JP6798659B2 - 水生生物を利用した水質監視システム - Google Patents

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Description

本発明は、水槽に水道水等の被検水を注水して水生生物を常時監視することにより、被検水の水質異常を検知する水質監視システムに関するものである。
家庭へ配水される水道水は、河川・湖・井戸から原水が取水され、浄水施設を介して配水されている。この原水には有毒物質、例えばPCB(ポリ塩化ビフェニール)等の有機塩素系化合物、水銀、カドミウム、鉛、亜鉛等の有害重金属、ダイオキシン、シアン化カリウムや農薬等が混入しているおそれがある。このため、水道水は、水道法第4条に基づく水質基準(50項目)に適合するものでなければならず、水道事業体等に検査の義務が課されている。また、水質基準以外にも、水質管理上留意すべき項目を水質管理目標設定項目(27項目)、農薬類(101項目)、並びに水道水中での検出実態が明らかでない項目を要検討項目(40項目)と位置づけている。そのため、原水の水質管理は、24時間連続した監視が必要である。従来の監視方法としては、試薬を使う化学分析法に比べてコストも安く、反応結果も早く、原水を連続で検査できることから水生生物を利用した水質監視方法が広く認知され、魚類を監視水槽に常時飼育して原水を直接的に連続給水して自動で監視をする装置が実用に供されている(特許文献1〜5参照。)。
特開平07−063747号公報 特開平09−229924号公報 特開2002−257815号公報 特開2004−125753号公報 特開2008−134119号公報
しかしながら、上記従来の監視装置は、被検水(原水)の性状によっては水生生物を監視することができなくなり、水質監視が不能になることがあった。例えば台風通過直後の河川水は、懸濁物質を含むため、懸濁物質が次第に水槽内に蓄積され、水生生物が動くことで蓄積した懸濁物質を巻き上げ、画像処理装置等が水生生物と懸濁物質を混同して水質監視機能が低下していた。これは、被検水を水槽へ注水する前に、ろ過処理することで回避することができるが、目詰まりによるろ過材の交換が必要となり、費用と労力を要する。また、被検水中の懸濁物質に毒物が付着していた場合、ろ過処理を行うことで、被検水中の懸濁物質と共に、懸濁物質に付着していた毒物も同時に除去されてしまうため、水質異常を正しく検出できなくなる。
また、原水がポンプアップされた場合は、原水中に気泡が多く含まれていることが多く、検出器の誤動作を招く要因となる。
とくに、水槽内の藻の大量発生も水質監視が不能になる原因の一つである。特に夏場は、2、3日で藻が水槽に付着し始め、一週間ほどで、藻が水槽に大量発生し、水質監視機能が低下、もしくは水生生物が死滅する恐れがある。これらは水槽の清掃を頻繁に行うことで回避できるが、多大な労力が掛かるうえに、清掃中には水質監視が停止する、水生生物へストレスを与えるという問題があった。
本発明は、上記のような従来技術の課題に鑑みなされたものであり、水生生物の長期飼育が可能であるとともに、水質の検出精度を向上させることのできる水生生物を利用した水質監視システムを提供することを目的とする。
このため、本発明は、被検水が連続通水される複数の水槽で被検水の水質を検知するとともに、被検水で水生生物を飼育する水質監視システムであって、連続通水された被検水が脱泡処理され、濁度センサを有する脱泡槽と、脱泡槽から流入する被検水の有害物質を検出する水質検出センサを有する水質検出水槽と、水質検出水槽から流入する被検水を用いて水生生物を飼育する飼育水槽と、脱泡槽と水質検出水槽間、水質検出水槽と飼育水槽間を夫々接続する流路に設けられた緊急遮断弁と、飼育水槽内に設けられ飼育水槽内の様子を撮像する監視カメラと、飼育水槽内の水生生物へ所定量の給餌を行う自動給餌器と、飼育水槽内に撮像用の光を照射するLED照明と、濁度センサ、水質検出センサ、緊急遮断弁、監視カメラ、自動給餌器、LED照明、及びインターネットに電気的に接続され、濁度センサ、水質検出センサ、監視カメラから受信した所定のデータをインターネットを介して端末機器へ配信するとともに、緊急遮断弁の開閉、監視カメラのON−OFF、自動給餌器の作動、及びLED照明のON−OFFを制御する制御盤を備えたことを第1の特徴とする。
