JP6805479B2 - 液体用紙容器 - Google Patents
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Description
前記口栓溶着用フィルムが、紙容器内層側のシーラント層に接する面はポリエステル樹脂層であり、口栓に接する面がポリエチレン樹脂からなる積層体であることを特徴とする液体用紙容器である。
紙基材層(6)は接着層(13)を介してガスバリア層(9)と貼りあわせてあり、ガスバリア層(9)はプラスチックフィルム層(10)と無機化合物層(11)とから構成される。積層体の容器内層側には接着層(12)を介してシーラント層(7)が設けられている。
シーラント層として従来一般的であったポリオレフィン系樹脂に替えてポリエチレンテレフタレートフィルムをシーラントとして用いることにより、ポリオレフィン系樹脂特有の臭気の内容物への移行および内容物の成分のシーラントによる吸着が少なくすることができるため、内容物の香味成分のシーラント層による吸着などの影響を少なくすることができる。
紙基材(6)としては、特に限定をするものではないが、一般にミルクカートン原紙等の板紙が用いられる。坪量と密度は容器の容量やデザインにより適宜選定されるが、通常は坪量200〜500g/m2の範囲で密度0.6〜1.1g/cm3の紙が好適に用いられる。たとえば、内容量2リットルの容器の場合には、坪量400g/m2のものが好ましく用いられる。
容器外層側の熱可塑性樹脂層(8)に用いる樹脂には、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)や、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)のほか、エチレン−アクリル酸共重合体やエチレン−メタクリル酸共重合体などの、エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチルやエチレン−アクリル酸エチルやエチレン−メタクリル酸メチルやエチレン−メタクリル酸エチルなどの、エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体のエステル化合物、カルボン酸部位をナトリウムイオンあるいは亜鉛イオンで架橋した、エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体のイオン架橋物、エチレン−無水マレイン酸グラフト共重合体やエチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸のような三元重合体に代表される酸無水変性ポリオレフィン、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体などのエポキシ化合物変性ポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体から選ばれる樹脂の単体あるいは2種以上の混合物などの熱可塑性樹脂を好ましく使用することができる。熱可塑性樹脂層(8)の形成はこれらの熱可塑性樹脂を用いて、たとえば紙基材の外面に押出しラミネーションにより設けることができる。厚さは5〜40μmの範囲がよく、10〜20μmの範囲がより好ましい。この層の外面に印刷を施す場合には、コロナ処理を行なうことが好ましい。
内容物の保存性を向上させることを目的として、積層体中に着色フィルムなど紫外線を遮蔽する不透明層を設けることができる。あるいは、積層体中にガスバリア層を設けることができる。
図2中に示した接着層(12)に関して、シーラント層(7)とガスバリア層(9)、あるいはガスバリア層を設けない場合にはシーラント層(7)と紙基材層(6)との間に接着層(12)を設けることができる。接着層は、押し出し樹脂層であってもよいし、また、ラミネート用接着剤との組み合わせであってもよい。
ガスバリア層ポリエチレンテレフタレートフィルム/アンカーコート層/接着層(押し出しポリエチレン)/アンカーコート層/シーラント層(2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム)。
ガスバリア層ポリエチレンテレフタレートフィルム/アンカーコート層/接着層(押し出しポリエチレン)/ポリエチレンフィルム/ドライラミネート/シーラント層(2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム)
といった層構成が可能である。
図2中に示した、接着層(13)は、ガスバリアフィルムを積層体中に含める場合に、紙基材層(6)とガスバリア層(9)を接着させるための接着層である。たとえばポリオレフィン系樹脂を用いてサンドイッチラミネーションで積層してもよい。この場合には厚みは10μmから60μmの範囲が通常用いられる。10μm未満では十分な接着強度が得られない。
リル酸メチルやエチレン・アクリル酸エチルやエチレン・メタクリル酸メチルやエチレン・メタクリル酸エチルなどのエチレン・α,β不飽和カルボン酸共重合体のエステル化物、カルボン酸部位をナトリウムイオン、あるいは、亜鉛イオンで架橋した、エチレン・α,β不飽和カルボン酸共重合体のイオン架橋物、エチレン・無水マレイン酸グラフト共重合体やエチレン・アクリル酸エチル・無水マレイン酸のような三元共重合体に代表される酸無水物変性ポリオレフィン、エチレン・グリシジルメタクリレート共重合体などのエポキシ化合物変性ポリオレフィン、エチレン・酢酸ビニル共重合体から選ばれる樹脂の単体、あるいは、これらから選ばれる2種以上の混合物などにより設けられる。
熱可塑性樹脂層の外側の面に印刷層(14)を設けることができる。印刷は内容物に関する情報のほかロゴマークなどを表示し、また内容物に関してのイメージや用途例、バーコードなどを文字や画像で表示することができる。
口栓はたとえば、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)を用いて、射出成型によって作ることができる。たとえばゲーベルトップ形の液体用紙容器であれば、頂部、屋根形の斜面に装着して設けることができる。本発明においては、液体用容器内層側への取り付けは、口栓溶着用フィルムを介して溶着して行なう。溶着には超音波による溶着を用いることができる。
