JP6761308B2 - コアシェル構造を有するポリマー微粒子含有軟質ポリウレタンフォーム用硬化性組成物 - Google Patents
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Description
[1] 平均水酸基価が5〜150mgKOH/gであるポリオール(A)、ポリマー微粒子(B)、水(C)、触媒(D)、整泡剤(E)、および、ポリイソシアネート(F)、からなる軟質ポリウレタンフォーム用硬化性組成物であって、
(B)成分が、コア層およびシェル層の少なくとも2層を有するコアシェル構造を有するポリマー微粒子(B)であることを特徴とする軟質ポリウレタンフォーム用硬化性組成物。
[2] 下記数式(1)より計算した(B)成分のコア層のガラス転移温度(Tg)が0℃より大きいことを特徴とする[1]に記載の軟質ポリウレタンフォーム用硬化性組成物。
1/Tg=Σ(Mi/Tgi) (1)
(式中、Miは(B)成分のコア層を構成する非架橋性単量体i成分の重量分率、Tgiは非架橋性単量体iのホモポリマーのガラス転移温度(K)を表す。)
[3] (A)成分が、ポリエーテルポリオールである[1]または[2]に記載の軟質ポリウレタンフォーム用硬化性組成物。
[4] ポリエーテルポリオールがポリオキシプロピレンポリオールである[3]に記載の軟質ポリウレタンフォーム用硬化性組成物。
[5] (B)成分のコア層が、(メタ)アクリレート系重合体であることを特徴とする[1]から[4]のいずれかに記載の軟質ポリウレタンフォーム用硬化性組成物。
[6] (B)成分のコア層が、非架橋性単量体80〜99質量%、および、架橋性単量体20〜1質量%からなる単量体混合物を重合して得られる重合体であることを特徴とする[1]から[5]のいずれかに記載の軟質ポリウレタンフォーム用硬化性組成物。
[7] (B)成分のシェル層が、(メタ)アクリレート系重合体であることを特徴とする[1]から[6]のいずれかに記載の軟質ポリウレタンフォーム用硬化性組成物。
[8] (B)成分のシェル層が、水酸基を有することを特徴とする[1]から[7]のいずれかに記載の軟質ポリウレタンフォーム用硬化性組成物。
[9] (B)成分のシェル層中の水酸基の含有量が、0.05〜3.5mmol/gであることを特徴とする[1]から[8]のいずれかに記載の軟質ポリウレタンフォーム用硬化性組成物。
[10] (B)成分が、水酸基を有するモノマー成分を、コア層にグラフト重合してなるシェル層を有することを特徴とする[1]から[9]のいずれかに記載の軟質ポリウレタンフォーム用硬化性組成物。
[11] (B)成分が、該硬化性組成物中で1次粒子の状態で分散していることを特徴とする[1]から[10]のいずれかに記載の軟質ポリウレタンフォーム用硬化性組成物。
また、本発明の要旨は、以下の通りである。
[12] 平均水酸基価が5〜150mgKOH/gであるポリオール(A)、ポリマー微粒子(B)、水(C)、触媒(D)、整泡剤(E)、および、ポリイソシアネート(F)、からなる硬化性組成物を反応させて得られる軟質ポリウレタンフォームの製造方法であって、
(B)成分が、コア層およびシェル層の少なくとも2層を有するコアシェル構造を有するポリマー微粒子(B)であることを特徴とする軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
[13]下記数式(1)より計算した(B)成分のコア層のガラス転移温度(Tg)が0℃より大きいことを特徴とする[12]に記載の軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
1/Tg=Σ(Mi/Tgi) (1)
(式中、Miは(B)成分のコア層を構成する非架橋性単量体i成分の重量分率、Tgiは非架橋性単量体iのホモポリマーのガラス転移温度(K)を表す。)
