JP6791743B2 - 蓋体、電子部品収納用パッケージおよび電子装置 - Google Patents

蓋体、電子部品収納用パッケージおよび電子装置 Download PDF

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Description

本発明は、電子部品が収納される搭載部を有する電子部品収納用パッケージ用の蓋体、電子部品収納用パッケージ、および電子装置に関するものである。
従来、圧電振動素子等の電子部品を気密に収容するための電子部品収納用パッケージとして、電子部品が収容される凹状の搭載部を有する絶縁基板が多く用いられている。搭載部を塞ぐようにして絶縁基板に蓋体が接合されて、搭載部内に電子部品が気密封止される。絶縁基板の搭載部と蓋体とからなる容器内に圧電振動素子等の電子部品が気密封止されて電子装置となる。
このような電子装置において気密封止の信頼性が高いとされているものは、金属製の蓋体と、絶縁基板の上面に形成された枠状メタライズ層(または、金属枠体)とが、ろう付けまたは溶接等の手段で接合されたものである。
しかし、前述の場合には絶縁基板と蓋体とを個々にろう付けまたは溶接する必要があるため、電子装置としての生産性向上が難しい。さらに、封止するための接合材として用いるろう材または溶接に必要な設備が必要となり、製造コストが増加する懸念がある。そこで、蓋体と絶縁基板の接合方法として比較的安価な設備で絶縁基板の搭載部を蓋体により封止することが可能なガラス等を用いた接合構造が提案されている。例えば、ガラスにより絶縁基板と蓋体を接合する場合、絶縁基板と蓋体とを個々に接合する必要がなく、バッチ処理により複数の絶縁基板と複数の蓋体とを同時に接合することが可能である。そして、上記のようなろう材による接合方法を除けば、温度および耐環境性に優れており、樹脂または半田による接合と比較して、気密性および固着強度等の点で優れている。
また、蓋体の形状として4隅が凹状に湾曲して面取りされている蓋体があり、例えば、多数個取り基板となるセラミックグリーンシートに複数の孔開け加工を行い、この各孔の中心で4等分されるように、金型等で格子状に分割溝を形成して分割することにより製作されるものである。
特開2007-43732号公報
しかしながら、上述した電子装置においては、小型化に伴い次のような不具合が生じる可能性があった。すなわち、このような小型化が著しい電子装置においては、電子部品が収容される電子部品収納用パッケージの搭載部を構成する枠部の幅が狭いものとなってきており、枠部の上面と蓋体との接合面積が小さくなってきている。そのため、例えば4隅が凹状に湾曲して面取りされている蓋体を用いて、一例としてガラスを接合材として配線基板(電子部品収納用パッケージ)の枠部の上面と蓋体とを接合した場合、絶縁基板の4隅において蓋体の4隅を凹状に湾曲して面取りした分の、枠部の上面と蓋体との接合面積が小さくなり、気密封止の信頼性が低下する可能性があった。
また、接合材は蓋体の下面(絶縁基板の枠部に接合される面)に枠状に設けられているため、このように4隅が凹状に湾曲して面取りされている蓋体においては、面取りされた
分の、枠部の上面と蓋体との接合面積が小さくなり、蓋体の4隅における接合材のボリュームを多く出来ないという問題があった。
つまり、小型化が進んだ電子装置においては、絶縁基板と蓋体が接合材により封止された場合、接合後の4隅における接合材のボリュームが不足して気密封止の信頼性が低下する可能性があった。
本発明の一つの態様の蓋体によれば、電子部品を搭載するための搭載部を有し、上面を有する下部絶縁層と、前記搭載部に設けられる電子部品が接続される複数の電極パッドと、前記下部絶縁層上に前記搭載部を囲んで積層された枠状の上部絶縁層とを含み、4隅の下端から上端にかけて切欠きが設けられた絶縁基板に接合される蓋体であって、4隅の下端から上端にかけて面取り部が設けられ、平面視で前記面取り部の両端に凸状部が設けられており、各辺部に切断面および破断面を有しており、前記切断面は、上面に接して設けられる第1切断面と、下面に接して設けられる第2切断面からなり、前記破断面は前記第1切断面と前記第2切断面の間に設けられるとともに、前記凸状部が前記第1切断面と前記面取り部との間、および前記第2切断面と前記面取り部との間に設けられている。
本発明の一つの態様の電子部品収納用パッケージによれば、電子部品を搭載するための搭載部を有し、上面を有する下部絶縁層と、前記搭載部に設けられる電子部品が接続される複数の電極パッドと、前記下部絶縁層上に前記搭載部を囲んで積層された枠状の上部絶縁層とを含み、4隅の下端から上端にかけて切欠きが設けられた絶縁基板と、前記枠状の上部絶縁層に接合材を介して接合されるものとを有しており、該蓋体の4隅の下端から上端にかけて面取り部が設けられ、平面視で前記面取り部の両端に凸状部が設けられており、前記蓋体は、各辺部に切断面および破断面を有しており、前記切断面は、前記蓋体の上面に接して設けられる第1切断面と、前記蓋体の下面に接して設けられる第2切断面からなり、前記破断面は前記第1切断面と前記第2切断面の間に設けられるとともに、前記絶縁基板の4隅において、前記凸状部が前記第1切断面と前記面取り部との間、および前記第2切断面と前記面取り部との間に設けられている。
本発明の一つの態様の電子装置によれば、上記に記載の電子部品収納用パッケージと、前記搭載部に搭載された電子部品と、前記枠状の上部絶縁層と前記蓋体との間に設けられた接合材とを有しており、該接合材が前記面取り部および前記凸状部の一部を覆って接合されている。
