JP6809985B2 - 摩擦伝動ベルト - Google Patents

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Description

本発明は、VベルトやVリブドベルトなどの摩擦伝動面がV字状に傾斜し、プーリとベルト側面との間に生じる摩擦力を介して動力の伝達を行う摩擦伝動ベルトに関する。
摩擦伝動ベルトは、プーリとベルト側面との間に生じる摩擦力を介して動力の伝達を行っている。プーリとベルト側面との間の摩擦係数は大きい方が摩擦力も大きくなるため、動力伝達性という点では有利である。しかし、摩擦係数があまり高くなり過ぎると、ベルトがプーリから抜け出す際に必要な力が大きくなるため、ベルトがプーリから抜け難くなる。その結果、ベルトがプーリ出口付近で逆曲げされる形となるため、発熱や騒音の原因となっていた。特に、自動二輪車の変速用途に用いられるベルトにおいては、ベルトがプーリ間でプーリ径方向へ移動することにより変速を行っており、ベルト側面の摩擦係数が高くなると、プーリ径方向への移動の際に伝達ロスが多く発生し、省燃費性をも低下させる。これらの問題に対して、摩擦係数を低下させるための手段が従来から種々提案されているが、摩擦係数の低減に加えてベルトの耐側圧性をも向上させることができるために、圧縮ゴム層に短繊維を配合する方法が汎用されてきた。
しかし、短繊維は摩擦係数を低下させると共に、ベルトの耐側圧性を向上させる一方で、ゴムに発生するクラックの起点となりベルトの耐久性を低下させるため、多量に配合できない。
実公平7−31006号公報(特許文献1)には、V形圧縮部を有するゴム製動力伝動用ベルトであって、前記V形圧縮部側壁面に短繊維が突出して埋設され、さらにタルク、炭酸カルシウム、クレー、シリカから選択されたパウダー状の粘性抑制剤が、前記短繊維の突出部を埋め込む形で付着された動力伝達ベルトが開示されている。
しかし、ベルト側面にパウダーを塗布した場合には、走行初期は摩擦係数を低減させることができるものの、時間の経過とともにパウダーが飛散してしまい、その効果が早期に失われてしまう。また、パウダーが過剰に塗布された場合には、必要以上に摩擦力が低下してしまい、動力伝達機能が損なわれる虞がある。
特開2007−232205号公報(特許文献2)には、摩擦伝動面が、エチレン・α−オレフィンエラストマー100重量部に対して、石油系可塑剤などの可塑剤10〜25重量部及びカーボンブラックなどの無機充填剤60〜110重量部を配合したゴム組成物で構成された摩擦伝動ベルトが開示されている。この文献には、ゴム組成物に可塑剤を添加することで、ブリードした可塑剤により適度な摩擦係数を維持できることが記載されている。
しかし、ゴム組成物に可塑剤を添加した場合には、比較的長期に渡って摩擦係数を低減する効果が発揮されるものの、それでも可塑剤がブリードするのはベルト表面近傍からが中心であるため、一定期間後には可塑剤のブリードが低減してしまう。また、可塑剤のブリード量は温度条件に大きな影響を受け、条件によっては、期待した程の量がブリードせずに摩擦係数があまり低減しなかったり、逆に過剰にブリードして必要以上に摩擦係数が低下する。加えて、摩擦係数を低減するためには比較的多量の可塑剤を添加する必要があるが、多量の可塑剤を添加した場合にはゴムの物性が低下し、ベルトの耐側圧性や耐久性の低下を招く。
特開2005−15769号公報(特許文献3)には、エチレン・α−オレフィンエラストマーなどの原料ゴム100重量部に対して、ポリアミド短繊維10〜50質量部、固体潤滑剤10〜100質量部を配合した圧縮ゴム層を備えた伝動ベルトが開示されている。この文献には、前記固体潤滑剤として、グラファイト、二硫化モリブデン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などを用いて、ゴム組成物の摩擦係数を低下させることが記載されている。
しかし、ゴム組成物に固体潤滑剤を添加した場合には、長期に亘って摩擦係数を低減する効果が発揮されるものの、十分な摩擦係数の低減効果を発現させるためには多量の固体潤滑剤を添加する必要がある。固体潤滑剤の添加量が多くなり過ぎると、ゴムの加工性が低下したり、ゴムの伸びが小さくなって耐屈曲疲労性が低下したり、ゴムに発生するクラックの起点となり耐久性を低下させる。
実公平7−31006号公報(実用新案登録請求の範囲) 特開2007−232205号公報(特許請求の範囲、段落[0046]) 特開2005−15769号公報(特許請求の範囲、段落[0024])
本発明の目的は、耐摩耗性、耐側圧性(剛性)及び耐久性を損ねることなく、摺動性を向上できる摩擦伝動ベルトを提供することにある。
本発明の他の目的は、変速ベルトなどの高負荷環境での過酷な状況でも、耐久性を損ねることなく、耐発音性及び省燃費性を向上できる摩擦伝動ベルトを提供することにある。
本発明者は、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、摩擦伝動ベルトにおける圧縮ゴム層の摩擦伝動面をゴム成分及びグラフェン類を含むゴム組成物の加硫物で形成することにより、耐摩耗性、耐側圧性及び耐久性を損ねることなく、摺動性を向上できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の摩擦伝動ベルトは、少なくとも一部がプーリと接触可能な摩擦伝動面を有する圧縮ゴム層を備えた摩擦伝動ベルトであって、前記圧縮ゴム層の摩擦伝動面が、ゴム成分及びグラフェン類を含むゴム組成物の加硫物で形成されている。前記グラフェン類の割合はゴム成分100質量部に対して0.1〜10質量部程度である。前記グラフェン類の平均粒子径は0.1〜3μm程度である。前記圧縮ゴム層は短繊維をさらに含んでいてもよい。前記短繊維はベルト幅方向に配向していてもよい。前記短繊維の割合はゴム成分100質量部に対して30質量部以下であってもよい。前記グラフェン類の割合はゴム成分100質量部に対して0.5〜5質量部であり、かつ前記圧縮ゴム層は固体潤滑剤及び/又は摩擦調整剤をさらに含んでいてもよい。前記グラフェン類の割合は、固体潤滑剤及び摩擦調整剤の合計100質量部に対して1〜50質量部程度である。前記ゴム成分はクロロプレンゴムであってもよい。本発明の摩擦伝動ベルトは、ローエッジコグドVベルトであってもよい。
