JP6809341B2 - 回転電機の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、回転電機の制御装置に関する。
従来、例えば下記特許文献1に見られるように、回転電機のステータに巻回された巻線群に流れる回転座標系の電流値に基づいて、回転電機の回転位置情報を推定する制御装置が知られている。また制御装置としては、回転電機の矩形波駆動を行うものも知られている。
特許第6022951号公報
矩形波駆動が行われると、巻線群に流れる回転座標系の電流値には、基本波成分に加えて高調波成分が含まれる。具体的には例えば、6次や12次の高調波成分が含まれる。高調波成分が含まれた回転座標系の電流値に基づいて回転位置情報が推定されると、回転位置情報の推定精度が低下し得る。その結果、回転電機の制御性が低下し得る。
本発明は、回転位置情報の推定精度の低下を抑制できる回転電機の制御装置を提供することを主たる目的とする。
第1の発明は、ステータに巻回された巻線群を有する回転電機と、前記巻線群に電圧を印加する電力変換回路と、を備えるシステムに適用され、前記回転電機の回転位置情報を推定する位置推定部を備える回転電機の制御装置において、前記巻線群に流れる固定座標系の電流値を取得する電流取得部と、前記電流取得部により取得された電流値と前記回転位置情報とに基づいて、前記巻線群に流れる回転座標系の電流値である変換電流値を算出する電流算出部と、前記回転位置情報に基づいて、前記回転電機の矩形波駆動を行うべく前記電力変換回路を操作する操作部と、を備え、前記位置推定部は、前記電流算出部により算出された前記変換電流値に基づいて前記回転位置情報を推定し、前記電流算出部は、前記位置推定部で用いられる前記変換電流値として、前記変換電流値の1変動周期における平均値を算出する。
第1の発明では、巻線群に流れる回転座標系の電流値が変換電流値として定義されている。第1の発明では、電流算出部は、電流取得部により取得された電流値と回転位置情報とに基づいて、変換電流値の1変動周期における平均値を算出する。上記平均値は、実際の変換電流値に含まれる高調波成分が低減された値とされている。このため、上記平均値に基づいて回転位置情報が推定されることにより、高調波成分に起因した回転位置情報の推定精度の低下を抑制できる。
第2の発明は、前記電力変換回路の入力電圧値を取得する電圧取得部と、前記回転位置情報に基づいて、前記回転電機の電気角周波数を算出する速度算出部と、前記電圧取得部により取得された前記入力電圧値と前記速度算出部により算出された前記電気角周波数とに基づいて、実際の前記変換電流値がその1変動周期における平均値になると想定されるタイミングを検出タイミングとして算出するタイミング算出部と、を備え、前記電流取得部は、前記タイミング算出部により算出された前記検出タイミングにおける前記固定座標系の電流値を取得し、前記電流算出部は、前記回転位置情報に基づいて、前記電流取得部により取得された電流値を前記位置推定部で用いられる前記変換電流値に変換する。
回転座標系の電流値の振幅及び位相は、電力変換回路の入力電圧値及び回転電機の電気角周波数に応じて変化する。このため、電流取得部により取得される電流値が、入力電圧値及び電気角周波数の大小によらない予め定められたタイミングで検出された電流値である場合、電流取得部により取得された電流値に基づく変換電流値と、実際の変換電流値の1変動周期における平均値とのずれが大きくなる。このずれが大きくなると、変換電流値に含まれる高調波成分が大きくなり、回転位置情報の推定精度が低下し得る。
そこで第2の発明では、タイミング算出部は、電圧取得部により取得された入力電圧値と速度算出部により算出された電気角周波数とに基づいて、実際の変換電流値がその1変動周期における平均値になると想定されるタイミングを検出タイミングとして算出する。電流取得部は、算出された検出タイミングにおける固定座標系の電流値を取得する。電流算出部は、回転位置情報に基づいて、電流取得部により取得された電流値を、位置推定部で用いられる変換電流値に変換する。このため、位置推定部で用いられる変換電流値を平均値に近づけることができ、変換電流値に含まれる高調波成分を低減できる。これにより、回転位置情報の推定精度の低下を抑制できる。
第3の発明は、前記電力変換回路の入力電圧値を取得する電圧取得部と、前記回転位置情報に基づいて、前記回転電機の電気角周波数を算出する速度算出部と、前記電圧取得部により取得された前記入力電圧値と前記速度算出部により算出された前記電気角周波数とに基づいて、前記平均値を算出する平均値算出部と、前記平均値算出部により算出された前記平均値と前記電流算出部により算出された前記変換電流値とに基づいて、前記電流算出部により算出された前記変換電流値を前記平均値算出部により算出された前記平均値にするための補正量を算出する補正量算出部と、前記電流算出部により算出された前記変換電流値を前記補正量で補正する補正部と、を備え、前記位置推定部は、前記補正部により補正された前記変換電流値に基づいて前記回転位置情報を推定する。
回転座標系の電流値の振幅及び位相は、電力変換回路の入力電圧値及び回転電機の電気角周波数に応じて変化する。このため、電流取得部により取得された電流値に基づく変換電流値と、実際の変換電流値の1変動周期における平均値とのずれが大きくなり得る。このずれが大きくなると、変換電流値に含まれる高調波成分が大きくなり、回転位置情報の推定精度が低下し得る。
そこで第3の発明では、平均値算出部は、入力電圧値及び電気角周波数に基づいて上記平均値を算出する。補正量算出部は、算出された平均値と電流算出部により算出された変換電流値とに基づいて上記補正量を算出する。補正部は、電流算出部により算出された変換電流値を算出された補正量で補正する。このため、位置推定部で用いられる変換電流値を平均値に近づけることができ、変換電流値に含まれる高調波成分が回転位置情報の推定精度に及ぼす影響を低減できる。これにより、回転位置情報の推定精度の低下を抑制できる。
第4の発明では、前記電力変換回路の電圧ベクトルが切り替えられる第1タイミングから、前記第1タイミングの直後に前記電圧ベクトルが切り替えられる第2タイミングまでの期間よりも短い期間が検出禁止期間とされており、前記電流取得部は、前記第1タイミングから前記検出禁止期間が経過するまでの期間以外の期間における前記固定座標系の電流値を取得する。
電圧ベクトルが切り替えられた直後の期間である検出禁止期間においては、その切替に起因したノイズが固定座標系の電流値に含まれ得る。ノイズが含まれた電流値に基づいて回転位置情報が推定されると、回転位置情報の推定精度が低下し得る。そこで第4の発明では、電流算出部で用いられる固定座標系の電流値が、上記第1タイミングから検出禁止期間が経過するまでの期間以外の期間における電流値とされている。このため、電圧ベクトルの切替に起因したノイズが電流取得部により取得される電流値に含まれることを抑制でき、回転位置情報の推定精度の低下を抑制できる。
第5の発明では、前記電力変換回路の電圧ベクトルが切り替えられる第1タイミングから、前記第1タイミングの直後に前記電圧ベクトルが切り替えられる第2タイミングまでの期間よりも短い期間が検出禁止期間とされている。第5の発明は、前記電力変換回路の入力電圧値を取得する電圧取得部と、前記回転位置情報に基づいて、前記回転電機の電気角周波数を算出する速度算出部と、前記電圧取得部により取得された前記入力電圧値と前記速度算出部により算出された前記電気角周波数とに基づいて、実際の前記変換電流値がその1変動周期における平均値になると想定されるタイミングを検出タイミングとして算出するタイミング算出部と、前記タイミング算出部により算出された前記検出タイミングが、前記第1タイミングから前記検出禁止期間が経過するまでの期間に含まれていることを判定する判定部と、前記判定部により含まれていると判定された場合、前記検出タイミングを、前記第1タイミングから前記検出禁止期間が経過するまでの期間以外の期間にずらすシフト部と、を備え、前記電流取得部は、前記シフト部でずらされた前記検出タイミングにおける前記固定座標系の電流値を取得し、前記電流算出部は、前記回転位置情報に基づいて、前記電流取得部により取得された電流値を前記変換電流値に変換する。第5の発明は、前記電圧取得部により取得された前記入力電圧値と前記速度算出部により算出された前記電気角周波数とに基づいて、前記平均値を算出する平均値算出部と、前記平均値算出部により算出された前記平均値と前記電流算出部により算出された前記変換電流値とに基づいて、前記電流算出部により算出された前記変換電流値を前記平均値算出部により算出された前記平均値にするための補正量を算出する補正量算出部と、前記電流算出部により算出された前記変換電流値を前記補正量で補正する補正部と、を備え、前記位置推定部は、前記補正部により補正された前記変換電流値に基づいて前記回転位置情報を推定する。
