JP2023002176A - 全固体電池の製造方法 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023002176000001
【課題】析出型のリチウム負極を有するとともに抵抗が低減された全固体電池の製造方法を提供する。
【解決手段】正極集電体と正極活物質層と固体電解質層と負極集電体とがこの順に積層された積層体を準備すること、前記積層体に対して積層方向に圧力Pを加えること、前記圧力Pが加えられた前記積層体に対して充電を行い、前記固体電解質層と前記負極集電体との間に金属リチウムを析出させること、及び、前記充電中又は前記充電後の前記積層体に対して積層方向に圧力Pを加えること、を含み、前記圧力Pは、前記金属リチウムが座屈する圧力であり、且つ、前記圧力Pよりも低い、全固体電池の製造方法。
【選択図】図1

Description

本願は全固体電池の製造方法を開示する。
特許文献1には、正極集電体と正極活物質層とセパレータと負極集電体とをこの順に有し、前記正極活物質層がリチウム化合物を含有し、前記セパレータおよび前記正極活物質層の内部に電解液が存在し、且つ、負極活物質層を備えていない、リチウム金属電池前駆体が開示されている。特許文献1に開示された前駆体は、電圧が印加されて充電されることにより負極集電体上に負極活物質としてのリチウムが析出し、電解液系のリチウムイオン二次電池となり得る。特許文献2には、リチウムイオン二次電池の製造方法において、負極と正極とを有するセルを加圧しながら負極へのリチウムプレドープを行うこと、及び、セルを加圧しながら初回充電を行うことが開示されている。特許文献3には、全固体リチウム二次電池の製造方法において、初回充放電後に電池を加圧することが開示されている。
特開2016-122528号公報 特開2016-110777号公報 特開2010-238484号公報
本発明者の新たな知見によれば、特許文献1に開示されたような析出型のリチウム負極を利用して全固体電池を製造した場合、全固体電池の抵抗が高くなり易いという問題がある。
本願は上記課題を解決するための手段の一つとして、
正極集電体と正極活物質層と固体電解質層と負極集電体とがこの順に積層された積層体を準備すること、
前記積層体に対して積層方向に圧力Pを加えること、
前記圧力Pが加えられた後の前記積層体に対して充電を行い、前記固体電解質層と前記負極集電体との間に金属リチウムを析出させること、及び、
前記充電中又は前記充電後の前記積層体に対して積層方向に圧力Pを加えること、
を含み、
前記圧力Pは、前記金属リチウムが座屈する圧力であり、且つ、前記圧力Pよりも低い、
全固体電池の製造方法
を開示する。
本開示の製造方法においては、前記圧力Pが0.4MPa以上であってもよい。
本開示の製造方法においては、前記圧力Pが5MPa以下であってもよい。
本開示の製造方法においては、前記圧力Pが100MPa以上であってもよい。
本開示の製造方法においては、前記固体電解質層が無機固体電解質を含むものであってもよい。
本開示の方法によれば、析出型のリチウム負極を有し、抵抗の低い全固体電池を製造することができる。
全固体電池の製造方法の流れの一例を示している。 全固体電池の製造方法の流れの一例を示している。 析出型のリチウム負極の表面状態を示している。(A)が圧力Pを加える前の表面状態、(B)が圧力Pを加えた後の表面状態である。 比較例に係る全固体電池の抵抗と実施例に係る全固体電池の抵抗とを比較した結果を示している。
図1及び図2(A)~(D)に示されるように、実施形態に係る全固体電池の製造方法S10は、正極集電体11と正極活物質層13と固体電解質層15と負極集電体19とがこの順に積層された積層体20を準備すること(工程S1)、前記積層体20に対して積層方向に圧力Pを加えること(工程S2)、前記圧力Pが加えられた後の前記積層体20に対して充電を行い、前記固体電解質層15と前記負極集電体19との間に金属リチウム17を析出させること(工程S3)、及び、前記充電中又は前記充電後の前記積層体20に対して積層方向に圧力Pを加えること(工程S4)、を含む。ここで、前記圧力Pは、前記金属リチウム17が座屈する圧力であり、且つ、前記圧力Pよりも低い。