本発明では、摩擦伝動ベルトにおける圧縮ゴム層の摩擦伝動面がゴム成分及びグラフェン類を含むゴム組成物の加硫物で形成されているため、耐摩耗性、耐側圧性及び耐久性を損ねることなく、摺動性を向上できる。特に、摩擦伝動面の摩擦係数を低減させることにより発熱や騒音を低減でき、伝達ロスを低下できる。そのため、変速ベルトなどの高負荷環境での過酷な状況でも、耐久性を損ねることなく、耐発音性及び省燃費性を向上できる。
図1は、本発明の摩擦伝動ベルトの一例を示す概略斜視図である。 図2は、図1の摩擦伝動ベルトをベルト長手方向に切断した概略断面図である。 図3は、実施例における摩擦伝動ベルトの耐久走行試験を説明するための概略図である。
[摩擦伝動ベルトの構造]
本発明の摩擦伝動ベルトとしては、圧縮ゴム層の摩擦伝動面がゴム成分及びグラフェン類を含んでいればよく、慣用の摩擦伝動ベルトを利用できる。本発明の摩擦伝動ベルトとしては、例えば、Vベルト[ラップドVベルト、ローエッジVベルト、ローエッジコグドVベルト(ローエッジベルトの内周側にコグが形成されたローエッジコグドVベルト、ローエッジベルトの内周側及び外周側の双方にコグが形成されたローエッジダブルコグドVベルト)]、Vリブドベルト、平ベルトなどが例示できる。これらの摩擦伝動ベルトのうち、プーリからの側圧を大きく受ける点から、摩擦伝動面がV字状に傾斜して(V角度で)形成されているVベルト又はVリブドベルトが好ましく、耐側圧性及び耐久性と省燃費性との高度な両立を要求されるベルト式無段変速装置に用いられる点から、ローエッジコグドVベルトが特に好ましい。
図1は、本発明の摩擦伝動ベルト(ローエッジコグドVベルト)の一例を示す概略斜視図であり、図2は、図1の摩擦伝動ベルトをベルト長手方向に切断した概略断面図である。
この例では、摩擦伝動ベルト1は、ベルト本体の内周面に、ベルトの長手方向に沿って所定の間隔をおいて形成された複数のコグ部1aを有しており、このコグ部1aの長手方向(図中のA方向)における断面形状は略半円状(湾曲状又は波形状)であり、長手方向に対して直交する方向(幅方向又は図中のB方向)における断面形状は台形状である。すなわち、各コグ部1aは、ベルト厚み方向において、コグ底部1bからA方向の断面において略半円状に突出している。摩擦伝動ベルト1は、積層構造を有しており、ベルト外周側から内周側(コグ部1aが形成された側)に向かって、補強布2、伸張ゴム層3、接着ゴム層4、圧縮ゴム層5、補強布6が順次積層されている。ベルト幅方向における断面形状は、ベルト外周側から内周側に向かってベルト幅が小さくなる台形状である。さらに、接着ゴム層4内には、芯体4aが埋設されており、前記コグ部1aは、コグ付き成形型により圧縮ゴム層5に形成されている。
[圧縮ゴム層]
本発明では、圧縮ゴム層の摩擦伝動面がゴム成分及びグラフェン類を含むゴム組成物の加硫物で形成されているため、圧縮ゴム層の摩擦伝動面の少なくとも一部にグラフェン類が存在し、摩擦伝動面の摩擦係数を低減(摺動性が向上)できる。圧縮ゴム層は、摩擦伝動面が前記ゴム組成物で形成されていればよく、例えば、摩擦伝動面において、グラフェン類を含むゴム組成物で形成された表層部を形成し、他の部分(内層部)はグラフェン類を含まない圧縮ゴム層であってもよいが、生産性などの点から、圧縮ゴム層全体がグラフェン類を含むゴム組成物で形成された圧縮ゴム層が好ましい。
(グラフェン類)
グラフェン類には、通常「グラフェン」と称される単一のシートであるグラフェンシートと、このグラフェンシートの積層体であるグラフェン膜(多層グラフェン)とが含まれる。
グラフェンシートは、グラファイトを構成する材料であり、1原子の厚さのsp結合炭素原子のシート(単層のシート)である。その構造は、炭素原子とその結合から形成された蜂の巣のような六角形格子構造(ハニカム構造)を有している。
グラフェン膜は、グラファイトを剥離処理して得られ、グラファイトと比べて薄肉の積層体であり、結晶構造を有している。グラフェン膜の積層枚数は、例えば2〜20枚程度であり、好ましくは3〜10枚程度である。
グラフェン膜のアスペクト比(板面の平均径/平均厚み)は20以上であってもよく、例えば20〜100000、好ましくは50〜30000、さらに好ましくは100〜10000程度である。グラフェン膜の平均厚みは、例えば1〜10nm、好ましくは1.5〜5nm程度であってもよい。
グラフェン類は、酸化グラフェンを含んでいてもよく、酸化グラフェンのみで形成されていてもよい。
グラフェン類の形状は、特に限定されず、例えば、シート状、粒状(粉末状又は不定形状)、シート状と粒状とを組み合わせた形状などが挙げられる。これらの形状のうち、取り扱い性に優れ、樹脂成分中に均一に分散し易い点から、粒状が好ましい。
グラフェン類が粒状である場合、グラフェン類の平均粒子径は50μm以下であってもよく、例えば0.01〜50μm、好ましくは0.03〜10μm、さらに好ましくは0.05〜5μm(特に0.1〜3μm)程度である。平均粒子径が小さすぎると、ゴム成分に配合する際に飛散して取り扱い性が低下する虞があり、大きすぎると、ゴム成分中で凝集塊が形成され易くなり、均一に分散させるのが困難となる虞がある。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において、グラフェン類の平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(日本電子(株)製「JSM−5900LV」)で5000倍に拡大して観察し、無作為20個の粒子径を測定し、平均化する方法で求めることができる。
グラフェン類は、慣用の方法で製造でき、例えば、特許第5688669号公報、特許第5697067号公報、特開2015−501873号公報、WO2013/146213号パンフレットに記載の方法などにより製造してもよい。
グラフェン類の割合は、ゴム成分100質量部に対して0.1〜15質量部(例えば0.1〜10質量部)程度の範囲から選択でき、例えば0.2〜10質量部、好ましくは0.3〜8質量部、さらに好ましくは0.5〜5質量部(特に0.8〜3質量部)程度である。
ゴム組成物が短繊維を含む場合、グラフェン類の割合は、短繊維100質量部に対して、例えば0.5〜100質量部、好ましくは1〜50質量部、さらに好ましくは3〜40質量部(特に5〜30質量部)程度である。ゴム組成物が慣用の固体潤滑剤及び/又は摩擦調整剤を含む場合、前記グラフェン類の割合は、固体潤滑剤及び摩擦調整剤の合計100質量部に対して、例えば1〜50質量部、好ましくは1.5〜30質量部、さらに好ましくは2〜20質量部(特に3〜15質量部)程度である。
