JP6805479B2 - 液体用紙容器 - Google Patents

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本発明は液体用紙容器に関するものである。とくに口栓付きの液体用紙容器であって、内容物の香味成分の吸着の少ない液体用紙容器に関するものである。
食品や非食品などの液体内容物に使用される液体用紙容器は、牛乳や酒パックをその代表格として、広く用いられており、紙を基材としてその内面に熱可塑性樹脂によるシーラント層が設けられた積層材料からなる。液体用紙容器はそのほか果汁飲料、ジュース、お茶、コーヒー、乳飲料、スープ等の液体食品、焼酎等の酒類にも広く用いられている。
これらの液体用紙容器は、紙基材とシーラント層からなる構成のほか、紙層とシーラント層の間にアルミニウム箔や金属蒸着フィルム、金属酸化物蒸着フィルム、を用いてガスバリア層としたり、あるいは、無機化合物蒸着フィルムなどのガスバリア性のある層を設けたものなどもある。
容器内側になる層にはシーラント層を設けてある。シーラント層によって箱型に立体を形成して液体用紙容器とすることができ、また内容物充填後に容器を密封することが可能である。一般にシーラント層にはポリオレフィン系樹脂が用いられる。
また液体用紙容器には、たとえばゲーベルトップ型と呼ばれる屋根形の頂部を持つ紙容器では、屋根の斜面にポリエチレン樹脂からなる口栓が熱接着によって取り付けられているものもある。
シーラント層としてポリエチレン樹脂は使いやすい半面、内容物の香味成分を吸着することもあり、風味が変化するといった問題が指摘されてきた。あるいは、ポリエチレン樹脂特有の臭いが内容物に移行するといった問題も指摘されている。
たとえば下記特許文献には、電磁波を2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に短パルス照射し、表面を改質することによりヒートシール性を付与する方法が開示されており、シーラント層にポリオレフィン系樹脂に替えてポリエチレンテレフタレート樹脂を用いることが可能性として示されているが、このような高出力の装置はエネルギー効率が低く、安全性の点でも問題があり、コスト面でも課題があるために実用化には至っていない。
また口栓はポリエチレン樹脂の成型品であるためにポリエチレンテレフタレート樹脂へのヒートシールによる装着が困難であった。
特公平4−26339号公報
本発明はかかる状況に鑑みてなされたものであり、内容物の香味成分の吸着が少ない口栓付きの液体用紙容器を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、紙を基材とした積層体からなる、ポリエチレン樹脂製の口栓付きの液体用紙容器であって、容器内層には2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが設けられており、前記ポリエチレンテレフタレートフィルム表面に、炭酸ガスレーザーにより出力20W、描画速度3000mm/秒で赤外線波長のレーザー光を照射してヒートシール性を発現させてシーラント層とし、口栓が、口栓溶着用フィルムを介して容器内側に溶着されており、
前記口栓溶着用フィルムが、紙容器内層側のシーラント層に接する面はポリエステル樹脂層であり、口栓に接する面がポリエチレン樹脂からなる積層体であることを特徴とする液体用紙容器である。
また、請求項2に記載の発明は、前記レーザー光は、前記積層体のヒートシール部分にのみ選択的に照射することを特徴とする請求項1に記載の液体用紙容器である。
本発明によれば、内容物の香味成分の吸着が少ない口栓付きの液体用紙容器を提供することが可能である。
図1は本発明に係る液体用紙容器の一実施例を説明するための、斜視模式図である。 図2は本発明に係る液体用紙容器を構成する、積層体の一実施例を説明するための部分断面模式図である。 図3は本発明に係る液体用紙容器の口栓部を説明するための、部分断面模式図である。 図4は本発明に係る液体用紙容器の口栓を溶着するための、口栓溶着用フィルムを説明するための、平面模式図である。 図5は本発明に係る液体用紙容器の口栓を溶着するための、口栓溶着用フィルムを説明するための、断面模式図である。 図6は本発明に係る液体用紙容器を実現するためのレーザー照射部を説明するための平面模式図である。
