JP6778647B2 - 電力平準化装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電源系統の電力を、フライホイール等を用いて平準化する電力平準化装置に関する。
従来、再生可能エネルギーによる発電技術の分野では、主に鉛蓄電池、リチウムイオン電池等の蓄電装置が用いられている。しかし、これらの化学作用による蓄電装置では、例えば環境温度、充放電回数等の使用環境に起因した劣化が発生することから、定期的なメンテナンスが必要となる。
一方で、フライホイールを用いた蓄電装置が知られている。フライホイールを用いた蓄電装置は、化学作用によるものではなく、メンテナンス性のよいことが知られており、劣化寿命を長くすることができ、メンテナンスの回数を減らすことができる。この蓄電装置は、フライホイールに蓄積されたエネルギーにより、電源系統の瞬時停電時等の電力ロスを補償するUPS(無停電電源装置)として使用される。
しかしながら、フライホイールを用いた蓄電装置では、大気中で使用されるフライホイール自体に風損があり、フライホイールを駆動するモータの損失もあり、改善すべき点がある。
フライホイールを駆動するモータとしては、例えば誘導電動機が用いられる(例えば特許文献1を参照)。この特許文献1の技術は、誘導電動機及びフライホイールを用いた蓄電装置に対し、充放電電力を制御することで、電源系統の電力を平準化する。
しかしながら、フライホイールにエネルギーを蓄積するためには、フライホイールを継続的に高速で回転させる必要があり、誘導電動機では、モータの構造上、堅牢性の面で不十分であるという問題があった。例えば、誘導電動機には固定軸のジュール損があり、発電効率を低下させる原因となっている。
また、フライホイールを駆動するモータとして、シンクロナスリラクタンスモータが用いられる場合もある(例えば特許文献2、非特許文献1を参照)。シンクロナスリラクタンスモータは固定子導体を有していないことから、誘導電動機を用いた場合の問題を解決することができる。この特許文献2の技術は、フライホイールが連結されたシンクロナスリラクタンスモータを制御することで、駆動モード時には、電源系統からエネルギーをフライホイールに蓄積し、回生モード時には、フライホイールに蓄積されたエネルギーを電源系統へ供給するものである。
つまり、駆動モード時には、シンクロナスリラクタンスモータ及びフライホイールが一定速度で回転し、電源系統の電力がフライホイールへ供給され、フライホイールに機械エネルギーとして蓄積される。また、回生モード時には、フライホイールの回転により蓄積された機械エネルギーが電気エネルギーに変換され、電源系統へ供給される。
特開2015−104209号公報 特開2014−171291号公報
仁井、神通川、「自然エネルギーの発電出力安定化技術」、富士時報、Vol.80、No.2、2007
電源系統に接続された負荷が変動し、電源系統の電力が変動(脈動)した場合には、前述の蓄電装置に蓄積されたエネルギーが電源系統へ供給されることで、負荷変動を補償することができる。
一般に、電源系統に接続された負荷の変動には、低速な負荷変動と高速な負荷変動がある。低速な負荷変動は、低速であるが大容量の電力変動をもたらすものであり、高速な負荷変動は、高速であるが小容量の電力変動をもたらすものである。前述のフライホイールを用いた蓄電装置を用いた場合、フライホイールには所定のイナーシャが存在することから、低速な負荷変動を補償することはできるが、高速な負荷変動を補償することはできない。
そこで、本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、電源系統の電力を平準化する際に、低速な負荷変動及び高速な負荷変動を補償可能な電力平準化装置を提供することにある。
前記課題を解決するために、請求項1の電力平準化装置は、電源系統の交流電力と直流バスの直流電力とを双方向に変換する連系インバータ、前記直流電力とFW(フライホイール)が連結されたSynRM(シンクロナスリラクタンスモータ)側の交流電力とを双方向に変換するSynRM駆動インバータ、及び前記直流電力とキャパシタ側の直流電力とを双方向に変換するDC/DCコンバータを用いて、前記電源系統の電力を平準化する電力平準化装置において、前記電源系統の所定の連系点にて検出された連系点電圧、前記電源系統に接続された負荷に流れる電流として検出された負荷電流、前記SynRMの速度として検出または推定された回転速度、及び前記FWの所定のイナーシャに基づいて、回転速度指令を生成し、当該回転速度指令を前記SynRM駆動インバータへ出力することで、前記電源系統のエネルギーを前記FWに蓄積し、または前記FWに蓄積した前記エネルギーを前記電源系統へ供給するSynRM制御部と、予め設定されたバス電圧指令を前記連系インバータへ出力することで、前記直流バスの電圧を前記予め設定されたバス電圧指令に一致させるバス電圧指令出力部と、前記予め設定されたバス電圧指令と、前記直流バスの電圧として検出されたバス電圧との間の偏差に基づいて生成されたバス電流指令、前記バス電圧、及び前記キャパシタに流れる電流として検出されたキャパシタ電流に基づいて、キャパシタ電圧指令を生成し、当該キャパシタ電圧指令を前記DC/DCコンバータへ出力することで、前記電源系統のエネルギーを前記キャパシタへ蓄積し、または前記キャパシタに蓄積した前記エネルギーを前記電源系統へ供給するキャパシタ制御部と、を備え、前記電源系統の電力の変動に伴って前記連系点電圧が低下し、前記バス電圧が低下した場合、前記SynRM制御部は、前記連系点電圧の低下分が反映された前記回転速度指令を生成し、前記キャパシタ制御部は、前記バス電圧の低下に伴い、前記バス電流指令に基づいて、前記電源系統における高周波成分の電力の変動を反映したキャパシタ電流指令を生成し、前記キャパシタ電流指令に基づいて、前記電源系統における高周波成分の電力の変動を反映した前記キャパシタ電圧指令を生成し、前記SynRM制御部により生成された前記回転速度指令に基づいて、前記FWに蓄積した前記エネルギーを前記電源系統へ供給し、前記キャパシタ制御部により生成された前記キャパシタ電圧指令に基づいて、前記キャパシタに蓄積した前記エネルギーを前記電源系統へ供給する、ことを特徴とする。
