JP6369751B2 - ケラチン産生作用を呈するクルクミン誘導体及びその製造方法 - Google Patents

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この発明はケラチン産生作用を呈するクルクミン誘導体及びその製造方法に関するものである。
ケラチンは細胞を構成する大切なタンパク質である。皮膚においては皮膚の弾力を増す働きがあり、毛髪においては弾力性を与えている。
ケラチンは皮膚の角質層において角質のバリア層を構成し、皮膚を細菌感染から保護している。炎症を制御する働きがある機能性タンパク質である。ただし、加齢とともにケラチン含量が低下し、皮膚の弾力の低下やシワの原因となる。
ケラチンを産生させて維持させる発明としてヒト上皮細胞修復で用いるジエン化合物、並びにそれを含有する医薬及び化粧品組成物があるものの、化学物質であり、具体的な物質の同定には至っておらず、産業への利用は限定される(例えば、特許文献2参照。)。
また、ケラチン産生に関する発明として例えば、アカシア属樹皮由来物を含有する血糖降下及び/又は抗肥満組成物がある(例えば、特許文献1参照。)もののその応用は限られている。
特願2012−5292 特願2011−535127
既存の物質によるケラチン産生作用は軽度であり、産業上への利用が限定されるという課題があり、また、化学合成された物質では安全性に問題があり、利用が限られている。
そこで、副作用が弱く優れたケラチン産生作用を呈する天然物及びそれを効率良く製造する製造方法が望まれている。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は下記の式(1)で示されるケラチン産生作用を有するクルクミン誘導体に関するものである。
上記の目的を達成するために、請求項2に記載の発明はケラチン産生作用を有する請求項1記載の式(1)で示されるクルクミン誘導体の製造方法に関するものである。
この発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
請求項1に記載のクルクミン誘導体はケラチン産生作用に優れている。
請求項2に記載の製造方法によれば、効率良くクルクミン誘導体を製造することができる。
以下、この発明を具体化した実施形態について詳細に説明する。
ケラチン産生作用を呈するクルクミン誘導体とは、下記の式(1)で示される構造からなるものである。
前記の式(1)のようにクルクミンの1分子にグアニン2分子とシステイン2分子が結合している。システインはL−型である。
クルクミンとはポリフェノールの一種であり、CAS番号458−37−7で、1,7−ビス(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−1,6−ヘプタジエン−3,5−ジオンである。
また、その分子量はC21H20O6であり、炭素21個、水素20個及び酸素6個からなる。
クルクミンは酸素の形状により、ジオン型とエノール型に変化し、この酸素の働きにより強い抗酸化作用が発揮される。このクルクミンはウコンの根、根茎に存在している。
このクルクミン誘導体はクルクミンの1分子のフェノール性の水酸基にグアニンの9位の窒素と酸素を介して結合している。この結合は、2か所で生じ、対角的なフェノール性水酸基が結合している。
さらに、2分子のシステインがクルクミンに結合している。この結合はシステインのカルボキシル基とクルクミンのフェノール性水酸基のエステル結合である。やはり、対角的なフェノール基に結合している。
すなわち、このクルクミン誘導体は核酸塩基を含有する有機化合物である。これらの物質は全て天然由来であり、その安全性は確認されている。
さらに、このクルクミン誘導体の過剰量と人が接触した場合、または飲んだ場合には、体内のエステラーゼなどの酵素により分解されて、クルクミンとアデニンに分解されることかせ安全性が高い。
このクルクミン誘導体は土壌においては微生物により分解されやすく、環境に対する負担もなく、蓄積性もないことから好ましい。
このクルクミン誘導体は細胞膜を通過し、さらに、核膜を通過して遺伝子に働くことから、その作用が直接的で効率的であることから好ましい。また、ケラチン生成酵素の活性中心を刺激する活性化も生じ、メカニズムの違う方法によりケラチン産生を増加させることからいろいろなタイプの皮膚に働くことから好ましい。
