JP6798848B2 - 積層体および離型紙 - Google Patents

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Description

本発明は、4−メチル−1−ペンテン系重合体を含む層と基材紙層とを有する積層体および離型紙に関する。
4−メチル−1−ペンテン系重合体は、表面張力が非常に低いことにより離型性に優れ、かつ耐熱性も高いため、産業用離型フィルムや合成皮革用部材(たとえば、合成皮革の表面層)製造用の工程紙等に使用され、4−メチル−1−ペンテン系重合体のフィルムと紙やプラスチック基板との積層体としてしばしば利用されている。
このような積層体としては、たとえば合成皮革用部材製造時のエンボス加工用工程紙が挙げられる。合成皮革用部材を製造するには、たとえば、まずニップロールとエンボスロールとの間に、工程紙を挿通させて高融点樹脂層の表面にエンボス模様またはシボ模様などを付ける。次いで高融点樹脂層表面に、合成皮革用部材の原料であるポリ塩化ビニル(以下「PVC」という。)ゾルまたはポリウレタン溶液を塗布し、加熱硬化する。しかる後、工程紙を剥離することで、表面にエンボス模様が転写されたPVC製またはポリウレタン製の合成皮革用部材が得られる。
たとえば特許文献1には、紙と、低融点の4−メチル−1−ペンテン樹脂層(A)と、高融点の4−メチル−1−ペンテン樹脂層(B)とがこの順序で積層されてなるエンボス加工用工程紙が開示されている。さらに詳しくは、その具体例として、紙/4−メチル−1−ペンテン・1−デセン共重合体層/4−メチル−1−ペンテン単独重合体層がこの順で積層されてなるエンボス加工用工程紙(特許文献1の実施例1)、および紙/4−メチル−1−ペンテン・1−デセン共重合体層/4−メチル−1−ペンテン・1−デセン共重合体層がこの順で積層されてなるエンボス加工用工程紙(特許文献1の実施例2)が開示されている。
一方、従来知られているように4−メチル−1−ペンテン系重合体はラミネーション成形時のような高温の下では溶融粘度および溶融張力が低い傾向となるため、4−メチル−1−ペンテン系重合体は、ポリエチレンまたはポリプロピレンと比較した場合には成形時の特性が劣る傾向を示す。特許文献2には、上記の成形時の特性の改良のため、4−メチル−1−ペンテン・1−デセン共重合体などに溶融粘度が高い低密度ポリエチレンを配合することが開示されている。
また特許文献3、4には、エンボス加工時のクラック防止等の観点から、4−メチル−1−ペンテン系共重合体に高圧法低密度ポリエチレンを配合することが開示されている。
特許文献5には、4−メチル−1−ペンテン系重合体として4−メチル−1−ペンテン・1−ヘキセンランダム共重合体などを用いることで、表面層を柔軟化させた、カール(捲れてしまうこと)の抑制や耐クラック性に優れた合皮離型紙が開示されている。
特許第2728138号公報 特許第3320526号公報 特開2002−292716号公報 特開2003−127284号公報 特開2008−143172号公報
しかしながら、特許文献2〜4に記載された離型紙は、耐熱性には優れるものの、伸長性が不充分であるため、エンボスエッジ部分で微細クラックが発生する、成形時の残留応力に由来するカールが発生するという問題があった。
また、特許文献5に記載された離型紙には、耐クラック性やカールの抑制には優れるものの、耐熱性が低いことから剥離力が十分ではないという問題があった。
さらに、4−メチル−1−ペンテン系重合体に耐クラック性の改善を目的として市販のオレフィン系熱可塑性エラストマーを添加した場合、押出ラミネート法による成形時に、ネッキングや耳揺れなどの成形不良が発生しやすいことがわかった。また、カールの抑制効果は認めがたく、耐クラック性の改善も十分ではなかった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、上記の問題点の解決を目的とするものである。すなわち、本発明は、4−メチル−1−ペンテン系重合体を含む層と基材紙層とを有する積層体および離型紙であって、押出ラミネート法による成形時に4−メチル−1−ペンテン系重合体を含む層のネッキングや耳揺れなどの成形不良が起こりにくく、このような積層体が従来備える優れた耐熱性および離型性を維持したまま、優れたカール抑制、およびエンボス加工後での優れた耐クラック性を発揮する積層体および離型紙を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するための具体的な手段は、以下の通りである。
[1]下記要件(A−a)〜(A−e)を満たす4−メチル−1−ペンテン(共)重合体(A)70〜98質量部と、
下記要件(B−a)〜(B−e)を満たす4−メチル−1−ペンテン共重合体(B)2〜30質量部((共)重合体(A)および共重合体(B)の合計量を100質量部とする。)と
を含んでなる組成物(X)からなる層と、
基材紙層と
を有する積層体。
(A−a)4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位(P)の含有率が100〜90モル%であり、炭素原子数2〜20のα−オレフィン(4−メチル−1−ペンテンを除く。)から導かれる構成単位(AQ)の含有率が0〜10モル%(構成単位(P)および構成単位(AQ)の含有率の合計を100モル%とする。)である。
(A−b)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が1.0〜4.0dl/gである。
(A−c)DSCで測定した融点(Tm)が200〜250℃の範囲にある。
(A−d)DSCで測定した結晶化温度(Tc)が150〜220℃の範囲にある。
(A−e)密度が820〜850kg/m3である。
(B−a)4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位(P)の含有率が65モル%以上96モル%未満であり、炭素原子数2〜20のα−オレフィン(4−メチル−1−ペンテンを除く。)から導かれる構成単位(BQ)の含有率が4モル%を超え35モル%以下(構成単位(P)および構成単位(BQ)の含有率の合計を100モル%とする。)である。
(B−b)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜4.0dl/gである。
(B−c)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜3.5である。