以下本発明を実施するための形態について、図を参照しながら詳細に説明を加える。但し、本発明はこれらの例にのみ限定されるものではない。
図1は本発明に係る液体用紙容器の一実施例を説明するための、斜視模式図である。ここに示した例は、ゲーベルトップ型と呼ばれる形の液体用紙容器である。液体用紙容器(101)は頂部(3)、胴部(2)、底部(4)からなり、屋根形の頂部(3)の傾斜部に口栓(1)を有している。口栓(1)は液体用紙容器(101)に充填、密閉された後、内容物を注ぎ出すために用いられる。本発明はこの口栓付きの液体用紙容器を対象とする。
図2は本発明に係る液体用紙容器を構成する、積層体の一実施例を説明するための部分断面模式図である。積層体(102)は、紙を基材としており紙基材層(6)を有し、容器内層側にシーラント層(7)を有する。紙基材層(6)の容器外層側には熱可塑性樹脂層(8)が設けてあり、最外層には印刷層(14)を設けてある。ここに示した例では、
紙基材層(6)は接着層(13)を介してガスバリア層(9)と貼りあわせてあり、ガスバリア層(9)はプラスチックフィルム層(10)と無機化合物層(11)とから構成される。積層体の容器内層側には接着層(12)を介してシーラント層(7)が設けられている。
図3は本発明に係る液体用紙容器の口栓部を説明するための、部分断面模式図である。口栓(20)は、プラスチック成型品であり、ポリエチレン樹脂からなる。容器内層側で、積層体のシーラント層とヒートシールにより溶着され、開口部は容器外側に露出して装着される。開口部の開閉は、口栓のキャップで開口部を開閉して行なうことができる。
口栓(20)とシーラント層(7)の溶着は、口栓溶着用フィルム(21)を介して行なわれ、口栓溶着フィルム(21)が接する液体用紙容器内層側のシーラント層(7)には、レーザー光照射によってヒートシール性を付与する。照射はシーラント層に選択的に照射すればよく、口栓溶着部(22)はシーラント(7)が口栓と接触する部分であるから、この部分に照射すればよい。
図4は本発明に係る液体用紙容器の口栓を溶着するための、口栓溶着用フィルムを説明するための、平面模式図である。口栓のプラスチック成型品は、液体用紙容器とはドーナツ形の領域で接触、ヒートシールによる溶着が行なわれるため、口栓溶着用フィルム(21)は、それに合わせた形状のドーナツ形に裁断あるいは打ち抜いて、中央の穴は口栓貫通用穴(25)として用いられる。
図5は本発明に係る液体用紙容器の口栓を溶着するための、口栓溶着用フィルムを説明するための、断面模式図である。口栓溶着用フィルム(21)は複数の層からなる積層体で、中央部に口栓貫通用穴(25)を有する。液体用紙容器内層側と接触する面には、ポリエチレンテレフタレート樹脂層(23)を有し、口栓のプラスチック成型品に接する側にはポリエチレン樹脂層(24)を有する。
以下、本発明による液体用紙容器を構成する要素について、より詳細な説明を加える。
本発明者は、鋭意検討の結果、ポリエチレンテレフタレートフィルムに赤外線波長のレーザーを照射することにより、ヒートシール性が発現することを見出した。そこで本発明においては、シーラント層(7)にポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた。すなわち本発明の液体用紙容器は、紙を基材とした積層体から構成されており、容器内層側にポリエチレンテレフタレートフィルムを配して、この層に連続波の赤外線波長のレーザーを照射してヒートシール性を発現させシーラント層としたものである。
(シーラント層)
シーラント層として従来一般的であったポリオレフィン系樹脂に替えてポリエチレンテレフタレートフィルムをシーラントとして用いることにより、ポリオレフィン系樹脂特有の臭気の内容物への移行および内容物の成分のシーラントによる吸着が少なくすることができるため、内容物の香味成分のシーラント層による吸着などの影響を少なくすることができる。
またポリエチレンテレフタレートフィルムには、フィルム強度が大きいことや加工工程での伸縮が小さいなどの点で、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムをより好ましく用いることができる。