本発明の一つの態様の蓋体は、電子部品を搭載するための搭載部を有し、上面を有する下部絶縁層と、搭載部に設けられる電子部品が接続される複数の電極パッドと、下部絶縁層上に搭載部を囲んで積層された枠状の上部絶縁層とを含み、4隅の下端から上端にかけて切欠きが設けられた絶縁基板に接合されるものであって、4隅の下端から上端にかけて面取り部が設けられ、平面視で面取り部の両端に凸状部が設けられていることから、絶縁基板と蓋体とを接合する場合に、接合材が面取り部から面取り部の両端の外側、例えば蓋体の各辺側に拡がりにくいものとなり、面取り部の両端の凸状部にボリュームの大きい接合材のフィレットが形成され易くなる。よって、面取りされた蓋体においても、電子部品収納用パッケージ(絶縁基板)の4隅における接合材の接合面積を大きくでき、絶縁基板と蓋体との接合強度を向上できる。
本発明の一つの態様の電子部品収納用パッケージは、電子部品を搭載するための搭載部を有し、上面を有する下部絶縁層と、前記搭載部に設けられる電子部品が接続される複数の電極パッドと、前記下部絶縁層上に前記搭載部を囲んで積層された枠状の上部絶縁層とを含み、4隅の下端から上端にかけて切欠きが設けられた絶縁基板と、枠状の上部絶縁層に接合材を介して接合される蓋体とを有しており、蓋体の4隅の下端から上端にかけて面取り部が設けられており、平面視で面取り部の両端に凸状部が設けられていることから、絶縁基板の4隅において枠部の上面と蓋体との接合面積が小さくなっても、接合材が面取り部から面取り部の両端の外側、例えば蓋体の各辺側に拡がりにくいものとなり、凸状部にボリュームの大きい接合材のフィレットが形成され易くなる。よって、面取り部の両端の凸状部間において接合材の封止厚みを確保でき、搭載部に収容された電子部品の気密封
止性に優れた電子部品収納用パッケージを提供できる。
本発明の一つの態様の電子装置は、上記の電子部品収納用パッケージと、搭載部に搭載された電子部品と、枠状の上部絶縁層と蓋体との間に設けられた接合材とを有しており、接合材が面取り部および凸状部の一部を覆って接合されていることから、絶縁基板の4隅に切欠きが設けられたことにより枠部の上面と蓋体との接合面積が小さくなっても、面取り部の両端の凸状部の間において、接合材の封止厚みが大きくなり易い。よって、搭載部に収容された電子部品の気密が良好であり、気密封止の信頼性に優れた電子装置を提供できる。
(a)は本発明の実施形態の蓋体が接合された電子部品収納用パッケージ、および電子装置を示す上面図であり、(b)は(a)のX−X’線における断面図である。 図1の要部を拡大して示す電子部品収納用パッケージの斜視図である。 蓋体の要部を示す斜視図である。 (a)〜(c)は本発明の実施形態の蓋体の要部を示す平面図である。
本発明の蓋体、電子部品収納用パッケージ、および電子装置について、添付の図面を参照しつつ説明する。 図1(a)は、本発明の実施形態の蓋体が接合された電子部品収納用パッケージ、および電子装置を示す上面図であり、(b)はその断面図である。また、図2は図1の電子部品収納用パッケージの要部を拡大して示す斜視図である。また、図3は蓋体の要部を示す斜視図であり、図4(a)〜(c)は、蓋体の要部を示す平面図である。
図1〜図4において、101は絶縁基板,102は搭載部,103は上部絶縁層,104は下部絶縁層,105は外部接続導体,106は切欠き,107は電子部品,108は電子部品が搭載される電極パッド,109は導電性接着材,110は接合材,111は蓋体,112は面取り部,113は凸状部,114は切断面,114aは第1切断面,114bは第2切断面,115は破断面,200は電子部品収納用パッケージ,300は電子装置である。
この実施の形態において、絶縁基板101に外部接続導体105,切欠き106,電極パッド108,接合材110,蓋体111,面取り部112,切断面114,および破断面115が配置されて電子部
品収納用パッケージ200等が基本的に構成されている。そして、絶縁基体101は、図1(b)に示すように、厚み方向の断面視で凹状の搭載部102を有している。この電子部品収納
用パッケージ200に圧電振動素子等の電子部品107が気密封止されて電子装置300が製作さ
れる。なお、搭載部102を封止する蓋体111は、図1(a)においては見やすくするために破線で示している。
絶縁基板101は、基部となる平板状の下部絶縁層104上に、枠部となる上部絶縁層103が
積層されて形成されてなる。平面視において、上部絶縁層103が下部絶縁層104の上面の搭載部102を取り囲んでいる。この上部絶縁層103の内側面と、内側面の内側において露出する下部絶縁層104とによって、電子部品107を収容するための凹状の搭載部102が設けられ
ている。
蓋体111は、例えば四角板状であり、セラミック材料等からなる。蓋体111は、ガラス接合法等により下面の外周部が上部絶縁層103(枠部)の上面に接合される。蓋体111がセラミック材料からなる場合、例えば酸化アルミニウム質焼結体,窒化アルミニウム焼結体,ムライト質焼結体またはガラス−セラミック焼結体等からなる。また、蓋体111はガラス
材料または鉄−ニッケル合金、鉄−ニッケル−コバルト合金等の金属材料であってもよい。蓋体111の材質に応じて、蓋体111を絶縁基板101の上面に接合するための接合材110が適切に選ばれる。
蓋体111がセラミック材料またはガラス材料であれば、それらの材料との濡れ性に優れ
たガラスからなる接合材110を用いればよい。さらに、蓋体111が鉄−ニッケル合金、鉄−ニッケル−コバルト合金等の金属材料であれば、金属材料との濡れ性に優れた銀ろうまたは半田等の金属ろう材からなる接合材110を用いればよい。この場合、蓋体111を絶縁基板101の上面に接合するために、蓋体111の裏面、面取り部112、凸状部113の露出面にはメタライズ層等の金属層(図示せず)が設けられる。
また、蓋体111は、例えば酸化アルミニウム質焼結体,窒化アルミニウム焼結体,ムラ
イト質焼結体,またはガラス−セラミック焼結体等のセラミック材料からなる。そして、蓋体111は、例えば全体の外形が、平面視で一辺の長さが2〜10mm程度の長方形状であ
