JP6762577B2 - 変位計測システム - Google Patents

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Description

本願発明は、変位計測システムに関し、特に橋梁のたわみやひずみの変位状態を計測する変位計測システムに関する。
橋梁のたわみ計測は100年以上前から行われている。橋梁のたわみ計測の計測値は、橋梁を通過する列車の速度や乗客の数、あるいは橋桁の状態等で変化する。
橋梁の変位を計測する技術として、橋梁上の所定位置に複数のターゲットを配置し、このターゲットを既設の橋台上又は陸上の固定点に設けたCCDカメラで撮像して計測する方法(特許文献1)が知られている。
又、橋梁架設施工管理において、橋梁上においてターゲットとズーム付きCCDカメラとを互いに離間した位置に配置し、ズーム付きCCDカメラで撮像したターゲットの画像データを画像処理機で画像処理し、橋梁のたわみ成分とねじれ成分の変位を計測する装置及び方法(特許文献2)が知られている。
CCDカメラで撮像した画像データを用いた計測では、サンプリングモアレ法を用いることにより精度よくたわみを計測することも行われている。
特開平8−210852号公報 特開2008−57243号公報
図20はCCDカメラで撮像した画像データを用いて橋梁の変位を計測するシステム例を示している。
橋梁101には格子のターゲット102が取り付けられ、このターゲット102を橋梁101外の固定点に配置したカメラ110A〜110Dで撮像する。カメラ110A,110Bにはローカル制御部120Aがケーブルによって有線接続され、110C,110Dにはローカル制御部120B,120Cがケーブルによってそれぞれ有線接続される。ローカル制御部120A〜120Cは、指令部130A,130B,及び130Cを介して指令制御部140により制御が指令される。ローカル制御部120A〜120Cは、各カメラ110A〜110Dで撮像した画像データを、例えばサンプリングモアレ法を用いて変位を計測する。
サンプリングモアレ法によるたわみ計測は、カメラの振動に弱いという問題をはらんでいる。強風の環境下ではカメラが振動するため、撮像画像データには振動によるノイズ成分が含まれることになる。サンプリングモアレ法では、撮像された画像間の偏差に基づいてたわみや歪みを計測するため、撮像画像データのノイズ成分は計測の精度低下を招くことになる。
サンプリングモアレ法により橋梁のたわみを計測する一例では、橋梁に取り付けた格子をカメラで連続撮影し、各撮像で得られる撮像画像の格子と基準となる撮像画像の格子とに基づいて変位量を計測する。この計測の際には、撮像画像の画像データに含まれるノイズ成分は計測誤差となるため、ノイズ成分はできるだけ少ないことが望ましい。
カメラ自体の振動は画像データのノイズ成分の要因となり、例えば、風によるカメラの振動はカメラを変位させ、この変位は撮像画像の画像データノイズ成分となる。橋梁上に車両が通過した際に、無風状態では橋梁に取り付けた格子は車両の通過により変位するが、風がある状態では車両の通過により変位するに加えて風により変位し、この変位は画像データノイズ成分となる。
風によるカメラの振動は、カメラ本体に風が当たることと、三脚に風が当たること、カメラ本体と制御用PCをつなぐケーブルに風が当たることによって発生する。
本出願の発明者により、ケーブルに当たる風がカメラ振動の大きな要因であることが判明した。カメラと制御用PCをつなぐケーブルが強風に煽られると、ケーブルがカメラを引っ張ったり、揺らしたりすることで、カメラを振動させる。
この風による振動を改善する策として、風を遮る板などをカメラ周辺に設置することが考えられるが、設置に時間や費用がかかる。
また、図20に示されるように、離れた箇所に設置された複数の撮像装置に対して、1つの指令制御部から指令信号を指令した場合、複数の撮像装置間で遅延時間が異なってしまう問題がある。図21は複数の撮像装置間で遅延時間に差があることを示している。
本発明は前記した従来の問題点を解決し、風によってカメラが振動することで生じる撮像画像のぶれ、撮像画像の画像データのノイズ成分を抑制することを目的とし、変位計測の計測精度の向上を図ることを目的とする。
本発明の変位計測システムは、相互に無線通信を行う子機と親機とで構成される。親機と子機との間で相互に行う無線通信はTCPに基づくプロトコル通信で行う。この相互通信は、Wi―Fi通信(無線LAN通信)又はブルートゥース(デジタル機器の近距離データ通信)を用いることができる。Wi―Fi通信では、周波数帯域は2.4GHz、または920MHzである。使用する周波数は、計測現場周辺の環境によって切り替えることができる。なお、920MHz帯で通信を行うこともできるが、920MHzでは、計算結果である変位データを圧縮して送受信することができる。
子機は親機の指令信号に基づいて撮像対象(ターゲット)を撮像して画像データを取得する。子機又は親機は、取得した画像データを解析して撮像対象の変位を計測する。本発明の変位計測システムは、子機と親機との間を相互に無線通信することにより、子機で取得したデータを親機にケーブルを介することなく送信することができるため、子機と親機とがケーブルで繋がれた構成において、ケーブルが揺れることにより生じる撮像画像のぶれや、撮像画像の画像データのノイズ成分を抑制することができる。
本発明の変位計測システムは相互通信を行う子機及び親機を備え、子機の個数が単一の場合、あるいは複数の場合に限らない第1の形態、及び子機の個数が複数の場合の第2の形態を備える。子機と親機とを無線で相互通信する形態において、子機と親機との関係は撮像クライアントと計測サーバーとの関係に相当する。
[変位計測システムの第1の形態]
本発明の変位計測システムの第1の形態は、子機の個数が単一、複数に限らず適用される形態であり、子機と親機は相互に無線通信を行う。
(子機)
子機は撮像装置と子機側送受信部とを備える。子機が備える撮像装置は、計測対象に設けられた撮像対象の画像データを、親機の指令信号に基づいて取得する。子機が備える子機側送受信部は、親機から指令信号を受信し、親機に画像データ及び/又は画像データ由来の解析データを送信する。
(親機)
親機は親機側送受信部を備える。親機が備える親機側送受信部は、子機に指令信号を送信し、子機から画像データ及び/又は解析データを受信する。親機は、動作用バッテリーを備えた車両等の移動体に搭載することができ、橋梁等の計測対象の近傍に固定配置された子機の近傍において、無線で指令信号の送信、及び画像データ及び/又は解析データの受信を行う。
車両内に電源を搭載することにより、従来、重い発電機をカメラ付近に運搬・設置する作業が不要になり、作業者の負担が軽減する。また、発電機を斜面に設置する場合は、滑って落下する危険性があり、労働災害にもつながる可能性があったが、車両内に電源を搭載することでこの問題を解消することができる。
さらに、車両内部で作業者が作業することで、熱中症対策、防寒対策、降雪雨対策(防滴性)になり、作業の利便性が向上する。
(子機又は親機)
子機又は親機は、画像データを解析する解析部を備える。解析部は変位解析部を備え、画像データから撮像対象の変位を解析し解析データを得る。変位解析部の変位データ解析で得られる解析データは変位データである。
[変位計測システムの第2の形態]
本発明の変位計測システムの第2の形態は、子機の個数が複数の場合に適用される形態であり、複数の子機と親機とは相互に無線通信を行い、複数の子機は各撮像装置の撮像動作を同期させる。
複数の子機を備える構成では、各撮像装置の撮像動作が一致せず、撮像時点がずれる場合がある。図17は複数の子機の各撮像装置の撮像状態を説明するための概略タイミングチャートである。親機から撮像の指令信号(図17(a))が送信されると、各子機は指令信号に基づいてそれぞれ処理動作を経た後、各撮像装置は撮像動作を実行して画像データを取得する。子機は、画像データを画像処理した後、親機にデータを送信する。(図17(b)〜(d))
各子機において、指令信号が送信されてから撮像動作を行うまでの間には遅延時間が発生する。この遅延時間は、例えば、親機と子機との間の通信プロトコル(例えば、TCP)に起因して発生する。この遅延時間は通信環境等により子機毎に異なるため、各子機の撮像装置が撮像動作を行うタイミングに差が生じる。
