JP2019185038A - エレクトロクロミックデバイス - Google Patents

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史育 金子
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Abstract

【課題】消色状態時の透明度が高く、電圧印加時の発色が速いエレクトロクロミックデバイスを提供する。【解決手段】第1の電極と、前記第1の電極に対して間隔をおいて対向する第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に、エレクトロクロミック材と、イオンを伝導しない非イオン伝導部を一部に含む第1のイオン伝導材とを有するエレクトロクロミック層を有し、前記非イオン伝導部は、2価以上の価数で結合する原子同士が結合してなる原子総数8以上の原子配列からなり、ヘテロ原子の割合が、前記原子総数に対し15個数%以下である分子ユニット構造であるエレクトロクロミックデバイスである。【選択図】図1

Description

本発明は、エレクトロクロミックデバイスに関する。
化合物に電圧を印加することにより酸化還元反応が起こり、可逆的に色が変化する現象をエレクトロクロミズムという。エレクトロクロミズムを利用したデバイス(エレクトロクロミックデバイス)としては、例えば、電子ペーパー、ディスプレイ、調光レンズ、調光窓、遮光フィルタ、防眩ミラー、タッチパネル式キースイッチ、光スイッチ、光メモリーなどが挙げられる。
このようなエレクトロクロミックデバイスにおいて、調光窓などの透明なデバイスや発色する色が異なる複数の発色層(エレクトロクロミック層)を積層させたカラーデバイスを作製する場合には、中性状態時に透明であるエレクトロクロミック層が必要となる。
また、透明状態(消色状態)と発色状態のコントラストを向上させるために、それぞれの層を固体化して多層構造をなしたエレクトロクロミックデバイスが知られている(例えば、特許文献1参照)。
エレクトロクロミック層が固体である場合には、エレクトロクロミック層中をイオンが速やかに移動できず、電圧印加時の発色が遅くなってしまうことがある。
本発明は、消色状態時の透明度が高く、電圧印加時の発色が速いエレクトロクロミックデバイスを提供することを目的とする。
課題を解決するための手段としての本発明のエレクトロクロミックデバイスは、第1の電極と、前記第1の電極に対して間隔をおいて対向する第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に、エレクトロクロミック材と、イオンを伝導しない非イオン伝導部を一部に含む第1のイオン伝導材とを有するエレクトロクロミック層を有し、前記非イオン伝導部は、2価以上の価数で結合する原子同士が結合してなる原子総数8以上の原子配列からなり、ヘテロ原子の割合が、前記原子総数に対し15個数%以下である分子ユニット構造である。
本発明によると、消色状態時の透明度が高く、電圧印加時の発色が速いエレクトロクロミックデバイスを提供することができる。
図1は、本発明のエレクトロクロミックデバイスの一実施形態を説明するための説明図である。
(エレクトロクロミックデバイス)
本発明のエレクトロクロミックデバイスは、第1の電極と、第1の電極に対して間隔をおいて対向する第2の電極を有する。本発明のエレクトロクロミックデバイスは、更に、エレクトロクロミック材と、イオンを伝導しない非イオン伝導部を一部に含む第1のイオン伝導材とを有するエレクトロクロミック層を有する。
本発明における非イオン伝導部は、2価以上の価数で結合する原子同士が結合してなる原子総数8以上の原子配列からなり、ヘテロ原子の割合が、原子総数に対し15個数%以下である分子ユニット構造である。また、本発明のエレクトロクロミックデバイスは、更に必要に応じてその他の部材を含む。
本発明は、従来技術のエレクトロクロミックデバイスでは、消色状態時の透明度が低いものや、電圧印加時の発色が遅いものがあるという知見に基づくものである。
具体的には、例えば、従来技術として、イオンの伝導度を高めて電圧印加時の発色を早くするために、エレクトロクロミズムを示すエレクトロクロミック材料に、イオン伝導材料を混合することが知られている。しかし、この技術では、エレクトロクロミック材料とイオン伝導材料の親和性(相溶性)が低い場合には、エレクトロクロミック材料とイオン伝導材料とを均一に混合できないことがある。この場合、エレクトロクロミック層が不均一であるため、エレクトロクロミック層のイオンの伝導度を向上させることが難しいことに加え、エレクトロクロミック層内で光が散乱してしまい消色状態時の透明度が低くなってしまうことがある。
また、エレクトロクロミック材料とイオン伝導材料を共重合させた共重合体を含むエレクトロクロミック層を作製した場合でも、エレクトロクロミック材料とイオン伝導材料の相溶性が低いときは、重合誘起相分離という現象が発生することがある。重合誘起相分離が生じると、エレクトロクロミック材料とイオン伝導材料の共重合体がエレクトロクロミック層内で均一に分布していない状態となる。このような状態となると、エレクトロクロミック層のイオンの伝導度を向上させることが難しいことに加え、エレクトロクロミック層内で光が散乱してしまい消色状態時の透明度が低くなってしまうことがある。
本発明のエレクトロクロミックデバイスは、エレクトロクロミック層の均一性が高い光が散乱しにくいので、消色状態時の透明度を高くすることができる。更に、本発明のエレクトロクロミックデバイスは、エレクトロクロミック層の均一性が高いため、エレクトロクロミック層のイオン伝導度が向上するので、電圧印加時の発色を速くすることができる。
<エレクトロクロミック層>
エレクトロクロミック層とは、電圧を印加することにより酸化還元反応が起こり、可逆的に色が変化する層を意味する。
エレクトロクロミック層は、エレクトロクロミック材とイオンを伝導しない非イオン伝導部を一部に含む第1のイオン伝導材とを有する。ここで、非イオン伝導部は、2価以上の価数で結合する原子同士が結合してなる原子総数8以上の原子配列からなり、ヘテロ原子の割合が、原子総数に対し15個数%以下である分子ユニット構造である。
エレクトロクロミック層としては、上記のエレクトロクロミック材と、第1のイオン伝導材とを含むものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、更にその他の成分を含んでいてもよい。
エレクトロクロミック層は、エレクトロクロミック材と、第1のイオン伝導材との共重合体を含むことが好ましい。
エレクトロクロミック材と第1のイオン伝導材との共重合体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できる。エレクトロクロミック材と第1のイオン伝導材の共重合体として、例えば、それぞれの部材がランダムに並んだランダム共重合体、エレクトロクロミック材が連続する領域と第1のイオン伝導材が連続する領域とを含むブロック共重合体などが挙げられる。また、エレクトロクロミック材と第1のイオン伝導材の共重合体としては、共重合体が互いに結合して形成された網目状の架橋構造を有する架橋体であってもよい。
エレクトロクロミック材と第1のイオン伝導材とを共重合させる方法としては、例えば、エレクトロクロミック材、第1のイオン伝導材、重合開始剤及び溶媒を混合して得た溶液を、紫外線(UV)照射器を用いて重合させる方法などが挙げられる。
エレクトロクロミック層が、エレクトロクロミック材と、第1のイオン伝導材の共重合体を含むことで、エレクトロクロミック層の均一性がより向上する。そのため、エレクトロクロミックデバイスは、消色状態時の透明度が高く、電圧印加時の発色が速いものとなる。
また、エレクトロクロミック層が、エレクトロクロミック材の重合体と、第1のイオン伝導材の重合体の混合物を含んでいてもよい。
