JP3686333B2 - 動画像処理カメラ及びこれを用いた画像処理システム - Google Patents

動画像処理カメラ及びこれを用いた画像処理システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、動画像を処理する動画像処理カメラ及びこれを用いた画像処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、定点に設置されたカメラを用いて移動体を監視する監視システムが知られている。この監視システムは、例えば図11に示すように、複数の撮像サブシステムと中央処理装置(以下、「CPU」という)56とから構成されている。各撮像サブシステムは、カメラ50、送信機51、送信アンテナ52、受信アンテナ53、受信機54及び画像処理装置55から構成されている。
【0003】
カメラ50は、通常のビデオカメラと同様に、光学系から入力された光学像を、固体撮像デバイスで光電変換することにより映像信号を生成する。このカメラ50で生成された映像信号は、送信機51に送られる。
【0004】
送信機51は、カメラ50からの映像信号を変調して送信アンテナ52に送る。送信アンテナ52は、変調された映像信号を電磁波として空中に放射する。受信アンテナ53は、空中に放射された電磁波を受信して受信機54に送る。受信機54は、受信アンテナ54からの信号を復調して映像信号を再生し、画像処理装置55に送る。
【0005】
画像処理装置55は、A/D変換器60、移動体検知部61及び識別部62から構成されている。A/D変換器60は、受信機54で復調されたアナログの映像信号をデジタル信号に変換し、デジタル映像データとして移動体検知部61に送る。移動体検知部61は、受け取ったデジタル映像データから移動体領域を求め、この求められた移動体領域のデジタル映像データ移動体候補を検知する。この移動体検知部61での検知結果は識別部62に送られる。
【0006】
識別部62は、移動体検知部61で検知された移動体候補が車であるか、人であるか或いは誤検知であるか等を識別する。この識別部62による識別結果は、画像処理装置55の出力としてCPU56に送られる。CPU56は、この画像処理装置55からの識別結果に基づいて、種々の処理を行う。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来の監視システムでは、各撮像サブシステムはカメラ及び画像処理装置を含むので、カメラの台数を増やすに連れて画像処理装置の台数も増やす必要がある。その結果、カメラの台数の増加に対する、監視システムのコストの増加率が大きいという問題がある。
【0008】
また、高速で移動する移動体(以下、「高速移動体」という)を撮像するために、フレームレートの高い高速カメラを用いると、この高速カメラから得られた動画像データを伝送するための伝送ラインを高速伝送に対応できるものにする必要があり、コストが大きくなるという問題がある。
【0009】
本発明は上述した問題を解消するためになされたものであり、その目的は、安価な画像処理システムの構築に好適な動画像処理カメラを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の態様に係る動画像処理カメラは、上記目的を達成するために、撮像により得られた画像データから映像データを生成する映像生成部と、前記画像データから移動体を検知する移動体検知部と、前記映像生成部で生成された映像データ及び前記移動体検知部で検知された移動体の画像データを送出する通信インタフェース、とを備えている。
【0011】
この動画像処理カメラによれば、撮像により得られた画像データを処理することによって移動体が検知される。そして、その検知された移動体の画像データが通信インタフェースを介して外部に送出される。従って、この動画像処理カメラが適用された画像処理システムの画像処理装置は、移動体検知を行う必要がなく、移動体を識別するための移動体識別処理だけを行えばよい。この移動体識別処理は、各動画像処理カメラで共通化できる。従って、複数の動画像処理カメラに対して1つの画像処理装置を用意すればよいので、動画像処理カメラの台数の増加に対する画像処理システムのコストの増加率を抑えることができる。
【0012】
また、この動画像処理カメラが適用された画像処理システムでは、移動体を識別するために、撮像により得られた画像データの全てを画像処理装置に送る必要はなく、移動体の画像データだけを送ればよい。従って、高速移動体を撮像するためにフレームレートの高い高速カメラを用いた場合であっても、伝送すべき画像データの量は少ないので、高速カメラから画像処理装置に画像データを伝送するための伝送ラインを高速伝送に対応できるものにする必要はない。その結果、画像処理システムのコスト上昇を回避できる。
【0013】
また、この第1の態様に係る動画像処理カメラにおいて、前記通信インタフェースは、前記映像生成部で生成された映像データ及び前記移動体検知部で検知された移動体の画像データをデジタル信号で送出するように構成できる。この構成によれば、この動画像処理カメラが適用された画像処理システムの画像処理装置は、動画像処理カメラから受け取った映像データ及び移動体の画像データをデジタル化する必要はないので、画像処理システムを簡単且つ安価に構成できる。
【0014】
また、この第1の態様に係る動画像処理カメラにおいて、前記通信インタフェースは、前記映像生成部で生成された映像データ及び前記移動体検知部で検知された移動体の画像データをアナログ信号で送出するように構成できる。この構成によれば、動画像処理カメラから画像処理装置への伝送ラインとしてアナログ伝送ラインを用いることができるので、伝送ラインを安価に構成できる。
【0015】
この場合、前記移動体検知部で検知された移動体の画像データに基づいて該移動体の状態を表す移動体情報を算出する算出部と、該算出部で算出された前記移動体情報を前記映像生成部で生成された映像データに重畳する重畳部、とを更に備え、前記通信インタフェースは、該重畳部からの前記移動体情報が重畳された映像データを送出するように構成できる。この構成によれば、この動画像処理カメラが適用された画像処理システムの画像処理装置は、移動体情報の算出処理を行う必要がないので、画像処理装置の構成が簡単になりコストを低減させることができる。