1.工程S1
図1及び図2(A)に示されるように、工程S1においては、正極集電体11と正極活物質層13と固体電解質層15と負極集電体19とがこの順に積層された積層体20を準備する。
1.1 正極集電体及び負極集電体
正極集電体11及び負極集電体19は、全固体電池の集電体として一般的なものをいずれも採用可能である。正極集電体11及び負極集電体19は、各々、金属箔又は金属メッシュであってもよい。特に、金属箔が取扱い性等に優れる。正極集電体11及び負極集電体19は、各々、複数枚の金属箔からなっていてもよい。正極集電体11及び負極集電体19を構成する金属としては、Cu、Ni、Cr、Au、Pt、Ag、Al、Fe、Ti、Zn、Co、ステンレス鋼等が挙げられる。特に、酸化耐性を確保する観点から、正極集電体11がAlを含むものであってもよく、また、還元耐性を確保する観点及びリチウムと合金化し難い観点から、負極集電体19がCuを含むものであってもよい。正極集電体11及び負極集電体19は、その表面に、抵抗を調整すること等を目的として、何らかのコート層を有していてもよい。また、正極集電体11及び負極集電体19が複数枚の金属箔からなる場合、当該複数枚の金属箔間に何らかの層を有していてもよい。正極集電体11及び負極集電体19の厚みは特に限定されるものではない。例えば、0.1μm以上又は1μm以上であってもよく、1mm以下又は100μm以下であってもよい。
1.2 正極活物質層
正極活物質層13は、少なくとも正極活物質を含み得る。正極活物質層13は、正極活物質に加えて、さらに任意に固体電解質、バインダー及び導電助剤等を含んでいてもよい。正極活物質としてはリチウムイオン電池の正極活物質として公知のものであって、充電時に負極側にリチウムを供給可能なものを用いればよい。例えば、正極活物質としてコバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、マンガン酸リチウム、スピネル系リチウム化合物等の各種のリチウム含有複合酸化物を用いることができる。正極活物質と固体電解質との接触による反応を抑制するために、正極活物質の表面にニオブ酸リチウム層やチタン酸リチウム層やリン酸リチウム層等の被覆層が設けられていてもよい。正極活物質は、例えば、粒子状であってもよく、その大きさは特に限定されるものではない。固体電解質は、有機固体電解質(ポリマー固体電解質)及び無機固体電解質のいずれであってもよい。特に、無機固体電解質は、有機ポリマー電解質と比較してイオン伝導度が高く、また、有機ポリマー電解質と比較して耐熱性に優れる。さらに、有機ポリマー電解質と比較して剛性が高い。無機固体電解質としては、例えば、ランタンジルコン酸リチウム、LiPON、Li1+XAlGe2-X(PO、Li-SiO系ガラス、Li-Al-S-O系ガラス等の酸化物固体電解質;LiS-P、LiS-SiS、LiI-LiS-SiS、LiI-SiS-P、LiS-P-LiI-LiBr、LiI-LiS-P、LiI-LiS-P、LiI-LiPO-P、LiS-P-GeS等の硫化物固体電解質を例示することができる。中でも、硫化物固体電解質、特にLiS-Pを含む硫化物固体電解質の性能が高い。固体電解質は、例えば、粒子状であってもよく、その大きさは特に限定されるものではない。バインダーとしては、例えば、ブタジエンゴム(BR)系バインダー、ブチレンゴム(IIR)系バインダー、スチレンブタジエンゴム(SBR)系バインダー、アクリレートブタジエンゴム(ABR)系バインダー、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)系バインダー、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)系バインダー等が挙げられる。導電助剤としては、アセチレンブラックやケッチェンブラック等の炭素材料やニッケル、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属材料が挙げられる。導電助剤は、例えば、粒子状又は繊維状であってもよく、その大きさは特に限定されるものではない。正極活物質層13における各成分の含有量は従来と同様とすればよい。正極活物質層13の形状も従来と同様とすればよい。積層体20をより容易に構成できる観点から、シート状の正極活物質層13であってもよい。正極活物質層13の厚みは、特に限定されるものではない。例えば、0.1μm以上2mm以下であってもよい。下限は1μm以上であってもよく、上限は1mm以下であってもよい。