また、請求項2の電力平準化装置は、請求項1に記載の電力平準化装置において、前記SynRM制御部が、前記連系点電圧及び前記負荷電流に基づいて有効電力の変動量を求め、当該有効電力の変動量、前記回転速度、及び前記イナーシャに基づいて回転速度基本指令を生成する演算器と、前記演算器により生成された前記回転速度基本指令に当該回転速度基本指令の絶対値を乗算し、回転速度指令エネルギーを求める第1の乗算器と、前記回転速度に当該回転速度の絶対値を乗算し、回転速度フィードバックエネルギーを求める第2の乗算器と、前記第1の乗算器により求めた前記回転速度指令エネルギーから、前記第2の乗算器により求めた前記回転速度フィードバックエネルギーを減算し、エネルギー偏差を求める第1の減算器と、前記第1の減算器により求めた前記エネルギー偏差に所定の比例ゲインを乗算し、ドループ速度成分を生成するエネルギーレギュレータと、前記演算器により生成された前記回転速度基本指令に、前記エネルギーレギュレータにより生成された前記ドループ速度成分を加算し、前記回転速度指令を求める加算器と、を備えたことを特徴とする。
また、請求項3の電力平準化装置は、請求項1または2に記載の電力平準化装置において、前記キャパシタ制御部が、前記バス電流指令に対しローパスフィルタ処理を行い、低周波バス電流指令を生成するLPF(ローパスフィルタ)と、前記バス電流指令から、前記LPFにより生成された前記低周波バス電流指令を減算し、前記キャパシタ電流指令を求める第2の減算器と、前記第2の減算器により求めた前記キャパシタ電流指令から前記キャパシタ電流を減算し、電流偏差を求める第3の減算器と、前記第3の減算器により求めた前記電流偏差が0となるように、キャパシタ指令を生成する電流制御器と、前記キャパシタの電圧として検出されたキャパシタ電圧から前記バス電圧を減算し、電圧差を求める第4の減算器と、前記電流制御器により生成された前記キャパシタ指令から、前記第4の減算器により求めた前記電圧差を減算し、前記キャパシタ電圧指令を生成する第5の減算器と、を備えたことを特徴とする。
以上のように、本発明によれば、電源系統の電力を平準化する際に、低速な負荷変動はフライホイールにて対応し、高速な負荷変動はキャパシタにて対応することで、低速な負荷変動及び高速な負荷変動を補償することが可能となる。
本発明の実施形態による電力平準化装置を含む全体システムの構成例を示す概略図である。 電力平準化装置の構成例を示すブロック図である。 SynRM制御部、SynRM駆動インバータ及びSynRMの構成例を示すブロック図である。 連系インバータの構成例を示すブロック図である。 キャパシタ制御部、DC/DCコンバータ及びキャパシタの構成例を示すブロック図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて詳細に説明する。
〔全体システム〕
図1は、本発明の実施形態による電力平準化装置を含む全体システムの構成例を示す概略図である。このシステムは、電力平準化装置1、SynRM(シンクロナスリラクタンスモータ)駆動インバータ2、連系インバータ3、DC/DCコンバータ4、SynRM5、FW(フライホイール)6、キャパシタ7、電源8、負荷9、電圧検出器11,13,15、電流検出器12,16及びレゾルバ(回転角センサ)14を備えて構成される。
電力平準化装置1、SynRM駆動インバータ2、連系インバータ3、DC/DCコンバータ4、SynRM5、FW6、キャパシタ7、電圧検出器11,13,15、電流検出器12,16及びレゾルバ14により蓄電装置が構成される。この蓄電装置は、電源8から電力が負荷9へ供給されている状態で、負荷9が変動して電源系統の電力が変動した場合に、FW6及びキャパシタ7に蓄積されたエネルギーを用いて、その負荷変動を補償する装置である。つまり、蓄電装置は、SynRM駆動インバータ2、SynRM5及びFW6からなるフライホイール型の充放電装置と、DC/DCコンバータ4及びキャパシタ7からなるキャパシタ型の充放電装置とを備えた構成となっている。
ここで、フライホイール型の充放電装置においては、質量及び回転半径に応じた高いイナーシャを有するFW6を、継続的に高速で回転させておく必要があるため、FW6に用いるモータも堅牢性が要求される。このため、誘導電動機よりも構造が単純なSynRM5を用いることにより、堅牢性を確保している。
電力平準化装置1は、電源系統の連系点における電圧及び電流に基づいて電力を算出し、電力の変動を検出する。電力平準化装置1は、電源系統に接続された負荷9の変動がなく、連系点の電力の変動がない状態において、所定のFW回転速度指令Wfw_refをSynRM駆動インバータ2へ出力することにより、SynRM5及びFW6を一定速度で回転させ、FW6にエネルギーを蓄積する。また、電力平準化装置1は、所定の(定格電圧を与える)キャパシタ電圧指令Vcap_refをDC/DCコンバータ4へ出力することにより、キャパシタ7にエネルギーを蓄積する。