エレクトロクロミック材の重合体及び第1のイオン伝導材の重合体の混合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できる。エレクトロクロミック材の重合体及び第1のイオン伝導材の重合体の混合物としては、例えば、エレクトロクロミック材と第1のイオン伝導材を別々に重合させた後に、それぞれの重合体を混合したものなどが挙げられる。
エレクトロクロミック層の厚さとしては、0.2μm以上5.0μm以下であることが好ましい。エレクトロクロミック層の厚さが0.2μm以上5.0μm以下であると、消色状態と発色状態のコントラスト及び消色状態時の透明度を向上させることができる。
<<エレクトロクロミック材>>
エレクトロクロミック材とは、電圧を印加することにより酸化還元反応が起こり、可逆的に色が変化する部材を意味する。
なお、本発明におけるエレクトロクロミック材とは、例えば、エレクトロクロミック材がモノマーである場合は、エレクトロクロミズムを示す材料(エレクトロクロミック材料)又は、エレクトロクロミック材料の重合体を構成するモノマーユニットなどを意味する。また、本発明におけるエレクトロクロミック材は、例えば、エレクトロクロミック層が、エレクトロクロミック材及び第1のイオン伝導材の共重合体である場合は、共重合体において、エレクトロクロミック材料が重合してなる部分を構成するモノマーユニットなどを意味する。
エレクトロクロミック材としては、特に制限はなく、目的に応じて選択でき、例えば、アゾベンゼン系、アントラキノン系、ジアリールエテン系、ジヒドロプレン系、スチリル系、スチリルスピロピラン系、スピロオキサジン系、スピロチオピラン系、チオインジゴ系、テトラチアフルバレン系、テレフタル酸系、トリフェニルメタン系、トリフェニルアミン系、ナフトピラン系、ビオロゲン系、ピラゾリン系、フェナジン系、フェニレンジアミン系、フェノキサジン系、フェノチアジン系、フタロシアニン系、フルオラン系、フルギド系、ベンゾピラン系、メタロセン系、ベンジジン系等の低分子系有機エレクトロクロミック材、ポリアニリン、ポリチオフェン等の導電性高分子化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、トリフェニルアミン系のもの(トリフェニルアミン誘導体)、ベンジジン系のもの(ベンジジン誘導体)が好ましい。
また、エレクトロクロミック材は、重合性官能基を有するモノマー又は重合性官能基が重合されてなる重合体を構成するモノマーユニットであることが好ましい。
重合性官能基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、アクリル基、メタクリル基、エポキシ基、オキセタン基、ビニル基、ビニロキシ基、アリル基、スチリル基、マレオイル基、シンナモイル基などが挙げられる。これらは、エレクトロクロミック材に1種単独で含まれてもよいし、2種以上が含まれてもよい。これらの中でも、アクリル基、メタクリル基が好ましい。
エレクトロクロミック材の具体的な例としては、以下に示すものが挙げられるが、エレクトロクロミック材はこれらに限定されるものではない。
[例示化合物1]
[例示化合物2]
[例示化合物3]
[例示化合物4]
[例示化合物5]
[例示化合物6]
また、エレクトロクロミック材のエレクトロクロミック層における割合としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、例えば、10質量%以上90質量%以下であることが好ましい。
<<第1のイオン伝導材>>
イオン伝導材とは、エレクトロクロミック層のイオンの伝導性(イオン伝導度)を高める部材を意味する。
なお、本発明における第1のイオン伝導材とは、例えば、第1のイオン伝導材がモノマーである場合は、イオンの伝導性を高める材料(イオン伝導材料)又は、イオン伝導材料の重合体を構成するモノマーユニットなどを意味する。また、本発明における第1のイオン伝導材は、例えば、エレクトロクロミック層が、エレクトロクロミック材及び第1のイオン伝導材の共重合体である場合は、共重合体において、イオン伝導材料が重合してなる部分を構成するモノマーユニットなどを意味する。
第1のイオン伝導材としては、後述する非イオン伝導部を一部に含むものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できる。
<<<非イオン伝導部>>>
第1のイオン伝導材は、イオンを伝導しない非イオン伝導部を一部に含む。
非イオン伝導部は、2価以上の価数で結合する原子同士が結合してなる原子総数8以上の原子配列からなり、ヘテロ原子の割合が、原子総数に対し15個数%以下である分子ユニット構造であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できる。ここで、原子総数は水素原子以外の原子の総数を意味し、ヘテロ原子とは、水素原子と炭素原子以外の原子を意味する。
非イオン伝導部は、疎水性を示す傾向にあるため、疎水性を示すエレクトロクロミック材との相溶性が高くなる。そのため、エレクトロクロミック層の均一性が向上するので、エレクトロクロミックデバイスは、消色状態時の透明度が高く、電圧印加時の発色が速いものとなる。
非イオン伝導部としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アシル基、アルケノイル基、アルキルフェニル基、ビスアルキルフェニル基、多環フェニル基などが挙げられる。これらは、第1のイオン伝導材に1種単独で含まれてもよいし、2種以上が含まれてもよい。
−溶解度パラメータ−
前記非イオン伝導部は、その溶解度パラメータが7.5以上13以下であることが好ましい。
溶解度パラメータとは、材料の溶解性を表す指標としてよく用いられる値であり、本発明においてはFedorsの原子団寄与法によって算出される値(単位:(cal/cm0.5)を用いる。非イオン伝導部の溶解度パラメータが7.5以上13以下であると、イオン伝導材とエレクトロクロミック材の相溶性が高くなるため、エレクトロクロミック層の均一性が向上するので、エレクトロクロミックデバイスは、消色状態時の透明度がより高く、電圧印加時の発色がより速いものとなる。
第1のイオン伝導材は、アルキレンオキシド構造を含むことが好ましい。
アルキレンオキシド構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、例えば、エチレンオキサイド構造、プロピレンオキサイド構造、トリメチレンオキサイド構造、ブチレンオキサイド構造、テトラメチレンオキサイド構造などが挙げられる。これらは、第1のイオン伝導材に1種単独で含まれてもよいし、2種以上が含まれてもよい。
第1のイオン伝導材が高いイオンの伝導性を有するアルキレンオキシド構造を含むことにより、エレクトロクロミック層のイオン伝導度をより向上させることができるので、エレクトロクロミックデバイスの電圧印加時の発色を、より速くすることができる。
アルキレンオキシド構造としては、エチレンオキシド構造であることが好ましい。
以下、第1のイオン伝導材の例について、一般式を示しながら詳細に説明するが、第1のイオン伝導材はこれに限定されるものではない。
第1のイオン伝導材としては、例えば、下記一般式(2)、一般式(2−1)、又は一般式(2−2)で示される化合物が挙げられる。
[一般式(2)]
[一般式(2−1)]
[一般式(2−2)]
ただし、前記一般式(2)、一般式(2−1)及び一般式(2−2)中、Rは、炭素数が8以上のアルキル基、アルケニル基、アシル基、アルケノイル基、アルキルフェニル基、ビスアルキルフェニル基又は多環フェニル基である。また、前記一般式(2)、一般式(2−1)及び一般式(2−2)中、AOは、アルキレンオキシドを示し、Xは、重合性官能基を示す。X′は重合後の重合性官能基を示す。前記一般式(2)、一般式(2−1)及び一般式(2−2)中、nは、1以上の整数を表し、アルキレンオキシド繰り返し構造の両末端が酸素原子となっている構造を示す。なお、前記一般式(2−1)は前記一般式(2)の重合後のモノマーユニットを表し、前記一般式(2−2)は前記一般式(2−1)の重合基を除いたユニットを表す。