回転座標系の電流値の振幅及び位相は、電力変換回路の入力電圧値及び回転電機の電気角周波数に応じて変化する。このため、電流取得部により取得される電流値が、入力電圧値及び電気角周波数の大小によらない予め定められたタイミングで検出された電流値である場合、電流取得部により取得された電流値が変換された変換電流値と、実際の変換電流値の1変動周期における平均値とのずれが大きくなる。このずれが大きくなると、回転位置情報の推定に用いられる変換電流値に含まれる高調波成分が大きくなり、回転位置情報の推定精度が低下し得る。
そこで第5の発明では、タイミング算出部は、電圧取得部により取得された入力電圧値と速度算出部により算出された電気角周波数とに基づいて、実際の変換電流値がその1変動周期における平均値になると想定されるタイミングを検出タイミングとして算出する。ここで、電圧ベクトルが切り替えられた直後の期間である検出禁止期間においては、その切替に起因したノイズが固定座標系の電流値に含まれることがある。ノイズが含まれた電流値に基づいて回転位置情報が推定されると、回転位置情報の推定精度が低下し得る。
そこで第5の発明では、判定部は、タイミング算出部により算出された検出タイミングが、上記第1タイミングから検出禁止期間が経過するまでの期間に含まれていることを判定する。シフト部は、判定部により含まれていると判定された場合、検出タイミングを、第1タイミングから検出禁止期間が経過するまでの期間以外の期間にずらす。
ここで、ずらされた検出タイミングにおける固定座標系の電流値に基づく変換電流値は、実際の変換電流値の1変動周期における平均値から大きくずれ得る。この場合、変換電流値に含まれる高調波成分が大きくなり、回転位置情報の推定精度が低下し得る。
そこで第5の発明では、平均値算出部は、入力電圧値及び電気角周波数に基づいて上記平均値を算出する。補正量算出部は、算出された平均値と電流算出部により算出された変換電流値とに基づいて上記補正量を算出する。補正部は、電流算出部により算出された変換電流値を算出された補正量で補正する。このため、位置推定部で用いられる変換電流値を平均値に近づけることができ、変換電流値に含まれる高調波成分が回転位置情報の推定精度に及ぼす影響を低減できる。これにより、回転位置情報の推定精度の低下を抑制できる。
第1実施形態に係るモータ制御システムの全体構成図。 第1巻線群と第2巻線群とのなす空間位相差を示す図。 矩形波制御における電圧ベクトルの推移を示す図。 電圧ベクトルとスイッチングモードとの関係を示す図。 制御装置におけるモータ制御のブロック図。 電流検出タイミングを示すタイムチャート。 モータ制御処理の手順を示すフローチャート。 第2実施形態に係るモータ制御システムの全体構成図。 電流検出タイミングを示すタイムチャート。 モータ制御処理の手順を示すフローチャート。 第3実施形態に係るモデル化した電圧の推移を示す図。 モータ制御処理の手順を示すフローチャート。 第4実施形態に係るモータ制御処理の手順を示すフローチャート。 第1補正処理の手順を示すフローチャート。 第2補正処理の手順を示すフローチャート。 第5実施形態に係るモータ制御処理の手順を示すフローチャート。 検出禁止期間を示す図。 その他の実施形態に係る電流検出タイミングを示すタイムチャート。
<第1実施形態>
以下、本発明にかかる制御装置を車載主機としてエンジンを備える車両に適用した第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、モータ10は、多相多重巻線を有する回転電機であり、本実施形態では、3相2重巻線を有する突極型の同期モータである。なお本実施形態では、モータ10として、スタータ及びオルタネータの機能を統合したISG(Integrated Starter Generator)を想定している。特に本実施形態では、図示しないエンジンの初回の始動に加えて、所定の自動停止条件が成立する場合にエンジンを自動停止させ、その後、所定の再始動条件が成立する場合にエンジンを自動的に再始動させるアイドリングストップ機能を実行する場合にも、モータ10がスタータとして機能する。
本実施形態において、モータ10は永久磁石界磁型のものである。モータ10を構成するロータ12は、エンジンのクランク軸と動力伝達が可能とされている。
モータ10を構成するステータ13には、2つの電機子巻線群である第1巻線群10A及び第2巻線群10Bが巻回されている。第1,第2巻線群10A,10Bに対して、ロータ12が共通化されている。なお本実施形態において、第1巻線群10Aが第1対象巻線群に相当し、第2巻線群10Bが第2対象巻線群に相当する。
図2を用いて、各巻線群10A,10Bについて説明する。第1巻線群10A及び第2巻線群10Bのそれぞれは、異なる中性点を有する3相巻線を備えている。第1巻線群10Aは、電気角で互いに120°ずれた各巻線UA,VA,WAを有し、第2巻線群10Bは、電気角で互いに120°ずれた各巻線UB,VB,WBを有している。本実施形態では、第1巻線群10Aと第2巻線群10Bとのなす電気角である空間位相差Δαが30°とされている。また本実施形態では、第1巻線群10Aと第2巻線群10Bとが同じ構成とされている。具体的には、第1巻線群10Aを構成する各巻線UA,VA,WAのそれぞれの巻数NAと、第2巻線群10Bを構成する各巻線UB,VB,WBのそれぞれの巻数NBとが等しく設定されている。これにより、第1巻線群10Aの自己インダクタンスと、第2巻線群10Bの自己インダクタンスとが等しくされている。
先の図1に戻り、モータ10には、第1巻線群10Aに対応した第1インバータ20A及び第2巻線群10Bに対応した第2インバータ20Bが電気的に接続されている。第1インバータ20A及び第2インバータ20Bのそれぞれには、共通の直流電源であるバッテリ21が並列接続されている。なおバッテリ21には、コンデンサ22が並列接続されている。
第1インバータ20Aは、第1U,V,W相上アームスイッチSUp1,SVp1,SWp1と、第1U,V,W相下アームスイッチSUn1,SVn1,SWn1との直列接続体を3組備えている。U,V,W相における上記直列接続体の接続点は、第1巻線群10Aを構成するU,V,W相巻線UA,VA,WAに接続されている。本実施形態では、各スイッチSUp1〜SWn1として、IGBTが用いられている。そして各スイッチSUp1〜SWn1にはそれぞれ、ダイオードDUp1〜DWn1が逆並列に接続されている。なお各スイッチSUp1〜SWn1としては、IGBTに限らず、例えばNチャネルMOSFETが用いられていてもよい。
第2インバータ20Bは、第1インバータ20Aと同様に、第2U,V,W相上アームスイッチSUp2,SVp2,SWp2と、第2U,V,W相下アームスイッチSUn2,SVn2,SWn2との直列接続体を3組備えている。U,V,W相における上記直列接続体の接続点は、第2巻線群10Bを構成するU,V,W相巻線UB,VB,WBに接続されている。本実施形態では、各スイッチSUp2〜SWn2として、IGBTが用いられている。そして各スイッチSUp2〜SWn2にはそれぞれ、ダイオードDUp2〜DWn2が逆並列に接続されている。なお各スイッチSUp2〜SWn2しては、IGBTに限らず、例えばNチャネルMOSFETが用いられていてもよい。
第1,第2インバータ20A,20Bの高電位側端子である各上アームスイッチのコレクタには、バッテリ21の正極端子が接続されている。第1,第2インバータ20A,20Bの低電位側端子である各下アームスイッチのエミッタには、バッテリ21の負極端子が接続されている。
制御システムは、電圧検出部30、第1相電流検出部31A、第2相電流検出部31B及び温度検出部32を備えている。電圧検出部30は、バッテリ21から第1,第2インバータ20A,20Bへの入力電圧値を電源電圧値VDCとして検出する。第1相電流検出部31Aは、3相固定座標系における第1巻線群10Aの各相電流値のうち少なくとも2相分の電流値を第1相電流値Iph1として検出する。第2相電流検出部31Bは、3相固定座標系における第2巻線群10Bの各相電流値のうち少なくとも2相分の電流値を第2相電流値Iph2として検出する。温度検出部32は、第1巻線群10Aの温度を第1巻線温度TH1として検出し、第2巻線群10Bの温度を第2巻線温度TH2として検出する。なお本実施形態において、第1相電流値Iph1が第1電流値に相当し、第2相電流値Iph2が第2電流値に相当する。
上記各検出部の検出値は、制御装置40に入力される。制御装置40は、モータ10の制御量をその指令値に制御すべく、各検出部の検出値に基づいて、第1,第2インバータ20A,20Bの操作信号を生成する。本実施形態において、制御量はトルクであり、その指令値は指令トルクTrq*である。図1には、第1インバータ20Aの各スイッチSUp1〜SWn1を操作する信号を第1操作信号gUp1〜gWn1として示し、第2インバータ20Bの各スイッチSUp2〜SWn2を操作する信号を第2操作信号gUp2〜gWn2として示している。
