JP2006173287A - 電子部品収納用セラミックパッケージ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】パッケージの軽薄短小化に対応できると共に、セラミック枠体上面の導体金属膜及びこれに接合される金属枠体の枠幅を大きくして金属製蓋体を接合した時の気密信頼性を高くできる電子部品収納用セラミックパッケージ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】セラミック底体11と、セラミック枠体12を一体化した焼成体のセラミック枠体12の上面に有する導体金属膜13にろう付け接合される金属枠体14を有し、金属枠体14及びセラミック枠体12の内周壁面と、セラミック底体11の上面とで電子部品搭載用のキャビティ部15が設けられる電子部品収納用セラミックパッケージ10において、導体金属膜13の枠幅の少なくともキャビティ部15側の端部がセラミック枠体12の側面稜線22まで設けられると共に、導体金属膜13の枠幅のキャビティ部15側の端部の上面が導体金属膜13の枠幅の中央部と略同等の厚さからなる平坦面を有する。
【選択図】図1
【解決手段】セラミック底体11と、セラミック枠体12を一体化した焼成体のセラミック枠体12の上面に有する導体金属膜13にろう付け接合される金属枠体14を有し、金属枠体14及びセラミック枠体12の内周壁面と、セラミック底体11の上面とで電子部品搭載用のキャビティ部15が設けられる電子部品収納用セラミックパッケージ10において、導体金属膜13の枠幅の少なくともキャビティ部15側の端部がセラミック枠体12の側面稜線22まで設けられると共に、導体金属膜13の枠幅のキャビティ部15側の端部の上面が導体金属膜13の枠幅の中央部と略同等の厚さからなる平坦面を有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、平板状のセラミック底体と、窓枠状のセラミック枠体及び金属枠体とで形成されるキャビティ部に電子部品が搭載され、セラミック枠体の上面に形成される導体金属膜に接合された金属枠体に金属製蓋体が接合されて電子部品がキャビティ部内部で中空状態で気密に封止されるための電子部品収納用セラミックパッケージ及びその製造方法に関する。
近年、半導体素子、水晶振動子、圧電素子等の電子部品を収納させるためのセラミックパッケージは、電子部品を搭載させた装置、例えば、携帯電話や、パソコン等の小型化、高信頼性化等の要求に伴い、ますます軽薄短小化、高信頼性化等への対応が迫られている。図7(A)、(B)に示すように、これに対応するための従来の電子部品収納用セラミックパッケージ50には、気密信頼性の高いセラミック製のセラミック底体51と、セラミック製の窓枠形状をした板状のセラミック枠体52を積層し焼成した焼成体からなり、セラミック枠体52の上面に金属枠体53をろう付け接合した構造を有するものが知られている。この電子部品収納用セラミックパッケージ50のセラミック底体51には、上面に高融点金属なる電子部品接続用パッド54や、下面に高融点金属なる外部接続端子パッド55等の導体パターンがセラミックと同時焼成されて形成されている。また、この電子部品収納用セラミックパッケージ50のセラミック枠体52には、上面に高融点金属なる導体金属膜56がセラミックと同時焼成されて形成されている。この導体金属膜56は、セラミック枠体52上面の枠体幅の両側面の稜線、あるいは側面稜線より若干引き下がった部分から曲面を有して盛り上がり、盛り上がった部分の上面を平坦面とするような形状に形成されている。そして、この導体金属膜56の上面には、例えば、KV(Fe−Ni−Co系合金、商品名「Kovar(コバール)」)や、42アロイ(Fe−Ni系合金)等のセラミックと熱膨張係数が近似する金属からなり、窓枠状に形成された金属枠体53が、例えば、Ag−Cu系の高温ろう材を介してろう付け接合されている。この電子部品収納用セラミックパッケージ50は、セラミック底体51の平板上面又は階段状上面と、セラミック枠体52の内周壁面とで形成される電子部品を搭載するためのキャビティ部57を有している。
なお、この電子部品収納用セラミックパッケージ50には、複数層のセラミックに形成するそれぞれの導体パターン間を電気的に導通状態とするためや、複数層のそれぞれの導体パターンの表面に電解めっき被膜を施すためにセラミックに貫通孔を設けて形成するビア58や、キャスタレーション59が形成されている。この電子部品収納用セラミックパッケージ50には、キャビティ部57に電子部品(図示せず)が搭載され、セラミック枠体52の上面に形成された導体金属膜56にろう付け接合された金属枠体53に金属製蓋体(図示せず)が接合材を介して接合されて電子部品がキャビティ部57内に中空状態で気密に封止される。そして、電子部品が実装された電子部品収納用セラミックパッケージ50は、パッケージの下面の外部接続端子パッド55で半田等を介してボード等に接合している。
図8(A)〜(C)を参照しながら、代表的な従来の電子部品収納用セラミックパッケージ50の製造方法を説明する。ここで、図8(A)は個片体の電子部品収納用セラミックパッケージ50の複数個がマトリックス状に配列する集合体61の上面側部分拡大平面図、図8(B)は同じく集合体61の下面側部分拡大平面図、図8(C)はC−C’線縦断面図である。図8(A)〜(C)に示すように、電子部品収納用セラミックパッケージ50を構成するセラミック底体51は、1又は複数枚の大型のセラミックグリーンシートのそれぞれ個片体の電子部品収納用セラミックパッケージ50となるそれぞれ所定の位置にビア58用や、キャスタレーション59用の貫通孔を形成している。そして、セラミック底体51用のそれぞれのセラミックグリーンシートには、高融点金属からなるメタライズペーストを用いて、最上層となるセラミックグリーンシートの上面に各個片体用の電子部品接続用パッド54用や、最下層となるセラミックグリーンシートの下面に各個片体用の外部接続端子パッド55用等のメタライスパターン印刷や、それぞれのセラミックグリーンシートの貫通孔にビア58用の充填や、キャスタレーション59用の貫通孔の壁面に塗布するためのスクリーン印刷を行っている。また、電子部品収納用セラミックパッケージ50を構成するセラミック枠体52は、1又は複数枚の大型のセラミックグリーンシートのそれぞれ個片体の電子部品収納用セラミックパッケージ50となるそれぞれ所定の位置にキャビティ部57用や、ビア58用の貫通孔を形成している。そして、この後にそれぞれのセラミックグリーンシートの貫通孔にビア58用にメタライズペーストの充填をしている。更に、セラミック枠体52用の最上層となるセラミックグリーンシートの上面には、高融点金属からなるメタライズペーストを用いて、各個片体用の導体金属膜56用のメタライズパターン印刷を行っている。この印刷においては、導体金属膜56となるメタライズパターンをセラミック枠体52の枠幅の稜線、又は稜線より若干引き下がるように形成している。