【0016】
また、前記算出部は、前記移動体検知部で検知された移動体の座標を算出する座標算出部と、前記移動体検知部で検知された移動体の移動速度を検出する速度検出部、とを含み、前記重畳部は、前記移動体検知部での移動体の検知の有無、前記座標検出部で検出された移動体の座標及び前記速度検出部で検出された移動体の移動速度の少なくとも1つを前記移動体情報として前記映像生成部で生成された映像データに重畳するように構成できる。この構成によれば、この動画像処理カメラが適用された画像処理システムの画像処理装置は、移動体の座標の算出処理及び移動体の移動速度の検出処理を行う必要がないので、画像処理装置の構成が簡単になりコストを低減させることができる。
【0017】
また、前記重畳部は、前記移動体情報を、画像データ及びデジタルデータの少なくとも1つで表したラベリング情報として前記映像生成部で生成された映像データに重畳するように構成できる。この構成によれば、この動画像処理カメラが適用された画像処理システムの画像処理装置は、移動体に関する情報を文字で表示させることができ、またデジタルデータとして取り込むこともできる。
【0018】
また、この第1の態様に係る動画像処理カメラは、前記通信インタフェースから出力されるデータを無線で送信する無線送信手段、を更に備えて構成できる。この構成によれば、この動画像処理カメラが適用された画像処理システムにおいて、動画像処理カメラの配置の自由度が増すので、画像処理システムの構築が容易になる。
【0019】
また、この第1の態様に係る動画像処理カメラにおいて、前記移動体検知部は、外部からの指示に応答して処理内容を変更するように構成できる。この構成によれば、この動画像処理カメラを多目的、例えば車両の検知、人の監視、プラントの異常監視、車両や人の追跡等の目的に使用できる。
【0020】
また、この第1の態様に係る動画像処理カメラは、ズーム機構と、該ズーム機構にズーム撮影の指示を与える指示手段、とを更に備えて構成できる。この構成によれば、目的とする被写体を詳細に撮像することができる。
【0021】
また、この第1の態様に係る動画像処理カメラは、パン機構と、該パン機構にパン撮影の指示を与える第1指示手段と、チルト機構と、該チルト機構にチルト撮影の指示を与える第2指示手段、とを更に備えて構成できる。この構成によれば、例えば移動体を追跡するような応用が可能になる。
【0022】
また、本発明の第2の態様に係る画像処理システムは、上記目的を達成するために、上述した動画像処理カメラと、該動画像処理カメラの前記通信インタフェースから送出された前記移動体の画像データに基づいて移動体を識別する識別部、とを備えて構成されている。この画像処理システムによれば、上述した安価に構成できる動画像処理カメラを使用しているので、画像処理システムを安価に構成できる。
【0023】
この画像処理システムの前記識別部は、識別結果に基づいて課金処理を実行する車両検知センタにより構成されている。この画像処理システムによれば、車両検知センタでは、動画像処理検知カメラからの移動体の画像データに基づいて課金処理を実行できるので、該車両検知センタでの負荷が軽減される。その結果、画像処理システム全体のパフォーマンスを向上させることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0025】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る動画像処理カメラは、イメージセンサから得られた動画像データを処理することにより移動体を検知し、その検知された移動体の画像データを外部に出力する。
【0026】
図1は、この実施の形態1に係る動画像処理カメラ1が適用された監視システムの構成を示すブロック図である。この監視システムは、本発明の画像処理システムに対応する。この監視システムは、動画像処理カメラ1、A/D変換器2、画像処理装置3、CPU4及びモニタテレビジョン(モニタTV)5から構成されている。動画像処理カメラ1は、アナログ伝送ライン30及びデジタル伝送ライン31を介して画像処理装置3に接続されている。
【0027】
なお、画像処理装置3には、動画像処理カメラ1、A/D変換器2及びモニタテレビジョン5から成る撮像サブシステムが複数接続される。各撮像サブシステムは同一であるので、以下では、1つの撮像サブシステムが画像処理装置3に接続される場合について説明する。
【0028】
動画像処理カメラ1は、光学系10、イメージセンサ11、駆動回路12、A/D変換器13、データ処理部14、アナログ通信インタフェースとしてのD/A変換器15及びデジタル通信インタフェース(I/F)16から構成されている。
【0029】
光学系10は、レンズ、プリズム、光学フィルタといった周知の光学素子から構成されており、光学像をイメージセンサ11上に結像させる。
【0030】
イメージセンサ11は、駆動回路12からの駆動信号に応答して、光学系10からの光学像を光電変換してアナログ動画像信号を生成する。このイメージセンサ11で生成されたアナログ動画像信号は、A/D変換器13に送られる。イメージセンサ11としては、CCD形デバイス、MOS形デバイス、その他の固体撮像デバイスを用いることができる。
【0031】
駆動回路12は、データ処理部14からの制御信号に基づいて上述した駆動信号を生成する。この駆動信号は、イメージセンサ11から単位時間に出力されるフレーム数、即ちフレームレートを規定するための信号、例えばドットクロック信号、水平同期信号(HD)、垂直同期信号(VH)等を含む。
【0032】
なお、本明細書では、30枚/秒のフレームレートを標準フレームレート、30枚/秒より大きいフレームレートを高速フレームレート、30枚/秒より小さいフレームレートを低速フレームレートという。この動画像処理カメラでは、フレームレートは、10〜120枚/秒の範囲で可変である。
【0033】
A/D変換器13は、イメージセンサ11からのアナログ動画像信号をデジタル動画像信号に変換する。このA/D変換器13から出力されるデジタル動画像信号は、動画像データとしてデータ処理部14に供給される。
【0034】