アルキル基としては、例えば、オクチル基、エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ラウリル基、トリデシル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、イコシル基、ドコシル基などが挙げられる。また、アルキル基は、多価不飽和アルキル基であってもよい。
アルケニル基としては、例えば、前記アルケニル基としてはオクテニル基、デセニル基、ドデセニル基、テトラデセニル基、ヘキサデセニル基、オクタデセニル基、イコセニル基、ドコセニル基などが挙げられる。
アシル基としては、例えば、オクタノイル基、デカノイル基、ドデカノイル基、テトラデカノイル基、ヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基、イコサノイル基、ドコサノイル基などが挙げられる。また、アシル基は、多価不飽和アシル基であってもよい。
アルケノイル基としては、例えば、オクテノイル基、デセノイル、ドデセノイル基、テトラデセノイル基、ヘキサデセノイル基、オクタデセノイル基、イコセノイル基、ドコセノイル基などが挙げられる。
アルキルフェニル基としては、例えば、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ドデシルフェニル基、テトラデシルフェニル基、ヘキサデシルフェニル基、オクタデシルフェニル基、イコシルフェニル基、ドコシルフェニル基などが挙げられる。
ビスアルキルフェニル基としては、例えば、ビスフェノール骨格を持ったものが挙げられ、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールAP、ビスフェノールAF、ビスフェノールB、ビスフェノールBP、ビスフェノールC、ビスフェノールE、ビスフェノールF、ビスフェノールG、ビスフェノールM、ビスフェノールS、ビスフェノールP、ビスフェノールPH、ビスフェノールTMC、ビスフェノールZなどが挙げられる。
多環フェニル基としては、例えば、ナフチル基、フェナントリル基、アントリル基などが挙げられる。また、上述した一般式(2)中、Rに示される官能基は、それぞれ置換基を有していてもよい。
重合性官能基としては、例えば、アクリル基、メタクリル基、エポキシ基、オキセタン基、ビニル基、ビニロキシ基、アリル基、スチリル基、マレオイル基、シンナモイル基などが挙げられる。これらの中でも、重合反応を制御しやすく、また多彩なモノマーを組み合わせることができるため、アクリル基、メタクリル基であることが好ましい。
前記一般式(2)、一般式(2−1)及び一般式(2−2)で示される第1のイオン伝導材として利用可能な商品として、例えば、日油株式会社製のものとしては、ブレンマー50POEP−800B、ブレンマーPLE200、ブレンマーPLE1300、ブレンマーPSE1300、ブレンマーALE−200、ブレンマーANP−300、ブレンマー75ANEP−600などが挙げられ、日立化成株式会社製のものとしては、ファンクリルFA−314A、ファンクリルFA−318ASなどが挙げられ、新中村化学工業株式会社製のものとしては、A−LEN−10などが挙げられ、サートマー・ジャパン株式会社製のものとしては、CD9075などが挙げられる。更にこれらの重合後のモノマーユニットも挙げられる。
第1のイオン伝導材としては、別の例として、例えば、下記一般式(3)、一般式(3−1)又は一般式(3−2)で示される化合物が挙げられる。
[一般式(3)]
[一般式(3−1)]
[一般式(3−2)]
ただし、前記一般式(3)、一般式(3−1)及び一般式(3−2)中、Rは、アルコキシ基、Rは、炭素数が8以上のアルキル基、アルケニル基、アシル基、アルケノイル基、アルキルフェニル基、ビスアルキルフェニル基又は多環フェニル基、Rは、水素原子又は炭素数が1以上のアルキル基を示す。また、前記一般式(3)、一般式(3−1)及び一般式(3−2)中、AOは、アルキレンオキシドを示し、Xは、重合性官能基を示す。X′は重合後の重合性官能基を示す。前記一般式(3)、一般式(3−1)及び一般式(3−2)中、nは、1以上の整数を表し、アルキレンオキシド繰り返し構造の両末端が酸素原子となっている構造を示す。なお、前記一般式(3−1)は前記一般式(3)の重合後のモノマーユニットを表し、前記一般式(3−2)は前記一般式(3−1)の重合基を除いたユニットを表す。
アルコキシ基としては、例えば、2価以上の多価アルコールから誘導されるアルコキシが挙げられ、具体的には、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、グリセリン、テトリトール、ペンチトール、ヘキシトール、イノシトール、スクロース、グルコース、フルクトース、トレハロースなどが挙げられる。また、上述した一般式(3)中、Rに示される官能基は、それぞれ置換基を有していてもよい。
なお、前記一般式(3)、一般式(3−1)及び一般式(3−2)中、Rに示される官能基は、上記一般式(2)、一般式(2−1)及び一般式(2−2)中のRと同様のものを用いることができる。また、前記一般式(3)、一般式(3−1)及び一般式(3−2)中、Rがアルキル基である場合、上記一般式(2)、一般式(2−1)及び一般式(2−2)中のRがアルキル基である場合と同様のものを用いることができるほかに、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、2−メチル−2−ブチル基、3−メチル−2−ブチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基などが挙げられる。なお、前記一般式(3)、一般式(3−1)及び一般式(3−2)中、Xで示される重合性官能基は、上記一般式(2)、一般式(2−1)及び一般式(2−2)中のXと同様のものを用いることができる。
前記一般式(3)、一般式(3−1)及び一般式(3−2)で示される第1のイオン伝導材として利用可能な商品として、例えば、第一工業製薬株式会社製のものとしては、アクアロンKH−10、アクアロンKH−1025、アクアロンKH−05などが挙げられ、株式会社ADEKA製のものとしては、アデカリアソープER−10、アデカリアソープER−20、アデカリアソープER−30、アデカリアソープER−40、アデカリアソープNE−10、アデカリアソープNE−20、アデカリアソープNE−30などが挙げられる。更にこれらの重合後のモノマーユニットも挙げられる。
第1のイオン伝導材としては、別の例として、例えば、下記一般式(4)、一般式(4−1)又は一般式(4−2)で示される化合物が挙げられる。
[一般式(4)]
[一般式(4−1)]
[一般式(4−2)]
ただし、前記一般式(4)、一般式(4−1)及び一般式(4−2)中、Rは、炭素数が8以上のアルキル基、アルケニル基、アシル基、アルケノイル基、アルキルフェニル基、ビスアルキルフェニル基又は多環フェニル基、Rは、水素原子又は炭素数が1以上のアルキル基を示す。また、前記一般式(4)、一般式(4−1)及び一般式(4−2)中、AOは、アルキレンオキシドを示し、Xは、重合性官能基を示す。X′は重合後の重合性官能基を示す。前記一般式(4)、一般式(4−1)及び一般式(4−2)中、nは、1以上の整数を表し、アルキレンオキシド繰り返し構造の両末端が酸素原子となっている構造を示す。なお、前記一般式(4−1)は前記一般式(4)の重合後のモノマーユニットを表し、前記一般式(4−2)は前記一般式(4−1)の重合基を除いたユニットを表す。
なお、前記一般式(4)、一般式(4−1)及び一般式(4−2)中、Rに示される官能基は、上記一般式(2)、一般式(2−1)及び一般式(2−2)中のRと同様のものを用いることができる。また、前記一般式(4)、一般式(4−1)及び一般式(4−2)中、Rがアルキル基である場合、上記一般式(3)、一般式(3−1)及び一般式(3−2)中のRがアルキル基である場合と同様のものを用いることができる。なお、前記一般式(4)、一般式(4−1)及び一般式(4−2)中、Xで示される重合性官能基は、上記一般式(2)、一般式(2−1)及び一般式(2−2)中のXと同様のものを用いることができる。