次に、セラミック底体51用と、セラミック枠体52用のセラミックグリーンシートは、重ね合わされて温度と圧力をかけて積層し、積層体に形成される。そして、この積層体の両面、又は片面には、個片体の電子部品収納用セラミックパッケージ50の外周となる個片体に分割するための分割用溝60が形成される。次に、積層体は、セラミックグリーンシートとメタライズパターンを還元雰囲気中で同時焼成してセラミックと導体パターンが一体化された焼成体に形成されている。更に、焼成体の外表面に露出する導体パターンの上面には、Niめっき被膜が施される。そして、Niめっき被膜が施された導体金属膜56の上面には、ろう材を介して金属枠体53が載置され、還元雰囲気中で加熱して導体金属膜56と金属枠体53をろう付け接合している。金属枠体53がろう付け接合された個片体の電子部品収納用セラミックパッケージ50の複数個がマトリックス状に配列する集合体61には、Niめっき被膜及びAuめっき被膜が施される。
従来の電子部品収納用セラミックパッケージには、セラミック枠体上の導体金属膜の幅方向の断面形状が平坦面の上面と、曲面の側面とで構成される形状のものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。従来の電子部品収納用セラミックパッケージの製造方法には、セラミックグリーンシートにメタライズペーストでメタライズパターン印刷した後に、キャビティ部用の孔を穿設する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。また、従来の電子部品収納用セラミックパッケージの製造方法には、セラミックグリーンシートにキャビティ部用の孔を穿設した後に、メタライズペーストでメタライズパターン印刷する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、前述したような従来の電子部品収納用セラミックパッケージ及びその製造方法は、次のような問題がある。
(1)電子部品収納用セラミックパッケージは、例えば、携帯電話や、パソコン等の小型化要求に伴い、パッケージの外形がますます軽薄短小化している。このような中では、セラミック枠体の上面に形成される導体金属膜に接合される金属枠体の枠幅であるシールパス幅がキャビティ部内の気密性を確保するために重要である。しかしながら、導体金属膜は、セラミック枠体上面の幅方向の両端面の稜線、あるいは端面の稜線より若干引き下がった部分から曲面を有して盛り上がり、盛り上がった部分の上面を平坦面とするような形状となっているので、金属枠体を強固に接合できる導体金属膜の平坦面が狭くなりこれに伴い金属枠体の枠幅も狭くなっている。枠幅の狭くなった金属枠体は、この上面に金属製蓋体を接合してキャビティ部内の気密性を確保するためのシールパス幅が狭くなりキャビティ部内の気密信頼性に問題が発生している。
(2)電子部品収納用セラミックパッケージの製造方法において、セラミックグリーンシートにメタライズペーストでメタライズパターン印刷した後に、キャビティ部用の孔を穿設する方法、あるいはセラミックグリーンシートにキャビティ部用の孔を穿設した後に、メタライズペーストでメタライズパターン印刷する方法は、いずれも導体金属膜用メタライズパターンがキャビティ部の壁面稜線まで設けられる形態ではない。従って、導体金属膜は、枠幅の平坦面を広くすることができず、導体金属膜に接合される金属枠体の枠幅を大きくすることができないので、キャビティ部内の気密性を確保するためのシールパス幅を広くすることができない。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、パッケージの軽薄短小化に対応できると共に、セラミック枠体上面の導体金属膜の幅方向の平坦面を大きくしてこれに接合される金属枠体の枠幅を大きくして金属製蓋体を接合した時の気密信頼性を高くできる電子部品収納用セラミックパッケージ及びその製造方法を提供することを目的とする。
(1)電子部品収納用セラミックパッケージは、例えば、携帯電話や、パソコン等の小型化要求に伴い、パッケージの外形がますます軽薄短小化している。このような中では、セラミック枠体の上面に形成される導体金属膜に接合される金属枠体の枠幅であるシールパス幅がキャビティ部内の気密性を確保するために重要である。しかしながら、導体金属膜は、セラミック枠体上面の幅方向の両端面の稜線、あるいは端面の稜線より若干引き下がった部分から曲面を有して盛り上がり、盛り上がった部分の上面を平坦面とするような形状となっているので、金属枠体を強固に接合できる導体金属膜の平坦面が狭くなりこれに伴い金属枠体の枠幅も狭くなっている。枠幅の狭くなった金属枠体は、この上面に金属製蓋体を接合してキャビティ部内の気密性を確保するためのシールパス幅が狭くなりキャビティ部内の気密信頼性に問題が発生している。
(2)電子部品収納用セラミックパッケージの製造方法において、セラミックグリーンシートにメタライズペーストでメタライズパターン印刷した後に、キャビティ部用の孔を穿設する方法、あるいはセラミックグリーンシートにキャビティ部用の孔を穿設した後に、メタライズペーストでメタライズパターン印刷する方法は、いずれも導体金属膜用メタライズパターンがキャビティ部の壁面稜線まで設けられる形態ではない。従って、導体金属膜は、枠幅の平坦面を広くすることができず、導体金属膜に接合される金属枠体の枠幅を大きくすることができないので、キャビティ部内の気密性を確保するためのシールパス幅を広くすることができない。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、パッケージの軽薄短小化に対応できると共に、セラミック枠体上面の導体金属膜の幅方向の平坦面を大きくしてこれに接合される金属枠体の枠幅を大きくして金属製蓋体を接合した時の気密信頼性を高くできる電子部品収納用セラミックパッケージ及びその製造方法を提供することを目的とする。