データ処理部14は、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific IC)等によって構成できる。このデータ処理部14は、映像生成部20及び移動体検知部21から構成されている。映像生成部20は、A/D変換器13から送られてくる動画像データからデジタル映像データを生成し、D/A変換器15に送る。また、移動体検知部21は、A/D変換器13から送られてくる動画像データから移動体を検出し、移動体の画像データをデジタル通信インタフェース16に送る。この移動体の検出処理の詳細は、後述する。なお、データ処理部14は、上記以外に、フレームレートを制御するための制御信号を生成して駆動回路12に供給する処理も行う。
【0035】
D/A変換器15は、データ処理部14の映像生成部20からのデジタル動画像信号をアナログ動画像信号に変換し、例えばNTSC方式でアナログ伝送ライン30に送出する。
【0036】
デジタル通信インタフェース16は、データ処理部14の移動体検知部21からのデジタル動画像信号及びその他のデジタル信号をデジタル伝送ライン31を介して画像処理装置3に送出すると共に、デジタル伝送ライン31からの信号をデータ処理部14へ供給する。このデジタル通信インタフェース16としては、ローカルエリアネットワーク(LAN)インタフェース、IEEE1394インタフェース、シリアルインタフェース、パラレルインタフェース、USBインタフェース等を用いることができる。
【0037】
この動画像処理カメラ1は、このデジタル通信インタフェース16を介して外部の画像処理装置に接続できるようになっている。従って、この動画像処理カメラ1は、例えばLANによって他の複数の装置に接続できるので画像処理システムを構築するのに好適である。
【0038】
画像処理システムを構成するA/D変換器2は、動画像処理カメラ1からアナログ伝送ライン30を介して送られてくるアナログ映像信号をデジタル映像信号に変換して画像処理装置3に供給する。
【0039】
画像処理装置3は、例えばFPGA、ASIC等によって専用カードとして構成されている。この画像処理装置3は、動画像処理カメラ1から送られてきた移動体の画像データに基づいて、その移動体が車であるか、人であるか或いは誤検知であるか等を識別する移動体識別処理を実行する。
【0040】
CPU4は、画像処理装置3の起動及び停止、画像処理装置3へのパラメータの設定等を行う。このCPU4と画像処理装置3とは、例えばCPCIバスによって接続される。なお、画像処理装置3で実行される移動体識別処理が軽負荷である場合は、移動体識別処理の全てをCPU4で実行するように構成できる。この構成によれば、画像処理装置3が不要になるので画像処理システムを小規模且つ安価に構成できる。
【0041】
モニタテレビジョン5はオプションであり、アナログ伝送ライン30に接続される。ユーザは、このモニタテレビジョン5を見ることによって、動画像処理カメラが捉えている被写体を確認できる。
【0042】
次に、以上のように構成される画像処理システムの動作を、動画像処理カメラ1の動作を中心に説明する。
【0043】
通常の状態では、駆動回路12は、イメージセンサ11を標準フレームレートで動作させるための駆動信号を生成し、イメージセンサ11に供給する。これにより、イメージセンサ11は、1/30秒毎に1フレーム分のアナログ動画像信号を出力する。このアナログ動画像信号はA/D変換器13でデジタル動画像信号に変換され、動画像データとしてデータ処理部14の映像生成部20及び移動体検知部21に供給される。
【0044】
映像生成部20は、入力された動画像データを順次デジタル映像信号に変換し、D/A変換器15に供給する。D/A変換器15は、受け取ったデジタル映像信号をアナログ映像信号に変換してアナログ伝送ライン30に送出する。A/D変換器2は、このアナログ伝送ライン30から伝送されてくるアナログ映像信号をデジタル映像信号に変換して画像処理装置3に送る。画像処理装置3は、このA/D変換器2からのデジタル映像信号に基づいて、後述する移動体識別処理以外の種々の処理を行う。
【0045】
モニタテレビジョン5がアナログ伝送ライン30に接続されている場合は、モニタテレビジョン5は、アナログ伝送ライン30に流れているアナログ映像信号に基づいて画像を表示する。
【0046】
移動体検知部21は、入力された動画像データを入力画像として順次メモリ(図示省略)の入力画像エリアに格納する。
【0047】
次いで、移動体検知部21は、A/D変換器13から動画像データを受け取る毎に移動体検知処理及び速度マップ導出処理を実行する。
【0048】
移動体検知の原理を図2に示す。この移動体検知処理では、背景画像と入力画像との差が計算される。この計算結果がゼロの場合は、入力画像は背景画像と同じであるので移動体が検知されなかった旨が判断される。一方、計算結果がゼロでない場合は、移動体が検知された旨が判断される。
【0049】
速度マップ導出の原理を図3に示す。この速度マップ導出処理では、時刻tの入力画像と時刻t+1の入力画像とを比較することにより移動ベクトルの画面上の分布、即ちオプティカルフローが生成される。そして、このオプティカルフローを利用して移動体の実際の移動速度及び方向を表す速度マップが導出される。
【0050】
以上の原理に基づく移動体検知部21の動作を図4を参照しながら説明する。移動体検知部21は、先ず、メモリに格納された入力画像のぶれ修正、つまり動画像処理カメラのぶれに起因する入力画像の乱れの補正を行う。このぶれ修正がなされた入力画像は、時刻tの入力画像I(t)としてメモリに記憶される。
【0051】
次いで、図2を参照して説明したように、メモリの背景画像エリアに格納されている背景画像とメモリの入力画像エリアに格納されている入力画像I(t)との差を計算することにより背景差分が求められる。そして、この背景差分が所定値より大きい場合は、移動体が検知された旨が判断され、移動体領域と背景領域とが求められる。この求められた移動体領域の画像は、メモリの移動体領域画像エリアに格納される。一方、上記背景差分が上記所定値以下の場合は、移動体が検知されなかった旨が判断され、メモリの移動体領域画像エリアにはゼロが格納される。
【0052】