ヒートシール性の発現は短パルスの電磁波ではなく、連続照射タイプのレーザー光を用いてヒートシール性を発現させる部分に描画、照射して行なう。レーザー光はエネルギーが効率的にポリエチレンテレフタレートフィルム層に吸収されやすい赤外線波長を有する、たとえば炭酸ガスレーザーを用いることができる。これによってエネルギー効率が高く、かつ安全性の高いシーラント層を実現することができる。
なお、こうしてヒートシール性を発現したポリエチレンテレフタレートフィルムの構造または特性を解析するためには著しく過大な経済的支出や時間を要するため、実際的ではない。
また赤外線波長を有するレーザー光であればレーザー発振器は特定の形式のものに限定するものではない。レーザー光が照射された部分にはポリエチレンテレフタレートフィルムの変質によってヒートシール性が発現する。
したがって、液体用紙容器を組み立て、また内容物充填後の密封に必要な部分、および口栓を取り付けるためのヒートシール部分に選択的にレーザー照射を行なうことによって、その部分にシーラントとしてのヒートシール性を付与することができる。なお口栓の溶着には、たとえば超音波による溶着を用いることができる。
図6は本発明に係る液体用紙容器を実現するためのレーザー照射部を説明するための平面模式図である。照射部分にシーラントとしてのヒートシール性を付与することができる。具体的にはここに示した、トップシール部(26)、サイドシール部(27)、底部シール部(28)、および口栓溶着部(22)である。
レーザー光の照射は、連続線や断続線、あるいは点状のパターンを描画する形で照射することができる。あるいは面状の照射を行なうこともできる。このような形状はレーザー光のスポット径、スポット形状などを適宜設定して形成することができる。
(紙基材層)
紙基材(6)としては、特に限定をするものではないが、一般にミルクカートン原紙等の板紙が用いられる。坪量と密度は容器の容量やデザインにより適宜選定されるが、通常は坪量200〜500g/mの範囲で密度0.6〜1.1g/cmの紙が好適に用いられる。たとえば、内容量2リットルの容器の場合には、坪量400g/mのものが好ましく用いられる。
(熱可塑性樹脂層)
容器外層側の熱可塑性樹脂層(8)に用いる樹脂には、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)や、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)のほか、エチレン−アクリル酸共重合体やエチレン−メタクリル酸共重合体などの、エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチルやエチレン−アクリル酸エチルやエチレン−メタクリル酸メチルやエチレン−メタクリル酸エチルなどの、エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体のエステル化合物、カルボン酸部位をナトリウムイオンあるいは亜鉛イオンで架橋した、エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体のイオン架橋物、エチレン−無水マレイン酸グラフト共重合体やエチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸のような三元重合体に代表される酸無水変性ポリオレフィン、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体などのエポキシ化合物変性ポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体から選ばれる樹脂の単体あるいは2種以上の混合物などの熱可塑性樹脂を好ましく使用することができる。熱可塑性樹脂層(8)の形成はこれらの熱可塑性樹脂を用いて、たとえば紙基材の外面に押出しラミネーションにより設けることができる。厚さは5〜40μmの範囲がよく、10〜20μmの範囲がより好ましい。この層の外面に印刷を施す場合には、コロナ処理を行なうことが好ましい。
(ガスバリア層)
内容物の保存性を向上させることを目的として、積層体中に着色フィルムなど紫外線を遮蔽する不透明層を設けることができる。あるいは、積層体中にガスバリア層を設けることができる。
