<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る走行支援システム1は、車両4に搭載されたカメラ(撮像装置)10、走行支援装置20、及び表示装置30等を含んで構成される。カメラ10及び表示装置30は、それぞれ通信ケーブル等を介して走行支援装置20と接続されて情報を送受信する。また、走行支援装置20は、通信ケーブル等を介して、不図示のECU(Engine Control Unit)と接続されて情報を送受信する。ここで、本願における「車両」は、乗用車、トラック、バス等、道路上を走行する車両を意味する。
カメラ10は、車両4の前方を撮像するように設置される。また、カメラ10は、後方、左右方向を撮像するように設置されてもよい。図2に示すように、カメラ10は、光学系11、撮像素子12、信号処理部13、及び通信インタフェース14等を含んで構成される。
光学系11は、該光学系11に入射した光が撮像素子12で結像するように集光するレンズである。光学系11は、例えば、魚眼レンズ、超広角レンズで構成されてもよい。光学系11は、単レンズで構成されてもよいし、複数枚のレンズで構成されてもよい。
撮像素子12は、光学系11によって結像された画像を撮像する固体撮像素子である。固体撮像素子は、CCD(Charge-Coupled Device)イメージセンサ、及びCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサを含む。
信号処理部13は、画像を処理するプロセッサであり、例えば特定の機能を実行するように形成した専用のマイクロプロセッサや特定のプログラムを読出すことにより特定の機能を実行するプロセッサである。
信号処理部13は、該撮像素子12で結像された画像を表す画像信号を生成する。また、信号処理部13は、画像について、歪み補正、明度調整、コントラスト調整、ガンマ補正等の任意の処理を行ってもよい。
通信インタフェース14は、信号処理部13によって生成された画像信号を走行支援装置20に出力する。通信インタフェース14は、物理コネクタ、無線通信機等とすることができる。物理コネクタには、電気コネクタ、光コネクタ、及び電磁コネクタが含まれる。また、無線通信機には、Bluetooth(登録商標)、及びIEEE802.11を含む各規格に準拠する無線通信機、並びにアンテナが含まれる。
走行支援装置20は、通信インタフェース21、プロセッサ22、メモリ23等を含んで構成される。
通信インタフェース21は、カメラ10によって出力された画像信号を受ける。また、通信インタフェース21は、プロセッサ22が取得、算出、及び抽出して出力した情報を表示装置30に出力する。通信インタフェース21は、通信インタフェース14と同様に、物理コネクタ、無線通信機等とすることができる。
プロセッサ22は、画像信号を処理するプロセッサであり、例えば特定の機能を実行するように形成した専用のマイクロプロセッサや特定のプログラムを読出すことにより特定の機能を実行する汎用のCPU(中央処理装置:Central Processing Unit)である。
プロセッサ22は、車両4が走行している道路についての走行履歴情報を取得する。走行履歴情報には、車両4が走行した道路上の各位置と、各位置の走行路情報が含まれる。走行路情報は、道路に関する情報であり、例えば、道路の道幅W1、道路上にある他車両、障害物、電柱等の物体の幅である物体幅W2、道路において通行できる幅である通行可能幅W3、ハンドルを操舵した角度である舵角、カメラ10によって撮像された画像等が含まれる。
具体的には、プロセッサ22は、カメラ10によって撮像され、通信インタフェース21が受けた画像における、道路を表す画素の水平方向の画素数に基づいて道幅W1を取得する。また、プロセッサ22は、車両4の左右の側面に設けられたソナーセンサを用いて道幅W1を取得してもよい。プロセッサ22は、これらの方法に限られることなく任意の方法で道幅W1を取得することができる。
また、プロセッサ22は、2台のカメラ10によって撮像された2つの画像の視差に基づいて物体を検出し、物体幅W2を取得する。プロセッサ22は、この方法に限られることなく任意の方法で物体幅W2を取得することができる。
また、プロセッサ22は、取得した道幅W1及び物体幅W2に基づいて通行可能幅W3を算出する。例えば、プロセッサ22は、道幅W1から物体幅W2を減じたW1−W2を通行可能幅W3として算出する。また、プロセッサ22は、道幅W1から物体幅W2及び余裕幅W4を減じたW1−(W2+W4)を通行可能幅W3として算出してもよい。
プロセッサ22は、上記のように取得した道幅W1が所定の閾値W1th未満であるか否かを判定する。プロセッサ22は、道幅W1が所定の閾値W1th未満であると判定した場合、車両4が狭路を走行し始めたとし、車両4の走行する道路について所定の間隔(例えば、2m間隔)で、上述のように、道幅W1、物体幅W2、及び通行可能幅W3を取得し、メモリ23に記憶させる。また、プロセッサ22は、車両4が狭路を走行し始めると、カメラ10によって撮像された画像を、画像が撮像された位置Pに関連付けてメモリ23に記憶させ始める。
例えば、車両4が、図3に示すような道路を走行する場合を例にして説明する。まず、車両4が、図3の下部に示す道路を紙面の左側に向かって走行していたとする(図3の(1)参照)。この場合、プロセッサ22は、位置Aの道幅W1を10.0mとして取得する。さらに、プロセッサ22は、道幅W1を所定の閾値W1thである5.0m未満であるか否かを判定する。位置Aでは、道幅W1は閾値W1th以上であるため、引き続き、走行しながら道幅W1を取得する。
そして、車両4が位置Aを通過した後、右折すると(図3の(2)参照)、プロセッサ22が、車両4が走行する位置Bについて、道幅W1を4.0mとして取得する。そして、プロセッサ22は、4.0mの道幅W1を所定の閾値W1thである5.0m未満であるか否かを判定する。位置Bでは、道幅W1は閾値W1th未満であるため、以降、プロセッサ22は、上述のように、所定の間隔で、道幅W1、物体幅W2、及び通行可能幅W3を取得する。または、プロセッサ22は、カメラ10によって撮像された画像をメモリ23に記憶させ始める。