本発明の硬化性組成物では、ポリオール(A)を使用する。ポリオール(A)は単独で用いても良く2種以上併用しても良い。ポリオール(A)の平均水酸基価は、5〜150mgKOH/gであり、6〜100mgKOH/gである事が好ましく、8〜80mgKOH/gである事がより好ましく、10〜60mgKOH/gである事が更に好ましく、15〜50mgKOH/gである事が特に好ましい。平均水酸基価が、1mgKOH/g未満では、硬化性組成物の粘度が高くなる場合があり、また、得られる発泡体の硬さが不十分となる場合がある。150mgKOH/gより大きいと、得られる発泡体の柔軟性や伸びが低くなる場合がある。
本発明の硬化性組成物は、コア層およびシェル層の少なくとも2層を有するコアシェル構造を有するポリマー微粒子(B)を使用する。(B)成分の添加により、得られる発泡体は硬度に優れる。
≪コア層≫
本発明のコア層は、非架橋性単量体と必要により架橋性単量体を含有する単量体混合物を、乳化重合、懸濁重合、及び、マイクロサスペンジョン重合よりなる群から選択される1種以上の方法で重合して得られる重合体である。
1/Tg=Σ(Mi/Tgi) (1)
(式中、Miは(B)成分のコア層を構成する非架橋性単量体i成分の重量分率、Tgiは非架橋性単量体iのホモポリマーのガラス転移温度(K)を表す。)
なお、非架橋性単量体のホモポリマーのガラス転移温度は、例えば、J.Brandrup著の「ポリマーハンドブック第4版(POLYMER HANDBOOK Fourth Edition)」等の文献やカタログにより確認することができる。
本発明では、必要により、中間層を形成させてもよい。特に、中間層として、以下の表面架橋層を形成させてもよい。
ポリマー微粒子の最も外側に存在するシェル層は、シェル形成用単量体を重合したものであるが、本発明に係る、ポリマー微粒子(B)と(A)成分との相溶性を向上させ、本発明の硬化性組成物、又はその発泡体中においてポリマー微粒子が一次粒子の状態で分散することを可能にする役割を担うシェルポリマーからなる。
(コア層の製造方法)
本発明で用いるポリマー微粒子のコア層は、コア層形成用モノマーを、乳化重合、懸濁重合、マイクロサスペンジョン重合から選択される1種以上の方法で重合することで得られ、例えばWO2005/028546号公報に記載の方法を用いることができる。
(シェル層および中間層の形成方法)
中間層もまた、中間層形成用モノマーを、乳化重合、懸濁重合、マイクロサスペンジョン重合から選択される1種以上の方法で重合することで得られる。コア層をエマルジョンとして得た場合には、中間層用モノマーの重合は乳化重合法により行うことが好ましい。
本発明の硬化性組成物には(C)成分として水を使用する。後述のポリイソシアネート(F)のイソシアネート基と水との反応で発生する炭酸ガスを発泡剤として用いることができる。
本発明の硬化性組成物には(D)成分としてポリオール(A)とポリイソシアネート(F)、あるいは、水(C)とポリイソシアネート(F)との反応を加速する触媒を使用する。
本発明の硬化性組成物には(E)成分として整泡剤を使用する。整泡剤としては、シリコーン系整泡剤、フッ素系整泡剤等が挙げられる。これらのうちでも、シリコーン系整泡剤が好ましい。シリコーン系整泡剤のうち、ポリオキシアルキレン・ジメチルポリシロキサンコポリマーを主成分とするシリコーン整泡剤が好ましい。整泡剤はポリオキシアルキレン・ジメチルポリシロキサンコポリマー単独であってもよく、これに他の併用成分を含んでいてもよい。含んでいてもよい他の併用成分としては、ポリアルキルメチルシロキサン、グリコール類およびポリオキシアルキレン化合物等が例示できる。
本発明の硬化性組成物では、ポリイソシアネート(F)を使用する。ポリイソシアネート(F)はポリオール(A)との反応でポリウレタンを生成し、また、水(C)との反応で炭酸ガスを生成する成分である。ポリイソシアネート(F)は単独で用いても良く2種以上併用しても良い。
本発明では、必要に応じて、その他の配合成分を使用することができる。その他の配合成分としては、充填材、顔料、難燃剤、顔料分散剤、可塑剤、溶剤、粘着性付与剤、レベリング剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、シランカップリング剤、鎖延長剤、架橋剤、セル連通化剤、加水分解安定剤、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤、離型剤、帯電防止剤、滑剤、低収縮剤、等が挙げられる。