(B−d)DSCで測定した際に、融点(Tm)が観察されないか100℃〜199℃の範囲にある。
(B−e)密度が830〜860kg/m3である。
[2] 前記組成物(X)のJIS K7196に準拠して測定したTMA軟化温度が200℃以上である前記[1]の積層体。
[3] 前記構成単位(BQ)が、炭素原子数2〜4のα−オレフィンに由来する構成単位である前記[1]または[2]の積層体。
[4]前記組成物(X)からなる層と前記基材紙層との間に、前記4−メチル−1−ペンテン(共)重合体(A)からなる中間層を有する前記[1]〜[3]のいずれかの積層体。
[5]前記[1]〜[4]のいずれかの積層体からなる離型紙。
[6]前記組成物(X)からなる層と前記基材紙層とを積層する、前記[1]〜[3]のいずれかの積層体の製造方法。
[7]前記組成物(X)からなる層と前記4−メチル−1−ペンテン(共)重合体(A)からなる中間層と前記基材紙層とをこの順序で積層する、前記[4]の積層体の製造方法。
[8]
前記[5]に記載の離型紙の前記組成物(X)からなる層をエンボス加工する工程、
エンボス加工された前記組成物(X)からなる層の表面に合成皮革用部材形成用材料を塗布し、次いで硬化させて、エンボスパターンを有する合成皮革用部材を形成する工程、
および
前記合成皮革用部材から前記離型紙を剥離する工程
を有するエンボスパターンを有する合成皮革用部材の製造方法。
本発明の積層体は、押出ラミネート法による成形時に組成物(X)からなる層のネックインや耳揺れの発生を抑制しつつ成形でき、4−メチル−1−ペンテン系重合体を含む層と基材紙層とを有する積層体が本来有する優れた耐熱性および離型性を維持しつつ、カールが抑制され、エンボス加工した後で耐クラック性も良好な離型紙として好適に使用できる。
以下、本発明の具体的な実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
本発明の積層体は、4−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位(P)(本発明において、単に「構成単位(P)」と称する場合がある。)を90モル%以上100モル%以下有し4−メチル−1−ペンテン以外の炭素原子数2〜20のα−オレフィンに由来する構成単位(AQ)(本発明において、単に「構成単位(AQ)」と称する場合がある。)を0モル%以上10モル%以下(ただし、構成単位(P)と構成単位(AQ)の合計を100モル%とする。)有する4−メチル−1−ペンテン(共)重合体(A)(本発明において、単に「重合体(A)」ともいう。)と、4−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位(P)を65モル%以上96モル%未満有し4−メチル−1−ペンテン以外の炭素数2以上20以下のα−オレフィンに由来する構成単位(BQ)(本発明において、単に「構成単位(BQ)」と称する場合がある。)を4モル%を超え35モル%以下(ただし、構成単位(P)と構成単位(BQ)の合計を100モル%とする。)有する4−メチル−1−ペンテン共重合体(B)(本発明において、単に「共重合体(B)」ともいう。)とを含み、前記重合体(A)の含有量が、前記重合体(A)と前記共重合体(B)との合計100質量部に対して70質量部以上98質量部以下である組成物(X)からなる層と、基材紙層とを有する。
また本発明の離型紙は、本発明の積層体からなる。
本発明の積層体および離型紙は、押出ラミネート法による成形時に組成物(X)からなる層のネッキングや耳揺れの発生を抑制しつつ成形でき、高耐熱性を保持しつつ、カールが抑制され、エンボス加工した後で耐クラック性も良好である。かかる効果が得られる理由は、以下のように推測される。
前記組成物(X)においては、耐熱性を有する4−メチル−1−ペンテン(共)重合体(A)に、柔軟で応力緩和性の高い4−メチル−1−ペンテン共重合体(B)が適度に分散した構造をとるものと考えられる。4−メチル−1−ペンテン共重合体(B)は、4−メチル−1−ペンテン以外のα−オレフィンを主モノマーとして使用した熱可塑性エラストマーを4−メチル−1−ペンテン共重合体(B)に代えて使用した場合と比較して著しく小さい粒径となって分散していると推察される。そのため、押出ラミネーション成形において4−メチル−1−ペンテン重合体(A)の耐熱性、離型性および成形性が維持されると推察される。
また、4−メチル−1−ペンテン(共)重合体(A)が組成物(X)からなる層の全体に連続相のような形で存在しているために耐熱性は低下しにくくなり、4−メチル−1−ペンテン共重合体(B)が分散していることにより、成形時やエンボス加工等で発生した歪みや変形などの応力を緩和しやすくなることで、耐クラック性やカール抑制が効果的に発現していると考えられる。
そのため、本発明の積層体は、組成物(X)の代わりに重合体(A)および共重合体(B)のいずれか一方のみをとして用いた場合と比較して、耐熱性および耐クラック性にバランスよく優れる。たとえば、重合体(A)のみを用いた場合、剛性によりカールは抑制されず、また、エンボス加工後にクラックが入りやすくなる。一方、共重合体(B)のみを用いた場合、重合体(A)と比較して柔軟な積層体が得られるため、カールは抑制されるものの耐熱性に劣ることとなる。
以上の理由により、本発明によれば前述した効果が得られると推測される。
以下、本発明の積層体の各層に用いられる成分等について説明する。
〔組成物(X)からなる層〕
組成物(X)は、重合体(A)と共重合体(B)とを含む組成物である。
以下、重合体(A)及び共重合体(B)のそれぞれについて説明する。
<重合体(A)>
重合体(A)は、以下の要件(A−a)〜(A−e)を満たす。
要件(A−a):重合体(A)における4−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位(P)の含有率は90モル%以上100モル%以下、好ましくは95モル%以上100モル%以下であり、4−メチル−1−ペンテン以外の炭素原子数2〜20のα−オレフィンに由来する構成単位(AQ)の含有率は0モル%以上10モル%以下、好ましくは0モル%以上5モル%以下である(ただし、構成単位(P)および構成単位(AQ)の含有率の合計を100モル%とする。)。
重合体(A)における構成単位(P)の含有率が90モル%以上であることにより、積層体としての耐熱性が得られるという利点、及びハンドリングに適したフィルムの弾性率が得られるという利点がある。