このクルクミン誘導体はケラチン生成酵素の遺伝子を活性化し、増幅させることからケラチン生成酵素が誘導され、ケラチン産生が増加する。すなわち、このクルクミン誘導体のグアニン部位がケラチン生成酵素の遺伝子のプロモーター部位に結合し、遺伝子の増幅を生じさせる。
また、このクルクミン誘導体のシステイン部位はケラチン生成酵素の酵素活性中心に電気的なバランスを調整し、酵素活性を直接的に刺激することから好ましい。
さらに、このクルクミン誘導体は未熟な皮膚細胞の分化と増殖を活性化する。このクルクミン誘導体による皮膚細胞の増加は遺伝子レベルでの活性化機序による。
このクルクミン誘導体は皮膚細胞のターンオーバーを活性化し、皮膚細胞の増殖をもたらすことから好ましい。
得られたクルクミン誘導体を医薬品素材として利用する場合、目的とするクルクミン誘導体を分離精製することは、目的とするクルクミン誘導体の純度が高まり、不純物を除去できる点から好ましい。
医薬品として、注射剤または経口剤または塗布剤などの非経口剤として利用され、医薬部外品としては、錠剤、カプセル剤、ドリンク剤、石鹸、塗布剤、ゲル剤、歯磨き粉等に配合されて利用される。
経口剤としては、錠剤、カプセル剤、散剤、シロップ剤、ドリンク剤等が挙げられる。前記の錠剤及びカプセル剤に混和される場合には、結合剤、賦形剤、膨化剤、滑沢剤、甘味剤、香味剤等とともに用いることができる。前記の錠剤は、シェラックまたは砂糖で被覆することもできる。
また、前記のカプセル剤の場合には、上記の材料にさらに油脂等の液体担体を含有させることができる。前記のシロップ剤及びドリンク剤の場合には、甘味剤、防腐剤、色素香味剤等を添加することができる。
非経口剤としては、軟膏剤、クリーム剤、水剤等の外用剤の他に、注射剤が挙げられる。外用剤の基材としては、ワセリン、パラフィン、油脂類、ラノリン、マクロゴールド等が用いられ、通常の方法によって軟膏剤やクリーム剤等とすることができる。
注射剤には、液剤があり、その他、凍結乾燥剤がある。これは使用時、注射用蒸留水や生理食塩液等に無菌的に溶解して用いられる。
食品製剤としてケラチン産生と美容を目的とした健康食品、美容食品などに利用される。また、保健機能食品として栄養機能食品や特定保健用食品に利用することは好ましい。
得られた食品製剤をイヌやネコなどのペットや家畜動物に利用する場合、ケラチンの産生と皮膚の健康を維持する目的として飼料やサプリメントとして利用される。
化粧料として常法に従って界面活性化剤、溶剤、増粘剤、賦形剤等とともに用いることができる。例えば、クリーム、毛髪用ジェル、洗顔剤、美容液、化粧水等の形態とすることができる。
化粧料の形態は任意であり、溶液状、クリーム状、ペースト状、ゲル状、ジェル状、固形状または粉末状として用いることができる。
得られた化粧料はケラチン産生により、シワの改善やタルミの防御、アトピー性皮膚炎の皮膚バリア形成に利用される。
次に、ウコンの根茎、大豆粉末と納豆菌を添加して発酵させた発酵液をさらにベニコウジ菌で発酵させ、さらに、プロテアーゼ処理する工程からなるケラチン産生作用を呈する式(1)で示されるクルクミン誘導体の製造方法について説明する。
ここでいう式(1)で示されるクルクミン誘導体とはクルクミン1分子とグアニン2分子とシステイン2分子から、前述の誘導体である。このクルクミン誘導体は生体内で酵素により分解されて***されるため安全性が高い。
このクルクミン誘導体のクルクミンは天然に存在し、食経験も豊富であり、安全性が認められていることから好ましい。
この誘導体は皮膚細胞の遺伝子に直接作用し、ケラチン産生作用を発揮する。
この製造方法とはウコンの根茎、大豆粉末と納豆菌を添加して発酵させた発酵液を、さらに、ベニコウジ菌により発酵させた後に、プロテアーゼ処理する工程からなる。
原料となる材料はウコンの根茎、大豆粉末、納豆菌、ベニコウジ菌とプロテアーゼである。
ウコンとはショウガ科ウコン属の多年草であり、秋ウコンまたはキゾメグサまたはターメリックとも称される植物であり、学名Curcuma longaである。ウコンの根茎は食用、薬品にも利用されており、安全性が高い。
ウコンの根茎にはクルクミンが豊富に含有されていることからこの誘導体の原料として好ましい。
ウコンの根茎は日本産、中国などのアジア産、アメリカ産のいずれも良い。このうち、低農薬や減農薬で生産されたものは好ましい。
