JP6809018B2 - 光偏向器、光走査装置、画像形成装置及び画像投影装置 - Google Patents

光偏向器、光走査装置、画像形成装置及び画像投影装置 Download PDF

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Description

本発明は、光偏向器、光走査装置、画像形成装置及び画像投影装置に関する。
マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム(MEMS)技術を用いて製作した光偏向器、この光偏向器を搭載した光走査装置、画像形成装置及び画像投影装置は、ポリゴンミラーや従来型のガルバノミラーに較べて省電力化、小型化や高速化の可能性がある。また、駆動部分の形成もシリコンウェハ(特にSOI(Silicon On Insulator)ウェハ)を素材として、半導体微細加工技術を用いて大量で安価に形成できる可能性があるため実用化が期待されている。
前記したSOIウェハは、支持基板となる単結晶シリコン上に埋め込み酸化膜(Buried Oxide Layer:以下、「BOX層」と記述する)と呼ばれる酸化シリコン膜が形成され、その上に活性層と呼ばれる単結晶シリコンが形成された3層構造(以下、SOI基板ともいう)となっている。
上記技術で製作された光偏向器は、電磁力や静電力、及び電歪素子(圧電力)などによる多様な形態の駆動方式により、可動板(ミラー)を2方向にそれぞれ回転制御し、2次元的に光を走査させる装置(技術)として既に知られている。
光偏向器は、シリコンウェハを素材として、ミラー部である反射板(ミラー)を駆動させるための電磁力や静電力、及び圧電力などを得るべく、上部/下部電極と入出力信号ラインをつなぐメタル配線材料を用いており、この配線材料の信頼性的な保護膜として窒化シリコン膜、酸化シリコン膜の成膜が必要である(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記ミラー部を駆動させる梁部は、SOIの活性層のシリコン(以下、シリコン活性層ともいう)で形成されており、先述の保護膜は製造プロセス上、全て取り除かれるか、あるいは全て残すかのどちらかであった。この場合、保護膜を取り除いたときには梁部側面が荒れて振動動作が不安定になり、保護膜を残したときには駆動動作中に膜はがれが発生する、という問題があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、梁部のシリコン活性層上の第1の保護膜(酸化シリコン膜)の残存に着目し、振動動作が安定し、駆動耐久性(信頼性)の高い光偏向器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、可動部と、前記可動部を支持する基板部と、前記可動部と前記基板部とを連結する梁部と、を備え、前記梁部は、前記可動部を可動に支持する一対の弾性支持部材と、圧電部材が固着された一対の駆動梁と、を有し、前記一対の駆動梁は、シリコン活性層を有し、該シリコン活性層の上に形成された第1の保護膜及び該第1の保護膜の上に形成された第2の保護膜を有し、前記一対の弾性支持部材は、前記第1の保護膜を有し、前記第2の保護膜を有さない光偏向器である。
本発明によれば、振動動作が安定し、駆動耐久性(信頼性)の高い光偏向器を提供することができる。
パッケージングされた光偏向器の一例の概略図である。 第1の実施形態に係る光偏向器の平面図である。 図2のP−P’線断面図である。 図2のQ−Q’線断面図である。 第1の実施形態の光偏向器の第2駆動部の駆動を模式的に表した斜視図である。 従来例の光偏向器の製造プロセスを説明する工程図である。 図6に続く従来例の光偏向器の製造プロセスを説明する工程図である。 図7に続く従来例の光偏向器の製造プロセスを説明する工程図である。 第1の実施形態の光偏向器の製造プロセスを説明する要部の工程図である。 (a)は従来例1に係る光偏向器の要部の平面図、(b)は従来例2に係る光偏向器の要部の平面図、(c)は第1の実施形態の光偏向器の要部の平面図である。 (a)は、従来例1に係る光偏向器の経時駆動により、膜剥がれが発生する問題を説明する図である。(b)は、第1の実施形態の光偏向器の経時駆動によって膜剥がれが発生することがないことを説明する図である。 (a)は、従来例2のトーションバーの絶縁膜エッチング後の梁部フォトレジストパターニング後の断面状態と、梁部シリコン活性層エッチング後において、シリコン活性層の側面荒れが発生する問題とを説明する図である。(b)は、第1の実施形態のトーションバーの絶縁膜エッチング後の梁部フォトレジストパターニングの断面状態と、梁部シリコン活性層エッチング後において、シリコン活性層の側面荒れが抑制される状態を説明する図である。 本発明が適用可能な光偏向器の斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置の一例を示す図である。 図14に示した光走査装置の一例を示す斜視図である。 図14に示した光偏向器の構成の一例を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る画像投影装置の構成の一例を示す図である。
以下、図を参照して実施例を含む本発明の実施の形態を詳細に説明する。各実施形態等に亘り、同一の機能および形状等を有する構成要素(部材や構成部品)等については、混同の虞がない限り一度説明した後では同一符号を付すことによりその説明を省略する。
