JP6902760B2 - コンクリート構造物の構築方法 - Google Patents

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Description

本発明は、コンクリート構造物の構築方法に関する。
現在、人口の減少及び少子高齢化の進行によって、建設現場において作業する現場作業員の数が減少していくことが強く懸念されている。近時、建設現場における生産性の向上を図るために、大型のボックスカルバート等に代表される種々のコンクリート構造物においても、型枠や鉄筋や足場や仮設支保工等を組むための多くの現場作業員を要する現場打ちコンクリートにのみ依存するのではなく、部分的にプレキャストコンクリート製のブロックを使用できるようにした構築手法が要望されつつある。
しかしながら、複数のプレキャストコンクリート製のブロックを用いて大型のコンクリート構造物を構築しようとすると、個々のプレキャストコンクリート製のブロックが大型化せざるを得ず、製造・運搬及び施工が困難になるという問題に直面することになる。このため、従来は、大型のコンクリート構造物を構築する場合に、ほとんどの部分を現場打ちコンクリートに依存せざるを得ないものとなっていた。
かかる課題を解消するため、従来から、製造・運搬及び施工が行い得る大きさのプレキャストコンクリート製のブロックとともに現場打ちコンクリートを併用した大型のコンクリート構造物(いわゆる、ハーフプレキャストコンクリート構造物)を構築する検討がなされている。
ところが、大型のハーフプレキャストコンクリート構造物を構築する場合には、小さく小分けされた複数のプレキャストコンクリート製のブロックが相当数必要になってしまうことになる。このため、検討の段階から、現場において複数のプレキャストコンクリート製のブロックを積み下ろしたり、そのプレキャストコンクリート製のブロックを所望の形状に正確に組み立て及び据え付けしたりする作業が著しく煩雑なものとなってしまうという問題点が指摘されていた。
なお、仮に、連結部材を介してコンクリートブロック同士を直接的に当接させたような一体構造体を用いた場合には、当接面の不陸に伴う局部的な応力集中によりひび割れが生じやすいという問題や、不陸に起因した設置誤差や複数の一体構造体間に生ずる寸法誤差を現場に於いて調整し難くなるという施工上の問題があるため、接合部の応力を万遍なく全体に伝達でき、据付時において設置誤差や寸法誤差を好適に調整し得る柔軟性に優れた構築方法が望まれている。
特開2007−146641号公報
本発明は、以上のような事情に着目してなされたものであり、プレキャストコンクリート製の部材とともに現場打ちコンクリートを併用して比較的大型のコンクリート構造物を好適に構築し得る方法を提供することにある。
すなわち、本発明は次の構成をなしている。
請求項1に記載の発明は、ベースと、このベース上に立設された壁体とを備えたコンクリート構造物の構築方法であって、前記壁体が、プレキャストコンクリート製である第一のパネルと、プレキャストコンクリート製である第二のパネルと、前記第一のパネルと前記第二のパネルとの間に設けられた現場打ちコンクリート配設空間に現場打ちコンクリートを打設することにより形成された現場打ち壁体構成部とを備えたものであり、前記壁体を形成するための工程が、互いに離間して配された前記第一のパネル及び前記第二のパネルを仮保持部材によって繋いでなり、当該第一、第二のパネルを前記仮保持部材とともに一体的に搬送可能に構成されたパネルユニットを製造するパネルユニット製造工程と、前記パネルユニットを、前記ベースの所定位置に搬送して据え付けるパネルユニット搬送据付工程と、前記パネルユニット搬送据付工程を経た後に、前記仮保持部材を前記第一、第二のパネルから離脱する仮保持部材離脱工程と、前記仮保持部材離脱工程を経た後に、前記現場打ちコンクリート配設空間に現場打ちコンクリートを打設する壁体打設工程と、を備えているコンクリート構造物の構築方法である。
請求項2に記載の発明は、前記仮保持部材は、一端が前記第一のパネルにおける一方の端面に取り付けられるとともに他端が前記第二のパネルにおける一方の端面に取り付けられる部材、及び、一端が前記第一のパネルにおける他方の端面に取り付けられるとともに他端が前記第二のパネルにおける他方の端面に取り付けられる部材の双方又は何れか一方である請求項1記載のコンクリート構造物の構築方法である。
請求項3に記載の発明は、前記パネルユニット搬送据付工程が、複数の前記パネルユニットを水平方向に隣り合わせて配置する工程を含むものであり、隣り合う前記第一のパネルにおける端面間及び隣り合う前記第二のパネルにおける端面間の双方又は何れか一方に、前記仮保持部材離脱工程により離脱された前記仮保持部材が通過し得る隙間が設けられている請求項2記載のコンクリート構造物の構築方法である。
請求項4に記載の発明は、前記隙間が、5〜25cmの大きさに設定されている請求項3記載のコンクリート構造物の構築方法である。
請求項5に記載の発明は、前記壁体打設工程が、前記隙間に現場打ちコンクリートを打設する工程を含んだものである請求項3又は4記載のコンクリート構造物の構築方法である。
請求項6に記載の発明は、前記パネルユニット搬送据付工程が、複数の前記パネルユニットを水平方向に隣り合わせて配置する工程を含むものであり、前記仮保持部材離脱工程が、少なくとも隣り合う前記パネルユニットの各現場打ちコンクリート配設空間を連通するように外部配力筋を配設する工程を含んだものである請求項1乃至5の何れか一項に記載のコンクリート構造物の構築方法である。
請求項7に記載の発明は、前記第一のパネル及び第二のパネルが、略矩形板状をなしたものであり、前記パネルユニットの構成時において互いに略平行をなしている請求項1乃至6の何れか一項に記載のコンクリート構造物の構築方法である。
請求項8に記載の発明は、前記第一、第二のパネルの双方又は何れか一方に、前記現場打ちコンクリート配設空間内に片持ち的に突出した補強鋼材が設けられている請求項1乃至7の何れか一項に記載のコンクリート構造物の構築方法である。
請求項9に記載の発明は、前記ベースが、ボックスカルバートの底版であり、前記壁体が、前記ボックスカルバートの底版の上に設けられた左右の側版である請求項1乃至8の何れか一項に記載のコンクリート構造物の構築方法である。
以上説明したように本発明によれば、プレキャストコンクリート製の部材とともに現場打ちコンクリートを併用して比較的大型のコンクリート構造物を好適に構築し得る方法を提供することができる。
本発明の一実施形態を示す斜視図。 同実施形態における正面図。 同実施形態における部分拡大右側面図。 同実施形態におけるX−X線断面図。 同実施形態におけるパネルユニットを説明する正面図。 同実施形態におけるパネルユニットを説明する斜視図。 同実施形態におけるコンクリート構造物の構築方法を説明するための模式的な斜視図(底版打設工程)。 同実施形態におけるコンクリート構造物の構築方法を説明するための模式的な斜視図(下のパネルユニット搬送据付工程)。 同実施形態におけるコンクリート構造物の構築方法を説明するための模式的な斜視図(下のパネルユニット搬送据付工程)。 同実施形態におけるコンクリート構造物の構築方法を説明するための模式的な斜視図(仮保持部材離脱工程)。 同実施形態におけるコンクリート構造物の構築方法を説明するための模式的な斜視図(上のパネルユニット搬送据付工程)。 同実施形態におけるコンクリート構造物の構築方法を説明するための模式的な斜視図(仮保持部材離脱工程)。 同実施形態におけるコンクリート構造物の構築方法を説明するための模式的な斜視図(側版打設工程)。 同実施形態におけるコンクリート構造物の構築方法を説明するための模式的な斜視図(側版打設工程)。 同実施形態におけるコンクリート構造物の構築方法を説明するための模式的な斜視図(頂版ブロック搬送据付工程)。 同実施形態におけるコンクリート構造物の構築方法を説明するための模式的な斜視図(頂版パネル搬送据付工程)。 同実施形態におけるコンクリート構造物の構築方法を説明するための模式的な斜視図(頂版打設工程)。
以下、本発明の一実施形態を、図1〜17を参照して説明する。
この実施形態は、本発明をコンクリート構造物であるボックスカルバートAに適用したものである。
ボックスカルバートAは、図1〜4に示すように、基礎Eの上に設けられたベースである底版Bと、底版Bの両端部に立設された壁体である左右の側版Cと、左右の側版Cの上端部間に架設された頂版Dとを備えたものである。
