JP6796407B2 - SiCエピタキシャルウェハの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、SiCエピタキシャルウェハの製造方法に関するものである。
電力変換時のエネルギーロスを低減するパワーエレクトロニクス技術は、省エネ技術として期待されており、従来のシリコンに比べて優れた物性を持つ炭化珪素(SiC)に期待が集まっている。
SiC単結晶基板には多くの結晶欠陥が存在する為、デバイスの能動層としてSiC単結晶基板上にエピタキシャル層を形成したエピタキシャルウェハが使用される。SiCデバイスの実用化には低欠陥密度の高品質エピタキシャル成長技術が必要である。
SiCは多くのポリタイプを有するが、実用的なSiCデバイスを作製するために主に使用されているのは4H−SiCである。
SiCエピタキシャルウェハを作製するのに用いられるSiC単結晶基板として主に使用されているのはSiCの(0001)面から4°傾けた面を主面とする基板(4°オフ基板)である。
SiC単結晶基板には線状の結晶欠陥として貫通螺旋転位(Threading Screw Dislocation:TSD)、や基底面転位(Basal Plane Defect:BPD)が存在することが知られている。
TSDはエピタキシャル成長中にキャロット欠陥に変換されることが知られている。図6は、共焦点微分干渉光学系を用いた表面検査装置である共焦点顕微鏡(レーザーテック株式会社製、SICA6X)によって得られたキャロット欠陥の共焦点顕微鏡像である。
TSDやBPDはステップバンチングの起点になることが知られている(非特許文献1)。図7は、共焦点顕微鏡(レーザーテック株式会社製、SICA6X)によって得られたステップバンチングの焦点顕微鏡像である。
SiCはステップフローを用いるので、オフ角のついた基板を用いる。現在はオフ角4°前後の基板が主流で用いられている。通常の4°オフ基板は3.5°〜4.5°のオフ角度の範囲を有し、この範囲では同じようなエピタキシャル層を得ることができる。一般にオフ角が小さい場合は、エピ成長中にステップが集合して段差を形成し、モフォロジーが悪化する。以前、4°オフの基板を用いた場合、8°オフの基板に比べてステップが集合する段差(広い意味でのステップバンチング)が発生することがあったが、近年では、C/Siなどの成長条件や基板加工の改善により、全面に発生することはなくなってきた。しかし、現在でも転位を起点とする長さの短いステップバンチングは残っている。本明細書ではこの転位を起点とする長さの短いステップバンチングを単に、ステップバンチングと呼ぶことがある。
この転位を起点とする長さの短いステップバンチングは、起点となる基板の転位の密度に依存するが、エピタキシャル成長条件によって表面に現れる長さが長くなる。これをステップバンチングの延伸とよぶ。ステップバンチングが延伸するということは段差を持つ領域が大きくなるということで、デバイスへの悪影響も大きくなる。そのため、ステップバンチングの延伸を抑制することは、エピタキシャルウェハの品質向上のために重要である。
キャロット欠陥やステップバンチングはSiCエピタキシャル膜表面の平坦化を妨げるものであり、SiCエピタキシャル膜表面に酸化膜を形成し、その界面に導通させるMOSFETにおいて、その存在は動作性能及び信頼性に致命的な影響を与える可能性が有る。そのため、ステップバンチングを抑制しつつ、キャロット欠陥を低減させる技術の開発が望まれている。
特開2013-121898号公報 特開2007-284298号公報 特開2013-239606号公報 特開2011-49496公報
K. Tamura et al., Mater. Sci. Forum 821-823 (2015) 367
このような背景において、これまでにも炭化珪素エピタキシャルウェハの欠陥低減技術の報告がなされている。
例えば、特許文献1では炭化珪素単結晶基板上にバッファ層を成長した後、デバイス動作層の厚さが5μm以上10μm以下になった時点で、材料ガス中に含まれる炭素と珪素の原子数比(C/Si比)をデバイス動作層成長時の値から下げて一定時間欠陥低減層を成長させた後、再びC/Si比をデバイス動作層成長時の値に戻して成長することを特徴とするエピタキシャル炭化珪素ウェハの製造方法が開示されている。
特許文献1では、三角形欠陥や、キャロット/コメット等のエピタキシャル欠陥の低減効果があることが述べられている。特許文献1ではAFM測定による表面モフォロジーの影響について考察されているが、C/Si比を変化させることによるステップバンチングに対する影響については何ら述べられていない。
