JP6797453B1 - リンク機構を備えた椅子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 起立及び着座の動作を容易に行うことができると共に、正しい着座位置に確実に着座することが可能な、リンク機構を備えた椅子を提供する。また、本発明は、使用者の着座状態の長時間化を防ぐことができ、ひいては使用者の健康維持を図ることを目的とする。【解決手段】 そのために、本発明のリンク機構を備えた椅子は、使用者の正面方向と直交する方向に沿って、左右に横断する中央線上方に向かって突出するように座板の中央を付勢することにより、側面視が所定の角度で山形状となる位置と平面状となる位置との間の適宜の位置で前記座板を固定可能とし、底板上を移動可能にした。【選択図】図7

Description

本発明は、リンク機構を備えた椅子に関し、さらに詳しくは、座面の位置や角度が可変調整とされ、さまざまな姿勢で使用することが可能なリンク機構を備えた椅子に関する。
近年、年齢を問わず、椅子への座り過ぎが身体に悪影響を与えることが提言され、論文等でも発表されている。椅子へ座る場合には、膝と腰をほぼ直角に曲げた姿勢となるため、体重の大半を腰や脊柱に掛けるという座り方しか出来ず、椅子への座り過ぎによる身体への悪影響は、この姿勢のままで維持されることによるものである。一方、家庭、学校、オフィスなどで使用されている椅子は、種々のものが提供されており、例えば、高さ調整機能などの機能が搭載された椅子(特許文献1等を参照)や、起立支援機能が搭載された椅子(特許文献2等を参照)なども提案されている。例えば、特許文献1に開示された椅子は、ロッキング機構や背座の高さ調節機構等の作動機構を備えたものであり、特許文献2に開示された起立着座支援椅子は、使用者が起立するときには、マイクに向かって起立するときの音声を発すると、音声データを解析して電動アクチュエータによって座面部の後部が上昇し、同時に背もたれ部も上方向に上昇する、というものである。
特開2007−105293号公報 特開2014−140435号公報
しかしながら、特許文献1,2を含め、これまで提供されている従来の椅子は、膝と腰をほぼ直角に曲げて体重の大半を腰や脊柱に掛けるという座り方しか出来ないものであり、椅子への座り過ぎによる身体への悪影響を防ぐことはできないものであった。そのため、椅子への座り過ぎによる身体への悪影響の原因とされる「座り方」を改めるしかない。理想的にはデスクワーク中であっても起立や着座の動作を頻繁に行って着座姿勢の長時間化を避けることが望ましい。また、従来の椅子は、座板の前後方向における適宜の位置で着座することができてしまうため、必ずしも正しい着座位置に正しい着座姿勢で着座できるとは限らないものであった。
そこで、本発明はかかる問題に鑑みてなされたものであり、側面視ひし形形状のリンク機構を備え、着座する座板の側面視が山形状となる状態と座板の側面視が平面状となる状態との間の適宜の位置で自在に変えることができるリンク機構を備えた椅子を提供することを目的とする。
また、本発明は、座面の角度や高さを自在に瞬時にセットすることができ、例えば、普通に座ることはもちろんのこと、中腰の姿勢で着座する、座面にもたれかかるようにして腰掛ける、立ち上がった状態で座面にもたれ掛かる、などさまざまな姿勢で使用することが可能なリンク機構を備えた椅子を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、机やテーブルなどとの間の間隔を調節する場合に、椅子の位置を自在に調整することができ、移動の際には椅子を安定して移動することが可能なリンク機構を備えた椅子を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために請求項1に記載の発明は、座板を側面視山形状と平板状とに変形させるためのリンク機構を備えた椅子であって、前記リンク機構は、最上段に第一上部リンク部材と第二上部リンク部材を備えた上部リンク部が配置され、前記第一上部リンク部材と前記第二上部リンク部材の互いに隣接する端部側を付勢部材によって上方に向かって突出するように付勢することにより、前記上部リンク部材の側面視が山形状となる位置と、前記付勢部材の付勢力に逆らって荷重を加えることにより前記リンク部材の側面視が水平になる位置との間で上下する第一リンクユニット及び第二リンクユニットを備え、前記第一リンクユニットと前記第二リンクユニットの間には伸縮可能なシャフトを備えた支持部材が立設され、前記シャフトの先端は前記第一上部リンク部材及び前記第二上部リンク部材の隣接する端部側の上下移動を案内するように構成され、前記第一リンクユニット及び前記第二リンクユニットにおけるそれぞれの前記第一上部リンク部材には第一座面が配置され、前記第一リンクユニット及び前記第二リンクユニットにおけるそれぞれの前記第二上部リンク部材には第二座面が配置され、前記支持部材は、底板上を移動可能に配置されていることを特徴とする。
上記課題を解決するために請求項2に記載の発明は、座板を側面視山形状と平板状とに変形させるためのリンク機構を備えた椅子であって、前記リンク機構は、一端が第一上部リンク軸に回動可能に連結されると共に、他端が第一中部リンク軸に回動可能に連結された第一上部リンク部材と、一端が第二上部リンク軸に回動可能に連結されると共に、他端が第二中部リンク軸に回動可能に連結された第二上部リンク部材を備えた上部リンク部と、一端が前記第一中部リンク軸に回動可能に連結されると共に、他端が第三中部リンク軸に回動可能に連結された第一中部リンク部材と、一端が前記第二中部リンク軸に回動可能に連結されると共に、他端が第四中部リンク軸に回動可能に連結された第二中部リンク部材を備えた上側中部リンク部と、一端が、前記第三中部リンク軸に回動可能に連結されると共に、他端が第一下部リンク軸に回動可能に連結された第三中部リンク部材と、一端が前記第四中部リンク軸に回動可能に連結されると共に、他端が第二