1.3 固体電解質層
固体電解質層15は、少なくとも固体電解質を含み得る。固体電解質層15は、固体電解質に加えて、任意にバインダー等を含んでいてもよい。固体電解質については上述した通りである。特に、固体電解質層15が無機固体電解質を含む場合、固体電解質層15の剛性が高まり、積層体20に加えられる圧力Pが大きい場合においても金属リチウム17が固体電解質層を貫通することが防止され易い。バインダーは正極活物質層13に用いられるバインダーとして例示されたものから適宜選択して用いることができる。固体電解質層15における各成分の含有量は従来と同様とすればよい。固体電解質層15の形状も従来と同様とすればよい。積層体20をより容易に構成できる観点から、シート状の固体電解質層15であってもよい。固体電解質層15の厚みは、例えば、0.1μm以上2mm以下であってもよい。下限は1μm以上であってもよく、上限は1mm以下であってもよい。
1.4 積層体
積層体20は、上述した正極集電体11と正極活物質層13と固体電解質層15と負極集電体19とがこの順に積層されるように、上述した各材料を塗工したり、転写したりすること等によって成形及び積層することで、容易に得られる。積層体20は、正極集電体11と正極活物質層13と固体電解質層15と負極集電体19とを、各々、少なくとも1つずつ含めばよい。すなわち、積層体20は、上述した正極集電体11と正極活物質層13と固体電解質層15と負極集電体19との積層単位を少なくとも1つ有するものであればよく、当該積層単位を複数備えていてもよい。この場合、複数の積層単位が互いに電気的に直列に接続されていてもよいし、並列に接続されていてもよいし、電気的に接続されていなくてもよい。また、積層体20は上記以外の層を含むものであってもよい。
2.工程S2
図1及び図2(B)に示されるように、工程S2においては、工程S1を経て準備された積層体20に対して、積層方向に圧力Pを加える。工程S2は、例えば、積層体20を構成する各層をプレスして一体化することを目的とするものであってもよいし、積層体20を構成する各層の隙間を解消して界面抵抗を低下させることを目的とするものであってもよい。
工程S2においては、公知の方法によって積層体20を加圧すればよい。例えば、CIP、HIP、ロールプレス、一軸プレス、金型プレス等の種々の加圧方法によって積層体20を積層方向に加圧することができる。特にCIPやHIPのような方圧プレスにて積層体20を加圧した場合、積層体20の積層面をより均一に加圧し易いものと考えられる。
工程S2において、積層体20へと加えられる圧力Pは、後述する圧力Pよりも大きい。圧力Pの大きさは、目的とする電池の性能に応じて適宜決定され得る。例えば、積層体20に含まれる固体電解質を塑性変形させて上述の一体化や隙間の解消を容易に行い得る観点から、圧力Pは100MPa以上、150MPa以上、200MPa以上、300MPa以上又は350MPa以上であってもよい。圧力Pの上限は特に限定されない。工程S2において、積層体20の加圧時間や加圧温度は特に限定されるものではない。
尚、工程S2及び後述の工程S4において、「積層体に対して積層方向に圧力を加える」とは、積層体に対して少なくとも積層方向に圧力P又はPを加えることを意味し、積層方向への圧力P又はPとともに、積層方向以外の方向への圧力が含まれていてもよい。
3.工程S3
図1及び図2(C)に示されるように、工程S3においては、圧力Pが加えられた後の積層体20に対して充電を行い、固体電解質層15と負極集電体19との間に金属リチウム17を析出させる。全固体電池100において、当該金属リチウム17は負極活物質として機能し得る。工程S3における充電は、積層体20を準備した後の1回目の充電であってもよいし、2回目以降の充電であってもよい。