また、メモリの背景画像エリアに格納されている背景画像を更新するかどうかは、上記背景差分を所定のしきい値と比較することにより判断される。例えば、今、入力画像をI(t)、背景画像をB(t)とすると、背景画像は、「B(t+1)=αI(t)+(1−α)B(t)」の条件で更新される。ここで、αは0≦α≦1であり、移動体領域及び背景領域に応じて決められる値である。なお、背景画像を更新するかどうかは、時刻tとt−1の入力画像の差分である時間差分に基づいて決定することもできる。以上の処理により移動体検知処理が完了する。
【0053】
次に、動画像データが入力されると、その動画像データが時刻tの入力画像I(t)になり、それまでの入力画像I(t)が時刻t−1の入力画像I(t−1)になる。この状態で、図3を参照して説明したように、時刻tの入力画像I(t)と時刻t−1の入力画像I(t−1)とが比較されてオプティカルフローが生成される。そして、このオプティカルフローを利用して移動体の実際の移動速度及び方向を表す速度マップが導出される。この導出された速度マップはメモリの速度マップ領域に格納される。以上により、速度マップ導出処理が完了する。
【0054】
なお、移動体の移動速度は、前回の移動体検知処理で抽出された移動体の画像と今回の移動体検知処理で抽出された移動体の画像との間の動画像上における距離と、その時点におけるフレームレートとに基づいて求めることもできる。
【0055】
この移動体検知処理により得られた移動体の動画像データは、デジタル通信インタフェース16を介してデジタル伝送ライン31に送出される。画像処理装置3は、このデジタル伝送ライン31から送られてくる移動体の画像データを取り込み移動体の識別処理を行う。この識別処理では、移動体の画像データが車であるか、人であるか或いは誤検知であるか等を識別する。
【0056】
この移動体検知部21による速度マップ導出処理が終了すると、データ処理部14は、フレームレートの変更処理を行う。このフレームレート変更処理では、上述した速度マップ導出処理で導出された移動速度が所定値以下であれば、データ処理部14は、標準フレームレートに対応する制御信号を生成して駆動回路12に供給する。これにより、動画像処理カメラは、標準フレームレートで動作する。一方、上記移動速度が所定値より大きければ、データ処理部14は、高速フレームレートに対応する制御信号を生成して駆動回路12に供給する。これにより、フレームレート変更処理が完了し、以後、動画像処理カメラは高速フレームレートで動作する。この構成によれば、動画像処理カメラは、通常は標準フレームレートで動作し、高速移動体が検知されると高速フレームレートで動作するので、高速移動体を精度よく検出できる。
【0057】
また、データ処理部14は、動画像データをD/A変換器15を介して外部に送出する場合、その時点で高速フレームレートに設定されていれば、フレームを間引いて送出する。即ち、データ処理部14は、通常は標準フレームレートで撮像された動画像を1/30秒毎に高解像度で出力するが、高速フレームレートに変更された場合は、NTSC方式に従ったビデオレートになるようにフレームを間引いて送出する。この構成により、D/A変換器15に既存のモニタテレビジョン5をそのまま接続できる。
【0058】
以上説明したように、この実施の形態1に係る動画像処理カメラによれば、イメージセンサ11から得られた動画像データを、この動画像処理カメラに内蔵されるデータ処理部14の移動体検知部21で処理することによって、その動画像に含まれる移動体が検知される。そして、その検知された移動体の画像データがデジタル通信インタフェース16を介して外部に送出される。従って、この動画像処理カメラが適用された画像処理システムの画像処理装置は、移動体検知を行う必要がなく、移動体を識別するための移動体識別処理だけを行えばよい。この移動体識別処理は、各動画像処理カメラで共通化できる。従って、複数の動画像処理カメラに対して1つの画像処理装置を用意すればよいので、動画像処理カメラの台数の増加に対する画像処理システムのコストの増加率を抑えることができる。
【0059】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る動画像処理カメラは、検知された移動体の画像データのみならず映像データをもデジタル信号で外部に送出するようにしたものである。
【0060】
図5は、この実施の形態2に係る動画像処理カメラが適用された監視システムの構成を示すブロック図である。この監視システムで使用される動画像処理カメラは、実施の形態1に係る動画像処理カメラ(図1参照)からD/A変換器15及びデジタル通信インタフェース16が除去され、代わりにデジタル通信インタフェース17が追加されている。以下、実施の形態1に係る動画像処理カメラと異なる部分を中心に説明する。
【0061】
デジタル通信インタフェース17は、デジタル伝送ライン32を介して画像処理装置3に接続されている。このデジタル通信インタフェース17は、映像生成部20からの動画像データ及び移動体検知部21からの移動体の画像データを入力し、デジタル信号でデジタル伝送ライン32に送出する。この際、上記動画像データ及び移動体の画像データの各々にはデータの種類を識別するための識別フラグが付されて送出される。
【0062】
画像処理装置3は、デジタル伝送ライン32からデータを受け取った際に、この識別フラグを参照することにより、受け取ったデータが動画像データであるか又は移動体の画像データであるかかを判断する。
【0063】
以上のように構成される動画像処理カメラが適用された監視システムの動作は、動画像データがデジタル信号で画像処理装置3に送られることを除けば、上述した実施の形態1に係る監視システムの動作と同じである。
【0064】
この実施の形態2に係る動画像処理カメラによれば、監視システムの画像処理装置は、動画像処理カメラから受け取った映像データ及び移動体の画像データをデジタル化する必要はないので、画像処理システムを安価に構成できる。
【0065】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係る動画像処理カメラは、検知された移動体の状態を表す移動体情報を、その動画像に重畳して外部に送出する。
【0066】