[パッケージング]
図1を参照して、光偏向器のパッケージングについて説明する。図1は、パッケージングされた光偏向器の一例の概略図である。
図1に示すように、光偏向器10には、レーザ光などの光束Lが反射する反射面5が設けられている。光偏向器10は、筐体状のパッケージ部材2の内側に配置される取付部材3に取り付けられ、パッケージ部材2の一部を透過部材4で覆われて、密閉されることでパッケージングされる。
さらに、光偏向器10が密閉されたパッケージ内には、窒素ガス等の不活性ガスが密封されている。これにより、光偏向器10の酸化による劣化が抑制され、さらに温度等の環境の変化に対する耐久性が向上する。
[光偏向器の詳細]
図2〜図4を参照して、本発明の第1の実施形態に係る光偏向器について詳細に説明する。図2は、主走査方向としてのY方向と、副走査方向としてのX方向との2軸方向に光偏向可能な両持ちタイプの光偏向器の平面図である。図3は、図2のP−P’線断面図である。図4は、図2のQ−Q’線断面図である。
図2に示すように、光偏向器10は、入射した光束を反射するミラー部11と、ミラー部11に接続され、ミラー部11をY軸に平行な第1軸O周りに駆動する第1駆動部12a、12bと、ミラー部11及び第1駆動部12a、12bを支持する第1支持部13を有する。光偏向器10はまた、第1支持部13に接続され、ミラー部11及び第1支持部13をX軸に平行な第2軸O周りに駆動する第2駆動部14a、14bと、第2駆動部14a、14bを支持する第2支持部15と、第1駆動部12a、12b、第2駆動部14a、14b及び制御装置に電気的に接続される電極接続部16と、を有する。
光偏向器10は、図3に示すように、例えば1枚のSOI(Silicon On Insulator)基板をエッチング処理等により成形し、成形した基板上に反射面5や第1圧電駆動部112a、112b、第2圧電駆動部131a〜131f、132a〜132f、電極接続部16等を形成することで、上記の各構成部が一体的に形成されている。
尚、上記の各構成部の形成は、SOI基板の成形後に行ってもよいし、SOI基板の成形中に行ってもよい。
SOI基板は、図3、図4に示すように、例えば単結晶シリコン(Si)からなる第1のシリコン層たるシリコン支持層161と、シリコン支持層161の上部に形成された酸化シリコン(SiO)からなるBOX層162と、BOX層162の上に形成された第2のシリコン層たるシリコン活性層163と、を有するシリコン基板である。
シリコン活性層163は、X軸方向又はY軸方向に対してZ軸方向への厚みが小さいため、シリコン活性層163で構成された部材は、弾性を有する弾性部としての機能を備える。
例えば、本実施形態においては、図3、図4に示すように、第1駆動部12a、12bと、第2駆動部14a、14bとは何れも、かかるシリコン活性層163を基材としており、弾性部としての機能を有している。
また、本実施形態における光偏向器10のうち、少なくとも枠体部である第2支持部15と、第1支持部13と、は、シリコン支持層161を有していることが望ましい。
このように、第1支持部13と第2支持部15とがシリコン支持層161を有することにより、Z方向についての厚みが厚くなるから、第1支持部13と第2支持部15との弾性変形を抑制して、動作の精度が向上する。
ミラー部11は、例えば、円形状のミラー部基体17と、ミラー部基体17の+Z側の面上に形成された反射面5とから構成される。反射面5は、例えば、アルミニウム、金、銀等を含む金属薄膜で構成される。ミラー部11は、光を反射する反射面5が設けられた可動部として機能する。
また、ミラー部11は、ミラー部基体17の−Z側の面にミラー部補強用のリブが形成されていてもよい。リブは、例えば、シリコン活性層163及び酸化シリコン層164から構成され、ミラー部11の動作によって生じる反射面5の歪みを抑制することができる。
第1駆動部12a、12bは、ミラー部基体17に各一端が接続し、第1軸O方向にそれぞれ延びてミラー部11を可動可能に支持する2つのトーションバー111a、111bと、各一端がトーションバー111a、111bの他端に接続され、各他端が第1支持部13の内周部に接続される第1圧電駆動部112a、112bと、を有する。
図3に示すように、トーションバー111a、111bは、シリコン活性層163を用いて構成される。また、第1圧電駆動部112a、112bは、弾性部であるシリコン活性層163の+Z側の面上に下部電極201、圧電部202、上部電極203の順に形成されて構成される。
上部電極203及び下部電極201は、例えば金(Au)又は白金(Pt)等を用いて構成される。圧電部202は、例えば、圧電材料であるPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)を用いて構成されている。
上記したとおり、トーションバー111a、111bは、ミラー部11と第1支持部13、第2支持部15とを連結する梁部としての機能を有する。トーションバー111a、111bは、本発明の弾性支持部材として機能する。第1圧電駆動部112a、112bは、本発明の駆動梁として機能する。
図2、図3に示すように、第1支持部13は、例えば、シリコン支持層161、BOX層162、シリコン活性層163を用いて構成され、ミラー部11を囲うように形成された矩形形状の支持体である。
