JP6779712B2 - スクロール圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、スクロール圧縮機に関する。
近年、ケーシング内部が主に低圧のガス冷媒で満たされる低圧ドーム型のスクロール圧縮機が利用されている。この種のスクロール圧縮機としては、例えば、圧縮室内の冷媒が吐出チャンバ内の圧力より高くなったときに、圧縮室内の冷媒を吐出チャンバに逃すためのリリーフ弁を有するものが知られている(例えば、特許文献1(特開2013−167215号公報))。
ところで、従来の低圧ドーム型のスクロール圧縮機では、ガス冷媒の圧縮に伴い、可動スクロールが固定スクロールから離反し、圧縮効率が上がらないことがある。
本発明の課題は、圧縮効率の高いスクロール圧縮機を提供することである。
本発明の第1観点に係るスクロール圧縮機は、ケーシングと、スクロール圧縮機構と、ハウジングと、押付構造と、逆流阻止機構と、導出通路と、を備える。ケーシングは、第1空間及び第2空間に内部が仕切られる。スクロール圧縮機構は、固定スクロール及び固定スクロールと組になって圧縮室を形成する可動スクロールを有する。またスクロール圧縮機構は、第1空間から吸入した冷媒を圧縮室で圧縮して第2空間に吐出する。ハウジングは、第1空間内部に取り付けられ、可動スクロールを支持するために用いられる。押付構造は、圧縮室で圧縮されている途中の中間冷媒及び圧縮室で圧縮された圧縮冷媒のいずれか一方又は両方を用いて、可動スクロールを固定スクロールに押し付ける。逆流阻止機構は、第2空間に設けられ、圧縮冷媒の逆流を阻止する。導出通路は、中間冷媒及び圧縮冷媒のいずれか一方又は両方を、逆流阻止機構よりも上流側から取り出して押付構造に導出する。
第1観点に係るスクロール圧縮機では、中間冷媒及び/又は圧縮冷媒を、逆流阻止機構よりも上流側から取り出して押付構造に導出し、押付構造が第1空間(低圧空間)側から可動スクロールを固定スクロールに押し付ける。この結果、可動スクロール及び固定スクロールの離反が防止され、高効率のスクロール圧縮機を提供できる。
本発明の第2観点に係るスクロール圧縮機は、第1観点のスクロール圧縮機であって、逆流阻止機構が、固定スクロールの吐出口に設けられる逆止弁である。また、導出通路の流入口が、固定スクロールに形成される。
第2観点に係るスクロール圧縮機では、中間冷媒及び/又は圧縮冷媒を、スクロール圧縮機構に設けられた逆止弁よりも上流側から取り出して、固定スクロールを経由して押付構造に導出する。したがって、本発明のスクロール圧縮機では、運転停止時に、圧縮室で圧縮された圧縮冷媒が、第2空間に吐出される前に第1空間に導出される。そのため、本発明は、第1空間及び第2空間の差圧を抑止し得る構造を有している。これにより、信頼性の高いスクロール圧縮機を提供できる。
本発明の第3観点に係るスクロール圧縮機は、第1観点又は第2観点のスクロール圧縮機であって、圧縮室から吐出される冷媒を吐出するための吐出管をさらに備える。また、逆流阻止機構が、吐出管に設けられる逆止弁である。また、導出通路は、固定スクロールに流入口が形成されるものである。
第3観点に係るスクロール圧縮機では、中間冷媒及び/又は圧縮冷媒を、吐出管に設けられた逆止弁よりも上流側から取り出して、固定スクロールを経由して押付構造に導出する。したがって、このスクロール圧縮機では、運転停止時に、圧縮室で圧縮された圧縮冷媒が、第2空間に滞留することなく第1空間に導出されるので、第1空間及び第2空間の差圧を抑止し得る構造を有している。これにより、信頼性の高いスクロール圧縮機を提供できる。
本発明の第4観点に係るスクロール圧縮機は、第1観点から第3観点のスクロール圧縮機であって、ハウジングと可動スクロールとの間に設けられ、可動スクロールに接触して支持するフローティング部材をさらに備える。また、押付構造は、中間冷媒及び圧縮冷媒のいずれか一方又は両方を用いてフローティング部材を可動スクロールに押し付けることで、可動スクロールを固定スクロールに押し付ける。
第4観点に係るスクロール圧縮機では、押付構造が、中間冷媒及び/又は圧縮冷媒を用いて、フローティング部材を可動スクロールに押し付ける。これにより、可動スクロールが固定スクロールに押し付けられる。この結果、可動スクロール及び固定スクロールの離反が防止され、高効率のスクロール圧縮機を提供できる。
本発明の第5観点に係るスクロール圧縮機は、第4観点のスクロール圧縮機であって、押付構造が、ハウジングとフローティング部材との間に形成される背圧室を有する。また、導出通路は、中間冷媒及び圧縮冷媒のいずれか一方又は両方を背圧室に導出する。
第5観点に係るスクロール圧縮機では、ハウジングとフローティング部材との間に形成される背圧室に、中間冷媒及び/又は圧縮冷媒が導出されるので、第1空間側からフローティング部材が可動スクロールに押し付けられる。そして、第1空間側から可動スクロールが固定スクロールに押し付けられる。
