JP6802646B2 - 壁体、壁体の構築方法および型枠兼用壁部材 - Google Patents
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Description
一方、特許文献1には、剛性の高いプレキャストコンクリート残存型枠を使用することで工期短縮化を図る工法が開示されている。プレキャストコンクリート残存型枠は、木製型枠に比べて剛性が高いため、支持部材の簡素化を図ることができ、かつ、型枠解体工事が不要となる。そのため、特許文献1の工法によれば、施工効率が向上し、工期を短縮することができる。
このような観点から、本発明は、壁筋の配筋作業に要する手間を簡素化し得る構造を具備した壁体およびその構築方法を提供することを課題とし、さらには、壁体を構築する際に壁筋の配筋作業を簡素化することが可能な型枠兼用壁部材を提供することを課題とする。
また、隣り合うプレキャストコンクリート板により保持された鉄筋同士は、重ね継手によって連結されているので、PCa板同士の境界部分においても引張力を伝達することができる。
また、前記表面部の一部または全部が、前記本体部と一体となって構造体として機能するものであれば、壁体の薄肉化を図ることができる。
前記縦筋または前記横筋と交差するように配筋されたトラス筋を有し、前記トラス筋の一部が前記本体部に埋設されていて、残りの部分が前記プレキャストコンクリート板に埋設されていれば、壁体のさらなる薄肉化を図ることができるとともに、表面部が本体部から脱落することを防止することができる。
隣り合う前記プレキャストコンクリート板同士の間にコンクリートが充填された目地が形成されていれば、プレキャストコンクリート板同士の隙間により施工誤差を吸収することができるとともに、施工速度の向上を図ることができる。
前記壁体に、前記本体部の縦方向または横方向に沿って埋設された緊張材を介してプレストレスが付加されていれば、さらなる壁厚の薄肉化を図ることができるとともに、耐震性能の向上を図ることができる。なお、前記本体部が円筒状に形成されている場合には、前記本体部に埋設されたリング状の緊張材を介してプレストレスを付加すればよい。
かかる壁体の構築方法によれば、縦筋および横筋のうちの少なくとも一方を保持するプレキャストコンクリート板を使用するため、現場での配筋作業の手間を省略あるいは軽減することができる。また、プレキャストコンクリート板を堰板として利用しているので、桟木や単管、セパレータ等の支持部材を削減または省略できる。さらに、さらにプレキャストコンクリート板を撤去する必要がないので、型枠解体作業が不要になる。
かかる型枠兼用壁部材は、壁体の型枠として機能するため、型枠の解体に要する手間を省略することができる。また、接続部材が、セパレータとして機能するとともに、補強材として剛性の確保に寄与する。
第一の実施形態では、鉄筋コンクリート造の壁体1について説明する。
壁体1は、図1に示すように、本体部2と、本体部2の前後の表面に形成された表面部3,3とを備えている。
本体部2は、場所打ちコンクリートにより形成されている。本体部2には、補強材として、壁筋4(縦筋41および横筋42)が埋設されている(図2参照)。
一対の表面部3,3は、複数の型枠兼用壁部材5,5,…を上下左右に連設することにより形成されている。
型枠兼用壁部材5は、図2(a)および(b)に示すように、間隔をあけて対向する一対のプレキャストコンクリート板51,51と、プレキャストコンクリート板51同士の間に横架された複数の接続部材52,52と、プレキャストコンクリート板51同士の間に介設されたガイド部材53と、プレキャストコンクリート板51に保持された壁筋4(縦筋41および横筋42)とを備えている。すなわち、表面部3は、本体部2に沿って並設された複数のプレキャストコンクリート板51,51,…により形成されている。
図1に示すように、上下左右に隣接するプレキャストコンクリート板51同士の間には隙間(目地)が形成されている。プレキャストコンクリート材同士の間の目地にはコンクリートが充填されている。なお、目地材はコンクリートに限定されるものではなく、例えばモルタルであってもよい。
プレキャストコンクリート板51の内面側には、壁筋4が配筋されている。本実施形態では、壁筋4として、縦筋41、横筋42およびトラス筋43,44(図3参照)が配筋されている。なお、壁筋4の構成は限定されるものではない。
縦筋41は、プレキャストコンクリート51の長手方向に沿って所定のピッチにより配筋されている。縦筋41の配筋ピッチおよび鉄筋径は限定されるものではなく、適宜設計すればよい。