1又は複数枚の板状のセラミック底体と、1又は複数枚の窓枠形状をした板状のセラミック枠体を一体化した焼成体のセラミック枠体の上面に有する導体金属膜にろう付け接合される金属枠体を有し、金属枠体及びセラミック枠体の内周壁面と、セラミック底体の上面とで電子部品を搭載するためのキャビティ部が設けられる電子部品収納用セラミックパッケージにおいて、導体金属膜の枠幅の少なくともキャビティ部側の端部がセラミック枠体の側面稜線まで設けられると共に、導体金属膜の枠幅のキャビティ部側の端部の上面が導体金属膜の枠幅の中央部と略同等の厚さからなる平坦面を有する。
ここで、電子部品収納用セラミックパッケージは、導体金属膜の枠幅の外側端部がセラミック枠体の外側の側面稜線まで設けられているのがよい。
また、電子部品収納用セラミックパッケージは、導体金属膜の枠幅の外側端部の上面が導体金属膜の枠幅の中央部と略同等の厚さからなる平坦面を有するのがよい。
更に、電子部品収納用セラミックパッケージは、導体金属膜の上面に部分的に盛り上がった凸部を有するのがよい。
ここで、電子部品収納用セラミックパッケージは、導体金属膜の枠幅の外側端部がセラミック枠体の外側の側面稜線まで設けられているのがよい。
また、電子部品収納用セラミックパッケージは、導体金属膜の枠幅の外側端部の上面が導体金属膜の枠幅の中央部と略同等の厚さからなる平坦面を有するのがよい。
更に、電子部品収納用セラミックパッケージは、導体金属膜の上面に部分的に盛り上がった凸部を有するのがよい。
複数のセラミック底体がマトリックス状に配列する集合体からなる1又は複数枚のセラミックグリーンシートと、複数のセラミック枠体がマトリックス状に配列する集合体からなる1又は複数枚のセラミックグリーンシートを積層し、焼成して形成した後、セラミック枠体の上面に金属枠体がろう付け接合され、個片体に分割した時にそれぞれの個片体の中央部に電子部品搭載用のキャビティ部が形成される電子部品搭載用セラミックパッケージの製造方法において、セラミック底体用の1又は複数枚のセラミックグリーンシートに、所定のメタライズパターン等を高融点金属からなるメタライズペーストを用いてスクリーン印刷する工程と、セラミック枠体用の1又は複数枚のセラミックグリーンシートの最上層となるセラミックグリーンシートに、金属枠体をろう付け接合ための導体金属膜用メタライズパターンをセラミック枠体の窓枠幅の少なくともキャビティ部側の側面稜線となる部分を超えるパターン大きさになるようにして高融点金属からなるメタライズペーストを用いてスクリーン印刷する工程と、セラミック枠体用の1又は複数枚のセラミックグリーンシートにセラミック枠体の内周側側面となるキャビティ部用孔を穿設して形成する工程と、セラミック底体用と、セラミック枠体用の複数枚のセラミックグリーンシートを重ね合わせて積層して一体化した後、セラミック底体とセラミック枠体の外周側側面となり個片体に分割するための溝を設けて積層体を形成する工程と、積層体を焼成して焼成体を形成した後、焼成された導体金属膜にろう材を介して金属枠体を接合する工程を有する。
ここで、電子部品収納用セラミックパッケージの製造方法は、セラミック枠体用の1又は複数枚のセラミックグリーンシートの最上層となるセラミックグリーンシートに印刷するセラミック枠体の窓枠幅の少なくともキャビティ部側の側面稜線を超えるパターン大きさからなる導体金属膜用メタライズパターンが、少なくともキャビティ部側の側面稜線から内側に50μm以上のパターン大きさにスクリーン印刷するのがよい。
また、電子部品収納用セラミックパッケージの製造方法は、積層体の導体金属膜用メタライズパターンの上面に部分的に盛り上がる凸部をメタライズペーストを用いてスクリーン印刷で形成する工程を有するのがよい。
また、電子部品収納用セラミックパッケージの製造方法は、積層体の導体金属膜用メタライズパターンの上面に部分的に盛り上がる凸部をメタライズペーストを用いてスクリーン印刷で形成する工程を有するのがよい。
請求項1又はこれに従属する請求項2〜4のいずれか一項記載の電子部品搭載用セラミックパッケージは、導体金属膜の枠幅の少なくともキャビティ部側の端部がセラミック枠体の側面稜線まで設けられると共に、導体金属膜の枠幅のキャビティ部側の端部の上面が導体金属膜の枠幅の中央部と略同等の厚さからなる平坦面を有するので、セラミック枠体の上面に形成される導体金属膜の枠幅の平坦面の大きさを大きくでき、この導体金属膜に接合される金属枠体の枠幅の大きさを大きくできて、キャビティ部内の気密性を確保するための金属枠体の枠幅の大きさであるシールパス幅を大きくすることができ、キャビティ部内の気密信頼性を向上させることができる。
特に、請求項2記載の電子部品搭載用セラミックパッケージは、導体金属膜の枠幅の外側端部がセラミック枠体の外側の側面稜線まで設けられているので、セラミック枠体の上面に形成される導体金属膜の枠幅の大きさを導体金属膜の枠幅の外側端部方向にも大きくすることができ、この導体金属膜に接合される金属枠体の枠幅の大きさを大きくできて、キャビティ部内の気密性を確保するための金属枠体の枠幅の大きさであるシールパス幅を大きくすることができ、キャビティ部内の気密信頼性を向上させることができる。
また、特に、請求項3記載の電子部品搭載用セラミックパッケージは、導体金属膜の枠幅の外側端部の上面が導体金属膜の枠幅の中央部と略同等の厚さからなる平坦面を有するので、セラミック枠体の上面に形成される導体金属膜の枠幅の平坦面の大きさを導体金属膜の枠幅の外側端部方向にも大きくすることができ、この平坦面を大きくできた導体金属膜に合わせて接合される金属枠体の枠幅の大きさを大きくできて、キャビティ部内の気密性を確保するための金属枠体の枠幅の大きさであるシールパス幅を大きくすることができ、キャビティ部内の気密信頼性を更に向上させることができる。
更に、特に、請求項4記載の電子部品搭載用セラミックパッケージは、導体金属膜の上面に部分的に盛り上がった凸部を有するので、セラミック枠体の上面に形成される導体金属膜の枠幅の平坦面と金属枠体の下面の平坦面との間に均一な厚みの接合材溜まりを設けることができ、導体金属膜上に金属枠体を強固に接合させることができる。
また、特に、請求項3記載の電子部品搭載用セラミックパッケージは、導体金属膜の枠幅の外側端部の上面が導体金属膜の枠幅の中央部と略同等の厚さからなる平坦面を有するので、セラミック枠体の上面に形成される導体金属膜の枠幅の平坦面の大きさを導体金属膜の枠幅の外側端部方向にも大きくすることができ、この平坦面を大きくできた導体金属膜に合わせて接合される金属枠体の枠幅の大きさを大きくできて、キャビティ部内の気密性を確保するための金属枠体の枠幅の大きさであるシールパス幅を大きくすることができ、キャビティ部内の気密信頼性を更に向上させることができる。