橋梁等の撮像対象のたわみやひずみ等の変位状態の計測では、各撮像装置の撮像動作に生じる時間差は計測精度の低下要因となるため、撮像には同時性が求められる。
本発明の第2の形態は、複数の子機の各撮像装置の撮像動作を同期させることにより、同時点での画像データを取得する。
(子機)
各子機は撮像装置と子機側送受信部とを備える。各子機が備える撮像装置は、計測対象に設けられた複数の撮像対象の画像データを親機の指令信号に基づいて個々に取得する。各子機が備える子機側送受信部は、親機から指令信号を受信し、親機に画像データ及び/又は画像データ由来の解析データを送信する。
(親機)
親機は、親機側送受信部と変位分布解析部と備える。親機側送受信部は、子機に指令信号を送信し、子機から画像データ及び/又は解析データを受信する。変位分布解析部は、変位データから計測対象の変位分布を解析する。
(子機又は親機)
子機又は親機は、画像データを解析する解析部を備える。各子機は、指令信号を受信した後の同期トリガ信号に基づいて、各撮像装置により各撮像対象を同時に撮像する。
本発明の第2の形態は、各子機において、指令信号を受信した後の同期トリガ信号に基づいて撮像装置の撮像を行うことにより、複数の子機の各撮像装置は同期して撮像動作を行う。
複数の子機の各撮像装置の同期は複数の形態で行うことができる。
[同期の第1の形態]
同期の第1の形態は、同期トリガ信号としてGPS信号を用いる形態である。各子機は、親機との通信確立後に受信するGPS信号に基づいてPPS信号を生成し、生成したPPS信号を同期トリガ信号として各撮像装置の撮像動作を同期させる。各子機が受信するGPS信号は、親機と子機との間の通信プロトコル等とは無関係であるため、通信確立後に受信するGPS信号を基準とすることにより遅延時間の影響を受けること無く同期させることができる。
[同期の第2の形態]
同期の第2の形態は、親機から各子機に同期トリガ信号を送信する形態である。親機は、子機との通信確立後に同期トリガ信号を生成し、生成した同期トリガを各子機に同時送信する。親機から各子機への同期信号の送信は通信プロトコルを介せずに無線で行う他、有線あるいは光通信で行っても良い。同期信号の送信を、通信プロトコルを介すること無く行うことにより遅延時間の発生が抑制される。
[同期の第3の形態]
同期の第3の形態は、複数の子機の内の一つの子機で生成した同期トリガ信号を他の子機に送信する形態である。複数の子機の一つの子機は親機との通信確立後に同期トリガ信号を生成し、生成した同期トリガ信号を他の子機に同時送信する。子機間の同期信号の送信は通信プロトコルを介せずに無線で行う他、有線あるいは光通信で行っても良い。同期信号の送信を、通信プロトコルを介すること無く行うことにより遅延時間の発生が抑制される。
[同期の第4の形態]
同期の第4の形態は、各子機が同期トリガ信号を生成する形態である。各子機は親機との通信確立後に、指令信号の受信から所定時間後に同期トリガ信号を生成する。指令信号の受信から同期トリガ信号の生成までの所定時間は、各子機において予め設定した遅延時間よりも長く設定される。この所定時間が経過した時点は各子機で同時点となるため、この時点で生成される同期トリガ信号を用いることにより撮像動作は同期する。
[解析部の構成]
(解析部の第1の形態)
第1の形態の解析部は、子機又は親機に設けられる変位計測システムの第1の形態に適用される。この第1の形態の解析部は画像データから撮像対象の変位を解析する変位解析部を備える。変位解析部は、例えば画像データに対してサンプリングモアレ解析を用いることにより解析データを得る。この解析データは、計測対象の変位を表す変位データである。サンプリングモアレ解析では、撮像対象を撮像して取得した画像データと基準データとの比較により前記撮像対象の変位を解析する。
(解析部の第2の形態)
第2の形態の解析部は、複数の子機を備える変位計測システムの第2の形態において親機に適用される。この第2の形態の解析部は、画像データから撮像対象の変位を解析し変位データを出力する変位解析部と、変位データから計測対象の変位分布を解析する変位分布解析部とを備える。変位解析部は、例えば画像データに対してサンプリングモアレ解析を用いることにより各撮像対象の変位データを得、変位分布解析部は得られた各撮像対象の変位データから計測対象の変位分布データを得る。解析データの前記変位解析部の変位データ、及び変位分布解析部の変位分布データを含む。
[撮像対象、計測対象]
本発明の変位計測システムは、例えば橋梁を計測対象とすることができ、この計測対象上に設ける撮像対象としてられた格子パターンを用いる。この格子パターンの撮像画像の画像データに対してサンプリングモアレ解析を適用することで、撮像対象の変位を計測し、計測対象上の複数の撮像対象の変位から計測対象の変位分布を計測する。
本発明の変位計測システムは、格子パターン等の撮像対象を照明する光源を設ける構成としても良い。光源で撮像対象を照明することにより撮像精度を高めることができる。
[子機の筐体]
本発明の変位計測システムが備える子機は、防水、防風、防塵等の筐体内に収納される。この筐体の外形形状はドーム状又は流線形とし、これにより風による振動を抑制する。
本発明の変位計測システムによれば、風によってカメラが振動することで生じる撮像画像のぶれ、撮像画像の画像データのノイズ成分を抑制することができる。また、変位計測の計測精度の向上を図ることができる。
本発明の図1は本発明の変位計測システムを説明するための概略構成図である。 本発明の変位計測システムの動作概要を示すタイミングチャートである。 本発明の子機の筐体を説明するための図である。 本発明の変位計測システムの第1の構成例の構成を説明するための図である。 本発明の変位計測システムの第1の構成例の構成を説明するための図である。 本発明の変位計測システムの第1の構成例の動作概要を示すタイミングチャートである。 本発明の変位計測システムの第2の構成例の構成を説明するための図である。 本発明の変位計測システムの第2の構成例の構成を説明するための図である。 本発明の変位計測システムの第2の構成例の動作概要を示すタイミングチャートである。 本発明の変位計測システムの第3の構成例の構成を説明するための図である。 本発明の変位計測システムの第3の構成例の構成を説明するための図である。 本発明の変位計測システムの第3の構成例の動作概要を示すタイミングチャートである。 本発明の変位計測システムの第4の構成例の構成を説明するための図である。 本発明の変位計測システムの第4の構成例の動作概要を示すタイミングチャートである。 本発明の変位計測システムの第5の構成例の構成を説明するための図である。 本発明の変位計測システムの第5の構成例の動作概要を示すタイミングチャートである。 本発明の変位計測システムの画像処理を説明するためのタイミングチャートである。 本発明の変位計測システムの他の構成例を説明するための図である。 本発明の変位計測システムの子機の他の構成例を説明するための図である 従来のCCDカメラで撮像した画像データを用いて橋梁の変位を計測するシステム例である。 従来のCCDカメラで撮像した画像データを用いて橋梁の変位を計測するシステム例の動作概要を示すタイミングチャートである。
本発明の変位計測システムについて図を用いて説明する。以下、図1〜3を用いて本発明の変位計測システムの概略構成例及び動作例を説明し、図4〜6を用いて本発明の変位計測システムの第1の形態について説明し、図7〜9を用いて本発明の変位計測システムの第2の形態について説明し、図10〜12を用いて本発明の変位計測システムの第3の形態について説明し、図13〜14を用いて本発明の変位計測システムの第4の形態について説明し、図15〜16を用いて本発明の変位計測システムの第5の形態について説明する。
(本発明の変位計測システムの概略構成及び動作)
本発明の変位計測システムの概略構成について図1〜3を用いて説明する。図1は本発明の変位計測システムを説明するための概略構成図である。
本発明の変位計測システムは橋梁等の計測対象1の変位を計測するシステムであり、計測対象1に取り付けた撮像対象2を撮像し、取得した画像データを画像解析することにより計測対象1の変位を計測する。撮像対象2は格子パターン等を用いることができ、橋梁等の計測対象1上であって、撮像装置が撮像可能な位置に取り付けられる。格子パターンとして再帰反射シートを用いることにより夜間等の計測環境に対しても適応させることができる。