ボックスカルバートAは、後で詳述するように、複数のプレキャストコンクリート製の部材と、現場打ちコンクリートMを打設することによって構成された部分とを併用して作られたものである。
<<底版B>>
底版Bは、所定の型枠(図示せず)内に現場打ちコンクリートMを打設することにより形成されたものである。底版Bの内部には、補強用の鉄筋(図示せず)が配設されている。
底版Bには、外空側の下パネル1が配設される位置に合わせて上下方向に延びる外側の連結鉄筋v1が立設されているとともに内空側の下パネル2が配設される位置に合わせて上下方向に延びる内側の連結鉄筋v2が立設されている。
外側及び内側の連結鉄筋v1、v2は、外空側及び内空側の下パネル1、2の各下端部に設けたモルタル充填式継手tzの内部に位置するものとなっている。
<<側版C>>
左右の側版Cは、底版Bの左右両側部上にそれぞれ配設された第一のパネルである外空側の下パネル1、及び、第二のパネルである内空側の下パネル2と、外空側の下パネル1の上に配設された外空側の上パネル3と、内空側の下パネル2の上に配設された内空側の上パネル4と、外空側の下パネル1と内空側の下パネル2との間に設けられた現場打ちコンクリート配設空間たる第一の現場打ちコンクリート配設空間s1に現場打ちコンクリートMを打設することにより形成された現場打ち壁体構成部たる第一の現場打ち側版構成部g1と、外空側の上パネル3と内空側の上パネル4との間に設けられた第二の現場打ちコンクリート配設空間s2に現場打ちコンクリートMを打設することにより形成された第二の現場打ち側版構成部g2とを備えてなるものである。
<外空側の下パネル1>
外空側の下パネル1は、図5及び図6において詳細に示すように、略矩形板状をなしたプレキャストコンクリート製のものである。外空側の下パネル1はボックスカルバートAの外空側に位置している。
外空側の下パネル1における内側面nmすなわち第一の現場打ちコンクリート配設空間s1(第一の現場打ち側版構成部g1)側に臨む側面、及び、四つの小口端面すなわち前端面zm、後端面km、上端面jm、下端面umには、骨材等に基づく凹凸形状を外表面に表出させた打継ぎ処理(目荒し処理)が施されている。
外空側の下パネル1における内部には、水平方向に延びた複数の配力筋t1が設けられているとともに上下方向に延びた複数の主筋t2が設けられている。
外空側の下パネル1における下端部には、下方に開放された筒状をなす複数のモルタル充填式継手tzが間隔をあけて埋設されている。外空側の下パネル1に配されたモルタル充填式継手tzの内部には、底版Bに立設された外側の連結鉄筋v1が位置するようになっている。
外空側の下パネル1には、上端面から上方に突出してなる外側の連結鉄筋v1が間隔をあけて複数立設されている。外空側の下パネル1に立設された外側の連結鉄筋v1は、外空側の上パネル3に設けたモルタル充填式継手tzの内部に位置するものとなっている。
外空側の下パネル1には、当該外空側の下パネル1に片持ち的に支持された複数の補強鋼材hが設けられている。複数の補強鋼材hは、対向配置される内空側の下パネル2側すなわち第一の現場打ちコンクリート配設空間s1内(第一の現場打ち側版構成部g1内)に片持ち的に突出したものである。補強鋼材hの先端部は略U字状に曲がった形状をなしている。
<内空側の下パネル2>
内空側の下パネル2は、図5及び図6において詳細に示すように、略矩形板状をなしたプレキャストコンクリート製のものである。内空側の下パネル2はボックスカルバートAの内空側すなわち内部空間sp側に位置している。
内空側の下パネル2における内側面nmすなわち第一の現場打ちコンクリート配設空間s1(第一の現場打ち側版構成部g1)側に臨む側面、及び、四つの小口端面すなわち前端面zm、後端面km、上端面jm、下端面umには、骨材等に基づく凹凸形状を外表面に表出させた打継ぎ処理(目荒し処理)が施されている。
内空側の下パネル2における内部には、水平方向に延びた複数の配力筋t1が設けられているとともに上下方向に延びた複数の主筋t2が設けられている。
内空側の下パネル2における下端部には、下方に開放された筒状をなす複数のモルタル充填式継手tzが間隔をあけて埋設されている。内空側の下パネル2に配されたモルタル充填式継手tzの内部には、底版Bに立設された内側の連結鉄筋v2が位置するものとなっている。
内空側の下パネル2には、上端面から上方に突出してなる内側の連結鉄筋v2が間隔をあけて複数立設されている。内空側の下パネル2に立設された内側の連結鉄筋v2は、内空側の上パネル4に設けたモルタル充填式継手tzの内部に位置するものとなっている。
内空側の下パネル2には、当該内空側の下パネル2に片持ち的に支持された複数の補強鋼材hが設けられている。複数の補強鋼材hは、対向配置される外空側の下パネル1側すなわち第一の現場打ちコンクリート配設空間s1内(第一の現場打ち側版構成部g1内)に片持ち的に突出したものである。補強鋼材hの先端部は略U字状に曲がった形状をなしている。
<対向する外空側及び内空側の下パネル1、2の相互関係について>
第一の現場打ちコンクリート配設空間s1(第一の現場打ち側版構成部g1)を介して対向配置された外空側及び内空側の下パネル1、2は、略同じ大きさに設定されている。
外空側及び内空側の下パネル1、2は、それぞれ起立した姿勢をなしており、且つ、互いに略平行をなすように配設されている。また、外空側の下パネル1における下端縁たる下端面umと内空側の下パネル2における下端縁たる下端面umは、略同じ水平位置に設定されている。換言すれば、外空側及び内空側の下パネル1、2の下端面umは略同じ高さ位置に設定されている。
第一の現場打ちコンクリート配設空間s1は、外空側及び内空側の下パネル1、2の間に形成されている。換言すれば、外空側及び内空側の下パネル1、2の間には、上下方向及び前後方向に連通した第一の現場打ちコンクリート配設空間s1が形成されている。第一の現場打ちコンクリート配設空間s1に現場打ちコンクリートMが打設された後は、その領域が第一の現場打ち側版構成部g1を構成するものとなる。
<外空側の上パネル3>
外空側の上パネル3は、内空側の下パネル1と同じ構造のものであるため、図5及び図6を参照して説明し、内部構造に関する符号は共通の符号を付して説明する。
外空側の上パネル3は、図5及び図6において詳細に示すように、略矩形板状をなしたプレキャストコンクリート製のものである。外空側の上パネル3はボックスカルバートAの外空側に位置している。
外空側の上パネル3における内側面nmすなわち第二の現場打ちコンクリート配設空間s2(第二の現場打ち側版構成部g2)側に臨む側面、及び、四つの小口端面すなわち前端面zm、後端面km、上端面jm、下端面umには、骨材等に基づく凹凸形状を外表面に表出させた打継ぎ処理(目荒し処理)が施されている。
外空側の上パネル3における内部には、水平方向に延びた複数の配力筋t1が設けられているとともに上下方向に延びた複数の主筋t2が設けられている。
外空側の上パネル3における下端部には、下方に開放された筒状をなす複数のモルタル充填式継手tzが間隔をあけて埋設されている。外空側の上パネル3に配されたモルタル充填式継手tzの内部には、外空側の下パネル1に立設された外側の連結鉄筋v1が位置するものとなっている。
外空側の上パネル3には、上端面から上方に突出してなる外側の連結鉄筋v1が間隔をあけて複数立設されている。外空側の上パネル3に立設された外側の連結鉄筋v1は、頂版パネル5に設けたモルタル充填式継手tzの内部に位置するものとなっている。
外空側の上パネル3には、当該外空側の上パネル3に片持ち的に支持された複数の補強鋼材hが設けられている。複数の補強鋼材hは、対向配置される内空側の上パネル4側すなわち第二の現場打ちコンクリート配設空間s2内(第二の現場打ち側版構成部g2内)に片持ち的に突出したものである。補強鋼材hの先端部は略U字状に曲がった形状をなしている。
<内空側の上パネル4>
内空側の上パネル4は、内空側の下パネル2と同じ構造のものであるため、図5及び図6を参照して説明し、内部構造に関する符号は共通の符号を付して説明する。
内空側の上パネル4は、図5及び図6において詳細に示すように、略矩形板状をなしたプレキャストコンクリート製のものである。内空側の上パネル4はボックスカルバートAの内空側すなわち内部空間sp側に位置している。
内空側の上パネル4における内側面nmすなわち第二の現場打ちコンクリート配設空間s2(第二の現場打ち側版構成部g2)側に臨む側面、及び、四つの小口端面すなわち前端面zm、後端面km、上端面jm、下端面umには、骨材等に基づく凹凸形状を外表面に表出させた打継ぎ処理(目荒し処理)が施されている。