更に、特に、請求項4記載の電子部品搭載用セラミックパッケージは、導体金属膜の上面に部分的に盛り上がった凸部を有するので、セラミック枠体の上面に形成される導体金属膜の枠幅の平坦面と金属枠体の下面の平坦面との間に均一な厚みの接合材溜まりを設けることができ、導体金属膜上に金属枠体を強固に接合させることができる。
請求項5又はこれに従属する請求項6又は7記載の電子部品搭載用セラミックパッケージの製造方法は、セラミック底体用の1又は複数枚のセラミックグリーンシートに、所定のメタライズパターン等を高融点金属からなるメタライズペーストを用いてスクリーン印刷する工程と、セラミック枠体用の1又は複数枚のセラミックグリーンシートの最上層となるセラミックグリーンシートに、金属枠体をろう付け接合ための導体金属膜用メタライズパターンをセラミック枠体の窓枠幅の少なくともキャビティ部側の側面稜線となる部分を超えるパターン大きさになるようにして高融点金属からなるメタライズペーストを用いてスクリーン印刷する工程と、セラミック枠体用の1又は複数枚のセラミックグリーンシートにセラミック枠体の内周側側面となるキャビティ部用孔を穿設して形成する工程と、セラミック底体用と、セラミック枠体用の複数枚のセラミックグリーンシートを重ね合わせて積層して一体化した後、セラミック底体とセラミック枠体の外周側側面となり個片体に分割するための溝を設けて積層体を形成する工程と、積層体を焼成して焼成体を形成した後、焼成された導体金属膜にろう材を介して金属枠体を接合する工程を有するので、導体金属膜をセラミック枠体の枠幅の少なくともキャビティ部側の側面稜線まで形成することができると共に、導体金属膜の上面をセラミック枠体の少なくともキャビティ部側の側面稜線まで略同じ厚さの平坦面にすることができ、この平坦面に接合される金属枠体の枠幅を大きくできてキャビティ部内の気密性を確保するための金属枠体の枠幅であるシールパス幅を大きくして、キャビティ部内の気密信頼性を向上させる製造方法を提供することができる。
特に、請求項6記載の電子部品搭載用セラミックパッケージの製造方法は、セラミック枠体用の1又は複数枚のセラミックグリーンシートの最上層となるセラミックグリーンシートに印刷するセラミック枠体の窓枠幅の少なくともキャビティ部側の側面稜線を超えるパターン大きさからなる導体金属膜用メタライズパターンが、少なくともキャビティ部側の側面稜線から内側に50μm以上のパターン大きさにスクリーン印刷するので、導体金属膜の枠幅の少なくともキャビティ部側の端部に曲面の側面となるような平坦面を小さくさせることを確実に防止することができ、この平坦面に接合される金属枠体の枠幅を大きくできてキャビティ部内の気密性を確保するための金属枠体の枠幅であるシールパス幅を大きくして、キャビティ部内の気密信頼性を向上させる製造方法を提供することができる。
また、特に、請求項7記載の電子部品搭載用セラミックパッケージの製造方法は、積層体の導体金属膜用メタライズパターンの上面に部分的に盛り上がる凸部をメタライズペーストを用いてスクリーン印刷で形成する工程を有するので、所望の形状の凸部を容易に形成することができる製造方法を提供することができる。
また、特に、請求項7記載の電子部品搭載用セラミックパッケージの製造方法は、積層体の導体金属膜用メタライズパターンの上面に部分的に盛り上がる凸部をメタライズペーストを用いてスクリーン印刷で形成する工程を有するので、所望の形状の凸部を容易に形成することができる製造方法を提供することができる。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施するための最良の形態について説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1(A)、(B)はそれぞれ本発明の一実施の形態に係る電子部品収納用セラミックパッケージの平面図、A−A’線縦断面図、図2(A)〜(C)はそれぞれ同電子部品収納用セラミックパッケージの変形例の説明図、図3(A)、(B)はそれぞれ同電子部品収納用セラミックパッケージの製造方法の一部説明図、図4(A)、(B)はそれぞれ同電子部品収納用セラミックパッケージの製造方法の一部説明図、図5(A)、(B)はそれぞれ同電子部品収納用セラミックパッケージの製造方法の一部説明図、図6(A)、(B)はそれぞれ同変形例の電子部品収納用セラミックパッケージの製造方法の一部説明図である。
ここに、図1(A)、(B)はそれぞれ本発明の一実施の形態に係る電子部品収納用セラミックパッケージの平面図、A−A’線縦断面図、図2(A)〜(C)はそれぞれ同電子部品収納用セラミックパッケージの変形例の説明図、図3(A)、(B)はそれぞれ同電子部品収納用セラミックパッケージの製造方法の一部説明図、図4(A)、(B)はそれぞれ同電子部品収納用セラミックパッケージの製造方法の一部説明図、図5(A)、(B)はそれぞれ同電子部品収納用セラミックパッケージの製造方法の一部説明図、図6(A)、(B)はそれぞれ同変形例の電子部品収納用セラミックパッケージの製造方法の一部説明図である。
図1(A)、(B)に示すように、本発明の一実施の形態に係る電子部品収納用セラミックパッケージ10は、1又は複数枚(図1では2枚)を重ね合わせる平板状、又は複数枚で上面を階段状とする略矩形状のセラミック底体11と、1又は複数枚(図1では1枚)の窓枠形状からなる板状のセラミック枠体12を積層し焼成してセラミックと導体パターンが一体化された焼成体からなり、更に、セラミック枠体12の上面に形成された導体金属膜13にろう付け接合された金属枠体14を有している。この電子部品収納用セラミックパッケージ10は、セラミック枠体12の外周と、セラミック底体11の外周の大きさが略同じであって、セラミック枠体12、及び金属枠体14の内周壁面と、セラミック底体11の上面で形成されるキャビティ部15に半導体素子、水晶振動子、圧電素子等の電子部品(図示せず)が搭載できるようになっている。この電子部品収納用セラミックパッケージ10のセラミック底体11の上面には、電子部品と電気的に導通状態とするための高融点金属なる電子部品接続用パッド16等の導体パターンがセラミックと同時焼成して形成されている。また、この電子部品収納用セラミックパッケージ10のセラミック底体11の下面には、セラミックの層間に形成される導体配線パターン17や、それそれの層間を繋ぐためのビア18やキャスタレーション19等を介して電子部品接続用パッド16と電気的に導通状態とし、ボード等に接合して外部と電気的に導通状態とするための高融点金属なる外部接続端子パッド20等の導体パターンがセラミックと同時焼成して形成されている。更に、この電子部品収納用セラミックパッケージ10のセラミック枠体12の上面には、電子部品を実装した後に、金属製蓋体21を接合材を介して上面に接合してキャビティ部15内を中空状態で気密に封止するためのシールリングである金属枠体14をろう付け接合するのに、導体金属膜13の導体パターンがセラミックと同時焼成して形成されている。