下部リンク軸に回動可能に連結された第四中部リンク部材を備えた下側中部リンク部と、一端が、前記第一下部リンク軸に回動可能に連結されると共に、他端が第三下部リンク軸に回動可能に連結された第一下部リンク部材と、一端が前記第二下部リンク軸に回動可能に連結されると共に、他端が第四下部リンク軸に回動可能に連結された第二下部リンク部材を備えた下部リンク部と、を有して構成される第一リンクユニット及び第二リンクユニットを備え、前記第一リンクユニット及び前記第二リンクユニットは、前記第一及び第二上部リンク軸と、前記第一〜第四中部リンク軸と、前記第一〜第四下部リンク軸とが互いに共用されるように互いに対向して配置され、前記第三中部リンク軸と前記第三下部リンク軸との間又は前記第四中部リンク軸と前記第四下部リンク軸との間のいずれか一方又は両方に前記第一リンクユニット及び前記第二リンクユニットを上方に付勢する付勢部材が架設され、前記第一リンクユニットと前記第二リンクユニットの間には伸縮可能なシャフトを備えた支持部材が立設され、前記シャフトの先端は前記第一上部リンク軸及び前記第二上部リンク軸を保持するように配置されると共に、前記第三下部リンク軸及び前記第四下部リンク軸は前記支持部材に沿って上下移動可能に構成され、前記支持部材は、底板上を移動可能に配置されていることを特徴とする。
上記課題を解決するために請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のリンク機構を備えた椅子において、前記第一中部リンク部材と前記第三中部リンク部材及び/又は前記第二中部リンク部材と前記第四中部リンク部材は一体に形成されていることを特徴とする。
上記課題を解決するために請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載のリンク機構を備えた椅子において、前記第一中部リンク部材と前記第三中部リンク部材及び/又は前記第二中部リンク部材と前記第四中部リンク部材との間には略三角形の補強板が配置されていることを特徴とする。
上記課題を解決するために請求項5に記載の発明は、請求項2から4のいずれか1項に記載のリンク機構を備えた椅子であって、前記第一リンクユニット及び前記第二リンクユニットにおけるそれぞれの前記第一上部リンク部材には第一座面が配置され、前記第一リンクユニット及び前記第二リンクユニットにおけるそれぞれの前記第二上部リンク部材には第二座面が配置され、前記第一座面と前記第二座面によって使用者が座るための座板が形成され、前記付勢部材により前記第一リンクユニット及び前記第二リンクユニットが上方に向かって付勢されることにより前記座板の中央が上方に向かって突出して当該座板の側面視が山形状となる位置と、前記付勢部材の付勢力に逆らって荷重を加えることにより前記座板の側面視が水平になる位置との間で上下することを特徴とする。
上記課題を解決するために請求項6に記載の発明は、請求項2から5のいずれか1項に記載のリンク機構を備えた椅子において、前記リンク機構には、前記第一リンクユニット及び前記第二リンクユニットの前記第三中部リンク軸と前記第四中部リンク軸を一体に保持する保持部材が設けられていることを特徴とする。
上記課題を解決するために請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか1項に記載のリンク機構を備えた椅子において、さらに、前記座板の形状及び高さを所定の状態で固定する座板形状調整機構を備えていることを特徴とする。
上記課題を解決するために請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のリンク機構を備えた椅子において、前記支持部材を支持すると共に前記底板上を移動可能な移動台を備え、前記移動台は、前記底板上を転動するローラと、前記底板に設けられた案内溝に沿って当該移動台を移動可能に案内するベースフレームと、を備えていることを特徴とする。
上記課題を解決するために請求項9に記載の発明は、請求項8に記載のリンク機構を備えた椅子において、前記移動台を所定の位置で固定するストッパが設けられていることを特徴とする。
上記課題を解決するために請求項10に記載の発明は、請求項9に記載のリンク機構を備えた椅子において、前記ストッパは、前記底板に設けられた案内溝に沿って当該移動台を移動可能に案内するベースプレートと前記移動台との間に配置され、当該ベースプレートを前記移動台の側に引き寄せるための弾性力を有したバネ部材と、前記ベースプレートと前記移動台との間に配置され、前記バネ部材の弾性力に抗して前記ベースプレートを前記底板へ押圧して当該移動台の移動を阻止する偏心カムと、前記偏心カムを回動させる操作ペダルと、を備え、前記偏心カムは、前記操作ペダルを踏み込んでいない状態で前記バネ部材の弾性力に抗して前記ベースプレートを押圧して前記底板へ当接させ、前記操作ペダルを踏み込んだ状態で前記バネ部材の弾性力により前記ベースプレートと前記底板との間に隙間を形成するように回動するようにされたことを特徴とする。
本発明に係るリンク機構を備えた椅子によれば、着座する座板の側面視が山形状となる状態と座板の側面視が平面状となる状態との間の適宜の位置で自在に変えることを可能としたので、座面の角度を変えることで着座スタイルを適宜に変えることができる。すなわち、膝と腰をほぼ直角に曲げた姿勢であって、体重の大半を腰や脊柱に掛けることになる通常の着座姿勢から着座する座板の形状を適宜に変更することで、中腰の姿勢で着座する、座面にもたれかかるようにして腰掛ける、立ち上がった状態で座面にもたれ掛かる、などさまざまな姿勢による使用へ瞬時に変更することができるので、椅子への座り過ぎによる身体への悪影響、すなわち、腰や脊柱に掛かる荷重を大幅に軽減できるという効果がある。