また、プロセッサ22は、図4のように、車両4の位置Pに関連付けて、位置Pにおける道幅W1、物体幅W2、及び通行可能幅W3をメモリ23に記憶させる。車両4の位置は、例えば、最初に道幅W1が所定の閾値未満であると判定された位置からの走行距離xによって表される。車両4の位置を表す方法はこれに限られない。例えば、車両4がGPS受信機を備え、車両4の位置は、GPS受信機により特定した、位置を識別するための座標で表されてもよい。
また、プロセッサ22は、道幅W1が所定の閾値W1th未満であると判定されると、位置Pにおいてカメラ10によって撮像された画像を走行路情報として、位置Pに関連付けてメモリ23に記憶させ始める。
また、プロセッサ22は、舵角センサ等によって測定され、車両4を制御するためのECUに入力された、車両4のハンドルの舵角をECUから取得する。そして、プロセッサ22は、車両4の位置Pに関連付けて、道幅W1、物体幅W2、及び通行可能幅W3とともに舵角をメモリ23に記憶させてもよい。
また、プロセッサ22は、車両4が狭路の走行を終了したと判定すると、道幅W1、物体幅W2、通行可能幅W3、舵角、画像等の走行路情報をメモリ23に記憶させる処理を終了する。プロセッサ22は、例えば、所定の閾値W1th以上の道幅W1が連続して所定の回数(N回)以上、取得された場合に、車両4は広い道路を走行し始めたとして、狭路の走行が終了したと判定する。
再び、図3に示す例を用いて、走行路情報を記憶させる処理の終了について説明する。プロセッサ22は、車両4が走行する位置Dについて、道幅W1を8.0m、物体幅W2を0mと取得して、これらにより通行可能幅W3を8.0mと取得する。そして、プロセッサ22は、8.0mの道幅W1が所定の閾値W1thである5.0m以上であると判定する。以降、連続して所定の回数以上、道幅W1が閾値W1th以上であると判定されると、プロセッサ22は物体幅W2、通行可能幅W3を取得する処理、画像を記憶する処理を終了するが、N>3である場合、この例において、以降の位置E,Fで8.0mの道幅W1が取得されて、さらに次の位置Gで閾値W1thより短い4.0mとして道幅W1が取得されたため、走行路情報を記憶する処理を継続する。
また、プロセッサ22は、車両4が狭路を走行し始めると、対向車両104を検出する。具体的には、プロセッサ22は、カメラ10によって撮像され、通信インタフェース21によって受けた画像に基づいて対向車両104を検出する。プロセッサ22は、例えば、画像に撮像されている車両4を、パターンマッチング等を用いて検出してもよいし、2台のカメラ10によって撮像された互いに視差を有する2つの画像に基づいて対向車両104を検出してもよい。また、プロセッサ22は、これらの方法に限られることなく任意の方法で対向車両104を検出することができる。
プロセッサ22は、対向車両104が検出されなかった場合、引き続き、道幅W1、物体幅W2、及び通行可能幅W3を取得して、メモリ23に記憶させる。
プロセッサ22は、対向車両104が検出された場合、対向車両104とすれ違うことが可能か否かを判定するすれ違い判定を行う。具体的には、プロセッサ22は、カメラ10によって撮像された画像に基づいて対向車両104の幅W5を算出する。さらに、プロセッサ22は、通行可能幅W3、対向車両104の幅W5、及び車両4の幅W6に基づいて、対向車両104とすれ違うことが可能か否かを判定する。例えば、プロセッサ22は、対向車両104の幅W5及び車両4の幅W6の合計であるすれ違い幅が通行可能幅W3未満であるか否かを判定する。プロセッサ22は、合計が通行可能幅W3未満である場合に車両4は対向車両104とすれ違うことが可能であると判定する。またプロセッサ22は、合計が通行可能幅W3以上である場合に車両4は対向車両104とすれ違うことが不可能であると判定する。
プロセッサ22は、車両4は対向車両104とすれ違うことが不可能であると判定すると、すれ違い幅以上である通行可能幅W3をメモリ23に記憶されている走行履歴情報から抽出する。
さらに、プロセッサ22は、すれ違い幅以上である通行可能幅W3を抽出した場合、車両4の全長以上の長さにわたってすれ違い幅以上の位置Pが連続しているか否かを判定する。プロセッサ22は、車両4の全長以上の長さにわたってすれ違い幅以上の位置が連続している場合、その連続している位置を含む領域をすれ違い可能領域として抽出する。このすれ違い領域は、実空間においては、交差点、T字路、退避スペースといった領域に相当する。
また、プロセッサ22は、すれ違い可能領域に含まれる第1のすれ違い可能位置Pp1を、通信インタフェース21を介して表示装置30に出力して表示させる。また、車両4が現在位置から第1のすれ違い可能位置Pp1まで後退する場合、プロセッサ22は、車両4が後退することによってメモリ23に記憶されている各位置Pに到達したときに、各位置Pに関連付けて記憶されている舵角を抽出して、通信インタフェース21を介して表示装置30に出力してもよい。この場合、表示装置30に出力された舵角を表示する。また、プロセッサ22は、通信インタフェース21を介して、舵角を車両4のECUに出力してもよい。これにより、例えば、ECUは、車両4が後退して各位置Pに到達したとき、通信インタフェース21から出力された各位置の舵角に基づいて運転を支援することができる。
メモリ23は、図4に示すように、車両4の位置Pと、位置Pの走行路情報とを関連付けて走行履歴情報として記憶する。上述のように、走行路情報には、位置Pにおける道幅W1、物体幅W2、及び通行可能幅W3が含まれる。また、図4には示されていないが、メモリ23は、位置Pで撮像された画像を走行路情報として記憶する。また、走行路情報には、位置Pにおける車両4のハンドルの舵角が含まれてもよい。図4に示す例においては、メモリ23には、車両4が基準位置から2(m)走行した位置における道幅W1が4.0(m)、物体幅W2が1.0(m)、通行可能幅W3が3.0(m)であり、舵角が0°であることが記憶されている。