ガスバリア層(9)には、アルミニウム箔などの金属箔、あるいはプラスチックフィルムに金属、無機化合物の蒸着層を設けてガスバリア層として用いることができる。無機化合物には、たとえばSiOやAlOなどの無機化合物がある。ガスバリア層は接着剤を用いて、たとえばドライラミネーション法を用いて積層することもでき、あるいは押出機を用いて熱可塑性樹脂を押し出して積層することもできる。
ガスバリア層にガスバリアフィルムを用いる場合、プラスチックフィルムに無機化合物の蒸着層、コーティングによる無機化合物層を設けて構成することができ、プラスチックフィルムにアンカーコートを設けた後、蒸着層、コーティングによる無機化合物層を順次設けることができる。
ガスバリアフィルムに用いるプラスチックフィルムは、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリプロピレンなどのフィルムを用いることができる。特に2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが、蒸着加工時や貼り合わせ加工時に、伸縮が少ないので好ましく用いられる。厚さは、6〜25μmのものが好ましく用いられる。
ガスバリア層のアンカーコート層には、例えばウレタンアクリレートを用いることができる。アンカーコート層の形成には、樹脂を溶媒に溶解した塗料をグラビアコーティングなど印刷手法を応用したコーティング方法を用いるほか、一般に知られているコーティング方法を用いて塗膜を形成することができる。
蒸着層を形成する方法としては,たとえばSiOやAlOなどの無機化合物を真空蒸着法を用いて、アンカーコート層を設けた基材フィルム上に無機化合物層を形成することができる。さらにコーティングによる無機化合物層を重ねることもできる。
コーティングによる無機化合物層を形成する方法としては、水溶性高分子と、(a)一種以上のアルコキシドまたはその加水分解物、または両者、あるいは(b)塩化錫の、少なくともいずれかひとつを含む水溶液あるいは水/アルコール混合水溶液を主剤とするコーティング剤をフィルム上に塗布し、加熱乾燥してコーティング法による無機化合物層を形成しコーティング層とすることができる。このときコーティング剤にはシランモノマーを添加しておくことによってアンカーコート層との密着の向上を図ることができる。
無機化合物層はプラスチックフィルム上に真空蒸着法による蒸着層のみでもガスバリア性を有するが、コーティング法による無機化合物層を真空蒸着法による無機化合物層である蒸着層に重ねて形成し、ガスバリア層とすることができる。
これら2層の複合により、真空蒸着法による無機化合物層とコーティング法による無機化合物層との界面に両層の反応層を生じるか、或いはコーティング法による無機化合物層が真空蒸着法による無機化合物層に生じるピンホール、クラック、粒界などの欠陥あるいは微細孔を充填、補強することで、緻密構造が形成されるため、高いガスバリア性、耐湿性、耐水性を実現するとともに、変形に耐えられる可撓性を有するため、包装材料としての適性も具備することができる。
また無機化合物層としてSiOを用いる場合には、金属箔をガスバリア層として用いる場合と異なり、検査機としての金属探知機などの使用も可能である。これらは、包装袋の用途、要求品質によって適宜選択し、使い分けをすればよい。
ガスバリア層(9)は、積層体(102)において紙基材(6)側がプラスチックフィルム(10)であっても、無機化合物層(11)であってもかまわない。
(接着層)
図2中に示した接着層(12)に関して、シーラント層(7)とガスバリア層(9)、あるいはガスバリア層を設けない場合にはシーラント層(7)と紙基材層(6)との間に接着層(12)を設けることができる。接着層は、押し出し樹脂層であってもよいし、また、ラミネート用接着剤との組み合わせであってもよい。
押し出し樹脂層に用いる樹脂としては、ポリエチレン系樹脂などの熱可塑性樹脂を用いることができる。たとえば、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、そのほかアイオノマーや変性ポリエチレンなどを用いることができる。とくに密度0.920以下の直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。また厚みは5μmから20μmの範囲が通常用いられる。特に10μmとすることが好ましい。