また、本発明に係るリンク機構を備えた椅子によれば、側面視が山形状とすることができるので前後方向の座板の幅がコンパクトとなり、座板の中央から使用者の足までの距離を縮めることができ、その分だけ着座するときの上半身のかがみ込み角度を小さくすることができる。よって、使用者は、通常の姿勢で着座する場合には上半身を大きくかがめずとも、正しい着座位置である座板の中央の頂部へ自己の臀部を軽く載せるだけで、起立姿勢から着座姿勢へとスムーズに移行することができ、足腰に無駄な力を入れる必要がない。また、使用者が着座の開始時に臀部が座板の頂部へ位置するようにすることで、使用者は起立姿勢から着座姿勢へ移行する過程において、変形する座板が使用者の太ももをサポートしつつ膝の後側を座板の先端で徐々に押して膝の屈曲を促すので、使用者の姿勢は最適な着座姿勢へと促され、着座後に座り直す必要もない。
また、本発明に係るリンク機構を備えた椅子によれば、使用者が着座姿勢から起立姿勢へ移行する場合に、座板の先端が使用者の後方へ徐々に後退するので、着座時に使用者の足が座板の下方に回り込んでいたとしても、起立の際に座板の先端が膝の後ろに当たって邪魔するという事態は生じない。よって、使用者は、着座姿勢の状態から自己の膝を軽く伸ばすだけで、上半身を大きくかがめずとも起立姿勢へ移行することができ、足腰に無駄な力を入れる必要がない。また、使用者が起立する過程で膝の後ろに座板の先端が当たらないので、膝の後ろで椅子を押してしまって使用者がバランスを崩すという可能性も低い。
さらに、本発明に係るリンク機構を備えた椅子においては、前記支持部材は底板上を移動可能に配置されているので、使用者が起立又は着座するときや、着座後に不図示の机と自分との間隔を調節するときなどに、椅子の位置を自在に調整することができる。しかも、椅子を前後移動させる際に使用者が底板上に載ることで底板に使用者の体重をかけることになるので、移動中に椅子の姿勢が不安定になるのを防ぐことができる。従って、椅子の位置を調整する際に椅子が転倒したり使用者が椅子から転落したりする事故を防止できるという効果をも奏する。
図1は座板が山形状となった状態の本発明に係るリンク機構を備えた椅子の一実施形態を示す側面図である。 図2は座板が水平となった状態の本発明に係るリンク機構を備えた椅子の一実施形態を示す側面図である。 図3は図1,2に示す椅子の平面図である。 図4はリンク機構の一実施形態の概略正面図である。 図5はリンク機構及びその周辺を示す斜視図である。 図6は図1の部分拡大図である。 図7(A)〜(F)は座板の動きを説明する説明図である。 図8は座板形状調整機構を説明する説明図である。 図9(A)は移動台及びその周辺の構造を説明する平面図、図9(B)は図9(A)のX−X線における断面図である。 図10(A)は図9(A)のA−A線における断面図、図10(B)は図9(A)のB−B線における断面図、図10(C)は図10(B)の部分拡大図である。 図11はペダルを踏みこんでいない状態のストッパの動きを説明する説明図である。 図12はペダルを踏み込んでいる状態のストッパの動きを説明する説明図 図13は本実施形態の椅子の使用状態を示す説明図である。
以下、本発明に係るリンク機構を備えた椅子について、好ましい幾つかの実施形態の図面を参照しつつ詳細に説明する。
<椅子の概略構成>
図1は座板が山形状となった状態の本発明に係るリンク機構を備えた椅子の一実施形態を示す側面図、図2は座板が水平となった状態の本発明に係るリンク機構を備えた椅子の一実施形態を示す側面図、図3は図1,2に示す椅子の平面図、図4はリンク機構の一実施形態の概略正面図である。
図1〜図4に示すとおり、本実施形態の椅子1は、概略として、座板11を側面視山形状(図1に示す状態)と平板状(図2に示す状態)との間で変形させるための金属製(例えばステンレス製)のリンク機構12を備え、第二上部リンク部材2U(詳細は後述)にはハンドル40が取り付けられている。また、このリンク機構12は、床面に配置された底板70に対して前後移動可能に取り付けられている。また、本実施形態の座板11は、後述する図7に示すとおり、その形状が自在に変化するものであり、例えば、座板11は一対の座面11−1,11−2のそれぞれを一体に形成したクッション性のあるウレタン製マットによって構成されている。そして、このウレタン製マットの全体を柔軟性のある塩化ビニル製カバーで覆うことによって座板11が構成される。尚、リンク機構12の移動方向は前後に限らず左右やその他の方向とすることもできる。
<リンク機構の概略構成>
座板11を山形状と平板状(水平状)に変形させるリンク機構12は、最上段に第一上部リンク部材1Uと第二上部リンク部材2Uを備えた上部リンク部ULが配置され、第一上部リンク部材1Uと前記第二上部リンク部材2Uの互いに隣接する端部側を付勢部材50,50によって上方に向かって突出するように付勢することにより、上部リンク部材1U,2Uの側面視が山形状となる位置(図1参照)と、付勢部材50,50の付勢力に逆らって荷重を加えることによりリンク部材1U,2Uの側面視が平板状(水平状)となる位置(図2参照)との間で上下する第一リンクユニット12A及び第二リンクユニット12Bを備える(図4参照)。
そして、第一リンクユニット12Aと第二リンクユニット12Bの間には、伸縮可能なシャフト131を備えた支持部材13が立設され、シャフト131の先端は第一上部リンク部材1U及び第二上部リンク部材2Uの隣接する端部側の上下移動を案内するように構成され、支持部材13は底板70上を前後移動可能に配置されている。使用者は底板70上に足を載せて椅子1を使用する。
<リンク機構の具体的構成>
さらに、リンク機構12について詳述する。リンク機構12は、前述したとおり、座板11を側面視山形状となる位置(図1参照)と平板状(水平状)となる位置(図2参照)との間で変形させるための機構であり、リンク機構12は、互いに同じ構成の第一リンクユニット12A及び第二リンクユニット12Bを備えている(図5参照)。そして、第一リンクユニット12A及び第二リンクユニット12Bの各々は、上部リンク部UL、上側中部リンク部UML、下側中部リンク部LML、下部リンク部LLを備える。