前記一般式(4)、一般式(4−1)及び一般式(4−2)で示される第1のイオン伝導材として利用可能な商品として、例えば、第一工業製薬株式会社製のものとしては、アクアロンRN−20、アクアロンRN−2025、アクアロンRN−30、アクアロンRN−50などが挙げられる。更にこれらの重合後のモノマーユニットも挙げられる。
第1のイオン伝導材としては、例えば、下記一般式(5)、一般式(5−1)又は一般式(5−2)で示される化合物を好適に用いることができる。
[一般式(5)]
[一般式(5−1)]
[一般式(5−2)]
ただし、前記一般式(5)、一般式(5−1)及び一般式(5−2)中、Rは、炭素数が8以上のアルキル基、アルケニル基、アシル基、アルケノイル基、アルキルフェニル基、ビスアルキルフェニル基又は多環フェニル基を示す。また、前記一般式(5)、一般式(5−1)及び一般式(5−2)中、AOは、アルキレンオキシドを示し、Xは、重合性官能基を示す。X′は重合後の重合性官能基を示す。前記一般式(5)、一般式(5−1)及び一般式(5−2)中、n及びmは、1以上の整数を表し、アルキレンオキシド繰り返し構造の両末端が酸素原子となっている構造を示す。なお、前記一般式(5−1)は前記一般式(5)の重合後のモノマーユニットを表し、前記一般式(5−2)は前記一般式(5−1)の重合基を除いたユニットを表す。
なお、前記一般式(5)、一般式(5−1)及び一般式(5−2)中、Rに示される官能基は、上記一般式(2)、一般式(2−1)及び一般式(2−2)中のRと同様のものを用いることができる。また、前記一般式(5)、一般式(5−1)及び一般式(5−2)中、Xで示される重合性官能基は、上記一般式(2)、一般式(2−1)及び一般式(2−2)中のXと同様のものを用いることができる。
イオン伝導材料として一般式(5)、一般式(5−1)及び一般式(5−2)で示される化合物を用いることで、エレクトロクロミック層の界面がエレクトロクロミックデバイスの他の層と馴染みやすくなり、層どうしの密着性を高めることができる。
第1のイオン伝導材としては、例えば、下記一般式(6)、一般式(6−1)、一般式(6−2)、一般式(7)、一般式(7−1)、又は一般式(7−2)で示される化合物をより好適に用いることができる。
[一般式(6)]
[一般式(6−1)]
[一般式(6−2)]
[一般式(7)]
[一般式(7−1)]
[一般式(7−2)]
ただし、前記一般式(6)、一般式(6−1)、一般式(6−2)、一般式(7)、一般式(7−1)、及び一般式(7−2)中、R、R、R10、R11は、それぞれ水素原子、炭素数が1以上のアルキル基又はアリール基である。また、前記一般式(6)、一般式(6−1)、一般式(6−2)、一般式(7)、一般式(7−1)、及び一般式(7−2)中、AOは、アルキレンオキシドを示し、Xは、重合性官能基を示す。X′は重合後の重合性官能基を示す。前記一般式(6)、一般式(6−1)、一般式(6−2)、一般式(7)、一般式(7−1)、及び一般式(7−2)中、n及びmは、1以上の整数を表し、アルキレンオキシド繰り返し構造の両末端が酸素原子となっている構造を示す。なお、前記一般式(6−1)は前記一般式(6)の、前記一般式(7−1)は一般式(7)の重合後のモノマーユニットを表し、前記一般式(6−2)は前記一般式(6−1)の、前記一般式(7−2)は前記一般式(7−1)の重合基を除いたユニットを表す。
なお、前記一般式(6)、一般式(6−1)、一般式(6−2)、一般式(7)、一般式(7−1)、及び一般式(7−2)中、R、R、R10、R11に示される官能基がアルキル基である場合、前記一般式(3)、一般式(3−1)及び一般式(3−2)中のRがアルキル基である場合と同様のものを用いることができる。
また、アリール基としては、例えば、フェニル基、ベンジル基、トリル基などが挙げられる。
前記一般式(6)、一般式(6−1)、一般式(6−2)、一般式(7)、一般式(7−1)、及び一般式(7−2)で示される第1のイオン伝導材として利用可能な商品として、例えば、日油株式会社製のものとしては、ブレンマーPDBE−200A、ブレンマーPDBE−250、ブレンマーPDBE−450A、ブレンマーPDBE−1300、ブレンマーPDBPEシリーズなどが挙げられ、日立化成株式会社製のものとしては、ファンクリルFA−321A、ファンクリルFA−324A、ファンクリルFA−320M、ファンクリルFA−321M、ファンクリルFA−3218Mなどが挙げられ、新中村化学工業株式会社製のものとしては、A−B1206PE、ABE−300、A−BPE−10、A−BPR−20、A−BPE−30、A−BPE−4、A−BPEF、A−BPP−3、BPE−80N、BPE−100、BPE−200、BPE−500、BPE−900、BPE−1300Nなどが挙げられ、日本化学工業株式会社製のものとしては、KAYARAD R−551、KAYARAD R−712などが挙げられ、サートマー・ジャパン株式会社製のものとしては、SR349NS、SR601NS、SR602NS、SR9038、SR101、SR150、SR348NS、SR480NS、SR540、SR541、SR9036などが挙げられる。更にこれらの重合後のモノマーユニットも挙げられる。
第1のイオン伝導材としては、例えば、下記一般式(1)、一般式(1−1)又は一般式(1−2)で示される化合物を更に好適に用いることができる。
[一般式(1)]
[一般式(1−1)]
[一般式(1−2)]
ただし、前記一般式(1)、一般式(1−1)及び一般式(1−2)中、R14及びR15は、それぞれ水素原子、炭素数が1以上のアルキル基又はフェニル基であり、R12及びR13は、それぞれ水素原子又はメチル基である。なお、前記一般式(1)、一般式(1−1)及び一般式(1−2)中、n及びmは、1以上の整数を表す。なお、前記一般式(1−1)は前記一般式(1)の重合後のモノマーユニットを表し、前記一般式(1−2)は前記一般式(1−1)の重合基を除いたユニットを表す。
前記一般式(1)、一般式(1−1)及び一般式(1−2)中、R14及びR15の少なくともいずれかがアルキル基である場合、上記一般式(3)、一般式(3−1)及び一般式(3−2)中のRがアルキル基である場合と同様のものを用いることができる。
また、前記一般式(1)、一般式(1−1)及び一般式(1−2)中のn及びmとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、例えば、n+mが2以上50以下であることが好ましく、5以上30以下であることがより好ましい。
第1のイオン伝導材として、前記一般式(1)、一般式(1−1)及び一般式(1−2)で示される化合物を用いることで、エレクトロクロミック層のイオン伝導度を向上させつつ、エレクトロクロミック材と第1のイオン伝導材との相溶性を特に高くすることができる。そのため、第1のイオン伝導材として、前記一般式(1)、一般式(1−1)及び一般式(1−2)で示される化合物を用いることで、エレクトロクロミックデバイスは、より色状態時の透明度が高く、電圧印加時の発色が速いものとなる。
前記一般式(1)、一般式(1−1)及び一般式(1−2)で示される第1のイオン伝導材として利用可能な商品として、例えば、日油株式会社製のものとしては、ブレンマーPDBE−250、ブレンマーPDBE−450A、ブレンマーPDBE−1300などが挙げられ、日立化成株式会社製のものとしては、ファンクリルFA−321A、ファンクリルFA−321M、ファンクリルFA−3218Mなどが挙げられ、新中村化学工業株式会社製のものとしては、A−BPE−10、A−BPR−20、A−BPE−30、BPE−500、BPE−900、BPE−1300Nなどが挙げられ、サートマー・ジャパン株式会社製のものとしては、SR602NS、SR9038、SR480NS、SR541、SR9036などが挙げられる。更にこれらの重合後のモノマーユニットも挙げられる。
また、第1のイオン伝導材のエレクトロクロミック層における割合としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、例えば、10質量%以上90質量%以下であることが好ましい。