縦筋41は、プレキャストコンクリート板51の高さよりも大きな長さを有していて、プレキャストコンクリート板51に沿う基部41aと、プレキャストコンクリート板51の上端から張り出すラップ部41bとを有している。縦筋41は、基部41aとラップ部41bとの境界部において段差を有している。縦筋41のラップ部41bは基部41aよりもプレキャストコンクリート板51から離れるように加工されている。縦筋41のラップ部41bは、上方に配設された他の型枠兼用壁部材5のプレキャストコンクリート板51,51同士の間に挿入されて、当該他の型枠兼用部材5の縦筋41の基部41aの内側に添設される。
横筋42は、プレキャストコンクリート板51の幅よりも大きな長さを有していて、プレキャストコンクリート板51に沿う基部42aと、プレキャストコンクリート板51から張り出すラップ部42bとを有している。すなわち、本実施形態の型枠兼用壁部材5は、縦筋41と横筋42との両方が、プレキャストコンクリート板51の端部から張り出している。
横筋42の基部42aとラップ部42bとの間には、傾斜部42cが形成されている。傾斜部42cは、基部42aからラップ部42bに向うにつれてプレキャストコンクリート板51から離れるように傾斜している。ラップ部42bは、基部41aよりもプレキャストコンクリート板51から離れている。横筋42のラップ部42bは、側方に隣接する他の型枠兼用壁部材5のプレキャストコンクリート板51,51同士の間に挿入されて、当該他の型枠兼用部材5の横筋42の基部42aの内側に添設される。
本実施形態では、縦筋41と交差するように配筋されたトラス筋(横トラス筋)43と、横筋42と交差するように配筋されたトラス筋(縦トラス筋)44とを備えている。なお、横トラス筋43および縦トラス筋44は、必要に応じて配筋すればよく、省略してもよい。また、プレキャストコンクリート板51には、横トラス筋43および縦トラス筋44のいずれか一方のみが配筋されていてもよい。
縦トラス筋44は、横筋42を保持している。本実施形態では、縦トラス筋44とプレキャストコンクリート板51とにより囲まれた空間に横筋42を挿入するとともに、横筋42を縦トラス筋44に固定している。なお、横筋42の固定方法は限定されるものではないが、例えば、横筋42と縦トラス筋44とを結束線により結束するか溶接すればよい。
本実施形態の接続部材52は、凹字状の鋼材(溝形鋼)からなる。接続部材52は、開口部分が上になるように設けられている。なお、接続部材52を構成する材料は限定されるものではなく、例えばL型鋼を使用してもよい。また、接続部材52は、開口部分が下側になるように設けられていてもよく、接続部材52の向きは限定されるものではない。
本実施形態では、上下2段の接続部材52,52が、プレキャストコンクリート板51の長手方向に間隔をあけて複数列配設されているが、接続部材52の数や配置は限定されるものではなく、適宜設定すればよい。
接続部材52の両端には、固定部52aが一体に形成されている。固定部52aは、プレキャストコンクリート板51の内面に固定された板材であって、接続部材52の端部に溶接されている。なお、接続部材52の固定方法は、限定されるものではない。また、固定部52aの形成方法も限定されるものではない。
ガイド部材53の上部(プレキャストコンクリート板51の上端からの突出部分)は、直上に配設された他の型枠兼用壁部材5のプレキャストコンクリート板51,51同士の間に挿入される。ガイド部材53には、上方に配設された型枠兼用壁部材5の接続部材52が上載される。
縦材53aの上端には、受台53dが形成されている。受台53dは、凹字状の鋼材を縦材53aの上端に固定(例えば溶接)することにより形成されている。図4(b)および(c)に示すように、受台53dは、型枠兼用壁部材5を上下に重ねた際に、上側の型枠兼用壁部材5の接続部材52を挿入することが可能な形状を有している。なお、受材53dは、必ずしも凹字状の鋼材である必要はなく、例えば、平板であってもよい。また、接続部材52を上載することが可能となるように縦材53aの上端を加工した場合や、接続部材52をガイド部材53に載置する必要がない場合等には、受材53dを省略してもよい。
壁体の構築方法は、PCa板配置工程と、打設工程とを備えている。
PCa板材配置工程は、図5に示すように、複数のプレキャストコンクリート板51,51,…を並設する工程である。本実施形態では、段毎に型枠兼用壁部材5を左右に並べることでプレキャストコンクリート板51を並設する。
縦筋41および横筋42は、プレキャストコンクリート板51に保持されているため、型枠兼用壁部材5を配置すると、必要な壁筋4が配筋される。隣り合う型枠兼用壁部材5に保持された壁筋4同士は、互いのラップ部41b,42bと基部41a,42aとが重ね継手により連結される。
コンクリート養生後、型枠を撤去し、目地6にコンクリートを充填する。