なお、制御装置40が提供する機能は、例えば、実体的なメモリ装置に記録されたソフトウェア及びそれを実行するコンピュータ、ハードウェア、又はそれらの組み合わせによって提供することができる。
制御装置40は、各操作信号を矩形波駆動制御に基づいて生成する。矩形波駆動制御は、図3に示すように、電気角θeの360°を1周期として、有効電圧ベクトルV1〜V6を電気角60°毎に順次切り替える制御である。なお図3において、Vct1は第1インバータ20Aの第1電圧ベクトルを示し、Vct2は第2インバータ20Bの第2電圧ベクトルを示す。また図4には、各電圧ベクトルと各相スイッチの操作状態との対応関係を示した。図中、V0,V7は無効電圧ベクトルを示す。
続いて図5を用いて、モータ10のトルク制御について説明する。この制御では、位置センサレス制御が用いられる。位置センサレス制御では、モータ10の磁極位置である電気角を直接検出するレゾルバ等の角度検出器の検出値が用いられず、推定した電気角が用いられる。
制御装置40は、第1インバータ20Aに対応した第1処理部41を備えている。第1処理部41において、第1電流変換部41aは、第1巻線群10Aに対応する電気角の推定値である第1推定角θγ1と、第1相電流検出部31Aにより検出された第1相電流値Iph1とに基づいて、3相固定座標系における第1巻線群10AのU,V,W相電流値を、γδ座標系における第1γ軸電流値Iγ1r及び第1δ軸電流値Iδ1rに変換する。ここでγδ座標系は、モータ10の2相回転座標系であるdq座標系の推定座標系である。
第1指令電流設定部41bは、指令トルクTrq*に基づいて、第1γ軸指令電流値Iγ1*と、第1δ軸指令電流値Iδ1*とを設定する。第1γ軸偏差算出部41cは、第1γ軸指令電流値Iγ1*から第1γ軸電流値Iγ1rを減算した値として、第1γ軸偏差ΔIγ1を算出する。第1δ軸偏差算出部41dは、第1δ軸指令電流値Iδ1*から第1δ軸電流値Iδ1rを減算した値として、第1δ軸偏差ΔIδ1を算出する。
第1指令電圧設定部41eは、第1γ軸偏差ΔIγ1に基づいて、第1γ軸電流値Iγ1rを第1γ軸指令電流値Iγ1*にフィードバック制御するための操作量として、第1γ軸指令電圧値Vγ1*を算出する。また、第1指令電圧設定部41eは、第1δ軸偏差ΔIδ1に基づいて、第1δ軸電流値Iδ1rを第1δ軸指令電流値Iδ1*にフィードバック制御するための操作量として、第1δ軸指令電圧値Vδ1*を算出する。なお、上記フィードバック制御としては、例えば比例積分制御を用いることができる。
第1電圧変換部41fは、第1γ軸指令電圧値Vγ1*、第1δ軸指令電圧値Vδ1*、電圧検出部30により検出された電源電圧値VDC、及び第1推定角θγ1に基づいて、γδ座標系における第1γ,δ軸指令電圧値Vγ1*,Vδ1*を、3相固定座標系における第1U,V,W相指令電圧値VU1,VV1,VW1に変換する。本実施形態において、第1U,V,W相指令電圧値VU1,VV1,VW1は、中央値が0となり、電気角で位相が120°ずれた正弦波状の信号となる。
第1生成部41gは、第1電圧変換部41fから出力された第1U,V,W相指令電圧値VU1,VV1,VW1に基づいて、第1操作信号gUp1〜gWn1を生成する。第1生成部41gは、生成した第1操作信号gUp1〜gWn1を各スイッチSUp1〜SWn1に対して出力する。ここで第1操作信号は、例えば、三角波信号等のキャリア信号と各相指令電圧値VU1,VV1,VW1との大小比較に基づくPWM制御により生成されればよい。上アーム側の第1操作信号と、対応する下アーム側の第1操作信号とは、互いに相補的な信号となっている。このため、上アームスイッチと、対応する下アームスイッチとは、交互にオンされる。
制御装置40は、第2インバータ20Bに対応した第2処理部42を備えている。なお、第2処理部42は、第1処理部41と同様の構成のため、その詳細な説明を適宜省略する。
第2処理部42において、第2電流変換部42aは、第2巻線群10Bに対応する電気角の推定値である第2推定角θγ2と、第2相電流検出部31Bにより検出された第2相電流Iph2とに基づいて、第2巻線群10Bに対応するU,V,W相電流値を、γδ座標系における第2γ軸電流値Iγ2rと、第2δ軸電流値Iδ2rとに変換する。ここで第2推定角θγ2は、角度加算部51により、第1推定角θγ1及び空間位相差Δαの加算値として算出される。
第2指令電流設定部42bは、指令トルクTrq*に基づいて、第2γ軸指令電流値Iγ2*と、第2δ軸指令電流値Iδ2*とを設定する。各指令電流値Iγ2*,Iδ2*,Iγ1*,Iδ1*は、モータ10の実際のトルクを指令トルクTrq*とするために必要な値に設定されている。
第2γ軸偏差算出部42cは、第2γ軸指令電流値Iγ2*から第2γ軸電流値Iγ2rを減算した値として、第2γ軸偏差ΔIγ2を算出する。第2δ軸偏差算出部42dは、第2δ軸指令電流値Iδ2*から第2δ軸電流値Iδ2rを減算した値として、第2δ軸偏差ΔIδ2を算出する。
第2指令電圧設定部42eは、第2γ軸偏差ΔIγ2に基づいて、第2γ軸指令電圧値Vγ2*を算出する。また、第2指令電圧設定部42eは、第2δ軸偏差ΔIδ2に基づいて、第2δ軸指令電圧値Vδ2*を算出する。なお、第2指令電圧設定部42eで用いられるフィードバック制御としては、例えば比例積分制御を用いることができる。
第2電圧変換部42fは、第2γ軸指令電圧値Vγ2*、第2δ軸指令電圧値Vδ2*、電源電圧値VDC及び第2推定角θγ2に基づいて、γδ座標系における第2γ,δ軸指令電圧値Vγ2*,Vδ2*を、3相固定座標系における第2U,V,W相指令電圧値VU2,VV2,VW2に変換する。本実施形態において、第2U,V,W相指令電圧値VU2,VV2,VW2は、中央値が0となり、電気角で位相が120°ずれた正弦波状の信号となる。
第2生成部42gは、第2電圧変換部42fから出力された第2U,V,W相指令電圧値VU2,VV2,VW2に基づいて、第2操作信号gUp2〜gWn2を生成する。第2生成部42gは、生成した第2操作信号gUp2〜gWn2を各スイッチSUp2〜SWn2に対して出力する。
なお本実施形態において、上述した各構成41b〜41g,42b〜42gが操作部に相当する。
制御装置40は、第1推定角θγ1を算出するための構成として、速度算出部43、γ軸電圧部44、δ軸電圧部45、γ軸電流部46、δ軸電流部47、誘起電圧算出部48、パラメータ設定部49及び位置推定器50を備えている。以下、本実施形態に係る電気角の推定原理について説明した後、各構成43〜50について説明する。
モータ10の電圧方程式は、下式(eq1)で表される。
上式(eq1)において、Vd1,Vq1は第1巻線群10Aにおけるd,q軸電圧を示し、Vd2,Vq2は第2巻線群10Bにおけるd,q軸電圧を示し、Id1,Iq1は第1巻線群10Aに流れるd,q軸電流値を示し、Id2,Iq2は第2巻線群10Bに流れるd,q軸電流値を示す。Rは第1,第2巻線群10A,10Bの巻線抵抗値を示し、sはラプラス変換における微分演算子を示す。Ld1,Lq1は第1巻線群10Aのd,q軸インダクタンスを示し、Ld2,Lq2は第2巻線群10Bのd,q軸インダクタンスを示し、Md,Mqは各巻線群10A,10Bの間のd,q軸相互インダクタンスを示し、Keは誘起電圧定数を示し、ωeはモータ10の電気角周波数を示す。
上式(eq1)から、第1巻線群10Aに対応するγδ座標系の電圧方程式が下式(eq2)のように導かれ、第1巻線群10Aに対応するγδ座標系の拡張誘起電圧が下式(eq3)のように導かれる。
上式(eq2)において、Vγ1,Vδ1は第1巻線群10Aにおけるγ,δ軸電圧値を示し、Iγ1,Iδ1は第1巻線群10Aに流れるγ,δ軸電流値を示し、Iγ2,Iδ2は第2巻線群10Bに流れるγ,δ軸電流値を示す。また、pは微分演算子を示し、eγ1は第1γ軸誘起電圧値を示し、eδ1は第1δ軸誘起電圧値を示し、Δθはdq座標系に対するγδ座標系の位置推定誤差を示す。
また、上式(eq1)から、第2巻線群10Bに対応するγδ座標系の電圧方程式が下式(eq4)のように導かれ、第2巻線群10Bに対応するγδ座標系の拡張誘起電圧が下式(eq5)のように導かれる。
上式(eq4)において、Vγ2,Vδ2は第2巻線群10Bにおけるγ,δ軸電圧値を示し、eγ2は第2γ軸誘起電圧値を示し、eδ2は第1δ軸誘起電圧値を示す。
ここで、γ軸電圧値Vγmを下式(eq6)で表し、δ軸電圧値Vδmを下式(eq7)で表し、γ軸電流値Iγmを下式(eq8)で表し、δ軸電流値Iδmを下式(eq9)で表す。また、γ軸誘起電圧値eγmを下式(eq10)で表し、δ軸誘起電圧値eδmを下式(eq11)で表す。
上式(eq2),(eq4),(eq6)〜(eq9)と、「Ld1=Ld2=Ld」及び「Lq1=Lq2=Lq」の条件とに基づいて、下式(eq12)が導かれる。
上式(eq3),(eq5),(eq6)〜(eq9)と、「Ld1=Ld2=Ld」及び「Lq1=Lq2=Lq」の条件とに基づいて、下式(eq13)が導かれる。