<<その他の成分>>
エレクトロクロミック層が含みうるその他の成分としては、例えば、第2のイオン伝導材、重合開始剤、溶媒、希釈剤、架橋剤、密着性改善剤、導電助剤、結着剤、フィラーなどが挙げられる。これらの中でも、第2のイオン伝導材を含むことが好ましい。また、その他の成分は、エレクトロクロミック材及び第1のイオン伝導材に別途添加して混合してもよいし、混合した後に更に共重合させてもよい。
第2のイオン伝導材としては、イオンの伝導性を有するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できる。つまり、第2のイオン伝導材は、非イオン伝導部を含んでいなくてもよい。
エレクトロクロミック層が第2のイオン伝導材を含むことにより、エレクトロクロミック層のイオン伝導度がより向上するので、エレクトロクロミックデバイスの電圧印加時の発色を、より速くすることができる。
また、エレクトロクロミック層が、エレクトロクロミック材と、第1のイオン伝導材と、第2のイオン伝導材との共重合体を含むことが好ましい。エレクトロクロミック層が、上記の共重合体を含むことで、エレクトロクロミックデバイスの電圧印加時の発色を、更に速くすることができる。
エレクトロクロミック層が、エレクトロクロミック材の重合体と、第1のイオン伝導材の重合体と、第2のイオン伝導材の重合体との混合物を含んでいてもよい。
第2のイオン伝導材としては、例えば、アルキレンオキシド構造を有するアルキレンオキシド誘導体などが挙げられる。
アルキレンオキシド構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、例えば、エチレンオキサイド構造、プロピレンオキサイド構造、トリメチレンオキサイド構造、ブチレンオキサイド構造、テトラメチレンオキサイド構造などが挙げられる。これらは、第2のイオン伝導材に1種単独で含まれてもよいし、2種以上が含まれてもよい。
第2のイオン伝導材が高いイオンの伝導性を有するアルキレンオキシド構造を含むことにより、エレクトロクロミック層のイオン伝導度を更に向上させることができるので、エレクトロクロミックデバイスの電圧印加時の発色を、更に速くすることができる。
また、第2のイオン伝導材は、上述したアルキレンオキシド構造に重合性官能基が付加された構造を有することが好ましい。
重合性官能基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、アクリル基、メタクリル基、エポキシ基、オキセタン基、ビニル基、ビニロキシ基、アリル基、スチリル基、マレオイル基、シンナモイル基などが挙げられる。これらは、第2のイオン伝導部に1種単独で含まれてもよいし、2種以上が含まれてもよい。これらの中でも、重合反応を制御しやすく、また多彩なモノマーを組み合わせることができるため、アクリル基、メタクリル基が好ましい。
アルキレンオキシド構造に重合性官能基が付加された構造を有し、第2のイオン伝導部として利用可能な化合物としては、例えば、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルモノアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルモノメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレートなどが挙げられる。
第2のイオン伝導材として利用可能な商品として、例えば、日油株式会社製のものとしては、ブレンマーAME400、ブレンマーADE400、ブレンマーPE90、ブレンマーPE200、ブレンマーPE350、ブレンマーAE90、ブレンマーAE200、ブレンマーAE400、ブレンマーPME100、ブレンマーPME200、ブレンマーPME400、ブレンマーPME1000、ブレンマーPME4000、ブレンマーPDE100、ブレンマーPDE150、ブレンマーPDE200、ブレンマーPDE400、ブレンマーPDE600、ブレンマーADE200、ブレンマーADE300、ブレンマーADE600などが挙げられる。
重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて選択できるが、例えば、熱重合開始剤、光重合開始剤などが挙げられ、重合の効率の観点から、光重合開始剤が好ましい。
熱重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(パーオキシベンゾイル)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルベルオキサイド、t−ブチルヒドロベルオキサイド、クメンヒドロベルオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等の過酸化物系開始剤;アゾビスイソブチルニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスイソ酪酸メチル、アゾビスイソブチルアミジン塩酸塩、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸等のアゾ系開始剤、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
光重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−2−モルフォリノ(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム等のアセトフェノン系又はケタール系光重合開始剤;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインエーテル系光重合開始剤;ベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2−ベンゾイルナフタレン、4−ベンゾイルビフェニル、4−ベンゾイルフェニールエーテル、アクリル化ベンゾフェノン、1,4−ベンゾイルベンゼン等のベンゾフェノン系光重合開始剤;2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系光重合開始剤などが挙げられる。
その他の光重合開始剤としては、例えば、エチルアントラキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシエステル、9,10−フェナントレン、アクリジン系化合物、トリアジン系化合物、イミダゾール系化合物、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、光重合促進効果を有するものを単独又は前記光重合開始剤と併用して用いることもできる。例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、などが挙げられる。
<第1の電極、第2の電極>
第1の電極と第2の電極とは、互いに間隔をおいて対向する。
第1の電極及び第2の電極の材料としては、導電性を有する透明材料であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スズをドープした酸化インジウム(以下、「ITO」と称する)、フッ素をドープした酸化スズ(以下、「FTO」と称する)、アンチモンをドープした酸化スズ(以下、「ATO」と称する)、酸化亜鉛等の無機材料などが挙げられる。これらの中でも、InSnO、GaZnO、SnO、In、ZnOが好ましい。
更に、透明性を有するカーボンナノチューブや、他のAu、Ag、Pt、Cu等の高導電性の非透過材料などを微細なネットワーク状に形成して、透明度を保持したまま、導電性を改善した電極を用いてもよい。
第1の電極及び第2の電極の各々の厚みは、エレクトロクロミック層の酸化還元反応に必要な電気抵抗値が得られるように調整される。第1の電極及び前記第2の電極の材料としてITOを用いた場合、第1の電極及び第2の電極の各々の平均厚みは、例えば、50nm以上500nm以下であることが好ましい。