ウコンの根茎は乾燥され、粉末化されることが好ましく、発酵の前にオートクレーブ滅菌されることは発酵をスムーズに行うることから好ましい。
3マイクロメーター以下の粒子サイズの粉末が発酵の工程を実施しやすくすることから好ましい。
原料となる大豆粉末は、日本産、中国産、アメリカ産、ロシア産などいずれの産地の大豆でも利用できるが、トレーサビリティーが確実であり、生産者が明確である日本産が好ましい。
このうち、有機栽培や無農薬で栽培された大豆は有害な農薬や金属を含有しないことから、さらに好ましい。
大豆は使用に際して、株式会社奈良機械製作所製の自由ミル、スーパー自由ミル、サンプルミル、ゴブリン、スーパークリーンミル、マイクロス、減圧乾燥機として東洋理工製の小型減圧乾燥機、株式会社マツイ製の小型減圧伝熱式乾燥機DPTH−40、エーキューエム九州テクノス株式会社製のクリーンドライVD−7、VD−20、中山技術研究所製DM−6などの粉砕機で粉砕される。これにより発酵の工程が効率的に進行されやすい。
さらに、ウコンの根茎と大豆は粉砕後、オートクレーブなどにより滅菌されることは雑菌の繁殖を防御できることから好ましい。
用いる納豆菌は学名バチルス サブチリスで日本では納豆の製造に汎用され、食経験が豊富で有用な食用菌である。沖縄や鹿児島などの日本産、中国や台湾の東南アジア原産の菌種が用いられる。
この納豆菌はウコンの根茎と大豆からなるクルクミンと核酸の塩基を同時に発酵させることによりクルクミンと塩基が結合する。
前記の発酵に関するそれぞれの添加量はウコンの根茎の乾燥粉末1重量に対し、大豆粉末は0.02〜5重量及び納豆菌は0.001〜0.05重量が好ましい。納豆菌は発酵される前に、前培養することは、発酵の初発時間を短縮し、発酵時間が短縮されることから好ましい。
前記の発酵は清浄な培養用タンクで実施され、滅菌された水道水により前記の材料を混合することは好ましい。
また、この発酵は35〜44℃に加温され、発酵は2日間から40日間行われる。目的とするクルクミン誘導体をHPLCやTLCにより定量することならびに、菌体の増殖性を確認することにより、発酵の工程管理を実施することは好ましい。
得られたバチルス発酵液は引き続き、ベニコウジ菌によって発酵される。このベニコウジ菌による発酵によりクルクミン誘導体が分離され、吸収も促進される。
用いるベニコウジ菌は学名Monascuc purpureusの糸状菌であり、古くから日本、中国や台湾において紅酒や豆腐ようなどの発酵食品に利用されている。また、沖縄や鹿児島などの日本産、中国や台湾の東南アジア原産の菌種が用いられる。紅麹本舗製のベニコウジ菌は発酵効率に優れている。
前記の発酵に関するそれぞれの添加量は前記の発酵物1重量に対してベニコウジ菌は0.001〜0.006重量が好ましい。ベニコウジ菌は発酵される前に、前培養することは、発酵の初発時間を短縮し、発酵時間が短縮されることから好ましい。
前記の発酵は清浄な培養用タンクで実施され、滅菌された水道水により前記の材料を混合することは好ましい。
また、この発酵は36〜43℃に加温され、発酵は1日間から34日間行われる。
この発酵の工程によって核酸とエステル結合などの結合体が形成される。
プロテアーゼはタンパク質を分解し、ペプチドやアミノ酸を生成する加水分解の酵素であり、食用としても利用されている。アマノ製薬のプロテアーゼNは酵素活性が高いことから好ましい。
前記の発酵物にプロテアーゼを添加して加温することによりクルクミン誘導体とタンパク質が分解され、低分子のクルクミン誘導体になる。
発酵物の1重量に対してプロテアーゼの添加量は0.001〜0.07重量が好ましい。加温温度は35〜46℃が好ましい。加温時間は1時間から7時間が好ましい。
前記のプロテアーゼ処理した分解物は含水エタノールで抽出されることは、生成物を効率良く回収でき、プロテアーゼを失活でき、次の工程が実施しやすいことから、好ましい。
また、得られた発酵物を超音波処理することは、生成物が分離しやすいことから、好ましい。また、凍結乾燥などにより、濃縮することは、以下の工程が短時間に実施できることから好ましい。
前記の還元反応物から、目的とするクルクミン誘導体を分離し、精製することは純度の高い物質として摂取量を減少させることができる点から好ましい。この精製の方法としては、分離用の樹脂などの精製操作を利用することが好ましい。