エピタキシャル成長開始時の速度を制御することで、炭化珪素エピタキシャルウェハの欠陥を低減させる製造方法もいくつか開示されている。
例えば、特許文献2ではエピタキシャル層成長開始時の成長温度を1500℃未満にして、かつ1μm/hの成長速度でエピタキシャル成長させた後、1500℃以上の成長温度で3μm/hの成長速度でエピタキシャル成長させる製造方法が開示されている。
特許文献2に記載の製造方法を用いることで、エピタキシャル欠陥を低減させることが可能であることが述べられている。
しかし、特許文献2ではAFM測定による表面モフォロジーの影響について考察されているが、成長開始時の成長速度を低速化させることによるステップバンチングに対する影響については何ら述べられていない。
特許文献3ではエピタキシャル層成長開始時の成長速度を2μm/h以上5μm/h以下で成長させた後、30nm未満の速度変化層を挟み、10μm/h以上の成長速度でエピタキシャル成長させる製造方法が開示されている。
しかしながら、特許文献3では電流がリークする欠陥の密度が減少することが述べられているのみで、具体的にキャロットが減少したかどうかの検討は全くされていない。
また、特許文献3では成長開始時の成長速度を低速化させることによる、ステップバンチングなどの表面モフォロジーへの影響については何ら検討がなされていない。
以上の通り、成長速度低速化によるステップバンチングに対する影響を考慮しつつ、キャロット欠陥の低減効果について検討している先行文献は無い。
発明者はキャロット欠陥の低減を目的として実験を行い、エピタキシャル成長初期の成長速度が重要であることを見出した。しかし、同時にキャロット欠陥が低減する条件ではエピタキシャル成長時間が長くなりすぎること、ステップバンチングが延伸してしまうという問題もあることが分かった。
本発明は上記事情を鑑みてなされたもので、ステップバンチングが延伸するのを抑制しつつ、キャロット欠陥が低減したSiCエピタキシャルウェハの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を提供する。
(1)本発明の一態様に係るSiCエピタキシャルウェハの製造方法は、オフ角を有する4H−SiC単結晶基板上にSiCエピタキシャル層が積層されたSiCエピタキシャルウェハを製造する方法であって、前記SiC単結晶基板上にSiCエピタキシャル層を成長させるエピタキシャル成長工程を有し、前記エピタキシャル成長工程は、第1成長速度でエピタキシャル成長を行う第1エピタキシャル成長サブ工程と、前記第1成長速度よりも大きい第2成長速度でエピタキシャル成長を行う第2エピタキシャル成長サブ工程と、を有し、前記第1エピタキシャル成長サブ工程の成長膜厚は5nm以上、500nm以下とし、前記第1成長速度は、4.0μm/h以下とする。
(2)(1)に記載のSiCエピタキシャルウェハの製造方法において、エピタキシャル成長工程は、成長温度を1560℃以上、1610℃以下で行ってもよい。
(3)(1)または(2)のいずれかに記載のSiCエピタキシャルウェハの製造方法において、エピタキシャル成長工程で、シリコン原料をSiHClガスとし、炭素原料をCガスとし、C/Si比を0.9以上、1.1以下としてもよい。
本発明のSiCエピタキシャルウェハの製造方法によれば、ステップバンチングが延伸するのを抑制しつつ、キャロット欠陥が低減したSiCエピタキシャルウェハの製造方法を提供できる。
本発明のSiCエピタキシャルウェハの製造方法によれば、ステップバンチングの延伸を抑制しつつキャロット欠陥を低減させた高品質なSiCエピタキシャルウェハを提供できるので、これを用いたデバイスの歩留りが向上する。
本発明のSiCエピタキシャルウェハの製造方法によれば、成長開始時の4.0μm/h以下の第1成長速度のエピタキシャル層は500nm以下と極めて薄くても効果があることを見出したことにより、成長速度の大きい第2成長速度のエピタキシャル層の方を厚く設定できるため、比較的短時間での製造が可能となる。
本発明の製造方法を用いて製造されるSiCエピタキシャルウェハの断面模式図である。 第1エピタキシャル成長サブ工程の成長速度とキャロット欠陥密度との関係を示すグラフである。 第1エピタキシャル成長サブ工程の成長速度とステップバンチングの長さとの関係を示すグラフである。 第1エピタキシャル成長速度層の膜厚とキャロット欠陥密度との関係を示すグラフである。 第1エピタキシャル成長速度層の膜厚とステップバンチングの長さとの関係を示すグラフである。 キャロット欠陥の共焦点顕微鏡像である。 ステップバンチングの共焦点顕微鏡像である。