第1の電極及び第2の電極の作製方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法等を用いることができる。第1の電極及び第2の電極の材料が塗布形成できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スリットコート法、キャピラリーコート法、スプレーコート法、ノズルコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、反転印刷法、インクジェットプリント法などの各種印刷法を用いることができる。
<その他の部材>
エレクトロクロミックデバイスが有しうるその他の部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、電解質層、対極反応層、支持体、封止材、保護層などが挙げられる。
電解質層は、第1の電極と第2の電極の間に位置する。
電解質層は、第1の電極と第2の電極の間のうち、エレクトロクロミック層と後述する対極反応層との間に位置することが好ましい。
電解質層の材料としては、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等の無機イオン塩、4級アンモニウム塩や酸類、アルカリ類の支持塩を用いることができ、具体的には、LiClO、LiBF、LiAsF、LiPF、LiCFSO、LiCFCOO、KCl、NaClO、NaCl、NaBF、NaSCN、KBF、Mg(ClO、Mg(BFなどが挙げられる。
また、電解質層の材料としては、イオン性液体を用いることもできる。これらの中でも、室温を含む幅広い温度領域で液体を示す分子構造を有しているため、有機のイオン性液体が好ましい。
室温を含む幅広い温度領域で液体を示す分子構造として、カチオン成分としては、例えば、N,N−ジメチルイミダゾール塩、N,N−メチルエチルイミダゾール塩、N,N−メチルプロピルイミダゾール塩等のイミダゾール誘導体;N,N−ジメチルピリジニウム塩、N,N−メチルプロピルピリジニウム塩等のピリジニウム誘導体;トリメチルプロピルアンモニウム塩、トリメチルヘキシルアンモニウム塩、トリエチルヘキシルアンモニウム塩等の脂肪族4級アンモニウム系などが挙げられる。
また、アニオン成分としては、大気中での安定性を考慮して、フッ素を含んだ化合物を用いることが好ましく、例えば、BF 、CFSO 、PF 、(CFSOなどが挙げられる。
電解質層の材料としては、カチオン成分とアニオン成分とを任意に組み合わせたイオン性液体を用いることが好ましい。
イオン性液体は、光重合性モノマー、オリゴマー、及び液晶材料のいずれかに直接溶解させてもよい。なお、溶解性が悪い場合は、少量の電解質層溶媒に溶解させて、光重合性モノマー、オリゴマー、及び液晶材料のいずれかと混合して用いてもよい。
電解質層の溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン、エチレンカーボネート、スルホラン、ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1,2−ジメトキシエタン、1,2−エトキシメトキシエタン、ポリエチレングリコール、アルコール類、又はこれらの混合溶媒などが挙げられる。
電解質層は、低粘性の液体である必要はなく、ゲル状や高分子架橋型、液晶分散型などの様々な形態をとることが可能である。電解質層がゲル状又は固体状であると、エレクトロクロミックデバイスの強度及び信頼性向上などの利点が得られる。
電解質層を固体化する手法としては、電解質層のイオン伝導度と固体強度をより向上させることができるため、電解質と電解質層溶媒をポリマー樹脂中に保持する手法が好ましい。
ポリマー樹脂としては、熱重合や溶剤を蒸発させることにより薄膜化する方法に比べて、低温かつ短時間で素子を製造できるため、光硬化可能な樹脂が好ましい。
また、電解質層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、100nm以上100μm以下であることが好ましい。
対極反応層は、第1の電極と第2の電極の間に位置する。
対極反応層は、第1の電極と第2の電極の間のうち、電解質層と第2の電極の間に位置することが好ましい。
対極反応層は、エレクトロクロミック層と逆の反応をし、電荷のバランスを取ることにより、第1の電極及び第2の電極の少なくともいずれかが、不可逆的な酸化還元反応によって、腐食して劣化することを抑制する。ここで、エレクトロクロミック層と逆の反応とは、エレクトロクロミック層が酸化反応をする場合は、還元反応を意味し、エレクトロクロミック層が還元反応をする場合は、酸化反応を意味する。また、エレクトロクロミック層と逆の反応としては、対極反応層が、キャパシタとして作用することも含む。
対極反応層の材料としては、エレクトロクロミック層と逆の反応をするものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。対極反応層の材料としては、例えば、酸化アンチモン錫や酸化ニッケル、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、それらを複数含む導電性又は半導体性金属酸化物などが挙げられる。
対極反応層は、電解質層の電解質の注入を阻害しない程度の多孔質薄膜から形成することが好ましい。具体的には、酸化アンチモン錫や酸化ニッケル、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫等の導電性又は半導体性金属酸化物微粒子を、アクリル系、アルキド系、イソシアネート系、ウレタン系、エポキシ系、フェノール系などのバインダにより第2の電極に固定化する。対極反応層を電解質層の電解質の注入を阻害しない程度の多孔質薄膜から形成することにより、好適な対極反応層を得ることができる。
また、対極反応層は、上述したエレクトロクロミック層と同様の材料で形成された第2のエレクトロクロミック層であってもよい。
支持体としては、エレクトロクロミックデバイスを形成する各部材を支持できる透明の材料であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、例えば、周知の無機材料、周知の有機材料などが挙げられる。
支持体として利用可能な無機材料としては、例えば、無アルカリガラス、硼珪酸ガラス、フロートガラス、ソーダ石灰ガラス等からなるガラス基板などが挙げられる。
支持体として利用可能な有機材料としては、例えば、ポリカーボネイト樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂等からなる樹脂基板などが挙げられる。
支持体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、例えば、長方形、円形などが挙げられる。支持体として、複数の支持体を重ねあわせたものを用いてもよく、例えば、2枚のガラス基板でエレクトロクロミックデバイスを挟持することで、水蒸気バリア性及びガスバリア性を高めることが可能である。
また、支持体の表面には、水蒸気バリア性、ガスバリア性、紫外線耐性、及び視認性の少なくともいずれかを高めるために、透明絶縁層、UVカット層、反射防止層などがコーティングされていてもよい。
封止材としては、エレクトロクロミックデバイスの側面を封止できれば特に制限はなく、目的に応じて選択できるが、例えば、紫外線硬化型や熱硬化型の樹脂を用いることができ、具体的には、アクリル系、ウレタン系又はエポキシ系の樹脂などが挙げられる。
封止材は、エレクトロクロミックデバイスの側面を封止することで、電解質の漏洩及び大気中の水分や酸素などの侵入を抑制することができる。そのため、エレクトロクロミックデバイスは、封止材を有することで、より安定的に動作することができる。
保護層としては、エレクトロクロミックデバイス全体を保護できれば制限はなく、目的に応じて選択でき、例えば、紫外線硬化型や熱硬化型の樹脂を用いることができ、具体的には、アクリル系、ウレタン系又はエポキシ系の樹脂などが挙げられる。