工程S3において、積層体20は一般的な電池の充電方法と同様の方法によって充電されればよい。すなわち、積層体20の正極集電体11及び負極集電体19に外部電源を接続して充電を行えばよい。積層体20を充電することで、図2(C)において下向き矢印で示されるように、正極活物質層13に含まれる正極活物質から固体電解質層15を介して負極集電体19の表面へとリチウムイオンが伝導し、負極集電体19の表面において当該リチウムイオンが電子を受け取って金属リチウム17となって析出する。この時、金属リチウム17は、図2(C)に示されるように、負極集電体19の表面において不均一に析出する。工程S3において金属リチウム17が不均一に析出するのは、電解質層が固体電解質で構成されることが一因と考えられる。具体的には、固体電解質層15と負極集電体19とが固-固界面で接触して、金属リチウム17の析出起点が不均一に生じるためと考えられる。この点、金属リチウム17の析出が不均一となって電池抵抗が増大するという課題は、全固体電池において特有に生じるものと考えられる。
工程S3において、充電電圧は特に限定されるものではなく、目的とする電池の性能に応じて適宜決定され得る。特に、SOCが高くなるほど、析出する金属リチウム17の量が多くなり、後述する工程S4において金属リチウム17を負極集電体19の表面において均一化し易い。ただし、析出する金属リチウム17の量が多過ぎると、析出する金属リチウム17の柱(図3(A)参照)が大きくなり過ぎて、プレス圧力の集中等が懸念される。この点、充電容量は、例えば、1mAh/cm以上3mAh/cm以下であってもよい。
4.工程S4
図1及び図2(D)に示されるように、工程S4においては、工程S3における充電中又は工程S3の充電後の積層体20に対して積層方向に圧力Pを加える。工程S4における圧力Pは、金属リチウム17が座屈する圧力であり、且つ、圧力Pよりも低い。これにより、工程S3において負極集電体19の表面に不均一に析出した金属リチウム17を負極集電体19の表面において延展させることができ、負極集電体19の表面において金属リチウム17を均すことができる。結果として、負極集電体19の表面に隙間の少ない金属リチウム17の層(負極活物質層)が形成され、固体電解質層15と金属リチウム17の層との接触状態、金属リチウム17同士の接触状態、金属リチウム17と負極集電体19との接触状態が良好なものとなり易く、全固体電池の抵抗を低下させることができる。上述したように、金属リチウム17の不均一析出によって電池抵抗が増大することは、全固体電池における特有の課題と考えられるところ、製造方法S10は、工程S1~S4を備えることで当該課題を解決するものといえる。
工程S4においては、公知の方法によって積層体20を加圧すればよい。工程S4における加圧は金属リチウム17を座屈させ得る程度の軽度なものであればよく、様々な加圧方法を採用可能である。例えば、CIP、ロールプレス、一軸プレス、金型プレス等の種々の方法によって積層体20を積層方向に加圧することができる。特に、CIPやHIPのような方圧プレスにて積層体20を加圧した場合、積層体20の積層面をより均一に加圧し易く、金属リチウム17を負極集電体19の表面全体に均し易いものと考えられる。工程S3と工程S4とを同時に行う場合は、加圧とともに充電が可能な方法を採用すればよい。
工程S4において、積層体20へと加えられる圧力Pは、金属リチウム17が座屈する圧力である。「金属リチウムが座屈する」とは、固体電解質層15と負極集電体19との間において、金属リチウム17が負極集電体19の表面に沿った方向へと変形・延展することを意味する。本発明者の知見によれば、例えば、圧力Pが0.4MPa以上である場合、金属リチウム17が容易に座屈して負極集電体19の表面において均一化され易い。圧力Pが高いほど、負極集電体19の表面において金属リチウム17が均一化され易く、この点、圧力Pは1MPa以上であってもよい。一方、圧力Pがあまりに高過ぎる場合、金属リチウム17が固体電解質層15の隙間に入り込んで、固体電解質層15を通過する虞がある。圧力Pが圧力Pよりも低いことで、このような問題が回避され易くなる。圧力Pは、例えば、100MPa以下、50MPa以下、10MPa以下又は5MPa以下であってもよい。