これらのグラフェン類の割合において、グラフェン類の割合が少なすぎると、摩擦係数を低減する効果が少なくなる虞があり、多すぎると、摩擦係数が低くなりすぎてベルトがスリップし、省燃費性が低下する虞があるとともに、スリップによる発熱に伴って耐久性が低下する虞もある。なお、これらのグラフェン類の割合は、圧縮ゴム層が摩擦伝動面に形成されたグラフェン類とゴム成分とを含むゴム組成物で形成された表層部と他の部分(内層部)とで形成されている場合、表層部を形成するゴム組成物における割合である。
(短繊維)
本発明では、摩擦伝動面を形成するゴム組成物が短繊維を含んでいなくてもよいが、前記グラフェン類に加えて、短繊維をさらに含むのが好ましい。プーリからの側圧と摩擦力を大きく受ける圧縮ゴム層を形成するゴム組成物に短繊維を配合し、好ましくは短繊維をベルト幅方向に配向させることにより、摩擦伝動ベルトの耐側圧性を確保できる。一方で、ベルトの耐久性の点からは、短繊維の割合は耐側圧性を確保するだけの必要最小限とするのが好ましい。本発明では、グラフェン類の存在により、短繊維の割合を必要最小限に調整できるため、耐側圧性を維持したままベルトの曲げ剛性も小さく維持できる。そのため、摩擦係数(摺動性向上)及び曲げ剛性(柔軟性の向上)の両者を低減でき、伝達ロスが小さく省燃費性を確保できる。すなわち、短繊維とグラフェン類とを併用すると、耐側圧性と省燃費性(柔軟性と摺動性との両方)とを向上できる。
短繊維としては、例えば、ポリオレフィン系繊維(ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維など)、ポリアミド繊維(ポリアミド6繊維、ポリアミド66繊維、ポリアミド46繊維、アラミド繊維など)、ポリアルキレンアリレート系繊維[ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維、ポリエチレンナフタレート(PEN)繊維などのポリC2−4アルキレンC6−14アリレート系繊維など]、ビニロン繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール(PBO)繊維などの合成繊維;綿、麻、羊毛などの天然繊維;炭素繊維などの無機繊維などが汎用される。これらの短繊維は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの短繊維のうち、合成繊維や天然繊維、特に合成繊維(ポリアミド繊維、ポリアルキレンアリレート系繊維など)、中でも剛直で高い強度及びモジュラスを有し、圧縮ゴム層表面で突出し易い点から、少なくともアラミド繊維を含む短繊維が好ましい。アラミド短繊維は、高い耐摩耗性をも有している。アラミド繊維は、例えば、商品名「コーネックス」、「ノーメックス」、「ケブラー」、「テクノーラ」、「トワロン」などとして市販されている。
短繊維は、プーリからの押圧に対するベルトの圧縮変形を抑制するため、ベルト幅方向に配向して圧縮ゴム層中に埋設される。また、圧縮ゴム層の表面より短繊維を突出させることにより、表面の摩擦係数を低下させてノイズ(発音)を抑制したり、プーリとの擦れによる摩耗を低減できる。短繊維の平均長さは、例えば1〜20mm、好ましくは1.2〜15mm(例えば1.5〜10mm)、さらに好ましくは2〜5mm(特に2.5〜4mm)程度であってもよい。短繊維の平均長さが短すぎると、列理方向の力学特性(例えばモジュラスなど)を十分に高めることができない虞があり、逆に長すぎると、ゴム組成物中の短繊維の分散不良が生じ、ゴムに亀裂が発生してベルトが早期に損傷する虞がある。
摩擦伝動面全体における短繊維の平均突出高さは、50μm以上であればよく、例えば50〜200μm、好ましくは60〜180μm、さらに好ましくは70〜160μm(特に80〜150μm)程度である。平均突出高さが小さすぎると、表面の摩擦係数を充分に低減できない虞があり、逆に大きすぎると、破損や脱落が起こり易くなる。平均突出高さは、例えば、ベルト幅方向に切断した断面を電子顕微鏡などで拡大観察し、ベルト側面より突出する短繊維の長さ(突出高さ)を複数本(例えば10〜1000本、好ましくは30〜500本、さらに好ましくは50〜200本、特に100本程度)測定し、これらを平均して算出することができる。
短繊維の平均繊維径は、例えば1〜100μm、好ましくは3〜50μm、さらに好ましくは5〜30μm(特に10〜20μm)程度である。平均繊維径が大きすぎると、圧縮ゴム層の機械的特性が低下する虞があり、小さすぎると、表面の摩擦係数を充分に低減できない虞がある。
突出部における短繊維の形状は、特に限定されず、側面より略垂直に突出した形状、一方向(例えば、研磨方向)にカールした形状、先端部がフィブリル化した形状、研磨時の熱で溶融した開花状などの形状であってもよい。さらに、特開平7−98044号公報や特開平7−151191号公報に記載された形状であってもよい。
本発明では、摩擦伝動面に存在するグラフェン類との組み合わせにより、短繊維の割合を少量に抑制できるため、ベルトの曲げ剛性を低下でき、ベルトの伝達効率を向上できる。短繊維の割合は、ゴム成分100質量部に対して50質量部以下(例えば40質量部以下、好ましくは30質量部以下)であってもよく、例えば10〜25質量部、好ましくは12〜23質量部、さらに好ましくは15〜20質量部程度であってもよく、例えば10〜20質量部(特に12〜18質量部)程度であってもよい。短繊維の割合が少なすぎると、圧縮ゴム層の力学特性が低下する虞がある。逆に多すぎると、伝達効率の低下に加えて、短繊維のゴム組成物中の分散性が低下して分散不良が生じ、その箇所を起点にして圧縮ゴム層に亀裂が早期に発生する虞もある。なお、耐久性が重要な用途においては、短繊維の割合は、ゴム成分100質量部に対して、20質量部以下(例えば0〜20質量部)であってもよく、例えば15質量部以下(例えば0〜10質量部)、好ましくは5質量部以下(例えば0〜3質量部)、さらに好ましくは1質量部以下(0〜0.5質量部)程度であってもよく、実質的に短繊維を含んでいなくてもよい。
ゴム組成物中の短繊維の分散性や接着性の観点から、少なくとも短繊維は接着処理(又は表面処理)するのが好ましい。なお、全ての短繊維が接着処理されている必要はなく、接着処理した短繊維と、接着処理されていない短繊維(未処理短繊維)とが混在し又は併用されていてもよい。