保護層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて選択できるが、例えば、1μm以上200μm以下であることが好ましい。
エレクトロクロミックデバイスは、保護層を有することで、外的応力や薬品に対する耐性が向上する。
次に、エレクトロクロミックデバイスの具体的な構成の例について説明する。
図1は、本発明のエレクトロクロミックデバイスの一実施形態を説明するための説明図である。
図1に示したエレクトロクロミックデバイス100は、第1の電極101と、第1の電極101に対向する第2の電極102を有する。更に、エレクトロクロミックデバイス100は、第1の電極101と第2の電極102の間に、第1の電極101側から順に、エレクトロクロミック層103と、電解質層104と、対極反応層105とを有する。
エレクトロクロミックデバイス100の第1の電極101及び第2の電極102に電圧を印加することにより、エレクトロクロミック層103に含まれるエレクトロクロミック材が酸化還元反応をして、エレクトロクロミック層103が発色する。また、エレクトロクロミック層103を発色させるために印加した電圧と逆符号の電圧を、第1の電極101及び第2の電極102に印加することで、発色状態のエレクトロクロミック層103を消色状態に戻すこともできる。
以下、本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<エレクトロクロミック層の作製>
まず、エレクトロクロミック材として前記例示化合物2及び前記例示化合物3と、第1のイオン伝導材としてブレンマー50POEP−800B(日油株式会社製)と、更に重合開始剤としてIRGACURE184(BASF社製)と、溶媒として2−ブタノン(和光純薬工業社製)とを、表1にあるように質量比を(3:7:9.9:0.1:80)として混合し、溶液1を得た。この「50POEP−800B」の非イオン伝導部の溶解度パラメータは7.83である。
続いて、第1の電極としてのITOガラス基板(40mm×40mm、厚み0.7mm、ITO膜厚:約100nm)上に、溶液1をスピンコート法で塗布した後、乾燥させた。その後、ITOガラス基板の乾燥させた溶液1を、窒素雰囲気下で、UV照射装置(商品名:SPOT CURE、ウシオ電機株式会社製)によりUV(波長250nm)を照射して硬化させることにより、第1の電極としてのITOガラス基板の上に、厚み1.3μmのエレクトロクロミック層を作製した。
<対極反応層の作製>
第2の電極としてのITOガラス基板(40mm×40mm、厚み0.7mm、ITO膜厚:約100nm)に、対極反応層として酸化チタンナノ粒子分散液(商品名:SP210、昭和タイタニウム株式会社製、平均粒子径:約20nm)をスピンコート法により塗布した。その後、120℃で15分間アニール処理を行うことによって、厚み2.5μmの酸化チタン粒子膜からなる対極反応層としてのナノ構造半導体材料を作製した。
<電解質層の作製>
ブレンマーAME400(日油株式会社製)195重量部と、ブレンマーADE400A(日油株式会社製)195重量部と、重合開始剤としてIRGACURE184(BASF社製)を10重量部と、イオン性液体としてエチルメチルイミダゾリウムビスフルオロスルホンイミド(商品名:EMIMFSI、関東化学株式会社製)60重量部とを混合してモノマー組成液を得た。次に、モノマー組成液をマイクロピペットで30mg測り取り、対極反応層を有するITOガラス基板の対極反応層側に対して滴下して、モノマー組成液からなる電解質層を得た。
<エレクトロクロミックデバイスの作製>
エレクトロクロミック層を有するITOガラス基板(第1の電極)と、対極反応層及び電解質層を有するITOガラス基板(第2の電極)とを、エレクトロクロミック層と電解質層が接触するように貼り合せて、貼り合せ素子を得た。
得られた貼り合せ素子に対して、UV照射装置(商品名:SPOT CURE、ウシオ電機株式会社製)により、UV(波長250nm)を10mWで60秒間照射し、エレクトロクロミックデバイス1を作製した。
(実施例2から75)
エレクトロクロミック層の組成を下記の表1から表11に示したものに代えた以外は、実施例1と同様にして、実施例2から75として、エレクトロクロミックデバイス2から75をそれぞれ作製した。
(比較例1及び2)
エレクトロクロミック層の組成を下記の表11に示したものに代えた以外は、実施例1と同様にして、比較例1及び2として、エレクトロクロミックデバイス76及び77を、それぞれ作製した。
(評価)
<ヘーズ>
実施例1から75及び比較例1から2で作製したエレクトロクロミックデバイスについて、ヘーズメータ(商品名:DNH−5000、日本電色工業株式会社製)を用いて、消色状態のエレクトロクロミックデバイスの発色領域の中心のヘーズの値を測定した。なお、ヘーズについては、JIS K 7136に規格に準拠した方法で測定した。測定したヘーズの値は、表1から表11に示した。
ここで、ヘーズ(曇り度)とは、物体の曇り度合いを意味し、例えば、完全に透明な物体のヘーズの値は0となり、ヘーズの値が高い物体は、白く曇って見える。つまり、ヘーズの値が低い程、消色状態の透明度が高いことになるので、本発明のエレクトロクロミックデバイスにおいては、ヘーズの値が2以下であることが好ましく、1以下であることがより好ましい。
<応答性>
実施例1から75及び比較例1から2で作製したエレクトロクロミックデバイスについて、まず、−1.6Vの電圧を5秒間印加して、エレクトロクロミックデバイスを発色させた。このときのエレクトロクロミックデバイスの発色領域の中心における光の透過率を光学分光器(商品名:USB4000、Ocean Optics社製)を用いて測定した。なお、透過率として、可視領域(380nm〜780nm)の各波長の透過率の平均値を表1から表11に示した。
ここでは、消色状態のエレクトロクロミックデバイスに、−1.6Vの電圧を5秒間印加して発色させたときの透過率を測定しているため、透過率が低いことは、電圧印加時の発色が速いことを意味する(速く発色するため、速く透過率が下がる)。
本発明のエレクトロクロミックデバイスにおいては、透過率が30%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましい。
上述した実施例1から75及び比較例1から2におけるエレクトロクロミック層の組成、ヘーズの測定値、並びに透過率の平均値を、下記表1〜表11に示す。
実施例1から75及び比較例1から2で第1のイオン伝導材又は第2のイオン伝導材として用いた化合物の中で、構造の一例が製造元により開示されているものについて、その構造の一例と非イオン伝導部の溶解度パラメータを以下に示す。
[例示化合物4(ブレンマー50POEP−800B)]
溶解度パラメータ:7.83(cal/cm0.5
[例示化合物5(ブレンマーPLE200)]
溶解度パラメータ:8.19(cal/cm0.5
[例示化合物6(ブレンマーPLE1300)]
溶解度パラメータ:8.19(cal/cm0.5
[例示化合物7(ブレンマーPSE1300)]
溶解度パラメータ:8.31(cal/cm0.5
[例示化合物8(ブレンマーALE−200)]
溶解度パラメータ:8.19(cal/cm0.5
[例示化合物9(ブレンマーANP−300)]
溶解度パラメータ:9.21(cal/cm0.5
[例示化合物10(ブレンマー75ANEP−600)]
溶解度パラメータ:9.21(cal/cm0.5
[例示化合物11(ファンクリルFA−314A)]
溶解度パラメータ:9.21(cal/cm0.5
[例示化合物12(ファンクリルFA−318AS)]
溶解度パラメータ:9.21(cal/cm0.5
[例示化合物13(A−LEN−10)]
溶解度パラメータ:11.11(cal/cm0.5
[例示化合物14(CD9075)]
溶解度パラメータ:8.19(cal/cm0.5
[例示化合物23(ブレンマーPDBE−200A)]
溶解度パラメータ:10.82(cal/cm0.5
[例示化合物24(A−B1206PE)]
溶解度パラメータ:10.82(cal/cm0.5
[例示化合物25(A−BPEF)]