また、前記脱泡槽、及び前記水質検出槽が、遮光素材で製作されるとともに、着脱可能な蓋体を備えていることを第2の特徴とし、前記飼育水槽が、網状の蓋体を備え、開閉可能に設けられていることを第3の特徴とする。
さらに、前記飼育水槽が、立体網状のマットが載置された多孔状仕切板で上下に区画されるとともに、飼育水槽の底部にドレン管が設けられたことを第4の特徴とする。
本発明は、以下の優れた効果を有する。
(1)水質検出水槽で有害物質が検出された際は、緊急遮断弁を制御盤により自動的に閉制御して飼育水槽へ有害物質を含んだ原水が飼育水槽へ流入することを防止でき、水生生物の長期飼育を可能とする。
(2)インターネットを介して端末機器でセンサ類のデータや監視カメラの撮像データを確認できるため、管理者は外出先から被検水の状態や飼育水槽内の状況を確認できる。
(3)脱泡槽、及び水質検出槽が、遮光素材で製作されるため、槽内で藻の発生が活性されることを防止でき、清掃が容易となる。
(4)飼育水槽が、網状の蓋体を備えているため、太陽光や雨水などを飼育水槽に取り入れて自然に近い環境下で水生生物を飼育することができる。また、立体網状のマットが載置された多孔状仕切板で上下に区画されるとともに、飼育水槽の底部にドレン管が設けられているため、飼育水槽内に発生する水生生物の***物や残餌のみを区画された飼育水槽の下部空間へ沈下させて堆積物を形成させるとともに、堆積物が形成される空間と、水生生物が日常生息する空間とに区画したことで、水生生物の活動により堆積物が再び巻き上げられ、飼育水槽中に浮遊することを防止でき、衛生管理が容易となる。
本発明に係る水質監視システムの一実施例を示す全体概略構成図である。 本発明に係る水質監視システムの一実施例を示す(a)が正面図、(b)が側面図、(c)が背面図である。 本発明に係る脱泡槽100、及び水質検出水槽200の詳細を説明する構成図である。 本発明に係る飼育水槽300の詳細を説明する構成図である。 本発明に係る監視カメラを説明する(a)がカメラ正面から見た概略外形図であり、(b)がA−A方向断面図である。 本発明に係る自動給餌器を説明する(a)が側面視断面図、(b)が正面視断面図である。 本発明に係る制御盤400のシステムを説明する構成図である。
以下、本発明の水質監視システムの概略について、図1を用いて説明する。本発明の水質監視システム1は、太陽光や降雨に曝される屋外に設置され、図1に示すように、おもに原水中の気泡を除去する脱泡槽100と、水質基準に合わせて目的の検出器が設置される水質検出水槽200と、水生生物の長期飼育及び繁殖を行うともに水生生物を利用して原水の水質をチェックする飼育水槽300と、制御盤400から構成されており、井戸・湧水・河川・湖等から浄化施設へ送水される原水が導水管より分水して連続的に供給され、原水の水質異常を監視する装置である。また、各水槽(脱泡槽100、水質検出水槽200、飼育水槽300)には、濁度センサや水質検出センサ等の水質を検出する計装品が備えられ、この検出結果を制御盤400内へ集約し、必要に応じ、携帯回線、専用回線、及びにインターネット回線等を介して無線式及び/又は有線式に検出結果や画像等を端末機器へ発信可能に構成されている。
原水は、各種水槽(脱泡槽100、水質検出水槽200、飼育水槽300)へ連続的に供給されて水質検査された後、最終的に各種水槽に接続された排水管500から排水されている。このように掛け流し式に原水を供給することで、常時、原水の水質監視を可能としている。水質に異常が検知された場合は、緊急遮断弁B1を閉とすることで、異常が検知された原水の流出を防ぐとともに、異常が検知された原水を保管し、専門機関等で原水の精密検査を行う際に役立てることができる。