本発明の第6観点に係るスクロール圧縮機は、第1観点から第3観点のスクロール圧縮機であって、押付構造が、ハウジングと可動スクロールとの間に形成される背圧室を有する。また、導出通路が、中間冷媒及び圧縮冷媒のいずれか一方又は両方を背圧室に導出する。
第6観点に係るスクロール圧縮機では、ハウジングと可動スクロールとの間に形成される背圧室に、中間冷媒及び/又は圧縮冷媒が導出されるので、第1空間側から可動スクロールが固定スクロールに押し付けられる。
本発明の第7観点に係るスクロール圧縮機は、第1観点から第6観点のスクロール圧縮機であって、第1空間に、吸入圧力と吐出圧力との間の中間圧の冷媒を圧縮室に導入するためのインジェクション機構をさらに備える。
第7観点に係るスクロール圧縮機では、圧縮室に中間圧の冷媒を導入するためのインジェクション機構を備えるので、さらに高効率のスクロール圧縮機を提供できる。また、インジェクション機構が第1空間に設けられるので、インジェクション機構の過熱が抑制される。
本発明の第8観点に係るスクロール圧縮機は、第1観点から第7観点のスクロール圧縮機であって、ケーシング内部を、圧力の異なる第1空間及び第2空間に仕切ることが可能な仕切部材をさらに備える。
第8観点に係るスクロール圧縮機では、上記構成により、ケーシング内部を圧力の異なる第1空間及び第2空間に仕切ることができる。
本発明に係るスクロール圧縮機では、可動スクロール及び固定スクロールの離反が防止され、高効率のスクロール圧縮機を提供できる。
本発明の第1実施形態に係るスクロール圧縮機10が使用される空気調和装置1の概要を示す模式図である。 同実施形態に係るスクロール圧縮機10の縦断面の構成を示す模式図である。 同実施形態に係るスクロール圧縮機構60の縦断面の構成の一部を模式的に示す一部拡大図である。 同実施形態に係るハウジング61の構成の一部を模式的に示す一部拡大図である。 同実施形態に係るフローティング部材65の縦断面の構成の一部を模式的に示す一部拡大図である。 同実施形態に係る第1ハウジング連通孔62aの他の形態の縦断面を模式的に示す一部拡大図である。 変形例Cに係るスクロール圧縮機構60の縦断面の構成の一部を模式的に示す一部拡大図である。 変形例Cに係るスクロール圧縮機構60の縦断面の構成の一部を模式的に示す一部拡大図である。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係るスクロール圧縮機10を、図面を参照しながら説明する。なお、下記の実施形態に係るスクロール圧縮機10は、本発明の圧縮機の一例にすぎず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
(1)スクロール圧縮機が使用される空気調和装置の概要
図1は本発明の第1実施形態に係るスクロール圧縮機10が使用される空気調和装置1の概要を示す模式図である。ここでは、冷房運転専用の空気調和装置を示しているが、スクロール圧縮機10が使用される空気調和装置は、暖房運転専用であってもよいし、冷房運転および暖房運転の両方が実施可能なものであってもよい。
空気調和装置1は、スクロール圧縮機10を有する室外ユニット2と、室内ユニット3と、液冷媒連絡配管4と、ガス冷媒連絡配管5とを有する。室外ユニット2は、アキュムレータ6と、スクロール圧縮機10と、室外熱交換器7と、膨張弁8と、エコノマイザ熱交換器9と、インジェクション弁26とを主に有する。室内ユニット3は、室内熱交換器3aを有する。液冷媒連絡配管4及びガス冷媒連絡配管5は、それぞれ室外ユニット2及び室内ユニット3を接続する。これらの機器が、冷媒配管により図1のように接続されて、冷媒回路が構成される。
スクロール圧縮機10は、吸入管23を介して吸入した冷媒を、後述する圧縮室Scで圧縮し、圧縮後の冷媒を吐出管24から吐出する。吸入管23は室内熱交換器3aと接続し、吐出管24は室外熱交換器7と接続する。
また、スクロール圧縮機10では、室外熱交換器7から膨張弁8に向かって流れる冷媒の一部を圧縮途中の圧縮室Scに供給する、いわゆる中間インジェクションが行われる。具体的には、室外熱交換器7と膨張弁8とを接続する配管から分岐されたインジェクション冷媒供給管27を介して、スクロール圧縮機10のインジェクション配管25に冷媒が供給される。この際、インジェクション冷媒供給管27に設けられたインジェクション弁26により、インジェクションされる冷媒の圧力及び流量が調節される。
(2)スクロール圧縮機の構成
図2は本発明の第1実施形態に係るスクロール圧縮機10の縦断面の構成を示す模式図である。図3はスクロール圧縮機構60の縦断面の構成の一部を模式的に示す一部拡大図である。図4,5は、それぞれ図3に示すハウジング61及びフローティング部材65を抜き出して示した図である。なお、各図面においては、特徴部分を明確にするために、ハッチング等を適宜省略している。
スクロール圧縮機10は、図2,3に示されるように、ケーシング20と、仕切部材28と、固定スクロール30及び可動スクロール40を含むスクロール圧縮機構60と、ハウジング61と、フローティング部材65と、駆動モータ70と、クランクシャフト80と、下部ハウジング90とを備える。