上記したとおり、可動部たるミラー部11を支持する第1支持部13は、本発明の狭義の基板部として機能し、さらに第2支持部15は、本発明の広義の基板部として機能する。
第2駆動部14a、14bは、例えば、折り返すように連結された複数の第2圧電駆動部131a〜131f、132a〜132fを有する。第2駆動部14a、14bの各一端は、第1支持部13の外周部に接続され、各他端は第2支持部15の内周部に接続されている。
このとき、第2駆動部14aと第1支持部13との接続箇所及び第2駆動部14bと第1支持部13との接続箇所と、さらに第2駆動部14aと第2支持部15の接続箇所及び第2駆動部14bと第2支持部15との接続箇所とは、反射面5の中心に対して点対称となるように構成されている。
図4に示すように、第2圧電駆動部130aは、弾性部であるシリコン活性層163の+Z側の面上に下部電極201、圧電部202、上部電極203の順に形成されて構成される。第2圧電駆動部130bも第2圧電駆動部130aと同様に構成されている。
上部電極203及び下部電極201は、例えば金(Au)又は白金(Pt)等を用いて構成される。圧電部202は、例えば、圧電材料であるPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)を用いて構成されている。
図2、図4に示すように、第2支持部15は、例えば、シリコン支持層161、BOX層162、シリコン活性層163を用いて構成されている。第2支持部15は、ミラー部11、第1駆動部12a、12b、第1支持部13及び第2駆動部14a、14bを囲うように形成された矩形の支持体である。
図2に示す電極接続部16は、例えば、第2支持部15の+Z側の面上に形成され、第1圧電駆動部112a、112b、第2圧電駆動部131a〜131f、132a〜132fの各上部電極203及び各下部電極201、並びに制御装置にアルミニウム(Al)等の電極配線を介して電気的に接続されている。
上記実施形態に限らず、上部電極203又は下部電極201は、それぞれが電極接続部16と直接接続されていてもよいし、電極同士を接続する等により間接的に接続されていてもよい。
また、上記実施形態では、圧電部202が弾性部であるシリコン活性層163の一面(+Z側の面)のみに形成された場合を一例として説明したが、弾性部の他の面(例えば−Z側の面)に設けてもよいし、弾性部の一面及び他面の双方に設けてもよい。
また、ミラー部11を第1軸O周り又は第2軸O周りに駆動可能であれば、各構成部の形状は上記実施形態の形状に限定されない。例えば、トーションバー111a、111bや第1圧電駆動部112a、112bが曲率を有した形状を具備していてもよい。
さらに、第1駆動部12a、12bの上部電極203の+Z側の面上、第1支持部13の+Z側の面上、第2駆動部14a、14bの上部電極203の+Z側の面上、第2支持部の+Z側の面上の少なくとも何れか一つに酸化シリコン膜からなる絶縁層が形成されていてもよい。
このとき、絶縁層の上に電極配線を設けるとともに、上部電極203又は下部電極201と電極配線とが接続される接続スポットに、開口部として部分的に絶縁層を除去又は絶縁層を形成しなくてもよい。これにより、第1駆動部12a、12b、第2駆動部14a、14b及び電極配線の設計自由度をあげ、さらに電極同士の接触による短絡を抑制することができる。また、酸化シリコン膜は、反射防止材としての機能も備える。
図3には、本発明の特徴的な構成が示されている。即ち、同図に示すように、シリコン活性層163の上部及び上部電極203を覆っている第1の保護膜としての酸化シリコン層164は、梁部であるトーションバー111bの形成領域においても存在している。しかしながら、酸化シリコン層164の上部を覆っている第2の保護膜としての窒化シリコン層168は、トーションバー111bの形成領域において除去されて無い状態になっている。
従って、光偏向器10の駆動によって窒化シリコン層168が酸化シリコン層164から剥がれる膜剥がれ不具合は発生することがない。上記状態は、トーションバー111bと反対側のトーションバー111aでも同様であることは無論である。
尚、酸化シリコン層164、窒化シリコン層168は、保護膜及び絶縁膜等の機能を有するパッシベーション膜であるが、その成膜等については光偏向器の製造プロセスにおいて後述する。
光偏向器10の要部動作について説明する。第1駆動部12a、12b及び第2駆動部14a、14bが有する圧電部202は、分極方向に正又は負の電圧が印加されると、印加電圧の電位に比例した変形(例えば、伸縮)が生じ、いわゆる逆圧電効果を発揮する。第1駆動部12a、12b及び第2駆動部14a、14bでは、上記の逆圧電効果を利用してミラー部11を可動させる。
このとき、ミラー部11の反射面5に入射した光束が偏向される角度を振れ角と呼ぶ。圧電部に電圧を印加していないときの振れ角をゼロとし、その角度よりも偏向角度が大きい場合を正の振れ角、小さい場合を負の振れ角とする。
第1駆動部12a、12bでは、第1圧電駆動部112a、112bが有する圧電部202に、上部電極203、下部電極201を介して駆動部から駆動電圧が並列に印加されると、それぞれの圧電部202が変形・振動する。この圧電部202の変形・振動による作用により、第1圧電駆動部112a、112bが屈曲変形・振動する。
その結果、2つのトーションバー111a、111bの捩れを介してミラー部11に第1軸周りの駆動力が作用し、ミラー部11が第1軸O周りに可動・揺動振動することとなる。第1駆動部12a、12bに印加される駆動電圧は、制御装置によって制御される。