短繊維の接着処理では、種々の接着処理、例えば、フェノール類とホルマリンとの初期縮合物(ノボラック又はレゾール型フェノール樹脂のプレポリマーなど)を含む処理液、ゴム成分(又はラテックス)を含む処理液、前記初期縮合物とゴム成分(ラテックス)とを含む処理液、シランカップリング剤、エポキシ化合物(エポキシ樹脂など)、イソシアネート化合物などの反応性化合物(接着性化合物)を含む処理液などで処理することができる。好ましい接着処理では、短繊維は、前記初期縮合物とゴム成分(ラテックス)とを含む処理液、特に少なくともレゾルシン−ホルマリン−ラテックス(RFL)液で処理する。このような処理液は組み合わせて使用してもよく、例えば、短繊維を、慣用の接着性成分、例えば、エポキシ化合物(エポキシ樹脂など)、イソシアネート化合物などの反応性化合物(接着性化合物)で前処理した後、RFL液で処理してもよい。
このような処理液、特にRFL液で処理すると、短繊維とゴム成分とを強く接着できる。RFL液は、レゾルシンとホルムアルデヒドとの初期縮合物と、ゴムラテックスとの混合物である。レゾルシンとホルムアルデヒドとのモル比は、ゴム成分と短繊維との接着性を向上できる範囲、例えば、前者/後者=1/0.5〜1/3、好ましくは1/0.6〜1/2.5、さらに好ましくは1/0.7〜1/1.5程度に設定でき、1/0.5〜1/1(例えば1/0.6〜1/0.8)程度であってもよい。ラテックスの種類は特に限定されず、接着対象となるゴム成分の種類に応じて、後述するゴム成分から適宜選択できる。例えば、接着対象となるゴム成分がクロロプレンゴムを主成分とする場合、ラテックスは、ジエン系ゴム(天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、スチレン−ブタジエン−ビニルピリジン三元共重合体、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(ニトリルゴム)、水素化ニトリルゴムなど)、エチレン−α−オレフィンエラストマー、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、アルキル化クロロスルホン化ポリエチレンゴムなどであってもよい。これらのラテックスは単独で又は2種以上組み合わせてもよい。好ましいラテックスは、ジエン系ゴム(スチレン−ブタジエン−ビニルピリジン三元共重合体、クロロプレンゴム、ブタジエンゴムなど)、クロロスルホン化ポリエチレンゴムであり、接着性を一層向上させる上ではスチレン−ブタジエン−ビニルピリジン三元共重合体が好ましい。短繊維を少なくともスチレン−ブタジエン−ビニルピリジン三元共重合体を含む処理液(RFL液など)で接着処理すると、ゴム組成物(クロロプレンゴム組成物など)と短繊維との接着性を向上できる。
レゾルシンとホルマリンとの初期縮合物の割合は、ラテックスのゴム成分100質量部に対して10〜100質量部(例えば12〜50質量部、好ましくは15〜30質量部)程度であってもよい。なお、RFL液の全固形分濃度は、5〜40質量%の範囲で調整できる。
短繊維に対する接着成分(固形分)の付着率は、例えば1〜25質量%、好ましくは3〜20質量%、より好ましくは5〜15質量%であり、3〜10質量%(特に4〜8質量%)程度であってもよい。接着成分の付着率が少なすぎると、短繊維のゴム組成物中の分散性や、短繊維とゴム組成物との接着性が不十分であり、逆に多すぎると、接着成分が繊維フィラメント同士を強固に固着し、却って分散性が低下する虞がある。
接着処理された短繊維の調製方法は特に限定されず、例えば、マルチフィラメントの長繊維を接着処理液に含浸し、乾燥させた後に所定長さにカットする方法、未処理短繊維を接着処理液に所定時間浸漬し、次いで、遠心分離などの方法で余剰の接着処理液を除去した後、乾燥させる方法などが利用できる。
(ゴム成分)
ゴム成分としては、公知の加硫又は架橋可能なゴム成分及び/又はエラストマー、例えば、ジエン系ゴム[例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム(CR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(ニトリルゴム);水素化ニトリルゴム(水素化ニトリルゴムと不飽和カルボン酸金属塩との混合ポリマーを含む)などの前記ジエン系ゴムの水添物など]、オレフィン系ゴム[例えば、エチレン−α−オレフィン系ゴム(エチレン−α−オレフィンエラストマー)、ポリオクテニレンゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体ゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、アルキル化クロロスルホン化ポリエチレンゴムなど]、エピクロルヒドリンゴム、アクリル系ゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴムなどが例示できる。これらのゴム成分は単独で又は二種以上組み合わせて使用することができる。
これらのゴム成分のうち、加硫剤及び加硫促進剤が拡散し易い点から、エチレン−α−オレフィンエラストマー(エチレン−プロピレン共重合体(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)などのエチレン−α−オレフィン系ゴム)、クロロプレンゴムが汎用され、特に、変速ベルトなど高負荷環境で用いる場合、機械的強度、耐候性、耐熱性、耐寒性、耐油性、接着性などのバランスに優れる点から、クロロプレンゴム、EPDMが好ましい。さらに、前記特性に加えて、耐摩耗性にも優れる点から、クロロプレンゴムが特に好ましい。クロロプレンゴムは、硫黄変性タイプであってもよく、非硫黄変性タイプであってもよい。
ゴム成分がクロロプレンゴムを含む場合、ゴム成分中のクロロプレンゴムの割合は50質量%以上(特に80〜100質量%)程度であってもよく、100質量%(クロロプレンゴムのみ)が特に好ましい。
(固体潤滑剤及び/又は摩擦調整剤)
ゴム組成物は、慣用の固体潤滑剤及び/又は摩擦調整剤をさらに含んでいてもよい。本発明では、グラフェン類を慣用の固体潤滑剤及び/又は摩擦調整剤と組み合わせることにより、ベルトの耐久性を低下させずに、摩擦伝動面の摩擦係数を低減できる。