なお、図2においては、中心から右側と左側とで異なる方向の断面図を示している。すなわち、図2において、インジェクション配管25が左側に示されており、圧縮冷媒の導出通路である第1固定スクロール連通孔37a及び第1ハウジング連通孔62aと、中間冷媒の導出通路である第2固定スクロール連通孔37b及び第2ハウジング連通孔62bとが右側に示されているが、実際には、これらの部材等は最適な位置に設けられる。さらに、図2,3においては、圧縮冷媒の導出通路である第1固定スクロール連通孔37a及び第1ハウジング連通孔62aと、中間冷媒の導出通路である第2固定スクロール連通孔37b及び第2ハウジング連通孔62bとが断面方向に並列に示されているが、これらの導出通路は異なる位置に形成されていれば任意の配置を採り得るものである。
以下、構成部材の位置関係等を説明するため、「上」、「下」等の表現を用いる場合がある。ここでは、図2の矢印Uの方向を上、矢印Uと逆方向を下と呼ぶ。また、以下の説明では、「垂直」、「水平」、「縦」、「横」等の表現を用いる場合があるが、上下方向を垂直方向かつ縦方向とする。
(2−1)ケーシング
スクロール圧縮機10は、縦長円筒状のケーシング20を有する。ケーシング20は、上下が開口した略円筒状の円筒部材(胴体部)21と、円筒部材21の上端および下端にそれぞれ設けられた上蓋22aおよび下蓋22bとを有する。円筒部材21と、上蓋22a及び下蓋22bとは、気密を保つように溶接により固定される。
ケーシング20の内部には、スクロール圧縮機構60、駆動モータ70、クランクシャフト80、および下部ハウジング90を含むスクロール圧縮機10の構成機器が収容される。スクロール圧縮機構60は、円筒部材21内の上部に配置される。また、ケーシング20の下部には油溜まり空間Soが形成される。油溜まり空間Soには、スクロール圧縮機構60等を潤滑するための冷凍機油Oが溜められる。また、ケーシング20の内部は、仕切部材28により第1空間S1及び第2空間S2に仕切られる。これにより、スクロール圧縮機10の運転中は、第1空間S1と第2空間S2とで圧力が異なる状態となる。ここでは、固定スクロール30の上部に仕切部材28が取り付けられ、ケーシング20の上部と、それ以外の中間部及び下部とが別空間に仕切られる。
ケーシング20の中間部には、円筒部材21aを貫通して第1空間S1に連通するように吸入管23が取り付けられる。吸入管23を介して、スクロール圧縮機構60による圧縮前の、冷凍サイクルにおける低圧の冷媒が第1空間S1に流入する。
ケーシング20の上部の上蓋22aには、第2空間S2に連通するように吐出管24が取り付けられる。吐出管24を介して、スクロール圧縮機構60による圧縮後の、冷凍サイクルにおける高圧のガス冷媒が第2空間S2から吐出される。
(2−2)スクロール圧縮機構
スクロール圧縮機構60は、吐出口32aを有する固定スクロール30と、固定スクロール30と組になって圧縮室Scを形成する可動スクロール40とを有する。そして、スクロール圧縮機構60は、第1空間S1から吸入した冷媒を圧縮室Scで圧縮して第2空間S2に吐出する。
(2−2−1)固定スクロール
固定スクロール30は、図2,3に示されるように、平板状の固定側鏡板32と、固定側鏡板32の前面(図2,3における下面)から突出する渦巻状の固定側ラップ33と、固定側ラップ33を囲む外縁部34とを有する。固定側ラップ33は、後述する吐出口32aから外縁部34に亘って渦巻き状に延びて形成されるものである(図2,3を参照)。また、固定スクロール30の外縁部34には吸入口(図示せず)が設けられる。この吸入口を介して、吸入管23から流入する冷媒がスクロール圧縮機構60の圧縮室Scに導入される。
固定側鏡板32の中央部には、スクロール圧縮機構60の圧縮室Scに連通する吐出口32aが、固定側鏡板32を厚さ方向に貫通して形成される。吐出口32aは、逆止弁として機能する吐出弁35で閉塞される。吐出弁35と圧縮室Scとの間には吐出室36が区画される。吐出弁35は、吐出室36内の圧縮冷媒が所定以上の圧力を有する場合に開かれて、圧縮冷媒を第2空間S2に吐出する。これにより、第2空間S2は、スクロール圧縮機構60から吐出される圧縮冷媒の圧力と同等の圧力雰囲気になる。また、吐出室36には、後述する第1固定スクロール連通孔37aの流入口36aが形成される。
また、固定スクロール30は、外縁部34の下面(即ち、スラスト面)で、後述するハウジング61の支持面61sにより支持される。そして、この支持面61sで連通するように、固定スクロール30及びハウジング61にそれぞれ連通孔が形成される。具体的には、固定スクロール30には、図2,3に示すように、第1固定スクロール連通孔37a及び第2固定スクロール連通孔37bが形成される。第1固定スクロール連通孔37aの流入端は吐出室36に開口している流入口36aであり、第1固定スクロール連通孔37aの流出端は、第1ハウジング連通孔62aに支持面61sで連続する位置に形成される開口である。第2固定スクロール連通孔37bの流入端は圧縮室Scの上部に形成される開口であり、可動スクロール40の旋回角度が所定範囲になったときに圧縮室Scと連通する。また、第2固定スクロール連通孔37bの流出端は、第2ハウジング連通孔62bに支持面61sで連続する位置に形成される開口である。