表示装置30は、通信インタフェース31、表示用プロセッサ32、表示パネル33等を含んで構成される。
通信インタフェース31は、走行支援装置20から通信インタフェース21を介して出力された車両4の現在位置と、第1のすれ違い可能位置Pp1と、現在位置から第1のすれ違い可能位置Pp1までの走行距離L1とを受ける。また、通信インタフェース31は、車両4が後退を開始し、メモリ23に記憶されている位置Pに到達したときに走行支援装置20から通信インタフェース21を介して出力された位置Pに関連付けて記憶されている舵角を受けてもよい。通信インタフェース31は、通信インタフェース14と同様に、物理コネクタ、無線通信機等とすることができる。
表示用プロセッサ32は、通信インタフェース31によって入力された車両4の現在位置、第1のすれ違い可能位置Pp1、現在位置から第1のすれ違い可能位置Pp1までの走行距離L1等を含む第1位置情報を表示パネル33に表示させる。表示用プロセッサ32は、第1のすれ違い可能位置Pp1までの各位置Pでの舵角を表示パネル33に表示させてもよい。
表示パネル33は、表示用プロセッサ32の制御に基づいて、車両4の現在位置、第1のすれ違い可能位置Pp1、現在位置から第1のすれ違い可能位置Pp1までの距離、舵角等を表示する。
続いて、第1の実施形態の走行支援システム1の走行支援方法について、図5を参照して説明する。
まず、車両4の走行中に、走行支援装置20のプロセッサ22は、カメラ10によって撮像された画像に基づいて車両4が走行している道路の道幅W1を取得する(ステップS11)。
ステップS11で道幅W1が取得されると、プロセッサ22は、道幅W1が所定の閾値W1th未満であるか否かを判定する(ステップS12)。
ステップS12で道幅W1が所定の閾値W1th未満であると判定されると、メモリ23は、カメラ10によって撮像された画像を、画像が撮像された位置Pに関連付けて記憶し始める(ステップS13)。ステップS12で道幅W1が所定の閾値W1th以上であると判定されると、ステップS11に戻って、プロセッサ22は、ふたたび道幅W1を取得する。
また、ステップS12で道幅W1が所定の閾値W1th未満であると判定されると、プロセッサ22は、車両4の走行する道路について所定の間隔で道幅W1、物体幅W2、及び通行可能幅W3を取得し、メモリ23に記憶させ始める(ステップS14)。
ステップS14で道幅W1、物体幅W2、及び通行可能幅W3が記憶され始めると、プロセッサ22は対向車両104を検出する処理を行い、対向車両104が検出されたか否かを判定する(ステップS15)。
ステップS15で対向車両104が検出されなかった場合、ステップS14及びステップS15の処理を繰り返す。ステップS15で対向車両104が検出された場合、プロセッサ22は、車両4が対向車両104とすれ違うことが可能であるか否かを判定する(ステップS16)。
ステップS16で対向車両104とすれ違うことが可能であると判定された場合、プロセッサ22は再びステップS14に戻って処理を繰り返す。このとき、プロセッサ22は、すれ違い可能である旨を表示装置30に出力し、表示装置30が表示してもよい。これにより、表示装置30の表示を参照した、車両4の運転者は対向車両104とすれ違うようにして前方に走行するよう運転する。
ステップS16で対向車両104とすれ違うことが不可能であると判定された場合、メモリ23に記憶されている走行履歴情報からすれ違い幅以上である通行可能幅W3、及び関連付けて記憶されている位置Pを抽出する。さらに、プロセッサ22は、通行可能幅W3がすれ違い幅以上である位置Pが、車両4の全長以上の長さにわたってすれ違い幅以上となる位置Pが連続している場合、連続している位置Pを含むすれ違い可能領域に含まれる第1のすれ違い可能位置Pp1として抽出し、表示装置30が第1のすれ違い可能位置Pp1を表示する(ステップS17)。
ここで、プロセッサ22は、第1のすれ違い可能位置Pp1から現在位置を車両4が前進して走行する間に撮像され、メモリ23に記憶されている画像を表示装置30に出力して表示させてもよい。また、プロセッサ22は、車両4が後退を開始して、各位置Pに到達したタイミングで、各位置Pに関連付けてメモリ23に記憶されている舵角を読み出して、表示装置30に出力し表示させてもよい。
以上、説明したように、第1の実施形態においては、車両4の走行時に、メモリ23が、該車両4の位置と該位置の走行路情報とを関連付けて走行履歴情報として記憶し、プロセッサ22は、対向車両104を検出すると、メモリ23の走行履歴情報に基づいて第1のすれ違い可能位置Pp1を抽出する。そのため、狭路において対向車両104が現れて、車両4が後退する場合に、車両4が実際に走行してきた道路の状況に基づいて、第1のすれ違い可能位置Pp1を運転者に表示することができる。これにより、運転者は、対向車両104と確実にすれ違うことができる位置を早期に把握することができ、安心して車両4を後退させるための操作をすることができる。
また、第1の実施形態においては、プロセッサ22は、対向車両104の幅と車両4の幅及び長さとに基づいて第1のすれ違い可能位置Pp1を抽出する。そのため、対向車両104と車両4が確実にすれ違うことができる位置を把握することができる。例えば、車両4の幅又は長さが退避エリアに収まらずにすれ違うことができず、すれ違いができる位置を探し直すといった事態を回避することができ、効率的に第1のすれ違い可能位置Pp1まで移動することができる。
また、第1の実施形態においては、車両4が狭路を走行しているときに撮像された画像を記憶する。そのため、車両4が対向車両104を検出して後退することになった場合、現在位置から第1のすれ違い可能位置Pp1までの周辺状況を表す画像を表示することができる。これにより、運転者は周辺状況を把握したうえで後退することができ、より安全な運転を行うことが可能となる。