内空側の上パネル4における内部には、水平方向に延びた複数の配力筋t1が設けられているとともに上下方向に延びた複数の主筋t2が設けられている。
内空側の上パネル4における下端部には、下方に開放された筒状をなす複数のモルタル充填式継手tzが間隔をあけて埋設されている。内空側の上パネル4に配されたモルタル充填式継手tzの内部には、内空側の下パネル2に立設された内側の連結鉄筋v2が位置するものとなっている。
内空側の上パネル4は、上端面から上方に突出してなる内側の連結鉄筋v2が間隔をあけて複数立設されている。内空側の上パネル4に立設された内側の連結鉄筋v2は、頂版ブロック6に設けたモルタル充填式継手tzの内部に位置するものとなっている。
内空側の上パネル4には、当該内空側の上パネル4に片持ち的に支持された複数の補強鋼材hが設けられている。複数の補強鋼材hは、対向配置される外空側の上パネル3側すなわち第二の現場打ちコンクリート配設空間s2内(第二の現場打ち側版構成部g2内)に片持ち的に突出したものである。補強鋼材hの先端部は略U字状に曲がった形状をなしている。
<対向する外空側及び内空側の上パネル3、4の相互関係について>
第二の現場打ちコンクリート配設空間s2(第二の現場打ち側版構成部g2)を介して対向配置された外空側及び内空側の上パネル3、4は、略同じ大きさに設定されている。
外空側及び内空側の上パネル3、4は、それぞれ起立した姿勢をなしており、且つ、互いに略平行をなすように配設されている。また、外空側の上パネル3における下端縁たる下端面umと内空側の上パネル4における下端縁たる下端面umは、略同じ水平位置に設定されている。換言すれば、外空側及び内空側の上パネル3、4の下端面umは略同じ高さ位置に設定されている。
第二の現場打ちコンクリート配設空間s2は、外空側及び内空側の上パネル3、4の間に形成されている。換言すれば、外空側及び内空側の上パネル3、4の間には、上下方向及び前後方向に連通した第二の現場打ちコンクリート配設空間s2が形成されている。第二の現場打ちコンクリート配設空間s2に現場打ちコンクリートMが打設された後は、その領域が第二の現場打ち側版構成部g2を構成するものとなる。
<<頂版D>>
頂版Dは、左右の側版Cを構成する外空側の上パネル3の上に取り付けられた頂版パネル5と、左右の側版Cを構成する内空側の上パネル4の上に取り付けられた頂版ブロック6と、頂版ブロック6の上側、頂版ブロック6と頂版パネル5との間、及び、対向配置された頂版パネル5間に形成された頂版用の現場打ちコンクリート配設空間s3に現場打ちコンクリートMを打設することにより形成された現場打ち頂版構成部g3とを備えている。
<頂版パネル5>
頂版パネル5は、図16〜17に示すように、略矩形板状をなしたプレキャストコンクリート製のものである。頂版パネル5はボックスカルバートAの外空側に位置している。
頂版パネル5における内側面すなわち頂版用の現場打ちコンクリート配設空間s3側に臨む側面、及び、三つの小口端面すなわち前端面、後端面、下端面には、骨材等に基づく凹凸形状を外表面に表出させた打継ぎ処理(目荒し処理)が施されている。
頂版パネル5の内部構造については、外空側の下パネル1(図5及び図6を参照)と同様の構造のものであるため、図示を省略している。
すなわち、頂版パネル5の内部には、水平方向に延びた複数の配力筋(図示せず)が設けられているとともに上下方向に延びた複数の主筋(図示せず)が設けられている。なお、頂版パネル5の上部には、当該頂版パネル5に片持ち的に支持された複数の水平主筋t21を有している。上下方向に延びた図示しない主筋と水平主筋t21とは一体に連続している。水平主筋t21は、頂版用の現場打ちコンクリート配設空間s3側に向かって突出している。また、頂版パネル5における下端部には、下方に開放された筒状をなす複数のモルタル充填式継手tzが間隔をあけて埋設されている。頂版パネル5に配されたモルタル充填式継手tzの内部には、外空側の上パネル3に立設された外側の連結鉄筋v1が位置するものとなっている。
頂版パネル5の下部には、当該頂版パネル5に片持ち的に支持された複数の補強鋼材hが設けられている。複数の補強鋼材hは、頂版用の現場打ちコンクリート配設空間s3内(現場打ち頂版構成部g3内)に片持ち的に突出したものである。
<頂版ブロック6>
頂版ブロック6は横長ブロック状をなしたプレキャストコンクリート製のものである。頂版ブロック6は、左右に配設された内空側の上パネル4の上に立設される左右の起立部61と、左右の起立部61の上端部間を繋ぐ水平部62とを備えた下向きコ字状をなすものである。頂版ブロック6は、ボックスカルバートAの内空側すなわち内部空間sp側に位置している。
頂版ブロック6の前後寸法は、搬送可能な重量等を考慮して、頂版パネル5やその他のパネルの前後寸法よりも短く設定されている。
頂版ブロック6における頂版用の現場打ちコンクリート配設空間s3(現場打ち頂版構成部g3)側に臨む面、及び、三つの小口端面すなわち前端面、後端面、及び、起立部の下端面には、骨材等に基づく凹凸形状を外表面に表出させた打継ぎ処理(目荒し処理)が施されている。
起立部61の内部構造については、外空側の下パネル1(図5及び図6を参照)と同様の構造のものであるため、図示を省略している。
すなわち、起立部61の内部には、水平方向に延びた複数の配力筋(図示せず)や上下方向に延びた複数の主筋(図示せず)が設けられている。また、起立部61の下端部には、下方に開放された筒状をなす複数のモルタル充填式継手tzが間隔をあけて埋設されている。起立部61に配されたモルタル充填式継手tzには、内空側の上パネル4に立設された内側の連結鉄筋v2が位置するものとなっている。
起立部61には、当該起立部61に片持ち的に支持された複数の補強鋼材hが設けられている。複数の補強鋼材hは、頂版パネル5側に向かって略水平に延びてなるものである。補強鋼材hの先端部は略U字状に曲がった形状をなしている。
水平部62の内部には、前後の水平方向に延びた複数の配力筋(図示せず)が設けられている。また、水平部62には、左右方向に延びてなり両端部が頂版用の現場打ちコンクリート配設空間s3(現場打ち頂版構成部g3)に突出した複数の主筋t23が設けられると同時にPC鋼材を用いたプレストレスが付与されている。水平部62には、上方に向かって複数の補強鋼材hが立設されている。水平部62に立設された複数の補強鋼材hの先端部は略U字状に曲がった形状をなしている。
起立部61と水平部62との境界部分となる角部63には、上端部側及び下端部側が頂版用の現場打ちコンクリート配設空間s3(現場打ち頂版構成部g3)に突出する傾斜鉄筋ksが埋設されている。
<隣接配置された部材間の隙間(横方向隙間YS)について>
ボックスカルバートAは、図3及び図4において詳細に示すように、複数の外空側の下パネル1がボックスカルバートAの内部空間spが連通する方向である前後方向に隣り合わせて配置されており、複数の内空側の下パネル2が前後方向に隣り合わせて配置されている。
そして、隣り合う外空側の下パネル1、1は約10cmの横方向隙間YSを介して配置されており、隣り合う内空側の下パネル2、2は約10cmの横方向隙間YSを介して配置されている。横方向隙間YSには、現場打ちコンクリートMが打設されている。換言すれば、ボックスカルバートAは、隣り合う外空側の下パネル1、1間の横方向隙間YSに充填された現場打ちコンクリートMが硬化することにより隙間打設部が設けられており、隣り合う内空側の下パネル2、2間の横方向隙間YSに充填された現場打ちコンクリートMが硬化することにより隙間打設部が設けられている。
また、外空側及び内空側の下パネル1、2と同様に、ボックスカルバートAは、複数の外空側の上パネル3が前後方向に隣り合わせて配置されており、複数の内空側の上パネル4が前後方向に隣り合わせて配置されている。そして、隣り合う外空側の上パネル3、3は約10cmの横方向隙間YSを介して配置されており、隣り合う内空側の上パネル4、4は約10cmの横方向隙間YSを介して配置されている。横方向隙間YSには、現場打ちコンクリートMが打設されている。換言すれば、ボックスカルバートAは、隣り合う外空側の上パネル3、3間の横方向隙間YSに充填された現場打ちコンクリートMが硬化することにより隙間打設部が設けられており、隣り合う内空側の上パネル4、4間の横方向隙間YSに充填された現場打ちコンクリートMが硬化することにより隙間打設部が設けられている。