図6は、この実施の形態3に係る動画像処理カメラが適用された監視システムの構成を示すブロック図である。この監視システムで使用される動画像処理カメラは、実施の形態1に係る動画像処理カメラ(図1参照)からD/A変換器15及びデジタル通信インタフェース16が除去され、代わりにA/D変換器18が追加されている。以下、実施の形態1の動画像処理カメラと異なる部分を中心に説明する。
【0067】
A/D変換器18は、アナログ伝送ライン33を介して画像処理装置3に接続されている。このA/D変換器18は、映像生成部20からの動画像データ及び移動体検知部21からの移動体の画像データを入力し、アナログ信号でアナログ伝送ライン33に送出する。この際、上記動画像データ及び移動体の画像データの各々にはデータの種類を識別するための識別フラグが付されて送出される。
【0068】
画像処理装置3は、アナログ伝送ライン33からデータを受け取った際に、この識別フラグを参照することにより、受け取ったデータが動画像データであるか又は移動体の画像データであるかを判断する。
【0069】
以上のように構成される実施の形態3に係る動画像処理カメラは、実施の形態1に係る動画像処理カメラの動作に加えて、以下の動作が追加されている。
【0070】
即ち、実施の形態1で説明した移動体検知処理が完了すると、データ処理部14は、ラベリング情報の生成処理を実行する。即ち、メモリの移動体領域画像エリアを参照することによって移動体が検知された旨が判断されると、その移動体の画像に番号が付与されると共に、その移動体の画面上での座標(X、Y)、重心、面積、移動方向、移動速度等がラベリング情報として算出される。これらの算出は、メモリの移動体領域画像エリアに格納された移動体の画像及びメモリの速度マップ領域に格納された速度マップに基づいて行われる。
【0071】
次いで、データ処理部14の映像生成部20は、ラベリング情報の重畳処理を実行する。即ち、データ処理部14は、図7(A)に一例を示すように、上記ラベリング情報を画像データに変換し、メモリから読み出された入力画像上に書き込む。なお、図7(A)は、ラベリング情報の一例として、移動体の有無、座標(X、Y)及び移動速度だけが重畳される場合の例を示している。
【0072】
次いで、データ処理部14は、ラベリング情報が重畳された動画像データを、D/A変換器18に供給する。D/A変換器18は、この動画像データをアナログ動画像信号に変換し、アナログ伝送ライン33に送出する。その後、データ処理部14は、実施の形態1で説明したと同様の速度マップ導出処理及びフレームレート変更処理を実行する。なお、このアナログ伝送ライン33にモニタテレビジョン5が接続されていると、ユーザは、現在動画像処理カメラで撮影されている画像を見ることができると共に、検知された移動体の状態(速度及び位置)を知ることができる。
【0073】
一方、データ処理部14の移動体検知部21は、実施の形態1で説明した手順で移動体を検知し、検知された移動体の画像データをD/A変換器18に送る。D/A変換器18は、この移動体の画像データをアナログ画像信号に変換し、アナログ伝送ライン33に送出する。
【0074】
画像処理装置3は、このアナログ伝送ライン33から送られてくるラベリング情報が重畳された動画像データ及び移動体の画像データを取り込み移動体の識別処理を行う。この識別処理では、ラベリング情報を考慮して、移動体の画像データが車であるか、人であるか或いは誤検知であるか等を識別する。
【0075】
なお、ラベリング情報は、画像データとしてではなく、デジタルデータとして動画像データと一緒に送出するように構成できる。この場合、例えば図7(B)に示すように、動画像の端部にラベリング情報表示領域を設け、この領域にデジタルデータでラベリング情報を書き込む。この構成によれば、この動画像処理カメラに接続された画像処理装置は、デジタルデータとして受け取ったラベリング情報をそのまま種々の処理に利用できる。
【0076】
以上説明したように、この実施の形態3に係る動画像処理カメラによれば、イメージセンサ11から得られた動画像に含まれる移動体が検知される。そして、その検知された移動体に関する情報が算出され、動画像に重畳されて外部に送出される。従って、この動画像を受け取った外部の画像処理装置3では移動体検知処理や移動体情報の算出処理を行う必要がないので、画像処理装置の構成が簡単になりコストを低減させることができる。
【0077】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4に係る動画像処理カメラは、撮像により得られた映像データ及び検知された移動体の画像データを無線で画像処理装置に送信する。
【0078】
図8は、この実施の形態4に係る動画像処理カメラが適用された監視システムの構成を示すブロック図である。この監視システムでは、動画像処理カメラ1と画像処理装置3との間の通信路が無線で構成されている。
【0079】
この通信路は、送信機6、送信アンテナ7、受信アンテナ8及び受信機9で構成されている。送信機6は、動画像処理カメラ1のD/A変換器15からの映像データ及びデジタル通信インタフェース17からの移動体の画像データを変調し、送信アンテナ7を介して電磁波として空中に放射する。受信アンテナ53は、空中に放射された電磁波を受信して受信機9に送る。受信機9は、受信アンテナ8からの信号を復調して映像データ及び移動体の画像データを再生し、A/D変換器2及び画像処理装置3にそれぞれ送る。上記以外の構成及び動作は、実施の形態1のそれらと同じである。
【0080】
以上説明したように、この実施の形態4に係る動画像処理カメラが適用された監視システムによれば、動画像処理カメラの配置の自由度が増すので、監視システムの構築が容易になる。
【0081】
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5に係る動画像処理カメラは、データ処理部で実行される処理内容を変更できるようにしたものである。
【0082】
この実施の形態5に係る動画像処理カメラでは、データ処理部14は、図9に示すように、ROMとFPGAとによって構成されている。ROMは4つの領域に区切られており、各領域には、FPGAの構成を決定するためのコンフィグレーションデータD1〜D4が記憶されている。コンフィグレーションデータD1、D2、D3及びD4は、FPGAを車両の検知用、人の検知用、プラントの異常監視用及び追跡用にそれぞれ構築するためのデータである。