また、第1の実施形態においては、車両4の走行時に車両4の位置それぞれにおける舵角を表す舵角情報を表示するため、車両4が対向車両104を検出して第1のすれ違い可能位置Pp1まで後退する場合に、どの位置でどの程度、操舵すればいいのかを把握することができ、より安全な運転をすることが可能となる。
また、第1の実施形態においては、プロセッサ22が、連続して所定の回数以上、所定の閾値W1th以上の道幅W1を取得した場合、道幅W1、物体幅W2、通行可能幅W3、舵角、画像等をメモリ23に記憶させる処理を終了する。この場合、車両4は、狭路の走行を終了した、すなわち幅広の道路を走行していると推定され、対向車両104とのすれ違いにおける運転を支援するための情報を記憶しない。したがって、メモリ23の記憶容量を節減することが可能となる。
<第2の実施形態>
続いて、本発明の第2の実施形態について、図面を参照して説明する。
図6に示すように、第2の実施形態に係る走行支援システム2は、第1の実施形態に係る走行支援システム1と同様に、カメラ10、走行支援装置20、及び表示装置30等を含んで構成される。
第2の実施形態の走行支援装置20は、通信インタフェース21、プロセッサ22、メモリ23等を含んで構成される。
第2の実施形態の通信インタフェース21は、カメラ10によって出力された画像信号を受け、プロセッサ22によって取得、算出、及び抽出された情報を表示装置30に出力する点で第1の実施形態の通信インタフェース21と同様であるが、対向車両104が同様に備える走行支援装置120の通信インタフェース121と車車間通信ネットワークを介して情報を送受信する点で異なっている。
具体的には、通信インタフェース21は、対向車両104の現在位置、及び対向車両104のプロセッサ122によって抽出された、対向車両104が後退した場合のすれ違い可能位置である第2のすれ違い可能位置Pp2を含むすれ違い情報を、通信インタフェース121から受信する。また、通信インタフェース21は、車両4が後退した場合のすれ違い可能位置である第1のすれ違い可能位置Pp1を含むすれ違い情報を、通信インタフェース121に送信する。
また、第2の実施形態のプロセッサ22は、第1の実施形態のプロセッサ22と同様の機能を有する。
さらに、第2の実施形態のプロセッサ22は、対向車両104を検出して、すれ違い不可能であると判定すると、車両4が前進するか後退するか、進退を判定する。すなわち、第2の実施形態のプロセッサ22は、第1のすれ違い可能位置Pp1と第2のすれ違い可能位置Pp2との何れで対向車両104とすれ違うかを判定する。
具体的には、プロセッサ22は、車両4の現在位置から第1のすれ違い可能位置Pp1までの走行距離L1と、対向車両104の現在位置から第2のすれ違い可能位置Pp2までの走行距離L2とを比較し、走行距離L1が走行距離L2以上であるか否かを判定する。プロセッサ22は、走行距離L1が走行距離L2以上であると判定した場合、車両4は前進して、対向車両104が後退するべき旨を表す情報を表示装置30に出力する。また、プロセッサ22は、走行距離L1が走行距離L2未満であると判定した場合、車両4は後退して、対向車両104は前進する旨を表す情報を表示装置30に出力する。
第2の実施形態におけるその他の構成、作用は第1の実施形態と同様なので、同一または対応する構成要素には、同一参照符号を付して説明を省略する。
続いて、第2の実施形態の走行支援システム2の走行支援方法について図7を参照して説明する。
まず、車両4の走行中に、走行支援装置20のプロセッサ22は、カメラ10によって撮像された画像に基づいて車両4が走行している道路の道幅W1を取得する(ステップS21)。
ステップS21で道幅W1が取得されると、プロセッサ22は、道幅W1が所定の閾値W1th未満であるか否かを判定する(ステップS22)。
ステップS22で道幅W1が所定の閾値W1th未満であると判定されると、メモリ23は、カメラ10によって撮像された画像を、画像が撮像された位置Pに関連付けて記憶し始める(ステップS23)。ステップS22で道幅W1が所定の閾値W1th以上であると判定されると、ステップS21に戻って、プロセッサ22は、ふたたび道幅W1を取得する。
ステップS22で道幅W1が所定の閾値W1th未満であると判定されると、プロセッサ22は、車両4の走行する道路について所定の間隔(例えば、2m間隔)で道幅W1、物体幅W2、及び通行可能幅W3を取得し、メモリ23に記憶させる(ステップS24)。
ステップS24で道幅W1、物体幅W2、及び通行可能幅W3が取得されると、プロセッサ22は対向車両104を検出する処理を行い、対向車両104が検出されたか否かを判定する(ステップS25)。
ステップS25で対向車両104が検出されなかった場合、ステップS24及びステップS25の処理が繰り返される。ステップS25で対向車両104が検出された場合、プロセッサ22は、車両4が対向車両104とすれ違うことが可能であるか否かを判定する(ステップS26)。
ステップS26で対向車両104とすれ違うことが可能であると判定された場合、プロセッサ22は再びステップS24に戻って処理を繰り返す。このとき、通信インタフェース21は、すれ違い可能である旨を表示装置30に出力して表示装置30が表示してもよい。ステップS26で対向車両104とすれ違うことが不可能であると判定された場合、プロセッサ22は、メモリ23に記憶されている走行履歴情報に基づいて、車両4が後退した場合の第1のすれ違い可能位置Pp1を抽出し、現在位置から第1のすれ違い可能位置Pp1までの走行距離L1を算出する(ステップS27)。
また、ステップS26で対向車両104とすれ違うことが不可能であると判定された場合、通信インタフェース21は、対向車両104の走行支援装置120に、該車両104の現在位置及び第2のすれ違い可能位置Pp2を含むすれ違い情報を要求して、受信する(ステップS28)。また、通信インタフェース21は、走行支援装置120からの要求に伴い、車両4の現在位置と、ステップS26で抽出された第1のすれ違い可能位置Pp1とを含むすれ違い情報を送信する(ステップS28)。