本発明の水質監視システム1において原水は、図1に示すように、井戸・湧水・河川・湖等から浄水施設へ導水される原水を途中で分水し、原水導水管21を介して供給される。ここでいう原水とは、淡水のほか、雨水、汽水、及び海水を示し、便宜上、被検水のことを指すものとする。原水導水管21は、流量調節用の分水バルブ31を備えており、必要に応じて原水の供給を調整又は停止することができる。原水導水管21は、樹脂製、もしくは金属製の配管を用いることができるが、施工性・耐久性・保温性・断熱性の観点から、耐摩耗性・耐衝撃性・可撓性に優れ安価なポリブデン樹脂製の保温管付の配管が良い。また、原水の水温が変化しないよう、かつ紫外線対策の点から、耐候性に優れたPF管・CD管を外装させた二重管構造とすることがより好ましい。
原水導水管21が接続される本発明の水質監視システム1は、図2に示すように、樹脂パレット901の上部に、飼育水槽300及び制御盤400が積載されたベース902を載置し飼育水槽300に脱泡槽100及び水質検出水槽200を積層し、各槽間や制御盤400間を配管や専用ケーブルで接続した一体的なユニット形に構成されている。図2(b)、(c)に示すように、脱泡槽100、及び水質検出水槽200は、着脱可能な蓋体101,201を備え、密閉状態とされており、飼育水槽300は、蝶番等により開閉自在な網状の蓋体301が備え、太陽光や降雨を水槽内へ取り込むことが可能とされている。
原水導水管21は、図3に示すように、脱泡槽100の上部(水面Wの上方)に設けられた給水入口102へ接続されている。脱泡槽100は、金属製の箱体で、上部に着脱式の蓋体101を備えている。そのため、常時脱泡槽100内は外光が遮光されて光合成が行われないため、藻の発生が活性されず、藻が繁殖することを防止できる。脱泡槽100の内部には、脱泡槽100の槽内底面から所定の間隔を設けてセパレータ112が設けられており、流入室と流出室に区画されている。したがって、原水内の気泡113は、流入室内で上昇するため、気泡113が除去された原水のみを流出室へ導入することができる。流出室側には、制御盤400に専用ケーブルを介して接続された濁度センサ41が投入されており、気泡113により誤動作を起こすことなく原水の正確な濁度を検知することができる。より詳しくは、濁度センサ41を蓋体101の裏面に固設して蓋体101と一体化することで、濁度センサ41を気にせずに蓋体101を取り外すことができ、脱泡槽100内の清掃を容易に行うことができる。また、流入室側には、制御盤400に専用ケーブルを介して接続された温度計42が投入されており、原水の温度が検出できるよう構成されている。
脱泡槽100の底面には、図3に示すように、ドレン管501が接続される清掃用出口103が設けられている。ドレン管501は、手動バルブB2を介して排水管500と接続されており、脱泡槽100内の清掃時に手動バルブB2を開状態とすることで脱泡槽100内の原水を排出することができる。また、脱泡槽100内には、一端に開口部を有し他端に配管が接続される筒状体からなるオーバーフロー筒105が、常時水面Wから開口部が突出するよう設けられている。オーバーフロー筒105は、脱泡槽100内の水位が異常上昇した際に、オーバーフロー口104、及びオーバーフロー管502を介して排水管500へ強制排水できる。
脱泡槽100は、その上部に設けられた連通口106に、緊急遮断弁B1を介して水質検出槽200と接続されている。水質検出水槽200は、濁度センサ41の代わりに水質検出センサが設けられる点以外は脱泡槽100と同構造であるため、詳細な説明は省略する。水質検出水槽200は、水道法による水質基準項目に沿って、必要に応じた水質検出センサが設けられ、例えば、pH/ORP検出器、導電率検出器、及び溶存酸素検出器等の、無試薬式の水質検出センサが設けられる。設置された水質検出センサが水質異常を検出した場合は、緊急遮断弁B1が閉状態となり、脱泡槽100の水位を上昇させ、連続供給される原水は、オーバーフロー筒105から強制排水するとともに、水質検出槽200内の原水は、水質異常検出時の状態で保管される。また、水質検出槽200の下流側に設けられた飼育水槽300への異常原水の流入を防止することができる。緊急遮断弁B1は、その開閉状態を、遠隔又は手動により操作されるが、閉状態への操作は制御盤400により自動遠隔操作され、開状態への復帰時のみ人手もしくは制御盤400を介して手動操作されることが好ましい。