さらに、外空側及び内空側の下パネル1、2と同様に、ボックスカルバートAは、複数の頂版パネル5が前後方向に隣り合わせて配置されており、複数の頂版ブロック6が前後方向に隣り合わせて配置されている。そして、隣り合う頂版パネル5、5は約10cmの横方向隙間YSを介して配置されており、隣り合う頂版ブロック6、6は約10cmの横方向隙間YSを介して配置されている。横方向隙間YSには、現場打ちコンクリートMが打設されている。換言すれば、ボックスカルバートAは、隣り合う頂版パネル5、5間の横方向隙間YSに充填された現場打ちコンクリートMが硬化することにより隙間打設部が設けられており、隣り合う頂版ブロック6、6間の横方向隙間YSに充填された現場打ちコンクリートMが硬化することにより隙間打設部が設けられている。
側版Cの構成部材である前後方向に隣り合う各パネル間の横方向隙間YSは、後で詳述する仮保持部材離脱工程w24において各パネルから離脱された仮保持部材Kが通過し得る大きさに設定されている。
なお、横方向隙間YSは、約10cmの大きさのものに限られないのはもちろんのことである。横方向隙間YSの大きさは厳密に特定されるものではないが5〜25cm範囲内に設定されることが望ましい。横方向隙間YSの大きさが5〜25cmの範囲内のものであると、現場作業員による手を使った作業(例えば、横方向隙間YSを通じて仮保持部材Kを各パネルから取り外す作業や、横方向隙間YSを通じて仮保持部材Kを移動する作業や、横方向隙間YSを通じて行われる外部配力筋pの設置作業等が挙げられる。)を無理なく実行し得るとともに、各パネルを現場打ちコンクリートMの主たる型枠として好適に機能させ得るものとなる。
<上下に配設された部材間の隙間(縦方向隙間TS)について>
底版Bと外空側の下パネル1、及び、底版Bと内空側の下パネル2は、上下方向に約2cmの縦方向隙間TSを開けて配設されている。具体的には、底版Bと外空側の下パネル1との間、及び、底版Bと内空側の下パネル2との間に、約2cmの厚みを有した板状のスペーサmaを配置することにより、底版Bの上面と外空側の下パネル1の下面との間、及び、底版Bの上面と内空側の下パネル2の下面との間に、約2cmの縦方向隙間TSを設けている。
底版Bと外空側の下パネル1との一体化、及び、底版Bと内空側の下パネル2との一体化は、底版Bに立設された外側及び内側の連結鉄筋v1、v2を、外空側及び内空側の下パネル1、2に設けたモルタル充填式継手tz内に配した上で、無収縮モルタルをモルタル充填式継手tz内に充填することにより行われる。また、無収縮モルタルは、外部への漏出止めがされた状態で底版Bの上面と外空側及び内空側の下パネル1、2の下面との間の縦方向隙間TSにも充填されている。換言すれば、底版Bと外空側及び内空側の下パネル1、2との間の縦方向隙間TSには無収縮モルタルが打設されている。
外空側及び内空側の下パネル1、2と外空側及び内空側の上パネル3、4は、上下方向に約2cmの縦方向隙間TSを開けて配設されている。具体的には、外空側及び内空側の下パネル1、2と外空側及び内空側の上パネル3、4との間には、約2cmの厚みを有した板状のスペーサmaが配設されている。この結果、外空側及び内空側の下パネル1、2の上面と外空側及び内空側の上パネル3、4の下面との間に、約2cmの縦方向隙間TSが形成されている。
外空側及び内空側の下パネル1、2と外空側及び内空側の上パネル3、4との一体化は、外空側及び内空側の下パネル1、2に立設された外側及び内側の連結鉄筋v1、v2を、外空側及び内空側の上パネル3、4に設けたモルタル充填式継手tz内に配した上で、無収縮モルタルをモルタル充填式継手tz内に充填することにより行われる。また、無収縮モルタルは、外部への漏出止めがされた状態で外空側及び内空側の下パネル1、2の上面と外空側及び内空側の上パネル3、4の下面との間の縦方向隙間TSにも充填されている。換言すれば、外空側及び内空側の下パネル1、2と外空側及び内空側の上パネル3、4との間の縦方向隙間TSには無収縮モルタルが打設されている。
外空側の上パネル3と頂版パネル5は、上下方向に約2cmの縦方向隙間TSを開けて配設されており、内空側の上パネル4と頂版ブロック6は、上下方向に約2cmの縦方向隙間TSを開けて配設されている。具体的には、外空側の上パネル3と頂版パネル5との間、及び、内空側の上パネル4と頂版ブロック6との間には、約2cmの厚みを有した板状のスペーサmaが配設されている。この結果、外空側の上パネル3と頂版パネル5との間、及び、内空側の上パネル4と頂版ブロック6との間には、約2cmの縦方向隙間TSが形成されている。
外空側の上パネル3と頂版パネル5との一体化、及び、内空側の上パネル4と頂版ブロック6との一体化は、外空側の上パネル3及び頂版パネル5に立設された外側及び内側の連結鉄筋v1、v2を、頂版パネル5及び頂版ブロック6に設けたモルタル充填式継手tz内に配した上で、無収縮モルタルをモルタル充填式継手tz内に充填することにより行われる。また、無収縮モルタルは、外部への漏出止めがされた状態で外空側の上パネル3の上面と頂版パネル5の下面との間の縦方向隙間TSや内空側の上パネル4の上面と頂版ブロック6の下面との間の縦方向隙間TSにも充填されている。換言すれば、外空側の上パネル3と頂版パネル5との間の縦方向隙間TS、及び、内空側の上パネル4と頂版ブロック6との間の縦方向隙間TSには無収縮モルタルが打設されている。
<<ボックスカルバートAの構築方法>>
続いて、ボックスカルバートAの構築方法について説明する。
ボックスカルバートAの構築方法は、底版Bを形成するための工程W1と、側版Cを形成するための工程W2と、頂版Dを形成するための工程W3を備えている。
<底版Bを形成するための工程W1>
底版Bを形成するための工程W1は、図7に示すように、基礎E上における所定の位置に図示しない型枠内に現場打ちコンクリートを打設する底版打設工程W11を備えている。底版Bには、所定の位置に、外側の連結鉄筋v1及び内側の連結鉄筋v2が突設されている。
<側版Cを形成するための工程W2>
側版Cを形成するための工程W2は、外空側及び内空側の下パネル1、2を仮保持部材Kとともに一体的に搬送可能に構成された下のパネルユニットU1を製造する下のパネルユニット製造工程w21と、外空側及び内空側の上パネル3、4を仮保持部材Kとともに一体的に搬送可能に構成された上のパネルユニットU2を製造する上のパネルユニット製造工程w22と、下のパネルユニットU1を底版B上の所定位置に搬送して据え付ける下のパネルユニット搬送据付工程w23と、下のパネルユニット搬送据付工程w23を経た後に仮保持部材Kを外空側及び内空側の下パネル1、2から離脱する第一の仮保持部材離脱工程w24と、下のパネルユニット搬送据付工程w23を経た後に上のパネルユニットU2を外空側及び内空側の下パネル1、2上に搬送して据え付ける上のパネルユニット搬送据付工程w25と、上のパネルユニット搬送据付工程w25を経た後に仮保持部材Kを外空側及び内空側の上パネル3、4から離脱する第二の仮保持部材離脱工程w26と、仮保持部材離脱工程w26を経た後に、第一、第二の現場打ちコンクリート配設空間s1、s2に現場打ちコンクリートMを打設する側版打設工程w27とを備えている。
(下・上のパネルユニット製造工程w21、w22)
図5及び図6に示すように、下のパネルユニット製造工程w21及び上のパネルユニット製造工程w22において製造される下・上のパネルユニットU1、U2は同一の構成をなしている。このようにすることで、下のパネルユニットU1と上のパネルユニットU2とを別個に管理したり構築時において選定したりする手間が省け、側版Cの構築を円滑に実施し得るものとなっている。
下・上のパネルユニットU1、U2は、ボックスカルバートAの完成前において一時的に構成されるものである。すなわち、下・上のパネルユニットU1、U2は、ボックスカルバートAが構築される現場とは異なる場所(例えば、工場など)において構成される。そして、下・上のパネルユニットU1、U2は、現場においてボックスカルバートAの構築をする途中の段階で、仮保持部材Kが離脱されることにより、その構成が解かれるものとなっている。
下・上のパネルユニットU1、U2は、纏まりある態様すなわちユニット化された態様で、ボックスカルバートAが構築される現場に搬送されるとともに側版Cを構成し得る所定の位置に据付され得るものとなっている。
下のパネルユニットU1は、互いに離間して配された外空側の下パネル1及び内空側の下パネル2を仮保持部材Kによって繋いでなるものである。下のパネルユニットU1は、図示しない治具を用いて外空側の下パネル1と内空側の下パネル2との相対位置を確定させた後に、当該外空側の下パネル1と内空側の下パネル2とを仮保持部材Kにより繋ぐことにより製造されている。