り、厚みが0.1〜0.6mm程度の板状であり、その各4隅に面取り部112を有している。
蓋体111が酸化アルミニウム質焼結体からなる場合であれば、酸化アルミニウム,酸化
珪素,酸化マグネシウム,および酸化カルシウム等の原料粉末に適当な有機バインダおよび溶剤,可塑剤等を添加混合して泥漿状にするとともに、これを例えばドクターブレード法またはロールカレンダー法等のシート成形法によりシート状となすことにより単層のセラミックグリーンシートを得て、次にこのセラミックグリーンシートに面取り部112を設
けるための複数の孔を形成するために適当な打ち抜き加工を施すとともに、そのセラミックグリーンシートを高温で焼成することにより製作することができる。
なお、セラミックグリーンシートは、このような蓋体111となる複数の蓋体領域(図示
せず)がセラミック母基板に縦横の並びに配列された、いわゆる多数個取り配線基板(図示せず)として製作される。具体的には、蓋体領域の境界に分割溝を形成しておき、このセラミックグリーンシートの蓋体領域の境界において切断して個片に分割する方法等で製作される。
また、絶縁基板101に含まれる上部絶縁層103および下部絶縁層104は、蓋体111と同様に例えば酸化アルミニウム質焼結体,窒化アルミニウム焼結体,ムライト質焼結体,またはガラス−セラミック焼結体等のセラミック材料からなる。そして、絶縁基板101は、例え
ば全体の外形が、平面視で一辺の長さが2〜10mm程度の長方形状であり、厚みが0.3〜
2mm程度の板状であり、上面に上記のような凹状の搭載部102を有している。
配線基板に含まれる絶縁基板101を構成する上部絶縁層103および下部絶縁層104は、蓋
体111と同様に、例えばドクターブレード法またはロールカレンダー法等のシート成形法
によりシート状となすことにより複数枚のセラミックグリーンシートを得て、次に一部のセラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工を施して枠状に成形するとともに、枠状に成形していない平板状のセラミックグリーンシートの上面にそれぞれ枠状のセラミックグリーンシートが位置するように上下に積層し、その積層体を高温で焼成することにより製作することができる。
絶縁基板101は、それぞれがこのような配線基板となる複数の配線基板領域(図示せず
)がセラミック母基板に縦横の並びに配列された、いわゆる多数個取り配線基板(図示せず)として製作され、これを配線基板領域の境界において切断して個片に分割する方法で製作される。
そして、搭載部102の周辺には、電子部品107と電気的に接続される電極パッド108等の
配線導体が設けられている。電極パッド108に、導電性接着材109により電子部品107が電
気的に接続される。搭載部102内に電子部品107を収容した後、セラミック等からなる蓋体111が上部絶縁層103上にガラス等の接合材110により接合されることにより、蓋体111と絶縁基板101とからなる容器内に電子部品107が気密に封止されて電子装置となる。ここで、電子部品107は、例えば圧電振動素子または半導体素子等であり、その他の電子部品107が組み合わされて収容されていてもよい。
電極パッド108と電気的に接続された電子部品107は、例えば絶縁基板101の内部に形成
されている他の配線導体(図示せず)を介して絶縁基板101の下面の外部接続導体105に電気的に接続される。さらに、この外部接続導体105が外部の電気回路(図示せず)と半田
等により電気的に接続される。
電極パッド108および外部接続導体105等の配線導体は、その露出した表面に1〜20μm程度の厚みのニッケルめっき層と0.1〜2μm程度の厚みの金めっき層とが順次被着され
ているのがよい。これにより、配線導体の酸化腐食をより効果的に抑制することができる。
本発明の蓋体111は、電子部品107を搭載するための搭載部102を有し、上面を有する下
部絶縁層104と、搭載部102に設けられる電子部品107が接続される複数の電極パッド108と、下部絶縁層104上に搭載部102を囲んで積層された枠状の上部絶縁層103とを含み、4隅
の下端から上端にかけて切欠き106が設けられた絶縁基板101に接合されるものであって、4隅の下端から上端にかけて面取り部112が設けられ、平面視で面取り部112の両端に凸状部113が設けられている。
このような構成としたことから、接合材110が面取り部112から面取り部112の両端の外
側、例えば蓋体111の各辺側に拡がりにくいものとなり、蓋体111の4隅において面取り部112の両端の凸状部113にボリュームの大きい接合材110のフィレットが形成され易くなる
。よって、面取りされた蓋体111においても、電子部品収納用パッケージ200(配線基板)の4隅における接合材110の接合面積を大きくでき、絶縁基板101と蓋体111との接合強度
を向上できる。
つまり、蓋体111がガラス接合法等により絶縁基板101の上部絶縁層103(枠部)の上面に
接合される際に、従来であれば蓋体111の下面の外周部にガラスからなる接合材110が枠状に設けられており、蓋体111の4隅に面取り部112が設けられている分の、枠部の上面と蓋体111との接合面積が小さくなり、4隅の接合材110のボリュームが少なくなってしまう。そして、接合時に絶縁基板101と蓋体111との間に設けられた接合材110の一部が絶縁基板101の外縁にはみ出すとともに、蓋体111の外周側面の途中まで接合材110のフィレットが形成される。しかしながら、図2に示したように、この面取り部112の両端に設けられた凸
状部113によって、接合材110が面取り部112から面取り部112の両端の外側、例えば蓋体111の各辺側に拡がりにくいものとなり易いため、絶縁基板101の4隅に接合材110が濡れ拡