慣用の固体潤滑剤としては、例えば、グラファイト、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレンなど)、二硫化モリブデン、超高分子量ポリエチレンなどが挙げられる。これらの固体潤滑剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。摩擦調整剤としては、無機粉粒体、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、チタン酸カリウム、ホウ酸アルミニウム、アルミナ、シリカ、マイカ、タルク(含水ケイ酸マグネシウム)、鉄粉、酸化チタン、パイロフィライト(ろう石クレー)等が挙げられる。これらの摩擦調整剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらのうち、グラファイト、フッ素樹脂、超高分子量ポリエチレンなどの固体潤滑剤が好ましい。
固体潤滑剤及び摩擦調整剤の合計割合は、ゴム成分100質量部に対して50質量部以下であってもよく、例えば1〜50質量部、好ましくは3〜40質量部、さらに好ましくは5〜30質量部(特に10〜20質量部)程度である。固体潤滑剤及び摩擦調整剤の割合が多すぎると、ベルト耐久性が低下する虞がある。
(添加剤)
ゴム組成物には、必要に応じて、加硫剤又は架橋剤(又は架橋剤系)、共架橋剤、加硫助剤、加硫促進剤、加硫遅延剤、金属酸化物(例えば、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化鉄、酸化銅など)、増強剤(カーボンブラックなど)、充填剤、軟化剤(パラフィンオイル、ナフテン系オイルなどのオイル類など)、加工剤又は加工助剤(ステアリン酸などの脂肪酸、ステアリン酸金属塩などの脂肪酸金属塩、ステアリン酸アマイドなどの脂肪酸アマイド、ワックス、パラフィンなど)、老化防止剤(酸化防止剤、熱老化防止剤、屈曲き裂防止剤、オゾン劣化防止剤など)、着色剤、粘着付与剤、可塑剤、滑剤、カップリング剤(シランカップリング剤など)、安定剤(紫外線吸収剤、熱安定剤など)、難燃剤、帯電防止剤などを含んでいてもよい。なお、金属酸化物は架橋剤として作用してもよい。
加硫剤又は架橋剤としては、ゴム成分の種類に応じて慣用の成分が使用でき、例えば、前記金属酸化物(酸化マグネシウム、酸化亜鉛など)、有機過酸化物(ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、ジアルキルパーオキサイドなど)、硫黄系加硫剤などが例示できる。硫黄系加硫剤としては、例えば、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄、塩化硫黄(一塩化硫黄、二塩化硫黄など)などが挙げられる。これらの架橋剤又は加硫剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。ゴム成分がクロロプレンゴムである場合、加硫剤又は架橋剤として金属酸化物(酸化マグネシウム、酸化亜鉛など)を使用してもよい。なお、金属酸化物は他の加硫剤(硫黄系加硫剤など)と組合せて使用してもよく、金属酸化物及び/又は硫黄系加硫剤は単独で又は加硫促進剤と組み合わせて使用してもよい。
加硫剤の割合は、加硫剤及びゴム成分の種類に応じて、ゴム成分100質量部に対して1〜20質量部程度の範囲から選択できる。例えば、加硫剤としての有機過酸化物の割合は、ゴム成分100質量部に対して1〜8質量部、好ましくは1.5〜5質量部、さらに好ましくは2〜4.5質量部程度の範囲から選択でき、金属酸化物の割合は、ゴム成分100質量部に対して1〜20質量部、好ましくは3〜17質量部、さらに好ましくは5〜15質量部(特に7〜13質量部)程度の範囲から選択できる。
共架橋剤(架橋助剤、又は共加硫剤co-agent)としては、公知の架橋助剤、例えば、多官能(イソ)シアヌレート[例えば、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、トリアリルシアヌレート(TAC)など]、ポリジエン(例えば、1,2−ポリブタジエンなど)、不飽和カルボン酸の金属塩[例えば、(メタ)アクリル酸亜鉛、(メタ)アクリル酸マグネシウムなど]、オキシム類(例えば、キノンジオキシムなど)、グアニジン類(例えば、ジフェニルグアニジン、ジo−トリルグアニジンなど)、多官能(メタ)アクリレート[例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなど]、ビスマレイミド類(脂肪族ビスマレイミド、例えば、N,N’−1,2−エチレンジマレイミド、1,6’−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)シクロヘキサンなど;アレーンビスマレイミド又は芳香族ビスマレイミド、例えば、N,N’−m−フェニレンジマレイミド、4−メチル−1,3−フェニレンジマレイミド、4,4’−ジフェニルメタンジマレイミド、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4’−ジフェニルエーテルジマレイミド、4,4’−ジフェニルスルフォンジマレイミド、1,3−ビス(3−マレイミドフェノキシ)ベンゼンなど)などが挙げられる。これらの架橋助剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの架橋助剤のうち、ビスマレイミド類(N,N’−m−フェニレンジマレイミドなどのアレーンビスマレイミド又は芳香族ビスマレイミド)が好ましい。ビスマレイミド類の添加により架橋度を高め、粘着摩耗などを防止できる。
共架橋剤(架橋助剤)の割合は、固形分換算で、ゴム成分100質量部に対して0.01〜10質量部程度の範囲から選択でき、例えば0.1〜10質量部(例えば0.3〜8質量部)、好ましくは0.5〜6質量部(特に1〜5質量部)程度であってもよい。
加硫促進剤としては、例えば、チウラム系促進剤[例えば、テトラメチルチウラム・モノスルフィド(TMTM)、テトラメチルチウラム・ジスルフィド(TMTD)、テトラエチルチウラム・ジスルフィド(TETD)、テトラブチルチウラム・ジスルフィド(TBTD)、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(DPTT)、N,N’−ジメチル−N,N’−ジフェニルチウラム・ジスルフィドなど]、チアゾ−ル系促進剤[例えば、2−メルカプトベンゾチアゾ−ル、2−メルカプトベンゾチアゾ−ルの亜鉛塩、2−メルカプトチアゾリン、ジベンゾチアジル・ジスルフィド、2−(4’−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾールなど]、スルフェンアミド系促進剤[例えば、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(CBS)、N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミドなど]、ウレア系又はチオウレア系促進剤(例えば、エチレンチオウレアなど)、ジチオカルバミン酸塩類、キサントゲン酸塩類などが挙げられる。これらの加硫促進剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの加硫促進剤のうち、TMTD、DPTT、CBSなどが汎用される。