上部リンク部ULは、一端が第一上部リンク軸1uに回動可能に連結されると共に、他端が第一中部リンク軸1mに回動可能に連結された第一上部リンク部材1Uと、一端が第二上部リンク軸2uに回動可能に連結されると共に、他端が第二中部リンク軸2mに回動可能に連結された第二上部リンク部材2Uを備える。
上側中部リンク部UMLは、一端が第一中部リンク軸1mに回動可能に連結されると共に、他端が第三中部リンク軸3mに回動可能に連結された第一中部リンク部材1Mと、一端が第二中部リンク軸2mに回動可能に連結されると共に、他端が第四中部リンク軸4mに回動可能に連結された第二中部リンク部材2Mを備える。
下側中部リンク部LMLは、一端が、第三中部リンク軸3mに回動可能に連結されると共に、他端が第一下部リンク軸1nに回動可能に連結された第三中部リンク部材3Mと、一端が第四中部リンク軸4mに回動可能に連結されると共に、他端が第二下部リンク軸2nに回動可能に連結された第四中部リンク部材4Mを備える。
下部リンク部LLは、一端が、第一下部リンク軸1nに回動可能に連結されると共に、他端が第三下部リンク軸3nに回動可能に連結された第一下部リンク部材1Lと、一端が前記第二下部リンク軸2nに回動可能に連結されると共に、他端が第四下部リンク軸4nに回動可能に連結された第二下部リンク部材2Lを備える。
<第一及び第二リンクユニットの関係>
第一リンクユニット12A及び第二リンクユニット12Bは、それぞれ第一上部リンク軸1u、第二上部リンク軸2u、第一中部リンク軸1m、第二中部リンク軸2m、第三中部リンク軸3m、第四中部リンク軸4m、第一下部リンク軸1n、第二下部リンク軸2n、第三下部リンク軸3n、第四下部リンク軸4nが互いに共用されるように互いに対向して配置されている(図4)。
また、第三中部リンク軸3mと第三下部リンク軸3nとの間又は第四中部リンク軸4mと第四下部リンク軸4nとの間のいずれか一方又はその両方(図示は両方)には第一リンクユニット12A及び第二リンクユニット12Bを上方に伸長するように付勢する付勢部材50が架設されている。付勢部材50は、例えば、コイルバネが利用できるが、エアシリンダや油圧シリンダなどの他の部材も適宜に利用することができる。
また、第一リンクユニット12Aと第二リンクユニット12Bの間には伸縮可能なシャフト131を備えた支持部材13が立設され、シャフト131の先端は第一上部リンク軸1u及び第二上部リンク軸2uを保持するように配置されると共に、第三下部リンク軸3n及び第四下部リンク軸4nは支持部材13に沿って上下移動可能に構成されている。また、第三中部リンク軸3m及び第四中部リンク軸4mは支持部材13の所定位置に保持されており、第一リンクユニット12A及び第二リンクユニット12Bが伸縮する状態においてその位置は変わらない。
<シングルタイプ>
図5は、リンク機構及びその周辺を示す斜視図である。
図5に示すとおり、本実施形態の椅子1には、第一リンクユニット12A及び第二リンクユニット12Bという二個一対のリンクユニットを備えたリンク機構12が一組配置されている。リンク機構12を二組並列に配置することもできるが、リンク機構12の個数を一組とすることにより椅子1の部品点数を抑えることができると共に、椅子1の全体を1本の支持部材13で支持することが可能となる。尚、支持部材13のシャフト131が伸縮する際の衝撃を吸収するために、コイルバネなどの図示しない付勢部材を支持部材13の内部などに配置してもよい。
<リンク部材の接合部>
図6は、図1の部分拡大図である。
図6中の破線で囲まれた部分に示すとおり、本実施形態の椅子1に使用されるリンク機構12は、第一中部リンク部材1Mと第三中部リンク部材3M及び第二中部リンク部材2Mと第四中部リンク部材4Mはそれぞれ一体に形成されている。この場合、いずれか一方のみを一体に形成することもできる。なお、図6に示した例では、第一中部リンク部材1Mと第三中部リンク部材3Mが一体に形成され、かつ、第二中部リンク部材2Mと第四中部リンク部材4Mも一体に形成されており、これによって、部材点数や可動部の数(関節の数)を削減することができるので、椅子1の強度や耐久性を高めることができる。
また、図6中の破線で囲まれた部分に示されるとおり、本実施形態の椅子1に使用されるリンク機構12は、第一中部リンク部材1Mと第三中部リンク部材3Mとの間及び第二中部リンク部材2Mと第四中部リンク部材4Mとの間には略三角形の補強板Pが配置されている。この場合、いずれか一方のみの間に略三角形の補強板Pを配置することもできる。なお、図6に示した例では、第一中部リンク部材1Mと第三中部リンク部材3Mとの間、及び、第二中部リンク部材2Mと第四中部リンク部材4Mとの間のいずれにも略三角形の補強板Pが配置されている。これによって、椅子1の強度や耐久性を高めることができる。
<座板の構成>
図5に示すとおり、本実施形態の椅子1においては、第一リンクユニット12A及び第二リンクユニット12Bにおけるそれぞれの第一上部リンク部材1Uには第一座面11−1が配置され、第一リンクユニット12A及び第二リンクユニット12Bにおけるそれぞれの第二上部リンク部材2Uには第二座面11−2が配置されており、これらの第一座面11−1と第二座面11−2によって使用者が座るための座板11が形成される。尚、本実施形態では、座板11は、一対の第一座面11−1と第二座面11−2のそれぞれを一体に形成したクッション性のあるウレタン製マットによって構成されており、このウレタン製マットの全体を柔軟性のある塩化ビニル製カバーで覆うことによって構成されている。
図7(A)〜(F)は座板の動きを説明する説明図である。
