JP6776978B2 - 全固体リチウムイオン二次電池用負極及びその負極を備える全固体リチウムイオン二次電池 - Google Patents

全固体リチウムイオン二次電池用負極及びその負極を備える全固体リチウムイオン二次電池 Download PDF

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Description

本開示は、全固体リチウムイオン二次電池用負極及びその負極を備える全固体リチウムイオン二次電池に関する。
Liと合金を形成することが可能な金属を含有する活物質(合金系活物質)は、炭素系の負極活物質と比較して体積当たりの理論容量が大きいことから、このような合金系活物質を負極に用いたリチウムイオン電池が提案されている。中でも、特に容量が大きいことから、Liと合金を形成することが可能な金属としてSi単体が注目されている。
特許文献1には、全固体電池が備える合金系活物質を含有する負極の体積変化を2.2倍以下とする全固体電池システムが開示されている。また、特許文献1の実施例にはSi粉末と硫化物固体電解質材料であるLiI−LiO−LiS−Pを含有する負極を用いて作製した電池が開示されている。
特開2014−086218号公報
しかしながら、本研究者らは、特許文献1で開示されているような、Liと合金を形成することが可能なSi元素を含有する負極活物質とLiI、LiS、Pを組成に含有する硫化物固体電解質材料を組み合わせて用いた負極を備える全固体リチウムイオン二次電池では、低い充電率における内部抵抗が大きく上昇することを知見した。
本開示は、上記実情に鑑み、低い充電率における内部抵抗の上昇が抑制された全固体リチウムイオン二次電池を得ることができる、Liと合金を形成することが可能なSi元素を含有する活物質と硫化物固体電解質を組み合わせて含有する負極を提供することを目的とする。
本開示の全固体リチウムイオン二次電池用負極は、負極活物質、及び、固体電解質を含有し、前記負極活物質は、Si合金系活物質を含み、前記固体電解質は、LiS−P−LiI−LiBr系硫化物固体電解質を含む。
本開示の全固体リチウムイオン二次電池は、前記負極、正極、並びに、当該負極及び当該正極の間に配置された固体電解質層を備える全固体リチウムイオン二次電池であって、前記固体電解質層がLiS−P−LiI−LiBr系硫化物固体電解質を含む。
本開示によれば、低い充電率における内部抵抗の上昇が抑制された全固体リチウムイオン二次電池を得ることができる、Si合金系活物質、並びに、硫化物固体電解質を組み合わせて含有する負極を提供することを目的とする。
全固体リチウムイオン二次電池の構成例の模式図である。
本開示の全固体リチウムイオン二次電池用負極は、負極活物質、及び、固体電解質を含有し、前記負極活物質は、Si合金系活物質を含み、前記固体電解質は、LiS−P−LiI−LiBr系硫化物固体電解質を含む。ここで、本開示において、Si合金系活物質とは、Liと合金を形成することが可能なSi元素を含有する活物質、すなわち、Si単体、及び、SiとLiとの合金からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む活物質をいう。
Si単体自体はイオン伝導性が低いことから、通常、Si合金系活物質を負極活物質として用いる場合には、負極中に負極活物質と共に固体電解質を含有させる。このような固体電解質の好適原料としては、Liイオン伝導度が高いこと等の理由から、LiS−P−LiI系の硫化物固体電解質が挙げられる。
しかし、本研究者らは、Si合金系活物質とLiS−P−LiI系硫化物固体電解質を組み合わせて用いた負極を備える全固体リチウムイオン二次電池では、炭素系の負極活物質とLiS−P−LiI系硫化物固体電解質を組み合わせて用いた負極を備える全固体リチウムイオン二次電池と比較すると、高い充電率における内部抵抗に対する低い充電率における内部抵抗の増加率が高いことを知見した。