なお、外空側の下パネル1と内空側の下パネル2とは、剪断力を負担しない既知のセパレーター等(図示せず)を用いて、互いに所定位置から離れないように規制されている。
なお、外空側の下パネル1及び内空側の下パネル2の詳細な構成については、既に説明済みであるので省略する。
仮保持部材Kは、一端が外空側の下パネル1における一方の端面たる前端面zmにボルトLを用いて取り付けられるとともに他端が内空側の下パネル2における一方の端面たる前端面zmにボルトLを用いて取り付けられる部材である第一の鋼材k1、及び、一端が外空側の下パネル1における他方の端面たる後端面kmにボルト(図示せず)を用いて取り付けられるとともに他端が内空側の下パネル2における他方の端面たる後端面kmにボルト(図示せず)を用いて取り付けられる第二の鋼材k2により構成されている。
この実施形態では、第一の鋼材k1の一端が外空側の下パネル1における前端面zmの上部に螺着されており、他端が内空側の下パネル2における前端面zmの下部に螺着されている。換言すれば、第一の鋼材k1は、水平に対して傾斜した姿勢により外空側及び内空側の下パネル1、2に取り付けられている。
また、第二の鋼材k2の一端が外空側の下パネル1における後端面kmの下部に螺着されており、他端が内空側の下パネル2における後端面kmの上部に螺着されている。換言すれば、第二の鋼材k2は、水平に対して傾斜した姿勢により外空側及び内空側の下パネル1、2に取り付けられている。
上のパネルユニットU2は、互いに離間して配された外空側の上パネル3及び内空側の上パネル4を仮保持部材Kによって繋いでなるものである。上のパネルユニットU2は、図示しない治具を用いて外空側の上パネル3と内空側の上パネル4との相対位置を確定させた後に、当該外空側の上パネル3と内空側の上パネル4とを仮保持部材Kにより繋ぐことにより製造されている。
なお、外空側の上パネル3と内空側の上パネル4とは、剪断力を負担しない既知のセパレーター等(図示せず)を用いて、互いに所定位置から離れないように規制されている。
なお、外空側の上パネル3及び内空側の上パネル4の詳細な構成については、既に説明済みであるので省略する。
仮保持部材Kは、一端が外空側の上パネル3における一方の端面たる前端面zmにボルトLを用いて取り付けられるとともに他端が内空側の上パネル4における一方の端面たる前端面zmにボルトLを用いて取り付けられる部材である第一の鋼材k1、及び、一端が外空側の上パネル3における他方の端面たる後端面kmにボルト(図示せず)を用いて取り付けられるとともに他端が内空側の上パネル4における他方の端面たる後端面kmにボルト(図示せず)を用いて取り付けられる第二の鋼材k2により構成されている。
この実施形態では、第一の鋼材k1の一端が外空側の上パネル3における前端面zmの上部に螺着されており、他端が内空側の上パネル4における前端面zmの下部に螺着されている。換言すれば、第一の鋼材k1は、水平に対して傾斜した姿勢により外空側及び内空側の上パネル3、4に取り付けられている。
また、第二の鋼材k2の一端が外空側の上パネル3における後端面kmの下部に螺着されており、他端が内空側の上パネル4における後端面kmの上部に螺着されている。換言すれば、第二の鋼材k2は、水平に対して傾斜した姿勢により外空側及び内空側の上パネル3、4に取り付けられている。
この実施形態では、下のパネルユニットU1及び上のパネルユニットU2の構築に使われる仮保持部材Kは同じ構造のものを適用している。より具体的には、仮保持部材Kである第一、第二の鋼材k1、k2として、両端部にボルトLを挿通し得るボルト挿通孔aが形成されたL形鋼が適用されている。ボルト挿通孔aは丸穴であってもよいし、長穴であってもよい。
(下のパネルユニット搬送据付工程w23)
下のパネルユニット搬送据付工程w23は、図8に示すように、クレーン等の搬送手段IDを利用して下のパネルユニットU1を底版B上の所定位置に搬送及び据付するものである。下のパネルユニットU1は、当該下のパネルユニットU1に設けたモルタル充填式継手tz内に、底版Bに立設された外側及び内側の連結鉄筋v1、v2が内挿されるように搬送及び据付される。
なお、下のパネルユニットU1は、搬送手段IDにより適宜の方法で吊下げ支持され得るものである。この実施形態では、外空側及び内空側の下パネル1、2における各内面に搬送手段IDを構成するワイヤーが接続し得るフックfが突設されている。
下のパネルユニット搬送据付工程w23は、複数の下のパネルユニットU1を前後方向に隣り合わせて配置する工程を含んでいる。
すなわち、下のパネルユニットU1を前後方向に複数配置する工程では、複数の下のパネルユニットU1を、隣り合う外空側の下パネル1における端面間、及び、隣り合う内空側の下パネル2における端面間に、仮保持部材Kが通過し得る幅寸法を有した横方向隙間YSが形成されるように前後方向に配設している。
また、下のパネルユニット搬送据付工程w23は、図9に示すように、底版Bと外空側の下パネル1とを一体化させる工程と、底版Bと内空側の下パネル2とを一体化させる工程を含んでいる。
すなわち、底版Bと外空側及び内空側の下パネル1、2とを一体化させる工程は、充填装置JSを用いて無収縮モルタルをモルタル充填式継手tz内に充填することにより行われる。この工程では、無収縮モルタルは、外部とモルタル充填式継手tzとを連通する連通路trを通じて当該モルタル充填式継手tz内に導入される。無収縮モルタルは、外部への漏出止めがされた状態で底版Bの上面と外空側及び内空側の下パネル1、2の下端面umとの間の縦方向隙間TSにも充填される。換言すれば、ボックスカルバートAは、モルタル充填式継手tz内の無収縮モルタルが硬化することにより上下方向の主筋t2が一体化され、上下方向に隣り合う底版Bと外空側及び内空側の下パネル1、2との間の縦方向隙間TSに充填された無収縮モルタルが硬化することにより底版Bと外空側及び内空側の下パネル1、2の一体化が図られている。
(第一の仮保持部材離脱工程w24)
仮保持部材離脱工程たる第一の仮保持部材離脱工程w24は、図10に示すように、下のパネルユニット搬送据付工程w23を経た後に仮保持部材Kを外空側及び内空側の下パネル1、2から離脱するものである。第一の仮保持部材離脱工程w24は、現場作業員が横方向隙間YSを通して手作業により実施し得るものとなっている。
つまり、現場作業員が、横方向隙間YSに手を通し、ボルトLを外空側及び内空側の下パネル1、2から取り外すことにより仮保持部材Kを横方向隙間YSを通じて外部に離脱させるようにしている。離脱した仮保持部材Kは、工場等に搬送され、他のパネルユニットを製造するための再利用に供されることになる。
また、第一の仮保持部材離脱工程w24には、図10に示すように、前後方向に隣り合う下のパネルユニットU1の各現場打ちコンクリート配設空間s1、s1を縦断する複数の外部配力筋pを配設する工程を含んでいる。この工程は、仮保持部材Kが、外空側及び内空側の下パネル1、2から除去された後に行われる。
外部配力筋pは、前後方向に直線状に延びてなるものである。外部配力筋pは、前後方向に隣り合う外空側の下パネル1の各内側面nm、nmに沿うように複数本配設されるとともに前後方向に隣り合う内空側の下パネル2の各内面nm、nmに沿うように複数本配設されるものである。
外部配力筋pは、前後方向に隣り合う下のパネルユニットU1間を縦断する位置に複数本配設されている。換言すれば、外部配力筋pは、前後方向に隣り合う一方側の空間すなわち対をなす外空側及び内空側の下パネル1、2間の第一の現場打ちコンクリート配設空間s1と隣り合う他方側の空間すなわち対をなす外空側及び内空側の下パネル1、2間の第一の現場打ちコンクリート配設空間s1とを連通するように配設されている。
この実施形態では、外部配力筋pは、妻側(小口側)すなわち前後方向に複数配設された下のパネルユニットU1の正面側又は背面側から挿入され、外空側及び内空側の下パネル1、2から突設された補強鋼材hの上に載せ置かれるようになっている。
外部配力筋pの配設箇所の調整や外部配力筋pと補強鋼材hとの仮止めの作業は、現場作業員が隣り合う下のパネルユニットU1間に設けられた横方向隙間YSを通して手作業により実施し得るものとなっている。
なお、外部配力筋pは、側版打設工程w27を経ることにより、前後方向に隣接配置された下のパネルユニット主要構成部分U11(下のパネルユニットU1から仮保持部材Kを除いた構成部分をいう。)を実質的に連結させ得るものとなっている。換言すれば、前後方向に並び配された下のパネルユニット主要構成部分U11同士は、第一の現場打ちコンクリート配設空間s1、s1に外部配力筋pが連通した状態で投入された現場打ちコンクリートMが硬化することにより強固に一体化することになる。
