JP2023063838A - 積層体および離型紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、4-メチル-1-ペンテン系重合体の特徴である耐熱性および離型性を維持しつつ、押出ラミネート性、エンボス加工性の向上、耐クラック性、およびカール抑制に優れる積層体および離型紙を得ることにある。【解決手段】本発明は、特定要件を満たす4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)50~90質量部と、プロピレン重合体(B)5~40質量部、および特定要件を満たす4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(C)5~30質量部〔ただし、(A)+(B)+(C)の合計を100質量部とする。〕を含む樹脂組成物(X)を含有する層と、基材紙層とを有する積層体にかかわる。【選択図】なし

Description

本発明は、4-メチル-1-ペンテン系重合体およびプロピレン重合体が、特定の配合比率で含む樹脂組成物層からなる層と、基材層とを有する積層体および離型紙に関する。
4-メチル-1-ペンテン系重合体は、耐熱性を有するという特性の他に、表面張力が低く離型性に優れるため、産業用離型フィルムや合成皮革部材(例えば、合皮皮革の表面層)製造用の離型紙などに使用され、4-メチル-1-ペンテン系重合体からなるフィルムと紙、および熱可塑性樹脂基板との積層体としても利用されている。
このような積層体としては、例えば合成皮革部材製造のエンボス加工用離型紙が挙げられる。合成皮革部材を製造するには、始めにニップロールとエンボスロールとの間で離型紙を挿通させ、高融点樹脂層の表面にエンボス模様またはシボ模様などを加飾する。次いで、高融点樹脂の表面に合成皮革部材の原料であるポリ塩化ビニル(以下、PVCということがある。)ゾル、またはポリウレタン溶液を塗布して加熱硬化する。その後、離型紙を剥離することで、表面にエンボス模様やシボ模様が転写されたPVC製またはポリウレタン製の合成皮革部材が得られるというものである。
特許文献1および特許文献2には、エンボス加工時によるクラック防止の観点から、4-メチル-1-ペンテン系共重合体に高圧法低密度ポリエチレンを配合することが開示されている。
特許文献3には、4-メチル-1-ペンテン系共重合体として、4-メチル-1-ペンテン・1-ヘキセンランダム共重合体を用いることが開示されている。
特開2002-292716号公報 特開2003-127284号公報 特開2008-143172号公報
特許文献1および2に記載された離型紙は耐熱性に優れるものの、積層体の伸長特性が低いため、エンボス模様のエッジ箇所で微細なクラックを発生することがあった。さらに、積層体の成形加工時による残留応力に起因して、積層体自体がカールする現象からハンドリング性に劣るという問題があった。
一方、特許文献3に記載された離型紙は、耐クラック性やカールの抑制に優れるものである。しかしながら、樹脂組成物の耐熱性が低いため、繰り返し使用による合成皮革部材へのエンボスパターン等の転写性が悪くなるという問題があった。
さらに、4-メチル-1-ペンテン系重合体に耐クラック性の改善を図る目的として、市販のポリオレフィン系エラストマーを添加した場合には、押出ラミネート法により積層する際に、ネッキングや端部揺れなどの不具合を引き起こすことがわかった。また、積層体のカール抑制および耐クラック性は、ともに十分な効果が得られないこともわかった。
本発明は、4-メチル-1-ペンテン系重合体の特徴である耐熱性および離型性を維持しつつ、押出ラミネート性、エンボス加工性の向上、耐クラック性、およびカール抑制に優れる積層体および離型紙を提供することである。
前述の課題を解決するために鋭意検討した結果、4-メチル-1-ペンテン系重合体〔なお、本明細書においては、「重合体」と記載した場合は特に断りがない限り、単独重合体と共重合体を含むものとする。〕およびプロピレン重合体が、特定の配合比率で含む樹脂組成物からなる層と、基材層とを有する積層体および離型紙を用いることにより前述の課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の[1]~[4]にかかわる。
[1]
下記要件(A-a)~(A-c)を満たす4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)を50~90質量部、
プロピレン重合体(B)を5~40質量部、および、
下記要件(C-a)~(C-e)を満たす4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(C)を5~30質量部〔ただし、(A)+(B)+(C)の合計を100質量部とする。〕を含む樹脂組成物(X)を含有する層、並びに
基材紙層を有することを特徴とする積層体。
要件(A-a)
4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位(i)100~90モル%と、炭素原子数5~20のα-オレフィン(4-メチル-1-ペンテンを除く)から導かれる構成単位(ii)0~10モル%からなる〔ただし、構成単位(i)と構成単位(ii)の合計を100モル%とする。)。
要件(A-b)
ASTM D1238に準拠して260℃、5.0kg荷重で測定されるメルトフローレイト(MFR)が、5~250g/10分の範囲にある。
要件(A-c)
示差走査熱量計(DSC)で測定した融点(Tm)が、200~250℃の範囲にある。
要件(C-a)
4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位(iii)92~60モル%と、炭素原子数2~4のα-オレフィンから導かれる構成単位(iv)8~40モル%からなる〔ただし、構成単位(iii)と構成単位(iv)の合計を100モル%とする。〕。
要件(C-b)
135℃デカリン中で測定した極限粘度〔η〕が、0.5~4.0dl/gの範囲にある。
要件(C-c)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)が、1.0~3.5の範囲にある。
要件(C-d)
密度が、825~860kg/m3の範囲にある。
要件(C-e)
示差走査熱量計(DSC)で測定した融点(Tm)が観測されないか、または160℃未満の範囲にある。
[2]
前記樹脂組成物(X)が、周波数10rad/s(1.6Hz)、昇温速度2℃/分、および歪み量0.1%の条件で測定される180℃における動的粘弾性の貯蔵弾性率G′が、10~100MPaの範囲にある樹脂組成物である項[1]に記載の積層体。
[3]
項[1]または項[2]に記載の積層体からなる離型紙。
[4]
項[3]に記載の離型紙の前記樹脂組成物(X)からなる層をエンボス加工する工程、
エンボス加工された前記樹脂組成物(X)からなる層の表面に合成皮革部材の形成用材料を塗布する工程、次いで、合成皮革部材の形成用材料を硬化させてエンボスを有する合成皮革部材を形成する工程、次いで、前記合成皮革部材から前記離型紙を剥離する工程、を有するエンボスを有する合成皮革部材の製造方法。
本発明の積層体は、4-メチル-1-ペンテン系重合体の特徴である耐熱性および離型性を維持しつつ、成形加工性、エンボス加工性の向上、耐クラック性、およびカール抑制に優れる離型紙として好適に使用できる。
以下、本発明の具体的な実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