上式(eq13)に示すγ,δ軸誘起電圧値eγm,eδmは、位置推定誤差Δθの情報を含んでいる。このため、上式(eq12)に基づいて算出されるγ,δ軸誘起電圧値eγm,eδmに基づいて、モータ10の電気角を推定することができる。
続いて、各構成43〜50について説明する。
速度算出部43は、第1推定角θγ1に基づいて、モータ10の電気角周波数ωeを算出する。なお速度算出部43は、第2推定角θγ2に基づいて電気角周波数ωeを算出してもよい。
γ軸電圧部44は、第1指令電圧設定部41eにより算出された第1γ軸指令電圧値Vγ1*及び第2指令電圧設定部42eにより算出された第2γ軸指令電圧値Vγ2*と、上式(eq6)とに基づいて、γ軸電圧値Vγmを算出する。
δ軸電圧部45は、第1指令電圧設定部41eにより算出された第1δ軸指令電圧値Vδ1*及び第2指令電圧設定部42eにより算出された第2δ軸指令電圧値Vδ2*と、上式(eq7)とに基づいて、δ軸電圧値Vδmを算出する。
γ軸電流部46は、第1電流変換部41aにより算出された第1γ軸電流値Iγ1r及び第2電流変換部42aにより算出された第2γ軸電流値Iγ2rと、上式(eq8)とに基づいて、γ軸電流値Iγmを算出する。
δ軸電流部47は、第1電流変換部41aにより算出された第1δ軸電流値Iδ1r及び第2電流変換部42aにより算出された第2δ軸電流値Iγ2rと、上式(eq9)とに基づいて、δ軸電流値Iδmを算出する。
誘起電圧算出部48は、γ軸電圧値Vγm、γ軸電流値Iγm、δ軸電流値Iδm及び電気角周波数ωeと、上式(eq12)とに基づいて、γ軸誘起電圧値eγmを算出する。また誘起電圧算出部48は、δ軸電圧値Vδm、γ軸電流値Iγm、δ軸電流値Iδm及び電気角周波数ωeと、上式(eq12)とに基づいて、δ軸誘起電圧値eδmを算出する。
パラメータ設定部49は、誘起電圧算出部48で用いられる各モータパラメータR,Ld,Lq,Md,Mqを、第1巻線温度TH1、第2巻線温度TH2及び電流振幅Iampに基づいて算出する。電流振幅Iampは、各巻線群10A,10Bに流れる電流ベクトルの大きさである。電流振幅Iampは、例えば各相電流値Iph1,Iph2に基づいて算出されればよい。
位置推定器50は、γ軸誘起電圧値eγm及びδ軸誘起電圧値eδmに基づいて、第1推定角θγ1を算出する。位置推定器50は、例えば、周知の拡張誘起電圧オブザーバに基づいて第1推定角θγ1を算出すればよい。
続いて図6を用いて、第1,第2電流変換部41a,42a等で用いられる第1,第2相電流値Iph1,Iph2の検出タイミングについて説明する。図6には、実際の第1,第2δ軸電流値Iδ1,Iδ2の推移を示す。なお図6では、第1,第2δ軸電流値Iδ1,Iδ2として、6次や12次等の高調波成分が含まれるものを想定している。
本実施形態では、上述したように、空間位相差Δαが30°とされている。この構成において、矩形波駆動制御が行われると、図6に示すように、第1δ軸電流値Iδ1の推移と、第2δ軸電流値Iδ2の推移とは、第1,第2δ軸電流値Iδ1,Iδ2の1変動周期の平均値Iδaveに対して対称となる。本実施形態において、第1,第2δ軸電流値Iδ1,Iδ2の1変動周期は、60°又は略60°である。ここで、同じタイミングにおける第1,第2δ軸電流値Iδ1,Iδ2である第1,第2δ軸電流検出値Iδ1d(θe),Iδ2d(θe)を下式(eq14)のように表す。
上式(eq14)において、Iδave1は第1δ軸電流Iδ1の1変動周期における平均値を示し、Iδave2は第2δ軸電流値Iδ2の1変動周期における平均値を示し、βは各δ軸電流値Iδ1,Iδ2の各平均値Iδave1,Iδave2からのずれ量を示す。本実施形態では、各巻線群10A,10Bの自己インダクタンスが同一であり、また、各インバータ20A,20Bに対して共通の指令トルクTrq*が設定されていることから、各平均値Iδave1,Iδave2が互いに等しい値Iδaveとされている。第1,第2δ軸電流検出値Iδ1d(θe),Iδ2d(θe)を合計すると、下式(eq15)となる。
上式(eq15)によれば、第1δ軸電流値Iδ1の検出タイミングと、第2δ軸電流値Iδ2の検出タイミングとが同一のタイミングである場合、第1,第2δ軸電流値Iδ1,Iδ2の合計値の1/2が、δ軸電流平均値Iδaveと等しくなることがわかる。そこで本実施形態では、図6に示すように、第1δ軸電流値Iδ1の検出タイミングと、第2δ軸電流値Iδ2の検出タイミングとを同一のタイミングTdに設定する。つまり、第1相電流値Iph1の検出タイミングと第2相電流値Iph2の検出タイミングとを同一のタイミングに設定する。特に本実施形態では、上記検出タイミングを電気角60°毎に設定する。
また本実施形態では、上記検出タイミングTdが、図17に例示するように、検出禁止期間Tnd以外の期間Tagに設定されている。検出禁止期間Tndは、第1,第2インバータ20A,20Bそれぞれの第1,第2電圧ベクトルVct1,Vct2が切り替える第1タイミングから、第1タイミングの直後に電圧ベクトルが切り替えられる第2タイミングまでの期間よりも短い期間に設定されている。検出禁止期間Tndにおいては、電圧ベクトルの切替に起因したノイズが相電流値に含まれ得る。ノイズが含まれた相電流値に基づいて第1推定角θγ1を算出する場合、その算出精度が低下し得る。そこで、検出禁止期間Tndを避けて検出タイミングTdを設定することにより、第1推定角θγ1の算出精度の低下を回避する。
ちなみに、第1γ軸電流値Iγ1の推移及び第2γ軸電流値Iγ2の推移についても、第1,第2γ軸電流値Iγ1,Iγ2の1変動周期の平均値Iγaveに対して対称となる。本実施形態において、この1変動周期は、60°又は略60°である。このため、同じタイミングにおける第1,第2γ軸電流値Iγ1,Iγ2である第1,第2γ軸電流検出値Iγ1d(θe),Iγ2d(θe)について、下式(eq16)が成立する。
図7に、本実施形態に係るトルク制御処理の手順を示す。この処理は、制御装置40により所定の処理周期毎に繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS10において、第1相電流値Iph1及び第2相電流値Iph2それぞれの検出タイミングTdであるか否かを判定する。本実施形態では、上述したように、電気角60°間隔で検出タイミングTdが設定されている。
ステップS10において検出タイミングTdであると判定した場合には、ステップS11に進み、上記検出タイミングTdにおいて検出された第1相電流値Iph1及び第2相電流値Iph2を取得する処理を行う。この処理は、電流取得部に相当する。
そして、前回算出した第1推定角θγ1に基づいて、取得した第1相電流値Iph1を第1γ,δ軸電流検出値Iγ1d(θe),Iδ1d(θe)に変換する。この変換は、第1電流変換部41aで行う。また、前回算出した第2推定角θγ2に基づいて、取得した第2相電流値Iph2を第2γ,δ軸検出電流値Iγ2d(θe),Iδ2d(θe)に変換する。この変換は、第2電流変換部42aで行う。
続くステップS12では、今回の処理周期で変換した第1,第2γ軸電流検出値Iγ1d(θe),Iγ2d(θe)と下式(eq17)とに基づいて、第1,第2γ軸電流値Iγ1r,Iγ2rを算出する。
またステップS12では、今回の処理周期で変換した第1,第2δ軸電流検出値Iδ1d(θe),Iδ2d(θe)と下式(eq18)とに基づいて、第1,第2δ軸電流値Iδ1r,Iδ2rを算出する。
ステップS12で算出された第1γ,δ軸電流値Iγ1r,Iδ1rが第1電流変換部41aから出力され、ステップS12で算出された第2γ,δ軸電流値Iγ2r,Iδ2rが第2電流変換部42aから出力される。なお本実施形態において、ステップS11における変換処理と、ステップS12の処理とが電流算出部に相当する。また、ステップS12で算出された第1γ,δ軸電流値Iγ1r,Iδ1rが第1変換電流値に相当し、ステップS12で算出された第2γ,δ軸電流値Iγ2r,Iδ2rが第2変換電流値に相当する。
続くステップS13では、ステップS12で算出した第1,第2γ軸電流値Iγ1r,Iγ2r及び上式(eq8)に基づいて、γ軸電流部46によりγ軸電流値Iγmを算出する。また、ステップS12で算出した第1,第2δ軸電流値Iδ1r,Iδ2r及び上式(eq9)に基づいて、δ軸電流部47によりδ軸電流値Iδmを算出する。また、前回算出した第1,第2γ軸指令電圧値Vγ1*,Vγ2*と、上式(eq6)とに基づいて、γ軸電圧部44によりγ軸電圧値Vγmを算出する。そして、算出したγ軸電圧値Vγm、γ軸電流値Iγm、δ軸電流値Iδm、速度算出部43で算出した電気角周波数ωe、及び上式(eq12)に基づいて、誘起電圧算出部48によりγ軸誘起電圧値eγmを算出する。
ステップS13では、前回算出した第1,第2δ軸指令電圧値Vδ1*,Vδ2*と、上式(eq7)とに基づいて、δ軸電圧部45によりδ軸電圧値Vδmを算出する。そして、算出したδ軸電圧値Vδm、γ軸電流値Iγm、δ軸電流値Iδm、電気角周波数ωe、及び上式(eq12)に基づいて、誘起電圧算出部48によりδ軸誘起電圧値eδmを算出する。