Si合金系負極活物質とLiS−P−LiI系硫化物固体電解質を組み合わせて用いた負極を備える全固体リチウムイオン二次電池において、低い充電率における内部抵抗が増加する理由は明らかではないが、Si合金系活物質を用いた負極の放電曲線では、炭素系活物質を使用した負極と比較して、低い充電率における放電電位が約0.4V(vs Li/Li)高いことが、要因ではないかと推定している。
LiS−P−LiI系の硫化物固体電解質中のLiIはイオン結合が弱いことから、低い充電率における放電電位が高いSi合金系活物質を用いた負極では、高い電位において負極内部で酸化反応が生じやすいと考えられる。そのため、低い充電率における放電電位が高いSi合金系負極活物質を用いた負極では、この酸化反応により、負極及び全固体リチウムイオン二次電池の内部抵抗が大きく増加すると考えられる。
本開示の全固体リチウムイオン二次電池用負極及び全固体リチウムイオン二次電池では、LiIよりイオン結合が強いLiBrを含有するLiS−P−LiI−LiBr系硫化物固体電解質を使用することで、この酸化反応が抑制されるため、低い充電率における放電電位が高いSi合金系活物質を負極活物質として使用した場合であっても、低い充電率における負極及び全固体リチウムイオン二次電池の内部抵抗の上昇を抑制することができると考えられる。
以下、本開示の全固体リチウムイオン二次電池用負極及び全固体リチウムイオン二次電池について詳細に説明する。
1.全固体リチウムイオン二次電池用負極
本開示の全固体リチウムイオン二次電池用負極は、負極活物質、及び、固体電解質を含有する。
(負極活物質)
前記負極活物質は、Si合金系活物質を含む。上述のように、Si合金系活物質は、Si単体、及び、SiとLiとの合金からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む。
負極中の負極活物質の割合は、特に限定されるものではないが、放電状態において例えば40質量%以上であり、50質量%〜90質量%の範囲内であってもよく、50質量%〜70質量%の範囲内であってもよい。
前記Si合金系活物質の形状にも特に制限はなく、例えば、粒子状、膜状の形状等が挙げられる。
(固体電解質)
前記固体電解質は、LiS−P−LiI−LiBr系硫化物固体電解質を含む。
上述のように、LiIよりイオン結合が強いLiBrを含有するため、低い充電率における放電電位が高いSi合金系活物質を負極活物質として使用した場合であっても、低い充電率における内部抵抗の上昇を抑制することができる。
前記LiS−P−LiI−LiBr系硫化物固体電解質中の、LiSの含有量は、特に限定されるものではないが、例えば40〜80mol%の範囲内であってもよく、50〜75mol%の範囲内であってもよい。
前記LiS−P−LiI−LiBr系硫化物固体電解質中の、Pの含有量は、特に限定されるものではないが、例えば5〜30mol%の範囲内であってもよく、10〜25mol%の範囲内であってもよい。
前記LiS−P−LiI−LiBr系硫化物固体電解質中の、LiIの含有量は、特に限定されるものではないが、例えば1〜30mol%の範囲内であってもよく、5〜15mol%の範囲内であってもよい。
前記LiS−P−LiI−LiBr系硫化物固体電解質中の、LiBrの含有量は、特に限定されるものではないが、例えば1〜30mol%の範囲内であってもよく、5〜20mol%の範囲内であってもよい。
負極中の固体電解質の割合は、特に限定されるものではないが、例えば10質量%以上であり、20質量%〜50質量%の範囲内であってもよく、25質量%〜45質量%の範囲内であってもよい。
負極には上記成分以外に、導電材、結着剤などの他の成分が含まれていてもよい。
前記導電材は、負極中で、全固体リチウムイオン二次電池に使用できるものであれば、特に制限はない。例えば、前記導電材の原料は、アセチレンブラックやファーネスブラック等のカーボンブラック、カーボンナノチューブ、及び、カーボンナノファイバー等の炭素系素材、並びに、ニッケル、アルミニウム、及び、SUS等の金属を挙げることができる。
電子伝導性の観点から、カーボンナノチューブ、及び、カーボンナノファイバーからなる群より選ばれる少なくとも一種の炭素系素材であってもよく、当該カーボンナノチューブ、及び、カーボンナノファイバーはVGCF(気相法炭素繊維)であってもよい。