構成単位(AQ)を形成する、4−メチル−1−ペンテン以外の炭素数2以上20以下のα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、及び1−エイコセン等が挙げられる。構成単位(AQ)を形成するα−オレフィンとしては、組成物(X)の層に適度な弾性率と柔軟性、可とう性を付与するという観点から、炭素数8以上18以下のオレフィン(たとえば1−オクテン、1−デセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン及び1−オクタデセンン)が好ましい。
重合体(A)は、本発明の効果を損なわない範囲で、4−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位(P)及び4−メチル−1−ペンテン以外のα−オレフィンに由来する構成単位(AQ)以外のその他の構成単位を含んでいてもよい。その他の構成単位の含有率は、たとえば0〜10モル%である(ただし、構成単位(P)および構成単位(AQ)の含有率の合計を100モル%とする。)。
上記その他の構成単位を形成するモノマーの具体例等は、後述する共重合体(B)に含まれ得るその他の構成単位を形成するモノマーの具体例等と同様である。
なお、重合体(A)における各構成単位の含有率(モル%)の値は、後述する共重合体(B)と同様に、13C−NMRによる測定法によって測定した場合のものである。
要件(A−b):重合体(A)の、デカリン溶媒中、135℃で測定される極限粘度[η]は、1.0〜4.0dl/gであり、好ましくは1.0dl/g〜3.5dl/gであり、より好ましくは1.0dl/g〜3.0dl/gである。重合体(A)の極限粘度[η]が上記範囲内であると、低分子量体が少ないため、組成物(X)からなる層のべたつきが少なくなり、また、押出ラミネート法による積層体の成形が可能となる。
重合体(A)の極限粘度[η]は、ウベローデ粘度計を用い、下記の方法により測定される値である。
20mgの重合体(A)をデカリン25mlに溶解させた後、ウベローデ粘度計を用い、135℃のオイルバス中で比粘度ηspを測定する。このデカリン溶液を、デカリンを5ml加えて希釈した後、上記と同様にして比粘度ηspを測定する。この希釈操作を更に2回繰り返し、濃度(C)を0に外挿した時のηsp/Cの値を極限粘度[η](単位:dl/g)とする(下記の式参照)。
[η]=lim(ηsp/C) (C→0)
要件(A−c):重合体(A)の融点(Tm)は、200〜250℃、好ましくは200℃〜245℃、より好ましくは200℃〜240℃の範囲にある。積層体は、重合体(A)の融点(Tm)が上記範囲にあることにより、上記範囲よりも高い場合に比べて適度な弾性率を有し、上記範囲よりも低い場合に比べて耐熱性が良好である。
要件(A−d):重合体(A)の結晶化温度(Tc)は、150〜220℃、好ましくは180℃〜220℃、より好ましくは190℃〜220℃の範囲にある。重合体(A)の結晶化温度(Tc)が上記範囲にあることにより、上記範囲よりも高い場合に比べて積層体は適度な柔軟性を有するため組成物(X)からなる層にはクラックが入りにくく、上記範囲よりも低い場合に比べて剛性と結晶化度が高いため、高温でも組成物(X)からなる層の離型性が良好である。
重合体(A)の融点(Tm)および結晶化温度(Tc)は、それぞれ示差走査熱量計(DSC:Differential scanning calorimetry)を用い、JIS K7121に準拠して下記の方法により測定される値である。
約5mgの重合体(A)を、セイコーインスツル(株)製の示差走査熱量計(DSC220C型)の測定用アルミニウムパン中に室温で密封し、室温から10℃/分の速度で200℃まで加熱する。重合体(A)を完全融解させるために、200℃で5分間保持し、次いで、10℃/分の速度で−50℃まで冷却する。この冷却過程でピークが観測される温度を結晶化温度(Tc)とする。−50℃で5分間保持した後、10℃/分の速度で200℃まで2度目の加熱を行ない、この2度目の加熱でピークが観測される温度を重合体の融点(Tm)とする。なお、複数のピークが検出される場合には、最も高温側で検出されるピークを採用する。
要件(A−e):重合体(A)のJIS K7112(密度勾配管法)に準拠して測定される密度は、820〜850kg/m3であり、好ましくは825〜840kg/m3であり、より好ましくは830〜835kg/m3である。密度が前記範囲であることにより、前記範囲よりも小さい場合に比べて組成物(X)からなる層の機械的な強度が高く、前記範囲よりも大きい場合に比べて組成物(X)からなる層の衝撃強度が高くなる傾向がある。
重合体(A)は、上記要件(A−a)〜(A−e)に加えて、好ましくは下記のいずれかの要件を満たす。
要件(A−f):重合体(A)の、ASTM D1238に準拠して260℃、5.0kg荷重にて測定されるメルトフローレート(MFR)は、後述する共重合体(B)と押出機内で混ざりやすく、共押出できる範囲であれば特に規定されないが、通常、0.5g/10min〜200g/10minであり、より好ましくは1g/10min〜150g/10min、さらに好ましくは1g/10min〜100g/10minである。MFRが上記範囲であれば、組成物(X)を比較的均一な膜厚に押出成形しやすい。
要件(A−g):重合体(A)の分子量分布(Mw/Mn)は、通常1.0〜7.0であり、好ましくは2.0〜6.0である。なお、重合体(A)の分子量分布(Mw/Mn)は、実施例記載の方法により算出される値である。
要件(A−h):重合体(A)は、破れにくい組成物(X)からなる層を得る観点から、結晶性の高い重合体であることが好ましい。結晶性の高い重合体としては、アイソタクチック構造を有する重合体、シンジオタクチック構造を有する重合体のいずれであってもよいが、特にアイソタクチック構造を有する重合体が好ましく、また入手も容易である。さらに、重合体(A)は、組成物(X)をフィルム状に成形でき、積層体としたときに目的とする使用に耐える強度を有していれば、立体規則性は特に制限されない。
(重合体(A)の製造方法)
重合体(A)は、オレフィン類を重合して製造してもよく、高分子量の4−メチル−1−ペンテン系重合体を、熱分解して製造してもよい。また重合体(A)は、溶媒に対する溶解度の差で分別する溶媒分別、あるいは沸点の差で分取する分子蒸留などの方法で精製されていてもよい。