続くステップS14では、算出したγ軸誘起電圧値eγm及びδ軸誘起電圧値eδmに基づいて、位置推定器50により第1推定角θγ1を算出する。そして第1推定角θγ1に基づいて、角度加算部51により第2推定角θγ2を算出する。ステップS14で算出された第1推定角θγ1及び第2推定角θγ2が、次回のステップS11の変換処理で用いられる。なお本実施形態において、ステップS13,S14の処理が位置推定部に相当する。
続くステップS15では、ステップS12で算出した第1γ,δ軸電流値Iγ1r,Iδ1rに基づいて、第1γ軸偏差算出部41c、第1δ軸偏差算出部41d及び第1指令電圧設定部41eにより、第1γ,δ軸指令電圧値Vγ1*,Vδ1*を算出する。またステップS15では、ステップS12で算出した第2γ,δ軸電流値Iγ2r,Iδ2rに基づいて、第2γ軸偏差算出部42c、第2δ軸偏差算出部42d及び第2指令電圧設定部42eにより、第2γ,δ軸指令電圧値Vγ2*,Vδ2*を算出する。ステップS15で算出された各指令電圧値Vγ1*,Vδ1*,Vγ2*,Vδ2*が、次回のステップS13の処理で用いられる。
以上説明したように本実施形態では、第1相電流値Iph1及び第2相電流値Iph2それぞれの検出タイミングが60°毎の同一タイミングに設定されている。そして検出された第1相電流値Iph1及び第2相電流値Iph2に基づいて、ステップS11,S12の処理により第1γ,δ軸電流値Iγ1r,Iδ1r及び第2γ,δ軸電流値Iγ2r,Iδ2rが算出される。このように算出された各電流値Iγ1r,Iδ1r,Iγ2r,Iδ2rは、それぞれに対応する平均値からのずれが低減され、ひいては高調波成分が低減されている。このため、ステップS11,S12の処理により算出された各電流値Iγ1r,Iδ1r,Iγ2r,Iδ2rに基づいて第1,第2推定角θγ1,θγ2が算出されることにより、第1,第2推定角θγ1,θγ2の算出精度の低下を抑制することができる。
<第2実施形態>
以下、第2実施形態について、上記第1実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、図8に示すように、第1,第2相電流検出部31A,31Bに代えて、電流検出用のシャント抵抗が各インバータ20A,20Bに備えられている。なお、図8において、先の図1に示した部材と同一の部材については、便宜上、同一の符号を付している。
第1インバータ20Aは、第1U,V,W相シャント抵抗50U,50V,50Wを備えている。第1U相シャント抵抗50Uは、第1U相下アームスイッチSUn1のエミッタとバッテリ21の負極端子との間に接続され、第1U相下アームスイッチSUn1に流れる電流値を第1U相電流値IU1として検出する。第1V相シャント抵抗50Vは、第1V相下アームスイッチSVn1のエミッタとバッテリ21の負極端子との間に接続され、第1V相下アームスイッチSVn1に流れる電流値を第1V相電流値IV1として検出する。第1W相シャント抵抗50Wは、第1W相下アームスイッチSWn1のエミッタとバッテリ21の負極端子との間に接続され、第1W相下アームスイッチSWn1に流れる電流値を第1W相電流値IW1として検出する。
第2インバータ20Bは、第2U,V,W相シャント抵抗60U,60V,60Wを備えている。なお、第2インバータ20Bを構成する各シャント抵抗60U,60V,60Wについては、第1インバータ20Aを構成する各シャント抵抗50U,50V,50Wと同様であるため、詳細な説明を省略する。
各シャント抵抗50U,50V,50W,60U,60V,60Wによって検出された電流値は、制御装置40に入力される。以降、第1U,V,W相シャント抵抗50U,50V,50Wにより検出された各電流値IU1,IV1,IW1を第1相電流値Iph1と称し、第2U,V,W相シャント抵抗60U,60V,60Wにより検出された各電流値IU2,IV2,IW2を第2相電流値Iph2と称すこととする。
本実施形態では、図9に示すように、各インバータ20A,20Bの電圧ベクトルVct1,Vct2が、2相分の下アームスイッチがオンされる有効電圧ベクトルV1,V3,V5となる期間内に電流検出タイミングが設定されている。これは、シャント抵抗を備えてかつ矩形波制御が行われる構成において、電圧ベクトルが有効電圧ベクトルV1、V3、V5となる場合のみ、キルヒホッフの法則に基づいて電流検出ができるためである。図9には、第1相電流値Iph1の検出タイミングである第1検出タイミングをTd1にて示し、第2相電流値Iph2の検出タイミングである第2検出タイミングをTd2にて示す。本実施形態では、第1検出タイミングTd1と第2検出タイミングTd2とが60°毎に交互に設定されている。
図10に、本実施形態に係るトルク制御処理の手順を示す。この処理は、制御装置40により所定の処理周期毎に繰り返し実行される。なお図10において、先の図7に示した処理と同一の処理については、便宜上、同一の符号を付している。
この一連の処理では、まずステップS20において、第1相電流値Iph1の第1検出タイミングTd1であるか否かを判定する。
ステップS20において第1検出タイミングTd1であると判定した場合には、ステップS21に進み、第1検出タイミングTd1において検出された第1相電流値Iph1を取得する。そして、前回算出した第1推定角θγ1に基づいて、取得した第1相電流値Iph1を第1γ,δ軸電流検出値Iγ1d(θe),Iδ1d(θe)に変換する。
続くステップS22では、今回の処理周期で変換した第1γ軸電流検出値Iγ1d(θe)と、前回の第2検出タイミングTd2におけるステップS24の処理で変換した第2γ軸電流検出値Iγ2d(θe−60°)と、下式(eq19)とに基づいて、第1γ軸電流値Iγ1rを算出する。
またステップS22では、今回の処理周期で変換した第1δ軸電流検出値Iδ1d(θe)と、前回の第2検出タイミングTd2におけるステップS24の処理で変換した第2δ軸電流検出値Iδ2d(θe−60°)と、下式(eq20)とに基づいて、第1δ軸電流値Iδ1rを算出する。
ステップS22で算出された第1γ,δ軸電流値Iγ1r,Iδ1rが第1電流変換部41aから出力される。
ステップS22の処理が完了した後のステップS13では、ステップS22で今回の処理周期において算出した第1γ軸電流値Iγ1r、ステップS24で前回算出した第2γ軸電流値Iγ2r、及び上式(eq8)に基づいて、γ軸電流値Iγmを算出する。また、ステップS22で今回の処理周期において算出した第1δ軸電流値Iδ1r、ステップS25で前回算出した第2δ軸電流値Iδ2r、及び上式(eq9)に基づいて、δ軸電流値Iδmを算出する。また、ステップS15で前回算出した第1,第2γ軸指令電圧値Vγ1*,Vγ2*と、上式(eq6)とに基づいて、γ軸電圧値Vγmを算出する。そして、算出したγ軸電圧値Vγm、γ軸電流値Iγm、δ軸電流値Iδm、電気角周波数ωe、及び上式(eq12)に基づいて、γ軸誘起電圧値eγmを算出する。
また、ステップS22の処理が完了した後のステップS13では、ステップS15で前回算出した第1,第2δ軸指令電圧値Vδ1*,Vδ2*と、上式(eq7)とに基づいて、δ軸電圧値Vδmを算出する。そして、算出したδ軸電圧値Vδm、γ軸電流値Iγm、δ軸電流値Iδm、電気角周波数ωe、及び上式(eq12)に基づいて、δ軸誘起電圧値eδmを算出する。そして算出したγ軸誘起電圧値eγm及びδ軸誘起電圧値eδmに基づいて、第1推定角θγ1を算出する。
ステップS20において否定判定した場合には、ステップS23に進み、第2相電流値Iph2の第2検出タイミングTd2であるか否かを判定する。
ステップS23において第2検出タイミングTd2であると判定した場合には、ステップS24に進み、第2検出タイミングTd2において検出された第2相電流値Iph2を取得する。そして、前回算出した第2推定角θγ2に基づいて、取得した第2相電流値Iph2を第2γ,δ軸電流検出値Iγ2d(θe),Iδ2d(θe)に変換する。
続くステップS25では、今回の処理周期で変換した第2γ軸電流検出値Iγ2d(θe)と、前回の第1検出タイミングTd1におけるステップS21の処理で変換した第1γ軸電流検出値Iγ1d(θe−60°)と、下式(eq21)とに基づいて、第2γ軸電流値Iγ2rを算出する。
またステップS25では、今回の処理周期で変換した第2δ軸電流検出値Iδ2d(θe)と、前回の第1検出タイミングTd1におけるステップS21の処理で変換した第1δ軸電流検出値Iδ1d(θe−60°)と、下式(eq22)とに基づいて、第2δ軸電流値Iδ2rを算出する。
ステップS25で算出された第2γ,δ軸電流値Iγ2r,Iδ2rが第2電流変換部42aから出力される。