がることにより、接合材110のボリュームを確保し易い。よって、面取り部112の両端の凸状部113間において接合材110の封止厚みを確保でき、搭載部102に収容された電子部品107の気密封止の信頼性に優れた蓋体111を提供できる。
ここで、蓋体111の4隅の面取り部112において、その両端に凸状部113を設けるには、
例えば蓋体111となる複数の蓋体領域(図示せず)が縦横の並びに配列されたセラミック
グリーンシートにおいて、各蓋体領域の境界の交差領域に面取り部112となる貫通孔(図
示せず)を設けておき、さらにこの各蓋体領域の境界に沿ってカッター刃等で分割溝(図示せず)を形成することにより製作することができる。
具体的には、蓋体111の凸状部113は、セラミック母基板となるセラミックグリーンシートの面取り部112となる貫通孔の中央部に分割溝用の切り込みを形成する際に、貫通孔の
内壁の一部をカッター刃等の刃の圧力により貫通孔の中央側に押し出して突出させることにより設けることができる。そして、貫通孔、分割溝が形成されたセラミックグリーンシートが高温で焼成されることによりセラミック母基板が製作され、このセラミック母基板を各蓋体領域の境界に設けられたV字型の分割溝に沿って分割することにより、蓋体111
が製作される。このように製作された蓋体111には、図2に斜視図で示したように、4隅
の面取り部112の両端に凸状部113が設けられている。そして、図2に示した蓋体111の場
合、分割溝が上面および下面に設けられたセラミック母基板から製作されたものであり、蓋体111の上面側および、または下面側に、分割溝が形成される領域に接して、4隅にそ
れぞれ4箇所凸状部113が設けられた構成となっている。
また、分割溝はセラミック母基板の片面だけに設けられてもよく、蓋体111の分割溝が
設けられた面側に、分割溝が形成される領域に接して、4隅にそれぞれ2箇所凸状部113
が設けられる。この場合、凸状部113が絶縁基板101側に対向するように、絶縁基板101に
接合材110を介して蓋体111を接合すれば、面取り部112の両端の凸状部113間において接合材110の封止厚みを確保できる。
なお、蓋体111の凸状部113の形成は、カッター刃等の刃の圧力により製作する方法に限定されず、凸状部113を含めた外縁形状となるように打ち抜き法を用いたり、蓋体111の4隅に凸状部113となる材料を含んだペーストをディッピング法等により塗布して設けても
よい。また、蓋体111の材質はセラミック材料に限定されず、ガラス材料または樹脂材料
等であってもよい。
また、蓋体111の接合状態において最も応力が集中しやすい箇所、つまり4隅に面取り
部112が設けられており、蓋体111の面取り部112は、平面視で図1(a)に示したように
、絶縁基板101の4隅の切欠き106よりも内側に位置して絶縁基板101に接合されている。
このため、蓋体111の接合の際にガラス等の接合材110が絶縁基板101の4隅の切欠き106と蓋体111の面取り部112との間に濡れ拡がるとともに、その一部が面取り部112に入り込み
易いため、面取り部112に濡れてより多くの接合材110で覆われた部分が設けられる。これにより、前記した凸状部113により接合材110のフィレットが形成される構成と、面取り部112で接合材110のボリュームが増大し、実装状態におけるパッケージの応力が集中しやすい箇所が強化される相乗効果により、絶縁基板101への蓋体111の接合構造が強固となる。
したがって、本発明によれば、外部からの衝撃等により蓋体111が絶縁基板101から剥が
れたり、気密不良が発生することが抑制された蓋体111を実現できる。
また、本発明の蓋体111は、上部絶縁層103に接合される面に枠状の接合材110が設けら
れており、接合材110の一部が面取り部112に設けられている。このような構成としたことから、通常であれば接合材110のボリュームが少ない蓋体111の4隅の面取り部112におい
て、接合材110のボリュームを確保し易い。
つまり、蓋体111がガラス接合法等により絶縁基板101の上部絶縁層103の上面に接合さ
れる際に、従来であれば蓋体111の下面の外周部にガラスからなる接合材110が枠状に設けられており、蓋体111の4隅に面取り部112が設けられている分の、枠部の上面と蓋体111
との接合面積が小さくなり、4隅の接合材110のボリュームが少なくなってしまう。しか
しながら、この面取り部112の両端に設けられた凸状部113によって、接合材110が面取り
部112から面取り部112の両端の外側、例えば蓋体111の各辺側に拡がりにくいものとなり
易い。また、図3に示したように、蓋体111の面取り部112に設けられた接合材110により
、絶縁基板101の4隅に接合材110が移動して濡れ拡がって接合材110のフィレットが形成
されることにより、4隅における接合材110のボリュームを確保し易い。よって、蓋体111の接合強度に優れ、面取り部112の両端の凸状部113間において接合材110の封止厚みを確
保でき、搭載部102に収容された電子部品107の気密封止性に優れた蓋体111を提供できる
ここで、搭載部102の封止に使用される接合材110がガラスであれば、例えば、酸化鉛50〜65重量%、酸化ホウ素2〜10重量%、フッ化鉛10〜30重量%、酸化亜鉛1〜6重量%、および酸化ビスマス10〜20重量%を含むガラス成分に、フィラーとしてチタン酸鉛系化合物を外添加で26〜45重量%添加した鉛系のガラスから成り、あらかじめ真空中でガラス中に含まれる気泡を取り除いたものが使用される。このようなガラスからなる接合材110を
用いることより、蓋体111と絶縁基板101が接合材110により強固に接合されて、容器の気
密封止がより良好となり、搭載部102の内部に収容する電子部品107をより長期間にわたり正常かつ安定に作動させることが可能となる。