<4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)>
本発明の積層体を構成する層の一つである樹脂組成物(X)を含有する層の成分の一つである4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)〔以下、「重合体(A)」と略記する場合がある。〕は、下記要件(A-a)~(A-c)を満たす重合体である。
〈要件(A-a)〉
4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位(i)100~90モル%、好ましくは99~92モル%の範囲、および炭素原子数5~20のα-オレフィン(4-メチル-1-ペンテンを除く)から導かれる構成単位(ii)0~10モル%、好ましくは1~8モル%の範囲からなる〔ただし、構成単位(i)と構成単位(ii)の合計は100モル%とする。〕。
本発明に係る重合体(A)における構成単位(i)の含有率が90モル%以上であることにより、積層体として適した耐熱性が得られ、さらに、ハンドリングに適した弾性率および可撓性が得られるという利点がある。
本発明に係る重合体(A)の構成単位(ii)を形成する4-メチル-1-ペンテン以外の炭素原子数5以上20以下のα-オレフィンとしては、例えば、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-デセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-オクタデセン、および1-エイコサン等が挙げられる。
構成単位(ii)を形成するα-オレフィンとしては、重合体(A)を含む樹脂組成物(X)に適度な弾性率と可撓性を付与するという観点から、炭素原子数8~18のα-オレフィンが好ましく、具体的には、1-オクテン、1-デセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、および1-オクタデセンがより好ましい。これらα-オレフィンは、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明に係る重合体(A)は、本発明の効果を損なわない範囲で、4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位(i)、および4-メチル-1-ペンテン以外のα-オレフィンから導かれる構成単位(ii)以外のその他の構成単位を含んでもよい。その他の構成単位の含有率は、例えば、0~10モル%である〔ただし、構成単位(i)と構成単位(ii)の含有率の合計を100モル%とする。〕。
本発明に係る重合体(A)における各構成単位の含有率(モル%)の値は、後述する4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(C)と同様に、炭素13C核磁気共鳴(以下、13C-NMRということがある。)による測定方法によって算出した場合のものである。なお、具体的な測定方法については、後述の実施例に記載する内容のとおりである。
〈要件(A-b)〉
本発明に係る重合体(A)のASTM D1238に準拠して260℃、5.0kg荷重で測定されるメルトフローレイト(MFR)が5~250g/10分、好ましくは10g/10分~220g/10分、より好ましくは15g/10分~200g/10分の範囲にある。
本発明に係る重合体(A)のMFRが上記範囲にあると後述するプロピレン重合体(B)、および4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(C)の両者と、溶融混練によって混合しやすく、また、得られる樹脂組成物(X)を均一な膜厚に成形しやすい。
〈要件(A-c)〉
本発明に係る重合体(A)は、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点(Tm)が、200~250℃、好ましくは200~245℃、より好ましくは200~240℃の範囲にある。重合体(A)の融点が上述の範囲内であれば、得られる樹脂組成物(X)は適切な耐熱性を有する。なお、具体的な融点(Tm)の測定方法は、後述に記載する内容のとおりである。
≪重合体(A)の製造方法≫
本発明に係る重合体(A)は、4-メチル-1-ペンテンを重合して製造してもよく、高分子量の4-メチル-1-ペンテン重合体を熱分解して製造してもよい。また、重合体(A)は、溶媒に対する溶解度の差異で分別する溶媒分別、あるいは沸点の差異で分取する分子蒸留などの方法で精製されてもよい。
本発明に係る重合体(A)は、従来公知のオレフィン重合用触媒、例えば、バナジウム系触媒、チタン系触媒、マグネシウム担持型チタン触媒、国際公開第01/53369号パンフレット、国際公開第01/27124号パンフレット、特開平3-193796号公報、あるいは特開平2-41303号公報に記載のメタロセン触媒などを用いて、4-メチル-1-ペンテンと、必要に応じて炭素原子数8以上18以下のα-オレフィン(4-メチル-1-ペンテンを除く)を重合することにより得ることができる。
また、本発明に係る重合体(A)は、市販品を使用することができ、例えば、三井化学社製TPX(登録商標)が挙げられる。
<プロピレン重合体(B)>
本発明の積層体を構成する層の一つである樹脂組成物(X)を含有する層の成分の一つであるプロピレン重合体(B)〔以下、「重合体(B)」と略記する場合がある。〕は、プロピレンに由来する構成単位を主成分とするオレフィン系重合体である。
本発明に係る重合体(B)としては、プロピレン単独重合体、またはプロピレンと少なくとも1種のプロピレン以外の炭素原子数が2~20のα-オレフィンとの共重合体を挙げることができる。ここで、プロピレン以外の炭素原子数が2~20のα-オレフィンとしては、エチレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンなどが挙げられ、エチレンまたは炭素原子数が4~10のα-オレフィンが好ましい。
プロピレンとこれらα-オレフィンとの共重合体は、ランダム共重合体でもよく、ブロック共重合体でもよい。これらのα-オレフィンから導かれる構成単位は、α-オレフィンとプロピレンとの共重合体中に35モル%以下、好ましくは30モル%以下の割合で含むことができる。
なお、本発明に係る重合体(B)は、一種に限らず二種以上の混合物(組成物)であってもよい。本発明に係る重合体(B)が二種以上の組成物である場合は、当該組成物は、上記要件を満たすことが必要である。
本発明に係る重合体(B)の製造方法は、特に限定されるものではなく、チーグラ・ナッタ触媒、メタロセン系触媒等の周知の触媒を用いた周知の方法が挙げられる。
本発明に係る重合体(B)はアイソタクティック構造、シンジオタクティック構造のどちらでもよく、前記重合体(A)および後述の共重合体(C)との相容性を考慮していずれかの構造を選択することができる。
共重合体としては、例えば、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・1-ブテン共重合体、プロピレン・エチレン・1-ブテン共重合体などが挙げられる。
本発明に係る重合体(B)としては、融点(Tm)の高いプロピレン単独重合体が好ましい。
プロピレン単独重合体を含む樹脂組成物(X)は、高温領域での剛性を付与でき、積層体の性能バランスを図ることができる。