ステップS25の処理が完了した後のステップS13では、ステップS25で今回の処理周期において算出した第2γ軸電流値Iγ2r、ステップS22で前回算出した第1γ軸電流値Iγ1r、及び上式(eq8)に基づいて、γ軸電流値Iγmを算出する。また、ステップS25で今回の処理周期において算出した第2δ軸電流値Iδ2r、ステップS22で前回算出した第1δ軸電流値Iδ1r、及び上式(eq9)に基づいて、δ軸電流値Iδmを算出する。また、ステップS15で前回算出した第1,第2γ軸指令電圧値Vγ1*,Vγ2*と、上式(eq6)とに基づいて、γ軸電圧値Vγmを算出する。そして、算出したγ軸電圧値Vγm、γ軸電流値Iγm、δ軸電流値Iδm、電気角周波数ωe、及び上式(eq12)に基づいて、γ軸誘起電圧値eγmを算出する。
また、ステップS25の処理が完了した後のステップS13では、ステップS15で前回算出した第1,第2δ軸指令電圧値Vδ1*,Vδ2*と、上式(eq7)とに基づいて、δ軸電圧値Vδmを算出する。そして、算出したδ軸電圧値Vδm、γ軸電流値Iγm、δ軸電流値Iδm、電気角周波数ωe、及び上式(eq12)に基づいて、δ軸誘起電圧値eδmを算出する。そして算出したγ軸誘起電圧値eγm及びδ軸誘起電圧値eδmに基づいて、第1推定角θγ1を算出する。
以上説明した本実施形態によれば、電流検出が可能な電圧ベクトルが制限されている場合であっても、第1,第2推定角θγ1,θγ2の算出精度の低下を抑制することができる。
<第3実施形態>
以下、第3実施形態について、上記第2実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。第2実施形態では、電流検出タイミングが60°毎に固定されていた。これに対し本実施形態では、第1,第2γ軸電流値Iγ1,Iγ2がγ軸電流平均値Iγaveになると想定されるタイミング及び第1,第2δ軸電流値Iδ1,Iδ2がδ軸電流平均値Iδaveになると想定されるタイミングを算出し、算出したタイミングを電流検出タイミングとして設定する。この設定は、各電流値Iγ1,Iγ2,Iδ1,Iδ2の振幅及び位相が、電源電圧値VDC及び電気角周波数ωe等に応じて変化することに対処するためである。つまり、電流検出タイミングが、電源電圧値VDC及び電気角周波数ωe等の大小によらない予め定められたタイミングに設定されている場合、各γ軸電流値Iγ1r,Iγ2rとγ軸電流平均値Iγaveとのずれと、各δ軸電流値Iδ1r,Iδ2rとδ軸電流平均値Iδaveとのずれとが大きくなり得る。ずれが大きくなると、各電流値Iγ1,Iγ2,Iδ1,Iδ2に含まれる高調波成分が大きくなり、第1,第2推定角θγ1,θγ2の算出精度が低下し得る。
まず、電流値の振幅及び位相が、電源電圧値VDC及び電気角周波数ωeに依存することを説明する。なお本実施形態では、γ軸に対応するd軸を例にして説明する。
本実施形態では、簡単のため上式(eq1)において「ωe=0」との条件を課す。そして上式(eq1)を各電流値について解くと下式(eq23)が導かれる。なお、下式(eq23)の右辺の行列Qは、下式(eq24)で表される。
本実施形態では、説明の便宜上、上式(eq23)の各電流値Id1,Iq1,Id2,Iq2のうち、第1d軸電流値Id1のみについて考える。上式(eq23)から下式(eq25)が導かれる。
第1d軸電圧値Vd1及び第2d軸電圧値Vd2を下式(eq26)のように表す。下式(eq26)において、Vaは2つの電圧ベクトルVct1,Vct2の合成ベクトルの大きさを示し、電源電圧値VDCに基づいて定まる値である。また、θ1は第1d軸電圧値Vd1の位相である第1位相を示し、θ2は第2d軸電圧値Vd2の位相である第2位相を示す。
本実施形態では、図11に示すように、電気角30°毎に電圧ベクトルが切り替わる。このため、第1位相θ1を下式(eq27)で表し、第2位相θ2を下式(eq28)で表すこととする。
上式(eq27)のδは、γδ座標系における第1インバータ20Aの電圧ベクトルVct1の位相を示し、第1γ,δ軸指令電圧値Vγ1*,Vδ1*から定まる値である。上式(eq25)〜(eq28)及びラプラス逆変換に基づいて、上式(eq25)から定常解として下式(eq29)〜(eq31)が導かれる。
続いて、下式(eq32)に基づいて、第1d軸電流値Id1の初期値応答に相当する過渡解について検討する。
上式(eq32)をラプラス変換すると、下式(eq33)が導かれる。
上式(eq33)の右辺第2,3項が過渡解に相当する。上式(eq33)の右辺第2項をラプラス逆変換すると下式(eq34)が導かれ、上式(eq33)の右辺第3項をラプラス逆変換すると下式(eq35)が導かれる。なお、下式(eq34)のId1(0)及び下式(eq35)のId2(0)は、例えば数値計算により算出されればよい。
上式(eq29)〜(eq31),(eq34),(eq35)から、第1d軸電流値Id1は下式(eq36)のように表される。
上式(eq29)〜(eq31)の右辺に含まれるVaが電源電圧値VDCに依存すること、及び上式(eq29)〜(eq31)の右辺に電気角周波数ωeが含まれることから、第1d軸電流値Id1の振幅及び位相は電源電圧値VDC及び電気角周波数ωeに依存する。同様に、第1δ軸電流値Iδ1に対応する第1q軸電流値Iq1、第2γ軸電流値Iγ2に対応する第2d軸電流値Id2、及び第2δ軸電流値Iδ2に対応する第2q軸電流値Iq2のそれぞれも、振幅及び位相が電源電圧値VDC及び電気角周波数ωeに依存する。
なお、上式(eq29)〜(eq31),(eq34),(eq35)の右辺には各モータパラメータが含まれるため、各電流値Id1,Iq1,Id2,Iq2の振幅及び位相は巻線群の温度にも依存する。
図12に、本実施形態に係るトルク制御処理の手順を示す。この処理は、制御装置40により所定の処理周期毎に繰り返し実行される。なお図12において、先の図10に示した処理と同一の処理については、便宜上、同一の符号を付している。
この一連の処理では、まずステップS20において、現在のタイミングが、ステップS41で算出した第1検出タイミングTd1であるか否かを判定する。ステップS20において肯定判定した場合には、ステップS21,S22を経由してステップS30に進む。ステップS30,S31では、図10におけるステップS22の後のステップS13,S14の処理と同じ処理を行う。
続くステップS32では、ステップS22で算出した第1γ,δ軸電流値Iγ1r,Iδ1rに基づいて、第1γ軸偏差算出部41c、第1δ軸偏差算出部41d及び第1指令電圧設定部41eにより、第1γ,δ軸指令電圧値Vγ1*,Vδ1*を算出する。
続くステップS33では、速度算出部43により電気角周波数ωeを算出する。本実施形態において、ステップS33及び後述するステップS39の処理が速度算出部に相当する。
続くステップS34では、電源電圧値VDC、第1巻線温度TH1及び第2巻線温度TH2を取得する。本実施形態において、ステップS34の処理が電圧取得部に相当する。
続くステップS35では、次回の第2相電流値Iph2の第2検出タイミングTd2を算出する。本実施形態では、実際の第2γ軸電流値Iγ2が次回γ軸電流平均値Iγaveになると想定されるタイミングを第2検出タイミングTd2として算出する。次回の第2検出タイミングTd2を算出できるのは、上式(eq36)に基づく下式(eq37)を用いて、第2d軸電流値Id2に対応する第2γ軸電流値Iγ2がγ軸電流平均値Iγaveになる電気角θeを算出できること、及び算出した電気角θeと現在の電気角との時間間隔を電気角周波数ωeに基づいて把握できることに基づく。
本実施形態では、第2d軸電流値Id2が電気角周波数ωe、電源電圧値VDC、第1巻線温度TH1及び第2巻線温度TH2に依存するため、算出した電気角周波数ωeと、取得した電源電圧値VDC、第1巻線温度TH1及び第2巻線温度TH2とに基づいて、次回の第2検出タイミングTd2を算出する。なおステップS35では、具体的には例えば、電気角周波数ωe、電源電圧値VDC、第1巻線温度TH1及び第2巻線温度TH2と第2検出タイミングTd2とが関係付けられたマップ情報に基づいて、第2検出タイミングTd2を算出すればよい。
ちなみに本実施形態において、ステップS35及び後述するステップS41の処理がタイミング算出部に相当する。
ステップS20において否定判定した場合には、ステップS23に進み、現在のタイミングが、ステップS35で算出した第1検出タイミングTd1であるか否かを判定する。ステップS23において肯定判定した場合には、ステップS24,S25を経由してステップS36に進む。ステップS36,S37では、図10におけるステップS25の後のステップS13,S14の処理と同じ処理を行う。
続くステップS38では、ステップS25で算出した第2γ,δ軸電流値Iγ2r,Iδ2rに基づいて、第2γ軸偏差算出部42c、第2δ軸偏差算出部42d及び第2指令電圧設定部42eにより、第2γ,δ軸指令電圧値Vγ2*,Vδ2*を算出する。そしてステップS39では、速度算出部43により電気角周波数ωeを算出する。そしてステップS40では、電源電圧値VDC、第1巻線温度TH1及び第2巻線温度TH2を取得する。