加硫促進剤の割合は、固形分換算で、ゴム成分100質量部に対して、例えば0.1〜15質量部、好ましくは0.3〜10質量部、さらに好ましくは0.5〜5質量部程度であってもよい。
増強剤(カーボンブラック、シリカなど)の割合は、ゴム成分の総量100質量部に対して10〜100質量部(好ましくは20〜80質量部、さらに好ましくは30〜70質量部)程度であってもよい。また、軟化剤(ナフテン系オイルなどのオイル類)の割合は、ゴム成分の総量100質量部に対して、例えば1〜30質量部、好ましくは3〜20質量部(例えば5〜10質量部)程度であってもよい。また、加工剤又は加工助剤(ステアリン酸など)の割合は、ゴム成分100質量部に対して、10質量部以下(例えば、0〜10質量部)、好ましくは0.1〜5質量部、さらに好ましくは0.3〜3質量部(特に0.5〜2質量部)程度であってもよい。さらに、老化防止剤の割合は、ゴム成分の総量100質量部に対して、例えば0.5〜15質量部、好ましくは1〜10質量部、さらに好ましくは2.5〜7.5質量部(特に3〜7質量部)程度であってもよい。
[伸張ゴム層]
伸張ゴム層は、圧縮ゴム層で例示されたゴム成分を含む加硫ゴム組成物で形成されていてもよく、圧縮ゴム層と同様にグラフェン類及び短繊維が含まれていてもよい。さらに、伸張ゴム層は、グラフェン類を除いて圧縮ゴム層と同一の加硫ゴム組成物で形成された層であってもよい。
[接着ゴム層]
接着ゴム層を形成するためのゴム組成物は、圧縮ゴム層の加硫ゴム組成物と同様に、ゴム成分(クロロプレンゴムなど)、加硫剤又は架橋剤(酸化マグネシウム、酸化亜鉛などの金属酸化物、硫黄などの硫黄系加硫剤など)、共架橋剤又は架橋助剤(N,N’−m−フェニレンジマレイミドなどのマレイミド系架橋剤など)、加硫促進剤(TMTD、DPTT、CBSなど)、増強剤(カーボンブラック、シリカなど)、軟化剤(ナフテン系オイルなどのオイル類)、加工剤又は加工助剤(ステアリン酸、ステアリン酸金属塩、ワックス、パラフィンなど)、老化防止剤、接着性改善剤[レゾルシン−ホルムアルデヒド共縮合物、アミノ樹脂(窒素含有環状化合物とホルムアルデヒドとの縮合物、例えば、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサアルコキシメチルメラミン(ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサブトキシメチルメラミンなど)などのメラミン樹脂、メチロール尿素などの尿素樹脂、メチロールベンゾグアナミン樹脂などのベンゾグアナミン樹脂など)、これらの共縮合物(レゾルシン−メラミン−ホルムアルデヒド共縮合物など)など]、充填剤(クレー、炭酸カルシウム、タルク、マイカなど)、着色剤、粘着付与剤、可塑剤、カップリング剤(シランカップリング剤など)、安定剤(紫外線吸収剤、熱安定剤など)、難燃剤、帯電防止剤などを含んでいてもよい。なお、接着性改善剤において、レゾルシン−ホルムアルデヒド共縮合物及びアミノ樹脂は、レゾルシン及び/又はメラミンなどの窒素含有環状化合物とホルムアルデヒドとの初期縮合物(プレポリマー)であってもよい。
なお、このゴム組成物において、ゴム成分としては、前記圧縮ゴム層のゴム組成物のゴム成分と同系統(ジエン系ゴムなど)又は同種(クロロプレンゴムなど)のゴムを使用する場合が多い。また、加硫剤又は架橋剤、共架橋剤又は架橋助剤、加硫促進剤、増強剤、軟化剤及び老化防止剤の使用量は、それぞれ、前記圧縮ゴム層のゴム組成物と同様の範囲から選択できる。また、接着ゴム層のゴム組成物において、加工剤又は加工助剤(ステアリン酸など)の割合は、ゴム成分100質量部に対して0.1〜10質量部、好ましくは0.5〜5質量部、さらに好ましくは1〜3質量部程度であってもよい。また、接着性改善剤(レゾルシン−ホルムアルデヒド共縮合物、ヘキサメトキシメチルメラミンなど)の割合は、ゴム成分100質量部に対して0.1〜20質量部、好ましくは1〜10質量部、さらに好ましくは2〜8質量部程度であってもよい。さらに、グラフェン類は、前記圧縮ゴム層のゴム組成物と同様の割合で含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。
[芯体]
芯体としては、特に限定されないが、通常、ベルト幅方向に所定間隔で配列した心線(撚りコード)を使用できる。心線は、ベルトの長手方向に延びて配設され、通常、ベルトの長手方向に平行に所定のピッチで並列的に延びて配設されている。心線は、少なくともその一部が接着ゴム層と接していればよく、接着ゴム層が心線を埋設する形態、接着ゴム層と伸張ゴム層との間に心線を埋設する形態、接着ゴム層と圧縮ゴム層との間に心線を埋設する形態のいずれの形態であってもよい。これらのうち、耐久性を向上できる点から、接着ゴム層が心線を埋設する形態が好ましい。
心線を構成する繊維としては、前記短繊維と同様の繊維が例示できる。前記繊維のうち、高モジュラスの点から、エチレンテレフタレート、エチレン−2,6−ナフタレートなどのC2−4アルキレンC6−14アリレートを主たる構成単位とするポリエステル繊維(ポリアルキレンアリレート系繊維)、ポリアミド繊維(アラミド繊維など)などの合成繊維、炭素繊維などの無機繊維などが汎用され、ポリエステル繊維(ポリエチレンテレフタレート系繊維、ポリエチレンナフタレート系繊維)、ポリアミド繊維が好ましい。繊維はマルチフィラメント糸であってもよい。マルチフィラメント糸の繊度は、例えば2000〜10000デニール(特に4000〜8000デニール)程度であってもよい。マルチフィラメント糸は、例えば100〜5,000本であってもよく、好ましくは500〜4,000本、さらに好ましくは1,000〜3,000本程度のモノフィラメント糸を含んでいてもよい。