なお、接合材110は上記に示したガラスに限定されず、その他の組成物からなるガラス
、樹脂、半田等であってもよい。接合材110が樹脂であれば、例えばエポキシ樹脂を用い
ることができ、セラミックからなる蓋体111の素地に直接接合が可能である。また、接合
材110が半田であれば、外部回路基板(図示せず)に電子装置300をリフロー処理により2次実装する際に使用される半田よりも融点が高い高温半田からなる接合材110を用いるこ
とができる。高温半田としては、例えば、Pb/Sn系、Pb/Sn/Ag系などの融点が300℃前後のものである。なお、この場合、上部絶縁層103の上面にメタライズ層を
設けておき、さらに接合材110となる半田が設けられる蓋体111の裏面の枠状部、および4隅の面取り部112および凸状部113にメタライズ層(図示せず)を設けて、このメタライズ層により半田との濡れ性が確保されるようにすればよい。また、半田との濡れ性をさらに良好とするために、上部絶縁層103および蓋体111のメタライズ層の露出表面にニッケルおよび金等のめっき層を設けてもよい。
また、本発明の蓋体111は、各辺部に切断面114および破断面115を有しており、破断面115は、蓋体111の上面に接して設けられる第1切断面114aと、蓋体111の下面に接して設
けられる第2切断面114bからなり、破断面115は第1切断面114aと第2切断面114bの間に設けられるとともに、絶縁基板101の4隅において、凸状部113が第1切断面114aと面
取り部112との間、および第2切断面114bと面取り部112との間に設けられている。
このような構成としたことから、蓋体111を絶縁基板101の上面に接合するための接合材110を蓋体111に設ける場合に、蓋体111の表裏のどちらかを特定する必要がない。つまり
、蓋体111の上面に接合材110を設けても、下面に接合材110を設けても、どちらでも蓋体111を絶縁基板101の上面に接合する際に、接合材110が凸状部113に接する構成となる。こ
の面取り部112の両端に設けられた4箇所の凸状部113によって、接合材110が表面張力に
より4箇所の凸状部113のうち、少なくとも絶縁基板101の上面に近接して位置する2箇所の凸状部113によって、接合材110が面取り部112から面取り部112の両端の外側、例えば蓋体111の各辺側に拡がりにくいものとなり易い。よって、蓋体111の4隅の面取り部112に
設けられた接合材110により、絶縁基板101の4隅に接合材110が濡れ拡がって接合材110のフィレットが形成されることにより、蓋体111の4隅の面取り部112において、接合材110
のボリュームを確保し易い。
ここで、蓋体111に切断面114および破断面115を設けるためには、例えば、多数個取り
基板となるセラミックグリーンシートに打ち抜き加工により複数の孔開け加工を行い、この各孔の中心で4等分されるように、例えば金型等で格子状に分割溝を形成して製作すればよい。この際、孔開け加工された部分が蓋体111の面取り部112となり、格子状に分割溝が形成された部分が切断面114となる。そして、これらの貫通孔、分割溝が形成されたセ
ラミックグリーンシートが高温で焼成されることによりセラミック母基板が製作され、このセラミック母基板の各蓋体領域の境界に設けられた分割溝に沿って分割された部分が破断面115となる。よって、蓋体111の両面に分割溝が設けられる場合に、蓋体111の両面に
切断面114が設けられる。なお、蓋体111の4隅の面取り部112において、その両面および
両端に凸状部113を設けるには、上記のように各蓋体領域の境界に沿ってカッター刃等で
分割溝(図示せず)を形成することにより製作することができる。
また、蓋体111の表裏の形状により絶縁基板101への接合状態を変化させないためには、図3に示したように、蓋体111の形状を表裏のどちらにおいても、出来るだけ同じ形状と
することが好ましい。そのためには、多数個取り基板となるセラミックグリーンシートに金型等で格子状に分割溝を形成する際に、表裏で同じ形状の金型を同じ深さで挿入して分割溝を形成すればよい。これにより、蓋体111の外周側面において、上面側の第1切断面114aと、下面側の第2切断面114bとがほぼ同じ幅で形成されるとともに、各面取り部112の両端の4箇所に、ほぼ同じ形状の凸状部113を設けることができる。そして、厚み方向
において破断面115が第1切断面114aと第2切断面114bとのほぼ中央部に設けられた、
図3に示したような蓋体111を製作することができる。このような蓋体111を用いることにより、絶縁基板101の上面に接合するための接合材110を蓋体111に設ける場合に、蓋体111の表裏を特定する必要がないとともに、蓋体111の表裏の形状により絶縁基板101への接合状態が変化することが抑制された蓋体111を提供できる。
本発明の電子部品収納用パッケージ200(配線基板)は、電子部品107を搭載するための搭載部102を有し、上面を有する下部絶縁層104と、搭載部102に設けられる電子部品107が接続される複数の電極パッド108と、下部絶縁層104上に搭載部102を囲んで積層された枠
状の上部絶縁層103とを含み、4隅の下端から上端にかけて切欠き106が設けられた絶縁基板101と、枠状の上部絶縁層103に接合材110を介して接合される蓋体111とを有しており、蓋体111の4隅の下端から上端にかけて面取り部112が設けられており、平面視で面取り部112の両端に凸状部113が設けられている。
このような構成としたことから、絶縁基板101の4隅において枠部(上部絶縁層103)の上面と蓋体111との接合面積が小さくなっても、凸状部113に接合材110のフィレットが形
成され易くなる。よって、面取り部112の両端の凸状部113間において接合材110の封止厚