以下、本発明を適用したSiCエピタキシャルウェハの製造方法について、図面を用いてその構成を説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際と同じであるとは限らない。また、以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、本発明の効果を奏する範囲で適宜変更して実施することが可能である。
本発明のSiCエピタキシャルウェハの製造方法は、オフ角を有する4H−SiC単結晶基板上にSiCエピタキシャル層が積層されたSiCエピタキシャルウェハを製造する方法であって、前記SiC単結晶基板上にSiCエピタキシャル層を成長させるエピタキシャル成長工程を有し、前記エピタキシャル成長工程は、第1成長速度でエピタキシャル成長を行う第1エピタキシャル成長サブ工程と、前記第1成長速度よりも大きい第2成長速度でエピタキシャル成長を行う第2エピタキシャル成長サブ工程と、を有し、前記第1エピタキシャル成長サブ工程の成長膜厚は5nm以上、500nm以下とし、前記第1成長速度は、4.0μm/h以下とする。
図1は、本発明の製造方法を用いて製造されるSiCエピタキシャルウェハの断面模式図である。本発明の実施によって製造されるSiCエピタキシャルウェハ100は、4H−SiC単結晶基板1と、SiC単結晶基板1上に形成された第1エピタキシャル成長速度層2と、この第1エピタキシャル成長速度層2上に形成された第2エピタキシャル成長速度層3から構成される。
本発明の製造方法で用いる4H−SiC単結晶基板は、n型の導電性を有し、オフ角が例えば、0.4°以上、8°以下のものである。典型的には、4°のものが挙げられる。
第1エピタキシャル成長速度層2は、第1成長速度でエピタキシャル成長を行う第1エピタキシャル成長サブ工程を実施することによって形成される。
第1成長速度は第2成長速度よりも小さく(低速であり)、4.0μm/h以下である。すなわち、SiCエピタキシャル層が単位時間当たり、4.0μm以下の厚みづつ成長する成長速度である。
SiCエピタキシャル層に形成されるキャロット欠陥密度を低減する観点では、第1成長速度は、3.0μm/h以下であることが好ましく、2.0μm/h以下であることがより好ましく、1.0μm/h以下であることがさらに好ましい。
また、SiCエピタキシャル層の表面に現れるステップバンチングの平均長さを短くする観点からは、0.7μm/h以上であることが好ましく、0.8μm/h以上であることがより好ましく、1.0μm/h以上であることがさらに好ましい。
第2エピタキシャル成長速度層3は、第2成長速度でエピタキシャル成長を行う第2エピタキシャル成長サブ工程を実施することによって形成される。
第2成長速度は第1成長速度よりも大きく(高速であり)、例えば、8μm/h以上、80μm/h以下とすることができる。
成長速度(第1成長速度および第2成長速度)は、原料ガスの流量の増減によって制御することができる。
また、本発明のSiCエピタキシャルウェハの製造方法では、第1エピタキシャル成長サブ工程の成長膜厚は5nm以上、500nm以下とする。第1エピタキシャル成長速度層の膜厚は、SiCエピタキシャル層に形成されるキャロット欠陥密度を低減する観点では厚い方が好ましく、一方、SiCエピタキシャル層の表面に現れるステップバンチングの平均長さを短くする観点では薄い方が好ましい。膜厚を5nm以上、500nm以下とすることにより、その両者を適切な範囲にすることができる。膜厚の下限は8nmや10nmとしてもよく、また、上限は320nmや50nmとしてもよい。
本発明者は、第1エピタキシャル成長サブ工程におけるSiCエピタキシャル層の成長膜厚が非常に薄くても、キャロット欠陥密度を低減し、また、ステップバンチングの平均長さを短くする効果を有することを見出したことにより本発明に想到した。
エピタキシャル成長工程は、成長温度を1560℃以上、1610℃以下で行うことができる。
エピタキシャル成長工程において、例えば、シリコン原料をSiHClガスとし、炭素原料をCガスとし、濃度比C/Siを0.9〜1.1とすることができる。
以下に、本発明のSiCエピタキシャルウェハの製造方法における各条件を見出した実験について述べる。なお、以下の実験1および実験2において、SiCエピタキシャルウェハの製造の際、エピタキシャル成長工程前に、公知の研磨工程および清浄化(ガスエッチング)工程(例えば、特許文献4参照)を行った。