続くステップS41では、次回の第1相電流値Iph1の第1検出タイミングTd1を算出する。本実施形態では、実際の第1γ軸電流値Iγ1が次回γ軸電流平均値Iγaveになると想定されるタイミングを第1検出タイミングTd1として算出する。本実施形態では、算出した電気角周波数ωeと、取得した電源電圧値VDC、第1巻線温度TH1及び第2巻線温度TH2とに基づいて、次回の第1検出タイミングTd1を算出する。なおステップS41では、具体的には例えば、電気角周波数ωe、電源電圧値VDC、第1巻線温度TH1及び第2巻線温度TH2と第1検出タイミングTd1とが関係付けられたマップ情報に基づいて、第1検出タイミングTd1を算出すればよい。
以上説明したように本実施形態では、電源電圧値VDC及び電気角周波数ωe等に基づいて、次回の第1,第2検出タイミングTd1,Td2を算出した。そして算出した第1,第2検出タイミングTd1,Td2で検出された第1,第2相電流値Iph1,Iph2を取得した。このため、第1,第2相電流値Iph1,Iph2に基づいて算出された各電流値Iγ1r,Iδ1r,Iγ2r,Iδ2rに含まれる高調波成分を低減でき、第1,第2推定角θγ1,θγ2の算出精度の低下を抑制できる。
<第3実施形態の変形例>
・ステップS35において、実際の第2δ軸電流値Iδ2が次回δ軸電流平均値Iδaveになると想定されるタイミングを第2検出タイミングTd2として算出してもよい。またステップS41において、実際の第1δ軸電流値Iδ1が次回δ軸電流平均値Iδaveになると想定されるタイミングを第1検出タイミングTd1として算出してもよい。
・ステップS35,S41において、各検出タイミングTd1,Td2の算出に第1巻線温度TH1及び第2巻線温度TH2を用いなくてもよい。
<第4実施形態>
以下、第4実施形態について、上記第2実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、第1検出タイミングTd1における第1γ軸電流値Iγ1とγ軸電流平均値Iγaveとのずれ、第1検出タイミングTd1における第1δ軸電流値Iδ1とδ軸電流平均値Iδaveとのずれ、第2検出タイミングTd2における第2γ軸電流値Iγ2とγ軸電流平均値Iγaveとのずれ、及び第2検出タイミングTd2における第2δ軸電流値Iδ2とδ軸電流平均値Iδaveとのずれを補正する。
図13に、本実施形態に係るトルク制御処理の手順を示す。この処理は、制御装置40により所定の処理周期毎に繰り返し実行される。なお図13において、先の図12に示した処理と同一の処理については、便宜上、同一の符号を付している。
この一連の処理では、ステップS22の処理の完了後、ステップS33,S34を経由してステップS50に進む。ステップS50では、図14に示す第1補正処理を行う。
ステップS51では、ステップS33で算出した電気角周波数ωeと、ステップS34で取得した電源電圧値VDC,第1,第2巻線温度TH1,TH2とに基づいて、γ軸電流平均値Iγave及びδ軸電流平均値Iδaveを算出する。各平均値Iγave,Iδaveを算出できるのは、上式(eq37)に示したように各電流値の1変動周期の推移を算出できるためである。なお本実施形態において、ステップS51の処理及び後述するステップS61の処理が平均値算出部に相当する。
続くステップS52では、ステップS22で今回の処理周期で算出した第1γ軸電流値Iγ1rから、ステップS51で算出したγ軸電流平均値Iγaveを減算することにより、γ軸補正量Δγを算出する。またステップS52では、ステップS22で今回の処理周期で算出した第1δ軸電流値Iδ1rから、ステップS51で算出したδ軸電流平均値Iδaveを減算することにより、δ軸補正量Δδを算出する。なお本実施形態において、ステップS52の処理及び後述するステップS62の処理が補正量算出部に相当する。
続くステップS53では、ステップS22で今回の処理周期で算出した第1γ軸電流値Iγ1rを、ステップS52で算出したγ軸補正量Δγで減少補正する。またステップS53では、ステップS22で今回の処理周期で算出した第1δ軸電流値Iδ1rを、ステップS52で算出したδ軸補正量Δδで減少補正する。ステップS53で補正された第1γ,δ軸電流値Iγ1r,Iδ1rが第1電流変換部41aから出力される。なお本実施形態において、ステップS53の処理及び後述するステップS63の処理が補正部に相当する。
先の図13の説明に戻り、ステップS50の処理の完了後、ステップS13に進む。
一方、ステップS25の処理の完了後、ステップS39,S40を経由してステップS60に進む。ステップS60では、図15に示す第2補正処理を行う。
ステップS61では、ステップS39で算出した電気角周波数ωeと、ステップS40で取得した電源電圧値VDC,第1,第2巻線温度TH1,TH2とに基づいて、γ軸電流平均値Iγave及びδ軸電流平均値Iδaveを算出する。
続くステップS62では、ステップS25で今回の処理周期で算出した第2γ軸電流値Iγ2rから、ステップS61で算出したγ軸電流平均値Iγaveを減算することにより、γ軸補正量Δγを算出する。またステップS62では、ステップS25で今回の処理周期で算出した第2δ軸電流値Iδ2rから、ステップS61で算出したδ軸電流平均値Iδaveを減算することにより、δ軸補正量Δδを算出する。
続くステップS63では、ステップS25で今回の処理周期で算出した第2γ軸電流値Iγ2rを、ステップS62で算出したγ軸補正量Δγで減少補正する。またステップS63では、ステップS25で今回の処理周期で算出した第2δ軸電流値Iδ2rを、ステップS62で算出したδ軸補正量Δδで減少補正する。ステップS63で補正された第2γ,δ軸電流値Iγ2r,Iδ2rが第2電流変換部42aから出力される。
以上説明した本実施形態によれば、上記第3実施形態の効果と同様の効果を得ることができる。
<第5実施形態>
以下、第5実施形態について、上記第3,第4実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、第3実施形態で説明した検出タイミングの算出処理を行った後、必要に応じて第4実施形態で説明した補正処理を行う。
図16に、本実施形態に係るトルク制御処理の手順を示す。この処理は、制御装置40により所定の処理周期毎に繰り返し実行される。なお図16において、先の図13に示した処理と同一の処理については、便宜上、同一の符号を付している。なお図16に示す処理において、後述する第1,第2フラグF1,F2の初期値は0とされている。
この一連の処理では、ステップS34の処理の完了後、ステップS70に進み、第1フラグF1が1であるか否かを判定する。第1フラグF1は、後述するステップS83の処理によって1とされ、ステップS82の処理によって0とされる。
ステップS70において第1フラグF1が1であると判定した場合には、ステップS50に進み第1補正処理を行う。
ステップS50の処理が完了した場合、又はステップS70において第1フラグF1が0であると判定した場合には、ステップS30〜S32,S35を経由してステップS71に進む。ステップS71では、ステップS35で算出した第2検出タイミングTd2が、図17に例示された検出禁止期間Tndに含まれるか否かを判定する。本実施形態において、ステップS71及び後述するステップS81の処理が判定部に相当する。つまり、第2γ軸電流値Iγ2がγ軸電流平均値Iγaveになるタイミングを第2検出タイミングTd2に設定したとしても、その第2検出タイミングTd2が検出禁止期間Tndに含まれることがある。この場合、ステップS35で算出した第2検出タイミングTd2に従って検出された第2相電流値Iph2が第1推定角θγ1の算出に用いられると、第1推定角θγ1の算出精度が低下し得る。
このためステップS71において肯定判定した場合には、ステップS73に進み、ステップS35で算出した第2検出タイミングTd2を、検出禁止期間Tnd以外の期間Tagにずらす。具体的には、ステップS35で算出した第2検出タイミングTd2を、検出禁止期間Tnd以外の期間Tagのうち最も早いタイミングまでずらす。そして第2フラグF1を1とする。なお本実施形態において、ステップS73の処理及び後述するステップS83の処理がシフト部に相当する。
ステップS71において否定判定した場合には、ステップS72に進み、第2フラグF2を0とする。
一方、ステップS40の処理の完了後、ステップS80に進み、第2フラグF2が1であるか否かを判定する。ステップS80において第2フラグF2が1であると判定した場合には、ステップS60に進み第2補正処理を行う。
ステップS60の処理が完了した場合、又はステップS80において第2フラグF2が0であると判定した場合には、ステップS36〜S38,S41を経由してステップS81に進む。ステップS81では、ステップS41で算出した第1検出タイミングTd1が、検出禁止期間Tndに含まれるか否かを判定する。