みを確保でき、搭載部102に収容された電子部品107の気密封止性に優れた電子部品収納用パッケージ200を提供できる。
電子部品収納用パッケージ200を構成する絶縁基板101は、例えば酸化アルミニウム質焼結体,窒化アルミニウム焼結体,ムライト質焼結体またはガラス−セラミック焼結体等のセラミック材料からなる。そして、絶縁基板101は、例えば全体の外形が、平面視で一辺
の長さが2〜10mm程度の長方形状であり、厚みが0.3〜2mm程度の板状であり、その
各4隅に切欠き106を有している。
絶縁基板101が酸化アルミニウム質焼結体からなる場合であれば、上記に記載の原料粉
末,有機バインダ等を用いて、シート成型法によりシート状となすことにより複数層のセラミックグリーンシートを得て、次にこのセラミックグリーンシートに搭載部102および
切欠き106を設けるための孔を形成するために適当な打ち抜き加工を施すとともに、その
セラミックグリーンシートを高温で焼成することにより製作することができる。
また、絶縁基板101に設けられる外部接続導体105および電子部品107が搭載される電極
パッド108は、例えばタングステン,モリブデン,マンガン,銅,銀等の金属材料によっ
て形成される。これら複数の導体等は、例えば、このようなタングステン等の金属材料のペースト(金属ペースト)を、上部絶縁層103および下部絶縁層104となるセラミックグリ
ーンシートの主面に、所定パターンに印刷して同時焼成することによって設けることができる。
このように製作された、図1に示したような電子部品収納用パッケージ200の搭載部102に設けられた電極パッド108に、圧電振動素子等の電子部品107が導電性接着剤109により
接合されるとともに、絶縁基板101と蓋体111とを接合材110により接合させて、絶縁基板101と蓋体111とからなる絶縁容器内に電子部品101を気密に収容する際に、絶縁基板101の
4隅において、蓋体111の面取り部112の両端の凸状部113にも接合材110のフィレットが形成され易くなる。よって、4隅に切欠き106が設けられた絶縁基板101に、4隅に面取り部112が設けられた蓋体111を接合する場合においても、絶縁基板101の4隅における接合材110の接合面積を大きくでき、絶縁基板101と蓋体111との接合強度が向上されるとともに、面取り部112の両端の凸状部113間において接合材110の封止厚みを確保でき、搭載部102に収容された電子部品107の気密封止の信頼性に優れた電子部品収納用パッケージ200を提供できる。
また、本発明の電子部品収納用パッケージ200は、蓋体111が、各辺部に切断面114およ
び破断面115を有しており、破断面115は、蓋体111の上面に接して設けられる第1切断面114aと、蓋体111の下面に接して設けられる第2切断面114bからなり、破断面115は第1
切断面114aと第2切断面114bの間に設けられるとともに、絶縁基板101の4隅において
、凸状部113が第1切断面114aと面取り部112との間、および第2切断面114bと面取り部112との間に設けられている。
このような構成としたことから、蓋体111を絶縁基板101の上面に接合するための接合材110を蓋体111に設ける場合に、蓋体111の表裏の向きを特定が不要な電子部品収納用パッ
ケージ200の接合構造を実現できる。つまり、蓋体111の上面に接合材110を設けても、下
面に接合材110を設けても、どちらでも蓋体111を絶縁基板101の上面に接合する際に、接
合材110が凸状部113に接する構成となる。この面取り部112の両端に設けられた4箇所の
凸状部113によって、接合材110が表面張力により4箇所の凸状部113のうち、少なくとも
絶縁基板101の上面に近接して位置する2箇所の凸状部113側に拡がり易い。よって、蓋体111の4隅の面取り部112に設けられた接合材110により、絶縁基板101の4隅に接合材110
が移動して濡れ拡がって接合材110のフィレットが形成されることにより、蓋体111の4隅の面取り部112において、接合材110のボリュームを確保し易い。よって、面取り部112の
両端の凸状部113間において接合材110の封止厚みを確保でき、搭載部102に収容された電
子部品107の気密封止の信頼性に優れた電子部品収納用パッケージ200を提供できる。
電子部品収納用パッケージ200の上部絶縁層103に接合される蓋体111は、図2,図4(
a)に示したような平面視でその4隅が1/4円弧状に面取りされた形状に限定されず、その他の形状で面取りされていてもかまわない。例えば、図4(b),(c)に要部の平面視で示したように、1/4長孔状に面取りされていてもよく、さらに面取り部112がC
面として直線状に面取りされた形状であってもよい。
例えば、図4(b)で示したように、蓋体111の4隅を平面視で1/4長孔状に面取り
した場合には、面取り部112の幅を広く設けることができるため、その分だけ面取り部112に多くの接合材110を設けることが可能であり、絶縁基板101と蓋体111との接合強度を向
上できる。また、例えば、図4(c)で示したように、蓋体111の4隅を平面視でC面と
して面取り部112が直線状に面取りされた形状とした場合には、面取り部112の幅が小さくなり、面取り部112に設けられる接合材110のボリュームが減少するものの、絶縁基板101
の4隅における蓋体111との接合材110を含まない接合幅を大きくできるため、絶縁基板101の4隅に接合材110のフィレットが形成される構成との相乗効果により、気密封止の信頼性を向上できる。なお、このような蓋体111は、上述したような方法で多数個取り基板と
して同時集約的に製作することができる。
そして、製作された各蓋体111は、破断面115が蓋体111の上面に接して設けられる第1