工程S4を行うタイミングは、上述の通り、工程S3における充電中又は充電後である。「充電中又は充電後」とは「充電中及び充電後」を含む概念である。すなわち、工程S3において積層体20の充電によって固体電解質層15と負極集電体19との間に金属リチウム17を析出させると同時に当該金属リチウム17を加圧して均一化してもよいし、工程S3において金属リチウム17を析出させた後に当該金属リチウム17を加圧して均一化してもよいし、工程S3における充電中から工程S3の充電後に亘って金属リチウム17を加圧して均一化してもよい。工程S2において、積層体20の加圧時間や加圧温度は特に限定されるものではない。工程S4における加圧は連続的であってもよいし、断続的であってもよい。
5.その他の工程
図2(E)に示されるように、工程S1~S4を経ることで、正極集電体11、正極活物質層13、固体電解質層15、金属リチウム17の層(負極活物質層)、及び、負極集電体19をこの順に有する全固体電池100が得られる。製造方法S10は、上述した工程S1~S4以外に、全固体電池を製造するための一般的な工程を含んでいてもよい。例えば、積層体20をラミネートフィルム等の外装体の内部に収容する工程や、積層体20に集電タブを接続する工程等である。積層体20を外装体に収容する工程や積層体20に集電タブを接続する工程は、上記工程S2の前であっても、上記工程S2の後であってもよい。例えば、積層体20の集電体11、19に集電タブを接続(集電体11、19の一部を突出させて、これをタブとしても用いてもよい)したうえで、当該積層体20を外装体としてのラミネートフィルム内に収容する一方で、ラミネートフィルムの外部にタブを引き出した状態で、ラミネートフィルムを封止し、その後、ラミネートフィルム外から圧力P1にて積層体20に対して積層方向に圧力を加え、さらにその後、ラミネートフィルム外のタブを介して積層体20の充電を行ってもよい。
以上の通り、製造方法S10によれば、析出型のリチウム負極を有する全固体電池100を製造することができる。ここで、製造方法S10においては、充電中又は充電後の積層体20が圧力Pにて加圧されることで、金属リチウム17の隙間が低減されることから、固体電解質層15と金属リチウム17との接触状態、金属リチウム17同士の接触状態、金属リチウム17と負極集電体19との接触状態が良好となり易く、結果として全固体電池100の抵抗が低減され易い。
以下、実施例を示しつつ、本開示の方法についてさらに詳細に説明するが、本開示の方法は以下の実施例に限定されるものではない。
1.実施例
1.1 正極合剤の作製
正極活物質(LiNi1/3Co1/3Mn1/3)と、固体電解質(LiI-LiBr-LiS-P)と、導電助剤(VGCF)と、バインダー(ABR)とを所定の比率で混合して正極合剤を得た。
1.2 電解質合剤の作製
固体電解質(LiI-LiBr-LiS-P)と、バインダー(ABR)とを所定の比率で混合して電解質合剤を得た。
1.3 積層体の準備
正極集電体(アルミニウム箔)と、上記の正極合剤により得られる正極活物質層と、電解質合剤により得られる固体電解質層と、負極集電体(銅箔)とを用いて、図2(A)に示される構成を有する積層体を作製した。また、積層体の側面において、各集電体に接続されたタブを突出させた。作製した積層体を外装体としてのラミネートフィルム内に封止した。ここで、タブの一部は、シール材を介して、ラミネートフィルムの外部に引き出されるようにした。
1.4 積層体の加圧(充電前)
準備した積層体に対して、冷間静水圧(CIP)を用いて、積層方向に392MPaの圧力Pを加え、ラミネートセル化した。
1.5 積層体の充電
圧力Pにて加圧後の積層体のタブを充放電装置に接続し、25℃にて、0.1Cで4Vまで充電を行った。充電により、固体電解質層と負極集電体との間に金属リチウムが析出した。
1.6 積層体の加圧(充電後)
充電後の積層体に対し、一軸プレスを用いて、積層方向に5MPaの圧力Pを加えることで、評価用の全固体電池を得た。
2.比較例
充電後の積層体に対して、圧力を加えなかったこと以外は、実施例と同様にして評価用の全固体電池を得た。
3.評価
3.1 金属リチウムの状態