本発明の硬化性組成物は、(A)成分および(F)成分を主成分とする硬化性組成物中に、ポリマー微粒子(B)を含有する組成物であり、好ましくは、ポリマー微粒子(B)が1次粒子の状態で分散した組成物である。
本発明の軟質ウレタンフォームの製造方法は、平均水酸基価が5〜150mgKOH/gであるポリオール(A)、コアシェル構造を有するポリマー微粒子(B)、水(C)、触媒(D)、整泡剤(E)、および、ポリイソシアネート(F)、からなる硬化性組成物を反応させる発泡工程を有する。
前記発泡工程を経由して、軟質ポリウレタンフォーム(発泡体)が得られる。本発明の硬化性組成物は、ポリマー微粒子が一次粒子の状態で分散していることから、これを発泡することによって、ポリマー微粒子が均一に分散した発泡体を容易に得ることができる。また、ポリマー微粒子が膨潤し難く、硬化性組成物の粘性が低いことから、発泡体を作業性よく得ることができる。
本発明の製造方法により製造される軟質ポリウレタンフォームは、自動車の内装材(シートクッション、シートバックレスト、ヘッドレスト、アームレスト等。)、鉄道車両の内装材、寝具用および家具用クッション(マットレス、ソファー、イス用クッション)等に利用できる。特に、硬度および機械特性に優れることから、自動車用シートクッションまたは家具用クッションとして好適である。
先ず、実施例および比較例によって製造した軟質ポリウレタンフォーム用硬化性組成物、及び、該硬化性組成物を発泡・硬化させて得られる軟質ポリウレタンフォームの評価方法について、以下説明する。
水性ラテックスに分散しているポリマー微粒子の体積平均粒子径(Mv)は、マイクロトラックUPA150(日機装株式会社製)を用いて測定した。脱イオン水で希釈したものを測定試料として用いた。測定は、水の屈折率、およびそれぞれのポリマー微粒子の屈折率を入力し、計測時間600秒、Signal Levelが0.6〜0.8の範囲内になるように試料濃度を調整して行った。
軟質ポリウレタンフォーム用硬化性組成物中の(B)成分のコア層のガラス転移温度は、数式(1)よりケルビン温度(K)で計算し、セルシウス温度(℃)へ換算した。その際に用いた各非架橋性単量体のホモポリマーのTgは次の値を使用した:メチルメタクリレート 378K、ブチルアクリレート 218K、ブチルメタクリレート 293K。
1/Tg=Σ(Mi/Tgi) (1)
(式中、Miは(B)成分のコア層を構成する非架橋性単量体i成分の重量分率、Tgiは非架橋性単量体iのホモポリマーのガラス転移温度(K)を表す。)
ポリオール(A)中にポリマー微粒子(B)が分散した分散物(M)の粘度は、BROOKFIELD社製デジタル粘度計DV−II+Pro型を用いて測定した。スピンドルCPE−41またはCPE−52を使用し、25℃で、Shear Rate(ずり速度)が10(s−1)における粘度を測定した。
硬化性組成物を発泡・硬化させて得られた軟質ポリウレタンフォームを、厚み20mm;縦25mm;横25mmの寸法に切断し、この縦横の中央に、直径16.5mmの円柱状の加圧板を用いて発泡体を毎分100mmの速さで押し込み、厚み方向に5mm(つまり25%)圧縮し、20秒静止した時の力(kgf)を測定した。
硬化性組成物を発泡・硬化させて得られた軟質ポリウレタンフォームを、厚み5mmのシート状に切断し、このシート状発泡体をJIS K−6251の3号ダンベル型に打ち抜いて、23℃にて引っ張り速度200mm/分で引張り試験を行い、最大引張応力(MPa)を測定した。
製造例1−1;コアシェルポリマーラテックス(L−1)の調製