図7(A)に示すとおり、非使用時には、第一リンクユニット12A及び第二リンクユニット12Bは、付勢部材50によってそれぞれ上方に向かって付勢されていることから座板11の中央が上方に向かって突出した状態となり、座板11の側面視が山形状となる。そして、付勢部材50の付勢力に逆らって下向きに荷重を加えることにより、第一リンクユニット12A及び第二リンクユニット12Bが、図7(A)〜(F)に示すように、下方に下がりながら連続的に変形して座板11が平板状(水平状)となる。座板11が平板状(水平状)となった状態から座板11への下方への荷重を除けば第一リンクユニット12A及び第二リンクユニット12Bは付勢部材50によって再び上方に向かって突出した状態となる。
<保持部材について>
また、リンク機構12には、第一リンクユニット12A及び第二リンクユニット12Bの第三中部リンク軸3mと第四中部リンク軸4mを一体に保持する保持部材P1が設けられている(図6参照)。この保持部材P1によって第三中部リンク軸3mと第四中部リンク軸4mは支持部材13に保持され、互いに拘束されるので、例えば座板11の変形中のがたつきを防止することができ、椅子1としての安定性が増す。また、保持部材P1によって保持された部材同士は、一部の機構(例えば下記の座板形状調整機構60)を共用することが可能であり、効率的である。
<リンク部材の角度について>
さらに、図6に示されるとおり、本実施形態の椅子1においては第一中部リンク部材1Mと第三中部リンク部材3Mは一体に形成され、また、第二中部リンク部材2Mと第四中部リンク部材4Mは一体に形成されている。そして、第一中部リンク部材1Mと三中部リンク部材3Mの取り付け角度θ1(第二中部リンク部材2Mと第四中部リンク部材4Mの取り付け角度も同様)は、それぞれ90°とすることもできるが、90°より小さい角度、例えば70〜80°に設定することが好ましい。本実施形態ではθ1は75°とされている。θ1を90°より小さい角度に設定した場合には、座板11が水平状態のときに第三中部リンク部材3Mと第一下部リンク部材1Lとのなす角度θ2(図2)が180°より小さな角度で折れ曲がる(第四中部リンク部材4Mと第二下部リンク部材2Lとのなす角度も同様)ので、座板11が水平状態(図7(F))から非水平状態(図7(E))に移行する際のリンク機構12の動きがスムーズ(リンク機構12のがたつかない)となる。
<座板形状調整機構>
図6に示すとおり、本実施形態の椅子1は、座板11の形状及び高さを所定の状態で固定する座板形状調整機構60を備えている。本実施形態の座板形状調整機構60は、例えば、図4及び図8に示すとおり、保持部材P1(図6参照)に固定された軸を中心として回動可能な偏心カム60Aと、偏心カム60Aに取り付けられたレバー60Bと、支持部材13のシャフト131を挟んで偏心カム60Aの反対側に対向するようにして保持部材P1に固定された固定部材60Cとを備えている。尚、図4ではレバー60B等は省略している。この構成において偏心カム60Aは、レバー60Bの位置によってシャフト131の所定の高さ位置の当接部Tで当接してシャフト131の上下移動を阻止する位置と、シャフト131から離れてシャフト131の上下移動に影響を与えない位置との間で回動するようになっている。これにより、使用者がレバー60Bを手で把持して図8左側の水平状態から図8右側の傾斜状態へと押し込むと、偏心カム60Aのカム面と固定部材60Cとが両側からシャフト131を一定の力で挟持し、拘束(クランプ)する。これによって、シャフト131の上下移動が制限されるので、座板11の高さ位置及び形状を瞬時に固定することができる。また、その状態から使用者がレバー60Bを水平状態(図8左側に示す図)に戻すと、偏心カム60Aのカム面が当接部Tから離れ、シャフト131は偏心カム60Aと固定部材60Cによる挟持から解放され、シャフト131の上下移動が可能となり、座板11の高さ位置及び形状が変化可能となる。よって、使用者は、座板11の高さ位置及び形状を変更させつつ、所望のタイミングでレバー60Bを水平状態から下方へ押し込むだけで、座板11の高さ及び形状を所望の高さ及び形状に瞬時に固定することができる。
<移動台について>
図9(A)は移動台及びその周辺の構造を説明する平面図、図9(B)は図9(A)のX−X線における断面図、図10(A)は図9のA−A線における断面図、図10(B)は図9(A)のB−B線における断面図、図10(C)は図10(B)の部分拡大図、図11はペダルを踏みこんでいない状態のストッパの動きを説明する説明図、図12はペダルを踏み込んでいる状態のストッパの動きを説明する説明図である。
これらの図に示したとおり、本実施形態の椅子1は、支持部材13を支持すると共に、底板70上を前後移動可能な移動台80を備えている。尚、底板70の裏面側には、底板20を床面からズレないように固定するための滑り止めマット70Mが配置されている。
そして、移動台80は、底板70上を転動するローラ80R,80R,80R,80R,と、底板70に設けられた案内溝70Gに沿って当該移動台80を移動可能に案内するベースフレーム80BFとを備えている。ベースフレーム80BFは下部側が略円盤状に形成されており、その中心の上部側には下部側よりも直径が小さい円柱状の台座が配置されている。そして、案内溝70Gは内部がベースフレーム80BFの直径よりも僅かに大きく形成されていると共に、案内溝70Gの上部は台座の直径よりも僅かに大きな開口だけを残して塞がれている。尚、移動台80の移動方向は、図9(A)の左右方向、図9(B)の紙面表裏方向、図10の左右方向、図11の左右方向である。
<ストッパについて>
また、本実施形態の移動台80には、移動台80を所定の位置で固定するストッパ90が設けられている。このストッパ90は、上記したベースフレーム80BFとほぼ同様の形状をしたベースプレート90BPを備えている。このベースプレート90BPは底板70の案内溝70G内に配置され、当該案内溝70Gに沿って当該移動台80を移動可能に案内する。ここで、ベースプレート90BPは上下方向で2つに分割されており、上下のベースプレート90BP,90BPの間には同じく上下方向で2つに分割された上下の台座90A,90Aが配置されている。さらに、上下の台座90A,90Aの間には、下部ベースプレート90BPを上部ベースプレート90BPの側へ引き寄せるための弾性力を有したバネ部材90S,90Sが配置されている。そして、上下のベースプレート90BP,90BPの間には、バネ部材90S,90Sの弾性力に抗して下部ベースプレート90BPを底板70へ押圧して当該移動台80の移動を阻止する偏心カム90CMが配置されている。この偏心カム90CMには偏心カム90CMを回動させる操作ペダル91が取り付けられており、使用者が自分の足で操作ペダル91を踏み込むと、偏心カム90CMの回動角度(姿勢)が変化するようになっている。