撮像対象2は計測対象1上において、単一箇所又は複数箇所に設定することができる。撮像対象2を計測対象1上の複数箇所に設けた場合には、これらの複数の撮像対象2の各位置の変位と共に計測対象1の変位分布を計測することができる。また、撮像対象2を計測対象1上の1箇所に設けた場合には、撮像対象2が設けられた位置の変位を計測することができる。
変位計測システムは、相互に無線通信を行う子機10及び親機20を備える。親機20と子機10との間で相互に行う無線通信はTCPに基づくプロトコル通信で行う。この相互通信は、Wi―Fi通信又はブルートゥースを用いることができる。Wi―Fi通信では、周波数帯域は2.4GHz、または920MHzである。使用する周波数は、計測現場周辺の環境によって切り替えることができる。
変位計測システムは、子機と親機との間を相互に無線通信することにより、子機で取得したデータを親機にケーブルを介することなく送信することができるため、子機と親機とがケーブルで繋がれた構成において、ケーブルが揺れることにより生じる撮像画像のぶれや、撮像画像の画像データのノイズ成分を抑制することができる。
(子機)
子機10は、子機側送受信部11、撮像装置12、及び子機用電源(図1には示していない)を備え、計測対象1の近傍に配置され固定される。子機10は複数台設けることができ、各子機10A〜10Cはそれぞれ子機側送受信部11、撮像装置12、及び子機用電源を備える。各子機10A〜10Cは、橋梁等の長尺の計測対象の複数箇所に設けられた撮像対象2のそれぞれを撮像する位置に設けられる。なお、図1では、一例として3台の子機10の場合を示しているが、子機の台数はこの個数に限らず任意とすることができる。
本発明の変位計測システムは、子機の個数が単一、複数に限らず、子機と親機とが相互に無線通信する形態であるが、子機の個数が複数の場合には、複数の子機と親機とは相互に無線通信を行うと共に、後に説明するように複数の子機は各撮像装置の撮像動作を同期させる。
子機側送受信部11は、親機20との間で相互に無線通信を行い、親機20から指令信号を受信し、親機20に対して撮像装置12が撮像して取得した画像データ、及び/又は画像データを解析した解析データを送信する。子機10が解析データを送信する場合には、子機10は画像データから解析データを得る解析部15を備える。
解析部15は、画像データから撮像対象の変位を解析する変位解析部を備え、解析データとして変位解析部の変位データを出力する。
撮像装置12は、親機20の指令信号に基づいて撮像処理を開始し、計測対象1に設けられた撮像対象2を撮像して画像データを取得する。子機側送受信部11は、取得した画像データを送信する他、画像データを解析して得られた解析データを親機20に送信する。
撮像装置12が複数設けられる場合には、各子機10(10A〜10C)の各撮像装置12は、同期トリガに基づいて撮像動作を同期して行う。各子機10の撮像装置12の撮像動作を同期させることにより、計測対象1の各撮像対象2を同時に撮像し、同時点での変位を取得することができる。
(親機)
親機20は、親機側送受信部21、解析部22、指令制御部23、及び親機用電源(図1には示していない)を備える。固定される子機10に対して、親機20は車両等に搭載することにより移動可能である。
親機側送受信部21は、指令制御部23の制御により子機10に指令信号を送信し、子機10から画像データ、及び/又は解析データを受信する。
親機20が備える解析部22は、画像データから撮像対象2の変位を解析し変位データを出力する変位解析部(図1には示していない)と、変位データから計測対象の変位分布を解析する変位分布解析部(図1には示していない)を備える。解析部22は、解析データとして、変位解析部の変位データ、及び変位分布解析部の変位分布データを出力する。
(計測動作)
図2は本発明の変位計測システムの動作概要を示すタイミングチャートである。親機から指令信号が発信されると、各子機(10A〜10C)はこの指令信号を受けて撮像処理を開始する。親機と子機との間の相互通信を無線通信で行う場合には、例えばTCPに基づくプロトコル通信で行う。この相互通信は、Wi―Fi通信又はブルートゥースを用いることができるが、通信が確立するまでには、プロトコルの実行に伴う遅延時間が発生する。各子機の遅延時間は通信環境により異なるため、各子機が同時に指令信号を受けたとしても、各子機の撮像装置が実際に撮像動作を開始する時刻は各遅延時間により異なることになる。
本発明の変位計測システムはこの遅延時間による撮像動作の開始ずれを解消するために、同期トリガ信号を用いる。同期トリガ信号は、各子機ついて各遅延時間に加えてそれぞれ所定の待ち時間を考慮して生成される。各子機の撮像装置は、この同期トリガ信号に基づいて撮像動作を行うことにより、同時刻における撮像画像を取得する。同期トリガ信号は、各子機での遅延時間を考慮し、例えば最も長いと想定される遅延時間にマージンを加えることで設定することができる。
同期トリガ信号は、GPS信号の時刻信号を用いることができる。GPS信号から生成したPPS信号の間隔は1secであり、この時間間隔は、プロトコル処理で想定される遅延時間よりも十分に長いため、同期トリガ信号として使用することができる。また、各子機が受信するGPS信号は、親機と子機との間の通信プロトコル等とは無関係であるため、通信確立後に受信するGPS信号を基準とすることにより遅延時間の影響を受けること無く同期させることができる。
たとえば、親機から撮像装置に撮像スタートと撮像ストップを指示するための信号を同期トリガ発生器に指示し、同期トリガ発生器はGPS信号によって生成した撮像スタート信号と撮像ストップ信号を、コンピュータを含む撮像装置に送るとともに、親機は、コンピュータを含む撮像装置に撮像スタート信号と撮像ストップ信号を送るようしてもよい。
または、親機から、コンピュータを含む撮像装置に撮像スタートと撮像ストップ信号を送信し、コンピュータを含む撮像信号は同期トリガ発生器にGPS信号に基づいて生成される撮像スタート信号と撮像ストップ信号の信号を要求する。同期トリガ発生器はコンピュータを含む撮像装置にGPS信号に基づいて生成された撮像スタート信号と撮像ストップ信号を送信する。
上述したように、本発明の実施形態では、各子機が受信するGPS信号は、親機と子機との間の通信プロトコル等とは無関係であるため、通信確立後に受信するGPS信号を基準とすることにより遅延時間の影響を受けること無く同期させることができる。
(子機の筐体形状)
図3は子機の筐体を説明するための図である。本発明の子機は、外形形状がドーム状又は流線形の筐体を備える。
図3(a)に示す筐体51Aはドーム状の外形形状の例であり、筐体の一部に撮像装置のレンズ50Aを備える。外形形状をドーム状とすることにより、風による揺れを低減することができる。筐体51Aは、ベースに対して回転自在とすることで、撮像対象にレンズ50Aを接近させる。
図3(b),(c)に示す筐体51B,51Cは流線形の外形形状の例であり、筐体の一部に撮像装置のレンズ50B,50Cを備える。外形形状を流線形とすることにより、風による揺れを低減することができる。
また、筐体51A,51B,51Cは、防風の他に防水構造、防塵構造とすることで内部への侵襲を防ぐことができる。
また、各筐体は金属製とすることができ、親機との間の送受信及びGPS信号の受信の為のアンテナ(図では示していない)を外部に備える。
以下、本発明の変位計測システムの構成例を説明する。以下では、複数の子機の撮像装置を同期させる第1の構成例〜第4の構成例について説明する。
(本発明の変位計測システムの第1の構成例)
本発明の変位計測システムの第1の構成例について図4〜6を用いて説明する。
第1の構成例は、同期トリガ信号としてGPS信号を用いる形態である。各子機は、親機との通信確立後に受信するGPS信号に基づいてPPS信号を生成し、生成したPPS信号を同期トリガ信号として各撮像装置の撮像動作を同期させる。
図4,5は本発明の変位計測システムの第1の構成例の構成を説明するための図であり、図1の概略構成に示した構成要素と類似するものについては同様の符号を用いて説明する。