図5は、光偏向器10の第2駆動部14a、14bの駆動を模式的に表した斜視図である。同図において、クロス斜線で表されている領域がミラー部11等である。
説明が前後するが、図2において、第2駆動部14aが有する複数の第2圧電駆動部131a〜131fのうち、最もミラー部11に距離が近い第2圧電駆動部(131a)から数えて偶数番目の第2圧電駆動部、即ち第2圧電駆動部131b、131d、131fを圧電駆動部群Aとする。
また、さらに第2駆動部14bが有する複数の第2圧電駆動部132a〜132fのうち、最もミラー部11に距離が近い第2圧電駆動部(132a)から数えて奇数番目の第2圧電駆動部、即ち第2圧電駆動部132a、132c、132eを同様に圧電駆動部群Aとする。圧電駆動部群Aは、駆動電圧が並行に印加されると、圧電駆動部群Aが同一方向に屈曲変形し、正の振れ角となるようにミラー部11が第2軸周りに可動する。
また、第2駆動部14aが有する複数の第2圧電駆動部131a〜131fのうち、最もミラー部に距離が近い第2圧電駆動部(131a)から数えて奇数番目の第2圧電駆動部、即ち第2圧電駆動部131a、131c、131eを圧電駆動部群Bとする。
また、さらに第2駆動部14bが有する複数の第2圧電駆動部132a〜132fのうち、最もミラー部11に距離が近い第2圧電駆動部(132a)から数えて偶数番目の第2圧電駆動部、即ち、第2圧電駆動部132b、132d、132fを同様に圧電駆動部群Bとする。圧電駆動部群Bは、駆動電圧が並行に印加されると、圧電駆動部群Bが同一方向に屈曲変形し、図5(b)に示すように、負の振れ角となるようにミラー部11を第2軸O周りに可動する。
図5(a)、図5(b)に示すように、第2駆動部14a又は第2駆動部14bでは、圧電駆動部群Aが有する複数の圧電部202又は圧電駆動部群Bが有する複数の圧電部202を屈曲変形させることにより、屈曲変形による可動量を累積させ、ミラー部11の第2軸周りの振れ角を大きくすることができる。
図6〜図8を参照して、従来例の光偏向器の製造プロセスを説明する。この従来例としては、例えば特許文献1の図5A〜図5Cに示されている製造プロセスが一部相当し、一般的な光偏向器の製造プロセスである。
従来の光偏向器の製造プロセスは、先ず、図6(1)に示すように、光偏向器の基板部を形成する基板形成工程から始まる。支持基板となる単結晶シリコン(Si)からなるシリコン支持層161上に酸化シリコン(SiO)からなるBOX層162を形成する。さらに、BOX層162の上にシリコン(Si)からなるシリコン活性層163を形成して、SOI基板160を作製する。さらに、シリコン活性層163の上部に、第1の保護膜としての酸化シリコン(SiO)からなる酸化シリコン層164を形成する。尚、図6(1)に示した、SOI基板160の上に酸化シリコン層164を形成した4層構造のものをSOI基板と呼ぶこともあり、これは商品化されている。
次いで、図6(2)に示すように、酸化シリコン層164の上に下部電極を形成するための下部電極膜201’と、圧電部を形成するためにPZTからなる圧電膜202’と、上部電極203を形成するための上部電極膜203’とを、順次成膜する。
次いで、図6(3)に示すように、図6(2)の下部電極膜201’、圧電膜202’、上部電極膜203’をそれぞれパターニングして、下部電極201、圧電部202、上部電極203を形成する電極形成工程を行う。
次いで、図6(4)に示すように、下部電極201、圧電部202及び上部電極203に対して酸化シリコン(SiO)からなる層間絶縁膜165をパターニングする層間絶縁膜パターニング工程を行う。層間絶縁膜165は、後述するように配線電極を形成する際に下部電極201と上部電極203とがショートしないように形成するためのものである。
次いで、図7(5)に示すように、下部電極201に対してAl−Cu合金からなる配線メタル166を、上部電203に対してもAl−Cu合金からなる配線メタル167をパターニングする配線電極形成工程を行う。
次いで、図7(6)に示すように、パッシベーション膜・第2の保護膜として窒化シリコン(SiN)からなる窒化シリコン膜168’を形成する保護膜成膜工程を行う。換言すれば、保護膜形成工程は、梁部のシリコン活性層163の上部に形成されている第1の保護膜である酸化シリコン層164の上に、かつ、下部電極201、圧電部202、上部電極203を覆うように、第1の保護膜及び第2の保護膜のうちの少なくとも第2の保護膜を形成する工程である。
尚、パッシベーション膜としては下層に酸化シリコン膜を、この上に窒化シリコン膜を成膜する2層構成のパッシベーション膜を成膜してもよい。
次いで、図7(7)に示すように、ミラー膜5’を成膜するとともに、ミラー膜5’をパターニングして反射面5を形成する反射面形成工程を行う。
次いで、図7(8)に示すように、窒化シリコン膜168’をパターニングするパッシベーションパターニング工程を行う。この工程は、本発明の少なくとも第2の保護膜をパターニングする保護膜パターニング工程に相当する。168は、パッシベーションパターニング後の窒化シリコン層である。
次いで、図8(9)に示すように、梁部(例えば、トーションバーの形成部)の保護膜(絶縁膜)である酸化シリコン層164及び窒化シリコン層168をエッチングする梁部保護膜エッチング工程を行う。従来例の梁部保護膜エッチング工程では、窒化シリコン層168及び酸化シリコン層164の双方を取り除くエッチングを行っていた。