なお、コンクリートの打設は、型枠兼用壁部材5の段毎に行ってもよいし、型枠兼用壁部材5を複数段組み立ててからまとめて行ってもよい。
また、トラス筋43,44が本体部2と表面部3とに跨って配筋されているため、プレキャストコンクリート板51の脱落が防止されている。
プレキャストコンクリート板51同士の間に目地6が形成されるため、万が一施工誤差が生じた場合であっても、目地6により吸収することができる。
型枠兼用壁部材5を利用しているため、型枠を目地のみに配設すればよい。そのため型枠工に要する手間を軽減することができる。すなわち、型枠兼用壁部材5を並設することで、所望の位置に型枠を設置することができる。また、型枠兼用壁部材5は撤去する必要がないため、型枠の撤去に要する手間を省略することができる。型枠兼用壁部材5がガイド部材53を有しているため、型枠兼用壁部材5の位置決めが容易である。
第二の実施形態では、柱7,7間に形成される壁体1について説明する。
図6(a)および(b)に示すように、壁体1は、左右の柱7,7の間に、型枠兼用壁部材5,5を積み上げることにより形成する。
型枠兼用壁部材5は、間隔をあけて対向する一対のプレキャストコンクリート板51,51と、プレキャストコンクリート板51同士の間に横架された複数の接続部材52,52(図2(b)参照)と、プレキャストコンクリート板51に保持された壁筋4(縦筋41および横筋42)とを備えている。なお、型枠兼用壁部材5には、必要に応じてガイド部材が配設される。
縦筋41は、プレキャストコンクリート51の長手方向に沿って所定のピッチにより配筋されている。縦筋41の配筋ピッチおよび鉄筋径は限定されるものではなく、適宜設計すればよい。
縦筋41は、プレキャストコンクリート板51の高さよりも大きな長さを有していて、プレキャストコンクリート板51に沿う基部41aと、プレキャストコンクリート板51の上端から張り出すラップ部41bとを有している。縦筋41は、基部41aとラップ部41bとの境界部において段差を有している。縦筋41のラップ部41bは、基部41aよりもプレキャストコンクリート板51から離れるように加工されている。縦筋41のラップ部41bは、上方に配設された他の型枠兼用壁部材5のプレキャストコンクリート板51,51同士の間に挿入されて、当該他の型枠兼用壁部材5の縦筋41の基部41aの内側に添設される。
接続部材52は、プレキャストコンクリート板51同士の間に横架されていて、プレキャストコンクリート板51同士の間隔を保持している(図2(b)参照)。接続部材52の詳細は第一の実施形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
壁体の構築方法は、PCa板配置工程と、打設工程とを備えている。
PCa板材配置工程は、複数のプレキャストコンクリート板51,51を配設する工程である。本実施形態では、左右の柱7,7の間に型枠兼用壁部材5を挿入することでプレキャストコンクリート板51を配設する。
縦筋41および横筋42は、プレキャストコンクリート板51に保持されているため、型枠兼用壁部材5を配置すると、必要な壁筋4が配筋される。上下に隣り合う型枠兼用壁部材5に保持された縦筋41同士は、互いの基部41aとラップ部41bとが重ね継手により連結される。
型枠兼用壁部材5を柱7同士の間に配設すると、定着部材71,71,…が前後のプレキャストコンクリート板51,51の間に挿入されるとともに、定着部材71,71,…が横筋42,42,…と重ね継手により連結される。
なお、コンクリートの打設は、型枠兼用壁部材5の段毎に行ってもよいし、型枠兼用壁部材5を複数段組み立ててからまとめて行ってもよい。
壁体1は、定着部材71を介して柱7と接合されているため、柱7とともに建物の躯体として機能する。
型枠兼用壁部材5を利用しているため、型枠の設置および撤去に要する手間を省略することができる。すなわち、型枠兼用壁部材5を並設することで、所望の位置に型枠を設置することができる。また、型枠兼用壁部材5は撤去する必要がないため、型枠の撤去に要する手間を省略することができる。
第三の実施形態では、図7に示すタンクTの壁体1を形成する場合について説明する。
壁体1は、円筒状に形成されている。なお、壁体1の形状は円筒状に限定されるものではなく、例えば角筒状であってもよい。
壁体1には、横方向に沿って埋設された緊張材を介してプレストレスが導入されている。なお、壁体1には、縦方向に沿って緊張材が埋設されていてもよい。
一対の表面部3,3は、複数の型枠兼用壁部材5,5,…を上下左右に連設することにより形成されている。