第1の構成例において、画像データを変位解析して変位データを得る変位解析部は親機側に設ける他、子機側に設けることができる。図4に示す構成例は変位解析部を親機に備える構成例であり、図5に示す構成例は変位解析部を子機に備える構成例である。
(子機)
図4の構成では、子機10(10A,10B,10C)は、子機側送受信部11、撮像装置12、撮像制御部13、画像処理部14、GPS信号受信部16、PPS信号発生部17、同期トリガ信号発生部18、及び子機用の電源30を備える。
図5の構成では、子機10(10A,10B,10C)は、子機側送受信部11、撮像装置12、撮像制御部13、画像処理部14、解析部15、GPS信号受信部16、PPS信号発生部17、同期トリガ信号発生部18、及び子機用の電源30を備える。ここでは、子機10Aを例として説明する。
子機側送受信部11は、通信部11a及び画像データ送信部11bを備える。通信部11aは親機20との間で、例えばWi―Fi通信ではRTS、CTS、ACK等の通信確立信号を送受信してプロトコル通信を行う。この通信確立確信号は一例であって、これに限られるものではない。親機側送受信部21から子機側送受信部11に送信されるRTSは、各子機において撮像を行わせるための指令信号に相当する。子機側送受信部11の通信部11aは、親機20との間で相互に無線通信を行い、親機20から指令信号を受信する。画像データ送信部11bは、撮像装置12が撮像して取得した画像データを親機20に送信し、変位データ送信部11cは、画像データを解析した解析データを親機20に送信する。
撮像装置12は例えばCCDカメラを用いることができ、撮像制御部13からの信号により撮像動作を行う。画像処理部14は撮像装置12で得た信号を画像処理して画像データを取得する。
撮像動作の同期をとる構成として、GPS信号受信部16,PPS信号発生部17,及び同期トリガ信号発生部18を備える。GPS信号受信部16は、アンテナ(図示していない)で受信したGPS信号を受信し、PPS信号発生部17はGPS信号に含まれる時刻信号に基づいてPPS信号を発生する。同期トリガ信号発生部18はPPS信号を用いて同期トリガ信号を生成する。撮像制御部13は、PPS信号を用いて同期トリガ信号として撮像装置12に撮像動作を実行させる。
子機10から親機20に対して送信する送信データにおいて、図4に示す構成では、子機側送受信部11の画像データ送信部11bから画像データを親機20に送信し、図5に示す構成では、子機側送受信部11の変位データ送信部11cから変位データを親機20に送信する。変位データ送信部11cは、変位データの送信において、変位データと共に画像データを送信してもよい。
子機側で解析データを取得する場合には、図5に示すように、子機10は解析部15、及び変位データ送信部11cを備える。解析部15は、画像データから撮像対象の変位を解析する変位解析部15a、及び基準画像データ15bを備える。変位解析部15aは、撮像で得られた画像データと基準画像データ15bに基づいてサンプリングモアレ解析により、撮像対象の変位状態を表す変位データを出力する。
(親機)
図4の構成では、親機20は、親機側送受信部21、解析部22、指令制御部23、及び親子機用の電源40を備える。親機側送受信部21は、子機10の通信部11aとの間でプロトコル通信を行う通信部21a、及び子機10の画像データ送信部11bから送信された画像データを受信する画像データ受信部21bを備える。解析部22は、画像データ受信部21bで受信した画像データから撮像対象の変位を解析する変位解析部22a、基準画像データ22b、及び変位分布解析部22cを備える。変位解析部22aは、画像データと基準画像データ22bに基づいてサンプリングモアレ解析により、撮像対象の変位状態を表す変位データを出力する。変位分布解析部22cは、変位解析部22aで得た各撮像対象の変位データに基づいて計測対象の変位分布を解析する。
一方、図5の構成では、親機20は、親機側送受信部21、変位分布解析部22c、指令制御部23、及び親子機用の電源40を備える。
親機側送受信部21は、子機10の通信部11aとの間でプロトコル通信を行う通信部21a、及び子機10の変位データ送信部11cから送信された変位データを受信する変位データ受信部21dを備える。解析部22は変位分布解析部22cを備え、子機10から送信された各撮像対象の変位データに基づいて計測対象の変位分布を解析する。
(計測動作)
図6は本発明の変位計測システムの第1の構成例の動作概要を示すタイミングチャートである。
親機から指令信号が発信されると、各子機(10A〜10C)はこの指令信号を受けて撮像処理を開始する。親機と子機との間の相互通信を無線通信で行う場合には、例えばTCPに基づくプロトコル通信で行う。
各子機10(10A,10B,10C)は、常時GPS信号を受信し、PPS信号を生成している。なお、GPS信号に受信及びPPS信号の生成は、親機から指令信号を受信した後であっても良い。
各子機10は、親機20から指令信号を受信すると、親機との間でTCP等のプロトコルを行って通信確立の処理を行う。例えば、子機10はRTSにより親機に対して通信を要求し、親機20から子機10に対してCTSにより通信を許容されると、子機10は親機にACKを送って通信が確立する。これらの通信プロトコルに要する遅延時間は各子機によって時間幅が異なる。この遅延時間による撮像動作のタイミングがずれることを解消するために、撮像動作を同期させる同期トリガ信号としてGPS信号から生成したPPS信号を用いる。遅延時間後から同期トリガ信号までの時間は待機時間として作用し、この待機時間を設けることにより、同期トリガ信号による撮像動作の同期が行われる。
なお、撮像動作で得られた画像データ等を子機から親機に送信する際において、再度通信プロトコルの処理が行われるが、この通信プロトコル後に行うデータ送信については同期を要しない。
各子機が受信するGPS信号は、親機と子機との間の通信プロトコル等とは無関係であるため、通信確立後に受信するGPS信号を基準とすることにより遅延時間の影響を受けること無く同期させることができる。
(本発明の変位計測システムの第2の構成例)
本発明の変位計測システムの第2の構成例について図7〜9を用いて説明する。
第2の構成例は、親機から各子機に同期トリガ信号を送信する形態である。親機は、子機との通信確立後に同期トリガ信号を生成し、生成した同期トリガを各子機に同時送信する。親機から各子機への同期信号の送信は通信プロトコルを介せずに無線で行う他、有線あるいは光通信で行っても良い。同期信号の送信を、通信プロトコルを介すること無く行うことにより遅延時間の発生が抑制される。
図7,8は本発明の変位計測システムの第2の構成例の構成を説明するための図であり、図1の概略構成に示した構成要素と類似するものについては同様の符号を用いて説明する。
第2の構成例において、画像データを変位解析して変位データを得る変位解析部は親機側に設ける他、子機側に設けることができる。図7に示す構成例は変位解析部を親機に備える構成例であり、図8に示す構成例は変位解析部を子機に備える構成例である。
(子機)
図7の構成では、子機10(10A,10B,10C)は、子機側送受信部11、撮像装置12、撮像制御部13、画像処理部14、及び子機用の電源30を備える。
図8の構成では、子機10(10A,10B,10C)は、子機側送受信部11、撮像装置12、撮像制御部13、画像処理部14、解析部15、及び子機用の電源30を備える。ここでは、子機10Aを例として説明する。
子機側送受信部11は、通信部11a,画像データ送信部11b(図7),変位データ送信部11c(図8),及び同期トリガ受信部11dを備える。
通信部11aは親機20との間では、変位計測システムの第1の構成例と同様にプロトコル通信を行う。親機側送受信部21から子機側送受信部11に送信されるRTSは、各子機において撮像を行わせるための指令信号に相当する。子機側送受信部11の通信部11aは、親機20との間で相互に無線通信を行い、親機20から指令信号を受信する。画像データ送信部11bは、撮像装置12が撮像して取得した画像データを親機20に送信し、変位データ送信部11cは、画像データを解析した解析データを親機20に送信する。