ステップS28で対向車両104からすれ違い情報を受信すると、プロセッサ22は、車両4の現在位置から第1のすれ違い可能位置Pp1までの走行距離L1が、対向車両104の現在位置から第2のすれ違い可能位置Pp2までの走行距離L2より長いか否かを判定する(ステップS29)。
ステップS29で、走行距離L1が走行距離L2より長いと判定されると、プロセッサ22は、通信インタフェース21を介して、車両4が前進する旨の情報を表示装置30に出力し、表示装置30が情報を表示する(ステップS30)。ステップS30で表示装置30によって情報が表示されると、ステップS24に戻って処理が繰り返される。
一方、ステップS29で、走行距離L1が走行距離L2以下であると判定されると、プロセッサ22は、走行距離L1が走行距離L2未満であるか否かを判定する(ステップS31)。
ステップS31で走行距離L1が走行距離L2未満であると判定されると、プロセッサ22は、通信インタフェース21を介して、車両4が後退する旨の情報を表示装置30に出力して、表示装置30は情報を表示する(ステップS32)。
ステップS32で、表示装置30によって情報が表示されると、プロセッサ22は、通信インタフェース21を介して、第1のすれ違い可能位置Pp1を表示装置30に出力して、表示装置30が第1のすれ違い可能位置Pp1を表示する(ステップS33)
ステップS31で走行距離L1が走行距離L2未満でない、すなわち走行距離L1と走行距離L2とが等しいと判定されると、通信インタフェース21は、対向車両104から第2のすれ違い可能位置Pp2における通行可能幅W32を受信して、プロセッサ22は第1のすれ違い可能位置Pp1における通行可能幅W31が通行可能幅W32より長いか否かを判定する(ステップS34)。
ステップS34で通行可能幅W31が通行可能幅W32より長いと判定されると、プロセッサ22は、通信インタフェース21を介して、車両4が後退する旨の情報を表示装置30に出力して、表示装置30は情報を表示する(ステップS32)。
ステップS34で通行可能幅W31が通行可能幅W32未満であると判定されると、通信インタフェース21を介して、車両4が前進する旨の情報を表示装置30に出力し、表示装置30が情報を表示する(ステップS30)。
なお、ステップS34で、通行可能幅W31が通行可能幅W32と等しいと判定された場合、プロセッサ22は、車両4の現在位置から第1のすれ違い可能位置Pp1までの走行路における各位置Pのすれ違い可能幅W3の統計値(平均値、中央値等)が、対向車両104の現在位置から第2のすれ違い可能位置Pp2までの走行路における各位置Pの通行可能幅W3の統計値より長いか否かに基づいて、車両4の進退を判定してもよい。
また、ステップS34で、プロセッサ22は、車両4の現在位置から第1のすれ違い可能位置Pp1までの走行路における各位置Pのすれ違い可能幅W3の統計値(平均値、中央値等)が、対向車両104の現在位置から第2のすれ違い可能位置Pp2までの走行路における各位置Pのすれ違い可能幅W3の統計値より長いか否かを判定してもよい。ここで、各統計値が等しいと判定された場合に、すれ違い可能位置Pp1でのすれ違い可能幅W31とすれ違い可能位置Pp2でのW32とに基づいて、車両4の進退を判定してもよい。
また、プロセッサ22は、これらの方法に限られず任意の方法で進退を判定してもよい。
また、ステップS28で通信インタフェース21が車両4のすれ違い情報を走行支援装置120に送信することによって、同様にして、対向車両104の走行支援装置120も走行距離L1及び走行距離L2に基づいて進退の判定を行うことができる。
以上説明したように、第2の実施形態によれば、狭路において対向車両104を検出して車両4が後退する場合に、プロセッサ22は、車両4が実際に走行してきた道路の状況に基づいて第1のすれ違い可能位置Pp1を抽出することができる。これにより、運転者は、対向車両104と確実にすれ違うことができる位置を早期に把握し、安心して車両4を後退させるための操作をすることができるという第1の実施形態と同様の効果が得られる。
また、第2の実施形態によれば、車両4が対向車両104を検出した場合に、車両4が後退して対向車両104が前進するか、車両4が前進して対向車両104が後退するかを現在位置からそれぞれ第1及び第2のすれ違い可能位置Pp1、Pp2までの走行距離L1、L2に基づいて判定する。そのため、車両4が後退して移動する走行距離L1と対向車両104が後退して移動する走行距離L2とのうち少ない方を把握することができる。このため、後退して移動する量が少ない移動方法を表示することができ、車両4及び対向車両104はスムーズに第1のすれ違い可能位置Pp1または第2のすれ違い可能位置Pp2まで移動してすれ違うことが可能となる。
<第3の実施形態>
続いて、本発明の第3の実施形態について、図面を参照して説明する。
図8に示すように、第3の実施形態に係る走行支援システム1は、第2の実施形態に係る走行支援システム2と同様に、カメラ10、走行支援装置20、及び表示装置30等を含んで構成される。
第3の実施形態の走行支援装置20は、通信インタフェース21、プロセッサ22、メモリ23等を含んで構成される。
第3の実施形態の通信インタフェース21は、第2の実施形態の通信インタフェース21と同様に、カメラ10によって出力された画像を受け、プロセッサ22が取得、算出、及び抽出した情報を表示装置30に出力する。また、通信インタフェース21は、対向車両104が同様に備える走行支援装置120の通信インタフェース121と車車間通信ネットワークを介して、情報を送受信する。
さらに、通信インタフェース21は、後続車両204が同様に備える走行支援装置220の通信インタフェース221と車車間通信ネットワークを介して情報を送受信する。
第3の実施形態のプロセッサ22は、車両4が進行する方向と同じ方向に進行している後続車両204が存在するか否かを判定する。後続車両204が存在するか否かを判定する方法は、例えば、車両4の後方を撮像するカメラによって撮像された画像に基づいて判定する等、任意の方法でよい。