本発明に係る重合体(B)のASTM D1238に準拠して230℃、2.16kg荷重で測定されるメルトフローレイト(MFR)が、通常、0.1~20g/10分、好ましくは0.5~15g/10分、より好ましくは1.0~10g/10分の範囲にある。
MFRが上述の下限値以上であると、溶融粘度が高過ぎず、適度な流動性を有して成形加工しやすいため好ましい。また、MFRが上述の上限値以下であると、溶融粘度が低過ぎず、適度な流動性を有して成形時の流動性を容易に調整できるため好ましい。
<4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(C)>
本発明の積層体を構成する層の一つである樹脂組成物(X)を含有する層の成分の一つである4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(C)〔以下「共重合体(C)」と略記する場合がある。〕は、下記要件(C-a)~(C-e)を満たす4-メチル-1-ペンテンとα-オレフィンの共重合体である。
〈要件(C-a)〉
4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位(iii)92~60モル%、および、炭素原子数2~4のα-オレフィンから導かれる構成単位(iv)8~40モル%からなる〔ただし、構成単位(iii)と構成単位(iv)の合計は100モル%である。〕。
本発明に係る共重合体(C)における構成単位(iii)の含有率が60モル%以上であることにより、積層体には応力緩和性を付与できる。
本発明に係る共重合体(C)における構成単位(iv)の含有率が8モル%以上であることにより、得られる積層体はエンボス加工性が向上して耐クラック性に優れて、同時にカール抑制の効果があるものが得られる。また、構成単位(iv)の含有率が40モル%以下であることにより、得られる積層体には応力緩和性を付与できる。
本発明に係る共重合体(C)における各構成単位の含有率(モル%)の値は、前記重合体(A)と同様に、13C-NMRによる測定方法によって算出した場合のものである。なお、具体的な測定方法については、前記重合体(A)と同様に、後述の実施例に記載する内容のとおりである。
本発明に係る共重合体(C)における構成単位(iii)の含有率は、好ましくは90~65モル%、より好ましくは89~68モル%、さらに好ましくは88~70モル%の範囲にある。
本発明に係る共重合体(C)における構成単位(iv)の含有率は、好ましくは10から35モル%、より好ましくは11~32モル%、さらに好ましくは12~30モル%の範囲にある。
本発明に係る共重合体(C)における構成単位(iv)を形成する炭素原子数2以上4以下のα-オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1-ブテンなどが挙げられる。これらは、1種単独、あるいは本発明の効果を損なわない範囲で、2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも特にプロピレンが好ましく、樹脂組成物(X)に用いられる前記重合体(A)と前記重合体(B)の両者に対する相容性が得られる。
〈要件(C-b)〉
本発明に係る共重合体(C)は、デカリン溶媒中、135℃で測定される極限粘度〔η〕が、0.5~4.0dl/g、好ましくは0.6~3.5dl/g、より好ましくは0.8~3.0dl/gの範囲にある。
本発明に係る共重合体(C)の極限粘度〔η〕が、上記範囲内であると、低分子量成分が少ないため、得られる積層体のべたつきが低減され、押出ラミネート法による積層体の成形が容易となるため好ましい。なお、具体的な測定方法については、後述の実施例に記載するとおりである。
〈要件(C-c)〉
本発明に係る共重合体(C)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)が、1.0~3.5の範囲にある。分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは1.2~3.0、さらに好ましくは1.5~2.5である。
分子量分布(Mw/Mn)が3.5以下であると、組成分布に由来する低分子量および低立体規則性ポリマーの影響が少なく、得られる積層体のべたつきが低減され、押出ラミネート法による積層体の成形が容易となるため好ましい。
また、本発明に係る共重合体(C)は、GPCで測定される重量平均分子量(Mw)が、ポリスチレン換算で、好ましくは500~10,000,000、より好ましくは1,000~5,000,000、さらに好ましくは1,000~2,500,000の範囲にある。なお、GPCの測定条件等の詳細は、後述する実施例に記載する内容のとおりである。
〈要件(C-d)〉
本発明に係る共重合体(C)は、密度が、825~860kg/m3、好ましくは830~850kg/m3の範囲にある。密度が上記の範囲内にあると、樹脂組成物(X)に含まれる前記共重合体(A)および重合体(B)の両者に対して、均一で良好な分散性が得られるため好ましい。また、得られる積層体は、均一な膜厚に調整できるため有利である。なお、密度の測定条件等の詳細は、後述する実施例に記載する内容のとおりである。
〈要件(C-e)〉
本発明に係る共重合体(C)は、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点(Tm)が、観測されないか、または160℃未満である。本発明に係る共重合体(C)が、融点(Tm)を有する場合、その上限は好ましくは150℃、より好ましくは145℃であり、さらに好ましくは140℃以下である。
融点(Tm)の値は、共重合体の立体規則性ならびに共に重合する構成単位(iv)のα-オレフィンに依存して変化する値である。共重合体(C)の融点(Tm)は、後述するオレフィン重合用触媒を用いて所望の組成に制御することにより調整が可能である。なお、融点(Tm)の測定条件等の詳細は、前述の共重合体(A)と同様に、後述する実施例に記載する内容のとおりである。
本発明に係る共重合体(C)は、上記要件(C-a)~(C-e)に加え、好ましくは、以下の特徴を有する。
本発明に係る共重合体(C)の応力緩和性については、例えば、動的粘弾性で測定される貯蔵弾性率G′と損失弾性率G″の比(G″/G′)で示される損失正接tanδにより、評価することができる。貯蔵弾性率G′は応力を加えた際に、そのエネルギーを内部に蓄えて応力を保持する弾性成分のことである。損失弾性率G″は応力を加えた際に、そのエネルギーを熱に変換して逃がす(外部へ拡散する)粘性成分のことである。したがって、特定の温度環境下での損失正接tanδが高い材料であるほど、衝撃を吸収しやすく、より高い応力緩和性を発現することになる。
本発明に係る共重合体(C)は、限定されるものではないが、-40~150℃の温度範囲で、トーションモード、周波数10rad/s(1.6Hz)、歪み設定0.1%による動的粘弾性測定で求められる損失正接tanδの最大値(以下、tanδピーク値ということがある。)は、好ましくは0.5~5.0、より好ましくは0.6~4.5、さらに好ましくは0.7~4.0の範囲である。
本発明の積層体に用いられる樹脂組成物(X)における共重合体(C)単独のtanδピーク値は、1.0以上であることが、得られる積層体の成形時やエンボス加工等で発生する歪みや変形などの応力を緩和しやすくなり、耐クラック性やカール抑制に優れた効果を発現するため好ましい。