温度計、撹拌機、還流冷却器、窒素流入口、モノマーと乳化剤の添加装置を有するガラス反応器に、脱イオン水193質量部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(EDTA)0.006質量部、硫酸第一鉄・7水和塩(FE)0.0015質量部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(SFS)0.6質量部およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(SDS)0.01質量部を仕込み、窒素気流中で撹拌しながら60℃に昇温した。次にコア層用モノマー(メチルメタクリレート(MMA)72質量部、ブチルアクリレート(BA)15質量部、アリルメタクリレート(ALMA)4質量部)、及び、クメンハイドロパーオキサイド(CHP)0.13質量部の混合物を3時間要して滴下した。また、前記のモノマー混合物の添加とともに、SDSの5質量%水溶液20質量部を3時間にわたり連続的に追加した。モノマー混合物添加終了から1時間撹拌を続けて重合を完結し、アクリルポリマー微粒子を含むラテックスを得た。引き続き、そこに、グラフトモノマー(MMA2質量部、BA8質量部、スチレン(St)2質量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA)1質量部)、及び、CHP0.07質量部の混合物を120分間かけて連続的に添加した。添加終了後、CHP0.07質量部を添加し、さらに2時間撹拌を続けて重合を完結させ、コアシェルポリマー微粒子を含むラテックス(L−1)を得た。モノマー成分の重合転化率は99%以上であった。得られたラテックスに含まれるコアシェルポリマー微粒子の体積平均粒子径は0.31μmであった。
製造例1−1において、コア層用モノマーとして<MMA72質量部、BA15質量部、ALMA4質量部>の代わりに<MMA42質量部、B45質量部、ALMA4質量部>を用いたこと以外は製造例1−1と同様にして、コアシェルポリマーのラテックス(L−2)を得た。得られたラテックスに含まれるコアシェルポリマーの体積平均粒子径は0.39μmであった。
製造例1−1において、コア層用モノマーとして<MMA72質量部、BA15質量部、ALMA4質量部>の代わりに<MMA27質量部、B60質量部、ALMA4質量部>を用いたこと以外は製造例1−1と同様にして、コアシェルポリマーのラテックス(L−3)を得た。得られたラテックスに含まれるコアシェルポリマーの体積平均粒子径は0.29μmであった。
製造例1−1において、コア層用モノマーとして<MMA72質量部、BA15質量部、ALMA4質量部>の代わりに<MMA57質量部、BA30質量部、ALMA4質量部>を用いたこと以外は製造例1−1と同様にして、コアシェルポリマーのラテックス(L−4)を得た。得られたラテックスに含まれるコアシェルポリマーの体積平均粒子径は0.35μmであった。
製造例1−1において、コア層用モノマーとして<MMA72質量部、BA15質量部、ALMA4質量部>の代わりに<MMA57質量部、ブチルメタクリレート(BMA)30質量部、ALMA4質量部>を用いたこと以外は製造例1−1と同様にして、コアシェルポリマーのラテックス(L−5)を得た。得られたラテックスに含まれるコアシェルポリマーの体積平均粒子径は0.35μmであった。
製造例1−1において、最初に仕込むSDSを0.01質量部の代わりに0.4質量部とし、コア層用モノマーとして<MMA72質量部、BA15質量部、ALMA4質量部>の代わりに<MMA57質量部、BA30質量部、ALMA4質量部>を用いたこと以外は製造例1−1と同様にして、コアシェルポリマーのラテックス(L−6)を得た。得られたラテックスに含まれるコアシェルポリマーの体積平均粒子径は0.10μmであった。
製造例1−1において、コア層用モノマーとして<MMA72質量部、BA15質量部、ALMA4質量部>の代わりに<MMA87質量部、ALMA4質量部>を用い、グラフトモノマーとして<MMA2質量部、BA8質量部、St2質量部、4HBA1質量部>の代わりに<MMA3質量部、BA8質量部、St2質量部>を用いたこと以外は製造例1−1と同様にして、コアシェルポリマーのラテックス(L−7)を得た。得られたラテックスに含まれるコアシェルポリマーの体積平均粒子径は0.32μmであった。