負極中の導電材の割合は、特に限定されるものではないが、例えば0.5質量%以上であり、0.5質量%〜15質量%の範囲内であってもよく、2質量%〜10質量%の範囲内であってもよい。
前記結着剤は、特に限定されるものではないが、ポリマー樹脂、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、ポリアミドイミド(PAI)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、及び、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、並びに、カルボキシメチルセルロース(CMC)等を用いることができる。
2.全固体リチウムイオン二次電池用負極の製造方法
本開示の全固体リチウムイオン二次電池用負極の製造方法は、通常、負極活物質原料としてSi単体、固体電解質原料としてLiS−P−LiI−LiBr系硫化物固体電解質を用いる。
Si単体、固体電解質、並びに、必要に応じ含有される導電材、及び、結着剤等の成分の原料としては、1−1.負極で例示したものと同様の原料を用いることができる。
前記負極を成形するための原料、すなわち負極用原料は、負極活物質、固体電解質、並びに必要に応じ含有される導電材、及び、結着剤等の原料以外の成分を含んでいてもよく、さらに、負極を成形する途中で除去される成分を含んでいてもよい。負極用原料中に含まれるが、負極を成形する途中で除去される成分としては、溶剤や除去可能な結着剤が挙げられる。除去可能な結着剤としては、負極を成形するときには結着剤として機能するが、負極を得る工程で焼成することにより分解又は揮散等して除去され、結着剤を含まない負極とすることができる、結着剤を用いることができる。
負極を成形する方法にも、特に制限はないが、例えば、負極用原料の粉末を圧縮成形する方法が挙げられる。負極用原料の粉末を圧縮成形する場合には、通常、400〜1000MPa程度のプレス圧を負荷する。また、ロールプレスを用いて成形する場合には、線圧を10〜100kN/cmとしてもよい。
また、除去可能な結着剤を含む負極用原料の粉末を圧縮成形した後、焼成することにより結着剤を除去する方法や、溶剤及び除去可能な結着剤を含む負極用原料の分散液を固体電解質材料部の上又は他の支持体の上に塗布、乾燥して負極の形状に成形した後、焼成することにより結着剤を除去する方法などが挙げられる。
このように得られた負極を全固体リチウムイオン二次電池に組み込んだ状態で、通電(充電)することにより、以下の式(1)に示す電気化学的合金化反応に従って、負極活物質原料であるSi単体が、SiとLiとの合金となる。
式(1) xLi + xe + ySi → LiSi
また、リチウムイオン二次電池の放電に伴い、負極では、下記式(2)に示すように、前記SiとLiとの合金からLiイオンが離脱してSi単体となる。
式(2) LiSi → xLi + xe + ySi
上述のように、Si合金系活物質として含有する負極では、上記式(2)の放電反応の末期において、電極電位が負極活物質としてカーボンを使用した場合より、約0.4V高くなるため、LiS−P−LiI系硫化物固体電解質を使用した場合には、負極内の内部抵抗が大きく上昇するという問題が生じる。本開示の負極では、LiIよりイオン結合が強いLiBrを含有するLiS−P−LiI−LiBr系硫化物固体電解質を用いることによって、負極内における酸化反応が抑制されるため、放電末期においても、負極内の内部抵抗の上昇を抑制することができると考えられる。
3.全固体リチウムイオン二次電池
本開示の全固体リチウムイオン二次電池は、前記負極、正極、並びに、当該負極、及び、当該正極の間に配置された固体電解質層を備える全固体リチウムイオン二次電池であって、前記固体電解質層がLiS−P−LiI−LiBr系硫化物固体電解質を含む。