撮像装置12は例えばCCDカメラを用いることができ、撮像制御部13からの信号により撮像動作を行う。画像処理部14は撮像装置12で得た信号を画像処理して画像データを取得する。
撮像動作の同期をとる構成として、親機20から送信される同期トリガ信号を受信する同期トリガ受信部11dを備える。撮像制御部13は、同期トリガ受信部11dで受信した同期トリガ信号に同期して撮像装置12に撮像動作を実行させる。
子機10から親機20に対して送信する送信データにおいて、図7に示す構成では、子機側送受信部11の画像データ送信部11bから画像データを親機20に送信し、図8に示す構成では、子機側送受信部11の変位データ送信部11cから変位データを親機20に送信する。変位データ送信部11cは、変位データの送信において、変位データと共に画像データを送信してもよい。
子機側で解析データを取得する場合には、図8に示すように、子機10は解析部15、及び変位データ送信部11cを備える。解析部15は、画像データから撮像対象の変位を解析する変位解析部15a、及び基準画像データ15bを備える。変位解析部15aは、撮像で得られた画像データと基準画像データ15bに基づいてサンプリングモアレ解析により、撮像対象の変位状態を表す変位データを出力する。
(親機)
図7の構成では、親機20は、親機側送受信部21、解析部22、指令制御部23、及び親子機用の電源40を備える。親機側送受信部21は、子機10の通信部11aとの間でプロトコル通信を行う通信部21a、及び子機10の画像データ送信部11bから送信された画像データを受信する画像データ受信部21b、及び同期トリガ信号を生成して送信する同期トリガ送信部21cを備える。解析部22は、画像データ受信部21bで受信した画像データから撮像対象の変位を解析する変位解析部22a、基準画像データ22b、及び変位分布解析部22cを備える。変位解析部22aは、画像データと基準画像データ22bに基づいてサンプリングモアレ解析により、撮像対象の変位状態を表す変位データを出力する。変位分布解析部22cは、変位解析部22aで得た各撮像対象の変位データに基づいて計測対象の変位分布を解析する。
一方、図8の構成は、親機20は、親機側送受信部21、変位分布解析部22c、指令制御部23、及び親子機用の電源40を備える。
親機側送受信部21は、子機10の通信部11aとの間でプロトコル通信を行う通信部21a、子機10の変位データ送信部11cから送信された変位データを受信する変位データ受信部21d、及び同期トリガ信号を生成して送信する同期トリガ送信部21cを備える。解析部22は変位分布解析部22cを備え、子機10から送信された各撮像対象の変位データに基づいて計測対象の変位分布を解析する。
子機10の同期トリガ受信部11dと親機20の同期トリガ受信部11dとの間の同期トリガ信号の送受信は通信プロトコルを介せずに無線で行う他、有線あるいは光通信で行っても良い。同期信号の送信を、通信プロトコルを介すること無く行うことにより遅延時間の発生が抑制される。
(計測動作)
図9は本発明の変位計測システムの第2の構成例の動作概要を示すタイミングチャートである。
親機から指令信号が発信されると、各子機(10A〜10C)はこの指令信号を受けて撮像処理を開始する。親機と子機との間の相互通信を無線通信で行う場合には、例えばTCPに基づくプロトコル通信で行う。
各子機10は、親機20から指令信号を受信すると、親機との間でTCP等のプロトコルを行って通信確立の処理を行う。例えば、子機10はRTSにより親機に対して通信を要求し、親機20から子機10に対してCTSにより通信を許容されると、子機10は親機にACKを送って通信が確立する。これらの通信プロトコルに要する遅延時間は各子機によって時間幅が異なる。この遅延時間による撮像動作のタイミングがずれることを解消するために、撮像動作を同期させる同期トリガ信号として、親機から送信される同期トリガ信号を用いる。遅延時間後から同期トリガ信号までの時間は待機時間として作用し、この待機時間を設けることにより、同期トリガ信号による撮像動作の同期が行われる。
なお、撮像動作で得られた画像データ等を子機から親機に送信する際において、再度通信プロトコルの処理が行われるが、この通信プロトコル後に行うデータ送信については同期を要しない。
各子機が受信する同期トリガ信号は、親機と子機との間の通信プロトコル等とは無関係であるため、通信確立後に親機から受信する同期トリガ信号GPS信号を基準とすることにより遅延時間の影響を受けること無く同期させることができる。
(本発明の変位計測システムの第3の構成例)
本発明の変位計測システムの第3の構成例について図10〜12を用いて説明する。
第3の構成例は、複数の子機の内の一つの子機で生成した同期トリガ信号を他の子機に送信する形態である。複数の子機の一つの子機は親機との通信確立後に同期トリガ信号を生成し、生成した同期トリガ信号を他の子機に同時送信する。子機間の同期信号の送信は通信プロトコルを介せずに無線で行う他、有線あるいは光通信で行っても良い。同期信号の送信を、通信プロトコルを介すること無く行うことにより遅延時間の発生が抑制される。
図10,11は本発明の変位計測システムの第3の構成例の構成を説明するための図であり、図1の概略構成に示した構成要素と類似するものについては同様の符号を用いて説明する。
第3の構成例において、画像データを変位解析して変位データを得る変位解析部は親機側、又は子機側に設けることができる。図10に示す構成例は変位解析部を親機に備える構成例であり、図11に示す構成例は変位解析部を子機に備える構成例である。
(子機)
図10の構成では、子機10(10A,10B,10C)は、子機側送受信部11、撮像装置12、撮像制御部13、画像処理部14、及び子機用の電源30を備える。
図11の構成では、子機10(10A,10B,10C)は、子機側送受信部11、撮像装置12、撮像制御部13、画像処理部14、解析部15、及び子機用の電源30を備える。ここでは、子機10Aを例として説明する。
子機側送受信部11は、通信部11a,画像データ送信部11b(図10),変位データ送信部11c(図11),及び同期トリガ発信部11eを備える。
通信部11aは親機20との間では、変位計測システムの第2の構成例と同様にプロトコル通信を行う。親機側送受信部21から子機側送受信部11に送信されるRTSは、各子機において撮像を行わせるための指令信号に相当する。子機側送受信部11の通信部11aは、親機20との間で相互に無線通信を行い、親機20から指令信号を受信する。画像データ送信部11bは、撮像装置12が撮像して取得した画像データを親機20に送信し、変位データ送信部11cは画像データを解析した解析データを親機20に送信する。
撮像装置12は例えばCCDカメラを用いることができ、撮像制御部13からの信号により撮像動作を行う。画像処理部14は撮像装置12で得た信号を画像処理して画像データを取得する。
撮像動作の同期をとる構成として、何れかの子機に同期トリガ信号を発生させ、他の子機に同期トリガ信号を送信する同期トリガ発信部11eを設け、他の子機に同期トリガ信号を受信する同期トリガ受信部11dを設ける。ここでは、子機10Aは同期トリガ発信部11eを備える、子機10B,10Cは同期トリガ受信部11dを備える構成を示している。子機10Aの撮像制御部13は、同期トリガ発信部11eで発信した同期トリガ信号に同期して撮像装置12に撮像動作を実行させ、子機10B,10Cの撮像制御部13は、同期トリガ受信部11dで受信した同期トリガ信号に同期して撮像装置12に撮像動作を実行させる。
子機10から親機20に対して送信する送信データにおいて、図10に示す構成では、子機側送受信部11の画像データ送信部11bから画像データを親機20に送信し、図11に示す構成では、子機側送受信部11の変位データ送信部11cから変位データを親機20に送信する。変位データ送信部11cは、変位データの送信において、変位データと共に画像データを送信してもよい。
子機側で解析データを取得する場合には、図11に示すように、子機10は解析部15、及び変位データ送信部11cを備える。解析部15は、画像データから撮像対象の変位を解析する変位解析部15a、及び基準画像データ15bを備える。変位解析部15aは、撮像で得られた画像データと基準画像データ15bに基づいてサンプリングモアレ解析により、撮像対象の変位状態を表す変位データを出力する。