飼育水槽300は、水質検出槽200で水質検査された原水を用い、図4に示すように、自然環境下で水生生物aを自然繁殖を伴う長期飼育を行い、水生生物aを検体として原水のさらなる水質検査を行うための水槽である。ここで水生生物aは、一般的にヒメダカ、金魚やミジンコ等を指し、とくに毒物に対する感受性が十分に調べられており、一定した評価品質の供給が可能であるといった点からヒメダカを用いるのが望ましい。ヒメダカに評価地の水を曝露し、その生存、遊泳行動、産卵、産卵行動、卵の孵化を観察することにより、原水の安全性を評価することができる。つまり、ヒメダカが健全に産卵繁殖できるか否かによって、水質の急性毒性・慢性毒性・遺伝性毒性を判定することが可能である。異常発生時は、緊急遮断弁B1を閉じて原水の供給を停止し、検体である水生生物a、及び検水(飼育水槽300内の原水)を、専門機関等で精密検査を行い、高精度の毒性検出が可能となる。
また、生態系保護の観点からは、水生生物aに水質監視システム1を設置する地域の河川や湖に生息する生物(例えば、クロメダカ、ヌマエビ、カワニナ等)を用い、同地域の原水を被検水とすることで、より自然環境に近い状況下で飼育繁殖を行うことができる。さらに、活発に繁殖して増過した水生生物a、又は異常が検出されなかった原水を同地域へ放流することができる。
飼育水槽300は、水槽内の様子を撮像する監視カメラ311,312と、撮像時の照度を補助するLED照明313と、水生生物aへの自動給餌を行う自動給餌器314と、温度計315を具備している。飼育水槽300は、図4に示すように、金属製の箱体で、開閉式の蓋体301を上部に備えている。蓋体301は、防鳥ネットを枠体に張設して構成されており、鳥やトンボなどの捕食生物の侵入を防ぐとともに、太陽光、降雨、自然風を飼育水槽300内に取り込むことができる。飼育水槽300の内部は、主にダクト室、飼育室、堆積室の3区画の空間に区画されている。ダクト室と飼育室間は、仕切板等で部分的に仕切られ、とくにダクト室には、飼育水槽300内に配設される機器類や専用ケーブルが収容される。また、ダクト室と飼育室が連続した空間では、水面に浮かんで生育する水生植物b(例えば、ホテイソウなど)を栽培することができる。
飼育水槽300は、図4に示すように、所定の位置にパンチングメタルなどの金属製多孔板からなる仕切板302が設けられ、この仕切板302の上面にポリプロピレン製の立体網状のマット303(新光ナイロン株式会社製)、及びマット303の浮上を防止する目的でマット303に玉砂利304が載置されている。よって、飼育水槽300は、飼育室と堆積室に区画され、飼育室から堆積室への水生生物aの移動が規制される。したがって、飼育水槽300内を区画することで、飼育室内に発生する水生生物aの***物や残餌のみが、仕切板302、マット303、及び玉砂利304の微小な隙間から堆積室へ沈下し、堆積物305が形成されるとともに、堆積物305が再び巻き上げられ、飼育室内に浮遊することを防止でき、飼育水槽300内の衛生管理が容易となる。仕切板302とマット303を固設した場合は、玉砂利304を不要とすることができる。
また、堆積室の底面には、ドレン管503、及び堆積物取出手動バルブB3が接続されており、堆積物取出手動バルブB3を人手により開閉操作し、堆積物305を採取することができる。したがって、飼育水槽300は、堆積物305を採取しながら、マット303などに水を掛け流すだけで簡便な清掃を行うことができる。その際に、水生生物aを別途水槽等に移動させて水生生物aを損傷する、水生生物aにストレスを与えることがないため、水生生物aの長寿命化を図ることができる。
図4に示すように、飼育水槽300の上部側面にはオーバーフロー排水管306が設けられ、下部に飼育水槽排水管307が設けられている。オーバーフロー排水管306と飼育水槽排水管307は、図1に示すように、一つの配管系統として排水管500に接続されている。よって、常時、飼育水槽300に注がれた原水は、飼育水槽排水管307を介して排水され、飼育水槽排水管307に堆積物305などが詰まり、飼育水槽300内の水位が上昇した際には、オーバーフロー排水管306を介して排水される。