また、ラミネート用接着剤を用いる場合には、ウレタン系2液硬化型のドライラミネート用接着剤(無溶剤型接着剤を含む)を用いることができる。乾燥塗布量は、0.5〜7.0g/mが好ましい。
またガスバリア層と押し出しポリエチレン層の接着においては、アンカー層を設けることができる。その場合でも、ガスバリア層側のポリエチレンテレフタレートフィルムにコロナ処理を施すことでアンカー層を省くことも可能であり、とくにエクストルーダーによる押し出しラミネート工程においてインライン加工することが好ましい。このときの層構成はたとえば下記のような構成が可能である。
ガスバリア層ポリエチレンテレフタレートフィルム/ドライラミネート/ポリエチレンフィルム/ドライラミネート/シーラント層(2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム)。
あるいは、
ガスバリア層ポリエチレンテレフタレートフィルム/アンカーコート層/接着層(押し出しポリエチレン)/アンカーコート層/シーラント層(2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム)。
もしくは、
ガスバリア層ポリエチレンテレフタレートフィルム/アンカーコート層/接着層(押し出しポリエチレン)/ポリエチレンフィルム/ドライラミネート/シーラント層(2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム)
といった層構成が可能である。
(接着層)
図2中に示した、接着層(13)は、ガスバリアフィルムを積層体中に含める場合に、紙基材層(6)とガスバリア層(9)を接着させるための接着層である。たとえばポリオレフィン系樹脂を用いてサンドイッチラミネーションで積層してもよい。この場合には厚みは10μmから60μmの範囲が通常用いられる。10μm未満では十分な接着強度が得られない。
具体的には、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどのエチレン系樹脂やポリプロピレン、あるいは、エチレン・アクリル酸共重合体やエチレン・メタクリル酸共重合体(EMAA)などのエチレン・α,β不飽和カルボン酸共重合体、エチレン・アク
リル酸メチルやエチレン・アクリル酸エチルやエチレン・メタクリル酸メチルやエチレン・メタクリル酸エチルなどのエチレン・α,β不飽和カルボン酸共重合体のエステル化物、カルボン酸部位をナトリウムイオン、あるいは、亜鉛イオンで架橋した、エチレン・α,β不飽和カルボン酸共重合体のイオン架橋物、エチレン・無水マレイン酸グラフト共重合体やエチレン・アクリル酸エチル・無水マレイン酸のような三元共重合体に代表される酸無水物変性ポリオレフィン、エチレン・グリシジルメタクリレート共重合体などのエポキシ化合物変性ポリオレフィン、エチレン・酢酸ビニル共重合体から選ばれる樹脂の単体、あるいは、これらから選ばれる2種以上の混合物などにより設けられる。
接着強度を高めるために、紙基材層やガスバリア層の接着面に、コロナ処理、オゾン処理、アンカーコートなどの易接着処理を行うことができる。
(印刷層)
熱可塑性樹脂層の外側の面に印刷層(14)を設けることができる。印刷は内容物に関する情報のほかロゴマークなどを表示し、また内容物に関してのイメージや用途例、バーコードなどを文字や画像で表示することができる。
印刷方法については限定するものではないが、たとえばグラビア印刷法、オフセット印刷法、グラビアオフセット印刷法、フレキソ印刷法、インクジェット印刷法等の方法を用いることができる。
印刷用インキについても限定をするものではなく、印刷方法との適合性や被印刷体との密着性、あるいは内容物が食品である場合などの安全性などに配慮して適宜選択することができる。また熱可塑性樹脂層の表面にはコロナ処理などの易接着処理を行って、印刷層との接着性を高めることが好ましい。印刷層上には耐摩耗性向上の為にオーバーコート層を設けても良い。
(口栓)
口栓はたとえば、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)を用いて、射出成型によって作ることができる。たとえばゲーベルトップ形の液体用紙容器であれば、頂部、屋根形の斜面に装着して設けることができる。本発明においては、液体用容器内層側への取り付けは、口栓溶着用フィルムを介して溶着して行なう。溶着には超音波による溶着を用いることができる。