次いで、図8(10)に示すように、梁部のシリコン活性層163をエッチングする梁部シリコン活性層エッチング工程を行う。このように、従来例では、図6(1)〜図8(10)の工程を経て光偏向器10Xを製作していた。
次に、本実施形態の光偏向器10の製造プロセスを従来例の光偏向器10Xのそれと対比しながら説明する。本実施形態の光偏向器10の製造プロセスは、図6(1)〜図8(10)に示した従来例の光偏向器10Xの製造プロセスと比較して、図8(9)〜図8(10)の工程に代えて、図9(9)〜図9(11)の工程を有する点が相違する。即ち、本実施形態の図9(9)よりも前の工程は、図6(1)〜図8(8)に示した従来例と同様である。
図9(9)に示すように、本実施形態では、梁部(例えば、図2のトーションバー111a、111b)の第2の保護膜(絶縁膜)である窒化シリコン層168のみをエッチングする梁部窒化シリコン膜エッチング工程を行う。換言すれば、酸化シリコン層164が残存するように窒化シリコン層168のみをエッチングによって除去する。梁部窒化シリコン膜エッチング工程は、本発明の第2の保護膜エッチング工程に相当する。
次いで、図9(10)に示すように、梁部の第1の保護膜(絶縁膜)である酸化シリコン層164をエッチングする梁部酸化シリコン膜エッチング工程を行う。
次いで、図9(11)に示すように、梁部のシリコン活性層163の一部をエッチングする梁部シリコン活性層エッチング工程を行う。このように、本実施形態では、図6(1)〜図7(8)、図9(9)〜図9(11)の工程を経て光偏向器10を製作する。
図10〜図12を参照して、従来例における梁部窒化シリコン膜残しの問題点、従来例における梁部窒化シリコン膜及び酸化シリコン膜の双方を除去する梁部保護膜全除去の問題点と、これを解決する本実施形態の構成について説明する。図10(a)は、従来例1に係る光偏向器10X1のミラー部11、トーションバー111aX1、111bX1周りの平面図である。図10(b)は、図10(a)の従来例1とは別の従来例2に係る光偏向器10X2のミラー部11、トーションバー111aX2、111bX2周りの平面図である。図10(c)は、本実施形態の光偏向器10のミラー部11、トーションバー111a、111b周りの平面図である。
図10(a)に示す従来例1の光偏向器10X1は、ミラー部11に連結するトーションバー111aX1、111bX1は、クロス斜線で示すように窒化シリコン層168と、この下部に酸化シリコン層164とが残っている、全保護膜残しのものである。
図10(b)に示す従来例2の光偏向器10X2は、ミラー部11に連結するトーションバー111aX2、111bX2は、全保護膜除去(窒化シリコン層168及び酸化シリコン層164を除去)したものである。
図10(c)に示す本実施形態の光偏向器10は、ミラー部11に連結するトーションバー111a、111bは、斜線で示すように窒化シリコン層168のみ除去し、酸化シリコン層164が残存しているものである。
図11(a)は、図10(a)に示した従来例1の光偏向器10X1のトーションバー111bX1のR−R’線断面図である。図11(a)の左側に示す光偏向器10X1は、その初期駆動時の層構成状態を示しており、そのトーションバー111bX1には、シリコン活性層163の上に形成された酸化シリコン層164が、更に酸化シリコン層164の上に形成された窒化シリコン層168が共に残っている(反対側のトーションバー111aX1も同じ)。
図11(a)の左側に示す光偏向器10X1は、経時駆動Tにより、同図の右側に示すように、トーションバー111bX1が過酷な捻り振動を受けることによって、酸化シリコン層164と窒化シリコン層168との間で膜剥がれLBが発生するという、信頼性上の問題があった。
図11(b)の左側に示す図は、図10(c)に示した本実施形態の光偏向器10のトーションバー111bのR−R’線断面図である。図11(b)の左側に示す光偏向器10は、その初期駆動時の層構成状態を示しており、そのトーションバー111bには、シリコン活性層163の上に形成された酸化シリコン層164が残るように窒化シリコン層168が除去されている(反対側のトーションバー111aも同じ)。
図11(b)の左側に示す光偏向器10は、経時駆動Tにより、同図の右側に示すように、トーションバー111bが過酷な捻り振動を受けても、窒化シリコン層168が除去されているため、膜剥がれを発生することがない。
これにより、駆動耐久性(信頼性)の高い光偏向器10を提供することができる。
図12(a)は、図10(b)に示した従来例2の光偏向器10X2のトーションバー111bX2の製造プロセス途中におけるR−R’線断面図である。図12(a)の左側に示す図は、梁部であるトーションバー111bX2の絶縁膜エッチング後(図8(9)参照)の梁部フォトレジストパターニングの断面を、図12(a)の右側の図は、梁部シリコン活性層エッチング後の断面(図8(10)参照)を、それぞれ表わしている(反対側の梁部であるトーションバー111aX2も同じ)。
トーションバー111bX2の絶縁膜エッチング後のフォトレジストパターニングの工程では、図12(a)の左側の図に示すように、梁部のシリコン活性層163の上面、酸化シリコン層164の上の窒化シリコン層168の上面には、フォトレジスト層169がパターニングされている。この状態から、製造プロセスPTを経て、図12(a)の右側の図に示すように、梁部であるトーションバー111bX2のシリコン活性層163をエッチングする梁部シリコン活性層エッチング工程を行う。