型枠兼用壁部材5は、図8に示すように、間隔をあけて対向する一対のプレキャストコンクリート板51,51と、プレキャストコンクリート板51同士の間に横架された複数の接続部材52,52,…と、プレキャストコンクリート板51に保持された横筋42とを備えている。すなわち、表面部3は、本体部2に沿って並設された複数のプレキャストコンクリート板51,51,…により形成されている。なお、型枠兼用壁部材5には、必要に応じてガイド部材が配設されている。
型枠兼用壁部材5は、タンクTの内空側において左右に隣り合うプレキャストコンクリート板51同士の隙間が、タンクTの外側において左右に隣り合うプレキャストコンクリート板51同士の隙間よりも小さくなるように配設する。
なお、プレキャストコンクリート板51の詳細は、第一の実施形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
横筋42は、プレキャストコンクリート51の高さ方向に沿って所定のピッチにより配筋されている。なお、横筋42の配筋ピッチおよび鉄筋径は限定されるものではなく、適宜設計すればよい。
横筋42のラップ部42bは、図9(a)に示すように、側方に隣接する他の型枠兼用壁部材5のプレキャストコンクリート板51,51同士の間に挿入されて、当該他の型枠兼用壁部材5の横筋42の基部42aの内側に添設される。すなわち、本実施形態の型枠兼用壁部材5は、横筋42のみをプレキャストコンクリート板51の端部から張り出させた状態で予め保持している。
トラス筋43は、横筋42に沿って配筋されている。なお、トラス筋43必要に応じて配筋すればよく、省略してもよい。
トラス筋43は、縦筋41を保持する。本実施形態では、トラス筋43とプレキャストコンクリート板51とにより囲まれた空間に縦筋41を挿入することにより縦筋を配筋する。なお、縦筋41の固定方法は限定されるものではないが、例えば、結束線により縦筋41と横トラス筋43とを結束すればよい。
縦筋41は、プレキャストコンクリート板51の高さよりも大きな長さを有していて、図9(b)に示すように、配筋した際に、上部がプレキャストコンクリート板51の上端から突出する。縦筋41は、上方に配設された他の型枠兼用壁部材5のプレキャストコンクリート板51,51同士の間に挿入される。
壁体の構築方法は、PCa板配置工程と、緊張材設定工程と、配筋工程と、型枠工程と、打設工程とを備えている。
PCa板材配置工程は、図9(a)に示すように、複数のプレキャストコンクリート板51,51,…を並設する工程である。型枠兼用壁部材5を左右に並べることでプレキャストコンクリート板51を並設する。
型枠兼用壁部材5は、プレキャストコンクリート板51を介して横筋42が保持しているため、型枠兼用壁部材5の配置をすると、必要な横筋42が配筋される。隣り合う型枠兼用壁部材5に保持された横筋42同士は、互いのラップ部42bと基部42aとが重ね継手により連結される。
配筋工程は、図9(b)に示すように、縦筋41を配筋する工程である。縦筋41は、トラス筋43とプレキャストコンクリート板51と隙間に挿入することにより配筋する。
型枠工程は、プレキャストコンクリート板51同士の隙間に型枠9を設置する工程である。なお、型枠9の設置にともない、緊張材8に緊張力を付与する。なお、緊張材8に緊張力を付与するタイミングは限定されない。
コンクリート養生後、型枠9を撤去し、目地6にコンクリートを充填する。
引き続き、図10(b)に示すように、PCa板配置工程と、緊張材設定工程と、配筋工程と、型枠工程と、打設工程を繰り返すことにより、所定の高さの壁体1を形成する。なお、緊張材8の端部(定着体11)に対応する部分では、図11に示すように、内側のプレキャストコンクリート板51を配設する。
プレキャストコンクリート板51同士の間に目地6が形成されているため、万が一施工誤差が生じた場合であっても、目地6により吸収することができる。
プレキャストコンクリート板51を堰板として利用しているので、桟木や単管、セパレータ等の支持部材を削減または省略できる。
型枠兼用壁部材5を利用しているため、型枠の設置および撤去に要する軽減することができる。すなわち、型枠兼用壁部材5を並設することで、所望の位置に型枠を設置することができ、したがって、プレキャストコンクリート板51同士の目地のみに型枠9を設置すればよい。また、型枠兼用壁部材5は撤去する必要がないため、型枠の撤去に要する手間を軽減することができる。
壁体1は、リング状の緊張材8を介してプレストレスが付加されているため、高耐力かつ耐震性に優れている。
前記各実施形態では、一対の表面部3,3が、本体部2を挟んで対向するように形成された壁体1について説明したが、壁体1は、本体部2の一方のみに表面部3が形成されていてもよい。
前記各実施形態では、対向するプレキャストコンクリート板51,51が同一形状である場合について説明したが、対向するプレキャストコンクリート板51,51の形状は異なっていてもよい。例えば、円筒状の壁体1を形成する場合において、外周側のプレキャストコンクリート板51の幅(長手方向の長さ)が、内周側のプレキャストコンクリート板51の幅よりも大きくてもよい。