電力平準化装置1は、負荷9に変動があり、連系点の電力の変動を検出した場合、低速かつ大容量の電力変動に対応するためのFW回転速度指令Wfw_refを生成してSynRM駆動インバータ2へ出力する。これにより、FW6に蓄積されたエネルギーが電源系統へ供給され、その変動とは逆の位相を有する電力にて、低速かつ大容量の電力変動が抑制される。また、電力平準化装置1は、高速かつ小容量の電力変動に対応するためのキャパシタ電圧指令Vcap_refを生成してDC/DCコンバータ4へ出力する。これにより、キャパシタ7に蓄積されたエネルギーが電源系統へ供給され、その変動とは逆の位相を有する電力にて、高速かつ小容量の電力変動が抑制される。このようにして、連系点の電力が平準化される。高速かつ小容量の電力変動に対してキャパシタ7を用いるのは、瞬時のキャッシュパワーが必要となるからである。
図1に示すように、電力平準化装置1は、電圧検出器11から連系点電圧Vを、電流検出器12から負荷電流ILを、電圧検出器13からバス電圧Vdcを、レゾルバ14からFW回転速度Wfwをそれぞれ入力する。また、電力平準化装置1は、電圧検出器15からキャパシタ電圧Vcapを、電流検出器16からキャパシタ電流Icapを、連系インバータ3から制限後バス電流指令Idc_Lmtをそれぞれ入力する。
電力平準化装置1は、予め設定されたバス電圧指令Vdc_refを連系インバータ3へ出力する。また、電力平準化装置1は、FW回転速度指令Wfw_ref及びキャパシタ電圧指令Vcap_refを生成し、FW回転速度指令Wfw_refをSynRM駆動インバータ2へ出力し、キャパシタ電圧指令Vcap_refをDC/DCコンバータ4へ出力する。
SynRM駆動インバータ2は、可変速制御により直流バス側の直流電力とSynRM5側の交流電力とを双方向に変換する装置であり、電力平準化装置1からFW回転速度指令Wfw_refを入力する。SynRM駆動インバータ2は、FW6の駆動モードにおいて、FW回転速度指令Wfw_refに基づいて、電源系統から連系インバータ3を介して供給された直流電力を交流電力に変換し、交流電力をSynRM5へ供給する。これにより、SynRM5は、FW回転速度指令Wfw_refに基づいて可変速制御され一定速度で回転する。そして、FW6は慣性により回転し、FW6には機械エネルギーが蓄積される。
一方、SynRM駆動インバータ2は、FW6の回生モードにおいて、SynRM5から供給された交流電力を直流電力に変換し、直流電力を、連系インバータ3を介して電源系統へ供給する。これにより、FW6に蓄積された機械エネルギーが電気エネルギーに変換され、電気エネルギーが負荷9へ供給される。
連系インバータ3は、電力平準化装置1からバス電圧指令Vdc_refを入力すると共に、電圧検出器13からバス電圧Vdcを入力する。そして、連系インバータ3は、バス電圧Vdcがバス電圧指令Vdc_refに一致するように制御し、直流バス側の直流電力と電源系統側の交流電力とを双方向に変換する。これにより、SynRM駆動インバータ2及びDC/DCコンバータ4の直流バス側の電圧も、バス電圧指令Vdc_refに一致することとなる。
連系インバータ3は、バス電圧指令Vdc_ref及びバス電圧Vdcに基づいて、制限後バス電流指令Idc_Lmtを生成し、制限後バス電流指令Idc_Lmtを電力平準化装置1へ出力する。
DC/DCコンバータ4は、直流バス側の直流電力とキャパシタ7側の直流電力とを双方向に変換する装置であり、電力平準化装置1からキャパシタ電圧指令Vcap_refを入力する。DC/DCコンバータ4は、キャパシタ7にエネルギーを蓄積する場合、キャパシタ電圧指令Vcap_refに基づいて、電源系統から連系インバータ3を介して供給された直流電力を変換し、変換後の直流電力をキャパシタ7へ供給する。これにより、キャパシタ7は充電され、エネルギーが蓄積される。
一方、DC/DCコンバータ4は、キャパシタ7のエネルギーを電源系統へ供給する場合、キャパシタ電圧指令Vcap_refに基づいて、キャパシタ7に蓄積されたエネルギーの直流電力を変換し、変換後の直流電力を、連系インバータ3を介して電源系統へ供給する。これにより、キャパシタ7は放電し、蓄積されたエネルギーが負荷9へ供給される。
SynRM5には、FW6が連結されており、当該SynRM5の回転に伴ってFW6も回転する。電源8は、電源系統を介して負荷9へ電力を供給すると共に、連系インバータ3を介してSynRM5及びキャパシタ7へ電力を供給する。
電圧検出器11は、電源系統の連系点の電圧を検出し、連系点電圧Vとして電力平準化装置1へ出力する。電流検出器12は、電源系統から負荷9へ供給される電流を検出し、負荷電流ILとして電力平準化装置1へ出力する。電圧検出器13は、電力平準化装置1、SynRM駆動インバータ2、連系インバータ3及びDC/DCコンバータ4の間の直流バスの電圧を検出し、バス電圧Vdcとして電力平準化装置1及び連系インバータ3へ出力する。
レゾルバ14は、SynRM5の回転に応じたパルス信号を発生する。このパルス信号のカウント値からSynRM5の回転速度であるFW回転速度Wfwが得られ、FW回転速度Wfwが電力平準化装置1へ入力される。尚、図1には、レゾルバ14から電力平準化装置1へFW回転速度Wfwが入力されるように略して示してある。
〔電力平準化装置1〕
次に、図1に示した電力平準化装置1について説明する。図2は、電力平準化装置1の構成例を示すブロック図である。この電力平準化装置1は、SynRM制御部21、バス電圧指令出力部22及びキャパシタ制御部23を備えている。
前述のとおり、電力平準化装置1は、連系点の電力の変動がない状態において、所定のFW回転速度指令Wfw_refをSynRM駆動インバータ2へ出力すると共に、所定のキャパシタ電圧指令Vcap_refをDC/DCコンバータ4へ出力する。これにより、SynRM5及びFW6は一定速度で回転し、FW6にはエネルギーが蓄積され、キャパシタ7にもエネルギーが蓄積される。