また、固定側鏡板32には、固定側鏡板32の側面において開口し、圧縮室Scと連通するインジェクション通路31が形成される。インジェクション配管25から供給される冷媒の圧力が圧縮室Scの圧力より高い場合、その冷媒が圧縮室Scに供給される。一方、インジェクション配管25から供給される冷媒の圧力が圧縮室Scの圧力より低い場合、インジェクション通路31に設けられた逆止弁(図示せず)により冷媒の逆流が抑止される(遮断される)。なお、インジェクション配管25は、仕切部材28より下方の第1空間S1で固定スクロール30に取り付けられる。このように、インジェクション配管25が第2空間S2ではなく第1空間S1に取り付けられることにより、インジェクション配管25の過熱が防止される。
(2−2−2)可動スクロール
可動スクロール40は、図2,3に示されるように、平板状の可動側鏡板41と、可動側鏡板41の前面(図2,3における上面)から突出する渦巻状の可動側ラップ42と、可動側鏡板41の背面(図2,3における下面)から突出する円筒状のボス部43とを有する。
ここで、固定スクロール30の固定側ラップ33と、可動スクロール40の可動側ラップ42とは、固定側鏡板32の下面と可動側鏡板41の上面とが対向するように組み合わされる。これにより、隣接する固定側ラップ33と可動側ラップ42との間に、圧縮室Scが形成される。そして、可動スクロール40が固定スクロール30に対して公転することにより、圧縮室Scの体積が周期的に変化する。これにより、第1空間S1から吸入された冷媒が圧縮室Scで圧縮される。
ボス部43は、上端の塞がれた円筒状の形態を有する。ボス部43の中空部には、後述するクランクシャフト80の偏心部81が挿入される。これにより、可動スクロール40とクランクシャフト80とが連結される。ボス部43は、可動スクロール40とフローティング部材65との間に形成される偏心部空間Shに配置される。偏心部空間Shは、第1空間S1と連通しており、吸入圧力と同一の圧力雰囲気である。
また、可動スクロール40は、オルダム継手58を介してフローティング部材65に支持される。オルダム継手58は、可動スクロール40の自転を防止し、公転を可能にする部材である。
(2−3)ハウジング
ハウジング61は、円筒部材21に圧入され、仕切部材28の下方に固定される部材である。具体的には、ハウジング61は、図3,4に示すように、上方から、第1ハウジング部61aと、第2ハウジング部61bとを有する。第1ハウジング部61a及び第2ハウジング部61bは、それぞれ略円又は略円弧の形状の断面を有する筒状部を有する部材であり、両者は連続して一体的に形成される。第1ハウジング部61aの内周は第2ハウジング部61bの内周よりも大きい。したがって、ハウジング61は、第1ハウジング部61aから第2ハウジング部61bが延出した形状となる。そして、第2ハウジング部61bの第1ハウジング部61aから延出した延出部分の上面が、後述するフローティング部材65の下面に接することで、フローティング部材65が支持される。なお、この際、第2ハウジング部61bの延出部分の上面とフローティング部材65の下面との間には第1背圧室101の第1径空間101b及び第2背圧室102の第2径空間102bが形成される。詳細については後述する。
また、第1ハウジング部61aの上端面の一部は、固定スクロール30の外縁部34の下面と密着し、図示しないボルト等により固定される。すなわち、ハウジング61の上端面の一部が、固定スクロール30を支持する支持面61sとして機能する。また、この支持面61sにおいて、第1ハウジング連通孔62a及び第2ハウジング連通孔62bが、第1固定スクロール連通孔37a及び第2固定スクロール連通孔37bにそれぞれ連続するように形成される。そして、各ハウジング連通孔62a,62bは、後述する各背圧室101,102に連通する。
(2−4)フローティング部材
フローティング部材65は、第1空間S1内でハウジング61と可動スクロール40との間に設けられ、可動スクロール40に接触して支持する部材である。詳しくは、フローティング部材65は、図3,5に示すように、上面中央部が凹むように形成される第1フローティング部65aと、第1フローティング部65aの下方に形成される第2フローティング部65bと、第1フローティング部65aと第2フローティング部65bとを連結する第3フローティング部65cとを有する。第1フローティング部65aは、可動スクロール40のボス部43が配置される偏心部空間Shの側面を囲むように形成される。一方、第1フローティング部65aは、第1ハウジング部61aに側面が囲まれるように形成される。第2フローティング部65bは、円筒状に形成され、クランクシャフト80の主軸82を軸支する軸受66が設けられる。軸受66に主軸82が挿入されて、主軸82が回転自在に支持される。第3フローティング部65cは、筒状の部材であり、第1フローティング部65aの内側と第2フローティング部65bの外側とを連結する。また、第3フローティング部65cは、第2ハウジング部61bに側面が囲まれるように形成される。