キャロット欠陥はSiC基板のTSDが起点となって発生する結晶欠陥であり、キャロット欠陥密度は基板のTSD密度に大きく影響を受ける。そこで下記の各実験例においては、TSD密度が同程度であると考えられる、同一インゴットで枝番が近いウエハ同士で比較を行った。
〔実験1〕
まず実験1として、第1エピタキシャル成長サブ工程の成長速度と、キャロット欠陥密度及びステップバンチングの延伸の関係を調べた。その結果を図2及び図3に示す。
エピタキシャル成長工程において、オフ角が4°のn型の導電性4H−SiC基板上に第1成長速度R1を9.0μm/h, 4.5μm/h, 4.0μm/h,2.0μm/h、0.77μm/hでそれぞれ0.5μm成長させた後、第2成長速度R2=9.0μm/hで総エピタキシャル層厚さ(第1エピタキシャル成長速度層と第2エピタキシャル成長速度層とを合わせたエピタキシャル層の厚さ)が15.5μmになるようにエピタキシャル成長工程を実施した。
その結果、第1成長速度R1を9.0μm/hから2.0μm/hに低下させることによって、キャロット欠陥密度は0.22個/cmから0.12個/cmに減少した。これは初期成長速度の低速化が、キャロット欠陥密度に影響を与えていることを示している。また、さらに第1成長速度R1を0.77μm/hに低下させることにさらに0.80個/cmに減少した。初期成長速度が小さいほどキャロット欠陥密度の低減効果が大きいことがわかった。本明細書中で「キャロット欠陥密度」とは、同じ条件で作製したSiCエピタキシャルウェハ1枚で面内の平均をとったキャロット欠陥密度である。
また、R1=4.5μm/hではキャロット低減効果はほとんど見られず、R1=4.0μm/hで明確なキャロット欠陥密度の低減が見られた。従って、キャロット欠陥密度の低減のためには、R1=4.0μm/h以下の初期成長速度が必要であることがわかった。
図2のグラフの傾向に基づくと、第1エピタキシャル成長速度層が500nmの場合、SiCエピタキシャル層のキャロット欠陥密度を0.15個/cm以下にするためには、2.7μm/h以下とすればよく、また、0.10個/cm以下にするためには、1.7μm/h以下とすればよい。
しかしながら、第1成長速度R1を9.4μm/hから0.77μm/hに低減させることによって、ステップバンチングの延伸が認められた。R1=9.0μm/h, 4.5μm/h, 4.0μm/h,2.0μm/h、0.77μm/hの時の平均のステップバンチングの長さ(平均バンチング長さ)はそれぞれ、32μm, 60μm, 65μm,123μm, 219μmであり、R1=0.77μm/hの時の平均バンチング長さは、R1=9.0μm/hの時の7倍程度の長さになっている(図3参照)。本明細書中で「平均バンチング長さ」とは、共焦点顕微鏡像から30個のステップバンチングを選択してその平均をとった長さである。
図3のグラフの傾向に基づくと、第1エピタキシャル成長速度層が500nmの場合、SiCエピタキシャル層のステップバンチングの長さを150μm以下にするためには、1.5μm/h以上とすればよく、また、100μm以下にするためには、2.2μm/h以上とすればよい。
長いステップバンチングはMOSデバイスなどで酸化膜不良を引き起こす可能性が有るため、ステップバンチングの延伸は初期低速成長による悪影響であるといえる。
〔実験2〕
次に実験2として、第1エピタキシャル成長サブ工程の第1成長速度R1を一定とした条件で、その成長膜厚とキャロット欠陥密度及びステップバンチングの延伸の関係を調べた。その結果を図4及び図5に示す。
エピタキシャル成長工程において、オフ角が4°のn型の導電性4H−SiC基板上に第1成長速度R1=0.74μm/hで320nm, 51nm, 10nm成長させた後、第2成長速度R2=9.3μm/hで成長させ、総エピタキシャル層厚さが15.5μmになるようにエピタキシャル成長工程を実施した。また、比較用に成長速度を9.3μm/hに固定にして15.5μm成長させたエピタキシャルウェハを用意した。
その結果、成長速度を9.3μm/hに固定して成長させたエピタキシャルウェハのキャロット欠陥密度は1.25個/cmであったのに対し、第1成長速度R1=0.74μm/hで320nm, 51nm, 10nmの層厚まで成長させたキャロット欠陥密度はそれぞれ0.26個/cm, 0.65個/cm,1.03個/cmに低減した(図4参照)。
第1成長速度R1=0.74μm/hの層が10nmでもキャロット低減の効果があることがわかった。また、第1成長速度R1=0.74μm/hの層が厚いほどキャロット欠陥密度の低減効果が大きいことがわかった(図4参照)。