一方、電力平準化装置1は、連系点の電力の変動がある場合、低速かつ大容量の電力変動に対応するためのFW回転速度指令Wfw_refを生成してSynRM駆動インバータ2へ出力すると共に、高速かつ小容量の電力変動に対応するためのキャパシタ電圧指令Vcap_refを生成してDC/DCコンバータ4へ出力する。これにより、FW6に蓄積されたエネルギーが電源系統へ供給され、低速かつ大容量の電力変動が抑制される。また、キャパシタ7に蓄積されたエネルギーが電源系統へ供給され、高速かつ小容量の電力変動が抑制される。そして、連系点の電力変動がなくなり、その電力が平準化される。
図2を参照して、SynRM制御部21は、電圧検出器11から連系点電圧Vを、電流検出器12から負荷電流ILを、レゾルバ14からFW回転速度Wfwをそれぞれ入力する。そして、SynRM制御部21は、連系点電圧V、負荷電流IL、FW回転速度Wfw及びFW6のイナーシャJwに基づいてFW回転速度指令Wfw_refを生成し、FW回転速度指令Wfw_refをSynRM駆動インバータ2へ出力する。SynRM制御部21の詳細については後述する。
バス電圧指令出力部22は、予め設定されたバス電圧指令Vdc_refを連系インバータ3へ出力する。バス電圧指令Vdc_refは、直流バスの電圧の指令値であり、連系インバータ3にて、バス電圧Vdcがバス電圧指令Vdc_refに一致するように制御される。
キャパシタ制御部23は、連系インバータ3から制限後バス電流指令Idc_Lmtを、電圧検出器13からバス電圧Vdcを、電圧検出器15からキャパシタ電圧Vcapを、電流検出器16からキャパシタ電流Icapをそれぞれ入力する。そして、キャパシタ制御部23は、制限後バス電流指令Idc_Lmt、バス電圧Vdc、キャパシタ電圧Vcap及びキャパシタ電流Icapに基づいてキャパシタ電圧指令Vcap_refを生成し、キャパシタ電圧指令Vcap_refをDC/DCコンバータ4へ出力する。キャパシタ制御部23の詳細については後述する。
〔SynRM制御部21/電力平準化装置1〕
次に、図2に示した電力平準化装置1のSynRM制御部21について詳細に説明する。図3は、SynRM制御部21、SynRM駆動インバータ2及びSynRM5の構成例を示すブロック図である。このSynRM制御部21は、演算器31、ランプ器32、絶対値演算器33,35、乗算器34,36、減算器37、エネルギーレギュレータ38及び加算器39を備えている。
演算器31は、電圧検出器11から連系点電圧Vを、電流検出器12から負荷電流ILを、レゾルバ14からFW回転速度Wfwをそれぞれ入力する。そして、演算器31は、連系点電圧V、負荷電流IL、FW回転速度Wfw及びイナーシャJwに基づいて、以下の数式にてFW回転速度基本指令Wfw_refbを算出し、FW回転速度基本指令Wfw_refbをランプ器32に出力する。
〔数式1〕
fw_refb=√(Wfw 2+2ΔP/Jw) ・・・(1)
ΔPは、電力変動量であり、以下の数式(2)及び(3)にて表される。
具体的には、演算器31は、連系点電圧V、負荷電流IL及び所定時間長ΔTを乗算して有効電力Pを求め、有効電力Pから電力変動量ΔPを求めることで、前記数式(1)にて、FW回転速度基本指令Wfw_refbを算出する。有効電力P及び電力変動量ΔPは以下の数式に表される。
〔数式2〕
P=V×IL×ΔT ・・・(2)
〔数式3〕
ΔP=(−1/2)×Jw×(Wfw_refb 2−Wfw 2) ・・・(3)
ここで、負荷9が変動して連系点電圧Vが低下した場合、FW回転速度基本指令Wfw_refbは、連系点電圧Vが低下する前に比べ小さい値となり、連系点電圧Vの低下分が反映された値となる。
ランプ器32は、演算器31からFW回転速度基本指令Wfw_refbを入力し、FW回転速度基本指令Wfw_refbに対し、所定のレートによるランプ処理を行い、所定範囲のランプ後FW回転速度基本指令W_refを生成する。ランプ器32は、ランプ後FW回転速度基本指令W_refを絶対値演算器33及び乗算器34に出力する。所定のレートは、例えばFW6のイナーシャJwの値が用いられる。
具体的には、ランプ器32は、FW回転速度基本指令Wfw_refbの値がステップ状に変化した場合、その傾きが所定のレートに一致するように、FW回転速度基本指令Wfw_refbの値を徐々に変化させるランプ後FW回転速度基本指令W_refを生成する。これにより、FW6のイナーシャJwによる慣性を考慮したランプ後FW回転速度基本指令W_refが生成される。
絶対値演算器33は、ランプ器32からランプ後FW回転速度基本指令W_refを入力し、ランプ後FW回転速度基本指令W_refの絶対値を演算し、ランプ後FW回転速度基本指令W_refの絶対値を乗算器34に出力する。
乗算器34は、ランプ器32からランプ後FW回転速度基本指令W_refを入力すると共に、絶対値演算器33からランプ後FW回転速度基本指令W_refの絶対値を入力し、ランプ後FW回転速度基本指令W_refにランプ後FW回転速度基本指令W_refの絶対値を乗算し、FW回転速度指令エネルギーW_ref 2を求める。そして、乗算器34は、FW回転速度指令エネルギーW_ref 2を減算器37に出力する。FW回転速度指令エネルギーW_ref 2は、極性を有する値となる。
絶対値演算器35は、レゾルバ14からFW回転速度Wfwを入力し、FW回転速度Wfwの絶対値を演算し、FW回転速度Wfwの絶対値を乗算器36に出力する。乗算器36は、レゾルバ14からFW回転速度Wfwを入力すると共に、絶対値演算器35からFW回転速度Wfwの絶対値を入力し、FW回転速度WfwにFW回転速度Wfwの絶対値を乗算し、FW回転速度フィードバックエネルギーWfw 2を求める。そして、乗算器36は、FW回転速度フィードバックエネルギーWfw 2を減算器37に出力する。FW回転速度フィードバックエネルギーWfw 2は、極性を有する値となる。