製造例1−1において、コア層用モノマーとして<MMA72質量部、BA15質量部、ALMA4質量部>の代わりに<MMA87質量部、ALMA4質量部>を用いたこと以外は製造例1−1と同様にして、コアシェルポリマーのラテックス(L−7)を得た。得られたラテックスに含まれるコアシェルポリマーの体積平均粒子径は0.29μmであった。
製造例1−1において、コア層用モノマーとして<MMA72質量部、BA15質量部、ALMA4質量部>の代わりに<MMA87質量部、ALMA4質量部>を用い、グラフトモノマーとして<MMA2質量部、BA8質量部、St2質量部、4HBA1質量部>の代わりに<MMA1質量部、BA8質量部、St2質量部、4HBA2質量部>を用いたこと以外は製造例1−1と同様にして、コアシェルポリマーのラテックス(L−9)を得た。得られたラテックスに含まれるコアシェルポリマーの体積平均粒子径は0.29μmであった。
製造例1−1において、コア層用モノマーとして<MMA72質量部、BA15質量部、ALMA4質量部>の代わりに<MMA87質量部、ALMA4質量部>を用い、グラフトモノマーを用いないこと以外は製造例1−1と同様にして、コアシェルポリマー構造を有さないポリマー微粒子のラテックス(L−10)を得た。得られたラテックスに含まれるコアシェル構造を有さないポリマーの体積平均粒子径は0.28μmであった。
製造例2−1;分散物(M−1)の調製
25℃の1L混合槽にメチルエチルケトン(MEK)132gを導入し、撹拌しながら、それぞれ前記製造例1−1で得られたコアシェルポリマーラテックス(L−1)を132g(ポリマー微粒子40g相当)投入した。均一に混合後、水200gを80g/分の供給速度で投入した。供給終了後、速やかに撹拌を停止したところ、浮上性の凝集体および有機溶媒を一部含む水相からなるスラリー液を得た。次に、一部の水相を含む凝集体を残し、水相360gを槽下部の払い出し口より排出させた。得られた凝集体にMEK150gを追加して均一に混合し、コアシェルポリマーを均一に分散した分散体を得た。この分散体に、(A)成分である3官能ポリエーテルポリオール(A−1:三洋化成製、サンニックス FA−703、水酸基価:33mgKOH/g)60gを混合した。この混合物から、回転式の蒸発装置で、MEKを除去した。このようにして、(A)成分にポリマー微粒子が分散した分散物(M−1)を得た。
製造例2−1において、コアシェルポリマーラテックスとして(L−1)の代わりに、それぞれ前記製造例1−2〜10で得られた(L−2〜10)を用いたこと以外は製造例2−1と同様にして、(A)成分にポリマー微粒子が分散した分散物(M−2〜10)を得た。
表2に示す処方にしたがって、(A)成分であるサンニックス FA−703(A−1:三洋化成製、3官能ポリエーテルポリオール、水酸基価:33mgKOH/g)、前記製造例2−1〜3で得られた分散物(M−1〜3)、(C)成分である水、(D)成分であるネオスタンU-28(日東化成製、2−エチルヘキサン酸スズ(II))およびDABCO 33−LV(Air Products製、33%のトリエチレンジアミンと67%のジプロピレングリコールの混合物)、(E)成分であるSH−190(東レ・ダウコーニング製、軟質フォーム用シリコーン整泡剤)、をそれぞれ計量しよく混合した。最後に、表2に示す処方にしたがって(F)成分であるTDI(F−1:トリレン−2,4−ジイソシアネート)を計量し、25℃でよく混合したところ、いずれの場合も発泡して硬化し、軟質の発泡体が得られた。
表3に示す処方にしたがって、(A)成分であるサンニックス FA−703またはサンニックス FA−728R(三洋化成製、ポリマーポリオール、水酸基価:27mgKOH/g)、前記製造例2−4〜10で得られた分散物(M−4〜10)、(C)成分である水、(D)成分であるネオスタンU-28およびDABCO 33−LV、(E)成分であるSH−190、をそれぞれ計量しよく混合した。最後に、表3に示す処方にしたがって(F)成分であるTDIを計量し、25℃でよく混合したところ、いずれの場合も発泡して硬化し、軟質の発泡体が得られた。