上述のフローティング部材65は、ハウジング61の内部に嵌め込まれるようにして配置される。これにより、フローティング部材65とハウジング61との間に、第1背圧室101及び第2背圧室102が形成される。第1背圧室101は、第1固定スクロール連通孔37a及び第1ハウジング連通孔62aを介して吐出室36に連通する。これにより、第1背圧室101には、圧縮室Scから吐出される「圧縮冷媒」が導入される。また、第2背圧室102は、第2固定スクロール連通孔37b及び第2ハウジング連通孔62bを介して圧縮室Scに連通する。そして、第2背圧室102には、圧縮室Scで圧縮されている途中の「中間冷媒」が導入される。
詳しくは、第1背圧室101は、第2ハウジング部61bの内周面及び第3フローティング部65cの外周面との間で軸方向に延びる第1軸空間101aと、第2ハウジング部61bの上面及び第1フローティング部65aの下面との間で径方向に延びる第1径空間101bとにより形成される。ここでは、第1ハウジング連通孔62aが第1軸空間101aに連通するように形成される。なお、第2ハウジング部61bの内周面及び第3フローティング部65cの外周面はOリング64aによりシールされる。また、第2ハウジング部61bの上面及び第1フローティング部65aの下面は、C字断面を有する環状のシール部材64cによりシールされる。シール部材64cは、内側に開口を有する。
また、第2背圧室102は、第1ハウジング部61aの内周面及び第1フローティング部65aの外周面との間で軸方向に伸びる第2軸空間102aと、第2ハウジング部61bの上面及び第1フローティング部65aの下面との間で径方向に延びる第2径空間102bとにより形成される。ここで、第1ハウジング部61aの内周面及び第1フローティング部65aの外周面はOリング64bによりシールされる。また、第2ハウジング部61bの上面及び第1フローティング部65aの下面は、C字断面を有する環状のシール部材64cによりシールされる。この際、第1径空間101bと第2径空間102bとはシール部材64により仕切られ、C字状のシール部材64cは第1径空間101b側に開口を有するように配置される。
(2−5)駆動モータ
駆動モータ70は、円筒部材21の内壁面に固定された環状のステータ71と、ステータ71の内側に、僅かな隙間(エアギャップ通路)を空けて回転自在に収容されたロータ72とを有する。
ロータ72は、円筒部材21の軸心に沿って上下方向に延びるように配置されたクランクシャフト80を介して可動スクロール40と連結する。ロータ72が回転することで、可動スクロール40が固定スクロール30に対して公転する。
(2−6)クランクシャフト
クランクシャフト80(駆動軸)は、円筒部材21内に配置され、スクロール圧縮機構60を駆動するものである。具体的には、クランクシャフト80は、駆動モータ70の駆動力を可動スクロール40に伝達する。クランクシャフト80は、円筒部材21の軸心に沿って上下方向に延びるように配置され、駆動モータ70のロータ72と、スクロール圧縮機構60の可動スクロール40とを連結する。
クランクシャフト80は、円筒部材21の軸心と中心軸が一致する主軸82と、円筒部材21の軸心に対して偏心した偏心部81とを有する。偏心部81は、前述したように可動スクロール40のボス部43に挿入される。主軸82は、フローティング部材65の軸受66、および、下部軸受91により回転自在に支持される。主軸82は、フローティング部材65と下部ハウジング90との間で、駆動モータ70のロータ72に連結する。
クランクシャフト80の内部には、スクロール圧縮機構60等に冷凍機油Oを供給するための給油経路83が形成される。主軸82の下端は、ケーシング20の下部に形成された油溜まり空間So内に位置し、油溜まり空間Soの冷凍機油Oは、給油経路83を通じてスクロール圧縮機構60等に供給される。
(2−7)下部ハウジング
下部ハウジング90は、円筒部材21内の下部に設けられ、クランクシャフト80を軸支するものである。具体的には、下部ハウジング90は、クランクシャフト80の下端側に下部軸受91を有する。これにより、クランクシャフト80の主軸82が回転自在に支持される。なお、下部ハウジング90には、クランクシャフト80の給油経路83に連通するオイルピックアップが固定される。
(3)スクロール圧縮機の動作
(3−1)冷媒の圧縮
上述したスクロール圧縮機10の動作について説明する。
まず、駆動モータ70が起動する。これにより、ロータ72がステータ71に対して回転し、ロータ72が固定されたクランクシャフト80が回転する。クランクシャフト80が回転すると、クランクシャフト80に連結された可動スクロール40が固定スクロール30に対して公転する。この際、冷凍サイクルにおける低圧のガス冷媒が、吸入管23を通って、ケーシング20内部の第1空間S1に導入される。第1空間S1に導入されたガス冷媒は、固定スクロール30の吸入口から圧縮室Scに吸引される。それから、可動スクロール40が公転するのに従い、第1空間S1と圧縮室Scとが連通しなくなる。そして、圧縮室Scの容積が減少するのに伴って、圧縮室Sc内部の圧力が上昇する。