また、プロセッサ22によって、対向車両104とすれ違うことができないと判定された場合であって、後続車両204が存在すると判定した場合、通信インタフェース21は、後続車両204の現在位置と、走行支援装置220によって検出された、後続車両204が後退した場合の第3のすれ違い可能位置Pp3とを含むすれ違い情報を送信するよう後続車両204の走行支援装置220に要求して、走行支援装置220からすれ違い情報を受信する。
さらに、プロセッサ22は、対向車両104の走行支援装置120から受信したすれちがい情報、及び後続車両204の走行支援装置220から受信したすれちがい情報に基づいて進退を判定する。すなわち、プロセッサ22は、車両4が、第1のすれ違い可能位置Pp1及び第3のすれ違い可能位置Pp3と、第2のすれ違い可能位置Pp2との何れで対向車両104とすれ違うかを判定する。
具体的には、プロセッサ22は、走行支援装置120から受信したすれ違い情報に含まれる対向車両104の現在位置から第2のすれ違い可能位置Pp2までの走行距離L2を算出する。同様にして、プロセッサ22は、後続車両204 の現在位置から第3のすれ違い可能位置Pp3までの走行距離L3を算出する。そして、プロセッサ22は、車両4の現在位置から第1のすれ違い可能位置Pp1までの走行距離L1と、走行距離L2と、走行距離L3とに基づいて、車両4が前進するか、後退するかを判定する。
例えば、プロセッサ22は、走行距離L1と走行距離L3との合計が走行距離L2以上であるか否かを判定する。プロセッサ22は、走行距離L1と走行距離L3との合計が走行距離L2以上であると判定した場合、車両4及び後続車両204が前進し、対向車両104が後退する旨の情報を表示装置30に出力する。また、プロセッサ22は、走行距離L1と走行距離L3との合計が走行距離L2未満であると判定した場合、車両4及び後続車両204が後退し、対向車両104が前進する旨の情報を表示装置30に出力する。プロセッサ22が走行距離L1、L2、及びL3に基づいて進退を判定するために用いられるアルゴリズムは、これに限らず、プロセッサ22は任意のアルゴリズムを用いて判定を行ってもよい。
第3の実施形態におけるその他の構成、作用は第2の実施形態と同様なので、同一または対応する構成要素には、同一参照符号を付して説明を省略する。
続いて、第3の実施形態の走行支援システム3の走行支援方法について図9を参照して説明する。
まず、車両4の走行中に、走行支援装置20のプロセッサ22は、カメラ10によって撮像された画像に基づいて車両4が走行している道路の道幅W1を取得する(ステップS41)。
ステップS41で道幅W1が取得されると、プロセッサ22は、道幅W1が所定の閾値W1th未満であるか否かを判定する(ステップS42)。
ステップS42で道幅W1が所定の閾値W1th未満であると判定されると、メモリ23は、カメラ10によって撮像された画像を記憶し始める(ステップS43)。
ステップS43で画像がメモリ23に記憶され始めると、プロセッサ22は、車両4の走行する道路について所定の間隔(例えば、2m間隔)で道幅W1、物体幅W2、及び通行可能幅W3を取得し、メモリ23に記憶させる(ステップS44)。
ステップS44で道幅W1、物体幅W2、及び通行可能幅W3が取得されると、プロセッサ22は対向車両104を検出する処理を行い、対向車両104が検出されたか否かを判定する(ステップS45)。
ステップS45で対向車両104が検出されなかった場合、ステップS44及びステップS45の処理を繰り返す。ステップS45で対向車両104が検出された場合、プロセッサ22は、車両4が対向車両104とすれ違うことが可能であるか否かを判定する(ステップS46)。
ステップS46で対向車両104とすれ違うことが可能であると判定された場合、プロセッサ22は再びステップS44に戻って処理を繰り返す。このとき、プロセッサ22は、通信インタフェース21を介して、すれ違い可能である旨の情報を表示装置30に出力し、表示装置30が情報を表示してもよい。
ステップS46で対向車両104とすれ違うことが不可能であると判定された場合、プロセッサ22は、メモリ23に記憶されている走行履歴情報に基づいて、車両4が後退した場合の第1のすれ違い可能位置Pp1を抽出し、現在位置から第1のすれ違い可能位置Pp1までの走行距離L1を算出する(ステップS47)。
また、ステップS46で対向車両104とすれ違うことが不可能であると判定された場合、通信インタフェース21は対向車両104の走行支援装置120にすれ違い情報を要求して、受信する(ステップS48)。
ステップS46で対向車両104とすれ違うことが不可能であると判定された場合、プロセッサ22は、後続車両204が存在するか否かを判定する(ステップS49)。
また、ステップS49で後続車両204が存在すると判定されると、通信インタフェース21は後続車両204の走行支援装置220に第3のすれ違い位置Pp3を含むすれ違い情報を要求して、受信する(ステップS50)。
ステップS50で走行支援装置220からすれ違い情報を受信すると、プロセッサ22は、走行距離L1と、後続車両204の現在位置から第3のすれ違い可能位置Pp3までの走行距離L3との合計が、対向車両104の現在位置から対向車両104が後退した場合の第2のすれ違い可能位置Pp2までの走行距離L2より長いか否かを判定する(ステップS51)。
ステップS51で、走行距離L1と走行距離L3との合計が走行距離L2より長いと判定されると、プロセッサ22は、通信インタフェース21を介して、車両4が前進する旨の情報を表示装置30に出力して、表示装置30は車両4が前進する旨の情報を表示する(ステップS52)。また、通信インタフェース21は、走行支援装置120及び走行支援装置220に対して、車両4が前進する旨の情報を送信する(ステップS52)。ステップS52で車両4が前進する旨の表示及び送信が行われると、ステップS44に戻って処理が繰り返される。