例えば、分離用担体または樹脂により分離され、分取されることにより目的とするクルクミン誘導体が得られる。分離用担体または樹脂としては、表面が後述のようにコーティングされた、多孔性の多糖類、酸化珪素化合物、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、ポリプロピレン、スチレン−ビニルベンゼン共重合体等が用いられる。0.1〜300μmの粒度を有するものが好ましく、粒度が細かい程、精度の高い分離が行なわれるが、分離時間が長い欠点がある。
例えば、逆相担体または樹脂として表面が疎水性化合物でコーティングされたものは、疎水性の高い物質の分離に利用される。陽イオン物質でコーティングされたものは陰イオン性に荷電した物質の分離に適している。また、陰イオン物質でコーティングされたものは陽イオン性に荷電した物質の分離に適している。特異的な抗体をコーティングした場合には、特異的な物質のみを分離するアフィニティ担体または樹脂として利用される。
アフィニティ担体または樹脂は、抗原抗体反応を利用して抗原の特異的な調製に利用される。分配性担体または樹脂は、シリカゲル(メルク社製)等のように、物質と分離用溶媒の間の分配係数に差異がある場合、それらの物質の単離に利用される。
これらのうち、製造コストを低減することができる点から、吸着性担体または樹脂、分配性担体または樹脂、分子篩用担体または樹脂及びイオン交換担体または樹脂が好ましい。さらに、分離用溶媒に対して分配係数の差異が大きい点から、逆相担体または樹脂及び分配性担体または樹脂はより好ましい。
分離用溶媒として有機溶媒を用いる場合には、有機溶媒に耐性を有する担体または樹脂が用いられる。また、医薬品製造または食品製造に利用される担体または樹脂は好ましい。
これらの点から吸着性担体としてダイヤイオン(三菱化学(株)社製)及びXAD−2またはXAD−4(ロームアンドハース社製)、分子篩用担体としてセファデックスLH−20(アマシャムファルマシア社製)、分配用担体としてシリカゲル、イオン交換担体としてIRA−410(ロームアンドハース社製)、逆相担体としてDM1020T(富士シリシア社製)がより好ましい。
これらのうち、ダイヤイオン、セファデックスLH−20及びDM1020Tはさらに好ましい。
得られた抽出物は、分離前に分離用担体または樹脂を膨潤化させるための溶媒に溶解される。その量は、分離効率の点から抽出物の重量に対して1〜35倍量が好ましく、4〜25倍量がより好ましい。分離の温度としては物質の安定性の点から4〜30℃が好ましく、10〜25℃がより好ましい。
分離用溶媒には、水、または、水を含有する低級アルコール、親水性溶媒、親油性溶媒が用いられる。低級アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールが用いられるが、食用として利用されているエタノールが好ましい。
セファデックスLH−20を用いる場合、分離用溶媒には低級アルコールが好ましい。シリカゲルを用いる場合、分離用溶媒にはクロロホルム、メタノール、酢酸またはそれらの混合液が好ましい。
ダイヤイオン及びDM1020Tを用いる場合、分離用溶媒はメタノール、エタノール等の低級アルコールまたは低級アルコールと水の混合液が好ましい。
クルクミン誘導体を含む画分を採取して乾燥または真空乾燥により溶媒を除去し、目的とするクルクミン誘導体を粉末または濃縮液として得ることは溶媒による影響を除外できることから、好ましい。
また、最終抽出を食用油や化粧料に用いる油脂で実施することは、得られるクルクミン誘導体が安定に維持されることから好ましい。例えば、大豆油、米ぬか油、グレープシード油、オリーブ油、ホホバ油で抽出することは好ましい。
また、このクルクミン誘導体を粉末化することは防腐の目的から好ましい。
以下、前記実施形態を実施例及び試験例を用いて具体的に説明する。なお、これらは一例であり、素材、原料や検体の違いに応じて常識の範囲内で条件を変更させることが可能である。
沖縄で減農薬栽培された秋ウコンの根茎を用いた。根茎を採取した後、水道水で水洗後、天日で乾燥させ、粉砕機(株式会社奈良機械製作所製のスーパー自由ミル)にて粉砕し、ウコンの根茎の乾燥粉末粉砕物を1.5kg得た。
北海道産の大豆をミキサー(クイジナート)に供し、大豆の粉砕物1.1kgを得た。前記のウコンの根茎と大豆の粉砕物をオートクレーブに供し、121℃、20分間、滅菌した。