この際、フォトレジスト層169がシリコン活性層163上面を保護するだけで、シリコン活性層163の側面を保護するものがないため、パターニングされたシリコン活性層163の側面荒れSBが発生してしまう。この側面荒れSBは、例えば、エッチング液に含まれている腐食剤によってシリコン活性層163の側面が荒れてしまう不具合である。これにより、トーションバー111aX2、111bX2のシリコン活性層163の安定した側面形状を得ることができず、振動動作が不安定になる問題があった。
図12(b)は、図10(c)に示した実施形態の光偏向器10のトーションバー111bの製造プロセス途中におけるR−R’線断面図である。図12(b)の左側の図は、梁部であるトーションバー111bの絶縁膜エッチング後(図9(10)参照)の梁部フォトレジストパターニングの断面を、図12(b)の右側の図は、梁部シリコン活性層エッチング後の断面(図9(11)参照)を、それぞれ表わしている(反対側の梁部であるトーションバー111aも同じ)。
トーションバー111bの絶縁膜エッチング後のフォトレジストパターニングの工程では、図12(b)の左側の図に示すように、梁部のシリコン活性層163上の酸化シリコン層164が残存するように窒化シリコン層168のみがエッチングによって除去されている。即ち、梁部のシリコン活性層163上に酸化シリコン層164が存在する状態で、酸化シリコン層164の上面には、フォトレジスト層169がパターニングされている。この状態から、製造プロセスPTを経て、図12(b)の右側の図に示すように、梁部であるトーションバー111bのシリコン活性層163をエッチングする梁部シリコン活性層エッチング工程を行う。
この際、フォトレジスト層169だけではなく、梁部であるトーションバー111bのシリコン活性層163上の酸化シリコン層164がハードマスクの役割を果たすことにより、エッチングによってパターニングされるシリコン活性層163の側面荒れを抑制したり、側面荒れをなくしたりすることができる。これにより、トーションバー111a、111bのシリコン活性層163の安定した側面形状を得ることができ、その結果、振動動作が安定した光偏向器10を提供することができる。
梁部としては、上記実施形態ではトーションバー111a、111bを例示したが、これに限らず、図2に示した圧電駆動部群A又はBにおいて、例えば、互いに隣の第2圧電駆動部132aと第2圧電駆動部132bとを連結していて変形可能な梁状部材が挙げられる。
以上説明したとおり、本実施形態によれば、振動動作が安定し、駆動耐久性(信頼性)の高い光偏向器を提供することができる。
本実施形態をさらに補説する。梁部のシリコン活性層を加工するためには、その上部に成膜された第1の保護膜(例えば、酸化シリコン)のパターニングが必要であり、この工法としてドライエッチング工法が良く知られている。このドライエッチング工法は、加工寸法制御について優位性を持っているが、オーバーエッチング量がバラついてしまうと梁部のシリコン厚みが変動し、光偏向器の駆動特性に悪影響を及ぼす。
また、梁部のシリコン活性層上の第2の保護膜(例えば、窒化シリコン)を残したままでは、光偏向器の駆動中に窒化シリコン膜が剥れるという信頼性上の問題が発生してしまう。本実施形態によれば、上述したとおり、このような従来の問題を解決することができる。
図13を参照して、本発明が適用可能な光偏向器について説明する。図13は、本発明が適用可能な光偏向器の斜視図である。
図13に示すように、光偏向器10Aは、レーザ光Lを反射するミラー部22と、ミラー部22を支持するための第1梁部30a、30bと、可動部たる可動枠部21と、可動枠部21を支持するための不動部たる基板部20と、を有している。
光偏向器10Aは、ミラー部22に第1梁部30a、30bによって連結された可動枠部21と、可動枠部21と基板部20とを連結する第2梁部31a、31bと、を有している。
光偏向器10Aは、図2等に示した光偏向器10と比較して、ミラー部11に代えて、形状が異なるミラー部22を用いる点、多数の圧電駆動部群A、Bにより構成された第2駆動部14a、14bに代えて、より簡素な構成の一対の第2梁部31a、31bを用いる点が主に相違する。
ミラー部22は、+Z側の面に鏡面加工された反射面となるミラー面22aを有するミラーであり、後述するように第1梁部30a、30bと、第2梁部31a、31bとに電圧を印加することで回転駆動が可能な態様で基板部20に支持されている。
ミラー面22aは、シリコン基板の表面にアルミニウムや金の金属薄膜を形成された反射部としての機能を有している。
ミラー部22は、第1梁部30a、30bと接続される端部に、梁部であり弾性支持部材としてのトーションバースプリング20a、20bをそれぞれ有している。
ミラー面22aは、X軸に平行な第2軸O方向について長径、Y軸に平行な第1軸Oについて短径の楕円形状の面である。
このように、比較的高速に動作させる第2軸O方向に対して直交する方向をなるべく短くすることにより、ミラー部22の回転駆動時の回転慣性モーメント(イナーシャ)が低減される。
第1梁部30a、30bは、直方体状の梁部であり、一方の端部たる−Y側の端部を可動枠部21に連結され、他方の端部たる+Y側の端部がミラー部22に連結されている。