また、本発明に係る共重合体(C)は、限定されるものではないが、-40~150℃の温度範囲において、トーションモード、周波数10rad/s(1.6Hz)、歪み設定0.1%による動的粘弾性測定で求められる損失正接tanδの値が最大となる際の温度(以下、tanδピーク温度ということがある。)として、好ましくは-30~60℃、より好ましくは-20~50℃の範囲にある。
さらに、本発明の積層体に用いられる樹脂組成物(X)については、共重合体(C)単独のtanδピーク温度は、10~50℃の範囲であることが、得られる積層体の成形時やエンボス加工等で発生する歪みや変形などの応力を緩和しやすくなり、耐クラック性やカール抑制に優れた効果を発現するため好ましい。なお、具体的なtanδの測定方法については、後述の実施例に記載する内容のとおりである。
前記tanδピーク値およびtanδピーク温度は、共重合体(C)における構成単位(iii)/構成単位(iv)の組成比などにより調整することができる。
≪共重合体(C)の製造方法≫
本発明に係る共重合体(C)の製造方法は、特に限定されない。例えば、4-メチル-1-ペンテンと前述の炭素原子数2~4のα-オレフィンとをマグネシウム担持型チタン触媒、またはメタロセン触媒などの適切な重合触媒存在下で重合することにより製造できる。
ここで、使用することができる重合触媒としては、従来公知の触媒、例えば、マグネシウム担持型チタン触媒、国際公開第01/53369号パンフレット、国際公開01/27124号パンフレット、特開平3-193796号公報、あるいは特開平2-41303号公報、国際公開第2011/055803号パンフレット、国際公開第2014/050817号パンフレット等に記載のメタロセン触媒などが好適に用いられる。重合は、溶解重合および懸濁重合などを含む液相重合法、ならびに気相重合法などから適宜選択して行うことができる。
液相重合法では、液相を構成する溶媒として不活性炭化水素溶媒を用いることができる。上記不活性炭化水素の例には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、および灯油などを含む脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、およびメチルシクロヘキサンなどを含む脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエン、およびキシレンなどを含む芳香族炭化水素、ならびにエチレンクロリド、クロロベンゼン、ジクロロメタン、トリクロロメタン、およびテトラクロロメタンなどを含むハロゲン化炭化水素、ならびにこれらの混合物などが含まれる。
また、液相重合法では、前述の4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位(iii)に対応するモノマー(すなわち、4-メチル-1-ペンテン)、前述の炭素原子数2~4のα-オレフィンから導かれる構成単位(iv)に対応するモノマー(すなわち、前述の炭素原子数2~4のα-オレフィン)自体を溶媒とした塊状重合とすることもできる。
なお、上述の4-メチル-1-ペンテンと上述の炭素原子数2~4のα-オレフィンとの共重合を段階的に行うことにより、前記4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(C)を構成する4-メチル-1-ペンテンの構成単位(iii)、および、炭素原子数2~4のα-オレフィンの構成単位(iv)の組成分布を適度に制御することもできる。
重合温度は、-50~200℃が好ましく、0~100℃がより好ましく、20~100℃がさらに好ましい。重合圧力は、常圧~10MPaゲージ圧であることが好ましく、常圧~5MPaゲージ圧であることがより好ましい。
重合の時に、生成するポリマーの分子量や重合活性を制御する目的として、水素を添加してもよい。添加する水素の量は、前述の4-メチル-1-ペンテンの量と前述の炭素原子数2~4のα-オレフィンの量との合計1kgに対して、0.001~100NL程度が適切である。
<樹脂組成物(X)>
本発明の積層体を構成する層の一つである樹脂組成物(X)は、上記重合体(A)を50~90質量部、好ましくは52~88質量部、より好ましくは54~86質量部、さらに好ましくは56~84質量部、上記重合体(B)を5~40質量部、好ましくは6~35質量部、より好ましくは7~30質量部、さらに好ましくは8~25質量部、および上記共重合体(C)を5~30質量部、好ましくは6~28質量部、より好ましくは7~26質量部、さらに好ましくは8~24質量部〔ただし、(A)+(B)+(C)の合計を100質量部とする。〕の範囲で含む組成物である。
本発明に係る樹脂組成物(X)は、上記重合体(A)を上記範囲内で含むことにより、上記範囲よりも少ない樹脂組成物と比べて、耐熱性に優れる積層体が得られる。また、上記範囲よりも多い樹脂組成物に比べて、カール抑制やエンボス加工性が向上され、かつクラック発生を防ぐ積層体が得られる。
本発明に係る樹脂組成物(X)は、好ましくは周波数10rad/s(1.6Hz)、昇温速度2℃/分、歪み量0.1%の条件で測定される180℃における動的粘弾性の貯蔵弾性率G′は、10~100MPaの範囲にあり、より好ましくは12MPa以上90MPa以下、さらに好ましくは14MPa以上80MPa以下、特に好ましくは15MPa以上70MPa以下である。なお、動的粘弾性の貯蔵弾性率G′の具体的な測定方法については、後述の実施例に記載する内容のとおりである。
本発明に係る樹脂組成物(X)は、180℃における動的粘弾性の貯蔵弾性率G′が上述の範囲内にあることにより、高温下で耐熱性と可撓性を両立した性能バランスにより優れ、所望のエンボスパターンが転写し易い積層体が得られる。
本発明に係る樹脂組成物(X)は、前記重合体(A)、前記重合体(B)、および前記共重合体(C)を前記特定の割合で混合することにより得られる。混合する方法は、とくに限定はされず、種々公知の方法、例えば、上述成分をヘンシェルミキサー、タンブラーブレンダー、V-ブレンダー等によりドライブレンドする方法、ドライブレンドした後、単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー等により溶融混練する方法、および溶媒の存在下で、攪拌混合する方法等によって調整することができる。
本発明に係る樹脂組成物(X)は、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤としては、公知の酸化防止剤が使用可能である。具体的には、ヒンダードフェノール化合物、硫黄系酸化防止剤、ラクトーン系酸化防止剤、有機ホスファイト化合物、有機ホスフォナイト化合物、あるいはこれらを数種組み合わせたものが使用できる。
本発明に係る樹脂組成物(X)は、本発明の効果を損なわない範囲で、従来公知の添加剤、例えば、耐候安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、スリップ防止剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、結晶核剤、滑剤、顔料、染料、老化防止剤、塩酸吸収剤、無機又は有機の充填剤、有機系又は無機系の発泡剤、架橋剤、架橋助剤、粘着剤、軟化剤、難燃剤等の各種添加剤を含有してもよい。上述の各種添加剤の含有量については、樹脂組成物(X)における重合体(A)、重合体(B)、および共重合体(C)以外の成分の含有量は、重合体(A)、重合体(B)、および共重合体(C)の合計100質量部に対して、好ましくは5質量部以下、より好ましくは3質量部以下である。