本開示の全固体リチウムイオン二次電池は、前記負極及び前記固体電解質層において、LiIよりイオン結合が強いLiBrを含有するLiS−P−LiI−LiBr系硫化物固体電解質を用いることによって、負極と前記固体電解質層の界面付近においても、酸化反応を抑制することができるため、低い充電率における放電電位が高いSi合金系活物質を負極に用いた場合であっても、低い充電率における全固体リチウムイオン二次電池の内部抵抗の上昇を抑制することができると考えられる。
本開示の全固体リチウムイオン二次電池の構成例の模式図を、図1に示す。図1に示す例では、正極2、負極3、並びに、当該正極2及び当該負極3の間に配置される固体電解質層1を備え、正極−固体電解質層−負極集合体101として構成される。この正極−固体電解質層−負極集合体101は、正極、固体電解質層及び負極がこの順序で配列され、直接または他の材料からなる部分を介して接合していてもよく、さらに、正極上の固体電解質層が存在する位置とは反対側(正極の外方側)、及び、負極上の固体電解質層が存在する位置とは反対側(負極の外方側)のうちの片方又は両方の側に、他の材料からなる部分が接合していてもよい配列構造を有する各部の集合体である。
上記の正極−固体電解質層−負極集合体101に、集電体等の他の部材を取り付けることにより、全固体リチウムイオン二次電池の機能的単位であるセルが得られ、当該セルをそのまま全固体リチウムイオン二次電池として用いてもよいし、複数のセルを集積して電気的に接続することによりセル集合体として、本開示の全固体リチウムイオン二次電池として用いてもよい。
正極−固体電解質層−負極集合体の正極と負極それぞれの厚みは、通常0.1μm〜10mm程度であり、固体電解質層の厚みは、通常0.01μm〜1mm程度である。
以下、全固体リチウムイオン二次電池の各構成について説明するが、1.において本開示の負極に関して記載したため、ここでは、記載を省略する。
3−1.正極
前記正極は、全固体リチウムイオン二次電池の正極として機能するものであれば、特に制限はないが、通常、Liを含有する正極活物質を含み、必要に応じ、結着剤、固体電解質、及び導電材等の他の成分を含む。
本開示においてLiを含有する正極活物質は、Li元素を含む活物質であれば特に制限されるものではない。負極活物質との関係で電池化学反応上の正極活物質として機能し、Liイオンの移動を伴う電池化学反応を進行させる物質であれば、特に制限されず正極活物質として用いることができ、従来リチウムイオン電池の正極活物質として知られている物質も、本開示において用いることができる。
正極活物質の原料としては、全固体リチウムイオン二次電池に使用できるものであれば、特に制限はない。例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMn)、Li1+xNi1/3Mn1/3Co1/3、Li1+xMn2−x−y(MがAl、Mg、Co、Fe、Ni、Znから選ばれる1種以上の元素)で表される組成の異種元素置換Li−Mnスピネル、チタン酸リチウム(LiTiO)、リン酸金属リチウム(LiMPO、M=Fe、Mn、Co、Ni等)等を挙げることができる。
前記正極活物質は、リチウムイオン伝導性を有し、且つ、活物質や固体電解質と接触しても流動しない物質を含有する被覆層を有していてもよい。当該物質としては、例えば、LiNbO、LiTi12、LiPOが挙げられる。
前記正極活物質の形状は特に限定されないが、膜状であっても粒子状であってもよい。
正極中の正極活物質の割合は、特に限定されるものではないが、例えば50質量%以上であり、70質量%〜99.99質量%の範囲内であってもよく、90質量%〜99.9質量%の範囲内であってもよい。
正極で使用される固体電解質の原料は、全固体リチウムイオン二次電池に使用できるものであれば、特に制限はないが、Liイオンの伝導度が高い酸化物系非晶質固体電解質、硫化物系非晶質固体電解質、結晶質酸化物・窒化物等が好ましく用いられる。