減算器37は、乗算器34からFW回転速度指令エネルギーW_ref 2を入力すると共に、乗算器36からFW回転速度フィードバックエネルギーWfw 2を入力する。そして、減算器37は、FW回転速度指令エネルギーW_ref 2からFW回転速度フィードバックエネルギーWfw 2を減算し、減算結果をエネルギー偏差としてエネルギーレギュレータ38に出力する。
エネルギーレギュレータ38は、減算器37からエネルギー偏差を入力し、エネルギー偏差に予め設定された比例ゲインKPを乗算し、乗算結果をドループ速度成分Δωとして加算器39に出力する。
ここで、負荷9が変動して連系点電圧Vが低下した場合、FW回転速度基本指令Wfw_refbは以前に比べ小さい値となるから、減算器37が出力するエネルギー偏差はマイナスの値となり、エネルギーレギュレータ38が出力するドループ速度成分Δωもマイナスの値となる。
加算器39は、ランプ器32からランプ後FW回転速度基本指令W_refを入力すると共に、エネルギーレギュレータ38からドループ速度成分Δωを入力し、ランプ後FW回転速度基本指令W_refにドループ速度成分Δωを加算し、FW回転速度指令Wfw_refを生成する。そして、加算器39は、FW回転速度指令Wfw_refをSynRM駆動インバータ2へ出力する。
ここで、負荷9が変動して連系点電圧Vが低下した場合、ドループ速度成分Δωはマイナスの値となるから、FW回転速度指令Wfw_refは、以前よりも小さい値となる。
尚、演算器31、絶対値演算器35及び乗算器36は、レゾルバ14からFW回転速度Wfwを入力し、これをFW6の回転速度として扱うようにした。これに対し、図示しない演算部は、センサレスにより所定の演算にてFW回転速度推定値Wfw_Hatを求め、演算器31、絶対値演算器35及び乗算器36は、演算部からFW回転速度推定値Wfw_Hatを入力し、これをFW6の回転速度として扱うようにしてもよい。図示しない演算部は、電力平準化装置1に備えるようにしてもよいし、SynRM駆動インバータ2に備えるようにしてもよい。
図3に示すように、SynRM駆動インバータ2は、減算器40及び速度制御器41を備えている。尚、SynRM駆動インバータ2の構成図には、本発明に直接関連する構成部のみを示しており、直接関連しない構成部は省略してある。
減算器40は、電力平準化装置1のSynRM制御部21からFW回転速度指令Wfw_refを入力すると共に、レゾルバ14からFW回転速度Wfwを入力し、FW回転速度指令Wfw_refからFW回転速度Wfwを減算し、速度偏差を求める。そして、減算器40は、速度偏差を速度制御器41に出力する。
速度制御器41は、減算器40から速度偏差を入力し、この速度偏差が0となるように、予め設定された比例ゲインKvのP制御器による速度制御を行い、電流指令を生成する。SynRM5は、速度制御器41により生成された電流指令に従い、FW回転速度指令Wfw_refの速度で回転する。また、FW回転速度Wfwは、レゾルバ14により検出され、SynRM駆動インバータ2及びSynRM制御部21へ入力される。
〔連系インバータ3〕
次に、図1に示した連系インバータ3について説明する。図4は、連系インバータ3の構成例を示すブロック図である。この連系インバータ3は、減算器51、電圧制御器52、LPF(ローパスフィルタ)53及びリミッタ54を備えている。尚、図4には、本発明に直接関連する構成部のみを示しており、直接関連しない構成部は省略してある。
前述のとおり、連系インバータ3は、バス電圧Vdcが、電力平準化装置1から入力したバス電圧指令Vdc_refに一致するように制御を行い、直流バス側の直流電力と電源系統側の交流電力とを双方向に変換する。また、連系インバータ3は、バス電圧指令Vdc_ref及びバス電圧Vdcに基づいて、制限後バス電流指令Idc_Lmtを生成し、制限後バス電流指令Idc_Lmtを電力平準化装置1へ出力する。
減算器51は、電力平準化装置1からバス電圧指令Vdc_refを入力すると共に、電圧検出器13からバス電圧Vdcを入力し、バス電圧指令Vdc_refからバス電圧Vdcを減算し、バス電圧偏差を求める。そして、減算器51は、バス電圧偏差を電圧制御器52に出力する。
電圧制御器52は、減算器51からバス電圧偏差を入力し、このバス電圧偏差が0となるように、予め設定された比例ゲインKp及び積分ゲインKiのPI制御器による電圧制御を行い、バス電流指令Idcを生成し、バス電流指令IdcをLPF53に出力する。
LPF53は、電圧制御器52からバス電流指令Idcを入力し、バス電流指令Idcに対し、所定のローパスフィルタ処理を行い、フィルタ処理後のバス電流指令Idcをリミッタ54に出力する。所定のローパスフィルタ処理は、バス電流指令Idcに対し、所定の遮断周波数より低い周波数の成分を減衰させず、所定の遮断周波数より高い周波数の成分を減衰させる処理である。
リミッタ54は、LPF53からフィルタ処理後のバス電流指令Idcを入力し、フィルタ処理後のバス電流指令Idcに対し、所定範囲で制限を加える。そして、リミッタ54は、リミッタ後のバス電流指令Idcを制限後バス電流指令Idc_Lmtとして電力平準化装置1に出力する。
〔キャパシタ制御部23/電力平準化装置1〕
次に、図2に示した電力平準化装置1のキャパシタ制御部23について説明する。図5は、キャパシタ制御部23、DC/DCコンバータ4及びキャパシタ7の構成例を示すブロック図である。このキャパシタ制御部23は、LPF61、リミッタ62、減算器63,64,66,67及び電流制御器65を備えている。
LPF61は、連系インバータ3から制限後バス電流指令Idc_Lmtを入力し、制限後バス電流指令Idc_Lmtに対し、所定のローパスフィルタ処理を行い、フィルタ処理後の制限後バス電流指令Idc_Lmtを低周波バス電流指令としてリミッタ62に出力する。