溶解度パラメータ:12.74(cal/cm0.5
[例示化合物26(KAYARAD R−551)]
溶解度パラメータ:10.82(cal/cm0.5
[例示化合物27(KAYARAD R−712)]
溶解度パラメータ:11.66(cal/cm0.5
[例示化合物28(SR349NS)]
溶解度パラメータ:10.82(cal/cm0.5
[例示化合物29(SR101)]
溶解度パラメータ:10.82(cal/cm0.5
[例示化合物30(SR150)]
溶解度パラメータ:10.82(cal/cm0.5
[例示化合物31(SR348NS)]
溶解度パラメータ:10.82(cal/cm0.5
[例示化合物32(ブレンマーPDBE−250)]
溶解度パラメータ:10.82(cal/cm0.5
[例示化合物33(A−BPE−10)]
溶解度パラメータ:10.82(cal/cm0.5
[例示化合物34(A−BPR−20)]
溶解度パラメータ:10.82(cal/cm0.5
[例示化合物35(A−BPE−30)]
溶解度パラメータ:10.82(cal/cm0.5
[例示化合物36(BPE−500)]
溶解度パラメータ:10.82(cal/cm0.5
[例示化合物37(BPE−900)]
溶解度パラメータ:10.82(cal/cm0.5
[例示化合物38(BPE−1300N)]
溶解度パラメータ:10.82(cal/cm0.5
[例示化合物39(ブレンマーAME400)]
[例示化合物40(ブレンマーADE400)]
本発明の態様は、例えば、以下の通りである。
<1> 第1の電極と、前記第1の電極に対して間隔をおいて対向する第2の電極と、
前記第1の電極と前記第2の電極との間に、エレクトロクロミック材と、イオンを伝導しない非イオン伝導部を一部に含む第1のイオン伝導材とを有するエレクトロクロミック層を有し、
前記非イオン伝導部は、2価以上の価数で結合する原子同士が結合してなる原子総数8以上の原子配列からなり、ヘテロ原子の割合が、前記原子総数に対し15個数%以下である分子ユニット構造である、
ことを特徴とするエレクトロクロミックデバイスである。
<2> 前記非イオン伝導部の溶解度パラメータが7.5以上13以下である前記<1>に記載のエレクトロクロミックデバイスである。
<3> 前記非イオン伝導部が、アルキル基、アルケニル基、アシル基、アルケノイル基、アルキルフェニル基、ビスアルキルフェニル基、及び多環フェニル基から選択される少なくとも1つを含む前記<1>から<2>のいずれかに記載のエレクトロクロミックデバイスである。
<4> 前記第1のイオン伝導材が、アルキレンオキシド構造を含む前記<1>から<3>のいずれかに記載のエレクトロクロミックデバイスである。
<5> 前記第1のイオン伝導材が、エチレンオキシド構造を含む前記<4>に記載のエレクトロクロミックデバイスである。
<6> 前記第1のイオン伝導材が、下記一般式(1)、一般式(1−1)、又は一般式(1−2)で示される構造である前記<1>から<5>のいずれかに記載のエレクトロクロミックデバイスである。
[一般式(1)]
[一般式(1−1)]
[一般式(1−2)]
ただし、前記一般式(1)、一般式(1−1)、及び一般式(1−2)中、R14及びR15は、それぞれ水素原子、炭素数が1以上のアルキル基又はフェニル基であり、R12及びR13は、それぞれ水素原子又はメチル基であり、n及びmは、1以上の整数を表す。なお、前記一般式(1−1)は前記一般式(1)の重合後のモノマーユニットを表し、前記一般式(1−2)は前記一般式(1−1)の重合基を除いたユニットを表す。
<7> 前記エレクトロクロミック層が、前記エレクトロクロミック材と前記第1のイオン伝導材の共重合体を含む前記<1>から<6>のいずれかに記載のエレクトロクロミックデバイスである。
<8> 前記エレクトロクロミック層が、更に、第2のイオン伝導材を含む前記<1>から<7>のいずれかに記載のエレクトロクロミックデバイスである。
<9> 前記エレクトロクロミック層が、前記エレクトロクロミック材と、前記第1のイオン伝導材と、前記第2のイオン伝導材との共重合体を含む前記<8>に記載のエレクトロクロミックデバイスである。
<10> 前記エレクトロクロミック材及び第1のイオン伝導材の少なくともいずれかが、更に、アクリル基又はメタクリル基を有する前記<1>から<9>のいずれかに記載のエレクトロクロミックデバイスである。
<11> 前記エレクトロクロミック材が、ベンジジン誘導体及びトリフェニルアミン誘導体の少なくともいずれかを含む前記<1>から<10>のいずれかに記載のエレクトロクロミックデバイスである。
前記<1>から<11>のいずれかに記載のエレクトロクロミックデバイスによると、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
特開2016−45464号公報
100 エレクトロクロミックデバイス
101 第1の電極
102 第2の電極
103 エレクトロクロミック層

Claims (11)

  1. 第1の電極と、前記第1の電極に対して間隔をおいて対向する第2の電極と、
    前記第1の電極と前記第2の電極との間に、エレクトロクロミック材と、イオンを伝導しない非イオン伝導部を一部に含む第1のイオン伝導材とを有するエレクトロクロミック層を有し、
    前記非イオン伝導部は、2価以上の価数で結合する原子同士が結合してなる原子総数8以上の原子配列からなり、ヘテロ原子の割合が、前記原子総数に対し15個数%以下である分子ユニット構造である、
    ことを特徴とするエレクトロクロミックデバイス。
  2. 前記非イオン伝導部の溶解度パラメータが7.5以上13以下である請求項1に記載のエレクトロクロミックデバイス。
  3. 前記非イオン伝導部が、アルキル基、アルケニル基、アシル基、アルケノイル基、アルキルフェニル基、ビスアルキルフェニル基、及び多環フェニル基から選択される少なくとも1つを含む請求項1から2のいずれかに記載のエレクトロクロミックデバイス。
  4. 前記第1のイオン伝導材が、アルキレンオキシド構造を含む請求項1から3のいずれかに記載のエレクトロクロミックデバイス。
  5. 前記第1のイオン伝導材が、エチレンオキシド構造を含む請求項4に記載のエレクトロクロミックデバイス。
  6. 前記第1のイオン伝導材が、下記一般式(1)、一般式(1−1)、又は一般式(1−2)で示される構造である請求項1から5のいずれかに記載のエレクトロクロミックデバイス。
    [一般式(1)]
    [一般式(1−1)]
    [一般式(1−2)]
    ただし、前記一般式(1)、一般式(1−1)、及び一般式(1−2)中、R14及びR15は、それぞれ水素原子、炭素数が1以上のアルキル基又はフェニル基であり、R12及びR13は、それぞれ水素原子又はメチル基であり、n及びmは、1以上の整数を表す。なお、前記一般式(1−1)は前記一般式(1)の重合後のモノマーユニットを表し、前記一般式(1−2)は前記一般式(1−1)の重合基を除いたユニットを表す。
  7. 前記エレクトロクロミック層が、前記エレクトロクロミック材と前記第1のイオン伝導材の共重合体を含む請求項1から6のいずれかに記載のエレクトロクロミックデバイス。
  8. 前記エレクトロクロミック層が、更に、第2のイオン伝導材を含む請求項1から7のいずれかに記載のエレクトロクロミックデバイス。
  9. 前記エレクトロクロミック層が、前記エレクトロクロミック材と、前記第1のイオン伝導材と、前記第2のイオン伝導材との共重合体を含む請求項8に記載のエレクトロクロミックデバイス。
  10. 前記エレクトロクロミック材及び第1のイオン伝導材の少なくともいずれかが、更に、アクリル基又はメタクリル基を有する請求項1から9のいずれかに記載のエレクトロクロミックデバイス。
  11. 前記エレクトロクロミック材が、ベンジジン誘導体及びトリフェニルアミン誘導体の少なくともいずれかを含む請求項1から10のいずれかに記載のエレクトロクロミックデバイス。

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