口栓溶着用フィルムは複数の層からなる積層体で、中央部に口栓貫通用穴を有する。液体用紙容器内層側と接触する面には、ポリエチレンテレフタレート樹脂層を有し、口栓のプラスチック成型品に接する側にはポリエチレン樹脂層を有する。積層体は、上記材料を接着剤などを用いて貼りあせて積層することもでき、あるいは共押し出しなどの手段によって製造することも可能である。
積層体を以下の構成で作成し、口栓付きの液体用紙容器を作成した。
容器外層側から、
LDPE(厚さ20μm)/紙基材(坪量400g/m2)/EMAA(厚さ20μm)/シリカ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)/ドライラミネート/LLDPE(厚さ40μm)/ドライラミネート/2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(厚さ12μm)
容量:85角、2リットル
積層体に対し容器内層側から、図6に示したシール部分に、レーザー照射を行なった。レーザー照射条件:炭酸ガスレーザー、出力20W、描画速度3000mm/秒。
形状:ドーナツ形状
口栓溶着用フィルム層構成:液体用容器内層側に接触する面は2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムにレーザー光照射とし、口栓に接触する側にはLDPE(厚さ30μm)とした。両者をドライラミネートで貼りあわせた。
レーザー照射条件:炭酸ガスレーザー、出力20W、描画速度3000mm/秒とした。口栓は液体用紙容器を構成する積層体の所定の位置に、口栓溶着用フィルムを用いてヒートシールで溶着、固定した。
その他は、現行の液体用紙容器の製造工程と同様にして、紙容器を作成、内容物充填、密封を行なった。
口栓溶着用フィルム層構成:液体用容器内層側に接触する面はPET−G(厚さ30μm)、中間層として2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)、口栓に接触する側にはLDPE(厚さ30μm)とした。両者をドライラミネートで貼りあわせた。口栓溶着用フィルムの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムにレーザー照射を行なわないこと以外は実施例1と同様である。
口栓溶着用フィルム層構成:LLDPE(厚さ10μm)/接着性樹脂(厚さ5μm)/ポリエチレンテレフタレート樹脂(厚さ10μm)を、キャスト法で共押し出ししたこと、およびレーザー照射を行なわないこと以外は、実施例1と同様である。
積層体を以下の構成で作成し、口栓付きの液体用紙容器を作成した。
容器外層側から、
LDPE(厚さ20μ)/紙基材(400g/m2)/EMAA(厚さ20μ、)/シリカ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)/ドライラミネート/LLDPE(厚さ60μm)
積層体構成を上記としたこと、および口栓溶着用フィルムを使用しないこと以外は実施例1と同様である。なおこの積層体の構成は、従来の液体用紙容器として用いられている一例である。
積層体を以下の構成で作成し、口栓付きの液体用紙容器を作成した。
容器外層側から、
LDPE(厚さ20μ)/紙基材(400g/m2)/EMAA(厚さ20μ、)/シリカ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)/ドライラミネート/2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ60μm)
積層体内層側からシール部分にレーザー照射を行なった。
積層体構成を上記としたこと、および口栓溶着用フィルムを使用しないこと以外は実施例1と同様である。
(口栓溶着適性)
実施例1〜3、比較例1および2で作成した液体用紙用機に対して、充填機にて口栓の超音波溶着を行い、チェック液を使用して口栓部分の液漏れを確認した。(漏れ数/評価数)。
(香り)
芋焼酎を充填し、30℃で3ヶ月保存後に、その香りについて官能検査で評価した。評価基準は以下のとおりである。
比較例1より香りが強い:○
比較例1より香りが弱い:×
なおパネラー数は10名で行なった。
(味覚)
液体用紙容器に蒸留水を充填して、30℃で3ヶ月保存後に常温に戻して官能検査による評価を行なった。表秋純は以下のとおりである。
比較例1より良好:○
比較例1より劣悪:×
なおパネラー数は10名で行なった。
を提供することが可能であることを検証することができた。
2・・・胴部
3・・・頂部
4・・・底部
5・・・トップシール部
6・・・紙基材層
7・・・シーラント層
8・・・熱可塑性樹脂層
9・・・ガスバリア層
10・・・プラスチックフィルム
11・・・無機化合物層
12・・・接着層
13・・・接着層
14・・・印刷層
20・・・口栓
21・・・口栓溶着用フィルム
22・・・口栓溶着部
23・・・ポリエチレンテレフタレート樹脂層
24・・・ポリエチレン樹脂層
25・・・口栓貫通用穴
26・・・トップシール部
27・・・サイドシール部
28・・・底部シール部
101・・・液体用紙容器
102・・・積層体
Claims (2)
- 紙を基材とした積層体からなる、ポリエチレン樹脂製の口栓付きの液体用紙容器であって、容器内層には2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが設けられており、前記ポリエチレンテレフタレートフィルム表面に、炭酸ガスレーザーにより出力20W、描画速度3000mm/秒で赤外線波長のレーザー光を照射してヒートシール性を発現させてシーラント層とし、口栓が、口栓溶着用フィルムを介して容器内側に溶着されており、
前記口栓溶着用フィルムが、紙容器内層側のシーラント層に接する面はポリエステル樹脂層であり、口栓に接する面がポリエチレン樹脂からなる積層体であることを特徴とする液体用紙容器。 - 前記レーザー光は、前記積層体のヒートシール部分にのみ選択的に照射することを特徴とする請求項1に記載の液体用紙容器。
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JP2015185451A JP6805479B2 (ja) | 2015-09-18 | 2015-09-18 | 液体用紙容器 |
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Family Applications (1)
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