また、成長速度を9.3μm/hに固定して成長させたエピタキシャルウェハの平均バンチング長さは32μmであったのに対し、第1成長速度R1=0.74μm/hで320nm, 51nm, 10nmの層厚まで成長させた時の平均バンチング長さはそれぞれ219μm, 71μm, 45μmに延伸した(図5参照)。
第1成長速度R1=0.74μm/hの層を51nm成長させる条件においては、従来の成長速度を9.3μm/hに固定して成長させたエピタキシャルウェハと比較してキャロット欠陥密度が50%程度であり、かつ平均バンチング長さが100μm以下である良好なSiCエピタキシャルウェハが作製できることがわかった。
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
SiC単結晶基板として、4インチの4H−SiC単結晶基板を用意した。4H−SiC単結晶基板は、(0001)Si面に対して<11−20>方向に4°のオフセット角を有する。ここで、4°のオフセット角は、±0.5°程度のずれは許容される。
次いで、準備した4インチの4H−SiC単結晶基板をホットウォールプラネタリ型ウェハ自公転型のCVD装置に設置し、4H−SiC単結晶基板の表面に対して、水素ガスを用いてガスエッチングを行った。エッチングの温度は、エピタキシャル成長の温度と同一の1580℃とした。
次いで、エピタキシャル成長工程を行った。具体的には、エッチング後の4H−SiC単結晶基板の表面に対して、原料ガスとしてSiHClガス、Cガス、キャリアガスとして水素を供給しながら、成長圧力15kPa、成長温度1580℃、C/Si比1.0の条件のもとで、第1成長速度R1を0.77μm/hにして第1エピタキシャル成長速度層を0.5μm形成した上で、第2成長速度R2を9.4μm/hとして総SiCエピタキシャル層の厚さが15.5μmになるようにエピタキシャル成長工程を行った。
得られたSiCエピタキシャルウェハにおいて、キャロット欠陥を0.13個/cmに低減させることができた。だたしこの時平均バンチング長さは219μmであった。
〔実施例2〕
エピタキシャル成長工程前の準備工程は、実施例1と同様に行った。エピタキシャル成長工程は、エッチング後の4H−SiC単結晶基板の表面に対して、原料ガスとしてSiHClガス、Cガス、キャリアガスとして水素を供給しながら、成長圧力15kPa、成長温度1580℃、C/Si比1.0の条件のもとで、第1成長速度R1の成長速度を0.74μm/hにして第1エピタキシャル成長速度層を51nm形成した上で、第2成長速度9.3μm/hで総SiCエピタキシャル層の厚が15.5μmになるようにエピタキシャル成長工程を行った。
得られたSiCエピタキシャルウェハにおいて、キャロット欠陥を0.65個/cmに低減させることができた。この時平均バンチング長さは71μmであり、平均バンチング長さ100μm以下の良好な表面状態を得ることができた。
本発明のSiCエピタキシャルウェハの製造方法は、例えば、パワー半導体用SiCエピタキシャルウェハの製造方法として利用することができる。
1 SiC単結晶基板
2 第1エピタキシャル成長速度層
3 第2エピタキシャル成長速度層
100 SiCエピタキシャルウェハ

Claims (1)

  1. オフ角を有する4H−SiC単結晶基板上にSiCエピタキシャル層が積層されたSiCエピタキシャルウェハを製造する方法であって、
    前記SiC単結晶基板上にSiCエピタキシャル層を成長させるエピタキシャル成長工程を有し、
    前記エピタキシャル成長工程は、
    第1成長速度でエピタキシャル成長を行う第1エピタキシャル成長サブ工程と、
    前記第1成長速度よりも大きい第2成長速度でエピタキシャル成長を行う第2エピタキシャル成長サブ工程と、を有し、
    前記第1エピタキシャル成長サブ工程の成長膜厚は5nm以上、500nm以下とし、前記第1成長速度は、2.2μm/h以上4.0μm/h以下であり、
    前記エピタキシャル成長工程は、成長温度を1560℃以上、1610℃以下で行い、
    前記エピタキシャル成長工程において、シリコン原料をSiHClガスとし、炭素原料をCガスとし、C/Si比を0.9以上、1.1以下とし、
    キャロット欠陥密度が0.65個/cm以下で、かつ、平均バンチング長さが100μm以下であるSiCエピタキシャルウェハを製造する、ことを特徴とするSiCエピタキシャルウェハの製造方法。
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