これらを清浄な発酵タンク(滅菌された発酵用丸形40リットルタンク)に入れ、滅菌された水道水10kgを添加し、攪拌した。
これとは別に、納豆本舗製の粉末納豆菌の10gを小型発酵タンクに供し、滅菌した大豆粉末と前培養させた培養液を用意した。
前記の前培養した納豆菌の溶液を前記のウコンの根茎の乾燥粉末と大豆を入れた発酵タンクに添加し、攪拌後、41〜42℃の温度範囲で加温し、発酵させた。
発酵過程では、通気によりバブリングと攪拌を行いつつ、発酵液のサンプリングを行った。
このバチルスによる発酵物1kgに対して紅麹本舗製のベニコウジ菌の10gを添加し、38℃で5日間発酵させた。
得られた発酵物1kgに対してアマノ製薬のプロテアーゼNを10g添加し、40℃で3時間加温した。
この処理物を加温し、エタノールを添加して目的とするクルクミン誘導体含有エキス520gを得た。
前述のクルクミン誘導体含有エキスの400gに6%エタノール含有精製水1Lを添加し、ダイアイオン(三菱化学製)400gを5%エタノール液に懸濁して充填したカラムに供した。
これに2Lの5%エタノール液を添加して清浄し、さらに、50%エタノール液を2L添加して目的とするクルクミン誘導体を溶出させ、精製した。精製されたクルクミン誘導体を減圧蒸留により、エタノール部分を除去し、水溶液とした。これをクルクミン誘導体の検体1とした。
以下に、クルクミン誘導体の構造解析に関する試験方法及び結果について説明する。
(試験例1)
上記のように得られた検体1をエタノールに溶解し、質量分析器付き高速液体クロマトグラフィ(HPLC、島津製作所)で分析した。
さらに、核磁気共鳴装置(NMR、ブルカー製、AC−250)で解析した。構造解析の結果、検体1からクルクミンと塩基であるアデニンが検出された。また、クルクミン1分子、グアニン2分子、システイン2分子が確認され、それぞれの結合が確認された。さらなる構造解析によりこのクルクミン誘導体の構造が同定された。
すなわち、クルクミンの1分子のフェノール性水酸基にグアニンの9位が結合し、その結合は2か所認められ、位置も対角的であった。さらに、クルクミンの1分子のフェノール性水酸基とシステインのエステル結合が確認された。その結合も対角的であり、グアニンとシステインは近い位置に存在していた。
以下にヒト皮膚上皮細胞を用いた確認試験について述べる。
(試験例2)
クラボウ株式会社より購入したヒト皮膚上皮細胞を用いた。培養液としては、5%牛胎児血清含有MEM培地(Sigma製)を用いて培養した、1000個の細胞を35mm培養シャーレに播種し、5%炭酸ガス下、37℃で培養した。これに、前記の実施例1で得られた検体1及び対照としてEGF(上皮細胞増殖因子)の0.1mg/mlの最終濃度で添加した。これを48時間培養した。
細胞を剥離後、細胞数を計数した後、細胞懸濁液を調整し、細胞内のケラチン量をELISA法(和光純薬)にて測定した。なお、シャーレは5枚を用いてその平均値を算出した。
その結果、検体1の0.1mg/mlの添加により皮膚の上皮細胞数が対照群に比して平均値として390%に増加した。EGFでは140%の増加であり検体1の方が優れていた。
ケラチン量については検体1により対照群に比して410%に増加した。EGFでは150%となり、検体1の増加作用が著しかった。なお、細胞には障害はなく、安全性が確認された。
本発明で得られるクルクミン誘導体はケラチンを増加させることにより、細胞の組織を保護し、組織を保護することから国民の健康維持に貢献する。
本発明で得られるクルクミン誘導体は皮膚の上皮細胞とケラチンを改善する作用を有することから、化粧料として炎症やアトピー、肌トラブルに悩む方の改善に貢献し、化粧品業界の発展に寄与する。
本発明で得られるクルクミン誘導体は食品としても利用できることから、食品業界の発展に寄与する。

Claims (2)

  1. 下記の式(1)で示されるケラチン産生作用を呈するクルクミン誘導体。
  2. ウコンの根茎、大豆粉末と納豆菌を添加して発酵させた発酵液をさらにベニコウジ菌で発酵させ、さらに、プロテアーゼ処理する工程からなるケラチン産生作用を呈する請求項1記載の式(1)で示されるクルクミン誘導体の製造方法。
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