(親機)
図10の構成において、親機20は、親機側送受信部21、解析部22、指令制御部23、及び親子機用の電源40を備える。親機側送受信部21は、子機10の通信部11aとの間でプロトコル通信を行う通信部21a、及び子機10の画像データ送信部11bから送信された画像データを受信する画像データ受信部21bを備える。解析部22は、画像データ受信部21bで受信した画像データから撮像対象の変位を解析する変位解析部22a、基準画像データ22b、及び変位分布解析部22cを備える。変位解析部22aは、画像データと基準画像データ22bに基づいてサンプリングモアレ解析により、撮像対象の変位状態を表す変位データを出力する。変位分布解析部22cは、変位解析部22aで得た各撮像対象の変位データに基づいて計測対象の変位分布を解析する。
一方、図11の構成では、親機20は、親機側送受信部21、解析部22、指令制御部23、及び親子機用の電源40を備える。
親機側送受信部21は、子機10の通信部11aとの間でプロトコル通信を行う通信部21a、子機10の変位データ送信部11cから送信された変位データを受信する変位データ受信部21dを備える。解析部22は変位分布解析部22cを備え、子機10から送信された各撮像対象の変位データに基づいて計測対象の変位分布を解析する。
子機10(10A)の同期トリガ発信部11eと子機10(10B,10C)の同期トリガ受信部11dとの間の同期トリガ信号の送受信は通信プロトコルを介せずに無線で行う他、有線あるいは光通信で行っても良い。同期信号の送信を、通信プロトコルを介すること無く行うことにより遅延時間の発生が抑制される。
(計測動作)
図12は本発明の変位計測システムの第3の構成例の動作概要を示すタイミングチャートである。
親機から指令信号が発信されると、各子機(10A〜10C)はこの指令信号を受けて撮像処理を開始する。親機と子機との間の相互通信を無線通信で行う場合には、例えばTCPに基づくプロトコル通信で行う。
各子機10は、親機20から指令信号を受信すると、親機との間でTCP等のプロトコルを行って通信確立の処理を行う。例えば、子機10はRTSにより親機に対して通信を要求し、親機20から子機10に対してCTSにより通信を許容されると、子機10は親機にACKを送って通信が確立する。これらの通信プロトコルに要する遅延時間は各子機によって時間幅が異なる。この遅延時間による撮像動作のタイミングがずれることを解消するために、撮像動作を同期させる同期トリガ信号として、子機で生成した同期トリガ信号を用いる。遅延時間後から同期トリガ信号までの時間は待機時間として作用し、この待機時間を設けることにより、同期トリガ信号による撮像動作の同期が行われる。
なお、撮像動作で得られた画像データ等を子機から親機に送信する際において、再度通信プロトコルの処理が行われるが、この通信プロトコル後に行うデータ送信については同期を要しない。
同期トリガ信号は、ある子機で発信され、他の子機に送信されるため、親機と子機との間の通信プロトコル等とは無関係である。その結果、通信確立後に親機から受信する同期トリガ信号はPPS信号を基準とすることにより遅延時間の影響を受けること無く同期させることができる。
(本発明の変位計測システムの第4の構成例)
本発明の変位計測システムの第4の構成例について図13〜14を用いて説明する。
第4の構成例は、各子機が同期トリガ信号を生成する形態である。各子機は親機との通信確立後に、指令信号の受信から所定時間後に同期トリガ信号を生成する。指令信号の受信から同期トリガ信号の生成までの所定時間は、各子機において予め設定した遅延時間よりも長く設定される。この所定時間が経過した時点は各子機で同時点となるため、この時点で生成される同期トリガ信号を用いることにより撮像動作は同期する。
図13は本発明の変位計測システムの第4の構成例の構成を説明するための図であり、図1の概略構成に示した構成要素と類似するものについては同様の符号を用いて説明する。
第4の構成例において、画像データを変位解析して変位データを得る変位解析部は親機側に設ける他、子機側に設けることができる。図13に示す構成例は変位解析部を親機に備える構成例である。なお、変位解析部を子機に備える構成例については省略しているが、変位計測システムの第1,2,3の構成例と同様とすることができる。
(子機)
図13の構成では、子機10(10A,10B,10C)は、子機側送受信部11、撮像装置12、撮像制御部13、画像処理部14、同期トリガ生成部19、及び子機用の電源30を備える。ここでは、子機10Aを例として説明する。
子機側送受信部11は、通信部11a,画像データ送信部11bを備える。通信部11aは親機20との間で、変位計測システムの第2の構成例と同様にプロトコル通信を行う。親機側送受信部21から子機側送受信部11に送信されるRTSは、各子機において撮像を行わせるための指令信号に相当する。子機側送受信部11の通信部11aは、親機20との間で相互に無線通信を行い、親機20から指令信号を受信する。画像データ送信部11bは、撮像装置12が撮像して取得した画像データを親機20に送信する。
撮像装置12は例えばCCDカメラを用いることができ、撮像制御部13からの信号により撮像動作を行う。画像処理部14は撮像装置12で得た信号を画像処理して画像データを取得する。
撮像動作の同期をとる構成として、各子機10は同期トリガ生成部19を備える。各子機10は、それぞれが備える同期トリガ生成部19において個別に同期トリガ信号を生成する。同期トリガ信号は、通信部11aが受信した指令信号を受けた時点から設定された設定時間後に生成される。同期トリガ信号を生成する設定時間は、通信プロトコル等で生じる遅延時間よりも長い時間に設定される。
各子機10A,10B,10Cの撮像制御部13は、それぞれの同期トリガ生成部19で生成した同期トリガ信号に同期して撮像装置12に撮像動作を実行させる。
子機10から親機20に対して送信する送信データにおいて、子機側送受信部11の画像データ送信部11bから画像データを親機20に送信する他、子機側送受信部11の変位データ送信部から変位データを親機に送信してもよい。変位データ送信部は、変位データの送信において、変位データと共に画像データを送信してもよい。
子機側で解析データを取得する場合には、子機10は解析部、及び変位データ送信部を備える。解析部は、画像データから撮像対象の変位を解析する変位解析部、及び基準画像データを備える。変位解析部は、撮像で得られた画像データと基準画像データに基づいてサンプリングモアレ解析により、撮像対象の変位状態を表す変位データを出力する。
(親機)
図13の構成において、親機20は、親機側送受信部21、解析部22、指令制御部23、及び親機用の電源40を備える。親機側送受信部21は、子機10の通信部11aとの間でプロトコル通信を行う通信部21a、及び子機10の画像データ送信部11bから送信された画像データを受信する画像データ受信部21bを備える。解析部22は、画像データ受信部21bで受信した画像データから撮像対象の変位を解析する変位解析部22a、基準画像データ22b、及び変位分布解析部22cを備える。変位解析部22aは、画像データと基準画像データ22bに基づいてサンプリングモアレ解析により、撮像対象の変位状態を表す変位データを出力する。変位分布解析部22cは、変位解析部22aで得た各撮像対象の変位データに基づいて計測対象の変位分布を解析する。
各子機10(10A,10B,10C)の同期トリガ生成部19が生成する同期トリガ信号は、通信プロトコルを介すること無く行うことにより遅延時間の発生が抑制される。
(計測動作)
図14は本発明の変位計測システムの第4の構成例の動作概要を示すタイミングチャートである。
親機から指令信号が発信されると、各子機(10A〜10C)はこの指令信号を受けて撮像処理を開始する。親機と子機との間の相互通信を無線通信で行う場合には、例えばTCPに基づくプロトコル通信で行う。