ステップS51で、走行距離L1と走行距離L3との合計が走行距離以下であると判定されると、プロセッサ22は、走行距離L1が走行距離L2未満であるか否かを判定する(ステップS53)。
ステップS53で走行距離L1と走行距離L3との合計が走行距離L2未満であると判定されると、プロセッサ22は、通信インタフェース21を介して、車両4が後退する旨の情報を表示装置30に出力して、表示装置30は情報を表示する(ステップS54)。また、通信インタフェース21は、走行支援装置120及び走行支援装置220に対して、車両4が後退する旨の情報を送信する(ステップS54)。
ステップS54で、車両4が後退する旨の情報が表示装置30によって表示及び通信インタフェース21によって送信されると、プロセッサ22は、第1のすれ違い可能位置Pp1を抽出する。そして、プロセッサ22は、通信インタフェース21を介して、抽出された第1のすれ違い可能位置Pp1を表示装置30に出力して、表示装置30が第1のすれ違い可能位置Pp1を表示する(ステップS55)。
ステップS53で走行距離L1と走行距離L3との合計が走行距離L2未満でない、すなわち走行距離L1と走行距離L3との合計が走行距離L2に等しいと判定されると、通信インタフェース21は、対向車両104から第2のすれ違い可能位置Pp2における通行可能幅W32を受信して、プロセッサ22は第1のすれ違い可能位置Pp1における通行可能幅W31が通行可能幅W32より長いか否かを判定する(ステップS56)。
ステップS56で通行可能幅W31が通行可能幅W32より長いと判定されると、プロセッサ22は、通信インタフェース21を介して、車両4が後退する旨の情報を表示装置30に出力して、表示装置30は情報を表示する(ステップS54)。
ステップS56で通行可能幅W31が通行可能幅W32未満であると判定されると、通信インタフェース21を介して、車両4が前進する旨の情報を表示装置30に出力し、表示装置30が情報を表示する(ステップS52)。
なお、ステップS56では、通行可能幅W31が通行可能幅W32と等しいと判定された場合、プロセッサ22は、車両4の現在位置から第1のすれ違い可能位置Pp1までの走行路における各位置Pのすれ違い可能幅W3の統計値(平均値、中央値等)が、対向車両104の現在位置から第2のすれ違い可能位置Pp2までの走行路における各位置Pの通行可能幅W3の統計値より長いか否かに基づいて進退を判定してもよいし、車両4、対向車104それぞれの後続車の数に基づいて進退を判定してもよい。
また、プロセッサ22は、ステップS56で後続車の数、又はすれ違い可能幅W3の統計値に基づいて、進退を判定してもよい。また、プロセッサ22は、これらの方法に限られず任意の方法で進退を判定してもよい。
一方、ステップS49で後続車両204が存在しないと判定されると、プロセッサ22は、走行距離L1が走行距離L2より長いか否かを判定する(ステップS57)。
ステップS57で、走行距離L1が走行距離L2より長いと判定されると、プロセッサ22は、通信インタフェース21を介して、車両4が前進する旨の情報を表示装置30に出力し、表示装置30は情報を表示する(ステップ58)。ステップS58で表示装置30による車両4が前進する旨の情報が表示されると、ステップS44に戻って処理が繰り返される。
一方、ステップS57で、走行距離L1が走行距離L2以下であると判定されると、プロセッサ22は、走行距離L1が走行距離L2未満であるか否かを判定する(ステップS59)。
ステップS59で走行距離L1が走行距離L2未満であると判定されると、プロセッサ22は、通信インタフェース21を介して車両4が後退する旨の情報を表示装置30に出力し、表示装置30は情報を表示する(ステップS60)。
ステップS59で走行距離L1が走行距離L2未満でない、すなわち走行距離L1が走行距離L2に等しいと判定されると、通信インタフェース21は、対向車両104から第2のすれ違い可能位置Pp2における通行可能幅W32を受信して、プロセッサ22は第1のすれ違い可能位置Pp1における通行可能幅W31が通行可能幅W32より長いか否かを判定する(ステップS61)。
ステップS61で通行可能幅W31が通行可能幅W32より長いと判定されると、プロセッサ22は、通信インタフェース21を介して、車両4が後退する旨の情報を表示装置30に出力して、表示装置30は情報を表示する(ステップS60)。
ステップS61で通行可能幅W31が通行可能幅W32未満であると判定されると、通信インタフェース21を介して、車両4が前進する旨の情報を表示装置30に出力し、表示装置30が情報を表示する(ステップ58)。
ステップS60で、表示装置30によって車両4が後退する旨が表示されると、プロセッサ22は、第1のすれ違い可能位置Pp1を抽出する。そして、プロセッサ22は、通信インタフェース21を介して、抽出された第1のすれ違い可能位置Pp1を表示装置30に出力し、表示装置30が第1のすれ違い可能位置Pp1を表示する(ステップS55)。
なお、ステップS61では、通行可能幅W31が通行可能幅W32と等しいと判定された場合、プロセッサ22は、車両4の現在位置から第1のすれ違い可能位置Pp1までの走行路における各位置Pのすれ違い可能幅W3の統計値(平均値、中央値等)が、対向車両104の現在位置から第2のすれ違い可能位置Pp2までの走行路における各位置Pの通行可能幅W3の統計値より長いか否かに基づいて進退を判定してもよいし、対向車104に後続車が存在するか否かに基づいて進退を判定してもよい。また、プロセッサ22は、これらの方法に限られず任意の方法で進退を判定してもよい。
以上説明したように、第3の実施形態によれば、狭路において対向車両104が現れて、車両4が後退する場合に、プロセッサ22は、車両4が実際に走行してきた道路の状況に基づいて第1のすれ違い可能位置Pp1を抽出することができる。これにより、運転者は、対向車両104と確実にすれ違うことができる位置を早期に把握し、安心して車両4を後退させるための操作をすることができ、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