また、本発明に係る樹脂組成物(X)は、重合体(A)、重合体(B)、および共重合体(C)以外の重合体も含有してもよい。その場合、樹脂組成物(X)における重合体(A)、重合体(B)、および共重合体(C)以外の成分の含有量は、重合体(A)、重合体(B)、および共重合体(C)の合計100質量部に対して、好ましくは20質量部以下、より好ましくは10質量部以下である。
<積層体>
本発明の積層体は、上記要件(A-a)~(A-c)を満たす4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)を50~90質量部、プロピレン重合体(B)を5~40質量部、および、上記要件(C-a)~(C-e)を満たす4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(C)を5~30質量部〔ただし、(A)+(B)+(C)の合計を100質量部とする。〕を含む上記樹脂組成物(X)を含有する層、並びに下記基材紙層を有することを特徴とする積層体である。
本発明の積層体は、従来公知の押出ラミネート法により樹脂組成物(X)を含有する層が、ネッキングや端部揺れを抑制して良好な成形加工ができ、4-メチル-1-ペンテン系重合体の特徴である耐熱性および離型性を維持しつつ、エンボス加工性の向上、耐クラック性、およびカール抑制に優れる。
樹脂組成物(X)を含有する層には、エンボス模様やシボ模様などを形成してもよい。即ち、押出ラミネート法などにより得られた積層体を、所定のエンボス模様やシボ模様などを施した金属製ロールとゴムロールとの間を通すか、あるいは、所定のエンボス模様やシボ模様などを施した雌雄型の金属製ロールを通して、エンボス加工やシボ加工などを行ってもよく、また、エンボス模様やシボ模様などを施した金属板を熱プレスすることにより、エンボス加工やシボ加工を行ってもよい。
樹脂組成物(X)を含有する層の厚みは、通常5~200μm、好ましくは10~150μm、より好ましくは10~100μm、さらに好ましくは10~80μmである。
前記基材層の厚みは、通常20~500μm、好ましくは30~400μm、より好ましくは50~350μm、さらに好ましくは80~300μmである。
樹脂組成物(X)を含有する層と下記基材紙層との厚み比〔樹脂組成物(X)を含有する層の厚み/基材紙層の厚み)は、通常1/1~1/100、好ましくは1/2~1/50、より好ましくは1/2~1/40、さらに好ましくは1/2~1/20である。
本発明の積層体には、本発明の効果を損なわない限り、樹脂組成物(X)を含有する層および基材紙層以外の他の層を含んでも構わない。他の層を含む場合、その厚みは積層体全体の厚みに対して、好ましくは50%以下、より好ましくは30%以下、さらに好ましくは20%以下である。他の層としては、例えば、前記重合体(A)または前記共重合体(C)単独からなる層や、その他の重合体からなる層が挙げられる。
また、他の層を含む積層体として具体的には、樹脂組成物(X)を含有する層と基材紙層との間に、前記重合体(A)からなる中間層を含む積層体が挙げられる。この積層体は、従来公知の押出ラミネート法などにより、樹脂組成物(X)を含有する層と重合体(A)からなる中間層と基材紙層とを、この順序で積層することにより、製造することができる。
積層体の全体厚みは、通常20~500μm、好ましくは25~450μm、より好ましくは30~400μm、さらに好ましくは30~350μmである。
本発明の積層体は、特に用途は限定されないが、例えば、離型紙などの各種工程紙、印画紙、テープセパレータとして好適に用いられる。例えば、合成皮革部材用離型紙、ゴム製造用工程紙、ウレタン硬化用離型紙、エポキシ硬化用離型紙、太陽電池製造用工程紙、半導体製造用工程紙、燃料電池製造用工程紙、電気電子部品製造用工程紙、半導体製品製造用工程紙、回路基板製造用工程紙、フレキシブルプリント基板用離型紙、リジット基板用離型紙、リジットフレキシブル基板用離型紙、先端複合材料製造用工程紙、炭素繊維複合材硬化用離型紙、ガラス繊維複合材硬化用離型紙、アラミド繊維複合材硬化用離型紙、ナノ複合材硬化用離型紙、フィラー充填材硬化用離型紙、耐熱耐水印画紙、OA紙、粘着テープセパレータ、シリコンテープセパレータ、接着剤セパレータなどがあり、この中でも、特にエンボスやシボ加工に優れる合成皮革部材用離型紙として好ましく用いられる。
一般的に、4-メチル-1-ペンテン系重合体を含む樹脂層と、伸長しない紙材とを積層させた積層体において、その樹脂層がエンボス加工の際に、厚み方向に大きく変形しにくいため、樹脂層にクラックが発生する可能性が高くなる。また、樹脂層に柔軟成分を含有させて樹脂層を厚み方向に変形できるようにすると、耐熱性が低下してしまい、離型性が低下する現象を引き起こす。
一方、本発明の積層体は、樹脂層が樹脂組成物(X)を含有する層であるため、耐熱性に優れて、かつエンボス加工後での耐クラック性にも優れる。
≪基材紙層≫
本発明の積層体を構成する層の一つである基材紙層の材料としては、繊維質であれば特に限定はされない。具体的には、植物由来の天然パルプから採取されたセルロース繊維の集合体、例えば、上質加工原紙、クラフト紙、晒クラフト紙、白板紙、グラシン、和紙の他にレーヨン、アセテート繊維などの有機繊維、ガラス繊維、炭素繊維などの無機繊維、合成パルプなどが挙げられる。これらの中では、セルロース繊維の集合体が好ましく用いられる。このような材料からなる基材紙層には、顔料、染料、バインダーなどが含まれてもよい。
<合成皮革部材の製造方法>
本発明の積層体を用いて合成皮革部材を製造する方法としては、離型紙として用いる樹脂組成物(X)を含有する層をエンボス加工する工程、エンボス加工された樹脂組成物(X)を含有する層の表面に合成皮革部材の形成用材料を塗布する工程、次いで、合成皮革部材の形成用材料を硬化させてエンボスを有する合成皮革部材を形成する工程、次いで、前記合成皮革部材から前記離型紙を剥離する工程、を有するエンボスを有する合成皮革部材の製造方法が挙げられる。
本発明の積層体を合成皮革部材製造の離型紙として、例えば、合成皮革部材にエンボス加工やシボ加工などを施すには、まず初めに、例えば、前述した方法により積層体の樹脂組成物(X)を含有する層の表面にエンボスパターンを付ける。
エンボスパターンが付けられた樹脂組成物(X)を含有する層の表面に合成皮革部材の形成材料(例えば、PVC分散液またはポリウレタン溶液等)を塗布し、次いで、加熱あるいは乾燥等により硬化させて、PVCまたはポリウレタン等からなる合成皮革部材を樹脂組成物(X)を含有する層の上面に形成させる。加熱する際の温度は、PVC被膜を形成する場合、通常180~230℃程度であり、ポリウレタン被膜を形成する場合には、通常130~180℃程度である。
次いで、本発明に係る積層体を剥離すると、所望のエンボスパターン等が表面に転写された合成皮革部材が得られる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。以下の実施例および比較例における重合体物性の測定方法、使用重合体、試験片の作製方法、および評価方法は次のとおりである。
重合体の物性の測定方法
<構成単位の含有率>
重合体中の4-メチル-1-ペンテン、およびα-オレフィン含量の定量化は、以下の装置および条件により13C-NMRで測定した結果を基にした。ただし、本測定結果のα-オレフィン含量には、4-メチル-1-ペンテンの含量は含まれない。