なお口栓は、スパウトとも呼ばれ、液体用紙容器外側に突き出した部分に、螺子式や嵌合しきのキャップを組み合わせて開閉することができる。
(口栓溶着用フィルム)
口栓溶着用フィルムは複数の層からなる積層体で、中央部に口栓貫通用穴を有する。液体用紙容器内層側と接触する面には、ポリエチレンテレフタレート樹脂層を有し、口栓のプラスチック成型品に接する側にはポリエチレン樹脂層を有する。積層体は、上記材料を接着剤などを用いて貼りあせて積層することもでき、あるいは共押し出しなどの手段によって製造することも可能である。
また、液体用紙容器内層側と接触する面の、口栓溶着用フィルムのポリエチレンテレフタレート樹脂層には、レーザー光照射を行なうこともでき、液体用紙容器の積層体側のシーラント層にレーザー光照射がされてヒートシール性の付与がされている場合には、省いてもよい。
以下実施例を示しながら、本発明をより具体的に説明する。
<実施例1>
積層体を以下の構成で作成し、口栓付きの液体用紙容器を作成した。
容器外層側から、
LDPE(厚さ20μm)/紙基材(坪量400g/m)/EMAA(厚さ20μm)/シリカ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)/ドライラミネート/LLDPE(厚さ40μm)/ドライラミネート/2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(厚さ12μm)
容量:85角、2リットル
積層体に対し容器内層側から、図6に示したシール部分に、レーザー照射を行なった。レーザー照射条件:炭酸ガスレーザー、出力20W、描画速度3000mm/秒。
口栓溶着用フィルムは以下の構成で用意した。
形状:ドーナツ形状
口栓溶着用フィルム層構成:液体用容器内層側に接触する面は2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムにレーザー光照射とし、口栓に接触する側にはLDPE(厚さ30μm)とした。両者をドライラミネートで貼りあわせた。
レーザー照射条件:炭酸ガスレーザー、出力20W、描画速度3000mm/秒とした。口栓は液体用紙容器を構成する積層体の所定の位置に、口栓溶着用フィルムを用いてヒートシールで溶着、固定した。
口栓:低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)の射出成型による。
その他は、現行の液体用紙容器の製造工程と同様にして、紙容器を作成、内容物充填、密封を行なった。
<実施例2>
口栓溶着用フィルム層構成:液体用容器内層側に接触する面はPET−G(厚さ30μm)、中間層として2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)、口栓に接触する側にはLDPE(厚さ30μm)とした。両者をドライラミネートで貼りあわせた。口栓溶着用フィルムの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムにレーザー照射を行なわないこと以外は実施例1と同様である。
<実施例3>
口栓溶着用フィルム層構成:LLDPE(厚さ10μm)/接着性樹脂(厚さ5μm)/ポリエチレンテレフタレート樹脂(厚さ10μm)を、キャスト法で共押し出ししたこと、およびレーザー照射を行なわないこと以外は、実施例1と同様である。
<比較例1>
積層体を以下の構成で作成し、口栓付きの液体用紙容器を作成した。
容器外層側から、
LDPE(厚さ20μ)/紙基材(400g/m)/EMAA(厚さ20μ、)/シリカ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)/ドライラミネート/LLDPE(厚さ60μm)
積層体構成を上記としたこと、および口栓溶着用フィルムを使用しないこと以外は実施例1と同様である。なおこの積層体の構成は、従来の液体用紙容器として用いられている一例である。
<比較例2>
積層体を以下の構成で作成し、口栓付きの液体用紙容器を作成した。
容器外層側から、