圧縮室Sc内のガス冷媒は、圧縮室Scの容積が減少するのに伴って圧縮され、最終的に高圧のガス冷媒となる。高圧のガス冷媒は、圧縮室Scから吐出室36に吐出され、吐出弁35を押し上げて第2空間S2へ流れ込む。そして、高圧のガス冷媒が、吐出管24を通ってケーシング20の外部へ吐出される。なお、吐出弁35に設けられた逆止弁により、第2空間S2は高圧状態で維持されることになる。
(3−2)背圧による押付
上述したスクロール圧縮機10においては、高圧のガス冷媒が、圧縮室Scから吐出室36に吐出される。この際、吐出室36には第1固定スクロール連通孔37aの流入口36aが設けられているので、圧縮室Scで圧縮された圧縮冷媒の一部は、第1固定スクロール連通孔37a及び第1ハウジング連通孔62aを介して第1背圧室101に導出される。これにより、フローティング部材65に対して上方に圧力が加えられる。そして、このフローティング部材65が可動スクロール40に対して上方に圧力を加える。これにより、可動スクロール40が固定スクロール30に押し付けられることになる。
また、上述したスクロール圧縮機10においては、可動スクロール40の旋回に応じて、圧縮室Scと第2固定スクロール連通孔37bとが断続的に連通する。そのため、圧縮室Scで圧縮途中の中間冷媒の一部が、第2固定スクロール連通孔37b及び第2ハウジング連通孔62bを介して第2背圧室102に導出される。これにより、フローティング部材65に対して上方に圧力が加えられる。そして、このフローティング部材65が可動スクロール40に対して上方に圧力を加える。これにより、可動スクロール40が固定スクロール30に押し付けられることになる。
(4)特徴
(4−1)
以上説明したように、本実施形態に係るスクロール圧縮機10は、ケーシング20と、スクロール圧縮機構60と、ハウジング61と、第1背圧室101及び第2背圧室102(押付構造)と、吐出弁35(逆流阻止機構)と、第1固定スクロール連通孔37a及び第2固定スクロール連通孔37b(導出通路)とを備える。ケーシング20の内部は、第1空間S1及び第2空間S2に仕切られる。スクロール圧縮機構60は、固定スクロール30と、固定スクロール30と組になって圧縮室Scを形成する可動スクロール40とを有する。そして、スクロール圧縮機10は、第1空間S1から吸入した冷媒を圧縮室Scで圧縮して第2空間S2に吐出する。ハウジング61は、第1空間S1内部に取り付けられ、可動スクロール40を支持するために用いられる。第1背圧室101及び第2背圧室102は、圧縮室Scで圧縮されている途中の中間冷媒及び圧縮室Scから吐出される圧縮冷媒のいずれか一方又は両方を用いて、可動スクロール40を固定スクロール30に押し付ける。吐出弁35は、第2空間S2に設けられ、圧縮冷媒の逆流を阻止する。第1固定スクロール連通孔37a及び第2固定スクロール連通孔37bは、中間冷媒及び圧縮冷媒のいずれか一方又は両方を、吐出弁35(逆流阻止機構)よりも上流側から取り出して、第1背圧室101及び第2背圧室102に導出する。
したがって、本実施形態に係るスクロール圧縮機10では、中間冷媒(中間圧冷媒)及び/又は圧縮冷媒(高圧冷媒)を、吐出弁35(逆流阻止機構)よりも上流側から取り出して第1背圧室101及び第2背圧室102(押付構造)に導出し、第1背圧室101及び第2背圧室102が、第1空間S1(低圧空間)側から可動スクロール40を固定スクロール30に押し付ける。この結果、可動スクロール40及び固定スクロール30の離反が防止され、高効率のスクロール圧縮機10を提供できる。
また、本実施形態に係るスクロール圧縮機10では、運転停止時に、圧縮室Scで圧縮された圧縮冷媒が、吐出弁35(逆流阻止機構)よりも下流に流出する前に第1空間S1に導出される。ここで、吐出弁35(逆流阻止機構)は第2空間S2に設けられるので、第1空間S1及び第2空間S2の差圧を抑止し得る構造を有することになる。これにより、信頼性の高いスクロール圧縮機を提供できる。
補足すると、吐出弁35(逆流阻止機構)を吐出口32aに設けるスクロール圧縮機10では、運転停止時に、スクロール圧縮機構60内部の第1空間S1と第2空間S2とに差圧が生じることになる。そして、このような差圧が生じた状態が長引くと、各種部材間のシール部材の寿命が短くなったり、再起動時に液圧縮が発生したりするなどの問題が生じる。本実施形態に係るスクロール圧縮機10の構造であれば、運転停止時に、圧縮室Scで圧縮された圧縮冷媒が、吐出弁35(逆流阻止機構)よりも下流の第2空間S2に流出する前に第1空間S1に導出されるので、スクロール圧縮機構60内部と第2空間S2とに差圧が生じるのを抑止できる。
(4−2)