日本電子社製ECP500型核磁気共鳴装置を用いて、オルトジクロロベンゼン/重水素化ベンゼン(80/20容量%)混合溶媒、試料濃度55mg/0.6mL、測定温度120℃、観測核は13C(125MHz)、シーケンスはシングルパルスプロトンデカップリング、パルス幅は4.7μ秒(45°パルス)、繰り返し時間は5.5秒、積算回数は1万回以上、27.50ppmをケミカルシフトの基準値として測定した。得られた13C-NMRスペクトルにより、重合体の組成を定量化した。
<メルトフローレイト(MFR)>
ASTM D1238に準拠して、重合体(A)は、温度260℃、5kg荷重で測定し、共重合体(C)は、温度230℃、2.16kg荷重で測定した。
<融点(Tm)>
JIS K7121に準拠し、日立ハイテクサイエンス社製示差走査熱量計DSC7000Xを用い、昇温速度10℃/分で測定される融解ピーク頂点の最も高い温度を融点とした。
<極限粘度>
ウベローデ粘度計を用いて、デカリン溶媒中135℃で測定した値である。重合パウダー、およびペレットまたは樹脂塊を約20mg採取し、デカリン15mLに溶解して、135℃に加熱したオイルバス中で比粘度ηspを測定した。このデカリン溶液にデカリン溶媒を5mL追加して希釈後、同じように比粘度ηspを測定した。この希釈操作をさらに2回繰り返し、濃度(C)をゼロに外挿した時のηsp/Cの値を極限粘度として算出した(下式参照)。
[η]=lim(ηsp/C) (C→0)
<重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn値)>
分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
具体的には、液体クロマトグラフとしてWaters社製ALC/GPC150-Cplus型(示差屈折計検出器一体型)を用い、分離カラムとして東ソー社製GMH6-HTを2本、およびGMH6-HTLを2本直列接続して用い、移動相媒体としてo-ジクロロベンゼン、酸化防止剤として0.025質量%のジブチルヒドロキシトルエン(武田薬品工業社製)を用い、移動相媒体を1.0mL/分で移動させ、試料濃度は15mg/10mLとし、試料注入量は500μLとし、検出器は示差屈折計を用いた。標準ポリスチレンとしては、重量平均分子量(Mw)が1,000以上、4000,000以下において、東ソー社製の標準ポリスチレンを用いた。
得られたクロマトグラムを、公知の方法によって、標準ポリスチレンサンプルを用いて検量線を作成して解析することで、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)および分子量分布(Mw/Mn値)を算出した。1サンプル当たりの測定時間は60分であった。
<密度>
密度は、JIS K7112に準拠して、密度勾配管を用いて測定した。
〔重合体〕
<重合体(A-1)の合成>
国際公開2006/054613号パンフレットの方法に準じ、4-メチル-1-ペンテン、1-デセン、水素の割合を調整した。具体的には、無水塩化マグネシウム、2-エチルヘキシルアルコール、2-イソブチル-2-イソプロピル-1,3-ジメトキシプロパン、および四塩化チタンを反応させて得られる固体状チタン触媒成分を重合用触媒として用い、トリエチルアルミニウムの存在下、4-メチル-1-ペンテンおよび1-デセンを水素存在下で共重合することで、重合体(A-1)を得た。各物性の測定結果を表1に示す。
<重合体(B)>
重合体(B)として、プロピレン単独重合体(プライムポリマー社製商品名プライムポリプロF113G;メルトフローレイト(MFR;ASTM D1238準拠、温度230℃、2.16kg荷重)3g/10分、融点(Tm)165℃)〔重合体(B-1)〕を用いた。
<共重合体(C)の合成>
共重合体(C)として、4-メチル-1-ペンテン含有量、および炭素原子数2~4のα-オレフィン含有量が異なる2種の共重合体を調整した。それら共重合体を、共重合体(C-1)および共重合体(C-2)と区別し、それぞれの合成方法は、後述に記載する内容のとおりである。
<共重合体(C-1)の合成>
充分に窒素置換した容量1.5Lの攪拌翼付SUS製オートクレーブに、23℃でn-ヘキサン300ml(乾燥窒素雰囲気下、活性アルミナ上で乾燥したもの)、4-メチル-1-ペンテン450mlを装入した。このオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)の1.0mmol/mlトルエン溶液を0.75ml装入して攪拌した。
次に、オートクレーブを内温60℃まで加熱し、全圧(ゲージ圧)が0.40MPaとなるようにプロピレンで加圧した。
続いて、予め調製しておいたアルミニウム換算で1mmolのメチルアルミノキサン、および0.01mmolのジフェニルメチレン(1-エチル-3-t-ブチル-シクロペンタジエニル)(2,7-ジ-t-ブチル-フルオレニル)ジルコニウムジクロリドを含むトルエン溶液0.34mlをオートクレーブに窒素で圧入し、重合反応を開始した。
重合反応中は、オートクレーブの内温が60℃になるように温度を調整した。
重合開始から60分後、オートクレーブにメタノール5mlを窒素で圧入し、重合反応を停止させた後、オートクレーブ内を大気圧まで脱圧した。脱圧後、反応溶液にアセトンを添加しながら攪拌した。
得られた溶媒を含むパウダー状の共重合体を100℃、減圧下で12時間乾燥した。生成物である共重合体(C-1)の重量は36.9gで、共重合体中の4-メチル-1-ペンテン含有量は72.4モル%、プロピレン含有量は27.6モル%であった。示差走査熱量計(DSC)で測定を行ったところ、融点は観測されなかった。各物性の測定結果を表1に示す。
<共重合体(C-2)の合成>
充分に窒素置換した容量1.5Lの攪拌翼付のSUS製オートクレーブに、23℃でn-ヘキサン300ml(乾燥窒素雰囲気下、活性アルミナ上で乾燥したもの)、4-メチル-1-ペンテン450mlを装入した。このオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)の1.0mmol/mlトルエン溶液を0.75ml装入して攪拌した。
次に、オートクレーブを内温60℃まで加熱し、全圧(ゲージ圧)が0.19MPaとなるようにプロピレンで加圧した。
続いて、予め調製しておいたアルミニウム換算で1mmolのメチルアルミノキサン、および0.01mmolのジフェニルメチレン(1-エチル-3-t-ブチル-シクロペンタジエニル)(2,7-ジ-t-ブチル-フルオレニル)ジルコニウムジクロリドを含むトルエン溶液0.34mlをオートクレーブに窒素で圧入し、重合反応を開始した。
重合反応中は、オートクレーブの内温が60℃になるように温度を調整した。
重合開始から60分後、オートクレーブにメタノール5mlを窒素で圧入し、重合反応を停止させた後、オートクレーブ内を大気圧まで脱圧した。脱圧後、反応溶液にアセトンを添加しながら攪拌した。
得られた溶媒を含むパウダー状の重合体を130℃、減圧下で12時間乾燥した。生成物である共重合体(C-2)の重量は、44.0gで、共重合体中の4-メチル-1-ペンテン含有量は84.1モル%、プロピレン含有量は15.9モル%であった。示差走査熱量計(DSC)で測定を行ったところ、融点は130℃であった。各物性の測定結果を表1に示す。
<各重合体の動的粘弾性測定>
前述の方法で得られた重合体(A-1)、共重合体(C-1)および共重合体(C-2)のそれぞれをSUS製型枠に所定量充填し、重合体(A-1)の場合は加熱盤270℃、共重合体(C-1)および共重合体(C-2)の場合は加熱盤200℃に設定し、油圧式熱プレス機(関西ロール社製PEWR-30)を用いて、予熱7分間、ゲージ圧10MPaで2分間加圧した後、20℃に設定した冷却盤に移し替え、ゲージ圧10MPaで圧縮して3分間冷却し、厚み2.0mmの測定用プレスシートを作製した。