【0083】
このROMに形成された4つの領域の何れか1つは、図示しないモード設定用スイッチから供給される選択信号によって選択される。そして、選択された領域に記憶されているコンフィグレーションデータがアクティブにされ、FPGAはそのコンフィグレーションデータに従った回路になるように構築される。
【0084】
今、図示しないモード設定用スイッチによってROM内のコンフィグレーションデータD1が選択されたと仮定すると、FPGAには車両(移動体)の検知を実行する回路が構築される。これにより、FPGAは、上述した各実施の形態で説明したような、移動体検知処理、速度マップ導出処理、ラベリング情報の生成処理、ラベリング情報の重畳処理、フレームレートの変更処理等を実行できる状態に設定される。
【0085】
以上説明したように、この実施の形態5に係る動画像処理カメラによれば、簡単な操作により、動画像処理カメラを多目的、例えば車両の検知、人の監視、プラントの異常監視、車両や人の追跡等の目的に使用できる。
【0086】
なお、この実施の形態5では、複数のコンフィグレーションデータをROMに記憶しておき、モード設定用スイッチで選択された1つのコンフィグレーションに従ってFPGAの回路を構築するようにしたが、外部の画像処理装置からデジタル通信インタフェース16を介してFPGAにコンフィグレーションデータを供給するように構成してもよい。この構成によれば、ROMやモード設定用スイッチが不要になるので、動画像処理カメラの構成が簡単になると共に、動画像処理カメラのリモートコントロールが可能になる。
【0087】
(実施の形態6)
本発明の実施の形態6に係る動画像処理カメラは、ズーム機構を備えたものである。ズーム機構の構造は周知であるので図示は省略する。この実施の形態6に係る動画像処理カメラは、このズーム機構を作動させるタイミングに特徴がある。
【0088】
このズーム機構が搭載された動画像処理カメラの電気的な構成は、データ処理部14からズーム機構に対してズーム制御信号が供給される点を除けば、図1に示した構成と同じである。
【0089】
ズーム機構は、データ処理部14からのズーム制御信号に応答して作動する。即ち、データ処理部14は、実施の形態1で説明したように、イメージセンサ11からの動画像中に移動体を検知すると、ズーム制御信号をズーム機構に供給する。これにより、ズーム機構が作動して拡大された移動体の光学像がイメージセンサ11上に結像される。この際、ズームアップ及びズームダウンの制御は、実施の形態1で説明した移動体検知処理によって抽出された移動体の大きさに基づいて行うことができる。
【0090】
この実施の形態6に係る動画像処理カメラによれば、移動体が検知された場合にズーム機構を作動させることにより、直ちにその移動体の詳細を撮像することができる。従って、例えば移動体を撮像することを目的とする画像処理システムでは、その移動体が、動画像処理カメラの設置点の近傍の好適な撮像ポイントに到達するまで待つことなく(従って、移動速度の計算は不要)、移動体を検知した時点で直ちに高速フレームレートで撮像を開始すれば、高速移動体であっても移動体の全体像を正確に撮像することができる。
【0091】
(実施の形態7)
本発明の実施の形態7に係る動画像処理カメラは、パン機構及びチルト機構を備えたものである。パン機構及びチルト機構の構造は周知であるので図示は省略する。この実施の形態7に係る動画像処理カメラは、これらのパン機構及びチルト機構を作動させるタイミングに特徴がある。
【0092】
このパン機構及びチルト機構が搭載された動画像処理カメラの電気的な構成は、データ処理部14からパン機構及びチルト機構に対してそれぞれパン制御信号及びチルト制御信号が供給される点を除けば、図1に示した構成と同じである。
【0093】
パン機構及びチルト機構は、データ処理部14からのパン制御信号及びチルト制御信号に応答してそれぞれ作動する。即ち、データ処理部14は、実施の形態1で説明したように、移動体検知処理によりイメージセンサ11からの動画像中に移動体を検知すると、速度マップ導出処理を実行して移動体の移動速度及び移動方向を取得する。
【0094】
次いで、得られた移動体の移動速度及び移動方向から、動画像処理カメラを動かすべき方向を計算する。そして、この計算結果に基づいてパン制御信号及びチルト制御信号を生成し、パン機構及びチルト機構に供給する。これにより、パン機構及びチルト機構が作動し、移動体が画面の中央に位置するように動画像処理カメラが移動される。以上の処理が、イメージセンサ11から動画像が得られる毎に繰り返し実行される。
【0095】
この実施の形態7に係る動画像処理カメラによれば、動画像処理カメラの視野内に移動体が検知されると、その後、動画像処理カメラは、その稼働範囲内で常に移動体を捉えた状態に置かれる。従って、この実施の形態7に係る動画像処理カメラは移動体を追跡する応用に最適である。
【0096】
(実施の形態8)
本発明の実施の形態8は、動画像処理カメラが適用された画像処理システムである。以下では、この画像処理システムの一例として、ETC、ERPといったITSにおける料金収受システムについて説明する。
【0097】
この料金収受システムは、図10に示すように、車両検知カメラ、違反車撮像カメラ、課金アンテナ及び車両検知センタから構成されている。両検知カメラ及び違反車撮像カメラとしては、上述した実施の形態1〜7で説明した動画像処理カメラが使用されている。車両検知センタは、車両検知カメラ、違反車撮像カメラ及び課金アンテナを制御することにより課金処理を実行する。
【0098】
この課金処理では、以下の処理が実行される。即ち、車両検知カメラは、検知ゾーン内に入ってきた車両を検知すると、その速度マップから該車両の移動速度を導出する。この導出された移動速度はラベリング情報として、車両検知カメラで撮像された動画像に重畳して車両検知センタに送信される。車両検知センタでは、受信したラベリング情報から該車両が所定位置に到達する時間を計算する。そして、この計算により得られた時間が経過した時、つまり該車両が上記所定位置に到達した時に、課金アンテナからIDの送信タイミングを該車両に知らせる。