切断面114aと、蓋体111の下面に接して設けられる第2切断面114bからなり、破断面115は第1切断面114aと第2切断面114bの間に設けられるとともに、絶縁基板101の4隅に
おいて、凸状部113が第1切断面114aと面取り部112との間、および第2切断面114bと面取り部112との間に設けられている構成となっている。
本発明の電子装置300は、上記記載の電子部品収納用パッケージ200と、搭載部102に搭
載された電子部品107と、枠状の上部絶縁層103と蓋体111との間に設けられた接合材109とを有しており、接合材109が面取り部112および凸状部113の一部を覆って接合されている
。このような構成としたことから、絶縁基板101の4隅に切欠き106が設けられたことにより枠部(上部絶縁層103)の上面と蓋体111との接合面積が小さくなっても、面取り部112
の両端の凸状部113間において、接合材110の封止厚みが大きくなり易い。よって、搭載部102に収容された電子部品107の気密が良好であり、気密封止の信頼性に優れた電子装置300を提供できる。
具体的には、電子部品収納用パッケージ200の上面を塞ぐように位置決めされた蓋体111の裏面に設けられた接合材110が熱処理により上部絶縁層103の上面に濡れ拡がる。そして、蓋体111の下面と上部絶縁層103の上面との間に設けられるとともに、接合材110の一部
が表面張力により蓋体111の外周側面に拡がる構成となる。仮に蓋体111の面取り部112の
両端に凸状部113が設けられていない場合には、蓋体111の下面の4隅に設けられた枠状の接合材110の外周は、その形状が凸状に湾曲した形状となっているため、接合材110の一部が蓋体111の4隅の側面に拡がったとしても、その拡がるボリュームが少なくなってしま
う。また、蓋体111の下面の4隅における接合材110のボリュームを大きくするために、蓋体111の下面の4隅に設けられた枠状の接合材110の幅を大きくしても、その接合材110は
封止構造に寄与しないで蓋体111の下面に残ってしまうため、蓋体111の4隅の面取り部112、および凸状部113を覆うための接合材110のボリュームを大きくできない。
しかしながら、蓋体111の面取り部112に凸状部113が設けられていることにより、蓋体111を絶縁基板101の上面に接合する際に、接合材110が凸状部113に接する構成となり、こ
の面取り部112の両端に設けられた凸状部113によって、接合材110が表面張力により凸状
部113に拡がり易くなる。よって、蓋体111の4隅の面取り部112に接合材110の移動が促進されて絶縁基板101の4隅に接合材110のフィレットが形成されることにより、蓋体111の
4隅の面取り部112において、接合材110のボリュームを確保し易い。よって、面取り部112の両端の凸状部113間において、接合材110の封止厚みを確保でき、電子部品収納用パッ
ケージ200の搭載部102に収容された電子部品107の気密封止の信頼性に優れた電子装置300を提供できる。
蓋体111の下面に設けられる接合材110がガラス層からなる場合であれは、例えば、上述した成分からなるガラス成分を含んだガラスペーストを蓋体111の下面の所定の位置にス
クリーン印刷法またはディッピング法により枠状に塗布することにより設けることができる。そして、あらかじめガラスペースト中の気泡を脱気により取り除くために、熱処理炉の真空中にてガラスの軟化点300〜350℃よりも10〜50℃の高い温度で10分間程度加熱することにより、緻密なガラス層を形成することができる。この際、真空封止時の真空度よりも高い真空度の範囲で行うことにより、ガラス層中の気孔率を低減することが可能となる。
なお、電子部品収納用パッケージ200の上部絶縁層103に接合される蓋体111の形状は、
平面視でその4隅が1/4円弧状に面取りされた形状に限定されず、例えば、図4(b)
,(c)に要部の平面視で示したように、1/4長孔状に面取りされていてもよく、さらに面取り部112がC面として直線状に面取りされた形状であってもよい。これにより、電
子部品収納用パッケージ200の切欠き106の形状および形成位置に影響され難く、蓋体111
と上部絶縁層103とが接合面および外周側において、ガラス層等の接合材110で封止される領域がしっかりと確保されるため、電子部品107が外部環境から保護される状態となる。
また、本発明の実施形態の電子装置300は、絶縁基板101と蓋体111とを接合する接合材110において、蓋体111の面取り部112、および凸状部113に設けられるフィレット高さが、
蓋体111の外縁の辺部におけるフィレット高さよりも大きい。このような構成としたこと
から、枠部(上部絶縁層103)の上面と絶縁基板101の辺部との接合面積が比較的大きくなる領域においては、蓋体111の外縁の辺部におけるフィレット高さが小さく、接合材110が絶縁基板101の側面側に流出することが抑制される。そして、絶縁基板101の4隅に切欠き106が設けられたことにより枠部(上部絶縁層103)の上面と蓋体111との接合面積が小さ
くなる領域においては、蓋体111の面取り部112、および凸状部113に設けられるフィレッ
ト高さが大きく、接合材110の封止厚みが大きく設けられる。よって、搭載部102に収容された電子部品107の気密がさらに良好であり、より気密封止の信頼性に優れた電子装置300を提供できる。
具体的には、蓋体111の裏面に設けられた接合材110が熱処理により上部絶縁層103の上
面に濡れ拡がる。この際、例えば図3に示したように、上部絶縁層103に接合される面に
対応して下面に枠状の接合材110が設けられており、接合材110の一部が面取り部112に設
けられている構成の蓋体111を使用することにより、蓋体111の面取り部112、および凸状