次に、上述の方法で得られた厚み2.0mmの測定用プレスシートを、レオメーター(アントンパール社製MCR301)により、トーションモード、周波数10rad/s(1.6Hz)、歪み量0.1%、昇温速度2℃/分の条件で、-40~150℃における動的粘弾性の温度分散を観測し、tanδピーク値およびtanδピーク温度を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2023063838000001
<樹脂組成物(X)の動的粘弾性測定>
重合体(A-1)、重合体(B-1)、共重合体(C-1)および共重合体(C-2)のそれぞれについて、後述の表2に示す実施例および比較例の所定配合比率によりドライブレンドして得られた該樹脂組成物100質量部に対して、二次抗酸化剤としてトリ(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェートを1000ppm、耐熱安定剤としてn-オクタデシル-3-(4’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-t-ブチルフェニル)プロピネートを1000ppm、塩酸吸収剤としてステアリン酸カルシウムを500ppm配合した。
次いで、二軸押出機(日本製鋼所社製TEX25αIII、スクリュー径Φ25mm、L/D=52)を用いて、シリンダー設定温度270℃、押出量5kg/時間、スクリュー回転数100rpmの条件でストランドを吐出し、水槽に浸漬しながらペレタイザー(カツミック社製KM-100)まで導き、造粒してペレットを得た。
上述の方法で得られた該樹脂組成物のペレットをSUS製型枠に所定量充填し、加熱盤270℃に設定した油圧式熱プレス機(関西ロール社製PEWR-30)を用いて、予熱7分間、ゲージ圧10MPaで2分間加圧した後、20℃に設定した冷却盤に移し替え、ゲージ圧10MPaで圧縮して3分間冷却し、厚み2.0mmの測定用プレスシートを作製した。
次に、上述の方法で得られた厚み2.0mmの測定用プレスシートを、レオメーター(アントンパール社製MCR301)により、トーションモード、周波数10rad/s(1.6Hz)、歪み量0.1%、昇温速度2℃/分の条件で、-20~240℃における動的粘弾性の温度分散を観測し、180℃における貯蔵弾性率G′を測定した。その結果を表2に示す。
〔実施例1〕
重合体(A-1)80質量部、重合体(B-1)10質量部、および共重合体(C-1)10質量部の合計100質量部に対して、トリ(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェートを1000ppm、n-オクタデシル-3-(4’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-t-ブチルフェニル)プロピネートを1000ppm、ステアリン酸カルシウムを500ppm配合し、前述の方法とおりに樹脂組成物(X-1)のペレットを得た。
次いで、押出ラミネーター成形機(住友重機械モダン社製、スクリュー径Φ40mm)を使用して、従来公知の押出ラミネーション成形により、基材層に樹脂組成物(X-1)からなる層を形成して積層体を作製した。基材紙層は、厚み180μmの合成皮革用離型上質紙〔日本製紙社製上質紙「しらおい」、坪量157g/m2〕を用いて、ダイス幅400mm、ダイス部の設定温度310℃、引取速度10m/分の条件で、基材層に形成される樹脂組成物からなる層の厚みが80μmになるように、スクリュー回転数(溶融樹脂の押出量に相当する)を調整して積層体を作製した。
〔実施例2〕
実施例1で用いた樹脂組成物(X-1)に替えて、重合体(A-1)70質量部、重合体(B-1)20質量部、および共重合体(C-1)10質量部の合計100質量部に替えた樹脂組成物を用いる以外は、実施例1と同様に行い積層体を作製した。
〔実施例3〕
実施例2で用いた共重合体(C-1)に替えて、共重合体(C-2)を用いる以外は、実施例2と同様に行い積層体を作製した。
〔実施例4〕
実施例1で用いた樹脂組成物(X-1)に替えて、重合体(A-1)60質量部、重合体(B-1)20質量部、および共重合体(C-1)20質量部の合計100質量部に替えた樹脂組成物を用いる以外は、実施例1と同様に行い積層体を作製した。
〔比較例1〕
実施例1で用いた樹脂組成物(X-1)に替えて、重合体(A-1)単独で用いる以外は、実施例1と同様に行い積層体を作製した。
〔比較例2〕
実施例1で用いた樹脂組成物(X-1)に替えて、重合体(A-1)70質量部、および共重合体(C-2)30質量部の合計100質量部に替えた樹脂組成物を用いる以外は、実施例1と同様に行い積層体を作製した。
〔比較例3〕
実施例1で用いた樹脂組成物(X-1)に替えて、樹重合体(A-1)20質量部、重合体(B-1)70質量部、および共重合体(C-1)10質量部の合計100質量部に替えた樹脂組成物を用いる以外は、実施例1と同様に行い積層体を作製した。
積層体の評価
実施例および比較例で得られた積層体は、以下の評価項目について測定を行った。その評価方法は後述のとおりであり、その測定結果を表2に示す。
<成形加工性>
実施例1~4および比較例1~3における樹脂組成物からなる層を、前述の方法により押出ラミネーション成形した時のネックインと端部揺れについて、下記の基準に従って評価した。
下記の式(1)から算出されるネックイン率が30%以下、かつ下記の式(2)から算出される端部揺れが10%以内であれば、実用上問題無いと判断した。
評価に関して、押出ラミネーションした該樹脂組成物からなる層の製膜方向および厚み方法に垂直な方向の長さ(以下、「樹脂ラミネーション幅」ということがある。)を20箇所で測定し、その平均値、最大値および最小値を算出した。なお、下記の式で樹脂ラミネーション幅の単位はmmである。ネックイン率の値が小さいほど、押出ラミネーションの成形加工性に有利であるといえる。
ネックイン率(%)={(ダイス幅(400mm))-(樹脂ラミネーション幅)}/{ダイス幅(400mm)}×100 式(1)
端部揺れについては、押出ラミネーション時の樹脂層端部などの製膜状態を目視で観察し、下記の式(2)により端部揺れを算出した。なお、樹脂ラミネーション幅の最大値、最小値および平均値の単位はmmである。併せて、下記の評価基準で判定した。端部揺れの値が小さいほど、押出ラミネーションの成形加工性に有利であるといえる。
端部揺れ(%)={(樹脂ラミネーション幅の最大値)-(樹脂ラミネーション幅の最小値))/{(樹脂ラミネーション幅の平均値)}×100 式(2)
〔成形加工性の評価基準〕
A:ネックイン率が30%以下、かつ端部揺れが5%以下であった。
B:ネックイン率が30%以下、かつ端部揺れが5%を超えて10%以下であった。
C:ネックイン率が30%を超えているか、あるいは端部揺れが10%を超えていた。
<カール量>
実施例1~4および比較例1~3で作製された積層体から、A4サイズ(幅210mm、長さ297mm)の寸法に切り出して評価用サンプルとした。その評価用サンプルの樹脂層を上側にして、温度23℃、相対湿度80%RHの条件で24時間静置した。次いで、100℃に設定されたオーブン中に5分間静置した後、オーブンから評価用サンプルを取り出して、温度23℃、相対湿度50%RHの雰囲気下で、評価用サンプルの樹脂層を上側にして定盤に静置した。評価サンプルが自然放冷されて室温まで戻った後、定盤から評価サンプルの四隅までの高さを直線定規で測定し、その平均値をカール量とした。算出したカール量は下記の評価基準で判定し、評価サンプルが1周以上に丸まった状態になったものは、「C」と判定とした。カール量の値が小さいほど、積層体のカール抑制効果が高いといえる。