監視カメラ311,312は、図5に示すように、Webカメラ3111を保護等級IP67のポリカネード樹脂製の透明な収納BOX3112に収納して飼育水槽300内に設置し、飼育水槽300内の撮像データをLANケーブル3114を介して制御盤400へ送信可能に構成されている。Webカメラ3111は、施工性・防水性の観点からスイッチングハブにより電源供給可能で、水槽内を所望の角度、方向から撮像できるよう、ズーム機能付レンズの水平・垂直方向の角度調整が可能なカメラが用いられる。防水性の観点から、収納BOX3112の配線口は1カ所とし、防水性を確保できる施工方法で設けられることが好ましい。具体的には、収納BOX3112の外壁に孔部施工を行い、該孔部にインサート管継手3115を挿通させ、インサート管継手3115の外ネジにパッキン3117を外壁側に設け、ナット3116で締め、内部にLANケーブル3114を配設したコネクタ3113としている。Webカメラ3111は、収納BOX3112の内部に設けられたステイ3118に位置調整用のスタッド3119を介して固設されている。このように構成された監視カメラ311,312は、飼育水槽300の壁面に取付けられ、原水による冷却効果を利用して熱対策を施すことなくWebカメラ3111を作動させることができる。
蓋体301の裏面には、LED照明313が固設されている。LED照明313は、通常消灯しており、水質異常を検知し監視カメラ311,312の撮像時に自動点灯するよう制御されている。また、LED照明313は、制御盤400と専用ケーブルで接続されており、制御盤400での手動操作により点灯又は消灯動作が制御される。また、飼育水槽300の下部には、温度計315が設けられており、飼育水槽300内の水温が制御盤400へ送信されるよう構成されている。
自動給餌器314は、図6に示すように、水生生物aに給餌する餌C1を貯留するホッパー3141と、ホッパー3141から適量の餌C2を計量するジグ3144と、ジグ3144を回転せしめる駆動モータ3143と、餌C2を投下するシューター3145と、これらを収納する収納BOX3142から構成されている。ホッパー3141は、樹脂製で底部に向かって細長くなる錐形筒状に形成されており、上部には蓋3141aが着脱可能に装着されている。ホッパー3141の下方には、制御盤400の給餌指令に基づき始動する駆動モータ3143により、軸方向に回転するジグ3144が配置されている。ジグ3144は、計量穴3144aを備えており、回転して計量穴3144aが上向きとなった際にホッパー3141の餌C1を孔の体積分、つまり餌C2だけ掻き取り、計量穴3144aが下向きとなった際に餌C2をシューター3145へ投下する。シューター3145は、筒状体で餌C2が風により飛散することを防止する。また、餌C2が確実に投下されるよう、シューター3145の軸心と、ホッパー3141の軸心と、計量穴3144aの軸心が、同一直線状となるよう配置されている。これらを保護等級IP67のポリカネード樹脂製の収納BOX3142へ収納し、制御盤400と接続される配線ケーブルを防水コネクタで保護し、防水性の高い自動給餌器314を構成した。防水コネクタの詳細構造については、監視カメラ311,312に用いられている防水コネクタと同構造としているため、説明を省略する。
給餌は、シグ3144の回転を制御して調整されており、ジグ3144には、回転検出センサ3144bが装着されている。検出された回転は、制御盤400へ送信され、制御盤400にて、予め設定された給餌時間と、飼育水槽300内の水温と、その他外的条件から演算処理を行い、適切な給餌時間に駆動モータ3143を駆動させて給餌を行う。水生生物aは、季節や水温、天候による活動量に伴い食餌量が変化する。水生生物aの食餌量に対応できるよう、給餌量の増減を調整することで、より水生生物aの長期飼育を可能とする自動給餌器314とされている。
また、飼育水槽300内では、水生生物aによる残餌や***物から硝酸塩が発生する。この硝酸塩を処理するために、飼育水槽300では水生植物bが栽培される。とくに水生植物bは、硝酸塩を吸収し、光合成により水中へ酸素を供給するほか、水生生物aの食餌に代用され、産卵場所や隠れ場所になるため、水生生物aの長期飼育には必要で、このような水生植物として、例えば浮草、カボンバ、アナカリス、マツモ、スクリュー・バリスネリア、ホテイアオイ、スイレン、ホテイソウなどが挙げられる。