セラミック枠体12の上面に窓枠状に設ける導体金属膜13は、セラミック枠体12の外側となる枠幅の外周側の端部と、セラミック枠体12の内側となる枠幅のキャビティ部15側の端部の内の少なくともキャビティ部15側の端部がセラミック枠体12の枠幅の側面稜線22まで設けられている。しかも、この導体金属膜13は、セラミック枠体12の枠幅のキャビティ部15側の側面稜線22まで設けられる端部の上面が導体金属膜13の枠幅の中央部と略同等の厚さからなる平坦面を有している。なお、この電子部品収納用セラミックパッケージ10には、複数層のセラミックに形成するそれぞれの導体パターン間を電気的に導通状態とするためや、表面に露出するそれぞれの導体パターンの表面や、金属枠体14に電解めっき被膜を施すためにめっき用導体配線パターン(図示せず)や、セラミックに孔を設けて形成するビア18や、キャスタレーション19が形成されている。また、このキャスタレーション19であるセラミックの外周側面に形成されるスルーホール導体膜は、外部接続端子パッド20と接続させて、外部接続端子パッド20を半田等を介してボード等に接合した時にボード等に強固に接合させるためのメニスカスを形成するためにも用いられている。更に、この電子部品収納用セラミックパッケージ10は、外部接続端子パッド20の何れかと、導体金属膜13、及び金属枠体14を電気的に導通状態として、導体金属膜13、金属枠体14及びこれに接合される金属製蓋体21を電気回路用のグランドとして使用することもできる。
この電子部品収納用セラミックパッケージ10には、キャビティ部15に電子部品が搭載され、セラミック枠体12の上面に形成された導体金属膜13に接合された金属枠体14に金属製蓋体21が接合材を介して接合されて電子部品がキャビティ部15内に中空状態で気密に封止される。そして、電子部品が実装された電子部品収納用セラミックパッケージ10は、パッケージの下面の外部接続端子パッド20で半田等を介してボード等に接合している。この電子部品収納用セラミックパッケージ10は、パッケージが取り付けられる装置の小型化による電子部品収納用セラミックパッケージ10の小型化に伴うセラミック枠体12の枠幅の狭小化の中においても、導体金属膜13上面の平坦面を広くして、そこに接合される金属枠体14の枠幅を広くすることができる。従って、金属枠体14に金属製蓋体21が接合材を介して接合される時には、キャビティ部15内の気密性を確保するためのシールパス幅を大きくすることができ、キャビティ部15内に実装される電子部品の気密信頼性を向上させることができる。
次に、図2(A)〜(C)を参照しながら、本発明の一実施の形態に係る電子部品収納用セラミックパッケージ10の変形例の電子部品収納用セラミックパッケージ10a、10b、10cを説明する。ここで、図2(A)〜(C)はそれぞれ図1(B)に相当する縦断面図である。
図2(A)に示すように、電子部品収納用セラミックパッケージ10aは、電子部品収納用セラミックパッケージ10と同様に、セラミック底体11と、セラミック枠体12を積層し、同時焼成してセラミックと導体パターンが一体化された焼成体からなり、更に、セラミック枠体12の上面に形成された導体金属膜13aにろう付け接合された金属枠体14を有している。この電子部品収納用セラミックパッケージ10aのセラミック枠体12の上面には、電子部品を実装した後に、金属製蓋体21を接合材を介して上面に接合してキャビティ部15内を中空状態で気密に封止するためのシールリングである金属枠体14をろう付け接合するのに、導体金属膜13aの導体パターンがセラミックと同時焼成して形成されている。この導体金属膜13aは、セラミック枠体12の内側となる枠幅のキャビティ部15側の端部と、セラミック枠体12の外側となる枠幅の外周側の端部の両方がセラミック枠体12の枠幅の両方の側面稜線22、22aまで設けられている。しかも、この導体金属膜13aは、セラミック枠体12の枠幅のキャビティ部15側の側面稜線22まで設けられる端部の上面が導体金属膜13aの枠幅の中央部と略同等の厚さからなる平坦面を有している。なお、上記以外の導体パターンは、電子部品収納用セラミックパッケージ10の場合と同様に形成されている。
図2(A)に示すように、電子部品収納用セラミックパッケージ10aは、電子部品収納用セラミックパッケージ10と同様に、セラミック底体11と、セラミック枠体12を積層し、同時焼成してセラミックと導体パターンが一体化された焼成体からなり、更に、セラミック枠体12の上面に形成された導体金属膜13aにろう付け接合された金属枠体14を有している。この電子部品収納用セラミックパッケージ10aのセラミック枠体12の上面には、電子部品を実装した後に、金属製蓋体21を接合材を介して上面に接合してキャビティ部15内を中空状態で気密に封止するためのシールリングである金属枠体14をろう付け接合するのに、導体金属膜13aの導体パターンがセラミックと同時焼成して形成されている。この導体金属膜13aは、セラミック枠体12の内側となる枠幅のキャビティ部15側の端部と、セラミック枠体12の外側となる枠幅の外周側の端部の両方がセラミック枠体12の枠幅の両方の側面稜線22、22aまで設けられている。しかも、この導体金属膜13aは、セラミック枠体12の枠幅のキャビティ部15側の側面稜線22まで設けられる端部の上面が導体金属膜13aの枠幅の中央部と略同等の厚さからなる平坦面を有している。なお、上記以外の導体パターンは、電子部品収納用セラミックパッケージ10の場合と同様に形成されている。
図2(B)に示すように、電子部品収納用セラミックパッケージ10bは、電子部品収納用セラミックパッケージ10と同様に、セラミック底体11と、セラミック枠体12を積層し、同時焼成してセラミックと導体パターンが一体化された焼成体からなり、更に、セラミック枠体12の上面に形成された導体金属膜13bにろう付け接合された金属枠体14を有している。この電子部品収納用セラミックパッケージ10bのセラミック枠体12の上面には、電子部品を実装した後に、金属製蓋体21を接合材を介して上面に接合してキャビティ部15内を中空状態で気密に封止するためのシールリングである金属枠体14をろう付け接合するのに、導体金属膜13bの導体パターンがセラミックと同時焼成して形成されている。この導体金属膜13bは、セラミック枠体12の内側となる枠幅のキャビティ部15側の端部と、セラミック枠体12の外側となる枠幅の外周側の端部の両方がセラミック枠体12の枠幅の両方の側面稜線22、22aまで設けられている。しかも、この導体金属膜13bは、セラミック枠体12の枠幅のキャビティ部15側の側面稜線22までと、セラミック枠体12の外側となる枠幅の外周側の側面稜線22aまでの両方に設けられる端部の上面が導体金属膜13bの枠幅の中央部と略同等の厚さからなる平坦面を有している。なお、上記以外の導体パターンは、電子部品収納用セラミックパッケージ10の場合と同様に形成されている。