〔カール量の評価基準〕
A:カール量が5mm未満
B:カール量が5mm以上15mm未満
C:カール量が15mm以上、または1周以上に丸まった状態でカール量の算出が困難
<熱サイクル試験による耐クラック性>
実施例1~4および比較例1~3で作製された積層体から、A4サイズ(幅210mm、長さ297mm)の寸法に切り出して評価用サンプルとした。その評価用サンプルをエンボス加工するため、油圧式熱プレス機(神藤金属工業所社製50ton成形プレス)およびエンボス金型(長さ70mm×幅70mm×厚み15mmの金型寸法の片面に、幅0.5mm、深さ140μmのシマ模様が0.5mmピッチで形成されたエンボスパターン)を用いた。始めに、評価用サンプルの樹脂層を上面として、エンボス金型を載せた状態で160℃、3分間静置した。次に、50kg荷重で10秒間の加圧を行い、エンボス加工された評価用サンプルを取り出した。
エンボス加工された評価用サンプルを、200℃に設定されたオーブンで10分間静置した後、室温下に戻して10分間静置した。これを熱サイクル試験の1サイクルとして、10回および30回の熱サイクルを繰り返した。
そのような熱サイクルを10回および30回繰り返した後、樹脂層の表面を示査電子顕微鏡(SEM:日立ハイテクサイエンス社製S-3700N)により形態観察し、クラックの有無を解析した。解析した結果を下記の評価基準により判定した。
〔耐クラック性の評価基準〕
A:クラックが観測されなかった
B:クラックが1~5箇所認められた
C:クラックが5箇所以上認められた
<層間接着強さ>
前述の「熱サイクル試験による耐クラック性」と同様の方法で、エンボス加工された評価サンプルを実施例および比較例ごとにそれぞれ2枚ずつ作製した。
実施例および比較例ごとのそれぞれ1枚には、前述の「熱サイクル試験による耐クラック性」と同様な方法で熱サイクルを10回行った。
上述の評価用サンプルを温度23℃、相対湿度50%RHの雰囲気下で1時間エージングした後、幅10mmの短冊状試験片を作製し、該樹脂組成物からなる層と基材層とを180度の方向に試験速度300mm/分で引張して、該樹脂組成物からなる層と基材層とを剥離させるのに要した応力を層間接着強さ(N/10mm)とした。層間接着強さの値が大きいほど、該樹脂組成物からなる層と基材層との接着性に優れており、高品質な積層体および離型紙が得られる。
Figure 2023063838000002
実施例1~4により得られた積層体は、耐熱性および離型性を有して、押出ラミネート性、エンボス加工性の向上、耐クラック性、およびカール抑制の性能バランスに優れることがわかった。
比較例1により得られた積層体は、耐熱性および離型性を有しているものの、加熱によりカールし易いことから、ハンドリング性が悪いと想定される。
比較例2により得られた積層体は、高温下での剛性が不足しているため、繰り返し使用を想定した熱サイクルでクラックが発生した。
比較例3により得られた積層体は、押出ラミネーションの成形性が悪かった。また、明らかに耐熱性が低いため、合成皮革部材用離型紙としては不向きである。
本発明の積層体は、合成皮革部材製造のエンボス加工用離型紙として好適に用いることができる。本発明の積層体および離型紙としては、例えば、合成皮革部材用離型紙、ゴム製造用工程紙、ウレタン硬化用離型紙、エポキシ硬化用離型紙、太陽電池製造用工程紙、半導体製造用工程紙、燃料電池製造用工程紙、電気電子部品製造用工程紙、半導体製品製造用工程紙、回路基板製造用工程紙、フレキシブルプリント基板用離型紙、リジット基板用離型紙、リジットフレキシブル基板用離型紙、先端複合材料製造用工程紙、炭素繊維複合材硬化用離型紙、ガラス繊維複合材硬化用離型紙、アラミド繊維複合材硬化用離型紙、ナノ複合材硬化用離型紙、フィラー充填材硬化用離型紙、耐熱耐水印画紙、OA紙、粘着テープセパレータ、シリコンテープセパレータ、接着剤セパレータなどが挙げられる。

Claims (4)

  1. 下記要件(A-a)~(A-c)を満たす4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)を50~90質量部、
    プロピレン重合体(B)を5~40質量部、および、
    下記要件(C-a)~(C-e)を満たす4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(C)を5~30質量部〔ただし、(A)+(B)+(C)の合計を100質量部とする。〕を含む樹脂組成物(X)を含有する層、並びに
    基材紙層を有することを特徴とする積層体。
    要件(A-a)
    4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位(i)100~90モル%と、炭素原子数5~20のα-オレフィン(4-メチル-1-ペンテンを除く)から導かれる構成単位(ii)0~10モル%からなる〔ただし、構成単位(i)と構成単位(ii)の合計を100モル%とする。)。
    要件(A-b)
    ASTM D1238に準拠して260℃、5.0kg荷重で測定されるメルトフローレイト(MFR)が、5~250g/10分の範囲にある。
    要件(A-c)
    示差走査熱量計(DSC)で測定した融点(Tm)が、200~250℃の範囲にある。
    要件(C-a)
    4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位(iii)92~60モル%と、炭素原子数2~4のα-オレフィンから導かれる構成単位(iv)8~40モル%からなる〔ただし、構成単位(iii)と構成単位(iv)の合計を100モル%とする。〕。
    要件(C-b)
    135℃デカリン中で測定した極限粘度〔η〕が、0.5~4.0dl/gの範囲にある。
    要件(C-c)
    ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)が、1.0~3.5の範囲にある。
    要件(C-d)
    密度が、825~860kg/m3の範囲にある。
    要件(C-e)
    示差走査熱量計(DSC)で測定した融点(Tm)が観測されないか、または160℃未満である。
  2. 前記樹脂組成物(X)が、周波数10rad/s(1.6Hz)、昇温速度2℃/分、および歪み量0.1%の条件で測定される180℃における動的粘弾性の貯蔵弾性率G′が、10~100MPaの範囲にある樹脂組成物である請求項1に記載の積層体。
  3. 請求項1または請求項2に記載の積層体からなる離型紙。
  4. 請求項3に記載の離型紙の樹脂組成物(X)を含有する層をエンボス加工する工程、
    エンボス加工された樹脂組成物(X)を含有する層の表面に合成皮革部材の形成用材料を塗布する工程、次いで、合成皮革部材の形成用材料を硬化させてエンボスを有する合成皮革部材を形成する工程、次いで、前記合成皮革部材から前記離型紙を剥離する工程、を有するエンボスを有する合成皮革部材の製造方法。
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