LDPE(厚さ20μ)/紙基材(400g/m)/EMAA(厚さ20μ、)/シリカ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)/ドライラミネート/2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ60μm)
積層体内層側からシール部分にレーザー照射を行なった。
積層体構成を上記としたこと、および口栓溶着用フィルムを使用しないこと以外は実施例1と同様である。
<評価項目1>
(口栓溶着適性)
実施例1〜3、比較例1および2で作成した液体用紙用機に対して、充填機にて口栓の超音波溶着を行い、チェック液を使用して口栓部分の液漏れを確認した。(漏れ数/評価数)。
<評価項目2>
(香り)
芋焼酎を充填し、30℃で3ヶ月保存後に、その香りについて官能検査で評価した。評価基準は以下のとおりである。
比較例1より香りが強い:○
比較例1より香りが弱い:×
なおパネラー数は10名で行なった。
<評価項目3>
(味覚)
液体用紙容器に蒸留水を充填して、30℃で3ヶ月保存後に常温に戻して官能検査による評価を行なった。表秋純は以下のとおりである。
比較例1より良好:○
比較例1より劣悪:×
なおパネラー数は10名で行なった。
評価結果を表1に示す。
表1に示した結果において、比較例1は現行の液体用紙用の仕様であって、評価において比較の対象としたが、本発明の課題である、内容物の香味成分の吸着が少ない口栓付きの液体用紙容器の提供を満足しているとはいえない。
また比較例2においては口栓の装着において液漏れの問題が発生しており、口栓溶着適性において不適である。すなわち液体用紙容器として実用に足るものではない。これは、比較例2においては、積層体の構成は実施例1に近似の構成であるにもかかわらず、口栓溶着用フィルムを用いていないために、ポリエチレンテレフタレート樹脂からなる容器内層側のシーラント層と、低密度ポリエチレン樹脂からなる口栓を溶着することができないことによるものと考えられる。
これに対し実施例1〜実施例3は、本発明による積層体構成および口栓溶着フィルムを用いたものであり、いずれの評価項目においても良好な結果となっている。これは、本発明による液体用紙容器が、シーラント層にポリエチレンテレフタレート樹脂を用いており、レーザー光照射によるヒートシール性を付与したことに加えて、口栓の装着において、口栓溶着用フィルムを用いている効果であるといってよい。
このように、本発明によって内容物の香味成分の吸着が少ない口栓付きの液体用紙容器
を提供することが可能であることを検証することができた。
1・・・口栓
2・・・胴部
3・・・頂部
4・・・底部
5・・・トップシール部
6・・・紙基材層
7・・・シーラント層
8・・・熱可塑性樹脂層
9・・・ガスバリア層
10・・・プラスチックフィルム
11・・・無機化合物層
12・・・接着層
13・・・接着層
14・・・印刷層
20・・・口栓
21・・・口栓溶着用フィルム
22・・・口栓溶着部
23・・・ポリエチレンテレフタレート樹脂層
24・・・ポリエチレン樹脂層
25・・・口栓貫通用穴
26・・・トップシール部
27・・・サイドシール部
28・・・底部シール部
101・・・液体用紙容器
102・・・積層体

Claims (2)

  1. 紙を基材とした積層体からなる、ポリエチレン樹脂製の口栓付きの液体用紙容器であって、容器内層には2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが設けられており、前記ポリエチレンテレフタレートフィルム表面に、炭酸ガスレーザーにより出力20W、描画速度3000mm/秒で赤外線波長のレーザー光を照射してヒートシール性を発現させてシーラント層とし、口栓が、口栓溶着用フィルムを介して容器内側に溶着されており、
    前記口栓溶着用フィルムが、紙容器内層側のシーラント層に接する面はポリエステル樹脂層であり、口栓に接する面がポリエチレン樹脂からなる積層体であることを特徴とする液体用紙容器。
  2. 前記レーザー光は、前記積層体のヒートシール部分にのみ選択的に照射することを特徴とする請求項1に記載の液体用紙容器。
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