【0099】
車両は、課金アンテナから送信タイミングが送られてくると、これに応答してで自己のIDを課金アンテナに送信する。この課金アンテナで受信されたIDは、車両検知センタに送信される。車両検知センタでは、データベースを参照することにより、受信されたIDが登録されているかどうかを判断する。そして、登録されていることが判断されると、その車両を通過させる。
【0100】
一方、登録されていないことが判断されると、車両検知センタは、該車両が不正車両であることを判断し、図示しない遮断機を作動させて該車両の進路を遮断する。この際、アラーム・警報を発するように構成してもよい。また、車両検知センタは、ラベリング情報として受信した移動速度から不正車両のナンバプレートを読み取ることのできるタイミングを計算し、計算により得られたタイミングで違反者撮像カメラを起動する。これにより、違反者撮像カメラで撮像が行われるので、不正車両の特定が容易になる。
【0101】
以上説明したように、この実施の形態8に係る画像処理システムによれば、車両検知センタでは、車両検知カメラからの動画像に基づいて移動速度を算出する必要がないので、該車両検知センタでの負荷が軽減される。その結果、画像処理システム全体のパフォーマンスを向上させることができる。
【0102】
以上説明した実施の形態8では、動画像処理カメラを料金収受システムに適用した場合を説明したが、料金収受システムに限らず、動画像処理カメラから得られる移動体の画像データから車やバイクを識別して台数を計数する交通流計測システム、動画像処理カメラから得られる移動体の画像データから車やバイクを識別し、更に、ナンバープレート部の画像データから車番号を認識する車番号認識システム等に応用できる。
【0103】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、安価な画像処理システムの構築に好適な動画像処理カメラを提供できる。また、本発明によれば、多数の動画像処理カメラを利用しやすくなるため、多地点で同時に複数の対象を検知することができる。
【0104】
より詳しくは、本発明の第1の態様に係る動画像処理カメラによれば、撮像により得られた画像データを処理することによって検知された移動体の画像データが通信インタフェースを介して外部に送出される。従って、この動画像処理カメラが適用された画像処理システムの画像処理装置は、移動体検知を行うことなく移動体識別処理だけを行えばよい。この移動体識別処理は、各動画像処理カメラで共通化できるので、複数の動画像処理カメラに対して1つの画像処理装置を用意すればよい。従って、動画像処理カメラの台数の増加に対する画像処理システムのコストの増加率を抑えることができる。
【0105】
また、この動画像処理カメラが適用された画像処理システムでは、移動体を識別するために必要な移動体の画像データだけを画像処理装置に送ればよいので、高速カメラを用いた場合であっても、伝送すべき画像データの量は少なくて済む。従って、高速カメラから画像処理装置に画像データを伝送するための伝送ラインを高速伝送に対応できるものにする必要はないので、画像処理システムのコスト上昇を回避できる。
【0106】
また、本発明の第1の態様に係る動画像処理カメラによれば、映像データ及び移動体の画像データを通信インタフェースからデジタル信号で送出できるので、この動画像処理カメラが適用された画像処理システムの画像処理装置は、動画像処理カメラから受け取った映像データ及び移動体の画像データをデジタル化する必要はないので、画像処理システムを簡単且つ安価に構成できる。
【0107】
また、本発明の第1の態様に係る動画像処理カメラによれば、映像データ及び移動体の画像データを通信インタフェースからアナログ信号で送出できるので、動画像処理カメラから画像処理装置への伝送ラインとしてアナログ伝送ラインを用いることができ、伝送ラインを安価に構成できる。
【0108】
この場合、移動体情報を算出する算出部と、該算出された移動体情報を映像データに重畳する重畳部とを更に備え、通信インタフェースは、重畳部からの移動体情報が重畳された映像データを送出するように構成すれば、この動画像処理カメラが適用された画像処理システムの画像処理装置は、移動体情報の算出処理を行う必要がないので、画像処理装置の構成が簡単になりコストを低減させることができる。
【0109】
また、算出部を移動体の座標を算出する座標算出部と移動体の移動速度を検出する速度検出部とから構成し、重畳部は、移動体の検知の有無、座標検出部で検出された移動体の座標及び速度検出部で検出された移動体の移動速度の少なくとも1つを移動体情報として映像データに重畳するように構成すれば、この動画像処理カメラが適用された画像処理システムの画像処理装置は、移動体の座標の算出処理及び移動体の移動速度の検出処理を行う必要がないので、画像処理装置の構成が簡単になりコストを低減させることができる。
【0110】
また、重畳部は、移動体情報を、画像データ及びデジタルデータの少なくとも1つで表したラベリング情報として前記映像生成部で生成された映像データに重畳するように構成すれば、この動画像処理カメラが適用された画像処理システムの画像処理装置は、移動体に関する情報を文字で表示させることができ、またデジタルデータとして取り込むこともできる。
【0111】
また、この第1の態様に係る動画像処理カメラは、通信インタフェースから出力されるデータを無線で送信するように構成すれば、この動画像処理カメラが適用された画像処理システムにおいて、動画像処理カメラの配置の自由度が増すので、画像処理システムの構築が容易になる。
【0112】
また、この第1の態様に係る動画像処理カメラにおいて、移動体検知部を、外部からの指示に応答して処理内容を変更するように構成すれば、この動画像処理カメラを多目的、例えば車両の検知、人の監視、プラントの異常監視、車両や人の追跡等の目的に使用できる。
【0113】
また、この第1の態様に係る動画像処理カメラは、ズーム機構と、該ズーム機構にズーム撮影の指示を与える指示手段、とを更に備えて構成すれば、目的とする被写体を詳細に撮像することができる。また、パン機構と、該パン機構にパン撮影の指示を与える第1指示手段と、チルト機構と、該チルト機構にチルト撮影の指示を与える第2指示手段、とを更に備えて構成すれば、例えば移動体を追跡するような応用が可能になる。