このような構造のストッパ90において、操作ペダル91が踏み込まれていない状態(図11)では、偏心カム90CMが縦長の姿勢(厚さが大きくなるような姿勢)となるように形成されており、バネ部材90S,90Sの弾性力に抗してバネ部材90S,90Sは引き伸ばされた状態となる。この状態では上下の台座90A,90Aの間に隙間が形成されると共に下部ベースプレート90BPが底板70側に押圧されて底板70へ当接する。ベースプレート90BPと底板70の間に隙間Gの生じていない状態では、ベースプレート90BPと底板70との間に摩擦力が生じるので、移動台80は底板70に固定される(ロック状態)。
一方、使用者が自分の足で操作ペダル91を踏み込んだ状態(図12)では、偏心カム90CMが横長の姿勢(厚さが小さくなるような姿勢)となり、バネ部材90S,90Sの弾性力が有効になり、下の台座90Aが上の台座90A側に引き寄せられる。すると、上下の台座90A,90Aの間の隙間が無くなると共に下部ベースプレート90BPと底板70との間に隙間Gが形成される。下部ベースプレート90BPと底板70との間に隙間Gが生じた状態では、ベースプレート90BPと底板70との間に摩擦力が生じないので、移動台80は前後への移動が可能となる(ロック解除)。尚、底板70に形成された案内溝70Gの底面を開口させ、図11の状態で滑り止めマット70Mの表面がベースプレート90BPの底面に接するようにしてもよい。この場合、ベースプレートと底板70(ここでは滑り止めマット70Mの表面)との間に生ずる摩擦力が大きくなるので、ストッパ90の性能(制動力)を高めることができる。
<ペダル強度の調整について>
さらに、本実施形態のバネ部材90S,90Sの内部には底板70の側に固定されたバネ軸90SS,90SSが挿通されており、当該バネ軸90SS,90SSの頂部には調整ナット90NT,90NTが羅合している。これらの調整ナット90NT,90NTの回動位置が変化すると、バネ軸90SS,90SSの圧縮量が変化するので、バネ部材90S,S0Sが上下の台座90A,90Aを引き寄せる力が変化し、その結果として操作ペダル91を操作するために必要な力(具体的には操作ペダル91を引き上げてロックするために必要な力)が変化することとなる。よって、椅子1の出荷時やバネ部材90S,90Sが経年変化した場合などに製造者又は使用者が調整ナット90NT,90NTの回動位置を調整することにより、操作ペダル91を操作するために必要な力を適切な大きさに調整することができる。
<椅子1の動作>
図13は、本実施形態の椅子の使用状態を説明する説明図である。
本実施形態の椅子1においては、使用者2が着座した際における当該使用者2の正面方向Daと直交する方向(上方)Dbに沿って座板11が付勢されている。この付勢力は、座板11の中央を、使用者2からみて左右方向に横断する中央線LCを上方Dbに向かって突出させるように働く。しかも、本実施形態の椅子1は、側面視が所定の角度で山形状となる位置(図7(A))と、平面状となる位置(図7(F))との間の適宜の位置(例えば図7(A)〜図7(F)の何れかの位置)で、座板11を固定することが容易にできる。
<本実施形態の効果>
本実施形態の椅子1は、側面視が所定の角度で山形状となる位置(図7(A))と、平面状となる位置(図7(F))との間の適宜の位置(例えば図7(A)〜図7(F)の何れかの位置)で、座板11を固定することが可能である。このため、本実施形態の椅子1の使用者2は、完全な起立姿勢(不図示)と完全な着座姿勢(図13右側)とのいずれか一方を選択できるだけでなく、起立姿勢と着座姿勢(図13右側)の中間の任意の姿勢を自由に選択することも可能である。すなわち、通常に着座した状態(図13の右側)から、使用者2がレバー60Bを手で把持して水平状態から傾斜状態へと押し込むことで瞬時に座板11の形状を適宜に変更することができる。そのため、膝と腰をほぼ直角に曲げた通常の着座姿勢から、中腰の姿勢で着座する、座面にもたれかかるようにして腰掛ける、立ち上がった状態で座面にもたれ掛かるなど、さまざまな姿勢へ瞬時に変更することができる。従って、椅子への座り過ぎによる身体への悪影響、すなわち、腰や脊柱に掛かる荷重を大幅に軽減できるという効果がある。
近年は、着座姿勢が長くなるほど健康に害を及ぼすという研究結果も発表されているように、着座せずに起立姿勢を維持するか、或いは、着座したとしてもなるべく起立姿勢に近い姿勢を維持することが好ましいと考えられる。この点、本実施形態の椅子1は、図7(A)〜図7(F)の何れの位置においても座板11を固定することができるので、起立姿勢に近い姿勢で軽く腰掛けることや、疲労度に応じて着座の深さを適宜に変更することが可能である。
具体的に、使用者2は、デスクワークの開始時には、座板11の頂部の角度を急峻(例えば図7(A))に設定して椅子1に浅く腰掛ける。その後、使用者2が疲労を感じた場合には、座板11の頂部の角度を緩やか(例えば図7(D))に設定して腰掛ける深さを大きくする。その後、疲労が解消した場合は、座板11の頂部の角度を再び急峻(例えば図7(A))に切り替えてもよいし、疲労が解消しない場合は、座板11の頂部の角度を更に緩やか(例えば図7(F))に切り替えてもよい。