各子機10は、親機20から指令信号を受信すると、親機との間でTCP等のプロトコルを行って通信確立の処理を行う。例えば、子機10はRTSにより親機に対して通信を要求し、親機20から子機10に対してCTSにより通信を許容されると、子機10は親機にACKを送って通信が確立する。これらの通信プロトコルに要する遅延時間は各子機によって時間幅が異なる。この遅延時間による撮像動作のタイミングがずれることを解消するために、撮像動作を同期させる同期トリガ信号として、各子機で生成した同期トリガ信号を用いる。遅延時間後から同期トリガ信号までの時間は待機時間として作用し、この待機時間を設けることにより、同期トリガ信号による撮像動作の同期が行われる。
(本発明の変位計測システムの第5の構成例)
本発明の変位計測システムの第5の構成例について図15〜16を用いて説明する。
第5の構成例は、複数の子機の内の各子機において同期信号を生成する形態である。各子機の同期信号は各子機間で同期している。各子機間において同期信号の同期ずれはGPS信号から得られたPPS信号により同期調整することができる。
図15は本発明の変位計測システムの第5の構成例の構成を説明するための図であり、図11の概略構成に示した構成要素と類似するものについては同様の符号を用いて説明する。
第5の構成例において、画像データを変位解析して変位データを得る変位解析部は親機側、又は子機側に設けることができる。以下では、図15に示す構成例は変位解析部を子機に備える構成例について説明する。
(子機)
図15の構成では、子機10(10A,10B,10C)は、子機側送受信部11、撮像装置12、撮像制御部13、画像処理部14、解析部15、GPS信号受信部16、PPS信号発生部17、及び子機用の電源30を備える。ここでは、子機10Aを例として説明する。
子機側送受信部11は、通信部11a,変位データ送信部11c,及び同期信号生成部11fを備える。
通信部11aは親機20との間でプロトコル通信を行う。親機側送受信部21から子機側送受信部11に送信されるRTSは、各子機において撮像を行わせるための指令信号に相当する。子機側送受信部11の通信部11aは、親機20との間で相互に無線通信を行い、親機20から指令信号を受信する。変位データ送信部11cは画像データを解析した解析データを親機20に送信する。同期信号生成部11fは、各子機の撮像画像を取得するタイミングを同期させるための同期信号を生成し、撮像制御部13に送る。
子機10Aの撮像制御部13は、同期信号生成部11fで生成した同期信号に同期して撮像装置12に撮像動作を実行させる。子機10B,10Cについても同様に、撮像制御部は、同期信号生成部11fで生成した同期信号に同期して撮像装置に撮像動作を実行させる。
各子機の同期信号生成部11fは、例えば水晶振動子を用いた発振回路で生成した周期信号を同期信号として生成する。この同期信号は例えば1/100秒あるいは1/200秒の周期とする。同期信号の周期は任意に設定することができるが、PPS信号よりも十分に短い周期とすることで、PPS信号を同期信号とする場合よりも、高速撮像を行うことができる。
各子機の同期信号生成部11fは、内蔵する発振回路の発振周期の周波数ずれによって同期信号に周期ずれが発生するおそれがある。この同期信号の周期ずれを解消するために、各子機の同期信号生成部11fはPPS信号に基づいて同期調整を行う。同期調整は、PPS信号発生部17のPPS信号に基づいて行う。図16は同期調整を説明するための図である。子機A,B,Cの各子機の同期信号(図16(b)〜(d))の周期ずれは、PPS信号に合わせて同期調整する。PPS信号(図16(a))による同期調整は、数PPS信号に一回の周期で行うことができるが、必要に応じてPPS信号の周期毎に行っても良い。図16(a)では、同期調整に用いるPPS信号を黒の塗り潰しで示している。
撮像装置12は例えばCCDカメラを用いることができ、撮像制御部13からの信号により撮像動作を行う。画像処理部14は撮像装置12で得た信号を画像処理して画像データを取得する。
子機10から親機20に対して送信する送信データにおいて、図15に示す構成では、子機側送受信部11の変位データ送信部11cから変位データを親機20に送信する。変位データ送信部11cは、変位データの送信において、変位データと共に画像データを送信してもよい。
子機側で解析データを取得する場合には、子機10は解析部15、及び変位データ送信部11cを備える。解析部15は、画像データから撮像対象の変位を解析する変位解析部15a、及び基準画像データ15bを備える。変位解析部15aは、撮像で得られた画像データと基準画像データ15bに基づいてサンプリングモアレ解析により、撮像対象の変位状態を表す変位データを出力する。
(親機)
図15の構成において、親機20は、親機側送受信部21、解析部22、指令制御部23、及び親子機用の電源40を備える。親機側送受信部21は、子機10の通信部11aとの間でプロトコル通信を行う通信部21a、及び子機10の変位データ送信部11cから送信された変位データを受信する変位データ受信部21dを備える。解析部22は変位分布解析部22cを備え、子機10から送信された各撮像対象の変位データに基づいて計測対象の変位分布を解析する。
(計測動作)
本発明の変位計測システムの第5の構成例の動作は、第3の構成例で示した動作と同様に行うことができる。
親機から指令信号が発信されると、各子機(10A〜10C)はこの指令信号を受けて撮像処理を開始する。親機と子機との間の相互通信を無線通信で行う場合には、例えばTCPに基づくプロトコル通信で行う。
各子機10は、親機20から指令信号を受信すると、親機との間でTCP等のプロトコルを行って通信確立の処理を行う。例えば、子機10はRTSにより親機に対して通信を要求し、親機20から子機10に対してCTSにより通信を許容されると、子機10は親機にACKを送って通信が確立する。これらの通信プロトコルに要する遅延時間は各子機によって時間幅が異なる。この遅延時間による撮像動作のタイミングがずれることを解消するために、撮像動作を同期させる同期信号として、各子機で生成した同期信号を用いる。遅延時間後から同期信号までの時間は待機時間として作用し、この待機時間を設けることにより、同期信号による撮像動作の同期が行われる。
なお、撮像動作で得られたデータを子機から親機に送信する際において、再度通信プロトコルの処理が行われるが、この通信プロトコル後に行うデータ送信については同期を要しない。
同期信号は、各子機において生成されるため、親機と子機との間の通信プロトコル等とは無関係である。また、各子機の同期信号はPPS信号で同期が調整されるため、同期信号はPPS信号を基準として遅延時間の影響を受けること無く同期させることができる。
(画像処理)
本発明の変位計測システムの各構成例において、各撮像で取得した撮像データは撮像毎に画像処理する、又は複数の撮像データをまとめて画像処理することができる。複数の撮像データの画像処理は、親機からの画像処理の開始を指示する開始信号、及び画像処理を終了する終了信号に基づいて行う。複数の撮像データをまとめて画像処理する例について図17を用いて説明する。
親機は撮像の開始及び停止を指令する指令信号として撮像開始信号及び撮像停止信号を各子機に送る(図17(a))。
各子機A,B,Cは、親機から送られた撮像開始信号(図17(a))を受信すると、開始信号を受信した後に発生する各同期信号(図17(b)、(e)、(h))に合わせて撮像動作を行い、各同期信号時点の撮像データを取得する(図17(c)、(f)、(i))。次に、親機から送られた撮像停止信号(図17(a))を受信すると、取得しておいた複数の撮像データの画像処理を行う(図17(d)、(g)、(j))。
この複数の撮像データを撮像後に画像処理することにより、画像処理の処理時間を十分に確保できるため、同期信号の周期間隔に制約されることなく画像処理を行うことができる。また、撮像画像を撮像開始信号及び撮像停止信号の間で限定することができるため、不要な撮像画像の取得を避けることができる。
なお、撮像動作で得られた画像データ等を子機から親機に送信する際において、再度通信プロトコルの処理が行われるが、この通信プロトコル後に行うデータ送信については同期を要しない。
同期トリガ信号は、各子機で生成され送受信を要さないため、親機と子機との間の通信プロトコル等とは無関係であるため、通信確立後に親機から受信する同期トリガ信号GPS信号を基準とすることにより遅延時間の影響を受けること無く同期させることができる。
(変位計測システムの他の構成例)