重合体(A)を重合反応により製造する場合、例えば4−メチル−1−ペンテンおよび必要に応じて共重合させるα−オレフィンの仕込量、重合触媒の種類、重合温度、重合時の水素添加量等を調整することで、融点、立体規則性および分子量等を制御する。重合体(A)を重合反応により製造する方法は、公知の方法であってもよい。重合体(A)は、例えば、チーグラナッタ触媒、メタロセン系触媒等の公知の触媒を用いた方法により製造され、好ましくはメタロセン系触媒を用いて製造され得る。一方、重合体(A)を、より高分子量の4−メチル−1−ペンテン系重合体の熱分解により製造する場合には、熱分解の温度や時間を制御することで、分子量を所望の値に制御する。
重合体(A)は、前述のように製造したもの以外にも、例えば三井化学株式会社製TPX等、市販の重合体であってもよい。
<共重合体(B)>
共重合体(B)は、以下の要件(B−a)〜(B−e)を満たす。
要件(B−a):共重合体(B)は、4−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位(P)を65モル%以上96モル%未満の割合で、及び4−メチル−1−ペンテン以外の炭素数2以上20以下のα−オレフィンに由来する構成単位(BQ)を4モル%を超え35モル%以下の割合で有する。(ただし、構成単位(P)の含有率および構成単位(BQ)の含有率の合計を100モル%とする。)
構成単位(P)の含有率は、65モル%以上96モル%未満であり、好ましくは68モル%以上92モル%未満であり、より好ましくは68モル%以上90モル%未満であり、特に好ましくは80モル%以上88モル%未満である。
構成単位(P)の含有率が65モル%以上であることにより、積層体の応力緩和性が向上する。
構成単位(BQ)の含有率(構成単位(BQ)が2種以上である場合は当該2種以上の合計の含有率)は、4モル%を超え35モル%以下であり、好ましくは8モル%を超え32モル%以下であり、より好ましくは10モル%を超え32モル%以下であり、特に好ましくは12モル%を超え20モル%以下である。
共重合体(B)における構成単位(BQ)の含有率が4モル%を超えることにより、得られる積層体はカールの抑制とエンボス加工後の耐クラック性に優れる。
構成単位(BQ)の含有率が35モル%以下であることにより、積層体の応力緩和性が向上する。
構成単位(BQ)を形成する、4−メチル−1−ペンテン以外の炭素数2以上20以下のα−オレフィンとしては、引張破断伸びの異方性及び引裂強さの異方性をより低減する観点から、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセンが好ましく、炭素原子数2〜4のα−オレフィン、すなわちエチレン、プロピレン、1−ブテンが更に好ましく、プロピレンが特に好ましい。
また、上記α−オレフィンが上記好ましい範囲であると、得られる積層体の耐衝撃性も向上する。
構成単位(BQ)を形成するα−オレフィンとして、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、構成単位(BQ)は、前記重合体(A)が構成単位(AQ)を含む場合、構成単位(AQ)と同じであってもよく、異なっていてもよい。
共重合体(B)は、本発明の効果を損なわない範囲で、4−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位(P)及び4−メチル−1−ペンテン以外の炭素数2以上20以下のα−オレフィンに由来する構成単位(BQ)以外のその他の構成単位を含んでいてもよい。その他の構成単位の含有率は、たとえば0〜10モル%である(ただし、構成単位(P)および構成単位(BQ)の含有率の合計を100モル%とする。)。
上記その他の構成単位を形成するモノマーとしては、環状オレフィン、芳香族ビニル化合物、共役ジエン、非共役ポリエン、官能ビニル化合物、水酸基含有オレフィン、ハロゲン化オレフィン等が含まれる。
環状オレフィン、芳香族ビニル化合物、共役ジエン、非共役ポリエン、官能ビニル化合物、水酸基含有オレフィン、及びハロゲン化オレフィンとしては、例えば、特開2013−169685号公報の段落0034〜0041に記載の化合物を用いることができる。
上記その他の構成単位を形成するモノマーとしては、ビニルシクロヘキサン、スチレンが特に好ましい。
共重合体(B)に、上記その他の構成単位が含まれる場合、上記その他の構成単位は、1種のみ含まれていてもよく、また、2種以上含まれていてもよい。
共重合体(B)における各構成単位の含有率(モル%)の値は、下記の条件で13C−NMRによる測定法により測定した場合のものである。
〜条件〜
測定装置:核磁気共鳴装置(ECP500型、日本電子(株)製)
観測核:13C(125MHz)
シーケンス:シングルパルスプロトンデカップリング
パルス幅:4.7μ秒(45°パルス)
繰り返し時間:5.5秒
積算回数:1万回以上
溶媒:オルトジクロロベンゼン/重水素化ベンゼン(容量比:80/20)混合溶媒
試料濃度:55mg/0.6mL
測定温度:120℃
ケミカルシフトの基準値:27.50ppm
要件(B−b):共重合体(B)の、デカリン溶媒中、135℃で測定される極限粘度[η]は、0.5〜4.0dl/gであり、好ましくは0.5dl/g〜3.5dl/gであり、より好ましくは1.0dl/g〜3.5dl/gである。共重合体(B)の極限粘度[η]が上記範囲内であると、低分子量体が少ないため、組成物(X)からなる層のべたつきが少なくなり、また、押出ラミネート法による積層体の成形が可能となる。
共重合体(B)の極限粘度[η]は、前記重合体(A)の極限粘度[η]と同様の方法で測定される値である。
要件(B−c):共重合体(B)の分子量分布(Mw/Mn)は、組成物(X)からなる層のべたつき及び外観の観点から、1.0〜3.5であり、好ましくは1.1〜3.0である。
共重合体(B)の重量平均分子量(Mw)は、組成物(X)からなる層の成形性の観点から、好ましくは1×104〜2×106であり、より好ましくは1×104〜1×106である。
なお、共重合体(B)の重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)は、実施例記載の方法により算出される値である。
要件(B−d):共重合体(B)の融点(Tm)は、観察されないか、又は100℃〜199℃の範囲にあり、より好ましくは観察されないか、又は110℃〜180℃の範囲にあり、さらに好ましくは110℃〜160℃の範囲にあり、特に好ましくは125℃〜150℃の範囲にある。