また、第3の実施形態によれば、車両4が対向車両104及び後続車両204を検出した場合に、車両4及び後続車両204が後退して対向車両104が前進するか、車両4及び後続車両204が前進して対向車両104が後退するかを各車両4,104,204の位置から第1、第2、及び第3のすれ違い可能位置Pp1、Pp2、Pp3までの走行距離L1、L2、L3に基づいて判定する。そのため、車両4、対向車両104、及び後続車両204の移動の合計が少ない方法を把握することができ、互いにスムーズにすれ違うことが可能となる。
<第4の実施形態>
続いて、本発明の第4の実施形態について、図面を参照して説明する。
第4の実施形態に係る走行支援システム1は、図1に示す第1の実施形態に係る走行支援システム1と同様に、カメラ10、走行支援装置20、及び表示装置30等を含んで構成される。
第1の実施形態の走行支援装置20は、車両4の走行時に取得された道幅W1、物体幅W2等を取得し、カメラ10によって撮像された画像とともに走行路情報としてメモリ23に記憶する。そして、第1の実施形態の走行支援装置20は、対向車両104を検出すると、走行路情報に係る画像が撮像された各位置と走行路情報とを含む走行履歴情報に基づいて第1のすれ違い可能位置Pp1を抽出する。しかし、第4の実施形態の走行支援装置20は車両4の走行時にはカメラ10によって撮像された画像のみを含む走行路情報と、画像が撮像された位置とを含む走行履歴情報としてメモリ23に記憶する。そして、第4の実施形態の走行支援装置20は、対向車両104を検出すると、メモリ23に記憶されている画像に基づいて道幅W1、物体幅W2、通行可能幅W3等を取得して第1のすれ違い可能位置Pp1を抽出してもよい。
以上説明したように、第4の実施形態によれば、狭路において対向車両104が現れて、車両4が後退する場合に、プロセッサ22は、車両4が実際に走行してきた道路の状況に基づいて第1のすれ違い可能位置Pp1を抽出することができる。これにより、運転者は、対向車両104と確実にすれ違うことができる位置を早期に把握し、安心して車両4を後退させるための操作をすることができ、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
また、第4の実施形態によれば、プロセッサ22は、走行中に道幅W1、物体幅W2等を取得せず、カメラ10によって撮像された画像のみをメモリ23に記憶させる。そして、プロセッサ22は、メモリ23に記憶された画像に基づいて道幅W1、物体幅W2等を取得する。これにより、例えば、車両4が狭路を走行中に、プロセッサ22が対向車両104を検出しなかった場合、道幅W1、物体幅W2等を取得する処理を行う必要はない。したがって、プロセッサ22の処理負荷を軽減することができる。
上述の実施形態は代表的な例として説明したが、本発明の趣旨及び範囲内で、多くの変更及び置換ができることは当業者に明らかである。したがって、本発明は、上述の実施形態及び実施例によって制限するものと解するべきではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。例えば、実施形態及び実施例に記載の複数の構成ブロックを1つに組み合わせたり、あるいは1つの構成ブロックを分割したりすることが可能である。
第2及び第3の実施形態において、車両4の通信インタフェース21は、対向車両104の通信インタフェース121、及び後続車両204の通信インタフェース221と車車間通信ネットワークを介して情報を送受信するとしたが、これに限られない。例えば、通信インタフェース21は、通信基地局を介して通信インタフェース121及び通信インタフェース221と情報を送受信してもよい。
また、第2及び第3の実施形態において、プロセッサ22は、すれ違い可能か否かを判定する処理で、対向車両104の幅W5及び車両4の幅W6の合計であるすれ違い幅が通行可能幅W3未満であるか否かを判定したが、この限りではない。プロセッサ22は、対向車両104の幅W5、車両4の幅W6、及び車両4と対向車両104との間に要する幅との合計が通行可能幅W3未満であるか否かを判定してもよい。
また、第2及び第3の実施形態において、車両4の通信インタフェース21は、対向車両104の通信インタフェース121から出力された対向車両104のすれ違い情報を受信するとしたが、この限りではない。例えば、通信インタフェース21は、対向車両104の走行支援装置120によって算出した走行距離L2を受信してもよい。第3の実施形態においても同様に、通信インタフェース21は、後続車両204のすれ違い情報ではなく、後続車両204の走行支援装置220が算出した走行距離L3を受信してもよい。
また、第2及び第3の実施形態において、表示装置30は、車両4が後退する旨が表示された後、第1のすれ違い可能位置Pp1を表示するとしたが、この限りではない。例えば、プロセッサ22は、車両4が後退する旨の情報、及び第1のすれ違い可能位置Pp1を同時に出力し、表示装置30は同時にこれらを表示してもよい。
また、第3の実施形態において、車両4の後方に2台以上の後続車両204がある場合、また、対向車両104の後方に後続車両204がある場合、プロセッサ22は、それらの後続車両204についての情報に基づいて、進退の判定を行ってもよい。
また、上述の実施形態において、カメラ10と走行支援装置20とは別体として構成されているが、カメラ10が、走行支援装置20に含まれるプロセッサ22及びメモリ23を備えてもよい。
また、上述の実施形態において、メモリ23が記憶する走行路情報には、位置Pにおける道幅W1、物体幅W2、及び通行可能幅W3が含まれるとしたが、この限りではない。例えば、メモリ23は、道幅W1及び物体幅W2のみを走行路情報として記憶してもよい。この場合、プロセッサ22は、対向車両104を検出してから、メモリ23に記憶されている道幅W1及び物体幅W2に基づいて通行可能幅W3を算出して、すれ違うことが可能か否かを判定する。