図2(C)に示すように、電子部品収納用セラミックパッケージ10cは、電子部品収納用セラミックパッケージ10と同様に、セラミック底体11と、セラミック枠体12を積層し、同時焼成してセラミックと導体パターンが一体化された焼成体からなり、更に、セラミック枠体12の上面に形成された導体金属膜13にろう付け接合された金属枠体14を有している。この電子部品収納用セラミックパッケージ10cのセラミック枠体12の上面には、電子部品を実装した後に、金属製蓋体21を接合材を介して上面に接合してキャビティ部15内を中空状態で気密に封止するためのシールリングである金属枠体14をろう付け接合するのに、導体金属膜13の導体パターンがセラミックと同時焼成して形成されている。この導体金属膜13は、端部の形状が上記の導体金属膜13、13a、13bのいずれの形状であってもよいが、上面に部分的に盛り上がった凸部23を有している。この凸部23は、導体金属膜13の窓枠状の全周にわたって連結的や、破断的に、しかも、直線的、曲線的、又は折線的に設けられている。また、この凸部23は、導体金属膜13の窓枠状の上面に部分的にランダムに設けられていてもよい。更に、この凸部23の断面視した形状は、突出部が急峻、又はなだらかものであってもよく、大きさ、高さも限定されるものではない。なお、上記以外の導体パターンは、電子部品収納用セラミックパッケージ10の場合と同様に形成されている。
次いで、図3(A)、(B)、図4(A)、(B)、図5(A)、(B)、図6(A)、(B)を参照しながら、本発明の一実施の形態に係る電子部品収納用セラミックパッケージ10、10a、10b、10c(以下代表して10と記す)の製造方法を説明する。ここで、図3(A)は電子部品収納用セラミックパッケージ10のセラミック底体11用の最上層のセラミックグリーンシートの上面にメタライズペーストでメタライズパターンをスクリーン印刷する時の部分拡大平面図、図3(B)は電子部品収納用セラミックパッケージ10のセラミック底体11用の最下層のセラミックグリーンシートの下面にメタライズペーストでメタライズパターンをスクリーン印刷する時の部分拡大平面図、図4(A)は電子部品収納用セラミックパッケージ10のセラミック枠体12用の最上層のセラミックグリーンシートの上面にメタライズペーストでメタライズパターンをスクリーン印刷する時の部分拡大平面図、図4(B)は電子部品収納用セラミックパッケージ10のセラミック枠体12用のセラミックグリーンシートにキャビティ部15用の孔を穿設する時の部分拡大平面図、図5(A)は電子部品収納用セラミックパッケージ10の電子部品収納用セラミックパッケージ10のセラミック底体11用とセラミック枠体12用のセラミックグリーンシートを積層する部分拡大平面図、図5(B)は電子部品収納用セラミックパッケージ10のセラミック底体11用とセラミック枠体12用のセラミックグリーンシートを積層して焼成した後に金属枠体14をろう付け接合する部分拡大平面図、図6(A)は電子部品収納用セラミックパッケージ10cの場合のセラミック底体11用とセラミック枠体12用のセラミックグリーンシートを積層後にセラミック枠体12用の最上層のセラミックグリーンシートの上面にメタライズペーストで凸部23用のメタライズパターンをスクリーン印刷する時の部分拡大平面図、図6(B)は電子部品収納用セラミックパッケージ10cの場合のセラミック底体11用とセラミック枠体12用のセラミックグリーンシートを積層して焼成した後に金属枠体14をろう付け接合する部分拡大平面図である。
電子部品収納用セラミックパッケージ10は、通常、焼成前のメタライズパターンを設けた複数のセラミック底体11がマトリックス状に配列する1又は複数枚のセラミックグリーンシートと、焼成前のメタライズパターンを設けた複数の窓枠形状をした板状のセラミック枠体12がマトリックス状に配列する1又は複数枚のセラミックグリーンシートを積層し、メタライズパターンと同時焼成して形成され、更に、セラミック枠体12の上面の導体金属膜13の上面に金属枠体14がろう付け接合されて作製されている。そして、この電子部品収納用セラミックパッケージ10は、複数から個片体に分割された時に、それぞれの個片体の中央部に電子部品を搭載するためのキャビティ部15が形成されるようにして作製している。この電子部品収納用セラミックパッケージ10を構成するためのセラミックグリーンシートは、セラミック基材として、例えば、アルミナや、窒化アルミニウムや、低温焼成セラミック等があげられるが、特に材料が限定されるものではない。例えば、セラミック基材にアルミナを用いる場合には、先ず、酸化アルミニウム粉末にマグネシア、シリカ、カルシア等の焼結助剤を適当量加えた粉末に、ジオクチフタレート等の可塑剤と、アクリル樹脂等のバインダー、及びトルエン、キシレン、アルコール類等の溶剤を加え、十分に混練して脱泡し、粘度2000〜40000cpsのスラリーを作製し、ドクターブレード法等によって焼成後所望の厚み、例えば、0.12mmになるようにシート状に乾燥させた後、所望の大きさの矩形状に切断している。
図3(A)に示すように、セラミック底体11(図1参照)用の1又は複数枚のセラミックグリーンシート24には、キャスタレーション19(図1参照)を形成するための貫通孔25や、ビア18(図1参照)を形成するための貫通孔25aをドリルマシン、パンチングマシーン、金型等を用いる打ち抜き加工や、レーザー光を用いるレーザー加工等で穿設して設けている。そして、所定のセラミックグリーンシート24のキャスタレーション19用の貫通孔25には、例えば、タングステン(W)や、モリブデン(Mo)等の高融点金属からなるメタライズペーストを用いて貫通孔壁面にスクリーン印刷で塗布している。また、ビア18用の貫通孔25aには、例えば、上記と同様の高融点金属からなるメタライズペーストを用いてスクリーン印刷で充填している。更に、セラミック底体11用のセラミックグリーンシート24の最上層となるセラミックグリーンシート24の上面には、例えば、上記と同様の高融点金属からなるメタライズペーストを用いてに電子部品と電気的に接続するための電子部品接続用パッド16(図1参照)用の電子部品接続用メタライズパターン26を形成している。また、図示していないが、セラミック底体11が複数枚からなる場合には、その中間層となるセラミックグリーンシート24の表面に導体配線パターン17(図1参照)用のメタライズパターン等をスクリーン印刷で形成している。図3(B)に示すように、セラミック底体11用の最下層となるセラミックグリーンシート24の下面には、例えば、上記と同様の高融点金属からなるメタライズペーストを用いて、ボード等に接合して外部と電気的に導通状態とするための外部接続端子パッド20(図1参照)用の外部接続端子用メタライズパターン27等を印刷している。