心線としては、通常、マルチフィラメント糸を使用した撚りコード(例えば、諸撚り、片撚り、ラング撚りなど)を使用できる。心線の平均線径(撚りコードの繊維径)は、例えば0.5〜3mmであってもよく、好ましくは0.6〜2mm、さらに好ましくは0.7〜1.5mm程度であってもよい。
心線は、ゴム成分との接着性を改善するため、短繊維と同様の方法で接着処理(又は表面処理)されていてもよい。心線も短繊維と同様に、少なくともRFL液で接着処理するのが好ましい。
[補強布]
摩擦伝動ベルトにおいて、補強布を使用する場合、圧縮ゴム層の表面に補強布を積層する形態に限定されず、例えば、伸張ゴム層の表面(接着ゴム層と反対側の面)に補強布を積層してもよく、圧縮ゴム層及び/又は伸張ゴム層に補強層を埋設する形態(例えば、特開2010−230146号公報に記載の形態など)であってもよい。補強布は、例えば、織布、広角度帆布、編布、不織布などの布材(好ましくは織布)などで形成でき、必要であれば、前記接着処理、例えば、RFL液で処理(浸漬処理など)したり、接着ゴムを前記布材にすり込むフリクションや、前記接着ゴムと前記布材とを積層した後、圧縮ゴム層及び/又は伸張ゴム層の表面に積層してもよい。
[摩擦伝動ベルトの製造方法]
本発明の摩擦伝動ベルトの製造方法は、特に限定されず、各層の積層工程(ベルトスリーブの製造方法)に関しては、慣用の方法を利用できる。
例えば、コグドVべルトの場合、補強布(下布)と圧縮ゴム層用シート(未加硫ゴム)からなる積層体を、前記補強布を下にして歯部と溝部とを交互に配した平坦なコグ付き型に設置し、温度60〜100℃(特に70〜80℃)程度でプレス加圧することによってコグ部を型付けしたコグパッド(完全には加硫しておらず、半加硫状態にあるパッド)を作製した後、このコグパッドの両端をコグ山部の頂部から垂直に切断してもよい。さらに、円筒状の金型に歯部と溝部とを交互に配した内母型を被せ、この歯部と溝部に係合させてコグパッドを巻き付けてコグ山部の頂部でジョイントし、この巻き付けたコグパッドの上に第1の接着ゴム層用シート(下接着ゴム:未加硫ゴム)を積層した後、芯体を螺旋状にスピニングし、この上に第2の接着ゴム層用シート(上接着ゴム:前記接着ゴム層用シートと同じ)、伸張ゴム層用シート(未加硫ゴム)、補強布(上布)を順次巻き付けて成形体を作製してもよい。その後、ジャケットを被せて金型を加硫缶に設置し、温度120〜200℃(特に150〜180℃)程度で加硫してベルトスリーブを調製した後、カッターなどを用いて、V状に切断加工してもよい。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。以下の例において、実施例に用いた原料、各物性における測定方法又は評価方法を以下に示す。なお、特にことわりのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
[原料]
クロロプレンゴム:デンカ(株)製「デンカクロロプレンDCR」
アラミド短繊維:帝人テクノプロダクツ(株)製「コーネックス短繊維」、平均繊維長3mm、平均繊維径14μm
ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス:日本ゼオン(株)製
グラフェン:グラフェンプラットフォーム(株)製「GNH−X1」
グラファイト:オリエンタル産業(株)製「AT−20」
超高分子量ポリエチレン(UHMW−PE):Ticona Engineering Polymers社製「GUR−4150」
未焼成低分子量PTFE:(株)喜多村製「KTL−8F」
可塑剤:DIC(株)製、セバケート系オイル
カーボンブラック:東海カーボン(株)製「シースト3」
シリカ:東ソー・シリカ(株)製「Nipsil VN3」
老化防止剤:精工化学(株)製「ノンフレックスOD3」
心線:1,000デニールのPET繊維を2×3の撚り構成で、上撚り係数3.0、下撚り係数3.0で諸撚りしたトータルデニール6,000のコードを接着処理した撚りコード。
[摩擦係数及び摩耗量]
実施例及び比較例の圧縮ゴム層用ゴム組成物を153℃で30分間加硫して、幅10mm、長さ20mm、厚さ4mmの試験片を作製した。下部ベース台に取り付けた相手材を上部に取り付けた試験片に一定の面圧で押し付け、さらに上部に取り付けた試験片を一定の速度で往復運動させることができる摺動式摩擦摩耗試験機((株)米倉製作所製)にセットし、速度10m/分、面圧0.5MPa、温度70℃、走行時間20時間の条件で試験を行った。相手材の材質はSUS304とした。摩擦係数は、ロードセルの電圧を10秒ごとにサンプリングし、試験時間20時間の平均値を算出した。摩耗量は試験前後における試験片の重量減少量を測定した。
[耐久走行試験(耐側圧性)]
耐久走行試験は、図3に示すように、直径50mmの駆動(Dr.)プーリ12と、直径125mmの従動(Dn.)プーリ13とからなる2軸走行試験機を用いて行なった。各プーリ12,13にローエッジコグドVベルト11を掛架し、駆動プーリ12の回転数5000rpm、従動プーリ13に10N・mの負荷を付与し、雰囲気温度80℃にてベルト11を最大40時間走行させた。走行中のベルト表面温度は最大120℃に達した。走行後のローエッジコグドVベルト11のコグ部の側面を目視で観察し、コグ部100個当たりのクラック発生割合(短繊維を起点とするクラックが発生したコグ部の個数割合)を算出し、以下の基準で評価した。
◎:クラック発生が0%
○:クラック発生が0%超〜10%未満
×:クラック発生が10%以上。
実施例1〜10及び比較例1〜5
(ゴム層の形成)
表1(接着ゴム層)及び表2(圧縮ゴム層及び伸張ゴム層)のゴム組成物は、それぞれ、バンバリーミキサーなどの公知の方法を用いてゴム練りを行い、この練りゴムをカレンダーロールに通して圧延ゴムシート(接着ゴム層用シート、圧縮ゴム層用シート、伸張ゴム層用シート)を作製した。なお、短繊維は、RFL液(レゾルシン及びホルムアルデヒドと、ラテックスとしてのビニルピリジン−スチレン−ブタジエンゴムラテックスとを含有)で接着処理し、固形分の付着率6質量%の短繊維を用いた。RFL液として、レゾルシン2.6質量部、37%ホルマリン1.4質量部、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス17.2質量部、水78.8質量部を用いた。
(摩擦伝動ベルトの製造)