(上のパネルユニット搬送据付工程w25)
上のパネルユニット搬送据付工程w25は、図11に示すように、クレーン等の搬送手段IDを利用して上のパネルユニットU2を下のパネルユニットU1(又は下のパネルユニット主要構成部分U11)の上に搬送及び据付するものである。上のパネルユニットU2は、当該上のパネルユニットU2に設けたモルタル充填式継手tz内に、外空側及び内空側の下パネル1、2に立設された外側及び内側の連結鉄筋v1、v2が内挿されるように搬送及び据付される。
なお、上のパネルユニット搬送据付工程w25に関するその他の説明(複数の上のパネルユニットU2を前後方向に隣り合わせて配置する工程や、外空側及び内空側の下パネル1、2と外空側及び内空側の上パネル3、4とを一体化させる工程を含む。)は、基本的に下のパネルユニット搬送据付工程w23と同様のものであるため、説明を省略する。
(第二の仮保持部材離脱工程w26)
第二の仮保持部材離脱工程w26は、図12に示すように、上のパネルユニット搬送据付工程w25を経た後に仮保持部材Kを外空側及び内空側の上パネル3、4から離脱するものである。第二の仮保持部材離脱工程w26は、現場作業員が横方向隙間YSを通して手作業により実施し得るものとなっている。
つまり、現場作業員が、横方向隙間YSに手を通し、ボルトLを外空側及び内空側の上パネル3、4から取り外すことにより仮保持部材Kを横方向隙間YSを通じて外部に離脱させるようにしている。離脱した仮保持部材Kは、工場等に搬送され、他のパネルユニットを製造するための再利用に供されることになる。
また、第二の仮保持部材離脱工程w26には、図12に示すように、前後方向に隣り合う上のパネルユニットU2の各現場打ちコンクリート配設空間s2、s2を縦断する複数の外部配力筋pを配設する工程を含んでいる。この工程は、仮保持部材Kが、外空側及び内空側の上パネル3、4から除去された後に行われる。
外部配力筋pは、前後方向に直線状に延びてなるものである。外部配力筋pは、前後方向に隣り合う外空側の上パネル3の各内側面nm、nmに沿うように複数本配設されるとともに前後方向に隣り合う内空側の上パネル4の各内面nm、nmに沿うように複数本配設されるものである。
外部配力筋pは、前後方向に隣り合う上のパネルユニットU2間を縦断する位置に複数本配設されている。換言すれば、外部配力筋pは、前後方向に隣り合う一方側の空間すなわち対をなす外空側及び内空側の上パネル3、4間の第二の現場打ちコンクリート配設空間s2と隣り合う他方側の空間すなわち対をなす外空側及び内空側の上パネル3、4間の第二の現場打ちコンクリート配設空間s2とを連通するように配設されている。
この実施形態では、外部配力筋pは、妻側(小口側)すなわち前後方向に複数配設された上のパネルユニットU2の正面側又は背面側から挿入され、外空側及び内空側の上パネル3、4から突設された補強鋼材hの上に載せ置かれるようになっている。
外部配力筋pの配設箇所の調整や外部配力筋pと補強鋼材hとの仮止めの作業は、現場作業員が隣り合う上のパネルユニットU2間に設けられた横方向隙間YSを通して手作業により実施し得るものとなっている。
なお、外部配力筋pは、側版打設工程w27を経ることにより、前後方向に隣接配置された上のパネルユニット主要構成部分U21(上のパネルユニットU2から仮保持部材Kを除いた構成部分をいう。)を実質的に連結させ得るものとなっている。換言すれば、前後方向に並び配された上のパネルユニット主要構成部分U21同士は、第二の現場打ちコンクリート配設空間s2、s2に外部配力筋pが連通した状態で投入された現場打ちコンクリートMが硬化することにより強固に一体化することになる。
(側版打設工程w27)
側版打設工程w27は、第一、第二の仮保持部材離脱工程w24、w26を経た後に、第一、第二の現場打ちコンクリート配設空間s1、s2に一挙に現場打ちコンクリートMを打設する工程である。側版打設工程w27は、横方向隙間YSに現場打ちコンクリートMを打設する工程を含んでいる。
側版打設工程w27は、図13に示すように、下のパネルユニット主要構成部分U11と上のパネルユニット主要構成部分U21とを連結した後に構成された側版構成枠体Cwに対して、現場打ちコンクリートMの漏出を防ぐための型枠である前型枠x1、後型枠x2、及び、横方向隙間用型枠x3とを配設した上で、側版構成枠体Cwに形成された第一、第二の現場打ちコンクリート配設空間s1、s2と横方向隙間YSに現場打ちコンクリートMを打設するものである。
側版打設工程w27が終了(現場打ちコンクリートMが硬化)して各型枠x1、x2、x3が外された後に、頂版Dを形成するための工程W3が行われる。
<頂版Dを形成するための工程W3>
頂版Dを形成するための工程W3は、頂版ブロック6を左右の側版Cの所定位置に搬送及び据付する頂版ブロック搬送据付工程w31と、頂版パネル5を左右の側版Cの所定位置に搬送及び据付する頂版パネル搬送据付工程w32と、頂版ブロック6及び頂版パネル5により形成された頂版用の現場打ちコンクリート配設空間s3に現場打ちコンクリートMを打設する頂版打設工程w33とを備えている。
(頂版ブロック搬送据付工程w31)
頂版ブロック搬送据付工程w31は、図15に示すように、クレーン等の搬送手段(図示せず)を利用して頂版ブロック6を左右の側版Cを跨ぐように当該側版C上の所定位置に搬送及び据付するものである。頂版ブロック6は、当該頂版ブロック6に設けたモルタル充填式継手tz内に、内空側の上パネル4に立設された内側の連結鉄筋v2が内挿されるように搬送及び据付される。
なお、頂版ブロック搬送据付工程w31に関するその他の説明(複数の頂版ブロック6を前後方向に隣り合わせて配置する工程や、頂版ブロック6が臨む頂版用の現場打ちコンクリート配設空間s3内に外部配力筋(図示せず)を配設する工程や、内空側の上パネル4と頂版ブロック6とを一体化させる工程を含む。)は、基本的に下のパネルユニット搬送据付工程と同様のものであるため、説明を省略する。
(頂版パネル搬送据付工程w32)
頂版パネル搬送据付工程w32は、図16に示すように、クレーン等の搬送手段(図示せず)を利用して頂版パネル5を左右の側版C上の所定位置に搬送及び据付するものである。頂版パネル5は、当該頂版パネル5に設けたモルタル充填式継手tz内に、外空側の上パネル3に立設された外側の連結鉄筋v1が内挿されるように搬送及び据付される。
その他、頂版パネル搬送据付工程w32に関するその他の説明(複数の頂版パネル5を前後方向に隣り合わせて配置する工程や、外空側の上パネル3と頂版パネル5とを一体化させる工程を含む。)や、頂版パネル5が臨む頂版用の現場打ちコンクリート配設空間s3に外部配力筋pを配設する工程は、基本的に下のパネルユニット搬送据付工程と同様のものであるため、説明を省略する。
なお、図17に示すように、対向する頂版パネル5の水平主筋t21同士は、水平方向に延びてなる連結主筋t22を介して連結される。水平主筋t21の端部と連結主筋t22の端部とは図示しない継手を介して接続し得るように構成されている。(図17では、連結主筋t22の把握の便宜のために頂版ブロック6における補強鋼材h等を図示することなく省略している。)
(頂版打設工程w33)
頂版打設工程w33は、頂版ブロック搬送据付工程w31及び頂版パネル搬送据付工程w32を経た後に、頂版用の現場打ちコンクリート配設空間s3に現場打ちコンクリートMを打設する工程である。頂版打設工程w33は、横方向隙間YSに現場打ちコンクリートMを打設する工程を含んでいる。
頂版打設工程は、図17に示すように、側版Cに対して頂版ブロック6及び頂版パネル5が連結した後に構成された頂版構成枠体Dwに対して、現場打ちコンクリートMの漏出を防ぐための型枠である前型枠x4、後型枠x5、横方向隙間用型枠x6、及び、下型枠(図示せず)を配設した上で、頂版構成枠体Dwに形成された頂版用の現場打ちコンクリート配設空間s3と横方向隙間YSに現場打ちコンクリートMを打設するものである。
その後、所定の仕上げ工程を経て、図1〜4に示すような最終形態のボックスカルバートAが完成する。
以上に述べたように、本実施形態に示すコンクリート構造物であるボックスカルバートAの構築方法は、ベースである底版Bと、底版B上に立設された壁体である左右の側版Cとを備えたボックスカルバートAの構築方法である。