前記酸化物系非晶質固体電解質としては、例えばLiO−B−P、LiO−SiO等が挙げられ、前記硫化物系非晶質固体電解質としては、例えば、LiS−SiS、LiI−LiS−SiS、LiI−LiS−P、LiI−LiPO−P、LiS−P、及び、LiS−P−LiI−LiBr等が挙げられる。また、前記結晶質酸化物・窒化物等としては、LiI、LiN、LiLaTa12、LiLaZr12、LiBaLaTa12、及び、LiPO(4−3/2w)w(w<1)、Li3.6Si0.60.4等が挙げられる。
正極で使用される導電材、結着剤の原料としては、負極で使用する材料と同様のものを用いることができる。
3−2.固体電解質層
前記固体電解質層は、LiS−P−LiI−LiBr系硫化物固体電解質を含む。
上述のように、前記固体電解質層がLiS−P−LiI−LiBr系硫化物固体電解質を用いるため、低い充電率における放電電位が高いSi合金系活物質を負極で使用した場合であっても、低い充電率における全固体リチウムイオン二次電池の内部抵抗の上昇を抑制することができる。
固体電解質層が含有するLiS−P−LiI−LiBr系硫化物固体電解質は、負極で使用するLiS−P−LiI−LiBr系硫化物固体電解質と同様のものを用いることができる。
前記固体電解質層は、LiS−P−LiI−LiBr系硫化物固体電解質を含むものであって、全固体リチウム二次電池の固体電解質層として機能するものであれば、特に制限はなく、必要に応じ、結着剤等の他の成分を含むものであってもよい。
固体電解質、結着剤の原料としては、負極で使用する材料と同様のものを用いることができる。
固体電解質層中の固体電解質原料の割合は、特に限定されるものではないが、例えば50質量%以上であり、70質量%〜99.99質量%の範囲内であってもよく、90質量%〜99.9質量%の範囲内であってもよい。
4.全固体リチウムイオン二次電池の製造方法
本開示の全固体リチウムイオン二次電池の製造方法は、本開示の全固体リチウムイオン二次電池が製造できる方法であれば、特に制限はない。以下、各構成の製造方法について説明するが、本開示の負極の製造方法については、2.に記載したため、ここでは記載を省略する。
4−1.正極の製造
正極を得るための正極活物質、結着剤、導電材、固体電解質等の他の原料としては、3−1.正極で例示したものと同様の原料を用いることができる。
正極を成形するための原料、すなわち正極用原料は、さらに、正極を成形する途中で除去される成分を含んでいてもよい。
正極を成形する方法にも特に制限はないが、負極を成形する方法と同様の方法が挙げられる。
4−2.固体電解質層の製造
固体電解質層を得るための原料としては、3−2.固体電解質層で例示したものと同様の原料を用いることができる。
固体電解質層用原料中の固体電解質の割合は、特に限定されるものではないが、例えば50質量%以上であり、70質量%〜99.99質量%の範囲内であってもよく、90重量%〜99.9質量%の範囲内であってもよい。
固体電解質層用原料に含まれる他の成分も、3−2.固体電解質層で例示したものと同様の材料を用いることができる。
固体電解質層を成形する方法としては、固体電解質層用原料及び必要に応じ他の成分を含む固体電解質の粉末を圧縮成形する方法が挙げられる。固体電解質の粉末を圧縮成形する場合には、通常、負極用原料の粉末を圧縮成形する場合と同様に、400〜1000MPa程度のプレス圧を負荷する。また、ロールプレスを用いて成形する場合には、線圧を1〜100kN/cmとしてもよい。
また、他の方法としては、固体電解質及び必要に応じ他の成分を含有する固体電解質層用原料の溶液又は分散液を用いたキャスト成膜法などが挙げられる。
4−3.正極−固体電解質層−負極集合体の製造
正極−固体電解質層−負極集合体を製造する方法は、特に限定されるものではなく、例えば、粉体圧縮成形の圧縮シリンダ内に、負極用原料の粉末を投入し均一な厚みに堆積して負極用原料粉末層を成形し、その負極用原料粉体堆積層の上に、固体電解質粉末及び必要に応じ他の成分を含む固体電解質層用原料の粉末を投入し均一な厚みに堆積して固体電解質層用原料粉末層を成形し、その固体電解質層用原料粉末層の上に、Liを含有する正極活物質を含む正極用原料の粉末を投入し均一な厚みに堆積して正極用原料粉末層を成形した後、このようにして成形された3層の粉末堆積層を有する粉末堆積体を一度に圧縮成形することにより、正極−固体電解質層−負極集合体を作製してもよい。