また、使用者2が起立しているときには座板11の側面視が山形状となっており、前後方向Daの座板の幅が狭くコンパクトなので、座板11の中央から使用者2の足までの距離L0を短くすることができ、その分だけ着座するときの上半身のかがみ込み角度θを小さくすることができる。よって、使用者2は、上半身を大きくかがめずとも、正しい着座位置である座板11の中央の頂部へ自己の臀部を軽く載せるだけで、起立姿勢から着座姿勢へとスムーズに移行することができ、足腰に無駄な力を入れる必要がない。また、使用者2が着座の開始時(図13左側)に座板11の頂部へ臀部を位置させておけば、使用者2が起立姿勢から着座姿勢(図13右側)へ移行する過程において、変形する座板が使用者2の太ももをサポートしつつ膝の後側を座板の先端で徐々に押して膝の屈曲を促すので、使用者2の姿勢は最適な着座姿勢へと促され、着座後に座り直す必要もない。
また、本実施形態の椅子1によれば、使用者2が着座姿勢(図13右側)から起立姿勢(図13左側)へ移行する過程において、座板11の先端が使用者2の後方へ徐々に後退するので、着座時に使用者2の足が座板11の下方に回り込んでいたとしても、起立の際に座板11の先端が膝の後ろに当たって邪魔するという事態は生じない。よって、使用者2は、着座姿勢(図13右側)の状態から自己の膝を軽く伸ばすだけで、上半身を大きくかがめずとも起立姿勢へ移行することができ、足腰に無駄な力を入れる必要がない。また、使用者2が起立する過程で膝の後ろに座板11の先端が当たらないので、膝の後ろで椅子を押してしまって使用者2がバランスを崩すという可能性も低いと考えられる。
したがって、本実施形態の椅子1によれば、使用者2は着座した状態(図13側)から気軽に立ち上がることができるため、使用者2の着座状態の長時間化を防ぐことができ、ひいては使用者2の健康維持を図ることができるという効果がある。
以上の結果、本実施形態の椅子1の使用者2は、なるべく浅く腰掛けたり、姿勢をこまめに変更したりする習慣(つまり、「座りすぎを避ける」という習慣)を身に着けることが可能である。このようにして座りすぎを避けていれば、例えば、飲み物などを取りにいくために室内を移動することが億劫でなくなるし、仕事への意欲、仕事の効率、子供の学力等の向上も期待できる。さらには、座りすぎが原因で発症する病気のリスクを軽減し、健康維持を図ることも可能と考えられる。
<移動台による効果>
さらに、本実施形態に係るリンク機構を備えた椅子1においては、支持部材13は、底板70上を前後移動可能(図12の方向Daへの移動可能)な移動台80に固定されているので、使用者2が起立又は着座するときや、着座後に不図示の机と自分との間隔を調節するときなどには、椅子1を前後へ軽く押す又は引くだけで、椅子1の前後の位置を自在に調整することができる。しかも、当該移動台80にはストッパ90が設けられているので、適当な位置で椅子1の前後位置を固定し、使用中の椅子1の安定性を確保することができる。例えば、当該ストッパ90に設けられた操作ペダル91を使用者2が足で踏み込めむだけで椅子1の前後位置の調整が可能となり、その踏み込みを解除するだけで椅子1の前後位置を固定することが可能である。
そして、椅子1を前後移動させる際に使用者の体重の少なくとも一部を底板70にかけることができるので、前後移動中に椅子1の姿勢が不安定になるのを防ぐことができる。その結果、椅子1の前後の位置を調整する際に椅子1が転倒したり使用者2が椅子1から転落したりする事故を防止できるという効果をも奏する。
11 座板
12A 第一リンクユニット
12B 第二リンクユニット
12 リンク機構
131 シャフト
13 支持部材
1L 第一下部リンク部材
1M 第一中部リンク部材
1U 第一上部リンク部材
1n 第一下部リンク軸
1m 第一中部リンク軸
1u 第一上部リンク軸
2L 第二下部リンク部材
2M 第二中部リンク部材
2U 第二上部リンク部材
2n 第二下部リンク軸
2m 第二中部リンク軸
2u 第二上部リンク軸
3M 第三中部リンク部材
3n 第三下部リンク軸
3m 第三中部リンク軸
40 ハンドル
4M 第四中部リンク部材
4n 第四下部リンク軸
4m 第四中部リンク軸
50 付勢部材
60 座板形状調整機構
60A 偏心カム
60B レバー
60C 固定部材
70 底板
70G 案内溝
80 移動台
80BF ベースフレーム
80R ローラ
70M 滑り止めマット
90 ストッパ
90BP ベースプレート
90S バネ部材
90CM 偏心カム
90NT ナット
90SS バネ軸
91 ペダル
G 隙間
LC 中央線
LL 下部リンク部
LML 下側中部リンク部
P 補強板
P1 保持部材
T 当接部
UL 上部リンク部
UML 上側中部リンク部

Claims (10)

  1. 座板を側面視山形状と平板状とに変形させるためのリンク機構を備えた椅子であって、
    前記リンク機構は、
    最上段に第一上部リンク部材と第二上部リンク部材を備えた上部リンク部が配置され、
    前記第一上部リンク部材と前記第二上部リンク部材の互いに隣接する端部側を付勢部材によって上方に向かって突出するように付勢することにより、前記上部リンク部材の側面視が山形状となる位置と、前記付勢部材の付勢力に逆らって荷重を加えることにより前記リンク部材の側面視が水平になる位置との間で上下する第一リンクユニット及び第二リンクユニットを備え、
    前記第一リンクユニットと前記第二リンクユニットの間には伸縮可能なシャフトを備えた支持部材が立設され、前記シャフトの先端は前記第一上部リンク部材及び前記第二上部リンク部材の隣接する端部側の上下移動を案内するように構成され、
    前記第一リンクユニット及び前記第二リンクユニットにおけるそれぞれの前記第一上部リンク部材には第一座面が配置され、前記第一リンクユニット及び前記第二リンクユニットにおけるそれぞれの前記第二上部リンク部材には第二座面が配置され、
    前記支持部材は、底板上を移動可能に配置されている、
    ことを特徴とするリンク機構を備えた椅子。
  2. 座板を側面視山形状と平板状とに変形させるためのリンク機構を備えた椅子であって、