そして、ボックスカルバートAにおける左右の側版Cが、プレキャストコンクリート製である第一のパネルたる外空側の下パネル1と、プレキャストコンクリート製である第二のパネルたる内空側の下パネル2と、外空側の下パネル1と内空側の下パネル2との間に設けられた第一の現場打ちコンクリート配設空間s1に現場打ちコンクリートMを打設することにより形成された第一の現場打ち壁体構成部たる第一の現場打ち側版構成部g1とを備えたものである。
そして、左右の側版Cを形成するための工程W2が、互いに離間して配された外空側の下パネル1及び内空側の下パネル2を仮保持部材Kによって繋いでなり、当該外空側及び内空側の下パネル1、2を仮保持部材Kとともに一体的に搬送可能に構成された下のパネルユニットU1を製造する下のパネルユニット製造工程w21と、下のパネルユニットU1を、底版Bの所定位置に搬送して据え付ける下のパネルユニット搬送据付工程w23と、下のパネルユニット搬送据付工程w23を経た後に、仮保持部材Kを外空側及び内空側の下パネル1、2から離脱する仮保持部材離脱工程である第一の仮保持部材離脱工程w24と、第一の仮保持部材離脱工程w24を経た後に、第一の現場打ちコンクリート配設空間s1に現場打ちコンクリートMを打設する壁体打設工程たる側版打設工程w27とを備えている。
このため、プレキャストコンクリート製の部材たる外空側及び内空側の下パネル1、2とともに現場打ちコンクリートMを併用して比較的大型のボックスカルバートAの側版Cを好適に構築し得る方法を提供することができるものとなる。
つまり、ボックスカルバートAの側版Cを構築するために、仮保持部材Kを用いて一時的にユニット化された構造体である下のパネルユニットU1を用いている。このため、仮保持部材Kを、現場において外空側及び内空側の下パネル1、2から柔軟に離脱させることが可能となる。このような構成のものであれば、現場においてユニット化された状態で所定位置に移送された外空側及び内空側の下パネル1、2をユニット化された状態を解いた上で別個独立に位置調整することができるものとなる。
また、ボックスカルバートAの側版Cを構築するために、一時的にユニット化された構造体である下のパネルユニットU1を用いているため、現場における搬送及び据付が行い易いだけでなく、ユニット単位で資材を管理することができることになる。したがって、本実施形態のボックスカルバートAの構築方法によれば、プレキャストコンクリート製の部材を使用した大型のボックスカルバートAを精度良く、且つ、円滑に構築し得るものとなっている。
この実施形態におけるボックスカルバートAの構築方法を適用することにより、搬送及び据付時において過剰に小分けされた部材が発生し難いものとなる。その結果、このボックスカルバートAの構築方法であれば、運搬車両や搬入重機等の稼働時間の低減や合理化が図れるとともに、現場作業の効率化による工期の短縮や鉄筋や型枠の低減を好適に実現することができ、生産性の向上が図れるものとなっている。
しかも、第一の仮保持部材離脱工程w24を備えているため、仮保持部材Kが再利用可能なものとなり、経済性にも優れ、地球環境の保全にも貢献できるものとなっている。
このボックスカルバートAの構築方法を適用することにより、近時における現場作業員の人手不足の問題、例えば、現場における特殊作業員(型枠・鉄筋・足場・仮設支保工の作業員など)の不足の問題について、限られた人数の中で好適に対処し得るものとなる。
つまり、ボックスカルバートAの構築に、下のパネルユニットU1や上のパネルユニットU2を活用することができるため、現場打ちコンクリートに殆ど依存していた従来の構築方法と比較して、型枠、鉄筋、足場、仮設支保工等の設営数量を好適に低減することができ、人手不足に対して柔軟に対応することができるものとなっている。
仮保持部材Kは、一端が外空側の下パネル1における一方の端面に取り付けられるとともに他端が内空側の下パネル2における一方の端面に取り付けられる部材たる第一の鋼材k1、及び、一端が外空側の下パネル1における他方の端面に取り付けられるとともに他端が内空側の下パネル2における他方の端面に取り付けられる部材たる第二の鋼材k2により構成されている。
このため、仮保持部材Kは、構造の複雑化を招き難く且つ再利用の柔軟性にも優れた第一、第二の鋼材k1、k2により実現されたものとなっている。
下のパネルユニット搬送据付工程w23が、複数の下のパネルユニットU1を水平方向すなわち前後方向に隣り合わせて配置する工程を含むものであり、隣り合う外空側の下パネル1における端面間及び隣り合う内空側の下パネル2における端面間の双方に、第一の仮保持部材離脱工程w24により離脱された仮保持部材Kが通過し得る隙間たる横方向隙間YSが設けられている。
このため、第一の仮保持部材離脱工程w24が横方向隙間YSを通じて極めて柔軟に実施し得るものとなっている。しかも、前後方向に隣り合う下のパネルユニットU1間に横方向隙間YSを設けることにより、当該横方向隙間YSが、外空側の下パネル1や内空側の下パネル2に生じ得る製造誤差や、据付時における施工誤差や、不陸に起因する配設箇所の誤差などを極めて柔軟に吸収し得るものとなっている。
換言すれば、プレキャストコンクリート製の部材間の製造誤差や施工による誤差を横方向隙間YSによって好適に吸収し得るものとなるため、設計図に基づいたボックスカルバートAを精度よく構築することができるものとなる。
壁体打設工程たる側版打設工程w27が、横方向隙間YSに現場打ちコンクリートMを打設する工程を含んだものである。このため、プレキャストコンクリート製の部材(例えば、隣り合う外空側の下パネル1、1間や、隣り合う内空側の下パネル2、2間など)に現場打ちコンクリートMを挟むことになるため、隣り合う部材同士の一体化が確実に図れるものとなる。
つまり、プレキャストコンクリート製の部材同士を直接的に突き合わせるようにした場合には、接合面の不陸等に起因した微小な隙間が生じるため、隣り合うプレキャストコンクリート製の部材同士を隙間なく一体化することは極めて難しいものとなっていた。
これに対して、本実施形態に示すボックスカルバートAの構築方法によれば、あらかじめ隣り合うプレキャストコンクリート製の部材間に横方向隙間YSを積極的に設け、当該横方向隙間YSに現場打ちコンクリートMを流し込めるようにしている。これにより、隣接するプレキャストコンクリート製の部材が現場打ちコンクリートMを挟んで好適に一体化されることになり、局所的又は部分的に応力が作用した場合であってもその応力を万遍なく全体に伝達し得る好適な構成を有したボックスカルバートAを構築し得るものとなっている。
横方向隙間YSは、5〜25cmの大きさに設定されているものである。このため、横方向隙間YSに対して現場作業員は手を入れて作業することができ、横方向隙間YSを通じて仮保持部材Kの設置や外部配力筋pの設置箇所の調整や結束が容易に実行でき、作業の効率化に資するものとなっている。
なお、外空側と内空側の横方向隙間YSの大きさを調整することにより、特別な形状を有したプレキャストコンクリート製の部材を準備することなく、矩形状をなした一般的な形状のプレキャストコンクリート製の部材を使用して、延長方向に直線的に配設するだけでなく曲線的に配置し得る施工(曲線施工)も容易に実行することができるものとなっている。
下のパネルユニット搬送据付工程w23を経た後に、少なくとも前後方向に隣り合う下のパネルユニットU1の各第一の現場打ちコンクリート配設空間s1、s1を連通する外部配力筋pを配設する工程を備えているため、外部配力筋pにより延長方向の連続性が好適に確保できるものとなる。
すなわち、従来のプレキャストコンクリート製の構造物は、基本的に延長方向の配力筋が分断された構造をなしていたため、延長方向の耐震計算手法が現場打ち構造物と異なっており、当初から現場打ちで設計されていたものを設計変更することが難しく複雑なものとなっていた。
しかしながら、本実施形態に示すような外部配力筋pを利用したボックスカルバートAの構築方法を適用することにより、現場打ちコンクリートを主体に構成される構造物と同じ手法で耐震計算を行うことができるため、大型のボックスカルバートAの設計や設計変更が従来の手法に準じて容易に行えるものとなっている。
外空側の下パネル1及び内空側の下パネル2が略矩形板状をなしたものであり、下のパネルユニットU1の構成時において互いに略平行をなしている。このため、下のパネルユニットU1の保管や管理において便宜であり、且つ、現場において据付作業を行いやすいものとなっている