共重合体(B)の融点(Tm)は、前記重合体(A)の融点(Tm)と同様の方法により測定される値である。
要件(B−e):共重合体(B)のJIS K7112(密度勾配管法)に準拠して測定される密度は、ハンドリング性の観点から、830kg/m3〜860kg/m3であり、好ましくは830kg/m3〜850kg/m3である。
共重合体(B)は上記要件(B−a)〜(B−e)に加えて、好ましくは下記のいずれかの要件を満たす。
要件(B−f):共重合体(B)の、ASTM D1238に準拠して230℃で2.16kgの荷重にて測定されるメルトフローレート(MFR)は、組成物(X)の成形時の流動性の観点から、好ましくは0.1g/10min〜100g/10minであり、より好ましくは0.5g/10min〜50g/10minであり、さらに好ましくは0.5g/10min〜30g/10minである。
要件(B−g):共重合体(B)の、動的粘弾性測定(温度範囲:−40℃〜150℃、周波数:10rad/s)において損失正接(tanδ)の最大値を示す際の温度は、好ましくは−40℃〜50℃、より好ましくは0℃〜45℃、さらに好ましくは0℃〜43℃の範囲にあり、かつ、損失正接(tanδ)の最大値は、好ましくは0.4以上であり、より好ましくは0.6以上であり、さらに好ましくは0.8以上であり、特に好ましくは1.0以上である。共重合体(B)は、その損失正接(tanδ)の最大値が、上記温度範囲内にあり、かつ、最大値が0.4以上であると、応力緩和性により優れるため、本発明の積層体のクラックの抑制やカール防止に貢献する。
共重合体(B)の損失正接(tanδ)の最大値及びその最大値を示す際の温度は、以下の条件で、共重合体(B)から厚さ3mmのシートを形成し、シート形成の3日後に測定した場合のものである。
〜シート形成条件〜
200℃に設定した油圧式熱プレス機を用い、共重合体(B)に10MPaの圧力を加えシートを形成する。具体的には、3mm厚のシート(スペーサー形状;240×240×3mm厚の板に45×45×3mm、4個取り)の場合、余熱を5分とし、共重合体(B)を、10MPaで2分間加圧した後、20℃に設定した別の油圧式熱プレス機を用い10MPaで圧縮し、5分程度冷却してプレスシートを作製する。熱板としては5mm厚の真鍮板を用いる。
〜測定条件〜
前記プレスシートから、測定試料として45mm×10mm×3mmの短冊片を切り出す。ANTONPaar社製MCR301を用いて、10rad/sの周波数で−40〜150℃までの動的粘弾性の温度依存性を測定し、ガラス転移温度に起因する損失正接(tanδ)が最大値(ピーク値)となる際の温度、およびその際の損失正接(tanδ)の値を測定する。
(共重合体(B)の製造方法)
共重合体(B)は、従来知られているメタロセン触媒系により、例えば、国際公開第2005/121192号、国際公開第2011/055803号、国際公開第2014/050817等に記載された方法により合成することができる。
<組成物(X)>
組成物(X)において、重合体(A)及び共重合体(B)の合計100質量部に対する重合体(A)の含有量は、70質量部以上98質量部以下であり、好ましくは75質量部以上98質量部以下であり、さらに好ましくは80質量部以上98質量部以下であり、より好ましくは80質量部以上95質量部以下である。共重合体(B)の含有量は、2質量部以上30質量部以下であり、好ましくは2質量部以上25質量部以下であり、さらに好ましくは2質量部以上20質量部以下であり、より好ましくは5質量部以上20質量部以下である。
前記重合体(A)の含有量が前記範囲であることにより、前記範囲よりも少ない場合に比べて耐熱性に優れ、前記範囲よりも多い場合に比べて、カールやエンボス加工後のクラックを抑制した積層体が得られる。
組成物(X)は、JIS K7196に準拠して測定したTMA軟化温度が200℃以上(たとえば200〜240℃)であることが、耐熱性の観点から好ましい。TMA軟化温度は、たとえば共重合体(B)の含有量を減らしたり、重合体(A)における構成単位(AQ)の含有率を減らしたりすることにより高くすることができる。
組成物(X)は、重合体(A)と共重合体(B)とを前記割合で混合することによって得られるが、例えばオレフィン類の重合反応により組成物(X)を得てもよい。
組成物(X)を重合体(A)と共重合体(B)との混合により得る場合、混合方法としては、特に限定されないが、例えば、二軸押出機でコンパウンド、ペレット同士をドライブレンド等によって混合する方法等が挙げられる。
組成物(X)は、本発明の目的を損なわない範囲内において、さらに例えば、耐候安定剤、耐熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、スリップ防止剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、核剤、滑剤、顔料、染料、老化防止剤、塩酸吸収剤、無機又は有機の充填剤、有機系又は無機系の発泡剤、架橋剤、架橋助剤、粘着剤、軟化剤、難燃剤等の各種添加剤や、重合体(A)および共重合体(B)以外の樹脂を含有していてもよい。組成物(X)における、重合体(A)および共重合体(B)以外の成分の含有量は、重合体(A)および共重合体(B)の合計100質量部に対して好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。
〔基材紙層〕
本発明の積層体を構成する基材紙層の素材としては、たとえば、天然パルプすなわち植物体から取り出されたセルロース繊維の集合体、たとえば、上質加工原紙、クラフト紙、晒クラフト紙、白板紙、グラシン、和紙の他、レーヨン、アセテート繊維などの有機繊維、ガラス繊維、アスベスト繊維、炭素繊維などの無機繊維、合成パルプなどが挙げられる。これらのうちではセルロース繊維の集合体が好ましく用いられる。このような素材からなる基材紙層には、顔料、染料、バインダーなどが含まれていてもよい。
〔積層体〕
