細胞機能を活性化させる。これにより国民のQOLを改善し、健康な労働人口を増加させ、かつ、医療費を削減できる。
本発明で得られるキノリン誘導体は皮膚細胞を増加させ、化粧料としてシワやタルミなどの皮膚トラブルに悩む方の皮膚の改善に貢献し、化粧品業界の発展に寄与する。
本発明で得られるキノリン誘導体は神経細胞を増加させ、認知症やアルツハイマー症の治療のために利用でき、また、骨芽細胞を増殖させ、国民の健康維持に貢献する。

Claims (1)

  1. 下記の式(1)で示されるエストロゲン受容体活性化作用を呈するキノリン誘導体。
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