また、上述のように、固体電解質層、負極、及び、正極は、粉体圧縮成形以外の手法で作製してもよい。その場合、負極及び正極は、固体電解質層上に直接成形してもよいし、固体電解質層以外の集電体等の支持体上に成形してから固体電解質層と接合してもよい。集電体ではない支持体上に成形する場合、当該支持体から負極及び正極を剥離し、剥離した負極又は正極を、固体電解質層の上に接合してもよい。
1.全固体リチウムイオン二次電池の作製
[実施例1]
(1)負極の作製
固体電解質原料である15LiBr−10LiI−75(75LiS−25P)系硫化物固体電解質1552mg、負極活物質原料であるSi単体粒子2000mg、及び、導電材であるVGCF80mg、をポリプロピレン製容器に添加した。当該容器を超音波分散装置(商品名:UH−50、エムエムテー製)中で30秒間超音波処理後、振とう器を用いて30分間浸透処理することで、負極用原料ペーストを調製した。
このように準備した負極用原料ペーストを、アプリケーターを使用するブレード法により、集電体であるCu箔上に塗工し、100℃に調整したホットプレート上で30分間乾燥することにより実施例1の負極を得た。
(2)正極の作製
固体電解質原料である15LiBr−10LiI−75(75LiS−25P)系硫化物固体電解質317mg、正極活物質原料であるニオブ酸リチウムでコーティングされたLiNi1/3Co1/3Mn1/3粒子2000mg、及び、導電材であるVGCF30mg、をポリプロピレン製容器に添加した。当該容器を超音波分散装置中で30秒間超音波処理後、振とう器を用いて30分間浸透処理することで、正極用原料ペーストを調製した。
このように準備した正極用原料ペーストを、アプリケーターを使用するブレード法により、集電体であるAl箔上に塗工し、100℃に調整したホットプレート上で30分間乾燥することにより正極を得た。
(3)固体電解質層の作製
固体電解質原料である15LiBr−10LiI−75(75LiS−25P)系硫化物固体電解質600mg及び、ヘプタン、をポリプロピレン製容器に添加した。当該容器を超音波分散装置中で30秒間超音波処理後、振とう器を用いて30分間浸透処理することで、固体電解質層用原料ペーストを調製した。
このように準備した固体電解質層用原料ペーストを、アプリケーターを使用するブレード法により、基盤であるAl箔上に塗工し、100℃に調整したホットプレート上で30分間乾燥することにより固体電解質層を得た。同様の方法で固体電解質層を合計3枚準備した。
(4)電池の作製
(2)及び(3)で得られた正極と固体電解質層が接するように、正極と固体電解質層を積層した。この集電体―正極―固体電解質層―アルミニウム箔積層体に対して、ロールプレスを用いて50kN/cmの圧力を印加後、固体電解質層の基盤として使用したアルミニウム箔を剥がして、集電体―正極―固体電解質層積層体を得た。
また、(1)及び(3)で得られた負極と固体電解質層が接するように、負極と固体電解質層を積層した。この集電体―負極―固体電解質層―アルミニウム箔積層体に対して、ロールプレスを用いて50kN/cmの圧力を印加後、固体電解質層の基盤として使用したアルミニウム箔を剥がして、集電体―負極―固体電解質層積層体を得た。
このように得られた集電体―負極―固体電解質層積層体の固体電解質層上に(3)で得られた固体電解質層を積層した状態で、仮プレスを行い、固体電解質層の基盤として使用したアルミニウム箔を剥がして、集電体―負極―固体電解質層―固体電解質層積層体を得た。
このように得られた集電体―負極―固体電解質層―固体電解質層積層体の固体電解質層と上述の集電体―正極―固体電解質層積層体の固体電解質層が接するように積層した状態で、20MPaの圧力を印加して、実施例1の全固体リチウムイオン二次電池セルを得た。
得られた実施例1のセルに対して、拘束治具を設置して20MPaの拘束圧を印加した状態で、後述の評価を行った。
[比較例1]