【0114】
更に、本発明の第2の態様に係る画像処理システムは、上述した安価に構成できる動画像処理カメラと該動画像処理カメラの通信インタフェースから送出された移動体の画像データに基づいて移動体を識別する識別部とから構成されているので、画像処理システムを安価に構成できる。
【0115】
この画像処理システムの識別部を、識別結果に基づいて課金処理を実行する車両検知センタで構成すれば、車両検知センタでは、動画像処理検知カメラからの移動体の画像データに基づいて課金処理を実行できるので、該車両検知センタでの負荷が軽減される。その結果、画像処理システム全体のパフォーマンスを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る動画像処理カメラの電気的な構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る動画像処理カメラで実行される移動体検知処理の原理を説明するための図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る動画像処理カメラで実行される速度マップ導出処理の原理を説明するための図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る動画像処理カメラにおける移動体検知処理及び速度マップ導出処理の動作を説明するための図である。
【図5】本発明の実施の形態2に係る動画像処理カメラの電気的な構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態3に係る動画像処理カメラの電気的な構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施の形態3に係る動画像処理カメラのラベリング情報の重畳処理を説明するための図である。
【図8】本発明の実施の形態4に係る動画像処理カメラの電気的な構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の実施の形態5に係る動画像処理カメラのデータ処理部の構成を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態8に係る画像処理システムの構成を示す図である。
【図11】従来の画像処理システムを説明するための図である。
【符号の説明】
1 動画像処理カメラ
2、13 A/D変換器
3 画像処理装置
4 CPU
5 モニタテレビジョン
6 送信機
7 送信アンテナ
8 受信アンテナ
9 受信機
10 光学系
11 イメージセンサ
12 駆動回路
14 データ処理部
15、18 D/A変換器
16、17 デジタル通信インタフェース
20 映像生成部
21 移動体検知部
30、33 アナログ伝送ライン
31、32 デジタル伝送ライン

Claims (10)

  1. 画像処理装置と、
    前記画像処理装置に接続する複数の動画像処理カメラから選択される任意の1つの動画像処理カメラとを具え、
    前記任意の1つの動画像処理カメラは、
    撮像により得られた画像データから映像データを生成する映像生成部と、
    前記画像データから移動体を検知する移動体検知部と、
    前記映像生成部で生成された映像データ前記移動体検知部で検知された移動体の画像データを前記画像処理装置に対して送出する通信インタフェースとを備え、
    前記移動体検知部は前記移動体検知部が属する前記動画処理カメラの撮像により得られる画像データに対応して前記移動体の存否を検知し、前記画像処理装置は前記複数の動画像処理カメラからそれぞれに受け取る前記画像データに対応して共通に前記移動体の識別を実行する
    動画像処理システム
  2. 前記通信インタフェースは、前記映像データと前記画像データをデジタル信号で送出する
    請求項1に記載の動画像処理システム。
  3. 前記通信インタフェースは、前記映像データと前記画像データをアナログ信号で送出する
    請求項1に記載の動画像処理システム。
  4. 前記移動体検知部は、
    前記画像データに基づいて前記移動体情報を算出する算出部と、
    前記移動体情報を前記映像データに重畳する重畳部と備え、
    前記通信インタフェースは、前記重畳部からの前記移動体情報が重畳された映像データを前記画像処理装置に対して送出する
    請求項3に記載の動画像処理システム。
  5. 前記算出部は、
    前記移動体検知部で検知された移動体の座標を算出する座標算出部と、
    前記移動体検知部で検知された移動体の移動速度を検出する速度検出部とを具え、
    前記重畳部は、
    前記移動体検知部での移動体の検知の有無、前記座標検出部で検出された移動体の座標及び前記速度検出部で検出された移動体の移動速度の少なくとも1つを前記移動体情報として前記映像生成部で生成された映像データに重畳する
    請求項4に記載の動画像システム。
  6. 前記重畳部は、前記移動体情報を画像データ及びデジタルデータの少なくとも1つで表したラベリング情報として前記映像生成部で生成された映像データに重畳する
    請求項5に記載の動画像処理システム。
  7. 前記通信インタフェースから出力されるデータを無線で送信する無線送信手段
    を更に具える請求項〜6から選択される1請求項の動画像処システム。
  8. 前記移動体検知部は、外部からの指示に応答して処理内容を変更する
    請求項1に記載の動画像処理システム。
  9. ズーム機構と、
    前記ズーム機構にズーム撮影の指示を与える指示手段
    とを更に具える請求項1〜8から選択される1請求項の動画像処理システム。
  10. パン機構と、
    前記パン機構にパン撮影の指示を与える第1指示手段と、
    チルト機構と、
    前記チルト機構にチルト撮影の指示を与える第2指示手段
    とを更に具える請求項1〜9から選択される1請求項の動画像処理システム。
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