Claims (13)
- 平均水酸基価が5〜150mgKOH/gであるポリオール(A)、ポリマー微粒子(B)、水(C)、触媒(D)、整泡剤(E)、および、ポリイソシアネート(F)、からなる軟質ポリウレタンフォーム用硬化性組成物であって、
(B)成分が、コア層およびシェル層の少なくとも2層を有するコアシェル構造を有するポリマー微粒子(B)であることを特徴とする軟質ポリウレタンフォーム用硬化性組成物。 - 下記数式(1)より計算した(B)成分のコア層のガラス転移温度(Tg)が0℃より大きいことを特徴とする請求項1に記載の軟質ポリウレタンフォーム用硬化性組成物。
1/Tg=Σ(Mi/Tgi) (1)
(式中、Miは(B)成分のコア層を構成する非架橋性単量体i成分の重量分率、Tgiは非架橋性単量体iのホモポリマーのガラス転移温度(K)を表す。) - (A)成分が、ポリエーテルポリオールである請求項1または2に記載の軟質ポリウレタンフォーム用硬化性組成物。
- ポリエーテルポリオールがポリオキシプロピレンポリオールである請求項3に記載の軟質ポリウレタンフォーム用硬化性組成物。
- (B)成分のコア層が、(メタ)アクリレート系重合体であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の軟質ポリウレタンフォーム用硬化性組成物。
- (B)成分のコア層が、非架橋性単量体80〜99質量%、および、架橋性単量体20〜1質量%からなる単量体混合物を重合して得られる重合体であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の軟質ポリウレタンフォーム用硬化性組成物。
- (B)成分のシェル層が、(メタ)アクリレート系重合体であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の軟質ポリウレタンフォーム用硬化性組成物。
- (B)成分のシェル層が、水酸基を有することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の軟質ポリウレタンフォーム用硬化性組成物。
- (B)成分のシェル層中の水酸基の含有量が、0.05〜3.5mmol/gであることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の軟質ポリウレタンフォーム用硬化性組成物。
- (B)成分が、水酸基を有するモノマー成分を、コア層にグラフト重合してなるシェル層を有することを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の軟質ポリウレタンフォーム用硬化性組成物。
- (B)成分が、該硬化性組成物中で1次粒子の状態で分散していることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の軟質ポリウレタンフォーム用硬化性組成物。
- 平均水酸基価が5〜150mgKOH/gであるポリオール(A)、ポリマー微粒子(B)、水(C)、触媒(D)、整泡剤(E)、および、ポリイソシアネート(F)、からなる硬化性組成物を反応させて得られる軟質ポリウレタンフォームの製造方法であって、(B)成分が、コア層およびシェル層の少なくとも2層を有するコアシェル構造を有するポリマー微粒子(B)であることを特徴とする軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
- 下記数式(1)より計算した(B)成分のコア層のガラス転移温度(Tg)が0℃より大きいことを特徴とする請求項12に記載の軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
1/Tg=Σ(Mi/Tgi) (1)
(式中、Miは(B)成分のコア層を構成する非架橋性単量体i成分の重量分率、Tgiは非架橋性単量体iのホモポリマーのガラス転移温度(K)を表す。)
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