実施例1において使用した固体電解質原料を、LiBrを含有しない、20LiI−75(75LiS−25P)の組成で表される硫化物固体電解質粒子に変更したこと以外は、実施例1と同様に比較例1の負極及びの全固体リチウムイオン二次電池セルを得た。
[参考例1]
実施例1の負極において負極活物質原料として使用したSi単体を、炭素系の負極活物質原料である天然黒鉛粒子2000mgに、硫化物固体電解質粒子量を1339mgに変更し、VGCFを使用しなかったこと以外は、実施例1と同様に参考例1の負極及びの全固体リチウムイオン二次電池セルを得た。
[参考例2]
比較例1の負極において負極活物質原料として使用したSi単体を、炭素系の負極活物質原料である天然黒鉛粒子2000mgに、硫化物固体電解質粒子量を1339mgに変更し、VGCFを使用しなかったこと以外は、比較例1と同様に参考例2の負極及びの全固体リチウムイオン二次電池セルを得た。
2.直流法による内部抵抗の測定
実施例1、比較例1、参考例1及び参考例2の全固体リチウムイオン二次電池に対して、10時間率(0.1C)で、所定の電圧まで定電圧−定電流の条件で通電して充電し、同一条件で所定の電圧まで放電を行った。
次に、3時間率(1/3C)で、所定の電圧まで定電圧−定電流の条件で通電して充電し、同一条件で所定の電圧まで放電を行った。
この状態で、3時間率(1/3C)で、所定の電圧まで定電圧−定電流の条件で通電して充電された実施例1、比較例1、参考例1及び参考例2の全固体リチウムイオン二次電池を、3時間率(1/3C)で放電し、放電電圧が3.91V(高充電率条件)及び放電電圧が3.35V(低充電率条件)における直流式の内部抵抗を、TOSCAT(;商品名、東洋システム社製)を用いて測定した。
上述のように測定された抵抗値から、下記式(3)により高い充電率の内部抵抗に対する低い充電率の内部抵抗の抵抗増加率を求めた。
式(3) 抵抗増加率(%)=内部抵抗(3.35V)/内部抵抗(3.91V)×100
3.結果
表1に、結果を示す。なお、表1において比抵抗増加率とは、実施例1及び比較例1においては、比較例1の抵抗増加率を100%とした場合の比抵抗増加率(%)を示し、参考例1及び参考例2においては、参考例2の抵抗増加率を100%とした場合の比抵抗増加率(%)を示す。
表1に示すように、負極活物質原料として炭素素材である天然黒鉛を使用した参考例1及び参考例2の電池を比較すると、使用する硫化物固体電解質の組成は、低い充電率における内部抵抗の増加に影響しなかった。
これに対して、負極活物質原料としてSi単体を使用した実施例1及び比較例1の電池を比較すると、LiS−P−LiI−LiBr系硫化物固体電解質を使用した実施例1の電池では比抵抗増加率が93.3%であり、LiS−P−LiI系硫化物固体電解質を使用した比較例1の電池よりも、低い充電率における内部抵抗の増加が抑制されていることが明らかとなった。
以上の結果より、負極活物質、及び、固体電解質を含有し、前記負極活物質は、Si合金系活物質を含み、前記固体電解質は、LiS−P−LiI−LiBr系硫化物固体電解質を含む負極及び、当該負極、LiS−P−LiI−LiBr系硫化物固体電解質を含む固体電解質層を備える全固体リチウムイオン二次電池では、低い充電率における内部抵抗の上昇が抑制されることが明らかとなった。
1 固体電解質層
2 正極
3 負極
101 正極−固体電解質層−負極集合体

Claims (2)

  1. 全固体リチウムイオン二次電池用負極であって、
    前記負極は、負極活物質、及び、固体電解質を含有し、
    前記負極活物質は、Si合金系活物質を含み、
    前記固体電解質は、LiS−P−LiI−LiBr系硫化物固体電解質を含む全固体リチウムイオン二次電池用負極。
  2. 請求項1に記載の負極、正極、並びに、当該負極及び当該正極の間に配置された固体電解質層を備える全固体リチウムイオン二次電池であって、
    前記固体電解質層がLiS−P−LiI−LiBr系硫化物固体電解質を含む全固体リチウムイオン二次電池。
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