また、本実施形態に係るスクロール圧縮機10は、可動スクロール40に接触して支持するフローティング部材65を、ハウジング61と可動スクロール40との間に有する。そして、第1背圧室101及び第2背圧室102は、中間冷媒及び圧縮冷媒のいずれか一方又は両方を用いてフローティング部材65を可動スクロール40に押し付けることで、可動スクロール40を固定スクロール30に押し付ける。
ここでは、ハウジング61とは別体のフローティング部材65を用いることにより、簡易な構造で、可動スクロール40に押付力を加えることができる。補足すると、ハウジング61に背圧室を形成して可動スクロール40を押し上げる構造等では、オルダム継手58等の設置スペース上の制約から、最適な形態の背圧室を形成することが困難な場合がある。これに対し、本実施形態に係るスクロール圧縮機10の構成では、フローティング部材65を用いることにより、高い自由度で背圧室を形成できる。結果として、最適な押付力で可動スクロール40を固定スクロール30に押し付けることができる。
(4−3)
また、本実施形態に係るスクロール圧縮機10は、吸入圧力と吐出圧力との間の中間圧力を有する冷媒を圧縮室Scに導入するためのインジェクション配管25(インジェクション機構)を第1空間S1に備える。このような構成により、いわゆる中間インジェクションを実行することができ、さらに高効率のスクロール圧縮機10を提供できる。また、インジェクション配管25が第1空間S1に設けられるので、インジェクション配管25の過熱が抑制される。
なお、従来の低圧ドーム型のスクロール圧縮機において、上方(第2空間S2)から固定スクロールを可動スクロールに押し付ける構造では、固定スクロールが軸方向に動いてしまい、インジェクション機構の設置が困難となる。これに対し、本実施形態に係るスクロール圧縮機10の構成では、下方(第1空間S1)から可動スクロール40を固定スクロール30に押し付ける構造であるので、固定スクロール30が軸方向に動かされることがない。結果として、インジェクション配管25の設置が容易であり、圧縮効率をさらに高めることが可能なスクロール圧縮機19を提供できる。
(4−4)
また、本実施形態に係るスクロール圧縮機10は、仕切部材28を備えているので、ケーシング20内部を、圧力の異なる第1空間S1及び第2空間S2に容易に仕切ることができる。
(4−5)
また、本実施形態に係るスクロール圧縮機10は、第1背圧室101が、軸方向に形成される第1軸空間101a及び、この第1軸空間101aに連続し、径方向に形成される第1径空間101bを有している。上述した図2,3に示す形態では、第1ハウジング連通孔62aが、第1軸空間101aに連通するように形成されるので、第1ハウジング連通孔62aを容易に加工できる。一方、第1ハウジング連通孔62aの形態はこれに限らず、図6に示すように途中で孔を曲げて、第1径空間101bに連通するようにしてもよい。第1径空間101bに連通する形態では、第2ハウジング部61bと第3フローティング部65cとの間に形成されるOリング64a等を設置するための空間に第1ハウジング連通孔62aが干渉しないので、第2ハウジング部61bの厚さを薄くすることが可能となる。
(4−6)
また、本実施形態に係るスクロール圧縮機10は、第1背圧室101に圧縮冷媒が導入され、第2背圧室102に中間冷媒が導出される。ここで、第1背圧室101は第2背圧室102より内側に形成されているので、スクロール圧縮機10の運転中においては、背圧室全体の圧力分布は径方向の中心に向かって高くなるように構成される。一方、スクロール圧縮機10の運転中は、圧縮室Sc内の圧力は、径方向の中心向かって高まっていく。したがって、本実施形態に係るスクロール圧縮機10は、運転中の圧縮室Scの圧力分布に応じて、背圧室の圧力が高くなるように構成されている。このような構成により、最適な押付力で可動スクロール40を固定スクロール30に押し付けることが可能となる。
(5)変形例
(5−1)変形例A
上記の説明では、第1空間S1と第2空間62とは仕切部材28により仕切られるとしたが、本実施形態に係るスクロール圧縮機10の構成は、これに限るものではない。例えば、固定スクロール30の構成部材の一部をケーシング20の内壁に沿って気密に嵌め込むことにより、第1空間S1及び第2空間S2を形成してもよい。
(5−2)変形例B
上記の説明では、圧縮冷媒が導入される第1背圧室101と中間冷媒が導入される第2背圧室102とを有する構成としたが、本実施形態に係るスクロール圧縮機10の構成は、これに限るものではない。例えば第1背圧室101には中間冷媒が導入され、第2背圧室102には圧縮冷媒が導入される構成であってもよい。また、背圧室の個数は2つでなくてもよい。例えば、単一の背圧室を有し、この背圧室に圧縮冷媒と中間冷媒が導入される構成を採用することも可能である。
(5−3)変形例C
上記の説明では、固定スクロール30の吐出口32aに逆止弁として機能する吐出弁35が設けられ、また固定スクロール30に流入口36aが形成される構成としたが、本実施形態に係るスクロール圧縮機10の構成は、これに限るものではない。