一方、図4(A)に示すように、セラミック枠体12(図1参照)用の1又は複数枚のセラミックグリーンシート24aには、ビア18(図1参照)を形成するための貫通孔25aや、必要に応じてキャスタレーション19(図1参照)と連接する貫通孔(図示せず)をNCマシーン、パンチングマシーン、金型等を用いる打ち抜き加工や、レーザー光を用いるレーザー加工等で穿設して設けている。そして、ビア18用の貫通孔25aには、例えば、タングステン(W)や、モリブデン(Mo)等の高融点金属からなるメタライズペーストを用いてスクリーン印刷で充填している。また、必要に応じてキャスタレーション19用の貫通孔(図示せず)には、例えば、上記と同様の高融点金属からなるメタライズペーストを用いてスクリーン印刷で貫通孔壁面にスクリーン印刷で塗布している。更に、セラミック枠体12用のセラミックグリーンシート24aの最上層となるセラミックグリーンシート24aの上面には、例えば、上記と同様の高融点金属からなるメタライズペーストを用いて金属製蓋体21(図1(B)参照)を接合材を介して接合する金属枠体14(図1参照)を接合させるための導体金属膜13(図1参照)を形成するのに導体金属膜用メタライズパターン28をスクリーン印刷で形成している。この導体金属膜用メタライズパターン28は、セラミック枠体12の窓枠幅の少なくともキャビティ部15側の側面稜線22(図1(B)参照)となる部分である稜線位置29を超えるパターン大きさになるように形成している。
なお、電子部品収納用セラミックパッケージ10aの導体金属膜13a(図2(A)参照)を形成する場合には、導体金属膜用メタライズパターン28のセラミック枠体幅の外周側は、セラミック枠体12の窓枠幅の外周側の側面稜線22a(図2(A)参照)となる部分である稜線位置29aに近接するようなパターン大きさになるようにして形成している。また、電子部品収納用セラミックパッケージ10bの導体金属膜13b(図2(B)参照)を形成する場合には、導体金属膜用メタライズパターン28のセラミック枠体幅の外周側は、隣接する導体金属膜用メタライズパターン28との間で境界部がないようなパターン大きさになるようにして形成している。
次に、図4(B)に示すように、セラミック枠体12用の1又は複数枚のセラミックグリーンシート24aには、セラミック枠体12の内周側側面となるキャビティ部用孔30をNCマシーン、パンチングマシーン、金型等を用いる打ち抜き加工等で穿設して設けている。この時、導体金属膜用メタライズパターン28の枠幅のキャビティ部15となる側は、キャビティ部15の側面稜線22となる稜線位置29を超えるパターン大きさになるように形成しているので、キャビティ部用孔30を穿設して設けた後の導体金属膜用メタライズパターン28の枠幅のキャビティ部用孔30側の端部のメタライズ厚みが中央部と略同じ厚みとなる。しかも、導体金属膜用メタライズパターン28の上面の平坦面は、枠幅のキャビティ部用孔30側まで略同一平坦面に形成している。
次に、図5(A)に示すように、セラミック底体11用と、セラミック枠体12用のそれぞれ1又は複数枚のセラミックグリーンシート24、24aは、重ね合わせて温度をかけながら加圧することで積層して一体化し、積層体31を形成している。更に、この積層体31には、セラミック底体11とセラミック枠体12の外周側側面となり、多数個から個片体に分割するために積層体31の両面、又は片面に先端がV字状等したカッター刃を押厚等して分割用溝32を設けている。
次に、図5(B)に示すように、積層体31は、セラミックグリーンシート24、24aとメタライズパターンを還元雰囲気中の約1600℃程度で同時焼成することでセラミックグリーンシート24、24aが約30%程度収縮し、個片のパッケージの多数個が集合した焼成体を形成している。更に、この焼成体には、外表面に露出する全ての導体パターン上にNiめっき被膜を施した後、セラミック枠体12上面の導体金属膜13上にAg−Cuろう等のろう材を介してKVや42アロイ等からなる金属枠体14を載置し加熱してろう材を溶融させてろう付け接合している。そして、金属枠体14が接合された焼成体には、外表面に露出する全ての金属部分にNiめっき被膜及びAuめっき被膜を施すことで多数個の個片体の電子部品収納用セラミックパッケージ10がマトリックス状に配列する集合体33を形成している。
ここで、電子部品収納用セラミックパッケージ10の製造方法においては、セラミック枠体12用の1又は複数枚のセラミックグリーンシート24aの最上層となるセラミックグリーンシート24aにスクリーン印刷するセラミック枠体12の窓枠幅の少なくともキャビティ部15側の側面稜線22となる部分の稜線位置29を超えるパターン大きさの導体金属膜用メタライズパターン28が少なくとも稜線位置29からのはみ出し大きさが50μm以上の大きさになるようにスクリーン印刷するのがよい。この導体金属膜用メタライズパターン28のパターン大きさは、稜線位置29からのはみ出し大きさが50μmを下回るようなパターン大きさの場合には、キャビティ部用孔30を穿設して設けた後の導体金属膜用メタライズパターン28の枠幅のキャビティ部用孔30側の端部のメタライズ厚みが中央部より小さくなり、導体金属膜用メタライズパターン28のキャビティ部用孔30側の側面が曲面となる場合がある。これにより、焼成後の電子部品収納用セラミックパッケージ10は、金属枠体14の枠幅が小さくなるので、金属製蓋体21との接合幅であるシールパス幅が小さくなり、キャビティ部15内の気密信頼性を低下させることとなる。