    前記リンク機構は、一端が第一上部リンク軸に回動可能に連結されると共に、他端が第一中部リンク軸に回動可能に連結された第一上部リンク部材と、一端が第二上部リンク軸に回動可能に連結されると共に、他端が第二中部リンク軸に回動可能に連結された第二上部リンク部材を備えた上部リンク部と、
    一端が前記第一中部リンク軸に回動可能に連結されると共に、他端が第三中部リンク軸に回動可能に連結された第一中部リンク部材と、一端が前記第二中部リンク軸に回動可能に連結されると共に、他端が第四中部リンク軸に回動可能に連結された第二中部リンク部材を備えた上側中部リンク部と、
    一端が、前記第三中部リンク軸に回動可能に連結されると共に、他端が第一下部リンク軸に回動可能に連結された第三中部リンク部材と、一端が前記第四中部リンク軸に回動可能に連結されると共に、他端が第二下部リンク軸に回動可能に連結された第四中部リンク部材を備えた下側中部リンク部と、
    一端が、前記第一下部リンク軸に回動可能に連結されると共に、他端が第三下部リンク軸に回動可能に連結された第一下部リンク部材と、一端が前記第二下部リンク軸に回動可能に連結されると共に、他端が第四下部リンク軸に回動可能に連結された第二下部リンク部材を備えた下部リンク部と、
    を有して構成される第一リンクユニット及び第二リンクユニットを備え、
    前記第一リンクユニット及び前記第二リンクユニットは、前記第一及び第二上部リンク軸と、前記第一〜第四中部リンク軸と、前記第一〜第四下部リンク軸とが互いに共用されるように互いに対向して配置され、
    前記第三中部リンク軸と前記第三下部リンク軸との間又は前記第四中部リンク軸と前記第四下部リンク軸との間のいずれか一方又は両方に前記第一リンクユニット及び前記第二リンクユニットを上方に付勢する付勢部材が架設され、
    前記第一リンクユニットと前記第二リンクユニットの間には伸縮可能なシャフトを備えた支持部材が立設され、前記シャフトの先端は前記第一上部リンク軸及び前記第二上部リンク軸を保持するように配置されると共に、前記第三下部リンク軸及び前記第四下部リンク軸は前記支持部材に沿って上下移動可能に構成され、
    前記支持部材は、底板上を移動可能に配置されている、
    ことを特徴とするリンク機構を備えた椅子。
  3. 請求項2に記載のリンク機構を備えた椅子において、
    前記第一中部リンク部材と前記第三中部リンク部材及び/又は前記第二中部リンク部材と前記第四中部リンク部材は一体に形成されていることを特徴とするリンク機構を備えた椅子。
  4. 請求項2又は3に記載のリンク機構を備えた椅子において、
    前記第一中部リンク部材と前記第三中部リンク部材及び/又は前記第二中部リンク部材と前記第四中部リンク部材との間には略三角形の補強板が配置されていることを特徴とするリンク機構を備えた椅子。
  5. 請求項2から4のいずれか1項に記載のリンク機構を備えた椅子であって、
    前記第一リンクユニット及び前記第二リンクユニットにおけるそれぞれの前記第一上部リンク部材には第一座面が配置され、前記第一リンクユニット及び前記第二リンクユニットにおけるそれぞれの前記第二上部リンク部材には第二座面が配置され、前記第一座面と前記第二座面によって使用者が座るための座板が形成され、前記付勢部材により前記第一リンクユニット及び前記第二リンクユニットが上方に向かって付勢されることにより前記座板の中央が上方に向かって突出して当該座板の側面視が山形状となる位置と、前記付勢部材の付勢力に逆らって荷重を加えることにより前記座板の側面視が水平になる位置との間で上下することを特徴とするリンク機構を備えた椅子。
  6. 請求項2から5のいずれか1項に記載のリンク機構を備えた椅子において、
    前記リンク機構には、前記第一リンクユニット及び前記第二リンクユニットの前記第三中部リンク軸と前記第四中部リンク軸を一体に保持する保持部材が設けられている、
    ことを特徴とするリンク機構を備えた椅子。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載のリンク機構を備えた椅子において、
    さらに、前記座板の形状及び高さを所定の状態で固定する座板形状調整機構を備えていることを特徴とするリンク機構を備えた椅子。
  8. 請求項7に記載のリンク機構を備えた椅子において、
    前記支持部材を支持すると共に前記底板上を移動可能な移動台を備え、
    前記移動台は、
    前記底板上を転動するローラと、
    前記底板に設けられた案内溝に沿って当該移動台を移動可能に案内するベースフレームと、
    を備えていることを特徴とするリンク機構を備えた椅子。
  9. 請求項8に記載のリンク機構を備えた椅子において、
    前記移動台を所定の位置で固定するストッパが設けられていることを特徴とするリンク機構を備えた椅子。
  10. 請求項9に記載のリンク機構を備えた椅子において、
    前記ストッパは、
    前記底板に設けられた案内溝に沿って当該移動台を移動可能に案内するベースプレートと前記移動台との間に配置され、当該ベースプレートを前記移動台の側に引き寄せるための弾性力を有したバネ部材と、
    前記ベースプレートと前記移動台との間に配置され、前記バネ部材の弾性力に抗して前記ベースプレートを前記底板へ押圧して当該移動台の移動を阻止する偏心カムと、
    前記偏心カムを回動させる操作ペダルと、を備え、
    前記偏心カムは、前記操作ペダルを踏み込んでいない状態で前記バネ部材の弾性力に抗して前記ベースプレートを押圧して前記底板へ当接させ、前記操作ペダルを踏み込んだ状態で前記バネ部材の弾性力により前記ベースプレートと前記底板との間に隙間を形成するように回動するようにされたことを特徴とするリンク機構を備えた椅子。

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