部113に設けられるフィレット高さが、蓋体111の外縁の辺部におけるフィレット高さよりも大きい構成となる電子装置300を実現できる。つまり、上部絶縁層103に接合される面に対応して、蓋体111の下面の辺部に設けられた接合材110は、熱処理により上部絶縁層103
の4隅を除く上面に濡れ拡がり、蓋体111の外縁の辺部におけるフィレット高さが比較的
小さい状態で接合される。
これに対して、蓋体111の下面の角部に設けられた接合材110は、熱処理により上部絶縁層103の4隅の上面に濡れ拡がるとともに、さらに蓋体111の面取り部112に設けられた接
合材110も、熱処理により垂れて上部絶縁層103の4隅の上面に濡れ拡がることにより、より多くのボリュームの接合材110が上部絶縁層103の4隅の上面に濡れ拡がるため、蓋体111の面取り部112におけるフィレット高さが大きい状態で接合される。この際、蓋体111の
4隅の面取り部112に設けられた凸状部113にも接合材110が表面張力により濡れ拡がる。
一方で、この凸状部113は、熱処理により軟化した接合材110が冷却されて硬化するまで、蓋体111の切欠き106に設けられたより多くのボリュームの接合材110が、蓋体111の外縁において切欠き106の領域から蓋体111の外縁の辺部の領域に移動することを抑制するダムとして作用する。このため、蓋体111の接合後において蓋体111の面取り部112、および凸
状部113に設けられるフィレット高さが小さくなることが抑制される。よって、蓋体111の面取り部112、および凸状部113に設けられるフィレット高さが、蓋体111の外縁の辺部に
おけるフィレット高さよりも大きい構成となる電子装置300を実現でき、電子部品収納用
パッケージ200の4隅において、蓋体111の面取りにより枠部の上面と蓋体111との接合面
積が小さくなることによる、気密封止の信頼性の低下を抑制できる。
なお、本発明は上述の実施の形態の一例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。例えば、上述の実施形態では、搭載部102には電子部品として圧電振動素子が搭載された例を示したが、その他の電子部品が搭載
されたり、関係する他の電子部品(コンデンサ、サーミスタ素子など)が圧電振動素子と一緒に搭載された電子装置300としてもよい。また、蓋体111を個片化する方法として、蓋
体領域が縦横に配列された母基板に金型等で格子状に分割溝を形成して分割することにより製作する例を示したがこれに限定されず、例えば母基板にレーザーにより格子状に分割溝を形成して分割する方法を採用してもよい。
101・・・絶縁基板
102・・・搭載部
103・・・上部絶縁層
104・・・下部絶縁層
105・・・外部接続導体
106・・・切欠き
107・・・電子部品
108・・・電極パッド
109・・・導電性接着材
110・・・接合材
111・・・蓋体
112・・・面取り部
113・・・凸状部
114・・・切断面
114a・・・第1切断面
114b・・・第2切断面
115・・・破断面
200・・・電子部品収納用パッケージ
300・・・電子装置

Claims (5)

  1. 電子部品を搭載するための搭載部を有し、上面を有する下部絶縁層と、前記搭載部に設けられる電子部品が接続される複数の電極パッドと、前記下部絶縁層上に前記搭載部を囲んで積層された枠状の上部絶縁層とを含み、4隅の下端から上端にかけて切欠きが設けられた絶縁基板に接合される蓋体であって、
    隅の下端から上端にかけて面取り部が設けられ、平面視で前記面取り部の両端に凸状部が設けられており、
    各辺部に切断面および破断面を有しており、前記切断面は、上面に接して設けられる第1切断面と、下面に接して設けられる第2切断面からなり、前記破断面は前記第1切断面と前記第2切断面の間に設けられるとともに、前記凸状部が前記第1切断面と前記面取り部との間、および前記第2切断面と前記面取り部との間に設けられていることを特徴とする蓋体。
  2. 前記上部絶縁層に接合される面に枠状の接合材が設けられており、前記接合材の一部が前記面取り部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の蓋体。
  3. 電子部品を搭載するための搭載部を有し、上面を有する下部絶縁層と、前記搭載部に設けられる電子部品が接続される複数の電極パッドと、前記下部絶縁層上に前記搭載部を囲んで積層された枠状の上部絶縁層とを含み、4隅の下端から上端にかけて切欠きが設けられた絶縁基板と
    記枠状の上部絶縁層に接合材を介して接合される蓋体とを有しており
    蓋体の4隅の下端から上端にかけて面取り部が設けられ、平面視で前記面取り部の両端に凸状部が設けられており、
    前記蓋体は、各辺部に切断面および破断面を有しており、前記切断面は、前記蓋体の上面に接して設けられる第1切断面と、前記蓋体の下面に接して設けられる第2切断面からなり、前記破断面は前記第1切断面と前記第2切断面の間に設けられるとともに、前記絶縁基板の4隅において、前記凸状部が前記第1切断面と前記面取り部との間、および前記第2切断面と前記面取り部との間に設けられていることを特徴とする電子部品収納用パッケージ。
  4. 請求項に記載の電子部品収納用パッケージと、前記搭載部に搭載された電子部品と、前記枠状の上部絶縁層と前記蓋体との間に設けられた接合材とを有しており、該接合材が前記面取り部および前記凸状部の一部を覆って接合されていることを特徴とする電子装置。
  5. 前記絶縁基板と前記蓋体とを接合する前記接合材は、前記蓋体の前記面取り部、および前記凸状部に設けられるフィレット高さが、前記蓋体の外縁の辺部におけるフィレット高さよりも大きいことを特徴とする請求項に記載の電子装置。
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