第1梁部30a、30bは、互いに対称に配置され、その構成も共通であるので、ここでは特に第1梁部30aの構成について説明し、第1梁部30bについては省略する。第1梁部30aは、例えば図2に示した光偏向器10の第1圧電駆動部112a、112bと同様な構成であり、弾性部であるシリコン活性層の+Z側の面上に下部電極、圧電部、上部電極の順に形成されて構成されている。第1梁部30a、30bは、一対の駆動梁として機能する。
第1梁部30aは、上部電極と下部電極との間に電圧を印加することで、圧電部が電歪特性により長手方向に伸縮して曲げ変形する。
このとき、第1梁部30a、30bに同相の電圧を印加すると、対称に配置された第1梁部30a、30bが同一方向に伸縮して、X軸に平行な軸を中心に±Z方向にミラー部22が駆動される。
第2梁部31a、31bは、直方体状の梁部であり、一方の端部たる+X側の端部を基板部20に連結され、他方の端部たる−X側の端部が可動枠部21に連結されている。
第2梁部31a、31bの構成については、既に述べた第1梁部30a、30bの構成と同様であるため説明を省略する。
第2梁部31a、31bも同様に、上部電極34aと下部電極35aとの間に電圧を印加することで、Y軸に平行な軸を中心に±Z方向に可動枠部21が駆動される。
即ち、第1梁部30a、30bと、第2梁部31a、31bとにそれぞれ独立した電圧を印加することで、ミラー部22が第2軸O又は第1軸Oを中心に任意に回転駆動する。
既に述べたように、第1梁部30a、30bとミラー部22との間には、トーションバースプリング20a、20bがそれぞれ設けられている。
トーションバースプリング20a、20bは、長手方向がそれぞれX軸に平行に配置される。即ち、トーションバースプリング20a、20bの長手方向と、第1梁部30a、30bの長手方向と、は互いに直交するように配置されている。言い換えると第1梁部30a、30bの±Z方向への上下振動がトーションバースプリング20a、20bの捻り中心軸に垂直である。
従って、トーションバースプリング20a、20bによって第1梁部30a、30bの曲げ振動が捻り振動に効率よく変換されてミラー部22の回転角を大きくすることができる。
かかる構成により、第1梁部30a、30bの長さによって決まるミラー部22の回転角をさらに大きくできるので、光偏向器の小型化に寄与する。
上述した光偏向器10Aにおいても、図11(b)及び図12(b)に示した本発明の第1の実施形態の構成をトーションバースプリング20a、20bなどに適用することにより、振動動作が安定し、駆動耐久性(信頼性)の高い光偏向器10Aを提供することができる。
本発明の第2の実施形態の例として、図14に光走査装置101を用いた画像形成装置100を示す。
画像形成装置100は、トナー画像を形成するための像担持体としての感光体102と、感光体102上に形成された画像をシートたる用紙P上に転写するための転写手段たる転写部106と、用紙Pを転写部106へ搬送する搬送手段107と、を有している。
画像形成装置100は、感光体102の表面を帯電させる帯電手段104と、感光体102に静電潜像を書き込むための光走査装置101と、該静電潜像にトナーを付着させて顕像化する現像手段105と、を有している。
画像形成装置100は、転写部106よりも感光体102の回転方向Aの下流側にあって残留トナーを除去するクリーニング部109と、用紙P上に形成されたトナー像を熱と圧力により定着する定着手段108と、を有している。
画像形成装置100を用いて用紙P上に画像を形成するときには、まず感光体102の表面を帯電手段104によって一様に帯電する。
帯電した感光体102の表面を光走査装置101によって走査するとともに、感光体102が回転することで、感光体102の表面には静電潜像が形成される。このとき感光体102の表面は、光走査装置101によってレーザ光Lが所定の速度で走査される走査面である。
この際、光走査装置101に配置された光偏向器10によって、レーザ光Lが所定の方向に沿って偏向される。即ち、図2に示した光偏向器10のミラー部11(の反射面)が第1軸Oを中心に揺動することで、入射したレーザ光Lが光走査装置101における主走査方向である感光体102の長手方向に沿って偏向される。
また、ミラー部11が第2軸Oを中心に揺動することで、入射したレーザ光Lが光走査装置101における副走査方向である感光体102の周方向に沿って偏向される。
現像手段105は、内蔵している現像剤中のトナーを感光体102表面に付着させることで静電潜像を顕像化する。
転写部106は、感光体102との間でニップ部Nを形成し、用紙Pがニップ部Nを通過することで、用紙Pにトナー像が転写される。
搬送手段107は、用紙Pを搬送する搬送ベルトであり、搬送手段107の経路上に設けられたレジストローラによって、感光体102上に形成されたトナー像と用紙Pの画像形成領域とが一致するように、タイミングを合わせて用紙Pをニップ部Nに搬送する。
定着手段108は、定着ニップN2を形成し、用紙Pが定着ニップN2を通過するときに、トナーに熱と圧力とを加えて溶融させることで用紙P上のトナー像を画像として定着させる。
ニップ部Nを通過した感光体102の表面部分は、クリーニング部109において残留トナーを除去される。
なお、ここでは像担持体が円柱状の感光体102であるが、ベルト状の回転体であってもよい。
また、画像形成装置100は、トナー像を感光体から用紙P以外の転写ベルトなどの転写媒体に一次転写し、転写媒体から用紙Pへと二次転写する構成としてもよい。