親機と子機との相互通信は、Wi―Fi通信又はブルートゥースを用いる他にインターネット網を用いてもよい。図18はインターネット網を用いた相互通信の概略構成を示している。親機と各子機A,B,Cの間の相互通信はインターネット網を介して行われる。
(子機の他の構成例)
図19に示されるように、子機10は振動判定部61を備え、通常の振動と異なる振動が発生したと判定した場合には、変位計測対象に何らかの負荷が課せられたと判定し、親機に振動検出を送信する。親機は子機から振動検出の信号を受けると、各子機に同期した撮像を指令する。
図19は子機の他の構成例を説明するための図である。変位計測対象が橋梁である場合には、振動判定部61による振動判定により橋梁を通過する列車や車両の接近を検知し、親機に対して変位計測を始めるための予備信号を送る。これにより、不要な変位計測をさけることができる。
振動判定部61の振動判定に用いる振動データは、別途に設けたたわみ検出部60により取得する他、常時に撮像を行って得られる画像データから取得してもよい。このときの撮像は各子機で同期している必要はなく、任意の周期で撮像した画像データを用いることができる。
また、常時のたわみ計測は下記の要領で行なってもよい。なお、当該技術事項は、特開2018−28439号公報に詳述されている。
特開2018−28439号公報には、測定対象物の変位前に撮像して得られた前記測定対象物の画像から変位解析方向の1ラインの第1ライン画像データを抽出し、前記測定対象物の変位後に撮像して得られた前記測定対象物の画像から変位解析方向の1ラインの第2ライン画像データを抽出し、前記第1ライン画像データと前記第2ライン画像データにそれぞれ1次元フーリエ変換を行ない、前記1次元フーリエ変換により得られた空間周波数成分のうち前記測定対象物に対応する空間周波数成分に対して1次元逆フーリエ変換により位相解析を行ない、前記変位前と前記変位後の位相差を用いて、前記測定対象物の変位量を測定する方法が開示されている。
また、特開2018−28439号公報には、測定対象物の変位前に撮像して得られた前記測定対象物の画像から変位解析方向の1ラインの第1ライン画像データを抽出し、前記測定対象物の変位後に撮像して得られた前記測定対象物の画像から変位解析方向の1ラインの第2ライン画像データを抽出し、前記第1ライン画像データと前記第2ライン画像データについてそれぞれフーリエ変換を用いてスペクトルの実部と虚部の成分を空間周波数ごとに求め、前記周波数成分ごとに実部と虚部の成分を使って得られた位相値とパワーから算出される特徴値を算出し、前記位相値を用いて変形前後の位相差を求め、前記周波数成分ごとの前記パワーから算出される前記特徴値から算出された重みの値を用いて、前記空間周波数ごとの変位の重み付け平均を算出することで、前記測定対象物の画像内での座標値の変化に対する実際の変位量の係数を用いて前記測定対象物の変位量を算出する方法が開示されている。
そして、前記撮像装置は、前記子機が生成する同期信号に基づいて撮影する変位計測システムとしてもよい。
親機は撮影開始ボタンを有し、前記撮影開始ボタンが押し下げられると、前記子機に撮影開始の指令が前記親機から出力され、前記子機で同期がとられ、前記撮像装置により撮影が開始されるようにしてもよい。
前記親機は撮影終了ボタンを有し、前記撮影終了ボタンが押し下げられると、前記子機に撮影終了の指令が前記親機から出力され、前記子機で同期がとられ、前記撮像装置により撮影が終了される変位計測システムとしてもよい。
前記子機は、前記対象物について常時たわみ計測を実行し、常時たわみ計測により、通常の振動ではない信号が検出された場合、前記対象物に移動体が接近中であると、判定する変位計測システムとしてもよい。
前記子機は前記親機に対して、インターネットを介して情報を送る機能を有する変位計測システムとしてもよい。
なお、上記実施の形態及び変形例における記述は、本発明に係る変位計測システムの一例であり、本発明は各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形することが可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
本発明の変位計測システムは、橋梁の変位計測に限らず、屋外に設置される横方向及び縦方向に長尺な構造物の変位計測に適用することができる。
1 計測対象
2 撮像対象
3 光源
4 電源
10,10A,10B,10C 子機
11 子機側送受信部
11a 通信部
11b 画像データ送信部
11c 変位データ送信部
11d 同期トリガ受信部
11e 同期トリガ発信部
11f 同期信号生成部
12 撮像装置
13 撮像制御装置
14 画像処理部
15 解析部
15a 変位解析部
15b 基準画像データ
16 GPS信号受信部
17 PPS信号発生部
18 同期トリガ信号発生部
19 同期トリガ生成部
20 親機
21 親機側送受信部
21a 通信部
21b 画像データ受信部
21c 同期トリガ送信部
21d 変位データ受信部
22 解析部
22a 変位解析部
22b 基準画像データ
22c 変位分布解析部
23 指令制御部
30 電源
40 電源
50 レンズ
51 筐体
60 たわみ検出部
61 振動判定部

Claims (11)

  1. 複数の子機と、各子機と相互に無線通信を行う親機とを備え、
    前記子機は、
    計測対象に設けられた複数の撮像対象の画像データを前記親機の指令信号に基づいて個々に取得する撮像装置と
    前記親機から指令信号を受信し、前記親機に画像データ及び/又は画像データ解析データを送信する子機側送受信部と、
    を備え、
    前記親機は、
    前記子機に前記指令信号を送信し、前記子機から画像データ又は解析データを受信する親機側送受信部と、
    解析データから前記計測対象の変位分布を解析する変位分布解析部とを備え、
    前記子機又は親機は、前記画像データから前記解析データを解析する解析部を備え、
    前記各子機は、前記指令信号を受信した後の同期トリガ信号に基づいて、前記各撮像装置により各撮像対象を同時に撮像することを特徴とする変位分布計測システム。
  2. 前記各子機は、
    前記親機との通信確立後に受信するGPS信号に基づいてPPS信号を生成し、当該PPS信号を前記同期トリガ信号とすることを特徴とする請求項1に記載の変位分布計測システム 。
  3. 前記親機は、
    前記子機との通信確立後に前記同期トリガ信号を生成し、当該同期トリガを前記各子機に同時送信することを特徴とする請求項1に記載の変位分布計測システム。
  4. 前記複数の子機の一つの子機は、
    前記親機との通信確立後に前記同期トリガ信号を生成し、当該同期トリガ信号を他の子機に同時送信することを特徴とする請求項1に記載の変位分布計測システム。
  5. 前記各子機は、
    前記親機との通信確立後に、前記指令信号の受信から所定時間後に同期トリガ信号を生成することを特徴とする請求項1に記載の変位分布計測システム。
  6. 前記親機が備える解析部は、
    前記画像データから前記撮像対象の変位を解析し変位データを出力する変位解析部と、 前記変位データから前記計測対象の変位分布を解析する変位分布解析部を備え、
    前記解析データは、前記変位解析部の変位データ、及び前記変位分布解析部の変位分布データを含むことを特徴とする請求項1から5の何れか一つに記載の変位分布計測システム。
  7. 前記親機と前記子機との間の相互通信はTCPに基づく通信であることを特徴とする請求項1から6の何れか一つに記載の変位分布計測システム。
  8. 前記相互通信は、無線LAN通信又はデジタル機器の近距離データ通信であることを特徴とする請求項7に記載の変位分布計測システム。
  9. 前記撮像対象は前記計測対象上に設けられた格子パターンであることを特徴とする請求項1から6の何れか一つに記載の変位分布計測システム。
  10. 前記撮像対象を照明する光源を備えることを特徴とする請求項1から9の何れか一つに記載の変位分布計測システム。
  11. 前記子機は外形形状がドーム状又は流線形の筐体を備えることを特徴とする請求項1から10の何れか一つに記載の変位分布計測システム。
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