ステップS81において肯定判定した場合には、ステップS83に進み、ステップS41で算出した第1検出タイミングTd1を、検出禁止期間Tnd以外の期間Tagにずらす。具体的には、ステップS41で算出した第1検出タイミングTd1を、検出禁止期間Tnd以外の期間Tagのうち最も早いタイミングまでずらす。そして第1フラグF1を1とする。一方、ステップS81において否定判定した場合には、ステップS82に進み、第1フラグF1を0とする。
以上説明した本実施形態によれば、第1,第2推定角θγ1,θγ2の算出精度の低下を的確に抑制することができる。
<その他の実施形態>
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記第2実施形態で、電流検出タイミングが60°毎に設定されていたがこれに限らない。例えば図18に示すように、電圧ベクトルが各有効電圧ベクトルV1、V3、V5となる期間において、30°離間した一対のタイミングが電流検出タイミングとして設定されていてもよい。図18では、第1検出タイミングTd1を時刻t2,t3,t6,t7,t10,t11で示し、第2検出タイミングTd2を時刻t1,t2,t5,t6,t9,t10で示す。この場合において、第1検出タイミングTd1で検出された第1相電流値Iph1は、第1γ,δ軸電流値Iγr1,Iδr1の組及び第2γ,δ軸電流値Iγr2,Iδr2の組のうち、第1γ,δ軸電流値Iγr1,Iδr1の組のみの算出に用いられてもよい。また、第2検出タイミングTd2で検出された第2相電流値Iph2は、第1γ,δ軸電流値Iγr1,Iδr1の組及び第2γ,δ軸電流値Iγr2,Iδr2の組のうち、第2γ,δ軸電流値Iγr2,Iδr2の組のみの算出に用いられてもよい。
また図18に示した電流検出方法において、第1検出タイミングTd1及び第2検出タイミングTd2が重複する時刻t2,t6,t10において、第1相電流値Iph1及び第2相電流値Iph2の平均値が各電流値Iγr1,Iδr1,Iγr2,Iδr2の算出に用いられてもよい。
なお時刻t4,t8,t12で示すタイミングは、電圧ベクトルが各有効電圧ベクトルV1、V3、V5とならない期間であるため、電流検出タイミングとならない。この場合、時刻t4では時刻t3において算出された第1γ,δ軸電流値Iγr1,Iδr1が用いられ、時刻t8では時刻t7において算出された第1γ,δ軸電流値Iγr1,Iδr1が用いられ、時刻t12では時刻t11において算出された第1γ,δ軸電流値Iγr1,Iδr1が用いられればよい。
また図18に示した電流検出方法において、上記第4実施形態で説明した補正処理が用いられてもよい。
・空間位相差Δαは30°に限らず、−30°,90°,150°等、「30+60×N」°(Nは整数)を満たす任意の値であってもよい。
・電流検出タイミングとしては、上記各実施形態に例示したものに限らない。例えば、上記第2実施形態において、電流検出タイミングを電気角「60×M」°(Mは2〜5の整数)毎に設定してもよい。また、電流検出タイミングを、「60×M」°毎に設定するものに限らず、それ以外の間隔毎に設定してもよい。さらに、電流検出タイミングを、不等間隔毎に設定してもよい。
・例えば上記第1,第2実施形態において、電流検出タイミングが検出禁止期間Tndに含まれていてもよい。
・上記各実施形態において、第1γ軸電流値Iγ1の1変動周期における平均値と、第2γ軸電流値Iγ2の1変動周期における平均値とが異なっていてもよい。また、第1δ軸電流値Iδ1の1変動周期における平均値と、第2δ軸電流値Iδ2の1変動周期における平均値とが異なっていてもよい。
・モータとしては、2重巻線を有するものに限らず、例えば巻線群を1つのみ備えるものであってもよい。この場合であっても、例えば図18の時刻t2,t3,t6,t7,t10,t11に示したように、第1γ軸電流値Iγ1がγ軸電流平均値Iγaveになると想定されるタイミングを検出タイミングとすることにより、電気角を推定することができる。また、この場合であっても、上記第3〜第5実施形態で説明した構成を用いることができる。
またモータとしては、L重巻線(Lは3以上の整数)を有するものであってもよい。ここで、第1〜第3巻線群を有する場合、例えば、これら巻線群のうち、第1巻線群及び第2巻線群それぞれの電流検出タイミングを同一に設定し、第2巻線群及び第3巻線群それぞれの電流検出タイミングを同一に設定すればよい。
・モータとしては、永久磁石界磁型のものに限らず、例えば巻線界磁型のものが用いられてもよい。
・モータの制御量としては、トルクに限らず、例えば回転速度であってもよい。
・推定対象となる回転位置情報としては、電気角に限らず、例えばモータの機械角であってもよい。
10…モータ、10A,10B…第1,第2巻線群、20A,20B…第1,第2インバータ、40…制御装置。

Claims (5)

  1. ステータ(13)に巻回された巻線群(10A,10B)を有する回転電機(10)と、
    前記巻線群に電圧を印加する電力変換回路(20A,20B)と、を備えるシステムに適用され、前記回転電機の回転位置情報を推定する位置推定部を備える回転電機の制御装置(40)において、
    前記巻線群に流れる固定座標系の電流値(Iph1,Iph2)を取得する電流取得部と、
    前記電流取得部により取得された電流値と前記回転位置情報とに基づいて、前記巻線群に流れる回転座標系の電流値である変換電流値(Iγ1r,Iδ1r,Iγ2r,Iδ2r)を算出する電流算出部と、
    前記回転位置情報に基づいて、前記回転電機の矩形波駆動を行うべく前記電力変換回路を操作する操作部と
    前記電力変換回路の入力電圧値(VDC)を取得する電圧取得部と、
    前記回転位置情報に基づいて、前記回転電機の電気角周波数(ωe)を算出する速度算出部と、
    前記電圧取得部により取得された前記入力電圧値と前記速度算出部により算出された前記電気角周波数とに基づいて、実際の前記変換電流値がその1変動周期における平均値になると想定されるタイミングを検出タイミングとして算出するタイミング算出部と、を備え、
    前記位置推定部は、前記電流算出部により算出された前記変換電流値に基づいて前記回転位置情報を推定し、
    前記電流取得部は、前記タイミング算出部により算出された前記検出タイミングにおける前記固定座標系の電流値を取得し、
    前記電流算出部は、前記回転位置情報に基づいて、前記電流取得部により取得された電流値を前記位置推定部で用いられる前記変換電流値に変換する回転電機の制御装置。
  2. 前記電力変換回路の電圧ベクトルが切り替えられる第1タイミングから、前記第1タイミングの直後に前記電圧ベクトルが切り替えられる第2タイミングまでの期間よりも短い期間が検出禁止期間(Tnd)とされており、
    前記電流取得部は、前記第1タイミングから前記検出禁止期間が経過するまでの期間以外の期間における前記固定座標系の電流値を取得する請求項に記載の回転電機の制御装置。
  3. 前記巻線群は複数であり、
    複数の前記巻線群のうち、いずれか1つが第1対象巻線群(10A)とされ、残りのいずれか1つが第2対象巻線群(10B)とされており、
    前記電流取得部は、前記第1対象巻線群に流れる固定座標系の電流値である第1電流値(Iph1)と、前記第2対象巻線群に流れる固定座標系の電流値である第2電流値(Iph2)とを取得し、
    前記電流算出部は、前記第1電流値と前記回転位置情報とに基づいて、前記変換電流値として、前記第1対象巻線群に流れる回転座標系の電流値である第1変換電流値(Iγ1r,Iδ1r)を算出し、前記第2電流値と前記回転位置情報とに基づいて、前記変換電流値として、前記第2対象巻線群に流れる回転座標系の電流値である第2変換電流値(Iγ2r,Iδ2r)を算出し、
    前記位置推定部は、前記第1変換電流値及び前記第2変換電流値に基づいて前記回転位置情報を推定し、
    前記電流取得部は、前記電流算出部により算出される前記第1変換電流値及び前記第2変換電流値の合計値が、実際の前記第1変換電流値及び前記第2変換電流値それぞれの1変動周期における平均値の合計値になるように、前記第1電流値及び前記第2電流値それぞれの取得タイミングを設定する請求項1又は2に記載の回転電機の制御装置。
  4. 前記巻線群は2つであり、
    Nが整数とされている場合において、前記第1対象巻線群と前記第2対象巻線群とのなす角度が電気角で「30+60×N」°とされている請求項に記載の回転電機の制御装置。
  5. 前記電流取得部は、前記第1電流値の取得タイミングと前記第2電流値の取得タイミングとを電気角で60°ずらして設定する請求項に記載の回転電機の制御装置。
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