ここで、負荷9が変動して連系点電圧Vが低下した場合、連系インバータ3から入力する制限後バス電流指令Idc_Lmtには、連系点の電力変動に伴う低周波成分及び高周波成分が含まれる。LPF61により、この制限後バス電流指令Idc_Lmtから、連系点の電力変動に伴う高周波成分が除去され、フィルタ処理後の制限後バス電流指令Idc_Lmtは、連系点の電力変動に伴う低周波成分のみの指令、すなわち低周波バス電流指令となる。
リミッタ62は、LPF61から低周波バス電流指令を入力し、低周波バス電流指令に対し、所定範囲で制限を加える。そして、リミッタ62は、リミッタ後の低周波バス電流指令を減算器63に出力する。
減算器63は、リミッタ62からリミッタ後の低周波バス電流指令を入力すると共に、連系インバータ3から制限後バス電流指令Idc_Lmt、すなわち高周波及び低周波バス電流指令を入力する。そして、減算器63は、制限後バス電流指令Idc_Lmtからリミッタ後の低周波バス電流指令を減算し、減算結果を、高周波成分のみが反映されたキャパシタ電流指令Icap_refとして減算器64に出力する。
ここで、負荷9が変動して連系点電圧Vが低下した場合、連系インバータ3から入力する制限後バス電流指令Idc_Lmtには、連系点の電力変動に伴う低周波成分及び高周波成分が含まれる。また、リミッタ62から入力するリミッタ後の低周波バス電流指令には、連系点の電力変動に伴う低周波成分のみが含まれており、高周波成分は含まれていない。減算器63により、低周波成分及び高周波成分を含む制限後バス電流指令Idc_Lmtから低周波成分のみを含む低周波バス電流指令が減算されるから、減算結果のキャパシタ電流指令Icap_refは、連系点の電力変動に伴う高周波成分のみの指令となる。
減算器64は、減算器63からキャパシタ電流指令Icap_refを入力すると共に、電流検出器16からキャパシタ電流Icapを入力し、キャパシタ電流指令Icap_refからキャパシタ電流Icapを減算し、キャパシタ電流偏差を求める。そして、減算器64は、キャパシタ電流偏差を電流制御器65に出力する。
電流制御器65は、減算器64からキャパシタ電流偏差を入力し、このキャパシタ電流偏差が0となるように、予め設定された比例ゲインKp及び積分ゲインKiのPI制御器による電流制御を行い、キャパシタ指令を生成し、キャパシタ指令を減算器67に出力する。このキャパシタ指令により、キャパシタ7に流れるキャパシタ電流Icapが制御され、キャパシタ電流Icapはキャパシタ電流指令Icap_refに一致するようになる。
減算器66は、電圧検出器15からキャパシタ電圧Vcapを入力すると共に、電圧検出器13からバス電圧Vdcを入力し、キャパシタ電圧Vcapからバス電圧Vdcを減算し、電圧差を減算器67に出力する。
ここで、キャパシタ電圧Vcapがバス電圧Vdcよりも小さい場合(Vcap<Vdc)、キャパシタ7は充電し、電源系統のエネルギーがキャパシタ7に蓄積される。キャパシタ電圧Vcapとバス電圧Vdcとが同一である場合(Vcap=Vdc)、キャパシタ7は満充電状態となる。キャパシタ電圧Vcapがバス電圧Vdcよりも大きい場合(Vcap>Vdc)、キャパシタ7は放電し、キャパシタ7のエネルギーが電源系統へ供給される。
減算器67は、電流制御器65からキャパシタ指令を入力すると共に、減算器66から電圧差を入力し、キャパシタ指令から電圧差を減算し、減算結果をキャパシタ電圧指令Vcap_refとしてDC/DCコンバータ4へ出力する。
図5に示すように、DC/DCコンバータ4は、PWM(パルス幅変調)器71を備えている。尚、DC/DCコンバータ4の構成図には、本発明に直接関連する構成部のみを示しており、直接関連しない構成部は省略してある。
PWM器71は、電力平準化装置1のキャパシタ制御部23からキャパシタ電圧指令Vcap_refを入力し、キャパシタ電圧指令Vcap_refに対し、パルス幅変調を行う。キャパシタ7は、PWM器71のパルス幅変調に応じた充放電を行う。また、キャパシタ電流Icapは、電流検出器16により検出され、キャパシタ制御部23へ入力される。図5に示すキャパシタ7において、1/LSはインピーダンスを示す。
〔動作〕
次に、図1に示した全体システムの動作について説明する。
(蓄電)
図3に示したとおり、電力平準化装置1のSynRM制御部21は、加算器39において、演算器31及びランプ器32にて生成したランプ後FW回転速度基本指令W_refに、エネルギー偏差に基づいて生成したドループ速度成分Δω(蓄電時にはプラスまたは0の値)を加算してFW回転速度指令Wfw_refを生成する。
ここで、FW6が電源系統のエネルギーを蓄積する場合には、FW回転速度WfwがFW回転速度指令Wfw_refよりも小さい、またはこれらが同じ値であるから、ドループ速度成分Δωはプラスまたは0の値となる。これにより、FW回転速度指令Wfw_refに基づいて、SynRM5及びFW6は一定速度で回転し、電源系統のエネルギーがFW6に蓄積されるようになる。
また、図5に示したとおり、電力平準化装置1のキャパシタ制御部23は、減算器67において、電流制御器65にて生成したキャパシタ指令から、キャパシタ電圧Vcapからバス電圧Vdcを減算した電圧差を減算し、キャパシタ電圧指令Vcap_refを生成する。
ここで、キャパシタ7の蓄電時には、キャパシタ電圧Vcapがバス電圧Vdcよりも小さいから(Vcap<Vdc)、減算器66の減算結果はマイナスの値となる。この場合、電流制御器65にて生成されるキャパシタ指令は電流制御のために用いられる。これにより、減算器67にて、プラスの値のキャパシタ電圧指令Vcap_refが生成され、キャパシタ7は充電し、電源系統のエネルギーがキャパシタ7に蓄積されるようになる。
(放電)