実施例及び比較例に係る全固体電池の各々について、固体電解質層から金属リチウム及び負極集電体を剥がし、固体電解質層と負極集電体との間に析出した金属リチウムの状態を観察した。具体的には、負極集電体の表面のうち固体電解質層側の表面をSEMで観察した。図3(A)が比較例についての観察結果、図3(B)が実施例についての観察結果である。
図3(A)に示されるように、積層体に対して充電を行うことで、固体電解質層と負極集電体との間に金属リチウムが不均一に析出していることが分かる。これは、固体電解質層と負極集電体とが固-固界面で接触して、金属リチウムの析出起点が不均一に生じたためと考えられる。一方、図3(B)に示されるように、充電後の積層体に対して積層方向に圧力Pを加えることで、析出した金属リチウムが座屈して負極集電体の表面に沿って延展し、負極集電体の表面において金属リチウムが均一化されていることが分かる。尚、上記実施例では、充電後の積層体に対して積層方向に圧力Pを加えた場合について例示したが、充電中の積層体に対して積層方向に圧力Pを加えた場合であっても、負極集電体の表面において金属リチウムが均一化される。
3.2 抵抗の測定
実施例及び比較例に係る全固体電池の各々について、2.3mA/cmで5秒抵抗を測定した。比較例に係る抵抗値を100%として、実施例に係る抵抗値を比較した。結果を図4に示す。
図4に示されるように、実施例に係る全固体電池は、比較例に係る全固体電池と比較して、抵抗が60%程度にまで低下した。これは、図3(B)に示されるように、負極集電体の表面において金属リチウムが均一化されて隙間が低減されたことによるものと考えられる。すなわち、不均一に析出した金属リチウムが圧力Pにて加圧されて均されることで、固体電解質層と金属リチウムとの接触状態、金属リチウム同士の接触状態、金属リチウムと負極集電体との接触状態が良好なものとなり、負極側の抵抗が低下した結果、電池全体としての抵抗も低下したものと考えられる。
以上の結果から、析出型のリチウム負極を有する全固体電池を製造する際は、以下の手順を経ることで、抵抗の低い全固体電池を製造できることが分かった。
(1)正極集電体と正極活物質層と固体電解質層と負極集電体とがこの順に積層された積層体を準備する。
(2)前記積層体に対して積層方向に圧力Pを加える。
(3)前記圧力Pが加えられた後の前記積層体に対して充電を行い、前記固体電解質層と前記負極集電体との間に金属リチウムを析出させる。
(4)前記充電中又は前記充電後の前記積層体に対して積層方向に圧力Pを加える。ここで、前記圧力Pは、前記金属リチウムが座屈する圧力であり、且つ、前記圧力Pよりも低い。
11 正極集電体
13 正極活物質層
15 固体電解質層
17 金属リチウム
19 負極集電体
20 積層体
100 全固体電池

Claims (5)

  1. 正極集電体と正極活物質層と固体電解質層と負極集電体とがこの順に積層された積層体を準備すること、
    前記積層体に対して積層方向に圧力Pを加えること、
    前記圧力Pが加えられた後の前記積層体に対して充電を行い、前記固体電解質層と前記負極集電体との間に金属リチウムを析出させること、及び、
    前記充電中又は前記充電後の前記積層体に対して積層方向に圧力Pを加えること、
    を含み、
    前記圧力Pは、前記金属リチウムが座屈する圧力であり、且つ、前記圧力Pよりも低い、
    全固体電池の製造方法。
  2. 前記圧力Pが0.4MPa以上である、
    請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記圧力Pが5MPa以下である、
    請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記圧力Pが100MPa以上である、
    請求項1~3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記固体電解質層が無機固体電解質を含む、
    請求項1~4のいずれか1項に記載の製造方法。
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