本発明に係る積層体は、4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物(X)からなる層(以下、単に「組成物(X)層」ともいう。)と基材紙層とが積層してなる。組成物(X)層と基材紙層との積層は、押出ラミネート法などの常法により行うことができる。次いで、常法により、組成物(X)層にエンボス模様を形成してもよい。すなわち、押出ラミネート法などにより得られた積層体を、所定のエンボス模様を施した金属製ロールとゴムロールとの間を通すか、あるいは、所定のエンボス模様を施した雌雄の金属製エンボスロールを通してエンボス加工を行ってもよく、またエンボス模様を施した金属板を熱プレスすることでエンボス加工を行ってもよい。
このように、本発明によれば、4−メチル−1−ペンテン系重合体を含む層を特定の4−メチル−1−ペンテン系重合体を用いて形成しているので、耐クラック性、耐熱性に優れた積層体が得られる。
組成物(X)層の厚さは、一般的には5〜150μm、好ましくは10〜100μm、さらに好ましくは10〜80μmである。
基材紙層の厚さは、一般的には20〜500μm、好ましくは30〜400μm、さらに好ましくは100〜300μm程度が適当である。
組成物(X)層と基材紙層との厚さの比率(組成物(X)層の厚さ/基材紙層の厚さ)は、一般的には1/1〜1/100、好ましくは1/2〜1/20である。
本発明の積層体は、発明の効果を損なわない限り、組成物(X)層および基材紙層以外の他の層を含んでいても構わない。他の層を含む場合、その厚さは積層体全体の厚さに対して好ましくは50%以下、より好ましくは20%以下である。他の層としては、例えば、重合体(A)または共重合体(B)単独からなる層や、その他の樹脂からなる層が挙げられる。
他の層を含む積層体としては、より具体的には、組成物(X)層と基材紙層との間に、重合体(A)からなる中間層を含む積層体が挙げられる。この積層体は、押出ラミネート法などにより、組成物(X)層と重合体(A)からなる中間層と基材紙層とをこの順序で積層することによって、製造することができる。
積層体の厚さは、一般的には25〜500μm、好ましくは30〜400μm、さらに好ましくは30〜300μm程度が適当である。
本発明の積層体は、特に用途は限定されないが、離型紙などの各種工程紙、印画紙、テープセパレーターとして好適に用いられる。たとえば、合成皮革用離型紙、ゴム製造用工程紙、ウレタン硬化用離型紙、エポキシ硬化用離型紙、太陽電池製造用工程紙、半導体製造用工程紙、燃料電池製造用工程紙、電気電子部品製造用工程紙、半導体製品製造用工程紙、回路基板製造用工程紙、フレキシブルプリント基板用離型紙、リジット基板用離型紙、リジットフレキシブル基板用離型紙、先端複合材料製造用工程紙、炭素繊維複合材硬化用離型紙、ガラス繊維複合材硬化用離型紙、アラミド繊維複合材硬化用離型紙、ナノ複合材硬化用離型紙、フィラー充填材硬化用離型紙、耐熱耐水印画紙、OA紙、粘着テープセパレーター、シリコンテープセパレーター、接着剤セパレーターなどがあり、この中でも特にエンボス加工性に優れる合成皮革用離型紙として好ましく用いられる。
一般に、4−メチル−1−ペンテン系重合体を含む樹脂層と、伸びない紙とを積層させた積層体においては、樹脂層がエンボス加工の際に厚さ方向に大きく変形できなくいため、樹脂層にクラックが生る可能性が高くなる。また、樹脂層に柔軟成分を入れて、樹脂層を厚さ方向に変形できるようになると耐熱性が落ちてしまって離型力も低下する。
一方、本発明の積層体は、樹脂層が上述した組成物(X)層であるため、耐熱性に優れ、エンボス加工後での耐クラック性にも優れる。
(合成皮革用離型紙の使用方法)
本発明に係る積層体を合成皮革用離型紙として使用して、たとえば合成皮革用部材にエンボス加工あるいはシボ加工などを施すには、まず初めに、たとえば上述した方法により、積層体の組成物(X)層の表面にエンボスパターンを付ける。
表面にエンボスパターンが付けられた組成物(X)層の表面に合成皮革用部材形成用材料(PVC分散液またはポリウレタン溶液等)を塗布し、次いで加熱あるいは乾燥等により硬化させてPVCまたはポリウレタン等からなる合成皮革用部材を組成物(X)層上に形成させる。加熱する際の温度は、PVC被膜を形成する場合には、通常、180〜230℃程度であり、ポリウレタン被膜を形成する場合には、通常、130〜180℃程度である。
次いで、本発明に係る積層体を剥離すると、所望のエンボスパターン等が表面に転写された合成皮革用部材が得られる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
[4−メチル−1−ペンテン重合体(A)]
国際公開2006/054613号の比較例7や比較例9に記載の重合方法に準じて、4−メチル−1−ペンテン、1−デセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、水素の割合を変更することによって、表1に示す物性を有する4−メチル−1−ペンテン重合体A−1、A−3を得た。また、国際公開2014−050817号に記載されている実施例5Eに準じて、4−メチル−1−ペンテン、1−デセン、水素の割合を変更することによって、表1に示す物性を有する4−メチル−1−ペンテン重合体A−2を得た。
また、重合体の各種物性の測定方法を以下に示し、測定結果を表1に示す。
(1)組成
前述した13C−NMRによる測定法により、重合体の組成を求めた。
(2)極限粘度[η]
ウベローデ粘度計を用い、前述した方法により、デカリン溶媒中135℃で測定される極限粘度[η]を求めた。
(3)重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)
液体クロマトグラフ:Waters製ALC/GPC 150−C plus型(示唆屈折計検出器一体型)を用い、カラムとして東ソー株式会社製GMH6−HT×2本およびGMH6−HTL×2本を直列接続し、移動相媒体としてo−ジクロロベンゼンを用い、流速1.0ml/分、140℃でゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定を行った。得られたクロマトグラムを、公知の方法によって、標準ポリスチレンサンプルを使用した検量線を用いて解析することで、重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
(4)メルトフローレート(MFR)
ASTM D1238に準拠して260℃、5.0kg荷重にて測定されるメルトフローレート(MFR)を求めた。
(5)密度
JIS K7112(密度勾配管法)に準拠して密度を求めた。
(6)融点(Tm)、結晶化温度(Tc)
JIS K7121に準拠して前記方法により測定し、ピーク温度から求めた。