FW6が一定速度で回転し、かつキャパシタ7の充電が完了した状態において、負荷9が変動して連系点電圧Vが低下し、バス電圧Vdcも低下した場合を想定する。この場合、FW6からエネルギーが出力され、キャパシタ7の放電が行われる。具体的には、以下の動作にて、低速かつ大容量の電力変動に対し、FW6に蓄積されたエネルギーが電源系統へ供給され、高速かつ小容量の電力変動に対し、キャパシタ7に蓄積されたエネルギーが電源系統へ供給される。
図3に示したとおり、電力平準化装置1のSynRM制御部21は、ランプ後FW回転速度基本指令W_refにドループ速度成分Δωを加算した結果を、FW回転速度指令Wfw_refとして生成する。
ここで、負荷9が変動して連系点電圧Vが低下すると、図3に示した演算器31により生成されるFW回転速度基本指令Wfw_refbが小さくなり、ランプ後FW回転速度基本指令W_refも小さくなり、ランプ後FW回転速度基本指令W_refがFW回転速度Wfwよりも小さくなり、ドループ速度成分Δωはマイナスの値となる。これにより、FW回転速度指令Wfw_refが小さくなるから、FW6のエネルギーが電源系統へ供給されるようになる。したがって、連系点の電力を平準化させるためのFW6の回転数を調整することができる。
また、図5に示したとおり、電力平準化装置1のキャパシタ制御部23は、キャパシタ指令から、キャパシタ電圧Vcapからバス電圧Vdcを減算した電圧差を減算し、キャパシタ電圧指令Vcap_refを生成する。
ここで、負荷9が変動して連系点電圧Vが低下すると、バス電圧Vdcがバス電圧指令Vdc_refよりも小さくなる。そして、キャパシタ制御部23から出力されるキャパシタ電圧指令Vcap_refにより、Ecap=(1/2)×C×Vcap_ref 2のエネルギーがキャパシタ7から放出される。Cはキャパシタ7の容量を示す。
また、連系点電圧Vの低下に伴いバス電圧Vdcが低下すると、キャパシタ電圧Vcapがバス電圧Vdcよりも大きくなるから(Vcap>Vdc)、減算器66の減算結果はプラスの値となる。この場合、電流制御器65にて生成されるキャパシタ指令は電流制御のために用いられる。これにより、減算器67にて、マイナスの値のキャパシタ電圧指令Vcap_refが生成され、キャパシタ7は放電し、キャパシタ7のエネルギーが電源系統へ供給されるようになる。
以上のように、本発明の実施形態による電力平準化装置1によれば、SynRM制御部21の演算器31は、連系点電圧V、負荷電流IL、FW回転速度Wfw及びイナーシャJwに基づいてFW回転速度基本指令Wfw_refbを算出し、ランプ器32は、FW回転速度基本指令Wfw_refbに対してランプ処理を行い、ランプ後FW回転速度基本指令W_refを生成する。減算器37は、ランプ後FW回転速度基本指令W_refに基づいて算出したFW回転速度指令エネルギーW_ref 2から、FW回転速度Wfwに基づいて算出したFW回転速度フィードバックエネルギーWfw 2を減算し、エネルギー偏差を求め、エネルギーレギュレータ38は、エネルギー偏差に予め設定された比例ゲインKPを乗算し、ドループ速度成分Δωを求める。加算器39は、ランプ後FW回転速度基本指令W_refにドループ速度成分Δωを加算し、FW回転速度指令Wfw_refを生成する。このFW回転速度指令Wfw_refはSynRM駆動インバータ2へ出力される。
これにより、FW6に電源系統のエネルギーを蓄積する際には、FW回転速度指令Wfw_refに基づいて、FW6が一定速度で回転し、その状態を維持するようになる。一方、負荷9が変動して連系点電圧Vが低下すると、FW回転速度基本指令Wfw_refbが小さくなり、結果としてFW回転速度指令Wfw_refも小さくなるから、連系点電圧Vの低下分が反映されたFW回転速度指令Wfw_refに基づいて、FW6のエネルギーが電源系統へ供給されるようになる。
また、キャパシタ制御部23のLPF61は、制限後バス電流指令Idc_Lmtに対し、所定のローパスフィルタ処理を行い、低周波バス電流指令を出力し、リミッタ62は、低周波バス電流指令に対して所定範囲で制限を加え、減算器63は、制限後バス電流指令Idc_Lmtからリミッタ後の低周波バス電流指令を減算し、高周波成分が反映されたキャパシタ電流指令Icap_refを生成する。減算器64は、キャパシタ電流指令Icap_refからキャパシタ電流Icapを減算してキャパシタ電流偏差を求め、電流制御器65は、キャパシタ電流偏差が0となるように電流制御を行ってキャパシタ指令を生成する。減算器67は、キャパシタ指令から、キャパシタ電圧Vcapからバス電圧Vdcを減算した電圧差を減算し、キャパシタ電圧指令Vcap_refを生成する。このキャパシタ電圧指令Vcap_refはDC/DCコンバータ4へ出力される。
これにより、キャパシタ7の充電時には、キャパシタ電圧Vcapがバス電圧Vdcよりも小さいから(Vcap<Vdc)、キャパシタ電圧指令Vcap_refに基づいて、電源系統のエネルギーがキャパシタ7に蓄積されるようになる。一方、負荷9が変動して連系点電圧Vが低下すると、バス電圧Vdcが低下してキャパシタ電圧Vcapがバス電圧Vdcよりも大きくなるから(Vcap>Vdc)、連系点電圧Vの低下分が反映されたキャパシタ電圧指令Vcap_refに基づいて、キャパシタ7は放電し、キャパシタ7のエネルギーが電源系統へ供給されるようになる。
したがって、低速な負荷変動についてはFW6にて対応し、高速な負荷変動についてはキャパシタ7にて対応することで、これらの負荷変動を補償することができ、連系点の電力を平準化することができる。
1 電力平準化装置
2 SynRM(シンクロナスリラクタンスモータ)駆動インバータ
3 連系インバータ
4 DC/DCコンバータ
5 SynRM
6 FW(フライホイール)
7 キャパシタ
8 電源
9 負荷
11,13,15 電圧検出器
12,16 電流検出器
14 レゾルバ(回転角センサ)
21 SynRM制御部
22 バス電圧指令出力部
23 キャパシタ制御部