例えば、本実施形態に係るスクロール圧縮機10は、図7に示すように、吐出管24に逆止弁24aを設けるだけの構成でもよい。すなわち、固定スクロール30の吐出口32aに吐出弁35が設けられる否かにかかわらず、吐出管24に逆止弁24aを設け、固定スクロール30の所定の位置に第1固定スクロール連通孔37aが設けられていれば、運転停止時に、圧縮室Scで圧縮された圧縮冷媒が、吐出管24の逆止弁24a(逆流阻止機構)よりも下流に流出する前に第1空間S1に導出されるので、スクロール圧縮機構60内部と第2空間S2とに差圧が生じるのを抑止できる。
なお、この場合、吐出室36に第1固定スクロール連通孔37aの流入口36aが設けられていなくてもよい。例えば、図8に示すように、固定スクロールの上面に第1固定スクロール連通孔37aの流入口34aが設けられた構成でもよい。要するに、本実施形態に係る発明では、第1固定スクロール連通孔37aの形成箇所は、発明の要旨を変更しない範囲で任意の箇所に設けることができる。
(5−4)変形例D
上記の説明では、ハウジング61と可動スクロール40との間にフローティング部材65を備え、第1背圧室101及び第2背圧室102が、ハウジング61とフローティング部材65との間に形成される構成としたが、本実施形態に係るスクロール圧縮機10の構成は、これに限るものではない。すなわち、本実施形態に係るスクロール圧縮機10は、固定スクロールに形成された連通孔が、中間冷媒及び圧縮冷媒のいずれか一方又は両方を、吐出弁35(逆流阻止機構)よりも上流側から取り出して、背圧室に導出する構成であれば、任意の形態を採り得る。例えば、本実施形態に係るスクロール圧縮機10は、ハウジング61と可動スクロール40との間に背圧室を有する構成でもよい。この場合、フローティング部材65が不要となる。
10 スクロール圧縮機
20 ケーシング
24 吐出管
24a 逆止弁(逆流阻止機構)
25 インジェクション配管(インジェクション機構)
28 仕切部材
30 固定スクロール
32a 吐出口
34a 流入口
35 吐出弁(逆流阻止機構)
36a 流入口
37a 第1固定スクロール連通孔(導出通路)
37b 第2固定スクロール連通孔(導出通路)
40 可動スクロール
60 スクロール圧縮機構
61 ハウジング
61a 第1ハウジング部
61b 第2ハウジング部
62a 第1ハウジング連通孔
62b 第2ハウジング連通孔
65 フローティング部材
65a 第1フローティング部
65b 第2フローティング部
65c 第3フローティング部
101 第1背圧室(押付構造)
101a 第1軸空間
101b 第1径空間
102 第2背圧室(押付構造)
102a 第2軸空間
102b 第2径空間
S1 第1空間
S2 第2空間
Sc 圧縮室
特開2013−167215号公報

Claims (3)

  1. 第1空間(S1)及び第2空間(S2)に内部が仕切られるケーシング(20)と、
    吐出口(32a)を有する固定スクロール(30)及び前記固定スクロールと組になって圧縮室(Sc)を形成する可動スクロール(40)を有し、前記第1空間から吸入した冷媒を前記圧縮室で圧縮して前記第2空間に吐出するスクロール圧縮機構(60)と、
    前記ケーシング内の前記第1空間に上下方向に延びるように配置され、前記スクロール圧縮機構を駆動するためのクランクシャフト(80)と、
    前記第1空間内部において前記ケーシングに取り付けられハウジング(61)と、
    前記第2空間に連通するように前記ケーシングに取り付けられる、吐出管(24)と、
    前記圧縮室で圧縮されている途中の中間冷媒及び前記圧縮室で圧縮された圧縮冷媒のうち少なくとも前記圧縮冷媒を用いて、前記可動スクロールを前記固定スクロールに押し付ける押付構造と、
    前記吐出口(32a)に設けられる逆止弁(35)と、
    前記圧縮冷媒を、前記押付構造に導出する導出通路(37a)と、
    前記ハウジングと前記可動スクロールとの間に設けられ、前記可動スクロールに接触して支持するフローティング部材(65)
    を備え、
    前記押付構造は、前記ハウジングと前記フローティング部材との間に形成される背圧室(101)を有し、前記圧縮冷媒を用いて前記フローティング部材を前記可動スクロールに押し付けることで、前記可動スクロールを前記固定スクロールに押し付け、
    前記導出通路は、前記固定スクロールに流入口(36a)が形成され、前記逆止弁(35)よりも上流側から前記圧縮冷媒を取り出して前記背圧室に導出する
    スクロール圧縮機(10)。
  2. 前記第1空間に、吸入圧力と吐出圧力との間の中間圧力を有する冷媒を前記圧縮室に導入するためのインジェクション機構(25)をさらに備える、
    請求項1に記載のスクロール圧縮機。
  3. 前記ケーシング内部を、圧力の異なる第1空間及び第2空間に仕切ることが可能な仕切部材(28)をさらに備える、
    請求項1又は2に記載のスクロール圧縮機。
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