下布となる補強布と、圧縮ゴム層用シート(未加硫ゴム)との積層体を、補強布を下にして歯部と溝部とを交互に配した平坦なコグ付き型に設置し、75℃でプレス加圧することによってコグ部を型付けしたコグパッド(完全には加硫しておらず、半加硫状態にある)を作製した。次に、このコグパッドの両端をコグ山部の頂部から垂直に切断した。
円筒状の金型に歯部と溝部とを交互に配した内母型を被せ、この歯部と溝部に係合させて前記コグパッドを巻き付けてコグ山部の頂部でジョイントし、この巻き付けたコグパッドの上に接着ゴム層用シート(下接着ゴム:未加硫ゴム)を積層した後、心線を螺旋状にスピニングし、この上に接着ゴム層用シート(上接着ゴム:前記接着ゴム層用シートと同じ)、伸張ゴム層用シート(未加硫ゴム)、上布となる補強布(上布)を順次巻き付けて成形体を作製した。その後、ジャケットを被せて金型を加硫缶に設置し、温度160℃、時間20分で加硫してベルトスリーブを得た。このスリーブをカッターでベルト長手方向に所定幅でV状断面形状に切断し、さらにベルト両側面を研磨し、図1に示す構造のベルト、すなわちベルト内周側にコグを有した変速ベルトであるローエッジコグドVベルト(サイズ:上幅22.0mm、厚み11.0mm、外周長800mm)を作製した。
圧縮ゴム層用ゴム組成物の摩擦係数及び摩耗量の測定結果を表2に示し、得られた摩擦伝動ベルトの耐久走行試験の結果も表2に示す。
Figure 0006809985
Figure 0006809985
グラフェン及び固体潤滑剤を含まない比較例1では摩擦係数が高く、耐久走行試験においてクラックが多く発生した。摩擦係数が高いためにプーリからの抜けが悪く、逆曲げされる形となり、発熱が大きくなり、その熱によりゴムが硬化劣化したためと考えられる。
グラフェンを含む実施例1〜3では、摩擦係数が十分に低下しており、摩耗量も少なかった。また、耐久走行試験においてクラックは発生しなかった。特に実施例1や2のように少量の添加で大きな効果が得られることから、ゴムの加工性や物性に大きな影響を与えることなく、またクラックの起点となる可能性も抑えることができると考えられる。
グラフェンを10質量部配合した実施例4では、摩擦係数が大きく低下し、摩耗量も最も少なかった。しかし、耐久走行試験において少量ながらクラックが発生し、摩擦係数が適正値以上に低下することでスリップが発生し、ゴムが熱劣化したものと考えられる。
比較例2及び3は、固体潤滑剤としてグラファイトを用いたベルトであるが、少量の添加では摩擦係数低下の効果がほとんど発現せず、また、多く配合した場合でもグラフェンを配合した場合のような摩擦係数の十分な低下は見られず、クラックが発生した。グラファイトはグラフェンが何層も重なった構造となっているために内部の層は何ら効果を発揮できず、同じ重量を添加しても、グラフェンよりも効果が得られにくいと考えられる。比較例4は超高分子量ポリエチレンを配合したベルトであるが、グラファイト同様に十分な摩擦係数低減効果は見られなかった。比較例5は、グラファイトに超高分子量ポリエチレンを併用したベルトであるが、同様に十分な摩擦係数低減効果は見られなかった。
実施例5は、グラフェンにグラファイトを併用、実施例6はグラフェンに超高分子量ポリエチレンを併用、実施例7は未焼成低分子量PTFEを併用、実施例8はグラフェン、超高分子量ポリエチレン、未焼成低分子量PTFEの三種を配合したベルトであるが、互いに阻害することもなく、グラフェンを単独で用いた場合よりもさらに摩擦係数を低減することができた。このように、固体潤滑剤の混合比率を種々変更することで、狙いの摩擦係数を得ることも可能である。
実施例9は、短繊維を含まず、クロロプレンゴム100質量部に対して、グラフェンを1質量部含むベルトである。グラフェン及び短繊維の両方を含む実施例1と比較すると、摩擦係数は少し大きかったが、耐久走行試験においてクラックは発生しなかった。
実施例10は、クロロプレンゴム100質量部に対して、短繊維40質量部と、グラフェン1質量部とを含むベルトである。短繊維15質量部を含む実施例1と比較すると、摩擦係数が小さく、摩耗量も少なくなっていたが、耐久走行試験において少量のクラックが発生した。このことは、短繊維の添加量が多くなることで耐屈曲疲労性が低下したためと考えられる。
実施例1及び9〜10の結果から、グラフェンの添加により、短繊維の割合が少量又は短繊維を含まなくても高い耐摩耗性、耐側圧性及び摺動性が発現するため、耐久性を向上でき、前記特性をバランスよく向上できることが分かった。
本発明の摩擦伝動ベルトは、例えば、Vベルト(ラップドVベルト、ローエッジVベルト、ローエッジコグドVベルト)、Vリブドベルト、平ベルトなどに適用できる。特に、ベルト走行中に変速比が無段階で変わる変速機(無段変速装置)に使用されるVベルト(変速ベルト)、例えば、自動二輪車やATV(四輪バギー)、スノーモービルなどの無段変速装置に使用されるローエッジコグドVベルト、ローエッジダブルコグドVベルトに適用するのが好ましい。
1…摩擦伝動ベルト
2,6…補強布
3…伸張ゴム層
4…接着ゴム層
4a…芯体
5…圧縮ゴム層

Claims (7)

  1. 少なくとも一部がプーリと接触可能な摩擦伝動面を有する圧縮ゴム層を備えた摩擦伝動ベルトであって、前記圧縮ゴム層の摩擦伝動面が、ゴム成分及びグラフェン類を含むゴム組成物の加硫物で形成され
    前記ゴム成分がクロロプレンゴムであり、
    前記グラフェン類の割合が前記ゴム成分100質量部に対して0.1〜10質量部であり、
    前記圧縮ゴム層が短繊維をさらに含み、前記短繊維の割合が前記ゴム成分100質量部に対して12〜40質量部であり、
    Vベルトである摩擦伝動ベルト。
  2. グラフェン類の平均粒子径が0.1〜3μmである請求項1記載の摩擦伝動ベルト。
  3. 短繊維がベルト幅方向に配向している請求項1又は2記載の摩擦伝動ベルト。
  4. 短繊維の割合がゴム成分100質量部に対して30質量部以下である請求項1〜3のいずれかに記載の摩擦伝動ベルト。
  5. グラフェン類の割合がゴム成分100質量部に対して0.5〜5質量部であり、かつ圧縮ゴム層が固体潤滑剤及び/又は摩擦調整剤をさらに含む請求項1〜のいずれかに記載の摩擦伝動ベルト。
  6. グラフェン類の割合が、固体潤滑剤及び摩擦調整剤の合計100質量部に対して1〜50質量部である請求項記載の摩擦伝動ベルト。
  7. ローエッジコグドVベルトである請求項1〜のいずれかに記載の摩擦伝動ベルト。
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