31 演算器
32 ランプ器
33,35 絶対値演算器
34,36 乗算器
37,40,51,63,64,66,67 減算器
38 エネルギーレギュレータ
39 加算器
41 速度制御器
52 電圧制御器
53,61 LPF(ローパスフィルタ)
54,62 リミッタ
65 電流制御器
71 PWM(パルス幅変調)器
dc_ref バス電圧指令
fw_ref FW回転速度指令
dc_Lmt 制限後バス電流指令
cap_ref キャパシタ電圧指令
fw_refb FW回転速度基本指令
_ref ランプ後FW回転速度基本指令
_ref 2 FW回転速度指令エネルギー
fw 2 FW回転速度フィードバックエネルギー
Δω ドループ速度成分
dc バス電流指令
cap_ref キャパシタ電流指令
V 連系点電圧
L 負荷電流
dc バス電圧
fw FW回転速度
fw_Hat FW回転速度推定値
cap キャパシタ電圧
cap キャパシタ電流

Claims (3)

  1. 電源系統の交流電力と直流バスの直流電力とを双方向に変換する連系インバータ、前記直流電力とFW(フライホイール)が連結されたSynRM(シンクロナスリラクタンスモータ)側の交流電力とを双方向に変換するSynRM駆動インバータ、及び前記直流電力とキャパシタ側の直流電力とを双方向に変換するDC/DCコンバータを用いて、前記電源系統の電力を平準化する電力平準化装置において、
    前記電源系統の所定の連系点にて検出された連系点電圧、前記電源系統に接続された負荷に流れる電流として検出された負荷電流、前記SynRMの速度として検出または推定された回転速度、及び前記FWの所定のイナーシャに基づいて、回転速度指令を生成し、当該回転速度指令を前記SynRM駆動インバータへ出力することで、前記電源系統のエネルギーを前記FWに蓄積し、または前記FWに蓄積した前記エネルギーを前記電源系統へ供給するSynRM制御部と、
    予め設定されたバス電圧指令を前記連系インバータへ出力することで、前記直流バスの電圧を前記予め設定されたバス電圧指令に一致させるバス電圧指令出力部と、
    前記予め設定されたバス電圧指令と、前記直流バスの電圧として検出されたバス電圧との間の偏差に基づいて生成されたバス電流指令、前記バス電圧、及び前記キャパシタに流れる電流として検出されたキャパシタ電流に基づいて、キャパシタ電圧指令を生成し、当該キャパシタ電圧指令を前記DC/DCコンバータへ出力することで、前記電源系統のエネルギーを前記キャパシタへ蓄積し、または前記キャパシタに蓄積した前記エネルギーを前記電源系統へ供給するキャパシタ制御部と、を備え、
    前記電源系統の電力の変動に伴って前記連系点電圧が低下し、前記バス電圧が低下した場合、前記SynRM制御部は、前記連系点電圧の低下分が反映された前記回転速度指令を生成し、前記キャパシタ制御部は、前記バス電圧の低下に伴い、前記バス電流指令に基づいて、前記電源系統における高周波成分の電力の変動を反映したキャパシタ電流指令を生成し、前記キャパシタ電流指令に基づいて、前記電源系統における高周波成分の電力の変動を反映した前記キャパシタ電圧指令を生成し、
    前記SynRM制御部により生成された前記回転速度指令に基づいて、前記FWに蓄積した前記エネルギーを前記電源系統へ供給し、前記キャパシタ制御部により生成された前記キャパシタ電圧指令に基づいて、前記キャパシタに蓄積した前記エネルギーを前記電源系統へ供給する、ことを特徴とする電力平準化装置。
  2. 請求項1に記載の電力平準化装置において、
    前記SynRM制御部は、
    前記連系点電圧及び前記負荷電流に基づいて有効電力の変動量を求め、当該有効電力の変動量、前記回転速度、及び前記イナーシャに基づいて回転速度基本指令を生成する演算器と、
    前記演算器により生成された前記回転速度基本指令に当該回転速度基本指令の絶対値を乗算し、回転速度指令エネルギーを求める第1の乗算器と、
    前記回転速度に当該回転速度の絶対値を乗算し、回転速度フィードバックエネルギーを求める第2の乗算器と、
    前記第1の乗算器により求めた前記回転速度指令エネルギーから、前記第2の乗算器により求めた前記回転速度フィードバックエネルギーを減算し、エネルギー偏差を求める第1の減算器と、
    前記第1の減算器により求めた前記エネルギー偏差に所定の比例ゲインを乗算し、ドループ速度成分を生成するエネルギーレギュレータと、
    前記演算器により生成された前記回転速度基本指令に、前記エネルギーレギュレータにより生成された前記ドループ速度成分を加算し、前記回転速度指令を求める加算器と、
    を備えたことを特徴とする電力平準化装置。
  3. 請求項1または2に記載の電力平準化装置において、
    前記キャパシタ制御部は、
    前記バス電流指令に対しローパスフィルタ処理を行い、低周波バス電流指令を生成するLPF(ローパスフィルタ)と、
    前記バス電流指令から、前記LPFにより生成された前記低周波バス電流指令を減算し、前記キャパシタ電流指令を求める第2の減算器と、
    前記第2の減算器により求めた前記キャパシタ電流指令から前記キャパシタ電流を減算し、電流偏差を求める第3の減算器と、
    前記第3の減算器により求めた前記電流偏差が0となるように、キャパシタ指令を生成する電流制御器と、
    前記キャパシタの電圧として検出されたキャパシタ電圧から前記バス電圧を減算し、電圧差を求める第4の減算器と、
    前記電流制御器により生成された前記キャパシタ指令から、前記第4の減算器により求めた前記電圧差を減算し、前記キャパシタ電圧指令を生成する第5の減算器と、
    を備えたことを特徴とする電力平準化装置。
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