2 本体部
3 表面部
4 壁筋
41 縦筋
42 横筋
43,44 トラス筋
5 型枠兼用壁部材
51 プレキャストコンクリート板
52 接続部材
53 ガイド部材
6 目地
7 柱
8 緊張材
Claims (10)
- 場所打ちコンクリートからなる本体部と、
前記本体部に沿って並設された複数のプレキャストコンクリート板からなる表面部と、
前記プレキャストコンクリート板に保持された縦筋および横筋と、を備える壁体であって、
前記縦筋および前記横筋のうちの少なくとも一方は、前記プレキャストコンクリート板に沿う基部と、当該プレキャストコンクリート板から張り出すラップ部とを有し、
前記基部と前記ラップ部との境界部には、前記ラップ部が前記基部よりも前記表面部から離れるように加工された段差を有しており、
隣り合う前記プレキャストコンクリート板のうちの一方に保持された前記縦筋または前記横筋の前記ラップ部と他方に保持された前記縦筋または前記横筋の前記基部とが重ね継手により連結されていることを特徴とする、壁体。 - 一対の前記表面部が、前記本体部を挟んで対向していることを特徴とする、請求項1に記載の壁体。
- 前記表面部の一部または全部が、前記本体部と一体となって構造体として機能することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の壁体。
- 前記縦筋または前記横筋と交差するように配筋されたトラス筋を有し、
前記トラス筋の一部が前記本体部に埋設されていて、残りの部分が前記プレキャストコンクリート板に埋設されていることを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の壁体。 - 隣り合う前記プレキャストコンクリート板同士の間にコンクリートが充填された目地が形成されていることを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の壁体。
- 前記本体部の縦方向または横方向に沿って埋設された緊張材を介してプレストレスが付加されていることを特徴とする、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の壁体。
- 前記本体部が円筒状に形成されており、
前記本体部に埋設されたリング状の緊張材を介してプレストレスが付加されていることを特徴とする、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の壁体。 - 縦筋および当該縦筋と交差する横筋を具備する壁体の構築方法であって、
縦筋および横筋のうちの少なくとも一方を保持させてなる複数のプレキャストコンクリート板を並設するPCa板配置工程と、
前記複数のプレキャストコンクリート板の背面側にコンクリートを打設する打設工程と、を備え、
前記プレキャストコンクリート板に保持された前記縦筋または前記横筋は、前記プレキャストコンクリート板に沿う基部と、当該プレキャストコンクリート板から張り出すラップ部とを有し、
前記基部と前記ラップ部との境界部には、前記ラップ部が前記基部よりも前記プレキャストコンクリート板から離れるように加工された段差を有しており、
前記PCa板配置工程では、隣り合う前記プレキャストコンクリート板のうちの一方に保持された前記縦筋または前記横筋の前記ラップ部と、他方に保持された前記縦筋または前記横筋の基部とを重ね継手により連結することを特徴とする、壁体の構築方法。 - 鉄筋コンクリート構造の壁体の一部を構成する型枠兼用壁部材であって、
間隔をあけて対向する一対のプレキャストコンクリート板と、
前記プレキャストコンクリート板同士の間に横架された接続部材と、
前記プレキャストコンクリート板に保持された壁筋と、を備え、
前記壁筋は、前記プレキャストコンクリート板に沿う基部と、当該プレキャストコンクリート板から張り出すラップ部とを有しており、
前記基部と前記ラップ部との境界部には、前記ラップ部が前記基部よりも前記壁筋を保持する前記プレキャストコンクリート板から離れるように加工された段差を有していることを特徴とする、型枠兼用壁部材。 - 前記プレキャストコンクリート板同士に間に横架されて、前記プレキャストコンクリート板の上端から突出するガイド部材を備えており、
前記ガイド部材の突出部分は、前記一対のプレキャストコンクリート板の直上に配設された他の型枠兼用壁部材のプレキャストコンクリート板同士の間に挿入されることを特徴とする、請求項9に記載の型枠兼用壁部材。
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