外空側の下パネル1及び内空側の下パネル2の双方に、第一の現場打ちコンクリート配設空間s1内に片持ち的に突出した補強鋼材hが設けられている。このため、第一の現場打ちコンクリート配設空間s1内に現場打ちコンクリートMが打設された後に強度に優れた現場打ち側版構成部g1を構成し得るものとなっている。
なお、本発明は、以上に詳述した実施形態に限られるものではない。
コンクリート構造物及びその製造方法は、ベースとベース上に立設された壁体とを備えたコンクリート構造物に関するものであればよく、上述したボックスカルバートに関するものに限られるものではない。
仮保持部材は、互いに離間して配された第一のパネルと第二のパネルとを繋ぎ、当該第一、第二のパネルを仮保持部材とともに一体的に搬送可能に構成し得るものであれば、どのような構成のものであってもよい。仮保持部材は、どのような材質のものであってもよいし、第一のパネル及び第二のパネルに対する接続位置も側端縁に限られるものではなく適宜の箇所を選択することができるものである。
仮保持部材は、二つの部材(鋼材等)には限られるものではなく、単一又は二以上の部材により構成されたものであってもよい。
各パネルから突出した補強鋼材の先端部はU字状に曲げられたものに限られるものではなく、L字状や折り曲げられていない直線状のものや先端にプレート等を取り付けたものでもよい。
パネルユニット搬送据付工程では、必ずしも、隣り合う第一のパネルにおける端面間及び隣り合う第二のパネルにおける端面間の双方に仮保持部材が通過し得る隙間が形成される必要はなく、何れか一方に形成されたものであってもよい。
隙間は、上述した実施形態に示される大きさに限定される必要はなく、適宜の大きさに設定されてよいのはもちろんのことである。
ボックスカルバートを構成している底版や頂版を形成する方法は、適宜の方法を適用したものであってもよい。つまり、底版や頂版のほとんどの部分を現場打ちコンクリートにより形成したものであってもよいし、底版や頂版のほとんどの部分をプレキャストコンクリート製のブロックにより形成したものであってもよい。
側版を形成するための工程は、側版の一部のみを形成するために適用されるものであってもよい。すなわち、側版の一部を形成するためにのみ、パネルユニット搬送据付工程を適用したものであってもよい。
パネルユニットは、ユニット化された態様をなしていれば種々の形態を採用することができるものであり、上述した実施形態に示すものに限られるものではない。
例えば、パネルユニットを構成する第一、第二のパネルは、板状のものに限られるものではなく、種々の形状のものを採用することができる。
仮保持部材は、L形鋼に限られるものではなく、H形鋼やI形鋼やT形鋼や平形鋼や溝形鋼などの多様な形鋼を適用することができる。
上述した実施形態では、壁体である側版を形成するための工程において、二つのパネルユニットを上下方向に積み上げて形成したものを例示したが、このようなものには限られない。例えば、壁体を形成するために、パネルユニットを上下方向に積み重ねなくてもよいし、三つ以上の複数のパネルユニットを上下方向に複数積み上げてもよい。
側版打設工程は、下のパネルユニット搬送据付工程を終えた後に実行してもよい。より具体的に言えば、下のパネルユニット搬送据付工程を終えた後に、第一の現場打ちコンクリート配設空間に現場打ちコンクリートを打設するべく側版打設工程を実行し、しかる後に、上のパネルユニット搬送据付工程を行い、次いで、第二の現場打ちコンクリート配設空間に現場打ちコンクリートを打設するべく新たに側版打設工程を実行するようにしてもよい。
第一のパネル及び第二のパネルの双方から突出した各補強鋼材は、長手方向に対して直交する所定の方向から見て相互に重なり合うように配設されることが望ましい。
前後方向に隣り合うパネルユニット同士の連結度合いを高めるために、前後方向に隣り合うパネルユニット間の仮想境界線を通過し得る鉄筋である外部配力筋を、現場打ちコンクリート配設空間に配設することが望ましい。外部配力筋は、所定の位置に複数配設された上で現場打ちコンクリート内に埋設されることが望ましい。
また、構築するボックスカルバートにおける幅方向(横断方向)の寸法が長いような場合は、底版と頂版との間に、壁もしくは柱を設けた構成とすることもできる。
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
1…外空側の下パネル(第一のパネル)
2…内空側の下パネル(第二のパネル)
A…ボックスカルバート(コンクリート構造物)
B…底版(ベース)
C…側版(壁体)
K…仮保持部材
M…現場打ちコンクリート
g1…第一の現場打ち側版構成部(現場打ち壁体構成部)
s1…第一の現場打ちコンクリート配設空間(現場打ちコンクリート配設空間)
U1…下のパネルユニット(パネルユニット)
W2…側版を形成するための工程(壁体を形成するための工程)
w21…下のパネルユニット製造工程(パネルユニット製造工程)
w23…下のパネルユニット搬送据付工程(パネルユニット搬送据付工程)
w24…第一の仮保持部材離脱工程(仮保持部材離脱工程)
w27…側版打設工程(壁体打設工程)

Claims (9)

  1. ベースと、このベース上に立設された壁体とを備えたコンクリート構造物の構築方法であって、
    前記壁体が、プレキャストコンクリート製である第一のパネルと、プレキャストコンクリート製である第二のパネルと、前記第一のパネルと前記第二のパネルとの間に設けられた現場打ちコンクリート配設空間に現場打ちコンクリートを打設することにより形成された現場打ち壁体構成部とを備えたものであり、
    前記壁体を形成するための工程が、
    互いに離間して配された前記第一のパネル及び前記第二のパネルを仮保持部材によって繋いでなり、当該第一、第二のパネルを前記仮保持部材とともに一体的に搬送可能に構成されたパネルユニットを製造するパネルユニット製造工程と、
    前記パネルユニットを、前記ベースの所定位置に搬送して据え付けるパネルユニット搬送据付工程と、
    前記パネルユニット搬送据付工程を経た後に、前記仮保持部材を前記第一、第二のパネルから離脱する仮保持部材離脱工程と、
    前記仮保持部材離脱工程を経た後に、前記現場打ちコンクリート配設空間に現場打ちコンクリートを打設する壁体打設工程と、
    を備えているコンクリート構造物の構築方法。
  2. 前記仮保持部材は、一端が前記第一のパネルにおける一方の端面に取り付けられるとともに他端が前記第二のパネルにおける一方の端面に取り付けられる部材、及び、一端が前記第一のパネルにおける他方の端面に取り付けられるとともに他端が前記第二のパネルにおける他方の端面に取り付けられる部材の双方又は何れか一方である請求項1記載のコンクリート構造物の構築方法。
  3. 前記パネルユニット搬送据付工程が、複数の前記パネルユニットを水平方向に隣り合わせて配置する工程を含むものであり、
    隣り合う前記第一のパネルにおける端面間及び隣り合う前記第二のパネルにおける端面間の双方又は何れか一方に、前記仮保持部材離脱工程により離脱された前記仮保持部材が通過し得る隙間が設けられている請求項2記載のコンクリート構造物の構築方法。
  4. 前記隙間が、5〜25cmの大きさに設定されている請求項3記載のコンクリート構造物の構築方法。
  5. 前記壁体打設工程が、前記隙間に現場打ちコンクリートを打設する工程を含んだものである請求項3又は4記載のコンクリート構造物の構築方法。
  6. 前記パネルユニット搬送据付工程が、複数の前記パネルユニットを水平方向に隣り合わせて配置する工程を含むものであり、
    前記仮保持部材離脱工程が、少なくとも隣り合う前記パネルユニットの各現場打ちコンクリート配設空間を連通するように外部配力筋を配設する工程を含んだものである請求項1乃至5の何れか一項に記載のコンクリート構造物の構築方法。
  7. 前記第一のパネル及び第二のパネルが、略矩形板状をなしたものであり、前記パネルユニットの構成時において互いに略平行をなしている請求項1乃至6の何れか一項に記載のコンクリート構造物の構築方法。
  8. 前記第一、第二のパネルの双方又は何れか一方に、前記現場打ちコンクリート配設空間内に片持ち的に突出した補強鋼材が設けられている請求項1乃至7の何れか一項に記載のコンクリート構造物の構築方法。
  9. 前記ベースが、ボックスカルバートの底版であり、
    前記壁体が、前記ボックスカルバートの底版の上に設けられた左右の側版である請求項1乃至8の何れか一項に記載のコンクリート構造物の構築方法。
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