制御盤400は、図7に示すように、ステンレス製の筐体に、各種装置や機器を収納したもので、図7に示すように、大別して監視部401と、通信部402と、撮像記憶部403を備え、インターネット404を介して端末機器405と接続されている。水質監視システム1は、屋外設置を可能とするため、制御盤400の筐体が、保護等級IP54の防水構造で製作されている。
監視部401は、主用機器として、商用電源等から100Vの電力を制御盤400へ供給する電源装置4011と、各種装置や機器の状態を表示して作動条件を設定操作するためのタッチパネル式表示器4012と、タッチパネル式表示器4012で設定された各種数値や、各種計装品へ出力する伝送信号、制御信号を各種計装品や接続機器へ送受信し、各種計装品や接続機器を自動制御するPLC(マイクロシーケンサ)4013と、アナログ/通信モバイルルータ4021、インターネットルータ4022、及びWi−Fiアンテナ4023と接続され、携帯電話、スマートフォン、PC等の端末機器405へ水質に異常が検知された際の警報をメールもしくは音声発信するDL(遠方監視・データロギング)4014と、信号変換器4015が備えられている。
ここで、制御盤400、インターネット404、及び端末機器405間は、プログラムコードを伝送可能であればよく、特に限定されない。例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、この通信ネットワークを構成する伝送媒体も、プログラムコードを伝送可能な媒体であればよく、特定の構成または種類のものに限定されない。例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線等の有線でも、IrDAやリモコンのようなWi-Fi(登録商標)、赤外線、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.11無線、HDR(High Data Rate)、NFC(Near Field Communication)、Digital Living Network Alliance、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
信号変換器4015は、温度センサや水質検出センサと専用ケーブルを介して接続され、4〜20mAの伝送信号、警報信号へ変換し、PLC4013やDL4014へと送受信する。補助リレー4016は、PLC4013の出力信号を接点増幅し緊急遮断弁、LED照明、並びに給餌器へ伝送し、これら接続された機器は、PLC4013の指令に基づき、ON−OFF操作を制御される。また、制御盤400には、外気温度計406と、照度センサ407と、照度センサ407の出力信号を4〜20mAの伝送信号、警報信号に変換するアイソレータ4017が備えられている。外気温度計406、及び照度センサ407は、制御盤400の外部に設けられ、適宜な箇所に取付けられている。
通信部402は、DL4014を備え、監視部401に各種計装品(各種センサ類、緊急遮断弁、LED照明)から送信された伝送信号を、インターネット404を介してWEB閲覧及び/又は自動メール送信する役割を担う。また、監視カメラの撮像データを伝送信号に変換し、インターネット404を介してリアルタイムにWEB閲覧することが可能な構成とされている。さらに、監視カメラの撮像データは、撮像記憶部403に備えられたネットワークディスクレコーダ4031に格納される。格納された撮像データは、水質異常が検知された際に、検知前後の水槽内の様子を確認するために用いられ、より水質異常に対してより正確な判断を行うことに役立てることができる。
以上のように構成された本発明の水質監視システム1は、飼育水槽300の管理に必要な水温、照明、給餌、エアレーション、及び水量等を自動的に制御し、水生生物aにとって最適な環境を管理者の手間を要さずに維持できる。また、原水中に有害物質を検出した際には、端末機器等に飼育水槽300の映像を送信する、外出先から端末機器等により照明や給餌量を制御することもできるため、状況の把握が確実に行え、水生生物aにとって最適な環境を長期維持することが容易となる。