また、本実施形態ではモノクロの画像形成装置100について述べたが、画像形成装置100は、カラー方式の画像形成装置であってもよい。
光走査装置101は、記録信号によって変調された少なくとも1本のレーザ光Lを発振する光源たる光源部1020と、レーザ光Lを変調する光源駆動手段1500と、レーザ光Lを偏向する光偏向器10と、を有している。
光走査装置101は、図15に示すように、光偏向器10の反射面たるミラー部11にレーザ光Lを結像させる結像光学系1021と、ミラー部11に反射されたレーザ光Lを感光体102の表面に結像させる手段である走査光学系1023とを有している。
光走査装置101は、図16に示すように、駆動のための集積回路たるミラー駆動手段1024と、制御部たる回路基板1025と、を有している。ミラー駆動手段1024は、光偏向器10に電圧を印加することで、ミラー部11を揺動駆動させる。
光偏向器10の異なる実施形態例として、光偏向器10を画像投影装置に用いた第3の実施形態について説明する。図17は、本発明の第3の実施形態に係る画像投影装置の構成の一例を示す図である。
図17に示すように、画像投影装置2000は、赤(R)、緑(G)、青(B)の異なる3波長のレーザ光源2001と、各レーザ光源2001からの出射光たるレーザ光Lを平行にする集光光学系としてのレンズ2002と、を有している。
また、画像投影装置2000は、画像投影装置2000の筐体に対して固定されたミラー2003と、ハーフミラー2004と、合成プリズム2005と、を有している。
また、画像投影装置2000は、第1の実施形態において既に述べた光偏向器10と、光偏向器10を備えた光走査装置101と、を有している。
かかる画像投影装置2000において、画像を投射面であるスクリーン2007に投影することを考える。
レーザ光源200lから射出されたレーザ光Lは、ミラー2003とハーフミラー2004とによって偏向されて合成プリズム2005へと入射する。合成プリズム2005は、入射した3つの波長のレーザ光Lを合成して、単一のレーザ光束L’として光走査装置101へと入射する。
レーザ光束L’は、光偏向器10の反射面5によって反射され、スクリーン2007上へと投射される。
以上本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。例えば、上記実施形態等に記載した技術事項を適宜組み合わせたものであってもよい。
例えば、上記実施形態において、画像投影装置は、レーザレーダーなどの光走査を行う投影装置であってもよい。
また、上記の実施形態では、何れも反射面が2軸について揺動自在に支持された2軸揺動可能な光偏向器についてのみ述べたが、1軸のみについて揺動可能な光偏向器としてもよい。また、画像形成装置は、シート状の用紙を記録媒体として用いるものの他、フィルム、記録紙、布、プリント基板などを記録媒体としてもよい。
本発明の実施の形態に適宜記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
5 反射面
10 光偏向器
11 ミラー部(可動部の一例)
12a、12b 第1駆動部
13 第1支持部(狭義の基板部の一例)
15 第2支持部(広義の基板部の一例)
111a、111b トーションバー(梁部、一対の弾性支持部材の一例)
112a、112b 第1圧電駆動部(一対の駆動梁の一例)
100 画像形成装置
101 光走査装置
161 シリコン支持層
162 BOX層
163 シリコン活性層
164 酸化シリコン層(第1の保護膜の一例)
165 層間絶縁膜
168 窒化シリコン層(第2の保護膜の一例)
201 下部電極
202 圧電部(圧電部材)
203 上部電極
2000 画像投影装置
特開2014−035429号公報

Claims (6)

  1. 動部と、
    前記可動部を支持する基板部と、
    前記可動部と前記基板部とを連結する梁部と、を備え、
    前記梁部は、前記可動部を可動に支持する一対の弾性支持部材と、圧電部材が固着された一対の駆動梁と、を有し、
    前記一対の駆動梁は、シリコン活性層を有し、該シリコン活性層の上に形成された第1の保護膜及び該第1の保護膜の上に形成された第2の保護膜を有し、
    前記一対の弾性支持部材は、前記第1の保護膜を有し、前記第2の保護膜を有さない光偏向器。
  2. 請求項1記載の光偏向器において、
    前記各弾性支持部材の長手方向と前記各駆動梁の長手方向とが直交して配置されて、前記各弾性支持部材と前記各駆動梁の先端とが接続され、
    前記各駆動梁の他端は、前記基板部に固定されて、前記一対の駆動梁で、前記可動部と前記一対の弾性支持部材とが前記基板部に対して支持されていることを特徴とする光偏向器。
  3. 請求項1又は2記載の光偏向器において、
    第1の保護膜は酸化シリコン膜であり、第2の保護膜は窒化シリコン膜であることを特徴とする光偏向器。
  4. 請求項1〜3の何れか1つに記載の光偏向器を有し、
    前記光偏向器を用いて入射した前記光を所定の速度で走査面上に投射することを特徴とする光走査装置。
  5. 請求項4記載の光走査装置を有することを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項4記載の光走査装置を有することを特徴とする画像投影装置。
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