また、電子部品収納用セラミックパッケージ10cを作製する場合には、図6(A)に示すように、分割用溝32を設けた積層体31の導体金属膜用メタライズパターン28の上面に、凸部23(図2(C)参照)を形成するのに上記と同様のメタライズペーストを用いて部分的に盛り上がるような凸部用メタライズパターン34をスクリーン印刷で形成している。そして、図6(B)に示すように、積層体31は、セラミックグリーンシート24、24aとメタライズパターンを還元雰囲気中の約1600℃程度で同時焼成して個片のパッケージの多数個が集合した焼成体を形成している。更に、この焼成体には、外表面に露出する全ての導体パターン上にNiめっき被膜を施した後、セラミック枠体12上面の凸部23を含む導体金属膜13上にAg−Cuろう等のろう材を介してKVや42アロイ等からなる金属枠体14を載置し加熱してろう材を溶融させてろう付け接合している。そして、金属枠体14が接合された焼成体には、外表面に露出する全ての金属部分にNiめっき被膜及びAuめっき被膜を施すことで多数個の個片体の電子部品収納用セラミックパッケージ10cがマトリックス状に配列する集合体33を形成している。
集合体33のそれぞれの個片の電子部品収納用セラミックパッケージ10、10a、10b、10cは、それぞれの集合体33の分割用溝32で分割することで形成できるようになっている。なお、この分割に際しては、それぞれの多数個の集合体33の状態の電子部品収納用セラミックパッケージ10、10a、10b、10cに、それぞれ電子部品を実装し、金属製蓋体21で気密に封止した後、個片に分割したり、あるいは、集合体33を個片に分割した後に、電子部品を実装し、金属製蓋体21で気密に封止したりしている。
本発明の電子部品収納用セラミックパッケージは、半導体素子や、水晶振動子等の電子部品素子を実装させて、小型で、高信頼性が要求される、例えば、携帯電話や、ノートブック型のパソコン等の電子装置に組み込まれて用いることができる。
10、10a、10b、10c:電子部品収納用セラミックパッケージ、11:セラミック底体、12:セラミック枠体、13、13a、13b:導体金属膜、14:金属枠体、15:キャビティ部、16:電子部品接続用パッド、17:導体配線パターン、18:ビア、19:キャスタレーション、20:外部接続端子パッド、21:金属製蓋体、22、22a:側面稜線、23:凸部、24、24a:セラミックグリーンシート、25、25a:貫通孔、26:電子部品接続用メタライズパターン、27:外部接続端子導体用メタライズパターン、28:導体金属膜用メタライズパターン、29、29a:稜線位置、30:キャビティ部用孔、31:積層体、32:分割用溝、33:集合体、34:凸部用メタライズパターン
Claims (7)
- 1又は複数枚の板状のセラミック底体と、1又は複数枚の窓枠形状をした板状のセラミック枠体を一体化した焼成体の前記セラミック枠体の上面に有する導体金属膜にろう付け接合される金属枠体を有し、該金属枠体及び前記セラミック枠体の内周壁面と、前記セラミック底体の上面とで電子部品を搭載するためのキャビティ部が設けられる電子部品収納用セラミックパッケージにおいて、
前記導体金属膜の枠幅の少なくとも前記キャビティ部側の端部が前記セラミック枠体の側面稜線まで設けられると共に、前記導体金属膜の枠幅の前記キャビティ部側の端部の上面が前記導体金属膜の枠幅の中央部と略同等の厚さからなる平坦面を有することを特徴とする電子部品収納用セラミックパッケージ。 - 請求項1記載の電子部品収納用セラミックパッケージにおいて、前記導体金属膜の枠幅の外側端部が前記セラミック枠体の外側の側面稜線まで設けられていることを特徴とする電子部品収納用セラミックパッケージ。
- 請求項2記載の電子部品収納用セラミックパッケージにおいて、前記導体金属膜の枠幅の前記外側端部の上面が前記導体金属膜の枠幅の中央部と略同等の厚さからなる平坦面を有することを特徴とする電子部品収納用セラミックパッケージ。
- 請求項1〜3のいずれか一項記載の電子部品収納用セラミックパッケージにおいて、前記導体金属膜の上面に部分的に盛り上がった凸部を有することを特徴とする電子部品収納用セラミックパッケージ。
- 複数のセラミック底体がマトリックス状に配列する集合体からなる1又は複数枚のセラミックグリーンシートと、複数のセラミック枠体がマトリックス状に配列する集合体からなる1又は複数枚のセラミックグリーンシートを積層し、焼成して形成した後、前記セラミック枠体の上面に金属枠体がろう付け接合され、個片体に分割した時にそれぞれの個片体の中央部に電子部品搭載用のキャビティ部が形成される電子部品搭載用セラミックパッケージの製造方法において、
前記セラミック底体用の1又は複数枚の前記セラミックグリーンシートに、所定のメタライズパターン等を高融点金属からなるメタライズペーストを用いてスクリーン印刷する工程と、
前記セラミック枠体用の1又は複数枚の前記セラミックグリーンシートの最上層となる前記セラミックグリーンシートに、前記金属枠体をろう付け接合ための導体金属膜用メタライズパターンを前記セラミック枠体の窓枠幅の少なくとも前記キャビティ部側の側面稜線となる部分を超えるパターン大きさになるようにして高融点金属からなるメタライズペーストを用いてスクリーン印刷する工程と、
前記セラミック枠体用の1又は複数枚の前記セラミックグリーンシートに前記セラミック枠体の内周側側面となる前記キャビティ部用孔を穿設して形成する工程と、
前記セラミック底体用と、前記セラミック枠体用の複数枚の前記セラミックグリーンシートを重ね合わせて積層して一体化した後、前記セラミック底体と前記セラミック枠体の外周側側面となり前記個片体に分割するための溝を設けて積層体を形成する工程と、
前記積層体を焼成して焼成体を形成した後、焼成された導体金属膜にろう材を介して金属枠体を接合する工程を有することを特徴とする電子部品収納用セラミックパッケージの製造方法。 - 請求項5記載の電子部品収納用セラミックパッケージの製造方法において、前記セラミック枠体用の1又は複数枚の前記セラミックグリーンシートの最上層となる前記セラミックグリーンシートに印刷する前記セラミック枠体の窓枠幅の少なくとも前記キャビティ部側の側面稜線を超えるパターン大きさからなる前記導体金属膜用メタライズパターンが、少なくとも前記キャビティ部側の側面稜線から内側に50μm以上のパターン大きさにスクリーン印刷することを特徴とする電子部品収納用セラミックパッケージの製造方法。
- 請求項5又は6記載の電子部品収納用セラミックパッケージの製造方法において、前記積層体の前記導体金属膜用メタライズパターンの上面に部分的に盛り上がる凸部を前記メタライズペーストを用いてスクリーン印刷で形成する工程を有することを特徴とする電子部品収納用セラミックパッケージの製造方法。
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