尚、本発明においては、各種水槽(脱泡槽100、水質検出水槽200、飼育水槽300)は、金属板を加工して製作されているが、屋外設置に耐えうる程度の耐候性、強度を有する素材であれば何れの素材を用いても良く、例えば、アクリル樹脂等の樹脂材やガラス材が挙げられる。ただし、透明素材を用いる場合は、水槽内に藻の発生を抑制できるよう、遮光部材を貼り付ける必要がある。また、飼育水槽300内の酸素濃度が低く、水生生物aの飼育が困難な場合は、飼育水槽300内にエアーポンプを設けて酸素を補充しても良い。この際、エアーポンプにより飼育水槽300内に水流が発生して堆積物305が形成され難くなるため、運転停止中に水生生物aの***物や残餌が沈下するよう時限式の間欠運転式とすることが好ましい。
さらに、本発明の要旨は、自然環境に近い飼育環境下で水生生物aを長期飼育する点であり、本発明の水質監視システム1を設置する地域が寒冷地等の場合は、必要に応じて加温、保温用のヒーターを設けても良く、また、太陽光発電装置や風力発電装置から制御盤400へ電力を供給しても良く、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々変更を加えることができることは言うまでもない。
1 水質監視システム
21 原水導水管
31 分水バルブ
41 濁度センサ
42 温度計
100 脱泡槽
112 セパレータ
113 気泡
200 水質検出水槽
300 飼育水槽
302 仕切板
303 マット
304 玉砂利
305 堆積物
311、312 監視カメラ
313 LED照明
314 自動給餌器
315 温度計
400 制御盤
401 監視部
402 通信部
403 撮像記憶部
404 インターネット
405 端末機器
406 外気温度計
407 照度センサ
500 排水管
901 樹脂パレット
902 ベース
3111 Webカメラ
3112 収納BOX
3113 インサート管継手
3114 LANケーブル
3141 ホッパー
3142 収納BOX
3143 駆動モータ
3144 ジグ
3145 シューター
3118 ステイ
4011 電源装置
4012 タッチパネル式表示器
4013 PLC(マイクロシーケンサ)
4014 DL(遠方監視・データロギング)
4015 信号変換器
4031 ネットワークディスクレコーダ4031
a 水生生物
b 水生植物
C1、C2 餌
W 水面
B1 緊急遮断弁
B2 手動バルブ
B3 堆積物取出手動バルブ

Claims (3)

  1. 被検水が連続通水される複数の水槽で被検水の水質を検知するとともに、被検水で水生生物を飼育する水質監視システムであって、
    連続通水された被検水が脱泡処理され、濁度センサを有する脱泡槽と、
    脱泡槽から流入する被検水の有害物質を検出する水質検出センサを有する水質検出水槽と、
    水質検出水槽から流入する被検水を用いて水生生物を飼育する飼育水槽と、
    脱泡槽と水質検出水槽間、水質検出水槽と飼育水槽間を夫々接続する流路に設けられた緊急遮断弁と、
    飼育水槽内に設けられ飼育水槽内の様子を撮像する監視カメラと、
    飼育水槽内の水生生物へ所定量の給餌を行う自動給餌器と、
    飼育水槽内に撮像用の光を照射するLED照明と、
    濁度センサ、水質検出センサ、緊急遮断弁、監視カメラ、自動給餌器、LED照明、及びインターネットに電気的に接続され、濁度センサ、水質検出センサ、監視カメラから受信した所定のデータをインターネットを介して端末機器へ配信するとともに、緊急遮断弁の開閉、監視カメラのON−OFF、自動給餌器の作動、及びLED照明のON−OFFを制御する制御盤を備えたことを特徴とする水質監視システム。
  2. 前記脱泡槽、及び前記水質検出槽が、遮光素材で製作されるとともに、着脱可能な蓋体を備えていることを特徴とする請求項1に記載の水質監視システム。
  3. 前記飼育水槽が、網状の蓋体を備え、開閉可能に設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の水質監視システム。
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