(7)損失正接(tanδ)の最大値、および最大値を示す際の温度
−40℃〜150℃の温度範囲で、周波数10rad/sで動的粘弾性測定を行い、損失正接(tanδ)の最大値、およびtanδの値が最大となる際の温度を求めた。測定条件の詳細は前述のとおりである。
[4−メチル−1−ペンテン共重合体(B)]
<合成例1>〜重合体B−1の合成〜
充分に窒素置換した容量1.5Lの攪拌翼付のSUS製オートクレーブに、300mlのn−ヘキサン(乾燥窒素雰囲気下、活性アルミナ上で乾燥したもの)、及び450mlの4−メチル−1−ペンテンを23℃で装入した後、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)の1.0mmol/mlトルエン溶液を0.75ml装入し、攪拌機を回した。
次に、オートクレーブを内温が60℃になるまで加熱し、全圧(ゲージ圧)が0.19MPaとなるようにプロピレンで加圧した。
続いて、予め調製しておいた、Al換算で1mmolのメチルアルミノキサン、及び0.01mmolのジフェニルメチレン(1−エチル−3−t−ブチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドを含むトルエン溶液0.34mlをオートクレーブに窒素で圧入し、重合反応を開始させた。重合反応中は、オートクレーブの内温が60℃になるように温度調整した。
重合開始から60分後、オートクレーブにメタノール5mlを窒素で圧入し、重合反応を停止させた後、オートクレーブ内を大気圧まで脱圧した。脱圧後、反応溶液に、該反応溶液を攪拌しながらアセトンを添加し、溶媒を含む重合反応生成物を得た。次いで、得られた溶媒を含む重合反応生成物を減圧下、130℃で12時間乾燥させて、共重合体(B)として、44.0gの粉末状の重合体B−1を得た。
重合体B−1の各種物性の測定結果を表1に示す。なお、測定方法は、メルトフローレート(MFR)の測定条件を230℃、2.16kg荷重に変更したことを除いて、重合体(A)の測定方法と同じである。
[重合体(A)および共重合体(B)以外の重合体]
耐熱性が高く、柔軟なエラストマーである、三井化学株式会社製のタフマー(登録商標)PN−2060(以下「共重合体C−1」ともいう。)を使用した。
Figure 0006798848
[組成物(X)]
<組成物(X)の調製>
重合体A−1を90質量部と、重合体B−1を10質量部と、耐熱安定剤としてフェノール系安定剤 Irganox1010 0.12phr(チバBASF社製)とをサーモプラスチックス社製二軸押出機によって混合し、組成物X1を得た。
また重合体A−1の代わりに重合体A−2を用いた以外は組成物X1と同様にして、組成物X2を得た。
90質量部の重合体A−1および10質量部の重合体B−1の代わりに75質量部の重合体A−1および25質量部の重合体B−1を用いた以外は組成物X1と同様にして、組成物X3を得た。
重合体B−1の代わりに重合体A−3を用いた以外は組成物X1と同様にして、組成物X4を得た。
90質量部の重合体A−1および10質量部の重合体B−1の代わりに85質量部の重合体A−1および15質量部の共重合体C−1を用いた以外は組成物X1と同様にして、組成物X5を得た。
<TMA軟化温度>
組成物XのTMA軟化温度は、260℃に設定した神藤金属工業社製油圧式熱プレス機を用いて作製した厚み3mmのプレスシートにて測定した。JIS K7196に準拠し、厚さ3mmのプレスシートに、昇温速度5℃/分で1.8mmφの平面圧子により2kgf/cm2の圧力をかけ、TMA曲線より、軟化温度(℃)を求めた。得られたTMA軟化温度は表2に示した。
[積層体の作製]
<実施例1>
組成物X1を用い、サーモプラスチック製 30mmΦ共押出ラミネーターを使用して、押出ラミネーション成形により、基材紙上に組成物X1からなる層を形成して積層体を作製した。基材紙としては合成皮革用離型紙上質紙(厚さ200μm)を用い、ダイス温度を310℃に設定して、ダイス幅を400mm、ライン速度を10m/分として、基材紙上に形成される層の厚みが所定の厚みになるよう、スクリュー回転数を調整した。
<実施例2>
組成物X1を組成物X2に変更したこと以外は実施例1と同様の手法により、積層体を作製した。
<実施例3>
表面層形成用樹脂として組成物X1を用い、中間層形成用樹脂として重合体A−3を中間層に用いたこと以外は実施例1と同様の手法により、組成物X1からなる表面層/重合体A−3からなる中間層/上質紙からなる基材層の順序で各層が積層されてなる積層体を作製した。
<実施例4>
組成物X1を組成物X2に変更したこと以外は実施例3と同様の手法により、積層体を作製した。
<実施例5>
組成物X1を組成物X3に変更したこと以外は実施例1と同様の手法により、積層体を作製した。
<実施例6>
表面層の厚さが40μmになるようにスクリュー回転数を調整したこと以外は実施例5と同様の手法により、積層体を作製した。
<比較例1>
組成物X1を重合体A−1に変更したこと以外は実施例3と同様の手法により、積層体を作製した。
<比較例2>
組成物X1を組成物X4に変更したこと以外は実施例1と同様の手法により、積層体を作製した。
<比較例3>
組成物X1を組成物X5に変更したこと以外は、実施例1と同様の手法で積層体を作製した。
[積層体の評価]
得られた積層体について、以下の測定及び評価を行った。測定及び評価方法を以下に示す。また結果を表2に示す。
<成形性>
上記実施例1〜6、および比較例1〜3において樹脂層を押出ラミネーション成形した時のネックイン、耳揺れについて、下記の基準に従って評価した。ネックイン率が30%以下かつ耳揺れが10%以内であれば実用上問題ないと考えられる。なお、評価に際して、ラミネーションした樹脂層の押出方向および厚さ方向に垂直な方向の長さ(以下「樹脂ラミネーション幅」という。)を20か所で測定し、その平均値、最大値および最小値を求めた。
ネックイン率(%)
=((ダイ幅(400mm)−樹脂ラミネーション幅の平均値)/ダイ幅(400mm))×100
耳揺れ:
押出ラミネーション時の樹脂端部などの製膜状態を目視で観察すると共に、下記式により耳揺れを算出した。
耳揺れ(%)
=(((樹脂ラミネーション幅の最大値)−(樹脂ラミネーション幅の最小値))/(樹脂ラミネーション幅の平均値))×100
A:ネックイン率が30%以下かつ耳揺れが5%以下であった。
B:ネックイン率が30%以下かつ耳揺れが5%を超え10%以下であった。
C:ネックイン率が30%を超えていたか、あるいは耳揺れが10%を超えていた。
<カール量>
実施例1〜6および比較例1〜3で作製された積層体を、A4サイズの大きさに切り出し、表面層が上側となるようにして、温度23℃、湿度80%RHの条件で24時間静置し、次いで100℃に設定したオーブンの中に5分間静置した。積層体をオーブンから取り出して室温下に戻した後に、水平面上に、表面層が上側となるように積層体を置いた。積層体の四隅は程度の差こそあれ捲れていた。水平面からの、積層体の捲くれた四隅の高さ(以下「カール量」ともいう。)を測定し、下記基準でカール量を評価した。また、積層体が1周以上丸まってしまった場合はCと判定した。
A:カール量が5mm未満
B:カール量が5mm以上、15mm未満
C:カール量が15mm以上、または積層体が1周以上丸まってしまいカール量の算出が困難
<耐クラック性:熱サイクル試験>
エンボス加工には、株式会社新藤金属工業所製50トンプレス機械と、寸法長さ70mm×幅70mm×厚さ15mmのエンボス金型であってその片面に、幅0.5mm、深さ140μmの縞が0.5mmピッチで形成されてなるエンボス金型を用いた。実施例1〜6および比較例1〜3で作製しA4サイズの大きさに切り出した上記積層体の表面層の上にエンボス金型を乗せて160℃で3分間加熱を行い、その後、50kgfで10秒間加圧を行い、エンボス加工された積層体を取り出した。エンボス加工された積層体を、200℃に設定したオーブンで10分間静置し、その後室温下で10分静置した。これを熱サイクル試験の1サイクルとして、10回、30回同様の熱サイクルを繰り返した。熱サイクルを10回、30回繰り返したのちの表面層のクラック有無を、走査電子顕微鏡(SEM)で観察した。
A:クラックが観測されなかった。
B:クラックが1〜5ヵ所確認された。
C:クラックが5ヵ所以上確認された。
<剥離強度>
上記「耐クラック性:熱サイクル試験」の場合と同様の方法で、エンボス加工された積層体を、1つの実施例等につき2つ作製し、その一方には、上記「耐クラック性:熱サイクル試験」の場合と同様の方法で熱サイクルを10回施した。次いで、各サンプルを温度23℃、相対湿度50%の環境下に1時間放置した後、温度23℃相対湿度50%の環境で、樹脂層(すなわち、表面層、または表面層および中間層)と基材層とを180°方向に、速度300mm/分で引張り、樹脂層と基材層との間の引き剥がしに要した力(以下「剥離強度」という。)を測定した。
Figure 0006798848

Claims (8)

  1. 下記要件(A−a)〜(A−e)を満たす4−メチル−1−ペンテン(共)重合体(A)70〜98質量部と、
    下記要件(B−a)〜(B−e)を満たす4−メチル−1−ペンテン共重合体(B)2〜30質量部((共)重合体(A)および共重合体(B)の合計量を100質量部とする。)と
    を含んでなる組成物(X)からなる層と、
    基材紙層と
    を有する積層体。
    (A−a)4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位(P)の含有率が100〜90モル%であり、炭素原子数2〜20のα−オレフィン(4−メチル−1−ペンテンを除く。)から導かれる構成単位(AQ)の含有率が0〜10モル%(構成単位(P)および構成単位(AQ)の含有率の合計を100モル%とする。)である。
    (A−b)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が1.0〜4.0dl/gである。
    (A−c)DSCで測定した融点(Tm)が200〜250℃の範囲にある。
    (A−d)DSCで測定した結晶化温度(Tc)が150〜220℃の範囲にある。
    (A−e)密度が820〜850kg/m3である。
    (B−a)4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位(P)の含有率が65モル%以上96モル%未満であり、炭素原子数2〜20のα−オレフィン(4−メチル−1−ペンテンを除く。)から導かれる構成単位(BQ)の含有率が4モル%を超え35モル%以下(構成単位(P)および構成単位(BQ)の含有率の合計を100モル%とする。)である。
    (B−b)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜4.0dl/gである。
    (B−c)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜3.5である。
    (B−d)DSCで測定した際に、融点(Tm)が観察されないか100℃〜199℃の範囲にある。
    (B−e)密度が830〜860kg/m3である。
  2. 前記組成物(X)のJIS K7196に準拠して測定したTMA軟化温度が200℃以上である請求項1に記載の積層体。
  3. 前記構成単位(BQ)が、炭素原子数2〜4のα−オレフィンに由来する構成単位である請求項1または2に記載の積層体。
  4. 前記組成物(X)からなる層と前記基材紙層との間に、前記4−メチル−1−ペンテン(共)重合体(A)からなる中間層を有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層体。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層体からなる離型紙。
  6. 前記組成物(X)からなる層と前記基材紙層とを積層する請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層体の製造方法。
  7. 前記組成物(X)からなる層と前記4−メチル−1−ペンテン(共)重合体(A)からなる中間層と前記基材紙層とをこの順序で積層する請求項4に記載の積層体の製造方法。
  8. 請求項5に記載の離型紙の前記組成物(X)からなる層をエンボス加工する工程、
    エンボス加工された前記組成物(X)からなる層の表面に合成皮革用部材形成用材料を塗布し、次いで硬化させて、エンボスパターンを有する合成皮革用部材を形成する工程、
    および
    前記合成皮革用部材から前記離型紙を剥離する工程
    を有するエンボスパターンを有する合成皮革用部材の製造方法。
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